JP2022045234A - ブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸重の変動に応じて最適な必要ブレーキ力を発生させることができるブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法を提供する。【解決手段】ブレーキ制御装置21Aは、ブレーキ力を制御する装置である。応荷重演算部32Aは、軸重に応じて必要ブレーキ力を演算する。軸重変動量演算部30Aは、軸重の変動量を演算する。応荷重演算部32Aは、軸重の変動量に応じて必要ブレーキ力を調整する。応速度演算部33Aは、車両の速度に応じて必要ブレーキ力を変化させる。応速度演算部33Aは、軸重の変動量に応じて必要ブレーキ力を調整し、調整後の必要ブレーキ力を車両の速度に応じて変化させる。軸重変動量演算部30Aは、輪軸及び軸箱体の上下加速度を検出する1位加速度検出部GS1~4位加速度検出部GS4の出力信号と、軸箱体と台車枠との間に作用する荷重を検出する1位圧電部ES1~4位圧電部ES4の出力信号とに基づいて、軸重の変動量を演算する。【選択図】図8

Description

この発明は、ブレーキ力を制御するブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法に関する。
圧電ゴムや圧電素子を防振ゴムに内蔵して、荷重の検出や荷重変動に伴う振動による発電を利用した周波数解析によって、軸受損傷などを検知する車両状態判定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。従来の車両状態判定装置は、車両の軸箱の振動を抑える防振ゴムに内蔵された圧電ゴム部に作用する荷重に応じて出力する電気信号に基づいて、車両の状態を判定する車両状態判定部を備えている。
また、軸箱支持装置に内蔵されたロードセル等で輪重を検出する重量センサを備えるBC圧調整装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。従来のBC圧調整装置は、空気ばね圧を検出して車両重量を検出するセンサの出力と、輪軸の軸箱支持装置に内蔵された輪重を検出するロードセルの出力とに基づいて重量指標値を演算し、ブレーキ指令に対応するBC圧をこの重量指標値に基づいて補正している。
特許第6179952号公報
特許第6250423号公報
従来の車両状態判定装置では、常に荷重が変動した状態で発電する特性を圧電ゴムや圧電素子が持つため、荷重が整定した状態においては、発電することができず、検知が困難となる。特に、鉄道車両の走行安全性評価で用いられる PQ軸(輪重横圧)で得られる輪重値との比較においては、輪重値よりも小さい値として得られる場合が多く、評価できる条件(常に振動している環境)に制限があった。ここで、PQ軸とは、車輪とレールとの接触点に働く垂直方向の力(輪重P)及び水平方向の力(横圧Q)を測定するために使用される輪軸である。このようなPQ軸に強いブレーキを掛けるとブレーキ摩擦熱の伝熱で温度上昇が生じ、PQ軸に貼り付けられた歪ゲージが損傷を受けると、輪重値を高精度に測定することができない。従来のBC圧調整装置では、軸箱支持装置に内蔵されたロードセル等の重量センサによって輪重を検出しているが、重量センサについて具体的な構造が示されておらず、重量指標値についても具体的に示されていない。
この発明の課題は、軸重の変動に応じて最適な必要ブレーキ力を発生させることができるブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図8、図9及び図13に示すように、ブレーキ力を制御するブレーキ制御装置であって、軸重(L)に応じて必要ブレーキ力(Fb)を演算する応荷重演算部(32A,32B)と、前記軸重の変動量(ΔL)を演算する軸重変動量演算部(30A,30B)とを備え、前記応荷重演算部は、前記軸重の変動量に応じて前記必要ブレーキ力を調整することを特徴とするブレーキ制御装置(21A,21B)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のブレーキ制御装置において、図13に示すように、前記応荷重演算部は、下限リミッタ(L21)と上限リミッタ(L22)との間に必要ブレーキ力(Fb±ΔFb)が収まるように、前記必要ブレーキ力を調整することを特徴とするブレーキ制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のブレーキ制御装置において、図8、図9及び図14に示すように、車両(2)の速度(V)に応じて前記必要ブレーキ力を変化させる応速度演算部(33A,33B)を備え、前記応速度演算部は、前記軸重の変動量に応じて前記必要ブレーキ力を調整し、調整後の必要ブレーキ力を前記車両の速度に応じて変化させることを特徴とするブレーキ制御装置である。
請求項4の発明は、請求項3に記載のブレーキ制御装置において、図14に示すように、前記応速度演算部は、下限リミッタ(L21)と上限リミッタ(L22)との間に必要ブレーキ力(Fb±ΔFb)が収まるように、前記必要ブレーキ力を調整することを特徴とするブレーキ制御装置である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、図1、図2、図4、図8及び図9に示すように、輪軸(W1~W4)及び軸箱体(6)の上下加速度(G)を検出する加速度検出部(GS1~GS8)の出力信号と、前記軸箱体と台車枠(11)との間に作用する荷重を検出する圧電部(ES1~ES8)の出力信号とに基づいて、前記輪重の変動量を演算する輪重変動量演算部を備え、前記軸重変動量演算部は、前記輪重の変動量に基づいて前記軸重の変動量を演算することを特徴とするブレーキ制御装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載のブレーキ制御装置において、図8及び図9に示すように、前記加速度検出部の出力信号を上下加速度値に変換する加速度変換部(27A,27B)と、前記圧電部の出力信号を輪重値(PE)に変換する輪重変換部(26A,26B)と、車両が走行を開始してから所定速度に到達したときの静止輪重値(P0)を演算する静止輪重値演算部(28A,28B)とを備え、前記輪重変動量演算部は、前記上下加速度値、前記輪重値及び前記静止輪重値に基づいて、前記輪重(P)の変動量(ΔP)を演算することを特徴とするブレーキ制御装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載のブレーキ制御装置において、前記輪重変動量演算部は、前記上下加速度値G、前記輪重値PE及び前記静止輪重値P0であるときに、前記輪重の変動量を評価するための評価輪重値PEVを以下の評価式によって演算すること
Figure 2022045234000002
を特徴とするブレーキ制御装置である。
請求項8の発明は、請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、図1及び図2に示すように、前記軸重変動量演算部は、左右の車輪(4)の輪重の変動量を加算して、前記軸重の変動量を輪軸(W1~W4)毎に演算することを特徴とするブレーキ制御装置である。
請求項9の発明は、図13及び図18に示すように、ブレーキ力を制御するブレーキ制御方法であって、軸重(L)に応じて必要ブレーキ力(Fb)を演算する応荷重演算工程(S140)と、前記軸重の変動量(ΔL)を演算する軸重変動量演算工程(S160)と、前記軸重の変動量に応じて前記必要ブレーキ力を調整するブレーキ力調整工程(S180)とを含むブレーキ制御方法である。
請求項10の発明は、請求項9に記載のブレーキ制御方法において、図14に示すように、車両(2)の速度(V)に応じて前記必要ブレーキ力を変化させる応速度演算工程(S140)を含み、前記ブレーキ力調整工程は、調整後の必要ブレーキ力(Fb±ΔFb)を前記車両の速度に応じて変化させる工程を含むことを特徴とするブレーキ制御方法である。
この発明によると、軸重の変動に応じて最適な必要ブレーキ力を発生させることができる。
この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置を備える車両を模式的に示す平面図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置を備える車両を模式的に示す側面図であり、(A)は右側面図であり、(B)は左側面図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置を備える車両のブレーキ装置を模式的に示す側面図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置を備える車両の第1台車の4位の部分を拡大して示す側面図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置を備える車両の加速度検出部を取り付ける軸ばねライナの外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は左側面図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置を備える車両の圧電部を備える防振ゴムの外観図であり、(A)は一部を破断して示す平面図であり、(B)は(A)のVI-VIB線で切断した状態を示す断面図であり、(C)は(B)のVIC部分を拡大して示す断面図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置を備える車両の加速度検出部を取り付ける取付板の平面図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の第1台車側の構成図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の第2台車側の構成図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の応荷重演算部を模式的に示す構成図であり、(A)は第1台車側の応荷重演算部の構成図であり、(B)は第2台車側の応荷重演算部の構成図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の応速度演算部を模式的に示す構成図であり、(A)は第1台車側の応速度演算部の構成図であり、(B)は第2台車側の応速度演算部の構成図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置におけるブレーキ動作時の軸重変動を模式的に示すグラフであり、(A)は軸重が増加したときのグラフであり、(B)は軸重が減少したときのグラフである。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の応荷重演算部による必要ブレーキ力の調整を説明するための模式図であり、(A)は調整前の必要ブレーキ力の演算を説明するための模式図であり、(B)は軸重が増加したときの必要ブレーキ力の調整を説明するための模式図であり、(C)は軸重が減少したときの必要ブレーキ力の調整を説明するための模式図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の応速度演算部による必要ブレーキ力の調整を説明するための模式図であり、(A)は調整前の必要ブレーキ力の演算を説明するための模式図であり、(B)は軸重が増加したときの必要ブレーキ力の調整を説明するための模式図であり、(C)は軸重が減少したときの必要ブレーキ力の調整を説明するための模式図である。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の輪重変動量演算部による定速走行時における測定波形を一例として示すグラフであり、(A)は力行ノッチの時間変化を示すグラフであり、(B)は車両速度の時間変化を示すグラフであり、(C)は1位の輪重の時間変化を示すグラフであり、(D)は2位の輪重の時間変化を示すグラフであり、(E)は1位側輪重と2位側輪重とを加算した第1輪軸の軸重の時間変化を示すグラフである。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の輪重変動量演算部によるブレーキ時における測定波形を一例として示すグラフであり、(A)はブレーキノッチの時間変化を示すグラフであり、(B)は車両速度の時間変化を示すグラフであり、(C)は1位の輪重の時間変化を示すグラフであり、(D)は2位の輪重の時間変化を示すグラフであり、(E)は1位側輪重と2位側輪重とを加算した第1輪軸の軸重の時間変化を示すグラフである。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の輪重変動量演算部によるブレーキ時における輪重波形の周波数解析の結果を一例として示すグラフであり、(A)はPQ軸による輪重PEの周波数解析の結果のグラフであり、(B)は圧電センサによる輪重PEVの周波数解析の結果のグラフであり、(C)は本発明による輪重Pの周波数解析の結果のグラフである。 この発明の実施形態に係るブレーキ制御方法を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図2及び図3に示す線路1は、車両2が走行する通路(軌道)である。線路1は、車両2の車輪4を支持し案内して車両2を走行させる左右のレール1aを備えており、レール1aは車輪4の踏面4aと接触して車輪4を直接支持する頭頂面(頭部上面)1bを備えている。図2及び図4に示す輪重Pは、レール1aと車輪4との接触点に働く垂直方向の力である。
