JP2022039194A - Fmcw方式地中レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】地中探査を行う土地の地面を移動しつつ、最大探査距離を拡大し、距離分解能を向上させることのできるFMCW方式地中レーダ装置を提供する。【解決手段】制御部と、制御部からの制御を受けて30MHz~230MHzの送信出力信号を生成する送信部14と、送信部からの送信出力信号の印加により地中に向かう電磁波の放射を行う送信アンテナ6と、送信アンテナから地中に向けて放射された電磁波の地中における物標からの反射波を受信する受信アンテナ8と、受信アンテナからの受信信号を信号処理し、ビート信号を生成してレーダ信号を生成する受信部15とを備えているFMCW方式地中レーダ装置。送信部はDDSにより送信出力信号を生成し、受信部は、DSPを使用したIFFT信号処理によってレーダ信号を生成し、地中探査が行われる土地の地面を移動しつつ地中探査を行う。【選択図】図3
Description
この発明は、FMCW方式の地中レーダ装置に関する。
従来からFMCW方式地中レーダ装置は深深度探査が可能な地中レーダ装置として種々提案され(例えば、特許文献1,2、3)、実用化されている。
FMCW方式を採用してるレーダ装置としては、地中レーダ装置の他に自動車の衝突予防装置に使用されるFMCW方式の車載レーダ装置が知られている。
しかし、自動車の衝突予防装置に使用されるFMCW方式の車載レーダ装置は、使用する周波数が超高周波のミリ波帯である。そこで、FMCW式地中レーダとは使用する回路部品が全く異なり、アンテナから回路部品まで装置の実現方法がFMCW式地中レーダとまったく異なっている。
本願発明は、使用する周波数が30MHz~230MHzの低周波帯である、地中を探査することに特化したFMCW方式の地中レーダ装置に関するもので、本明細書では、使用する周波数が超高周波のミリ波帯である自動車の衝突予防装置に使用されるFMCW方式車載レーダ装置には言及しない。
FMCW方式地中レーダは、通常、図1に示すように、受信アンテナ8で受信した地中の物標7からの反射信号の周波数成分を、ミキサー(引き算回路)10により送信信号の周波数成分から差し引き、その差をビート信号として取り出して本来の受信信号とし、それをFFT(Fast Fourier Transform)信号処理し、タイムドメインに変換してレーダ信号のAスコープ信号にしている。
図1に示すように、時間を管理する制御部1において、時間制御するTrigger信号が作成され、その信号を時間0の位置として三角波発生回路2でのこぎり波状の三角波が作られ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)3に印加される。これにより、VCO3から出力周波数f1=30MHz~f2=230MHzのFMCW信号が送信出力信号として出力され、送信アンテナ6に印加され、送信アンテナ6から、地中に向かって、電磁波が放射される。
一方、受信アンテナ8によって、地中からの微弱な反射信号が受信され、受信部(RF Amp)15で受信増幅され、ミキサー10に入力される。
ミキサー10において、送信部の方向性結合器4から入力する送信信号の一部と混合(ミキシング)が行われ、送信信号の周波数ftから受信信号の周波数frが引き算され、差の周波数がビート周波数fbとして出力される(図1)。
このビート周波数fbの一例を図2に示す。
送信アンテナ6から電磁波が放射されてから、地中の物標7により反射し、受信アンテナ8まで到達する時間τは、図1図示の例では、τ=tr+tRに相当する。
FMCW方式の地中レーダ装置は、このビート信号fbをFFT(Fast Fourier Transform)解析することによって、地中の伝搬時間τを算出し、物標7の深さdを計測する装置である。
この発明は、地中探査を行う土地の地面を移動しつつ、最大探査距離を拡大し、距離分解能を向上させることのできるFMCW方式地中レーダ装置を提案することを目的にしている。
使用する周波数を30MHz~230MHzなる広帯域な周波数とし、アンテナからの不要な幅射をさけるため、アンテナエレメントをフェライト吸収体で全面的に覆い、電波が地中方向のみにしか放射されないアンテナ構造にし、このアンテナを常時、移動させながら、深層探査を行うFMCW方式地中レーダ装置。
電波吸収体として低周波数に有効なフェライトタイル(電磁波吸収することの可能な磁器のタイルでビルや橋梁の一部に建材として電波の反射防止に使用されている)を使用し、空中に漏洩する不要輻射を低減させた低周波数帯域の広帯域アンテナを用いた。これにより、従来は測定点を固定しなければならなかったFMCW方式地中レーダ装置において、移動させながら測定することを、可能にした。
前記FMCW方式地中レーダ装置の送信部は、DDS(Direct Digital Synthesizer)により送信出力信号を生成し、受信部は、DSP(Digital Signal Processor)を使用したIFFT(Inverse Fast Fourrier Transfor)信号処理によってレーダ信号を生成する構成にした。
これにより、高速に送信と受信を繰返すことを可能にし、FMCW方式地中レーダ装置のアンテナを移動させながら地中探査をするために必要な単位時間あたりでの大量データを用いて分解能を高めることを可能にした。
