JP2022025973A - 紅藻類を含む免疫賦活剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】紅藻類に属する藻類より得た免疫賦活剤及びTNF-α誘導剤の提供。【解決手段】紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物を含む、免疫賦活剤、及びTNF-α誘導剤。藻類がGaldieria sulphurariaであり、藻類の処理物が、藻類の乾燥物及び/又は乾燥物を粉砕したものを含む、該免疫賦活剤又は該TNF-α誘導剤。【選択図】図1

Description

一実施形態において、本発明は、紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物を含む、免疫賦活剤、又はTNF-α誘導剤に関する。一実施形態において、本発明は、前記免疫賦活剤、TNF-α誘導剤を含む、食品、飼料、又は医薬品に関する。一実施形態において、本発明は、前記免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品、飼料、又は医薬品を被験体に投与することを含む、免疫を賦活する方法、又は感染症を予防する方法に関する。
腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)は、内毒素又は他の刺激に反応して、主としてマクロファージによって産生される、サイトカインの1種である。TNF-αは、炎症メディエーターの産生促進等を介して免疫を賦活すること等によって、生体の感染防御や抗腫瘍作用に関与する。
特許文献1には、少なくとも1種のグルカン及び少なくとも1種のフカンを含み、母動物又は人間の母親の子孫における、若齢期死亡率の低減等に使用するための組成物が記載されている。特許文献1には、グルカン及び/又はフカンは、褐藻類又は紅藻類から単離されてもよいことが記載されている。
しかしながら、紅藻類Galdieria属に属する藻類が、免疫賦活活性及び/又はTNF-α誘導活性を有することは知られていない。
特開2018-48141
一実施形態において、本発明は、免疫賦活剤を提供することを課題とする。一実施形態において、本発明は、TNF-α誘導剤を提供することを課題とする。
本発明者は、紅藻類Galdieria属に属する藻類が、免疫賦活活性及び/又はTNF-α誘導活性を有することを見出した。
本発明は、以下の実施形態を包含する。
(1)紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物を含む、免疫賦活剤。
(2)紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物を含む、TNF-α誘導剤。
(3)前記藻類が、Galdieria sulphurariaである、(1)に記載の免疫賦活剤又は(2)に記載のTNF-α誘導剤。
(4)前記藻類の処理物が、藻類の乾燥物及び/又は乾燥物を粉砕したものを含む、(1)~(3)のいずれかに記載の免疫賦活剤又はTNF-α誘導剤。
(5)紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物、又は(1)~(4)のいずれかに記載の免疫賦活剤又はTNF-α誘導剤を含む、食品組成物、飼料組成物、又は医薬品組成物。
(6)紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物、又は(1)~(5)のいずれかに記載の免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品組成物、飼料組成物、若しくは医薬品組成物を被験体に投与することを含む、免疫を賦活する方法。
(7)紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物、又は(1)~(5)のいずれか一項に記載の免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品組成物、飼料組成物、若しくは医薬品組成物を被験体に投与することを含む、感染症の予防方法。
図1は、Zymosan、藻類G 127、及び藻類G 108(1n)のTNF-α産生能を比較した結果を示す。図中のカラムとエラーバーはn=3での平均値と標準偏差を示す。*:2群間 P<0.05 、**:2群間 P<0.01
1.免疫賦活剤及びTNF-α誘導剤
一態様において、本発明は、紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物を含む、又は紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物からなる免疫賦活剤又はTNF-α誘導剤に関する。本明細書において、「A及び/又はB」は、AとBのいずれか一方、及びAとBの両方を含む。したがって、本明細書に記載の免疫賦活剤又はTNF-α誘導剤は、前記藻類と処理物のいずれか一方又は両方を含む。
