JP2022026865A - 液状組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】スプレー用に適しており、かつ、安全性の高い液状組成物を提供する。【解決手段】物品の表面に撥水性又は撥油性を付与するための組成物であって、(1)酸化物粒子12とその表面に形成されたポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂13を含む被覆層を備えた酸化物複合粒子11、(2)高密度ポリエチレン樹脂粒子とアクリル樹脂粒子の少なくともいずれかの充填粒子及び(3)酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種の分散媒を含むことを特徴とする液状組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、物品表面に撥水性又は撥油性を付与するための組成物に関する。特に、スプレーで付与できる液状組成物に関する。
例えば、構造物の壁面、包装材料の内面又は外面、各種製品の表面等のような様々な部位に撥水性及び撥油性を付与することによって、油性の液体、粘着性を有する半固体等の物質が付着することを防止する技術が多く開発されている。
このような防汚手段としては、例えば物品表面への油滴の付着を防ぐために用いられる防汚シートであって、(1)前記防汚シートは、a)基材シート、b)前記基材シートの少なくとも一方の表面に形成された下地層及びc)前記下地層上の一部又は全部に付着した複合粒子を含み、(2)前記下地層は、樹脂成分及び充填粒子を含み、かつ、その下地層表面は前記充填粒子による凹凸をなしており、(3)前記複合粒子は、a)酸化物粒子と、b)その表面に形成されたポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む樹脂被覆層とを含むことを特徴とする防汚シートが開示されている(特許文献1)。
また例えば、土木構造物又は建築構造物の一部又は下地として使用されるシートであって、(1)金属箔及びその少なくとも一方の面上に形成された機能層を含み、(2)前記機能層は、一次粒子平均径3~100nmの疎水性粒子及び疎油性粒子の少なくとも1種の機能性粒子を含むことを特徴とする構造物用シートが開示されている(特許文献2)。
特開2017-119353号公報 特開2019-064155号公報
しかしながら、上記のような従来技術は、シート成型物であるために、経時的に撥油性が多少なりとも低下するおそれがある。
この場合、仮に、シート成型物に対して撥油剤等を塗布しようとすると、ハケ、ローラー等の手塗りではムラになりやすく、またシート成型物の平面方向が鉛直に配置されている場合は液ダレも生じやすくなる。
これに対し、撥油剤等をスプレーで噴霧した場合は、これらの問題は解消されるものの、ノズルの目詰まりが生じやすくなったり、成分が凝集してムラが生じるという新たな問題が発生する
また、表面の撥水性・撥油性を補強するために撥油剤を使用する場合、撥水剤に溶剤としてトルエン等が含まれていると作業環境上の問題が起こり、例えば塗布後に溶剤を十分除去するための条件下におくことが難しい対象物には使えない等の制限が生じてしまう。
従って、本発明の主な目的は、スプレー用に適しており、かつ、安全性の高い液状組成物を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の成分を含む組成物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の液状組成物に係る。
1. 物品の表面に撥水性又は撥油性を付与するための組成物であって、
(1)酸化物粒子とその表面に形成されたポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層とを含む酸化物複合粒子、
(2)高密度ポリエチレン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子の少なくとも1種の充填粒子、及び
(3)酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種の分散媒
を含むことを特徴とする液状組成物。
2. 固形分含量で酸化物複合粒子20~35質量%及び充填粒子40~60質量を含む、前期項1に記載の液状組成物。
3. さらに顔料を固形分含量で0.1~15質量%含む、前記項1又は2に記載の液状組成物。
4. 酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種を20~50質量%含む、前記項1~3のいずれかに記載の液状組成物。
5. 当該塗膜をスプレーにより形成するために用いる、前記項1~4のいずれかに記載の液状組成物。
6. 少なくとも前記項1~4のいずれかに記載の液状組成物を収容できる容器と、前記液状組成物を噴霧する手段とを含むスプレー製品。
本発明によれば、スプレー用に適しており、かつ、安全性の高い液状組成物を提供することができる。従って、本発明の液状組成物をスプレー液として用いた場合に物品に噴霧することにより塗布ムラの少ない撥油・撥水塗膜を比較的容易に形成することもできる。
特に、本発明では、特定の充填粒子と分散媒との組み合わせを採用しているので、充填粒子の溶解等の変質が起こらず、なおかつ、充填粒子の分散媒に対する分散性に優れていることから、スプレー(噴霧装置)にて塗布しても、優れた撥水性・撥油性を有する塗膜を好適に形成することができる。