従来のFMCW方式地中レーダ装置では、通常、受信アンテナで受信した反射体からの反射信号の周波数成分を、送信信号の周波数成分から差引き、その差をビート信号として取り出して本来の受信信号とし、それをFFT信号処理し、タイムドメインに変換してレーダ信号のAスコープ信号としていた。
FFT信号処理に替えてIFFT信号処理を採用したFMCW方式地中レーダ装置にすることで、忠実なレーダ信号を再生し、地中レーダの画像表示に必要なAスコープデータを作り出すようにした。
上述したように、ビート信号を取り出し、その信号を受信信号として利用する際に、まず高い周波数のビート信号を取り出し、そのビート信号をバンドパスフィルターに通すことにより、不要信号を除去し、受信信号のSN比(Signal Noise Ratio)を改善させ、そのあと、そのビート信号に含まれる高い周波数成分を除去し、本来必要なビート信号を得ることにした。これにより、不要なノイズ信号を除去する機能を持つFMCW方式地中レーダ装置としている。
ワイドアングル探査と通常探査との併用使用において、送信点の時間位置調整を電子回路(コンピュータソフトウェアによる制御処置)で調整することにより、従来の給電線ケーブル交換等の不便さを解消し、ワイドアングル探査可能なFMCW方式地中レーダ装置とした。
FMCW方式地中レーダ装置では、通常、送信アンテナと受信アンテナとがその近傍にならべられて配置され、送信アンテナからの直達波が、受信アンテナで受信されて受信装置の時間軸0点を構成することが可能になる。一方、ワイドアングル探査においては、送信アンテナと受信アンテナの間隔がおおむね数10mまで順次はなれていくため、受信装置の時間軸0点が順次変化してしまう。これを補正するように時間軸0点を補正設定する機能を有するようにしたものである。
従来、低周波帯域(200MHz以下)を使用した広帯域アンテナは、使用波長との関係から長さ的に数mの長さをもつアンテナとなり、且つ広帯域性を持たせるため、面的な広がりもあり、大きなアンテナとなる。このためアンテナを移動させながら探査することには不向きであった。そこで、従来、FMCW方式地中レーダ装置では、測定点を固定して地中探査を行うことが一般的であった。
本発明では上述した構成を採用することで、地中探査を行う土地の地面を移動しつつ、最大探査距離を拡大し、距離分解能を向上させることのできるFMCW方式地中レーダ装置を実現した。
このような本発明のFMCW方式地中レーダ装置の構成は以下の通りである。
[1]
制御部と、
前記制御部からの制御を受けて30MHz~230MHzの送信出力信号を生成する送信部と、
送信部からの前記送信出力信号の印加により地中に向かう電磁波の放射を行う送信アンテナと、
前記送信アンテナから地中に向けて放射された前記電磁波の前記地中における物標からの反射波を受信する受信アンテナと、
受信アンテナからの受信信号を信号処理し、ビート信号を生成してレーダ信号を生成する受信部と
を備えているFMCW方式地中レーダ装置であって、
前記送信部はDDS(Direct Digital Synthesizer)により前記送信出力信号を生成し、
前記受信部は、DSP(Digital Signal Processor)を使用したIFFT(Inverse Fast Fourrier Transfor)信号処理によって前記レーダ信号を生成し、
地中探査が行われる土地の地面を移動しつつ前記地中探査を行う
FMCW方式地中レーダ装置。
制御部と、
前記制御部からの制御を受けて30MHz~230MHzの送信出力信号を生成する送信部と、
送信部からの前記送信出力信号の印加により地中に向かう電磁波の放射を行う送信アンテナと、
前記送信アンテナから地中に向けて放射された前記電磁波の前記地中における物標からの反射波を受信する受信アンテナと、
受信アンテナからの受信信号を信号処理し、ビート信号を生成してレーダ信号を生成する受信部と
を備えているFMCW方式地中レーダ装置であって、
前記送信部はDDS(Direct Digital Synthesizer)により前記送信出力信号を生成し、
前記受信部は、DSP(Digital Signal Processor)を使用したIFFT(Inverse Fast Fourrier Transfor)信号処理によって前記レーダ信号を生成し、
地中探査が行われる土地の地面を移動しつつ前記地中探査を行う
FMCW方式地中レーダ装置。
[2]
前記受信部は、第一の引算回路及び第二の引算回路と、前記第一引き算回路と前記第二の引算回路との間に介装されるバンドパスフィルターとを備えており、
前記第一の引算回路で、前記受信信号から周波数の高い前記ビート信号を取り出し、前記バンドパスフィルターにこれを通過させた後、前記第二の引算回路で高い周波数成分を除去した後、前記IFFT信号処理を行う[1]のFMCW方式地中レーダ装置。
前記受信部は、第一の引算回路及び第二の引算回路と、前記第一引き算回路と前記第二の引算回路との間に介装されるバンドパスフィルターとを備えており、
前記第一の引算回路で、前記受信信号から周波数の高い前記ビート信号を取り出し、前記バンドパスフィルターにこれを通過させた後、前記第二の引算回路で高い周波数成分を除去した後、前記IFFT信号処理を行う[1]のFMCW方式地中レーダ装置。
[3]
前記送信アンテナと前記送信部との間及び、前記受信アンテナと前記受信部との間は、前記FMCW方式地中レーダ装置で行うワイドアングル探査における前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の最大アンテナ間隔に対応する長さの給電線を介して接続されており、前記制御部の制御により、前記ワイドアングル探査における前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の間隔に応じて、前記ビート信号の周波数の前記給電線の長さによる遅延をキャンセルする処理が行われる[1]又は[2]のFMCW方式地中レーダ装置。
