JP2022051480A - 皮膜形成型外用製剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚への付着性に優れ、皮膜のひび割れが生じ難い皮膜形成型外用製剤の提供。【解決手段】薬物、有機溶剤、ニトロセルロース及び吸収促進剤を含む、皮膜形成型外用製剤。【選択図】なし
Description
本発明は、皮膜形成型外用製剤に関する。
外用製剤に皮膜形成剤を配合することにより、外用製剤を皮膚に投与した後に皮膚上に薄い皮膜が形成される、皮膜形成型外用製剤が開発されている。皮膜形成型外用製剤では、貼付剤のような支持体が不要であることから使用感が向上することが期待されている。
特許文献1には、ニトロセルロースを皮膜形成剤として含む、乾燥性及び剥離性に優れたエアゾール組成物が記載されている。
本発明者らは、ニトロセルロースを含む皮膜形成型外用製剤を検討したところ、十分な皮膚への付着性が得られず、また、皮膜のひび割れが発生することを見出した。本発明の課題は、皮膚への付着性に優れ、皮膜のひび割れが生じ難い皮膜形成型外用製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねたところ、吸収促進剤、特に界面活性剤を含有する皮膜形成型外用製剤は、皮膚への付着性に優れ、皮膜のひび割れが生じ難いことを見出した。さらに、かかる皮膜形成型外用製剤は、薬物の皮膚透過性が向上し、1週間程度皮膚透過が持続することも見出した。本発明者らは、これらの知見により本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の皮膜形成型外用製剤は、薬物、有機溶剤、ニトロセルロース及び吸収促進剤を含む。
本発明の皮膜形成型外用製剤は、エアゾール製剤としたときに皮膚への付着性に優れ、皮膜のひび割れが生じ難い。また、本発明の皮膜形成型外用製剤は、薬物の皮膚透過性に優れる。
本発明の皮膜形成型外用製剤は、薬物、有機溶剤、ニトロセルロース及び吸収促進剤を含む。
薬物は、経皮投与可能なものであれば特に限定されない。具体的には、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオシノロンアセトニド、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸クロベタゾン、コハク酸プレドニゾロン等のステロイド系抗炎症剤;サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、インドメタシン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、フルルビプロフェン、フェルビナク、ケトロラク、ロキソプロフェン、スプロフェン、プラノプロフェン、チアプロフェン、フルフェナム酸、テニダップ、アスピリン、アクタリット、ミゾリビン、オキサプロジン、モフェゾラク、エトドラク、オーラノフィン、インドメタシンファネルシル等の非ステロイド系抗炎症剤及びそのエステル誘導体;トラニラスト、アゼラスチン、ケトチフェン、イブジラスト、オキサトミド、エメダスチン、エピナスチン等の抗アレルギー剤;ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、プロメタジン、トリペレナミン等の抗ヒスタミン剤;クロルプロマジン、ニトラゼパム、ジアゼパム、フェノバルビタール、レセルピン等の中枢神経作用薬; インシュリン、テストステロン、ノルエチステロン、メチルテストステロン、プロゲステロン、クロベタゾールプロピオン酸エステル、デプロドンプロピオン酸エステル、エストラジオール等のホルモン剤;クロニジン、レセルピン、グアネチジン、エホニジピン、アルプレノロール、ニフェジピン、ビソプロロール等の抗高血圧症剤;ジギトキシン、ジゴキシン等の強心剤;プロプラノロール、プロカインアミド、アジマリン、ピンドロール、ツロブテロ-ル、メキシレチン等の抗不整脈用剤;ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、パパベリン、ニフェジピン、ジルチアゼム、ニコランジル等の冠血管拡張剤;リドカイン、プロカイン、プロカイン、ベンゾカイン、テトラカイン等の局所麻酔剤;モルヒネ、アスピリン、コデイン、アセトアニリド、アミノピリン、アセトアミノフェン等の鎮痛