JP2022039613A - 走行試験パタン作成装置および方法 - Google Patents

走行試験パタン作成装置および方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022039613000001
【課題】走行試験パタンの信頼性を向上させる。
【解決手段】走行試験パタン作成装置3は、複数の運転挙動データのそれぞれについて、運転挙動データの時系列を、複数の記号分節を表す複数の部分系列毎に分節する。以下、分節された複数の部分系列のそれぞれを分節という。走行試験パタン作成装置3は、複数の分節を複数の分節クラスに分類し、複数の分節クラスのそれぞれについて、分節クラスの特徴を代表する分節を運転単位として定義する。走行試験パタン作成装置3は、分節化された複数の運転挙動データに基づき、運転挙動データにおける分節の配列に関する遷移マップを生成する。走行試験パタン作成装置3は、遷移マップに基づき、複数の運転単位を配列することによって走行試験パタンを作成する。
【選択図】図1

Description

本開示は、走行試験パタンを作成する走行試験パタン作成装置および方法に関する。
非特許文献1には、評価目的に対して影響を与える主要因子を特定し、主要因子をパラメタとした統計処理に基づいて代表性のあるショートトリップを抽出し、再合成することにより走行試験モードを作成することが記載されている。ショートトリップとは、車両が発進してから停止するまでの走行状態の一つの区間である。
山本敏朗、野田明、米川誠、上原円香、小川恭弘、「シャシ台上試験で用いる代表走行試験モードの作成方法」、交通安全環境研究所報告 第8号、独立行政法人交通安全環境研究所、平成17年12月
しかし、非特許文献1に記載の技術では、走行パタンの最小単位が、発進から停止までと粗く、代表走行試験モードの信頼性に懸念がある。
本開示は、走行試験パタンの信頼性を向上させることを目的とする。
本開示の一態様は、分節部(S30)と、運転単位定義部(S40,S50)と、配列情報生成部(S60)と、配列部(S70)とを備える走行試験パタン作成装置(3)である。
分節部は、複数の運転挙動データのそれぞれについて、運転挙動データの時系列を、予め設定された複数の記号分節を表す複数の部分系列毎に分節するように構成される。複数の運転挙動データは、車両毎に車両の挙動およびドライバの運転操作のうち少なくとも一方を表す。
運転単位定義部は、分節部により分節された複数の部分系列のそれぞれを分節として、複数の分節を複数の分節クラスに分類し、複数の分節クラスのそれぞれについて、分節クラスの特徴を代表する分節を運転単位として定義するように構成される。
配列情報生成部は、分節部により分節化された複数の運転挙動データに基づいて、運転挙動データにおける分節の配列に関する分節配列情報を生成するように構成される。
配列部は、配列情報生成部により生成された分節配列情報に基づいて、複数の運転単位を配列することによって走行試験パタンを作成するように構成される。
このように構成された本開示の走行試験パタン作成装置は、記号分節を最小単位とする運転単位を配列することにより走行試験パタンを作成する。記号分節の時間は、車両が発進してから停止するまでの時間より十分短い。このため、本開示の走行試験パタン作成装置は、時間が短い複数の運転単位を組み合わせることによって、実走行で得られる運転挙動データに類似する(すなわち、実走行を反映した)走行試験パタンを作成することができ、走行試験パタンの信頼性を向上させることができる。
本開示の別の一態様は、分節手順(S30)と、運転単位定義手順(S40,S50)と、配列情報生成手順(S60)と、配列手順(S70)とを備える走行試験パタン作成方法である。
分節手順は、複数の運転挙動データのそれぞれについて、運転挙動データの時系列を、予め設定された複数の記号分節を表す複数の部分系列毎に分節する。
運転単位定義手順は、分節手順により分節された複数の部分系列のそれぞれを分節として、複数の分節を複数の分節クラスに分類し、複数の分節クラスのそれぞれについて、分節クラスの特徴を代表する分節を運転単位として定義する。
配列情報生成手順は、分節手順により分節化された複数の運転挙動データに基づいて、運転挙動データにおける分節の配列に関する分節配列情報を生成する。
配列手順は、配列情報生成手順により生成された分節配列情報に基づいて、複数の運転単位を配列することによって走行試験パタンを作成する。
このように構成された本開示の走行試験パタン作成方法は、本開示の走行試験パタン作成装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、本開示の走行試験パタン作成装置と同様の効果を得ることができる。
走行試験パタン作成システムの構成を示すブロック図である。 車載装置の構成を示すブロック図である。 走行試験パタン作成装置の構成を示すブロック図である。 試験パタン作成を示すフローチャートである。 記号化の概要を示す図である。 トピック分布の演算過程を示す説明図である。 運転挙動データの分節化を示す図である。 分節のクラスタリングを示す図である。 分節クラス毎の頻度を示す図である。 運転単位の定義方法を示す図である。 運転単位への置換と遷移マップとを示す図である。 結合単位の挿入位置を示す図である。 結合単位による結合方法を示す図である。 目標値の設定方法を示す図である。 目標値の頻度分布を示すヒストグラムである。 目標値の頻度分布を示す三次元ヒストグラムである。
以下に本開示の実施形態を図面とともに説明する。
[1.全体構成]
本実施形態の走行試験パタン作成システム1は、図1に示すように、複数の車載装置2と、走行試験パタン作成装置3とを備える。
車載装置2は、車両に搭載され、広域無線通信網NWを介して走行試験パタン作成装置3とデータ通信を行う機能を有する。
走行試験パタン作成装置3は、広域無線通信網NWを介して車載装置2から取得したデータに基づいて、後述する走行試験パタンを作成する機能を有する。
