JP2022025651A - 血管観察装置 - Google Patents

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博文 榎本
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Abstract

【課題】手術等の時にユーザ操作により安全にカラー画像を撮影でき、ユーザの利便性を向上する血管観察装置を提供する。【解決手段】血管観察装置は、予め血管に挿入されたガイドワイヤを内側に通して血管に挿入されるインナーカテーテルと、インナーカテーテルに挿入され、撮像部を収容するとともにガイドワイヤを通すガイドワイヤ孔が形成されたホルダを先端に有する内視鏡と、を備える。インナーカテーテルには、血管の内壁からの撮像光を透過させて撮像部に入射させる環状の透明部が、インナーカテーテルの軸線に沿う方向の所定の範囲で設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、血管観察装置に関する。
従来、動脈硬化の診断、バルーンカテーテルまたはステント等の高機能カテーテルによる血管内の治療時における術前診断、あるいは、術後の結果確認のために超音波画像診断装置が利用されている。超音波画像診断装置として例えば特許文献1では、血管内超音波診断装置(IVUS:Intravascular Ultrasound)が知られている。この血管内超音波診断装置は、血管内において、超音波振動子からなる送受信部が内蔵された超音波プローブ部をラジアル動作させ、被検者の生体組織で反射した反射波(超音波エコー)を送受信部で受信した後、増幅、検波等の処理を施すことにより生成した超音波エコー信号の強度に基づいて、血管の断面画像を描出する。
特開2013-70826号公報
しかしながら、特許文献1の血管内超音波診断装置により得られる画像は白黒画像であり、カラー画像を得ることは困難である。このため、カラー画像に比べ、手術等において医師等のユーザが患部を判断するための視覚情報が十分でないという課題がある。
また、血管に挿入可能な内視鏡(血管内視鏡)において光学レンズを備えるチップを血管内視鏡の先端に実装することは可能である。例えば、ユーザの操作によって血管内視鏡の先端をカテーテルの先端から突出させることで、カラー画像の撮像が可能と考えられる。しかしながら、上述したチップが設けられた血管内視鏡の先端がカテーテルから突き出されたり引き戻しされたりするので、血管内の組織(例えば血管壁)と衝突して損傷するという安全性の問題点が懸念される。
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、手術等の時にユーザ操作により安全にカラー画像を撮影してユーザの利便性を向上する血管観察装置を提供することを目的とする。
本開示は、予め血管に挿入されたガイドワイヤを内側に通して前記血管に挿入されるインナーカテーテルと、前記インナーカテーテルに挿入され撮像部を収容するとともに前記ガイドワイヤを通すガイドワイヤ孔が形成されたホルダを先端に有する内視鏡と、を備え、前記インナーカテーテルには、前記血管の内壁からの撮像光を透過させて前記撮像部に入射させる環状の透明部が、前記インナーカテーテルの軸線に沿う方向の所定の範囲で設けられている、血管観察装置を提供する。
本開示によれば、血管観察装置において、手術等の時にユーザ操作により安全にカラー画像を撮影でき、ユーザの利便性を向上できる。
実施の形態1に係る血管観察システムの構成例を示すブロック図 図1に示す血管観察装置の外観を示す斜視図 図2に示す透明部の要部拡大図 実施の形態1に係る血管観察装置の動作手順例を示すフローチャート 血管観察装置の挿入順の一例を示す分解斜視図 血管観察装置のプルバック前後の状態を示す説明図 アンギオ画像および血管内視鏡画像を対比表示する表示画面の一例を示す説明図
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る血管観察装置を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(実施の形態1)
1.血管観察システムの構成
図1は、実施の形態1に係る血管観察システム100の構成例を示すブロック図である。図2は、図1に示す血管観察装置60の外観を示す斜視図である。血管観察システム100は、手術あるいは検査(以下「手術等」と称する)の時に、人体等の被検体を対象として被検体内の血管61(図6参照)を血管内視鏡10で撮像するとともに、血管内視鏡10により撮像された画像を表示する。血管61は、例えば冠動脈でもよいし、上肢あるいは下肢でもよく、血管内視鏡が挿入される被検体内の部位は特に限定されなくてよい。血管観察システム100は、血管内視鏡10と、プルバック装置80と、中継器20と、医療コンソールCSL1とを少なくとも含む構成である。また、血管観察システム100は、アンギオグラフィ装置50をさらに含む構成としてもよい。
血管内視鏡10は、血管観察システム100を構成する内視鏡の一例であり、手術等の時に被検体内に予め挿入されたガイドワイヤGW1に沿って挿入されたり引き戻されたりする医療器具である。また、血管内視鏡10は、ガイドワイヤGW1が挿入された後、ガイドワイヤGW1に沿いながら、アウターカテーテルOCT1およびインナーカテーテルICT1のそれぞれの内部を挿入されたり引き戻されたりする。インナーカテーテルICT1は、血管内視鏡10が挿入される内側の外殻を構成する。アウターカテーテルOCT1は、血管内視鏡10が挿入される外側の外殻を構成する。つまり、血管内視鏡10は、インターカテーテルICTおよびアウターカテーテルOCT1の内周に沿って患部近傍まで挿入される(図2参照)。なお、アウターカテーテルOCT1は、被検体内に挿入されるが、インナーカテーテルICT1ほど患部近傍までは挿入されない(図6参照)。