剤;チザニジン、エペリゾン、トルペリゾン、イナペリゾン、ダントロレン等の筋弛緩剤;アセトフェニルアミン、ニトロフラゾン、ペンタマイシン、ナフチオメート、ミコナゾール、オモコナゾール、クロトリマゾール、ネチコナゾール、エフィナコナゾール、ブテナフィン等の抗真菌剤;5-フルオロウラシル、ブスルファン、アクチノマイシン、プレオマイシン、マイトマイシン等の抗悪性腫瘍剤;テロリジン、オキシブチニン等の尿失禁症剤;ニトラゼパム、メプロバメート等の抗てんかん剤;クロルゾキサゾン、レボドパ、アマンタジン、セレギリン、ラノラジン、ロピニロール等の抗パーキンソン剤;グラニセトロン、アザセトロン、オンダンセトロン、ラモセトロン、パロノセトロン等の制吐剤;オキシブチニン、イミダフェナシン等の頻尿治療剤;ニフェジピン、ニカルジピン、ニルバジピン等のCa拮抗剤;フェンタニル、モルヒネ等の麻薬系鎮痛剤;ジフェニドール、ベタヒスチン等の抗めまい剤;ベンゾチアゼピン等の心臓・血管系薬剤;ケトチフェン、ツロブテロール、トラニラスト等の鎮咳去疲剤;ビンポセチン、ニセルゴリン、ニコランジル、マレイン酸クレンチアセム、ファスジル、ベニジピン、エホニジピン等の脳循環改善剤;ドコサヘキサエン酸、ビンコナート、ネブラセタム等の脳血管性痴呆剤;ドネペジル、アミリジン、メマンチン、リバスチグミン、ガランタミン等のアルツハイマー治療剤;ルーティイナイジングホルモン-リリージングホルモン、サイロトロビンリリージングホルモン等のポリペプチド系ホルモン剤;ポリサッカライド類、オーラノフィン、ロベンザリット等の免疫調節剤;ウルソデスオキシコール酸等の利胆剤;ヒドロフルメチアジド等の利尿剤;トルブタミド等の糖尿病用剤;コルヒチン等の痛風治療剤;ニコチン等の禁煙補助剤;メチルフェニデート等の中枢神経興奮剤;オランザピン、リスペリドン、アセナピン等の抗精神病剤;ミノキシジル等の発毛剤;ビタミン類;プロスタグランジン類;催眠鎮静剤;自律神経用剤;末梢血管拡張剤が挙げられる。上記薬物はフリー体の形態であってもよく、薬学的許容される塩の形態であってもよい。皮膚透過性の観点から、ケトプロフェン、ジクロフェナク、フェルビナク及びロキソプロフェン等の酸性薬物であることが好ましく、特にジクロフェナク又はその薬学的に許容される塩であることが好ましい。薬物の濃度は、1質量%~30質量%(皮膜形成型外用製剤の全質量を基準として(ただし、エアゾール製剤の場合は噴射剤を除いた薬液の全質量を基準として)。以下同じ。)とすることができる。
有機溶剤は、薬物その他の成分を溶解又は分散させるための媒体となる。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、エーテル、トリクロロエタン、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。溶解性の観点から、有機溶剤がエタノール及び酢酸エチルから選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。有機溶剤の濃度は、60質量%~90質量%とすることができる。
ニトロセルロースは、皮膜形成剤として機能する。ニトロセルロースとしては、例えば、25質量%~35質量%(製品の全質量を基準として。)のイソプロパノール等の湿潤剤で湿潤されたJISK6703-1995規格に適合する工業用のニトロセルロース(硝化綿)等を使用することができる。具体的には、RS 1/32、RS 1/16、RS 1/8、RS 1/4、RS 1/2、RS 1、RS 2、RS 5、RS 7、RS 20、RS 60、RS 120、RS 500、SS 1/8、SS 1/4、SS 1/2及びSS20等(KOREA CNC LTD.製)が挙げられる。ニトロセルロースの濃度は、3質量%~18質量%とすることができる。
吸収促進剤は、皮膜形成型外用製剤の皮膚への付着性を高め、皮膜のひび割れの発生を抑制する。吸収促進剤は、従来、皮膚での吸収促進作用を有することが知られている化合物であればよい。吸収促進剤としては、例えば、界面活性剤及び脂肪酸エステル(パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル及びオレイン酸エチル等)が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられる。外用製剤の皮膚への付着性を高め、皮膜のひび割れの発生を抑制する観点から、吸収促進剤は、界面活性剤であることが好ましく、非イオン性界面活性剤又はアニオン性界面活性剤であることが特に好ましい。吸収促進剤の濃度は、1質量%~15質量%とすることができる。
