JP2022037486A - 眼科画像処理装置、眼科装置、画質評価方法、プログラム、及び眼科画像処理システム - Google Patents

眼科画像処理装置、眼科装置、画質評価方法、プログラム、及び眼科画像処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】眼科画像内で被検眼の所望の部位に対応する領域の画質を評価可能な眼科画像処理装置、眼科装置、画質評価方法、プログラム、及び眼科画像処理システムを提供する。【解決手段】被検眼を撮影した眼科画像を取得する画像取得部と、眼科画像を複数の領域に区分する区分部と、区分部により複数の領域に区分された眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、領域ごとの画質を評価する処理部と、を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、眼科画像の画質を評価する眼科画像処理装置、眼科装置、画質評価方法、プログラム、及び眼科画像処理システムに関する。
眼科では、被検眼の眼底像、眼底断層像、及び前眼部像などの各種眼科画像の撮影を眼科装置により行う。この眼科画像に基づき、被検眼の各種の眼特性の測定、観察、及び診断等を行うことができる。この際に、眼科画像にフレアが発生したり、ピントずれ(焦点ずれ)によるピンぼけが発生したり、まつ毛の像が含まれていたり、白内障の影響で不鮮明であったり、小瞳孔により像が暗くなっていたりなどの画質不良(画質悪化)が発生していると、上述の眼特性の測定、観察、及び診断等に不具合が生じる。
そこで、特許文献1には、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional neural network:CNN)を適用した学習済みモデル(判定器)を用いて、眼科画像の画質の良否を評価する眼科装置が開示されている。これにより、眼科画像の撮影時にその画質の良否を速やかに判定することができるので、眼科画像の画質が不良である場合には検者等に再撮影の実行を促すことができる。
特開2020-103433号公報
ところで、眼科では被検眼(被検者)ごとに、観察及び診断等を行う被検眼の部位が異なる。例えば、眼科画像として被検眼の眼底像を撮影する場合には、観察及び診断等の対象が眼底の視神経乳頭(以下、乳頭と略す)であったり或いは黄斑であったりする。この場合には、眼底の所望の特定部位(乳頭、黄斑等)に対応する領域の画質が良好であれば観察及び診断等には問題はない。しかしながら、上記特許文献1に記載の眼科装置では、眼科画像の全体で画質の良否の判定を行うため、上述の特定部位に対応する領域以外で画質不良が発生した場合においても、眼科画像の画質が不良であると判定される可能性がある。その結果、本来は不要であった被検眼の再撮影を検者に促してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、眼科画像内で被検眼の所望の部位に対応する領域の画質を評価可能な眼科画像処理装置、眼科装置、画質評価方法、プログラム、及び眼科画像処理システムを提供することを目的とする。
本発明の目的を達成するための眼科画像処理装置は、被検眼を撮影した眼科画像を取得する画像取得部と、眼科画像を複数の領域に区分する区分部と、区分部により複数の領域に区分された眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、領域ごとの画質を評価する処理部と、を備える。
この眼科画像処理装置によれば、眼科画像の複数の領域ごとの画質を個別に評価することができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、処理部が、複数の眼科画像を訓練データとして機械学習させた学習済みモデルを用いる。これにより、眼科画像の複数の領域ごとの画質を個別に評価することができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、処理部が、複数の領域の画像を訓練データとして機械学習させた学習済みモデルを用いる。これにより、眼科画像の複数の領域ごとの画質を個別に評価することができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、眼科画像を被検眼の部位ごとに複数の領域に区分けし、処理部が、領域ごとに機械学習を行うことにより得られた領域ごとの学習済みモデルを有し、処理部が、区分部により区分された眼科画像の領域ごとに、領域に対応する学習済みモデルを用いて画質の評価を行う。これにより、領域ごとに異なる判断基準で画質評価を行うことができるので、領域ごとの画質評価を精度よく行うことができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、眼科画像をモニタに表示させる第1表示制御部であって、且つモニタに表示される眼科画像に対して、処理部から出力された領域ごとの画質の評価結果を段階的に識別可能に重畳表示させる第1表示制御部を備える。これにより、検者等が領域ごとの画質を容易に判別することができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、処理部が、区分部により複数の領域に区分された眼科画像に基づき、画質の良否を判定しさらに画質の不良の原因を判定する学習済みモデルを用いて、領域ごとの画質の良否と、画質が不良となる領域の原因とを評価する詳細評価を実行する。これにより、検者等が原因の判定を行う手間を減らすことができ、さらに原因の判定精度を向上させることができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、処理部による原因の評価結果をモニタに表示させる第2表示制御部を備える。これにより、検者等が原因の判定を行う手間を減らすことができ、さらに原因の判定精度を向上させることができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、原因と原因に対する対策とを対応付けた対策情報に基づき、処理部が評価した原因に対応する対策を決定する対策決定部を備え、第2表示制御部が、原因の評価結果と共に対策決定部が決定した対策をモニタに表示させる。これにより、検者等に対して対策の実行を促すことができ、その結果、眼科画像の再撮影時において画質不良となる領域の発生を防止することができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、被検眼を撮影する撮影部を制御する撮影制御部を備え、対策決定部が決定した対策が撮影部の撮影制御を変更するものである場合、撮影制御部が対策に基づき撮影制御を変更する。これにより、眼科画像の再撮影時において画質不良となる領域の発生を防止することができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、画像取得部が、被検眼の撮影が繰り返されるごとに眼科画像を取得し、画像取得部が眼科画像を取得するごとに、区分部が眼科画像の区分を実行し且つ処理部が領域ごとの詳細評価を実行し、処理部による領域ごとの詳細評価の結果に基づき、複数の眼科画像の共通の領域において同一の原因が発生している場合に、警告情報を出力する警告情報出力部を備える。これにより、検者等に対して上述の原因の対策の実行を促すことができ、その結果、眼科画像の再撮影時において画質不良となる領域の発生を防止することができる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、画像取得部が、被検眼の撮影が繰り返されるごとに眼科画像を取得し、画像取得部が眼科画像を取得するごとに、区分部が眼科画像の区分を実行し且つ処理部が領域ごとの画質の評価を実行し、処理部による複数の眼科画像の領域ごとの画質の評価結果に基づき、眼科画像内で画質が不良の領域である不良領域を、別の眼科画像内の不良領域に対応する領域であって且つ画質が良好な領域を用いて補完する補完処理部と、を備える。これにより、良好な眼科画像が得られる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、画像取得部が、被検眼を複数の撮影範囲に分割して撮影して得られた複数の眼科画像を取得し、画像取得部が眼科画像を取得するごとに、区分部が眼科画像の区分を実行し且つ処理部が領域ごとの画質の評価を実行し、画像取得部が取得した複数の眼科画像を連結して被検眼のパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成部と、を備え、パノラマ画像生成部が、互いに撮影範囲の一部が重複する眼科画像を第1眼科画像及び第2眼科画像とした場合に、処理部による複数の眼科画像の領域ごとの画質の評価結果に基づき、第1眼科画像と第2眼科画像との重複領域を、第1眼科画像及び第2眼科画像のうちで画質が良い方を用いて生成する。これにより、良好な眼科画像が得られる。