血管内視鏡10は、被検体内に挿入されて被検体内を撮像可能な撮像部CM1(図3参照)が実装された先端部TP1(図3参照)と、基端固定部OSFX1(図6参照)により固定された基端部BE1とを有する。また、血管内視鏡10の基端部BE1は、基端固定部OSFX1だけでなく基端固定部FX1でも固定される。基端部BE1から先端部TP1までは、可撓性を有する樹脂材により形成されたシースSTH1(図3参照)により血管内視鏡10の外周が覆われている。血管内視鏡10の外径は、血管内視鏡10の撮像部CM1の光軸に垂直な方向の外形状が円形となるシースSTH1の径に相当し、例えば血管内に挿入可能なサイズとして、最大外径として1.8mmΦであるが、このサイズに限定されなくてよい。撮像部CM1は、例えば血管を撮像可能な画像センサが実装された48万画素の高解像度カメラである。なお、48万画素はあくまで一例であり、画素数は48万画素に限定されなくてよい。血管内視鏡10が被検体内の血管に挿入されると、血管内視鏡10は、血管の内壁(血管壁)を撮像可能である。血管内視鏡10は、画像センサとして、例えばCCD(Charge Coupled Device)あるいはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子(つまりイメージセンサ)を内蔵し、被写体(例えば血管壁)からの光学像を撮像面に結像し、結像した光学像を電気信号に変換して画像のデータ信号を出力する。血管内視鏡10は、ユーザの感覚に基づいた操作によって退避方向(後述参照)に引き戻され、血管壁を撮像した画像のデータ信号を中継器20に出力する。以後、血管内視鏡10が血管壁を撮像した画像を「血管内視鏡画像」(血管画像の一例)と称する。なお、血管内視鏡画像のデータ信号は、静止画像および動画像のいずれの信号でもよい。また、血管内視鏡10は、患部を明るく照明するために、先端部TP1にLED(Light Emission Diode)光源を内蔵してもよいし、後述するカメラコントロールユニット30から出射された照射光を導光する光ファイバを内蔵してもよい。
駆動機器の一例としてのプルバック装置80は、ガイドワイヤGW1に案内されて観察対象の部位(例えば血管61)に挿入された血管内視鏡10をプルバック速度(例えば定速)で基端側に引き戻す(言い換えると、牽引する)動作を行う。このとき、プルバック装置80が血管内視鏡10を引き戻す長さは、患部付近の位置に挿通されたホルダHL1が基端側に向かって引き戻される長さと略一致すると考えることができる。血管内視鏡10は、プルバック装置80によって引き戻される際、血管壁を等間隔で撮像する。プルバック装置80は、血管内視鏡10の位置情報および撮像位置の速度情報のデータを取得し、その取得された血管内視鏡10の位置情報および撮像位置の速度情報のデータを中継器20に送る。
ここで、血管内視鏡10の撮像位置の速度情報は、血管内視鏡10が基端側に引き戻される際に、血管内視鏡10の撮像位置が基端側に定速で移動する時の速度であり、プルバック速度と略一致する。血管内視鏡10の撮像位置の速度情報は、医師等のユーザの操作によりプルバック装置80にて設定され、一例として、0.5mm/秒、1.0mm/秒あるいは2.0mm/秒である。また、撮像の開始位置は、例えば、医師等のユーザが血管内視鏡10により撮像された被検体の観察部位の撮像画像をモニタMN1で確認した上で決定される。血管内視鏡10の引き戻しは、例えば、医師等のユーザによるプルバック装置80のボタンbn2の押下によって開始される。
プルバック装置80の筐体80zの前面には、撮像位置の速度情報を選択可能なボタンbn1と、押下することでスタートとストップとを切り替えて指示するボタンbn2と、血管内視鏡10を自動的に基端側の初期位置に復帰させるボタンbn3とがそれぞれ配置されている。血管内視鏡10の撮像位置の速度情報は、ボタンbn1の押下によって選択される一定速度、例えば0.5mm/秒、1.0mm/秒あるいは2.0mm/秒である。また、筐体80zの前面には、血管内視鏡10による撮像の開始位置(言い換えると、観察部位の開始位置)から血管内視鏡10の基端側への移動量を表す測定長(言い換えると、血管内視鏡10)が移動する速度、加速度をそれぞれ表示するディスプレイd1,d2,d3が配置されている。また、筐体80zの前面には、血管内視鏡10の位置を模式的に表示するディスプレイd4が配置されている。
なお、プルバック装置80は、上述した一定速度で血管内視鏡10を引く自動モード以外に、医師等のユーザの判断でマニュアルモードにより作動させる(言い換えると、血管内視鏡10を引く)ことができる。マニュアルモードでは、プルバック装置80は、測定長の範囲内で血管内視鏡10を可変速度で引き戻す際に一定時間ごとに計測した、血管内視鏡10の位置情報および速度情報を取得してよい。プルバック装置80は、血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータを中継器20に出力する。
血管内視鏡10は、手術等の前に予め被検体内の観察部位(例えば血管61)に挿通されたガイドワイヤGW1に沿って、医師等のユーザ(以下「ユーザ」と称する)の操作によって被検体内の血管61内を進退自在に挿通される。ここで、血管内視鏡10が被検体内の観察部位に向かって挿入される方向を進行方向と定義し、反対に血管内視鏡10が被検体外に向かって引き戻される方向を退避方向と定義する。したがって、進退自在とは、血管内視鏡10が被検体内に向かって挿入されることも引き戻されることも可能であることを意味する。血管内視鏡10の先端部TP1には、剛性を有するように金属製のホルダHL1が配置されている。このホルダHL1は、上部にガイドワイヤGW1のガイドワイヤ孔62を有するとともに、上述した撮像部CM1を覆い隠すように周方向に覆う。これにより、血管内視鏡10は、ユーザの操作により、ホルダHL1のガイドワイヤ孔62を介してガイドワイヤGW1に沿って進退自在となる。つまり、血管内視鏡10は、手術等の観察部位(例えば患部)までに予め挿通されたガイドワイヤGW1に案内されて観察部位までスムーズに挿入可能である。
アウターカテーテルOCT1には、例えば手術等の時に患部のカラー撮像が可能となるように造影剤等の透明な薬液(例えばフラッシュ溶液68)が注入される。造影剤は、例えば血管内視鏡10の基端側に配置されたコネクタの一例としてのY型コネクタYC1の突出部FL1から、アウターカテーテルOCT1内を進行方向(上述参照)に向かうように注入される。すなわち、突出部FL1は、フラッシュ用ポートとなっている。造影剤は、インナーカテーテルICT1と血管内視鏡10のシースSTH1との隙間、アウターカテーテルOCT1とインナーカテーテルICT1との隙間から術野等の患部に流れ出て周囲を透明状態にする。
中継器20は、血管観察システム100を構成するコントローラの一例であり、血管内視鏡10とカメラコントロールユニット30との間で行われる各種の信号を中継する。各種の信号は、例えば血管内視鏡10で撮像された画像のデータ信号以外に、カメラコントロールユニット30が血管内視鏡10を制御するための各種の制御信号を含む。中継器20は、入力インターフェース21,22と、出力インターフェース23と、FPGA24(Field Programmable Gate Array)とを含む構成である。図1ではインターフェースを「I/F」と略記している。
