JP2022034812A - 充電システム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、充電システムに関する。
水中や水辺に構造物を構築し、その構造物に測定器を設置して、構造物自身またはその周辺の状態を測定することが行われている。例えば漁業では、魚介類を一時的に飼育するための構造物として生け簀が設置され、生け簀内の水温、水圧や、生け簀内で飼育する魚介類の状態を測定、観察するための測定器として、例えば温度計、水圧計、ビデオカメラ、水中マイク等が生け簀内に設置されることがある。
従来、この種の測定器に給電する場合には、潜水士等が水上や地上に設置した電源装置と測定器を接続する給電ケーブルを抜差しする潜水作業を行う必要があったが、潜水士等による潜水作業は高コストの作業であった。なお、特許文献1には、水中で非接触により通信を確立する方法が記載されているが、水中での充電についての記載はない。
本発明の目的は、蓄電部からの電力によって測定を行う測定部を有する測定器に対して、水中で非接触に充電を行うことができる充電システムを提供することである。
上述の課題を解決するため、本発明は、その一態様として、充電器と、充電器と接続可能で且つ水上又は水中に配置される測定器とを備え、充電器は、測定器と着脱可能な着脱部と、測定器に対して、電磁波、電界又は磁界を出力可能な送信部と、を有し、測定器は、着脱部と係合する係合部と、送信部とは非接触で、電磁波、電界又は磁界を受けて電力を発生する発生部と、発生部において発生された電力を蓄電する蓄電部と、蓄電部から電力の供給を受けて測定を行う測定部と、を有する、ことを特徴とする充電システムを提供する。
送信部は光を出力するLED発光装置を含み、発生部はLED発光装置から受光した光により発電する光受光パネルを含むことが好ましい。
または、送信部は電界又は磁界を発生する送電コイルを含み、発生部は送信部が発生した電界又は磁界に基づいて電磁誘導方式又は磁界共鳴方式により電力を発生する受電コイルを含むことが好ましい。
または、送信部は電界を発生する送電電極を含み、発生部は送信部が発生した電界に基づいて電磁結合方式により電力を発生する受電電極を含むことが好ましい。
着脱部は、極性の向きを変更可能な磁石を含み、係合部は磁性体を含むことが好ましい。
着脱部は複数の電磁石を有し、複数の電磁石の間に送信部が配置されており、係合部は複数の磁性体を有し、複数の磁性体の間に発生部の少なくとも一部が配置されていることが好ましい。
充電器は、送信部を測定器側に向けて付勢する付勢手段を有することが好ましい。
充電器及び測定器は、お互いにデータ通信可能な無線通信手段を有することが好ましい。
充電器を、水上又は水中で航行可能な航行装置を有することが好ましい。
本発明によれば、蓄電部からの電力によって測定を行う測定部を有する測定器に対して、電磁波、電界又は磁界を介し、非接触に水中で充電器から充電を行うことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。また、各図において同一、又は相当する機能を有するものは、同一符号を付し、その説明を省略又は簡潔にすることもある。
図1は、本発明の一実施の形態である充電システム1による充電を説明するための図である。
以下図1を用いて、海上に配置された生け簀2に取り付けされた測定器3に対して、充電システム1を用いて充電を行う例について説明する。充電システム1は、図1に示す様に、測定器3、水中ドローン10、及び、母船20等を含む。
生け簀2は、海面に浮かぶ浮き2Aと、浮き2Aの下に吊り下げられた網2Bとを有しており、網2Bの側面に測定器3が設置されている。測定器3は、蓄電池を電源として動作し、測定して得られた測定データ(水温)を記憶装置に格納する。
母船20は、水中ドローン10の航行を制御するドローンコントローラ及び水中ドローン10を介して、非接触で測定器3へ電力を供給するための電源装置を有する。図1においてライン21Aは給電ケーブルであり、ライン22Aは水中ドローン10を制御するための制御ケーブルである。
充電システム1による測定器3への充電は、母船20が水中ドローン10を生け簀2の周辺まで運び、ドローンコントローラによって水中ドローン10を測定器3と所定の位置関係となる位置に移動させて、非接触により電力を供給する。尚、非接触に行う充電とは、金属接点間の接触やコネクタ同士の接続のような、電力伝送のための機械的な接触を、充電器と測定器との間に設けることなく、電力を伝送して行う充電の事を言う。
