JP2022058313A - 情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】見守り対象者の金銭取引に係る異常性の有無を精度よく判定することが期待できる情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供する。【解決手段】本実施の形態に係る情報処理方法は、対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する情報処理方法であって、情報処理装置が、時系列の金銭取引情報を入力として受け付けて金銭取引に係る特徴量を出力するよう訓練された学習モデルを用いて、前記対象者の金銭取引情報を取得し、取得した時系列の前記金銭取引情報を前記学習モデルへ入力し、当該学習モデルが出力する特徴量を取得し、取得した特徴量に関する評価値を、過去に取得した特徴量の分布に基づいて算出し、算出した評価値に基づいて、前記対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、見守り対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する情報処理方法、この情報処理方法を実行する情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
電話、手紙又は電子メール等により相手を騙し、金銭の振り込み等を要求する振り込め詐欺が社会問題となっている。また社会の高齢化に伴って、認知症等に起因した不適切な金銭の取引が行われることが問題視されている。このような詐欺被害又は不正な取引から高齢者等を守るため、高齢者等の口座取引を家族が見守ることを支援するサービスが提案されている。
特許文献1においては、口座名義人から出金要求があった際に、許諾者の電話番号に発信して許諾者に口座名義人と直接会話させ、口座名義人と許諾者の会話が終了した後に、許諾者の許諾に基づいて当該出金を実行させる出金許諾システムが提案されている。
特開2012-185734号公報
特許文献1に記載の出金許諾システムでは、口座名義人が出金するためには必ず許諾者の許諾が必要であるため、口座名義人にとっても許諾者にとっても出金が煩わしいものになってしまうという問題がある。このため、見守り対象者の出金等の金銭取引について、通常とは異なる金銭取引がなされた場合にのみ、対象者を見守るユーザに対して通知等が行われることが好ましい。しかしながら、通常とは異なる金銭取引がなされたことを検知することは難しい。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、見守り対象者の金銭取引に係る異常性の有無を精度よく判定することが期待できる情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
一実施形態に係る情報処理方法は、対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する情報処理方法であって、情報処理装置が、対象者による金銭取引の金額に係る情報を少なくとも含む金銭取引情報を所定期間分含む時系列の金銭取引情報を入力として受け付けて、前記対象者の金銭取引に係る多次元ベクトルの特徴量を出力するよう訓練された学習モデルを用いて、前記対象者の金銭取引情報を取得し、取得した時系列の前記金銭取引情報を前記学習モデルへ入力し、当該学習モデルが出力する特徴量を取得し、取得した特徴量に関する評価値を、過去に取得した特徴量の分布に基づいて算出し、算出した評価値に基づいて、前記対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定し、前記学習モデルから取得した複数の特徴量について、変化が大きい方向を特定し、前記複数の特徴量から特定した方向についての特徴量成分を抽出し、特定した方向を軸とする座標系に、抽出した特徴量成分に基づくプロットを行ったグラフを表示部に表示する処理を行う。
一実施形態による場合は、見守り対象者の金銭取引に係る異常性の有無を精度よく判定することが期待できる。
本実施の形態に係る情報処理システムの概要を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る見守りサーバ装置の構成を示すブロック図である。 見守りDBの一構成例を説明するための模式図である。 金銭取引DBの一構成例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係るユーザ端末装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係る特徴量モデルの一構成例を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る特徴量モデルの学習処理を説明するための模式図である。 判定モジュールが扱う行列を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る見守りサーバ装置が行う異常判定処理を説明するための模式図である。 本実施の形態に係る見守りサーバ装置が行う異常判定処理の手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に係るユーザ端末装置が行う異常通知処理の手順を示すフローチャートである。 特徴量の可視化の一例を示すグラフである。
本発明の実施形態に係る情報処理システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの概要を説明するための模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムは、例えば高齢者又は未成年等の見守り対象者による金銭取引を、その家族又は後見人等のユーザが見守ることを支援するシステムである。以下、見守り対象者を単に対象者と称する場合がある。見守り対象者の金銭取引には、例えば銀行口座からの預金の引き出し、他人への振り込み、商品等の購入、クレジットカードの使用、借金の契約、物品の売却、先物取引及び信用取引等の種々の取引が含まれ得る。また見守り対象者及びこれを見守るユーザの関係は、例えば親及びその子供、並びに、子供及びその親等の家族関係に限らず、被後見人及びその後見人等のような種々の関係が含まれ得る。本実施の形態において、ユーザは対象者の金銭取引を見守る側の人であり、対象者は金銭取引を見守られる側の人である。
本実施の形態に係る情報処理システムは、見守りサーバ装置1と、ユーザが使用するユーザ端末装置3とを備えて構成されている。見守りサーバ装置1は、予め登録された見守り対象者の口座情報等に基づいて、見守り対象者の金銭取引に係る取引情報を金融サーバ装置5から定期的に取得し、金銭取引の異常度の算出及び異常性の有無の判定等の処理を行う。見守りサーバ装置1は、対象者の金銭取引に異常があると判定した場合、この対象者を見守るユーザが使用するユーザ端末装置3へ通知を行う。異常を通知されたユーザは、例えば見守り対象者に連絡を取る、異常な取引の停止又はキャンセル等を申請する、及び、専門家に相談する等の種々の対処を行うことができる。
なお図1においては、金融サーバ装置5を1つのみ図示しているが、金融サーバ装置5には種々の装置が含まれ得る。例えば金融サーバ装置5には、見守り対象者が口座又はID等を有する銀行、証券会社、クレジットカード会社、又は、消費者金融会社等が管理運営するサーバ装置が含まれ得る。また例えば金融サーバ装置5には、仮想通貨、電子マネー又はキャッシュレス決済等による売買を管理するサーバ装置が含まれ得る。金融サーバ装置5は、上記のものに限らず、見守り対象者の金銭取引に関する情報を記憶又は管理等する装置であればどのような装置であってもよい。
