JP2022051272A - シリカ吸着剤の再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用済みのシリカ除去剤、すなわちシリカが吸着した水酸化セリウムを、再生して再度シリカ除去のために利用可能にする方法を提供する。【解決手段】シリカが吸着した水酸化セリウムを、pH9以上の水溶液、pH1以下の水溶液、又は塩化ナトリウム水溶液に接触させる工程によってシリカを脱離させる水酸化セリウムの再生方法の提供。【選択図】図1

Description

本発明は、水酸化セリウムに吸着したシリカを脱離させる方法に関する。
空調設備の冷水系や冷却水系、ボイラーの給水器系、プラントの冷却水系、温泉設備など水の循環系統においては、スケール(水垢)の付着・蓄積の問題が存する。スケールが配管に付着・蓄積すると循環系統が詰まったり、熱交換機の電熱面に付着・蓄積すると熱交換効率の悪化を招いたりする。
スケールの主な原因の一つに水中のシリカ(二酸化ケイ素)のイオンがあり、その効率的な除去が求められている(特許文献1等)。
従来、溶液からシリカを除去する方法としては、イオン交換樹脂、逆浸透膜、凝集沈殿、電気透析(EDI)、電解等が用いられている。
イオン交換樹脂でシリカを除去する場合、通常はイオン交換樹脂のシリカ吸着容量が小さいため効率的でない。また、イオン交換樹脂にシリカが飽和すると、シリカリークが生じてしまう。そのため、対象の溶液中のシリカ濃度が高い場合には、イオン交換樹脂の交換頻度が高くなる。
また、逆浸透膜でシリカを除去する場合、シリカによるファウリングを防止する観点から濃縮倍率を高めることが難しい。そのため、対象の溶液中のシリカ濃度が高い場合は、原水に対して得られる処理水の割合が小さくなるため、効率的ではない。
特表2009-541036号公報
そこで本発明者が検討したところ、水酸化セリウムが溶液中のケイ酸イオンを選択的に吸着し、他のイオンは吸着しにくいことを見出し、水酸化セリウムをシリカ吸着剤として利用できることに想到した。すなわち、水酸化セリウムにケイ酸イオンを吸着させることにより、溶液中のシリカを効率的に除去する技術が提供された。
水の循環系統において前記シリカ除去技術を継続的に行うためには、シリカ吸着した水酸化セリウムを、シリカが吸着していない水酸化セリウムに交換する必要がある。しかしながら、使用後のシリカ吸着剤を廃棄することは好ましくなく、環境およびコストの観点からシリカ吸着剤は再利用されることが望ましい。
かかる状況に鑑み、本発明は、使用済みのシリカ除去剤、すなわちシリカが吸着した水酸カリウムを、再生して再度シリカ除去のために利用可能にする技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため鋭意研究をしたところ、本発明者らは特定のpH条件下又はイオン存在下において、シリカ(ケイ酸イオン)は水酸化セリウムに吸着せず、また水酸化セリウムに吸着していたシリカ(ケイ酸イオン)は脱離することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一の態様は、シリカが吸着した水酸化セリウムを、pH9以上の水溶液、pH1以下の水溶液、又は塩化ナトリウム水溶液に接触させる工程を含む、前記シ
リカを脱離させる方法である。
本態様において好ましくは、前記pH9以上の水溶液は水酸化ナトリウム水溶液である。
本態様において好ましくは、前記pH1以下の水溶液は塩酸水溶液である。
本態様において好ましくは、前記水酸化セリウムは基材に固定化されている。
本発明の別の態様は、前記態様の方法によりシリカを脱離することを含む、水酸化セリウムの再生方法である。
なお、本明細書におけるpH値は25℃における値とする。
本発明によれば、シリカ(ケイ酸イオン)を吸着した水酸化セリウムから、シリカを脱離させることができる。水酸化セリウムは、溶液中のシリカ(ケイ酸イオン)を吸着することができ、シリカ吸着剤として機能するため、使用後のシリカ吸着剤、すなわちシリカが吸着した水酸化セリウムからシリカを脱離させることはシリカ吸着剤を再生させその再利用を半永久的に可能にする。