図1及び図2に示す車両2は、線路1に沿って走行する鉄道車両である。車両2は、例えば、電車、気動車、機関車、客車又は貨車などである。図1及び図2は、例えば、主たる区間を200km/h以上の高速で走行する新幹線車両である。車両2は、図1及び図2に示す車体3と、図8及び図9に示すブレーキ指令部BCと、図1及び図2に示す第1台車T1及び第2台車T2と、ブレーキ制御装置21A,21Bなどを備えている。車両2は、図1及び図2に示すように、この車両2の前位(前側)から後位(後側)に向かって、この車両2の左右の各部分の位置が1位~8位で規定されている。車両2は、図1及び図2に示すように、後位から前位に向かって右側(右側面(非公式側))が1位、3位、5位及び7位で規定されており、後位から前位に向かって左側(左側面(公式側))が2位、4位、6位及び8位で規定されている。車体3は、旅客又は貨物などの積載物を輸送する部分である。
図8及び図9に示すブレーキ指令部BCは、第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4にブレーキ力の発生を指令する装置である。ブレーキ指令部BCは、例えば、車両2の運転台の主幹制御器(マスター・コントローラ(マスコン))のブレーキレバーを乗務員が操作したときに、このブレーキレバーを乗務員が操作したときの操作量に応じたブレーキ指令信号をブレーキ制御装置21A,21Bのブレーキノッチ変換部22に出力する。
図1及び図2に示す第1台車T1及び第2台車T2は、車体3を支持して走行する装置である。第1台車T1は、車両2の前位側の台車であり、第2台車T2は車両2の後位側の台車である。第1台車T1及び第2台車T2は、図1~図3に示す第1輪軸W1~第4輪軸W4と、図1、図2、図8及び図9に示す第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4と、図4に示す軸箱体10と、図1、図2及び図4に示す台車枠11と、図4に示す軸ばね12と、図4及び図5に示す軸ばねライナ13と、図4に示す軸ばね支持板14と、図1及び図2に示す第1空気ばねS1~第4空気ばねS4と、図1、図2、図8及び図9に示す第1圧力検出部PS1~第4圧力検出部PS4と、図4及び図6に示す防振ゴム15と、図3、図8及び図9に示す第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4と、図1、図2、図8及び図9に示す1位圧電部ES1~8位圧電部ES8と、図1、図2、図8及び図9に示す1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8などを備えている。以下では、図4に示す第1台車T1の4位の部分を中心に説明し、図1及び図2に示す第1台車T1の1位~3位及び第2台車T2の5位~8位については第1台車T1の4位と同一の部分に同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図1~図3に示す第1輪軸W1~第4輪軸W4は、車輪4と車軸5とを組み立てた部材である。第1輪軸W1は、第1台車T1の前位側の輪軸であり、第2輪軸W2は第1台車T1の後位側の輪軸である。第3輪軸W3は、第2台車T2の前位側の輪軸であり、第4輪軸W4は第2台車T2の後位側の輪軸である。第1輪軸W1~第4輪軸W4は、いずれも同一構造であり、図1~図4に示す車輪4と図1に示す車軸5などを備えている。図1~図4に示す車輪4は、レール1aと転がり接触する部材である。車輪4は、図1及び図4に示すように、レール1aの頭頂面1bと接触して摩擦抵抗を受ける踏面4aと、脱輪を防止するために車輪4の外周部に連続して形成されたフランジ面4bなどを備えている。図1に示す車軸5は、車輪4と一体となって回転する部材である。車軸5は、両端部に左右一対の車輪4が圧入され取り付けられている。
図1、図2、図8及び図9に示す第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4は、第1輪軸W1~第4輪軸W4の車軸5の回転速度を演算する手段である。第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4は、いずれも同一構造であり、第1軸速度検出部SS1は第1輪軸W1の車軸5の回転速度を検出し、第2軸速度検出部SS4は第2輪軸W2の車軸5の回転速度を検出し、第3軸速度検出部SS3は第3輪軸W3の車軸5の回転速度を検出し、第4軸速度検出部SS4は第4輪軸W4の車軸5の回転速度を検出する。第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4は、図1に示す車軸5の回転によって直接又は間接に駆動することによって、回転速度に応じた電圧又はパルスを発生する速度発電機などの軸速度センサである。第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4は、車両2が動力を発生せず電動車にけん引される付随車(T車)である場合には、1車両当たり4軸の各車軸5の軸端部に取り付けられており、車両2が動力を発生する主電動機(モータ)を備える電動車(M車)である場合には、1車両当たり4台の各主電動機の回転軸の軸端部に取り付けられている。第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4は、例えば、歯車及び磁石によって構成された発電機によって発生する電圧(正弦波)の周波数成分を速度として表す。第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4は、第1輪軸W1~第4輪軸W4の各車軸5の回転速度(軸速度)に応じた出力信号(軸速度検出信号)を車両速度演算部23に出力する。
図3、図8及び図9に示す第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4は、走行する車両2を制動させる装置である。第1軸ブレーキ装置BE1及び第2軸ブレーキ装置BE2は、第1台車T1の台車枠11に取り付けられており、第3軸ブレーキ装置BE3及び第4軸ブレーキ装置BE4は第2台車T2の台車枠11に取り付けられている。第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4は、いずれも同一構造であり、第1軸ブレーキ装置BE1は第1輪軸W1の車輪4の回転を抑え、第2軸ブレーキ装置BE2は第2輪軸W2の車輪4の回転を抑え、第3軸ブレーキ装置BE3は第3輪軸W3の車輪4の回転を抑え、第4軸ブレーキ装置BE4は第4輪軸W4の車輪4の回転を抑える。第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4は、例えば、第1輪軸W1~第4輪軸W4の各軸のブレーキ力をそれぞれ制御可能な各軸ブレーキ制御方式の車両に搭載される。第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4は、図3に示すように、供給空気タンク(供給空気ダメ)6と、ブレーキ回路7と、ブレーキシリンダ8と、制輪子9などを備えている。第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4は、ブレーキ制御装置21A,21Bによって指定された空気圧をブレーキシリンダ8に流入させて、ブレーキシリンダ8が発生する駆動力をてこ機構によって制輪子9に伝達して踏面4aに制輪子9を押し付け、踏面4aと制輪子9との間に発生する摩擦力によって車輪4の回転を抑える踏面ブレーキ装置(基礎ブレーキ装置)である。図3に示す第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4は、車輪4の踏面4aに対して片側から制輪子9を押し付ける片押し制輪子ブレーキである。
供給空気タンク6は、ブレーキ回路7に供給する圧縮空気を蓄える空気タンクである。供給空気タンク6は、車両2毎に車両2の床下などに設置されている。ブレーキ回路7は、圧縮空気が流れる空気配管である。ブレーキ回路7は、供給空気タンク6から第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4を経てブレーキシリンダ8に圧縮空気が流れる。ブレーキシリンダ8は、空気圧を動力源として制輪子9を駆動する装置である。ブレーキシリンダ8は、シリンダ内で進退可能なピストンと、シリンダ内から圧縮空気が流出したときにこのピストンを元に戻す戻しばね(緩めばね)などを備えている。ブレーキシリンダ8は、シリンダ内に圧縮空気が流入するとピストンを押し出して制輪子9を車輪4の踏面4aに接触させ、シリンダ内から圧縮空気が流出すると緩みばねのばね力によってピストンを元の位置に戻して制輪子9を車輪4の踏面4aから離間させる。
制輪子9は、車輪4の踏面4aに押し付けられて制動力を発生する部材である。制輪子9は、例えば、合成樹脂を主体とする合成制輪子、又は金属粉末を基材にして所定の制輪子特性を有する粉末成分を添加して焼結成形した焼結合金制輪子などである。制輪子9は、外観が略円弧状の板状部材であり、踏面4aと摩擦接触する摩擦面を有するブレーキ摩擦材(シュー)である。制輪子9は、ブレーキ作用時には車輪4の踏面4aに進出して踏面4aに押し付けられ、ブレーキ緩解時には車輪4の踏面4aから後退して踏面4aから離間する。
図4に示す軸箱体10は、車軸5を回転自在に支持する軸受を介して車軸5の両端部が嵌合する部分である。軸箱体10は、車軸5を回転自在に保持するとともに、台車枠11を支持する部材である。軸箱体10は、上面10aと心棒10bなどを備えている。上面10aは、防振ゴム15を支持する部分である。上面10aは、軸箱体10の上部に形成された平坦面である。心棒10bは、軸箱体10上の所定の位置に防振ゴム15を位置決めする部材である。心棒10bは、図4及び図5に示す軸ばねライナ13、図4に示す軸ばね支持板14及び図6に示す防振ゴム15を貫通する円柱状の突起部である。心棒10bは、図4に示すように、軸箱体10の上面10aから突出しており、軸ばね8の内周部に挿入されている。
図1、図2及び図4に示す台車枠11は、第1台車T1及び第2台車T2の主要構成部である。台車枠11は、図示しないけん引装置によって車体3に連結されており、車体3との間で前後方向の力が伝達される。台車枠11は、図1に示すように、この台車枠11の左右を構成する側梁11aと、と左右の側梁11aをつなぐ横梁11bと、図4に示す軸ばね12の上端部を側梁11aの端部で保持するばね帽11cなどを備えている。
図4に示す軸ばね12は、軸箱体10と台車枠11との間の衝撃を緩和する部材である。軸ばね12は、軸箱体10と台車枠11との間で垂直方向の荷重を弾性的に支持する。図4及び図5に示す軸ばねライナ13は、軸箱体10と台車枠11との間の間隔を調整するために部材である。軸ばねライナ13は、図4に示す軸箱体10と防振ゴム15との間に単数又は複数枚挿入される平面形状が円形の金属製の板状部材である。軸ばねライナ13は、図5に示すように、この軸ばねライナ13の外周部から突出する取付部13aと、軸箱体10の心棒10bが貫通するように、この心棒10bに横方向からこの軸ばねライナ13を挿入するための切欠部13bなどを備えている。図4に示す軸ばね支持板14は、軸ばね12を支持する部材である。軸ばね支持板14は、平面形状が円形の金属製の板状部材である。軸ばね支持板14は、この軸ばね支持板14の中心部に軸箱体10の心棒10bが貫通する貫通孔を備えており、軸ばね12の下端部を保持する。
図1、図2、図8及び図9に示す第1空気ばねS1~第4空気ばねS4は、車体3と台車枠11との間を結合し、主として車体3の垂直方向の荷重を支持しつつ台車枠11から車体3に伝わる振動を低減する装置(まくらばね)である。第1空気ばねS1~第4空気ばねS4は、いずれも同一構造であり、図1及び図2に示すように、第1空気ばねS1は第1台車T1の右側に配置されており、第2空気ばねS2は第1台車T1の左側に配置されており、第3空気ばねS3は第2台車T2の右側に配置されており、第4空気ばねS4は第2台車T2の左側に配置されている。