本発明の酸化物複合粒子の構造を示す模式図である。
1.撥油塗膜形成用組成物
本発明の液状組成物(本発明組成物)は、物品の表面に撥水性又は撥油性を付与するための組成物であって、
(1)酸化物粒子とその表面に形成されたポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層とを含む酸化物複合粒子、
(2)高密度ポリエチレン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子の少なくとも1種の充填粒子、及び
(3)酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種の分散媒
を含むことを特徴とする。
(a)各成分について
酸化物複合粒子
酸化物複合粒子は、特に塗膜に撥油性を与える主成分である。図1に示すように、酸化物複合粒子11は、酸化物粒子12がコアとなり、その表面に形成されたポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層13が形成されている。コアとなる酸化物粒子12は、一次粒子である場合のほか、その一次粒子が三次元的に連なる凝集体構造(凝集体多孔質構造)を形成している場合も含む。特に、後者の場合は、被覆層13はその凝集体構造の内部及び外殻のいずれに形成されていても良い。
酸化物粒子は、複合粒子のコアとなり得るものであれば限定的でなく、例えば酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の粒子(粉末)の少なくとも1種を用いることができる。特に、本発明では、酸化ケイ素粒子、酸化チタン粒子及び酸化アルミニウム粒子の少なくとも1種が好ましい。これら酸化物粒子そのものは公知又は市販のものを使用することもできる。
また、酸化物粒子の平均一次粒子径は限定的ではないが、通常5~50nmであり、特に7~30nmであることが望ましい。かかる粒子径の範囲内に設定することによって、より優れた撥水性及び撥油性を得ることができる。
なお、本発明における酸化物粒子の一次粒子平均径の測定は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡を用いて実施することができる。より具体的には、平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡で撮影し、その写真上で200個以上の粒子の直径を測定し、その算術平均値を算出することによって求めることができる。
酸化物複合粒子では、酸化物粒子の表面には樹脂被覆層が形成されているが、樹脂被覆層は非常に薄い層であるので、酸化物複合粒子と酸化物粒子の粒子径とは実質的に同様であると推測される。従って、本発明では、酸化物複合粒子の好ましい粒子径の範囲は、酸化物粒子と同様の範囲として取り扱う。
前記のような粒径がナノレベルの酸化物粒子は公知又は市販のものを使用することができる。酸化ケイ素としては、例えば製品名「AEROSIL 200」(「AEROSIL」は登録商標。以下同じ)、「AEROSIL 130」、「AEROSIL 300」、「AEROSIL 50」、「AEROSIL 200FAD」、「AEROSIL 380」(以上、日本アエロジル(株)製)等が挙げられる。酸化チタンとしては、製品名「AEROXIDE TiO T805」(エボニック デグサ社製)等が挙げられる。酸化アルミニウムとしては、例えば製品名「AEROXIDE Alu C 805」(エボニック デグサ社製)等が挙げられる。
また、被覆層は、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む。かかる樹脂を使用することによって、酸化物粒子(特に酸化ケイ素粒子)との親和性に優れるがゆえに比較的密着性の高い強固な樹脂被覆層を当該粒子表面上に形成できるととともに、高い撥水性・撥油性をも発現させることができる。
このような樹脂そのものは、限定的でなく、公知又は市販のものを使用することができる。市販品としては、例えば製品名「CHEMINOX FAMAC-6」(ユニマテック(Japan)社製)、製品名「Zonyl TH Fluoromonomer コード421480」(SIGMA-ALDRICH(USA)社製)、製品名「SCFC-65530-66-7」(Maya High Purity Chem(CHINA)社製)、製品名「FC07-04~10」(Fluory,Inc(USA))、製品名「CBINDEX:58」(Wilshire Chemical Co.,Inc(USA)社製)、製品名「アサヒガードAG-E530」、「アサヒガードAG-E060」(いずれも旭硝子株式会社製)、製品名「TEMAc-N」(Top Fluorochem Co.,LTD(CHINA)社製)、製品名「Zonyl 7950」(SIGMA-RBI (SWITZ)社製)、製品名「6100840~6100842」(Weibo Chemcal Co.,Ltd(CHINA)社製)、製品名「CB INDEX:75」(ABCR GmbH&CO.KG(GERMANY)社製)等を挙げることができる。
