JP2022023661A - 遊技機 - Google Patents

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浩一 原
Koichi Hara
晃 宇都宮
Akira Utsunomiya
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Koji Shibata
裕矢 和佐田
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Abstract

【課題】遊技者が遊技にストレスを感じることを防止する。【解決手段】擬似変動が開始されると、変動開始時の変動音の出力とともに変動中に対応した背景に切り替えられる。これにより、新たな擬似変動対応シンボル303が1個右側から補充され、これに連動して今まで表示されていた12個の擬似変動対応シンボル303が左側にシフトする。そして、右側から数えて12個目(すなわち、一番左側)の擬似変動対応シンボル303が消去される。この一連の動作により擬似変動対応シンボル303は擬似変動に連動しているように見える。そして、シフトと同時に右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が金色になり、右側から11個目と12個目の2個の擬似変動対応シンボル303が灰色になる。よって、灰色の擬似変動対応シンボル303が2個、金色の擬似変動対応シンボル303が9個になる。【選択図】図50

Description

本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
従来、遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示装置が設けられ、可変表示装置において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、遊技状態を変更する遊技機(いわゆるパチンコ機)が知られている。
また、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示装置に対応して設けられたストップスイッチを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示装置の可変表示を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を所定の遊技価値を遊技者に与える状態にする遊技機(いわゆる、スロットマシン)が知られている。
そのような遊技機において、可変表示が開始されてから可変表示の表示結果が導出表示されるまでに可変表示を一旦仮停止させた後に再度行う擬似可変表示を実行可能な遊技機が知られている。例えば、特許文献1には、擬似可変表示の回数として擬似保留数を記憶し、記憶した擬似保留数に応じた擬似可変対応表示を行うことが記載されている。また、例えば、特許文献2には、擬似可変表示に関する情報として擬似始動情報を記憶し、擬似可変対応表示として擬似始動情報の記憶数を報知する擬似保留表示を行うことが記載されている。また、例えば、特許文献3には、擬似可変表示の回数分を擬似可変対応表示である擬似保留表示を行うことが記載されている。
また、上記のような遊技機において、例えば、特許文献4には、初期位置から最大回転位置まで回転可能な操作ハンドルを備えた遊技機が記載されている。
登実3120088号公報 特開2012-85714号公報 特開2019-165988号公報 特開2014-18335号公報
しかし、特許文献1~3の遊技機では、擬似可変対応表示と保留表示を混同するおそれがあり、擬似可変対応表示が不明確なものとなっていた。これにより、遊技者が遊技にストレスを感じるおそれがあった。
また、特許文献4の遊技機では、操作ハンドルから外方に突出する指掛部の突出量が大きいと、遊技機を床などに置いた場合に指掛部が接触し、操作ハンドルが破損することがあった。そして、操作ハンドルの破損により、遊技者は遊技に不便さを感じ、遊技にストレスを感じるおそれがあった。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者が遊技にストレスを感じることを防止することができる遊技機を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、開始条件が成立したことに基づいて可変表示を行うことが可能な遊技機であって、前枠と内枠とを有する本体枠と、本体枠を取り付け可能な外枠と、遊技領域を有する遊技盤と、前記開始条件が成立していない可変表示について保留記憶として記憶する保留記憶手段と、可変表示が開始されてから可変表示の表示結果が導出表示されるまでに、可変表示を一旦仮停止させた後に再度行う擬似可変表示を1回もしくは複数回行う擬似可変表示実行手段と、を備え、特定区間において、前記保留記憶の数に関わらず、前記擬似可変表示に対応する擬似可変対応表示を所定数表示可能であり、前記本体枠は、前記遊技領域に遊技球を発射するために、遊技者が操作可能に設けられた操作ハンドルを備え、前記操作ハンドルは外方に突出する指掛部を備え、前記操作ハンドルは初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、前記初期位置において、前記指掛部が前記本体枠の下側の縁よりも下側に突出しておらず、前記最大回転位置において、前記指掛部が前記本体枠の下側の縁よりも下側に突出していない。よって、擬似可変対応表示を明確に行うことができ、また、操作ハンドルの破損を防止できるので、遊技者が遊技にストレスを感じることを防止できる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。 電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。 特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。 はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。 はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。 はずれ時変動パターン選択テーブル(擬似変動区間)の一例を示す図である。 第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 大当り時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。 大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。 大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。 大当り時変動パターン選択テーブル(擬似変動区間)の一例を示す図である。 特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 遊技状態の遷移を示す説明図である。 内部抽選に用いられる乱数値の説明図である。 従来の変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。 従来、先読み演出の実行にあたって入賞時と変動時で不整合が生じた場合の説明図である。 特図先読み判定コマンドの下位バイトの説明図である。 表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時開放開始処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。 リミッタ管理処理の手順例を示すフローチャートである。 パチンコ機で展開されるゲームフローについて説明する図である。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。 擬似変動対応シンボル表示管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大当り中表示及び変動可能区間表示の例を示す連続図である。 擬似変動対応シンボルを含む背景画像の表示例を示す連続図である。 擬似変動対応シンボルを含む背景画像の表示例示す連続図である。 擬似変動対応シンボルを含む背景画像の表示例を示す連続図である。 擬似変動対応シンボルを含む背景画像の表示例を示す連続図である。 ハンドルユニットの外観斜視図である。 ハンドルユニットの分解斜視図である。 操作ハンドルの操作リングの回転位置を示す説明図である。 操作ハンドルの操作リングの回転中心からの距離を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
[全体構成]
パチンコ機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、本体枠11とを備えている。本体枠11は、前枠である一体扉ユニット4及び内枠である内枠アセンブリ7を備えている。内枠アセンブリ7は、外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられている。また、一体扉ユニット4は、内枠アセンブリ7にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられている。
内枠アセンブリ7は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤ユニット8が保持されている。また、一体扉ユニット4には、ガラス製または樹脂製の窓4aが形成されている。そして、これら内枠アセンブリ7および一体扉ユニット4を外枠102に対して閉じると、遊技盤ユニット8と窓4aとが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機1の正面側から、窓4aを介して遊技盤ユニット8の遊技盤8aが視認可能となる。
遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない遊技機)であってもよい。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
[枠前面の構成]
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素としてレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうちレンズユニット47にはランプ46が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のランプ50が組み込まれている。
上述した各種ランプ46,50は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4にはそれぞれスピーカ54a~54dが組み込まれている。これらスピーカ54a~54dは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
[裏側の構成]
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。遊技球は、第2遊技領域へ流通させる経路に係る流通領域19e(発射レールや遊技領域の天井部、誘導部など)によって第2遊技領域に導かれる。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30(可変入球装置)、第2可変入賞装置31(可変入球装置)等が分布して設置されている。始動ゲート20は、流通領域から右打ち領域へ導かれた遊技球を主対象にして通過させることで作動抽選(普通図柄抽選)の抽選契機を発生させる。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第2可変入賞装置31、普通入賞口24は、遊技領域8aの右側部分に配置されている。第1可変入賞装置30は、左側の4つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されている。
遊技領域の最上部には、遊技領域の上部に向かって発射された遊技球の移動方向を規制可能として右打ち領域に導くための入口領域(例えば演出ユニット40の上部に形成された一列の通路の入口)と出口領域を有する区画に基づく流通領域19eが形成されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。
ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に始動ゲート20を通過するか、アウト口19cに入球するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22、第1可変入賞装置30に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(所定の入球口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば1つの開閉部材28bを有している。可変始動入賞装置28は、開閉部材28bが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材28bは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材28bの上面を転動することになるため、右始動入賞口28aへの入球は不能(右始動入賞口28aは閉塞中)である。そして、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bが盤面の内部に引き込まれ、右始動入賞口28aを開放する(開放状態)。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が不能ではない状態となり、右始動入賞口28aへの入球という事象を発生させることができる。なお、可変始動入賞装置28は、開閉部材が盤面より奥に引っ込んだ位置から盤面より手前側へ突出した位置に移動して、右始動入賞口を開放する舌片型(ベロタイプ)の装置であってもよい。また、可変始動入賞装置28は、いわゆるチューリップタイプの装置であってもよい。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の左側に配置された装置であり(いわゆる左アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位するタイプの装置である(回転式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、下端のヒンジを中心に盤面に対して手前方向に回転動作する。図示の状態にて、開閉部材30aは、起立した状態(閉鎖状態)にあり、第1大入賞口30bへの入球は不能(第1大入賞口30bは閉塞中)である。一方、開閉部材30aが手前側に倒れた状態(駆動位置)に移動すると、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。開閉部材30aは上方から流下してくる遊技球を受け止め、第1大入賞口30bに遊技球を案内することが可能になる。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