皮膜形成型外用製剤は、pH調整剤を含むことが好ましい。pH調整剤を含むことで、薬物の皮膚透過性が向上する。pH調整剤としては、塩酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、ホウ酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、アジピン酸、リンゴ酸、グルコノ-δ-ラクトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム及びメグルミン等が挙げられる。薬物の皮膚透過性向上の観点から、pH調整剤は乳酸であることが好ましい。pH調整剤の濃度は、0.1質量%~10質量%とすることができる。
皮膜形成型外用製剤は、上記成分の他に、可塑剤、保湿剤、安定化剤、防腐剤、清涼化剤及び香料等を含んでいてもよい。
可塑剤としては、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、イソステアリルアルコール及びラウリルアルコール等の高級アルコールが挙げられる。
保湿剤としては、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、1,3-プロパンジオール及び1,4-ブタンジオール等の多価アルコールが挙げられる。
安定化剤としては、例えば、オキシベンゾン、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、エデト酸ナトリウム及びUV吸収剤(例えば、ジベンゾイルメタン誘導体)等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル(例えば、メチルパラべン、エチルパラベン及びプロピルパラベン等)が挙げられる。
清涼化剤としては、例えば、チモール、l-メントール、dl-メントール、l-イソプレゴール及びハッカ油等が挙げられる。
皮膜形成型外用製剤は、ローション剤、リニメント剤及びゲル剤等の形態であってもよく、エアゾール製剤の形態であってもよい。
皮膜形成型外用製剤がエアゾール製剤の形態である場合、上記成分を含む薬液をエアゾール容器に充填し、その容器のバルブを装着させ、噴射剤を充填することにより、エアゾール組成物を製造することができる。更に、その容器に噴射ボタンを取り付けることで、エアゾール製剤を製造することができる。
噴射剤は、エアゾール製剤に使用される公知の物質を用いることができ、例えば、ジメチルエーテル、液化石油ガス(LPG)、窒素ガス、炭酸ガス、代替フロンガス等が挙げられる。薬液と噴射剤の比率(質量比)は、1:9~9:1とすることができる。
エアゾール組成物を収容する容器は、エアゾール製剤として使用される一般的な容器を使用することができ、典型的には、アルミニウム、鋼又はブリキ等からなる金属製容器が使用され、金属製容器の内面は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂又はポリアミドイミド樹脂等でコーティングされていてもよい。
図1~図12を参照しながら、エアゾール組成物を収容する容器の一例であるスプレー1の構造について説明する。スプレー1は高圧の噴射剤を用いて所与の物質(例えば皮膜形成型外用製剤)を霧、泡などの状態で噴射する装置である。
図1および図2はいずれもスプレー1の斜視図である。スプレー1は、エアゾール組成物を収容する缶10と、缶10の一端に着脱可能に設けられる蓋20とを備える。図1は蓋20が閉まった状態を示し、図2は蓋20が開いた状態を示す。本開示では、蓋20が閉められる側をスプレー1の上側と定義し、その反対側、すなわち缶10の底の側をスプレー1の下側と定義する。缶10の上端には噴射ボタン11が設けられる。噴射ボタン11の側面には噴射孔12が設けられる。ユーザが噴射ボタン11を缶10の底に向かって押すと、エアゾール組成物が噴射孔12から外部に放出される。噴射ボタン11の側方の少なくとも一部を囲むように側壁13が設けられる。噴射孔12と向かい合う側壁13の部分には、下方に向かって凹状(例えばU字状)に形成された受枠14が設けられる。蓋20の端面(上面)の中央には、上方に延びる円柱状の突き出し部が形成される。その突き出し部の内側には上下方向(これを蓋20の軸方向ともいう)に沿って貫通孔21が形成される。突き出し部の外側面の全周には溝22が形成される。すなわち、溝22は貫通孔21に沿って形成される。