図2は、本発明の実施形態に係る充電システム1の概略ブロック図である。
(測定器3)
測定器3は、測定筐体30、第1磁石31、第2磁石32、光受光パネル33、蓄電部34、測定器制御部35、測定器記憶部36、測定部37、測定器無線通信部38、測定器データバス39、測定器金属板40等を有する。
測定器3は、測定筐体30、第1磁石31、第2磁石32、光受光パネル33、蓄電部34、測定器制御部35、測定器記憶部36、測定部37、測定器無線通信部38、測定器データバス39、測定器金属板40等を有する。
測定筐体30は、水密構造を有し、強い磁性を帯びないことが好ましく、プラスチックからなる。磁力を利用する水中ドローン10と測定器3との連結に影響を及ぼさない範囲で、磁性体を含むボルト、ナット等の部品を測定筐体30の一部として用いてもよい。測定筐体30は、係合面30Aを有し、略直方体の形状を有するが、他の形状としてもよい。
第1磁石31及び第2磁石32は、係合面30Aに含まれる磁性体の一例であり、永久磁石であることが好ましく、ここではフェライトの棒磁石である。
光受光パネル33は、受け取った光を電力に変換する太陽電池等の光起電力素子による受光面を有し、LED発光装置55とは非接触で、電磁波、電界又は磁界を受けて電力を発生する発生部の一例である。係合面30Aの光受光パネル33側には透光性を有するプラスチックからなる保護窓(不図示)が設けられている。光受光パネル33がLED発光装置55から受光した光に基づいて発電した電力は、蓄電部34に蓄電される。
蓄電部34は、充電によって繰り返し使用可能な鉛蓄電池を含んでいる。なお、所定の電力を蓄電可能であれば、他の種類の蓄電池、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池を利用してもよい。
測定器制御部35は、測定器記憶部36に予め記憶されているプログラムに基づいて動作して、測定器3の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)である。なお、測定器制御部35として、CPUの代わりに、又はCPUと共に、DSP(Digital Signal Processor)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を用いてもよい。
測定器記憶部36は、測定器制御部35での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶するためのハードディスクである。なお、測定器記憶部36として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の記憶装置を用いてもよい。
測定部37は、蓄電部34から電力の供給を受けて、水温の測定を行う水温計を含む。なお、他の各種センサ(流向流速計、水圧計、水位計、波高計、潮位計、GPS等)を含んでいてもよい。
測定器無線通信部38は、充電器5側と無線通信を行うための無線LAN(Local Area Network)を利用した通信装置であり、測定器3が有するデータ通信可能な無線通信手段の一例である。なお、測定器無線通信部38として、Bluetooth(登録商標)、及びNFC(Near Field Communication)のような電波を用いた無線通信装置、又は、IrDA (Infrared Data Association)、及び可視光通信等の光無線通信を利用してもよい。または、測定器無線通信部38として、音波を用いた無線通信装置を利用してもよい。
測定器制御部35は、測定器データバス39によって、蓄電部34、測定器記憶部36、測定部37、測定器無線通信部38と接続されており、蓄電部34の蓄電量を検出に基づいて非接触充電の開始及び終了の制御を行う。また、測定器制御部35は、測定部37が出力したデータを時刻情報と関連付けて測定器記憶部36へ記憶し、測定器無線通信部38を制御して記憶されたデータ等を用いて充電器5側へ無線送信する。
(水中ドローン10)
水中ドローン10は、水上又は水中で航行可能な航行装置の一例である。水中ドローン10は、航行装置として機能するための部分と、充電器5を備えている。航行装置として機能するための部分として、ドローンデータ通信部11、ドローン制御部12、ドローンセンサ部13、駆動部14、ドローンインタフェース(I/F)15、ドローンデータバス16等を有する。