図1、図2、図8及び図9に示す第1圧力検出部PS1~第4圧力検出部PS4は、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の空気圧を検出する手段である。第1圧力検出部PS1~第4圧力検出部PS4は、いずれも同一構造であり、図1に示すように、第1圧力検出部PS1は第1空気ばねS1の空気圧を検出し、第1圧力検出部PS1は第1空気ばねS1の空気圧を検出し、第2圧力検出部PS2は第2空気ばねS2の空気圧を検出し、第3圧力検出部PS3は第3空気ばねS3の空気圧を検出し、第4圧力検出部PS4は第4空気ばねS4の空気圧を検出する。第1圧力検出部PS1~第4圧力検出部PS4は、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の内部の空気圧(空気ばね圧(AS圧))を検出する圧力センサである。第1圧力検出部PS1~第4圧力検出部PS4は、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の内部の空気圧を空気圧信号としてブレーキ制御装置21A,21Bの空電変換部24A,24Bに出力する。
図4及び図6に示す防振ゴム15は、車両2の軸箱体10から台車枠11に伝わる振動を抑える部材である。防振ゴム15は、図4に示すように、軸箱体10と軸ばね12との間に挟み込まれた状態でこれらの間に装着されている。防振ゴム15は、軸箱体10の振動を抑え振動の伝達を防止するとともに、これらの間に発生する衝撃を緩和して騒音の発生を防止する。防振ゴム15は、図6(A)に示すように、平面形状が円形の板状部材である。防振ゴム15は、図6に示すように、ゴム部16と、取付板17A,17Bと、4位圧電部ES4などを備えている。図6に示す防振ゴム15は、圧電ゴム部18を内蔵する圧電ゴム内蔵型の軸ばね防振ゴムである。防振ゴム15は、ゴム部16、取付板17A,17B及び4位圧電部ES4などが一体となってゴム成形されている。
図6(A)(B)に示すゴム部16は、防振ゴム15の本体を構成する部分である。ゴム部16は、例えば、天然ゴム、スチレンゴムなどの一般加硫ゴム、ニトリルゴムなどの耐油性を有する加硫ゴム、クロロプレンゴムなどの耐候性及び耐有性を有する加硫ゴム、ブチルゴムなどの振動緩衝性能を有する加硫ゴム又は合成高分子から製造される合成ゴムなどの弾性材である。ゴム部16は、図6(B)に示すように、貫通孔16aを備えている。貫通孔16aは、軸箱体10の心棒10bが貫通する部分であり、ゴム部16の中心に形成されている。
図6(B)に示す取付板17A,17Bは、防振ゴム15の上面及び下面を構成する部分である。取付板17A,17Bは、ゴム部16を挟み込むようにゴム部16の上面及び下面に積層されており、ゴム部16の両面全域を被覆するようにゴム部16に接合されている。取付板17A,17Bは、例えば、一般構造用圧延鋼材(SS400)などの金具であり、互いに平行になるようにゴム部16の両面に加硫接着されている。取付板17Aは、防振ゴム15の上面プレート部を構成しており、軸ばね支持板14の下面と接合している。取付板17Bは、防振ゴム15の下面プレート部を構成しており、軸ばねライナ13の上面と接合している。取付板17A,17Bは、図6(B)に示すように、この取付板17A,17Bの中心に、軸箱体10の心棒10bが貫通する貫通孔17a,17bを備えている。取付板17Bは、図7に示すように、この取付板17Bに4位圧電部ES4を取り付ける場合には、この取付板17Bの外周部から突出する取付部17cを備えている。
図1、図2、図8及び図9に示す1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、軸箱体10と台車枠11との間に作用する荷重を検出する手段である。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、線路1上を車両2が走行するときに発生する機械的な振動を電気信号に変換する機械電気変換部として機能する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、軸箱体10と台車枠11との間の変位を検出することによって、これらの間に作用する荷重を検出する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、例えば、電荷信号を出力する電荷出力型又は電圧信号を出力する電圧出力型の圧電センサである。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、軸箱体10と台車枠11の間に作用する荷重に応じて発生する電荷又は電圧を電気信号として出力する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、図6(A)に示すように、防振ゴム15の円周上に等間隔に2つずつ配置されており、防振ゴム15に作用する荷重を検出する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、いずれも同一構造であり、以下では図4及び図6に示す4位圧電部ES4を例に挙げて説明する。図4及び図5に示す4位圧電部ES4は、図6(C)に示す圧電ゴム部18と、電極部19A,19Bと、図5に示す導電部20A,20Bなどを備えている。
図1、図2、図8及び図9に示す1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、軸箱体10と台車枠11との間に作用する荷重を検出する手段である。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、線路1上を車両2が走行するときに発生する機械的な振動を電気信号に変換する機械電気変換部として機能する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、図4に示す軸箱体10と台車枠11との間の変位を検出することによって、これらの間に作用する荷重を検出する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、例えば、電荷信号を出力する電荷出力型又は電圧信号を出力する電圧出力型の圧電センサである。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、軸箱体10と台車枠11の間に作用する荷重に応じて発生する電荷又は電圧を電気信号として出力する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、図6(A)に示すように、防振ゴム15の円周上に等間隔に2つずつ配置されており、防振ゴム15に作用する荷重を検出する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8は、いずれも同一構造であり、以下では図4及び図6に示す4位圧電部ES4を例に挙げて説明する。4位圧電部ES4は、図6(C)に示す圧電ゴム部18と、電極部19A,19Bと、図6に示す導電部20A,20Bなどを備えている。
図6(C)に示す圧電ゴム部18は、防振ゴム15に内蔵された状態でこの防振ゴム15に作用する荷重に応じて電気信号を出力する部分である。圧電ゴム部18は、線路1上を車両2が走行するときに発生する振動を圧電効果によって電気信号に変換する圧電体である。圧電ゴム部18は、防振ゴム15と同様に軸箱体10の振動を抑えて振動の伝達を防止するとともに、これらの間に発生する衝撃を緩和して騒音の発生を防止する。圧電ゴム部18は、ゴム中に圧電材料を分散させた部材であり、振動の大きさ(荷重の大きさ)に応じた電力を発生する弾性を有する圧電素子である。圧電ゴム部18は、例えば、ニトリルゴムなどのゴム材とチタン酸ジルコン酸鉛(商品名PZT)などの圧電セラミック粉末とを混合する混合工程と、この混合工程後の混合物を加硫する加硫工程と、この加硫工程後の混合物の両端部に電圧を印加してこの混合物を分極させる分極工程とによって製造される。圧電ゴム部18は、防振ゴム15に作用する荷重に応じた出力信号(荷重検出信号)をブレーキ制御装置21A,21Bの輪重変換部26A,26Bに出力する。
図6(C)に示す電極部19A,19Bは、圧電ゴム部18に電気的に接続された接点部分である。電極部19A,19Bは、圧電ゴム部18の両面にそれぞれ積層されており、圧電ゴム部18の両面全域を被覆するように接合されている。電極部19A,19Bは、例えば、互いに平行になるように圧電ゴム部18の両面に加硫接着して形成されたり、金属、金属酸化物又はカーボンなどの導電性材料を蒸着、シルクスクリーン印刷又はイオンスパッタリングなどの方法によって圧電ゴム部18の両面に形成されたり、導電性材料を含有する樹脂又は導電性高分子などの導電性樹脂を圧電ゴム部18の両面に多層化して形成されたりする。
図6に示す導電部20A,20Bは、圧電ゴム部18が発生する電流が流れる部分である。導電部20A,20Bは、導電材の表面が絶縁材によって被覆された電線であり、圧電ゴム部18の出力信号を取り出すための端子に接続されている。導電部20A,20Bは、一方の端部が電極部19A,19Bにそれぞれ接続されており、他方の端部がブレーキ制御装置21A,21Bの輪重変換部26A,26Bに接続されている。
図1、図2、図8及び図9に示す1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8は、第1輪軸W1~第4輪軸W4及び軸箱体10の上下加速度を検出する手段である。1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8は、線路1上を車両2が走行するときに発生する第1輪軸W1~第4輪軸W4及び軸箱体10の振動による上下加速度を電気信号に変換する機械電気変換部である。1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8は、例えば、電荷信号を出力する電荷出力型又は電圧信号を出力する電圧出力型の加速度センサである。1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8は、第1輪軸W1~第4輪軸W4及び軸箱体10の上下加速度に応じて電荷又は電圧を電気信号として出力する。1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8は、図4に示すように、軸箱体10の上面10aに取り付けられたり、図5に示すように軸ばねライナ13の取付部13aの上面又は下面に取り付けられたり、図7に示すように防振ゴム15の取付板17Bの取付部17cに取り付けられたりする。1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8は、いずれも同一構造であり、第1輪軸W1~第4輪軸W4及び軸箱体10に発生する上下加速度に応じた出力信号(加速度検出信号)をブレーキ制御装置21A,21Bの加速度変換部27A,27Bに出力する。
図1~図3、図8及び図9に示すブレーキ制御装置21A,21Bは、ブレーキ力を制御する装置である。図3、図8及び図9に示すように、ブレーキ制御装置21Aは第1軸ブレーキ装置BE1及び第2軸ブレーキ装置BE2が発生するブレーキ力を制御し、ブレーキ制御装置21Bは第3軸ブレーキ装置BE3及び第4軸ブレーキ装置BE4が発生するブレーキ力を制御する。ブレーキ制御装置21A,21Bは、ブレーキ指令信号の段数に応じた所定の減速度を発揮するように制御を行っており、車両重量が変わってもブレーキ段数毎の減速度を一定に保つために車両重量に応じてブレーキ力を変化させる。ブレーキ制御装置21A,21Bは、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8の出力信号及び1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8の出力信号に基づいて、数1に示す評価式によって評価輪重値PEVを演算することによって、鉄道車両の走行安全性の評価で用いられるPQ軸で測定される輪重値と同等の輪重値を得る。ブレーキ制御装置21A,21Bは、車両重量に応じて必要ブレーキ力Fbを変化させて常に所定の減速度が得られるように制御する応荷重制御を実施するとともに、車両速度Vに応じて必要ブレーキ力Fbを変化させて常に所定の減速度が得られるように制御する軸速度制御を実施する。ここで、必要ブレーキ力Fbとは、鉄道車両にはブレーキノッチに応じた減速度(km/h/s)が定められており、ある重量の車両がある減速度を得るために必要なブレーキ力である。ブレーキ制御装置21A,21Bは、評価輪重値PEVに基づいて軸重Lの変動量ΔLを演算し、軸重Lの変動量ΔLに応じた調整量ΔFbを、基本となる必要ブレーキ力Fbに加算又は減算する調整をして必要ブレーキ力Fb±ΔFbとする。