本発明のシリカ除去材(水酸化セリウム)を空調系統内で利用する一形態を示す図。シリカ除去材は、図示した位置に限らず、空調系統内のいずれの位置に設置してもよい。 本発明のシリカ除去材(水酸化セリウム)をイオン交換樹脂の前処理に利用する一形態を示す図。 本発明のシリカ除去材(水酸化セリウム)を逆浸透膜の前処理に利用する一形態を示す図。 本発明のシリカ除去材(水酸化セリウム)をボイラー用水、温泉水、地熱発電水等の処理に利用する一形態を示す図。 参考例における、吸着処理後の水道水に残存するシリカ濃度を表すグラフ。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態を例示するものであり、本発明の技術的範囲を以下の形態に限定するものではない。
<1>水酸化セリウム
水酸化セリウム(Ce(OH))は、シリカを吸着する性質を有し、シリカ吸着剤の有効成分となる。
通常、水酸化セリウムは粉末で入手でき、その粒径は0.05μm~100μm程度に分布し、累積中位径(Median径)は0.5μm~20μmであることが好ましい。
通常、シリカ吸着剤における、水酸化セリウムの含有量は、特に限定されず、0.001~99.9重量%の範囲で任意に調整することができる。
シリカ吸着のために用いられる水酸化セリウムの純度は、85重量%以上が好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
水酸化セリウムは、溶液中、通常は水溶液中でケイ酸イオンとなっているシリカを吸着する。ここで「吸着」は、特に限定されないが、通常は水酸化セリウム1g当たり2mg以上のシリカを吸着することをいう。
また、水酸化セリウムは、他のイオン、例えばナトリウムイオン、マグネシウムイオン等を吸着しにくく、具体的には水酸化セリウム1g当たり0.001mg以下の吸着量である。また、水酸化セリウムは、カルシウムイオンをやや吸着するが、吸着と脱離を繰り返すと吸着能が低下しほぼなくなる。
すなわち水酸化セリウムは、シリカを選択的に吸着し、溶液から除去することができる
水酸化セリウムをシリカ吸着剤として用いる場合は、シリカ吸着効果を損なわない限りにおいて、他の成分をともに吸着剤に含有させてもよい。他の成分としては、例えば、活性炭や珪藻土などの他の成分の吸着剤、吸着剤の成形のためのバインダ、抗菌剤等が挙げられる。バインダとしては、シリカゾルやアルミナゾル等の無機バインダ、疎水性が高く反応性が低い高分子樹脂等が挙げられる。疎水性が高く反応性が低い高分子樹脂としては、ポリオレフィン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。
<2>シリカ吸着濾材及びその製造方法
水酸化セリウムをシリカ吸着剤として用いる場合は、基材に固定化した態様でシリカ吸着濾材に含めることができる。
水酸化セリウムは通常粉末の形態で流通しているため、基材に固定化する態様とすると取扱いや、シリカ除去処理、水酸化セリウムの再利用が容易となる。
濾材の形態は特に限定されるものではないが、後述するシリカを溶液から除去する方法及びシリカを水酸化セリウムから脱離させる方法の効率の観点から、通常は溶液を通液するのに適した、また流路に設置するのに適した形態とする。
そのような形態としては例えば、カラム充填剤や、フィルタなど、シリカを含有する溶液及びシリカを脱離させる溶液との接触面積を大きくできるものが、吸着反応及び脱離反応の効率の観点から好ましい。
より具体的には、水酸化セリウムを基材に固定化したものをカラムなどの容器に充填させる形態や、複数枚の不織布で形成されるポケットに水酸化セリウムを充填してフィルタ構造とした形態などが挙げられる。
水酸化セリウムの基材への固定化は、共有結合によるものでも非共有結合によるものでもよい。
例えば、基材としてすでに知られている吸着濾材やクロマトグラフィーの担体、ろ紙、膜、フィルタ、中空糸、繊維、ナノファイバー等に加工できる高分子、無機材料が挙げられる。より具体的には、例えば、セルロース、アガロース、デンプン、アミロース、デキストラン、プルラン、グルコマンナンなどの多糖類;ポリアクリル酸またはその誘導体、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリスルホン、ポリアクリル二トリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの合成高分子;ガラス、多孔質ガラス、シリカゲル、ヒドロキシアパタイトなどの無機材料;活性炭やゼオライト等の細孔を有する多孔質体片;シリカゾルやアルミナゾル等の無機バインダ;などが挙げられる。なお、基材としては、1種の基材を用いてもよく、2種またはそれ以上の基材を組み合わせて用いてもよい。