入力インターフェース21は、プルバック装置80との間でデータ信号の入力を可能に接続され、プルバック装置80から出力された血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータを入力してFPGA24に出力する。
入力インターフェース22は、血管内視鏡10との間でデータ信号の入力を可能に接続され、血管内視鏡10により撮像された血管内視鏡画像のデータ信号(例えば動画あるいは静止画)を入力してFPGA24に出力する。
出力インターフェース23は、FPGA24により生成された紐付けデータ(つまり、血管内視鏡10により撮像された画像のデータと血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータとがFPGA24により紐付けされたデータ)を医療コンソールCSL1に出力する。
FPGA24は、増幅器、AD(Analog Digital)コンバータ、フィルタおよび各種の演算回路を少なくとも含む集積回路により構成される。FPGA24は、入力インターフェース22を介して入力された画像のデータ信号に対し、増幅処理、アナログデジタル変換処理、フィルタリング処理等の各種の処理を行う。FPGA24は、各種の処理(前述参照)により処理された後の画像のデータと、入力インターフェース21を介して入力された血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータとを関連付けるためのリンク処理(いわゆる紐付け)を行う。FPGA24は、紐付けの処理例として、画像のデータの格納領域(例えばオプション領域)に、血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータ(計測データ)を格納する。または、FPGA24は、紐付けの他の処理例として、画像上の視認性を遮らない位置に、血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータ(例えばテキストデータ)を重畳する。ここで、画像のデータと位置情報および速度情報のデータとの紐付けの処理は、これらのデータを連結することで、例えばこれらのデータを足し合わせて1つのデータにすることで行われる。このように、中継器20による紐付けにより、血管内の血管内視鏡10の撮像位置と、血管内視鏡10により撮像された画像の取得タイミングとが一致(同期)するように対応付けられる。以下の説明において、画像のデータと位置情報および速度情報のデータとが紐付けされたデータを、単に「紐付けデータ」と称する場合がある。
なお、中継器20に使用されるプロセッサの一例として、FPGA24を挙げているが、FPGA24以外にCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等が用いられてもよい。また、中継器20は、医療コンソールCSL1の一部を構成するように設けられてもよい。さらに、上述した画像のデータと位置情報および速度情報のデータとの紐付けは、後述する医療コンソールCSL1のPC40において実行されてもよい。
医療コンソールCSL1は、例えばカメラコントロールユニット30(Camera Control Unit)と、PC40(Personal Computer)と、キーボードマウスIPT1と、モニタMN1とにより構成される。
カメラコントロールユニット30は、中継器20を介して血管内視鏡10と電気的に接続され、血管内視鏡10による撮像動作、血管内視鏡10からの画像のデータ信号に基づく血管内視鏡画像のデータ生成を制御する。カメラコントロールユニット30は、血管内視鏡画像のデータと血管内視鏡の位置情報および速度情報のデータとが結合されたデータ(つまり、上述した紐付けデータ)にメタデータを付加する。メタデータは、血管内視鏡10から提供される血管内視鏡画像の撮像日時等のデータを含む。
カメラコントロールユニット30は、画像入力部(図示略)、画像処理部(図示略)および画像出力部(図示略)を少なくとも含む。画像入力部(図示略)は、血管内視鏡画像のデータと血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータとが紐付けされた紐付けデータを入力する。画像入力部(図示略)は、専用の画像入力インターフェースの他、映像データを高速に転送可能なHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)あるいはUSB(Universal Serial Bus) Type-C等を用いたインターフェースでもよい。画像処理部(図示略)は、入力された紐付けデータに書誌事項(上述参照)からなるメタデータを付加する等の処理を行う。また、画像処理部(図示略)は、中継器20から送られた紐付けデータに対し、所定の画像処理を行うことで、モニタMN1において視認可能なRGB形式あるいはYUV形式の紐付けデータを生成してもよい。画像出力部(図示略)は、メタデータが付加された紐付けデータをPC40に送信する。
PC40は、血管観察システム100を構成するコントローラの一例であり、入力インターフェース41,42と、出力インターフェース43と、メモリ44と、ストレージ45と、プロセッサ46とを含む構成である。PC40は、中継器20により生成された紐付けデータを、カメラコントロールユニット30を介して受信する。PC40は、紐付けデータに含まれる血管内視鏡画像のデータ、あるいはこの血管内視鏡画像のデータに対して所定の画像処理を施した後の血管内視鏡画像のデータ等をストレージ45に記録して保存する。また、PC40は、血管造影装置としての役割を有するアンギオグラフィ装置50との間でデータ通信が可能に接続され、アンギオグラフィ装置50により撮像された画像(以下「アンギオ画像」と称する)を受信して保存する。
また、PC40は、カメラコントロールユニット30からの紐付けデータ(上述参照)とアンギオグラフィ装置50からのアンギオ画像とに基づいて、観察部位(例えば患部である血管)のアンギオ画像および血管内視鏡画像(図7参照)の表示画面のデータを生成し、出力インターフェース43を介してモニタMN1に出力(表示)する。これにより、PC40は、医師等のユーザに、血管の観察状況を示す表示画面によって血管内を可視化できる。
