JP2022055038A - 食品の処理装置、および食品の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理光の光量の適切化を図ることができる食品の処理装置、および食品の処理方法を提供することである。【解決手段】実施形態に係る食品の処理装置は、食品に、少なくとも紫外線領域の光を照射する食品の処理装置である。少なくとも前記紫外線領域の光を照射可能な照射部と;前記照射部を制御するコントローラと;を具備している。前記コントローラは、前記照射部を制御して、前記食品に照射される前記紫外線領域の光の積算光量を所定の閾値以下にする。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、食品の処理装置、および食品の処理方法に関する。
食品市場においては、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)などへの対応により食品に対する安全意識が高まっている。また、食品市場においては、腐敗などによるフードロスなどの問題もある。例えば、農産物の安全は、無農薬や有機栽培農法などにより担保したり、塩素や次亜塩素酸などの特定農薬を用いることで担保したりしている。しかしながら、これらだけでは、農産物の安全と、鮮度維持(フードロスの低減)とを同時に解決することができない。また、このことは、精肉素材や鮮魚素材などの他の食品についても同様である。
ここで、食品に紫外線を照射すれば、食品の表面に付着している細菌などを不活性化することができる。また、農産物に、近赤外線領域の光を照射して、液体成分の蒸散を抑制することで鮮度維持を図る技術も提案されている。
紫外線や近赤外線などの処理光を食品に照射すれば、食品の安全と、鮮度維持とを同時に解決することが可能となる。
しかしながら、食品に照射された、処理光の光量が十分でないと、殺菌不足となって、鮮度維持効果が十分に発揮されない場合がある。一方、処理光の光量が過剰になると、食品の表面が変質するなどして傷みが発生する場合がある。
そこで、処理光の光量の適切化を図ることができる技術の開発が望まれていた。
特開2014-194331号公報
本発明が解決しようとする課題は、処理光の光量の適切化を図ることができる食品の処理装置、および食品の処理方法を提供することである。
実施形態に係る食品の処理装置は、食品に、少なくとも紫外線領域の光を照射する食品の処理装置である。少なくとも前記紫外線領域の光を照射可能な照射部と;前記照射部を制御するコントローラと;を具備している。前記コントローラは、前記照射部を制御して、前記食品に照射される前記紫外線領域の光の積算光量を所定の閾値以下にする。
本発明の実施形態によれば、処理光の光量の適切化を図ることができる食品の処理装置、および食品の処理方法を提供することができる。
本実施の形態に係る農産物の処理装置を例示するための模式図である。 光源を例示するための模式図である。 光源を例示するための模式断面図である。 (a)は、第1の光の照射における分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。(b)は、第2の光の照射における分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。 (a)は、第1の光の照射におけるランプ電流の時間的変化を例示するためのグラフである。(b)は、第2の光の照射におけるランプ電流の時間的変化を例示するためのグラフである。 分光分布曲線の他の実施例を例示するためのグラフである。 点灯回路を例示するための模式図である。 (a)は、他の実施形態に係る処理装置を例示するための模式図である。(b)は、(a)における処理装置のA-A線方向の模式断面図である。 照射部(発光素子)から照射される光の分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。 (a)~(d)は、処理装置の動作を例示するための模式図である。 (a)は、他の実施形態に係る処理装置を例示するための模式図である。(b)は、(a)における処理装置のB-B線方向の模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
本実施の形態に係る食品の処理装置は、食品に、少なくとも紫外線領域の光を照射する食品の処理装置である。
食品には、例えば、農産物、精肉素材、鮮魚素材などがあるが、ここでは一例として、食品が農産物である場合を説明する。そのため、以下の実施形態における「農産物」を「他の食品」に置き換えることで、他の食品にも適用することができる。
また、本明細書において「農産物」とは、人為的に栽培され収穫される植物、あるいは、自然界において生育し収穫される植物とすることができる。「農産物」は、栽培植物を計画的に栽培し収穫する農耕、自然界で自生している植物の採取(野生植物の採取)、栽培と野生の中間的な状態で生育し収穫するいわゆる半栽培などにより得られたものであってもよい。
「農産物」は、例えば、一般的に、野菜類、果実類、花卉類などと称されるものである。
野菜類は、例えば、果菜類、穀物類、葉茎類、茎菜類、花菜類、発芽野菜、根菜類、菌茸類などである。
この場合、果菜類は、例えば、茄子、トマト、トウガラシ、ピーマン、南瓜、胡瓜、オクラ、苺、西瓜、メロンなどである。
穀物類は、例えば、小豆、インゲンマメ、エンドウ、枝豆、ソラマメ、大豆、落花生、胡麻などである。
葉茎類は、例えば、キャベツ、小松菜、高菜、チンゲンサイ、菜の花、野沢菜、白菜、ホウレンソウなどである。
茎菜類は、例えば、葱、ニラ、アスパラガス、竹の子、ニンニク、玉葱などである。
花菜類は、例えば、ブロッコリー、カリフラワー、菜花、フキノトウ、ミョウガなどである。
発芽野菜は、例えば、スプラウト、モヤシ、かいわれ大根などである。
根菜類は、例えば、大根、ワサビ、牛蒡、生姜、人参、蓮根、芋類(例えば、薩摩芋、里芋、馬鈴薯、大和芋、山芋など)などである。
菌茸類は、例えば、エノキタケ、エリンギ、キクラゲ、シイタケ、シメジ、ナメコ、ナラタケ、ヒラタケ、ブナシメジ、ホンシメジ、マイタケ、マッシュルーム、マツタケなどである。
果実類は、例えば、柑橘類、林檎、桃、梨、バナナ、葡萄、サクランボ、ビワ、無花果、柿、マンゴー、アボカド、ナツメ、ザクロ、パイナップル、パパイア、アンズ、梅、スモモ、キウイフルーツ、栗、スターフルーツ、アセロラなどである。
