JP2022027459A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エッジリング上でのシースの厚さの調整と径方向におけるプラズマの密度の分布の調整を可能とする技術を提供する。【解決手段】開示されるプラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持器、高周波電源、及びバイアス電源を備える。高周波電源は、高周波電極に高周波電力を供給する。バイアス電源は、バイアス電極に電気バイアスを与える。基板支持器上に搭載されたエッジリングが、電気バイアスの一部又は別の電気バイアスを受ける。アウターリングが、エッジリングに対して径方向において外側で延在して、高周波電力の一部を受ける。高周波電力の電力レベルが、電気バイアスの各周期内で電気バイアスに同期して変更される。【選択図】図1

Description

本開示の例示的実施形態は、プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関するものである。
プラズマ処理装置が、基板に対するプラズマ処理のために用いられている。プラズマ処理装置は、チャンバ、静電チャック、及び下部電極を備える。静電チャック及び下部電極は、チャンバ内に設けられている。静電チャックは、下部電極上に設けられている。静電チャックは、その上に載置されるエッジリングを支持する。エッジリングは、フォーカスリングと呼ばれることがある。静電チャックは、エッジリングによって囲まれた領域内に配置される基板を支持する。プラズマ処理装置においてプラズマ処理が行われるときには、ガスがチャンバ内に供給される。また、高周波電力が下部電極に供給される。プラズマが、チャンバ内のガスから形成される。基板は、プラズマからのイオン、ラジカルといった化学種により処理される。
プラズマ処理が実行されると、エッジリングは消耗し、エッジリングの厚さが小さくなる。エッジリングの厚さが小さくなると、エッジリングの上方でのプラズマシース(以下、「シース」という)の上端の位置が低くなる。エッジリングの上方でのシースの上端の鉛直方向における位置と基板の上方でのシースの上端の鉛直方向における位置は等しくあるべきである。特開2008-227063号公報(以下、「特許文献1」という)は、エッジリングの上方でのシースの上端の鉛直方向における位置を調整することを可能としたプラズマ処理装置を開示している。特許文献1に記載されたプラズマ処理装置は、直流電圧をエッジリングに印加するように構成されている。また、特許文献1に記載されたプラズマ処理装置は、直流電圧をエッジリングに印加しているときに、下部電極に供給される高周波電力のパワーレベルを調整するように構成されている。
特開2008-227063号公報
本開示は、エッジリング上でのシースの厚さの調整と径方向におけるプラズマの密度の分布の調整を可能とする技術を提供する。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持器、高周波電源、及びバイアス電源を備える。基板支持器は、バイアス電極を有する。高周波電源は、チャンバ内で基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために高周波電極に供給される高周波電力を発生するように構成されている。バイアス電源は、バイアス電極に電気的パスを介して接続されている。エッジリングが、基板支持器上に搭載される。エッジリングは、バイアス電極とエッジリングとの間又は前記電気的パスとエッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介してバイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続されている。アウターリングが、エッジリングに対して径方向において外側で延在している。アウターリングは、高周波電力の一部を受けるように高周波電源に電気的に接続されている。高周波電源は、バイアス電源からバイアス電極に出力される電気バイアスの各周期内で電気バイアスに同期して高周波電力の電力レベルを変更するように構成されている。
一つの例示的実施形態によれば、エッジリング上でのシースの厚さを調整することと、径方向におけるプラズマの密度の分布を調整することが可能となる。
一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 図2の(a)及び図2の(b)の各々は、図1に示すプラズマ処理装置において用いられる一例の高周波電力と電気バイアスのタイミングチャートである。 図3の(a)及び図3の(b)の各々は、図1に示すプラズマ処理装置において用いられる別の例の高周波電力と電気バイアスのタイミングチャートである。 別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 図6の(a)及び図6の(b)の各々は、図4に示すプラズマ処理装置において用いられる一例の第1の高周波電力、第2の高周波電力、及び電気バイアスのタイミングチャートである。 図6の(a)及び図6の(b)の各々は、図4に示すプラズマ処理装置において用いられる別の例の第1の高周波電力、第2の高周波電力、及び電気バイアスのタイミングチャートである。 更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。 更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持器、高周波電源、及びバイアス電源を備える。基板支持器は、バイアス電極を有する。高周波電源は、チャンバ内で基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために高周波電極に供給される高周波電力を発生するように構成されている。バイアス電源は、バイアス電極に電気的パスを介して接続されている。エッジリングが、基板支持器上に搭載される。エッジリングは、バイアス電極とエッジリングとの間又は前記電気的パスとエッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介してバイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続されている。アウターリングが、エッジリングに対して径方向において外側で延在している。アウターリングは、高周波電力の一部を受けるように高周波電源に電気的に接続されている。高周波電源は、バイアス電源からバイアス電極に出力される電気バイアスの各周期内で電気バイアスに同期して高周波電力の電力レベルを変更するように構成されている。
上記実施形態によれば、エッジリングにおける負バイアスのレベルが、インピーダンス調整器又は別のバイアス電源により調整される。したがって、上記実施形態によれば、エッジリング上でのシースの厚さを調整することが可能となる。また、上記実施形態では、電気バイアスの各周期内でアウターリングに供給される高周波電力の電力レベルが変更される。したがって、上記実施形態によれば、径方向におけるプラズマの密度の分布を電気バイアスの各周期内で調整することが可能となる。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、第1の電極及び第2の電極を更に備えていてもよい。第1の電極は、エッジリングと電気的に結合される。第1の電極は、エッジリングと容量結合されてもよい。第2の電極は、アウターリングと電気的に結合される。第2の電極は、アウターリングと容量結合されてもよい。インピーダンス調整器は、バイアス電極と第1の電極との間又は前記電気的パスと第1の電極との間で可変インピーダンスを提供する。アウターリングは、第2の電極を介して高周波電力の一部又は別の高周波電源からの別の高周波電力を受ける。
一つの例示的実施形態において、高周波電源は、電気バイアスの各周期内の同一の期間において高周波電極及びアウターリングに高周波電力のパルスを供給するように構成されていてもよい。
一つの例示的実施形態において、上記の同一の期間は、電気バイアスがその周期内で該電気バイアスの平均電圧以上の電圧を有する第1の期間又は該電気バイアスが該周期内で該平均電圧よりも低い電圧を有する第2の期間であってもよい。高周波電力のパルスが第1の期間において高周波電極及びアウターリングに供給される場合には、基板上でのプラズマの密度とアウターリングの周囲でのプラズマの密度を増加させることができる。また、高周波電力のパルスが第2の期間において高周波電極及びアウターリングに供給される場合には、基板上でのプラズマ密度に対して相対的にアウターリングの周囲でのプラズマ密度を増加させることができる。
一つの例示的実施形態において、基板支持器は、基台及び該基台上に設けられた静電チャックを有していてもよい。
一つの例示的実施形態において、基台は、バイアス電極である下部電極を提供していてもよい。下部電極は、高周波電極であってもよい。高周波電源は、上記の電気的パスを介して下部電極に電気的に接続されていてもよい。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、インピーダンス調整器を更に備えていてもよい。このインピーダンス調整器は、上記の電気的パスとアウターリングとの間又は下部電極とアウターリングとの間で可変インピーダンスを提供する。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、前記電気的パスとアウターリングとの間又は下部電極とアウターリングとの間で可変インピーダンスを提供する前記インピーダンス調整器と第2の電極との間で接続されたフィルタを更に備えていてもよい。フィルタは、バイアス電源から下部電極に供給される電気バイアスに対して高周波電力を選択的に通過させる周波数特性を有していてもよい。