金融サーバ装置5は、見守り対象者の口座に関する情報を記憶している。金融サーバ装置5が記憶する情報には、例えば対象者の氏名、年齢、住所、連絡先、金融機関名、支店名、口座種別及び口座番号等の書誌情報と、口座の残高、取引の金額、取引種別(例えば入金、出金、振込又は振替等)、取引日時及び取引相手等の取引情報とが含まれ得る。金融サーバ装置5は、対象者の氏名及び口座番号等を指定した見守りサーバ装置1からの情報提供の要求に応じて、指定された対象者の取引情報を送信する。
ユーザ端末装置3には、例えばスマートフォン、タブレット型端末装置又はパーソナルコンピュータ等の種々の情報処理装置が用いられ得る。例えばユーザは自身のスマートフォンに本実施の形態に係る情報処理システムのためのアプリケーションプログラムをインストールすることによって、このスマートフォンを本実施の形態に係る情報処理システムのユーザ端末装置3として用いることができる。
見守りサーバ装置1は、本実施の形態に係る情報処理システムを提供する会社又は組織等が運営するサーバ装置である。見守りサーバ装置1は、見守り対象者を識別する識別情報、対象者が有する一又は複数の口座情報、及び、対象者を見守るユーザ又はこのユーザが使用するユーザ端末装置3を識別する識別情報等の情報を対応付けて記憶するデータベースを有している。見守りサーバ装置1は、このデータベースに予め登録された見守り対象者について、金融サーバ装置5から取引情報を取得し、金銭取引に関する異常性の有無の判定及び判定結果に基づくユーザへの通知等の処理を行う。
本実施の形態において見守りサーバ装置1は、予め機械学習がなされた学習済の学習モデルを備えており、この学習モデルを用いて見守り対象者の金銭取引に関する異常性の有無を判定する。学習モデルは、例えば見守り対象者の時系列の金銭取引情報を入力として受け付け、この金銭取引の特徴を示す特徴量を出力する。見守りサーバ装置1は、学習モデルが出力する金銭取引の特徴量を取得し、過去の特徴量の分布との比較に基づいて、金銭取引に関する評価値として金銭取引の異常度を算出する。見守りサーバ装置1は、算出した異常度が予め設定された閾値を超えるか否かの判定を行い、異常度が閾値を超える場合に通常とは異なる異常な金銭取引がなされたと判定して、対象者を見守るユーザのユーザ端末装置3へ通知を行う。
<装置構成>
図2は、本実施の形態に係る見守りサーバ装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、処理部11、記憶部(ストレージ)12及び通信部(トランシーバ)13等を備えて構成されている。なお本実施の形態においては、1つのサーバ装置にて処理が行われるものとして説明を行うが、複数のサーバ装置が分散して処理を行ってもよい。
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory)、及び、RAM(Random Access Memory)等を用いて構成されている。処理部11は、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを読み出して実行することにより、見守り対象者の金銭取引に関する異常を判定する処理、及び、金銭取引に関する異常をユーザへ通知する処理等の種々の処理を行う。
記憶部12は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部12は、処理部11が実行する各種のプログラム、及び、処理部11の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部12は、処理部11が実行するサーバプログラム12aと、予め機械学習がなされた学習済の特徴量モデル12bと、この特徴量モデル12bの学習処理に用いられる判定モジュール12cとを記憶している。また記憶部12には、見守り対象者及びこれを見守るユーザ等に関する情報を記憶する見守りDB(データベース)12dと、見守り対象者の金銭取引に関する情報を記憶する金銭取引DB12eとが設けられている。
本実施の形態においてサーバプログラム12aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録された態様で提供され、見守りサーバ装置1は記録媒体99からサーバプログラム12aを読み出して記憶部12に記憶する。ただし、サーバプログラム12aは、例えば見守りサーバ装置1の製造段階において記憶部12に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム12aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものを見守りサーバ装置1が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム12aは、記録媒体99に記録されたものを書込装置が読み出して見守りサーバ装置1の記憶部12に書き込んでもよい。サーバプログラム12aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、いわゆる人工知能を活用して見守り対象者の金銭取引に関する特徴量の算出及び異常の判定等の処理を行うものであり、これらの処理に用いる特徴量モデル12bを有している。特徴量モデル12bは、予め機械学習がなされた学習済の学習モデルであり、例えばニューラルネットワーク又はSVM(Support Vector Machine)等の学習モデルが採用され得る。本実施の形態において特徴量モデル12bは、見守りサーバ装置1によって学習及び再学習の処理が行われる。ただし、特徴量モデル12bの学習及び再学習の処理は別の装置で行われてもよく、この場合に特徴量モデル12bは、例えばサーバプログラム12aと共に記録媒体99を介して提供されてもよく、また例えばサーバプログラム12aとは別に他のサーバ装置等により配信されてもよく、どのような態様で提供されてもよい。
判定モジュール12cは、特徴量モデル12bの学習処理を行う際に用いられるソフトウェアモジュールである。本実施の形態において判定モジュール12cは、特徴量モデル12bが出力した2つの特徴量が、同じ人物による金銭取引に関するものであるか否かを判定する処理を行うモジュールである。判定モジュール12cは、例えばサーバプログラム12a又は特徴量モデル12bと共に提供されてもよく、これらとは別に提供されてもよい。特徴量モデル12b及び判定モジュール12cの詳細については後述する。
図3は、見守りDB12dの一構成例を説明するための模式図である。本実施の形態に係る見守りDB12dには、例えば「対象者ID」に対して「口座情報」及び「ユーザ情報」が対応付けて記憶されている。「対象者ID」は、見守りの対象者に対して一意に付される識別情報である。「口座情報」は、見守り対象者が有する金融機関の口座に関する情報であり、例えば「金融機関情報」及び「口座番号」等の情報を含む。「金融機関情報」は、見守り対象者の口座を管理する機関を識別するための情報であり、例えば金融機関名及び支店名等の情報を含んで構成される。「口座番号」は、見守り対象者の口座に対して一意に付される識別番号である。「ユーザ情報」は、対象者を見守るユーザに関する情報であり、異常通知等の送信先を特定するための情報である。「ユーザ情報」には、例えば「ユーザID」及び「端末ID」等の情報を含む。「ユーザID」は、ユーザに対して一意に付された識別情報である。「端末ID」は、ユーザが所有するユーザ端末装置3に対して一意に付された識別情報である。なおこれらの情報は、本実施の形態に係る見守り支援システムのサービスの利用開始時にユーザが登録することによって、見守りDB12dに記憶される。
