JP2022045986A - 作業車両の走行補助装置およびこれを備えた作業車両 - Google Patents

作業車両の走行補助装置およびこれを備えた作業車両 Download PDF

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Takashi Tokuyama
聖士 濱口
Seiji Hamaguchi
宏明 河合
Hiroaki Kawai
大輔 野田
Daisuke Noda
佑介 上村
Yusuke Kamimura
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Abstract

【課題】限られた幅を有する通路部材上を安全に走行できるように前記作業車両の走行を補助することが可能な作業車両の走行補助装置およびこれを備えた作業車両を提供する。【解決手段】走行補助装置3は、ショベル10の周囲の距離分布の情報を取得する距離情報取得部20と、前記距離情報から一対の梯子部材50の側縁位置情報を演算する演算部304とを有する。演算部304は、距離情報取得部20によって取得された距離情報に含まれる複数の測定点について、主走査方向(左右方向)において互いに隣接する測定点同士の距離である隣接点間距離をそれぞれ演算し、当該隣接点間距離が予め設定された距離閾値を超えている測定点から構成される第1測定点群を抽出し、当該第1測定点群における前記距離情報に基づいて側縁位置情報(左側縁推定線50L、右側縁推定線50R)を演算する。【選択図】図6

Description

本発明は、作業車両の走行補助装置およびこれを備えた作業車両に関する。
従来から、建設機械や農業機械などの作業車両を作業現場に輸送する際に、トラック(輸送車両)の荷台と地面との間に通路部材(ブリッジ、道板、歩み板ともいう)を掛け渡し、当該通路部材を通じて作業車両をトラックの荷台に積み込む場合がある。
特許文献1には、上記のような作業車両の積み込み作業において、トラックの荷台と地面との間に掛け渡された左右一対の梯子状部材から作業車両が脱落することを防止する技術が開示されている。具体的に、作業車両は、車両本体と、当該車両本体の左右両側に配置された左右一対の倣いセンサと、ポテンションメータと、コントローラとを有する。当該一対の倣いセンサは車両本体から垂下され、前後および左右方向にそれぞれ揺動可能なように車両本体に支持されている。一対の倣いセンサのうちの一方のセンサが梯子状部材の側縁に当接し左右方向の外側に揺動すると、ポテンションメータが倣いセンサの揺動を検出し、作業車両の進行方向がずれているとコントローラが判定する。この結果、コントローラが作業車両の進行方向を調整することで、作業車両の脱落が防止される。また、作業車両が梯子部材上を走行しつづけ、やがて倣いセンサがトラックの荷台の後端部に当接し後方に揺動すると、ポテンションメータが倣いセンサの揺動を検出し、作業車両がトラックの荷台に到達したとコントローラが判定する。
特許第4407147号公報
特許文献1に記載された技術では、倣いセンサが梯子状部材や荷台に直接接触し、複数の方向に揺動するため、倣いセンサが破損しやすく、作業車両の安全な走行が妨げられるという問題があった。
本発明の目的は、限られた幅を有する通路部材上を作業車両が安全に走行できるように前記作業車両の走行を安定して補助することが可能な作業車両の走行補助装置およびこれを備えた作業車両を提供することにある。
本発明の発明者は、接触式の倣いセンサに代えて、非接触式である光学式の距離情報取得部を利用することを着想した。しかしながら、このような光学式の距離情報取得部は、通路部材の周囲に位置する作業者や障害物を通路部材の一部として誤検知しやすい。
上記の点を踏まえて導き出された、本発明の一の局面に係る作業車両の走行補助装置は、作業車両が通路部材を通じて地面から輸送車両の荷台に又は前記荷台から前記地面に移動することを補助する、作業車両の走行補助装置であって、前記通路部材は、前記地面と前記地面よりも高い位置に配置される前記輸送車両の前記荷台との間に架設され前記作業車両が走行可能な傾斜面を有し、前記作業車両の走行補助装置は、前記作業車両に装着される光学式の距離情報取得部であって、平面視において前記作業車両の進行方向と交差する方向である主走査方向および前記主走査方向と直交する方向である副走査方向のそれぞれの走査方向に沿って分布する複数の測定点のそれぞれの所定の基準点に対する距離を示す距離分布であって前記作業車両から見て前記進行方向の前方かつ少なくとも前記主走査方向において前記通路部材を包含するように設定された測定領域の距離分布を示す情報である距離情報を前記作業車両の走行に伴って繰り返し取得することが可能な光学式の距離情報取得部と、前記通路部材および前記荷台を含む前記作業車両の周辺物体のうち前記主走査方向の両外側において前記通路部材が前記地面と前記荷台とを結ぶ方向である接続方向に沿ってそれぞれ延びる一対の物体側縁の前記作業車両に対する相対位置を示す情報である側縁位置情報を、前記距離情報取得部によって取得される前記距離情報に基づいて前記作業車両の走行中に繰り返し演算する位置情報演算部と、前記位置情報演算部によって演算された前記側縁位置情報に対応する指令信号を出力する信号出力部と、を備え、前記位置情報演算部は、前記距離情報取得部によって取得された前記距離情報に含まれる前記複数の測定点について、前記主走査方向において互いに隣接する測定点同士の距離である隣接点間距離をそれぞれ演算し、当該隣接点間距離が予め設定された距離閾値を超えている測定点から構成される第1抽出点群を抽出し、当該第1抽出点群における前記距離情報に基づいて前記側縁位置情報を演算する。
本構成によれば、作業車両が地面と荷台との間で通路部材上を移動する際に、光学式の距離情報取得部によって作業車両の周辺の距離情報を取得することができるため、距離情報取得部と通路部材や荷台との接触による距離情報取得部の破損、故障が防止される。また、位置情報演算部は、作業車両の走行中に行う側縁位置情報の演算にあたって、距離情報取得部によって取得された距離情報に含まれる複数の測定点について、主走査方向において互いに隣接する測定点同士の距離である隣接点間距離をそれぞれ演算し、当該隣接点間距離が予め設定された距離閾値を超えている測定点から構成される第1抽出点群を抽出し、当該第1抽出点群における距離情報に基づいて側縁位置情報を演算する。通路部材の側縁や荷台の側縁は地面から離れているため、距離閾値に基づいてこれらの側縁に対応する測定点を上記の第1抽出点群に精度良く含めることができる。このため、周辺物体の周囲に作業者や障害物が位置する場合でも、側縁位置情報の演算にノイズや誤差が生じることを抑制することができる。そして、演算された側縁位置情報に基づいて信号出力部が指令信号を出力するため、たとえば、当該指令信号に基づいて通路部材上での作業車両の危険状態を作業者に知らせることや作業車両の進行方向を補正することができる。この結果、限られた幅を有する通路部材上を安全に走行できるように作業車両の走行を安定して補助することが可能となる。
上記の構成において、前記位置情報演算部は、前記位置情報演算部は、前記第1抽出点群に含まれる複数の測定点を前記副走査方向における位置に応じて複数の第2抽出点群にそれぞれ分類し、各第2抽出点群に含まれる測定点の中から前記主走査方向の両外側に位置する一対のエッジ候補点をそれぞれ抽出し、前記複数の第2抽出点群においてそれぞれ抽出された前記一対のエッジ候補点から構成される複数のエッジ候補点に基づいて、前記一対の物体側縁にそれぞれ対応する一対の第1直線の式をそれぞれ算出し前記側縁位置情報を演算することが望ましい。
本構成によれば、第1抽出点群を副走査方向において複数の第2抽出点群に分類し、それぞれの第2抽出点群における両外側の点を一対のエッジ候補点として抽出することで、一対の第1直線を構成する複数の測定点を確実に抽出することができる。
上記の構成において、前記位置情報演算部は、前記主走査方向の両側のそれぞれにおいて、前記複数のエッジ候補点の前記距離情報に対して最小二乗法による直線のモデル式へのフィッティング処理を行うことで、前記一対の第1直線の式をそれぞれ算出することが望ましい。
本構成によれば、複数のエッジ候補点に基づいて、一対の第1直線の式を速やかに算出することができる。
上記の構成において、前記距離情報取得部は、前記作業車両の少なくとも一部が前記測定領域に含まれるように前記作業車両に装着されており、前記位置情報演算部は、前記作業車両のうち前記主走査方向の最も両外側において前記副走査方向に沿ってそれぞれ延びる一対の車両側縁に対応する一対の第2直線の式を前記距離情報取得部によって取得される前記距離情報に基づいて前記作業車両の走行中に繰り返し算出することが可能であり、前記一対の第1直線の前記一対の第2直線に対する相対位置を前記側縁位置情報として演算することが望ましい。
本構成によれば、作業車両を一対の第2直線によって表現し、一対の第1直線と一対の第2直線との相対位置に基づいて、周辺物体と作業車両との相対位置を容易かつ正確に演算することができる。
上記の構成において、前記位置情報演算部は、前記周辺物体の前記接続方向に延びる中心線である第1中心線の位置情報を前記一対の第1直線の式から演算するとともに、前記作業車両の前記副走査方向に延びる中心線である第2中心線の位置情報を前記一対の第2直線の式から演算し、平面視における前記第1中心線と前記第2中心線との相対角度および前記副走査方向の所定の位置における前記第1中心線と前記第2中心線との相対距離をそれぞれ更に演算することが可能であり前記位置情報演算部によって演算された前記相対角度および前記相対距離に基づいて、前記作業車両が当該作業車両の前記通路部材からの脱落を防止するために予め設定された防止条件を満たしているか否かを判定する判定部を更に備え、前記信号出力部は、前記作業車両が前記防止条件を満たしていないと前記判定部が判定すると、当該判定結果に対応する指令信号を出力することが望ましい。
本構成によれば、第1中心線と第2中心線との相対角度および相対距離に基づいて、通路部材上における作業車両の安全性を容易に判定することができる。特に、通路部材の中央部において作業車両の進行方向が大きく傾いている場合や、作業車両の進行方向は正しく設定される一方当該作業車両が通路部材の端部に位置する場合などでも、作業車両の安全性を正しく判定することが可能となる。
上記の構成において、前記信号出力部から出力された前記指令信号を受け入れ、当該指令信号に応じた警告情報を発報することが可能な報知部を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、作業車両の危険状態を作業者に速やかに報知することができる。
また、本発明の他の局面に係る作業車両は、走行面を走行可能な走行装置を含む車両本体と、上記の何れかに記載の作業車両の走行補助装置と、を備える。
本構成によれば、走行補助装置によって通路部材上での作業車両の危険状態を作業者に示すことや作業車両の進行方向を補正することができるとともに、周囲に作業者や障害物が位置する場合でも側縁位置情報の演算にノイズや誤差が生じることを抑制することができるため、作業車両が通路部材上を安全に走行することができる。