花卉類は、例えば、花や葉を鑑賞するために用いられる植物、例えば、シクラメン、ショウブ、サボテン類、サルビア、スイレン、スミレ、カーネーション、菊、マーガレット、サカキなどである。
なお、前述した「農産物」の分類は便宜上の分類であって、これに限定されるわけではない。また、「農産物」の用途には特に限定がなく、例えば、食用、薬用、観賞用などの様々な用途が考えられる。
また、本明細書における「農産物の鮮度維持」とは、収穫直後の農産物の状態をできるだけ保つことをいう。なお、特定の農産物に許される鮮度の範囲は、農産物の種類、商品価値(等級や希少性など)、収穫時期、流通時期、流通プロセスなどにより変動する場合がある。
(処理装置)
図1は、本実施の形態に係る農産物の処理装置1を例示するための模式図である。
図1に示すように、農産物の処理装置1(以下、単に、処理装置1と称する)は、例えば、供給部10、搬送部20、照射部30、収容部40、およびコントローラ50を有する。
供給部10は、処理対象となる農産物100を内部に複数収容することができる。また、供給部10は、内部に収容されている農産物100を搬送部20に供給することができる。例えば、供給部10は、振動装置が設けられたシュート、複数の農産物100が収容される空間の下部に設けられたベルトコンベア、内部に収容されている農産物100を取り出して搬送部20に供給するロボットなどとすることができる。
なお、農産物100を搬送部20に供給する構成は例示をしたものに限定されるわけではなく、収容されている農産物100を搬送部20に供給することができるものであればよい。ただし、農産物100を搬送部20に供給する際には、農産物100同士が重ならないようにすることが好ましい。
なお、供給部10は、省略することもできる。供給部10が省略される場合には、作業者が、農産物100を搬送部20に供給すればよい。
搬送部20は、例えば、農産物100の供給位置から、処理済みの農産物100aの排出位置まで農産物100を搬送する。この場合、コントローラ50は、後述するセンサ34からの信号に基づいて、搬送部20を一時的に停止させたり、搬送速度を一時的に低下させたりすることもできる。コントローラ50は、処理光による処理が完了した際には、搬送を再開させたり、搬送速度を元に戻したりすることもできる。
搬送部20は、例えば、供給部10と収容部40との間に配置することができる。搬送部20は、例えば、ベルトコンベアやローラコンベアなどとすることができる。また、搬送部20は、例えば、農産物100が収容された容器やトレーを搬送するベルトコンベアやローラコンベアなどであってもよい。
また、搬送部20の農産物100が載置される部分は、透光性を有する材料から形成することができる。例えば、ベルトや、農産物100が収容された容器やトレーなどを、透光性を有する樹脂などから形成することができる。また、ベルト、容器、トレーに孔などを設けて、処理光が透過できるようにしてもよい。例えば、網状のベルトを有するコンベアなどとしてもよい。処理光が、搬送部20の、農産物100が載置される部分を透過することができれば、搬送部20を介して、農産物100に処理光を照射することができる。例えば、ベルトなどの一方の側(例えば、上方)に照射部30を設け、ベルトなどの他方の側(例えば、下方)にリフレクタ33や照射部30を設けることができる。この様にすれば、より多くの方向から農産物100に処理光を照射することができるので、農産物の処理がより容易となる。
照射部30は、例えば、農産物100の供給位置から、処理済みの農産物100aの排出位置までの間に設けることができる。
照射部30は、例えば、光源31およびリフレクタ32を有する。
光源31は、搬送部20により搬送されてきた農産物100に処理光を照射する。光源31から照射される処理光は、近赤外線領域(例えば、波長が、700nm以上、960nm以下の領域)の光と、紫外線領域(例えば、波長が、200nm以上、400nm以下の領域)の光を含んでいる。
この場合、近赤外線領域における分光特性がなるべくブロードであることが好ましい。また、紫外線領域の光の照射光強度が、近赤外線領域の光の照射光強度よりも大きくなるようにすることが好ましい。
例えば、光源31は、放電ランプとすることができる。光源31が放電ランプであれば、近赤外線領域における分光特性がブロードで、且つ、紫外線領域の光の照射光強度が、近赤外線領域の光の照射光強度よりも大きくなるようにすることが容易となる。
ただし、後述するように、紫外線領域の光の照射光強度が大きくなると、農産物100の表面が変質して色合いが悪くなるなどの問題が発生するおそれがある。そのため、光源31は、前述した分光特性と照射光強度を有する処理光を、短時間に照射可能なもの(いわゆるパルス点灯が可能なもの)とすることが好ましい。
図2は、光源31を例示するための模式図である。
図3は、光源31を例示するための模式断面図である。
図2および図3に示すように、光源31は、例えば、発光管31a、電極31b、およびトリガー電極31cを有する。
発光管31aは、筒状を呈し、管外径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。発光管31aは、例えば、円筒状を呈している。発光管31aは、透光性を有する材料から形成することができる。発光管31aは、例えば、石英ガラスから形成される。この場合、発光管31aは、例えば、透明、すなわち着色されていない石英ガラスから形成することができる。
発光管31aの管軸方向の長さ、および管外径は、農産物100の大きさなどに応じて適宜変更することができる。一般的な農産物100の場合には、発光管31aの管軸方向の長さは、例えば、40cm~200cm程度とすることができる。発光管31aの管外径は、例えば、6mm~30mm程度とすることができる。
なお、発光管31aの管外径は、略一定とすることもできるし、管外径が大きくなる領域、管外径が小さくなる領域を設けることもできる。管外径が小さくなると(発光管31aの内部空間の、軸方向に直交する方向の断面積が小さくなると)、放電の際に流れる電流の電流密度(ランプ電流密度)が大きくなる。そのため、管外径が小さい領域の処理光の照射光強度が、管外径が大きい領域の処理光の照射光強度よりも大きくなる。例えば、管軸方向において、略均一な処理光の照射光強度とする場合には、発光管31aの管外径を略一定とすることが好ましい。一方、管軸方向において、処理光の照射光強度を変化させたい場合には、管外径が異なる領域を設けることが好ましい。