本発明の他の態様に係る眼科画像処理装置において、画像取得部が、眼科画像として被検眼の眼底像を取得する。
本発明の目的を達成するための眼科装置は、被検眼を撮影して眼科画像を出力する撮影部と、上述の眼科画像処理装置と、を備える。
本発明の目的を達成するための画質評価方法は、プロセッサが、被検眼を撮影した眼科画像を取得する処理と、眼科画像を複数の領域に区分する処理と、複数の領域に区分された眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、領域ごとの画質を評価する処理と、を実行する。
本発明の目的を達成するためのプログラムは、被検眼を撮影した眼科画像を取得する処理と、眼科画像を複数の領域に区分する処理と、複数の領域に区分された眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、領域ごとの画質を評価する処理と、をコンピュータに実行させる。なお、本発明は、上述のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。
本発明の目的を達成するための眼科画像処理システムは、被検眼を撮影して眼科画像を出力する撮影装置と、撮影装置とネットワークで接続されたサーバと、を備え、サーバが、撮影装置からネットワーク経由で眼科画像を取得する処理と、眼科画像を複数の領域に区分する処理と、複数の領域に区分された眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、領域ごとの画質を評価する処理と、を実行する。
本発明は、眼科画像内で被検眼の所望の部位に対応する領域の画質を評価することができる。
第1実施形態の眼科装置の斜視図である。 第1実施形態の眼科装置の構成を示したブロック図である。 区分部による眼底像の区分処理を説明するための説明図である。 CNNを適用した学習済みモデルの代表的な構成例を示した模式図である。 訓練データの第1例を説明するための説明図である。 訓練データの第2例を説明するための説明図である。 訓練データの第3例を説明するための説明図である。 第1実施形態の処理部による眼底像の領域ごとの画質評価の一例を説明するための説明図である。 表示制御部による眼底像の領域ごとの画質の評価結果の表示の一例を説明するための説明図である。 第1実施形態の眼科装置による眼底像の撮影処理の流れを示したフローチャートである。 第2実施形態の眼科装置の構成を示したブロック図である。 第2実施形態の区分部による眼底像の区分処理について説明するための説明図である。 第1学習済みモデルから第9学習済みモデルの機械学習(教師あり学習)に用いられる訓練データの一例を説明するための説明図である。 第2実施形態の処理部による眼底像の領域ごとの画質評価の一例を説明するための説明図である。 CNNを適用した第3実施形態の学習済みモデルの代表的な構成例を示した模式図である。 第3実施形態の学習済みモデルの機械学習(教師あり学習)に用いられる訓練データを説明するための説明図である。 第3実施形態の学習済みモデルの機械学習(教師あり学習)に用いられる訓練データを説明するための説明図である。 第3実施形態の処理部による眼底像の領域ごとの画質評価の一例を説明するための説明図である。 第3実施形態の表示制御部による眼底像及びカラーマップの重畳表示を説明するための説明図である。 第4実施形態の眼科装置の構成を示したブロック図である。 第4実施形態の表示制御部による眼底像及びカラーマップの重畳表示を説明するための説明図である。 第5実施形態の眼科装置の構成を示したブロック図である。 警告制御部による警告情報の表示制御を説明するための説明図である。 第6実施形態の眼科装置の構成を示したブロック図である。 補完処理部による補完処理を説明するための説明図である。 補完処理部による補完処理の応用例を説明するための説明図である。 第7実施形態の眼科装置の構成を示したブロック図である。 パノラマ画像生成部によるパノラマ画像の生成を説明するための説明図である。 本発明を適用した眼科画像処理システム100の概略図である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の眼科装置10の斜視図である。なお、図中のX方向は被検者を基準とした左右方向であり、Y方向は上下方向であり、Z方向は被検者に近づく前方向と被検者から遠ざかる後方向とに平行な前後方向(作動距離方向ともいう)である。
図1に示すように、眼科装置10は、眼底カメラと、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いて断層像を得る光干渉断層計と、を組み合わせた複合機である。眼科装置10は、被検眼の眼底の正面画像である眼底像24(図2参照)と眼底のOCT画像25(図2参照)との撮影を行う。この眼科装置10は、ベース11と、顔支持部12と、架台13と、測定ヘッド14と、を備える。
ベース11上には架台13が設けられている。
顔支持部12は、測定ヘッド14のZ方向の前方向側の位置において、ベース11と一体に設けられている。この顔支持部12は、Y方向(上下方向)に位置調整可能な顎受け12a及び額当て12bを有しており、被検者の顔を測定ヘッド14の対物レンズ19に対向する位置に支持する。
顔支持部12には外部固視灯15が設けられている。外部固視灯15は、固視光を出射する光源を有し、この光源の位置及び固視光の出射方向を任意に調整することができる。この外部固視灯15は外部固視に用いられる。外部固視は、外部固視灯15の光源の位置を調整することで被検眼を任意の方向に回旋させたり、或いは内部固視時よりも大きく回旋させたり、或いは内部固視が行えない場合に被検眼又は僚眼の視線を誘導することで被検眼の向きを調整したりする固視方式である。
架台13は、ベース11に対してX方向及びZ方向(前後左右方向)に移動可能に設けられている。この架台13上には操作部16が設けられている。また、架台13上には測定ヘッド14がY方向(上下方向)に移動可能に設けられている。
また、架台13には電動駆動機構17(図2参照)が設けられている。電動駆動機構17は、モータ駆動機構等の公知のアクチュエータであり、後述の演算制御ユニット22(図2参照)の制御の下、架台13をXZ方向に移動させると共に測定ヘッド14をY方向に移動させる。これにより、被検眼に対して測定ヘッド14がXYZ方向に相対移動される。
操作部16は、架台13上で且つ測定ヘッド14のZ方向の後方向側(検者側)の位置に設けられている。操作部16には、眼科装置10の各種操作を行うための操作ボタンの他、操作レバー16aが設けられている。
操作レバー16aは、測定ヘッド14をXYZの各方向に手動で移動させるための操作部材である。例えば、操作レバー16aがZ方向(前後方向)又はX方向(左右方向)に傾倒操作されると、上述の電動駆動機構17(図2参照)により測定ヘッド14がZ方向又はX方向に移動される。また、操作レバー16aがその長手軸周りに回転操作されると、その回転操作方向に応じて、電動駆動機構17により測定ヘッド14がY方向(上下方向)に移動される。
測定ヘッド14には、後述の図2に示す眼底カメラユニット14a及びOCTユニット14bが内蔵されている。また、測定ヘッド14のZ方向の後方向側(検者側)の背面にはモニタ18(図2参照)が設けられている。また、測定ヘッド14のZ方向の前方向側(被検者側)の正面には対物レンズ19が設けられている。
モニタ18(図2参照)は、例えばタッチパネル式の液晶表示装置が用いられる。このモニタ18は、被検眼の各種の撮影データ、及び各種の設定操作のための入力画面などを表示する。
対物レンズ19は、眼底カメラユニット14a(図2参照)の一部を構成し且つZ方向に平行な光軸を有する。
測定ヘッド14の正面には、対物レンズ19を囲むように、対物レンズ19の周方向に沿って等間隔で配置された複数の固視灯(図示は省略)が設けられている。各固視灯は、操作部16での操作に応じて選択的に固視光をZ方向に出射する。各固視孔は、周辺固視及び被検眼の隅角(虹彩の端)の撮影等に用いられる。周辺固視は、各固視孔を選択的に点灯させることで所望の方向に被検眼を大きく回旋させる固視方式である。