上記の構成において、作業車両であって、走行面を走行可能な走行装置を含む車両本体と、上記に記載の作業車両の走行補助装置と、を備え、前記車両本体は、前記走行装置を含む下部走行体と、上下方向に延びる旋回中心軸周りに旋回可能なように前記下部走行体に支持されるとともに、前記下部走行体の少なくとも一部が前記測定領域に含まれるように前記距離情報取得部を支持可能な支持部を有する上部旋回体と、を有し、前記位置情報演算部は、前記上部旋回体の前記下部走行体に対する旋回位置を示す情報である旋回位置情報を、前記距離情報取得部が取得する前記距離情報に基づいて更に演算することが可能であることが望ましい。
本構成によれば、下部走行体よりも上方に位置する上部旋回体に距離情報取得部を装着できるため、作業車両の周辺の広い範囲の距離分布を取得することができる。また、位置情報演算部が演算する旋回位置情報に基づいて、上部旋回体と下部走行体との旋回方向におけるずれを把握することができる。
上記の構成において、前記信号出力部から出力された前記指令信号を受け入れ、前記走行装置の進行方向を制御する駆動制御部を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、作業車両の走行中に危険な状態が発生した場合であっても、信号出力部から出力される指令信号に基づいて、駆動制御部が作業車両の進行方向を制御し、前記危険な状態を速やかに回避することができる。
本発明によれば、限られた幅を有する通路部材上を安全に走行できるように前記作業車両の走行を補助することが可能な作業車両の走行補助装置およびこれを備えた作業車両が提供される。
本発明の一実施形態に係る走行補助装置を備えた作業車両が地面から輸送車両の荷台に移動する様子を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る作業車両の距離情報取得部の配置を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る距離情報取得部の仰角を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る距離情報取得部の方位角を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る作業車両の距離情報取得部の測定領域を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る作業車両の距離情報取得部の測定領域を示す平面図であって、下部走行体の一部が測定領域に含まれた状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置のブロック図である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置が作業車両の走行を補助する処理全体のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置が作業車両の走行を補助する処理のフローチャートの一部である。 本発明の一実施形態に係る作業車両と通路部材との位置ずれを説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置を備えた作業車両が地面から輸送車両の荷台に移動する様子を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置を備えた作業車両が地面から輸送車両の荷台に移動する様子を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置が作業車両の走行を補助する処理のフローチャートの一部である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置を備えた作業車両が地面から輸送車両の荷台に移動する様子を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置を備えた作業車両が地面から輸送車両の荷台に移動する様子を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置が作業車両の走行を補助する処理のフローチャートの一部である。 本発明の一実施形態に係る作業車両と荷台との位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る通路部材と荷台との位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る走行補助装置が作業車両の走行を補助する処理において荷台の中心線が推定される様子を示す模式図である。 本発明の変形実施形態に係る走行補助装置を備えた作業車両が地面から輸送車両の荷台に移動する様子を示す側面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について詳述する。図1は、本実施形態に係る走行補助装置3を備えたショベル10(作業車両)が地面からトラック100(輸送車両)の荷台110に移動する様子を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るショベル10の距離情報取得部20の配置を示す側面図である。図3および図4は、本実施形態に係る距離情報取得部20の仰角ηおよび方位角θを示す模式図である。図5は、本実施形態に係るショベル10の距離情報取得部20の測定領域を示す平面図である。図6は、本実施形態に係るショベル10の距離情報取得部20の測定領域を示す平面図であって、下部走行体12の一部が測定領域に含まれた状態を示す図である。更に、図7は、本実施形態に係る走行補助装置3のブロック図である。なお、図1などでは、ショベル10の進行方向を基準として、前後方向、左右方向および上下方向がそれぞれ図示されているが、当該方向は本実施形態に係る走行補助装置3およびショベル10の機能を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係る走行補助装置および作業車両の構造および使用態様などを限定するものではない。
ショベル10は、本発明に係る作業車両の一例であって、油圧式のミニショベルである。なお、他の実施形態において、作業車両はショベル以外の建設機械、作業機械および農業機械などであってもよい。ショベル10は、上部旋回体11と下部走行体12とを含む車両本体10Sと、作業アタッチメント14とを有する。下部走行体12は、走行面を走行可能な走行装置としての左右一対のクローラ13と、ブレード13S(排土板)と、を有する。更に、上部旋回体11は、運転席15と、アッパーカバー16とを有する。
上部旋回体11は、上下方向に延びる旋回中心軸周りに旋回可能なように下部走行体12に支持される。運転席15は、上部旋回体11上に設けられており、ショベル10を操作する作業者が搭乗(着席)可能とされている。アッパーカバー16は、運転席15の上方を覆うように上部旋回体11に配置されている。アッパーカバー16は、運転席15に搭乗する作業者の雨除けや日除け機能を有している。更に、アッパーカバー16(支持部)は、後記の距離情報取得部20を支持する機能を有する。この際、アッパーカバー16は、下部走行体12の少なくとも一部が距離情報取得部20の測定領域に含まれるように距離情報取得部20を支持可能とされている。
作業アタッチメント14は、上部旋回体11に起伏可能に支持されており、掘削などの所定の作業を実施する。下部走行体12に装着されたブレード13Sも同様である。
更に、ショベル10は、走行補助装置3を有する。ショベル10に例示される作業車両を作業現場に輸送する際に、図1に示すように、トラック100(輸送車両)の荷台110と地面との間に梯子部材50(ブリッジ、道板、歩み板などともいう)(通路部材、周辺物体)を掛け渡し、梯子部材50を通じてショベル10をトラック100の荷台110に積み込む場合がある。
走行補助装置3は、地面と前記地面よりも高い位置に配置されるトラック100の荷台110との間に架設され、ショベル10が走行可能な傾斜面を有する梯子部材50を通じてショベル10が前記地面から荷台110に又は荷台110から前記地面に移動することを補助する機能を有している。なお、梯子部材50は、ショベル10専用の部材でもよいし、トラック100専用の部材でもよく、公知の梯子などでもよい。また、図1では、左右一対の梯子部材50が地面と荷台110との間に掛け渡されているが、本発明の通路部材の構造および数はこれに限定されるものではない。前記通路部材は、スロープ状、1枚の板状部材、左右方向から見て三角形状の台座などでもよい。なお、図1において、梯子部材50が地面とトラック100の荷台110とを結ぶ方向(図1の前後方向)が、接続方向と定義される。
また、本実施形態では、輸送車両の一例であるトラック100の荷台110(周辺物体)は、車両支持板101と左右一対の側板102とを有する。車両支持板101は、前記接続方向と直交する水平な幅方向(図1の左右方向)において、左右一対の梯子部材50よりも大きな幅を有し、荷台110に到達したショベル10を支持することが可能とされている。また、左右一対の側板102は、車両支持板101の前記幅方向の両端部からそれぞれ立設され前記接続方向に沿って延びている。
ショベル10は、距離情報取得部20と、操作部21と、処理開始信号入力部22と、走行駆動部23と、旋回駆動部24と、アタッチメント駆動部25と、表示部26と、報知部27と、制御部30と、を更に有する(図7)。なお、上記のうち、少なくとも距離情報取得部20および制御部30は、本実施形態に係る走行補助装置3を構成する。
図2を参照して、距離情報取得部20は、その視野が運転席15の前方を含むように、上部旋回体11に設けられたアッパーカバー16の先端部に装着されている。本実施形態では、距離情報取得部20は、レーザー方式の3次元距離センサ(3次元距離測定器)である。距離情報取得部20は、レーザー光を照射する光源(レーザー素子)と、反射したレーザー光を受光可能な受光素子とを含む。図2では、距離情報取得部20から照射される走査線L(レーザー光)が図示されている。なお、図2乃至図5では、距離情報取得部20に予め設定された互いに直交する3軸(x軸、y軸、z軸)が図示されている。これらの座標軸は、距離情報取得部20自体を原点に設定している。また、図5、図6では、方位角θ方向に沿って連続して延びる走査線Lが図示されているが、実際には、走査線Lは複数の測定点の集合体である。
光学式の距離情報取得部20は、図4に示される方位角θ方向に沿ってその測定範囲が広く、周囲90度から360度の範囲の点群を計測することができる。一方、図3に示される仰角η方向にはその測定範囲が制限され、数度~数十度の範囲内の点群を計測する(図2参照)。距離情報取得部20は、自身から運転席15の周囲に位置する物体までの距離を計測し、画素毎に出力する。