水中ドローン10は、水上又は水中で航行可能な航行装置の一例である。水中ドローン10は、航行装置として機能するための部分と、充電器5を備えている。航行装置として機能するための部分として、ドローンデータ通信部11、ドローン制御部12、ドローンセンサ部13、駆動部14、ドローンインタフェース(I/F)15、ドローンデータバス16等を有する。
ドローンデータ通信部11は、ドローン制御ケーブル22Aを介して、母船20のドローンコントローラ22との間でドローン制御信号を送受信する通信装置である。ドローン制御部12は、ドローン制御部12に予め記憶されているプログラムに基づいて動作して、水中ドローン10の全体を制御するCPUである。ドローンセンサ部13は、母船20からドローンコントローラ22を用いて水中ドローン10を操縦するオペレータに対して、水中ドローン10を操縦するために必要な各種の情報を取得するためのセンサ群である。ドローンセンサ部13は、水中ドローン10の周囲を撮影するための複数のカメラ、水中ドローン10の姿勢を測定するためのジャイロセンサ、コンパス、水中ドローン10の速度を測定するための速度計、水中ドローン10の深度を測定するための深度計等を有していてもよい。駆動部14は、水中ドローン10を上下方向及び左右方向にそれぞれ移動させるためのプロペラ、及びプロペラを回転させるためのモータを有する。ドローンインタフェース15は、水中ドローン10に、充電器5を接続するためのデータ通信用インタフェース装置である。ドローンデータバス16は、水中ドローン10の各部を接続している。
(充電器5)
充電器5は、充電筐体50、充電器インタフェース(I/F)51、電源回路52、第1電磁石53、第2電磁石54、LED発光装置55、付勢手段55A、支持部55B、充電器制御部56、充電器記憶部57、充電器無線通信部58、充電器データバス59等を有する。
充電器5は、充電筐体50、充電器インタフェース(I/F)51、電源回路52、第1電磁石53、第2電磁石54、LED発光装置55、付勢手段55A、支持部55B、充電器制御部56、充電器記憶部57、充電器無線通信部58、充電器データバス59等を有する。
充電筐体50は、水密構造を有する。充電筐体50は、強い磁性を帯びないことが好ましく、プラスチックからなる。第1磁石31、第2磁石32に影響を及ぼさない範囲で、ボルト、ナット等の磁性体からなる部品を充電筐体50の一部として用いてもよい。充電筐体50は、着脱面50Aを有し、略直方体の形状を有するが、他の形状であってもよい。
充電器インタフェース(I/F)51は、充電器5と水中ドローン10とを接続するためのデータ通信用インタフェース装置であり、ドローンデータ通信部11を介して、充電器制御部56がドローンコントローラ22との間で情報交換を行うための構成である。
電源回路52は、母船20の電源装置21から給電ケーブル21Aを介して供給された電力を用いて、充電器5の各部に電力を供給する。
第1電磁石53及び第2電磁石54は、測定器3の第1磁石31及び第2磁石32とそれぞれと対応した電磁石であり、充電器制御部56による通電の方向の変換によって極性変換可能である。
LED(Light Emitting Diode)発光装置55は、電磁波、電界又は磁界を出力可能な送信部の一例であり、1または複数のLED素子を発光させるためのLED駆動回路を有し、LED素子から出射された光を出射する出射面を有する。着脱面50Aの出射面側には、透光性を有するプラスチックからなる保護窓(不図示)が設けられている。LED発光装置55は保護窓と共に水密構造となっており、後述するように、付勢手段55Aにより支持部55Bに沿って保護窓側の先端を着脱面50Aから突出させることができるように構成されている。
充電器制御部56は、充電器記憶部57に予め記憶されているプログラムに基づいて動作して、充電器5の全体を制御するCPUを有する。充電器制御部56は、CPUの代わりに、又はCPUと共に、DSP、LSI、ASIC、FPGA等を用いてもよい。
充電器記憶部57は、充電器制御部56での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶するためのハードディスクである。なお、充電器記憶部57として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の記憶装置を用いてもよい。また、充電器記憶部57は、測定器3から取得したデータ等を一時的に記憶することにも利用される。