車載装置2は、図2に示すように、制御部11と、CAN通信部12と、記憶部13と、通信部14とを備える。CANは、Controller Area Networkの略である。CANは登録商標である。
制御部11は、CPU21、ROM22およびRAM23等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPU21が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROM22が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、CPU21が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、制御部11を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
CAN通信部12は、通信線を介して複数のECUとの間でデータ通信可能に接続されており、CAN通信プロトコルに従ってデータの送受信を行う。CAN通信部12に接続されている複数のECU111,112,113,114,…は、具体的には、モータ制御を行うモータECU111、ブレーキ制御を行うブレーキECU112、ステアリング制御を行うステアリングECU113、サスペンション制御を行うサスペンションECU114等である。図2では、CAN通信部12に接続されているECUとして、ECU111,112,113,114のみを示している。
記憶部13は、各種データを記憶するための記憶装置である。
通信部14は、広域無線通信網NWを介して、走行試験パタン作成装置3との間でデータ通信を行う。
走行試験パタン作成装置3は、図3に示すように、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、表示部34と、操作入力部35とを備える。
制御部31は、CPU41、ROM42およびRAM43等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPU41が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROM42が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、CPU41が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、制御部31を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
通信部32は、広域無線通信網NWを介して、複数の車載装置2との間でデータ通信を行う。
記憶部33は、各種データを記憶するための記憶装置である。
表示部34は、図示しない表示装置を備え、表示装置の表示画面に各種画像を表示する。
操作入力部35は、図示しないキーボードおよびマウスを介して使用者が行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
走行試験パタン作成装置3は、複数の車載装置2から車両位置情報と運転操作データと車両挙動データとを含む運転挙動データを繰り返し収集し、記憶部33に記憶する。運転操作データは、車載装置2を搭載した車両をドライバが運転する運転操作に関するデータである。運転挙動データは、車載装置2を搭載した車両をドライバが運転する運転操作の結果として表れる車両の挙動に関するデータである。
[2.試験パタン作成]
走行試験パタン作成装置3は、試験パタン作成を実行する。
次に、制御部31のCPU41が実行する試験パタン作成の手順を説明する。試験パタン作成は、試験パタン作成を実行するために記憶部33に記憶された試験パタン作成プログラムを使用者の入力操作により起動することで実行される。なお、試験パタン作成プログラムは、走行試験パタン作成装置3に予めインストールされていてもよいし、記録媒体またはネットワークを介してインストールされるようにしてもよい。記録媒体としては、例えば光ディスク、磁気ディスクおよび半導体メモリなどが挙げられる。
試験パタン作成が実行されると、CPU41は、図4に示すように、まずS10にて、記憶部33に記憶されている複数の運転挙動データを、走行試験ルート毎に分類する。具体的には、CPU41は、走行軌跡間距離を用いて、教師なし学習手法であるDBSCANによって複数の運転挙動データをクラスタリングする。DBSCANは、Density-based spatial clustering of applications with noiseの略である。なお、走行試験ルートを特定するためのルートラベルが付与されている運転挙動データが存在している場合には、これらの運転挙動データを用いて教師あり学習をさせることによって教師あり判別器を作成し、ルートラベルが付与されていない運転挙動データのルートを判別するようにしてもよい。
走行軌跡間距離は、運転挙動データの走行軌跡を距離によってN等分することにより形成される(N+1)個の点(始点・終点含む)における点間距離の総和である。なお、Nは正の整数である。例えば、第1運転挙動データの走行軌跡をN等分することにより、第1運転挙動データの走行軌跡上に第1点、第2点、第3点、…、第N点、第(N+1)点が形成される。同様に、第2運転挙動データの走行軌跡をN等分することにより、第2運転挙動データの走行軌跡上に第1点、第2点、第3点、…、第N点、第(N+1)点が形成される。そして、第1運転挙動データの第i点と第2運転挙動データの第i点との距離を第i点間距離とする。iは、1から(N+1)までの整数である。この場合に、第1運転挙動データと第2運転挙動データとの走行軌跡間距離は、第1点間距離から第(N+1)点間距離までの総和である。
したがって、第1運転挙動データの走行軌跡と第2運転挙動データの走行軌跡とが一致している場合には、第1運転挙動データと第2運転挙動データとの走行軌跡間距離は0である。一方、第1運転挙動データの走行軌跡と第2運転挙動データの走行軌跡とが離れるほど、第1運転挙動データと第2運転挙動データとの走行軌跡間距離が大きくなる。