発光管31aの内部空間には、放電媒体を封入することができる。放電媒体は、例えば、キセノン単体のガス、クリプトン単体のガス、または、キセノンに、その他の希ガス(例えば、アルゴン、ネオン、クリプトン等)を1種類以上混合させた混合ガスとすることができる。クリプトンとキセノンの混合ガスとする場合には、例えば、クリプトンの混合比率を70%~98%程度とすることができる。発光管31aの内部空間の25℃における放電媒体の圧力(放電媒体の封入圧力)は、例えば、10kPa以上、200kPa以下とすることができる。発光管31aの内部空間の25℃における放電媒体の圧力は、気体の標準状態(SATP(Standard Ambient Temperature and Pressure):温度25℃、1bar)により求めることができる。
発光管31aの両側の端部のそれぞれには、封止部31a1を設けることができる。封止部31a1は、発光管31aの内部空間を気密に封止するとともに、電極31bを保持する。封止部31a1は、例えば、グレーデッドシール(graded seal)とすることができる。なお、ピンチシールやシュリンクシールを用いて封止部を形成することもできる。ピンチシールやシュリンクシールを用いる場合には、封止部の内部にモリブデン箔などを設け、モリブデン箔を介して、電極31bのリード31b1とアウターリードを電気的に接続すればよい。
また、発光管31aの外面には突起31a2を設けることができる。突起31a2は、光源31を製造する際に、発光管31aの内部空間を排気したり、発光管31aの内部空間に前述した放電媒体を導入したりするために設けることができる。突起31a2は、排気および放電媒体の導入後に、石英ガラスから形成された管を焼き切ることで形成されたものである。
電極31bは、発光管31aの内部空間に対峙させて、一対設けることができる。電極31bは、発光管31aの、管軸方向における両側の端部に1つずつ設けることができる。電極31bは、例えば、いわゆる冷陰極形の電極とすることができる。
電極31bは、例えば、リード31b1、およびコイル31b2を有する。
リード31b1は、線状を呈し、一方の端部が発光管31aの内部空間に設けられている。リード31b1の他方の端部は、発光管31aの外部に設けることができる。すなわち、封止部31a1がグレーデッドシールの場合には、リード31b1にアウターリードの機能を持たせることができる。
また、リード31b1の外面をセラミックスで被覆することができる。リード31b1の外面がセラミックスで被覆されていれば、光源31の点灯時に、加熱されたリード31b1から、炭素などが発光管31aの内部空間に放出されるのを抑制することができる。そのため、発光管31aの内面が黒化して光源31の寿命が短くなるのを抑制することができる。
また、図3に示すように、発光管31aの内部空間にセラミックスから形成されたブロック31b3を設け、リード31b1がブロック31b3の中心を通るようにしてもよい。この場合、発光管31aの内面とブロック31b3との間には僅かな隙間が設けられていてもよいし、接触していてもよい。すなわち、ブロック31b3は、前述した黒化の抑制と、電極31bの保持を行うことができる。
コイル31b2は、リード31b1の一方の端部側に設けられている。コイル31b2は、発光管31aの内部空間に設けられている。コイル31b2は、例えば、線状部材をリード31b1に巻き付けたものとすることができる。なお、コイル31b2をリード31b1に取り付ける場合を例示したが、リード31b1の一方の端部側を巻き回してコイル31b2としてもよい。すなわち、リード31b1とコイル31b2は、一体に形成することもできる。
リード31b1、およびコイル31b2は、例えば、ニッケル、タングステン、モリブデン、タンタル、チタンなどから形成することができる。
また、コイル31b2の近傍にゲッタを設けることができる。ゲッタは、例えば、いわゆるバリウムゲッタ、ZrAl合金ゲッタなどとすることができる。バリウムゲッタは、発光管31aの内面に設けることができる。バリウムゲッタは、例えば、蒸着膜とすることができる。ZrAl合金ゲッタは、リード31b1のコイル31b2に近接した位置に設けることができる。ZrAl合金ゲッタは、例えば、リード31b1に溶接することができる。
前述したように、紫外線領域の光の照射光強度が大きくなるようにすることが好ましい。そのため、放電媒体の封入圧力が10kPa以上、200kPa以下とされている。この場合、放電媒体の封入圧力が高くなるので、一対の電極31b同士の間で放電が生じにくくなる。そのため、光源31にはトリガー電極31cが設けられている。
トリガー電極31cが設けられていれば、少なくとも一方の電極31bとの間に大きな電位傾度を形成することができる。そのため、発光管31aの内部空間において絶縁破壊が生じ易くなるので、一対の電極31b同士の間で放電が生じ易くなる。
トリガー電極31cは、発光管31aの外部に設けられている。トリガー電極31cは、例えば、発光管31aの外面に線状部材を巻き付けることで形成することができる。トリガー電極31cは、螺旋状を呈している。トリガー電極31cのピッチ寸法(線状部材同士の間の寸法)は、例えば、5mm~30mm程度とすることができる。トリガー電極31cのピッチ寸法が5mm未満になると、アーク(放電)の安定性は問題ないが、遮光率が大きくなりすぎる。トリガー電極31cのピッチ寸法が30mmを超えると、遮光率の問題はないが、アークの安定性が悪くなる。
トリガー電極31cのピッチ寸法をこの様にすれば、光源31の点灯時に、アークの中心がほぼ管軸に沿って直線状となる。また、形成されたアークを安定させることができる。そのため、処理光の照射光強度を大きくすることができ、且つ、処理光の照射光強度の変動を抑制することができる。
なお、トリガー電極31cのピッチ寸法は、発光管31aの管軸方向の長さによりその最適な範囲が変化する。例えば、発光管31aの管軸方向の長さが300mm~2000mm程度で、且つ、発光管31aの管外径が6mm~30mm程度であれば、トリガー電極31cのピッチ寸法は、20mm~30mm程度とすることが好ましい。