基材の形状としては、シリカを含有する溶液や脱離溶液との接触及び通液の観点から、多孔質体が好ましく、より好ましくはろ紙、膜、フィルタ、中空糸、繊維、ナノファイバー、粒状、粉末状等が挙げられる。
基材の比表面積は、シリカを含有する溶液との接触及び通液の観点から、100~300m/gであることが好ましい。
これらの基材に水酸化セリウムを固定化することにより、シリカ吸着濾材を製造することができる。基剤への水酸化セリウムの固定化は、任意の方法で行うことができる。
例えば、セリウム水溶液中で、酸化剤の添加により基材上に水酸化セリウムを析出させる方法が挙げられる。
また、バインダ等と水酸化セリウム粉末を混合して粒状ペレットに固める方法も挙げら
れる。この場合、ペレットの比表面積は、シリカを含有する溶液及びシリカを脱離させる溶液との接触及び通液の観点から、100~300m/gであることが好ましい。また、ペレット形状は球体、円盤状、破砕状など、特に問わない。
また、ろ紙、膜、フィルタ、中空糸、繊維、ナノファイバー等への水酸化セリウムの固定化は、これらを水酸化セリウム溶液を適当な時間含浸させることにより可能である。
<3>シリカ除去装置
本発明の吸着濾材は、シリカ除去装置に備えることができる。本装置は、後述するシリカ除去方法を実施するのに好ましく用いることができる。また、後述する本発明のシリカを脱離させる方法を実施することにより繰り返し使用することができる。
装置はシリカ吸着濾材の他に、通常は溶液の流路などを含む。流路は、例えばシリカを含有する溶液(原水)を通す流路、シリカが除去された処理液を通す流路、後述するシリカを脱離させる溶液を通す流路、水酸化セリウムから脱離したシリカを含有する溶液(廃液)を通す流路、等が含まれる。
装置の利用態様としては、溶液中のシリカを除去する要請があるものに適用されれば特に限定されないが、例えば空調設備の冷水系や冷却水系、ボイラーの給水器系、プラントの冷却水系、金型の冷却水、逆浸透膜やイオン交換設備、温泉設備など水の循環系統に設置される装置が挙げられる。
<4>シリカを除去する方法
前述したシリカ吸着剤又はシリカ吸着濾材に含まれる水酸化セリウムに、シリカ含有溶液を接触させる工程を行うことにより、前記溶液からシリカを除去することができる。
前記溶液は通常水溶液であり、シリカは通常はケイ酸イオンとして含有されている。
シリカ含有溶液のpHは4~9が好ましく、6~7.5がより好ましい。
また、シリカ吸着剤又はシリカ吸着濾材にシリカ含有溶液を接触させる工程を行うときのシリカ含有溶液の温度は、特に限定されず、任意の温度で行うことができる。
シリカ吸着剤又はシリカ吸着濾材にシリカ含有溶液を接触させる工程においては、これを効率的に行うために、シリカ含有溶液を本発明の吸着剤又は吸着濾材の近傍で循環させることも好ましい。
<5>シリカを脱離させる方法
シリカが吸着した水酸化セリウムを、脱離溶液に接触させる工程を行うことにより、前記シリカを水酸化セリウムから脱離させることができる。
かかる脱離溶液は、pH9以上の水溶液、pH1以下の水溶液、又は塩化ナトリウム水溶液である。
前記pH9以上の水溶液は、特に限定されないが、水酸化ナトリウム水溶液である。水酸化ナトリウム水溶液の濃度としては、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは4重量%以上である。また、好ましくは48重量%以下、より好ましくは24重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
前記pH1以下の水溶液は、特に限定されないが、塩酸水溶液である。塩酸水溶液の濃度としては、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上である。また、好ましくは35重量%以下、より好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
前記塩化ナトリウム水溶液としては、好ましくは1重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは飽和濃度(約26重量%)である。
また、脱離溶液は、陽イオンを高い濃度で含むものが好ましく、より好ましくは金属イオンを、さらに好ましくはアルカリ金属イオンを、特に好ましくはナトリウムイオンを含む。かかる濃度としては、例えば0.01M以上をいう。