これらの中でも、より優れた撥水性及び撥油性を付与できるという点より、例えばa)ポリフルオロオクチルメタクリレート、b)2-N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート、c)2-ヒドロキシエチルメタクリレート及びd)2,2’-エチレンジオキシジエチルジメタクリレートが共重合したコポリマーを上記樹脂として好適に採用することができる。これらも上記のような市販品を用いることができる。
本発明においては、酸化物複合粒子におけるフッ素含有量(重量%)を酸化物粒子の表面積(m/g)で除した値(A値)は0.025~0.180であることが望ましく、特に0.030~0.175であることがより望ましい。
さらには、複合粒子における炭素含有量(重量%)を酸化物粒子の表面積(m/g)で除した値(B値)は0.05~0.400であることが望ましく、特に0.06~0.390であることがより望ましい。かかる炭素含有量及びフッ素含有量は、本発明において被覆の程度を示す指標となるものであり、その数値が大きいほど被覆量が多いことを示す。本発明では、所定の被覆量(炭素含有量及びフッ素含有量、特にフッ素含有量)に設定することによって、酸化物粒子の表面への良好な密着性と、優れた撥水性及び撥油性とを達成することができる。
前記A値が0.025未満の場合は、所望の撥水性及び撥油性が得られなくなるおそれがある。一方、前記A値が0.180を超えると、複合粒子の製造そのものが困難となる場合がある。また、前記B値が0.05未満である場合は、所望の撥水性及び撥油性が得られにくくなることがある。前記B値が0.400を超える場合は、複合粒子が製造しにくくなることがある。
従って、本発明では、優れた撥水性・撥油性を達成するためにA値を所定の範囲内に設定することが好ましい。また、さらには、より優れた撥水性・撥油性を実現するためにはB値も所定の範囲内に設定することが望ましい。
なお、本発明における酸化物複合粒子中の炭素含有量の測定は、(検体)を酸素雰囲気中、800℃以上に加熱して表面疎水基が含有する炭素をCOに転じ、微量炭素分析装置により(検体)の表面に存在する炭素含有量を算出するという方法に従って実施する。また、本発明における複合粒子中のフッ素含有量は、検体を1000℃の環状炉で焼成し、生成するガスを水蒸気蒸留で回収し、その回収液をイオンクロマトグラフにてフッ素イオンとして検出し、定量する。また、表面積(m/g)(比表面積)は、Macsorb(マウンテック製)を用いてBET1点法により求めた。吸着ガスは、窒素30体積%・ヘリウム70体積%のガスを用いた。試料の前処理として、100℃で10分間、吸着ガスの流通を行った。その後、試料が入ったセルを液体窒素で冷却し、吸着完了後室温まで昇温し、脱離した窒素量から試料の表面積を求めた。試料の質量で除して比表面積を求めた。
本発明組成物の固形分合計中の酸化物複合粒子の含有量は、特に限定されないが、通常は20~35質量%程度とすることが好ましく、特に25~27.5質量%とすることが好ましい。このような範囲に設定することによって、例えばスプレー等として用いる場合でも詰まり又は液ダレが生じにくく、かつ、より高い撥水・撥油性を有する塗膜を得ることができる。
<酸化物複合粒子の製造方法>
酸化物複合粒子の製造方法は、特に限定されず、例えば酸化物粒子(粉末)に対して、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆用組成物を用い、公知のコーティング方法、造粒方法等に従って被覆層を形成することができる。より具体的には、液状のポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を溶媒に溶解又は分散させた塗工液を酸化物の粒子にコーティングする工程(被覆工程)を含む製造方法によって複合粒子を好適に調製することができる。
上記製造方法では、ポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂として常温(25℃)及び常圧下で液状のものを好適に用いることができる。このようなポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂としては、前記で例示した市販品を使用することもできる。
塗工液に使用する溶媒は特に制限されず、水のほか、例えばアルコール、トルエン等の有機溶剤を使用することができるが、本発明では水を用いることが好ましい。すなわち、塗工液としてポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂が水に溶解及び/又は分散した塗工液を使用することが好ましい。
上記の塗工液中におけるポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂の含有量は特に制限されないが、一般的には10~80重量%程度とし、特に15~70重量%とすることが好ましく、さらには20~60重量%の範囲内に設定することがより好ましい。
酸化物の粒子表面に塗工液をコーティングする方法は、公知の方法に従えば良く、例えばスプレー法、浸漬法、攪拌造粒法等のいずれも適用することができる。特に、本発明では、均一性等に優れるという点でスプレー法によるコーティングが特に好ましい。
塗工液をコーティングした後、熱処理により溶媒を除去することによって酸化物複合粒子を得ることができる。