そして、複数の運転挙動データのクラスタリングが終了すると、CPU41は、複数の運転挙動データのそれぞれに対して、運転挙動データに対応するクラスタを識別するためのルート識別番号を付与して、S10の処理を終了する。クラスタリングにより形成されたクラスタの数がR個である場合には、ルート識別番号は、1からRまでの整数である。なお、運転挙動データに予めルートラベルが設定されている場合には、ルートラベルに基づいてルート識別番号が付与される。
次にCPU41は、S20にて、RAM43に設けられたルート識別番号Nrに1を格納する。
そしてCPU41は、S30にて、ルート識別番号Nrが付与された複数の運転挙動データのそれぞれを分節化する。
次に、運転挙動データの分節化について説明する。
耐久試験を想定した場合には、ドライバによる運転挙動(例えば、「ステアリングを切って戻す」など)における最大値の頻度分布に注目する必要がある。このような、定義が明確でない一連の挙動をルールベースなどで定義することは困難である。また、複数信号(例えば、車速、アクセル開度、ブレーキ圧、舵角)の組合せに対して一連の挙動を定義することは更に困難である。
これに対し、走行試験パタン作成装置3は、収集した大量データに記号化を適用することで、複数信号にて定まる一連の挙動を自動で分割する。
走行試験パタン作成装置3は、図5に示すように、車両の挙動を時系列で示すデータを分節化し、分節化されたデータをそれぞれ記号分節とする。記号分節は、運転挙動データの時系列中において繰り返し現れる典型的な部分時系列パタンであり、例えば、「発進」、「減速」、「定常走行」、「右折」等が挙げられる。さらに走行試験パタン作成装置3は、例えば特開2014-235605号公報で開示されているトピックモデルを用いて、複数の記号分節のそれぞれについてトピック分布を算出する。以下、分節化により得られた上記記号分節を分節とも言う。
走行試験パタン作成装置3は、運転操作データおよび車両挙動データのそれぞれを差分した差分データを生成し、運転操作データ、車両挙動データおよび差分データから構成される多次元データを運転挙動データとして生成する。なお、運転操作データとしては、例えば、アクセル開度、ブレーキ圧、舵角、方向指示器の操作状態、トランスミッションのシフト位置などを用いることができる。また、車両挙動データとしては、例えば、車速、ヨーレートなどを用いることができる。
走行試験パタン作成装置3は、ドライバの環境認知から操作に至るモデルを利用して運転挙動データを統計解析し、ドライバが感じる運転シーンの切り替わり点を抽出することにより、運転挙動データの時系列を、それぞれが何等かの記号分節を表す複数の部分系列に分節化する。
なお、運転挙動データの分節化については、本願出願人が別途発表した非特許文献、T.Taniguchi et al,"Semiotic Prediction of Driving Behavior using Unsupervised Double Articulation Analyzer" IEEE Intelligent Vehicles Symposium,2012、および、K.Takenaka et al," Contextual Scene Segmentation of Driving Behavior based on Double Articulation Analyzer" IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems,2012、等に詳述されているため、ここでは説明を省略する。
走行試験パタン作成装置3は、分節化された記号分節毎に、記号分節に対応する部分系列に属する運転挙動データを用いて運転挙動ヒストグラムを生成する。
走行試験パタン作成装置3は、生成された運転挙動ヒストグラムを、予め学習した代表的な複数の運転挙動ヒストグラム(すなわち運転トピック)の加重和によって表現する。この加重ベクトルをトピック分布、各加重をトピック割合と呼び、算出したトピック分布を記憶部33に格納する。
運転挙動ヒストグラムは、着目する記号分節に対応する部分系列に属する運転挙動データの各信号の値域の分布である。例えば図6に示すように、アクセル開度、ブレーキ圧、舵角、車速、およびこれらの各々の差分データ等の信号毎にヒストグラムを生成し、生成されたヒストグラムを連結したものが、運転挙動ヒストグラムである。
運転トピックは、生成された運転挙動ヒストグラムを、LDAを用いてK個(例えば100個)のクラスタリングを行った際の代表ヒストグラムTopic1~TopicKからなる。LDAは、Latent Dirichlet Allocationの略である。
トピック割合は、運転挙動ヒストグラムに対する各運転トピックの含有率であり、K個のトピック割合を要素に持つK次元ベクトルをトピック分布と呼ぶ。
これらの手法の詳細については、例えば、D.Blei et al,"Latent Dirichlet Allocation" Journal of Machine Learning Research,2003、および、T.Griffiths & M.Steyvers,"Finding Scientific Topics," Proceedings of the National Academy of Sciences,2004などに記載されているため、ここでは説明を省略する。また、基底特徴分布の生成方法は、例えば特開2014-235605号等に記載された公知のものであるため、説明を省略する。
CPU41は、S30にて、運転挙動データに記号化を適用して分節化することにより、図7に示すように、運転挙動データ毎に、運転挙動データを複数の分節に分割する。各分節は、上記のトピック分布と、分節の時間を表す分節長とで構成されている。
S30の処理が終了すると、CPU41は、図4に示すように、S40にて、まず、分節のクラスタリングを行う。