充電器無線通信部58は、測定器3側と無線通信を行うための無線LAN(Local Area Network)を利用した通信装置であり、充電器5が有するデータ通信可能な無線通信手段の一例である。なお、充電器無線通信部58として、Bluetooth(登録商標)、及びNFC(Near Field Communication)のような電波を用いた無線通信装置、又は、IrDA (Infrared Data Association)、及び可視光通信等の光無線通信を利用してもよい。または、充電器無線通信部58として、音波を用いた無線通信装置を利用してもよい。測定器無線通信部38及び充電器無線通信部58は、互いに接近した状態で無線通信を行うため、音波による無線通信でもドップラー効果による影響を受けにくい。
充電器制御部56は、充電器データバス59によって、第1電磁石53、第2電磁石54、LED発光装置55、充電器記憶部57、充電器無線通信部58と接続されており、LED発光装置55の点滅を制御して、非接触充電の開始及び終了の制御を行う。また、充電器制御部56は、充電器無線通信部58を制御して、測定器無線通信部38から受信したデータ等を充電器記憶部57へ記憶する。
(母船20)
母船20は、船舶であって、電源装置21、ドローンコントローラ22等を有する。
母船20は、船舶であって、電源装置21、ドローンコントローラ22等を有する。
電源装置21は、給電ケーブル21Aを介して水中ドローン10に接続され、水中ドローン10に電力を供給し、且つ、充電器5の電源回路52に電力を供給する。ドローンコントローラ22は、ドローン制御ケーブル22Aを介して水中ドローン10を遠隔操作するためのコントローラである。
陸地から測定器3が配置されている位置が近い場合には、必ずしも母船20は必要とせず、陸上の適当な箇所に電源装置21及びドローンコントローラ22を配置すればよい。また、電源装置21及びドローンコントローラ22は、設置が必要なタイプであってもポータブルなタイプであってもよい。水中ドローン10は、ドローン制御ケーブル22Aにより有線で制御されているが、無線制御するようにしてもよい。水中ドローン10は、潜水艇タイプ、水上航行タイプ等、必要に応じて様々なタイプの航行装置を利用することが可能である。
図3は、測定器3の係合面30Aと充電器5の着脱面50Aとの関係を説明するための図である。
図3では、測定器3の係合面30Aが充電器5の着脱面50Aと接合した状態を示している。第1磁石31のN極及び第2磁石32のS極が、係合面30A側に配置され、適切な通電により第1電磁石53のS極及び第2電磁石54のN極とそれぞれ向き合うことにより、測定器3の係合面30Aと充電器5の着脱面50Aとが磁力で接合している。
光受光パネル33は第1磁石31及び第2磁石32の間に配置され、LED発光装置55は第1電磁石53及び第2電磁石54の間に配置されている。第1磁石31と第1電磁石53、第2磁石32と第2電磁石54とが磁力で接合すると、光受光パネル33とLED発光装置55とが向き合う様に位置決めされる。図3の例では、光受光パネル33とLED発光装置55の上下に磁力で接合する2つのペア(磁石と電磁石)を設けたが、上下及び左右に3つ以上のペアを設けるようにしてもよい。
付勢手段55Aは、支持部55B(不図示)によって支持されたLED発光装置55を、着脱面50Aに対して直交する直線上で充電筐体50の外側に向かって付勢するバネである。測定器3の係合面30Aと充電器5の着脱面50Aとが磁力で接合した際に、LED発光装置55は付勢手段55Aにより、光受光パネル33側に付勢されるので、効率的に光の受け渡しが可能となる。なお、図3の例では、付勢手段55Aを充電器5側に設けたが、付勢手段を測定器3側のみに設けて光受光パネル33を付勢するようにしてもよいし、付勢手段を充電器5と測定器3の両方に設けるようにしてもよい。また、付勢手段55Aとして、バネ以外で、電気的に動作するソレノイド等を用いてもよい。さらに、光受光パネル33とLED発光装置55との密着が十分であれば、付勢手段55Aは必ずしも必要ではない。