熱処理温度は、通常150~250℃程度とし、特に180~200℃とすることが好ましい。熱処理の雰囲気は限定的ではないが、例えば窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス(非酸化性)雰囲気が望ましい。また、例えば、必要に応じて、さらに被覆工程及び熱処理工程からなる一連の工程を1回以上実施することができる。これにより被覆量の制御等を好適に行うことが可能となる。
充填粒子
充填粒子としては、高密度ポリエチレン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子の少なくとも1種を用いる。充填粒子を用いることにより、塗膜に凹凸を付与することでより高い撥水性又は撥油性を得ることができる。
高密度ポリエチレンは、エチレン(モノマー)がほぼ直鎖状に重合してなる樹脂から構成される粒子であり、比重が0.94~0.96程度の結晶性ポリエチレンを好適に用いることができる。このような高密度ポリエチレン樹脂の粒子自体は、公知又は市販のものをいずれも使用することができる。また、公知の製造方法によって得られたものも使用することができる。
アクリル樹脂粒子は、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの重合体から構成される粒子を用いることができる。比重は1.10~1.25程度の非晶質のポリメタクリル酸メチル樹脂を好適に使用することができる。このようなアクリル樹脂の粒子自体は、公知又は市販のものをいずれも使用することができる。また、公知の製造方法によって得られたものも使用することができる。
本発明において、充填粒子は、酢酸ブチル又は酢酸エチル、その他の溶剤(エタノール等)の比重に近いと分散性が良くなるため、本発明組成物に含まれる溶剤の比重に近い比重を有するものを用いることがより好ましい。例えば、本発明組成物に含まれる溶剤の比重Asと充填粒子の比重Afとの関係が0.8As≦Af≦1.2As(特に0.9As≦Af≦1.1As)の範囲内に設定されることが好ましいが、これに限定されない。
かかる見地より、高密度ポリエチレン樹脂粒子は、酢酸ブチル又は酢酸エチル、その他の溶剤(エタノール等)の比重に接近しているため、アクリル樹脂粒子よりも高密度ポリエチレン樹脂粒子のほうが好ましく用いることができる。
充填粒子の形態は、特に限定されず、略球状、略扁平状、不定形状等のいずれでも良いが、通常は略球状(粉末)の形態で用いることが好ましい。
また、充填粒子の平均粒径(レーザー回折式粒度分布計による)は、通常は0.5~100μm程度とすることができるが、これに限定されない。従って、例えば10~50μmに設定することもできる。
本発明組成物の固形分合計中の充填粒子の含有量は、特に限定されないが、通常は合計で40~60質量%程度とすることが好ましく、特に50~55質量%とすることが好ましい。このような範囲に設定することによって、より高い撥水性又は撥油性を得ることができる。前記含有量が少なすぎる場合は、スプレーによって物品の表面に撥水性又は撥油性を付与するに際し、塗膜が均一になりにくくなることがある。また、前記含有量が多すぎる場合は、分散性が低下し、ダマが生じやすく、これによりムラも生じやすくなるおそれがある。
充填粒子は、酸化物複合粒子を表面に備えた状態で塗布対象物に付着させる機能を有する。すなわち、塗布対象物の表面が凹凸形状を形成した状態となって表面積が増大したところに酸化物複合粒子が付着するため、高い撥油性・撥水性の塗膜を形成することができる。高密度ポリエチレン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子以外の樹脂粒子では溶剤に溶解するおそれがあるため、前記の表面積増大機能が得られなかったり、スプレーのノズルが詰まってしまって噴霧ができなくなるおそれがあることからも、高密度ポリエチレン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子の少なくとも1種を用いることが好ましい。
酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種の分散媒
酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種は、酸化物複合粒子及び充填粒子の分散媒として使用される。これらを上記酸化物複合粒子及び充填粒子とともに用いることによってこれらの粒子が良好に分散できる結果、スプレーによって物品の表面に撥水性又は撥油性を付与するに際し、塗膜が均一化しやすいとともに、高温多湿条件下での使用の際に起こりやすい白化を抑制することができる。これらは単独で使用しても良いし、両者を併用することもできる。
本発明組成物中において、酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種の含有量は、本発明組成物の所望の粘度、用途、適用部位等に応じて適宜変更することができるが、通常は20~50質量%程度とすることが好ましい。このような範囲に設定することによって、スプレーによって物品の表面に撥水性又は撥油性を付与するに際して、塗膜が均一化しやすいという効果を得ることができる。前記含有量が20質量%未満の場合は、酸化物複合粒子が十分に分散されずに塗膜が不均一になりやすくなるおそれがある。また、前期含有量が50質量%を超える場合は、スプレーによって物品の表面に撥水性又は撥油性を付与するに際し、塗膜の境界において成分が周囲に流動して塗膜が不均一になりやすくなることがある。