また、測定ヘッド14の正面には、対物レンズ19をその左右から挟み込むようにステレオカメラ20が設けられている。このステレオカメラ20は、被検眼に対する測定ヘッド14のオートアライメントに用いられる。なお、眼底カメラユニット14aがオートアライメント用の被検眼の前眼部像26(図2参照)を撮影可能である場合には、ステレオカメラ20を省略してもよい。
図2は、第1実施形態の眼科装置10の構成を示したブロック図である。図2に示すように、眼底カメラユニット14aは、本発明の撮影部に相当するものであり、対物レンズ19を通して被検眼の眼底を撮影して、この眼底の正面画像である眼底像24(本発明の眼科画像に相当)を後述の演算制御ユニット22へ出力する。この眼底カメラユニット14aの具体的な構成については公知技術(上記特許文献1参照)であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
OCTユニット14bは、被検眼の眼底のOCT画像25の取得に用いられる干渉光学系を備える。なお、OCTユニット14bの具体的な構成についても公知技術(上記特許文献1参照)であるので、ここでは具体的な説明は省略する。OCTユニット14bは、眼底を経由した信号光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル成分を検出して検出信号SDを演算制御ユニット22へ出力する。
ステレオカメラ20は、被検眼に対する測定ヘッド14のオートアライメント時に、被検眼の前眼部を連続撮影し、この前眼部の観察像である前眼部像26を演算制御ユニット22へ出力する。
演算制御ユニット22は、本発明の眼科画像処理装置及びコンピュータに相当するものであり、例えばベース11、架台13、又は測定ヘッド14の内部に設けられている。なお、演算制御ユニット22が眼科装置10の筐体の外部に設けられていてもよい。演算制御ユニット22には、眼底カメラユニット14a、OCTユニット14b、操作部16、電動駆動機構17、及びモニタ18等が接続されている。
演算制御ユニット22は、統括制御部30、記憶部32、画像形成部34、及びデータ処理部36を備える。
記憶部32は、統括制御部30が実行するプログラム38及び後述する学習済みモデル39を記憶する記録媒体(記憶媒体)であり、公知の各種ストレージが用いられる。また、記憶部32には、眼底像24及びOCT画像25等の画像データの他に、被検者情報なども記憶される。
画像形成部34は、OCTユニット14bから出力された検出信号SDを解析して被検眼の眼底のOCT画像25を形成する。なお、OCT画像25の具体的な形成方法は公知技術であるのでここでは説明は省略する。データ処理部36は、眼底カメラユニット14aにより撮影された眼底像24、及び画像形成部34により形成されたOCT画像25などに対して画像処理等を施す。
統括制御部30は、眼底カメラユニット14a、OCTユニット14b、操作部16、電動駆動機構17、及びモニタ18等の眼科装置10の各部の動作を統括制御する。また、統括制御部30は、オートアライメント及び眼底像24の画質の評価を実行する。
統括制御部30の機能は、各種のプロセッサ(Processor)を用いて実現される。各種のプロセッサには、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びプログラマブル論理デバイス[例えばSPLD(Simple Programmable Logic Devices)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、及びFPGA(Field Programmable Gate Arrays)]等が含まれる。なお、統括制御部30の各種機能は、1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサで実現されてもよい。
統括制御部30は、記憶部32から読み出したプログラム38を実行することにより、アライメント制御部40、ユニット制御部42、画像取得部44、区分部46、処理部48、及び表示制御部50として機能する。なお、演算制御ユニット22の「~部」として説明するものは「~回路」、「~装置」、又は「~機器」であってもよい。すなわち、「~部」として説明するものは、ファームウェア、ソフトウェア、及びハードウェアまたはこれらの組み合わせのいずれで構成されていてもよい。
アライメント制御部40は、ステレオカメラ20から出力された被検眼の前眼部像26に基づき、測定ヘッド14に対する被検眼の相対位置(三次元位置)を演算する(特開2013-248376号公報参照)。次いで、アライメント制御部40は、被検眼の相対位置の演算結果に基づき電動駆動機構17を駆動して、被検眼に対する測定ヘッド14のオートアライメントを実行する。
ユニット制御部42は、オートアライメントの完了後に作動して、被検眼の眼底像24及びOCT画像25の撮影を実行する。具体的にはユニット制御部42は、眼底カメラユニット14aを駆動して被検眼の眼底を撮影する。これにより、眼底カメラユニット14aから眼底像24(画像データ)が出力される。また、ユニット制御部42は、OCTユニット14b、及び画像形成部34等を駆動して眼底のOCT画像25の撮影を実行する。
画像取得部44は、眼底カメラユニット14aからの眼底像24の入力と、OCTユニット14bからの検出信号SDの入力とを受け付ける入力インタフェースとして機能する。画像取得部44は、眼底カメラユニット14aから眼底像24が入力されるごとに、この眼底像24を区分部46へ出力する。また、画像取得部44は、OCTユニット14bから検出信号SDが入力されるごとに、この検出信号SDを画像形成部34へ出力する。
図3は、区分部46による眼底像24の区分(分割)処理を説明するための説明図である。図3の符号3A,3Bに示すように、区分部46は、画像取得部44から入力された眼底像24を複数の領域24aに区分けする。具体的には区分部46が、眼底像24を格子状に3×3=9個の領域24a(第1領域24aから第9領域24a)に区分けする。これにより、眼底像24がその中心領域(第5領域24a)とその周囲の8個の周辺領域(第1領域24a~第4領域24a、第6領域24a~第9領域24a)とに区分けされる。
なお、ここでいう区分けとは、眼底像24を仮想的に9個の領域24aに分けること(すなわち領域設定)と、眼底像24を実際に9個の領域24aに分割することの両方が含まれる。また、後者の場合には、眼底像24内での各領域24aの位置を示す領域情報54(図6参照)を領域24aごとに付加することが好ましい。以下、区分部46は、画像取得部44から眼底像24が入力されるごとに、その区分けを行う。
また、本実施形態では、区分部46により眼底像24を格子状に区分けしているが、例えば同心円状に区分けしたり、或いはETDRS(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)グリッドのような形状に区分けしたりしてもよく、区分形状は特に限定はされない(後述の第2実施形態以降も同様)。さらに、眼底像24の区分数も9個に限定されるものではなく適宜変更可能である。
図2に戻って、処理部48は、プログラム38に基づいて、区分部46により区分された眼底像24の領域24aごとに領域24aの画質の良否を評価する。具体的には処理部48は、記憶部32から取得した学習済みモデル39を用いて、眼底像24の領域24aごとにその画質の良否の判定(分類)を行う。なお、図中ではプログラム38と学習済みモデル39とが記憶部32内に別々に記憶されているが、プログラム38に学習済みモデル39が包含されていてもよい。また、処理部48が、学習済みモデル39を記憶部32から取得する代わりに、例えば眼科装置10のメーカのサーバ(不図示)から学習済みモデル39を取得してもよい(第2実施形態以降も同様)。
図4は、公知のCNNを適用した学習済みモデル39の代表的な構成例を示した模式図である。図4に示すように、学習済みモデル39は、区分部46により区分された各領域24a(画像)内の色情報及び画素値の勾配等に基づき各領域24a内の特徴量を算出し、各領域24a内の特徴量に基づき各領域24aの画質を「GOOD」及び「BAD」の2クラスのいずれかに分類する。
学習済みモデル39(CNN)は、入力層39aと中間層39bと出力層39cとを備える。入力層39a、中間層39b、及び出力層39cは、複数の「ノード」が「エッジ」で結ばれる構造となっている。
入力層39aには、区分部46により各領域24aに区分された眼底像24が入力される(図8参照)。