トリガー電極31cを形成するのに用いる線状部材の太さは、0.1mm~2.0mm程度とすることができる。線状部材の太さをこの様にすれば、点灯時に熱膨張による影響が大きくなるのを抑制することができ、且つ、遮光率が大きくなるのを抑制することができる。
例えば、線状部材の太さが0.1mm未満になると、点灯時に熱膨張が大きくなって発光管31aとの間に隙間が形成されやすくなる。トリガー電極31cと発光管31aとの間の隙間が大きくなると、始動性が損なわれるおそれがある。また、線状部材の太さが0.1mm未満になると、トリガー電極31cのピッチが乱れやすくなる。トリガー電極31cのピッチが乱れると、アークの安定性が損なわれるおそれがある。
例えば、線状部材の太さが2.0mmを超えると、遮光率が大きくなるとともに、発光管31aの外部に照射される処理光のエネルギー分布の均一性が損なわれるおそれがある。
なお、トリガー電極31cは、例えば、発光管31aの管軸に沿った直線状の形態を有するものとしてもよい。ただし、螺旋状を呈するトリガー電極31cとすれば、光源31の点灯時に、アークの中心がほぼ管軸に沿って直線状となり、且つ、形成されたアークを安定させることが容易となる。
また、固定部材31c1をさらに設けることができる。固定部材31c1は、例えば、リング状を呈し、発光管31aの外面に設けることができる。固定部材31c1は、例えば、発光管31aの両側の端部の近傍に設けることができる。固定部材31c1と発光管31aの外面との間には、トリガー電極31cの端部を挟むことができる。固定部材31c1は、例えば、金属などの導電性材料から形成することができる。また、固定部材31c1にはリード線31c2を電気的に接続することができる。固定部材31c1を介して、リード線31c2とトリガー電極31cとを電気的に接続すれば、配線作業などの際にリード線31c2に意図しない張力が作用したとしても、トリガー電極31cのピッチが乱れることなどを抑制することができる。
図4(a)は、第1の光の照射における分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。
図4(b)は、第2の光の照射における分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。
ここで、分光分布のデータは、浜松ホトニクス株式会社製の分光測定器(型番:C7473-36)を用い、周囲温度が25℃の雰囲気で測定した。
図4(a)、(b)に示す分光分布は、発光管31aの管軸方向の長さが300mm、発光管31aの管外径が12mm、発光管31aの管内径が10mmの場合である。放電媒体は、キセノンが100%であり、25℃における放電媒体の封入圧力は、40kPaである。
図5(a)は、第1の光の照射におけるランプ電流の時間的変化を例示するためのグラフである。
図5(b)は、第2の光の照射におけるランプ電流の時間的変化を例示するためのグラフである。
例えば、第1の光の照射の場合には、コンデンサ容量が32μF、放電回路のインダクタンスが0μH、充電電圧が3.6kVとなるようにすることができる。第1の光の照射の場合、ランプ電流の半値幅(ランプ電流の最大値を100%とした場合に、ランプ電流が50%となるパルス電流の時間)は、図5(a)に示すように、例えば、280μsである。
図4(a)に示すように、第1の光の照射においては、例えば、波長が200nm以上、960nm以下の全波長領域における相対強度の積分値Saに対する、波長が700nm以上、960nm以下の近赤外線領域における相対強度の積分値S1aの比率(S1a/Sa)は、例えば、0.436である。
一方、全波長領域における相対強度の積分値Saに対する、波長が200nm以上、400nm以下の紫外線領域における相対強度の積分値S2aの比率(S2a/Sa)は、例えば、0.027となり、近赤外線領域の発光が強くなる分光分布となる。
例えば、第2の光の照射の場合には、コンデンサ容量が20μF、放電回路のインダクタンスが0μH、充電電圧が140kVとなるようにすることができる。なお、第1の光の照射に用いるコンデンサの容量と、第2の光の照射に用いるコンデンサの容量が異なる場合には、例えば、後述する点灯回路51に、容量の異なる2つのコンデンサと、使用するコンデンサを選択するスイッチング素子を設けることができる。そして、スイッチング素子により、第1の光の照射に用いるコンデンサと、第2の光の照射に用いるコンデンサを選択すれば良い。
第2の光の照射の場合、ランプ電流の半値幅(ランプ電流の最大値を100%とした場合に、ランプ電流が50%となるパルス電流の時間)は、図5(b)に示すように、例えば、80μsであり、第1の光の照射よりも短くしている。
図4(b)に示すように、第2の光の照射においては、例えば、波長が200nm以上、960nm以下の全波長領域における相対強度の積分値Sb対する、波長が700nm以上、960nm以下の近赤外線領域における相対強度の積分値S1bの比率(S1b/Sb)は、例えば、0.079である。
一方、全波長領域における相対強度の積分値Sbに対する、波長が200nm以上、400nm以下の紫外線領域における相対強度の積分値S2bの比率(S2b/Sb)は、例えば、0.474となり、紫外線の発光が強くなる分光分布となる。
このように、ランプ電流の半値幅を変化させることで、近赤外線領域の発光比率、および紫外線領域の発光比率を変化させることができる。
そのため、本実施の形態に係る処理装置1とすれば、農産物100の種類、状態、処理の目的(例えば、殺菌または鮮度維持)などに応じて、第1の光の照射を行う工程(近赤外線領域の光を多めに照射する工程)と、第2の光の照射を行う工程(紫外線領域の光を多めに照射する工程)とを容易に切り替えることができる。
なお、図4(a)、(b)から分かる様に、本実施の形態に係る光源31とすれば、波長が700nm以上、960nm以下の近赤外線領域の光と、波長が200nm以上、400nm以下の紫外線領域の光を同時に照射することもできる。
また、近赤外線領域および紫外線領域の光の照射光強度は、放電媒体を混合ガスとし、混合希ガスの分圧比により変化させることができる。