前記送信アンテナと前記送信部との間及び、前記受信アンテナと前記受信部との間は、前記FMCW方式地中レーダ装置で行うワイドアングル探査における前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の最大アンテナ間隔に対応する長さの給電線を介して接続されており、前記制御部の制御により、前記ワイドアングル探査における前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の間隔に応じて、前記ビート信号の周波数の前記給電線の長さによる遅延をキャンセルする処理が行われる[1]又は[2]のFMCW方式地中レーダ装置。
[4]
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成するアンテナエレメントは、分布抵抗が挿入されているダイポールアンテナである[1]~[3]のいずれかのFMCW方式地中レーダ装置。
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成するアンテナエレメントは、分布抵抗が挿入されているダイポールアンテナである[1]~[3]のいずれかのFMCW方式地中レーダ装置。
[5]
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成する前記アンテナエレメントは、誘電板の上に配置されている[4]のFMCW方式地中レーダ装置。
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成する前記アンテナエレメントは、誘電板の上に配置されている[4]のFMCW方式地中レーダ装置。
[6]
前記送信部と前記受信部とは、いずれも、フェライト吸収体で覆われていると共に、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成する前記アンテナエレメントはいずれも開講面が地中に向けられている[1]~[5]のいずれかのFMCW方式地中レーダ装置。
前記送信部と前記受信部とは、いずれも、フェライト吸収体で覆われていると共に、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成する前記アンテナエレメントはいずれも開講面が地中に向けられている[1]~[5]のいずれかのFMCW方式地中レーダ装置。
[7]
前記FMCW方式地中レーダ装置は地中探査が行われる土地の地面を移動する牽引台車に搭載されており、エンコーダ装置と、キネマティックGPSシステムとを備えている[1]~[6]のいずれかのFMCW方式地中レーダ装置。
前記FMCW方式地中レーダ装置は地中探査が行われる土地の地面を移動する牽引台車に搭載されており、エンコーダ装置と、キネマティックGPSシステムとを備えている[1]~[6]のいずれかのFMCW方式地中レーダ装置。
この発明によれば、地中探査を行う土地の地面を移動しつつ、最大探査距離を拡大し、距離分解能を向上させることのできるFMCW方式地中レーダ装置を提供することができる。
図3を用いて、本発明のFMCW方式地中レーダ装置の一例を説明する。なお、図1図示の従来のFMCW方式地中レーダ装置の構成と共通する部分には共通する符号を付してその説明を省略する。
図3図示のこの実施形態のFMCW方式地中レーダ装置は、制御部1と、送信部14と、送信アンテナ6と、受信アンテナ8と、受信部15とを備えていて、地中探査が行われる土地の地面を移動しつつ前記地中探査を行うものである。
制御部1は、図示の実施形態では、コンピュータのCPUによって構成され、図示していないが、図示のFMCW方式地中レーダ装置に以下で説明する所定の処理動作を実行させるための所定のコンピュータプログラムが記憶されている記憶部、等が更に配備されてこの実施形態のFMCW方式地中レーダ装置が構成される。
送信部14は、図1図示の従来のFMCW方式地中レーダ装置における送信部14と同じく、制御部1からの制御を受けて送信出力信号を生成する。この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置では、送信部14は30MHz~230MHzの送信出力信号を生成する。
送信アンテナ6は、図1図示の従来のFMCW方式地中レーダ装置における送信アンテナ6と同じく、送信部14からの送信出力信号の印加により地中に向かう電磁波の放射を行う。
受信アンテナ8は、図1図示の従来のFMCW方式地中レーダ装置における受信アンテナ8と同じく、送信アンテナ6から地中に向けて放射された電磁波の地中における物標からの反射波を受信する。
受信部15は、図1図示の従来のFMCW方式地中レーダ装置における受信部15と同じく、受信アンテナからの受信信号を信号処理し、ビート信号を生成してレーダ信号を生成する。
この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置においては、送信部14は、上述したように、DDS(Direct Digital Synthesizer)により送信出力信号を生成する。また、受信部15は、DSP(Digital Signal Processor)を使用したIFFT(Inverse Fast Fourrier Transfor)信号処理によってレーダ信号を生成する。