一つの例示的実施形態において、バイアス電極は、静電チャックの中に設けられていてもよい。基台は、高周波電極である下部電極を提供していてもよい。高周波電源は、下部電極に電気的に接続されていてもよい。一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、高周波電源を下部電極に接続する電気的パスとアウターリングとの間又下部電極とアウターリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を更に備えていてもよい。
別の例示的実施形態において、プラズマ処理装置が提供される。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持器、第1の高周波電源、バイアス電源、及び第2の高周波電源を備える。基板支持器は、バイアス電極を有する。第1の高周波電源は、チャンバ内で基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために高周波電極に供給される第1の高周波電力を発生するように構成されている。バイアス電源は、バイアス電極に電気的パスを介して接続されている。第2の高周波電源は、アウターリングに供給される第2の高周波電力を発生するように構成されている。アウターリングは、基板支持器上に搭載されるエッジリングに対して径方向において外側で延在する。エッジリングが、バイアス電極とエッジリングとの間又は前記電気的パスとエッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介してバイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続される。第2の高周波電源は、バイアス電源からバイアス電極に出力される電気バイアスの各周期内で該電気バイアスに同期して第2の高周波電力の電力レベルを変更するように構成されている。
上記実施形態によれば、エッジリングにおける負バイアスのレベルが、インピーダンス調整器又は別のバイアス電源により調整される。したがって、上記実施形態によれば、エッジリング上でのシースの厚さを調整することが可能となる。また、上記実施形態では、電気バイアスの各周期内でアウターリングに供給される第2の高周波電力の電力レベルが変更される。したがって、上記実施形態によれば、径方向におけるプラズマの密度の分布を電気バイアスの各周期内で調整することが可能となる。
一つの例示的実施形態において、プラズマ処理装置は、第1の電極及び第2の電極を更に備えていてもよい。第1の電極は、エッジリングと電気的に結合される。第1の電極は、エッジリングと容量結合されてもよい。第2の電極は、アウターリングと電気的に結合される。第2の電極は、アウターリングと容量結合されてもよい。インピーダンス調整器は、バイアス電極と第1の電極との間又は前記電気的パスと第1の電極との間で可変インピーダンスを提供する。アウターリングは、第2の電極を介して第2の高周波電力を受ける。
一つの例示的実施形態において、基板支持器は、基台及び該基台上に設けられた静電チャックを有していてもよい。
一つの例示的実施形態において、基台は、バイアス電極である下部電極を提供していてもよい。下部電極は、高周波電極であってもよい。高周波電源は、上記の電気的パスを介して下部電極に電気的に接続されてもよい。
一つの例示的実施形態において、バイアス電極は、静電チャックの中に設けられていてもよい。基台は、高周波電極である下部電極を提供していてもよい。第1の高周波電源は、下部電極に電気的に接続されていてもよい。
一つの例示的実施形態において、第2の高周波電源は、電気バイアスの各周期内の同一の期間において、アウターリングに第2の高周波電力のパルスを供給するように構成されていてもよい。
一つの例示的実施形態において、電気バイアスの各周期は、該電気バイアスがその周期内で該電気バイアスの平均電圧以上の電圧を有する第1の期間又は該電気バイアスが該周期内で該平均電圧よりも低い電圧を有する第2の期間を含む。上記の同一の期間は、第1の期間であってもよい。この実施形態では、基板上でのシースが薄い期間においてアウターリングに供給される第2の高周波電力と高周波電極に供給される第1の高周波電力との比により、径方向におけるプラズマ密度の分布が調整される。
一つの例示的実施形態において、第1の高周波電源は、第1の期間及び第2の期間の双方において第1の高周波電力の連続波を供給してもよく、或いは、第2の期間において第1の高周波電力のパルスを供給してもよい。
一つの例示的実施形態において、第1の高周波電源は、第1の期間において第1の高周波電力のパルスを供給してもよい。
一つの例示的実施形態において、アウターリングは、エッジリングを囲むように延在していてもよい。
一つの例示的実施形態において、バイアス電源は、高周波バイアス電力をバイアス電極に供給するか、パルス状の電圧又は任意の波形を有する電圧を周期的に下部電極に印加するように構成されていてもよい。パルス状の電圧は、負極性を有していてもよい。パルス状の電圧は、パルス状の負極性の直流電圧であってもよい。
更に別の例示的実施形態において、プラズマ処理方法が提供される。プラズマ処理方法は、プラズマ処理装置のチャンバ内で基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために、高周波電源から高周波電極に高周波電力を供給する工程(a1)を含む。プラズマ処理方法は、基板支持器のバイアス電極にバイアス電源から電気バイアスを与える工程(b1)を更に含む。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持器、高周波電源、及びバイアス電極に電気的パスを介して接続されたバイアス電源を備える。エッジリングが、基板支持器上に搭載される。エッジリングは、バイアス電極とエッジリングとの間又は前記電気的パスとエッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介してバイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続されている。アウターリングが、エッジリングに対して径方向において外側で延在する。アウターリングは、高周波電力の一部を受けるように高周波電源に電気的に接続されている。工程(a1)において、高周波電源は、バイアス電源からバイアス電極に出力される電気バイアスの各周期内で電気バイアスに同期して高周波電力の電力レベルを変更する。
一つの例示的実施形態では、工程(a1)において、高周波電源は、電気バイアスの各周期内の同一の期間において高周波電極及びアウターリングに高周波電力のパルスを供給してもよい。同一の期間は、電気バイアスがその周期内で該電気バイアスの平均電圧以上の電圧を有する第1の期間又は該電気バイアスが該周期内で該平均電圧よりも低い電圧を有する第2の期間であってもよい。
更に別の例示的実施形態において、プラズマ処理方法が提供される。プラズマ処理方法は、プラズマ処理装置のチャンバ内で基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために、第1の高周波電源から高周波電極に第1の高周波電力を供給する工程(a2)を含む。プラズマ処理方法は、基板支持器のバイアス電極にバイアス電源から電気バイアスを与える工程(b2)を更に含む。プラズマ処理方法は、第2の高周波電源からアウターリングに第2の高周波電力を供給する工程(c2)を更に含む。プラズマ処理装置は、チャンバ、基板支持器、第1の高周波電源、バイアス電極に電気的パスを介して接続されたバイアス電源、及び第2の高周波電源を備える。エッジリングが、基板支持器上に搭載される。エッジリングは、バイアス電極とエッジリングとの間又は前記電気的パスとエッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介してバイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続されている。アウターリングは、エッジリングに対して径方向において外側で延在する。工程(c2)において、第2の高周波電源は、電気バイアスの各周期内で電気バイアスに同期して第2の高周波電力の電力レベルを変更する。
一つの例示的実施形態では、工程(c2)において、第2の高周波電源は、電気バイアスの各周期内の同一の期間において、アウターリングに第2の高周波電力のパルスを供給してもよい。電気バイアスの各周期は、電気バイアスがその周期内で該電気バイアスの平均電圧以上の電圧を有する第1の期間又は該電気バイアスが該周期内で該平均電圧よりも低い電圧を有する第2の期間を含み得る。同一の期間は、第1の期間であってもよい。
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、一つの例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図1に示すプラズマ処理装置1は、容量結合型のプラズマ処理装置である。プラズマ処理装置1は、チャンバ10を備えている。チャンバ10は、その中に内部空間10sを提供している。内部空間10sの中心軸線は、鉛直方向に延びる軸線AXである。