ブレーキ制御装置21A,21Bは、図8及び図9に示すように、ブレーキノッチ変換部22と、車両速度演算部23と、空電変換部24A,24Bと、軸重演算部25A,25Bと、輪重変換部26A,26Bと、加速度変換部27A,27Bと、静止輪重値演算部28A,28Bと、輪重変動量演算部29A,29Bと、軸重変動量演算部30A,30Bと、演算条件記憶部31と、応荷重演算部32A,32Bと、応速度演算部33A,33Bと、第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4などを備えている。ブレーキ制御装置21A,21Bは、このブレーキ制御装置21A,21Bの種々の動作を制御する制御部(中央処理部(CPU))を備えており、ブレーキ力を制御するためのブレーキ制御プログラムに従って所定のブレーキ制御処理を実行する。ブレーキ制御装置21A,21Bは、ブレーキノッチ変換部22、車両速度演算部23、空電変換部24A,24B、軸重演算部25A,25B、輪重変換部26A,26B、加速度変換部27A,27B、静止輪重値演算部28A,28B、輪重変動量演算部29A,29B、軸重変動量演算部30A,30B、演算条件記憶部31、応荷重演算部32A,32B、応速度演算部33A,33B及び第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4が相互に通信可能に制御部に接続されている。ブレーキ制御装置21A,21Bは、いずれも同一構造であり、以下では図8に示すブレーキ制御装置21Aを中心に説明し、図9に示すブレーキ制御装置21Bについてはブレーキ制御装置21Aと対応する部分に対応する符号を付して、詳細な説明を省略する。
図8及び図9に示すブレーキノッチ変換部22は、ブレーキ指令部BCが出力するブレーキ指令信号をブレーキノッチ信号に変換する手段である。ブレーキノッチ変換部22は、ブレーキレバーを乗務員が操作したときの操作量に対応するブレーキノッチをブレーキノッチ信号として応荷重演算部32A,32B及び応速度演算部33A,33Bに出力する。ここで、ブレーキノッチとは、発生させるブレーキ力に応じて設定された複数の段(ノッチ)であり、ブレーキレバーを乗務員が操作することによって任意の段が選択される。ブレーキノッチは、例えば、7~8段階に刻まれて設定されており、段に応じてブレーキ力の大きさが異なり車両2の減速度が異なる。
車両速度演算部23は、車両速度Vを演算する手段である。車両速度演算部23は、第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4の検出結果に基づいて車両2の車軸5の回転速度を演算するとともに、車軸5の回転速度に基づいて車両速度Vを演算する。車両速度演算部23は、例えば、第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4の出力信号に基づいて、各第1輪軸W1~第4輪軸W4の車軸5の回転速度を演算し、各第1輪軸W1~第4輪軸W4の車軸5の回転速度のうち最大値(最大速度)を車両速度(基準速度)Vとする。車両速度演算部23は、例えば、第1輪軸W1~第4輪軸W4の車輪径と、第1輪軸W1~第4輪軸W4の車軸5の軸速度とに基づいて、車両速度Vを演算する。車両速度演算部23は、第1輪軸W1~第4輪軸W4の車輪径の変化に応じて車両速度Vが変化するため、第1輪軸W1~第4輪軸W4の車輪径で補正して車両速度Vを演算する。車両速度演算部23は、車両速度Vに応じた出力信号(車両速度信号)を応速度演算部33A,33Bに出力する。
図8に示す空電変換部24Aは、第1圧力検出部PS1及び第2圧力検出部PS2が出力する空気圧信号を電気信号に変換する手段である。図9に示す空電変換部24Bは、第3圧力検出部PS1及び第4圧力検出部PS2が出力する空気圧信号を電気信号に変換する手段である。空電変換部24A,24Bは、例えば、空気圧信号を電気信号に変換する空電変換器(圧力変換器)である。空電変換部24A,24Bは、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の内部の空気圧に応じた出力信号を軸重演算部25A,25Bに出力する。
図8及び図9に示す軸重演算部25A,25Bは、軸重Lを演算する手段である。図8に示す軸重演算部25Aは、空電変換部24Aの出力信号に基づいて第1輪軸W1及び第2輪軸W2の軸重Lを演算し、図9に示す軸重演算部25Bは空電変換部24Bの出力信号に基づいて第3輪軸W3及び第4輪軸W4の軸重Lを演算する。ここで、軸重Lとは、図2に示す車両2の各第1輪軸W1~第4輪軸W4の左右の車輪4にかかる輪重Pの和である。軸重演算部25A,25Bは、第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4が動作する前に車両重量を推定するために、車両2が走行を開始してから所定速度V0に到達したときの車両重量に基づいて軸重Lを演算し、この軸重Lを設定値(固定値)として設定する。ここで、所定速度V0とは、車両2が走行を開始した直後の車両2の速度である。所定速度V0は、例えば、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の空気圧が安定し、車両2に動揺がない5km/hである。軸重演算部25A,25Bは、車両2の荷重を検出するための荷重検出装置として第1空気ばねS1~第4空気ばねS4を利用し、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の内部の空気圧に基づいて、車体3とこの車体3内の乗客及び積載物の重さを演算する。軸重演算部25A,25Bは、変動する乗客及び積載物を含む車体3などの重さと、既知である第1空気ばねS1~第4空気ばねS4及び第1台車T1~第4台車T4の重さなどを加算することによって、車両重量(応荷重)を演算し、この車両重量に基づいて軸重Lを演算する。軸重演算部25Aは、第1空気ばねS1及び第2空気ばねS2の空気圧に基づいて演算した車両重量を、第1輪軸W1及び第2輪軸W2の総軸数2によって除算して、第1輪軸W1及び第2輪軸W2の軸重Lを演算する。軸重演算部25Bは、第3空気ばねS3及び第4空気ばねS4の空気圧に基づいて演算した車両重量を、第3輪軸W3及び第4輪軸W4の総軸数2によって除算して、第3輪軸W3及び第4輪軸W4の軸重Lを演算する。軸重演算部25A,25Bは、演算後の第1輪軸W1~第4輪軸W4の軸重Lを静止輪重値演算部28A,28B及び応荷重演算部32A,32Bに出力する。
図8に示す輪重変換部26Aは、1位圧電部ES1~4位圧電部ES4の出力信号を輪重値PEに変換する手段である。図9に示す輪重変換部26Bは、5位圧電部ES5~8位圧電部ES8の出力信号を輪重値PEに変換する手段である。輪重変換部26A,26Bは、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8が出力する荷重検出信号を信号処理して、輪重値PEに関する輪重値信号(輪重値データ)に変換して出力する。輪重変換部26A,26Bは、事前に静荷重試験を行って荷重と輪重値(圧電輪重値)PEとの関係を予め把握しておくことによって、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8の出力信号を輪重値PEに変換する。輪重変換部26A,26Bは、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8が出力する電荷又は電圧を、軸箱体10と台車枠11との間に作用する荷重の荷重値に変換し、この荷重値を輪重値PEとして輪重変動量演算部29A,29Bに出力する。
図8に示す加速度変換部27Aは、1位加速度検出部GS1~4位加速度検出部GS4の出力信号を上下加速度値Gに変換する手段である。図9に示す加速度変換部27Bは、5位加速度検出部GS5~8位加速度検出部GS8の出力信号を上下加速度値Gに変換する手段である。加速度変換部27A,27Bは、1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8が出力する加速度検出信号を信号処理して、上下加速度値Gに関する上下加速度信号(上下加速度値データ)に変換して出力する。加速度変換部27A,27Bは、1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8が出力する電荷又は電圧を上下加速度値Gに変換し、この上下加速度値Gの半値G/2を輪重変動量演算部29A,29Bに出力する。
図8及び図9に示す静止輪重値演算部28A,28Bは、車両2が走行を開始してから所定速度V0に到達したときの静止輪重値P0を演算する手段である。図8に示す静止輪重値演算部28Aは、第1輪軸W1及び第2輪軸W2の静止輪重値P0を演算し、図9に示す静止輪重値演算部28Bは第3輪軸W3及び第4輪軸W4の静止輪重値P0を演算する手段である。ここで、静止輪重値P0とは、車両2が走行を開始してから所定速度V0に到達したときに設定される第1輪軸W1~第4輪軸W4の各車輪4の輪重値(設定輪重値)である。静止輪重値演算部28Aは、軸重演算部25Aが演算する第1輪軸W1及び第2輪軸W2の軸重Lの半値L/2を、第1輪軸W1及び第2輪軸W2の各車輪4の静止輪重値P0として演算する。静止輪重値演算部28Bは、軸重演算部25Bが演算する第3輪軸W3及び第4輪軸W4の軸重Lの半値L/2を、第3輪軸W3及び第4輪軸W4の各車輪4の静止輪重値P0として演算する。静止輪重値演算部28A,28Bは、演算後の静止輪重値P0を輪重変動量演算部29A,29Bに出力する。
図8に示す輪重変動量演算部29Aは、1位圧電部ES1~4位圧電部ES4の出力信号と1位加速度検出部GS1~4位加速度検出部GS4の出力信号とに基づいて、輪重Pの変動量ΔPを演算する手段である。図9に示す輪重変動量演算部29Bは、5位圧電部ES5~8位圧電部ES8の出力信号と5位加速度検出部GS5~8位加速度検出部GS8の出力信号とに基づいて、輪重Pの変動量ΔPを演算する手段である。図8に示す輪重変動量演算部29Aは、図2に示す1位~4位の車輪4とレール1aとの接触点における輪重Pの変動量ΔPを演算し、図8に示す輪重変動量演算部29Bは図2に示す5位~8位の車輪4とレール1aとの接触点における輪重Pの変動量ΔPを演算する。輪重変動量演算部29A,29Bは、輪重変換部26A,26Bが出力する輪重値PEと、加速度変換部27A,27Bが出力する上下加速度値Gと、静止輪重値演算部28A,28Bが出力する静止輪重値P0とに基づいて、輪重Pの変動量ΔPを演算する。輪重変動量演算部29A,29Bは、上下加速度値G、輪重値PE及び静止輪重値P0であるときに、以下の数1に示す評価式によって輪重Pの変動量ΔPを評価するための評価輪重値PEVを演算する。
Figure 2022045234000003
輪重変動量演算部29A,29Bは、評価輪重値PEVの時間変化を輪重Pの変動量ΔPとして演算し、演算後の輪重Pの変動量ΔPを軸重変動量演算部30A,30Bに出力する。
図8及び図9に示す軸重変動量演算部30A,30Bは、軸重Lの変動量ΔLを演算する手段である。図8に示す軸重変動量演算部30Aは、輪重変動量演算部29Aが演算する輪重Pの変動量ΔPに基づいて、軸重Lの変動量ΔLを演算する。図9に示す軸重変動量演算部30Bは、輪重変動量演算部29Bが演算する輪重Pの変動量ΔPに基づいて、軸重Lの変動量ΔLを演算する。軸重変動量演算部30Aは、第1輪軸W1及び第2輪軸W2の左右の車輪4の輪重Pの変動量ΔPを加算して、第1輪軸W1及び第2輪軸W2毎に軸重Lの変動量ΔLを演算する。軸重変動量演算部30Bは、第3輪軸W3及び第4輪軸W4の左右の車輪4の輪重Pの変動量ΔPを加算して、第3輪軸W3及び第4輪軸W4毎に軸重Lの変動量ΔLを演算する。軸重変動量演算部30A,30Bは、第1輪軸W1~第4輪軸W4毎の軸重変動(例えば±30kN程度)を演算し、軸重Lの変動量ΔLを応荷重演算部32A,32Bに出力する。
演算条件記憶部31は、必要ブレーキ力Fbを演算するために必要な演算条件を記憶する手段である。演算条件記憶部31は、例えば、負担率及びブレーキ諸元値などを演算条件として記憶するメモリなどの記憶装置である。ここで、負担率とは、編成内の各車両2の必要ブレーキ力Fbの分担割合である。負担率は、本来ならば編成内の各車両が必要ブレーキ力Fbの100%を負荷されるところを、例えば先頭車両30%、2両目車両85%、3両目車両100%、4両目車両以降105%(編成全体の負担率の合計は100%)というように、編成中の各号車の必要ブレーキ力Fbを傾斜配分するときに設定される。演算条件記憶部31は、レール/車輪間の粘着特性を考慮して、編成内の各車両2の必要ブレーキ力Fbの配分率を記憶する。演算条件記憶部31は、例えば、鉄道事業者によって予め設定された設定値を演算条件データとして記憶する。ブレーキ諸元とは、第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4に関する種々の諸元である。演算条件記憶部31は、第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4の機械的諸元を記憶する。演算条件記憶部31は、例えば、第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4の機械効率、テコ比、ブレーキシリンダ径、作用半径及びブレーキ摩擦材の摩擦係数特性などを演算条件データとして記憶する。
