以下、本実施の形態に係る情報処理装置10について説明する。
(第1の実施形態)
情報処理装置10は、一例として、文書及び画像の少なくとも一方を含んで構成された電子情報を表示可能なソフトウェアを実行可能なスマートフォン、タブレット端末、又は携帯可能なノート型PC(=パーソナルコンピュータ)等の携帯端末である。以下では、当該ソフトウェアを「特定ソフトウェア」と記載する。この特定ソフトウェアの例としては、文書作成ソフト、表計算ソフト、プレゼンテーションソフト、カメラにより画像を撮影可能な画像撮影ソフト、文書作成ソフト等により作成されたデータや画像撮影ソフトにより撮影されたデータ等を閲覧可能なビューアソフト、電子書籍を閲覧するためのソフトウェアである電子書籍リーダー等が想定される。
図1は、情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理装置10は、CPU20(=Central Processing Unit)、ROM22(=Read Only Memory)、RAM24(=Random Access Memory)、記憶部26、入力部28、表示部30、検知部32、撮影部34及び通信部36を備えている。各構成は、バス38を介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU20は「プロセッサ」の一例である。
CPU20は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU20は、ROM22又は記憶部26からプログラムを読み出し、RAM24を作業領域としてプログラムを実行する。CPU20は、ROM22又は記憶部26に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。第1の実施形態では、ROM22又は記憶部26には、電子情報の使用状況又は電子情報を表示させる場所の周囲の環境を示す環境情報の少なくとも一方に合わせた態様で電子情報を表示させるための情報処理プログラムが格納されている。なお、情報処理プログラムは、情報処理装置10に予めインストールされていてもよいし、不揮発性の記憶媒体に記憶したり、又は、ネットワークを介して配布したりして、情報処理装置10に適宜インストールしてもよい。不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD(=Hard Disk Drive)、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
ROM22は、各種プログラム及び各種データを格納する。RAM24は、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。記憶部26は、HDD、SSD(=Solid State Drive)又はフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、及び各種データを格納する。
入力部28は、各種の入力を行うために使用される。表示部30は、例えば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。また、表示部30は、タッチパネル方式を採用しており、入力部28としても機能する。
検知部32は、接触センサ、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、湿度センサ、及び温度センサ等の複数のセンサで構成されている。なお、検知部32は、前述のセンサに加えて他のセンサを備えてもよいし、前述のセンサの一部を備えていなくてもよい。
そして、取得部の一例である検知部32は、電子情報の使用状況又は電子情報を表示させる場所の周囲の環境を示す環境情報の少なくとも一方を検知可能である。例えば、検知部32が検知可能な電子情報の使用状況には、情報処理装置10の内部温度があり、検知部32が検知可能な環境情報には、情報処理装置10に対する接触、情報処理装置10に対して発生した圧力及び加速度、並びに、情報処理装置10の周囲の空間の温度である外部温度及び湿度等がある。また、環境情報の定義中の「電子情報を表示させる場所の周囲」は、当該電子情報を表示させる際に情報処理装置10が位置する都道府県又は市区町村単位で規定してもよいし、当該電子情報を表示させる際の情報処理装置10の現在地からの距離(例:10キロ圏内)で規定してもよい。なお、環境情報には、上記のような検知部32で検知可能な情報に限らず、後述する撮影部34により撮影された情報及び通信部36を介して取得可能な情報も含まれる。
撮影部34は、例えば、CCD(=Charge Coupled Device)、又はCMOS(=Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を備えたカメラである。
通信部36は、情報処理装置10が他の機器と通信するためのインタフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。
上記の情報処理プログラムを実行する際に、情報処理装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、当該情報処理プログラムに基づく処理を実行する。
次に、情報処理装置10の作用について説明する。
図2は、情報処理装置10による電子情報表示処理の第1の流れを示すフローチャートである。CPU20がROM22又は記憶部26から情報処理プログラムを読み出して、RAM24に展開して実行することにより、電子情報表示処理が行われる。
図2に示すステップS10において、CPU20は、撮影部34により撮影された画像情報が格納されたファイルをビューアソフトで実行する。そして、ステップS11に進む。第1の実施形態では、一例として、電子情報を「画像情報」とし、特定ソフトウェアを「ビューアソフト」としている。
ステップS11において、CPU20は、画像情報の使用状況を取得する。そして、ステップS12に進む。
画像情報の使用状況には、画像情報を閲覧した閲覧回数、画像情報を転送した転送回数、及び画像情報を複製した複製回数の少なくとも1つが含まれる。これらの閲覧回数、転送回数、及び複製回数は、記憶部26に記憶されており、画像情報が閲覧されたり、転送されたり、複製されたりする都度、記憶されている回数が更新される。CPU20は、ステップS11において、例えば、画像情報の使用状況として「閲覧回数」を記憶部26から取得する。
ステップS12において、CPU20は、画像情報の使用状況として閲覧回数が予め定めた閾値を超えないか否かを判断し、予め定めた閾値を超えないと判断した場合(ステップS12:YES)はステップS13に進む。一方、CPU20が予め定めた閾値を超えると判断した場合(ステップS12:NO)はステップS14に進む。第1の実施形態では、閲覧回数が10回以下の場合に、CPU20が予め定めた閾値を超えないと判断する。
ステップS13において、CPU20は、予め定めた追加情報を加えていない画像情報を表示させる。そして、当該処理を終了する。なお、追加情報の詳細については後述する。
図3は、追加情報を加えていない画像情報の表示例である。図3に示すように、表示部30には、画像情報として、例えば、撮影部34により撮影された撮影画像40である人が写った第1画像40A及び木が写った第2画像40Bがそのままの態様で表示されている。
図2に戻って、ステップS14において、CPU20は、追加情報を加えた画像情報を表示させる。そして、当該処理を終了する。追加情報は、情報処理装置10のユーザに対して使用感を感じさせる視覚効果を与える情報である。追加情報の例としては、傷、汚れ、しわ、破れ、たわみ、へこみ等が想定される。
図4は、追加情報を加えた画像情報の第1の表示例である。図4に示すように、表示部30には、画像情報として、図3と同内容の撮影画像40と、破れ表示42と、が表示されている。三角形状を呈する破れ表示42は、撮影画像40の第1画像40Aの一部と重畳する位置に表示されている。そして、図4の表示例では、撮影画像40が撮影部34により撮影された情報であり、破れ表示42が追加情報としてビューアソフトを用いて加えられた情報である。
第1の実施形態では、第1画像40Aと破れ表示42との重畳部分については、CPU20により破れ表示42を優先して表示させる制御が行われることで、当該重畳部分では破れ表示42のみが視認可能となっている。また、CPU20は、破れ表示42を表示部30の地色と同色で表示させている。そのため、図4の表示例では、当該重畳部分において第1画像40Aの一部(図4では人の足)が視認不能となることで、表示されている写真が破れたとの印象をユーザに与えることが期待できる。