また、ランプ電流密度が8000(A/cm)以上、さらに好ましくは10000(A/cm)以上であれば、紫外線領域の光、特に波長が300nm~400nmの光の照射光強度を大きくすることができる。なお、ランプ電流密度が8000(A/cm)未満になると、紫外線領域の光の照射光強度が著しく低下する。
また、ランプ電流密度を増加させると、紫外線領域の光の照射光強度が増加し、近赤外線領域の光の照射光強度が減少する。この場合、可視光領域の光の照射光強度はほとんど変化しない。
すなわち、混合希ガスの分圧比やランプ電流密度を調整することで、第1の光の照射および第2の光の照射のそれぞれにおいて、近赤外線領域の発光比率および紫外線領域の発光比率の調整が可能である。
図6は、分光分布曲線の他の実施例を例示するためのグラフである。
前述したように、第1の光の照射と、第2の光の照射とを切り替えることもできるが、図6に示すような分光分布曲線を有する処理光を照射してもよい。
次に、図1に戻って、処理装置1に設けられた他の構成要素について説明する。
図1に示すように、リフレクタ32は、光源31から照射され、農産物100とは反対側に向かう処理光を反射させる。リフレクタ32により反射された処理光の一部は、農産物100に照射される。リフレクタ32は、例えば、凹面鏡などとすることができる。リフレクタ32が設けられていれば、光源31から照射された処理光の利用効率を向上させることができる。
また、図1に示すように、光源31と対峙した位置にリフレクタ33をさらに設けることもできる。光源31から照射された処理光の一部、および、リフレクタ32により反射された処理光の一部は、リフレクタ33により、農産物100に向けて反射させることができる。リフレクタ33は、例えば、リフレクタ32と同じとすることもできるし、平板状などの平坦な反射面を有するリフレクタとすることもできる。
照射部30は、少なくとも1つ設けることができる。1つの照射部30が設けられていれば、農産物100の表面の広い範囲に処理光を照射することができる。また、搬送部20がローラコンベアなどの場合には、農産物100の向きが変化する。そのため、1つの照射部30が設けられていれば、殺菌効果と鮮度維持効果を得ることができる。
照射部30が複数設けられていれば、搬送部20の複数の領域で農産物100に処理光を照射することができる。そのため、搬送部20の搬送速度を速くすることが可能となるので、処理量の増加や作業時間の短縮を図ることができる。
複数の照射部30を設ける場合には、図1に示すように、農産物100の搬送方向に、複数の照射部30を並べて設けることができる。また、農産物100の搬送方向に、複数のリフレクタ33を並べて設けることもできる。
また、農産物100の位置を検出するセンサ34が設けられている。センサ34の形式には特に限定がない。センサ34は、例えば、光センサ、超音波センサ、近接センサなどとすることができる。後述するように、センサ34により、照射部30の照射領域に農産物100が搬送されたことが検出された場合には、例えば、搬送部20を一時的に停止させることができる。また、搬送部20の搬送速度を一時的に低下させることもできる。
照射部30が複数設けられる場合には、複数の照射部30毎にセンサ34を設けることもできるし、最も上流に位置する照射部30にセンサ34を設けることもできる。最も上流に位置する照射部30にセンサ34を設ける場合には、搬送部20の搬送速度を考慮して、下流側に設けられる照射部30の照射タイミングを設定すればよい。
すなわち、センサ34は、搬送部20により搬送される農産物100の位置を検出する。コントローラ50は、センサ34からの信号に基づいて、搬送部20を一時的に停止させたり、搬送部20の搬送速度を一時的に低下させたりする。また、コントローラ50は、センサ34からの信号に基づいて、点灯回路51を制御して、光源31に電圧を印加する。
後述するように、照射される処理光に紫外線領域の光が多く含まれる場合がある。この様な場合には、コントローラ50は、パルスの回数、または印加時間(照射時間)、すなわち、積算光量を制御することができる。積算光量(mJ/cm)は、照度(mW/cm)と照射時間(s)の積である。なお、積算光量の制御に関する詳細は後述する。
収容部40は、処理済みの農産物100aを収容する。収容部40は、例えば、搬送部20の排出側の端部の近傍に設けられたコンテナなどとすることができる。また、収容部40には、搬送部20からの移動を促進するためのエアブローや振動装置などを設けることもできる。
コントローラ50は、処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。コントローラ50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算素子と、半導体メモリなどの記憶素子を有する。コントローラ50は、例えば、コンピュータである。記憶素子には、例えば、処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する制御プログラムなどを格納することができる。
例えば、コントローラ50は、後述する点灯回路51を制御する。コントローラ50と点灯回路51は、一体に設けることができる。
コントローラ50は、点灯回路51を制御して、例えば、第1の光の照射と、第2の光の照射と、を切り替える。コントローラ50は、点灯回路51を制御して、例えば、第1の光の照射を行った後に、第2の光の照射を行う。コントローラ50は、点灯回路51を制御して、例えば、第2の光の照射を行った後に、第1の光の照射を行う。コントローラ50は、点灯回路51を制御して、例えば、第1の光の照射と、第2の光の照射と、を交互に行う。
また、記憶素子には、例えば、前述した第1の光の照射、および第2の光の照射のそれぞれの照射条件、パルス照射の回数、照射時間などのデータを格納することができる。照射条件、パルス照射の回数、照射時間などは、農産物100の種類、状態、処理の目的(例えば、殺菌または鮮度維持)などにより変化する。照射条件、パルス照射の回数、照射時間などは、予め実験などを行うことで求めることができる。
図7は、点灯回路51を例示するための模式図である。
点灯回路51は、光源31にパルス電圧を印加する。点灯回路51(高電圧発生回路51c)は、一対の電極31bの、一方の電極31bと、トリガー電極31cとに電気的に接続されている。