これらの脱離溶液は、その強酸、強塩基、又は高濃度の陽イオンの存在によって、水酸化セリウムに吸着したシリカ(ケイ酸イオン)を脱離させることができる。通常、シリカの「脱離」は、特に限定されないが、水酸化セリウムに吸着していたシリカの好ましくは80重量%以上、より好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上を遊離させることをいう。
そのため、本方法は水酸化セリウムを再生する方法に好ましく適用でき、再生された水酸化セリウムを再度シリカ吸着用途に供することができる。
水酸化セリウムの脱離溶液への接触は、例えば水酸化セリウムを脱離溶液に浸漬させることや、水酸化セリウムに脱離溶液を通液させることや、水酸化セリウムを含む前述の吸着濾材の近傍で脱離溶液を循環させること等によって行うことができる。
また、好ましい態様としては、シリカを水酸化セリウムに吸着させるシリカ除去工程と、シリカが吸着した水酸化セリウムからシリカを脱離させる工程とを、前述したようなシリカ除去装置に組み込むことにより、シリカ吸着剤を再生しながら繰り返し使うことができるため、連続的にかつ効率的にシリカ除去プロセスを行うことができる。
また、水酸化セリウムを脱離溶液に接触させる工程を行うときの脱離溶液の温度は、特に限定されず、任意の温度で行うことができる。
また、水酸化セリウムを脱離溶液に接触させる時間は、特に限定されないが、好ましくは1分間以上、より好ましくは1時間以上、さらに好ましくは12時間以上である。
<6>吸着によるシリカ除去及び脱離による吸着剤の再生の利用形態
以下に本発明の利用形態をいくつか説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明のシリカを脱離させる方法は、前述したシリカを除去する方法とともに、流路に流通させる水に対して好ましく適用することができる。これにより前記流路におけるシリカスケールの発生を防止することができ、またそのプロセスを繰り返し行うことができる。
ここで流路とは、特に限定されないが、通常は、空調設備の冷水系や冷却水系、ボイラーの給水器系、プラントの冷却水系、温泉設備など水の循環系統において水が流通する配管をいう。また、水の循環系統において水が接触する装置、設備、部品なども流路に含まれてもよい。
ここで、シリカスケールの発生の防止とは、シリカスケールが全く生じないことの他に、シリカ除去を施さない場合に比べてシリカスケールの量が低減すること及び該発生が遅延することをも含むものとする。
図1は、空調配管系統内におけるシリカ除去の利用形態である。空調設備においては、冷凍機と空調機(AHUやFCU等)との間を循環して冷熱を運ぶ水の循環系統である冷水系や、建屋内の機械室等に設置されている冷凍機と屋外に設置されているクーリングタワーとの間を循環する水の循環系統である冷却水系が存し、シリカ除去の要請が高い。
図1に示されるように補給水から直接シリカを除去してもよいし、系統内の一部を分岐してシリカを除去してもよい。シリカ吸着濾材が多孔質の形態の場合は、系統内から分岐した流路をシリカ除去濾材に配すると、溶液中のゴミ取り装置としても機能し得る。シリカを吸着した水酸化セリウムは、別系統で塩化ナトリウム水溶液、強酸、又は強塩基に接触させることにより、シリカを脱離させることができ、再度シリカ除去系統の流路に供す
ることができる。
生産冷却水系統においても同様の利用形態とすることができる。
図2は、イオン交換樹脂の前処理としての利用形態である。
イオン交換樹脂にシリカが飽和するとシリカリークが生じてしまう。そのため、イオン交換樹脂に適用する前の水溶液からシリカを除去することが好ましい。これによりイオン交換樹脂の寿命を延ばすことができる。シリカを吸着した水酸化セリウムは、別の流路で塩化ナトリウム水溶液、強酸、又は強塩基に接触させることにより、シリカを脱離させることができ、再度シリカ除去系統の流路に供することができる。
図3は、逆浸透膜(RO膜)の前処理としての利用形態である。
逆浸透膜では、濃縮に伴いシリカが析出しつまりが生じる場合がある。つまりを防止するために濃縮倍率を低く運転する必要があるため、濃縮水を多く排出しなくてはならず、非効率となってしまう。そのため、逆浸透膜に適用する前の水溶液からシリカを除去することが好ましい。これにより膜のつまりは生じにくくなり、濃縮倍率を上げられるため、処理効率が向上する。