以上のように、第1の実施形態では、CPU20が、ビューアソフトを実行して画像情報を表示させる場合、画像情報の使用状況に合わせた態様で画像情報を表示させる。具体的には、CPU20は、ビューアソフトを実行して画像情報を表示させる場合の所定の条件として、画像情報の使用状況が予め定めた閾値を超えるときに、当該画像情報の使用状況に合わせた態様として追加情報を加えて画像情報を表示させる。そして、第1の実施形態では、写真用紙に印刷された写真であれば発生し得る変化を画像情報においても反映している。例えば、当該写真を複数回閲覧した際に当該写真の同一箇所に触れていた場合には、その部分にユーザの指の指紋等が付着して汚れていく。第1の実施形態では、上記のような当該写真であれば発生し得る変化を、情報処理装置10のユーザに対して使用感を感じさせる視覚効果を与える情報である追加情報として加えることで、画像情報においても反映している。
そのため、第1の実施形態によれば、画像情報の表示の態様を変化させられる。そして、第1の実施形態によれば、表示される画像情報の態様として、追加情報を加えた態様に変化させられる。
なお、第1の実施形態では、ステップS11で画像情報の使用状況として「閲覧回数」を記憶部26から取得していたが、ここで取得する画像情報の使用状況は「閲覧回数」に限られない。ステップS11では、画像情報の使用状況として、閲覧回数、転送回数、及び複製回数の少なくとも1つを取得すればよく、例えば、転送回数を取得してもよいし、閲覧回数及び転送回数を取得してもよい。
第1の実施形態では、破れ表示42を追加情報として撮影画像40に重畳することで、当該重畳した部分において第1画像40Aの一部(図4では人の足)を視認不能としていた。しかし、これに限らず、追加情報として撮影画像40の一部を消去し、当該消去した部分において第1画像40Aの一部(図4では人の足)を視認不能としてもよい。つまり、追加情報の追加は、撮影画像40に他の画像を重畳することに限らず、撮影画像40の一部を消去することであってもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、画像情報の使用状況の予め定めた閾値を複数段階設けている。具体的には、当該閾値は、第1閾値と、第1閾値よりも値の大きい第2閾値との2段階が設けられている。第2の実施形態では、第1閾値を10回、第2閾値を20回としている。そして、第2の実施形態では、超えた当該閾値の段階が高まるにつれて、CPU20が、表示させる画像情報の態様を追加情報が加わる前の態様から変化させる変化度合いを高める。
例えば、第2の実施形態では、CPU20が、図2に示すステップS12で画像情報の使用状況(例:閲覧回数)が第1閾値を超えるが、第2閾値以下であると判断した場合、図4に示す態様で画像情報を表示させる。つまり、この場合は、破れ表示42が追加情報として加えられた態様で画像情報が表示されている(図4参照)。
また、第2の実施形態では、CPU20が、図2に示すステップS12で画像情報の使用状況(例:閲覧回数)が第2閾値を超えると判断した場合、図5に示す態様で画像情報を表示させる。
図5は、追加情報を加えた画像情報の第2の表示例である。図5に示すように、表示部30には、画像情報として、図3及び図4と同内容の撮影画像40と、破れ表示42及び破れ表示44と、が表示されている。三角形状を呈する破れ表示44は、撮影画像40の第2画像40Bの一部と重畳する位置に表示されている。そして、図5の表示例では、撮影画像40が撮影部34により撮影された情報であり、破れ表示42及び破れ表示44が追加情報としてビューアソフトを用いて加えられた情報である。
第1画像40Aと破れ表示42との重畳部分(以下、「第1重畳部分」とする)と同様に、第2画像40Bと破れ表示44との重畳部分(以下、「第2重畳部分」とする)についても、CPU20により破れ表示44を優先して表示させる制御が行われることで、第2重畳部分では破れ表示44のみが視認可能となっている。また、CPU20は、破れ表示44を表示部30の地色と同色で表示させている。そのため、図5の表示例では、第1重畳部分において第1画像40Aの一部(図5では人の足)が視認不能となり、第2重畳部分において第2画像40Bの一部(図5では木の根元)が視認不能となることで、表示されている写真の複数箇所が破れたとの印象をユーザに与えることが期待できる。
以上説明したように、第2の実施形態では、画像情報の使用状況の予め定めた閾値の超えた段階が高まるにつれて表示される破れ表示が増え、表示部30上で視認可能な撮影画像40の面積が小さくなることで、表示される画像情報の変化度合いを高めている。そのため、第2の実施形態によれば、当該閾値が1段階の構成に比べて、段階的に画像情報の表示の態様を変化させられる。
なお、第2の実施形態では、複数段階の閾値として、第1閾値及び第2閾値の2段階を設けていたが、これに限らず、当該閾値を3段階以上設けてもよい。
第2の実施形態では、破れ表示44を追加情報として撮影画像40に重畳することで、当該重畳した部分において第2画像40Bの一部(図5では木の根元)を視認不能としていた。しかし、これに限らず、追加情報として撮影画像40の一部を消去し、当該消去した部分において第2画像40Bの一部(図5では木の根元)を視認不能としてもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
第3の実施形態は、前述の実施形態と異なり、特定ソフトウェアを実行して電子情報を表示させる場合、CPU20が、環境情報に合わせた態様で電子情報を表示させる。第3の実施形態における環境情報は、通信部36を介して取得可能な情報、具体的には、後述する天候情報としている。
図6は、情報処理装置10による電子情報表示処理の第2の流れを示すフローチャートである。
図6に示すステップS20において、CPU20は、プレゼンテーションソフトを用いて作成された電子資料が格納されたファイルをビューアソフトで実行する。そして、ステップS21に進む。第3の実施形態では、一例として、電子情報を「電子資料」とし、特定ソフトウェアを「ビューアソフト」としている。
ステップS21において、CPU20は、通信部36の通信結果を取得する。そして、ステップS22に進む。第3の実施形態では、CPU20が、通信部36の通信結果として、通信部36を介して気象サーバから受信した電子資料を表示させる場所の5kmメッシュ内の天候情報を取得する。なお、電子資料を表示させる場所は、情報処理装置10のGPS情報を基に決定される。また、通信部36は「取得部」の一例であり、通信結果は「取得結果」の一例である。
ステップS22において、CPU20は、通信部36の通信結果に合わせた取得情報を加えた電子資料を表示させる。そして、当該処理を終了する。
図7は、取得情報を加えた電子資料の第1の表示例である。図7に示すように、表示部30には、電子資料として、第1資料画像50と、雨粒表示52と、ページ数表示54と、が表示されている。第1資料画像50は、「商品Aの季節毎の販売個数」を表形式で表示している。複数の波紋で構成された雨粒表示52は、表示部30の左下部に表示されている。ページ数を示すページ数表示54は、表示部30の右上部に表示されており、図7では「1/5ページ」であることを示している。そして、図7の表示例では、第1資料画像50及びページ数表示54がプレゼンテーションソフトを用いて作成された情報であり、雨粒表示52が取得情報としてビューアソフトを用いて加えられた情報である。
ここで、第3の実施形態では、ステップS21で取得した天候情報が雨である場合、CPU20は、雨粒表示52を加えて電子資料を表示させる。そのため、第3の実施形態では、図7の表示例を閲覧したユーザに対し、電子資料を閲覧している場所の周囲の天候が雨であると認識させることが期待できる。
以上のように、第3の実施形態では、CPU20は、ビューアソフトを実行して電子資料を表示させる場合、通信部36の通信結果に合わせた取得情報を加えて電子資料を表示させる。そのため、第3の実施形態によれば、表示される電子資料の態様として、取得情報を加えた態様に変化させられる。そして、第3の実施形態では、紙の資料であれば発生し得る変化を電子資料においても反映している。例えば、雨の日に屋外で紙の資料を閲覧している場合には、紙の資料が雨で濡れることがある。第3の実施形態では、上記のような紙の資料であれば発生し得る変化を、取得情報としての雨粒表示52を加えることで電子資料においても反映している。
また、第3の実施形態では、CPU20が、取得情報を加えることで、表示させる電子資料の全体の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる。
図8は、取得情報を加えた電子資料の第2の表示例である。図8に示すように、表示部30には、電子資料として、第2資料画像56と、雨粒表示52と、ページ数表示54と、が表示されている。第2資料画像56は、「商品Aの季節毎の販売個数」に対する「分析結果」を表示している。そして、図8の表示例では、第2資料画像56及びページ数表示54がプレゼンテーションソフトを用いて作成された情報であり、雨粒表示52が取得情報としてビューアソフトを用いて加えられた情報である。