図7に示すように、点灯回路51は、例えば、コンデンサ51a、充電回路51b、および高電圧発生回路51cを有する。
コンデンサ51aは、複数設けることができる。複数のコンデンサ51aは、並列接続することができる。例えば、コンデンサ51aの静電容量は40μF、充電電圧は12kV、ランプ電流のピーク値は電流密度で12760(A/cm)、ランプ電流の半値幅は40μs以上、5ms以下とすることができる。
なお、前述したように、第1の光の照射において用いるコンデンサの容量と、第2の光の照射において用いるコンデンサの容量と、が異なる場合には、使用するコンデンサ51aの数を切り替えるスイッチング素子をさらに設けてもよい。また、容量の異なる2つのコンデンサを設け、スイッチング素子により、使用するコンデンサを選択してもよい。
充電回路51bは、コンデンサ51aに充電し、そのエネルギーを光源31へ投入するために設けることができる。充電回路51bは、コンデンサ51aと並列接続することができる。
高電圧発生回路51cは、例えば、パルストランスを有する。コントローラ50に設けられたパルス電源から出力されたパルス電圧は、高電圧発生回路51cのパルストランスの1次巻線に印加される。すると、高電圧のパルス電圧がパルストランスの2次巻線から出力される。パルストランスから出力されたパルス電圧は、一方の電極31bとトリガー電極31cとに印加される。
以上に説明した様に、本実施の形態に係る処理装置1とすれば、農産物100の種類、状態、処理の目的(例えば、殺菌または鮮度維持)などに応じて、第1の光の照射を行う工程(近赤外線領域の光を多めに照射する工程)と、第2の光の照射を行う工程(紫外線領域の光を多めに照射する工程)とを容易に切り替えることができる。
例えば、近赤外線領域の光が多い第1の光の照射を行えば、農産物100に含まれる液体成分の蒸散を抑制することができるので、農産物100がしおれたり、軟化したりするのを抑制することができる。この場合、例えば、波長が700nm以上、960nm以下の近赤外線領域の光を農産物100に照射すれば、カビ菌類の発生を抑制することもできる。
しかしながら、近赤外線領域の光は、紫外線領域の光に比べて殺菌性が低いので、雑菌の繁殖などを抑制することができない。この場合、紫外線領域の光が多い第2の光の照射を行えば、雑菌による腐敗の抑制やカビ菌類の発生の抑制を図ることができる。
本実施の形態に係る処理装置1とすれば、農産物100の種類、状態、処理の目的(例えば、殺菌または鮮度維持)などに応じて、第1の光の照射を行う工程および第2の光の照射を行う工程の少なくともいずれかを行うことができる。そのため、農産物100の液体成分の蒸散の抑制、雑菌による腐敗の抑制、カビ菌類の発生の抑制を図ることができる。そのため、農産物100の鮮度をより長く維持することができる。
なお、近赤外線領域の光は、農産物100の内部にまで到達する。そのため、近赤外線領域の光の照射光強度が大きいと、農産物100の内部が加熱されて変質するおそれがある。本実施の形態に係る処理装置1とすれば、農産物100の種類や状態などに応じて、第1の光の照射を行う工程と第2の光の照射を行う工程を切り替えることができるので、近赤外線領域の光に起因する農産物100の変質を抑制することができる。
この場合、第1の光の照射において、波長が200nm以上、960nm以下の全波長領域における相対強度の積分値をSa、波長が700nm以上、960nm以下の近赤外線領域における相対強度の積分値をS1aとすると、「S1a/Sa≦0.5」となるようにすることが好ましい。
また、第2の光の照射において、波長が200nm以上、960nm以下の全波長領域における相対強度の積分値をSb、波長が200nm以上、400nm以下の紫外線領域における相対強度の積分値をS2bとすると「S2b/Sb≧0.01」とすることが好ましい。
また、前述したように、光源31の混合希ガスの分圧比やランプ電流密度により、紫外線領域の光の照射光強度を調整することができる。
なお、特定の農産物100に許される鮮度の範囲は、農産物100の種類、農産物100の状態、商品価値(等級や希少性など)、収穫時期、流通時期、流通プロセスなどにより変動する場合がある。
そのため、農産物100の種類や状態などによっては、第1の光の照射を行う工程、または第2の光の照射を行う工程のどちらかを行えば良い場合もある。この様な場合には、農産物100に照射される処理光の分光分布曲線において、前述した「S1a/Sa≦0.5」を満足する処理光、または「S2a/Sa≧0.01」を満足する処理光を農産物100に照射すれば良い。
なお、第1の光の照射を行う工程、および第2の光の照射を行う工程を行わず、図6に示すような分光分布曲線を有する処理光を照射してもよい。
ここで、照射される処理光に、第2の光などのように、紫外線領域の光が多く含まれている場合がある。この様な場合には、前述したように、処理光の積算光量を考慮することが好ましい。
例えば、農産物100の鮮度を低下させる原因の1つとして、農産物100の表面についたカビ菌類などがある。農産物100などの食品に発生するカビ菌類には、例えば、アオカビ、コウジカビ、クモノスカビ、ケカビ等がある。これらのカビ菌類は、紫外線領域の光の積算光量が、400(mJ/cm)以下でも死滅させることができる。しかしながら、紫外線領域の光の積算光量が、400(mJ/cm)を越えると、例えば、イチゴなどの果実の表面が変色する場合がある。
そのため、例えば、コントローラ50などにタイマー機能を持たせ、積算光量が、400(mJ/cm)以下となるように照射時間を制御することができる。また、例えば、コントローラ50は、光源31に印加するパルス電圧のパルス数により、積算光量を制御することもできる。
なお、積算光量の閾値は、農産物100の種類、農産物100の状態などにより変動する場合がある。積算光量の閾値は、予め実験を行うことで求めることが好ましい。求められた積算光量の閾値は、例えば、コントローラ50の記憶素子に格納することができる。
また、第1の光の照射を行う工程および第2の光の照射を行う工程の順番や繰り返し数なども適宜変更することができる。例えば、第1の光の照射を行う工程を複数回行い、その後に第2の光の照射を行う工程を1回行ったり、複数回行ったりしても良い。例えば、第2の光の照射を行う工程を複数回行い、その後に第1の光の照射を行う工程を1回行ったり、複数回行ったりしても良い。