上記の第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば2ラウンド確変大当り1~2又は小当りに該当したという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば10ラウンド確変大当り1,2に該当したという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口31b(特定の入賞口)への入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面の内部に引き込まれ、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bの入口から下方かつ左側に延びている。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40fとともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、アウト口19cに入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
[制御上の構成]
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81(検出手段)とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97が設けられている。これらソレノイド88,90,97は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90,97についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(払出手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ、払出手段)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46,50や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54a~54dから実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、ランプ46,48,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54a~54dを駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46,50やスピーカ54a~54dに印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上述したように各種ランプ46~53等やスピーカ54a~54dを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
[リセットスタート(メイン)処理]
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6及び図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図9中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図9中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図9)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
[電源断発生チェック処理]
図8は、電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上述したチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図6)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
[割込管理処理(タイマ割込処理)]
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図9は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球4個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図9中ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
[賞球数及び獲得遊技球数について]
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
[スイッチ入力イベント処理]
図10は、スイッチ入力イベント処理(図9中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は、主制御CPU72は割込管理処理(図9)に復帰する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込管理処理(図9)に復帰する。
[第1特別図柄記憶更新処理]
図11は、第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数(本実施形態では、保留記憶数と称することもある)が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32~S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンド(先読み情報)の上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
[第2特別図柄記憶更新処理]
次に図12は、第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図11)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素取得手段、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図11)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する(抽選要素取得手段)。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図11)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段、抽選要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図11)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図11)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42~S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする(先読み処理実行手段)。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる。
そして、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
[取得時演出判定処理]
図13は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS37,図12中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段、先読み処理実行手段)。上述したように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして、主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段、事前判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンド(先読み情報)を生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72はステップS82の判定結果管理処理を実行した後に取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図11)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして、主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして、主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変図柄(通常図柄)」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段、先読み処理実行手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして、主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図11)又は第2特別図柄記憶更新処理(図12)に復帰する。
[特別図柄遊技処理]
次に、割込管理処理(図9)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図14は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番~7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は1個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば2回、5回又は10回等)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で10回あれば、これらを「10ラウンド」と総称することがある。このように、大当り遊技は複数のラウンド遊技(単位遊技)により構成されており、各大入賞口には、1回のラウンド遊技における遊技球の入賞回数に関する上限数が設定されている。そして、上限数を超えた遊技球の入賞はオーバー入賞となり、遊技球の払い出しも通常通りに実行される。
本実施形態では、「2ラウンド確変大当り1」に該当した場合には第1可変入賞装置30を開閉動作させ、「10ラウンド確変大当り1」または「10ラウンド確変大当り2」の大当りに該当した場合には第2可変入賞装置31を開閉動作させている。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段、特別状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
[複数の当選種類]
本実施形態では、複数の当選種類として、以下の当選種類が設けられている。
(1)「2ラウンド確変大当り1」
(2)「10ラウンド確変大当り1」
(3)「10ラウンド確変大当り2」
なお、本実施形態において、2ラウンド、10ラウンド以外の大当りが設けられていてもよい。
当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「2ラウンド確変大当り1」は「2ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「10ラウンド確変大当り1」は「10ラウンド確変図柄1」の大当りに対応し、「10ラウンド確変大当り2」は「10ラウンド確変図柄2」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
いずれにしても、当選図柄が「いずれかの確変図柄」に該当すると、大当り遊技終了後には、基本的には、「高確率時間短縮状態」又は「高確率非時間短縮状態」(いわゆる、潜伏)に移行する。
[特別図柄変動前処理]
図15は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上述したように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、表示出力管理処理(図9中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選、所定の抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
[はずれ時変動パターン選択テーブルの例]
図16は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率非時間短縮状態又は高確率非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットして記憶する構造である。「比較値」には、複数の段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「235」,「241」,「243」,「245」,「247」,「249」,「251」,「253」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「14」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」,「2」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「3」は、擬似連続予告演出後にリーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターン(いわゆる擬似1ガセ演出パターン)に対応している。
また、変動パターン番号「4」は、リーチ演出後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「5」,「6」は、擬似連続予告演出後にリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似1,2)。なお、ここでのリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に対応する。
さらに、変動パターン番号「7」は、ロングリーチ演出後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「8」~「10」は、擬似連続予告演出後にロングリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似1~3)。なお、ロングリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも変動時間が長く、かつ、スーパーリーチ演出よりも変動時間が短いリーチ演出である。