ここで、図8に示すページ数表示54は、「2/5ページ」と表示され、図7の表示例の次のページであることを示している。また、図8の表示例では、ページ変更に伴い、表示部30の中央の表示内容が、第1資料画像50(図7参照)から第2資料画像56へと変更されている。ただし、図8の表示例では、ページ変更が行われても、図7の表示例と同様の雨粒表示52が表示されている。
つまり、第3の実施形態では、CPU20が、取得情報を加えて電子資料を表示させる場合には、電子資料の全てのページに取得情報としての雨粒表示52を表示させる。なお、第3の実施形態では、「3/5ページ」以降の表示例の図示を省略しているが、これらのページについても同様に雨粒表示52が表示される。
以上の構成により、第3の実施形態によれば、表示される電子資料の一部の態様が変化する構成に比べて、電子資料を閲覧している場所の周囲の環境をユーザに認識し易くできる。
なお、第3の実施形態では、天候情報として「雨」という天候に関する情報のみを取得していたが、ここで取得する天候情報は「天候に関する情報」に限られない。具体的には、天候情報には、「雨」及び「晴れ」等の天候に関する情報に加え、気温、湿度、風速等の情報が含まれる。そして、第3の実施形態では、天候情報として、上記の情報のうちの少なくとも1つを取得すればよく、例えば、気温の情報を取得してもよいし、気温及び湿度の情報を取得してもよい。
第3の実施形態では、雨粒表示52を加えて電子資料を表示させることで当該電子資料を閲覧している場所の周囲の天候をユーザに示唆していたが、当該天候の示唆方法はこれに限られない。例えば、CPU20は、取得情報として、雨粒表示52に代えて又は加えて、天候情報に応じた色を表示部30に付してもよい。具体的には、CPU20は、ステップS21で取得した天候情報が雨である場合には、取得情報として表示部30の背景を「青色」で表示したり、晴れである場合には、取得情報として表示部30の背景を「赤色」で表示したりしてもよい。このように、表示部30の背景に付す色に応じて、当該電子資料を閲覧している場所の周囲の天候をユーザに示唆してもよい。また、ステップS21で取得した天候情報が雨である場合、CPU20は、電子資料がふやけて柔らかくなっている印象を与えるように、当該電子資料に表示されている図又は文字等の表示の態様を変化させてもよい。
また、第3の実施形態において、電子資料のページ送りの速度を変化させることで、当該電子資料を閲覧している場所の周囲の気温をユーザに示唆してもよい。例えば、天候情報に基づき取得した気温が予め定めた温度(0℃)以下の場合は予め定めた温度(0℃)を超える場合よりも電子資料のページ送りの速度を遅くしてもよい。同様に、ページ送り指示をした場合にめくられるページの枚数を変化させてもよい。例えば、天候情報が雨で周囲が雨で濡れている環境下で電子資料を表示している場合には、天候情報が晴れで周囲が乾燥している環境下で電子資料を表示している場合よりも多くのページ数がめくられるように構成してもよい。これにより、雨に濡れたことで複数枚のページが接着してめくられた印象をユーザに与えることが期待できる。
第3の実施形態では、電子資料の全てのページに取得情報としての雨粒表示52を表示させることを、「電子情報の全体の態様の変化」の一例としていたが、当該一例はこれに限られない。例えば、閲覧中の電子資料の一ページ内において、取得情報として当該ページ全体の背景色を変化させることを、「電子情報の全体の態様の変化」の一例としてもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
図9は、取得情報を加えた電子資料の第3の表示例である。図9に示すように、表示部30には、電子資料として、図7と同内容の第1資料画像50と、ページ数表示54と、雨粒表示52及び雨粒表示58と、が表示されている。複数の波紋で構成された雨粒表示58は、表示部30の右下部に表示されている。そして、図9の表示例では、第1資料画像50及びページ数表示54がプレゼンテーションソフトを用いて作成された情報であり、雨粒表示52及び雨粒表示58が取得情報としてビューアソフトを用いて加えられた情報である。
ここで、第4の実施形態は、CPU20が、通信部36を介して取得した天候情報の取得時間に応じて、表示させる電子資料の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる変化度合いを変化させる。具体的には、CPU20は、通信部36を介して取得した天候情報が予め定めた時間(例:10分)の間に変化がない場合に、表示させる雨粒表示を増やすことで当該変化度合いを変化させている。
例えば、CPU20は、時刻T1に取得した天候情報が雨である場合、雨粒表示52を加えて電子資料を表示させる(図7参照)。また、CPU20は、時刻T1から予め定めた時間(例:10分)が経過した時刻T2までの天候情報が雨である場合、更に雨粒表示58を加えて電子資料を表示させる(図9参照)。
以上の構成により、第4の実施形態によれば、通信部36を介して取得した天候情報の取得時間に応じて、表示させる電子資料の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる変化度合いを変化させられる。
第4の実施形態では、天候情報の取得時間を、「予め定めた時間(例:10分)の間、天候情報に変化がないこと」といった特定の事象が連続した時間で判断していたが、これに限らず、特定の事象が累積した時間で判断してもよい。例えば、「30分中の10分間が雨」であるとの天候情報を取得した場合には、雨の時間が予め定めた時間(例:10分)連続していなくとも、雨の時間が当該予め定めた時間累積したとして、表示させる電子資料の変化度合いを変化させてもよい。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
第5の実施形態は、第3の実施形態と同様の図6に示すフローチャートを用いた電子情報表示処理が行われるが、ステップS21における通信部36の通信結果が第3の実施形態と異なる。第5の実施形態における環境情報は、通信部36を介して取得可能な情報、具体的には、後述するGPS情報としている。
第5の実施形態では、図6に示すステップS21において、CPU20は、通信部36の通信結果として、GPS通信を介して情報処理装置10のGPS情報を取得する。
図10は、取得情報を加えた電子資料の第4の表示例である。図10に示すように、表示部30には、電子資料として、図7と同内容の第1資料画像50と、ページ数表示54と、影表示59と、が表示されている。三角形状を呈する影表示59は、表示部30の左下部に表示されている。そして、図10の表示例では、第1資料画像50及びページ数表示54がプレゼンテーションソフトを用いて作成された情報であり、影表示59が取得情報としてビューアソフトを用いて加えられた情報である。
第5の実施形態では、CPU20が、影表示59を表示部30の地色と異色で表示させることで影を表現している。そのため、図10の表示例では、影表示59が表示されていることで、表示されている資料に影が写ったとの印象をユーザに与えることが期待できる。
そして、第5の実施形態では、紙の資料であれば発生し得る変化を電子資料においても反映している。例えば、晴れた日に屋外で紙の資料を閲覧している場合には、紙の資料に影が写ることがある。第5の実施形態では、上記のような紙の資料であれば発生し得る変化を、取得情報としての影表示59を加えることで電子資料においても反映している。
なお、第5の実施形態では、CPU20が情報処理装置10のGPS情報を基に影表示59を表示させていたが、これに代えて又は加えて、他の要素を基にして影表示59を表示させてもよい。当該他の要素の例としては、電子資料を閲覧している時刻、撮影部34により撮影された画像情報等が想定される。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
第6の実施形態は、前述の実施形態と異なり、特定ソフトウェアを実行して電子情報を表示させる場合、CPU20が、検知部32の検知結果に合わせた取得情報を加えて電子情報を表示させる。第6の実施形態における環境情報は、検知部32で検知可能な情報、具体的には、後述する外部からの表示部30に対する接触の有無としている。なお、検知部32は「取得部」の一例であり、検知結果は「取得結果」の一例である。
図11は、情報処理装置10による電子情報表示処理の第3の流れを示すフローチャートである。
図11に示すステップS30において、CPU20は、コンテンツ配信サーバから配信された電子書籍が格納されたファイルを電子書籍リーダーで実行する。そして、ステップS31に進む。第6の実施形態では、一例として、電子情報を「電子書籍」とし、特定ソフトウェアを「電子書籍リーダー」としている。
ステップS31において、CPU20は、検知部32による検知がないか否かを判断し、検知なしと判断した場合(ステップS31:YES)はステップS32に進む。一方、CPU20が検知ありと判断した場合(ステップS31:NO)はステップS33に進む。
ステップS32において、CPU20は、取得情報を加えていない電子書籍を表示させる。そして、当該処理を終了する。