中間層39bは、畳み込み層とプーリング層から構成された複数セット、及び全結合層を有しており、入力層39aから入力された眼底像24(各領域24a)から特徴量を抽出する。畳み込み層は、前の層で近くにあるノードにフィルタ処理し(フィルタを使用した畳み込み演算を行い)、「特徴マップ」を取得する。プーリング層は、畳み込み層から出力された特徴マップを縮小して新たな特徴マップとする。このように「畳み込み層」は、画像からのエッジ抽出等の特徴抽出の役割を担い、「プーリング層」は抽出された特徴が、平行移動などによる影響を受けないようにロバスト性を与える役割を担う。
なお、中間層39bは、畳み込み層及びプーリング層を1セットとする構成に限らず、畳み込み層が連続する構成又は正規化層を有する構成も含まれる。
全結合層は、前の層の全てのノードと重み付き結合し、活性化関数によって変換された値(特徴変数)を出力する部分である。本実施形態の全結合層は、各領域24aの画質の分類(「GOOD」、「BAD」)ごとの特徴変数を出力する。
出力層39cは、推論部として機能し、全結合層からの出力値(特徴変数)に基づき、ソフトマックス関数等を用いて、分類する各クラス(「GOOD」、「BAD」)に対するスコア(0~1又は0%~100%)を算出する。各クラスのスコアの合計は「1」又は「100%」である。次いで、出力層39cは、各クラスのうちでスコアが最大となるクラスと、そのクラスのスコアとを分類結果として出力する。なお、出力層39cから出力されるスコアは、領域24aの画質を示す評価値(画質評価値)となる。
このような学習済みモデル39の中間層39bの各畳み込み操作にて使用されるフィルタのパラメータ、及び全結合層の重み係数等は、予め多数の訓練データ52(学習データともいう、図5~図7参照)を用いた機械学習により最適化されている。機械学習には、教師あり学習、教師なし学習、強化学習などがある。また、転移学習によりパラメータ及び重み付け係数を更新してもよい。なお、本実施形態では、機械学習として「教師あり学習」を例に挙げて説明を行う。以下、学習済みモデル39の機械学習(教師あり学習)に用いられる訓練データ52の第1例から第3例の説明を行う。
図5は、訓練データ52の第1例を説明するための説明図である。図5に示すように、第1例の訓練データ52としては、各領域24aに区分け(領域設定)された複数の眼底像24が用いられる。なお、複数の訓練データ52(眼底像24)の領域24aごとに、予め画質(「GOOD」又は「BAD」)を評価した結果である正解ラベルが対応付けられている。従って、教師あり学習に用いられる訓練データ52は教師データともいう。各領域24aに区分された1枚の眼底像24を訓練データ52として用いることで、学習済みモデル39が各領域24aの画質と位置関係との関連を学習させたものになるので、学習済みモデル39により各領域24aの位置関係も考慮した画質評価が可能となる。その結果、画質評価の精度を向上させることができる。
図6は、訓練データ52の第2例を説明するための説明図である。図6に示すように、第2例の訓練データ52としては、正解ラベルが対応付けられた複数の領域24a(画像データ)が用いられる。この際に、第1例の訓練データ52と同様に、学習済みモデル39により各領域24aの位置関係も考慮した画質評価を行うために、訓練データ52を構成する各領域24aに眼底像24内での位置(位置座標)を示す領域情報54が付加されていることが好ましい。なお、領域情報54については省略してもよい。
図7は、訓練データ52の第3例を説明するための説明図である。図7に示すように、第3例の訓練データ52としては、各領域24aに区分されていない複数の眼底像24が用いられる。各訓練データ52(眼底像24)には正解ラベルが対応付けられている。各領域24aに区分されていない訓練データ52であっても画質の「GOOD」の特徴及び「BAD」の特徴を学習済みモデル39に学習させられるので、各領域24aの画質の評価に用いることができる。
図8は、第1実施形態の処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質評価、すなわち画質の良否の判定(分類)の一例を説明するための説明図である。
図8に示すように、処理部48は、記憶部32から学習済みモデル39を取得することで、眼底像24の領域24aごとの画質の良否を判定する判定器(分類する分類器)として機能する。この処理部48は、区分部46により各領域24aに区分けされた眼底像24を学習済みモデル39に入力する。ここでいう学習済みモデル39に対する「各領域24aに区分けされた眼底像24」の入力には、仮想的に9個の領域24aに区分けされた眼底像24を入力すること、及び実際に分割された9個の領域24aを入力することの両方が含まれる。なお、後者の場合には既述の通り、領域情報54を各領域24aに付加することが好ましい。
処理部48は、各領域24aに区分けされた眼底像24を学習済みモデル39に入力することで、眼底像24の領域24aごとにその画質の評価結果、すなわち画質の良否の判定結果(分類結果)であるクラス(「GOOD」又は「BAD」)を出力すると共にそのスコアを出力する。以下、処理部48は、区分部46が眼底像24の区分けを行うごとに、学習済みモデル39に対して「各領域24aに区分けされた眼底像24」を入力して、領域24aごとの画質の評価結果を出力する。
図2に戻って、表示制御部50はモニタ18の表示を制御する。この表示制御部50は、処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質の評価結果をモニタ18に表示させる。
図9は、表示制御部50による眼底像24の領域24aごとの画質の評価結果の表示の一例を説明するための説明図である。図9に示すように、表示制御部50は、本発明の第1表示制御部に相当するものであり、処理部48による領域24aごとの画質の評価結果に基づき、眼底像24と、その領域24aごとの画質を段階的に識別可能なカラーマップ56と、をモニタ18に重畳表示させる。
具体的には表示制御部50は、眼底像24の各領域24aの中で「GOOD」のスコアが任意の閾値[例えば0.7(70%)]以上である領域24aを、画質が「GOOD」であるとして例えば「緑色」で表示する。また、表示制御部50は、眼底像24の各領域24aの中で「GOOD」のスコアが0.5(50%)よりも大きく且つ上記閾値未満である領域24aを、画質が「NORMAL」であるとして例えば「黄色」で表示する。さらに、表示制御部50は、眼底像24の各領域24aの中で「BAD」のスコアが0.5(50%)よりも大きい領域24aを、画質が「BAD」であるとして例えば「赤色」で表示する。これにより、眼底像24の領域24aごとの画質を3段階で識別可能なカラーマップ56を眼底像24に重畳表示させることができる。
なお、上述の3段階の区別基準については上述の方法に限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、本実施形態では、領域24aごとの画質を3段階で識別可能なカラーマップ56を眼底像24に重畳表示させているが、画質を2段階又は4段階以上で識別可能なカラーマップ56を眼底像24に重畳表示させてもよい。さらに、眼底像24にカラーマップ56を重畳表示させる代わりに、「GOOD」、「NORMAL」、及び「BAD」の文字情報、或いは既述の図8に示したようなクラス(「GOOD」又は「BAD」)及びそのスコアを重畳表示させてもよい。
[第1実施形態の作用]
図10は、本発明の画質評価方法に係る第1実施形態の眼科装置10による眼底像24の撮影処理の流れを示したフローチャートである。なお、OCT画像25の撮影については公知技術であるので、ここでは具体的な説明は省略する。
図10に示すように、眼科装置10の電源がONされると、統括制御部30が記憶部32からプログラム38を読み出して実行する(ステップS1)。これにより、統括制御部30が、アライメント制御部40、ユニット制御部42、画像取得部44、区分部46、処理部48、及び表示制御部50として機能する。
顔支持部12による被検者の顔の支持が完了すると、操作部16に対する測定開始操作の入力に応じて、ステレオカメラ20による被検眼の前眼部の撮影及び前眼部像26の出力とが実行される(ステップS2)。そして、アライメント制御部40が、ステレオカメラ20から入力された前眼部像26に基づき測定ヘッド14に対する被検眼の相対位置を検出した後、電動駆動機構17を駆動して被検眼に対する測定ヘッド14のオートアライメントを実行する(ステップS3)。
オートアライメントが完了すると、ユニット制御部42は、眼底カメラユニット14aを作動させて被検眼の眼底の撮影を実行させる。これにより、眼底カメラユニット14aから眼底像24が出力され、この眼底像24を画像取得部44が取得する(ステップS4)。そして、画像取得部44は、眼底像24を区分部46に出力する。