さらにまた、変動パターン番号「11」は、スーパーリーチ演出後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「12」~「14」は、擬似連続予告演出後にスーパーリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似1~3)。なお、スーパーリーチ演出はロングリーチ演出よりも変動時間が長いリーチ演出等である。
このような変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数や当選図柄、内部状態(低確率状態又は高確率状態、非時間短縮状態又は時間短縮状態)等に応じて異なるテーブル内容としてもよく、前半変動用のテーブルと後半変動用のテーブルとに分けて変動パターンを決定してもよい(当選時も同様)。
ここで、擬似1の変動(擬似1:1回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が1回実行される変動に対応しており、擬似2の変動(擬似2:2回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が2回実行される変動に対応している。また、擬似の3変動(擬似3:3回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が3回実行される変動に対応しており、擬似4の変動(擬似4:4回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が4回実行される変動に対応している。
なお、本実施形態における「擬似的な変動(擬似変動)」とは、演出図柄の変動表示が開始されてから仮停止する区間、または、一旦仮停止して再度変動表示が開始されてから再度仮停止するまでの区間における変動表示を示している。また、「擬似連」とは、演出図柄の変動開始から停止(すなわち、図柄の確定)までの間に擬似変動を複数回行う演出を示す。換言すると、「擬似連」とは、演出図柄の仮停止後に再変動することの報知を1回または複数回実行する演出である。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒~12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はそれよりも長い変動時間(例えば15秒以上)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図17は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」~「28」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」~「25」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「26」~「28」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ただし、変動パターン番号「21」~「25」は、時間短縮変動での非リーチ変動となるため、通常状態の変動時間として短縮した変動時間(例えば、2.0秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「22」を選択する。
図18は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「41」~「48」が割り当てられている。
変動パターン番号「41」~「48」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応している。変動時間は、1秒未満~数秒程度(例えば0.2秒)とすることができる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「42」を選択する。
図19は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
本実施形態では、高確率状態(以下、確変状態とも称する)において大当りに当選すると、時短回数が100回付与される(図20、図21参照。なお、リミッタ作動時を除く)。このとき、残りの時短回数が21回~2回である変動回数が20回の区間が擬似変動区間とされ、擬似変動区間では1変動につき5回、20変動で合計100回の擬似変動が行われる。
そして、この選択テーブルは、擬似変動区間でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットして記憶する構造である。「比較値」には、例えば4つの段階的に異なる値「101」,「201」,「253」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「31」~「34」が割り当てられている。
変動パターン番号「31」は、擬似連続予告演出後にリーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターン(いわゆる擬似5ガセ演出パターン)に対応している。
また、変動パターン番号「32」は、擬似連続予告演出後にリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似5)。なお、ここでのリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に対応する。
さらに、変動パターン番号「33」は、擬似連続予告演出後にロングリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似5)。なお、ロングリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも変動時間が長く、かつ、スーパーリーチ演出よりも変動時間が短いリーチ演出である。
さらにまた、変動パターン番号「34」は、擬似連続予告演出後にスーパーリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似5)。なお、スーパーリーチ演出はロングリーチ演出よりも変動時間が長いリーチ演出等である。
ここで、擬似5の変動(擬似5:5回目の擬似的な変動)とは、演出図柄の擬似的な変動が5回実行される変動に対応している。擬似的な変動とは、演出図柄が変動表示された後に仮停止する変動である。以下、擬似的な変動を擬似変動と称することもある。本実施形態では、上記のように変動パターンを設定することにより、擬似変動区間において毎変動5回の擬似変動が実行される。よって、当該区間では合計100回の擬似変動が実行されることになる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「32」を選択する。
[図15:特別図柄変動前処理を参照]
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
[大当り時の当選図柄]
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて3種類の当選図柄が用意されている。3種類の内訳は、「2ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄2」である。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「2ラウンド確変図柄1」であれば、「2ラウンド確変図柄1a」、「2ラウンド確変図柄1b」、「2ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
[第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル]
図20は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「6」,「94」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「10ラウンド確変図柄1」、「2ラウンド確変図柄1」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「10ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の6(=6%)であり、「2ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の94(=94%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「10ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
[確変回数]
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数の値が示されている。
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄1」及び「2ラウンド確変図柄1」に該当した場合、確変回数は10000回付与される。
[時短回数]
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
[10ラウンド確変図柄1]
10ラウンド確変図柄1に該当した場合の時短回数は、以下の通りである。ここで、「通常遷移」とは、リミッタ非作動時の大当りによる状態遷移を示しており、「リミッタ作動時」とは、リミッタ作動時の大当りによる状態遷移を示している。
「状態遷移」が「通常遷移」である場合、当選時の遊技状態が低確率非時間短縮状態(低確)であれば時短回数は7回付与され、当選時の遊技状態が高確率時間短縮状態(確変)であれば時短回数は100回付与され、当選時の遊技状態が高確率非時間短縮状態(潜伏)であれば時短回数は7回付与され、当選時の遊技状態が低確率時間短縮状態(時短)であれば時短回数は100回付与される。
「状態遷移」が「リミッタ作動時」である場合、当選時の遊技状態が低確率非時間短縮状態(低確)であることはなく、当選時の遊技状態が高確率時間短縮状態(確変)であれば時短回数は23回付与され、当選時の遊技状態が高確率非時間短縮状態(潜伏)であれば時短回数は7回付与され、当選時の遊技状態が低確率時間短縮状態(時短)であることはない。
時短回数を100回付与する場面では、時短回数を10000回付与してもよい(以下、同様)。
また、低確率非時間短縮状態(低確)からの第1特別図柄での初当り時には、時短回数を7回付与する例で説明したが、時短回数を1回付与するようにしてもよく、「10ラウンド確変図柄1」を2つの当選図柄に分割し、一方の「10ラウンド確変図柄1a」では時短回数を7回付与し、他方の「10ラウンド確変図柄1b」では時短回数を1回付与するようにしてもよい。
[2ラウンド確変図柄1]
2ラウンド確変図柄1に該当した場合の時短回数は、以下の通りである。
「状態遷移」が「通常遷移」である場合、当選時の遊技状態が低確率非時間短縮状態(低確)であれば時短回数は0回付与され(付与されず)、当選時の遊技状態が高確率時間短縮状態(確変)であれば時短回数は100回付与され、当選時の遊技状態が高確率非時間短縮状態(潜伏)であれば時短回数は0回付与され、当選時の遊技状態が低確率時間短縮状態(時短)であれば時短回数は100回付与される。
「状態遷移」が「リミッタ作動時」である場合、当選時の遊技状態が低確率非時間短縮状態(低確)であることはなく、当選時の遊技状態が高確率時間短縮状態(確変)であれば時短回数は23回付与され、当選時の遊技状態が高確率非時間短縮状態(潜伏)であれば時短回数は0回付与され、当選時の遊技状態が低確率時間短縮状態(時短)であることはない。
[第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル]
図21は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「100」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「10ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「10ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の100(=100%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、MODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「10ラウンド確変図柄1」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
[確変回数]
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右から2番目のカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数の値が示されている。
本実施形態では、「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合、確変回数は10000回付与される。
[時短回数]
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右カラムには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。
[10ラウンド確変図柄2]
10ラウンド確変図柄2に該当した場合の時短回数は、以下の通りである。
「状態遷移」が「通常遷移」である場合、当選時の遊技状態が低確率非時間短縮状態(低確)であれば時短回数は100回付与され、当選時の遊技状態が高確率時間短縮状態(確変)であれば時短回数は100回付与され、当選時の遊技状態が高確率非時間短縮状態(潜伏)であれば時短回数は100回付与され、当選時の遊技状態が低確率時間短縮状態(時短)であれば時短回数は100回付与される。
「状態遷移」が「リミッタ作動時」である場合、当選時の遊技状態が低確率非時間短縮状態(低確)であることはなく、当選時の遊技状態が高確率時間短縮状態(確変)であれば時短回数は23回付与され、当選時の遊技状態が高確率非時間短縮状態(潜伏)であれば時短回数は23回付与され、当選時の遊技状態が低確率時間短縮状態(時短)であることはない。
[図15:特別図柄変動前処理を参照]
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。
ここで、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
[大当り時変動パターン選択テーブルの例]