なお、距離情報取得部20は、例えば、赤外線を照射する光源と、赤外線及び可視光が受光可能なカメラと、カメラが撮像した画像データを処理するプロセッサとを備える深度センサで構成されてもよい。このような距離情報取得部20は、例えば、一定の時間毎(例えば30fps)で赤外線を照射し、赤外線を照射してから反射光を受信するまでの時間を画素単位で計測し、ショベル10の周辺環境の距離分布を示す距離画像データを取得する。なお、赤外線を照射する深度センサにおいては、上記のように赤外線を照射してから反射光を受信するまでの時間を計測する方式としてToF(Time of flight)方式が知られている。その他、深度センサとしては、特定パターンを照射した際の反射光の受光パターンから距離を計測するパターン照射方式が知られており、このパターン照射方式の深度センサが採用されてもよい。また、公知のステレオカメラなどが距離情報取得部20として採用されてもよい。この場合、距離情報取得部20は、例えば、ステレオカメラと、ステレオカメラを構成する複数のカメラで撮像された複数枚の画像データから物体までの距離分布を算出するプロセッサとで構成される。
なお、距離情報取得部20の機能について付言すれば、距離情報取得部20は、平面視においてショベル10の進行方向と交差する方向である主走査方向(方位角θの方向)および前記主走査方向と直交する方向である副走査方向(仰角ηの方向)のそれぞれの走査方向に沿って分布する複数の測定点(図17参照)における距離分布を示す情報である距離情報をショベル10の走行に伴って繰り返し取得することが可能である。なお、上記の距離分布は、所定の基準点と各測定点との距離についての複数の測定点における分布を示すものであり、ショベル10から見てその進行方向の前方かつ少なくとも前記副走査方向において一対の梯子部材50を包含するように設定された測定領域における距離分布である(図5、図6)。更に、本実施形態では、距離情報取得部20の測定領域は、図6に示すように、一対のクローラ13の少なくとも前側部分が当該測定領域に含まれるように設定されている。また、一例として、ショベル10のうち距離情報取得部20が装着された部分が上記の基準点(原点)に設定されている。
操作部21(図7)は、ショベル10の運転席15に配置されている。操作部21は、作業者がショベル10を操作するための各種の操作を受け付ける。当該操作には、一対のクローラ13の走行(前進、後退)、クローラ13の進行方向の切換(本実施形態では、左右のクローラ13の独立した走行による)、上部旋回体11の旋回動作(旋回方向、旋回速度)、作業アタッチメント14の駆動、ブレード13Sの駆動などが含まれている。
処理開始信号入力部22は、運転席15に配置されている。処理開始信号入力部22は、図1に示すように、ショベル10が一対の梯子部材50を通じて地面と荷台110との間を移動する際に、作業者によって操作される入力ボタンである。処理開始信号入力部22が操作されると、走行補助装置3によるショベル10の走行補助動作が開始される。
走行駆動部23は、一対のクローラ13を駆動するための油圧回路から構成され、不図示の油源、油圧ポンプ、コントロールバルブ、油圧モータなどから構成される。
旋回駆動部24は、走行駆動部23と同様に油圧回路から構成され、上部旋回体11を下部走行体12に対して旋回駆動する。旋回駆動部24は、不図示の油源、油圧ポンプ、コントロールバルブ、旋回モータなどから構成される。
アタッチメント駆動部25は、走行駆動部23と同様に油圧回路から構成され、作業アタッチメント14を上部旋回体11に対して起伏させる。アタッチメント駆動部25は、不図示の油源、油圧ポンプ、コントロールバルブ、油圧アクチュエータなどから構成される。なお、作業アタッチメント14が、ブーム、アーム、バケットなどから構成される場合には、各部材を駆動するための個別の油圧シリンダなどがアタッチメント駆動部25に含まれる。
表示部26は、運転席15に配置されており、作業者に対して報知されるべき各種の情報を表示する。本実施形態では、表示部26は公知の液晶パネルから構成される。
報知部27は、運転席15に配置されており、作業者に対して危険状態などを報知するためのランプやブザー音を発生させる部材などを含む。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。また、制御部30には、上記の距離情報取得部20、操作部21、処理開始信号入力部22、走行駆動部23、旋回駆動部24、アタッチメント駆動部25、表示部26、報知部27などが接続されている。
制御部30は、前記CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、駆動制御部301、特定情報抽出部302(位置情報演算部)、走行処理決定部303、演算部304(位置情報演算部)、判定部305、記憶部306および指令入力部307(信号出力部)を備えるように機能する。
駆動制御部301は、作業者から操作部21が受け付ける操作に応じて、走行駆動部23、旋回駆動部24、アタッチメント駆動部25に対して駆動指令信号を入力する。また、駆動制御部301は、ショベル10の自動制御が実行される場合には、指令入力部307から入力される判定信号に応じて、走行駆動部23に駆動指令信号を入力する。
特定情報抽出部302は、走行補助装置3によるショベル10の走行補助動作において、距離情報取得部20が取得した距離情報に含まれる複数の測定点の中から特定の測定点を抽出する。特に、特定情報抽出部302は、前記主走査方向において互いに隣接する測定点同士の距離である隣接点間距離が予め設定された距離閾値を超えている測定点から構成される第1抽出点群を抽出する。また、特定情報抽出部302は、前記第1抽出点群に含まれる複数の測定点を前記副走査方向における位置に応じて複数の第2抽出点群にそれぞれ分類し、各第2抽出点群に含まれる測定点の中から前記主走査方向の両外側に位置する一対のエッジ候補点をそれぞれ抽出する。更に、特定情報抽出部302は、ショベル10の走行中において、距離情報取得部20が取得した距離情報に含まれる複数の測定点のうち、後記の一対の仮想直線(直線)(図17の左側縁推定線50L、右側縁推定線50Rを参照)に対する前記主走査方向における距離が予め設定された第1閾値よりも小さい複数の測定点から構成される第1測定点群を抽出する。また、特定情報抽出部302は、ショベル10が地面から荷台110に向かって走行する場合において、特定情報抽出部302が取得した距離情報に含まれる複数の測定点のうち、後記の一対の仮想直線に対する距離が予め設定された第2閾値よりも大きくかつ第3閾値よりも小さい測定点から構成される第2測定点群を抽出する。これらの閾値は記憶部306に記憶されている。
走行処理決定部303は、走行補助装置3によるショベル10の走行補助動作において、判定部305の判定結果に応じて、予め設定された複数の処理動作(梯子進入前処理、梯子走行処理、荷台直前処理、荷台走行処理)の中から実行すべき処理動作を決定し、当該処理動作に関する情報を表示部26に表示させる。
演算部304は、走行補助装置3によるショベル10の走行補助動作において、複数の演算処理を実行する。特に、演算部304は、一対の梯子部材50のうち前記主走査方向の最も両外側において前記接続方向に沿ってそれぞれ延びる一対の側縁のショベル10に対する相対位置を示す情報である側縁位置情報を、距離情報取得部20によって取得される距離情報に基づいてショベル10の走行中に繰り返し演算する。特に、演算部304は、距離情報取得部20によって取得された距離情報に含まれる複数の測定点について、前記主走査方向において互いに隣接する測定点同士の距離である隣接点間距離をそれぞれ演算する。なお、上記の特定情報抽出部302および演算部304は、本発明の位置情報演算部を構成する。
判定部305は、走行補助装置3によるショベル10の走行補助動作において、複数の判定処理を実行する。特に、判定部305は、演算部304によって演算された梯子部材50の側縁位置情報が、ショベル10の梯子部材50からの脱落を防止可能なように予め設定された脱落防止条件(防止条件)を満たしているか否かを判定する。また、判定部305は、距離情報取得部20によって取得される距離情報に基づいて、一対の梯子部材50の上端部までショベル10が到達したか否かを判定する。更に、判定部305は、演算部304によって演算された荷台110の側板位置情報が、ショベル10と側板102との接触を防止可能なように予め設定された接触防止条件(防止条件)を満たしているか否かを更に判定する。
記憶部306は、走行補助装置3によるショベル10の走行補助動作において、制御部30の各部が参照するためのパラメータ、閾値などを予め記憶し、必要に応じてこれらの情報を出力する。
指令入力部307は、走行補助装置3によるショベル10の走行補助動作において、判定部305の判定結果に応じて、ショベル10の危険状態に対応する判定信号を出力し、表示部26、報知部27に入力する。特に、指令入力部307は、後記のように演算された側縁位置情報が所定の脱落防止条件(防止条件)を満たしていないと判定部305が判定すると、当該判定結果に対応するが判定信号を出力する。また、指令入力部307は、後記のように演算された側板位置情報が所定の接触防止条件(防止条件)を満たしていないと判定部305が判定すると、当該判定結果に対応する判定信号を出力する。
次に、本実施形態に係る走行補助装置3が実行するショベル10の走行補助動作について詳述する。図8は、本実施形態に係る走行補助装置3がショベル10の走行を補助する処理全体のフローチャートである。前述のように、作業者(オペレータ)が図1に示すようにショベル10を一対の梯子部材50の手前に移動させた後、処理開始信号入力部22を通じて走行補助動作の開始信号を入力すると、走行補助装置3が図8に示される走行補助動作を実行する。当該走行補助動作の実行中、作業者は運転席15に搭乗していてもよいし、運転席15すなわちショベル10から離れていてもよい。
図8を参照して、走行補助動作が開始されると、距離情報取得部20によって距離データの取り込み作業(距離情報の取得)が開始される(ステップS1)。図2、図5および図6に示すように、一対の梯子部材50が距離情報取得部20の測定領域内に含まれるよう、ショベル10の進行方向に沿って仰角ηが変化し、ショベル10の進行方向を横切るように方位角θが変化するような姿勢で、距離情報取得部20がショベル10のアッパーカバー16の前端部に取り付けられる。この場合、ショベル10のトラック100に対する積込作業および積降作業では、ショベル10の後方(進行方向の逆方向)のデータは不要であるため、特定情報抽出部302が、距離情報取得部20によって取得される測定点のデータのうち方位角θの範囲を限定する。詳しくは、図5の左右一対の測定境界LS間の測定点データが選択されることで、前記測定領域内に左右一対の梯子部材50およびトラック100の荷台110が包含される。なお、このような測定領域の制限、すなわち、左右一対の測定境界LSの配置は、距離情報取得部20の原点に対するx軸方向の距離に応じて設定されればよい。また、各図に示される距離情報取得部20の取付方法、取付位置は一例であり、距離情報取得部20の位置はショベル10の前面部分に限定されず、走行中にショベル10の下部走行体12の一部と一対の梯子部材50および荷台110の一部とがそれぞれ測定領域に含まれるような他の取付位置でもよい。また、距離情報取得部20の取付姿勢は、ショベル10の進行方向に沿って仰角ηが変化するような向きに限定されない。例えば、ショベル10の進行方向に沿って方位角θが変化し、ショベル10の進行方向を横切るように仰角ηが変化するような姿勢で距離情報取得部20が取り付けられてもよい。