図3は缶10に蓋20がカバーとして取り付けられる際の缶10と蓋20との位置関係を示す斜視図である。図4および図5は、蓋20がカバーとして缶10に取り付けられたスプレー1を示す斜視図である。図4はそのスプレー1を噴射孔12の側から見た図であり、図5はそのスプレー1を反対側から見た図である。これらの図に示すように、缶10の受枠14および蓋20の溝22は、溝22が受枠14に着脱可能に嵌まるように形成される。ユーザは蓋20を缶10に対して横にし、溝22が受枠14に嵌まるように蓋20を缶10に押し込むことで、蓋20を缶10に取り付けることができる。この結果、噴射孔12と蓋20の内部空間23とが連通するように缶10および蓋20が一体化される。「噴射孔と蓋の内部空間とが連通する」とは、噴射孔から排出されたエアゾール組成物が蓋の内部空間を通過できるように、噴射孔とその内部空間とが接続されることをいう。エアゾール組成物の噴射範囲は内部空間23によって限定される。すなわち、噴射孔12の前方(すなわち、エアゾール組成物の噴射方向)に取り付けられた蓋20は、噴射範囲を限定するための筒状のカバーとして機能する。噴射ボタン11の端面(上面)に形成されたマーク11aは、噴射孔12が位置する方向を示すとともに、蓋20がカバーとして取り付けられる側を示す。
図6は蓋20が閉まったスプレー1の正面図および平面図である。本開示では、噴射孔12と正対する側をスプレー1の正面と定義する。スプレー1の左側面図、右側面図、および背面図は正面図と同じである。スプレー1の底面図は単なる一つの円によって表現される。平面図で示されるように、蓋20が閉められた状態でもその貫通孔21を通して噴射ボタン11が視認可能である。
図7は図6のA-A線断面図である。図8は図7のB-B線拡大図である。エアゾール組成物を収容する缶10の内部空間15と噴射孔12とは、上下方向に延びる管状の細い通路16でつながる。噴射ボタン11が押されたことに応答して、エアゾール組成物は内部空間15から通路16を通って噴射孔12に至り、噴射孔12から外部に噴き出る。
図9は缶10の左側面図および平面図である。缶10の右側面図はその左側面図と対称である。図10は缶10の正面図および平面図である。
図11は、缶10に蓋20がカバーとして取り付けられたスプレー1の左側面図および平面図である。このスプレー1の右側面図はその左側面図と対称である。図12はそのスプレー1の上部の状態変化を示す拡大断面図である。状態S1を示す図は、図11のC-C線に基づいて拡大した、同図のD-D線断面図である。状態S1は噴射ボタン11が押されていない初期状態である。ユーザが噴射ボタン11を押すとスプレー1の上部は状態S2に遷移する。その状態S2では、噴射孔12と、蓋20(および内部空間23)の中心軸100とが一致またはほぼ一致する。ユーザが噴射ボタン11を押すのを止めると、スプレー1の上部は状態S1に戻る。
上述したように、本開示の一側面に係るスプレーは、噴射孔が設けられた噴射ボタンと、該噴射ボタンの側方の少なくとも一部を囲む側壁とを有する缶と、缶に着脱可能に設けられる蓋とを備える。蓋の端部には、噴射孔に対応する貫通孔と、該貫通孔に沿った溝とが形成される。噴射孔と向かい合う側壁の部分には凹状の受枠が形成される。溝は受枠に着脱可能に嵌まり、これにより、噴射孔と蓋の内部空間とが連通する。
試験例1:耐水性の評価
表1及び表2に示す成分をそれぞれ秤取(単位:質量部)し、均一になるまで混合して、外用製剤を得た。得られた外用製剤の溶解性、皮膜形成の有無及び皮膜の耐水性を下記の条件で評価した。
表1及び表2に示す成分をそれぞれ秤取(単位:質量部)し、均一になるまで混合して、外用製剤を得た。得られた外用製剤の溶解性、皮膜形成の有無及び皮膜の耐水性を下記の条件で評価した。
溶解性評価
外用製剤の溶解性を目視で観察し溶解性を評価した。
評価基準
A:均一に溶解する
B:二層分離が生じる
C:未溶解物又は析出物が生じる
外用製剤の溶解性を目視で観察し溶解性を評価した。
評価基準
A:均一に溶解する
B:二層分離が生じる
C:未溶解物又は析出物が生じる
皮膜形成有無の評価