そして、既述の図3に示したように、区分部46が、眼底像24を複数の領域24aに区分けする区分け処理を実行し、各領域24aに区分けされた眼底像24を処理部48に入力する(ステップS5)。
次いで、既述の図8に示したように、処理部48が、記憶部32から学習済みモデル39を取得し、この学習済みモデル39に対して各領域24aに区分けされた眼底像24を入力することで、領域24aごとの画質の評価結果(クラス及びスコア)を出力する(ステップS6)。これにより、被検眼の眼底の所望の部位(乳頭、黄斑等)に対応する領域24aの画質を評価することができる。
そして、既述の図9に示したように、表示制御部50が、処理部48による領域24aごとの画質の評価結果に基づき、領域24aごとの画質を段階的に識別可能なカラーマップ56を眼底像24に重畳表示させる(ステップS7)。これにより、検者等は、眼底像24内の所望の部位(乳頭、黄斑等)に対応する領域24aの画質の良否を容易に判別することができる。
検者は、眼底像24内の所望の部位に対応する領域24aの画質が不良である場合には、操作部16に対して再測定操作を入力する(ステップS8でYES)。これにより、既述のステップS4からステップS7までの処理が繰り返し実行される。以下、眼底像24内の所望の部位に対応する領域24aの画質が良好になるまで、上述の一連の処理が繰り返し実行される(ステップS8でNO)。
以上のように第1実施形態では、学習済みモデル39を用いて眼底像24の領域24aごとの画質を評価することで、眼底像24の画質をその部位ごとに評価することができる。これにより、眼底像24内の所望の部位に対応する領域24aの画質の良否が判定可能となる。また、この部位に対応する領域24a以外で画質不良が発生した場合に、眼底像24の再撮影を検者に促してしまうことが防止される。
[第2実施形態]
図11は、第2実施形態の眼科装置10の構成を示したブロック図である。上記第1実施形態の眼科装置10(処理部48)では、共通の学習済みモデル39を用いて眼底像24の領域24aごとの画質評価を行っているが、第2実施形態では、領域24aごとに互いに異なる学習済みモデル39を用いて領域24aごとの画質評価を行う。すなわち、第2実施形態では、領域24aごとに異なる判断基準で画質評価を行う。
図11に示すように、第2実施形態の眼科装置10は、上記第1実施形態とは異なる学習済みモデル39が記憶部32内に記憶されている点を除けば、上記第1実施形態と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
図12は、第2実施形態の区分部46による眼底像24の区分処理について説明するための説明図である。図12に示すように、第2実施形態の区分部46は、第1実施形態と同様に、眼底像24を格子状に複数(例えば9個)の領域24aに区分する。この際に、第2実施形態の区分部46は、既知の眼底の各部位(組織)の形状及び位置関係に基づき、眼底像24を眼底の部位ごとに複数の領域24aに区分けする、より具体的には眼底の複数の特定部位(乳頭、黄斑等)の画像を互いに異なる領域24aに区分けする。これにより、例えば、眼底像24内において乳頭(第4領域24a)と黄斑(第5領域24a)とが互いに異なる領域24aに区分けされる。
図11に戻って、第2実施形態の学習済みモデル39は、区分部46により区分けされる9個の領域24aに対応した第1学習済みモデル39A、第2学習済みモデル39B、第3学習済みモデル39C、第4学習済みモデル39D、第5学習済みモデル39E、第6学習済みモデル39F、第7学習済みモデル39G、第8学習済みモデル39H、及び第9学習済みモデル39Iを含む。
第1学習済みモデル39Aから第9学習済みモデル39Iは、第1実施形態の学習済みモデル39と同様に、CNNを適用したものである。第1学習済みモデル39Aは、第1領域24aの画質評価、すなわちクラス(「GOOD」又は「BAD」)及びスコアの出力を行う。第2学習済みモデル39Bは、第2領域24aの画質評価を行う。以下同様に、第3学習済みモデル39Cから第9学習済みモデル39Iは、それぞれ第3領域24aから第9領域24aの画質評価を行う。
図13は、第1学習済みモデル39Aから第9学習済みモデル39Iの機械学習(教師あり学習)に用いられる訓練データ52の一例を説明するための説明図である。図13に示すように、「N」を1から9の任意の自然数とした場合に、第N学習済みモデル39Aの訓練データ52としては、正解ラベルが対応付けられた複数の第N領域24aの画像データが用いられる。これにより、領域24aごとに異なる判断基準で画質評価を行うことができる。なお、図示は省略するが、上記第1実施形態と同様に各訓練データ52に領域情報54(図6参照)が付加されていてもよい。
図14は、第2実施形態の処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質評価の一例を説明するための説明図である。
図14に示すように、第2実施形態の処理部48は、記憶部32から各学習済みモデル39A~39Iを予め取得する。そして、処理部48は、区分部46により区分けされた眼底像24の第1領域24aを第1学習済みモデル39Aに入力し、第2領域24aを第2学習済みモデル39Bに入力し、以下同様に第3領域24aから第9領域24aをそれぞれ対応する第3学習済みモデル39Cから第9学習済みモデル39Iに入力する。これにより、処理部48は、第1実施形態と同様に眼底像24の領域24aごとにその画質の評価結果(クラス及びスコア)を出力する。
以下、第1実施形態と同様に表示制御部50が、眼底像24の領域24aごとの画質の評価結果に基づき、眼底像24及びカラーマップ56をモニタ18に重畳表示させる。
以上のように第2実施形態では、眼底像24の各領域24a(特に乳頭及び黄斑等の特定部位)にそれぞれ対応(特化)した各学習済みモデル39A~39Iを用いて領域24aごとの画質評価を個別に行うことで、領域24aごとに異なる判断基準で画質評価を行うことができる。その結果、領域24aごとの画質評価を精度よく行うことができる。
なお、第2実施形態では、眼底像24の各領域24aにそれぞれ対応した各学習済みモデル39A~39Iを用いて領域24aごとの画質評価を行っているが、さらに左右眼で異なる各学習済みモデル39A~39Iを用いて、左右眼の眼底像24の領域24aごとの画質評価を行ってもよい。この場合には、処理部48は、眼底像24内のマスクの形状、黄斑の位置、及び血管走行形状等から眼底像24が左右眼のいずれを撮影したものであるかを判別し、各領域24aを対応する各学習済みモデル39A~39I(左眼用又は右眼用)に入力する。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の眼科装置10について説明を行う。上記各実施形態では、処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質の良否を判定(分類)しているが、さらに第3実施形態では画質不良の原因の分類も行う詳細評価を行う。
第3実施形態の眼科装置10は、上記第1実施形態とは異なる学習済みモデル39が記憶部32内に記憶されている点を除けば、上記第1実施形態と基本的に同じ構成である。このため、上記第1実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
図15は、公知のCNNを適用した第3実施形態の学習済みモデル39の代表的な構成例を示した模式図である。図15に示すように、第3実施形態の学習済みモデル39は、上記第1実施形態と基本的に同じ構成であるが、各領域24aの画質を「GOOD」及び複数種類の画質不良の原因のいずれかに分類する。この画質不良の原因としては、フレアが発生する「フレア」、ピントずれ(焦点ずれ)による「ピンぼけ」、被検眼が小瞳孔になることで画像が暗くなる「小瞳孔(暗)」、白内障により画像が不鮮明になる白内障、画像の位置ずれが発生している「位置ずれ」、ゴーストが発生する「ゴースト」、涙液が映る「涙液」、まつ毛が映る「まつ毛」、その他の異物が映る「異物」等が例として挙げられる。
第3実施形態の中間層39bの全結合層は、各領域24aの画質の分類(「GOOD」、「フレア」、「ピンぼけ」、…)ごとの特徴変数を出力する。また、第3実施形態の出力層39cは、全結合層からの出力値(特徴変数)に基づき、ソフトマックス関数等を用いて、分類する各クラス(「GOOD」、「フレア」、「ピンぼけ」、…)に対するスコア(0~1又は0%~100%)を算出し、各クラスのうちでスコアが最大となるクラスとそのスコアとを出力する。