前記測定領域に含まれる各測定点における距離データが取得されると、当該データが記憶部306に取り込まれる前に特定情報抽出部302が各データの並び替えを行う。ショベル10の走行中は、距離情報取得部20が測定する距離データは逐次更新され、前述の測定境界LS(図5)で制限した範囲内で、仰角ηの値が同じ値を持つ点群データごとに方位角θの値が昇順となるように特定情報抽出部302が点群データを並べる。表1は、特定情報抽出部302によって並べ替えられ、記憶部306に記憶される距離データの一例であり、同じ仰角ηかつ互いに異なる方位角θにおける距離データ(x、y、z座標)を示している。なお、点群番号は、方位角θに対応した番号であって、異なる仰角ηのデータ間において共有される番号である。
Figure 2022045986000002
表1に示すように、距離情報取得部20によって取得された距離データは、点群番号nにおけるx座標、y座標およびz座標が(xn、yn、zn)とされ、更に、方位角θがθnとされ、それぞれ記憶部306に記憶される。添え字nが大きくなるほど方位角θが大きい値となる順に各データが格納される。このような処理が、各仰角ηにおいてそれぞれ実行される。また、上記のような距離データの取り込みは、ショベル10の走行中に繰り返し実行される。
距離データの取り込みが完了すると、判定部305が、記憶部306における梯子側縁情報(側縁位置情報)の有無を確認する(ステップS2)。梯子側縁情報は、一対の梯子部材50のうち左右方向(主走査方向)の最も両外側において前後方向(接続方向)に沿ってそれぞれ延びる一対の側縁のショベル10に対する相対位置を示す情報である。ステップS2において、梯子側縁情報が記憶部306に記憶されている場合(ステップS2でYES)には、特定情報抽出部302が、特定点群の抽出を実行する(ステップS3)。なお、ステップS3の詳細については後記で詳述する。
次に、判定部305が、ステップS3において特定された特定点群の数と予め設定され記憶部306に記憶された荷台特定用閾値(側板確認用閾値)との大小関係を比較する(ステップS4)。ここで、特定点群の数が荷台特定用閾値以上の場合(ステップS4でYES)には、次のステップS5が実行される。ステップS5では、判定部305が記憶部306に荷台側面情報が記憶されているか否かを判定する。なお、荷台側面情報は、荷台110の一対の側板102のショベル10に対する相対位置を示す情報である。ここで、記憶部306が荷台側面情報を記憶している場合(ステップS5でYES)、走行処理決定部303は「荷台走行処理」の実行を決定する(ステップS6)。一方、ステップS5において、記憶部306が荷台側面情報を記憶していない場合(ステップS5でNO)、走行処理決定部303が「荷台直前処理」の実行を決定する(ステップS9)。
一方、ステップS2において、記憶部306が梯子側縁情報を記憶していない場合(ステップS2でNO)、走行処理決定部303は、「梯子進入前処理」の実行を決定する(ステップS7)。
また、ステップS4において、特定点群の数が荷台特定用閾値未満の場合(ステップS4でNO)、走行処理決定部303が「梯子走行処理」の実行を決定する(ステップS8)。
ステップS6の荷台走行処理動作の完了とともに上記の走行補助動作全体が終了する。
以下では、図8に示される各処理について更に詳述する。
<梯子進入前処理について>
まず、図8のステップS7の梯子進入前処理について詳述する。図9は、本実施形態に係る走行補助装置3がショベル10の走行を補助する処理のフローチャートの一部であり、図8の梯子進入前処理(ステップS7)のフローチャートである。図10は、本実施形態に係るショベル10と梯子部材50との位置ずれを説明するための模式図である。なお、図1は、ショベル10が一対の梯子部材50に進入する直前の斜視図に相当する。
図9を参照して、梯子進入前処理(図8のステップS7)が開始されると、演算部304が隣接点間距離の演算を実行する(ステップS11)。当該隣接点間距離とは、同じ仰角ηに属する複数の測定点のうち互いに隣接する点同士の距離に相当する。すなわち、隣接点間距離は、表1において、点群番号1の測定点と点群番号2の測定点との距離、点群番号2の測定点と点群番号3の測定点との距離(以後同じ)に相当する。この隣接点間距離をdist(n)と定義すると、演算部304は以下の式1によって当該距離を演算する。この結果、各仰角ηについて、n-1個の隣接点間距離dist(n)が算出される。
Figure 2022045986000003
次に、特定情報抽出部302が、エッジ候補点の抽出を行う(ステップS12)。具体的に、まず、判定部305が、上記で演算されたn-1個の隣接点間距離dist(n)のそれぞれと、予め設定された閾値a(距離閾値)との大小関係を比較し、特定情報抽出部302が、閾値aよりも大きな隣接点間距離を有する測定点を抽出する。このように抽出された測定点は、本発明の第1抽出点群を構成する。閾値aは、前記距離情報の中から一対の梯子部材50の左右側縁や一対のクローラ13の左右側縁を抽出するために予め設定されたものである。一対の梯子部材50は地面と荷台110との間に掛け渡されているため、上記のn-1個の隣接点間距離dist(n)を左右方向(主走査方向)に沿って評価すると、梯子部材50の側縁(エッジ部分)では、地面との間で前記隣接点間距離dist(n)が急激に大きくなる。このため、特定情報抽出部302によって閾値aに基づいて抽出された上記の測定点は、一対の梯子部材50の側縁(エッジ部分)に関連する点と推定することができる。ここで、図1に示すように、上記のような側縁(エッジ部分)は、一対の梯子部材50の左右方向の内側にも存在する。したがって、特定情報抽出部302は、上述の条件を満たす点群のうち、方位角θnの最小の点をショベル10の進行方向左側の下部走行体12の外側の側縁上の点あるいは梯子部材50の外側の側縁上の点とし、方位角θnの最大の点をショベル10の進行方向右側の下部走行体12の外側の側縁上の点あるいは梯子部材50の外側の側縁上の点として、上記の抽出された測定点のうち方位角θが最大の点および最小の点をそれぞれエッジ候補点として抽出する。
なお、エッジ候補点の抽出精度を高めるために、以下のような処理が追加されてもよい。この場合、特定情報抽出部302は、抽出した点を方位角θの昇順(前記nの昇順)に評価する。この際、それぞれの点に対して、その前後の数個の点(例えば、前後3点)に関して、方位角θの最大値と最小値との差が予め設定された閾値b以下でありz方向(高さ方向)の差が予め設定された閾値cより大きい条件を満たす点群を更に抽出することで、より精度の高いエッジ候補点を得ることができる。ただし、距離情報取得部20が取得する点群データにノイズや誤差の影響がなく、物体までの距離を正確に計測できる場合には、特定情報抽出部302は前述の閾値aのみに基づいてエッジ候補点の抽出を行えばよい。
ステップS12におけるエッジ候補点の抽出が完了すると、次に、特定情報抽出部302は、上記の処理で得られたエッジ候補点に対して、その仰角ηの大きさに応じて異なる処理を実行する。具体的に、判定部305は、記憶部306に格納されたエッジ候補点の仰角ηを予め設定された仰角閾値ηcと比較する(ステップS13)。この仰角閾値ηcは、距離情報取得部20の測定領域のうち、下部走行体12の一対のクローラ13が含まれる仰角群と、その他の仰角群(クローラ13よりも前方)とを分離するために予め設定されたものであり、距離情報取得部20の取付角度に応じて設定されている。そして、仰角ηがηc以上の場合(ステップS13でYES)、当該仰角群のデータにはクローラ13が含まれていないため、特定情報抽出部302が梯子側縁の抽出を実行する(ステップS14)。一方、仰角ηがηc未満の場合(ステップS13でNO)、当該仰角群のデータはクローラ13の一部に相当するため、特定情報抽出部302が下部走行体12(一対のクローラ13)の側縁の抽出を実行する(ステップS19)。
ステップS14では、特定情報抽出部302が、仰角閾値ηc以上の仰角群におけるエッジ候補点から、一対の梯子部材50の側縁を抽出する。具体的に、演算部304が、複数の仰角ηにおいてそれぞれ抽出されたエッジ候補点のうち、方位角θが最小の点同士について、最小二乗法による直線のモデル式へのフィッティング(SACアルゴリズム)を行う。この結果、一対の梯子部材50の左側の側縁を示す直線(図6の左側縁推定線50L)の式(第1直線の式)が得られる。同様に、演算部304が、複数の仰角ηにおいてそれぞれ抽出されたエッジ候補点のうち、方位角θが最大の点同士について、最小二乗法による直線のモデル式へのフィッティングを行うことで、一対の梯子部材50の右側の側縁を示す直線(図6の右側縁推定線50R)の式(第1直線の式)が得られる。
なお、表1に示されるn個の測定点は、1つの仰角ηにおけるデータである。このため、上記の特定情報抽出部302および演算部304の特定(抽出)処理および演算処理は、以下のように説明することができる。すなわち、演算部304は、距離情報取得部20によって取得された距離情報に含まれる複数の測定点について、前記主走査方向において互いに隣接する測定点同士の距離である隣接点間距離をそれぞれ演算し、特定情報抽出部302は、当該隣接点間距離が予め設定された閾値a(距離閾値)を超えている測定点から構成される第1抽出点群を抽出する。また、演算部304は、当該第1抽出点群における前記距離情報に基づいて前記側縁位置情報を演算する。また、特定情報抽出部302は、前記第1抽出点群に含まれる複数の測定点を前記副走査方向における位置に応じて複数の第2抽出点群にそれぞれ分類し、各第2抽出点群に含まれる測定点の中から前記主走査方向の両外側に位置する一対のエッジ候補点をそれぞれ抽出し、演算部304は、前記複数の第2抽出点群においてそれぞれ抽出された前記一対のエッジ候補点から構成される複数のエッジ候補点に基づいて、一対の梯子部材50の側縁(物体側縁)にそれぞれ対応する一対の第1直線の式をそれぞれ算出し前記側縁位置情報を演算する。この際、演算部304は、前記主走査方向の両側のそれぞれにおいて、前記複数のエッジ候補点の前記距離情報に対して最小二乗法による直線のモデル式へのフィッティング処理を行うことで、前記一対の第1直線の式をそれぞれ算出する。
次に、演算部304が、上記で得られた左側縁推定線50Lおよび右側縁推定線50Rに基づいて、一対の梯子部材50の中心ベクトル(目標進路ベクトル、第1中心線)を算出する(ステップS15)。具体的に、上記で得られた左側縁推定線50Lおよび右側縁推定線50Rのそれぞれの直線は、各直線が通る点の座標、方向ベクトル、任意の媒介変数tを用いて、以下の式2、式3で表される。
Figure 2022045986000004
Figure 2022045986000005