図12は、取得情報を加えていない電子書籍の第1の表示例である。図12に示すように、表示部30には、電子書籍として、電子書籍の本文を示す本文表示60がそのままの態様で表示されている。なお、図12では、「おはようございます。」との文字と、当該文字以外の破線の部分と、を本文表示60として示している。また、図12には、ユーザの指を模式的に示す指表示Fを図示している。
図11に戻って、ステップS33において、CPU20は、取得情報を加えた電子書籍を表示させる。そして、当該処理を終了する。
図13は、取得情報を加えた電子書籍の第1の表示例である。図13に示すように、表示部30には、電子書籍として、図12と同内容の本文表示60と、破れ表示62と、が表示されている。三角形状を呈する破れ表示62は、表示部30の左下部に表示されている。そして、図13の表示例では、本文表示60がコンテンツ配信サーバから配信された情報であり、破れ表示62が取得情報として電子書籍リーダーを用いて加えられた情報である。
破れ表示62は、検知部32が外部からの表示部30に対する接触を検知した場合に表示される。例えば、図13の表示例では、図12の表示例に示す状態においてユーザの指が表示部30の左下部に触れた場合に検知部32が接触を検知し、CPU20が検知部32の検知結果に合わせた破れ表示62を加えて電子書籍を表示させている。
ここで、第6の実施形態では、検知部32が表示部30に対する接触を検知する検知領域を複数設けている。例えば、当該検知領域として、表示部30の左上部の領域である第1検知領域、表示部30の右上部の領域である第2検知領域、表示部30の左中央部の領域である第3検知領域、表示部30の右中央部の領域である第4検知領域、表示部30の左下部の領域である第5検知領域、及び表示部30の右下部の領域である第6検知領域の6つの領域を設けることが想定される。
そして、CPU20は、検知部32が表示部30に対する接触を検知した検知領域に応じた位置に破れ表示62を表示させる。例えば、図13は、ユーザの指が第5検知領域に触れた場合の表示例であり、CPU20は、当該表示例において表示部30の左下部に破れ表示62を加えて電子書籍を表示させている。また、第6の実施形態では、図示を省略しているが、例えば、図13の表示例に示す状態においてユーザの指が第6検知領域に触れた場合には、CPU20は、表示部30の右下部に他の破れ表示を更に表示させる。なお、第6の実施形態では、破れ表示62が表示されるページは、図11に示すステップS31でCPU20が検知ありと判断した場合に表示されているページのみであり、当該ページの次のページ以降には表示されない。
以上のように、第6の実施形態では、CPU20が、取得情報を加えることで、表示させる電子書籍の一部の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる。そのため、第6の実施形態によれば、表示される電子書籍の全体の態様が変化する構成に比べて、表示される電子書籍の表示の態様を変化させる範囲を制限できる。
なお、第6の実施形態においても、前述の実施形態と同様に、破れ表示62を取得情報として電子書籍に表示することで、当該表示した部分において電子書籍の一部を視認不能としていた。しかし、これに限らず、取得情報として電子書籍の一部を消去し、当該消去した部分において電子書籍の一部を視認不能としてもよい。つまり、取得情報の追加は、電子書籍の一部に他の画像を重畳することに限らず、電子書籍の一部を消去することであってもよい。
第6の実施形態では、図11に示すステップS31でCPU20が検知ありと判断した場合に表示されているページのみに取得情報としての破れ表示62を表示させることを、「電子情報の一部の態様の変化」の一例としていたが、当該一例はこれに限られない。例えば、電子書籍の全てのページに取得情報を表示しても、破れ表示62のように一ページ内の一部の態様のみを変化させるものであれば、「電子情報の一部の態様の変化」に含まれる。
第6の実施形態では、破れ表示62は、検知部32が外部からの表示部30に対する接触を検知した場合に表示されることとしたが、検知部32は当該接触による圧力を更に検知し、検知した圧力に応じて、電子書籍の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる変化度合いを変化させてもよい。例えば、CPU20は、検知部32が検知した圧力が予め定めた閾値以上の場合と閾値未満の場合とで、表示させる破れ表示62の面積及び形状等を異ならせてもよい。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
図14は、取得情報を加えていない電子書籍の第2の表示例である。図14に示すように、表示部30には、電子書籍として、図12と同内容の本文表示60がそのままの態様で表示されている。また、図14では、指表示Fを表示部30の左中央部に表示することで、ユーザの指が表示部30の左中央部の領域である第3検知領域に触れたことを示している。
図15は、取得情報を加えた電子書籍の第2の表示例である。図15に示すように、表示部30には、電子書籍として、図14と同内容の本文表示60と、破れ表示64と、が表示されている。円形状を呈する破れ表示64は、表示部30の左中央部に表示されている。そして、図15の表示例では、本文表示60がコンテンツ配信サーバから配信された情報であり、破れ表示64が取得情報として電子書籍リーダーを用いて加えられた情報である。
ここで、第7の実施形態では、表示部30に対する環境情報の発生として検知部32が表示部30に対する接触を検知した場合、CPU20が、当該検知部32が表示部30に対する接触を検知した表示部30の位置に応じて、表示させる電子書籍の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる変化度合いを変化させる。
例えば、第7の実施形態では、ユーザの指が表示部30の左下部の領域である第5検知領域に触れた場合は、第6の実施形態と同様に、CPU20により表示部30の左下部に破れ表示62が表示される(図13参照)。また、第7の実施形態では、ユーザの指が表示部30の左中央部の領域である第3検知領域に触れた場合は、CPU20により表示部30の左中央部に破れ表示64が表示される(図15参照)。
第7の実施形態では、検知部32が第3検知領域への接触を検知した場合と第5検知領域への接触を検知した場合とで、表示される破れ表示62と破れ表示64との面積及び形状を異ならせることで、表示される電子書籍の変化度合いを変化させている。
以上の構成により、第7の実施形態によれば、検知部32が表示部30に対する接触を検知した表示部30の位置に応じて、表示させる電子書籍の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる変化度合いを変化させられる。
そして、第7の実施形態では、製本された書籍であれば発生し得る変化を電子書籍においても反映している。例えば、当該書籍では、紙の端部は破りやすいが、紙の中央部は端部に比べると破りにくいことがある。第7の実施形態では、上記のような当該書籍であれば発生し得る変化を、検知部32が表示部30に対する接触を検知した表示部30の位置に応じて、表示させる電子書籍の変化度合いを変化させることで電子書籍においても反映している。
なお、第7の実施形態においても、前述の実施形態と同様に、破れ表示64を取得情報として電子書籍に表示することで、当該表示した部分において電子書籍の一部を視認不能としていた。しかし、これに限らず、取得情報として電子書籍の一部を消去し、当該消去した部分において電子書籍の一部を視認不能としてもよい。
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
図16は、取得情報を加えていない電子書籍の第3の表示例である。図16に示すように、表示部30には、電子書籍として、図12と同内容の本文表示60がそのままの態様で表示されている。また、図16では、温かい飲料が入った缶飲料Dが表示部30の上部に載置されている。
図17は、取得情報を加えた電子書籍の第3の表示例である。図17に示すように、表示部30には、電子書籍として、図16と同内容の本文表示60と、跡表示66と、が表示されている。半円形状を呈する跡表示66は、表示部30の上部に表示されている。そして、図17の表示例では、本文表示60がコンテンツ配信サーバから配信された情報であり、跡表示66が取得情報として電子書籍リーダーを用いて加えられた情報である。
第8の実施形態では、CPU20が、図16で載置されていた缶飲料Dのうち、表示部30と重畳する部分だけを缶飲料Dの跡である跡表示66として表示させている。そのため、図17の表示例では、跡表示66が表示されていることで、表示されている電子書籍に缶飲料Dの跡が写ったとの印象をユーザに与えることが期待できる。
なお、CPU20による跡表示66を表示させるか否かの処理は、例えば、次のように実現できる。