入力インターフェース41は、カメラコントロールユニット30から送られてくる血管内視鏡画像のデータを受信してプロセッサ46に送る。入力インターフェース41は、アンギオグラフィ装置50から送られてくるアンギオ画像のデータを受信してプロセッサ46に送る。
入力インターフェース42は、医師等のユーザが使用する入力デバイスとしての役割を有するキーボードマウスIPT1からの操作信号を入力してプロセッサ46に出力する。
出力インターフェース43は、プロセッサ46により生成された表示画面(例えば血管内視鏡画像およびアンギオ画像の両方が映る表示画面)のデータをモニタMN1に出力する。
メモリ44は、プロセッサ46のワーキングメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)と、プロセッサ46により実行される各種の処理用のプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)と、を含む。
ストレージ45は、大容量の記憶装置であり、血管内視鏡10で撮像された血管内視鏡画像、アンギオグラフィ装置50により撮像されたアンギオ画像のデータ等を蓄積する。ストレージ45は、例えば二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)もしくはSSD(Solid StateDrive))、あるいは三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでよい。
プロセッサ46は、メモリ44に記憶された各種の処理用のプログラムを実行することで、例えば上述した紐付けデータの生成処理、血管内視鏡画像およびアンギオ画像の両方が映る表示画面のデータ生成処理等のそれぞれを実行する。プロセッサ46は、例えば画像処理に適したGPUでもよいし、MPU、CPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で設計された専用の電子回路、またはFPGA等で再構成可能に設計された電子回路で構成されてもよい。プロセッサ46の処理例の詳細については後述する。
アンギオグラフィ装置50は、血管観察システム100を構成する血管造影装置の一例であり、手術等の時に手術台で寝ている被検体(患者)の血管の形状あるいは異常の有無等の分布、腫瘍への血管あるいは血流の状態を検査治療する機器である。具体的には、被検体内の血管に造影剤が注入され(図2参照)、アンギオグラフィ装置50によって、血流あるいは腫瘍の分布、血管の狭窄あるいは閉塞の検査治療が行われる。アンギオグラフィ装置50は、例えば被検体の血管の形状を撮像することでアンギオ画像を生成し、アンギオ画像のデータをPC40に伝送する。
キーボードマウスIPT1は、医師等のユーザにより使用される入力デバイスであり、キーボードあるいはマウス、もしくはキーボードおよびマウスの両方により構成される。また、キーボードマウスIPT1の操作により、PC40を起動させる起動信号がPC40に入力されてよい。
モニタMN1は、PC40から出力される血管内視鏡画像およびアンギオ画像の両方が映る表示画面のデータを表示する。モニタMN1は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)、CRT(Cathode Ray Tube)等の表示デバイスを有する。なお、カメラコントロールユニット30、PC40、キーボードマウスIPT1およびモニタMN1は、医療コンソールCSL1として単一の筐体に搭載されて手術室内に配置される。
2.血管観察装置の構成
実施の形態1に係る血管観察装置60は、図2に示す透明部63を有するインナーカテーテルICT1と、血管内視鏡10とを主要な構成として備える。この他、実施の形態1に係る血管観察装置60は、アウターカテーテルOCT1と、Y型コネクタYC1と、を備える。これらにより構成される血管観察装置60は、ガイドワイヤGW1に沿って血管61に挿入されるとともに、プルバック装置80により血管内視鏡10が引き戻し動作可能となる。
ガイドワイヤGW1は、基端から先端までの長さが、例えば、100cm~250cmで設定される。ガイドワイヤGW1は、軸線直交断面が略円形に形成され、直径は、例えば0.2mm~0.9mmで設定される。また、ガイドワイヤGW1の先端は、血管61内の組織を損傷することがないよう面取り加工されることが望ましい。ガイドワイヤGW1は、可撓性を有する例えばステンレス鋼、ポリイミド、プラチナで形成される。
インナーカテーテルICT1は、予め血管61に挿入されたガイドワイヤGW1を内側に通して血管61に挿入される。インナーカテーテルICT1は、少なくとも1つのルーメンを有して円筒状に形成される。インナーカテーテルICT1は、このルーメンを通じて血管内視鏡10を観察対象の部位へ挿通させる。実施の形態1において、インナーカテーテルICT1は、後述するアウターカテーテルOCT1の内側に通して使用される。なお、インナーカテーテルICT1は、アウターカテーテルOCT1を使用せずに直接、血管61内に挿入することも可能となる。
図3は、図2に示す透明部63の要部拡大図である。血管内視鏡10は、ガイドワイヤGW1とともに、インナーカテーテルICT1の中に通される。このため、血管内視鏡10は、ガイドワイヤGW1を通すためのガイドワイヤ孔62を備えている。実施の形態1に係る血管内視鏡10は、ガイドワイヤ孔62を備えてインナーカテーテルICT1の中に通されるため、最大外径が、インナーカテーテルICT1の内径以下に設定される。
血管内視鏡10は、撮像部CM1を収容するとともにガイドワイヤGW1を通すガイドワイヤ孔62の形成されたホルダHL1を先端に有する。ホルダHL1は、内方に、レンズおよび撮像部CM1を収容するカメラ収容部を有する。カメラ収容部の後端は、シースSTH1の先端が接続される。ホルダHL1は、カメラ収容部の後端から後方へ突出する筒状のシース嵌合部を有する。シースSTH1の先端は、シース嵌合部の外周に嵌合して接続される。ホルダHL1は、ガイドワイヤ孔62と、レンズおよび照明用光ファイバを配置する観察孔との2つの孔を先端面に有する。