具体的には、CPU41は、まず、トピック分布を構成するK個のトピック割合を変数とするK次元空間でクラスタリングを行う。次にCPU41は、トピック割合を変数とするクラスタリングにより分類された複数のクラスタのそれぞれについて、分節長を変数とする1次元空間でクラスタリングを行う。これにより、ルート識別番号Nrが付与された運転挙動データの分節が、複数のクラスタに分類される。なお、クラスタリングに用いる運転トピックは、K個未満であってもよい。分節長を用いてクラスタリングを行うのは、運転挙動が類似していても分節の継続時間(すなわち、分節長)により車両への影響が異なるためである。
S40では、クラスタリング時の距離としてSBDを利用し、クラスタリング手法としてX-means法を利用し、これにより、時系列の類似度を評価しつつクラスタ数の最適化を実現している。SBDは、Shape-Based Distanceの略である。
図8の分布図DM1は、第1トピック割合と、第2トピック割合とを変数とする2次元空間における分節の分布を示す図である。本実施形態では、実際にはK次元空間における分節の分布に基づいてクラスタリングを行っているが、図示を簡略化するために、2次元空間における分節の分布を示している。図8の分布図DM1に示すように、分節が複数のクラスタCL1,CL2,CL3,…に分類される。
図8のヒストグラムHG1は、クラスタCL2に含まれる分節について、分節長を区間で分割し、各区間における分節個数のばらつきを示す図である。
クラスタリングが終了すると、CPU41は、クラスタリングで得られた複数のクラスタをそれぞれ分節クラスとし、各分節クラスに含まれる分節の個数を集計して、分節クラス毎に頻度[%]を算出する。以下、分節クラス毎に算出された頻度[%]を、分節クラス頻度という。
図9のヒストグラムHG2および円グラフPC1は、分節クラス毎に頻度[%]を示す。
そしてCPU41は、円グラフPC1の円弧AC1で示すように、上位XX[%](例えば、80%)の分節クラスを抽出する。図9の円グラフPC1では、上位XX[%]の分節クラスとして、分節クラスA、分節クラスB、分節クラスCおよび分節クラスDが抽出される。
S40の処理が終了すると、CPU41は、図4に示すように、S50にて、運転単位を定義する。
具体的には、CPU41は、まず、S40で抽出された複数の分節クラスのそれぞれについて、分節クラスに含まれる複数の分節における分節長の平均値(以下、平均分節長)を算出する。そしてCPU41は、複数の分節クラスのそれぞれについて、時系列サンプリングを用いて、分節クラスに含まれる複数の分節を平均分節長に合わせる。以下、平均分節長に合わせた分節を、変換分節という。
例えば、図10に示すように、分節クラスDに分節D、分節D、分節D、…が含まれているとする。分節Dの分節長をLD、分節Dの分節長をLD、分節Dの分節長をLD、平均分節長をLDmと表記する。
分節Dの分節長LDは平均分節長LDmに等しい。このため、分節Dは時系列サンプリングが行われることなく、分節Dが変換分節D’となる。
分節Dの分節長LDは平均分節長LDmより長い。このため、分節Dの運転挙動データが等時間間隔で間引かれて、分節長が平均分節長LDmに等しい変換分節D’に変換される。
分節Dの分節長LDは平均分節長LDmより短い。このため、分節Dの運転挙動データに対して等時間間隔で運転挙動データが追加されて、分節長が平均分節長LDmに等しい変換分節D’に変換される。追加される運転挙動データ(以下、追加運転挙動データ)は、例えば、追加運転挙動データの直前の運転挙動データと、追加運転挙動データの直後の運転挙動データとの平均値が採用される。
次にCPU41は、平均分節長に合わせた複数の変換分節における運転挙動データの平均値を算出することにより、平均分節を生成する。さらにCPU41は、図10に示すように、SBDを用いて、平均分節に最も類似する変換分節を選定し、選定した変換分節を運転単位として定義する。なお、平均分節そのものを運転単位として定義してもよい。これにより、S40で抽出された複数の分節クラスのそれぞれについて、運転単位が定義される。図10では、矢印L1で示すように、運転単位A、運転単位B、運転単位C、運転単位D…が定義されている。
S50の処理が終了すると、CPU41は、図4に示すように、S60にて、運転単位間の遷移確率を算出する。
具体的には、CPU41は、まず、ルート識別番号Nrが付与された複数の運転挙動データのそれぞれについて、S30で分節化された分節を、例えば図11に示すように、S50で定義された運転単位に置き換える。図11は、運転挙動データを、運転単位A、運転単位B、運転単位Cおよび運転単位Dで置換した状態を示している。
そしてCPU41は、ルート識別番号Nrが付与された全ての運転挙動データについて、各運転単位間の遷移回数を集計することにより、各運転単位間の遷移確率を算出する。
例えば、運転単位A、運転単位B、運転単位Cおよび運転単位Dが定義されている場合には、CPU41は、以下の遷移について遷移回数の集計を行う。
まず、運転単位Aを起点とする遷移として、運転単位Aから運転単位Bへの遷移と、運転単位Aから運転単位Cへの遷移と、運転単位Aから運転単位Dへの遷移と、運転単位Aから運転単位Aへの遷移とが挙げられる。また、運転単位Bを起点とする遷移として、運転単位Bから運転単位Aへの遷移と、運転単位Bから運転単位Cへの遷移と、運転単位Bから運転単位Dへの遷移と、運転単位Bから運転単位Bへの遷移とが挙げられる。また、運転単位Cを起点とする遷移として、運転単位Cから運転単位Aへの遷移と、運転単位Cから運転単位Bへの遷移と、運転単位Cから運転単位Dへの遷移と、運転単位Cから運転単位Cへの遷移とが挙げられる。また、運転単位Dを起点とする遷移として、運転単位Dから運転単位Aへの遷移と、運転単位Dから運転単位Bへの遷移と、運転単位Dから運転単位Cへの遷移と、運転単位Dから運転単位Dへの遷移とが挙げられる。
CPU41は、上記の全ての遷移の遷移回数の総計と、各遷移の遷移回数とに基づいて、各運転単位間の遷移確率を算出して、各運転単位間の遷移確率を示す遷移マップを生成する。