図16及び図17は、第3実施形態の学習済みモデル39の機械学習(教師あり学習)に用いられる訓練データ52を説明するための説明図である。図16及び図17に示すように、第3実施形態の学習済みモデル39の教師あり学習に用いられる訓練データ52は、基本的には既述の図5及び図6に示した第1実施形態の訓練データ52と同じであるが、各領域24aには第1実施形態とは異なる正解ラベル(「GOOD」、「フレア」、「ピンぼけ」、…)が対応付けられている。
図18は、第3実施形態の処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質評価の一例を説明するための説明図である。図18に示すように、第3実施形態の処理部48は、区分部46により各領域24aに区分けされた眼底像24を学習済みモデル39に入力して、領域24aごとの画質の評価結果、すなわち画質の良否及び画質不良原因の判定結果(分類結果)であるクラス(「GOOD」、「フレア」、「ピンぼけ」、…のいずれか)及びそのスコアを出力する。これにより、眼底像24の領域24aごとの画質の良否に加えてさらに画質不良の原因を評価する詳細評価を実行することができる。
図19は、第3実施形態の表示制御部50による眼底像24及びカラーマップ56の重畳表示を説明するための説明図である。図19に示すように、第3実施形態の表示制御部50は、本発明の第1表示制御部及び第2表示制御部として機能する。この表示制御部50は、処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質の詳細評価結果に基づき、既述の図9に示した第1実施形態と同様のカラーマップ56と眼底像24とをモニタ18に重畳表示させるが、さらに画質不良(「BAD」)の領域24aにはその原因を示す情報も合わせてモニタ18に表示させる。これにより、検者(被検者でも可)が画質不良の領域24aの原因を容易に判別することができる。
以上のように第3実施形態では、処理部48が眼底像24の領域24aごとの画質の良否だけではなく、画質不良の領域24aの原因についても学習済みモデル39を用いて自動的に判定(分類)可能であるので、検者等が原因の判定を行う手間を減らすことができ、さらに原因の判定精度を向上させることができる。
なお、上記第3実施形態において上記第2実施形態と同様に、区分部46により区分けされる9個の領域24aに対応した9個の各学習済みモデル39A~39Iを用いて眼底像24の領域24aごとの画質の詳細評価を行ってもよい(後述の第4実施形態以降も同様)。
また、上記第3実施形態では、処理部48が1つの学習済みモデル39を用いて眼底像24の領域24aごとの画質の良否及び画質不良の領域24aの原因の判定を行っているが、画質の良否の判定に用いられる学習済みモデル39と、画質不良の領域24aの原因の判定に用いられる学習済みモデル39とを分けてもよい。
[第4実施形態]
図20は、第4実施形態の眼科装置10の構成を示したブロック図である。上記第3実施形態の眼科装置10では処理部48が学習済みモデル39を用いて画質不良の領域24aの原因の判定(分類)を行っているが、さらに第4実施形態では画質不良の原因に対する対策を被検者等に提示する。
図20に示すように、第4実施形態の眼科装置10は、記憶部32内に対策情報60が記憶され且つ統括制御部30がさらに対策決定部62として機能する点を除けば、上記第3実施形態と基本的に同じ構成である。このため、上記第3実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
対策情報60は、領域24aが画質不良となる複数の原因(「フレア」、「ピンぼけ」、…)と、原因ごとの対策と、を関連付けた情報であり、眼科装置10のメーカ等により生成されて予め記憶部32内に記憶されている。なお、対策情報60を予め記憶部32に記憶させておく代わりにメーカ等のサーバから取得してもよい。
対策決定部62は、処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質の詳細評価結果に基づき、記憶部32内の対策情報60を参照して、画質不良となる領域24aごとに画質不良の原因に対応した対策を決定する。
図21は、第4実施形態の表示制御部50による眼底像24及びカラーマップ56の重畳表示を説明するための説明図である。図21に示すように、第4実施形態の表示制御部50は、既述の図19に示した第3実施形態と同様に、眼底像24とカラーマップ56とをモニタ18に重畳表示させると共に、画質不良の領域24aにはその原因を示す情報も合わせてモニタ18に表示させる。さらに第4実施形態の表示制御部50は、対策決定部62の決定結果に基づき、画質不良となる領域24aごとに画質不良の原因に対する対策を表示させる。これにより、検者等に対して画質不良の原因に対する対策を提示することができる。
また、第4実施形態のユニット制御部42は、画質不良の原因が「ピントずれ」であり、対策決定部62が眼底カメラユニット14aの撮影制御(フォーカス制御)を変更する「対策A」を決定した場合、この対策Aに基づき眼底カメラユニット14aの撮影制御を変更する所謂フィードバック制御を行う。これにより、ピントずれの発生を抑えることができる。この場合、ユニット制御部42は本発明の撮影制御部として機能する。
以上のように第4実施形態では、画質不良となる眼底像24の領域24aごとに画質不良の原因に対する対策を表示させることで、検者等に対してその対策の実行を促すことができ、その結果、眼底像24の再撮影時において画質不良となる領域24aの発生を防止することができる。これにより、眼底像24の再撮影の回数を減らすことができる。
[第5実施形態]
図22は、第5実施形態の眼科装置10の構成を示したブロック図である。上記第3実施形態及び第4実施形態の眼科装置10では、処理部48が学習済みモデル39を用いて眼底像24の領域24aごとの画質の詳細評価(画質の良否及び画質不良の原因の評価)を行っているが、さらに第5実施形態では原因の評価結果が特定の条件を満たした場合に後述の警告情報68(図23参照)をモニタ18に表示させる。
図22に示すように、第5実施形態の眼科装置10は、統括制御部30がさらに警告制御部66として機能する点を除けば、上記第3実施形態及び第4実施形態と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
警告制御部66は、既述の表示制御部50及びモニタ18と共に本発明の警告情報出力部として機能する。この警告制御部66は、画像取得部44による眼底像24の取得と、区分部46による眼底像24の区分処理と、処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質の詳細評価と、が繰り返し実行された場合に作動する。
図23は、警告制御部66による警告情報68の表示制御を説明するための説明図である。図23に示すように、警告制御部66は、処理部48による複数の眼底像24の領域24aごとの画質の詳細評価に基づき、共通の領域24a(ここでは第1領域24a)において同一の画質不良の原因(ここでは「異物」)が発生している特定の条件が満たされた場合に、表示制御部50を介してモニタ18に警告情報68を表示させる。
例えば、警告制御部66は、各眼底像24の共通の領域24aにおいて眼底カメラユニット14aのレンズの傷或いはレンズへの異物付着等に起因する「異物」が発生している場合、眼底カメラユニット14aに異常が生じている旨の警告情報68をモニタ18に表示させる。なお、警告制御部66は、警告情報68をモニタ18に表示させる代わりに、不図示のスピーカから警告情報68を音声出力させてもよい。
以上のように第5実施形態では、各眼底像24の共通の領域24aで同一の画質不良の原因が発生している場合に警告情報68の出力を行うことで、検者等に対してその対策の実行を促すことができ、その結果、眼底像24の再撮影時において画質不良となる領域24aの発生を防止することができる。これにより、眼底像24の再撮影の回数を減らすことができる。
[第6実施形態]
図24は、第6実施形態の眼科装置10の構成を示したブロック図である。この第6実施形態の眼科装置10では、処理部48による複数の眼底像24の領域24aごとの画質評価に基づき、画質不良の領域24aの補完処理を行う。
図24に示すように、第6実施形態の眼科装置10は、統括制御部30がさらに補完処理部70として機能する点を除けば、上記各実施形態と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