挿入方向先端にホルダHL1が設けられた血管内視鏡10の挿入部は、全長のほとんどがシースSTH1により覆われる。シースSTH1は、例えば可撓性を有する樹脂材によりチューブ状に形成される。ホルダHL1は、先端面にレンズカバーガラス66を表出させる。撮像光学系としてのレンズは、表面に、レンズカバーガラス66が一体に固定されてもよい。実施の形態1では、レンズに一体的に固定されたレンズカバーガラス66が、ホルダHL1の先端面に表出する。レンズは、挿入方向先端に設けられることにより、撮像光を取り込む(つまり、被検体内の患部70(図6参照)等の被写体からの光を入射する)。なお、ホルダHL1の先端面には、レンズカバーガラス66を挟む左右に、上下方向に連続して並ぶ複数の照明用光ファイバ、あるいはLEDなどの光源の光出射端面が配置される。
ところで、インナーカテーテルICT1には、血管61の内壁からの撮像光を透過させて撮像部CM1に入射させる環状の透明部63が設けられる。透明部63は、インナーカテーテルICT1の軸線に沿う方向の所定の範囲Lで設けられている。実施の形態1において、透明部63は、インナーカテーテルICT1の先端から所定の距離だけ後退した位置から所定の範囲Lで設けられている。なお、この所定の距離だけ先端から後退した部分は、先端不透明部ICT2となる。この先端不透明部ICT2は、省略されてもよい。この場合、インナーカテーテルICT1は、先端から所定の範囲Lだけ後退した部分が透明部63となる。この所定の範囲Lの長さは、血管内視鏡10のプルバック長(つまり、プルバックされる長さ)と同等あるいはプルバック長より少し長い。言い換えると、プルバック装置80を介して血管内視鏡10がプルバックされている間、血管内視鏡10は、インナーカテーテルICT1の透明部63を透して、血管内視鏡10の先端部TP1が挿入されている患部等の部位のカラー画像を撮影可能となる。
透明部63は、インナーカテーテルICT1の全長の殆どを占める基端側部分と、先端部分との間に、一体的に設けられる。透明部63は、インナーカテーテルICT1と別部材を、例えば、接着、溶接、二色成形により接合して形成できる。一体に接合された透明部63は、内外径が、インナーカテーテルICT1の内外径と同一に形成される。実施の形態1において、透明部63の軸線直交断面は、インナーカテーテルICT1と同じ真円で形成される。透明部63は、可撓性および光透過性を有する材料、例えば、ナイロン、ポリウレタン、ポリプロピレン、塩化ビニル、フッ素系樹脂などの材料を用いることができる。
実施の形態1において、インナーカテーテルICT1は、ガイドワイヤGW1を内側に通したアウターカテーテルOCT1の内側にクリアランスを有して挿入される。したがって、インナーカテーテルICT1の外周面と、アウターカテーテルOCT1の内周面との間には、環状空間が形成される。血管観察装置60は、インナーカテーテルICT1の透明部63よりも後退した位置には、インナーカテーテルICT1の外周面とアウターカテーテルOCT1の内周面との間に画成される環状空間の開放部64が配置される。
アウターカテーテルOCT1の基端は、密閉構造を有する基端固定部OSFX1とY型コネクタYC1とに接続される。アウターカテーテルOCT1は、この基端が、Y型コネクタYC1の内側に開口される。アウターカテーテルOCT1の内側に挿通されているインナーカテーテルICT1、血管内視鏡10およびガイドワイヤGW1は、Y型コネクタYC1の内側に開口するアウターカテーテルOCT1の基端からY型コネクタYC1の内部に導入される。
Y型コネクタYC1には、突出部FL1が接続される。突出部FL1からは、フラッシュ溶液68が供給可能となっている。Y型コネクタYC1には、アウターカテーテルOCT1と反対側の端部に基端固定部FX1が設けられる。基端固定部FX1は、インナーカテーテルICT1を水密にシールしてインナーカテーテルICT1を軸線方向に移動自在に導出するシール孔65を有する。基端固定部FX1のシール孔65から外側に導出されたインナーカテーテルICT1は、基端から血管内視鏡10およびガイドワイヤGW1が引き出される。
なお、インナーカテーテルICT1の内周と、血管内視鏡10およびガイドワイヤGW1の外周との間は、インナーカテーテルICT1の基端部分においてコネクタ部材などにより水密にシールがなされる。このうち、少なくとも血管内視鏡10は、Y型コネクタYC1から導出されたインナーカテーテルICT1に対して、インナーカテーテルICT1の軸線に沿う方向に進退自在および軸線まわりに回転自在となって水密にシールされる。Y型コネクタYC1には、例えば、市販のYコネクタまたはTコネクタを使用することができる。
ここで、インナーカテーテルICT1の内側には、フラッシュ溶液68が流入可能となっていることが好ましい。これにより、透明部63の内側においても、血液69による視界の妨げを排除することができる。インナーカテーテルICT1の内側へのフラッシュ溶液68の流入は、環状空間とインナーカテーテルICT1の内側とを通じさせる貫通孔をインナーカテーテルICT1に設けることにより可能となる。
Y型コネクタYC1の基端固定部FX1から導出された血管内視鏡10は、プルバック装置80によりガイドワイヤGW1に沿って進退移動される。血管内視鏡10は、プルバック装置80により基端が進退方向に移動されることにより、先端が、透明部63の範囲で移動が可能となる。プルバック装置80は、血管内視鏡10の基端を把持する把持部67(図6参照)を有する。プルバック装置80は、筐体に、進退方向および回転方向の駆動力を伝達するアクチュエータ(図示略)を備える。プルバック装置80のアクチュエータは、PC40によって制御される。すなわち、血管内視鏡10は、プルバック装置80を介してPC40により、任意に進退、屈曲および回転させることができる。
3.血管観察システムの動作
次に、実施の形態1に係る血管観察システムの動作について、図4を参照して説明する。
図4は、実施の形態1に係る血管観察装置60の動作手順例を示すフローチャートである。例えば、被検体内の血管61内に血栓があったり、血管壁にプラークができていたりする等、被検体内の血管61の状態を観察するために、血管内視鏡10は、血管61内に挿入される。
図4において、血管61の中にガイドワイヤGW1、インナーカテーテルICT1、アウターカテーテルOCT1、および血管内視鏡10がセットされる(St1)。
図5は、血管観察装置60の挿入順の一例を示す分解斜視図である。医師等のユーザにより、血管内視鏡10が血管61内に挿入される際、ガイドワイヤGW1が先行して(つまり血管内視鏡10よりも先行して)血管61内に挿通される。ガイドワイヤGW1が観察したい血管61内に届けられると、ユーザの操作により、ガイドワイヤGW1に案内されるように、アウターカテーテルOCT1が血管61内に進行させて挿入される。次に、アウターカテーテルOCT1から導出されるガイドワイヤGW1の基端を内側に通してインナーカテーテルICT1がアウターカテーテルOCT1に挿入される。この際、血管内視鏡10の先端がインナーカテーテルICT1の透明部63に来るように(つまり、血管内視鏡10の先端が透明部63の範囲内に位置するように)、ユーザの操作によりインナーカテーテルICT1の透明部63の位置が調整される(St2)。