Galdieria属は紅藻類イデユコゴメ綱(Cyanidiophyceae)に分類される単細胞の紅藻である。Galdieria属に属する種としては、Galdieria sulphuraria種、Galdieria daedala種、Galdieria maxima種、及びGaldieria partita種が挙げられる。一実施形態において、単細胞の紅藻は、多細胞の紅藻に比べて、比較的小型の装置での調製も可能であるという効果を奏し得る。
本明細書において、用いる藻類の株は限定しない。例えば、Galdieria sulphuraria種の株としては、G 127(二倍体。強固な細胞壁を有する、CCCryoから入手可能)、G 108(1n)(二倍体から特開2020-072698に記載の方法に従って一倍体を誘導し、その単独培養株を作成してから利用。強固な細胞壁を有さない。)、又はその変異株が挙げられる。G 127及びG 108のそれぞれの二倍体は、公的機関(例えば、G127(CCCryo 127-00)はCCCryo(Culture Collection of Cryophilic Algae)、G108(SAG 108.79)はSAG(The Culture Collection of Algae at Goettingen University))から容易に入手することができる。G 127及びG 108(1n)の変異株は、当業者であればこれらの株に変異処理を行うことによって容易に得ることができる。変異処理としては、例えば、変異原作用を有する薬剤による処理及び高エネルギー線照射処理が挙げられる。変異原作用を有する薬剤として、例えば、エチルメタンスルホネート、N-メチル-N′-ニトロ-N-ニトロソグアニジン、及び5-ブロモウラシル等の塩基類似体が挙げられ、高エネルギー線としては、UV、ガンマ線、X線、及び重イオンビームが挙げられる。変異処理には、遺伝子組換え法を利用して特定の遺伝子を変異させる方法も含まれる。
一実施形態において、本明細書に記載のGaldieria属に属する藻類は、免疫賦活作用及び/又はTNF-α誘導作用を有する。藻類が、免疫賦活作用及び/又はTNF-α誘導作用を有するか否かは、例えば本明細書の実施例において記載するとおり、マクロファージ細胞株であるNR8383細胞等の培養細胞を藻類で処理し、TNF-αの産生量が上昇するか否かを調べることにより容易に特定することができる。
本明細書において、「免疫賦活」作用とは、免疫細胞を活性化し、細胞分裂及び/又はTNF-α等の各種サイトカインの産生を誘導する作用を意味する。免疫賦活作用によって、感染症、腫瘍、及び/又は免疫不全疾患等の免疫賦活により改善可能な疾患を治療及び/又は予防し得る。
感染症としては、例えば細菌感染症、ウイルス感染症、及び真菌感染症が挙げられる。腫瘍としては、例えば頭頚部癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌、小腸癌、大腸癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、皮膚癌、及びリンパ腫等が挙げられる。免疫不全疾患には、(遺伝子変異等に起因し得る)原発性免疫不全症及び(糖尿病及びがん等の慢性疾患及び/又は薬剤投与等に起因し得る)続発性免疫不全症が挙げられる。
本明細書において、「TNF-α誘導」とは、対照と比較してTNF-αのタンパク質及び/又は遺伝子の発現量及び/又は産生量を向上することを意味する。「対照」としては、TNF-αを誘導しないことが分かっているものが挙げられ、例えば水、緩衝液、培養液等が挙げられる。TNF-αは、主としてマクロファージにより産生され、炎症メディエーターの産生促進等を介して免疫を賦活することにより、生体の感染防御や抗腫瘍作用に関与する。
本明細書に記載の藻類は、処理を行わずに(例えば藻類の培養後に培養液を除去することによって得られる藻類を)用いてもよいし、処理を行った後に用いてもよい。藻類からの培養液の除去は、遠心分離及び/又は濾別により行うことができる。藻類に対する処理を行う場合、その種類は限定しないが、例えば、乾燥(凍結乾燥、加熱乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥等)処理、加熱処理、紫外線及び/又は放射線等による光照射処理、薬剤(抗生物質及び酵素等)による処理)、ミル又はガラスビーズなどによる粉砕処理、水及び/又は有機溶媒による抽出処理、及び有効成分の精製処理等が挙げられる。本明細書に記載の藻類の「処理物」は上記処理の少なくとも一つの処理が行われた藻類を意味する。一実施形態において、処理物は、藻類の乾燥物及び/又は乾燥物を粉砕したものを含むか、又はこれからなる。一実施形態において、処理は、抽出処理及び/又は精製処理を含まない。抽出処理及び/又は精製処理を行わない藻類又は処理物は、調製工程が簡便であるという効果を奏し得る。
本明細書に記載の藻類は、例えば本明細書の実施例に記載される条件等の、通常の条件、例えばグルコース等の少なくとも一つの追加の成分を補充したMA2培地で培養することができる。
2.食品、飼料及び医薬品