一実施形態において、チャンバ10は、チャンバ本体12を含んでいてもよい。チャンバ本体12は、略円筒形状を有している。内部空間10sは、チャンバ本体12の中に提供されている。チャンバ本体12は、例えばアルミニウムから構成されている。チャンバ本体12は電気的に接地されている。チャンバ本体12の内壁面、即ち内部空間10sを画成する壁面には、耐プラズマ性を有する膜が形成されている。この膜は、陽極酸化処理によって形成された膜又は酸化イットリウムから形成された膜といったセラミック製の膜であり得る。
チャンバ本体12の側壁は、通路12pを提供している。基板Wは、内部空間10sとチャンバ10の外部との間で搬送されるときに、通路12pを通過する。この通路12pの開閉のために、ゲートバルブ12gがチャンバ本体12の側壁に沿って設けられている。
プラズマ処理装置1は、基板支持器16を更に備えている。基板支持器16は、チャンバ10の中で、その上に載置された基板Wを支持するように構成されている。基板Wは、略円盤形状を有する。基板Wは、その中心が軸線AX上に位置するように基板支持器16上に載置される。基板支持器16は、エッジリングERを更に支持するように構成されている。エッジリングERは、環形状を有している。エッジリングERは、導電性を有し得る。エッジリングERは、例えばシリコン又は炭化ケイ素から形成される。エッジリングERは、軸線AXにその中心軸線が一致するように、基板支持器16上に載置される。基板Wは、基板支持器16上、且つ、エッジリングERによって囲まれた領域内に配置される。
基板支持器16は、絶縁部17によって囲まれていてもよい。絶縁部17は、軸線AXに対して径方向において基板支持器16の外側で周方向に延在している。絶縁部17は、石英といった絶縁材料から形成されている。絶縁部17は、基板支持器16を支持していてもよい。
基板支持器16は、基台18を有する。基板支持器16は、静電チャック20を更に有していてもよい。基台18及び静電チャック20は、チャンバ10の中に設けられている。基台18は、アルミニウムといった導電性材料から形成されており、略円盤形状を有している。基台18の中心軸線は、軸線AXである。
基台18は、その中に流路18fを提供している。流路18fは、熱交換媒体用の流路である。熱交換媒体は、例えば冷媒である。流路18fは、熱交換媒体の供給装置22に接続されている。供給装置22は、チャンバ10の外部に設けられている。流路18fは、供給装置22から供給される熱交換媒体を受ける。流路18fに供給された熱交換媒体は、流路18fを流れて供給装置22に戻される。
静電チャック20は、基台18上に設けられている。基板Wは、内部空間10sの中で処理されるときに、静電チャック20上に載置され、静電チャック20によって保持される。
静電チャック20は、本体及びチャック電極を有している。静電チャック20の本体は、酸化アルミニウム又は窒化アルミニウムといった誘電体から形成されている。静電チャック20の本体は、略円盤形状を有している。静電チャック20の中心軸線は、軸線AXである。チャック電極は、静電チャック20の本体内に設けられている。チャック電極は、膜形状を有している。チャック電極は、スイッチを介して直流電源に電気的に接続されている。直流電源からの電圧がチャック電極に印加されると、静電チャック20と基板Wとの間で静電引力が発生する。発生した静電引力により、基板Wは静電チャック20に引き付けられ、静電チャック20によって保持される。
静電チャック20は、基板載置領域を含んでいる。基板載置領域は、略円盤形状を有する領域である。基板載置領域の中心軸線は、軸線AXである。基板Wは、チャンバ10内で処理されるときには、基板載置領域の上面の上に載置される。
一実施形態において、静電チャック20は、エッジリング載置領域を更に含んでいてもよい。エッジリング載置領域は、静電チャック20の中心軸線の周りで基板載置領域を囲むように周方向に延在している。エッジリング載置領域の上面の上にはエッジリングERが載置される。エッジリングERは、部分的に絶縁部17上に載置されていてもよい。
プラズマ処理装置1は、ガス供給ライン24を提供していてもよい。ガス供給ライン24は、ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャック20の上面と基板Wの裏面(下面)との間の間隙に供給する。
プラズマ処理装置1は、上部電極30を更に備えている。上部電極30は、基板支持器16の上方に設けられている。上部電極30は、部材32と共にチャンバ本体12の上部開口を閉じている。部材32は、絶縁性を有している。上部電極30は、部材32を介してチャンバ本体12の上部に支持されている。
上部電極30は、天板34及び支持体36を含んでいてもよい。天板34の下面は、内部空間10sを画成している。天板34は、複数のガス吐出孔34aを提供している。複数のガス吐出孔34aの各々は、天板34をその板厚方向(鉛直方向)に貫通している。天板34は、例えばシリコンから形成されている。或いは、天板34は、アルミニウム製の部材の表面に耐プラズマ性の膜を設けた構造を有し得る。この膜は、陽極酸化処理によって形成された膜又は酸化イットリウムから形成された膜といったセラミック製の膜であり得る。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持している。支持体36は、例えばアルミニウムといった導電性材料から形成されている。支持体36は、その中にガス拡散室36aを提供している。支持体36は、複数のガス孔36bを更に提供している。複数のガス孔36bは、ガス拡散室36aから下方に延びて、複数のガス吐出孔34aにそれぞれ連通している。支持体36は、ガス導入ポート36cを更に提供している。ガス導入ポート36cは、ガス拡散室36aに接続している。ガス導入ポート36cには、ガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、ガスソース群40が、バルブ群41、流量制御器群42、及びバルブ群43を介して接続されている。ガスソース群40、バルブ群41、流量制御器群42、及びバルブ群43は、ガス供給部を構成している。ガスソース群40は、複数のガスソースを含んでいる。バルブ群41及びバルブ群43の各々は、複数のバルブ(例えば開閉バルブ)を含んでいる。流量制御器群42は、複数の流量制御器を含んでいる。流量制御器群42の複数の流量制御器の各々は、マスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器である。ガスソース群40の複数のガスソースの各々は、バルブ群41の対応のバルブ、流量制御器群42の対応の流量制御器、及びバルブ群43の対応のバルブを介して、ガス供給管38に接続されている。プラズマ処理装置1は、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択された一つ以上のガスソースからのガスを、個別に調整された流量で、内部空間10sに供給することが可能である。
プラズマ処理装置1は、バッフル部材48を更に備えていてもよい。バッフル部材48は、絶縁部17とチャンバ本体12の側壁との間で延在している。バッフル部材48は、例えば、アルミニウム製の部材に酸化イットリウム等のセラミックを被覆することにより構成され得る。バッフル部材48は、複数の貫通孔を提供している。バッフル部材48の上方の空間とバッフル部材48の下方の空間は、バッフル部材48の複数の貫通孔を介して接続される。
プラズマ処理装置1は、排気装置50を更に備え得る。排気装置50は、バッフル部材48の下方でチャンバ本体12の底部に排気管52を介して接続される。排気装置50は、自動圧力制御弁といった圧力制御器、及び、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、内部空間10sの圧力を減圧することができる。
プラズマ処理装置1は、高周波電源61を更に備えている。高周波電源61は、基板支持器16によって支持された基板Wの上方でプラズマを生成するために高周波電極に供給される高周波電力HFを発生する。高周波電力HFは、第1の周波数を有する。第1の周波数は、27~100MHzの範囲内の周波数、例えば40MHz又は60MHzの周波数である。一実施形態において、高周波電極は、基台18である。即ち、一実施形態において、基台18は、高周波電極である下部電極を提供している。高周波電源61は、整合器63を介して基台18に接続されている。整合器63は、高周波電源61の負荷側(基台18側)のインピーダンスを、高周波電源61の出力インピーダンスに整合させるように構成された整合回路を有している。一実施形態において、高周波電源61は、整合器63及び電気的パス71を介して基台18に接続されていてもよい。一実施形態において、電気的パス71は、バイアス電源62を基台18に接続する。即ち、一実施形態において、基台18は、バイアス電極である下部電極を提供している。
バイアス電源62は、電気バイアスEBを基板支持器16のバイアス電極(図1の例では基台18)に与えるように構成されている。電気バイアスEBは、基板Wにイオンを引き込むために用いられ得る。