図示の例では、見守り対象者の「対象者A」が、「金融機関X」の口座番号「0123」の口座と「金融機関Y」の口座番号「4567」の口座とを有し、この対象者に関する通知等を「ユーザa」の「端末i」へ送信することが見守りDB12dに記憶されている。また、見守り対象者の「対象者B」が、「金融機関Z」の口座番号「8901」の口座を有し、この対象者に関する通知等を「ユーザb」の「端末j」へ送信することが見守りDB12dに記憶されている。見守りサーバ装置1は、見守りDB12dに登録された見守り対象者について、口座情報に示される口座の取引情報を金融サーバ装置5から取得して特徴量算出及び異常判定等の処理を行い、処理結果をユーザ情報に示される送信先へ送信する。
なお、図示の例では、1人の「対象者ID」に対して1人の「ユーザ情報」が対応づけられているが、1人の「対象者ID」に対して複数の「ユーザ情報」が対応づけられてもよい。これにより、1人の対象者の金銭取引を複数のユーザで見守ることができる。また、図示の例では、1人の「口座情報」に対して1人の「ユーザ情報」が対応づけられているが、1人の「口座情報」に対して複数の「ユーザ情報」が対応づけられてもよい。これにより、1人の口座の金銭取引を複数のユーザで見守ることができる。
図4は、金銭取引DB12eの一構成例を説明するための模式図である。本実施の形態に係る金銭取引DB12eは、例えば「対象者ID」に対して「口座番号」、「年月日・曜日」、「入金総額」、「出金総額」、「取引回数」及び「特徴量」等の情報を対応付けて金銭取引情報として記憶するデータベースである。「対象者ID」は、見守りの対象者に対して一意に付される識別情報である。「口座番号」は、見守り対象者の口座に対して一意に付される識別番号である。金銭取引DB12eに記憶される「対象者ID」及び「口座番号」は、上述の見守りDB12dに記憶される「対象者ID」及び「口座番号」と同じものである。「年月日・曜日」は、見守り対象者が金銭取引を行った日付及び曜日である。「入金総額」は、その日に見守り対象者が行った金銭取引のうち、入金に関する金銭取引の取引金額の総額である。「出金総額」は、その日に見守り対象者が行った金銭取引のうち、出金に関する金銭取引の取引金額の総額である。「取引回数」は、その日に見守り対象者が行った入金及び出金の両方について合算した取引回数である。「特徴量」は、この金銭取引情報についての特徴を示すものであり、記憶部12の特徴量モデル12bを用いて算出される。
本実施の形態において見守りサーバ装置1が金銭取引DB12eに記憶する各金銭取引情報は、1人の対象者の1つの口座について、1日に行われた金銭取引をまとめたものである。例えば見守り対象者が同じ日に2回の入金と1回の出金とを行った場合、金銭取引DB12eの金銭取引情報には、「入金総額」として2回の入金による総額が記憶され、「出金総額」として1回の出金の金額(総額)が記憶され、「取引回数」として入金回数及び出金回数の合計値として3回が記憶される。
図示の例では、見守り対象者の「対象者A」の口座番号「0123」の口座について、「2020年9月29日の火曜日」に金銭取引が「1回」行われており、その「入金総額」が「20000円」であり、「出金総額」が「0円」であることが記憶されている。また同じ口座について、「2020年9月30日の水曜日」に金銭取引が「2回」行われており、その「入金総額」が「0円」であり、「出金総額」が「15000円」であることが記憶されている。この場合、2回の金銭取引がいずれも出金であったことは分かるが、各金銭取引において出金された個別の金額は分からない。
なお図示の例では、金銭取引DB12eには「対象者A」の口座番号「0123」に関する金銭取引情報のみが記憶されているが、複数の対象者及び複数の口座に関する金銭取引情報が記憶されてよい。また金銭取引情報を口座毎に金銭取引情報を作成するのではなく、同じ日の金銭取引について複数の口座での取引をまとめて1つの金銭取引情報としてもよい。また逆に、同じ日の金銭取引について金銭取引情報をまとめるのではなく、1回の金銭取引毎に金銭取引情報が作成されてもよい。また金銭取引が行われなかった日については、例えば金銭取引DB12eに金銭取引情報が記憶されなくてもよく、また例えば総額を0円、取引回数を0回とした金銭取引情報が記憶されてもよい。
本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、例えば1日に1回の頻度で金融サーバ装置5との通信を行い、見守り対象者について前日の金銭取引に関する情報を取得する。このときに金融サーバ装置5から得られる金銭取引に関する情報は、例えば1回の金銭取引について情報が1つにまとめられたものである。見守りサーバ装置1は、金融サーバ装置5から取得した金銭取引に関する情報を基に、入金総額、出金総額及び取引回数等を算出することで、対象者毎に1日に1つの金銭取引情報を作成して金銭取引DB12eに記憶する。また見守りサーバ装置1は、金融サーバ装置5から取得した最新の金銭取引情報と、これ以前の金銭取引情報とを含む時系列の金銭取引情報を基に、記憶部12の特徴量モデル12bを用いて算出した特徴量を、最新の金銭取引情報の特徴量として記憶部12の金銭取引DB12eに記憶する。
見守りサーバ装置1の通信部13は、携帯電話通信網及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部13は、ネットワークNを介して、ユーザ端末装置3及び金融サーバ装置5との間で通信を行う。通信部13は、処理部11から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部11へ与える。
なお記憶部12は、見守りサーバ装置1に接続された外部記憶装置であってよい。また見守りサーバ装置1は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また見守りサーバ装置1は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
また本実施の形態に係る見守りサーバ装置1の処理部11には、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを処理部11が読み出して実行することにより、取引情報取得部11a、特徴量取得部11b、異常度算出部11c、異常判定部11d、表示処理部11e及び学習処理部11f等が、ソフトウェア的な機能部として処理部11に実現される。
取引情報取得部11aは、金融サーバ装置5から見守り対象者の金銭取引情報を取得する処理を行う。取引情報取得部11aは、見守りDB12dに登録された各対象者の各口座について、例えば1日に1回等の所定周期で、金融サーバ装置5から金銭取引情報を繰り返し取得し、取得した取引情報を適宜に加工又は編集して記憶部12の金銭取引DB12eに記憶する。
特徴量取得部11bは、見守り対象者の金銭取引情報の特徴量を取得する処理を行う。特徴量取得部11bは、記憶部12の金銭取引DB12eに記憶された見守り対象者の金銭取引情報から、例えば過去1ヶ月間の金銭取引のように、最新の金銭取引情報を含む予め定められた期間の金銭取引情報を取得する。又は、特徴量取得部11bは、例えば過去20回分の金銭取引のように、最新の金銭取引情報を含む予め定められた回数の金銭取引情報を取得してもよい。特徴量取得部11bは、取得した所定期間の複数の金銭取引情報を時系列に並べ、時系列の金銭取引情報とする。特徴量取得部11bは、時系列の金銭取引情報を、記憶部12の特徴量モデル12bへ入力する。本実施の形態に係る特徴量モデル12bは、時系列の金銭取引情報を入力として受け付けて、入力された金銭取引情報に係る金銭取引の特徴を示す特徴量を出力するように予め機械学習がなされた学習済みの学習モデルである。特徴量取得部11bは、特徴量モデル12bが出力する特徴量を取得することで、見守り対象者の金銭取引に係る特徴量を取得する。特徴量取得部11bは、取得した特徴量を、特徴量モデル12bへ入力した時系列の金銭取引情報のうちの最新の金銭取引情報についての特徴量として、記憶部12の金銭取引DB12eに記憶する。