本発明組成物では、本発明の効果を妨げない範囲内において、酢酸ブチル及び酢酸エチル以外の溶媒が含まれていても良いが、酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種の分散媒が本発明組成物中の全溶剤中90~100質量%(特に95~99質量%)を占めていることが望ましい。酢酸ブチル及び酢酸エチル以外の溶媒としては、例えば水のほか、アルコール(エタノール)、シクロヘキサン、トルエン、アセトン、IPA、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、ペンタメチレングリコール、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ヘキシルアルコール等を挙げることができる。この中でも、エタノールを含んでいることが好ましい。エタノールを用いることにより、より分散性が良くなり、塗布対象物に噴霧してもよりムラなく塗布することができる。
その他の成分
本発明組成物では、本発明の効果を妨げない範囲内において、上記成分以外の他の成分が含まれていても良い。例えば、充填粒子(フィラー)、溶剤、着色剤(顔料又は染料)、分散剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、接着剤等が挙げられる。
本発明組成物では、上記の通り、顔料、染料等の着色剤を含んでも良い。より好ましくは、固形分量で本発明組成物中0.1~0.6質量%程度含有させることによって、噴霧時の詰まり、塗布ムラ等の発生をより抑えることができるとともに、噴霧後に得られる塗膜に意匠性を付与することができる。
また、充填粒子以外の樹脂成分として、接着性の樹脂成分(接着成分)を含んでいても良い。例えば、酢酸ビニル共重合体等を好適に用いることができる。これにより、噴霧する本発明組成物中の酸化物複合粒子が塗布対象物により強固に付着させることができる。この場合、接着性の樹脂成分の含有量は、特に限定されないが、本発明組成物中の固形分量で10~20質量%程度することが好ましく、特に11~17質量%程度とすることがより好ましい。
(b)本発明組成物の物性について
本発明組成物は、液状の形態であるが、その粘度は使用方法、用途、適用する物品の種類・部位等に応じて適宜設定することができる。例えば粘度(20℃)を10~5000mPa・s程度の範囲内とすることができるが、これに限定されない。特に、本発明組成物をスプレーすることにより使用する場合は、粘度(20℃)を50~400mPa・s程度の範囲内とすることが好ましい。
2.液状組成物の製造方法
本発明組成物は、上記で述べた各成分を均一に混合することによって調製することができる。混合に際しては、例えばミキサー、ニーダー等の公知又は市販の装置を用いて実施することができる。
本発明組成物は、酸化物複合粒子及び充填粒子が分散媒中に分散していることが好ましい。これにより、スプレーにより塗布した場合でも、目詰まりを起こすことなく、またムラのない塗膜を形成することが可能となる。ただし、上記の接着成分は、分散媒中に分散しても良いし、溶解していても良いが、溶解していることが好ましい。
3.液状組成物の使用
本発明組成物は、撥水性又は撥油性を付与すべき物品表面に塗布することによって使用することができる。
物品としては、特に限定されない。材質としては、例えばプラスチックス、ゴム、金属、セラミックス、木質材料、紙、ガラス等のいずれであっても良い。また、物品は、原材料、半製品、最終製品等のいずれであっても良い。すなわち、既に完成した製品(市販品)に対しても、撥水性又は撥油性の付与ないしは強化を目的として本発明組成物を塗布することができる。
塗布する方法は、限定的でなく、例えばスプレー、ロールコーティング、グラビアコーティング、バーコート、ドクターブレードコーティング、コンマコーター、パートコート、刷毛塗り等の公知の方法をいずれも採用することができる。
この中でも、本発明組成物は、スプレーによる塗布方法に好適に用いることができる。本発明組成物をスプレーすることによって、液ダレ等の問題を回避しつつ、物品の適用表面に比較的均一に本発明組成物を付与することができる。また、ノズルに詰まりにくいので、撥水・撥油コーティング作業を円滑に進めることができる。
以下においては、本発明組成物の実施の形態の一つとして撥油スプレーに用いる場合について説明する。
本発明において撥油スプレーとは、塗布対象物である物品に対して本発明組成物を噴霧できるように構成された製品である。
撥油スプレーの構成としては、撥水・撥油剤として本発明組成物を用いるほかは、公知又は市販のスプレー製品の構造及び材料と同様のものを用いることができる。例えば、少なくとも本発明組成物を収容できる容器(例えばボトル型容器)と、そこに収容された本発明組成物を噴霧する手段(ノズルを含む噴霧手段)とを含む。本発明組成物を充填しておく容器は、ボトル容器のほか、開放されたカップ容器であっても良い。
上記の噴霧する手段の方式としては、特に限定されず、エアースプレー又はエアレススプレーのいずれであっても良い。また、噴霧は、電動式又は手動式のいずれでも良い。
例えば、a)容器内にガスが充填されて手指でトリガーを引くことによりボトル容器内の圧力が開放されて本発明組成物を噴霧する方式、b)手指でトリガーを引いてトリガーに付随するシリンダーが負圧となりボトル容器内の本発明組成物を吸い上げて噴霧する方式、c)カップ等に本発明組成物を充填してこれを高圧のガスが噴射された管と連結されたチューブにより本発明組成物を吸い上げると同時に噴霧する方式等が挙げられる。