図11の遷移マップTM1は、運転単位A、運転単位B、運転単位C、運転単位D、運転単位E、運転単位F、運転単位G、運転単位H、運転単位I、運転単位Jおよび運転単位Kにおける各運転単位間の遷移確率を示す。
遷移マップTM1は、行列状に形成されており、行列における第i行目で第j列目の成分が遷移確率を示す。行列における第1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11行目はそれぞれ、運転単位A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,Kに対応する。同様に、行列における第1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11列目はそれぞれ、運転単位A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,Kに対応する。このため、例えば、行列における第1行目で第2列目の成分は、運転単位Aから運転単位Bへの遷移確率を示す。
以下、遷移マップにおける第i行目で第j列目の成分を式(1)で表す。式(1)におけるNは運転単位の総数である。
Figure 2022039613000002
S60の処理が終了すると、CPU41は、図4に示すように、S70にて、運転単位の並び替えと結合とを行う。
具体的には、CPU41は、まず、開始と終了とを停止状態で固定する。そしてCPU41は、運転単位頻度の目標値D(以下、頻度目標値D)を、S40で算出された分節クラス頻度で設定する。さらにCPU41は、運転時間の目標値T(以下、運転時間目標値T)を、ルート識別番号Nrで特定される走行試験ルートの平均走行時間またはユーザ任意値に設定する。
そして、式(2)に示す損失関数L(Ω)を最小化することにより得られる運転単位の並び替え結果を並び替え候補として出力する。式(2)のα,β,γは定数である。
Figure 2022039613000003
なお、運転単位iの時間(すなわち、分節長)をTで表す。運転単位iの遷移確率Pを式(3)で表す。
さらに、運転単位iの個数をmで表す。Mを式(4)で表す。Msumを式(5)で表す。
Oは、{m>0}の並び替え順序数列である。並び替え順序数列Oは、並び替え順序パタン数分だけ存在する。
最適化対象パラメタΩを式(6)で表す。
Figure 2022039613000004
そして、式(2)のT(Ω)は、最適化対象パラメタΩにおける総運転時間であり、式(7)で表される。式(2)のD(Ω)は、最適化対象パラメタΩにおける運転単位頻度であり、式(8)で表される。式(2)のLL(Ω)は、並び替え順序数列Oにおける遷移尤度であり、式(9)で表される。
Figure 2022039613000005
式(2)の右辺における第1項は、運転時間に関する運転時間目標値Tとの差分である。式(2)の右辺における第2項は、運転単位頻度に関する頻度目標値Dとの差分である。式(2)の右辺における第3項は、遷移尤度の逆数である。したがって、式(2)に示す損失関数L(Ω)を最小化することにより、運転時間、運転単位頻度を目標値に近づけつつ遷移尤度を極大化する。これにより各運転単位の個数が最適化され、かつ運転単位の遷移が最適化される。
運転単位の並び替え(すなわち、並び替え候補の出力)が終了すると、CPU41は、運転単位間の結合を行う。具体的には、CPU41は、並び替え候補を構成する複数の運転単位の間に、例えば図12に示すように、運転単位を繋げる結合単位を挿入する。
図12では、結合単位JU1が停止状態と運転単位Aとの間に、結合単位JU2が運転単位Aと運転単位Bとの間に、結合単位JU3が運転単位Bと運転単位Cとの間に、結合単位JU4が運転単位Bと運転単位Dとの間に、結合単位JU5が運転単位Dと停止状態との間に挿入されている。
結合単位は、図13に示すように、運転単位と運転単位との間で、運転単位を構成する時系列データを線形補間する。図13では、時刻t1から時刻t2までの前側の運転単位DU1は、第1時系列データDP1、第2時系列データDP2、第3時系列データDP3および第4時系列データDP4で構成されている。時刻t3から時刻t4までの後側の運転単位DU2は、第1時系列データDF1、第2時系列データDF2、第3時系列データDF3および第4時系列データDF4で構成されている。
運転単位DU1と運転単位DU2との間に挿入される結合単位JU11は、時刻t2から時刻t3までの第1時系列データDC1、第2時系列データDC2、第3時系列データDC3および第4時系列データDC4で構成されている。
第1時系列データDC1は、時刻t2における第1時系列データDP1の値と、時刻t3における第1時系列データDF1の値とを直線で接続するように形成されている。同様に、第2,3,4時系列データDC2,3,4はそれぞれ、時刻t2における第2,3,4時系列データDP2,3,4の値と、時刻t3における第2,3,4時系列データDF2,3,4の値とを直線で接続するように形成されている。
運転単位間の結合が終了することにより、ルート識別番号Nrで特定される走行試験ルートについてのロボット用試験パタンが作成される。
S70の処理が終了すると、CPU41は、図4に示すように、S80にて、運転単位の目標値を設定する。
具体的には、CPU41は、S80で作成されたロボット用走行試験パタンを構成する複数の運転単位のそれぞれについて、運転単位を構成する複数の時系列データの目標値を設定する。目標値は、本実施形態では、時系列データの極値である。なお、目的に応じて、時系列データの最大値、最小値または平均値を目標値としてもよい。
例えば図14に示すように、時刻t11から時刻t12までの運転単位DU11が、第1時系列データDS1、第2時系列データDS2、第3時系列データDS3および第4時系列データDS4で構成されているとする。そしてCPU41は、第1,2,3,4時系列データDS1,2,3,4の極値をそれぞれ、第1,2,3,4時系列データDS1,DS2,DS3,DS4の目標値とする。さらにCPU41は、運転単位DU11を、時刻t11から時刻t12までの値が目標値で固定された第1,2,3,4時系列データDT1,DT2,DT3,DT4で構成される運転単位に変換する。