例えば、CPU20は、検知部32が検知した表示部30に接触した物体の温度(以下、「物体温度」とする)を基に缶飲料Dの跡である跡表示66を表示させるか否かを決定する。CPU20は、物体温度が予め定めた範囲内(例:35℃から40℃の間)である場合は、ユーザの指が表示部30に接触していると判断して、当該接触している物体の跡を表示させない。一方、CPU20は、物体温度が予め定めた範囲外(例:10℃、60℃)である場合は、缶飲料Dが表示部30に接触していると判断して、当該接触している物体の跡を跡表示66として表示させる。
そして、第8の実施形態では、製本された書籍であれば発生し得る変化を電子書籍においても反映している。例えば、当該書籍に缶飲料Dを載置した場合には、缶飲料Dの重量で当該書籍がへこむことがある。第8の実施形態では、上記のような当該書籍であれば発生し得る変化を、取得情報としての跡表示66を加えることで電子書籍においても反映している。
なお、第8の実施形態では、CPU20が物体温度を基に跡表示66を表示させるか否かを決定していたが、これに代えて又は加えて、他の要素を基にして跡表示66を表示させるか否かを決定してもよい。当該他の要素の例としては、物体の接触時間、形状、重量、撮影部34により撮影された画像情報等が想定される。
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。第9の実施形態における環境情報は、通信部36を介して取得可能な情報、具体的には、後述する天候情報、及び撮影部34により撮影された画像情報としている。
図18は、情報処理装置10による電子情報表示処理の第4の流れを示すフローチャートである。
図18に示すステップS40において、CPU20は、文書作成ソフトを用いて作成された電子資料が格納されたファイルをビューアソフトで実行する。そして、ステップS41に進む。第9の実施形態では、一例として、電子情報を「電子資料」とし、特定ソフトウェアを「ビューアソフト」としている。
ステップS41において、CPU20は、通信部36の通信結果を取得する。そして、ステップS42に進む。第9の実施形態では、CPU20が、通信部36の通信結果として、通信部36を介して気象サーバから受信した電子資料を表示させる場所の5kmメッシュ内の天候情報を取得する。
ステップS42において、CPU20は、通信部36の通信結果に合わせた取得情報を加えた電子資料を表示させる。そして、ステップS43に進む。
ステップS43において、CPU20は、撮影部34の撮影結果を取得する。そして、ステップS44に進む。第9の実施形態では、ステップS43において、CPU20により画像撮影ソフトが実行され、撮影部34によるユーザが電子資料を閲覧している場所の周囲の撮影が行われる。そして、CPU20は、撮影部34により撮影された画像情報を撮影部34の撮影結果として取得する。なお、撮影部34は「取得部」の一例であり、撮影結果は「取得結果」の一例である。
ステップS44において、CPU20は、予め定めた優先度が高い取得情報に応じた態様を優先して電子資料を表示させる。そして、当該処理を終了する。
以下、図18に示す電子情報表示処理の表示例について、図19から図22を用いて説明する。
図19は、取得情報を加えていない電子資料の表示例である。図19に示すように、表示部30には、電子資料として、文書作成ソフトを用いて作成された議事録を示す議事録表示70がそのままの態様で表示されている。なお、図19では、「議事録」等の文字と、当該文字以外の破線の部分と、を議事録表示70として示している。
そして、図19の表示例の閲覧中に、ステップS42の処理が行われると、電子資料の態様が図20に示すように変化する。
図20は、取得情報を加えた電子資料の第4の表示例である。図20に示すように、表示部30には、電子資料として、図19に示す議事録表示70の文字を滲ませて表示させた滲み表示72と、雨粒表示74と、が表示されている。図20では、滲み表示72として、図19に示す議事録表示70の文字の周囲を着色することで文字の滲みを表現している。複数の波紋で構成された雨粒表示74は、表示部30の左下部に表示されている。そして、図20の表示例では、滲み表示72及び雨粒表示74が取得情報としてビューアソフトを用いて加えられた情報である。
ここで、第9の実施形態では、ステップS41で取得した天候情報が雨である場合、CPU20は、ステップS42において、滲み表示72及び雨粒表示74を加えて電子資料を表示させる。そのため、第9の実施形態では、図20の表示例を見たユーザに対し、電子資料を閲覧している場所の周囲の天候が雨であると認識させることが期待できる。
図21は、撮影部34による画像の撮影中の様子を示す第1の表示例である。図21に示すように、表示部30には、撮影中の画像を示す撮影中画像76と、画像を撮影するためのシャッターボタン78と、が表示されている。
ここで、CPU20は、撮影部34による画像の撮影中に、撮影中画像76に対して公知の画像認識処理を実行することで撮影中の物体を認識する。例えば、CPU20は、図21に示す場合には、画像認識処理の結果、撮影中の物体を「火鉢」と認識する。
第9の実施形態では、ROM22又は記憶部26には、種々の物体に対応して取得情報として電子資料に加える視覚効果が予め格納されている。例えば、ROM22又は記憶部26には、火鉢及びストーブ等の「火」を連想させる物体に対応する視覚効果として、「表示されている雨粒表示74を乾燥させて消去する」といった情報が格納されている。
そして、図20の表示例の閲覧中に、ステップS43及びステップS44の処理が行われると、電子資料の態様が図22に示すように変化する。例えば、CPU20は、ステップS43の処理において、撮影部34の撮影結果として取得した物体である「火鉢」に対応する視覚効果として、ROM22又は記憶部26から「表示されている雨粒表示74を乾燥させて消去する」との情報を取得する。その後、CPU20は、ステップS44の処理において、優先度が高い取得情報に応じた態様を優先して、表示されている雨粒表示74を消去した電子資料を表示させる。以下、この詳細について説明する。
図22は、取得情報を加えた電子資料の第5の表示例である。図22に示すように、表示部30には、電子資料として、図20と同内容の滲み表示72のみが表示されている。つまり、図22の表示例では、図20の表示例と異なり、雨粒表示74が表示されていない。そのため、図22の表示例では、図20の表示例から雨粒表示74が消去されたことで、資料の水濡れが乾燥したとの印象をユーザに与えることが期待できる。
このように、第9の実施形態では、CPU20が、通信部36の通信結果及び撮影部34の撮影結果といった複数の結果を取得した場合、当該複数の結果のうち優先度が高い結果に応じた態様を優先して電子資料を表示させる。第9の実施形態では、一例として、撮影部34の撮影結果の優先度を通信部36の通信結果よりも高くしている。そのため、第9の実施形態では、CPU20が、雨粒により「水」を連想させる雨粒表示74の表示後に、火鉢により「火」を連想させる撮影中画像76を撮影部34の撮影結果として取得した場合には、撮影部34の撮影結果に応じた態様を優先して雨粒表示74を消去した電子資料を表示させる(図20から図22参照)。
換言すると、第9の実施形態は、CPU20が、通信部36の通信結果に合わせて電子資料を表示させる態様を変化させた後、当該通信部36の通信結果よりも優先度が高い撮影部34の撮影結果を取得したことにより、電子資料を表示させる態様を変化前に戻している、とも言える。なお、優先度が高い撮影部34の撮影結果を取得したことは「予め定めた条件の成立」の一例である。
以上の構成により、第9の実施形態によれば、当該複数の結果を取得した場合に予め定めた優先度に応じて、電子資料の表示の態様を変化させられる。また、第9の実施形態によれば、電子資料の態様を変化した後の態様のまま維持する構成に比べて、表示される電子資料の態様が増やせる。
ここで、第9の実施形態では、優先度が高い撮影部34の撮影結果に応じた態様を優先して電子資料を表示させた場合でも、図20及び図22で同内容の滲み表示72が表示されている。このように、第9の実施形態では、優先度が高い撮影部34の撮影結果を取得したことより変化前の態様に戻せる可逆変化と、当該撮影部34の撮影結果を取得しても変化前の態様に戻せない非可逆変化と、が設けられている。
第9の実施形態では、図19の表示例に対し図20に示す雨粒表示74を表示する変化が可逆変化に該当し、図19に示す議事録表示70から図20に示す滲み表示72への変化が非可逆変化に該当する。そして、第9の実施形態では、紙の資料であれば発生し得る変化を電子資料においても反映している。具体的には、紙の資料において、文字及び画像等の表示がない余白部分が水濡れした場合には、当該水濡れを乾燥させると、元の態様に戻るため、この変化を上記の可逆変化として電子資料においても反映している。また、紙の資料において、文字及び画像等の表示がある部分が水濡れした場合には、当該水濡れが乾燥しても、滲んだ文字等は元の態様に戻らないため、この変化を上記の非可逆変化として電子資料においても反映している。
以上の構成により、第9の実施形態によれば、変化前の電子資料の表示の態様に戻すことを制限できる。