また、ノズルの形状、構造等も特に限定されず、エアースプレーであれば、本発明組成物が通じるノズルと空気ノズルとを兼ね備えた構造を採用することができる。この場合のノズルの口径も、例えば1~10mm程度の範囲内で適宜設定することができるが、これに限定されない。
スプレーパターンも限定的でなく、例えばフラット、フルコーン、ホロコーン等のいずれも採用することができる。これらも、本発明組成物が適用される物品の種類、所望の撥水・撥油性等に応じて適宜使い分けることができる。
本発明組成物を物品表面にスプレーする場合の塗布量は限定的ではなく、乾燥塗膜重量が例えば0.01~30g/m程度とし、好ましくは0.1~30g/mの範囲内となるように適宜設定することができる。従って、例えば50~600mg/m程度とし、特に200~500mg/mとなるように調節することも可能である。
本発明組成物を物品表面にスプレーした後、必要に応じて物品表面に対して乾燥処理を施しても良い。乾燥は、自然乾燥又は加熱乾燥のいずれであっても良い。加熱乾燥する場合は、物品に影響を及ぼさない範囲内にて、通常200℃以下(好ましくは50~100℃)程度で加熱すれば良い。
本発明において、物品の付与された本発明組成物は、所望の撥水性又は撥油性が得られる限り、物品表面に一定の面積をもつ塗膜を形成していても良いし、あるいは物品表面に微細な点状になって散らばって存在していても良い。
特に、より高い撥水性・撥油性を付与するという見地より、本発明組成物による塗膜(連続的な皮膜)が形成されていることが好ましい。この場合の塗膜の厚みは特に限定されないが、通常0.5~30μmの範囲内で適宜決定すれば良く、特に1~8μm程度とすることがより好ましい。
さらには、本発明組成物中の酸化物複合粒子が多孔質層を形成していることが好ましい。多孔質層を形成している場合、その厚みは0.1~5μm程度が好ましく、特に0.2~2.5μm程度がより好ましい。このようなポーラスな層状態で付着することにより、当該層に空気を多く含むことができ、より優れた撥水性及び撥油性を発揮することができる。
本発明組成物により形成される塗膜は、特に酸化物複合粒子あるいは充填粒子による凹凸構造(近似的なフラクタル構造)を有していることが好ましい。より具体的には、複数の酸化物複合粒子又は充填粒子が連なることによって形成された空隙と粒子本体により形成される表面を有することが望ましい。これにより、酸化物複合粒子による所定の被覆層と相まって、より優れた撥水性と撥油性を発揮することが可能となる。すなわち、凹凸構造の表面が被覆層により実質的に構成される結果、より優れた撥水性と撥油性とを発揮することができる。この場合、凹凸構造の形成に寄与する粒子としては、本発明の効果を妨げない範囲において、酸化物複合粒子以外のものが含まれていても良い。なお、前記凹凸構造は、走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察することができる。
本発明組成物による塗膜における撥水性は、限定的ではないが、通常は純水(25℃)の接触角が140度以上であることが好ましく、特に150度以上であることがより好ましい。また、撥油性についても、特に限定されないが、食用油:オリーブ油(25℃、100℃)の接触角が130度以上であることが好ましく、特に140度以上であることがより好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
(1)複合粒子の調製
平均一次粒子径12nm及びBET比表面積200m/gの気相法シリカ粉末(製品名「AEROSIL 200」日本アエロジル(株)製)100gを反応槽に入れ、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら市販の表面処理剤500gをスプレーし、次いで200℃で30分間攪拌した後、冷却した。このようにして表面改質シリカ微粒子(複合粒子)からなる粉末を得た。上記の表面処理剤として、ポリフルオロオクチルメタクリレート、2-N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート及び2,2’-エチレンジオキシジエチルジメタクリレートのコポリマーの水分散液(固形分濃度:20重量%)を用いた。
(2)分散液の調製
前記(1)で得られた複合粒子20重量部をエタノール180重量部に添加及び混合して分散液を調製した。得られた分散液55.65g(固形分量5.6g)と、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子11.02g(三井化学(株)製「ミペロンXM221U」,平均粒径25μm,平均分子量200)と、市販の合成樹脂溶液(製品名「ビニロールSE-H」、昭和電工(株)製、酢酸ビニル共重合体を主体とした溶液、溶媒:酢酸エチル、固形分重量比:固形分:溶媒=10:90)(以下「ビニロール」という。)33.33gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸エチル含有量は30質量%であった。
実施例2