異常度算出部11cは、特徴量取得部11bが取得した見守り対象者の最新の金銭取引の特徴量と、この見守り対象者の過去の複数の金銭取引の特徴量とに基づいて、最新の金銭取引についての異常度を算出する処理を行う。なお本実施の形態において、特徴量取得部11bが取得する特徴量は例えば32次元~256次元等の多次元のベクトルであり、異常度算出部11cは、多次元のベクトルから1つのスカラー値を異常度として算出する。
異常判定部11dは、異常度算出部11cが算出した異常度に基づいて、見守り対象者の金銭取引に関する異常性の有無を判定する処理を行う。本実施の形態において異常判定部11dは、異常度との比較を行う閾値を予め記憶しており、異常度算出部11cが算出した異常度が閾値を超えるか否かを判定する。異常判定部11dは、異常度が閾値を超える場合、見守り対象者の金銭取引に異常があると判定する。異常判定部11dは、見守り対象者の金銭取引に異常ありと判定した場合に、この見守り対象者を見守るユーザのユーザ端末装置3へ異常通知を送信することにより、ユーザ端末装置3に金銭取引の異常を通知する画面又はメッセージ等を表示させる処理を行う。
表示処理部11eは、特徴量モデル12bを用いて算出された見守り対象者の金銭取引に関する特徴量を可視化したグラフを表示する処理を行う。表示処理部11eは、グラフ表示を行うためのデータ(画像データなど)を作成してユーザ端末装置3へ送信することにより、ユーザ端末装置3に見守り対象者の金銭取引の特徴を可視化したグラフを表示することができる。なおこのグラフ表示は、ユーザ端末装置3においてユーザ向けに行われるのではなく、例えば本システムの管理者向けに見守りサーバ装置1又はこれに接続された装置等において行われてもよく、また例えば金融機関の担当者向けに金融サーバ装置5又はこれに接続された装置等において行われてもよい。
学習処理部11fは、特徴量モデル12bに対する機械学習の処理を行う。本実施の形態において学習処理部11fは、特徴量モデル12bの学習処理において、記憶部12に記憶された判定モジュール12cを用いる。判定モジュール12cは、特徴量モデル12bが出力した2つの特徴量が、同じ人物による金銭取引に関するものであるか否かを判定する処理を行うモジュールである。学習処理部11fは、特徴量モデル12bの出力を判定モジュール12cへ入力するように特徴量モデル12b及び判定モジュール12cを接続し、特徴量モデル12bの入力である時系列の金銭取引情報と、判定モジュール12cの出力である判定結果とを対応付けた教師データを用いて機械学習を行う。教師データは、例えば2人分の時系列の金銭取引情報と、この2つの金銭取引情報が同じ人物のものであるか否かを示す値とを対応付けたデータとすることができる。また学習処理に用いる教師データは、少なくとも最初の学習処理においては、例えば金融サーバ装置5に蓄積された過去の取引情報に基づいて、見守り支援システムの設計者又は管理者等が予め作成したデータが用いられる。2回目以降の学習処理(再学習処理)においては、見守り支援システムの運営に伴って蓄積したデータを用いて、学習処理部11fが教師データを作成して特徴量モデル12bを再学習してよい。
図5は、本実施の形態に係るユーザ端末装置3の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るユーザ端末装置3は、処理部31、記憶部(ストレージ)32、通信部(トランシーバ)33、表示部(ディスプレイ)34及び操作部35等を備えて構成されている。ユーザ端末装置3は、対象者を見守る家族又は後見人等のユーザが使用する装置であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末装置又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成され得る。
処理部31は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM及び等を用いて構成されている。処理部31は、記憶部32に記憶されたプログラム32aを読み出して実行することにより、見守りサーバ装置1から送信される見守り対象者に関する情報を受信する処理、及び、受信した情報を表示する処理等の種々の処理を行う。
記憶部32は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子を用いて構成されている。記憶部32は、処理部31が実行する各種のプログラム、及び、処理部31の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部32は、処理部31が実行するプログラム32aを記憶している。本実施の形態においてプログラム32aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これをユーザ端末装置3が通信にて取得し、記憶部32に記憶する。ただしプログラム32aは、例えばユーザ端末装置3の製造段階において記憶部32に書き込まれてもよい。例えばプログラム32aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体98に記録されたプログラム32aをユーザ端末装置3が読み出して記憶部32に記憶してもよい。例えばプログラム32aは、記録媒体98に記録されたものを書込装置が読み出してユーザ端末装置3の記憶部32に書き込んでもよい。プログラム32aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体98に記録された態様で提供されてもよい。
通信部33は、携帯電話通信網及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部33は、ネットワークNを介して、見守りサーバ装置1との間で通信を行う。通信部33は、処理部31から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部31へ与える。
表示部34は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部31の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部35は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部31へ通知する。例えば操作部35は、機械式のボタン又は表示部34の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける。また例えば操作部35は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであってよく、これらの入力デバイスはユーザ端末装置3に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
また本実施の形態に係るユーザ端末装置3は、記憶部32に記憶されたプログラム32aを処理部31が読み出して実行することにより、異常通知受信部31a及び表示処理部31b等がソフトウェア的な機能部として処理部31に実現される。なおプログラム32aは、本実施の形態に係る見守り支援システムに専用のプログラムであってもよく、インターネットブラウザ又はウェブブラウザ等の汎用のプログラムであってもよい。