この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置は、地中探査を行う土地の地面を移動しつつ探査を行うものである。
FMCW方式地中レーダ装置のアンテナを移動させながら地中探査をするには、単位時間あたりで大量データがないと分解能が得られない。このため、高速に送信と受信を繰返す必要がある。
そこで、図3に図示されている、この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置の構成のように、高速で送信信号を発生させる目的でDDS(Direct digital Synthesizer)を使用し、受信した高速信号を受信装置で必要なAスコープ変換するためにDSP(Digital Signal Processor)を使用してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)信号処理を行うようにしている。
従来のFMCW方式地中レーダ装置では、図1を用いて説明したように、FFT信号処理が一般的であった。
本実施形態のFMCW方式地中レーダ装置ではFFT信号処理に替えてIFFT信号処理を採用している。もともとFFT処理とIFFT処理は、図4に示すように可逆の関係にある。
そこで、この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置では、受信信号であるビート周波数数をFFT処理せず、直接的にIFFT処理させ、レーダとしての受信信号である時間軸対受信信号強度になるAスコープ波形を得ている。
本実施形態のFMCW方式地中レーダ装置ではこのようにしてビート信号の時間軸変換を行っている。ビート信号の時間軸変換をするときにFFT信号処理を使用した場合とIFFT信号処理を比較した場合、IFFT信号処理を採用するとFFT信号処理を使用した場合に比べて、周波数信号軸時間軸に信号変換するステップが省略できる。そして、IFFT信号処理の特徴である高周波成分のノイズ低下の効果が得られる。
この実施形態のFMCW地中レーダー装置で受信信号として得られたビート周波数波形データを逆フーリエ変換(IFFT)し、結果の波形データ(時間ドメイン)を画面に表示する実施形態の一例を詳述すると次のようになる。
逆フーリエ変換(IFFT)信号処理に使用するデータは、図5に示すミキサー2の出力において周波数ごとに複素数(実数部I、虚数部Q)で与えられる。ここでは、この実施形態のFMCWレーダー装置で使用する周波数の範囲、収録するデータの個数を以下の通りとして説明する。
最小周波数30(MHz):fmin
最大周波数230(MHz):fmax
収録周波数の個数:2048(n)
周波数間隔(MHz):Δf=(fmax-fmin)÷n
最小周波数30(MHz):fmin
最大周波数230(MHz):fmax
収録周波数の個数:2048(n)
周波数間隔(MHz):Δf=(fmax-fmin)÷n
上記の数値にてIFFT処理により、全長1/Δf (micro second)、サンプリング間隔1/NΔf (micro second)、サンプル数Nの時間領域の波形データが得られる。
ここでは、fmin:30MHz、fmax:230MHz、n:2048ポイントとして取得されたSFMCW地中レーダデータのIFFT処理は次の手順で行われる。
手順1:
周波数間隔(フーリエ理論で言う基本周波数)は、(230-30)/2048=0.09765625…MHzである。
すると、1番目の0 MHzから数えて、最小周波数の30 MHzは308番目、最大周波数の230 MHzは2355番目の周波数となり、複素変数の要素の個数は8192となる。
あらかじめ、8192個の複素変数のすべての要素に(0, 0)を代入しておく。
周波数間隔(フーリエ理論で言う基本周波数)は、(230-30)/2048=0.09765625…MHzである。
すると、1番目の0 MHzから数えて、最小周波数の30 MHzは308番目、最大周波数の230 MHzは2355番目の周波数となり、複素変数の要素の個数は8192となる。
あらかじめ、8192個の複素変数のすべての要素に(0, 0)を代入しておく。
そして、複素変数の308番目から2355番目の2048個の要素に30 MHzから230 MHzのデータを格納する。
手順2:
308番目の要素の値の共役複素数を7886番目の要素に格納し(8194-308=7886)、以降、309番目の要素の値の共役複素数を7885番目の要素に、・・・、2355番目の要素の値まで同様に共役複素数の値を格納する。(図6参照)。
308番目の要素の値の共役複素数を7886番目の要素に格納し(8194-308=7886)、以降、309番目の要素の値の共役複素数を7885番目の要素に、・・・、2355番目の要素の値まで同様に共役複素数の値を格納する。(図6参照)。
手順3:
IFFTを実行し、得られた結果(複素数)の実数部を取り出すと、8192個のサンプルから成る時間領域の波形データが得られる。
IFFTを実行し、得られた結果(複素数)の実数部を取り出すと、8192個のサンプルから成る時間領域の波形データが得られる。
このようにして、全長10.24 micro second(10240 ns)、サンプリング間隔0.00125 micro second(1.25 ns)、サンプル数8192の時間領域の波形データが得られる。