この結果、左側縁推定線50Lおよび右側縁推定線50Rの中心を通る直線CD(図10)は、以下の式4で表される。
Figure 2022045986000006
上記の式4で得られた直線は、ショベル10が一対の梯子部材50上を走行する際に、目標とすべき進路を表すベクトル(目標進路ベクトル)に相当する。
一方、ステップS19では、特定情報抽出部302が、仰角閾値ηc未満の仰角群におけるエッジ候補点から、下部走行体12(一対のクローラ13)の側縁を抽出する。具体的に、演算部304が、複数の仰角ηにおいてそれぞれ抽出されたエッジ候補点のうち、方位角θが最小の点同士について、最小二乗法による直線のモデル式へのフィッティング(SACアルゴリズム)を行う。この結果、一対のクローラ13の左側の側縁を示す直線(図6の左側縁推定線13L)の式(第2直線の式)が得られる。同様に、演算部304が、複数の仰角ηにおいてそれぞれ抽出されたエッジ候補点のうち、方位角θが最大の点同士について、最小二乗法による直線のモデル式へのフィッティングを行うことで、一対のクローラ13の右側の側縁を示す直線(図6の右側縁推定線13R)の式(第2直線の式)が得られる。
次に、演算部304が、上記で得られた左側縁推定線13Lおよび右側縁推定線13R(一対の車両側縁)に基づいて、下部走行体12(一対のクローラ13)の中心ベクトル(機体方向ベクトル、第2中心線)を算出する(ステップS20)。具体的に、上記で得られた左側縁推定線13Lおよび右側縁推定線13Rのそれぞれの直線は、各直線が通る点の座標、方向ベクトル、任意の媒介変数tを用いて、前述の式2、式3で表される。また、左側縁推定線13Lおよび右側縁推定線13Rの中心を通る直線CC(図6)は、前述の式4で表される。そして、当該式4で得られた直線は、ショベル10が一対の梯子部材50上を走行する際に、自らの進行方向を表すベクトル(機体方向ベクトル)に相当する。
次に、演算部304は、ステップS15で得られた目標進路ベクトルと、ステップS20で得られた機体方向ベクトルとに基づいて、機体ずれ情報を演算する(ステップS16)。具体的に、前記機体方向ベクトルを式5のように表し、前記目標進路ベクトルを式6のように表す。
Figure 2022045986000007
Figure 2022045986000008
なお、式5、式6に関して、ショベル10の高さ方向(z方向)のベクトルは、左右方向(横幅方向)のベクトルと直交するため、無視することができる。
ここで下部走行体12の側縁上の点として抽出された点群のベクトルを点N(xi,yi)(iは変数)とすると、下部走行体12の中心線CC上の先端部M(図10)の点は、左側縁推定線13L、右側縁推定線13R上として抽出された点N(xi,yi)を下部走行体12の中心線CCに射影し、その中で最もショベル10から遠い(y座標の値が大きい)点として抽出することができる。なお、点Nを下部走行体12の中心ベクトルが定める中心線CCに正射影したベクトルVは、以下の式7によって表すことができる。
Figure 2022045986000009
上記のVは、式5のtに相当する。したがって、下部走行体12の左側縁推定線13L、右側縁推定線13R上として抽出された点のそれぞれについて、式7のVを演算し、式5に代入することで、そのy座標の値が最も大きい点を下部走行体12の中心線CC上の先端部Mとして求めることができる。
ここで、ショベル10の幅方向のずれ量(図10のオフセット距離Go、相対距離)は、一対の梯子部材50の中心線CDと、下部走行体12の中心線CC上の先端部Mとの最短距離として算出することができる。具体的に、式6のtに異なる2値を代入することで、一対の梯子部材50の中心線CD上の2点(それぞれベクトルJ、ベクトルKとする)を計算し、下記の式8よりオフセット距離Goを算出することができる。
Figure 2022045986000010
また、ショベル10の角度のずれ量(図10のオフセット角度Ga、相対角度)は、一対の梯子部材50の中心線CDと一対のクローラ13の中心線CCとのなす角度であるから、ステップS15で得られた目標進路ベクトルと、ステップS20で得られた機体方向ベクトルとのなす角を式5、式6から求めればよく、以下の式9、式10によって算出される。
Figure 2022045986000011
Figure 2022045986000012
なお、式9のsign(c)は、ベクトルd、ベクトルdcにそれぞれ直交するベクトルの向きであり、符号を考慮するために加えられている。
次に、判定部305は、ステップS16で演算されたオフセット距離Goと予め設定された閾値A1との大小関係を比較する(ステップS17)。ここで、オフセット距離Goが閾値A1以下の場合には、ショベル10の幅方向のずれ量が許容値以下であるため、ステップS18において、判定部305がオフセット角度Gaと予め設定された閾値A2とを比較する。そして、オフセット角度Gaが閾値A2以下の場合には、梯子進入前処理を終了する。
一方、ステップS17において、オフセット距離Goが閾値A1を超えている場合には、ショベル10の幅方向のずれ量が許容値から外れており、ショベル10が梯子部材50から脱落する可能性があるため、指令入力部307が表示部26および報知部27に対して判定信号をそれぞれ入力し、ショベル10の危険情報に関する情報を表示、報知させる。ステップS18において、オフセット角度Gaが閾値A2を超えている場合も同様である。このように、オフセット距離Goおよびオフセット角度Gaによってショベル10と一対の梯子部材50の側縁との相対的な位置関係を評価することで、ショベル10の危険状態を精度良く検出することができる。なお、ステップS17、S18を通じて梯子進入処理が終了する際にも、オフセット距離Goおよびオフセット角度Gaに関する情報が表示部26に表示され、作業者に視認可能とされることが望ましい。
また、ステップS14において演算された梯子端縁の情報(左側縁推定線50L、右側縁推定線50R)は、図8のステップS2において評価される梯子側縁情報に相当する。
<梯子走行処理について>
次に、図8のステップS8について詳述する。図11および図12は、本実施形態に係る走行補助装置3を備えたショベル10が地面からトラック100の荷台110に移動する様子を示す斜視図であって、ショベル10が一対の梯子部材50上を走行する様子を示す図である。図13は、本実施形態に係る走行補助装置3がショベル10の走行を補助する処理のフローチャートの一部であり、図8の梯子走行処理(ステップS8)のフローチャートである。
図11、図12に示すように、ショベル10が一対の梯子部材50上を走行する場合にも、先の距離データの取り込み(ステップS1)および梯子進入前処理(ステップS7)と同様の処理が実行される。図13を参照して、梯子走行処理(図8のステップS8)が開始されると、演算部304が図9のステップS11と同様に隣接点間距離の演算を実行する(ステップS31)。すなわち、演算部304は、同じ仰角ηで測定された点群について、隣接点間距離を演算し、求めた隣接点間距離を閾値aと比較し、当該閾値aよりも大きい測定点に対して、その座標(xn,yn,zn)の点を抽出する(表1)。
次に、特定情報抽出部302がエッジ候補点の抽出を実行する(ステップS32)。この際、特定情報抽出部302は、梯子進入前処理または当該梯子走行処理における前回の演算処理において求められた梯子部材50の側縁情報(左側縁推定線50L、右側縁推定線50R)を利用する。具体的に、特定情報抽出部302は、エッジ候補点を抽出するための測定点として、左側縁推定線50Lおよび右側縁推定線50Rに対する距離が予め設定された第1閾値以下の点を抽出する(第1測定点群)。当該第1閾値は、梯子部材50の幅よりも小さく、例えば梯子部材50の幅の半分程度に設定されればよい。
上記の処理によって、隣接点間距離が閾値aよりも大きな点群の中から、左側縁推定線50Lおよび右側縁推定線50Rに対する距離が第1閾値以下の点群を更に絞り込むことができる。このため、隣接点間距離が閾値aよりも大きな点群の中に、梯子部材50の周囲に位置する作業者や障害物に相当する測定点が含まれている場合であっても、対象を梯子部材50の左側縁推定線50Lおよび右側縁推定線50Rの近傍に位置する測定点に限定することで、エッジ候補点の抽出誤差を低減することができる。すなわち、過去の演算によって抽出された左側縁推定線50L、右側縁推定線50Rを有効利用し、新たに演算される左側縁推定線50L、右側縁推定線50Rの演算精度を高めることが可能となる。
なお、図13のステップS33~S35は、図9のステップS14~S16と同様である。ステップS34では、ショベル10の走行に伴って距離情報取得部20から見た一対の梯子部材50の位置が変化しているため、目標進路ベクトルの算出、更新が行われる。なお、上記の説明では、地面から荷台110への走行時に、上部旋回体11が下部走行体12に対して旋回しないことを前提としているが、意に反して上部旋回体11が僅かながら旋回する可能性がある場合には、図13の梯子走行処理中にも、特定情報抽出部302および演算部304が、図9のステップS13、S19、S20をそれぞれ実行し、距離情報取得部20から見た下部走行体12の相対位置情報(左側縁推定線13L、右側縁推定線13R、機体方向ベクトル)を更新すればよい。
また、図13のステップS36、S37においても、図9のステップS17、S18と同様に、判定部305が、オフセット距離Goおよびオフセット角度Gaと予め設定された閾値A3、閾値A4とをそれぞれ比較する。そして、オフセット距離Goおよびオフセット角度Gaが各閾値(許容値)を超えている場合には、ステップS38において、指令入力部307が表示部26および報知部27に対して判定信号をそれぞれ入力し、ショベル10の危険情報に関する情報を表示、報知させる。また、ステップS36においてオフセット距離Goが閾値A3以下であり、ステップS37においてオフセット角度Gaが閾値A2以下の場合には、制御部30が梯子走行処理(S8)を終了する。なお、当該ステップS8は、図8のステップS4の条件が満たされるまでステップS3とともに繰り返される。
<特定点群の抽出、荷台直前処理および荷台走行処理について>
図14は、本実施形態に係る走行補助装置3を備えたショベル10が地面からトラック100の荷台110に移動する様子を示す斜視図であって、ショベル10が荷台110の直前(梯子部材50の上端部)に到達した様子を示す図である。図15は、本実施形態に係る走行補助装置3を備えたショベル10が地面からトラック100の荷台110に移動する様子を示す斜視図であって、ショベル10が荷台110上を走行する様子を示す図である。図16は、本実施形態に係る走行補助装置3がショベル10の走行を補助する処理のフローチャートの一部であり、図8の荷台直前処理(ステップS6)および荷台走行処理(ステップS9)のフローチャートである。更に、図17は、本実施形態に係るショベル10と荷台110との位置関係を示す模式図である。図18は、本実施形態に係る一対の梯子部材50と荷台110との位置関係を示す模式図である。図19は、本実施形態に係る走行補助装置3がショベル10の走行を補助する処理において、荷台110の中心線が推定される様子を示す模式図である。