次に、インナーカテーテルICT1から導出されるガイドワイヤGW1を、ホルダHL1のガイドワイヤ孔62に通すように、血管内視鏡10がインナーカテーテルICT1内に進行させて挿入されていく。血管内視鏡10の先端が透明部63(すなわち、観察したい血管61内)に達すると、ユーザは、血管内視鏡10の基端を、プルバック装置80に接続する(St3)。
図6は、血管観察装置60のプルバック前後の状態を示す説明図である。図6において、血管内視鏡10の基端がプルバック装置80に接続された後、ユーザの操作により、プルバック装置80の作動が開始される。これにより、血管内視鏡10のプルバック装置80によるプルバックが開始する(St4)。すなわち、血管内視鏡10をプルバック速度(つまり、一定の速度)で所定の後退距離PBで引き戻す動作を開始させる。また、血管内視鏡10で血管61内を撮像する場合、ユーザは、血管61内を鮮明に撮像できるように、突出部FL1からフラッシュ溶液68を血管61内に注入する。医師等のユーザが医療コンソールCSL1の筐体に収容されたPC40の操作部に含まれる起動スイッチを押下すると、血管観察システム100は起動する。血管観察システム100が起動すると、血管内視鏡10、プルバック装置80、中継器20および医療コンソールCSL1は、それぞれ動作を開始する。
ユーザは、プルバック装置80に対し、被検体内の観察部位である血管61内に挿入された血管内視鏡10を引き戻すための計測の開始位置および終了位置を設定する。このとき、ユーザは、血管内視鏡10で撮像される血管内視鏡画像をその血管内視鏡画像が表示されたモニタMN1で実際に目視によって確認し、計測の開始位置および終了位置を決定する。プルバック装置80による血管内視鏡10の引き戻し(計測)の開始位置から終了位置までの長さが血管61の測定長に相当する。
プルバック装置80は、測定長の範囲内で血管内視鏡10を定速で引き戻す際に一定時間ごとに計測した、血管内視鏡10の位置情報および速度情報を取得する。プルバック装置80は、血管内視鏡10の位置情報および撮像位置の速度情報のデータを中継器20に出力する。
一方で、血管内視鏡10は、撮像された血管内視鏡画像のデータ信号を取得する。血管内視鏡10は、血管内視鏡画像のデータ信号を中継器20に出力する。
中継器20は、血管内視鏡10からの血管内視鏡画像のデータ信号を入力する。中継器20は、プルバック装置80から血管内視鏡10の位置情報および速度情報を入力する。中継器20は、血管内視鏡画像のデータ信号の入力タイミング(つまり入力した時と同時刻)にプルバック装置80から入力された血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータを、上述した入力タイミングに入力された血管内視鏡画像のデータに紐付け(言い換えると、結合)する。つまり、速度(機械式のため一定)と距離(プルバックした時間)の関連付けを行う(St5)。
中継器20は、生成された紐付けデータ(つまり、血管内視鏡画像と血管内視鏡10の位置情報および速度情報とが結合されたデータ)を医療コンソールCSL1に送信する。この紐付けデータの送信は、例えば、血管内視鏡10により撮像される血管内視鏡画像を医師等のユーザがリアルタイムで閲覧かつモニタMN1にて表示可能なフレームレートで行われる。
医療コンソールCSL1では、カメラコントロールユニット30が、中継器20により生成された紐付けデータを受信すると、PC40が、この紐付けデータをストレージ45に蓄積する。PC40は、紐付けデータを基に、等速動画を生成するとともに、表示画面(図7参照)を生成する(St6)。
PC40は、等速動画を構成する少なくとも2枚の血管内視鏡画像のデータを用いて、被検体の観察部位である血管61内の血管径を算出する。また、PC40は、血管内視鏡画像と血管内視鏡10の位置情報および速度情報とを別々に表示するために、結合された血管内視鏡画像と血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータを分離する。PC40は、血管内視鏡画像と、血管内視鏡10の位置情報および速度情報と、血管径とをモニタMN1に表示する(St7)。なお、位置情報と速度情報は、同時に表示されてもよいし、個別に表示されてもよい。この後、血管観察システム100は、動作を終了する。
図7は、アンギオ画像ANG1および血管内視鏡画像VED1を対比表示する表示画面WD1の一例を示す説明図である。表示画面WD1は、計測範囲に相当する計測長以上の長さを有する血管長軸断面画像SEC1の表示領域と、ユーザの操作を受け付けるボタンエリアOPE1の表示領域との表示領域とを有する。血管長軸断面画像SEC1には、血管内視鏡10の位置を示す指定バーBAR1がユーザの操作により重畳して表示される。ユーザの操作により計測長内で指定バーBAR1が適宜左右方向にスライドされることで、プロセッサ46は、指定バーBAR1が示す位置にマーカが映るアンギオ画像ANG1、ならびに指定バーBAR1が示す位置に対応する血管内視鏡画像VED1のそれぞれをストレージ45から読み出して表示画面WD1を生成する。
次に、実施の形態1に係る血管観察装置60の作用を説明する。
実施の形態1に係る血管観察装置60は、予め血管61に挿入されたガイドワイヤGW1を内側に通して血管61に挿入されるインナーカテーテルICT1と、インナーカテーテルICT1に挿入され、撮像部CM1を収容するとともにガイドワイヤGW1を通すガイドワイヤ孔62が形成されたホルダHL1を先端に有する内視鏡(例えば血管内視鏡10)と、を備える。インナーカテーテルICT1には、血管61の内壁からの撮像光を透過させて撮像部CM1に入射させる環状の透明部63が、インナーカテーテルICT1の軸線に沿う方向の所定の範囲Lの長さを有するように設けられている。
実施の形態1に係る血管観察装置60では、予め血管61に挿入されたガイドワイヤGW1を内側に通してインナーカテーテルICT1が血管61に挿入される。インナーカテーテルICT1は、体外においてガイドワイヤGW1のワイヤ基端を先端開口孔に挿入し、ガイドワイヤGW1に沿って前進させることにより、ガイドワイヤGW1に案内されて血管61内における観察対象の部位まで挿入される。より具体的には、インナーカテーテルICT1は、先端に設けられている透明部63の所定の範囲Lが、観察対象の部位(例えば患部70)を含む位置まで挿入される。