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液50.3g(固形分量5.0g)と、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子(実施例1と同じもの、以下同じ)10.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル18.0gと市販の青顔料(御国色素株式会社製「MHIブルー#454K」、略球状、平均粒子径D50:160nm)0.1gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸エチルと酢酸ブチルの合計含有量は37.44質量%であった。
実施例3
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液50.3g(固形分量5.0g)と、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子10.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル18.0gと市販の青顔料(前記「MHIブルー#454K」)0.02gと赤顔料(御国色素株式会社製MHIレッド#310、略球状、平均粒子径D50:420nm)0.08gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸エチルと酢酸ブチルの合計含有量は37.44質量%であった。
実施例4
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液55.3g(固形分量5.5g)と、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子15.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル8.3gと市販の黒顔料(御国色素株式会社製「MHIブラック#220」、ストラクチャーを有する略球状、平均粒子径D50:125nm)0.1gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸エチルと酢酸ブチルの合計含有量は27.74質量%であった。
実施例5
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液45.0g(固形分量4.5g)と、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子5.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル28.2gと市販の黒顔料(「MHIブラック#220」)0.2gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸エチルと酢酸ブチルの合計含有量は47.64質量%であった。
実施例6
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液56.65g(固形分量5.6g)と、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子11.02gと、市販の酢酸エチル33.33gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸エチル含有量は33.33質量%であった。
比較例1
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液54.7g(固形分量5.4g)と、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子10.8gと、ビニロール90重量部にトルエン10重量部加えたもの32.8gとを混合し、さらに市販の青染料(住友化学(株)製「Sumiplast BlueSR」)1.7gを混合し、液状組成物を得た。酢酸エチル含有量は26.57質量%であった。
比較例2
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液55.0g(固形分量5.5g)と、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子15.00gと、ビニロール21.6gと、ビニロール90重量部にトルエンを10重量部加えたものを8.2gと、トルエン10.00gとを混合し、さらに市販の黒顔料(前記「MHIブラック#220」)0.2gを混合し、液状組成物を得た。酢酸エチル含有量は17.50質量%であった。
比較例3
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液40.0g(固形分量4.0g)、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子5.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル33.2gと市販の黒顔料(前記「MHIブラック#220」)0.2gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸ブチル含有量は52.64質量%であった。
比較例4