図8を参照して、ショベル10が一対の梯子部材50上を走行している場合、ステップS1~S4、S7およびS8が繰り返される。この際、ステップS4は、ショベル10が一対の梯子部材50の上端部、すなわち、トラック100の荷台110の直前に到達したか否かを判定する処理に相当し、ショベル10が一対の梯子部材50上を走行する間、並行して処理される。
以下では、まず図8のステップS3、S4について詳述する。ステップS3では、特定情報抽出部302が、特定点群(第2測定点群)の抽出を行う。具体的に、特定情報抽出部302は、前述の梯子進入前処理(ステップS7)または梯子走行処理(ステップS8)において演算された、一対の梯子部材50の側縁情報(左側縁推定線50L、右側縁推定線50R)の直線式を用いて、距離情報取得部20によって取得された距離データの中から、特定の点群を抽出する。この際、特定情報抽出部302は、上記の左側縁推定線50L、右側縁推定線50Rまでの距離が予め設定された第2閾値よりも大きくかつ第3閾値よりも小さい点を抽出し、これらを特定点群とする。なお、各測定点と直線との距離は、前述の式8を用いて演算部304が演算する。また、第3閾値は、第2閾値よりも大きく設定されている。第2閾値は、使用する梯子部材50および荷台110に応じて決定される距離H(図18)に応じて設定される。距離Hは、梯子部材50の外側端部から荷台110の外側端部までの距離に相当する。第2閾値は、当該距離Hよりもやや小さく設定されればよく、第3閾値は第2閾値よりも数十センチ大きく設定さればよい。この第3閾値と第2閾値との差は、荷台110の側板102の高さに応じて設定されればよい。ここで、図17では、特定情報抽出部302が特定点群を抽出するにあたって、左側縁推定線50Lおよび右側縁推定線50Rに対する距離が第2閾値だけ離れた位置に直線IIが図示され、同距離が第3閾値だけ離れた位置に直線IIIが図示されている。すなわち、直線IIと直線IIIとの間の領域Qに特定点群(第2測定点群)が含まれる。
このように抽出された特定点群は、図11、図12および図14のように、ショベル10が一対の梯子部材50上を走行するに伴って、距離情報取得部20の測定領域内に左右一対の側板102が含まれているか否かを判定するために使用される。なお、一対の側板102は上下方向に延びる高さを有しているため、距離情報取得部20から照射された走査線Lと側板102との交点(測定点)も、上下方向に沿って点在する。したがって、これらの点を抽出するために、上記の第2閾値および第3閾値が準備されている。
次に、ステップS4において、判定部305が、予め設定された荷台特定用閾値とステップS3で抽出された特定点群の数との大小関係を比較する。荷台特定用閾値は、上記のように距離情報取得部20の測定領域における側板102の有無を確認するために予め設定された閾値である。なお、図14に示すように、左右のクローラ13が左右の梯子部材50の上端部にそれぞれ到達した際に、距離情報取得部20の測定領域に含まれている左右一対の側板102の面積、換言すれば、側板102に含まれる測定点数に応じて、荷台特定用閾値が設定されている。
なお、ショベル10の上部旋回体11における距離情報取得部20の取り付け位置が、ショベル10の左右方向の中央ではない場合には、左右の側板102を抽出するための荷台特定用閾値が個別に設定されればよい。
ステップS4において、特定点群の数が、荷台特定用閾値よりも小さい場合には、ショベル10が一対の梯子部材50の上端部、すなわち、荷台110の直前の位置に至っていないため、前述の荷台走行処理が実行される(ステップS8)。一方、ステップS4において、特定点群の数が、荷台特定用閾値以上の場合には、ショベル10が一対の梯子部材50の上端部、すなわち、荷台110の直前の位置に至ったため、荷台直前処理(ステップS9)または荷台走行処理(ステップS6)の準備段階として、判定部305が荷台側面情報の有無を判定する(ステップS5)。
ステップS5における荷台側面情報は、前述のように、一対の側板102を表す平面の式に相当する。当該平面の式は、荷台直前処理の中で演算される。したがって、この荷台側面情報が記憶部306に記憶されていない場合には、ステップS9の荷台直前処理に進み、記憶されている場合にはステップS6の荷台走行処理に進む。このように、荷台直前処理は、距離情報取得部20による梯子部材50の検出から荷台110の側板102の検出に移行するタイミングにおける処理であるため、通常は一回のみ行われることとなる。ただし、制御部30が実行する処理において、複数回のフロー(複数フレーム)の平均化処理のように、複数回のデータの取り込みが必要な場合には、荷台直前処理が複数回おこなわれてもよい。
次に、図16を参照して、荷台直前処理(ステップS6)について詳述する。荷台直前処理が開始されると、特定情報抽出部302および演算部304によって、荷台側面の抽出、すなわち、側板102を表す平面の式が抽出される。具体的には、ステップS3において抽出された特定点群に含まれる各測定点の座標を用いて、公知の平面抽出用の数値解析処理が実行される。一例として、演算部304が複数の点群情報に対するRANSACアルゴリズムを用いて、距離情報取得部20の測定領域内の左右一対の平面を抽出する。この際、RANSACアルゴリズムによって抽出される平面のうち、はじめに抽出される2つの平面のモデル式が、一対の側板102に相当する。
左右一対の側板102の平面のモデル式が抽出されると、ステップS41において、演算部304が機体ずれ情報を演算する。具体的に、演算部304は、左右一対の側板102の平面のモデル式から、ショベル10の横幅方向のずれ量と角度のずれ量とを算出する。この際、演算部304は、下記の式11、式12に基づいて、左右一対の側板102(図19の左側板102Lおよび右側板102R)の平面を形成する点群の平均値を演算するとともに、その平均値の中心の点の座標を式13に基づいて演算する。
Figure 2022045986000013
Figure 2022045986000014
Figure 2022045986000015
更に、演算部304は、式14に基づいて、左右の側板102の平面の法線ベクトルの合成ベクトルを演算する。
Figure 2022045986000016
ここで、式13のcenter(xc,yc,zc)を通り、式14のnormal(A,B,C)を法線とする平面をP1、center(xc,yc,zc)を通り、ベクトル(0,0,1)を法線とする平面をP2とすると、式15、式16および式17から、平面P1および平面P2が決定される。
Figure 2022045986000017
Figure 2022045986000018
Figure 2022045986000019
ここで、演算部304は、上記の2つの平面を通る任意の点を最小二乗法により演算する。このように求めた2つの平面を通る点と、normal(A,B,C)と地面に垂直なベクトル(0,0,1)に直交するベクトルが、左右の側板102の平面の中心を通る直線CF(図19参照)となる。このように、左右の側板102の平面の中心を通る直線が求まれば、演算部304が前述の式8、式9に基づいてオフセット距離Goおよびオフセット角度Gaを演算することができる。
次に、図16のステップS42において、判定部305がオフセット距離Goと予め設定された閾値A5とを比較する。オフセット距離Goが閾値A5以下の場合には、ショベル10の幅方向のずれ量が許容値以下であるため、ステップS43において、オフセット角度Gaと予め設定された閾値A6とを比較する。そして、オフセット角度Gaが閾値A6以下の場合には、荷台直前処理を終了する。
一方、ステップS42において、オフセット距離Goが閾値A5を超えている場合には、ショベル10の幅方向のずれ量が許容値から外れており、ショベル10が側板102に衝突する可能性があるため、指令入力部307が表示部26および報知部27に対して判定信号をそれぞれ入力し、ショベル10の危険情報に関する情報を表示、報知させる。同様に、ステップS43において、オフセット角度Gaが閾値A6を超えている場合も同様である。このように、オフセット距離Goおよびオフセット角度Gaによってショベル10と一対の側板102の相対的な位置関係を評価することで、ショベル10の危険状態を精度良く検出することができる。なお、ステップS42、S43を通じて荷台直前処理が終了する際にも、オフセット距離Goおよびオフセット角度Gaに関する情報が表示部26に表示され、作業者に視認可能とされることが望ましい。
次に、同じく図16を参照して、荷台走行処理(ステップS9)について詳述する。荷台走行処理では、前述の荷台直前処理において、左右一対の側板102の平面のモデル式が演算されているため、ステップS40は省略される。
したがって、演算部304が、ステップS41において機体ずれ情報を演算する。この際、本実施形態では、すでに演算されている左右一対の平面のモデル式を用いて、距離情報取得部20によって取得された距離データに含まれる複数の測定点から所定の特定点が抽出される。具体的に、ステップS40において決定された側板102の平面のモデル式における、x、y、zの係数および定数をそれぞれa、b、c、dとし、各点群の中の座標を(xi,yi,zi)とすると、演算部304は、各点から平面までの距離distを以下の式18、式19を用いて演算する。
Figure 2022045986000020
Figure 2022045986000021
次に、判定部305が、上記で得られた距離distと予め設定された側面比較用閾値との大小関係を比較し、当該側面比較用閾値よりも距離が小さい測定点を抽出する。次に、演算部304は、抽出された点群に基づいて、前述の荷台直前処理におけるステップS40と同様に、RANSACアルゴリズムなどを用いて、新たに左右一対の側板102の平面のモデル式を算出する。以後は、荷台直前処理と同様に、演算部304が、算出されたモデル式に基づいて、オフセット距離Goおよびオフセット角度Gaを算出し、ステップS42、S43において各閾値A5、A6との大小関係が比較判定される。
上記のように、荷台走行処理(ステップS9)では、荷台直前処理において予め演算された左右一対の側板102の平面のモデル式を用いて、新たに平面のモデル式を演算するためのデータ(点群)を特定の点に限定する。前述の荷台比較用閾値は、左右一対の側板102よりも左右方向の外側の測定点を除外するために、所定の安全率を含めて設定されている。この結果、前述の左右一対の梯子部材50の側縁情報の場合と同様に、左右一対の側板102の外側に作業者や障害物が存在する場合に、側板102の平面のモデル式の演算処理にノイズが含まれることが防止される。
上記のように、図8に示される走行補助処理は、ショベル10の走行中に繰り返し行われる。なお、作業者が運転席15に搭乗している場合には、処理開始信号入力部22のボタンが再度操作されることで、走行補助処理が終了してもよい。また、ショベル10がトラック100の荷台110上に安定して搭載された状態を、他の検知部によって検知することで、上記の走行補助動作が終了してもよい。