図22は、大当り時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率非時間短縮状態又は高確率非時間短縮状態での大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットして記憶する構造である。なお、本実施形態では、大当りの種別(当選図柄)によって変動パターンを区別していないが、それぞれの大当りの種別で専用の変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを決定してもよい。
「比較値」には、複数の段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「235」,「241」,「243」,「245」,「247」,「249」,「251」,「253」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「74」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「63」は、擬似連続予告演出後にスーパーリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応しており(擬似3~1)、変動パターン番号「64」は、スーパーリーチ演出後に当りとなる変動パターンに対応している。
また、変動パターン番号「65」~「67」は、擬似連続予告演出後にロングリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応しており(擬似3~1)、変動パターン番号「68」は、ロングリーチ演出後に当りとなる変動パターンに対応している。
さらに、変動パターン番号「69」~「71」は、擬似連続予告演出後にリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応しており(擬似3~1)、変動パターン番号「72」は、リーチ演出後に当りとなる変動パターンに対応している。ここでのリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に対応している。
さらにまた、変動パターン番号「73」,「74」は、擬似連続予告演出後に確定リーチ演出(例えば、全回転リーチ演出等)が行われて当りとなる変動パターンに対応している(擬似4)。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
図23は、大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」~「88」が割り当てられている。
変動パターン番号「81」~「88」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「82」を選択する。
なお、本実施形態では、低確率状態で大当りに当選したときには大当りの種類に関わらず、同一の大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)を使用しているが、大当りの種類に応じた大当り変動パターン選択テーブルを使用することも可能である。例えば、2ラウンド確変大当り1に当選したときは非リーチ変動のみが選択される変動パターンテーブルを設けてもよい。
図24は、大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「101」~「108」が割り当てられている。
変動パターン番号「101」~「108」は、いずれもリーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンに対応している。変動時間は、数秒程度(例えば、7.5秒)とすることができる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「102」を選択する。
図25は、大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、擬似変動区間での大当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットして記憶する構造である。「比較値」には、例えば3つの段階的に異なる値「151」,「201」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「51」~「53」が割り当てられている。
さらにまた、変動パターン番号「51」は、擬似連続予告演出後にスーパーリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似5)。なお、スーパーリーチ演出はロングリーチ演出よりも変動時間が長いリーチ演出等である。
さらに、変動パターン番号「52」は、擬似連続予告演出後にロングリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似5)。なお、ロングリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも変動時間が長く、かつ、スーパーリーチ演出よりも変動時間が短いリーチ演出である。
変動パターン番号「53」は、擬似連続予告演出後にリーチ演出が行われてはずれとなる変動パターンに対応している(擬似5)。なお、ここでのリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に対応する。
本実施形態では、上記のように変動パターンを設定することにより、擬似変動区間において毎変動5回の擬似変動が実行される。よって、当該区間では合計100回の擬似変動が実行されることになる。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「151」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「52」を選択する。
[図15:特別図柄変動前処理を参照]
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。
主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が、「いずれかの確変図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段、有利遊技状態移行手段)。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、いずれかの確変図柄で当選した場合(特別な移行条件が満たされた場合)、大当り遊技(特別遊技)の終了後に、低確率状態(所定の遊技状態)よりも有利な条件が適用された高確率状態(有利遊技状態)に移行させることができる(有利遊技状態移行手段)。
また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)や内部状態に基づいて時短回数を付与するか否かを判断し、時短回数を付与すると判断した場合には、遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段、有利遊技状態移行手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
[小当り時の当選図柄]
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「1回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「2回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
なお、本実施形態では、小当たりは設けていないため、ステップS2402、ステップS2407~ステップS2409の処理は省略される。
[図14:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理]
特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図15中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
[特別図柄記憶エリアシフト処理]
図26は、特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図15中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄の記憶があるか否かを確認する。すなわち、RAM76の記憶エリアにアクセスし、第2特別図柄の記憶があることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄の記憶があることを確認できない場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:ステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図15)に復帰する。
[特別図柄停止表示中処理]
次に図27は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図14中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
[当選時]
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし(確率変動機能作動フラグをリセットし)、時間短縮機能を非作動とする(時間短縮機能作動フラグをリセットする)。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「2ラウンド確変図柄1」である場合、連続作動回数ステータスには「2ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「10ラウンド確変図柄1」である場合、連続作動回数ステータスには「10ラウンド」を表す値がセットされる。そして、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「2ラウンド確変図柄1」である場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「10ラウンド確変図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「10ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
[非当選時]
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば10000回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば10000回)に設定される。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、「いずれかの確変図柄」に該当して「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば10000回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグである。
また、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定されるため、リセットされるのは、時間短縮機能作動フラグだけである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
[遊技状態の遷移について]
図28に示すように、本実施形態では、まず、RAMがクリアされると低確率状態(図41の通常モード)に制御される。また、本実施形態では、リミッタ回数は7回である。よって、低確率状態で大当りに当選すると、以降大当りに初回の大当りを含めて大当りに7回当選するまで高確率状態(確変状態)が継続する。
低確率状態で1回目の大当りに当選すると、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が7回であることを示す残リミッタコマンド「00H」を図柄の確定時に演出制御CPU126に送信する。なお、本実施形態では、低確率状態で大当りが発生するまでの図柄の変動回数は平均で22回転である。
次いで、1回目の大当りが終了すると残りのリミッタ回数が6回になるので、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が6回であることを示す残リミッタコマンド「06H」をエンディング時に演出制御CPU126に送信する。
そして、主制御CPU72は、大当りが終了すると高確率状態に制御する。これにより、遊技状態が低確率状態から高確率状態に遷移する。高確率状態で2回目の大当りに当選すると、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が6回であることを示す残リミッタコマンド「06H」を図柄の確定時に演出制御CPU126に送信する。このとき、通常モード(低確率非時間短縮状態)で2ラウンド確変大当り1に当選した場合には演出モードは切り替わることなく通常モード(高確率非時間短縮状態)のままであるが、通常モード(低確率非時間短縮状態)で10ラウンド確変大当り1に当選した場合には演出モードが切り替わり、海岸モード(高確率時間短縮状態)になる(図41参照)。なお、本実施形態では、低確率状態で大当りが発生するまでの図柄の変動回数は平均で20回転である。また、演出モードとは、演出の態様やモチーフ、ステージ、背景、期待度、有利度などが異なる演出区間である。
次いで、2回目の大当りが終了すると残りのリミッタ回数が5回になるので、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が5回であることを示す残リミッタコマンド「05H」をエンディング時に演出制御CPU126に送信する。
そして、主制御CPU72は、大当りが終了すると高確率状態に制御する。このとき、リミッタ回数が7回になる前のリミッタ到達前であるため、遊技状態は遷移せず高確率状態のままである。高確率状態で3回目の大当りに当選すると、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が5回であることを示す残リミッタコマンド「05H」を図柄の確定時に演出制御CPU126に送信する。
次いで、3回目の大当りが終了すると残りのリミッタ回数が4回になるので、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が4回であることを示す残リミッタコマンド「04H」をエンディング時に演出制御CPU126に送信する。
そして、主制御CPU72は、大当りが終了すると高確率状態(確変状態)に制御する。このとき、リミッタ到達前であるため、遊技状態は遷移せず高確率状態のままである。高確率状態で4回目の大当りに当選すると、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が4回であることを示す残リミッタコマンド「04H」を図柄の確定時に演出制御CPU126に送信する。