補完処理部70は、眼底カメラユニット14aによる被検眼の眼底の同一(略同一を含む)の撮影範囲(画角)の撮影と、画像取得部44による眼底像24の取得と、区分部46による眼底像24の区分処理と、処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質評価(詳細評価を含む)と、が繰り返し実行された場合に作動する。
図25は、補完処理部70による補完処理を説明するための説明図である。なお、図中において符号71は、眼底像24内で画質不良の領域24aである不良領域である。図25に示すように、補完処理部70は、処理部48による複数の眼底像24の領域24aごとの画質評価結果に基づき、ある眼底像24内の不良領域71を、この不良領域71に対応する別の眼底像24内の領域24aであって且つ画質が良好な領域24aを用いて公知の補完処理を実行する。眼底像24の再撮影を行った場合に、眼底像24ごとに画質不良(フレア、涙液等)となる領域24aの位置が変わる場合があるが、補完処理部70により補完処理を行うことで画質が良好な眼底像24を生成することができる。
図26は、補完処理部70による補完処理の応用例を説明するための説明図である。図26の符号XXVIAに示すように、眼底像24の撮影範囲(画角)の中心にはゴースト72が発生し易い。このため、処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質評価結果に基づき、眼底像24の中心の領域24aにおいてゴースト72等の不良が発生している場合には、図26の符号XXVIBに示すように、既述の内部固視或いは外部固視により被検眼の向きを変えた状態で眼底カメラユニット14aによる眼底の再撮影を行う。これにより、新たな眼底像24である眼底像24-1が取得される。
そして、補完処理部70は、眼底像24及び眼底像24-1内の黄斑の位置及び血管走行形状等を比較して、眼底像24内のゴースト72の発生部位に対応する眼底像24-1内の対応部位73の位置を判別する。次いで、補完処理部70は、処理部48による眼底像24-1の領域24aごとの画質評価結果に基づき、対応部位73を含む領域24aの画質が良好である場合は、眼底像24内のゴースト72の発生部位を、眼底像24-1内の対応部位73を用いて補完処理する。
以上のように第6実施形態では、処理部48による複数の眼底像24の領域24aごとの画質評価に基づき、画質不良の領域24aの補完処理を行うことで、良好な眼底像24を生成することができる。
[第7実施形態]
図27は、第7実施形態の眼科装置10の構成を示したブロック図である。この第7実施形態の眼科装置10ではパノラマ画像82の生成を行う。
図27に示すように、第7実施形態の眼科装置10は、統括制御部30がさらにパノラマ画像生成部80として機能する点を除けば、上記各実施形態と基本的に同じ構成である。このため、上記各実施形態と機能又は構成上同一のものについては、同一符号を付してその説明は省略する。
第7実施形態の眼底カメラユニット14aは、被検眼の眼底を複数の撮影範囲(画角)に分割して撮影する。具体的には、既述の内部固視或いは外部固視により被検眼の向きを変えながら眼底の撮影を複数回実行する。これにより、眼底を複数に分割して撮影した眼底像24が得られる。各眼底像24の撮影範囲は、他の少なくとも1つの眼底像24の撮影範囲と一部重複している。
第7実施形態の画像取得部44は、眼底カメラユニット14aが被検眼の眼底を分割撮影するごとに、眼底カメラユニット14aから眼底像24を取得する。また、画像取得部44が眼底像24を取得するごとに、上記各実施形態と同様に、第7実施形態の区分部46による眼底像24の区分処理と、第7実施形態の処理部48による眼底像24の領域24aごとの画質評価と、が繰り返し実行される。
図28は、パノラマ画像生成部80によるパノラマ画像82の生成を説明するための説明図である。図28に示すように、パノラマ画像生成部80は、画像取得部44が取得した複数の眼底像24を公知の手法で連結してパノラマ画像82を生成する。
この際にパノラマ画像生成部80は、互いに撮影範囲の一部が重複する眼底像24である隣接眼底像24(本発明の第1眼科画像及び第2眼科画像に相当)同士を連結する場合に、処理部48による複数の眼底像24の領域24aごとの画質評価結果に基づき、隣接眼底像24同士の重複領域84の生成を行う。具体的にはパノラマ画像生成部80は、一方の隣接眼底像24内の重複領域84に対応する領域24aと、他方の隣接眼底像24内の重複領域84に対応する領域24aとのうちで画質が良い方を用いて重複領域84を生成する。
図27に戻って、第7実施形態の表示制御部50は、パノラマ画像生成部80が生成したパノラマ画像82をモニタ18に表示させる。
以上のように第7実施形態では、処理部48による複数の眼底像24の領域24aごとの画質評価に基づきパノラマ画像82の生成を行うことで、良好なパノラマ画像82が得られる。
[その他]
上記各実施形態では、学習済みモデル39の機械学習として教師あり学習を例に挙げて説明したが、機械学習として教師なし学習、強化学習、及び転移学習等を行ってもよい。
上記各実施形態では、CNNを適用した学習済みモデル39の使用を例に挙げて説明を行ったが、ディープニューラルネットワーク、サポートベクタマシン、及びリカレントニューラルネットワーク等を適用したものを用いることができる。
上記第1実施形態及び第2実施形態等では、「GOOD」或いは「BAD」の正解ラベルが対応付けられた訓練データ52を用いて学習済みモデル39の機械学習(教師あり学習)を行っているが、「GOOD」、「NORMAL」、又は「BAD」の正解ラベルが対応付けられた訓練データ52を用いて学習済みモデル39の機械学習を行ってもよい。
上記各実施形態では、本発明の眼科画像処理装置及びコンピュータに相当する演算制御ユニット22が眼科装置10に内蔵されているが、眼科装置10とは独立して設けられていてもよい。この場合に、演算制御ユニット22は、外部の眼科装置10から眼底像24等の眼科画像を取得して領域24aごとの画質評価を行い、その評価結果を外部の眼科装置10或いは所定の送付先(病院等)に送信する。すなわち、眼科画像を撮影する装置と、学習済みモデル39を用いて画質評価を行う装置と、が互いに異なる場所に設けられていてもよい。さらに、眼科画像の撮影装置から眼科画像を取得する装置と、眼科画像を複数の領域に区分けする装置と、学習済みモデル39を用いて画質評価を行う装置と、が互いに異なる場所に設けられていてもよい。
図29は、本発明を適用した眼科画像処理システム100の概略図である。図29に示すように、眼科画像処理システム100は、小規模な診療所102A或いは個人宅103Bに配置されている撮影装置103と、クラウドサーバ106と、病院108内の院内サーバ110とから構成されており、これらは互いにインターネット105(ネットワーク)で接続されている。
撮影装置103は、眼底像24(眼科画像)を撮影可能な携帯型或いは簡易型の眼科装置(画質評価機能を有さない従来の眼科装置を含む)であり、被検者の眼底像24を撮影する。なお、この眼科装置に通信機能が含まれていない場合には、眼科装置とインターネット105にアクセス可能な各種端末とが撮影装置103を構成する。この撮影装置103は、撮影した眼底像24をインターネット105を介してクラウドサーバ106へ出力する。
クラウドサーバ106は、少なくとも1つのサーバ、例えば第1サーバ106Aと第2サーバ106Bと第3サーバ106Cとを含む。第1サーバ106Aのプロセッサは、上記各実施形態の画像取得部44として機能する。第2サーバ106Bのプロセッサは、上記各実施形態の区分部46として機能する。第3サーバ106Cのプロセッサは、上記各実施形態の処理部48として機能する。このため、クラウドサーバ106は、上記各実施形態と同様に、撮影装置103からインターネット105によるネットワーク経由で眼底像24を取得する処理と、眼底像24を複数の領域24aに区分する処理と、区分された眼底像24に基づき、学習済みモデル39を用いて領域24aごとの画質を評価する処理と、を実行する。
なお、単独のサーバのプロセッサを、上記各実施形態の統括制御部30と同様に、画像取得部44、区分部46、及び処理部48として機能させてもよい。
そして、クラウドサーバ106は、ネットワーク経由で眼底像24の領域24aごとの画質の評価結果を眼底像24と共に病院108の院内サーバ110へ出力する。なお、眼底像24の領域24aごとの画質の評価結果をクラウドサーバ106から診療所102Aに出力してもよい。