図8(a)は、他の実施形態に係る処理装置1aを例示するための模式図である。
図8(b)は、図8(a)における処理装置1aのA-A線方向の模式断面図である。 図9は、照射部30a(発光素子30a1)から照射される光の分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。
図8(a)、(b)に示すように、処理装置1aは、例えば、搬送部20、照射部30a、コントローラ50a、および筐体60を有する。また、前述した処理装置1と同様に、供給部10、リフレクタ33、センサ34、および収容部40を設けることもできる。
農産物100の種類や状態、あるいは、農産物100以外の他の食品によっては、紫外線領域の光のみを照射すれば良い場合もある。
そのため、照射部30aは、紫外線領域の光を照射する。照射部30aは、例えば、紫外線を照射する複数の発光素子30a1を有する。この場合、ピーク波長が300nm以下の紫外線を照射すれば、雑菌やカビ菌類を容易に死滅させることができる。そのため、図9に示すように、発光素子30a1は、例えば、ピーク波長が300nm以下の紫外線を照射する発光ダイオードやレーザダイオードなどとすることができる。
筐体60は、箱状を呈し、対峙する側面に開口60a、60bを設けることができる。筐体60の内部には、搬送部20を設けることができる。筐体60の一方の開口60aからは搬送部20の一方の端部側を露出させることができる。筐体60の他方の開口60bからは搬送部20の他方の端部側を露出させることができる。
筐体60の内部には、照射部30aを設けることができる。例えば、図8(a)、(b)に示すように、筐体60の内部であって、搬送部20の搬送面20aに対峙する位置に照射部30aを設けることができる。筐体60の内部のその他の領域にも、照射部30aを設けることもできる。また、筐体60の内部のその他の領域には、リフレクタ33を設けるようにしてもよい。筐体60の内部のその他の領域に、照射部30aやリフレクタ33を設ければ、農産物100のほぼ全面に処理光を照射することができる。この場合、リフレクタ33を設けるようにすれば、製造コストの低減を図ることができる。
また、筐体60を設ければ、照射部30aにより処理光の照射を行う領域を仕切ることができる。紫外線領域の光を照射する場合、雰囲気中に酸素があると紫外線が減衰するおそれがある。そのため、筐体60の内部に窒素などのガスGを供給するガス供給部60cをさらに設けることもできる。筐体60の内部に窒素などのガスGを供給すれば、筐体60の内部の酸素濃度を下げることができるので、紫外線が減衰するのを抑制することができる。
コントローラ50aは、処理装置1aに設けられた各要素の動作を制御する。コントローラ50aは、例えば、前述したコントローラ50と同様にコンピュータとすることができる。
図10(a)~(d)は、処理装置1aの動作を例示するための模式図である。
なお、図10(a)~(d)においては、煩雑となるのを避けるために、搬送部20の上方側に設けられる要素のみを描いている。
まず、図10(a)に示すように、コントローラ50aは、搬送部20を動作させて、農産物100を紫外線の照射領域(例えば、筐体60の内部)に搬入する。
次に、図10(b)に示すように、コントローラ50aは、センサ34からの信号に基づいて、農産物100が紫外線の照射領域に入ったと認識した場合には、搬送部20を一時的に停止させたり、搬送速度を一時的に低下させたりすることができる。
また、コントローラ50aは、照射部30aに設けられた複数の発光素子30a1に電圧を印加することで、農産物100に紫外線を照射する。この場合、コントローラ50aは、電圧をパルス状に印加することで紫外線のパルス照射を行うこともできるし、電圧の印加を維持することで紫外線の連続照射を行うこともできる。
前述した照射部30の場合と同様に、照射部30aは紫外線を照射するため、積算光量を考慮することが好ましい。例えば、コントローラ50aなどにタイマー機能を持たせ、積算光量が、所定の閾値以下となるように制御する。例えば、コントローラ50aは、複数の発光素子30a1に印加するパルス電圧のパルス数により、積算光量を制御する。積算光量の閾値は、食品の種類や状態などにより変動する場合があるので、予め実験などを行うことで求めることが好ましい。例えば、農産物100の場合には、積算光量が400(mJ/cm)以下となるように制御すればよい。実験などにより求められた積算光量の閾値は、例えば、コントローラ50aの記憶素子に格納することができる。
なお、搬送速度を変えずに、農産物100を略一定の速度で搬送するとともに、農産物100に紫外線を照射することもできる。ただし、紫外線の照射のために、搬送を停止、または、搬送速度を低下させれば、紫外線の照射領域を小さくしても必要となる積算光量を得るのが容易となる。そのため、処理装置1aの小型化や製造コストの低減を図ることができる。
次に、図10(c)に示すように、コントローラ50aは、紫外線による処理が完了した際には、複数の発光素子30a1への電圧の印加を停止するとともに、搬送を再開させたり、搬送速度を元に戻したりする。
図10(d)に示すように、処理済みの農産物100aは紫外線の照射領域から排出され、処理を行う農産物100が紫外線の照射領域に搬入される。
以上の様にして、農産物100を連続的に処理することができる。
なお、以上のような搬送動作と、処理光の照射は、前述した処理装置1にも適用することができる。
図11(a)は、他の実施形態に係る処理装置1bを例示するための模式図である。
図11(b)は、図11(a)における処理装置1bのB-B線方向の模式断面図である。
なお、図11(a)、(b)においては、煩雑となるのを避けるために、照射部30aおよびリフレクタ33などの図示を省略し、これらの配置のみを記載している。
図11(a)、(b)に示すように、処理装置1bは、例えば、載置台21、照射部30a、リフレクタ33、コントローラ50b、および筐体61を有する。
筐体61は、箱状を呈し、一方の側面に開口61aを有する。また、開口61aを開閉可能な扉61bを設けることができる。筐体61の内部には、載置台21を設けることができる。載置台21の上面21aは、例えば、農産物100を載せる載置面となる。載置台21は、透光性を有する材料から形成することもできる。例えば、載置台21は、石英ガラスや透光性を有する樹脂などから形成することができる。また、載置台21は、複数の孔が設けられた板や網などであってもよい。