次いで、4回目の大当りが終了すると残りのリミッタ回数が3回になるので、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が3回であることを示す残リミッタコマンド「03H」をエンディング時に演出制御CPU126に送信する。
そして、主制御CPU72は、大当りが終了すると高確率状態(確変状態)に制御する。このとき、リミッタ到達前であるため、遊技状態は遷移せず高確率状態のままである。高確率状態で5回目の大当りに当選すると、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が3回であることを示す残リミッタコマンド「03H」を図柄の確定時に演出制御CPU126に送信する。
次いで、5回目の大当りが終了すると残りのリミッタ回数が2になるので、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が2回であることを示す残リミッタコマンド「02H」をエンディング時に演出制御CPU126に送信する。
そして、主制御CPU72は、大当りが終了すると高確率状態(確変状態)に制御する。このとき、リミッタ到達前であるため、遊技状態は遷移せず高確率状態のままである。高確率状態で6回目の大当りに当選すると、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が2回であることを示す残リミッタコマンド「02H」を図柄の確定時に演出制御CPU126に送信する。
次いで、6回目の大当りが終了すると残りのリミッタ回数が1になるので、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が1回であることを示す残リミッタコマンド「01H」をエンディング時に演出制御CPU126に送信する。
そして、主制御CPU72は、大当りが終了すると高確率状態(確変状態)に制御する。このとき、リミッタ到達前であるため、遊技状態は遷移せず高確率状態のままである。高確率状態で7回目の大当りに当選すると、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が1回であることを示す残リミッタコマンド「01H」を図柄の確定時に演出制御CPU126に送信する。
次いで、7回目の大当りが終了すると残りのリミッタ回数が0になるので、主制御CPU72は、リミッタ回数が7回であることを示す残リミッタコマンド「00H」をエンディング時に演出制御CPU126に送信する。
そして、主制御CPU72は、リミッタ回数が7回に到達したので、大当りが終了したときに低確率状態に制御する。これにより、遊技状態が高確率状態から低確率状態に遷移する。このとき、通常モード(高確率非時間短縮状態)で2ラウンド確変大当り1に当選した場合には演出モードは切り替わることなく通常モード(低確率非時間短縮状態)のままであるが、海岸モードで10ラウンド確変大当り1に当選した場合には演出モードが切り替わり、ランクアップボーナスモードになる(図41参照)。そして、低確率状態で1回目の大当りに当選すると、主制御CPU72は、残りのリミッタ回数が7回であることを示す残リミッタコマンド「00H」を図柄の確定時に演出制御CPU126に送信する。以降、同様の制御が繰り返される。なお、図28では10回目の大当りまで図示しているが10回目の大当り以降も同様に制御される。また、演出モードが通常モード(図41参照)のときに2ラウンド確率大当り1に当選した場合は高確率状態非時短状態に遷移するが演出モードは通常モードのままである。よって、遊技者からは低確率状態あるいは高確率状態のいずれであるかを演出から識別することが困難である。
[大当り判定用乱数について]
次に、大当り判定テーブルにおける判定値の振り分けについて図29を用いて説明する。
図29に示すように、本実施形態では、主制御CPU72が乱数発生器75から取得する取得乱数は0~65535の範囲の値である。そして、低確率時は、0~2984の範囲の乱数値が取得されると「大当り」になり、2985~65535の範囲の乱数値が取得されると「はずれ」になる。このため、低確率状態での大当り確率は1/21.955となる。また、高確率時は、0~3313の範囲の乱数値が取得されると「大当り」になり、3314~65535の範囲の乱数値が取得されると「はずれ」になる。このため、低確率状態での大当り確率は1/19.755となる。そして、このような乱数値の振り分けとなっていることから、2985~3313の範囲の乱数値(以下、閾値と称することもある)が取得された場合には、低確率状態では「はずれ」になり、高確率状態では「大当り」になる。
[従来の変動パターン選択テーブルの一例]
次に、従来の変動パターン選択テーブルの一例について図30を用いて説明する。図30には、低確率状態ときに「はずれ」になった場合に用いられる(低確率用)はずれ変動パターン選択テーブル、低確率状態ときに「大当り」になった場合に用いられる(低確率用)大当り変動パターン選択テーブル、高確率状態ときに「はずれ」になった場合に用いられる(高確率用)はずれ変動パターン選択テーブル、高確率状態ときに「大当り」になった場合に用いられる(高確率用)大当り変動パターン選択テーブルが示されている。いずれの変動パターン選択テーブルにおいても251個の判定値が使用される。
そして、(低確率用)はずれ変動パターン選択テーブルでは、変動パターン「はずれ_01」に対して0~49の範囲の乱数値(値数50)、変動パターン「はずれ_02」に対して50~109の範囲の乱数値(値数60)、変動パターン「はずれ_03」に対して110~134の範囲の乱数値(値数25)、変動パターン「はずれ_04」に対して135~150の範囲の乱数値(値数16)、変動パターン「はずれ_05」に対して151~160の範囲の乱数値(値数10)、変動パターン「はずれ_06」に対して161~195の範囲の乱数値(値数10)、変動パターン「はずれ_07」に対して196~205の範囲の乱数値(値数10)、変動パターン「はずれ_08」に対して206~215の範囲の乱数値(値数50)、変動パターン「はずれ_09」に対して216~225の範囲の乱数値(値数10)、変動パターン「はずれ_10」に対して226~250の範囲の乱数値(値数25)が割り当てられている。
また、(低確率用)大当り変動パターン選択テーブルでは、変動パターン「大当り_01」に対して0~49の範囲の乱数値(値数50)、変動パターン「大当り_02」に対して50~59の範囲の乱数値(値数10)、変動パターン「大当り_03」に対して60~74の範囲の乱数値(値数15)、変動パターン「大当り_04」に対して75~124の範囲の乱数値(値数50)、変動パターン「大当り_05」に対して125~154の範囲の乱数値(値数30)、変動パターン「大当り_06」に対して155~185の範囲の乱数値(値数31)、変動パターン「大当り_07」に対して186~250の範囲の乱数値(値数65)が割り当てられている。
また、(高確率用)はずれ変動パターン選択テーブルでは、変動パターン「はずれ_01」に対して0~29の範囲の乱数値(値数30)、変動パターン「はずれ_02」に対して30~49の範囲の乱数値(値数20)、変動パターン「はずれ_03」に対して50~94の範囲の乱数値(値数20)、変動パターン「はずれ_04」に対して95~99の範囲の乱数値(値数5)、変動パターン「はずれ_05」に対して100~159の範囲の乱数値(値数60)、変動パターン「はずれ_06」に対して160~194の範囲の乱数値(値数35)、変動パターン「はずれ_07」に対して195~199の範囲の乱数値(値数5)、変動パターン「はずれ_08」に対して200~204の範囲の乱数値(値数5)、変動パターン「はずれ_09」に対して205~209の範囲の乱数値(値数5)、変動パターン「はずれ_10」に対して210~250の範囲の乱数値(値数41)が割り当てられている。
また、(高確率用)大当り変動パターン選択テーブルでは、変動パターン「大当り_01」に対して0~24の範囲の乱数値(値数25)、変動パターン「大当り_02」に対して25~49の範囲の乱数値(値数25)、変動パターン「大当り_03」に対して50~119の範囲の乱数値(値数75)、変動パターン「大当り_04」に対して120~144の範囲の乱数値(値数25)、変動パターン「大当り_05」に対して145~154の範囲の乱数値(値数10)、変動パターン「大当り_06」に対して155~175の範囲の乱数値(値数21)、変動パターン「大当り_07」に対して176~250の範囲の乱数値(値数75)が割り当てられている。
[従来の問題点について]
図28のようにリミッタ管理により遊技状態を遷移させる場合において、図29で示した大当り判定テーブルを用いるとともに、図30で示した従来の変動パターン選択テーブルを用いて先読み演出を行う場合には、低確率状態から高確率状態、あるいは高確率状態から低確率状態に遷移すると、図31で示すような問題が生じることがあった。
本実施形態では、2ラウンド確変大当り1となる保留記憶がある場合には、演出モードを変化させずに通常モードとしたまま、当該保留記憶以降に記憶された保留記憶に対する先読み演出を実行する構成としている。よって、先読み対象となる保留記憶の手前に2ラウンド確変大当り1となる保留記憶がある場合には、演出モードは通常モードに切り替わらないが低確率状態から高確率状態あるいは高確率状態から低確率状態に遷移することがある。そして、この場合に、図31で示すような問題が生じることがある。なお、先読み対象の保留記憶が10ラウンド確変大当りであれば以降の保留記憶に対する先読み演出は制限されるため、先読み対象の保留記憶の手前に10ラウンド確変大当りとなる保留記憶があった場合には状態が遷移しても先読み演出を実行するうえで問題とならない。
また、本実施形態では、先読み演出は、先読みした大当り決定乱数、先読みした大当り図柄乱数及び先読みした変動パターンに基づいて、事前(変動開始前)にそれぞれの結果を判定し、それによって演出内容を判定して行われる(図11のS32~S35、S37、図12のS42~S45、S46、図13、図44のS703参照)。
図31に示すように、例えば、例1に示すように、入賞時に大当り判定用乱数として0~2984が取得された場合において、変動パターン選択用の乱数として25が取得されたときは、入賞時(保留記憶時)に低確率状態であり、当該変動時(保留消化時)に高確率状態であると、入賞時には変動パターンとして「大当り_01」が選択されるが、当該変動時には変動パターンとして「大当り_02」が選択される。この場合には、入賞時(すなわち、低確率時)と当該変動時(すなわち、高確率時)とで変動パターン選択テーブルが異なるため、入賞時と当該変動時とで変動パターンが異なるものとなり、正確な先読み演出を実行することができなかった。
同様に、例2に示すように、入賞時に大当り判定用乱数として0~2984が取得された場合において、変動パターン選択用の乱数として25が取得されたとする。そして、入賞時(保留記憶時)に高確率状態であり、当該変動時(保留消化時)に低確率状態であるときは、入賞時には変動パターンとして「大当り_02」が選択されるが、当該変動時には変動パターンとして「大当り_01」が選択される。この場合には、入賞時(すなわち、低確率時)と当該変動時(すなわち、高確率時)とで変動パターン選択テーブルが異なるため、入賞時と当該変動時とで変動パターンが異なるものとなり、正確な先読み演出を実行することができなかった。
また、例3に示すように、入賞時に大当り判定用乱数として2985~3313が取得された場合において、変動パターン選択用の乱数として25が取得されたとする。そして、入賞時(保留記憶時)に低確率状態であり、当該変動時(保留消化時)に高確率状態であるときは、入賞時には変動パターンとして「はずれ_ANY(01~10のいずれか)」が選択されるが、当該変動時には変動パターンとして「大当り_ANY(01~7のいずれか)」が選択される。この場合には、取得された大当り判定用乱数が閾値に属する値であるため、入賞時と当該変動時とで大当り判定の結果が異なるものとなり、これに伴い、変動パターンも異なるものとなり、正確な先読み演出を実行することができなかった。
また、例4に示すように、入賞時に大当り判定用乱数として2985~3313が取得された場合において、変動パターン選択用の乱数として25が取得されたとする。そして、入賞時(保留記憶時)に高確率状態であるときは、当該変動時(保留消化時)に低確率状態であるときは、入賞時には変動パターンとして「大当り_ANY(01~7のいずれか)」が選択されるが、当該変動時には変動パターンとしてが「はずれ_ANY(01~10のいずれか)」選択される。この場合には、取得された大当り判定用乱数が閾値に属する値であるため、入賞時と当該変動時とで大当り判定の結果が異なるものとなり、これに伴い、変動パターンも異なるものとなり、正確な先読み演出を実行することができなかった。
また、例5に示すように、入賞時に大当り判定用乱数として3314~65535が取得された場合において、変動パターン選択用の乱数として30が取得されたとする。そして、入賞時(保留記憶時)に低確率状態であり、当該変動時(保留消化時)に高確率状態であるときは、入賞時には変動パターンとして「はずれ_01」が選択されるが、当該変動時には変動パターンとして「はずれ_02」が選択される。この場合には、入賞時(すなわち、低確率時)と当該変動時(すなわち、高確率時)とで変動パターン選択テーブルが異なるため、入賞時と当該変動時とで変動パターンが異なるものとなり、正確な先読み演出を実行することができなかった。
同様に、例6に示すように、入賞時に大当り判定用乱数として3314~65535が取得された場合において、変動パターン選択用の乱数として30が取得されたとする。そして、入賞時(保留記憶時)に高確率状態であり、当該変動時(保留消化時)に低確率状態であるときは、入賞時には変動パターンとして「はずれ_02」が選択されるが、当該変動時には変動パターンとして「はずれ_01」が選択される。この場合には、入賞時(すなわち、低確率時)と当該変動時(すなわち、高確率時)とで変動パターン選択テーブルが異なるため、入賞時と当該変動時とで変動パターンが異なるものとなり、正確な先読み演出を実行することができなかった。
[先読み演出における従来の問題の解決方法について]
そこで、図31で示したような問題を解決するために、本実施形態では、低確率状態と高確率状態とで共通の変動パターン選択テーブルを使用している(図16、図22参照)。これにより、変動パターンを選択する際の乱数値によって、低確率状態と高確率状態とで異なる変動パターンが選択されることがなくなるため、図31で示す例1,2及び例5,6の問題を解決できる。