血管観察装置60は、この観察対象の部位まで挿入されインナーカテーテルICT1に対して、血管内視鏡10を内側に挿通して前進させる。この際、血管内視鏡10は、先端に設けられているホルダHL1のガイドワイヤ孔62にガイドワイヤGW1が通されることにより、ガイドワイヤGW1によって案内されてインナーカテーテルICT1内を前進する。なお、血管内視鏡10は、ホルダHL1が透明部63に位置するように予めインナーカテーテルICT1に挿通しておき、ホルダHL1のガイドワイヤ孔62にガイドワイヤGW1を通すことにより、インナーカテーテルICT1と同時に血管61に挿入することも可能となる。
観察対象の部位にインナーカテーテルICT1の透明部63を配置して、血管内視鏡10のホルダHL1を観察対象の部位よりも前方に配置させた後、血管61内に低分子デキストラン溶液のような透明液体を噴射するフラッシングを行う。これにより、透明部63の周囲における血液69(図6参照)を一時的に透明液体に置換して透明な視界を得る。
血管内視鏡10は、ユーザの操作に基づき定速で引き戻されて等間隔で血管壁のカラー画像を撮像できる。血管観察システム100において、中継器20あるいはPC40は、血管内視鏡10により撮像された血管画像のデータと血管内視鏡10の位置情報および速度情報のデータとを結合する。PC40は、血管内視鏡10の位置情報に対応する血管画像を短軸断面の血管画像として記録する。PC40は、入力される複数の短軸断面の血管画像を用いて、血管61の長軸断面の血管画像(長軸断面画像の一例)を生成することができる。
このように、血管内視鏡10は、血管内視鏡10がインナーカテーテルICT1に設けられている透明部63の内側を引き戻されることにより、血管壁の撮像が行われる。すなわち、血管内視鏡10は、インナーカテーテルICT1の内部で、血管壁に触れることなく移動して撮像が可能となる。これにより、撮像時、カテーテルからチップの設けられた先端を突出させる従来の血管内視鏡に比べ、血管内視鏡10が直接血管壁に触れることがなくなるので、血管61内の組織を損傷することもなく、極めて安全な撮像が可能となり、ユーザの手術等の時のプルバックの利便性が向上する。
そして、血管内視鏡10は、血管壁を撮像する際、血管壁からの撮像光が透明部63を透過してホルダHL1の先端面のレンズカバーガラス66を介して撮像部CM1に取り込まれる。撮像部CM1は、透明部63を介して受光した撮像光からカラー画像を得ることができる。これにより、血管観察装置60は、血管壁内の状況をカラー画像で視認できるため、従来の白黒画像に比べ、ユーザによる血管内部の詳細な観察や、患部70の迅速な判定が可能となる。
血管内視鏡10は、先端面の前方の視野を観察する直視型、または、ホルダHL1の軸線に光軸が傾斜する斜視型とすることができる。直視型の血管内視鏡10では、例えば60°以上の広い画角を有することにより、ホルダHL1が透明部63を引き戻されることにより、血管壁の内周を撮像することができる。
透明部63は、軸線に直交する断面の外径円および内径円が真円で形成されることが好ましい。これにより、血管内視鏡10は、インナーカテーテルICT1の内側において、ガイドワイヤGW1の可撓範囲内で軸線まわり方向での変位が可能となる。また、透明部63は、真円となることにより、透過する撮像光の屈折率の変化を一定にでき、画像の歪み補正を容易にすることができる。
透明部63は、例えば可撓性を有する塩化ビニルなどで形成することができる。インナーカテーテルICT1は、所定の範囲Lに透明部63を設けることにより、全体を透明材料で形成する場合に比べ、透明部63以外の部分における材質選択の自由度を高めることができる。
また、血管観察装置60では、インナーカテーテルICT1が、ガイドワイヤGW1を内側に通したアウターカテーテルOCT1の内側に挿入される。透明部63よりも後退した位置には、インナーカテーテルICT1の外周面とアウターカテーテルOCT1の内周面との間に画成される環状空間の開放部64が配置される。
この血管観察装置60では、ガイドワイヤGW1が血管61に挿通された後、先ず、アウターカテーテルOCT1が血管61に挿入される。その後、インナーカテーテルICT1が、内側にガイドワイヤGW1を通してアウターカテーテルOCT1に挿入される。アウターカテーテルOCT1は、予め血管61に挿通されているガイドワイヤGW1のワイヤ基端を先端開口孔に挿入し、ガイドワイヤGW1に沿って前進させることにより、ガイドワイヤGW1に案内されて挿入される。より具体的には、アウターカテーテルOCT1は、先端開口孔が、観察対象の部位よりも若干後退して配置される。アウターカテーテルOCT1の先端開口孔から観察対象の部位までは、先端開口孔からインナーカテーテルICT1が延出して配置されることになる。
インナーカテーテルICT1は、体外においてガイドワイヤGW1のワイヤ基端を先端開口孔に挿入し、ガイドワイヤGW1に沿って前進させることにより、ガイドワイヤGW1に案内されてアウターカテーテルOCT1に挿入される。つまり、インナーカテーテルICT1は、血管壁に触れることなく、アウターカテーテルOCT1の内側を通って観察対象の部位まで挿入される。血管観察装置60は、この観察対象の部位まで挿入されインナーカテーテルICT1に対して、血管内視鏡10を内側に挿通して前進させる。この際、血管内視鏡10は、先端に設けられているホルダHL1のガイドワイヤ孔62にガイドワイヤGW1が通されることにより、ガイドワイヤGW1によって案内されてインナーカテーテルICT1内を前進する。
なお、アウターカテーテルOCT1が使用される場合において、血管内視鏡10は、ホルダHL1が透明部63に位置するように予めインナーカテーテルICT1に挿通しておき、ホルダHL1のガイドワイヤ孔62にガイドワイヤGW1を通すことにより、インナーカテーテルICT1と同時にアウターカテーテルOCT1に挿入することも可能となる。
血管観察装置60は、透明部63よりも後退した位置に、インナーカテーテルICT1の外周面とアウターカテーテルOCT1の内周面との間に画成される環状空間の開放部64が配置される。この開放部64は、フラッシュ溶液68として提供される血管内診断に使用される透明な流体(例えば、低分子デキストラン、生理食塩水、ヘパリン加生理食塩水、ブドウ糖液、リンゲル液、または造影剤)を血管61内に注入するための注入口として利用することができる。