図8~図10に示す応荷重演算部32A,32Bは、軸重Lに応じて必要ブレーキ力Fbを演算する手段である。図8及び図10(A)に示す応荷重演算部32Aは、第1軸ブレーキ装置BE1及び第2軸ブレーキ装置BE2が作用させる必要ブレーキ力Fbを演算する。図9及び図10(B)に示す応荷重演算部32Bは、第3軸ブレーキ装置BE3及び第4軸ブレーキ装置BE4が作用させる必要ブレーキ力Fbを演算する。応荷重演算部32A,32Bは、車両重量(応荷重)に応じて必要ブレーキ力Fbを制御する応荷重制御部としても機能する。応荷重演算部32A,32Bは、車両重量に応じて常に所定の減速度を得るために必要な必要ブレーキ力Fbを演算する。応荷重演算部32A,32Bは、車両重量が重いときには必要ブレーキ力Fbが大きくなり、車両重量が軽いときには必要ブレーキ力Fbが大きくなるように、必要ブレーキ力Fbを制御する。応荷重演算部32A,32Bは、ブレーキノッチ変換部22が出力するブレーキノッチ信号、軸重演算部25A,25Bが出力する軸重L、演算条件記憶部31が記憶する演算条件に基づいて、車両重量に応じた必要ブレーキ力Fbを演算する。
応荷重演算部32A,32Bは、図10に示すような軸重Lと必要ブレーキ力Fbとの相関関係を表す相関図DA10,DB10を生成する。応荷重演算部32A,32Bは、車両2が駅を出発して所定速度V0に達したときに軸重演算部25A,25Bが演算した軸重Lに基づいて相関図DA10,DB10を生成する。応荷重演算部32A,32Bは、停止している車両2が出発して所定速度V0に達する度に相関図DA10,DB10の生成を繰り返して、相関図DA10,DB10を更新する。ここで、図10に示す相関図DA10,DB10は、例えば、軸重Lに対して必要ブレーキ力Fbが一定の割合で増加する直線である。縦軸は、必要ブレーキ力Fbであり、横軸は軸重Lである。相関図DA10,DB10は、軸重Lから必要ブレーキ力Fbに変換する変換式(変換テーブル)として機能する。応荷重演算部32A,32Bは、ブレーキノッチ、軸重L及び演算条件に基づいて、軸重Lから必要ブレーキ力Fbに変換する相関図DA10,DB10を各第1輪軸W1~第4輪軸W4についてブレーキノッチ1,…,X毎に生成する。応荷重演算部32A,32Bは、例えば、軸重Lが大きいときには必要ブレーキ力Fbが大きくなり、軸重Lが小さいときには必要ブレーキ力Fbが小さくなるように、軸重Lに応じて必要ブレーキ力Fbが変化するような相関図DA10,DB10を生成する。応荷重演算部32A,32Bは、図8、図9及び図10に示すように、軸重Lに対応する必要ブレーキ力Fbを相関図DA10,DB10を使用して演算し、ブレーキノッチ1,…,Xに応じた必要ブレーキ力Fbを応速度演算部33A,33Bに出力する。
応荷重演算部32A,32Bは、リミッタL11とリミッタL12との間に必要ブレーキ力Fbを制限する。ここで、図10に示すリミッタL11は、空車相当時の必要ブレーキ力Fbを下回り必要ブレーキ力Fbが過少になるのを制限する下限リミッタとして機能する。リミッタL12は、満車相当時の必要ブレーキ力Fbを超えて必要ブレーキ力Fbが過大になるのを制限する上限リミッタとして機能する。リミッタL11,L12は、例えば、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4が破損したときや、第1圧力検出部PS1~第4圧力検出部PS4が故障したときに、必要ブレーキ力Fbが過大に又は過小になるのを防止するために設定される。
応荷重演算部32A,32Bは、軸重Lの変動量ΔLに応じて必要ブレーキ力Fbを調整する。応荷重演算部32A,32Bは、図13(B)(C)に示すように、軸重Lの変動量ΔLに応じて必要ブレーキ力Fbを必要ブレーキ力Fb±ΔFbに調整する。応荷重演算部32A,32Bは、図12に示すように、ブレーキON時に軸重Lが変動量ΔLだけ変動したときには、図13(B)(C)に示すように必要ブレーキ力Fbを調整量ΔFbだけ調整する。
応荷重演算部32A,32Bは、軸重変動量演算部30A,30Bが演算した軸重Lの変動量ΔLに基づいて、相関図DA11,DB11,DA12,DB12を生成する。応荷重演算部32A,32Bは、ブレーキノッチ、軸重L、軸重Lの変動量ΔL及び演算条件に基づいて、軸重L±ΔLから必要ブレーキ力Fb±ΔFbに変換する相関図DA11,DB11,DA12,DB12を、各第1輪軸W1~第4輪軸W4についてブレーキノッチ1,…,X毎に生成する。応荷重演算部32Aは、例えば、図12(A)に示すように、軸重Lが増加したときには、図13(B)に示すような軸重L+ΔLと必要ブレーキ力Fb+ΔFbとの相関関係を表す相関図DA11,DB11を新たに生成し、図13(A)に示すような相関図DA10,DB10を更新する。一方、応荷重演算部32Bは、例えば、図12(B)に示すように、軸重Lが減少したときには、図13(C)に示すような軸重L-ΔLと必要ブレーキ力Fb-ΔFbとの相関関係を表す相関図DA12,DB12を新たに生成し、図13(A)に示すような相関図DA10,DB10を更新する。ここで、図13に示す相関図DA10~DA12,DB10~DB12は、ブレーキノッチがXノッチであるときに、0km/h時の最大ブレーキ力を基本として軸重L,L±ΔLに応じて必要ブレーキ力Fb,Fb±ΔFbに変換する場合の例である。応荷重演算部32A,32Bは、ブレーキ動作中に軸重Lが変動する度に、相関図DA11,DB11,DA12,DB12の生成を繰り返すとともに、相関図DA10,DB10の更新を繰り返す。
応荷重演算部32A,32Bは、図12(A)に示すように、軸重Lが変動量ΔLだけ増加したときには、図13(B)に示すように相関図DA11,DB11を参照して、軸重L+ΔLに対応する必要ブレーキ力Fb+ΔFbに変換する。応荷重演算部32A,32Bは、図12(A)に示すように、ブレーキON時に軸重Lが変動量ΔLだけ増加したときには、図13(A)(B)に示すように軸重Lに変動量ΔLを加算するとともに、必要ブレーキ力Fbに調整量ΔFbを加算して、必要ブレーキ力Fbを必要ブレーキ力Fb+ΔFbに調整する。
一方、応荷重演算部32A,32Bは、図12(B)に示すように、軸重Lが変動量ΔLだけ減少したときには、図13(C)に示すように相関図DA12,DB12を参照して軸重L-ΔLに対応する必要ブレーキ力Fb-ΔFbに変換する。応荷重演算部32A,32Bは、図12(B)に示すように、ブレーキON時に軸重Lが変動量ΔLだけ減少したときには、図13(A)(C)に示す軸重Lに変動量ΔLを減算するとともに、必要ブレーキ力Fbに調整量ΔFbを減算して、必要ブレーキ力Fbを必要ブレーキ力Fb-ΔFbに調整する。応荷重演算部32A,32Bは、図13(B)(C)に示すように、軸重L±ΔLに対応する必要ブレーキ力Fb±ΔFbを相関図DA11,DB11,DA12,DB12を使用して演算し、ブレーキノッチ1,…,Xに応じた必要ブレーキ力Fb±ΔFbを応速度演算部33A,33Bに出力する。
応荷重演算部32A,32Bは、図13(B)(C)に示すように、リミッタL21とリミッタL22との間に必要ブレーキ力Fb±ΔFbが収まるように、必要ブレーキ力Fbを調整する。応荷重演算部32A,32Bは、調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbがリミッタL21とリミッタL22との間になるように必要ブレーキ力Fbを調整することによって、リミッタL21とリミッタL22との間に調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbを制限する。ここで、リミッタL21は、調整後の必要ブレーキ力Fb-ΔFbが過少になるのを制限する下限リミッタとして機能する。リミッタL22は、調整後の必要ブレーキ力Fb+ΔFbが過大になるのを制限する上限リミッタとして機能する。リミッタL21,L22は、例えば、レール1aの継目や分岐器類を車輪4が通過するときに発生する上下方向の輪重変動による影響によって、調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbが過大又は過小になるのを防止するために設定される。
図8、図9及び図11に示す応速度演算部33A,33Bは、車両速度Vに応じて必要ブレーキ力Fbを変化させる手段である。図8に示す応速度演算部33Aは、第1軸ブレーキ装置BE1及び第2軸ブレーキ装置BE2が作用させる必要ブレーキ力Fbを変化させる。図9に示す応速度演算部33Bは、第3軸ブレーキ装置BE3及び第4軸ブレーキ装置BE4が作用させる必要ブレーキ力Fbを変化させる。応速度演算部33A,33Bは、車両速度Vに応じて必要ブレーキ力Fbを制御する応速度制御部としても機能する。応速度演算部33A,33Bは、車両速度Vに応じて常に所定の減速度を得るために必要な必要ブレーキ力Fbを演算する。応速度演算部33A,33Bは、車両速度Vが高いときには必要ブレーキ力Fbが小さくなり、車両速度Vが低いときには必要ブレーキ力Fbが大きくなるように、必要ブレーキ力Fbを制御する。応速度演算部33A,33Bは、ブレーキノッチ、車両速度V及び必要ブレーキ力Fbに基づいて、車両速度Vに応じた必要ブレーキ力Fbを演算する。
応速度演算部33A,33Bは、図11に示すような車両速度Vと必要ブレーキ力Fbとの相関関係を表す相関図DA20,DB20を生成する。応速度演算部33A,33Bは、応荷重演算部32A,32Bと同様に、停止している車両2が出発して所定速度V0に達する度に相関図DA20,DB20の生成を繰り返して、相関図DA20,DB20を更新する。ここで、図11に示す相関図DA20,DB20は、例えば、車両速度Vが所定値を超えるときには車両速度Vに対して必要ブレーキ力Fbが一定の割合で減少する直線であり、車両速度Vが所定値以下であるときには必要ブレーキ力Fbが一定になる直線であり、直線は軸重Lである。縦軸は、必要ブレーキ力Fbであり、横軸は車両速度Vである。相関図DA20,DB20は、車両速度Vから必要ブレーキ力Fbに変換する変換式(変換テーブル)として機能する。図11に示す0km/hの最大の必要ブレーキ力Fbは、図10に示す応荷重演算部32A,32Bが演算したブレーキ力である。応速度演算部33A,33Bは、0km/hで最大値となる必要ブレーキ力Fbを車両速度Vに応じて変化させる。応速度演算部33A,33Bは、ブレーキノッチ、車両速度V及び必要ブレーキ力Fbに基づいて、車両速度Vから必要ブレーキ力Fbに変換する相関図DA20,DB20を各第1輪軸W1~第4輪軸W4についてブレーキノッチ1,…,X毎に生成する。応速度演算部33A,33Bは、例えば、車両速度Vが高いときには必要ブレーキ力Fbが小さくなり、車両速度Vが低いときには必要ブレーキ力Fbが大きくなり、車両速度Vが所定値よりも低いときには必要ブレーキ力Fbが一定になるように、車両速度Vに応じて必要ブレーキ力Fbが変化するような相関図DA20,DB20を生成する。応速度演算部33A,33Bは、図8、図9及び図11に示すように、車両速度Vに対応する必要ブレーキ力Fbを相関図DA20,DB20を使用して演算し、ブレーキノッチ1,…,Xに応じた必要ブレーキ力Fbをブレーキ指令信号として第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4に出力する。
図8及び図9に示す応速度演算部33A,33Bは、軸重Lの変動量ΔLに応じて必要ブレーキ力Fbを調整し、調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbを車両速度Vに応じて変化させる。応速度演算部33A,33Bは、図14(B)(C)に示すように、車両速度Vに応じて必要ブレーキ力Fbを必要ブレーキ力Fb±ΔFbに調整する。応速度演算部33A,33Bは、図12に示すように、ブレーキON時に軸重Lが変動量ΔLだけ変動したときには、図14(B)(C)に示すように必要ブレーキ力Fbを調整量ΔFbだけ調整し、調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbを車両速度Vに応じて変化させる。
応速度演算部33A,33Bは、軸重変動量演算部30A,30Bが演算した軸重Lの変動量ΔLに基づいて、相関図DA21,DB21,DA22,DB22を生成する。応速度演算部33A,33Bは、ブレーキノッチ、車両速度V、軸重L、軸重Lの変動量ΔL及び演算条件に基づいて、車両速度Vから必要ブレーキ力Fb±ΔFbに変換する相関図DA21,DB21,DA22,DB22を、各第1輪軸W1~第4輪軸W4についてブレーキノッチ1,…,X毎に生成する。応速度演算部33Aは、例えば、図12(A)に示すように、軸重Lが増加したときには、図14(B)に示すような軸重L+ΔLと必要ブレーキ力Fb+ΔFbとの相関関係を表す相関図DA21,DB21を新たに生成し、図14(A)に示す相関図DA20,DB20を更新する。一方、応速度演算部33Bは、例えば、図12(B)に示すように、軸重Lが減少したときには、図14(C)に示すような軸重L-ΔLと必要ブレーキ力Fb-ΔFbとの相関関係を表す相関図DA22,DB22を新たに生成し、図14(A)に示す相関図DA10,DB10を更新する。ここで、図14に示す相関図DA20~DA22,DB20~DB22は、ブレーキノッチがXノッチであるときに、0km/h時の最大ブレーキ力を基本として車両速度Vに応じてブレーキ力Fbに変換する場合の例である。応速度演算部33A,33Bは、ブレーキ動作中に軸重Lが変動する度に、相関図DA21,DB21,DA22,DB22の生成を繰り返すとともに、相関図DA20,DB20の更新を繰り返す。