以上のように、本実施形態では、走行補助装置3が、光学式の距離情報取得部20と、制御部30と、を有する。制御部30は、特定情報抽出部302と、演算部304と、判定部305と、指令入力部307とを有している。演算部304は、距離情報取得部20によって取得された距離情報に含まれる複数の測定点について、主走査方向(左右方向)において互いに隣接する測定点同士の距離である隣接点間距離をそれぞれ演算し、当該隣接点間距離が予め設定された距離閾値を超えている測定点から構成される第1抽出点群を抽出し、当該第1抽出点群における前記距離情報に基づいて側縁位置情報(左側縁推定線50L、右側縁推定線50R)を演算する。
本構成によれば、ショベル10が地面と荷台110との間で一対の梯子部材50上を移動する際に、光学式の距離情報取得部20によってショベル10の周辺の距離情報を取得することができるため、距離情報取得部20と梯子部材50や荷台110との接触による距離情報取得部20の破損、故障が防止される。また、一対の梯子部材50の側縁や荷台110の側縁は地面から離れているため、距離閾値に基づく分類によって、これらの側縁を上記の第1抽出点群に精度良く含めることができる。このため、梯子部材50や荷台110(周辺物体)の周囲に作業者や障害物が位置する場合でも、側縁位置情報の演算にノイズや誤差が生じることを抑制することができる。そして、演算された側縁位置情報に基づいて指令入力部307が指令信号を出力するため、たとえば、当該指令信号に基づいて梯子部材50上でのショベル10の危険状態を作業者に知らせることやショベル10の進行方向を補正することができる。この結果、限られた幅を有する一対の梯子部材50上を安全に走行できるようにショベル10の走行を安定して補助することが可能となる。
また、本実施形態では、演算部304は、前記第1抽出点群に含まれる複数の測定点を副走査方向(前後方向)における位置に応じて複数の第2抽出点群にそれぞれ分類し、各第2抽出点群に含まれる測定点の中から主走査方向(左右方向)の両外側に位置する一対のエッジ候補点をそれぞれ抽出し、前記複数の第2抽出点群においてそれぞれ抽出された前記一対のエッジ候補点から構成される複数のエッジ候補点に基づいて、左側縁推定線50Lおよび右側縁推定線50R(一対の物体側縁)にそれぞれ対応する一対の第1直線の式をそれぞれ算出し前記側縁位置情報を演算する。
このような構成によれば、第1抽出点群を副走査方向において複数の第2抽出点群に分類し、それぞれの第2抽出点群における両外側の点を一対のエッジ候補点として抽出することで、一対の第1直線を構成する複数の測定点を確実に抽出することができる。
また、本実施形態では、演算部304は、主走査方向の両側のそれぞれにおいて、前記複数のエッジ候補点の距離情報に対して最小二乗法による直線のモデル式へのフィッティング処理を行うことで、前記一対の第1直線の式をそれぞれ算出する。
このような構成によれば、複数のエッジ候補点に基づいて、一対の第1直線の式を速やかに算出することができる。
また、本実施形態では、距離情報取得部20は、ショベル10の少なくとも一部が前記測定領域に含まれるようにショベル10に装着されており、演算部304は、ショベル10のうち主走査方向の最も両外側において副走査方向に沿ってそれぞれ延びる左側縁推定線13Lおよび右側縁推定線13R(一対の車両側縁)に対応する一対の第2直線の式を距離情報取得部20によって取得される距離情報に基づいてショベル10の走行中に繰り返し算出することが可能であり、前記一対の第1直線の前記一対の第2直線に対する相対位置を前記側縁位置情報として演算する。
このような構成によれば、ショベル10を一対の第2直線によって表現し、一対の第1直線と一対の第2直線との相対位置に基づいて、梯子部材50や荷台110などの周辺物体とショベル10との相対位置を容易かつ正確に演算することができる。
更に、本実施形態では、演算部304は、一対の梯子部材50の前記接続方向に延びる中心線である第1中心線の位置情報を前記一対の第1直線の式から演算するとともに、ショベル10の前記副走査方向に延びる中心線である第2中心線の位置情報を前記一対の第2直線の式から演算する。更に、演算部304は、平面視における前記第1中心線と前記第2中心線との相対角度および前記副走査方向の所定の位置における前記第1中心線と前記第2中心線との相対距離をそれぞれ更に演算することが可能である。一方、判定部305は、演算部304によって演算された前記相対角度および前記相対距離に基づいて、ショベル10が当該ショベル10の梯子部材50からの脱落を防止するために予め設定された防止条件を満たしているか否かを判定する。そして、指令入力部307は、ショベル10が前記防止条件を満たしていないと判定部305が判定すると、当該判定結果に対応する指令信号を出力する。
このような構成によれば、第1中心線と第2中心線との相対角度および相対距離に基づいて、梯子部材50上におけるショベル10の安全性を容易に判定することができる。特に、一対の梯子部材50の中央部においてショベル10の進行方向が大きく傾いている場合や、ショベル10の進行方向は正しく設定される一方当該ショベル10が一対の梯子部材50の端部に位置する場合などでも、ショベル10の安全性を正しく判定することが可能となる。
また、本実施形態では、演算部304は、ショベル10の走行中におけるn回目(nは自然数)の側縁位置情報の演算結果から一対の梯子部材50の両外側の一対の側縁を前記接続方向にそれぞれ延長した一対の仮想直線(左側縁推定線50L、右側縁推定線50R)の位置情報を演算する。また、特定情報抽出部302は、m回目(mは自然数かつm>n)の側縁位置情報の演算に先立って、距離情報取得部20が取得した距離情報に含まれる複数の測定点のうち、前記一対の仮想直線に対する方位角方向(主走査方向)における距離が予め設定された第1閾値よりも小さい複数の測定点から構成される第1測定点群を抽出する。また、演算部304は、当該第1測定点群における前記距離分布に基づいて前記m回目の側縁位置情報を演算する。
したがって、演算部304は、ショベル10の走行中に行う側縁位置情報の演算にあたって、過去に演算された一対の仮想直線(左側縁推定線50L、右側縁推定線50R)に対して所定の距離範囲内に含まれる測定点から、新たな側縁位置情報を演算するため、前記距離範囲外に作業者や障害物が位置する場合でも、側縁位置情報の演算にノイズや誤差が生じることを抑制することができる。そして、演算された側縁位置情報に基づいて判定部305が脱落防止条件の成否を判定し、脱落防止条件が満たされていない場合には、指令入力部307が出力する判定信号に基づいて、梯子部材50上でのショベル10の危険状態を作業者に知らせることやショベル10の進行方向を補正することができる。この結果、限られた幅を有する一対の梯子部材50上をショベル10が安全に走行できるように、ショベル10の走行を安定して補助することが可能となる。
また、本実施形態では、梯子部材50の一対の側縁を一対の直線の式で表すことで、第1測定点群の抽出時に各測定点と一対の直線との距離を容易に演算することができる。
また、本実施形態では、記憶部306が、一対の梯子部材50の側縁に対する荷台110の側板102の前記主走査方向における相対位置に応じてそれぞれ設定された、第2閾値および前記第2閾値よりも大きな第3閾値をそれぞれ記憶する。そして、判定部305は、ショベル10が地面から前記荷台に向かって走行する場合において、特定情報抽出部302が取得した前記距離情報に含まれる複数の測定点のうち、前記一対の仮想直線に対する距離が第2閾値よりも大きくかつ第3閾値よりも小さい測定点の数が、予め設定された側板確認用閾値よりも大きくなると、一対の梯子部材50の上端部(トラック100の荷台110が前記測定領域に含まれる位置)までショベル10が到達したと判定する。
本構成によれば、ショベル10が一対の梯子部材50上を走行することに伴って、距離情報取得部20の測定領域に一対の側板102が含まれることにもとづいて、一対の梯子部材50の上端部までショベル10が到達したことを判定することができる。
また、本実施形態では、特定情報抽出部302は、ショベル10が地面から荷台110に向かって走行する場合において、距離情報取得部20が取得した前記距離情報に含まれる複数の測定点のうち、前記一対の直線に対する距離が前記第2閾値よりも大きくかつ前記第3閾値よりも小さい範囲に含まれる複数の測定点から構成される第2測定点群を抽出する。そして、演算部304は、当該第2測定点群における前記距離分布に基づいて、荷台110の一対の側板102のショベル10に対する相対位置を示す情報である側板位置情報を更に演算する。
本構成によれば、一対の梯子部材50両外側の一対の側縁から所定の距離の範囲内の測定点だけを側板位置情報を演算するための第2測定点群を抽出するため、測定位置情報を精度よく演算することができる。
また、本実施形態では演算部304は、前記側板位置情報として、荷台110の一対の側板102にそれぞれ対応する一対の平面の式を算出する。
本構成によれば、一対の側板102を一対の平面の式で表すことで、第2測定点群の抽出時に各測定点と一対の平面との距離を容易に演算することができる。
また、本実施形態では、判定部305は、演算部304によって演算された前記側板位置情報が、ショベル10と側板102との接触を防止するために予め設定された接触防止条件を満たしているか否かを更に判定する。そして、指令入力部307は、前記側板位置情報が前記接触防止条件を満たしていないと判定部305が判定すると、当該判定結果に対応する判定信号を更に出力する。
本構成によれば、接触防止条件が満たされていない場合には、指令入力部307が出力する判定信号に基づいて、荷台110上におけるショベル10の危険状態を作業者に示すことやショベル10の進行方向を補正することができる。
また、本実施形態では、走行補助装置3が報知部27を有する。報知部27は、指令入力部307から出力された前記指令信号を受け入れ、当該指令信号に応じてショベル10の危険状態に関連する警告情報を発報することが可能とされている。
本構成によれば、ショベル10の危険状態を作業者に速やかに報知することができる。
更に、本実施形態では、ショベル10が、走行補助装置3を有する。
本構成によれば、走行補助装置3によって一対の梯子部材50上でのショベル10の危険状態を作業者に示すことやショベル10の進行方向を補正することができるとともに、周囲に作業者や障害物が位置する場合でも、側縁位置情報の演算にノイズや誤差が生じることを抑制することができるため、ショベル10が一対の梯子部材50上を安全に走行することができる。
また、本実施形態では、ショベル10の車両本体10S、一対のクローラ13(走行装置)を含む下部走行体12と、上下方向に延びる旋回中心軸周りに旋回可能なように下部走行体12に支持されるとともに、距離情報取得部20を支持可能なアッパーカバー16(支持部)を有する上部旋回体11と、を有する。
本構成によれば、下部走行体12よりも上方に位置する上部旋回体11に距離情報取得部20を装着できるため、ショベル10の周辺の広い範囲で距離分布を取得することができる。