一態様において、本発明は、本明細書に記載の藻類及び/又はその処理物、免疫賦活剤又はTNF-α誘導剤を含む、食品、飼料、又は医薬品に関する。本明細書に記載の食品、飼料、又は医薬品は、免疫賦活及び/又はTNF-α誘導のためのものであってよい。
本明細書に記載の食品、飼料、又は医薬品は、本明細書に記載の藻類及び/又はその処理物、免疫賦活剤又はTNF-α誘導剤以外の他の成分を含む食品組成物、飼料組成物、又は医薬品組成物であってもよい。他の成分としては、賦形剤、増量剤、結合剤、希釈剤、滑沢剤、緩衝剤、等張化剤、キレート剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤、香料、風味剤、甘味剤等の公知の薬学的に許容される担体が挙げられる。
本明細書に記載の「食品」としては、健康食品、機能性食品、及び保健機能食品が挙げられる。本明細書に記載の食品又は飼料の剤型は限定されず、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、及びシロップ剤が挙げられる。
一実施形態において、本明細書に記載の藻類及び/又はその処理物、又は飼料は、他の飼料に混ぜて用いられる。
本明細書に記載の医薬品の剤型は限定されず、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、シロップ剤、注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤が挙げられる。医薬品は経口投与又は非経口投与のいずれであってもよく、例えば非経口投与の場合、静脈、筋肉、腹腔内、腫瘍内又は皮下注射;鼻腔、口腔又は肺からの吸入;又は坐剤、外用剤等により生体に投与することもできる。
本明細書に記載の食品、飼料又は医薬品は、常法に従って製剤化することができる(例えば、Remington's Pharmaceutical Science, latest edition, Mark Publishing Company, Easton,米国を参照されたい)。
本明細書に記載の食品の投与対象はヒトであり、本明細書に記載の飼料の投与対象は非ヒト動物ある。非ヒト動物の例として、例えば哺乳類、鳥類、魚類、及び甲殻類が挙げられ、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ等の家畜動物、イヌ及びネコ等の愛玩動物、マウス、ラット、及びウサギ等の実験動物、マダイ、ブリ、及びマグロ等の魚類、並びにエビ及びカニ等の甲殻類が挙げられる。本明細書に記載の医薬品の投与対象はヒト、及び上記非ヒト動物のいずれであってもよい。
3.免疫を賦活する方法及び感染症を予防する方法
一態様において、本発明は、本明細書に記載の藻類及び/又はその処理物、免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品、飼料、又は医薬品を被験体に投与することを含む、免疫を賦活する方法に関する。本明細書において、「被験体」としては、ヒト及び上記の非ヒト動物が挙げられる。一実施形態において、本方法は、上記の非ヒト動物に対して行われる。
一態様において、本発明は、本明細書に記載の藻類及び/又はその処理物、免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品、飼料、又は医薬品を被験体に投与することを含む、感染症の予防方法に関する。一実施形態において、本方法は、上記の非ヒト動物に対して行われる。
本明細書において、「投与」は、摂食及び摂餌を包含する。
本明細書に記載の免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品、飼料、又は医薬品の用量は、被験体の年齢、性別、体重、症状、投与経路、投与頻度、並びに剤型等に応じて選択することができる。効果的な用量は、TNF-αを誘導及び/又は免疫を賦活するために必要な量である。本明細書に記載の免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品、飼料、又は医薬品の1回の用量は、限定するものではないが、例えば藻類の乾燥重量で、体重1kg当たり0.001μg~10g、0.01μg~1mg、0.1μg~0.1mg、又は1~10μgの範囲であってよい。
<材料及び試験方法>
1.細胞株
ラットの肺胞マクロファージ細胞株NR8383(ATCC No. CRL-2192)は、ATCCより購入したものを用いた。当該細胞株は、肺胞マクロファージとしての特徴を有し、マクロファージ活性化能の試験に使用されている細胞株の一つである。
2.対照物質及び被験物質の調製
1)陰性対照物質
被験物質の溶解に用いた培養液を陰性対照物質とした。
2)陽性対照物質
2)-1. 陽性対照物質
リポ多糖(Pantoea agglomeransより精製したLPS(自然免疫応用技研株式会社より入手)。「LPSp」とも記載する)を陽性対照物質とした。LPSは注射用水に2.0mg/mLになるように溶解し、4℃にて保存しているものを用いた。使用時に37℃で5分間加温した後、37℃で超音波処理を1分間行った。超音波処理後、10μLのLPS液を990μLの培養液に加えてよく混ぜ20μg/mLの溶液を調製した。本溶液をさらに培養液にて希釈して試験に用いた。希釈操作は全てクリーンベンチ内にて無菌的に実施した。