異常通知受信部31aは、見守りサーバ装置1が見守り対象者の金銭取引に異常があるとの判定した場合に送信する異常通知を受信する処理を行う。異常通知受信部31aは、見守りサーバ装置1からの異常通知を受信した場合に、いわゆるプッシュ通知によりユーザに異常を通知してもよい。プッシュ通知は、例えばユーザ端末装置3がスマートフォンである場合、スマートフォンのホーム画面又はロック画面等の基本画面において異常を通知するメッセージを表示するものである。異常通知受信部31aは、見守り支援システムに専用のアプリケーションプログラムにより表示される専用の情報表示要画面ではなく、アプリケーションプログラムを起動するためのアイコン等が並べて表示されたホーム画面もしくはデスクトップ画面、ユーザ認証のための情報入力を要求するロック画面もしくはログイン画面、ユーザが一定時間に亘って操作等を行わない場合に特定の画像を表示する待受け画面、又は、別のアプリケーションプログラムによる画像等が表示された状態で、通知のためのメッセージを表示するプッシュ通知を行うことができる。
表示処理部31bは、見守り対象者の金銭取引に係る情報を表示部34に表示する処理を行う。表示処理部31bは、例えば見守り支援システムに専用の画面を表示し、この画面において種々の情報表示を行う。表示処理部31bは、見守りサーバ装置1から受信した情報に基づいて、例えば見守り対象者の金銭取引の異常性の有無、及び、異常と判定された金銭取引に関する詳細情報等を表示する。また表示処理部31bは、見守りサーバ装置1から受信する画像データ等に基づいて、例えば見守り対象者の金銭取引の特徴を可視化したグラフの表示を行ってもよい。
<特徴量モデル>
図6は、本実施の形態に係る特徴量モデル12bの一構成例を説明するための模式図である。本実施の形態に係る特徴量モデル12bは、例えば複数のニューロンが相互に結合したニューラルネットワークの構造をなしている。既存の技術であるため詳しい説明は省略するが、ニューロンは複数の入力に対して演算を行い、演算結果として1つの値を出力する素子である。ニューロンは、演算に用いられる重み付けの係数及び閾値等の情報を有している。ニューラルネットワークの特徴量モデル12bは、一又は複数のデータの入力を受け付ける入力層と、入力層にて受け付けられたデータに対して演算処理を行う中間層と、中間層の演算結果を集約して一又は複数の値を出力する出力層とを備えている。
本実施の形態に係る特徴量モデル12bは、見守り対象者の金銭取引に関する時系列の金銭取引情報を入力として受け付ける。図示の例では金銭取引情報1から金銭取引情報NまでのN回分の金銭取引情報が特徴量モデル12bへ入力されている。これらのうち、金銭取引情報1が最も古い取引情報であり、金銭取引情報Nが最も新しい取引情報である。各金銭取引情報には、金銭取引の年月日、曜日、入金総額、出金総額及び取引回数等の情報が含まれている。見守り対象者の「時系列の金銭取引情報」は、最新の金銭取引情報と、これから遡った(N-1)個の金銭取引情報とを、取引年月日の順に並べた情報である。特徴量モデル12bは、この時系列の金銭取引情報の入力に対して、最新の金銭取引情報Nに対応する特徴量を出力する。特徴量モデル12bが出力する特徴量は、例えば32次元~256次元の多次元のベクトル情報である。
図7は、本実施の形態に係る特徴量モデル12bの学習処理を説明するための模式図である。本実施の形態においては、見守りサーバ装置1が判定モジュール12cを用いて特徴量モデル12bの学習処理を行う。判定モジュール12cは、特徴量モデル12bが出力した2つの特徴量が、同じ人物の金銭取引を示すものであるか否かを判定する処理を行うモジュールである。判定モジュール12cは、例えば内積演算部121(図中では「内積」と略示する)と、ソフトマックス関数演算部122(図中では「ソフトマックス」と略示する)とを備えている。内積演算部121は、2つの特徴量のベクトルについて内積を算出する。ソフトマックス関数演算部122は、複数の入力値に対して、指数関数を適用した後、合計が「1」となるよう各値を調整したものを出力する関数である。即ち、判定モジュール12cは、2つの特徴量のベクトルの向きが同じ又は近いほど、「1」に近い値を出力する。
本実施の形態における特徴量モデル12bの学習処理においては、例えば金融機関を利用したM人についての多数の情報の中から、時系列の金銭取引情報(N個の情報)を異なる期間を対象に1人に付き2つずつ取得し、それぞれを別グループとして2つの時系列の金銭取引情報のグループを作成する。本図の左端には、特徴量モデル12bへの入力情報として、グループ1及びグループ2に分けられたM人分の時系列の金銭取引情報が上下にそれぞれ図示されている。各グループには、M人分の時系列の金銭取引情報が含まれ、同じ人物の情報は含まれていない。グループ1及びグループ2には、同じ人物の時系列の金銭取引情報が一組だけ含まれる。各グループのM人分の時系列の金銭取引情報はそれぞれ適宜の順番で特徴量モデル12bへ入力され、各グループについてM個の特徴量のベクトルがそれぞれ得られる。なお本図には特徴量モデル12bが2つ図示されているが、これは同じものである。
グループ1のM個の特徴量のベクトルと、グループ2のM個の特徴量のベクトルとからそれぞれ1個ずつが選択されて、判定モジュール12cの内積演算部121へ入力され、2つのベクトルの内積が算出される。この演算を全組み合わせについて行うと(M×M)個の内積が得られ、判定モジュール12cの内部ではこれをM×Mの行列として扱う。
図8は、判定モジュール12cが扱う行列を説明するための模式図である。例えばM人の見守り対象者をA1,A2,…,Am(m=1,2,…,M)とする。見守り対象者のグループ1についての特徴量をF1,F2,…,Fmとし、グループ2についての特徴量をG1,G2,…,Gmとする。グループ1の特徴量F1とグループ2の特徴量G1との内積をS11とし、グループ1の特徴量F1とグループ2の特徴量G2との内積をS12とすると、M個のグループ1の特徴量F1,F2,…,FmとM個のグループ2の特徴量G1,G2,…,Gmとの全組み合わせについて、内積は(M×M)個得られる。この(M×M)個の内積を、図8の上段に示すように、(M×M)個の要素を持つ行列とする。
この行列の各要素Sijは、添え字のi及びjについてi=jが成立するものは、同じ人物に関する時系列の金銭取引情報から得られた2つの特徴量の内積である。逆にi≠jが成立するものは、異なる人物に関する時系列の金銭取引情報から得られた2つの特徴量の内積である。よってこの行列をソフトマックス関数演算部122へ入力して得られる出力の行列は、図8の下段に示すように、i=jの要素が「1」であり、i≠jの要素が「0」の単位行列となることが理想である。ただし、ソフトマックス関数演算部122は、入力された行列の各行又は各列について、合計が「1」となるように出力行列を生成するものとする。また出力値「1」は2つの特徴量が同じ人物の金銭取引情報に関するものであることを示し、出力値「0」は2つの特徴量が異なる人物の金銭取引情報であることを示す。
よって本実施の形態に係る特徴量モデル12bの学習処理では、グループ1となるM人分の時系列の金銭取引情報とグループ2となるM人分の時系列の金銭取引情報に対して、判定モジュール12cが出力する同じ人物であるか否かの判定結果の行列を単位行列としたデータを教師データとして用いる。例えば、見守りサーバ装置1又は本システムの設計者等は、金融サーバ装置5が記憶している多数の金銭取引情報から適宜に時系列の金銭取引情報を抽出して、上記の教師データを多数作成する。見守りサーバ装置1は、図7に示すように特徴量モデル12b及び判定モジュール12cを接続した学習用の環境を構築し、上記の教師データを用いて、特徴量モデル12bの学習処理を行う。これにより見守りサーバ装置1は、同じ人物の時系列の金銭取引情報を入力した場合に同じ又は近い特徴量を出力するよう、特徴量モデル12bを学習することができる。
学習モデルの学習処理(教師あり学習)は、予め与えられた多数の教師データを用いて、ニューラルネットワークを構成する各ニューロンの係数及び閾値等に適切な値を設定する処理である。本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、上述のように複数人の時系列の金銭取引情報と、判定モジュール12cの判定結果として同じ人の金銭取引について「1」とし、異なる人の金銭取引について「0」とした情報とを対応付けた教師データを用いて、例えば勾配降下法、確率的勾配降下法又は誤差逆伝播法等の手法により学習がなされる。即ち本実施の形態においては、図7に示す学習環境において、複数人の金銭取引情報の入力に対し、判定モジュール12cが同じ人の金銭取引情報を同じ人の金銭取引情報であると判定するように、特徴量モデル12bが学習される、