一実施形態において、バイアス電源62は、電気バイアスEBとして、高周波バイアス電力を発生してもよい。高周波バイアス電力は、第2の周波数を有する。第2の周波数は、高周波電力HFの周波数と異なる。第2の周波数は、第1の周波数よりも低くてもよい。第2の周波数は、50kHz~27MHzの範囲内の周波数であり、例えば、400kHzである。なお、高周波電源61が基台18ではなく上部電極30に接続される場合には、第2の周波数は、第1の周波数より低くても、高くてもよく、第1の周波数と同一であってもよい。
バイアス電源62は、高周波バイアス電力をバイアス電極に供給するために、整合器64を介してバイアス電極(図1の例では基台18)に接続されている。整合器64は、バイアス電源62の負荷側のインピーダンスを、バイアス電源62の出力インピーダンスに整合させるように構成された整合回路を有している。
別の実施形態において、バイアス電源62は、電気バイアスEBとして電圧のパルス(即ちパルス状の電圧)又は任意の波形を有する電圧をバイアス電極(図1の例では基台18)に周期的に与えるように構成されていてもよい。電圧のパルスは、負極性を有していてもよい。電圧のパルスは、負の直流電圧のパルスであってもよい。電圧のパルスは、第2の周波数で規定される周期で基台18に与えられる。この実施形態において、第2の周波数は、1kHz~1MHzの範囲内の周波数であってもよい。パルスの電圧は、当該パルスがバイアス電極に与えられている期間内で、変化してもよい。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、第1の電極81を更に備えていてもよい。第1の電極81は、エッジリングERと電気的に結合される。第1の電極81は、エッジリングERと容量結合されていてもよい。第1の電極81は、エッジリングERの下方に配置される。一実施形態において、第1の電極81は、静電チャック20のエッジリング載置領域内に設けられていてもよい。別の実施形態において、第1の電極81は、絶縁部17の中に設けられていてもよい。なお、第1の電極81は、エッジリングERに直接的に結合されていてもよい。第1の電極81は、単一の電極であってもよく、軸線AXの周りで周方向に延在していてもよい。或いは、第1の電極81は、軸線AXの周りで周方向に沿って配列された複数の電極を含んでいてもよい。第1の電極81を構成する複数の電極は、等間隔に配列されていてもよい。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、インピーダンス調整器83を更に備えていてもよい。インピーダンス調整器83は、可変インピーダンスを提供する。インピーダンス調整器83の可変インピーダンスは、後述する制御部MCによって制御され得る。一実施形態において、インピーダンス調整器83は、高周波電極(図1の例では、基台18)と第1の電極81との間で接続されている。一実施形態において、インピーダンス調整器83は、一つ以上の可変インピーダンス素子を含む。一つ以上の可変インピーダンス素子は、可変容量コンデンサを含んでいてもよい。別の実施形態において、インピーダンス調整器83は、複数の直列回路の並列接続から構成された回路を含んでいてもよい。複数の直列回路の各々は、固定インピーダンス素子とスイッチング素子の直列接続を含み得る。固定インピーダンス素子は、例えば固定容量コンデンサである。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、第2の電極82を更に備えていてもよい。第2の電極82は、アウターリングORと電気的に結合される。第2の電極82は、アウターリングORと容量結合されていてもよい。アウターリングORは、環形状を有する。アウターリングORは、導電性を有し得る。アウターリングORは、例えばシリコン又は炭化ケイ素から形成される。アウターリングORは、エッジリングERに対して径方向において外側で延在する。アウターリングORは、軸線AXにその中心軸線が一致するように配置される。一実施形態において、アウターリングORは、エッジリングERを囲むように延在する。アウターリングORは、基板支持器16上又は絶縁部17上に載置され得る。
第2の電極82は、図1に示すように、アウターリングORの下方に配置されていてもよい。第2の電極82は、絶縁部17の中又は表面上に設けられていてもよい。なお、第2の電極82は、アウターリングORに直接的に結合されていてもよい。第2の電極82は、単一の電極であってもよく、軸線AXの周りで周方向に延在していてもよい。或いは、第2の電極82は、軸線AXの周りで周方向に沿って配列された複数の電極を含んでいてもよい。第2の電極82を構成する複数の電極は、等間隔に配列されていてもよい。
プラズマ処理装置1では、高周波電力HFの一部がアウターリングORに供給される。一実施形態では、高周波電力HFの一部は、第2の電極82を介してアウターリングORに供給される。アウターリングORは、インピーダンス調整器84を介して電気的パス71と接続されている。一実施形態では、第2の電極82は、インピーダンス調整器84を介して電気的パス71と接続されている。即ち、インピーダンス調整器84は、電気的パス71と第2の電極82との間で接続されている。インピーダンス調整器84は、可変インピーダンスを提供する。インピーダンス調整器84の可変インピーダンスは、制御部MCによって制御され得る。一実施形態において、インピーダンス調整器84は、一つ以上の可変インピーダンス素子を含んでいる。一つ以上のインピーダンス素子は、可変容量コンデンサを含んでいてもよい。別の実施形態において、インピーダンス調整器84は、複数の直列回路の並列接続から構成された回路を含んでいてもよい。複数の直列回路の各々は、固定インピーダンス素子とスイッチング素子の直列接続を含み得る。固定インピーダンス素子は、例えば固定容量コンデンサである。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、制御部MCを更に備え得る。制御部MCは、プロセッサ、記憶装置、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、プラズマ処理装置1の各部を制御する。具体的に、制御部MCは、記憶装置に記憶されている制御プログラムを実行し、当該記憶装置に記憶されているレシピデータに基づいてプラズマ処理装置1の各部を制御する。制御部MCによる制御により、レシピデータによって指定されたプロセスがプラズマ処理装置1において実行される。
一実施形態において、電気的パス71は、軸線AXに対して周方向において均一に基台18に電力を分配するように構成されていてもよい。一実施形態において、電気的パス71は、基台18の複数の位置にそれぞれ接続する複数の分岐ラインを含んでいてもよい。複数の位置は、軸線AXから等しい距離を有し、且つ、軸線AXに対して周方向に等間隔で配列される。また、電気的パス71の複数の分岐ラインは、軸線AXに対して周方向に等間隔で配列される。また、基台18の複数の位置それぞれに対する電気的パス71の電気的長さは、互いに略等しい。この実施形態によれば、電気的パス71を介して基台18に均一に電力を供給することが可能となる。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、電気的パス72を更に備えていてもよい。電気的パス72は、バイアス電極(図1の例では基台18)とエッジリングER(又は第1の電極81)との間で分配されて第1の電極81に供給される電力のための電気的パスである。電気的パス72は、エッジリングER(又は第1の電極81)の複数の位置にそれぞれ接続する複数の分岐ラインを含んでいてもよい。複数の位置は、軸線AXから等しい距離を有し、且つ、軸線AXに対して周方向に等間隔で配列される。また、電気的パス72の複数の分岐ラインは、軸線AXに対して周方向に等間隔で配列される。また、エッジリングER(又は第1の電極81)の複数の位置それぞれに対する電気的パス72の電気的長さは、互いに略等しい。この実施形態によれば、電気的パス72を介してエッジリングERに均一に電力を供給することが可能となる。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、電気的パス73を更に備えていてもよい。電気的パス73は、高周波電極(図1の例では基台18)とアウターリングOR(又は第2の電極82)との間で分配されてアウターリングORに供給される電力のための電気的パスである。電気的パス73は、アウターリングOR(又は第2の電極82)の複数の位置にそれぞれ接続する複数の分岐ラインを含んでいてもよい。複数の位置は、軸線AXから等しい距離を有し、且つ、軸線AXに対して周方向に等間隔で配列される。また、電気的パス73の複数の分岐ラインは、軸線AXに対して周方向に等間隔で配列される。また、アウターリングOR(又は第2の電極82)の複数の位置それぞれに対する電気的パス73の電気的長さは、互いに略等しい。この実施形態によれば、電気的パス73を介してアウターリングORに均一に電力を供給することが可能となる。
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、フィルタ74を更に備えていてもよい。フィルタ74は、インピーダンス調整器84とアウターリングOR(又は第2の電極82)との間で接続されている。フィルタ74は、電気バイアスEBに対して高周波電力HFを選択的に通過させる周波数特性を有していてもよい。或いは、フィルタ74は、高周波電力HFに対して電気バイアスEBを選択的に通過させる周波数特性を有していてもよい。或いは、フィルタ74の通過帯域は、高周波電力HFの帯域、電気バイアスEBの帯域、及びそれらの双方の帯域の何れかに変更可能であってもよい。