院内サーバ110は、クラウドサーバ106から入力される眼底像24及びその評価結果を、被検者の個人識別情報(患者ID:identification)に関連付けて記憶する。これにより、眼底像24の撮影を診療所102或いは個人宅102Bで行い、この眼底像24に基づいた被検眼の診察を専門の病院108で行う場合においても、眼底像24の領域24aごとの画質評価を行い、必要に応じて撮影者に再撮影を促すことができる。
上記各実施形態では本発明の眼科画像として眼底像24を撮影する眼科装置10(複合機)を例に挙げて説明したが、眼底像24、OCT画像25、及び前眼部像26等の各種眼科画像を撮影する各種眼科装置(眼底カメラ、光干渉断層計、レフラクトメータ、オートレフケラトメータ、ケラトメータ、角膜トポグラファー装置等)に本発明を適用可能である。
10 眼科装置
11 ベース
12 顔支持部
12a 顎受け
12b 額当て
13 架台
14 測定ヘッド
14a 眼底カメラユニット
14b OCTユニット
15 外部固視灯
16 操作部
16a 操作レバー
17 電動駆動機構
18 モニタ
19 対物レンズ
20 ステレオカメラ
22 演算制御ユニット
24,24-1 眼底像
24a 領域(第1領域~第9領域)
25 OCT画像
26 前眼部像
30 統括制御部
32 記憶部
34 画像形成部
36 データ処理部
38 プログラム
39 学習済みモデル
39A~39I 第1学習済みモデル~第9学習済みモデル
39a 入力層
39b 中間層
39c 出力層
40 アライメント制御部
42 ユニット制御部
44 画像取得部
46 区分部
48 処理部
50 表示制御部
52 訓練データ
54 領域情報
56 カラーマップ
60 対策情報
62 対策決定部
66 警告制御部
68 警告情報
70 補完処理部
71 不良領域
72 ゴースト
73 対応部位
80 パノラマ画像生成部
82 パノラマ画像
84 重複領域
SD 検出信号

Claims (17)

  1. 被検眼を撮影した眼科画像を取得する画像取得部と、
    前記眼科画像を複数の領域に区分する区分部と、
    前記区分部により複数の前記領域に区分された前記眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、前記領域ごとの画質を評価する処理部と、
    を備える眼科画像処理装置。
  2. 前記処理部が、複数の前記眼科画像を訓練データとして機械学習させた前記学習済みモデルを用いる請求項1に記載の眼科画像処理装置。
  3. 前記処理部が、複数の前記領域の画像を訓練データとして機械学習させた前記学習済みモデルを用いる請求項1に記載の眼科画像処理装置。
  4. 前記眼科画像を前記被検眼の部位ごとに複数の前記領域に区分けし、
    前記処理部が、前記領域ごとに前記機械学習を行うことにより得られた前記領域ごとの前記学習済みモデルを有し、
    前記処理部が、前記区分部により区分された前記眼科画像の前記領域ごとに、前記領域に対応する前記学習済みモデルを用いて前記画質の評価を行う請求項3に記載の眼科画像処理装置。
  5. 前記眼科画像をモニタに表示させる第1表示制御部であって、且つ前記モニタに表示される前記眼科画像に対して、前記処理部から出力された前記領域ごとの前記画質の評価結果を段階的に識別可能に重畳表示させる第1表示制御部を備える請求項1から4のいずれか1項に記載の眼科画像処理装置。
  6. 前記処理部が、前記区分部により複数の前記領域に区分された前記眼科画像に基づき、前記画質の良否を判定しさらに前記画質の不良の原因を判定する前記学習済みモデルを用いて、前記領域ごとの前記画質の良否と、前記画質が不良となる前記領域の前記原因とを評価する詳細評価を実行する請求項1から5のいずれか1項に記載の眼科画像処理装置。
  7. 前記処理部による前記原因の評価結果をモニタに表示させる第2表示制御部を備える請求項6に記載の眼科画像処理装置。
  8. 前記原因と前記原因に対する対策とを対応付けた対策情報に基づき、前記処理部が評価した前記原因に対応する前記対策を決定する対策決定部を備え、
    前記第2表示制御部が、前記原因の評価結果と共に前記対策決定部が決定した前記対策を前記モニタに表示させる請求項7に記載の眼科画像処理装置。
  9. 前記被検眼を撮影する撮影部を制御する撮影制御部を備え、
    前記対策決定部が決定した前記対策が前記撮影部の撮影制御を変更するものである場合、前記撮影制御部が前記対策に基づき前記撮影制御を変更する請求項8に記載の眼科画像処理装置。
  10. 前記画像取得部が、前記被検眼の撮影が繰り返されるごとに前記眼科画像を取得し、
    前記画像取得部が前記眼科画像を取得するごとに、前記区分部が前記眼科画像の区分を実行し且つ前記処理部が前記領域ごとの前記詳細評価を実行し、
    前記処理部による前記領域ごとの前記詳細評価の結果に基づき、複数の前記眼科画像の共通の前記領域において同一の前記原因が発生している場合に、警告情報を出力する警告情報出力部を備える請求項6から9のいずれか1項に記載の眼科画像処理装置。
  11. 前記画像取得部が、前記被検眼の撮影が繰り返されるごとに前記眼科画像を取得し、
    前記画像取得部が前記眼科画像を取得するごとに、前記区分部が前記眼科画像の区分を実行し且つ前記処理部が前記領域ごとの前記画質の評価を実行し、
    前記処理部による複数の前記眼科画像の前記領域ごとの前記画質の評価結果に基づき、前記眼科画像内で前記画質が不良の前記領域である不良領域を、別の前記眼科画像内の前記不良領域に対応する前記領域であって且つ前記画質が良好な前記領域を用いて補完する補完処理部と、
    を備える請求項1から10のいずれか1項に記載の眼科画像処理装置。
  12. 前記画像取得部が、前記被検眼を複数の撮影範囲に分割して撮影して得られた複数の前記眼科画像を取得し、
    前記画像取得部が前記眼科画像を取得するごとに、前記区分部が前記眼科画像の区分を実行し且つ前記処理部が前記領域ごとの前記画質の評価を実行し、
    前記画像取得部が取得した複数の前記眼科画像を連結して前記被検眼のパノラマ画像を生成するパノラマ画像生成部と、
    を備え、
    前記パノラマ画像生成部が、互いに前記撮影範囲の一部が重複する前記眼科画像を第1眼科画像及び第2眼科画像とした場合に、前記処理部による複数の前記眼科画像の前記領域ごとの前記画質の評価結果に基づき、前記第1眼科画像と前記第2眼科画像との重複領域を、前記第1眼科画像及び前記第2眼科画像のうちで前記画質が良い方を用いて生成する請求項1から10のいずれか1項に記載の眼科画像処理装置。
  13. 前記画像取得部が、前記眼科画像として前記被検眼の眼底像を取得する請求項1から12のいずれか1項に記載の眼科画像処理装置。
  14. 被検眼を撮影して眼科画像を出力する撮影部と、
    請求項1から13のいずれか1項に記載の眼科画像処理装置と、
    を備える眼科装置。
  15. プロセッサが、
    被検眼を撮影した眼科画像を取得する処理と、
    前記眼科画像を複数の領域に区分する処理と、
    複数の前記領域に区分された前記眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、前記領域ごとの画質を評価する処理と、
    を実行する画質評価方法。
  16. 被検眼を撮影した眼科画像を取得する処理と、
    前記眼科画像を複数の領域に区分する処理と、
    複数の前記領域に区分された前記眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、前記領域ごとの画質を評価する処理と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  17. 被検眼を撮影して眼科画像を出力する撮影装置と、
    前記撮影装置とネットワークで接続された少なくとも1つのサーバと、
    を備え、
    前記サーバが、
    前記撮影装置から前記ネットワーク経由で前記眼科画像を取得する処理と、
    前記眼科画像を複数の領域に区分する処理と、
    複数の前記領域に区分された前記眼科画像に基づき、学習済みモデルを用いて、前記領域ごとの画質を評価する処理と、
    を実行する眼科画像処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102580749B1 (ko) * 2022-10-05 2023-09-19 서울대학교산학협력단 의료영상의 화질평가 방법 및 장치

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