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液55.0g(固形分量5.5g)、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子4.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル19.2gと市販の黒顔料(前記「MHIブラック#220」)0.2gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸ブチル含有量は42.64質量%であった。
比較例5
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液45.0g(固形分量4.5g)、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子20.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル13.2gと市販の黒顔料(前記「MHIブラック#220」)0.2gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸ブチル含有量は32.64質量%であった。
比較例6
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液38.0g(固形分量3.8g)、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子17.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル19.6gと市販の黒顔料(前記「MHIブラック#220」)3.8gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸ブチル含有量は39.04質量%であった。
比較例7
実施例1「(2)分散液の調製」で得られた分散液62.3g(固形分量6.2g)、充填粒子として市販の高密度ポリエチレン樹脂粒子10.00gと、ビニロール21.6gとを混合し、さらに市販の酢酸ブチル5.9gと市販の黒顔料(前記「MHIブラック#220」)0.2gとを混合し、液状組成物を得た。酢酸ブチル含有量は25.34質量%であった。
試験例1
実施例及び比較例で調製された液状組成物について以下の評価をそれぞれ実施した。その結果を表1に示す。なお、表1中の各数値は、溶剤を含めた液状組成物中の含有量(質量%)を示す。
(1)撥油性
撥油性評価として、上記(1)で得られたクラフト紙に、市販の食用サラダ油小さじ1杯分を載せて、クラフト紙を水平面に対して5度傾けてサラダ油が滑落したものを「〇」とし、滑落しなかったものを「×」とした。
(2)非トルエン評価
トルエンが含まれているものが「×」と表記し、トルエンが含まれていないものが「〇」と表記した。
(3)滑落性能(ムラの評価)
ムラの評価として、再度サラダ油をクラフト紙に載せてクラフト紙の隅々までサラダ油を滑落させて、サラダ油が引っ掛かることがあった場合を「×」とし、サラダ油の引っ掛かりがなかったものを「〇」とし、として評価した。
(4)ノズル詰まり
得られた液状組成物を公知の方法によりエアゾールスプレー缶に充填し、これを市販のA4サイズのクラフト紙(目付量50g/m)に噴霧した。噴霧量は目視によりクラフト紙全体が濡れた程度とした。このとき、ノズル詰まり評価として噴霧中にエアゾールスプレー缶のノズルが詰まったものを「×」とし、詰まらなかったものを「〇」として評価した。次いで、ドライヤーにて乾燥し、重量を測ったところ、液状組成物の噴霧前よりも5g増えていた。
(5)総合評価
上記(1)~(4)を全て勘案した総合的な評価を行い、合格を「〇」とし、不合格を「×」とした。
Figure 2022026865000002
表1の結果からも明らかなように、本発明の液状組成物を撥油スプレーに使用することにより、詰まりを抑えつつ塗布対象物に噴霧することにより塗布ムラの少ない塗膜を形成することができるとともに、得られた塗膜は十分な撥油性を発揮することがわかる。

Claims (6)

  1. 物品の表面に撥水性又は撥油性を付与するための組成物であって、
    (1)酸化物粒子とその表面に形成されたポリフルオロアルキルメタアクリレート樹脂を含む被覆層とを含む酸化物複合粒子、
    (2)高密度ポリエチレン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子の少なくとも1種の充填粒子、及び
    (3)酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種の分散媒
    を含むことを特徴とする液状組成物。
  2. 固形分含量で酸化物複合粒子20~35質量%及び充填粒子40~60質量を含む、請求項1に記載の液状組成物。
  3. さらに顔料を固形分含量で0.1~15質量%含む、請求項1又は2に記載の液状組成物。
  4. 酢酸ブチル及び酢酸エチルの少なくとも1種を20~50質量%含む、請求項1~3のいずれかに記載の液状組成物。
  5. 当該塗膜をスプレーにより形成するために用いる、請求項1~4のいずれかに記載の液状組成物。
  6. 少なくとも請求項1~4のいずれかに記載の液状組成物を収容できる容器と、前記液状組成物を噴霧する手段とを含むスプレー製品。
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