なお、第9の実施形態では、紙の資料であれば発生し得る変化を電子資料においても反映することとしたが、これに限らず、電子資料において反映させる当該資料であれば発生し得る変化をユーザ側で設定可能としてもよい。例えば、第9の実施形態では、図19に示す議事録表示70から図20に示す滲み表示72への変化を非可逆変化としたが、当該変化をユーザの設定により可逆変化としてもよい。
第9の実施形態では、通信部36の通信結果よりも撮影部34の撮影結果の優先度を高くしたが、優先度の高低の決定方法は限定されない。例えば、撮影部34の撮影結果よりも通信部36の通信結果の優先度を高くしたり、「火」を連想させる取得情報よりも「水」を連想させる取得情報の優先度を高くしたりしてもよい。つまり、第9の実施形態では、通信部36の通信結果及び撮影部34の撮影結果といった複数の結果を取得した場合に、発生させる変化の順序、及び最終的に当該複数の結果のうち何れの結果に応じた態様を優先するか等は適宜決定してよい。
第9の実施形態で説明した撮影部34の撮影結果に合わせた電子資料の態様の変化は一例であり、撮影部34の撮影結果を以下のように用いて電子資料を表示させる態様を変化させてもよい。
例えば、CPU20は、ユーザの指の動きを録画した動画を撮影部34の撮影結果として取得した場合、ユーザの指の動作速度に応じて、表示させる取得情報の面積及び形状等を異ならせてもよい。この場合は、ユーザの指の動作速度が速くなるほど、表示される電子資料の変化度合いを高めることが望ましい。また、CPU20は、撮影部34の撮影結果としてユーザが物体(例:タッチペン)を把持している状態と把持していない状態とを取得した場合には、各々の状態に応じて表示させる取得情報の面積及び形状等を異ならせてもよい。この場合は、ユーザが物体(例:タッチペン)を把持している状態に表示される電子資料の変化度合いを、把持していない状態に表示される電子資料の変化度合いよりも高めることが望ましい。
第9の実施形態では、優先度が高い撮影部34の撮影結果を取得したことを「予め定めた条件の成立」の一例としたが、当該一例はこれに限定されない。例えば、通信部36の通信結果又は撮影部34の撮影結果等に合わせて電子資料を表示させる態様を変化させた後、予め定めた時間が経過したことを当該一例としてもよく、「水」を連想させる通信部36の通信結果の取得後に「火」を連想させる撮影部34の撮影結果を取得した場合等の、一の結果の取得後に相反する属性又は作用効果等を連想させる他の結果を取得したことを当該一例としてもよい。
(第10の実施形態)
次に、第10の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
図23は、情報処理装置10による電子情報表示処理の第5の流れを示すフローチャートである。
図23に示すステップS50において、CPU20は、コンテンツ配信サーバから配信された電子書籍が格納されたファイルを電子書籍リーダーで実行する。そして、ステップS51に進む。第10の実施形態では、一例として、電子情報を「電子書籍」とし、特定ソフトウェアを「電子書籍リーダー」としている。
ステップS51において、CPU20は、電子書籍に関する環境情報となる広告がないか否かを判断し、広告なしと判断した場合(ステップS51:YES)はステップS52に進む。一方、CPU20が広告ありと判断した場合(ステップS51:NO)はステップS53に進む。第10の実施形態では、CPU20が、通信部36の通信結果として、通信部36を介して電子書籍の配信元サーバから当該電子書籍に関する環境情報となる広告の有無を取得する。この場合、CPU20は、当該配信元サーバからの広告の提供がないときには「広告なし」と判断し、広告の提供があるときには「広告あり」と判断する。
ステップS52において、CPU20は、広告情報を加えていない電子書籍を表示させる。そして、当該処理を終了する。この場合、CPU20は、第6の実施形態における取得情報を加えていない電子書籍の表示例である図12と同内容を表示部30に表示させる。
ステップS53において、CPU20は、広告情報を加えた電子書籍を表示させる。そして、当該処理を終了する。
図24は、広告情報を加えた電子書籍の表示例である。図24に示すように、表示部30には、電子書籍として、図12と同内容の本文表示60と、広告表示80と、が表示されている。四角形状の枠内に「映画化が決定しました。」との文字が記載された広告表示80は、表示部30の中央部に表示されている。そして、図24の表示例では、本文表示60がコンテンツ配信サーバから配信された情報であり、広告表示80が広告情報として電子書籍リーダーを用いて加えられた情報である。
第10の実施形態では、本文表示60と広告表示80との重畳部分については、CPU20により広告表示80を優先して表示させる制御が行われることで、当該重畳部分では広告表示80のみが視認可能となっている。なお、CPU20は、一定時間の経過後に広告表示80を表示部30から消去する。
以上のように、第10の実施形態では、CPU20が、電子書籍に関する環境情報となる広告の有無を取得し、当該広告がある場合、当該広告に合わせた広告情報を加えて電子書籍を表示させる。そのため、第10の実施形態によれば、電子書籍の本文のみが表示される構成に比べて、表示される電子書籍の態様が増やせる。
そして、第10の実施形態では、製本された書籍であれば発生し得る変化を電子書籍においても反映している。例えば、当該書籍では、一定期間毎に異なる内容が記載された帯が巻かれることがある。第10の実施形態では、上記のような当該書籍であれば発生し得る変化を、広告情報としての広告表示80を加えることで電子書籍においても反映している。
なお、第10の実施形態では、配信元サーバからの広告の提供の有無を基にCPU20が広告表示80の表示の有無を判断していたが、これに代えて又は加えて、他の要素を基にして広告表示80の表示の有無を判断してもよい。例えば、Webサイトのクローリングを行い、その結果を基にしてCPU20が広告表示80の表示の有無を判断してもよい。
第10の実施形態では、広告情報としての広告表示80として「映画化が決定しました。」との内容を表示していたが(図24参照)、広告表示80の表示内容は特に限定されない。例えば、電子書籍に関する環境情報となる広告が、当該電子書籍の著者の新作書籍が出たことである場合には、広告表示80の表示内容として「新作が出ました。」等と表示したり、当該電子書籍に登場するキャラクターのキャラクターグッズが販売されたことである場合には、広告表示80の表示内容として「キャラクターグッズが出ました。」等と表示したりしてもよい。また、広告表示80から対応する広告ページへのアクセスを可能とし、当該広告表示80から広告ページにユーザがアクセスした場合には、当該広告表示80を消去してもよい。ユーザが当該広告ページにアクセスしたことにより広告の目的が達成されたので、当該広告表示80を表示し続ける意義が薄くなったためである。また、広告の目的が達成された後に当該広告表示80を表示し続けると、ユーザに不快感を与えるおそれもあるためである。
第10の実施形態では、広告情報として広告表示80について説明したが、警告情報又はお知らせ情報等を追加で表示してもよい。例えば、電子書籍の表示可能期限が近付いた場合に、お知らせ情報として追加課金を要求する表示をすることが想定される。また、広告情報は、電子書籍を表示する特定ソフトウェアのアップデートによる追加情報の通知、又はバグの修正が可能となった旨の通知等にも用いることができる。
(第11の実施形態)
次に、第11の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
第11の実施形態は、前述の実施形態と異なり、電子書籍リーダーを実行した場合における表示部30の画面が、電子書籍の本文が表示された本文画面ではなく、電子書籍の一覧を示す一覧画面である点で異なる。
図25は、電子書籍の一覧を示す一覧画面の第1の表示例である。図25に示すように、表示部30には、閲覧可能な4冊の電子書籍を示す書籍表示B1、書籍表示B2、書籍表示B3、及び書籍表示B4が表示されている。また、書籍表示B1から書籍表示B4では、各々の表紙に対応する表紙ページを表示している。
図26は、電子書籍の一覧を示す一覧画面の第2の表示例である。図26に示すように、表示部30には、図25と同内容の書籍表示B1、書籍表示B2、書籍表示B3、及び書籍表示B4と、雨粒表示82と、が表示されている。複数の波紋で構成された雨粒表示82は、各々の表紙ページの左下部に表示されている。そして、図26の表示例では、書籍表示B1、書籍表示B2、書籍表示B3、及び書籍表示B4がコンテンツ配信サーバから配信された情報であり、雨粒表示82が取得情報として電子書籍リーダーを用いて加えられた情報である。
ここで、前述の実施形態では、CPU20が、取得情報を加えて電子情報を表示させる場合には、電子情報の全てのページに取得情報を表示させる構成があった。これに対し、第11の実施形態は、当該前述の実施形態と異なり、取得情報としての雨粒表示82が表示されるページは表紙ページのみであり、当該表紙ページ以降の電子書籍の本文が表示されるページには表示されない。