見守りサーバ装置1は、学習処理により訓練された特徴量モデル12bについて、複数のニューロンを接続したニューラルネットワークの構成情報、並びに、各ニューロンの係数及び閾値等の値等を含むデータを、特徴量モデル12bとして記憶部12に記憶する。見守りサーバ装置1は、記憶部12に記憶した特徴量モデル12bを用いて、見守り対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する処理を行う。
<異常判定処理>
図9は、本実施の形態に係る見守りサーバ装置1が行う異常判定処理を説明するための模式図である。本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、金融サーバ装置5から見守り対象者の金銭取引情報を取得して、取得した最新の金銭取引情報とこれ以前の所定期間又は所定数の金銭取引情報とを時系列で並べることによって、見守り対象者の時系列の金銭取引情報を作成する。見守りサーバ装置1は、見守り対象者の時系列の金銭取引情報を特徴量モデル12bへ入力し、特徴量モデル12bが出力する多次元ベクトルの特徴量を取得する。なお見守りサーバ装置1は、金融サーバ装置5から取得した金銭取引情報と、特徴量モデル12bから取得した特徴量とを対応付けて、記憶部12の金銭取引DB12eに記憶する。
次いで見守りサーバ装置1の異常度算出部11cは、特徴量モデル12bから取得した特徴量に基づいて、見守り対象者の金銭取引に係る異常度を算出する。なお本実施の形態において見守りサーバ装置1は、見守り対象者の金銭取引を評価した評価値として、金銭取引に係る異常度を算出するが、これに限るものではなく、例えば金銭取引に係る正常度を算出してもよく、これ以外の評価値を算出してもよい。本実施の形態に係る異常度算出部11cは、特徴量モデル12bが出力した見守り対象者の金銭取引に関する特徴量と、金銭取引DB12eに記憶されたこの見守り対象者の過去の金銭取引に関する複数の特徴量とに基づいて、異常度を算出する。詳しくは、異常度算出部11cは、特徴量モデル12bが出力した特徴量と、過去の所定期間に亘る特徴量の平均及び標準偏差とに基づいて、異常度を算出する。
例えば、特徴量モデル12bが出力した特徴量をA=(a1,a2,…,an)とし、例えば過去1年間における見守り対象者の金銭取引の特徴量の平均をμ=(μ1,μ2,…,μn)とし、標準偏差をσ=(σ1,σ2,…,σn)とする。なお平均及び標準偏差は、ベクトルの次元毎に算出される。本実施の形態に係る異常度算出部11cが算出する異常度Xは、以下の(1)式で算出される。なお(1)式において「|| ||」の記号は、ベクトルの長さを表しており、(1)式にて算出される異常度Xは、ベクトルではなくスカラーの値である。
X = ||(A-μ)/σ|| …(1)
即ち異常度算出部11cは、見守り対象者の金銭取引の特徴量Aから過去の特徴量の平均μを引いて標準偏差σで割る演算をベクトルの成分毎に行い、この演算により得られたベクトルの長さを算出して異常度とする。
次いで見守りサーバ装置1の異常判定部11dは、異常度算出部11cが算出した異常度に基づいて、見守り対象者の金銭取引についての異常性の有無を判定する。本実施の形態に係る異常判定部11dは、異常度算出部11cが算出した異常度と、予め定められた閾値とを比較して、異常度が閾値を超える場合に、見守り対象者の金銭取引に異常があると判定する。この判定に用いられる閾値は、例えば本システムの設計者等により予め定められ、サーバプログラム12aと共に記憶部12に記憶される。
見守り対象者の金銭取引に異常があると判定した場合、異常判定部11dは、この見守り対象者を見守るユーザのユーザID又はユーザ端末装置3の端末ID等の情報を見守りDB12dから取得して、これらの情報により特定されるユーザ端末装置3へ異常通知を送信する。このときに送信する異常通知には、例えば異常と判定した金銭取引が行われた年月日及び取引された金額等の情報が含まれ得る。見守りサーバ装置1からの異常通知を受信したユーザ端末装置3は、例えばプッシュ通知により見守り対象者の金銭取引の異常を通知する。なお見守りサーバ装置1は、どのような方法でユーザ端末装置3への異常通知を行ってもよく、例えば電子メールを送信することで異常通知を行ってもよい。またユーザ端末装置3は、見守りサーバ装置1からの異常通知を受信した場合に、どのような方法でユーザに対して異常を通知してもよい。
図10は、本実施の形態に係る見守りサーバ装置1が行う異常判定処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る見守りサーバ装置1の処理部11は、図示の異常判定処理を見守り対象者毎に行っている。処理部11の取引情報取得部11aは、所定周期で見守り対象者の金銭取引情報を金融サーバ装置5から取得しており、前回の情報取得から所定周期が経過して次の情報を取得するタイミングに至ったか否かを判定する(ステップS1)。情報を取得するタイミングに至っていない場合(S1:NO)、取引情報取得部11aは、情報の取得タイミングに至るまで待機する。
情報の取得タイミングに至った場合(S1:YES)、取引情報取得部11aは、記憶部12の見守りDB12dに登録された見守り対象者の口座情報に基づいて、対象者の口座を管理する金融サーバ装置5との通信を行い、金融サーバ装置5から見守り対象者の金銭取引情報を取得する(ステップS2)。取引情報取得部11aは、記憶部12の金銭取引DB12eに記憶された過去の所定期間又は所定回数の金銭取引情報を取得し、取得した過去の金銭取引情報とステップS2にて取得した金銭取引情報とを時系列に並べた情報、即ち時系列の金銭取引情報を作成する(ステップS3)。
次いで処理部11の特徴量取得部11bは、ステップS3にて作成された時系列の金銭取引情報を、特徴量モデル12bへ入力する(ステップS4)。特徴量取得部11bは、時系列の金銭取引情報の入力に応じて特徴量モデル12bが出力する多次元ベクトルの特徴量を取得する(ステップS5)。次いで処理部11の異常度算出部11cは、金銭取引DB12eに記憶された見守り対象者の過去の所定期間に亘る金銭取引の特徴量を取得して、取得した過去の特徴量の平均及び標準偏差を算出する(ステップS6)。異常度算出部11cは、ステップS5にて取得された特徴量と、ステップS6にて算出した平均及び標準偏差とに基づき、上述の(1)式を用いて、見守り対象者の金銭取引に関する異常度を算出する(ステップS7)。
次いで処理部11の異常判定部11dは、ステップS7にて算出された異常度が、予め定められた閾値を超えるか否かを判定する(ステップS8)。異常度が閾値を超える場合(S8:YES)、異常判定部11dは、この見守り対象者を見守るユーザのユーザ端末装置3へ異常通知を送信し(ステップS9)、処理を終了する。異常度が閾値を超えない場合(S8:NO)、異常判定部11dは、異常通知を行わずに処理を終了する。
図11は、本実施の形態に係るユーザ端末装置3が行う異常通知処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係るユーザ端末装置3の処理部31の異常通知受信部31aは、見守りサーバ装置1から送信される異常通知を受信したか否かを判定する(ステップS21)。異常通知を受信していない場合(S21:NO)、異常通知受信部31aは、異常通知を受信するまで待機する。異常通知を受信した場合(S21:YES)、処理部31の表示処理部31bは、見守り対象者の金銭取引に異常がある旨を通知するメッセージを表示部34に表示する、いわゆるプッシュ通知を行い(ステップS22)、ステップS21へ処理を戻す。