また、血管観察装置60では、アウターカテーテルOCT1の基端は、突出部FLを有するY型コネクタYC1の内側に開口され、Y型コネクタYC1のアウターカテーテルOCT1と反対側の端部には、インナーカテーテルICT1を水密にシールしてインナーカテーテルICT1を軸線方向に移動自在に導出するシール孔65を有した基端固定部FX1が設けられている。
この血管観察装置60では、アウターカテーテルOCT1の基端が、Y型コネクタYC1の内側に開口される。Y型コネクタYC1のアウターカテーテルOCT1と反対側の端部には、基端固定部FX1が設けられる。基端固定部FX1は、インナーカテーテルICT1を水密にシールしてインナーカテーテルICT1を軸線方向に移動自在にY型コネクタYC1から導出するシール孔65を有する。アウターカテーテルOCT1とインナーカテーテルICT1との間に画成される環状空間は、Y型コネクタYC1の内側で開口する。Y型コネクタYC1から導出されるインナーカテーテルICT1の基端は、基端固定部FX1により水密にシールされて軸線方向に移動自在となる。
Y型コネクタYC1には、突出部FL1が接続される。突出部FL1は、環状空間に通じて密閉されているY型コネクタYC1の内側に通じる。突出部FL1からは、上述した透明な液体が、Y型コネクタYC1内に供給される。Y型コネクタYC1に供給された透明な液体は、Y型コネクタYC1の環状空間を通り、上述の透明部63よりも後退した位置に配置される開放部64から観察対象の部位が位置している血管61内へフラッシュ溶液68として注入される。なお、前述した透明な液体は、Y型コネクタYC1の環状空間を通り、インナーカテーテルICT1と血管内視鏡10のシースSTH1との間の隙間から観察対象の部位が位置している血管61内へフラッシュ溶液68として注入されてもよい。その結果、観察対象の部位と、流入する血液69との間にフラッシュ溶液68による透明な層が形成される。これにより、血液69に視野を阻まれることなく血管61内をクリアに観察することが可能となる。
なお、血管61内には、観察対象の部位における血流の上流側に、アウターカテーテルOCT1の半径方向に拡張および収縮可能なバルーン(図示略)が配置されてもよい。バルーンは、血管61内における血流の一時的な遮断を可能とする。これにより、確実な血液69の排除が可能となり、血管内視鏡10の視野がクリアに確保可能となる。
また、血管観察装置60では、基端固定部FX1から導出された血管内視鏡10は、インナーカテーテルICT1の内側においてプルバック装置80を介してガイドワイヤGW1に沿って進退移動される。
この血管観察装置60では、血管内視鏡10が血管61内に挿入されると、ユーザの操作に基づくプルバック装置80の駆動により定速で引き戻されて血管壁を撮像し、血管壁の撮像画像のデータ信号が出力される。プルバック装置80が血管内視鏡10を引き戻す長さは、患部70に透明部63を配置したインナーカテーテルICT1に対し、血管内視鏡10を基端側に向かって引き戻す長さと略一致する。血管内視鏡10は、プルバック装置80によって引き戻される際、透明部63を介して血管壁を等間隔で撮像する。プルバック装置80は、中継器20に対し、血管内視鏡10の位置情報および撮像位置の速度情報のデータを送る。中継器20に入力される血管内視鏡10からの血管画像のデータとプルバック装置80からの血管内視鏡10の位置情報および速度情報とは時間的に一致(同期)するように中継器20によってデータの紐付け(言い換えると、結合)が行われる。
中継器20は、生成された紐付けデータを医療コンソールCSL1に送信する。この結合データの送信は、例えば、血管内視鏡10により撮像される血管画像を医師等のユーザがリアルタイムで閲覧かつモニタMN1にて表示可能なフレームレートで行われる。
PC40は、ストレージ45に保存された血管画像と血管内視鏡10の位置情報および速度情報とが結合されたデータを用いて血管画像の等速動画を生成し、等速動画を構成する複数枚の血管画像に基づいて血管61の血管径を算出する。
PC40は、血管径の数値を血管画像に重畳してモニタMN1に表示する。これにより、医師等のユーザは、血管径を視覚的に分かり易く把握できる。
したがって、実施の形態1に係る血管観察装置60によれば、安全にカラー画像を撮影できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、手術等の時にユーザ操作により安全にカラー画像を撮影でき、ユーザの利便性を向上する血管観察装置として有用である。
10 血管内視鏡
60 血管観察装置
61 血管
62 ガイドワイヤ孔
63 透明部
64 開放部
65 シール孔
80 プルバック装置
CM1 撮像部
FL1 突出部
FX1 基端固定部
GW1 ガイドワイヤ
HL1 ホルダ
ICT1インナーカテーテル
L 所定の範囲
OCT1 アウターカテーテル
YC1 Y型コネクタ

Claims (4)

  1. 予め血管に挿入されたガイドワイヤを内側に通して前記血管に挿入されるインナーカテーテルと、
    前記インナーカテーテルに挿入され、撮像部を収容するとともに前記ガイドワイヤを通すガイドワイヤ孔が形成されたホルダを先端に有する内視鏡と、を備え、
    前記インナーカテーテルには、前記血管の内壁からの撮像光を透過させて前記撮像部に入射させる環状の透明部が、前記インナーカテーテルの軸線に沿う方向の所定の範囲で設けられている、
    血管観察装置。
  2. 前記インナーカテーテルは、前記ガイドワイヤを内側に通したアウターカテーテルの内側に挿入され、
    前記透明部よりも後退した位置には、前記インナーカテーテルの外周面と前記アウターカテーテルの内周面との間に画成される環状空間の開放部が配置される、
    請求項1に記載の血管観察装置。
  3. 前記アウターカテーテルの基端は、突出部を有するコネクタの内側に開口され、
    前記コネクタの前記アウターカテーテルと反対側の端部には、前記インナーカテーテルを水密にシールして前記インナーカテーテルを軸線方向に移動自在に導出するシール孔を有した基端固定部が設けられている、
    請求項2に記載の血管観察装置。
  4. 前記基端固定部から導出された前記内視鏡は、前記インナーカテーテルの内側においてプルバック装置を介して前記ガイドワイヤに沿って進退移動される、
    請求項3に記載の血管観察装置。
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