応速度演算部33A,33Bは、図12(A)に示すように、軸重Lが変動量ΔLだけ増加したときには、図14(B)に示す相関図DA21,DB21を参照して車両速度Vに対応する必要ブレーキ力Fb+ΔFbに変換する。応速度演算部33A,33Bは、図12(A)に示すように、ブレーキON時に軸重Lが変動量ΔLだけ増加したときは、図14(A)(B)に示すように軸重Lに変動量ΔLを加算するとともに、車両速度Vに対応する必要ブレーキ力Fbに調整量ΔFbを加算して、必要ブレーキ力Fbを必要ブレーキ力Fb+ΔFbに調整する。応速度演算部33A,33Bは、車両速度Vが高いときには、調整後の必要ブレーキ力Fb+ΔFbが小さくなるように必要ブレーキ力Fb+ΔFbを変化させ、車両速度Vが低いときには、調整後の必要ブレーキ力Fb+ΔFbが大きくなるように必要ブレーキ力Fb+ΔFbを変化させる。
一方、応速度演算部33A,33Bは、図12(B)に示すように、軸重Lが変動量ΔLだけ減少したときには、図14(A)(C)に示す相関図DA22,DB22を参照して車両速度Vに対応する必要ブレーキ力Fb-ΔFbに変換する。応速度演算部33A,33Bは、図12(B)に示すように、ブレーキON時に軸重Lが変動量ΔLだけ減少したときには、図14(A)(C)に示す軸重Lに変動量ΔLを減算するとともに、車両速度Vに対応する必要ブレーキ力Fbに調整量ΔFbを減算して、必要ブレーキ力Fbを必要ブレーキ力Fb-ΔFbに調整する。応速度演算部33A,33Bは、車両速度Vが高いときには、調整後の必要ブレーキ力Fb-ΔFbが小さくなるように必要ブレーキ力Fb-ΔFbを変化させ、車両速度Vが低いときには、調整後の必要ブレーキ力Fb-ΔFbが大きくなるように必要ブレーキ力Fb-ΔFbを変化させる。応速度演算部33A,33Bは、図14(B)(C)に示すように、車両速度Vに対応する必要ブレーキ力Fb±ΔFbを相関図DA21,DB21,DA22,DB22を使用して演算し、ブレーキノッチ1,…,Xに応じた必要ブレーキ力Fb±ΔFbをブレーキ指令信号として第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4に出力する。
応速度演算部33A,33Bは、図14(B)(C)に示すように、リミッタL21とリミッタL22との間に必要ブレーキ力Fb±ΔFbが収まるように、必要ブレーキ力Fbを調整する。応速度演算部33A,33Bは、調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbがリミッタL21とリミッタL22との間になるように必要ブレーキ力Fbを調整することによって、リミッタL21とリミッタL22との間に調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbを制限する。
図3及び図8に示す第1軸電空変換部EP1及び第2軸電空変換部EP2は、応速度演算部33Aが出力するブレーキ指令信号をブレーキシリンダ圧力に変換する手段である。図3及び図9に示す第3軸電空変換部EP3及び第4軸電空変換部EP4は、応速度演算部33Bが出力するブレーキ指令信号をブレーキシリンダ圧力に変換する手段である。第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4は、いずれも同一構造である。第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4は、例えば、入力電流(指令電流)に比例した空気圧を発生させる圧力比例電磁弁のような電空変換弁と、指令空気圧と同等の圧力で流量の大きい圧縮空気をブレーキシリンダ8に供給する中継弁とを一体化させた電空変換中継弁を備えている。第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4は、第1軸ブレーキ装置BE1~第4軸ブレーキ装置BE4がブレーキ力を発生するように、ブレーキ回路7の開度を調整することによって、ブレーキシリンダ8内の空気圧(ブレーキシリンダ圧力(BC圧力)を変化させる。
次に、この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置の作用について説明する。
図15は、定速走行時における本発明による輪重の測定結果、PQ軸による輪重の測定結果及び従来の圧電センサによる輪重の測定結果を比較して示すグラフである。図15(A)に示す縦軸は力行ノッチであり、図15(B)に示す縦軸は速度[km/h]であり、図15(C)(D)に示す縦軸は輪重[kN]であり、図15(E)に示す縦軸は図15(C)に示す1位側輪重と図15(D)に示す2位側輪重とを加算した軸重[kN]である。図15に示す横軸は、時間[s]である。ここで、図15(A)に示す力行ノッチとは、車両2の運転台の主幹制御器(マスター・コントローラ(マスコン))のマスコンハンドルによって、車両2の引張力を選択する複数の段(ノッチ)を任意の定速運転に選択した状態である。
図15(C)~(E)に示すように、従来の圧電センサによる輪重の測定波形はレベルが極端に小さいが、本発明による輪重の測定波形はピークトゥーピーク値が明瞭であり、PQ軸による輪重の測定波形とよく一致している。その結果、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8及び1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8を組合せた評価式を用いた本発明の評価輪重値PEVが、PQ軸による輪重の測定結果と同等であることが確認された。
図16は、ブレーキ時における本発明による輪重の測定結果及びPQ軸による輪重の測定結果を比較して示すグラフである。図16(A)に示す縦軸はブレーキノッチであり、図16(B)に示す縦軸は速度[km/h]であり、図16(C)(D)に示す縦軸は輪重[kN]であり、図16(E)は図16(C)に示す1位側輪重と図10(D)に示す2位側輪重とを加算した軸重[kN]である。図10に示す横軸は、時間[s]である。
図16(C)~(E)に示すように、本発明による輪重の測定波形はブレーキONと同時に輪重が増加しており、ピークトゥーピーク値が明瞭であり、PQ軸による輪重の測定波形とよく一致している。その結果、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8及び1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8を組合せた評価式を用いた本発明の評価輪重値PEVが、PQ軸による輪重の測定結果と同等であることが確認された。
図17は、ブレーキ時におけるPQ軸による輪重の測定結果、圧電センサによる輪重の測定結果、及び本発明による輪重の測定結果の周波数解析(FFT解析)の結果を比較して示すグラフである。図17に示す縦軸は周波数[Hz]であり、横軸は時間[s]である。ただし、図17に示す周波数解析の結果は、0dB=0.01kNを基準とした。図17に示すように、本発明による周波数解析の結果の周波数成分は、PQ軸による輪重の周波数解析結果の周波数成分とよく一致している。その結果、本発明による周波数解析の結果は、PQ軸による輪重の周波数解析の結果と周波数情報が同等レベルであり、周波数成分の再現性も良好であることが確認された。
次に、この発明の実施形態に係るブレーキ制御方法について説明する。
以下では、ブレーキ制御装置21A,21Bの動作を中心として説明する。
図18に示すステップ(以下、Sという)100において、ブレーキ制御装置21A,21Bが車両速度Vの演算を開始する。図1及び図2に示す第1輪軸W1~第4輪軸W4の回転速度を第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4が検出すると、図8及び図9に示す第1軸速度検出部SS1~第4軸速度検出部SS4が各車軸5の回転速度に応じた出力信号を車両速度演算部23に出力する。その結果、車両速度演算部23が車両速度Vの演算を開始し、応速度演算部33A,33Bに車両速度演算部23が車両速度Vを出力する。
S110において、ブレーキ制御装置21A,21Bが軸重Lの演算を開始する。図1及び図2に示す第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の空気圧を第1圧力検出部PS1~第4圧力検出部PS4が検出すると、図8及び図9に示す空電変換部24A,24Bがこの空気圧に応じた出力信号を軸重演算部25A,25Bに出力する。その結果、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の空気圧に基づいて、各第1輪軸W1~第4輪軸W4の軸重Lを軸重演算部25A,25Bが演算する。
S120において、車両速度Vが所定速度V0に到達したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。車両速度演算部23が演算する車両速度Vに基づいて、車両2が走行を開始して車両速度Vが所定速度V0に到達したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。例えば、車両2が駅から出発して車両速度Vが所定速度V0に到達したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。車両速度Vが所定速度V0に到達したとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときにはS130に進む。一方、車両速度Vが所定速度V0に到達していないとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときには、車両速度Vが所定速度V0に到達するまでブレーキ制御装置21A,21BがS120の判断を繰り返す。
S130において、ブレーキ制御装置21A,21Bが静止輪重値P0を設定する。車両速度Vが所定速度V0に到達したときに、軸重演算部25A,25Bが演算した軸重Lを、軸重演算部25A,25Bが応荷重演算部32A,32Bに出力するとともに、軸重演算部25A,25Bが静止輪重値演算部28A,28Bに出力する。その結果、軸重演算部25A,25Bが演算した軸重Lの半値L/2を静止輪重値演算部28A,28Bが演算し、各第1輪軸W1~第4輪軸W4の輪重P=L/2を静止輪重値演算部28A,28Bが演算する。各第1輪軸W1~第4輪軸W4の輪重Pをブレーキ制御装置21A,21Bが静止輪重値P0として設定(セット)し、走行している車両2が停止してから再度走行を開始して所定速度V0に達するまでこの静止輪重値P0が固定される。
S140において、ブレーキ制御装置21A,21Bが必要ブレーキ力Fbを演算する。軸重Lに応じて応荷重演算部32A,32Bが必要ブレーキ力Fbを演算する。車両速度Vが所定速度V0に到達したときに、軸重演算部25A,25Bが演算した軸重L、ブレーキノッチ及び演算条件に基づいて、図8、図9及び図10に示すような相関図DA10,DB10を応荷重演算部32A,32Bが生成する。その結果、相関図DA10,DB10を使用して軸重Lに対応する必要ブレーキ力Fbを、ブレーキノッチ毎に応荷重演算部32A,32Bが演算する。次に、応速度演算部33A,33Bが車両速度Vに応じて必要ブレーキ力Fbを変化させる。図8及び図9、図11に示すように、応荷重演算部32A,32Bが演算した相関図DA10,DB10に示す必要ブレーキ力Fbを、0km/hにおいて最大値となる必要ブレーキ力Fbとする相関図DA20,DB20を応速度演算部33A,33Bが生成する。その結果、相関図DA20,DB20を使用して車両速度Vに対応する必要ブレーキ力Fbを応速度演算部33A,33Bが演算し、車両速度Vに応じて必要ブレーキ力Fbをブレーキノッチ毎に応速度演算部33A,33Bが変化させる。
S150において、ブレーキ制御装置21A,21Bが輪重Pの変動量ΔPを演算する。1位圧電部ES1~8位圧電部ES8が出力する電荷又は電圧を輪重変換部26A,26Bが荷重値に変換し、この荷重値を輪重値PEとして輪重変換部26A,26Bが輪重変動量演算部29A,29Bに出力する。1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8が出力する電荷又は電圧を上下加速度値Gに加速度変換部27A,27Bが変換し、この上下加速度値Gの半値G/2を加速度変換部27A,27Bが輪重変動量演算部29A,29Bに出力する。静止輪重値演算部28A,28Bが輪重変動量演算部29A,29Bに静止輪重値P0を出力する。その結果、数1に示す評価式によって輪重変動量演算部29A,29Bが評価輪重値PEVの時間変化を輪重Pの変動量ΔPとして演算する。演算後の輪重Pの変動量ΔPを輪重変動量演算部29A,29Bが軸重変動量演算部30A,30Bに出力する。