水酸化セリウムを含むシリカ除去装置は図示した場所のほか、濃縮系統内に設置してもよい。シリカを吸着した水酸化セリウムは、別系統で塩化ナトリウム水溶液、強酸、又は強塩基に接触させることにより、シリカを脱離させることができ、再度シリカ除去系統の流路に供することができる。
図4は、ボイラー用水、温泉水、地熱発電水等の流路における利用形態である。原水を各装置に流通させる前に、水酸化セリウムへの吸着によりシリカを除去することで、配管等に生じるシリカスケールを防止できる。シリカを吸着した水酸化セリウムは、別系統で塩化ナトリウム水溶液、強酸、又は強塩基に接触させることにより、シリカを脱離させることができ、再度シリカ除去系統の流路に供することができる。
その他に、本発明のシリカを脱離させる方法は、前述したシリカを除去する方法とともに、加湿器やアイロン等の水槽や流路を有する設備にも好ましく適用することができる。この場合、カルシウムを吸着できるゼオライトなどの吸着材とともに使用することも好ましく、シリカとカルシウムを吸着除去することでスケールの発生を防止することができ、またそのプロセスを繰り返し行うことができる。
以下に本発明を具体的に説明するために実施例を示すが、これら実施例は本発明の一例を示すものであり、本発明は実施例に限定されるものではない。
<参考例>水酸化セリウムによるシリカ吸着
水道水(新潟県長岡市内で採取、pH6)100mLに、試料1gを添加し、25℃の水浴中で24時間振盪した。試料として、水酸化セリウム粉末(平均粒径50μm、比表面積80m/g)、酸化水酸化鉄III粉末(平均粒径1μm、比表面積50m/g)
、又は活性アルミナ繊維(直径4mm・比表面積150m/g、又は6mm・比表面積150m/g)を用いた。
ICP発光分光分析装置(ICPS-7510;島津製作所製)を用いて、処理後の水道水中の残存シリカ濃度を測定した。
図5に結果を示す。水酸化セリウムを添加した水道水では、シリカの85%の減少が認められた。
<実施例>水酸化セリウムからのシリカの脱離
(実施例1)
水道水(新潟県長岡市内で採取、pH6)1Lに、水酸化セリウム粉末(平均粒径50μm、比表面積80m/g)0.1gを添加し、25℃で48時間浸漬した。浸漬後の水道水中の残存シリカ濃度は10mg/Lであった。浸漬後の水酸化セリウム粉末を回収し、5重量%塩酸水溶液、4重量%水酸化ナトリウム水溶液、又は飽和塩化ナトリウム水溶液に添加し、25℃で48時間浸漬した。浸漬後の水酸化セリウム粉末を回収し、超純水で1分間×5回洗浄した。新たな水道水1Lに、洗浄後の水酸化セリウム粉末0.1g(乾燥重量)を添加し、25℃で48時間浸漬した。浸漬後の水道水中の残存シリカ濃度は10mg/Lであった。
なお、水溶液中のシリカ濃度は、ICP発光分光分析装置(ICPS-7510;島津製作所製)を用いて測定した。
(比較例1)
水道水1Lに、水酸化セリウム粉末0.1gを添加し、25℃で48時間浸漬した。浸漬後の水道水中の残存シリカ濃度は10mg/Lであった。浸漬後の水酸化セリウム粉末を回収し、新たな水道水1Lに添加し、25℃で48時間浸漬した。浸漬後の水道水中の残存シリカ濃度は16.9mg/Lであった。
(実施例2)
水道水1Lに、水酸化セリウム粉末0.1gを添加し、25℃で48時間浸漬した。浸漬後の水道水中の残存シリカ濃度は10mg/Lであった。浸漬後の水酸化セリウム粉末を回収し、5重量%塩酸水溶液、4重量%水酸化ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液に浸漬した。シリカの脱離量と脱離に要する時間との間には、負の相関関係が認められた。

Claims (5)

  1. シリカが吸着した水酸化セリウムを、pH9以上の水溶液、pH1以下の水溶液、又は塩化ナトリウム水溶液に接触させる工程を含む、前記シリカを脱離させる方法。
  2. 前記pH9以上の水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記pH1以下の水溶液が、塩酸水溶液である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記水酸化セリウムが基材に固定化されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の方法によりシリカを脱離することを含む、水酸化セリウムの再生方法。
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