従来のFMCW方式地中レーダ装置では、送信信号の周波数成分から送信信号の周波数成分を引き算したビート信号fbを受信装置のAスコープ信号(時間)に変換するためFFT信号処理を行っていた。
この処理は、限定された範囲の周波数を用いて無限に広がる要素を持つ時間軸信号に変換しようとするものであり、変換後の波形の忠実性に限界が発生し、反射信号に不要な信号が含まれることがある。
この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置ではFFT信号処理に替えてIFFT信号処理を採用することでこのような問題が発生することを未然に防止している。
上述した本実施形態FMCW方式地中レーダ装置において、受信部15は、第一の引算回路(ミキサ1)及び第二の引算回路(ミキサ2)と、第一の引算回路(ミキサ1)と第二の引算回路(ミキサ2)との間に介装されるバンドパスフィルター(BPF)とを備えている。
第一の引算回路(ミキサ1)で、受信信号から周波数の高いビート信号を取り出し、バンドパスフィルター(BPF)にこれを通過させた後、第二の引算回路(ミキサ2)で高い周波数成分を除去し、その後、IFFT信号処理を行うようにしているものである。
FMCW方式の地中レーダ装置は、図1を用いて説明したように、通常、ビート信号を取り出し、その信号を受信信号として利用している。
この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置では、ビート信号を取り出し、その信号を受信信号として利用する際に、まず第一の引算回路(ミキサ1)で高い周波数のビート信号を取り出し、そのビート信号をバンドパスフィルター(BPF)に通すことにより、不要信号を除去し、受信信号のSN比(Signal Noise Ratio)を改善させ、その後、そのビート信号に含まれる高い周波数成分を第二の引算回路(ミキサ2)で除去し、本来必要なビート信号を得ることにより不要なノイズ信号を除去する機能を持つようにしたのである。
図3図示の構成では、送信部14から、直接、受信部15への漏れこみを除去するため、ミキサー1とミキサー2を使用して、直接漏れこむ不要信号をバンドパスフィルター(BPF)で除去できるようにした回路を採用している。
ミキサー1では、通常、270MHz~470MHzの周波数から受信信号周波数を引き算する。これにより、240MHz+ビート信号周波数+不要信号周波数のノイズが出力される。
その後、バンドパスフィルター(BPF)で240MHz+ビート信号周波数だけの周波数だけを通過させ、不要信号周波数のノイズを除去する。
図3を参照して一例を説明する。
ミキサー1には、ローカル信号周波数L1として270MHz~470MHzを加える。
ミキサー1の出力には、ローカル信号周波数L1と受信信号周波数frとの差の周波数Tbとして240MHz+beet信号が出力される。
ここでbeet信号の周波数が0KHz~22.5KHzである場合について説明する。
この差の周波数Tbの信号を中心周波数が240MHzとする狭帯域100KHz程のBPF(Band Pass Filter)を通過させることによって、中心周波数Tb + beet周波数信号以外のノイズは、BPF(Band Pass Filter)ですべて除却可能になる。
その次のステージでミキサー2において、ローカル周波数信号L2として240MHzの周波数L2を加えるとミキサー2の出力としてbeet信号0KHz~22.5KHzがレーダ受信信号として得られる。
上述した実施形態のFMCW方式地中レーダ装置において、送信アンテナ6と送信部14との間及び、受信アンテナ8と受信部15との間は、FMCW方式地中レーダ装置で行うワイドアングル探査における送信アンテナ6と受信アンテナ8との間の最大アンテナ間隔に対応する長さの給電線を介して接続されている構成にすることができる。この構成を採用しつつ、制御部1の制御により、ワイドアングル探査における送信アンテナ6と受信アンテナ8との間の間隔に応じて、ビート信号の周波数の給電線の長さによる遅延をキャンセルする処理が行われるようにすることができる。
従来のFMCW方式地中レーダ装置では、ワイドアングルにて計測を行う場合、送信アンテナ6と受信アンテナ8を所定の位置に固定しながら、その都度、アンテナ間隔を広げていた。このため、使用する最大アンテナ間隔にあわせて、給電線を交換し、受信装置の時間軸を設定する方法を採用していた。このため、その都度給電線を交換する手間が必要であった。
図7に図示したワイドアングルアンテナ配置例を参照してワイドアングル計測のアンテナ実現の一例を説明する。
なお、図7では、ワイドアングルアンテナ配置例としているが、以下では、図7におけるANT1を送信アンテナ、ANT2を受信アンテナとして説明する。ANT3、ANT4、ANT5は取り付けてないものとする。
なお、図7では、ワイドアングルアンテナ配置例としているが、以下では、図7におけるANT1を送信アンテナ、ANT2を受信アンテナとして説明する。ANT3、ANT4、ANT5は取り付けてないものとする。
この状態で、例えば、送受信アンテナ間隔を1mとして探査データを取得する。
次に、受信アンテナANT2を図7におけるANT3の位置にずらし、送受信アンテナ間隔を3mとして探査データを取得する。
更に、受信アンテナANT2を図7におけるANT4の位置にずらし、送受信アンテナ間隔を4mとして探査データを取得する。
このようにアンテナ間隔を変えて同一場所を探査することをワイドアングル計測という。