また、本実施形態では、図31で示す例3,4の問題、すなわち低確率状態と高確率状態とで大当り判定の結果が変化する問題を解決するために、図32に示すような特図先読み判定コマンドを設定している。なお、特図先判定演出コマンドは、図11のステップS38や図12のステップS47でセットされる上位バイト分のデータに、図11のステップS37や図12のステップS46でセットされる下位バイト分のデータを合成することで生成される1ワード長のコマンドである。具体的には、上位バイト分のデータとして、図11のステップS38では、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることが記述される(例えば「B8H」)。また、図12のステップS47では、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることが記述される(例えば「B9H」)。そして、下位バイト分のデータとして、図11のステップS37や図12のステップS46において、図32に示すデータがセットされる。図14に示す下位バイト分のデータは大当たり決定乱数の先判定結果を示すデータである。
図32に示すように、本実施形態の特図先読み判定コマンドでは、下位バイト分のデータとして「00H」~「08H」のいずれかがセットされる。
「00H」は、「はずれ」を表すものである。「01H」は特別図柄1における「2ラウンド確変大当り1」を表すものである。「02H」は特別図柄1における「10ラウンド確変大当り1」を表すものである。「03H」は特別図柄2における「10ラウンド確変大当り2」(時短23回:リミッタ作動時)を表すものである。「04H」は特別図柄2における「10ラウンド確変大当り2」(時短100回)を表すものである。
そして、「00H」~「04H」は、低確率状態又は高確率状態のいずれであるかによって、大当り判定の結果が変化しない大当り決定乱数が取得されたときにセットされる。すなわち、大当たり決定乱数が「3314」~「65535」のいずれかである場合(図29参照)は、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合でも「はずれ」になるので、「00H」がセットされる。また、大当たり決定乱数が「0」~「2984」のいずれかである場合(図29参照)は、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合でも「大当り」になるので、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれであるか、及び大当りの種類に応じて「01H」~「04H」のいずれかがセットされる。そして、「01H」~「04H」がセットされる場合は、図13のステップS79やステップS80において、事前判定の結果に応じた変動パターン先判定コマンドが生成される。
そして、「00H」~「04H」のいずれかがセットされたときは、状態が遷移しても大当り判定の結果が変化しないので、これらのコマンドから識別される大当り判定の結果と変動パターン先判定コマンドに基づいて先読み演出が実行される。
また、「05H」は特別図柄1における「2ラウンド確変大当り1」を表すものである。「06H」は特別図柄1における「10ラウンド確変大当り1」を表すものである。「07H」は特別図柄2における「10ラウンド確変大当り2」(時短23回:リミッタ作動時)を表すものである。「08H」は特別図柄2における「10ラウンド確変大当り2」(時短100回)を表すものである。
そして、「05H」~「08H」は、低確率状態又は高確率状態のいずれであるかによって、大当り判定の結果が変化する大当り決定乱数が取得されたときにセットされる。すなわち、大当たり決定乱数が「2985」~「3313」のいずれかである場合(図29参照)は、低確率状態又は高確率状態のいずれであるかによって、大当り判定の結果が変化する。具体的には、大当たり決定乱数が「2985」~「3313」のいずれかである場合(図29参照)は、低確率状態では「はずれ」になるが、高確率状態では「大当り」になる。そして、「05H」~「08H」は全て「大当り」を示すデータであるため、高確率状態のときのみ大当り判定の結果を示すデータとなるものである。そして、「05H」~「08H」がセットされる場合は、図13のステップS79やステップS80において、事前判定の結果に関わらず変動パターン先判定コマンド「7EH」が生成される。
そして、変動パターン先判定コマンド「7EH」が送信された場合には、演出制御CPU126は図44のS703において先読み演出を実行しないように処理を行う。よって、低確率状態から高確率状態、あるいは高確率状態から低確率状態に遷移して大当り判定の結果が変化する場合には先読み演出が実行されない。また、演出制御CPU126は、変動パターン先判定コマンド「7EH」が送信された保留記憶がある場合には、当該保留記憶に係る変動表示が開始されるまでに記憶された保留記憶に対する先読み演出の実行を制限するように図44のS703における処理を行う。これにより、状態が変化しても先読み演出の内容に不整合が生じないようにすることができる。また、状態が変化するときに一律に先読み演出の実行を制限するわけではないので、先読み演出の実行頻度が著しく低下することも防止できる。
[表示出力管理処理]
次に図33は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図9中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。
[大当り時可変入賞装置管理処理]
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図34は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時開始処理(ステップS5250)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として、大当り時開始処理(ステップS5250)を選択する。また、主制御CPU72は、大当り時開始処理(ステップS5250)が終了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
[大当り時大入賞口開放パターン設定処理]
図35は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、オープニング時間、エンディング時間を選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンやラウンド間のインターバル時間、オープニング時間、エンディング時間については、図15及び図16で説明した通りである。なお、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図15中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として「2ラウンド確変図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。また、当選図柄として「10ラウンド確変図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を10回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値を用いて例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として20.0~29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時開始処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図34)に復帰する。
[大当り時開始処理]
図36は、大当り時開始処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時のオープニング時間(開始時間)を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5260:主制御CPU72は、大当り時開始時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時開始時間タイマにオープニング時間の初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5262:次に主制御CPU72は、大当り時開始時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時開始時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時開始時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図34)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時開始時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時開始時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5264の処理を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
以上の処理を終えると、主制御CPU72は、大当り時可変入賞装置管理処理(図34)に復帰する。
[大当り時大入賞口開閉動作処理]
図37は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、図15に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図35中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(例えば1個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS5301~ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
ステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図35中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図34)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、このような開放パターンを採用していない場合には、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定される。したがって、大当り遊技中の各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合には、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、ステップS5301~ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
[大当り時大入賞口閉鎖処理]
図38は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401a:主制御CPU72は、ラウンド間インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はラウンド間インターバルタイマにラウンド間インターバル時間の初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5401b:次に主制御CPU72は、ラウンド間インターバル時間が経過したか否かを確認する。具体的には、ラウンド間インターバルタイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72はラウンド間インターバル時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図34)に復帰する。
この後、時間の経過に伴ってラウンド間インターバルタイマの値が0になると、主制御CPU72はラウンド間インターバル時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5402の処理を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、ラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1~15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図34中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、ステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回、5回又は10回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
[大当り時終了処理]
図39は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図34)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図15中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けていないが、高確率状態に実質的な上限を設けている場合、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図15中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば7回、23回又は100回)を設定する。いずれの時短回数を設定するかについては、当選図柄と当選時の内部状態を参照して決定する(図20及び図21参照)。設定した時短回数の値は、RAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5513:主制御CPU72は、リミッタ管理処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図14中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
[リミッタ管理処理]
図40は、リミッタ管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5600:主制御CPU72は、今回の当選がいずれかの確変図柄での当選であるか否かを確認する。
その結果、今回の当選がいずれかの確変図柄での当選であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS5602を実行する。一方、今回の当選がいずれかの確変図柄での当選であることを確認した場合、主制御CPU72は、ステップS5603aを実行する。なお、本実施形態では、当選図柄が全て確変図柄であるため、ステップS5602の処理が実行されることはないが、非確変図柄を設定している場合には、ステップS5602の処理が実行される。