ロボット用走行試験パタンを構成する全ての運転単位について目標値の設定が終了することにより、ルート識別番号Nrで特定される走行試験ルートについての人間用走行試験パタンが作成される。このように、運転単位について目標値を設定するのは、人間による操作では時系列データに沿った運転が困難であるためである。
S80の処理が終了すると、CPU41は、図4に示すように、S90にて、ルート識別番号Nrに格納されている値がクラスタ総数R以上であるか否かを判断する。ここで、ルート識別番号Nrに格納されている値がクラスタ総数R未満である場合には、CPU41は、S30に移行する。一方、ルート識別番号Nrに格納されている値がクラスタ総数R以上である場合には、CPU41は、試験パタン作成処理を終了する。
[3.効果]
このように構成された走行試験パタン作成装置3は、複数の運転挙動データのそれぞれについて、運転挙動データの時系列を、予め設定された複数の記号分節を表す複数の部分系列毎に分節する。複数の運転挙動データは、車両毎に車両の挙動およびドライバの運転操作を表し、同一の走行試験ルートを走行することにより得られたデータであると分類される。以下、分節された複数の部分系列のそれぞれを分節という。
走行試験パタン作成装置3は、複数の分節を複数の分節クラスに分類し、複数の分節クラスのそれぞれについて、分節クラスの特徴を代表する分節を運転単位として定義する。
走行試験パタン作成装置3は、分節化された複数の運転挙動データに基づいて、運転挙動データにおける分節の配列に関する遷移マップを生成する。
走行試験パタン作成装置3は、生成された遷移マップに基づいて、複数の運転単位を配列することによって走行試験パタンを作成する。
このように走行試験パタン作成装置3は、記号分節を最小単位とする運転単位を配列することにより走行試験パタンを作成する。記号分節の時間は、車両が発進してから停止するまでの時間より十分短い。このため、走行試験パタン作成装置3は、時間が短い複数の運転単位を組み合わせることによって、実走行で得られる運転挙動データに類似する(すなわち、実走行を反映した)走行試験パタンを作成することができ、走行試験パタンの信頼性を向上させることができる。
遷移マップは、複数の分節クラスのそれぞれについて異なる分節クラスへ遷移する確率を示す。遷移マップを用いることにより、走行試験パタン作成装置3は、高精度な走行試験パタンを作成することができる。
また走行試験パタン作成装置3は、運転時間の目標値T(すなわち、ルート平均時間/ユーザ任意値)に基づいて、運転単位を配列する。これにより、走行試験パタン作成装置3は、高精度な走行試験パタンを作成することができる。なお、運転時間の目標値Tは、走行試験ルートを走行するために要する走行時間に関する情報に相当する。
また運転単位は、運転単位に対応する分節クラスに含まれる複数の分節を構成する運転挙動データの平均である。これにより、走行試験パタン作成装置3は、走行試験パタンを簡素化することができる。
また走行試験パタン作成装置3は、複数の分節毎にトピック分布を算出し、複数のトピック割合と、分節の分節長とを用いてクラスタリングすることによって、複数の分節を複数の分節クラスに分類する。分節長を考慮することによって、分節を高精度に分類することができ、走行試験パタン作成装置3は、高精度な走行試験パタンを作成することができる。
また走行試験パタン作成装置3は、複数の分節クラスのそれぞれについて、分節クラスに含まれる分節の頻度を集計し、この集計結果に基づいて、運転単位として定義する分節クラスを選定する。
また、ロボット用走行試験パタンにおける運転単位は、運転挙動データを構成する複数の時系列(すなわち、車速、アクセル開度、ブレーキ圧、舵角)のそれぞれが時間経過に応じて変化可能なデータで構成されている。これにより、ロボットを用いた走行試験において、実走行を反映した詳細なデータを取得することが可能となる。
また、人間用走行試験パタンにおける運転単位は、運転挙動データを構成する複数の時系列のそれぞれの目標値を示し運転単位内で時間経過に応じて変化しないデータで構成されている。これにより、走行試験パタン作成装置3は、人間の運転操作による走行試験に対応した走行試験パタンを作成することができる。
また走行試験パタン作成装置3は、時系列的に互いに隣接する2つの運転単位の間に結合単位を挿入する。結合単位は、時系列的に前の運転単位において運転挙動データを構成する複数の時系列の終点時刻における値と、時系列的に後の運転単位において複数の時系列の始点時刻における値とを補間する。これにより、走行試験パタン作成装置3は、実際の運転に近い走行試験パタンを作成することができる。
また走行試験パタン作成装置3は、複数の運転挙動データを、走行試験ルート毎に分類する。これにより、走行試験パタン作成装置3は、走行試験ルート毎に、走行試験ルートを反映した高精度な走行試験パタンを作成することができる。
以上説明した実施形態において、S30は分節部および分節手順としての処理に相当し、S40,S50は運転単位定義部および運転単位定義手順としての処理に相当し、S60は配列情報生成部および配列情報生成手順としての処理に相当し、S70は配列部および配列手順としての処理に相当する。
また、遷移マップは分節配列情報に相当し、ロボット用走行試験パタンおよび人間用走行試験パタンは走行試験パタンに相当し、S10はルート分類部としての処理に相当する。
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
[変形例1]
上記実施形態では、トピック割合を変数とするK次元空間でクラスタリングを行い、更に、分節長を変数とする1次元空間でクラスタリングを行う形態を示した。しかし、データが十分であれば、トピック分布を構成するK個のトピック割合と、分節長とを変数とする(K+1)次元空間においてクラスタリングを行うようにしてもよい。