この計測を行う際にアンテナ間隔が変わることにより、通常はアンテナ給電線を交換する必要が発生する。
このように給電線をとり変える手間と給電線が変わることによって、従来のFMCW方式地中レーダ装置で深さを計測する際に必要な0mの位置が変化する問題があった。
この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置では、送信アンテナ6と送信部14との間及び、受信アンテナ8と受信部15との間は、FMCW方式地中レーダ装置で行うワイドアングル探査における送信アンテナ6と受信アンテナ8との間の最大アンテナ間隔に対応する長さの給電線を介して接続されている構成にしている。すなわち、はじめから長い電線を取り付けておくものである。
そして、制御部1が所定のコンピュータソフトウェアに基づいて制御することで、ワイドアングル探査における送信アンテナ6と受信アンテナ8との間の間隔に応じて、ビート信号の周波数の給電線の長さによる遅延をキャンセルする処理を行うようにしている。すなわち、ワイドアングルの間隔に応じて、0mの位置を電子回路において設定できるようにし、その設定をパーソナルコンピュータ、等のコンピュータのソフトウェアで制御できるようにしている。
制御部1にこのような制御を行わせるコンピュータソフトウェアは、例えば、次のようなものである。
ワイドアングルは、通常1mから5m前後を1mステップで行う。このため、給電線は、長さ1mから6mまで延長する必要があり、増加分5mに対して、給電線ケーブル伝送する信号が送信給電線、受信給電線合わせて約50nSの時間、遅れてしまうことになり、その分、0mの位置がずれる。
そこで、コンピュータソフトウェアによって、給電線をそれぞれ5m(10m)長くしたときは、0mの位置を50nS(100nS)に相当するビート周波数を低くするように、図2に示すDDS2から出力するローカル信号を、例えば、2.5KHz(5KHz)高くして、270MHz+2.5KHz(5KHz)~470MHz+2.5KHz(5KHz)にする。
これにより、図3のミキサ1で引き算されたときに受信信号周波数にもこの2.5KHz(5KHz)の周波数成分が含まれていので、差を出力したとき、2.5KHz(5KHz)の成分はなくなり、ビート信号周波数のケーブル遅延10m(20m)相当は、キャンセルすることが可能になる。
上述したように、この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置では、あらかじめ長いケーブル10mを取付けておき、ワイドアングル計測を行う際にアンテナ間隔が変わることでアンテナ給電線を交換する必要が発生するという上述した従来の不便さを解消することができる。
一方、この長いケーブル10mによって、信号伝達に遅延が生じ、レーダの発信点である時間基点0が移動してしまう問題が発生する。
送信用給電線と受信用給電線で合計20mケーブルになり、通常の同軸線では100nSの遅延が発生して、受信信号であるbeet信号周波数に影響を与える。
Δt=(T÷fw)×fb の関係から
fb=(fw÷T)×Δtであるので、上述の関係の場合には次のようになる。
fb=(200×106÷4×103)×100×10-9
=5×103Hz
fb=(fw÷T)×Δtであるので、上述の関係の場合には次のようになる。
fb=(200×106÷4×103)×100×10-9
=5×103Hz
この遅延によって発生するbeet周波数、例えば、上の式から求まる5KHzを、あらかじめ、ローカル信号周波数L1に加えておき、ミキサー1で遅延によって発生した周波数を含む受信周波数を引算し、その影響を除くことが可能になる。
また、ワイドアングル計測では、通常、送信アンテナと受信アンテナとを一点を中心にして両側に等距離アンテナ間隔をあけて順次計測していく。
本発明の実施形態では、図7に示すように送信アンテナをANT1に固定し、受信アンテナANT2を図7にANT2、ANT3、ANT4、ANT5が配置されている位置に、測定ごとに移動させることによってアンテナ間隔を変化させることができる。これによって、一点を中心にして両側に等距離アンテナ間隔をあけて順次計測する場合と同様の計測データ結果を得ることができる。
この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置において、送信部14と受信部15とは、いずれも、フェライト吸収体で覆われていると共に、送信アンテナ6及び受信アンテナ8を構成するアンテナエレメントはいずれも開講面が地中に向けられている構成にすることができる。
FMCW方式地中レーダは、広帯域の低周波数(30MHz~230MHz)を使用する必要があり、広帯域アンテナが使用されるため、指向性をアンテナエレメントで実現することは困難である。
そこで、電波が地中方向以外の方向に極力幅射されないように図8に示すような構造でアンテナエレメントをフェライト吸収体で覆う構造を採用することができる。これにより、要求される指向性の改善を図ることができる。
例えば、電波吸収体として低周波数に有効なフェライトタイルにより、アンテナエレメントを覆うものである。
フェライトタイルは、電磁波吸収することの可能な磁器のタイルで、従来から、ビルや橋梁の一部に建材として電波の反射防止に使用されている。
更に、アンテナは、開構面を地中に向けて使用し、空気中に漏洩電波が放射しにくい構造にした。開構面を地中に向けて使用することで、空気中に漏洩電波が放射しにくい構造にしている。