ステップS5602:主制御CPU72は、リミッタ回数をリセット(0にセット)する処理を実行する。ここで、リミッタ回数は、高確率状態に連続して移行させることが可能な連続回数、すなわち、特別遊技(大当り遊技)を連続して実行することが可能な連続回数を示している。なお、本実施形態では、7回の大当り遊技をワンセットとする遊技仕様を採用しており、リミッタ回数の値は、「0」~「6」のいずれかの値をとる。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、高確率状態に連続して移行させることが可能なリミッタ回数(連続回数)を設定することができる(連続回数設定手段)。
ここで、主制御CPU72は、所定のタイミングにおいて(例えば、変動開始時、変動終了時、大当り開始時、大当り終了時、リミッタ回数更新時等に)、演出制御装置124に、リミッタ回数の値を含むリミッタ回数コマンドを送信することができる。
ステップS5603a:主制御CPU72は、今回の当選が低確率状態での当選であるか否か(当選時の内部状態が低確率非時間短縮状態又は低確率時間短縮状態であるか否か)を確認する。
その結果、今回の当選が低確率状態での当選であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5603bを実行する。一方、今回の当選が低確率状態での当選であることを確認できない場合(No)、すなわち、今回の当選が高確率状態での当選である場合、主制御CPU72は、ステップS5604を実行する。
ステップS5604:主制御CPU72は、リミッタ回数設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、リミッタ回数に「7」を設定する処理を実行する。なお、制御上、リミッタ回数は一時的に「7」が設定されるが、次の処理で直ぐに減算されて「6」になる。
ステップS5604:主制御CPU72は、リミッタ回数を減算(-1)する処理を実行する。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、内部抽選で当選したことに基づいて、リミッタ回数を更新することができる(連続回数更新手段)。
ステップS5606:主制御CPU72は、「リミッタ回数」の値と、規定値(例えば「0」)とが一致しているか否かを確認する。
その結果、「リミッタ回数」の値と、規定値とが一致していることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5608を実行する。一方、「リミッタ回数」の値と、規定値とが一致していることを確認できない場合、主制御CPU72は、大当り時終了処理(図39)に復帰する。
ステップS5608:主制御CPU72は、低確率状態への移行処理を実行する。
本処理において、主制御CPU72は、高確率状態(有利遊技状態)への移行に係わる制限を行う(規定値到達時処理実行手段)。具体的には、主制御CPU72は、高確率状態(有利遊技状態)への移行に係わる制限を行う規定値到達時処理を実行する(規定値到達時処理実行手段)。
具体的には、主制御CPU72は、確変回数に10000回が設定されていたとしてもその確変回数を0回に設定することにより、高確率状態(有利遊技状態)に移行しない当選図柄に該当したものとする規定値到達時処理(つまり、当選図柄は変更せずに高確率時間短縮状態に移行させない処理)を実行する(規定値到達時処理実行手段)。
規定値到達時処理は、高確率縮状態に移行する当選図柄に該当した場合であっても高確率状態に移行しない当選図柄に該当したものとする処理(つまり、当選図柄を変更する処理)であってもよい。また、規定値到達時処理は、規定値到達時には高確率状態に移行する当選図柄を選択不能とする処理、つまり、高確率状態に移行しない当選図柄だけを選択可能とする処理(大当りの内訳(当選図柄選択テーブルの内訳)を全部高確率状態に移行しない当選図柄とする処理)であってもよい。
これにより、リミッタ到達時には低確率状態に強制的に移行される。
ステップS5610:主制御CPU72は、リミッタ回数をリセットする処理を実行する。これにより、リミッタ回数が「0回」にリセットされる。なお、本処理が実行される場合は、ステップS5604の減算処理において、既にリミッタ回数は「0回」にリセットされているため、本処理を実行しないようにしてもよい。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72は、大当り時終了処理(図39)に復帰する。
[ゲームフロー]
図41は、パチンコ機1で展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、[F1]通常モードから遊技が開始される。[F1]通常モードは、「低確率非時間短縮状態」又は「高確率非時間短縮状態」である。このため、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
[F1]通常モードにて、[F2]「2ラウンド確変図柄1」の大当りに当選すると、2ラウンド大当り遊技が実行され、[F1]通常モードに戻る。なお、2ラウンド確変図柄1に当選したときは1ラウンドあたり15個で約30個の遊技球を獲得することが可能である。
[F1]通常モードにて、[F3]「10ラウンド確変図柄1」の大当りに当選すると、10ラウンド大当り遊技が実行され、[F4]海岸モードに移行する。
[F4]海岸モードは、高確率時間短縮状態である。[F4]海岸モードにて、[F5]当選の結果が得られずに時短が終了すると、[F1]通常モードに移行する。この場合は、基本的に、高確率非時間短縮状態の[F1]通常モードに移行する。
[F4]海岸モードにて、[F6]「2ラウンド確変図柄1」又は「10ラウンド確変図柄1」、「10ラウンド確変図柄2」の大当りに当選すると、[F7]ランクアップボーナス演出が実行される。ランクアップボーナス演出は、残りのリミッタ回数分だけ大当り遊技を消化できることから、変動型の大当り遊技となっている。
[F7]ランクアップボーナス演出にて、[F8]リミッタが終了すると(リミッタ回数が0になると)、[F9]花火タイムに移行する。[F9]花火タイムは、低確率時間短縮状態である。
[F9]花火タイムにて、[F10]「10ラウンド確変図柄1」又は「10ラウンド確変図柄2」の大当りに当選すると、[F11]スペシャルボーナス演出が実行される。[F11]スペシャルボーナスにて、[F12]リミッタが終了すると、再び、[F9]花火タイムに移行する。
[F9]花火タイムにて、[F13]当選の結果が得られずに時短が終了すると、[F1]通常モードに移行する。この場合は、低確率非時間短縮状態の[F1]通常モードに移行する。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
[演出画像の例]
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」とともにキャラクター(図示省略)が付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図42は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
[変動表示前]
図42中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
[記憶表示演出]
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数(換言すると、保留記憶数)を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶表示演出)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面左上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が例えば「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
[変動表示演出開始]
図42中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(記憶画像表示維持演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面左上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
[左図柄停止]
図42中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
[作動記憶数減少時の演出例]
ここで、先の図42中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図42中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
[右演出図柄停止]
図42中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
[停止表示演出]
図42中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
[演出制御処理]
図43は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、大当り中表示管理処理(ステップS403a)、擬似変動対応シンボル表示管理処理(ステップS403b)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、変動パターン先判定コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、停止表示時間終了コマンド、賞球内容コマンド、リミッタ回数コマンド、オープニングコマンド、ラウンド遊技中コマンド、エンディングコマンド、大当り中入賞発生コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、マーカM1,M2を用いた記憶表示演出の実行を制御する(記憶表示演出実行手段)。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄(メイン演出図柄、ミニ演出図柄、第4図柄を含む。)を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする(演出実行手段)。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS403a:大当り中表示管理処理では、演出制御CPU126は、大当り中であることを示す大当り中表示を行う処理を実行する。本実施形態では、大当り中表示は文字により構成される(図49参照)。
ステップS403b:擬似変動対応シンボル表示管理処理では、演出制御CPU126は、擬似変動区間において実行する擬似変動高確率時短状態中に大当りに当選して時短回数が100回付与された場合に、その残り21回~2回までの20回の区間で実行される擬似連続予告に対応する擬似変動対応シンボル表示を行う処理を実行する(図48、図50~図53参照)。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46,50や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、大当り演出中の入賞時の効果音、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54a~54dから演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
[作動記憶演出管理処理]
図44は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。
ステップS703:演出制御CPU126は、先読み演出管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、先読み演出を実行するか否かを決定する処理を実行し、先読み演出を実行すると決定した場合には、どのような内容の先読み演出を実行するかを決定する処理を実行する。先読み演出を実行すると決定した場合には、演出制御CPU126は、図43のステップS404~S408において先読み演出を実行する。
なお、ステップS703では、演出制御CPU126は、主制御CPU72から特図先読み判定コマンド「00H」~「04H」を受信した場合には、当該コマンド及び変動パターン先判定コマンドなどに基づいて先読み演出を実行すると決定する(図32参照)。しかし、演出制御CPU126は、主制御CPU72から変動パターン先判定コマンド「7EH」を受信した場合には、先読み演出を実行しないと決定する。また、演出制御CPU126は、変動パターン先判定コマンド「7EH」が送信された保留記憶がある場合には、当該保留記憶に係る変動表示が開始されるまでに記憶された保留記憶に対しても先読み演出を実行しないと決定する。そして、演出制御CPU126は、変動パターン先判定コマンド「7EH」が送信された保留記憶が消化中になったときには、それ以降の保留記憶に対して先読み演出を実行可能にする。なお、変動パターン先判定コマンド「7EH」とともに送信される特図先読み判定コマンド「05H」~「08H」は使用されることがない。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出を実行する。また、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去される。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図43)に復帰する。
[演出図柄管理処理]
図45は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図14中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図14中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。また、演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は擬似変動(擬似連続予告)を実行する処理も実行する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば16ラウンド大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
[演出図柄変動前処理]
図46は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図43中のステップS404)、ランプ駆動処理(図43中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動表示演出や停止表示演出の内容)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。なお、本実施形態では、小当たりを設けていないので、ステップS608は省略される。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS613を実行する。