なお、第11の実施形態では、取得情報としての雨粒表示82が表示されるページは表紙ページのみとしたが、これに限らず、ある条件下では当該表紙ページ以降の電子書籍の本文が表示されるページにも雨粒表示82を表示してもよい。例えば、通信部36の通信結果として取得した天候情報が雨であり、かつ、単位時間(例:1時間)あたりの雨量が予め定めた量(例:50ミリ)を超える場合には、当該表紙ページ以降の電子書籍の本文が表示されるページにも雨粒表示82を表示してもよい。この場合における雨粒表示82の表示方法としては、まず、表紙ページに表示し、その後、表紙ページの次のページの端部に表示することが想定される。つまり、製本された書籍であれば発生し得る変化を電子書籍においても反映して、表紙ページの水濡れが次のページ以降に浸食していく様子を表現してもよい。
(第12の実施形態)
次に、第12の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
図27は、情報処理装置10による電子情報表示処理の第6の流れを示すフローチャートである。
図27に示すステップS60において、CPU20は、データ配信サーバから配信された電子資料が格納されたファイルをビューアソフトで実行する。そして、ステップS61に進む。第12の実施形態では、一例として、電子情報を「電子資料」とし、特定ソフトウェアを「ビューアソフト」としている。
ステップS61において、CPU20は、データ配信サーバから配信された電子資料を表示させる。そして、ステップS62に進む。
図28は、データ配信サーバから配信された電子資料の表示例である。図28に示すように、表示部30には、電子資料として、A市の人口推移を示すグラフ84が表示されている。図28に示すグラフ84には、2017年、2018年、及び2019年の3年間のA市の人口推移が示されている。
図27に戻って、ステップS62において、CPU20は、図28に示す電子資料に関する更新がないか否かを判断し、更新なしと判断した場合(ステップS62:YES)はステップS63に進む。一方、CPU20が更新ありと判断した場合(ステップS62:NO)はステップS64に進む。第12の実施形態では、CPU20が、通信部36の通信結果として、通信部36を介してデータ配信サーバ(例:A市役所が管理するサーバ)から当該電子資料に関する更新の有無を取得する。この場合、CPU20は、当該データ配信サーバからの更新データの提供がないときには「更新なし」と判断し、更新データの提供があるときには「更新あり」と判断する。
ステップS63において、CPU20は、ステップS61で表示した電子資料の態様を維持する。そして、当該処理を終了する。
ステップS64において、CPU20は、取得情報を加えた電子資料を表示させる。そして、当該処理を終了する。
図29は、取得情報を加えた電子資料の第6の表示例である。図29に示すように、表示部30には、電子資料として、図28と同様にグラフ84が表示されているが、2020年のA市の人口推移が更新表示86として追加されている。図29の表示例では、他の年度の棒グラフに対する視認性を向上させるべく、更新表示86に対応する棒グラフに斜線を施しているが、表示部30に表示されるグラフ84は、斜線等を施して表示してもよいし、斜線等を施さずに他の年度の棒グラフと共通の態様で表示してもよい。
そして、図29の表示例では、グラフ84のうち、2017年、2018年、及び2019年の3年間のA市の人口推移を示す棒グラフがデータ配信サーバから配信された情報であり、更新表示86が取得情報としてビューアソフトを用いて加えられた情報である。具体的には、第12の実施形態では、データ配信サーバからの更新データとして、CPU20が2020年のA市の人口推移の値を取得する。そして、CPU20は、取得した値を基にビューアソフトを用いて2020年のA市の人口推移を示す棒グラフを生成し、更新表示86として表示させる。
ここで、第12の実施形態では、データ配信サーバからの更新データの提供があるまでは、更新表示86を表示できなくすることが望ましい。換言すると、第12の実施形態では、公式情報が発表される前に、ユーザ側の任意のタイミングで棒グラフの追加を行えなくすることが望ましい。
なお、CPU20は、ステップS64で取得情報を加えた電子資料を表示させる場合、図30に示すように、表示させるグラフ84の寸法をステップS61で表示させていた寸法から縮小して表示させてもよい。また、CPU20は、ステップS64で取得情報を加えた電子資料を表示させる場合、図31に示すように、グラフ84のうち、ステップS61で表示させていた一部の年度(例:2017年)のA市の人口推移を示す棒グラフを消去して表示させてもよい。
さらに、図示を省略しているが、CPU20は、ステップS64で取得情報を加えた電子資料を表示させる場合、表示させるグラフ84の寸法をステップS61で表示させていた寸法から拡大して表示させてもよい。そして、当該寸法の拡大に伴い、ステップS61で表示させていた電子資料のページにおけるグラフ84の表示領域が不足することとなった場合には、CPU20は、当該寸法を拡大したグラフ84を当該ページの次のページに表示させてもよい。
(第13の実施形態)
次に、第13の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
第13の実施形態では、予め作成又は撮影等されたファイルを特定ソフトウェアで実行していた前述の実施形態と異なり、特定ソフトウェアを実行して資料等を作成している又は画像を撮影している状態に発生する電子情報の態様の変化について説明する。第13の実施形態では、一例として、電子情報を「画像情報」とし、特定ソフトウェアを「画像撮影ソフト」としている。
図32は、撮影部34による画像の撮影中の様子を示す第2の表示例である。図32に示すように、表示部30には、画像情報として、撮影中の画像を示す撮影中画像88と、画像を撮影するためのシャッターボタン78と、がそのままの態様で表示されている。また、図32には、ユーザの指を模式的に示す指表示Fを図示している。
図33は、撮影部34による画像の撮影中の様子を示す第3の表示例である。図33に示すように、表示部30には、画像情報として、図32と同内容の撮影中画像88と、シャッターボタン78と、破れ表示90と、が表示されている。三角形状を呈する破れ表示90は、表示部30の右下部に表示されている。そして、図33の表示例では、破れ表示90が取得情報として画像撮影ソフトを用いて加えられた情報である。
破れ表示90は、検知部32が外部からの表示部30に対する接触を検知した場合に表示される。例えば、図33の表示例では、図32の表示例に示す状態においてユーザの指が表示部30の右下部に触れた場合に検知部32が接触を検知し、CPU20が検知部32の検知結果に合わせた破れ表示90を加えて画像情報を表示させている。
なお、第13の実施形態においても、前述の実施形態と同様に、破れ表示90を取得情報として画像情報に表示することで、当該表示した部分において画像情報の一部を視認不能としていた。しかし、これに限らず、取得情報として画像情報の一部を消去し、当該消去した部分において画像情報の一部を視認不能としてもよい。
第13の実施形態は、特定ソフトウェアを「画像撮影ソフト」とした場合の例について説明したが、これに限らず、第13の実施形態における特定ソフトウェアとして、前述の実施形態のように予め作成又は撮影等されたファイルを実行する「ビューアソフト」及び「電子書籍リーダー」以外の「文書作成ソフト」、「表計算ソフト」、又は「プレゼンテーションソフト」を用いてもよい。
(第14の実施形態)
次に、第14の実施形態について他の実施形態との重複部分を省略又は簡略しつつ説明する。
第14の実施形態は、第6の実施形態と同様に、特定ソフトウェアを実行して電子情報を表示させる場合、CPU20が、検知部32の検知結果に合わせた取得情報を加えて電子情報を表示させる。第14の実施形態における環境情報は、第6の実施形態と同様に、後述する外部からの表示部30に対する接触の有無としている。
図34は、検知部32が表示部30に対する接触の検知を終了した終了位置を示す表示例である。図34に示すように、表示部30には、電子書籍として、図12と同内容の本文表示60がそのままの態様で表示されている。また、第14の実施形態では、図34において指表示Fが図示されている位置を上記の終了位置としている。さらに、第14の実施形態では、検知部32が表示部30に対する接触を最初に検知した初期位置を、図12において指表示Fが図示されている位置としている。
図35は、検知部32が検知した表示部30に対する接触位置の軌跡L1を示す表示例である。図35では、初期位置P1から終了位置P2に至る軌跡L1を示している。この軌跡L1は、初期位置P1から表示部30の右方に向かって延びる直線の軌跡である。