また、本実施形態では、アッパーカバー16は、下部走行体12の少なくとも一部が前記測定領域に含まれるように距離情報取得部20を支持可能である。また、演算部304は、上部旋回体11の下部走行体12に対する旋回位置を示す情報である旋回位置情報を、距離情報取得部20が取得する前記距離情報に基づいて更に演算することが可能である。
本構成によれば、演算部304が演算する旋回位置情報に基づいて、上部旋回体11と下部走行体12との旋回方向におけるずれを把握することができる。
以上、本発明に係る走行補助装置3およびこれを備えたショベル10について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、下記のような変形例が可能である。
(1)上記の実施形態では、ショベル10が荷台110に乗り上げる直前の判断を、図8のステップS4において、左右の側板102が距離情報取得部20の測定領域に含まれるか否かで判断する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図20は、本発明の変形実施形態に係る走行補助装置3を備えたショベル10が地面からトラック100の荷台110に移動する様子を示す側面図である。
図20に示すように、走行補助装置3は、ショベル10の上部旋回体11の後側部分に装着された赤外線方式の距離センサ40を有する。距離センサ40は、ショベル10の後方において、ショベル10と地面GLまでの距離を計測することができる。そして、距離センサ40が検出する距離が予め設定された閾値以上になると、判定部305が、ショベル10が荷台110に乗り上げる直前に至ったと判断して、図8のステップS5以降に進み、平面抽出の処理に移行してもよい。前記閾値は、ショベル10が乗り込む荷台110および使用する梯子部材50に応じて設定されればよい。
(2)また、上記の実施形態では、下部走行体12の正面方向と上部旋回体11の正面方向とが互いに合致している(旋回角度が0度)場合を前提として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、下部走行体12の正面方向と上部旋回体11の正面方向との相対関係は、以下のように比較判定されてもよい。まず、図9のステップS19において、左右一対のクローラ13の側縁(左側縁推定線13L、右側縁推定線13R)が抽出される際に、判定部305が、左側縁推定線13Lおよび右側縁推定線13Rの両方が正常に取得されているかを判定する。そして、両方の側縁推定線が正常に取得されている場合には、判定部305が、距離情報取得部20の原点から左右のクローラ13、すなわち、左側縁推定線13Lおよび右側縁推定線13Rまでの距離が予め設定された範囲内に含まれているか否かを更に判定する。例えば、演算部304は、左右のクローラ13に関して式2、式3で特定されるベクトルと、距離情報取得部20の原点の座標(0、0)とから、式8を用いて、距離情報取得部20の原点からの左右のクローラ13の側縁までの距離を算出し、判定部305が当該距離を予め設定された閾値と比較する。両者が一致する場合に、判定部305が、下部走行体12の正面方向に対して上部旋回体11の正面方向が合致していると判断することができる。
(3)また、上記の実施形態では、図9のステップS17、S18、図13のステップS36、S37、図16のステップS42、S43において、ショベル10の危険状態が判定されると、指令入力部307が報知部27に判定信号を入力し、作業者に報知する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、制御部30の駆動制御部301が、指令入力部307から出力された前記判定信号を受け入れ、ショベル10の危険状態を回避するように一対のクローラ13の進行方向を制御するものでもよい。この場合、ショベル10が近傍の梯子部材50の側縁や側板102から離れるように、駆動制御部301が走行駆動部23に指令信号を入力し、一対のクローラ13(下部走行体12)の進行方向を切り換えればよい。
このような構成によれば、ショベル10の走行に危険な状態が発生した場合であっても、指令入力部307から出力される判定信号に基づいて、駆動制御部301が作業車両の進行方向を制御し、前記危険な状態を速やかに回避することができる。
10 ショベル(作業車両)
10S 車両本体
11 上部旋回体
12 下部走行体
13 クローラ(走行装置)
13S ブレード
14 作業アタッチメント
15 運転席
16 アッパーカバー(支持部)
20 距離情報取得部
21 操作部
22 処理開始信号入力部
23 走行駆動部
24 旋回駆動部
25 アタッチメント駆動部
26 表示部
27 報知部
3 走行補助装置
30 制御部
301 駆動制御部
302 特定情報抽出部(位置情報演算部)
303 走行処理決定部
304 演算部(位置情報演算部)
305 判定部
306 記憶部
307 指令入力部(信号出力部)
40 距離センサ
50 梯子部材(通路部材)
50L 左側縁推定線
50R 右側縁推定線
100 トラック(輸送車両)
101 車両支持板
102 側板
102L 左側板
102R 右側板
102C 中心面
110 荷台
L 走査線
LS 測定境界
θ 方位角
η 仰角

Claims (9)

  1. 作業車両が通路部材を通じて地面から輸送車両の荷台に又は前記荷台から前記地面に移動することを補助する、作業車両の走行補助装置であって、
    前記通路部材は、前記地面と前記地面よりも高い位置に配置される前記輸送車両の前記荷台との間に架設され前記作業車両が走行可能な傾斜面を有し、
    前記作業車両の走行補助装置は、
    前記作業車両に装着される光学式の距離情報取得部であって、平面視において前記作業車両の進行方向と交差する方向である主走査方向および前記主走査方向と直交する方向である副走査方向のそれぞれの走査方向に沿って分布する複数の測定点のそれぞれの所定の基準点に対する距離を示す距離分布であって前記作業車両から見て前記進行方向の前方かつ少なくとも前記主走査方向において前記通路部材を包含するように設定された測定領域の距離分布を示す情報である距離情報を前記作業車両の走行に伴って繰り返し取得することが可能な光学式の距離情報取得部と、
    前記通路部材および前記荷台を含む前記作業車両の周辺物体のうち前記主走査方向の両外側において前記通路部材が前記地面と前記荷台とを結ぶ方向である接続方向に沿ってそれぞれ延びる一対の物体側縁の前記作業車両に対する相対位置を示す情報である側縁位置情報を、前記距離情報取得部によって取得される前記距離情報に基づいて前記作業車両の走行中に繰り返し演算する位置情報演算部と、
    前記位置情報演算部によって演算された前記側縁位置情報に対応する指令信号を出力する信号出力部と、
    を備え、
    前記位置情報演算部は、前記距離情報取得部によって取得された前記距離情報に含まれる前記複数の測定点について、前記主走査方向において互いに隣接する測定点同士の距離である隣接点間距離をそれぞれ演算し、当該隣接点間距離が予め設定された距離閾値を超えている測定点から構成される第1抽出点群を抽出し、当該第1抽出点群における前記距離情報に基づいて前記側縁位置情報を演算する、作業車両の走行補助装置。
  2. 前記位置情報演算部は、前記第1抽出点群に含まれる複数の測定点を前記副走査方向における位置に応じて複数の第2抽出点群にそれぞれ分類し、各第2抽出点群に含まれる測定点の中から前記主走査方向の両外側に位置する一対のエッジ候補点をそれぞれ抽出し、前記複数の第2抽出点群においてそれぞれ抽出された前記一対のエッジ候補点から構成される複数のエッジ候補点に基づいて、前記一対の物体側縁にそれぞれ対応する一対の第1直線の式をそれぞれ算出し前記側縁位置情報を演算する、請求項1に記載の作業車両の走行補助装置。
  3. 前記位置情報演算部は、前記主走査方向の両側のそれぞれにおいて、前記複数のエッジ候補点の前記距離情報に対して最小二乗法による直線のモデル式へのフィッティング処理を行うことで、前記一対の第1直線の式をそれぞれ算出する、請求項2に記載の作業車両の走行補助装置。
  4. 前記距離情報取得部は、前記作業車両の少なくとも一部が前記測定領域に含まれるように前記作業車両に装着されており、
    前記位置情報演算部は、前記作業車両のうち前記主走査方向の最も両外側において前記副走査方向に沿ってそれぞれ延びる一対の車両側縁に対応する一対の第2直線の式を前記距離情報取得部によって取得される前記距離情報に基づいて前記作業車両の走行中に繰り返し算出することが可能であり、前記一対の第1直線の前記一対の第2直線に対する相対位置を前記側縁位置情報として演算する、請求項3に記載の作業車両の走行補助装置。
  5. 前記位置情報演算部は、前記周辺物体の前記接続方向に延びる中心線である第1中心線の位置情報を前記一対の第1直線の式から演算するとともに、前記作業車両の前記副走査方向に延びる中心線である第2中心線の位置情報を前記一対の第2直線の式から演算し、平面視における前記第1中心線と前記第2中心線との相対角度および前記副走査方向の所定の位置における前記第1中心線と前記第2中心線との相対距離をそれぞれ更に演算することが可能であり、
    前記位置情報演算部によって演算された前記相対角度および前記相対距離に基づいて、前記作業車両が当該作業車両の前記通路部材からの脱落を防止するために予め設定された防止条件を満たしているか否かを判定する判定部を更に備え、
    前記信号出力部は、前記作業車両が前記防止条件を満たしていないと前記判定部が判定すると、当該判定結果に対応する指令信号を出力する、請求項4に記載の作業車両の走行補助装置。
  6. 前記信号出力部から出力された前記指令信号を受け入れ、当該指令信号に応じた警告情報を発報することが可能な報知部を更に備える、請求項1乃至5の何れか1項に記載の作業車両の走行補助装置。
  7. 作業車両であって、
    走行面を走行可能な走行装置を含む車両本体と、
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の作業車両の走行補助装置と、
    を備える、作業車両。
  8. 作業車両であって、
    走行面を走行可能な走行装置を含む車両本体と、
    請求項4または5に記載の作業車両の走行補助装置と、
    を備え、
    前記車両本体は、
    前記走行装置を含む下部走行体と、
    上下方向に延びる旋回中心軸周りに旋回可能なように前記下部走行体に支持されるとともに、前記下部走行体の少なくとも一部が前記測定領域に含まれるように前記距離情報取得部を支持可能な支持部を有する上部旋回体と、
    を有し、
    前記位置情報演算部は、前記上部旋回体の前記下部走行体に対する旋回位置を示す情報である旋回位置情報を、前記距離情報取得部が取得する前記距離情報に基づいて更に演算することが可能である、作業車両。
  9. 前記信号出力部から出力された前記指令信号を受け入れ、前記走行装置の進行方向を制御する駆動制御部を更に備える、請求項7または8に記載の作業車両。
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