また、「発進」、「減速」、「定常走行」、「右折」等の複数の運転シーンのそれぞれについて、運転シーンの特徴を表す特徴量を設定し、運転シーン毎に設定された複数の特徴量を変数とする多次元空間においてクラスタリングを行うことによって、運転挙動データの分節を、複数のクラスタに分類するようにしてもよい。これにより、走行試験パタン作成装置3は、分節を高精度に分類することができ、高精度な走行試験パタンを作成することができる。
[変形例2]
図14では、各運転単位において、継続時間と、アクセル開度、ブレーキ圧、舵角および車速の目標値とが設定される形態を示したが、運転単位における道路の勾配を設定するようにしてもよい。
[変形例3]
上記実施形態では、遷移マップに基づいて運転単位を配列する形態を示した。しかし、分節クラス毎に、分節内における各時系列データの目標値の頻度分布を生成し、運転単位および順序を無視して、目標値の頻度分布に可能な限り一致するように、運転単位を配列するようにしてもよい。図15は、舵角、ブレーキ圧および車速等の時系列に対する目標値の頻度分布を示すヒストグラムである。これにより、走行試験パタンをより簡便に作成することができる。なお、目標値の頻度分布は分節配列情報に相当する。
図16は、ブレーキ圧の目標値と車速の目標値との組み合わせに対する頻度分布である。このように、複数の時系列の目標値の組み合わせに対する頻度分布が得られている場合には、この頻度分布に可能な限り一致するように、運転単位を配列するようにしてもよい。
[変形例4]
上記実施形態では、遷移マップに基づいて運転単位を配列する形態を示した。しかし、運転挙動データに記号化を適用して分節化することにより、分節毎に、車両挙動および運転操作の少なくとも一方を表す記号化キャプションラベル(例えば、「高速」、「強アクセル」、「弱ブレーキ」、「右ステア」等)が設定される場合には、記号化キャプションラベルの頻度分布を生成することが可能である。キャプションについては、本願出願人が別途発表した非特許文献「Generating Contextual Description from Driving Behavioral Data」(Bando, Takenaka, Nagasaka, Taniguchi; IV2014)に記載されているため、ここでは説明を省略する。
このため、記号化キャプションラベルの頻度分布に可能な限り一致するように、運転単位を配列するようにしてもよい。これにより、走行試験パタンをより簡便に作成することができる。なお、記号化キャプションラベルの頻度分布は分節配列情報に相当する。
[変形例5]
上記実施形態では、遷移マップに基づいて運転単位を配列する形態を示した。しかし、ルート識別番号Nrが付与された全ての運転挙動データで得られた全ての分節を分節クラス毎に集計することにより、分節クラス毎の分節頻度を示す分節頻度分布を生成し、この分節頻度分布に可能な限り一致するように、運転単位を配列するようにしてもよい。これにより、走行試験パタン作成装置3は、高精度な走行試験パタンを作成することができる。なお、分節頻度分布は分節配列情報に相当する。
[変形例6]
上記実施形態では、上位XX[%]の分節クラスを抽出する形態を示した。しかし、レアな挙動に注目する場合には、下位YY[%]の分節クラスを抽出するようにしてもよい。
[変形例7]
本実施形態では、互いに隣接した2個の運転単位間の遷移確率を考慮して運転単位を配列する形態を示した。しかし、複数個の運転単位への遷移確率を考慮して運転単位を配列するようにしてもよい。
本開示に記載の制御部31およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部31およびその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部31およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。制御部31に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
上述した走行試験パタン作成装置3の他、当該走行試験パタン作成装置3を構成要素とするシステム、当該走行試験パタン作成装置3としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、走行試験パタン作成方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
3…走行試験パタン作成装置、31…制御部

Claims (16)

  1. 車両毎に前記車両の挙動およびドライバの運転操作のうち少なくとも一方を表す複数の運転挙動データのそれぞれについて、前記運転挙動データの時系列を、予め設定された複数の記号分節を表す複数の部分系列毎に分節するように構成された分節部(S30)と、
    前記分節部により分節された複数の前記部分系列のそれぞれを分節として、複数の前記分節を複数の分節クラスに分類し、複数の前記分節クラスのそれぞれについて、前記分節クラスの特徴を代表する前記分節を運転単位として定義するように構成された運転単位定義部(S40,S50)と、
    前記分節部により分節化された複数の前記運転挙動データに基づいて、前記運転挙動データにおける前記分節の配列に関する分節配列情報を生成するように構成された配列情報生成部(S60)と、
    前記配列情報生成部により生成された前記分節配列情報に基づいて、複数の前記運転単位を配列することによって走行試験パタンを作成するように構成された配列部(S70)と
    を備える走行試験パタン作成装置(3)。
  2. 請求項1に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記分節配列情報は、複数の前記分節クラスのそれぞれにおける前記運転挙動データの目標値の頻度分布である走行試験パタン作成装置。
  3. 請求項1に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記分節配列情報は、複数の前記分節クラスのそれぞれについて前記挙動および前記運転操作のうち少なくとも一方を表すように設定されるキャプションラベルの頻度分布である走行試験パタン作成装置。