S160において、ブレーキ制御装置21A,21Bが軸重Lの変動量ΔLを演算する。図1及び図2に示す左右の車輪4の輪重Pの変動量ΔPを加算して、第1輪軸W1~第4輪軸W4毎に軸重Lの変動量ΔLを軸重変動量演算部30A,30Bが演算する。演算後の軸重Lの変動量ΔLを軸重変動量演算部30A,30Bが応荷重演算部32A,32B及び応速度演算部33A,33Bに出力する。
S170において、ブレーキ指令がONしたか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。ブレーキレバーを乗務員が操作すると、図3、図8及び図9に示すブレーキ指令部BCからブレーキ指令信号が出力されて、ブレーキノッチ変換部22がブレーキノッチ信号を応荷重演算部32A,32B及び応速度演算部33A,33Bに出力する。ブレーキノッチ信号が入力して、ブレーキ指令がONしたとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときにはS180に進む。その結果、ブレーキ制御装置21A,21Bが第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4にブレーキ指令信号を出力する。図10に示すような相関図DA10,DB10を使用して軸重Lから演算され、図11に示すような相関図DA20,DB20を使用して車両速度Vに応じて変化された必要ブレーキ力Fbを、第1ブレーキ装置BE1~第4ブレーキ装置BE4がブレーキノッチに応じて作動させる。このため、図3に示す第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4がブレーキ回路7を開閉すると、第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4を経てブレーキシリンダ圧力が発生する。その結果、供給空気タンク6からブレーキシリンダ8に圧縮空気が供給されて、第1ブレーキ装置BE1~第4ブレーキ装置BE4が作動して車両2が減速する。一方、ブレーキノッチ信号が入力しておらず、ブレーキ指令がOFFであるとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときには、ブレーキノッチ信号が入力して、ブレーキ指令がONするまでブレーキ制御装置21A,21BがS170の判断を繰り返す。
S180において、ブレーキ制御装置21A,21Bが必要ブレーキ力Fbを調整する。例えば、図1及び図2に示す車両2がブレーキ動作すると、図12(A)に示すように第1台車T1の進行方向後側の第2輪軸W2については軸重Lが変動量ΔLだけ増加し、図12(B)に示すように第1台車T1の進行方向前側の第1輪軸W1については軸重Lが変動量ΔLだけ減少する。軸重変動量演算部30A,30Bが演算した軸重Lの変動量ΔLに基づいて、図13(B)(C)に示すような相関図DA11,DB11,DA12,DB12を応荷重演算部32A,32Bが生成し、図13(A)に示すような相関図DA10,DB10を応荷重演算部32A,32Bが更新する。その結果、相関図DA11,DB11,DA12,DB12を使用して軸重L±ΔLに対応する必要ブレーキ力Fb±ΔFbに必要ブレーキ力Fbを応荷重演算部32A,32Bが調整する。次に、図14(B)(C)に示すように、応荷重演算部32A,32Bが調整した相関図DA21,DB21,DA22,DB22に示す必要ブレーキ力Fb±ΔFbを、0km/hにおいて最大値となる必要ブレーキ力Fb±ΔFbとする相関図DA21,DB21,DA22,DB22を応速度演算部33A,33Bが生成し、図14(A)に示すような相関図DA20,DB20を応荷重演算部32A,32Bが更新する。その結果、相関図DA21,DB21,DA22,DB22を使用して車両速度Vに対応する必要ブレーキ力Fb±ΔFbを応速度演算部33A,33Bが演算する。
次に、ブレーキ制御装置21A,21Bが第1軸電空変換部EP1~第4軸電空変換部EP4に、ブレーキ指令信号を出力する。図13(B)(C)に示すような相関図DA11,DB11,DA12,DB12を使用して軸重L±ΔLから演算され、図14(B)(C)に示すような相関図DA21,DB21,DA22,DB22を使用して車両速度Vに応じて変化された必要ブレーキ力Fb±ΔFbを、第1ブレーキ装置BE1~第4ブレーキ装置BE4がブレーキノッチに応じて作動させる。その結果、供給空気タンク6からブレーキシリンダ8に圧縮空気が供給されて、第1ブレーキ装置BE1~第4ブレーキ装置BE4が作動して車両2が減速する。
S190において、ブレーキ指令がOFFしたか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。ブレーキレバーを乗務員が操作してブレーキが解除されると、図3、図8及び図9に示すブレーキ指令部BCから応荷重演算部32A,32B及び応速度演算部33A,33Bにブレーキ指令信号が出力されなくなる。ブレーキノッチ信号が入力せず、ブレーキ指令がOFFしたとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときにはS170に戻り、ブレーキ制御装置21A,21BがS170以降の処理を繰り返す。一方、ブレーキノッチ信号が出力されており、ブレーキ指令がOFFではないとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときにはS200に進む。
S200において、車両2が停止したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。車両速度演算部23が演算する車両速度Vに基づいて、車両2が停止したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。例えば、車両2が次駅に到着して停止したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。車両2が停止したとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときにはS210に進む。一方、車両2が停止していないとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときにはS170に戻り、ブレーキ制御装置21A,21BがS170以降の処理を繰り返す。
S210において、車両2が走行を再開したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。車両速度演算部23が演算する車両速度Vに基づいて、車両2が走行を再開したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。例えば、車両2が次駅から出発したか否かをブレーキ制御装置21A,21Bが判断する。車両2が走行を再開したとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときにはS120に戻り、ブレーキ制御装置21A,21BがS120以降の処理を繰り返す。一方、車両2が走行を再開していないとブレーキ制御装置21A,21Bが判断したときには、一連のブレーキ制御処理を終了する。
この発明の実施形態に係るブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、軸重Lに応じて必要ブレーキ力Fbを応荷重演算部32A,32Bが演算し、軸重Lの変動量ΔLを軸重変動量演算部30A,30Bが演算し、軸重Lの変動量ΔLに応じて必要ブレーキ力Fbを応荷重演算部32A,32Bが調整する。このため、軸重Lの変動量ΔLに応じて応荷重演算した調整量ΔFbを、基本となる必要ブレーキ力Fbに加算又は減算することができる。その結果、軸重Lの変動量ΔLを正確に把握して、軸重Lの変動量ΔLに応じて最適な必要ブレーキ力Fb±ΔFbを発生させることができるため、輪重Pとレール/車輪間の粘着係数との関係を考慮したうえで、車両重量(乗客の多寡)によらず同じブレーキノッチの場合には所定の減速性能を得ることができる。
(2) この実施形態では、車両速度Vに応じて必要ブレーキ力Fbを応速度演算部33A,33Bが変化させる。また、この実施形態では、軸重Lの変動量ΔLに応じて必要ブレーキ力Fbを応速度演算部33A,33Bが調整し、調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbを車両速度Vに応じて応速度演算部33A,33Bが変化させる。このため、軸重Lの変動量ΔLに応じて応速度演算した調整量ΔFbを、基本となる必要ブレーキ力Fbに加算又は減算することができる。その結果、軸重Lの変動量ΔLを正確に把握して車両速度Vに応じて最適な必要ブレーキ力Fb±ΔFbを発生させることができる。また、レール/車輪間の粘着係数は、軸重Lが増加すると増大し、軸重Lが減少すると低下する傾向がある。この性質を利用して、ブレーキ動作中に軸重Lが移動したときに、軸重Lが増加した輪軸についてはブレーキ力を加算する制御を行い、軸重Lが減少した輪軸についてはブレーキ力を減算する制御を行うことができる。このため、走行している車両2の車輪4にブレーキ力が作用したときに、車輪4の回転速度が車両2の走行速度よりも低くなる車輪4の滑走を抑制することができる。その結果、ブレーキ力の低下を小さく抑えることができ、ブレーキ指令を受けてから車両2が停止又は目標速度に減速するまでの間に走行したブレーキ距離の短縮を図ることができる。
(3) この実施形態では、リミッタL21とリミッタL22との間に必要ブレーキ力Fb±ΔFbが収まるように、応荷重演算部32A,32Bが必要ブレーキ力Fbを調整する。また、この実施形態では、リミッタL21とリミッタL22との間に必要ブレーキ力Fb±ΔFbが収まるように、応速度演算部33A,33Bが必要ブレーキ力Fbを調整する。このため、必要ブレーキ力Fbの加算側及び減算側のそれぞれに安全上のリミッタL21,L22を設定することで、調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbが過大又は過少になるのを防ぐことができる。
(4) この実施形態では、第1輪軸W1~第4輪軸W4及び軸箱体10の上下加速度を検出する1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8の出力信号と、軸箱体10と台車枠11との間に作用する荷重を検出する1位圧電部ES1~8位圧電部ES8の出力信号とに基づいて、輪重Pの変動量ΔPを軸重変動量演算部30A,30Bが演算する。また、この実施形態では、輪重Pの変動量ΔPに基づいて軸重Lの変動量ΔLを軸重変動量演算部30A,30Bが演算する。このため、PQ軸によって得られる輪重値と同等の輪重値を得られることができ、安価かつ簡便に輪重Pの変動を正確に検出することができる。その結果、軸重Lを評価することができるとともに、周波数成分を解析することによって第1輪軸W1~第4輪軸W4の異常、軸箱体10内の軸受の損傷、車輪4の踏面4aの局部的な形状不整である車輪フラットなどの車輪4の異常を検知することができる。一般的に、軸箱体10と台車枠11との間の変位量や軸ばね12の歪み量をレーザ変位計によって測定したり、軸ばね12と台車枠11との間に挿入したロードセルによって荷重を測定したりする場合には、いずれも測定結果が非線形な特性を示し、ブレーキ制御に用いることが困難である。また、軸箱体10と台車枠11との間の変位量を圧電素子のみで測定する場合には、軸重Lの変動量ΔLを正確に測定することが困難である。この実施形態では、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8と1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8とを組み合わせて軸重Lの変動量ΔLを演算し、軸重Lの変動量ΔLに応じて必要ブレーキ力Fbを調整することができる。このため、高速で走行したときに動的に変動する軸重Lを再現できるため、第1輪軸W1~第4輪軸W4毎の軸重Lが変化する軸重移動を考慮して、第1輪軸W1~第4輪軸W4毎にブレーキ力を制御することができる。また、高い振動の周波数まで追従できるため、各検知や制御にあたっては、必要に応じた周波数帯域のローパスフィルタ、バンドパスフィルタ又はエンベロープフィルタなどで処理した信号を使用することができる。