図1を用いて説明した従来のFMCW方式地中レーダ装置では、送信信号の一部から方向性結合器4を通して受信回路内の引き算回路(ミキサー10)に入力させ、受信信号と引き算することにより、差の周波数としてのビート信号周波数fbを出力していた。
このような従来のFMCW方式地中レーダ装置における送受信回路では、送受信回路が同じ場所に置かれているのが一般的であった。このような配置形態の場合、送信信号が受信回路に直接もれ込み、受信信号に妨害を与えることがある。このようになると、深深度で反射した微弱な受信信号が検出困難になり、本来のFMCW方式地中レーダの利点が損なわれるおそれがある。
これを防ぐ目的で、従来のFMCW方式地中レーダ装置では、図1に示す構成からなる送信部14の筐体と、図1に示す構成からなる受信部15の筐体とを十分なシールド効果のある遮蔽を施して製作する等の取り組みがされていた。
しかし、このようにしても、アイソレーションを60dB以上得ることは、難しく、送信信号の一部が受信回路に漏洩し、不要信号雑音となり、レーダ装置の最低受信感度を悪化させる原因となっていた。
この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置では、図8に示すような構造でアンテナエレメントをフェライト吸収体で覆う構造を採用することで、送信信号が受信回路に直接もれ込み、受信信号に妨害を与える事態が発生することを未然に防止できる。また、開構面を地中に向けて使用することで、空気中に漏洩電波が放射しにくい構造にしている。
前記において、送信アンテナ6及び受信アンテナ8を構成するアンテナエレメントは、分布抵抗が挿入されているダイポールアンテナとすることができる。
地中を電磁波が伝搬するとき、その伝搬損失は、使用する周波数に依存し、周波数低周波になるほど損失が低下することが知られている。そのため、探査深度を深くするため、低周波帯(100MHz以下)が使用されるが、低周波帯(100MHz以下)では波長入が長くなるため分解能が悪化する。
そこで、分解能を確保する目的で、FMCW方式の地中レーダ装置では、極力、高周波帯(200MHz以上)の領域まで、周波数成分を含む広帯域周波数が使用される。
このアンテナを実現する上で、図9~図11に例示した構成のアンテナエレメントを採用することができる。
上述したように、指向性の改善という観点から、アンテナエレメントをフェライト吸収体で覆う構造を採用することができる。これにより、低周波広帯域アンテナとして、そのエレメントにダイポールアンテナを採用することができる。
図9~図11は、ボウタイアンテナを広帯域化する実施形態を説明するものである。
図9~図11に例示した構成のアンテナエレメントの有効性を説明するにあたり、図12を用いて、周波数と帯域の先鋭度Q(dB)との関係を説明する。
図12で説明しているように、尖鋭度Qが下がることは、アンテナの帯域特性が広帯域になることを意味し、低周波数も高周波数も、極力同一レベルで放射する広帯域アンテナが実現可能になる。
図9~図11に例示した構成のアンテナエレメントは、いずれも、分布抵抗が挿入されているアンテナエレメントである。
図9~図11に例示した構成のアンテナエレメントのように分布抵抗がアンテナエレメントに挿入されているアンテナは、給電点から入力した電流が終端方向に向かって流れるとき抵抗Rによって電流が減衰する。そして終端に到達した電流が、そこで反射し、給電点方向に戻るとき再び抵抗Rにより、エレメント電流が減衰する。その結果、給電点に戻る電流量は減り、このアンテナの尖鋭度Qは低下する。
図11(c)図示の実施形態においてR1~R6はローデング抵抗で、エレメントから放出できないエネルギーを吸収している。Rの値は、エレメントの入力インピーダンスとの関係で決められる。
図9~図11に構成の一例を例示したように、分布抵抗が挿入されているアンテナエレメントとすることで、図12で示すように帯域の先鋭度Qをダンピングでき、周波数帯域を広帯域化することができる。
地中を電磁波が伝搬するとき、その伝搬損失は、使用する周波数に依存し、周波数低周波になるほど損失が低下することが知られている。そのため、探査深度を深くする目的で低周波帯(100MHz以下)が使用される。しかし、低周波帯(100MHz以下)では波長入が長くなり、分解能が悪化する。
そこで、分解能を確保する目的で、FMCW方式の地中レーダ装置では、極力、高周波帯(200MHz以上)の領域まで、周波数成分を含む広帯域周波数が使用される。
上述し、図9~図11に構成の一例を示したアンテナエレメントを採用することで広帯域化を図ることができる。
前記において、送信アンテナ6及び受信アンテナ8を構成するアンテナエレメントは、誘電板の上に配置されている構成にすることができる。
ボウタイアンテナのエレメント長は、使用する周波数の波長に依存することが知られている。
そこで、図13に例示したように、誘電板(比誘電率εr)の上にアンテナエレメントを配置することにより、使用波長をλεに短くすることができる。
同時にこのアンテナエレメントは、図14に示すように、比誘電体に相当する、地中探査が行われている土地の地面、例えば、道路面と接する。
このとき、アンテナエレメントの電気長すなわちλεは誘電板(比誘電率:εr1)と接している地面(比誘電率:εr2)の影響を受け、その合成された誘電率を仮にεrOとすると、
λ=1÷(εrO)1/2×(C÷f) C:光速
となる。
λ=1÷(εrO)1/2×(C÷f) C:光速
となる。
この結果、誘電体に接しているアンテナエレメントは、{1÷(εrO)1/2}だけ、空気中に比較してアンテナエレメントを短くできることになる。