以下、図1と共に、図2の(a)、図2の(b)、図3の(a)、及び図3の(b)を参照する。図2の(a)及び図2の(b)の各々は、図1に示すプラズマ処理装置において用いられる一例の高周波電力と電気バイアスのタイミングチャートである。図3の(a)及び図3の(b)の各々は、図1に示すプラズマ処理装置において用いられる別の例の高周波電力と電気バイアスのタイミングチャートである。これらの図は、高周波電力HFの電力レベル及び電気バイアスEBの電圧レベルを示している。
図2の(a)、図2の(b)、図3の(a)、及び図3の(b)において、高周波電力HFの「H」は高周波電力HFの電力レベルが高いことを示している。高周波電力HFの「L」は高周波電力HFの電力レベルが「H」で示されるレベルよりも低いことを示している。高周波電力HFの「ON」は高周波電力HFが供給されていることを示しており、高周波電力HFの「OFF」は高周波電力HFの供給が停止されていること、即ち、高周波電力HFが0(W)であることを示している。また、電気バイアスEBの「ON」は電圧のパルス(例えば負の直流電圧のパルス)が基台18に与えられていることを示している。また、電気バイアスEBの「OFF」は電圧のパルスが停止されていること、即ち電気バイアスEBの電圧が0(V)であることを示している。
電気バイアスEBの周期CYは、第1の期間P1及び第2の期間P2を含む。第1の期間P1は、電気バイアスEBが周期CY内で電気バイアスEBの平均電圧以上の電圧を有する期間である。第1の期間P1は、例えば、電気バイアスEBが正又は0の電圧を有する期間である。第2の期間P2は、電気バイアスEBが上記平均電圧よりも低い電圧を有する期間である。第2の期間P2は、例えば、電気バイアスEBが負の電圧を有する期間である。図2の(a)及び図2の(b)に示すように、電気バイアスEBは、高周波バイアス電力であってもよい。或いは、図3の(a)及び図3の(b)に示すように、電気バイアスEBは、バイアス電極に周期的に印加される電圧のパルス(例えば負の直流電圧のパルス)を含んでいてもよい。
プラズマ処理装置1において、高周波電源61は、電気バイアスEBの各周期CY内で電気バイアスEBに同期して高周波電力HFの電力レベルを変更するように構成されている。一実施形態において、高周波電源61は、電気バイアスEBの各周期CY内の同一の期間において、高周波電力HFのパルスを高周波電極(図1の例では基台18)及びアウターリングORに供給してもよい。
図2の(a)に示す例及び図3の(a)に示す例では、高周波電力HFのパルスが第1の期間P1において高周波電極(図1の例では基台18)及びアウターリングORに供給される。第1の期間P1においては、基板W上のシース(プラズマシース)の厚さが小さく、基板W上でのインピーダンスが小さい。したがって、第1の期間P1においては、基板Wを通ってプラズマに結合される高周波電力HFが、アウターリングORの周囲でプラズマに結合される高周波電力HFに対して相対的に多くなる。その結果、これらの例では、基板Wの中央の上方の領域でのプラズマの密度が、基板Wのエッジの上方の領域でのプラズマの密度に対して相対的に高められる。故に、これらの例によれば、基板Wのエッジの上方の領域でプラズマの密度が高く、基板Wの中央の上方の領域でプラズマの密度が低いプラズマの密度の分布を、径方向において均一な密度の分布に補正することが可能となる。また、これらの例では、径方向におけるプラズマの密度の分布を、エッジリングERの上方の領域の外側の領域をも含む空間においても調整することが可能となる。
図2の(b)に示す例及び図3の(b)に示す例では、高周波電力HFのパルスが第2の期間P2において高周波電極(図1の例では基台18)及びアウターリングORに供給される。第2の期間P2においては、基板W上のシース(プラズマシース)の厚さが大きく、基板W上でのインピーダンスが大きい。したがって、第2の期間P2においては、アウターリングORの周囲でプラズマに結合される高周波電力HFが、基板Wを通ってプラズマに結合される高周波電力HFに対して相対的に多くなる。その結果、これらの例では、基板Wのエッジの上方の領域でのプラズマの密度が高められる。故に、これらの例では、基板Wのエッジの上方の領域でプラズマの密度が低く、基板Wの中央の上方の領域でプラズマの密度が高いプラズマの密度の分布を、径方向において均一な密度の分布に補正することが可能となる。また、これらの例では、径方向におけるプラズマの密度の分布を、エッジリングERの上方の領域の外側の領域をも含む空間においても調整することが可能となる。
プラズマ処理装置1では、各周期CY内での高周波電力HFの電力レベルの変更は、制御部MCによる高周波電源61の制御により実行される。一実施形態のプラズマ処理装置1では、高周波電力HFのパルスの供給タイミングは、制御部MCによる高周波電源61の制御により設定され得る。また、高周波電極(図1の例では基台18)とアウターリングORとの間での高周波電力の分配比率は、制御部MCによるインピーダンス調整器84のインピーダンスの制御により設定され得る。また、バイアス電極(図1の例では基台18)とエッジリングERとの間での電気バイアスEBの分配比率は、制御部MCによるインピーダンス調整器83のインピーダンスの制御により設定され得る。
制御部MCは、エッジリングERの厚さを、一つ以上のセンサによる測定値又はエッジリングERの使用時間から特定し得る。制御部MCは、特定したエッジリングERの厚さに応じて、プラズマとシースとの界面の高さ方向の位置を、径方向において均一化するように、インピーダンス調整器83のインピーダンスを調整し得る。制御部MCは、エッジリングERの厚さとインピーダンス調整器83のインピーダンスとの関係を、テーブル又は関数の形態で、その記憶装置に予め保持していてもよい。制御部MCは、当該関係を利用してエッジリングERの厚さからインピーダンス調整器83のインピーダンスを決定してもよい。
制御部MCは、特定したエッジリングERの厚さ又は一つ以上のセンサによって測定される一つ以上の測定値に応じて、径方向におけるプラズマの密度の分布を均一化するように、インピーダンス調整器84のインピーダンスを設定し得る。一つ以上のセンサは、内部空間10sにおけるプラズマ密度の分布を測定するセンサを含んでいてもよい。一つ以上のセンサは、基板W、エッジリングER、及びアウターリングORそれぞれの電圧を測定するセンサを含んでいてもよい。一つ以上のセンサは、基板W、エッジリングER、及びアウターリングORのそれぞれに流れる電流を測定するセンサを含んでいてもよい。一つ以上のセンサは、内部空間10sにおける発光強度分布を測定するセンサを含んでいてもよい。制御部MCは、特定したエッジリングERの厚さ又は一つ以上のセンサによって測定される一つ以上の測定値と、インピーダンス調整器84のインピーダンスとの関係を、テーブル又は関数の形態で、その記憶装置に予め保持していてもよい。制御部MCは、当該関係を利用してエッジリングERの厚さ又は一つ以上のセンサによって測定される一つ以上の測定値からインピーダンス調整器84のインピーダンスを決定してもよい。
プラズマ処理装置1によれば、バイアス電極(図1の例では基台18)とエッジリングERとの間での電気バイアスEBの分配比率が、インピーダンス調整器83によって調整される。したがって、エッジリングERにおける負バイアスのレベルが、インピーダンス調整器83によって調整される。故に、エッジリングER上でのシースの厚さを調整することが可能となる。また、プラズマ処理装置1では、電気バイアスEBの各周期CY内でアウターリングORに供給される高周波電力HFの電力レベルが変更される。したがって、プラズマ処理装置1によれば、径方向におけるプラズマの密度の分布を各周期CY内で調整することが可能となる。
また、高周波電力HFのパルスが第1の期間P1において高周波電極及びアウターリングORに供給される場合には、基板W上でのプラズマ密度とアウターリングORの周囲でのプラズマ密度を増加させることができる。また、高周波電力HFのパルスが第2の期間P2において高周波電極及び第2の電極82に供給される場合には、基板W上でのプラズマの密度に対して相対的にアウターリングORの周囲でのプラズマの密度を増加させることができる。したがって、プラズマ処理装置1によれば、径方向におけるプラズマの密度の分布を各周期CY内で調整することが可能となる。
以下、プラズマ処理装置1を用いるプラズマ処理方法について説明する。プラズマ処理方法は、工程(a1)及び工程(b1)を含む。工程(a1)では、チャンバ10内でガスからプラズマを生成するために、高周波電力HFが、高周波電源61から高周波電極(図1の例では基台18)に供給される。工程(b1)では、電気バイアスEBが、バイアス電源62からバイアス電極(図1の例では基台18)に与えられる。工程(a1)において、高周波電源61は、各周期CY内で電気バイアスEBに同期して高周波電力HFの電力レベルを変更する。
工程(a1)において、高周波電源61は、各周期CY内の同一の期間において高周波電極(図1では基台18)及び第2の電極82に高周波電力HFのパルスを供給してもよい。同一の期間は、周期CY内の第1の期間P1又は第2の期間P2内であってもよい。