<グラフ表示>
本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、特徴量モデル12bが出力した見守り対象者の金銭取引に関する特徴量を可視化するグラフ表示を行う。見守りサーバ装置1は、見守り対象者について所定期間(例えば1ヶ月もしくは1年等)又は所定回数(例えば50回もしくは100回等)の金銭取引に関する特徴量を金銭取引DB12eから取得し、取得した複数の特徴量を例えばX-Y座標平面にプロットしたグラフを作成して表示する。上述のように、特徴量モデル12bが出力する特徴量は、例えば32次元~256次元等の多次元ベクトルである。そこで本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、見守り対象者に関する複数の特徴量のベクトルの各成分について変化が大きい方向を特定し、特定した方向について特徴量のベクトルの成分を抽出して、特定した方向を軸とする座標系に抽出した特徴量のベクトルの成分に基づくプロットを行ったグラフを作成する。
即ち見守りサーバ装置1は、特徴量のベクトルの多次元の中から、変化が大きい2つの次元を選択し、選択した2つの次元をそれぞれX軸、Y軸として複数の特徴量をX-Y座標平面にプロットすることでグラフを作成する。例えば見守り対象者の金銭取引の特徴量A=(a1,a2,…,an)、B=(b1,b2,…,bn)、…、Z=(z1,z2,…,zn)のベクトル(ただし、n=1,2,…,N)を可視化する場合、見守りサーバ装置1は、各特徴量のベクトルの各次元の要素を抽出して、抽出した複数の要素について分散を算出する。見守りサーバ装置1は、各次元についてそれぞれ分散を算出し、上記の特徴量の場合にはn個の分散が得られる。見守りサーバ装置1は、n個の分散のうちその値が大きい上位2つを選択し、選択した分散が算出された次元を特定する。見守りサーバ装置1は、特定した2つの次元の要素を用いて各特徴量をX-Y座標平面にプロットする。例えば上記の特徴量においてn=3,9に相当する2つの次元が選択された場合、見守りサーバ装置1は、A=(a3,a9)、B=(b3,b9)、…、Z=(z3,z9)の点をX-Y平面にプロットする。
図12は、特徴量の可視化の一例を示すグラフである。図示のグラフは、ある見守り対象者の所定期間に亘る金銭取引について、特徴量モデル12bが出力した特徴量をX-Y座標平面にプロットしたものである。このグラフにより、見守り対象者の金銭取引の特徴の変化が、プロットされた多数の点の広がりとして可視化される。プロットされた複数の点が狭い範囲に収まっているほど、見守り対象者の金銭取引の特徴に変化が少なく、金銭取引に異常が生じていないと見なすことができる。
なお本図ではグラフがモノクロームの画像として示されているが、見守りサーバ装置1は、例えばグラフにプロットする各点の色を、金銭取引が行われた時期(年月日)に応じて変化させてもよい。見守りサーバ装置1は、例えば古い金銭取引に関する特徴量の点を青色とし、新しい金銭取引に関する等口調量の点を赤色として、時間経過に従って各点の色を青色から赤色へ徐々に変化させる。これにより見守りサーバ装置1は、金銭取引に関する特徴量の時系列的な変化をグラフに示すことができる。
なお本例において見守りサーバ装置1は、グラフにX軸、Y軸として表示する特徴量の2つの次元を、ベクトルの要素の分散に基づいて決定したが、これに限るものではなく、分散以外の種々の値に基づいて決定してよい。見守りサーバ装置1は、例えばベクトルの要素の最大値及び最小値の差、最新値及び平均値の差、ベクトルの要素の変化量の分散、又は、変化量の最大値等の種々の値に基づいて、特徴量の2つの次元を決定してもよい。また見守りサーバ装置1が作成するグラフのX軸、Y軸は特徴量の次元に対応するものでなくてよく、例えば特徴量の変化が大きい方向を2つ特定し、この2つの方向に対応する特徴量の成分を演算により算出してグラフにプロットしてもよい。また見守りサーバ装置1が表示するグラフは2次元ではなく、1次元又は3次元以上であってもよい。
見守りサーバ装置1は、上述のようにして特徴量を可視化したグラフを表示するためのデータを作成し、例えば異常通知にこのデータを付してユーザ端末装置3へ送信してよい。ユーザ端末装置3は、見守りサーバ装置1からの異常通知を受信した場合に、受信した異常通知に付されたデータに基づいてグラフ表示を行って、ユーザに異常を通知してもよい。また例えば、グラフ表示の要求がユーザからユーザ端末装置3へ与えられた場合に、ユーザ端末装置3が見守りサーバ装置1へグラフ表示の要求を送信し、この要求に応じて見守りサーバ装置1がグラフを表示するためのデータを作成してユーザ端末装置3へ送信してもよい。
また見守りサーバ装置1は、特徴量のグラフをユーザ端末装置3に表示させるのではなく、例えば自身の表示部、自身に接続された表示装置、又は、本システムの開発者もしくは管理者等が使用する端末装置等の装置にグラフを表示してもよく、また例えば金融サーバ装置5又は金融機関の担当者等が使用する端末装置等の装置にグラフを表示してもよく、これら以外の装置にグラフを表示してもよい。
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る情報処理システムでは、時系列の金銭取引情報を入力として受け付けて金銭取引に係る特徴量を出力するよう訓練された特徴量モデル12bを見守りサーバ装置1が有している。見守りサーバ装置1は、見守り対象者の金銭取引情報を金融サーバ装置5から取得し、見守り対象者の時系列の金銭取引情報を特徴量モデル12bへ入力し、特徴量モデル12bが出力する特徴量を取得する。見守りサーバ装置1は、取得した金銭取引の特徴量に関する評価値として、金銭取引に関する異常度を、過去に取得した特徴量の分布に基づいて算出し、算出した異常度に基づいて見守り対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する。これにより本実施の形態に係る情報処理システムは、見守り対象者の金銭取引に係る異常性の有無を精度よく判定することが期待できる。
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、特徴量モデル12bは、同じ人の時系列の金銭取引情報の入力に対して同じ特徴量を出力するように学習がなされる。これにより、ある見守り対象者の金銭取引情報から別の人の特徴量が得られた場合、これは見守り対象者が普段とは異なる金銭取引を行ったと判断することができ、見守り対象者の金銭取引に異常が生じていると判断することができる。
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、特徴量モデル12bが出力した2つの特徴量を基に、この2つの特徴量に係る2つの金銭取引情報が同じ人の金銭取引に関するものであるか否かを判定する判定モジュール12cを用いて、見守りサーバ装置1が特徴量モデル12bの学習処理を行う。これにより見守りサーバ装置1は、同じ人の時系列の金銭取引情報の入力に対して同じ特徴量を出力するように、特徴量モデル12bを学習させることができる。
また本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、見守り対象者の金銭取引に関して特徴量モデル12bが出力した複数の特徴量について、変化が大きい方向を特定し、特定した方向についての特徴量の成分を抽出し、抽出した特徴量の成分に基づく点を座標系にプロットしたグラフを作成し、ユーザ端末装置3の表示部34等に表示する。これにより見守りサーバ装置1は、見守り対象者の金銭取引に関する特徴量及びその変化を、ユーザ又は管理者等に対して可視化して提供することができる。