外用製剤0.1gをライナー(プラスチックフィルム)上に滴下した後、直径5cmの範囲に塗り広げた。皮膜形成の有無について目視で評価した。
評価基準
A:皮膜を形成する
C:皮膜を形成するが一様ではない又は皮膜を形成しない
外用製剤0.1gをライナー(プラスチックフィルム)上に滴下した後、直径5cmの範囲に塗り広げた。皮膜形成の有無について目視で評価した。
評価基準
A:皮膜を形成する
C:皮膜を形成するが一様ではない又は皮膜を形成しない
皮膜の耐水性評価
外用製剤0.1gをライナー(プラスチックフィルム)上に滴下した後、直径5cmの範囲に塗り広げ、皮膜を形成させた。皮膜形成後、精製水を滴下して5分後の皮膜の様子を目視で評価した。
評価基準
A:皮膜は溶解せず付着している
B:皮膜の一部が溶解している又は剥がれている
C:皮膜が溶解している
外用製剤0.1gをライナー(プラスチックフィルム)上に滴下した後、直径5cmの範囲に塗り広げ、皮膜を形成させた。皮膜形成後、精製水を滴下して5分後の皮膜の様子を目視で評価した。
評価基準
A:皮膜は溶解せず付着している
B:皮膜の一部が溶解している又は剥がれている
C:皮膜が溶解している
表1及び表2に示すように、アミノアルキルメタクリレートコポリマー及びニトロセルロースを含有する外用製剤は、溶解性、皮膜形成能及び皮膜耐水性に優れていることが確認された。耐水性も考慮すると、最も優れた皮膜形成剤はニトロセルロースであることが確認された。
試験例2:皮膚透過持続性及びひび割れ改善の評価
下記表3及び表4に示す成分をそれぞれ秤取し(単位:質量部)、均一になるまで混合して、皮膜形成型外用製剤を得た。得られた外用製剤の皮膚透過性を下記の条件で評価した。
下記表3及び表4に示す成分をそれぞれ秤取し(単位:質量部)、均一になるまで混合して、皮膜形成型外用製剤を得た。得られた外用製剤の皮膚透過性を下記の条件で評価した。
ヘアレスマウス皮膚透過性試験
製造した皮膜形成型外用製剤について、ヘアレスマウスを用いて、ジクロフェナクの皮膚透過量を測定した。まず、摘出したヘアレスマウス皮膚の真皮側をレセプター液側にして、フロースルー型拡散セルに装着した。そして、ヘアレスマウス皮膚上(角質層側)に製造した各皮膜形成型外用製剤40mgを滴下し、5cm2になるように塗り広げた。次に、セル内をリン酸緩衝生理食塩水で満たし、皮膚表面温度が32±1℃となるように温水をセル外周部に循環させた。サンプリングは6時間毎に行い、各ポイントで得られたレセプター溶液は、流量を正確に測り、高速液体クロマトグラフィーにより薬物濃度を測定し、流量及び薬物濃度の測定値より、皮膚透過量を測定した。
製造した皮膜形成型外用製剤について、ヘアレスマウスを用いて、ジクロフェナクの皮膚透過量を測定した。まず、摘出したヘアレスマウス皮膚の真皮側をレセプター液側にして、フロースルー型拡散セルに装着した。そして、ヘアレスマウス皮膚上(角質層側)に製造した各皮膜形成型外用製剤40mgを滴下し、5cm2になるように塗り広げた。次に、セル内をリン酸緩衝生理食塩水で満たし、皮膚表面温度が32±1℃となるように温水をセル外周部に循環させた。サンプリングは6時間毎に行い、各ポイントで得られたレセプター溶液は、流量を正確に測り、高速液体クロマトグラフィーにより薬物濃度を測定し、流量及び薬物濃度の測定値より、皮膚透過量を測定した。
皮膜の付着性及びひび割れ評価
表5に示す一部の外用製剤をエアゾール容器に充填し、そのエアゾール容器にバルブを装着させた後、外用製剤と噴射剤(ジメチルエーテル)の質量比が1:1になるように充填し、皮膜形成型エアゾール組成物を得た。次いで、エアゾール容器に噴射ボタンを取り付けることで、皮膜形成型エアゾール製剤を製造した。得られた皮膜形成型エアゾール製剤を1秒間皮膚上に噴霧した後、4時間経過後の皮膜性状を目視で観察し、付着性やひび割れを下記の基準で評価した。
A:9割以上付着し、ひび割れが見られない
B:9割以上付着しているが、一部ひび割れが見られる
C:9割未満の付着である、又はひび割れが多くみられる
表5に示す一部の外用製剤をエアゾール容器に充填し、そのエアゾール容器にバルブを装着させた後、外用製剤と噴射剤(ジメチルエーテル)の質量比が1:1になるように充填し、皮膜形成型エアゾール組成物を得た。次いで、エアゾール容器に噴射ボタンを取り付けることで、皮膜形成型エアゾール製剤を製造した。得られた皮膜形成型エアゾール製剤を1秒間皮膚上に噴霧した後、4時間経過後の皮膜性状を目視で観察し、付着性やひび割れを下記の基準で評価した。