この特徴と、上述した尖鋭度Qを低くおさえる手法との組み合わせによって、低い周波数たとえば30MHz(空気中の波長:10m)でも、ボウタイアンテナのエレメント長が全長2m前後でも、電磁波の放射が可能になる地中レーダ用広帯域アンテナを実現できる。
このようにアンテナ全長を2m前後にすることによって、送信アンテナ6、受信アンテナ8を移動させる装置(車載用台車、等の牽引台車)に対して取り付け可能になり、アンテナを移動させながら探査するが可能になる。
この実施形態のFMCW方式地中レーダ装置は、地中探査が行われる土地の地面を移動する牽引台車に搭載されており、エンコーダ装置と、キネマティックGPSシステムとを備えている構成にすることができる。
送信アンテナ6と受信アンテナ8とを同時に移動させながら探査するべく、送信アンテナ6、受信アンテナ8の移動位置を計測管理するため、送信アンテナ6、受信アンテナ8を移動させる装置(牽引台車、等)にエンコーダーを付設させ、また、絶対位置を把握するためにキネマテックGPSシステムを採用したものである。また、送信アンテナ6、受信アンテナ8を移動させる装置(牽引台車、等)にGPSや移動距離計測器をも具備することで物標7の埋設位置、等をも計測する装置である。
以上に説明した構成を組み合わせることによって、移動しながら深深度探査が可能なFMCW式地中レーダ装置を実現した。
以上、添付図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。
本発明のFMCW式地中レーダ装置は、最大探査距離及び、分解能の劣化を伴うことなく、送信平均電力の増大を伴うFMCW式地中レーダ装置である。最大探査距離の拡大及び、距離分解能の向上を可能としたFMCW式地中レーダ装置であり、ワイドアングル探査と、通常探査にて同一装置を車で牽引しながら探査実施可能にしたものである。
Claims (7)
- 制御部と、
前記制御部からの制御を受けて30MHz~230MHzの送信出力信号を生成する送信部と、
送信部からの前記送信出力信号の印加により地中に向かう電磁波の放射を行う送信アンテナと、
前記送信アンテナから地中に向けて放射された前記電磁波の前記地中における物標からの反射波を受信する受信アンテナと、
受信アンテナからの受信信号を信号処理し、ビート信号を生成してレーダ信号を生成する受信部と
を備えているFMCW方式地中レーダ装置であって、
前記送信部はDDS(Direct Digital Synthesizer)により前記送信出力信号を生成し、
前記受信部は、DSP(Digital Signal Processor)を使用したIFFT(Inverse Fast Fourrier Transfor)信号処理によって前記レーダ信号を生成し、
地中探査が行われる土地の地面を移動しつつ前記地中探査を行う
FMCW方式地中レーダ装置。 - 前記受信部は、第一の引算回路及び第二の引算回路と、前記第一引き算回路と前記第二の引算回路との間に介装されるバンドパスフィルターとを備えており、
前記第一の引算回路で、前記受信信号から周波数の高い前記ビート信号を取り出し、前記バンドパスフィルターにこれを通過させた後、前記第二の引算回路で高い周波数成分を除去した後、前記IFFT信号処理を行う
請求項1記載のFMCW方式地中レーダ装置。 - 前記送信アンテナと前記送信部との間及び、前記受信アンテナと前記受信部との間は、前記FMCW方式地中レーダ装置で行うワイドアングル探査における前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の最大アンテナ間隔に対応する長さの給電線を介して接続されており、前記制御部の制御により、前記ワイドアングル探査における前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の間隔に応じて、前記ビート信号の周波数の前記給電線の長さによる遅延をキャンセルする処理が行われる請求項1又は2記載のFMCW方式地中レーダ装置。
- 前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成するアンテナエレメントは、分布抵抗が挿入されているダイポールアンテナである請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のFMCW方式地中レーダ装置。
- 前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成する前記アンテナエレメントは、誘電板の上に配置されている請求項4記載のFMCW方式地中レーダ装置。
- 前記送信部と前記受信部とは、いずれも、フェライト吸収体で覆われていると共に、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナを構成する前記アンテナエレメントはいずれも開講面が地中に向けられている請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のFMCW方式地中レーダ装置。
- 前記FMCW方式地中レーダ装置は地中探査が行われる土地の地面を移動する牽引台車に搭載されており、エンコーダ装置と、キネマティックGPSシステムとを備えている請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のFMCW方式地中レーダ装置。
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