また本実施の形態に係る見守りサーバ装置1は、対象の金銭取引に関して特徴量モデル12bから取得した特徴量と、これ以前の過去の金銭取引に関する特徴量の平均及び標準偏差とに基づいて、対象の金銭取引に関する異常度を算出する。詳しくは、見守りサーバ装置1は、対象の金銭取引の特徴量から過去の特徴量の平均を引いて標準偏差で割る演算をベクトルの成分毎に行い、この演算により得られたベクトルの長さを異常度として算出する。これにより見守りサーバ装置1は、過去の金銭取引に関する特徴量の分布に基づき、この分布から外れるほど度合いが高まる異常度を算出し、異常性の有無の判定に用いることができる。
なお本実施の形態においては、金融サーバ装置5と見守りサーバ装置1とを別の装置とし、見守りサーバ装置1が金融サーバ装置5から金銭取引情報を取得する構成としたが、これに限るものではない。例えば金融サーバ装置5及び見守りサーバ装置1を1つの装置としてもよい。この場合に金融サーバ装置5は、自身が管理する口座の取引情報についてのみ、異常度の算出及び異常有無の判定等を行ってもよい。見守り対象者が有する複数の口座が複数の金融機関に分散している場合に、各金融機関の金融サーバ装置5がそれぞれ個別に異常度の算出及び異常有無の判定等を行ってよい。また例えば、見守り対象者が使用するスマートフォン等の情報処理装置にて異常度の算出及び異常有無の判定等の処理を行い、処理結果をユーザ端末装置3へ送信してもよい。
また、金銭取引情報に基づく異常度の算出及び異常有無の判定等の処理を、ユーザ端末装置3が行ってもよい。この場合、見守りサーバ装置1が金融サーバ装置5から金銭取引情報を取得してユーザ端末装置3へ送信してもよく、ユーザ端末装置3が金融サーバ装置5から直接的に金銭取引情報を取得してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 見守りサーバ装置
3 ユーザ端末装置
5 金融サーバ装置
11 処理部
11a 取引情報取得部
11b 特徴量取得部
11c 異常度算出部
11d 異常判定部
11e 表示処理部
11f 学習処理部
12 記憶部
12a サーバプログラム
12b 特徴量モデル
12c 判定モジュール
12d 見守りDB
12e 金銭取引DB
13 通信部
31 処理部
31a 異常通知受信部
31b 表示処理部
32 記憶部
32a プログラム
33 通信部
34 表示部
35 操作部
98,99 記録媒体

Claims (6)

  1. 対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する情報処理方法であって、
    情報処理装置が、
    対象者による金銭取引の金額に係る情報を少なくとも含む金銭取引情報を所定期間分含む時系列の金銭取引情報を入力として受け付けて、前記対象者の金銭取引に係る多次元ベクトルの特徴量を出力するよう訓練された学習モデルを用いて、
    前記対象者の金銭取引情報を取得し、
    取得した時系列の前記金銭取引情報を前記学習モデルへ入力し、当該学習モデルが出力する特徴量を取得し、
    取得した特徴量に関する評価値を、過去に取得した特徴量の分布に基づいて算出し、
    算出した評価値に基づいて、前記対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定し、
    前記学習モデルから取得した複数の特徴量について、変化が大きい方向を特定し、
    前記複数の特徴量から特定した方向についての特徴量成分を抽出し、
    特定した方向を軸とする座標系に、抽出した特徴量成分に基づくプロットを行ったグラフを表示部に表示する処理を行う、
    情報処理方法。
  2. 2つの特徴量のベクトルの内積を算出し、算出した内積に応じた値を出力する判定モジュールと、
    期間が異なる2つの時系列の金銭取引情報と、当該2つの時系列の金銭取引情報が同じ人の金銭取引に関するものであるか否かを示す正解値とを対応付けた学習用のデータと
    を用いて、
    前記学習モデルは、前記学習用のデータに含まれる前記2つの時系列の金銭取引情報のうちの第1の時系列の金銭取引情報の入力に応じて前記学習モデルが出力する第1の特徴量と、前記2つの時系列の金銭取引情報のうちの第2の時系列の金銭取引情報の入力に応じて前記学習モデルが出力する第2の特徴量とを前記判定モジュールへ入力した場合に、当該判定モジュールの出力値が前記学習用のデータに含まれる前記正解値となる特徴量を出力するように訓練された学習モデルである、
    請求項1に記載の情報処理方法。
  3. 前記情報処理装置が、
    対象の金銭取引情報の特徴量と、過去の特徴量の平均及び標準偏差とに基づいて、前記評価値を算出する、
    請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
  4. 前記情報処理装置が、
    対象の金銭取引情報の特徴量から過去の特徴量の平均を引いて標準偏差で割る演算をベクトルの成分毎に行い、
    前記演算により得られたベクトルの長さを前記評価値として算出する、
    請求項3に記載の情報処理方法。
  5. 対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する処理を行う情報処理装置であって、
    対象者による金銭取引の金額に係る情報を少なくとも含む金銭取引情報を所定期間分含む時系列の金銭取引情報を入力として受け付けて、前記対象者の金銭取引に係る多次元ベクトルの特徴量を出力するよう訓練された学習モデルを記憶する記憶部と、
    前記対象者の金銭取引情報を取得する金銭取引情報取得部と、
    取得した時系列の前記金銭取引情報を前記学習モデルへ入力し、当該学習モデルが出力する特徴量を取得する特徴量取得部と、
    取得した特徴量に関する評価値を、過去に取得した特徴量の分布に基づいて算出し評価値算出部と、
    算出した評価値に基づいて、前記対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する判定部と、
    前記学習モデルから取得した複数の特徴量について、変化が大きい方向を特定する特定部と、
    前記複数の特徴量から特定した方向についての特徴量成分を抽出する抽出部と、
    特定した方向を軸とする座標系に、抽出した特徴量成分に基づくプロットを行ったグラフを表示部に表示する処理を行う表示処理部と
    を備える、情報処理装置。
  6. コンピュータに、対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定する処理を行わせるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    対象者による金銭取引の金額に係る情報を少なくとも含む金銭取引情報を所定期間分含む時系列の金銭取引情報を入力として受け付けて、前記対象者の金銭取引に係る多次元ベクトルの特徴量を出力するよう訓練された学習モデルを用いて、
    前記対象者の金銭取引情報を取得し、
    取得した時系列の前記金銭取引情報を前記学習モデルへ入力し、当該学習モデルが出力する特徴量を取得し、
    取得した特徴量に関する評価値を、過去に取得した特徴量の分布に基づいて算出し、
    算出した評価値に基づいて、前記対象者の金銭取引に係る異常性の有無を判定し、
    前記学習モデルから取得した複数の特徴量について、変化が大きい方向を特定し、
    前記複数の特徴量から特定した方向についての特徴量成分を抽出し、
    特定した方向を軸とする座標系に、抽出した特徴量成分に基づくプロットを行ったグラフを表示部に表示する
    処理を実行させる、コンピュータプログラム。
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