以下、図4を参照する。図4は、別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。以下、図4に示すプラズマ処理装置1Bとプラズマ処理装置1の相違点を説明する。
プラズマ処理装置1Bは、インピーダンス調整器84を備えていない。プラズマ処理装置1Bは、高周波電力HF(第1の高周波電力)を発生する高周波電源61(第1の高周波電源)に加えて、第2の高周波電源として高周波電源91を更に備えている。高周波電源91は、第2の電極82に供給される高周波電力HF2(第2の高周波電力)を発生するように構成されている。高周波電源91が発生する高周波電力の周波数は、高周波電力HFの周波数と同一であってもよく、異なっていてもよい。
高周波電源91は、整合器93及び電気的パス75を介して、アウターリングORに接続されている。高周波電源91は、整合器93及び電気的パス75を介して、第2の電極82に接続されていてもよい。整合器93は、高周波電源91の負荷側のインピーダンスを、高周波電源91の出力インピーダンスに整合させるように構成された整合回路を有している。
一実施形態において、電気的パス75は、アウターリングOR(又は第2の電極82)の複数の位置にそれぞれ接続する複数の分岐ラインを含んでいてもよい。複数の位置は、軸線AXから等しい距離を有し、且つ、軸線AXに対して周方向に等間隔で配列される。また、電気的パス75の複数の分岐ラインは、軸線AXに対して周方向に等間隔で配列される。また、アウターリングOR(又は第2の電極82)の複数の位置それぞれに対する電気的パス75の電気的長さは、互いに略等しい。この実施形態によれば、電気的パス75を介してアウターリングORに均一に電力を供給することが可能となる。
以下、図4と共に、図5の(a)、図5の(b)、図6の(a)、及び図6の(b)を参照する。図5の(a)及び図5の(b)の各々は、図4に示すプラズマ処理装置において用いられる一例の第1の高周波電力、第2の高周波電力、及び電気バイアスのタイミングチャートである。図6の(a)及び図6の(b)の各々は、図4に示すプラズマ処理装置において用いられる別の例の第1の高周波電力、第2の高周波電力、及び電気バイアスのタイミングチャートである。図5の(a)、図5の(b)、図6の(a)、及び図6の(b)は、高周波電力HF(第1の高周波電力)の電力レベル、高周波電力HF2(第2の高周波電力)の電力レベル、及び電気バイアスEBの電圧レベルを示している。
図5の(a)、図5の(b)、図6の(a)、及び図6の(b)において、高周波電力HFの「H」は高周波電力HFの電力レベルが高いことを示している。高周波電力HFの「L」は高周波電力HFの電力レベルが「H」で示されるレベルよりも低いことを示している。高周波電力HFの「ON」は高周波電力HFが供給されていることを示しており、高周波電力HFの「OFF」は高周波電力HFの供給が停止されていること、即ち、高周波電力HFが0(W)であることを示している。これらの図において、高周波電力HF2の「H」は高周波電力HF2の電力レベルが高いことを示しており、高周波電力HF2の「L」は高周波電力HF2の電力レベルが「H」で示されるレベルよりも低いことを示している。高周波電力HF2の「ON」は高周波電力HF2が供給されていることを示しており、高周波電力HF2の「OFF」は高周波電力HF2の供給が停止されていること、即ち、高周波電力HF2が0(W)であることを示している。また、電気バイアスEBの「ON」は電圧のパルス(例えば負の直流電圧のパルス)が基台18に与えられていることを示している。また、電気バイアスEBの「OFF」は電圧のパルスが停止されていること、即ち電気バイアスEBの電圧が0(V)であることを示している。
プラズマ処理装置1に関して上述した電気バイアスEBと同様に、プラズマ処理装置1Bにおいても、第1の期間P1は、電気バイアスEBが周期CY内で電気バイアスEBの平均電圧以上の電圧を有する期間である。第1の期間P1は、例えば、電気バイアスEBが正又は0の電圧を有する期間である。第2の期間P2は、電気バイアスEBが上記平均電圧よりも低い電圧を有する期間である。第2の期間P2は、例えば、電気バイアスEBが負の電圧を有する期間である。図5の(a)及び図6の(a)に示すように、電気バイアスEBは、高周波バイアス電力であってもよい。或いは、図5の(b)及び図6の(b)に示すように、電気バイアスEBは、基台18に周期的に印加される電圧のパルス(例えば負の直流電圧のパルス)を含んでいてもよい。
プラズマ処理装置1Bにおいて、高周波電源91は、電気バイアスEBの各周期CY内で電気バイアスEBに同期して高周波電力HF2の電力レベルを変更するように構成されている。一実施形態において、高周波電源91は、各周期CY内の同一の期間において、アウターリングORに高周波電力HF2のパルスを供給するように構成されていてもよい。
図5の(a)に示す例及び図5の(b)に示す例では、高周波電力HF2のパルスが、第1の期間P1においてアウターリングORに供給される。これらの例では、図5の(a)及び図5の(b)において実線で示すように、高周波電力HFのパルスが、第2の期間P2において高周波電極(図4の例では基台18)及びエッジリングERに供給されてもよい。或いは、これらの例では、図5の(a)及び図5の(b)において破線で示すように、高周波電力HFの連続波が、第1の期間P1及び第2の期間P2の双方において高周波電極(図4の例では基台18)及びエッジリングERに供給されてもよい。
図5の(a)に示す例及び図5の(b)に示す例では、第1の期間P1において供給される高周波電力HF2のパルスが、アウターリングORの周囲でのプラズマの密度を第1の期間P1において増加させる。また、第2の期間P2において供給される高周波電力HFのうち比較的多くの部分が、アウターリングORの周囲でプラズマに結合される。その結果、これらの例では、基板Wのエッジの上方の領域でのプラズマの密度が、基板Wの中央の上方の領域でのプラズマの密度に対して相対的に高められる。故に、これらの例によれば、基板Wのエッジの上方の領域でプラズマの密度が低く、基板Wの中央の上方の領域でプラズマの密度が高いプラズマの密度の分布を、径方向において均一な密度の分布に補正することが可能となる。また、これらの例では、径方向におけるプラズマの密度の分布を、エッジリングERの上方の領域の外側の領域をも含む空間においても調整することが可能となる。
図6の(a)に示す例及び図6の(b)に示す例では、高周波電力HF2のパルスが、第1の期間P1においてアウターリングORに供給される。これらの例では、高周波電力HFのパルスが、第1の期間P1において高周波電極(図4の例では基台18)及びエッジリングERに供給される。第1の期間P1においては、基板W上のシース(プラズマシース)の厚さが小さく、基板W上でのインピーダンスが小さい。したがって、基板Wの中央を通ってプラズマに結合される高周波電力HFが比較的多くなる。その結果、これらの例では、基板Wの中央の上方の領域でのプラズマの密度が高くなる。故に、これらの例では、基板Wのエッジの上方の領域でプラズマの密度が高く、基板Wの中央の上方の領域でプラズマの密度が低いプラズマの密度の分布を、径方向において均一な密度の分布に補正することが可能となる。また、これらの例では、第1の期間P1において供給される高周波電力HF2により、径方向におけるプラズマの密度の分布を、エッジリングERの上方の領域の外側の領域をも含む空間においても調整することが可能となる。
プラズマ処理装置1Bでは、各周期CY内での高周波電力HFの供給は、制御部MCによる高周波電源61の制御により実行される。また、各周期CY内での高周波電力HF2の電力レベルの変更は、制御部MCによる高周波電源91の制御により実行される。また、プラズマ処理装置1Bでは、高周波電極(図4の例では基台18)とエッジリングERとの間での電気バイアスEBの分配比率は、制御部MCによるインピーダンス調整器83のインピーダンスの制御により設定され得る。制御部MCは、プラズマ処理装置1の制御部MCと同様に、エッジリングERの厚さからインピーダンス調整器83のインピーダンスを決定してもよい。
プラズマ処理装置1Bでは、制御部MCは、特定したエッジリングERの厚さ又は一つ以上のセンサによって測定される一つ以上の測定値に応じて、径方向におけるプラズマの密度の分布を均一化するように、高周波電源61及び高周波電源91の設定を調整し得る。即ち、制御部MCは、高周波電力HFの供給タイミング及び電力レベル、並びに高周波電力HF2の供給タイミング及び電力レベルを調整し得る。一つ以上のセンサは、内部空間10sにおけるプラズマ密度の分布を測定するセンサを含んでいてもよい。一つ以上のセンサは、基板W、エッジリングER、及びアウターリングORそれぞれの電圧を測定するセンサを含んでいてもよい。一つ以上のセンサは、基板W、エッジリングER、及びアウターリングORのそれぞれに流れる電流を測定するセンサを含んでいてもよい。一つ以上のセンサは、内部空間10sにおける発光強度分布を測定するセンサを含んでいてもよい。制御部MCは、特定したエッジリングERの厚さ又は一つ以上のセンサによって測定される一つ以上の測定値と高周波電源61及び高周波電源91の設定との関係を、テーブル又は関数の形態で、その記憶装置に予め保持していてもよい。制御部MCは、当該関係を利用してエッジリングERの厚さ又は一つ以上のセンサによって測定される一つ以上の測定値から高周波電源61及び高周波電源91の設定を決定してもよい。