図36は、取得情報を加えた電子書籍の第4の表示例である。図36に示すように、表示部30には、電子書籍として、図34及び図35と同内容の本文表示60と、破れ表示92と、が表示されている。長方形状を呈する破れ表示92は、表示部30の下部に表示されている。そして、図36の表示例では、本文表示60がコンテンツ配信サーバから配信された情報であり、破れ表示92が取得情報として電子書籍リーダーを用いて加えられた情報である。
破れ表示92は、検知部32が外部からの表示部30に対する接触を検知した場合に表示される。例えば、図36の表示例では、図35に示す軌跡L1を形成するユーザの指の接触を検知部32が検知し、CPU20が検知部32の検知結果に合わせた破れ表示92を加えて電子書籍を表示させている。この場合、CPU20は、検知部32の検知結果として、表示部30に対して加えられた力の方向に合わせた形状で破れ表示を表示させる。例えば、図36の表示例では、長方形状を呈する破れ表示92を表示することで、ユーザのスワイプ操作に合わせた形状に電子書籍が破れたことを示している。
図37は、検知部32が検知した表示部30に対する接触位置の軌跡L2を示す表示例である。図37では、初期位置P1から途中位置P3を経由して終了位置P2に至る軌跡L2を示している。この軌跡L2は、初期位置P1から表示部30の右上方に向かって直線上に延びて途中位置P3に至った後、表示部30の右下方に向かって直線上に延びて終了位置P2に至る折線の軌跡である。
図38は、取得情報を加えた電子書籍の第5の表示例である。図38に示すように、表示部30には、電子書籍として、図36と同内容の本文表示60と、破れ表示94と、が表示されている。三角形状を呈する破れ表示94は、表示部30の下部に表示されている。そして、図38の表示例では、本文表示60がコンテンツ配信サーバから配信された情報であり、破れ表示94が取得情報として電子書籍リーダーを用いて加えられた情報である。
破れ表示94は、検知部32が外部からの表示部30に対する接触を検知した場合に表示される。例えば、図38の表示例では、図37に示す軌跡L2を形成するユーザの指の接触を検知部32が検知し、CPU20が検知部32の検知結果に合わせた破れ表示94を加えて電子書籍を表示させている。この場合、CPU20は、上記と同様に、検知部32の検知結果として、表示部30に対して加えられた力の方向に合わせた形状で破れ表示を表示させる。例えば、図38の表示例では、三角形状を呈する破れ表示94を表示することで、ユーザのスワイプ操作に合わせた形状に電子書籍が破れたことを示している。
以上のように、第14の実施形態では、表示部30に対する環境情報の発生として検知部32が表示部30に対する接触を検知した場合、CPU20が、当該検知部32が表示部30に対する接触を検知した初期位置から終了位置に至る軌跡に応じて、表示させる電子書籍の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる変化度合いを変化させる。例えば、上記のように、第14の実施形態では、表示部30に対する接触位置の初期位置及び終了位置が同様であっても、途中位置を経由する等して当該軌跡が異なる場合には、表示される破れ表示の態様を変化させている。そのため、第14の実施形態によれば、検知部32が表示部30に対する接触を検知した初期位置から終了位置に至る軌跡に応じて、表示させる電子書籍の態様を取得情報が加わる前の態様から変化させる変化度合いを変化させられる。
なお、第14の実施形態では、表示部30に対して加えられた力の方向に合わせて、表示させる破れ表示の形状を異ならせていたが、これに代えて又は加えて、表示させる破れ表示の面積等の他の要素を異ならせてもよい。
(その他)
上記各実施形態では、電子情報を文書又は画像の一方で構成していた実施形態があるが、電子情報は文書及び画像の少なくとも一方を含んで構成されていればよく、文書及び画像の双方で構成してもよい。
上記各実施形態では、電子情報の使用状況又は環境情報の一方に合わせた態様で電子情報を表示させていた実施形態があるが、電子情報の使用状況又は環境情報の少なくとも一方に合わせた態様であればよく、電子情報の使用状況及び環境情報の双方に合わせた態様で電子情報を表示させてもよい。
上記各実施形態において、通信部36の通信結果として天候情報を取得し、当該天候情報に含まれる気温の情報に合わせて、電子情報を表示させる態様を変化させた場合には、予め定めた時間が経過したことにより、電子情報を表示させる態様を変化前に戻してもよい。
上記各実施形態において、電子情報の使用状況又は環境情報の少なくとも一方に合わせた態様で電子情報を表示させた場合には、電子情報の態様を変化させる前のデータと、電子情報の態様を変化させた後のデータと、の複数種類のデータを記憶部26に記憶してもよいし、電子情報の態様を変化させた後のデータのみを記憶部26に記憶してもよい。この場合、電子情報を「電子書籍」としたときには、電子書籍を配信するコンテンツ配信元に、記憶するデータを1種類とするか複数種類とするかの決定権を与えることが望ましい。例えば、電子書籍の態様を変化させた後のデータのみを記憶させることで、当該変化前の状態を閲覧したいと考えるユーザによる当該電子書籍の再購入が期待できるためである。また、記憶部26に記憶させた際の電子情報の態様が変化している場合には、当該電子情報を再度閲覧するタイミングに応じて、当該電子情報の態様を維持してもよいし、変化前の態様に戻してもよい。例えば、記憶部26に記憶させた際の電子情報に取得情報としての雨粒表示52(図7参照)が加えられている場合に、当該電子情報を再度閲覧したタイミングが予め定めた期間(例:1週間)を超えるときには、雨粒表示52が加えられていない電子情報を表示してもよい。
上記各実施形態において、表示されている電子情報のページに応じて、電子情報の使用状況又は環境情報の少なくとも一方に合わせた態様で電子情報を表示させる際の変化度合いを変化させてもよい。例えば、表紙ページと、当該表紙ページ以降の電子情報の本文が表示されるページとで、表示される電子情報の変化度合いを変化させてもよい。
上記各実施形態において、電子情報を「電子書籍」とし、かつ当該電子書籍の内容が製本された書籍として存在する場合、当該書籍の紙質に応じて、電子書籍の使用状況又は環境情報の少なくとも一方に合わせた態様で電子書籍を表示させる際の変化度合いを変化させてもよい。例えば、当該書籍の表紙がハードカバーである場合には、表紙がソフトカバーである場合に比べて、電子書籍の表紙ページに表示される雨粒表示82(図26参照)の面積を大きくすることが想定される。また、当該書籍の紙質の情報は、ユーザが情報処理装置10に入力してもよいし、CPU20が通信部36を介してネットワーク上に公開されている情報を取得して入力してもよい。
上記各実施形態において、情報処理装置10は、一例として、スマートフォン、タブレット端末、又は携帯可能なノート型PC等の携帯端末としたが、この情報処理装置10は、フレキシブルディスプレイを備える携帯端末又は複数のディスプレイを備える所謂「2画面スマホ」であってもよい。そして、情報処理装置10がフレキシブルディスプレイを備える携帯端末又は所謂「2画面スマホ」である場合には、検知部32により当該情報処理装置10の折り曲げ、ねじれ、及び開閉等を検知してもよい。
上記各実施形態において、CPU20は、電子情報を情報処理装置10の表示部30に表示させていたが、電子情報を表示させる対象は表示部30に限られない。例えば、CPU20は、電子情報を情報処理装置10とは異なる他の装置の表示画面に表示させてもよいし、電子情報を空中に表示させて空中ディスプレイを構成してもよい。
上記各実施形態において、電子情報が情報処理装置10の記憶部26に記録されている例について説明したが、これに限らず、電子情報が外部装置の記憶部に記録されていてもよい。この場合は、外部装置の記憶部に記録されている電子情報をインターネット等の通信技術を介してアクセスする、あるいは、外部記憶メモリデバイスを使って臨時に情報処理装置10に物理的に接続させることで、電子情報を情報処理装置10に読みだして表示してもよい。また、外部装置の記憶部等にある電子情報を複数のユーザで共有して表示する場合、その複数のユーザそれぞれの状況に応じて表示の態様を変えてもよいし、同じ電子情報であれば統一した表示の態様を提供してもよい。例えば、複数のユーザから個々のユーザを識別する手段としては、ユーザ認証が想定される。そして、ユーザ認証の結果として、該当する電子情報を表示する特定ソフトウェアのユーザアカウントを認識することで、個々のユーザに合わせて表示の態様を変えてもよい。もちろん、特に表示の態様を変化させないユーザが混在していてもよい。なお、同じ電子情報を同時に共同編集する場合や同時に閲覧して読み合わせをする状況などでは、複数のユーザアカウントの中から主となるユーザアカウントを設定して、その主となるユーザアカウントのユーザの状況に合わせて表示の態様を変化させてもよい。
なお、上記各実施形態及び(その他)に記載した内容は、適宜組合わせることができる。
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。