測定器金属板40及び充電器金属板60は、アルミニウム板、銅板、鉄板等の金属製の板材であり、第1電磁石53、第2電磁石54、第1磁石31及び第2磁石32による磁界から、測定器無線通信部38及び充電器無線通信部58が受ける影響を抑制する。また、測定器金属板40及び充電器金属板60として、金属製の網や金属箔を用いてもよい。
図4は、充電システム1における充電器5と測定器3の動作を説明するためのシーケンス図である。図4では、適切にドローンコントローラ22を操作して水中ドローン10を移動させ、測定器3の係合面30Aと充電器5の着脱面50Aとが向き合った状態からの動作を示している。
ユーザによる充電開始の指示に応じて、充電器制御部56は、第1電磁石53の着脱面50A側の極性がS極となり、第2電磁石54の着脱面50A側の極性がN極となるように、通電を行う(S1)。これにより、第1磁石31と第1電磁石53、第2磁石32と第2電磁石54とが磁力で接合し、光受光パネル33とLED発光装置55とが向き合う様に位置決めされる。さらに、付勢手段55Aが光受光パネル33とLED発光装置55との密着度を高めている。
測定器3は、基本的には水中に設置され、測定筐体30の係合面30Aの表面には、異物Pが付着する場合がある。異物Pは、例えば、貝等の魚介類やその死骸、ゴミ等の漂流物である。しかしながら、LED発光装置55は、支持部55Bに支持されながら、付勢手段55Aによって前後に移動するので、移動によって異物Pが排除できる場合もあり、また異物Pが残留しても可能な限り光受光パネル33に密着させることができる。
次に、充電器制御部56は、LED発光装置55を点灯させる(S2)。充電器制御部56は、電源装置21から給電ケーブル21Aを介して電力供給を受けている電源回路52を制御して、LED発光装置55に電力を供給させる。充電器制御部56は、第1電磁石53及び第2電磁石54への通電(S1)から所定時間後にLED発光装置55を点灯させてもよい。または、充電器制御部56は、適切なセンサを設けて光受光パネル33とLED発光装置55とが所定の位置関係となったことが確認できた場合にのみLED発光装置55を点灯させてもよい。
LED発光装置55が点灯すると、光受光パネル33はLED発光装置55からの光を受光して発電し(S3)、発電された電力に応じて蓄電部34が充電される(S4)。
測定器制御部35は、測定部37を用いて各種の測定を予め定期的に実行し、得られた測定データと、その測定を実行した時刻情報とを関連付けて、測定器記憶部36に予め格納している。測定器制御部35は、測定器3の係合面30Aと充電器5の着脱面50Aとが磁力で接合した事を検出して、測定器無線通信部38に、測定器記憶部36に格納されている測定データを充電器無線通信部58に送信させ(S5)、充電器無線通信部58がデータを受信し(S6)、充電器制御部56は、受信したデータを充電器記憶部57に格納する(S7)。測定器制御部35は、蓄電部34が蓄電を開始した場合、又は、適切なセンサを設けて光受光パネル33とLED発光装置55とが所定の位置関係となったことが確認できた場合等に、測定器3の係合面30Aと充電器5の着脱面50Aとが磁力で接合したと判断する。
測定器制御部35は、蓄電部34への蓄電量が所定量以上となり、且つ、測定器記憶部36に格納されている測定データの送信の終了を検知すると(S8)、作業終了を示す信号を測定器無線通信部38から充電器無線通信部58に送信する(S9)。これにより、測定器3側の一連の受電に関する作業は終了し、その後は従前どおり、測定データの収集を継続する。
充電器制御部56は、充電器無線通信部58を介して作業終了通知を受信する(S10)と、第1電磁石53及び第2電磁石54への電流の向きを反転させる(S11)。具体的には、充電器制御部56は、第1電磁石53の着脱面50A側の極性が第1磁石31の係合面30A側のN極と同極性となるように、且つ、第2電磁石54の着脱面50A側の極性が第2磁石32の係合面30A側のS極と同極性となるように通電を行う。これにより、光受光パネル33とLED発光装置55の上下に磁力で接合する2つのペア(磁石と電磁石)に、排斥力が働き、係合面30Aと着脱面50Aの接合が解除され、水中ドローン10は測定器3への係留から解放される。その後、所定の時間が経過後、充電器制御部56は、第1電磁石53、第2電磁石54への通電を終了する(S12)。