3)比較対照物質
Zymosan depleted(Invivogen社から購入、Saccharomyces cerevisiaeの高温アルカリ処理細胞壁)を比較対照物質とした。Zymosan depletedはPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に20mg/mLになるように溶解したものを用いた。50μLの20mg/mL溶液を450μLの培養液に加えてよく混ぜ2mg/mLの溶液を調製した。本溶液をさらに培養液にて希釈して試験に用いた。希釈操作は全てクリーンベンチ内にて無菌的に実施した。
4)被験物質の調製
紅藻類Galdieria属に属する藻類であるG 127(二倍体。強固な細胞壁を有する)及びG 108(一倍体。細胞壁を有さない。以下、「G 108(1n)」とも記載する)をフラスコで前培養した。前培養液をMA2培地(Ohnuma et al. Plant Cell Physiol. (2008) 49:117-120)にSchmidt et al. Biotechnol Bioeng. (2005) 90:77-84と同等のグルコースを加えた培地を5L含む7 L容量のジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ、Bioneer)内に入れ、5 L/min通気、40℃、100rpm、7-10日間培養した。
G 127は、培養後、培養液を遠心分離し、上清を除去後、凍結乾燥した。その後、乾燥粉末に4倍量の蒸留水を加え、攪拌し、2mL容量チューブに溶液を1mLずつ分注し、それぞれのチューブに0.6mmガラスビーズを250μLずつ加えた。その後、ビーズ式細胞破砕装置(MS-100、トミー精巧)にて、5,000rpm、90秒の条件で3回処理し、メッシュでビーズを濾した破砕液を再度凍結乾燥し、粉末化した。これをG 127一回破砕物として以下の試験に供した。G 108(1n)は、培養後、培養液を遠心分離し、上清を除去後、凍結乾燥した。その後、以下の試験に供した。
G127一回破砕物又は凍結乾燥したG108(1n)を約20mg精密に秤量し1.5mLチューブに入れ、PBS(-)を100μL加えて、ガラスビーズ((直径0.35~0.5mm):BZ-04、株式会社井内盛栄堂)を200mg加えた。ボルテックスミキサーにて、1回30秒間の攪拌操作を10回繰り返して破砕処理を行い、G127二回破砕物及びG108(1n)破砕物を得た。処理後、懸濁液5μLを別のチューブに分注しPBS(-)を95μL加えて20倍希釈懸濁液を調製し顕微鏡観察を行った。
藻類G 127二回破砕物は、目視ではG127一回破砕物と同様に見えた。藻類G 108(1n)は、目視では破砕処理前は、塊が認められたが、破砕処理後は藻類G 127破砕のガラスビーズ破砕処理後と同様であり塊は認められなかった。PBS(-)を追加して終濃度40mg/mLの懸濁液を調製した。さらにボルテックスミキサーにて、1回30秒間の攪拌操作を10回繰り返した。10分間静置後に懸濁液を観察したところ沈殿は認められなかった。このようにして得られた破砕処理検体(以下、「被験液」とも記載する)をTNF-α産生試験に供した。
調製した40mg/mL被験液25μLを予め培養液475μLを加えた1.5mLチューブに入れ、2mg/mL溶液を調製した。その後、10倍希釈を繰り返して終濃度の2倍濃度の希釈液を6段階の用量で調製し測定に供した。被験液の調製は、クリーンベンチ内で無菌的に行った。
5.試験方法
1)前培養
NR8383細胞は、15%非働化FBS(Batch no.70301115、MOREGATE)、100U/mLペニシリン、100U/mLストレプトマイシン(ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン(100×):#10378-01、invitrogenを希釈)含有F-12培地(#21127-022、ライフテクノロジーズ・ジャパン株式会社)にて継代培養したものを用いた。培養はT25培養フラスコ(#5330182、BECTON DICKINSON)を用い、3日ないし4日毎に0.5~1×105cells/mLで植え継いだ。37℃の5%CO2インキュベーター(MCO-20A10、SANYO)内で培養した。
2)試験操作
2-1).細胞処理
試験操作は全てクリーンベンチ内で行った。
T25培養フラスコ 8本にて前培養した細胞をピペッティングにより壁から剥がし、得られた細胞の懸濁液を50mLコニカルチューブ(#339652、Thermo)に移した。チューブを室温で遠心分離し(1000rpm、5分間)、上清をデカンテーションで捨て、細胞を回収した。タッピングにより細胞をほぐした後、培養液5mLを加え、ピペッティングによって細胞を均一に懸濁した。20μLを別のチューブに移し0.5%トリパンブルー20μLを添加した後、血液計算板に細胞懸濁液を移して細胞数と生存率を測定した。生存率は95.0%と90%以上(細胞の生存率が90%以上であることを試験に使用可能な細胞の基準としている)であったので、残液を試験に用いた。