(5) この実施形態では、1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8の出力信号を上下加速度値Gに加速度変換部27A,27Bが変換し、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8の出力信号を輪重値PEに輪重変換部26A,26Bが変換し、車両2が走行を開始してから所定速度V0に到達したときの静止輪重値P0を静止輪重値演算部28A,28Bが演算する。また、この実施形態では、上下加速度値G、輪重値PE及び静止輪重値P0に基づいて、輪重変動量演算部29A,29Bが輪重Pの変動量ΔPを演算する。このため、1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8及び1位圧電部ES1~8位圧電部ES8を組み合わせることによって、軸重Lの変動を正確に検出することができる。
(6) この実施形態では、上下加速度値G、輪重値PE及び静止輪重値P0であるときに、軸重Lの変動量ΔLを評価するための評価輪重値PEVを軸重変動量演算部30A,30Bが数1に示す評価式によって演算する。このため、簡単な評価式によって輪重Pの変動を正確に検出することができる。
(7) この実施形態では、左右の車輪4の軸重Lの変動量ΔLを加算して、軸重Lの変動量ΔLを軸重変動量演算部30A,30Bが演算する。このため、第1輪軸W1~第4輪軸W4毎に左右の車輪4の軸重Lの変動量ΔLを演算し、第1輪軸W1~第4輪軸W4毎に軸重Lの変動量ΔLを簡単に演算することができる。また、オンオフ弁を用いた各軸ブレーキ制御方式の車両2である場合には、第1輪軸W1~第4輪軸W4の軸毎に必要ブレーキ力Fbに調整量ΔFbを加減算して、必要ブレーキ力Fbを調整し制御することができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、ブレーキ制御装置21A,21Bによって鉄道車両のブレーキ力を制御する場合を例に挙げて説明したが、自動車のブレーキ力を制御する場合についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8が圧電ゴム部18を備える場合を例に挙げて説明したが、1位圧電部ES1~8位圧電部ES8が圧電ゴム部18以外の圧電体を備える場合についても、この発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、防振ゴム15が2枚の取付板17A,17Bを備える場合を例に挙げて説明したが、取付板17A,17Bのいずれか一方が省略されている防振ゴムについても、この発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、防振ゴム15内に圧電ゴム部18を2つ配置する構造を例に挙げて説明したが、防振ゴム15内に圧電ゴム部18を1つ又は3つ以上配置する場合についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、軸箱体10の上面10a、軸ばねライナ13の取付部13a又は取付板17Bの取付部17cに1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8を取り付ける場合を例に挙げて説明したが、1位加速度検出部GS1~8位加速度検出部GS8をこれらの部材以外に取り付ける場合についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、各第1輪軸W1~第4輪軸W4の車軸5の回転速度のうち最大値(最大速度)を車両速度(基準速度)Vとする場合を例に挙げて説明したが、編成速度を車両速度Vとする場合についてもこの発明を適用することができる。例えば、作用するブレーキ力が弱く設定されており滑走し難い車軸(ATC軸)の回転速度に基づいて演算した編成速度、又は車両2に送信される制御伝送情報に含まれており滑走の影響を受けない編成速度情報を車両速度Vとする場合についても、この発明を適用することができる。例えば、第1輪軸W1~第4輪軸W4の全ての車軸5が滑走(全軸滑走)した場合には、編成速度を車両速度Vとして利用する場合についても、この発明を適用することができる。
(3) この実施形態では、第1空気ばねS1及び第2空気ばねS2の空気圧に基づいて、第1輪軸W1及び第2輪軸W2の軸重Lを軸重演算部25Aによって演算し、第3空気ばねS3及び第4空気ばねS4の空気圧に基づいて、第3輪軸W3及び第4輪軸W4の軸重Lを軸重演算部25Bによって演算する場合を例に挙げて説明したが、このような演算方法にこの発明を限定するものではない。例えば、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の空気圧に基づいて、第1輪軸W1~第4輪軸W2の軸重Lを一つの軸重演算部によって演算する場合についても、この発明を適用することができる。この場合には、第1空気ばねS1~第4空気ばねS4の空気圧に基づいて演算した車体重量を、第1輪軸W1~第4輪軸W4の総軸数4によって除算(平均化)して、第1輪軸W1~第4輪軸W4の軸重Lを一つの軸重演算部によって演算することができる。
(4) この実施形態では、第1輪軸W1及び第2輪軸W2の車輪4とレール1aとの接触点における評価輪重値PEVを輪重変動量演算部29Aが演算し、第3輪軸W3及び第4輪軸W4の車輪4とレール1aとの接触点における評価輪重値PEVを輪重変動量演算部29Bが演算する場合を例に挙げて説明したが、このような演算方法にこの発明を限定するものではない。例えば、第1輪軸W1~第4輪軸W4の車輪4とレール1aとの接触点における評価輪重値PEVを一つの輪重変動量演算部によって演算する場合や、第1輪軸W1~第4輪軸W4毎の車輪4とレール1aとの接触点における評価輪重値PEVを輪重変動量演算部によって演算する場合についても、この発明を適用することができる。また、ブレーキ制御装置21A,21Bが応荷重演算部32A,32B及び応速度演算部33A,33Bを備え、応荷重制御及び応速度制御を行う新幹線車両を例に挙げて説明したが、ブレーキ制御装置21A,21Bが応荷重演算部32A,32Bのみを備え、応荷重制御のみを行う在来線車両についても、この発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、走行している車両2を停止させるための停止ブレーキをブレーキ制御装置21A,21Bが制御する場合を例に挙げて説明したが、走行している車両2を目標速度まで減速させるための減速ブレーキをブレーキ制御装置21A,21Bが制御する場合についても、この発明を適用することができる。
(5) この実施形態では、相関図DA10~DA12,DB10~DB12,DA20~DA22,DB20~DB22を一例として説明したが、このような相関図DA10~DA12,DB10~DB12,DA20~DA22,DB20~DB22にこの発明を限定するものではない。例えば、減速度が車両速度Vに応じて変化する新幹線車両の場合の相関図DA20~DA22,DB20~DB22を例に挙げて説明したが、減速度が車両速度Vに関わらず一定値を示す在来線車両の場合の相関図についても、この発明を適用することができる。また、新幹線車両のようなブレーキノッチ1の場合には車両速度Vに関わらず減速度が一定になるような相関図についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、調整後の必要ブレーキ力Fb±ΔFbが過大又は過少になるのを防ぐためにリミッタL21,L22を設定しているが、応荷重演算部32A,32B及び応速度演算部33A,33Bが出力するブレーキ指令信号をフィルタによって所定範囲内で出力させる場合についても、この発明を適用することができる。
1 線路
1a レール
2 車両
3 車体
4 車輪
5 車軸
6 供給タンク
7 ブレーキ回路
8 ブレーキシリンダ
9 制輪子
10 軸箱体
11 台車枠
12 軸ばね
13 軸ばねライナ
14 軸ばね支持板
15 防振ゴム
16 ゴム部
17A,17B 取付板
18 圧電ゴム部
19A,19B 電極部
20A,20B 導電部
21A,21B ブレーキ制御装置
22 ブレーキノッチ変換部
23 車両速度演算部
24 空電変換部
25A,25B 輪重変換部
26A,26B 加速度変換部
27A,27B 静止輪重値記憶部
28A,28B 輪重変動量演算部
29A,29B 軸重変動量演算部
30 軸重演算部
31 演算条件記憶部
32A,32B 応荷重演算部
33A,33B 応速度演算部
1 第1台車
2 第2台車
1~W4 第1輪軸~第4輪軸(輪軸)
BE1~BE4 第1軸ブレーキ装置~第4軸ブレーキ装置
1~S4 第1空気ばね~第4空気ばね
PS1~PS4 第1圧力検出部~第4圧力検出部
ES1~ES8 1位圧電部~8位圧電部(圧電部)
SS1~SS4 第1軸速度検出部~第4軸速度検出部
GS1~GS8 1位加速度検出部~8位加速度検出部(加速度検出部)
EP1~EP4 第1軸電空変換部~第4軸電空変換部
P 輪重
ΔP 変動量
L 軸重
ΔL 変動量
V 車両速度(速度)
0 所定速度
G 上下加速度値
E 輪重値
0 静止輪重値
EV 評価輪重値
A10~DA12,DB10~DB12,DA20~DA22,DB20~DB22 相関図
11,L21 リミッタ(下限リミッタ)
12,L22 リミッタ(上限リミッタ)
b 必要ブレーキ力
b±ΔFb 必要ブレーキ力(調整後の必要ブレーキ力)
ΔFb 調整量

Claims (10)

  1. ブレーキ力を制御するブレーキ制御装置であって、
    軸重に応じて必要ブレーキ力を演算する応荷重演算部と、
    前記軸重の変動量を演算する軸重変動量演算部とを備え、
    前記応荷重演算部は、前記軸重の変動量に応じて前記必要ブレーキ力を調整すること、
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
    前記応荷重演算部は、下限リミッタと上限リミッタとの間に必要ブレーキ力が収まるように、前記必要ブレーキ力を調整すること、
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
    車両の速度に応じて前記必要ブレーキ力を変化させる応速度演算部を備え、
    前記応速度演算部は、前記軸重の変動量に応じて前記必要ブレーキ力を調整し、調整後の必要ブレーキ力を前記車両の速度に応じて変化させること、
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 請求項3に記載のブレーキ制御装置において、
    前記応速度演算部は、下限リミッタと上限リミッタとの間に必要ブレーキ力が収まるように、前記必要ブレーキ力を調整すること、
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    輪軸及び軸箱体の上下加速度を検出する加速度検出部の出力信号と、前記軸箱体と台車枠との間に作用する荷重を検出する圧電部の出力信号とに基づいて、輪重の変動量を演算する輪重変動量演算部を備え、
    前記軸重変動量演算部は、前記輪重の変動量に基づいて前記軸重の変動量を演算すること、
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 請求項5に記載のブレーキ制御装置において、
    前記加速度検出部の出力信号を上下加速度値に変換する加速度変換部と、
    前記圧電部の出力信号を輪重値に変換する輪重変換部と、
    車両が走行を開始してから所定速度に到達したときの静止輪重値を演算する静止輪重値演算部とを備え、
    前記輪重変動量演算部は、前記上下加速度値、前記輪重値及び前記静止輪重値に基づいて、前記輪重の変動量を演算すること、
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  7. 請求項6に記載のブレーキ制御装置において、
    前記輪重変動量演算部は、前記上下加速度値G、前記輪重値PE及び前記静止輪重値P0であるときに、前記輪重の変動量を評価するための評価輪重値PEVを以下の評価式によって演算すること、
    Figure 2022045234000004
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  8. 請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載のブレーキ制御装置において、
    前記軸重変動量演算部は、左右の車輪の輪重の変動量を加算して、前記軸重の変動量を輪軸毎に演算すること、
    を特徴とするブレーキ制御装置。
  9. ブレーキ力を制御するブレーキ制御方法であって、
    軸重に応じて必要ブレーキ力を演算する応荷重演算工程と、
    前記軸重の変動量を演算する軸重変動量演算工程と、
    前記軸重の変動量に応じて前記必要ブレーキ力を調整するブレーキ力調整工程と、
    を含むブレーキ制御方法。
  10. 請求項9に記載のブレーキ制御方法において、
    車両の速度に応じて前記必要ブレーキ力を変化させる応速度演算工程を含み、
    前記ブレーキ力調整工程は、調整後の必要ブレーキ力を前記車両の速度に応じて変化させる工程を含むこと、
    を特徴とするブレーキ制御方法。
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