なお、図5の(a)、図5の(b)、図6の(a)、及び図6の(b)に示す例では、第2の期間P2における高周波電力HF2の電力レベルは、0ではなく、「L」で示されるレベルに設定されてもよい。第2の期間P2においては、アウターリングORの周辺におけるプラズマの密度が相対的に大きく低下する傾向がある。そこで、第2の期間P2においても高周波電力HF2をアウターリングORに供給することにより、径方向におけるプラズマの密度の分布の変動を抑制することが可能となる。
プラズマ処理装置1Bでは、高周波電極とエッジリングERとの間での電気バイアスEBの分配比率が、インピーダンス調整器83によって調整される。したがって、エッジリングERにおける負バイアスのレベルが調整される。故に、エッジリングER上でのシースの厚さを調整することが可能となる。また、各周期CY内でアウターリングORに供給される高周波電力HF2の電力レベルが変更される。したがって、プラズマ処理装置1Bによれば、径方向におけるプラズマの密度の分布を各周期CY内で調整することが可能となる。また、プラズマ処理装置1Bでは、基板W上でのシースが薄い第1の期間P1においてアウターリングORに供給される高周波電力HF2と高周波電極に供給される高周波電力HF1との比により、径方向におけるプラズマ密度の分布が各周期CY内で調整される。
以下、プラズマ処理装置1Bを用いるプラズマ処理方法について説明する。プラズマ処理方法は、工程(a2)、工程(b2)、及び工程(c2)を含む。工程(a2)では、チャンバ10内でガスからプラズマを生成するために、高周波電力HFが、高周波電源61から高周波電極(図4の例では基台18)に供給される。工程(b2)では、電気バイアスEBが、バイアス電極(図4の例では基台18)にバイアス電源62から与えられる。工程(c2)では、高周波電力HF2が、高周波電源91からアウターリングORに供給される。工程(c2)では、高周波電源91は、各周期CY内で電気バイアスEBに同期して高周波電力HF2の電力レベルを変更する。
工程(c2)において、高周波電源61は、各周期CY内の同一の期間において第2の電極82に高周波電力HF2のパルスを供給してもよい。同一の期間は、周期CY内の第1の期間P1であってもよい。
以下、図7を参照する。図7は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。以下、図7に示すプラズマ処理装置1Cとプラズマ処理装置1Bの相違点を説明する。
プラズマ処理装置1Cは、インピーダンス調整器83を備えていない。プラズマ処理装置1Cでは、バイアス電源92が、整合器94及び電気的パス72を介してエッジリングER(又は第1の電極81)に接続されている。バイアス電源92はバイアス電源62と同様の電源である。整合器94は、バイアス電源92の負荷側のインピーダンスを、バイアス電源92の出力インピーダンスに整合させるための整合回路を含んでいる。
プラズマ処理装置1Cにおいて、制御部MCは、エッジリングERの厚さを、一つ以上のセンサによる測定値又はエッジリングERの使用時間から特定し得る。制御部MCは、特定したエッジリングERの厚さに応じて、プラズマとシースとの界面の高さ方向の位置を、径方向において均一化するように、バイアス電源92が発生する電気バイアスのレベルを設定してもよい。制御部MCは、エッジリングERの厚さとバイアス電源92が発生する電気バイアスとの関係を、テーブル又は関数の形態で、その記憶装置に予め保持していてもよい。制御部MCは、当該関係を利用してエッジリングERの厚さからバイアス電源92が発生する電気バイアスのレベルを決定してもよい。
なお、プラズマ処理装置1Cでは、高周波電力を発生する別の高周波電源が、整合器を介してエッジリングER(又は第1の電極81)に電気的に接続されていてもよい。
以下、図8を参照する。図8は、更に別の例示的実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。以下、図8に示すプラズマ処理装置1Dとプラズマ処理装置1Cの相違点を説明する。プラズマ処理装置1Dでは、バイアス電極21が、静電チャック20の中に設けられている。バイアス電極21は、チャック電極を兼ねていてもよく、チャック電極とは別の電極であってもよい。プラズマ処理装置1Dでは、バイアス電源62は、電気的パス71とは別の電気的パスを介してバイアス電極21に接続されている。
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
例えば、別の実施形態において、高周波電源61は、整合器63を介して、基台18ではなく上部電極30に接続されていてもよい。この場合には、上部電極30が高周波電極として用いられる。
更に別の実施形態においては、高周波電源61が電気的パス71を介して基台18に接続されている場合に、インピーダンス調整器83は、電気的パス71とエッジリングER(又は第1の電極81)との間で接続されていてもよい。
更に別の実施形態において、アウターリングORは、エッジリングERの鉛直方向における位置よりも高い位置に配置されていてもよい。更に別の実施形態において、アウターリングORは、上部電極30を囲むように配置されていてもよい。この場合において、アウターリングORは、部材32の中に配置されていてもよい。
更に別の実施形態において、インピーダンス調整器84は、基台18とアウターリングOR(又は第2の電極82)との間で接続されていてもよい。
更に別の実施形態において、別のバイアス電源が、電気的パス75を介してアウターリングOR(又は第2の電極82)に接続されていてもよい。別のバイアス電源は、アウターリングORに供給される高周波バイアス電力を発生してもよく、或いは、アウターリングORに印加されるパルス状の電圧又は任意の波形を有する電圧を周期的に発生してもよい。
以上の説明から、本開示の種々の実施形態は、説明の目的で本明細書で説明されており、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
1…プラズマ処理装置、10…チャンバ、16…基板支持器、18…基台、61…高周波電源、62…バイアス電源、ER…エッジリング、81…第1の電極、83…インピーダンス調整器、OR…アウターリング、82…第2の電極。

Claims (25)

  1. チャンバと、
    バイアス電極を有する基板支持器と、
    前記チャンバ内で前記基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために高周波電極に供給される高周波電力を発生する高周波電源と、
    前記バイアス電極に電気的パスを介して接続されたバイアス電源と、
    を備え、
    前記基板支持器上に搭載されるエッジリングが、前記バイアス電極と該エッジリングとの間又は前記電気的パスと前記エッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介して前記バイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続されており、
    前記エッジリングに対して径方向において外側で延在するアウターリングが、前記高周波電力の一部を受けるように前記高周波電源に電気的に接続され、
    前記高周波電源は、前記バイアス電源から前記バイアス電極に出力される電気バイアスの各周期内で前記電気バイアスに同期して前記高周波電力の電力レベルを変更するように構成されている、
    プラズマ処理装置。
  2. 前記エッジリングと電気的に結合される第1の電極と、
    前記アウターリングと電気的に結合される第2の電極と、
    を更に備え、
    前記インピーダンス調整器は、前記バイアス電極と前記第1の電極との間又は前記電気的パスと前記第1の電極との間で可変インピーダンスを提供し、
    前記アウターリングは、前記第2の電極を介して前記高周波電力の一部又は別の高周波電源からの別の高周波電力を受ける、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記高周波電源は、前記電気バイアスの各周期内の同一の期間において前記高周波電極及び前記アウターリングに前記高周波電力のパルスを供給するように構成されている、請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記同一の期間は、前記電気バイアスがその周期内で該電気バイアスの平均電圧以上の電圧を有する第1の期間又は該電気バイアスが該周期内で該平均電圧よりも低い電圧を有する第2の期間である、請求項3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記基板支持器は、基台及び該基台上に設けられた静電チャックを有し、
    前記基台は、前記バイアス電極である下部電極を提供し、
    前記下部電極は、前記高周波電極であり、
    前記高周波電源は、前記電気的パスを介して前記下部電極に電気的に接続されている、
    請求項1~4の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記電気的パスと前記アウターリングとの間又は前記下部電極と前記アウターリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を更に備える、請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記電気的パスと前記アウターリングとの間又は前記下部電極と前記アウターリングとの間で可変インピーダンスを提供する前記インピーダンス調整器と前記アウターリングとの間で接続されたフィルタを更に備え、