測定した細胞数に基づいて、残液に培養液を加えて希釈し1.6×105cells/mLになるよう細胞数を調製した。この細胞懸濁液を100μLずつ96well平底プレートの各ウェルに加えた。インキュベーターに移して、細胞がウェルの底に接着して伸展するまで3時間前培養を行った。
前培養が終了した時点でプレートを取り出し、ウェルに100μLずつ2倍濃度の被験液又は対照物質を加えた。各サンプルを添加後、24時間インキュベーター内で培養した。培養後、上清150μLを1.5mLチューブに回収し、-20℃で保管した。
2-2).ELISA測定
上清中のTNF-αは、ELISA測定キットELISA MAXTM Deluxe Sets Rat TNF-α(#438204、BioLegend)の説明書に記載されている操作手順に従って測定した。各サンプルについてn=1で測定した。
各サンプルの測定ではAssay Diluentにて2倍及び200倍希釈した液を測定に供した。
<結果及び考察>
今回の試験では、2種類の被験液のin vitroの測定系でマクロファージ活性化能を明らかにすることを目的として試験を実施した。
陽性対照のLPSpでは、0.001μg/mL~10μg/mLの用量で培地区より高いTNF-α濃度を示し、用量依存的なTNF-α産生量の増加が認められた(データ示さず)。従って、本試験系は未知物質のTNF-α産生の評価試験として成立したと判断された。
続いて、NR8383細胞における、藻類G 127と藻類G 108(1n)の破砕物及び比較対照物質によるTNF-α産生の結果を図1に示す。藻類G 127は、10~1000μg/mLで用量依存的かつ陰性対照に対する有意なTNF-α産生の上昇が認められた。藻類G 108(1n)は、1~1000μg/mLで用量依存的かつ陰性対照に対する有意なTNF-α産生の上昇が認められた。Zymosan depletedでは、0.01~1000μg/mLで用量依存的な有意なTNF-α産生の上昇が認められた。
藻類G 127と藻類G 108(1n)を比較すると、1000μg/mLと100μg/mLの用量で藻類G 127の方が有意に高かった。この差は破砕処理の回数か(G 127は2回の破砕処理を行っているのに対し、G 108(1n)は1回のみ破砕処理を行っている)、藻類の株の差に起因し得ると考えられる。
本試験においてin vitroの試験系で被験液のマクロファージ活性化能が示された。

Claims (7)

  1. 紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物を含む、免疫賦活剤。
  2. 紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物を含む、TNF-α誘導剤。
  3. 前記藻類が、Galdieria sulphurariaである、請求項1に記載の免疫賦活剤又は請求項2に記載のTNF-α誘導剤。
  4. 前記藻類の処理物が、藻類の乾燥物及び/又は乾燥物を粉砕したものを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の免疫賦活剤又はTNF-α誘導剤。
  5. 紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物、又は請求項1~4のいずれか一項に記載の免疫賦活剤又はTNF-α誘導剤を含む、食品組成物、飼料組成物、又は医薬品組成物。
  6. 紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物、又は請求項1~5のいずれか一項に記載の免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品組成物、飼料組成物、若しくは医薬品組成物を被験体に投与することを含む、免疫を賦活する方法。
  7. 紅藻類Galdieria属に属する藻類及び/又はその処理物、又は請求項1~5のいずれか一項に記載の免疫賦活剤、TNF-α誘導剤、食品組成物、飼料組成物、若しくは医薬品組成物を被験体に投与することを含む、感染症の予防方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023176790A1 (ja) * 2022-03-15 2023-09-21 Eneos株式会社 イデユコゴメ綱に属する藻類を含有する組成物

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WO2023176790A1 (ja) * 2022-03-15 2023-09-21 Eneos株式会社 イデユコゴメ綱に属する藻類を含有する組成物

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