処理光が、載置台21を透過することができれば、載置台21を介して、農産物100に処理光を照射することができる。例えば、載置台21の裏面側に照射部30aやリフレクタ33を設けることができる。この様にすれば、より多くの方向から農産物100に処理光を照射することができるので、農産物の処理がより容易となる。
筐体61の内部には、照射部30aを設けることができる。例えば、図11(a)、(b)に示すように、筐体61の内部であって、載置台21の上面21aに対峙する位置に照射部30aを設けることができる。筐体61の内部のその他の領域にも、照射部30aを設けることができる。また、筐体61の内部のその他の領域には、リフレクタ33を設けるようにしてもよい。筐体61の内部のその他の領域に、照射部30aやリフレクタ33を設ければ、農産物100のほぼ全面に処理光を照射することができる。この場合、リフレクタ33を設けるようにすれば、製造コストの低減を図ることができる。
また、扉61bを有する筐体61を設ければ、照射部30aにより処理光の照射を行う領域を密閉することができる。そのため、窒素などのガスGを供給するガス供給部60cをさらに設ければ、筐体61の内部空間の酸素濃度を下げることができるので、紫外線が減衰するのを抑制することができる。
また、ガス供給部60cに代えて、筐体61の内部空間を排気する排気装置61cを設けることもできる。排気装置61cは、例えば、ブロアなどとすることができる。筐体61の内部空間を排気すれば、筐体61の内部空間の酸素濃度を下げることができるので、紫外線が減衰するのを抑制することができる。
コントローラ50bは、処理装置1bに設けられた各要素の動作を制御する。コントローラ50bは、例えば、前述したコントローラ50と同様にコンピュータとすることができる。
コントローラ50bは、例えば、扉61bの開閉を検出するセンサからの信号や、作業者が入力した信号などに基づいて、農産物100が紫外線の照射領域(例えば、筐体61の内部)に搬入されたことを認識する。
次に、コントローラ50bは、照射部30aに設けられた複数の発光素子30a1に電圧を印加することで、農産物100に紫外線を照射する。この場合、コントローラ50bは、電圧をパルス状に印加することで紫外線のパルス照射を行うこともできるし、電圧の印加を維持することで紫外線の連続照射を行うこともできる。
前述した照射部30の場合と同様に、照射部30aは紫外線を照射するため、積算光量を考慮することが好ましい。例えば、コントローラ50bなどにタイマー機能を持たせ、積算光量が、所定の閾値以下となるように制御する。また、例えば、コントローラ50bは、複数の発光素子30a1に印加するパルス電圧のパルス数により、積算光量を制御する。積算光量の閾値は、食品の種類や状態などにより変動する場合があるので、予め実験などを行うことで求めることが好ましい。例えば、農産物100の場合には、積算光量が400(mJ/cm)以下となるように制御すればよい。実験などにより求められた積算光量の閾値は、例えば、コントローラ50bの記憶素子に格納することができる。
なお、照射部30a(発光素子30a1)に代えて、前述した照射部30(光源31)を設けるようにしてもよい。
(食品の処理方法)
本実施の形態に係る食品の処理方法は、例えば、農産物、精肉素材、鮮魚素材などに適用することができる。
本実施の形態に係る食品の処理方法は、食品に紫外線領域の光を照射する食品の処理方法である。そして、食品に照射される紫外線領域の光の積算光量を所定の閾値以下にする。 食品は、農産物とすることができる。農産物に照射される紫外線領域の光の積算光量を400(mJ/cm)以下にする。
なお、食品の処理方法の内容は、前述したものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 処理装置、1a 処理装置、1b 処理装置、20 搬送部、21 載置台、30 照射部、30a 照射部、30a1 発光素子、31 光源、34 センサ、50 コントローラ、50a コントローラ、50b コントローラ、51 点灯回路、51c 高電圧発生回路、100 農産物

Claims (7)

  1. 食品に、少なくとも紫外線領域の光を照射する食品の処理装置であって、
    少なくとも前記紫外線領域の光を照射可能な照射部と;
    前記照射部を制御するコントローラと;
    を具備し、
    前記コントローラは、前記照射部を制御して、前記食品に照射される前記紫外線領域の光の積算光量を所定の閾値以下にする食品の処理装置。
  2. 前記コントローラは、前記紫外線の照射時間、および、前記照射部に印加するパルス電圧のパルス数、の少なくともいずれかにより、前記積算光量を制御する請求項1記載の食品の処理装置。
  3. 前記紫外線領域の光が照射される領域に、前記食品を搬送する搬送部をさらに備え、
    前記コントローラは、前記搬送部を制御可能であり、前記食品が、前記紫外線領域の光が照射される領域に搬入された際には、前記搬送部による搬送を停止、または、搬送速度を低下させる請求項1または2に記載の食品の処理装置。
  4. 前記照射部は、
    前記紫外線領域の光と、近赤外線領域の光と、を含む光を照射する光源、および、
    前記紫外線領域の光を照射する発光素子、
    の少なくともいずれかを有する請求項1~3のいずれか1つに記載の食品の処理装置。
  5. 前記光源は、
    筒状を呈する発光管と;
    前記発光管の内部空間に対峙させて設けられた一対の電極と;
    前記発光管の内部空間に封入された放電媒体と;
    前記発光管の外部に設けられたトリガー電極と;
    を有する請求項4記載の食品の処理装置。
  6. 食品に紫外線領域の光を照射する食品の処理方法であって、
    前記食品に照射される前記紫外線領域の光の積算光量を所定の閾値以下にする食品の処理方法。
  7. 前記食品は、農産物であり、
    前記農産物に照射される前記紫外線領域の光の積算光量を400(mJ/cm)以下にする請求項6記載の食品の処理方法。
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