  4. 請求項1に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記分節配列情報は、複数の前記分節クラスのそれぞれについて前記分節クラス間で遷移する確率である走行試験パタン作成装置。
  5. 請求項1に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記分節配列情報は、複数の前記分節クラスにおける前記分節の頻度分布である走行試験パタン作成装置。
  6. 請求項1~請求項5の何れか1項に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記分節配列情報は、走行に要する走行時間に関する情報を含む走行試験パタン作成装置。
  7. 請求項1~請求項6の何れか1項に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記運転単位は、前記運転単位に対応する前記分節クラスに含まれる複数の前記分節を構成する前記運転挙動データの平均である走行試験パタン作成装置。
  8. 請求項1~請求項7の何れか1項に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記運転単位定義部は、複数の前記分節のそれぞれについて前記分節における前記挙動および前記運転操作の少なくとも一方の統計的な特徴として算出された運転特徴に基づいて、複数の前記分節を複数の前記分節クラスに分類する走行試験パタン作成装置。
  9. 請求項8に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記記号分節における前記運転挙動データの代表的な分布をヒストグラムで表すように予め用意された複数の運転トピックを用いて、前記記号分節を前記運転トピックの混合によって表現したときに得られる前記運転トピックの割合をトピック分布として、前記分節部は、複数の前記分節毎に、前記トピック分布を算出し、
    前記運転単位定義部は、前記トピック分布を構成する複数の前記運転トピックの割合と前記分節の分節長とを前記運転特徴として用いてクラスタリングすることによって、複数の前記分節を複数の前記分節クラスに分類する走行試験パタン作成装置。
  10. 請求項1~請求項7の何れか1項に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    予め設定された複数の運転シーンのそれぞれについて、前記運転シーンの特徴を表す特徴量を設定し、前記運転シーン毎に設定された複数の前記特徴量を用いてクラスタリングを行うことによって、複数の前記分節を複数の前記分節クラスに分類する走行試験パタン作成装置。
  11. 請求項1~請求項10の何れか1項に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記運転単位定義部は、複数の前記分節クラスのそれぞれについて、前記分節クラスに含まれる前記分節の頻度を集計し、この集計結果に基づいて、前記運転単位として定義する前記分節クラスを選定する走行試験パタン作成装置。
  12. 請求項1~請求項11の何れか1項に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記運転単位は、前記運転挙動データを構成する複数の時系列のそれぞれが時間経過に応じて変化可能なデータで構成されている走行試験パタン作成装置。
  13. 請求項1~請求項11の何れか1項に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記運転単位は、前記運転挙動データを構成する複数の時系列のそれぞれの目標値を示し前記運転単位内で時間経過に応じて変化しないデータで構成されている走行試験パタン作成装置。
  14. 請求項12に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    前記配列部は、時系列的に互いに隣接する2つの前記運転単位のうち、時系列的に前の前記運転単位を前側運転単位とし、時系列的に後の前記運転単位を後側運転単位として、前記前側運転単位において前記運転挙動データを構成する複数の前記時系列の終点時刻における値と、前記後側運転単位において前記運転挙動データを構成する複数の前記時系列の始点時刻における値とを補間する結合単位を、前記前側運転単位と前記後側運転単位との間に挿入する走行試験パタン作成装置。
  15. 請求項1~請求項14の何れか1項に記載の走行試験パタン作成装置であって、
    複数の前記運転挙動データを、走行試験ルート毎に分類するように構成されたルート分類部(S10)を備える走行試験パタン作成装置。
  16. 車両毎に前記車両の挙動およびドライバの運転操作のうち少なくとも一方を表す複数の運転挙動データのそれぞれについて、前記運転挙動データの時系列を、予め設定された複数の記号分節を表す複数の部分系列毎に分節する分節手順(S30)と、
    前記分節手順により分節された複数の前記部分系列のそれぞれを分節として、複数の前記分節を複数の分節クラスに分類し、複数の前記分節クラスのそれぞれについて、前記分節クラスの特徴を代表する前記分節を運転単位として定義する運転単位定義手順(S40,S50)と、
    前記分節手順により分節化された複数の前記運転挙動データに基づいて、前記運転挙動データにおける前記分節の配列に関する分節配列情報を生成する配列情報生成手順(S60)と、
    前記配列情報生成手順により生成された前記分節配列情報に基づいて、複数の前記運転単位を配列することによって走行試験パタンを作成する配列手順(S70)と
    を備える走行試験パタン作成方法。
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