次に、充電器制御部56は、充電器I/F51、ドローンI/F15、ドローンデータ通信部11を介して、ドローンコントローラ22へ測定器3から受信した測定データを送信し、測定データ送信終了後に作業終了通知を送信する(S13)。これにより、水中ドローン10及び充電器5側の一連の作業が終了する。
上述した処理フローでは、測定器3側への電力の非接触による供給と、測定データの送信を一度に行ったが、測定器3側への電力の非接触による供給のみを行い、測定データの送信を同じタイミングで行わない様にしてもよい。
(変形例1)
図5は、本発明の変形例に係る充電システム100による充電を説明するための概略ブロック図である。図6は、測定器103の係合面130Aと充電器105の着脱面150Aとの関係を説明するための図である。
図5は、本発明の変形例に係る充電システム100による充電を説明するための概略ブロック図である。図6は、測定器103の係合面130Aと充電器105の着脱面150Aとの関係を説明するための図である。
図5に示す充電システム100と図2に示す充電システム1との差異は、充電システム100において、測定器103が光受光パネル33の代わりに受信部71を有し、充電器105がLED発光装置55の代わりに送信部72を有する点のみである。充電システム100において、充電システム1と共通する構成には、同じ番号を付して説明を省略する。また、充電システム100における充電等の手順は、図4に示した処理フローと同様であるので、省略する。
本変形例では、金属接点、コネクタ、導体ケーブル等を介することなく、電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムを利用する。受信部71及び送信部72はワイヤレス電力伝送システムに適した構成であり、詳しくは後述する。一般に、ワイヤレス電力伝送では、その種類に関わらず、伝送距離が短いほど伝送効率が高くなる。本変形では、送信部72と受信部71の間で電力を伝送する際に、送信部72と受信部71の距離をできるだけ短くして行う。このため、本変形によれば、送信部72、受信部71に採用するワイヤレス電力伝送方式の種類に関わらず、そのワイヤレス電力伝送方式を用いて行う電力伝送として高い伝送効率で電力を伝送することができる。
ワイヤレス電力伝送方式には、大別して、電波やレーザ等でエネルギーを伝送する放射型と、電界や磁界を介してエネルギーを伝送する非放射型がある。放射型のワイヤレス電力伝送方式には、磁界結合式、電界結合式、エバネセント波式がある。磁界結合式には、電磁誘導式、磁界共振式、環状ソレノイド式がある。非放射型のワイヤレス電力伝送方式には、レーザ式、マイクロ波式、超音波式がある。本変形の送信部72、受信部71には、どのワイヤレス電力伝送方式でも適用可能である。
例えば、電磁誘導方式または磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送方式を用いる場合、送信部72は、電界または磁界を発生する送信コイルを含み、受信部71は、送電コイルが発生した電界又は磁界に基づいて電磁誘導方式又は磁界共鳴方式のワイヤレス電力伝送方式により電力を発生する受電コイルを含む。
電界結合方式のワイヤレス電力伝送方式を用いる場合、送信部72は、電界を発生する送電電極を含み、受信部71は、送電電極が発生した電界に基づいて電磁結合方式のワイヤレス電力伝送方式により電力を発生する受電電極を含む。
レーザ式のワイヤレス電力伝送方式を用いる場合、送信部72は、レーザ発振器を含み、受信部71は、レーザ発振器が発生したレーザに基づいてレーザ式のワイヤレス電力伝送方式により電力を発生する光電変換素子を含む。
マイクロ波式のワイヤレス電力伝送方式を用いる場合、送信部72は、マイクロ波を送信する送信アンテナを含む。また、この場合、受信部71は、送信アンテナが発生したマイクロ波に基づいてマイクロ波式のワイヤレス電力伝送方式により電力を発生するための受信アンテナを含む。
超音波式のワイヤレス電力伝送方式を用いる場合、送信部72は、超音波を出力するトランスミッタを含み、受信部71は、トランスミッタが発生した超音波に基づいて超音波式のワイヤレス電力伝送方式により電力を発生するためのレシーバを含む。
(その他の変形)
以上、本発明を実施の形態及びその変形に即して説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、他にも様々な変形が考えられる。以下に様々な変形を例示する。