A:9割以上付着し、ひび割れが見られない
B:9割以上付着しているが、一部ひび割れが見られる
C:9割未満の付着である、又はひび割れが多くみられる
外用製剤12及び13は、皮膚透過性が低いことが確認された。また、外用製剤14は、外用製剤12及び13と比べて透過性が優れているものの、エアゾール製剤とすると皮膜への付着性が低下し、ひび割れが発生することが確認された(エアゾール製剤3)。
一方、吸収促進剤として界面活性剤を含有する外用製剤15及び16については、皮膚透過性が良好であり、更にエアゾール製剤としたときの皮膜の付着性に優れ、ひび割れの発生を抑制できることが確認された(エアゾール製剤4及び5)。また、外用製剤17~19の結果から、pH調整剤として乳酸を添加することにより、更に透過性が向上することが確認された。
試験例3:ヒト皮膚における皮膚透過持続性の確認
下記表6に示す成分をそれぞれ秤取し(単位:質量部)、均一になるまで混合して、皮膜形成型外用製剤を得た。得られた皮膜形成型外用製剤のヒト皮膚透過性を下記の条件で評価した。
下記表6に示す成分をそれぞれ秤取し(単位:質量部)、均一になるまで混合して、皮膜形成型外用製剤を得た。得られた皮膜形成型外用製剤のヒト皮膚透過性を下記の条件で評価した。
ヒト皮膚透過性試験
製造した皮膜形成型外用製剤について、角質層側から約500μmの厚みに切断(ダーマトーム)した試験用のヒト皮膚を用いて、ジクロフェナクの皮膚透過量を測定した。まず、摘出したヒト皮膚の真皮側をレセプター液側にして、フロースルー型拡散セルに装着した。そして、ヒト皮膚上(角質層側)に製造した皮膜形成型外用製剤80mgを滴下し、5cm2になるように塗り広げた。次に、セル内をリン酸緩衝生理食塩水で満たし、皮膚表面温度が32±1℃となるように温水をセル外周部に循環させた。サンプリングは6時間毎に行い、各ポイントで得られたレセプター溶液は、流量を正確に測り、高速液体クロマトグラフィーにより薬物濃度を測定し、流量及び薬物濃度の測定値より、皮膚透過量を測定した。
製造した皮膜形成型外用製剤について、角質層側から約500μmの厚みに切断(ダーマトーム)した試験用のヒト皮膚を用いて、ジクロフェナクの皮膚透過量を測定した。まず、摘出したヒト皮膚の真皮側をレセプター液側にして、フロースルー型拡散セルに装着した。そして、ヒト皮膚上(角質層側)に製造した皮膜形成型外用製剤80mgを滴下し、5cm2になるように塗り広げた。次に、セル内をリン酸緩衝生理食塩水で満たし、皮膚表面温度が32±1℃となるように温水をセル外周部に循環させた。サンプリングは6時間毎に行い、各ポイントで得られたレセプター溶液は、流量を正確に測り、高速液体クロマトグラフィーにより薬物濃度を測定し、流量及び薬物濃度の測定値より、皮膚透過量を測定した。
表7に示した結果から明らかなとおり、得られた皮膜形成型外用製剤は1週間にわたって薬物の皮膚透過性が持続することが確認された。
1…スプレー、10…缶、11…噴射ボタン、11a…マーク、12…噴射孔、13…側壁、14…受枠、15…内部空間、16…通路、20…蓋、21…貫通孔、22…溝、23…内部空間。
Claims (6)
- 薬物、有機溶剤、ニトロセルロース及び吸収促進剤を含む、皮膜形成型外用製剤。
- 前記吸収促進剤が界面活性剤である、請求項1に記載の皮膜形成型外用製剤。
- 前記有機溶剤がエタノール及び酢酸エチルから選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1又は2に記載の皮膜形成型外用製剤。
- 前記薬物が酸性薬物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の皮膜形成型外用製剤。
- pH調整剤をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の皮膜形成型外用製剤。
- エアゾール製剤である、請求項1~5のいずれか一項に記載の皮膜形成型外用製剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020157289 | 2020-09-18 | ||
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