    前記フィルタは、前記バイアス電源から前記下部電極に供給される前記電気バイアスに対して前記高周波電力を選択的に通過させる周波数特性を有する、
    請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記基板支持器は、基台及び該基台上に設けられた静電チャックを有し、
    前記バイアス電極は、前記静電チャックの中に設けられており、
    前記基台は、前記高周波電極である下部電極を提供し、
    前記高周波電源は、前記下部電極に電気的に接続されている、
    請求項1~4の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記高周波電源を前記下部電極に接続する電気的パスと前記アウターリングとの間又は前記下部電極と前記アウターリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を更に備える、請求項8に記載のプラズマ処理装置。
  10. チャンバと、
    バイアス電極を有する基板支持器と、
    前記チャンバ内で前記基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために高周波電極に供給される第1の高周波電力を発生する第1の高周波電源と、
    前記バイアス電極に電気的パスを介して接続されたバイアス電源と、
    アウターリングに供給される第2の高周波電力を発生するように構成された第2の高周波電源であり、該アウターリングは、前記基板支持器上に搭載されるエッジリングに対して径方向において外側で延在する、該第2の高周波電源と、
    を備え、
    前記エッジリングが、前記バイアス電極と該エッジリングとの間又は前記電気的パスと前記エッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介して前記バイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続されており、
    前記第2の高周波電源は、前記バイアス電源から前記バイアス電極に出力される電気バイアスの各周期内で前記電気バイアスに同期して前記第2の高周波電力の電力レベルを変更するように構成されている、プラズマ処理装置。
  11. 前記エッジリングと電気的に結合される第1の電極と、
    前記アウターリングと電気的に結合される第2の電極と、
    を更に備え、
    前記インピーダンス調整器は、前記バイアス電極と前記第1の電極との間又は前記電気的パスと前記第1の電極との間で可変インピーダンスを提供し、
    前記アウターリングは、前記第2の電極を介して前記第2の高周波電力を受ける、
    請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記基板支持器は、基台及び該基台上に設けられた静電チャックを有し、
    前記基台は、前記バイアス電極である下部電極を提供し、
    前記下部電極は、前記高周波電極であり、
    前記第1の高周波電源は、前記電気的パスを介して前記下部電極に電気的に接続されている、
    請求項10又は11に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記基板支持器は、基台及び該基台上に設けられた静電チャックを有し、
    前記バイアス電極は、前記静電チャックの中に設けられており、
    前記基台は、前記高周波電極である下部電極を提供し、
    前記第1の高周波電源は、前記下部電極に電気的に接続されている、
    請求項10又は11に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記第2の高周波電源は、前記電気バイアスの各周期内の同一の期間において、前記アウターリングに前記第2の高周波電力のパルスを供給するように構成されている、請求項10~13の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  15. 前記電気バイアスの各周期は、前記電気バイアスがその周期内で該電気バイアスの平均電圧以上の電圧を有する第1の期間又は該電気バイアスが該周期内で該平均電圧よりも低い電圧を有する第2の期間を含み、
    前記同一の期間は、前記第1の期間である、
    請求項14に記載のプラズマ処理装置。
  16. 前記第1の高周波電源は、前記第1の期間及び前記第2の期間の双方において前記第1の高周波電力の連続波を供給するか、前記第2の期間において前記第1の高周波電力のパルスを供給する、請求項15に記載のプラズマ処理装置。
  17. 前記第1の高周波電源は、前記第1の期間において前記第1の高周波電力のパルスを供給する、請求項15に記載のプラズマ処理装置。
  18. 前記アウターリングは、前記エッジリングを囲むように延在している、請求項1~17の何れか一項記載のプラズマ処理装置。
  19. 前記バイアス電源は、高周波バイアス電力を前記バイアス電極に供給するか、パルス状の電圧又は任意の波形を有する電圧を周期的に前記バイアス電極に印加するように構成されている、請求項1~18の何れか一項に記載のプラズマ処理装置。
  20. (a1)プラズマ処理装置のチャンバ内で基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために、高周波電源から高周波電極に高周波電力を供給する工程と、
    (b1)前記基板支持器のバイアス電極にバイアス電源から電気バイアスを与える工程と、
    を含み、
    前記プラズマ処理装置は、
    前記チャンバと、
    前記基板支持器と、
    前記高周波電源と、
    前記バイアス電極に電気的パスを介して接続された前記バイアス電源と、
    を備え、
    前記基板支持器上に搭載されるエッジリングが、前記バイアス電極と該エッジリングとの間又は前記電気的パスと前記エッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介して前記バイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続されており、
    前記エッジリングに対して径方向において外側で延在するアウターリングが、前記高周波電力の一部を受けるように前記高周波電源に電気的に接続され、
    前記(a1)において、前記高周波電源は、前記バイアス電源から前記バイアス電極に出力される前記電気バイアスの各周期内で前記電気バイアスに同期して前記高周波電力の電力レベルを変更する、
    プラズマ処理方法。
  21. 前記(a1)において、前記高周波電源は、前記電気バイアスの各周期内の同一の期間において前記高周波電極及び前記アウターリングに前記高周波電力のパルスを供給する、請求項20に記載のプラズマ処理方法。
  22. 前記同一の期間は、前記電気バイアスがその周期内で該電気バイアスの平均電圧以上の電圧を有する第1の期間又は該電気バイアスが該周期内で該平均電圧よりも低い電圧を有する第2の期間である、請求項21に記載のプラズマ処理方法。
  23. (a2)プラズマ処理装置のチャンバ内で基板支持器によって支持された基板の上方でプラズマを生成するために、第1の高周波電源から高周波電極に第1の高周波電力を供給する工程と、
    (b2)前記基板支持器のバイアス電極にバイアス電源から電気バイアスを与える工程と、
    (c2)第2の高周波電源からアウターリングに第2の高周波電力を供給する工程と、
    を含み、
    前記プラズマ処理装置は、
    前記チャンバと、
    前記基板支持器と、
    前記第1の高周波電源と、
    前記バイアス電極に電気的パスを介して接続された前記バイアス電源と、
    前記第2の高周波電源と、
    を備え、
    前記基板支持器上に搭載されるエッジリングが、前記バイアス電極と該エッジリングとの間又は前記電気的パスと前記エッジリングとの間で可変インピーダンスを提供するインピーダンス調整器を介して前記バイアス電源に電気的に接続されるか、別のバイアス電源に電気的に接続されており、
    前記アウターリングは、前記エッジリングに対して径方向において外側で延在し、
    前記(c2)において、前記第2の高周波電源は、前記電気バイアスの各周期内で前記電気バイアスに同期して前記第2の高周波電力の電力レベルを変更する、
    プラズマ処理方法。
  24. 前記(c2)において、前記第2の高周波電源は、前記電気バイアスの各周期内の同一の期間において、前記アウターリングに前記第2の高周波電力のパルスを供給する、請求項23に記載のプラズマ処理方法。
  25. 前記電気バイアスの各周期は、前記電気バイアスがその周期内で該電気バイアスの平均電圧以上の電圧を有する第1の期間又は該電気バイアスが該周期内で該平均電圧よりも低い電圧を有する第2の期間を含み、
    前記同一の期間は、前記第1の期間である、
    請求項24に記載のプラズマ処理方法。
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