以上、本発明を実施の形態及びその変形に即して説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、他にも様々な変形が考えられる。以下に様々な変形を例示する。
充電器5/105は、充電器5/105を動作させるための電源として、充電器内蔵充電池を有してもよい。この場合、水中ドローン10を母船20から発進させる前に、充電器内蔵充電池を充電しておく。特に、測定器3/103への充電は、充電器内蔵充電池を電源としてLED発光装置55/送信部72を動作させることにより行われる。また、測定器3/103との無線通信は、充電器内蔵充電池を電源として充電器無線通信部58を動作させることにより行われる。
同様に、水中ドローン10は、水中ドローン10及び充電器5/105を動作させるための電源として、ドローン内蔵充電池を有してもよい。この場合も、水中ドローン10を母船20から発進させる前にドローン内蔵充電池を充電しておくことにより、上述の充電器内蔵充電池を充電器に内蔵した場合と同様に動作させることができる。特に、水中ドローン10にドローン内蔵充電池を設け、かつ、水中ドローン10を無線制御とする場合、給電ケーブル21A及びドローン制御ケーブル22Aが不要となり、水中ドローン10と母船20の間を完全にワイヤレスにすることができる。この場合、給電ケーブル21A及びドローン制御ケーブル22Aの挙動を考慮する必要がなくなるので、水中ドローン10の操作が容易になる。
充電器5/105は、LED発光装置55または単一のワイヤレス電力伝送方式の送信部72を備える代わりに、複数のワイヤレス電力伝送方式の送信部を有してもよい。例えば、充電器5/105は、LED発光装置55と共に、電界結合方式のワイヤレス電力伝送方式の送電電極を有してもよい。また、例えば、充電器5/105は、電界結合方式のワイヤレス電力伝送方式の送電電極、レーザ式のワイヤレス電力伝送方式のレーザ発振器、及び、マイクロ波式のワイヤレス電力方式の送信アンテナを送信部として有してもよい。このようにすれば、受信部のワイヤレス電力伝送方式が互いに異なる複数の測定器を、同一の水中ドローンで充電することができる。
充電器は、複数のワイヤレス電力伝送方式の送信部を有し、測定器は、対応する複数のワイヤレス電力伝送方式の受信部を有してもよい。例えば、充電器は、LED発光装置55と、電界結合方式のワイヤレス電力伝送方式の送電電極とを送信部72として備え、測定器は、光受光パネル33と、電界結合方式のワイヤレス電力伝送方式の受電電極とを受信部71として備えてよい。この場合、充電器制御部56及び測定器制御部35は以下のように動作することが考えられる。充電器制御部56が、LED発光装置55から光受光パネル33への電力伝送を行うと、測定器制御部35は、蓄電部34への時間当たりの充電量を算出する。次に、測定器制御部35は、その算出した時間当たりの充電量と、予め測定器記憶部36に格納した閾値とを比較する。算出した時間当たりの充電量が閾値に満たない場合、測定器制御部35は、電力伝送方式の変更を要求する信号を測定器無線通信部38から充電器に送信する。この信号を充電器無線通信部58で受信すると、充電器制御部56は、LED発光装置55による電力伝送を中止し、代わりに、電界結合方式のワイヤレス電力伝送方式の送電電極を用いて、測定器の受電電極との間で電力伝送を行う。
このようにすれば、充電器及び測定器が置かれた状況に応じて好適なワイヤレス電力伝送方式を用いて電力を伝送することができる。例えば、最初に、伝送効率が高いワイヤレス電力伝送方式による送電を試みて、そのワイヤレス電力伝送方式では効率が悪い場合或いは送電できない場合に、他のワイヤレス電力伝送方式による送電を行うことができる。
図7は、第1電磁石53、第2電磁石54の代わりに用いられる磁石部200の斜視図である。第1電磁石53、第2電磁石54の代わりに、着脱面5A/50Aにそれぞれ磁石部200を配置してもよい。磁石部200は、永久磁石201と、回転軸202と、モータ203とを有する。永久磁石201は、フェライトの棒磁石である。回転軸202は、モータ203による回転を永久磁石201に伝達する。モータ203は、サーボモータであり、充電器制御部56に制御され、回転軸202を介して永久磁石201を回転させて、永久磁石201の端部、即ち、S極、N極を所望の向きで固定させる。充電器制御部56は、モータ203を制御することにより、充電器5/150と測定器3/130とを接合させる場合(例えば図4、ステップS1)には、各永久磁石201の着脱面5A/50A側の底面が、対応する第1磁石31及び第2磁石32の係合面30A/130A側とは逆の極性を有するように各永久磁石の向きを変える。逆に、充電器5/150と測定器3/130とを離間させる場合(例えば図4、ステップS11)には、各永久磁石の着脱面5A/50A側の底面が、対応する第1磁石31及び第2磁石32の係合面30A/130A側と同じ極性を有するように、各永久磁石の向きを変える。尚、着脱面5A/50Aの磁極を中立にする場合、充電器制御部56は、永久磁石のS極側端面とN極側端面の両方が着脱面5A/50Aに対して略直交するように、永久磁石の向きを変える。
図1において、測定器3は生け簀2の中ほどの水中に配置しているが、測定器3を設置する位置は、水面付近でも水底付近でもよい。例えば、ブイに測定器3を配置し、海面を漂うようにしてもよい。
測定器3における第1磁石31、第2磁石32の代わりに、鉄板等の磁性体を配置してもよい。この場合、電磁石と磁性体の間に作用する引力を利用して測定器3に充電器5を係留するので、図4のステップS1において、第1、第2電磁石をオンする際、各電磁石の極性を特定する必要はなくなる。さらに、この場合、図4のステップS11は必要なくなる。
1、100 充電システム
2 生け簀
3、103 測定器
5、105 充電器
10 水中ドローン
20 母船
30A、130A 係合面
33 光受光パネル
38 測定器無線通信部
50A、150A 着脱面
55 LED発光装置
58 充電器無線通信部
71 受信部
72 送信部
2 生け簀
3、103 測定器
5、105 充電器
10 水中ドローン
20 母船
30A、130A 係合面
33 光受光パネル
38 測定器無線通信部
50A、150A 着脱面
55 LED発光装置
58 充電器無線通信部
71 受信部
72 送信部
Claims (9)
- 充電器と、前記充電器と接続可能で且つ水上又は水中に配置される測定器とを備え、
前記充電器は、
前記測定器と着脱可能な着脱部と、
前記測定器に対して、電磁波、電界又は磁界を出力可能な送信部と、を有し、
前記測定器は、
前記着脱部と係合する係合部と、
前記送信部とは非接触で、前記電磁波、電界又は磁界を受けて電力を発生する発生部と、
前記発生部において発生された電力を蓄電する蓄電部と、
前記蓄電部から電力の供給を受けて測定を行う測定部と、を有する、
ことを特徴とする充電システム。 - 前記送信部は光を出力するLED発光装置を含み、前記発生部はLED発光装置から受光した光により発電する光受光パネルを含む、請求項1に記載の充電システム。
- 前記送信部は電界又は磁界を発生する送電コイルを含み、前記発生部は前記送信部が発生した電界又は磁界に基づいて電磁誘導方式又は磁界共鳴方式により電力を発生する受電コイルを含む、請求項1に記載の充電システム。
- 前記送信部は電界を発生する送電電極を含み、前記発生部は前記送信部が発生した電界に基づいて電磁結合方式により電力を発生する受電電極を含む、請求項1に記載の充電システム。
- 前記着脱部は、極性の向きを変更可能な磁石を含み、前記係合部は磁性体を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の充電システム。
- 着脱部は複数の電磁石を有し、前記複数の電磁石の間に前記送信部が配置されており、
前記係合部は複数の磁性体を有し、前記複数の磁性体の間に前記発生部の少なくとも一部が配置されている、請求項1~5の何れか一項に記載の充電システム。 - 前記充電器は、前記送信部を前記測定器側に向けて付勢する付勢手段を有する、請求項1~6の何れか一項に記載の充電システム。
- 前記充電器及び前記測定器は、お互いにデータ通信可能な無線通信手段を有する、請求項1~7の何れか一項に記載の充電システム。
- 前記充電器を、水上又は水中で航行可能な航行装置を有する、請求項1~8の何れか一項に記載の充電システム。
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- 2020-08-19 JP JP2020138690A patent/JP2022034812A/ja active Pending
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