ステップS613:演出制御CPU126は、リーチ演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、今回の変動の変動表示演出中に実行するリーチ演出の内容を抽選によって選択する。リーチ演出の内容は、変動パターンに応じて決定することができる。これにより、リーチ演出を実行する場合の変動スケジュール(リーチ種類とリーチ発生タイミング)を決定することができる。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、原則として、内部状態が低確率非時間短縮状態又は高確率非時間短縮状態である場合には、通常モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が高確率時間短縮状態である場合には、海岸モードに対応する背景画像を選択する処理を実行し、内部状態が低確率時間短縮状態である場合には、花火タイムに対応する背景画像を選択する処理を実行する。
ただし、演出制御CPU126は、例外として、内部状態が低確率非時間短縮状態又は高確率非時間短縮状態である場合であっても、時間短縮状態から非時間短縮状態に移行した際に第2特別図柄の記憶が存在している場合には、時間短縮状態が終了する前のモード(海岸モードや花火タイム)に対応する背景画像を選択することができる。
ステップS618:演出制御CPU126は、変動可能区間表示処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、ランクアップボーナスやスペシャルボーナスにおいて(図41参照)、リミッタ到達前の大当り間の変動可能状態の遊技区間(以下、変動可能区間とも称する)であることを示す変動可能区間表示を行う処理を実行する。本実施形態では、変動可能区間表示は文字により構成される(図49参照)。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図45中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
[可変入賞装置作動時処理]
図47は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS904~ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御CPU126は大当り遊技中や小当り遊技中に実行する演出の内容を選択する処理を実行する。例えば、「2ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、大当り演出を実行しない(大当りであることが分からない演出、はずれと同様の演出)を選択する処理を実行する。また、「10ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、「ノーマルボーナス演出」を選択する処理を実行する。一方、時短中に「10ラウンド確変図柄1」や「10ラウンド確変図柄2」に該当した場合は、「ランクアップボーナス演出」や「スペシャルボーナス演出」を選択する処理を実行する。なお、「ランクアップボーナス演出」や「スペシャルボーナス演出」の内容は、本処理ではなく別の処理で選択することもできる。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、大当り演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御CPU126は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。例えば、演出制御CPU126は、当選図柄やリミッタ回数の値に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火タイム突入演出を実行したりする。具体的には、大当り遊技の終了後に、高確率時間短縮状態に移行させる場合は、海岸モードに突入することを示す演出を選択する処理を実行し、大当り遊技の終了後に、低確率時間短縮状態に移行させる場合は、花火タイムに突入することを示す演出を選択する処理を実行する。なお、「ランクアップボーナス演出」や「スペシャルボーナス演出」を実行する場合は、本処理ではなく別の処理で演出の内容を選択することもできる。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄管理処理(図45)に復帰する。
[擬似変動対応シンボル表示演出管理処理]
図48は、擬似変動対応シンボル表示管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS810:演出制御CPU126は、擬似変動区間か否かを確認する処理を実行する。
その結果、擬似変動区間であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS812を実行し、擬似変動区間でないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126は、演出制御処理(図43)に復帰する。
ステップS812:演出制御CPU126は、擬似変動区間での擬似変動の回数をカウントする擬似変動回数カウンタのカウント値が0であるか否かを確認する。なお、前述したように、演出制御CPU126は、擬似変動区間では1変動あたり5回の擬似変動(すなわち、擬似連続予告)を実行する。よって、擬似変動区間では合計100回の擬似変動が行われる。このため、演出制御CPU126は、擬似変動区間での1回目の図柄の変動前に擬似変動回数カウンタに「100」をセットする。
ステップS812での確認の結果、擬似変動回数カウンタのカウント値が0でないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS814を実行し、擬似変動回数カウンタのカウント値が0であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は、演出制御処理(図43)に復帰する。
ステップS814:演出制御CPU126は、演出図柄の変動開始タイミングか否かを確認する。
その結果、演出図柄の変動開始タイミングであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS816を実行し、演出図柄の変動開始タイミングでない場合(No)、演出制御CPU126はステップS820を実行する。
ステップS816:演出制御CPU126は、擬似回数カウンタのカウント値を「1」減算する処理を実行する。
ステップS818:演出制御CPU126は、残りの擬似変動回数に応じて演出図柄の変動中の背景を選択する処理を実行する。これにより、残りの擬似変動回数に応じて擬似変動対応シンボルが背景画像によって表示される。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図43)に復帰する。
ステップS820:演出制御CPU126は、演出図柄の変動終了タイミングか否かを確認する。
その結果、演出図柄の変動終了タイミングであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS822を実行し、演出図柄の変動終了タイミングでない場合(No)、演出制御CPU126は、演出制御処理(図43)に復帰する。
ステップS822:演出制御CPU126は、残りの擬似変動回数に応じて演出図柄の変動終了時の背景を選択する処理を実行する。これにより、残りの擬似変動回数に応じて擬似変動対応シンボルが背景画像によって表示される。
以上の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図43)に復帰する。
[大当り中表示及び変動可能区間表示の具体例]
図49は、大当り中表示及び変動可能区間表示の具体例を示す説明図である。
[大当り中表示]
図49中(a):図41に示すランクアップボーナスやスペシャルボーナスでの大当り遊技中は、液晶表示器40の1フレームの画像(画面)において、大当り中であることを示唆する大当り中表示200が画面上部に表示される。大当り中表示200は「天下無敵の大当り」という文字で構成される。当該文字は7色のレインボーで表示される。本実施形態では、レインボーは、他の色と異なり、利益を得るうえで期待度が高い状態であることを示唆する色である。また、大当り中は動画である大当りムービーが表示されるが、この大当りムービーよりも大当り中表示200のほうが表示の優先度が高い。具体的には、大当りムービーの上に重なるように大当り中表示200が表示される(すなわち、大当り中表示200のほうが上層のレイヤに配置される)。なお、大当り中(すなわち、大当り中表示200の表示中)に第1大入賞口30bや第2大入賞口31bに遊技球が入賞した場合には、賞球が得られたことを報知する賞球報知演出(例えば、「+15個獲得!!」の表示)が実行される。そして、大当りが終了したが未だリミッタ到達前であるときは図49中(b)の画面に遷移する。
[変動可能区間表示]
図49中(b):図41のランクアップボーナスやスペシャルボーナスでの大当り間における変動可能区間(すなわち、リミッタ到達前)では、液晶表示器40の1フレームの画像(画面)において、大当り間における変動可能区間であることを示唆する変動可能区間表示201が画面上部に表示される。変動可能区間表示201は「天下無敵の準備中」という文字で構成される。すなわち、大当り中表示200と変動可能区間表示201は、前半の「天下無敵の」という部分は共通であるが、後半の「大当り」という部分は「準備中」という文字に差し替えられる。変動可能区間表示201の文字も7色のレインボーで表示される。このように、変動可能区間表示201における「準備中」という表示は、大当り中表示200の文字の一部を差し替えることによって、大当り間の変動可能区間であることを示唆する表示である。また、本実施形態では20回の変動で大当りに当選しないと機種の説明を行うテロップ表示が行われるが、このテロップ表示や変動中背景やその他の演出画像よりも変動可能区間表示201のほうが表示の優先度が高い。よって、テロップ表示などの上に重なるように変動可能区間表示201が表示される(すなわち、変動可能区間表示201のほうが上層のレイヤに配置される)。大当りに当選した場合は、ファンファーレの開始とともに大当り中表示200が表示され、図49中(a)の画像に戻る。
図49中(c):大当りの回数が7回になり、リミッタに到達した場合は、大当りのエンディングにより一連のボーナスで獲得した出玉数(本例では、通常モードで10ラウンド確変図柄1に当選してからリミッタに到達するまでの合計の出玉数)を表示した後、図柄の変動表示が開始されたときに大当り中表示200が消去され、通常背景が表示されるとともに通常の変動画面が表示される。
以上のように、大当り中表示200と変動可能区間表示201は文字の前半部分が共通するが状態を表示する後半部分が異なる。よって、大当り遊技と高確率状態とで一連のボーナスとして遊技の一体感を付与したい場合に、見た目上の一体感を残しつつ各状態の報知を正確に行うことができる。
なお、本実施形態では、所定画像において共通する一部の表示として「天下無敵の」という表示を例に挙げ、異なる他の一部の表示として「大当り中」及び「準備中」という表示を例に挙げ、「準備中」という表示は大当り間の変動可能区間であることを示唆するものとしたが、他の態様で実施することが可能である。
例えば、大当り中と大当り後の時短状態において所定画像を表示し、各状態の所定画像中で右打ち表示を共通の態様で表示するとともに、大当り演出表示や変動演出表示を異なる態様で表示し、大当り演出表示により大当り中であることを示唆する、あるいは変動演出表示により変動可能区間であることを示唆することが可能である。
また、図49中(a)の大当り中表示200から図49中(b)の変動可能区間表示201に切り替えるタイミングは適宜に設定可能である。例えば、(イ)大当りのエンディング期間が開始されたときに大当り中表示200から変動可能区間表示201に切り替える、あるいは(ロ)大当りのエンディング期間が終了するときに大当り中表示200から変動可能区間表示201に切り替える、あるいは(ハ)大当りが終了した後の最初の変動開始時に大当り中表示200から変動可能区間表示201に切り替えるように構成することができる。
ここで、本実施形態では、大当りのエンディング期間や、大当りのエンディング期間終了後の所定期間(例えば、エンディング期間が終了してから1秒間)においても、大当り中に第1大入賞口30bや第2大入賞口31bに入賞した遊技球を有効とすることが可能である。すなわち、第1大入賞口30bや第2大入賞口31bの閉鎖後に検出されたイレギュラーな遊技球を有効とすることが可能である。具体的には、大当りのエンディング期間や大当りのエンディング期間終了後の所定期間など、第1大入賞口30bや第2大入賞口31bの閉鎖後において、第1カウントスイッチ84により遊技球が検出された場合や第2カウントスイッチ85により遊技球が検出された場合でも賞球の払い出しを可能な構成とすることが可能である。
そして、上記したように第1大入賞口30bや第2大入賞口31bの閉鎖後に検出されたイレギュラーな遊技球を有効とする構成した場合には、大当りのエンディング期間が開始されたときに大当り中表示200から変動可能区間表示201に切り替えるように構成したときは(上記(イ)の構成)、大当りのエンディング期間における変動区間表示201の表示中に賞球が払い出されることになるが、大当り中表示200の表示中と同様に賞球報知演出を実行することが可能である。また、大当りのエンディング期間が終了するときに大当り中表示200から変動可能区間表示に切り替えるように構成したときは(上記(ロ)の構成)、大当り終了後のデモ状態中における変動区間表示201の表示中に賞球が払い出されることになるが、大当り中表示200の表示中と同様に賞球報知演出を実行することが可能である。これらの構成により、入賞した遊技球が検出されたか否かが不明になって遊技者が遊技に不信感を抱くことを防止できる。
また、図49中(a)の大当り中表示200から図49中(b)の変動可能区間表示201に切り替えるときの表示態様は適宜に設定可能である。例えば、フレームの切り替えによって、一度に「天下無敵の大当り」→「天下無敵の準備中」とすることが可能である。この場合には遊技の内容を簡潔にすることができる。また、例えば、「天下無敵の大当り」→「天下無敵の 」→「天下無敵の準備中」というように、変化する部分(「大当り」または「準備中」)が表示されない期間を設けることが可能である。この場合には、変化する部分が表示されない期間は遊技状態が不明確になるため、大当りが継続していることを推測させることによる、遊技者の期待感を高めることができる。なお、当該効果をより高めるためには、例えば、「天下無敵の大当り」→「天下無敵の 」→「天下無敵の大当り」→「天下無敵の 」→・・・というように、「大当り」の部分の表示および非表示を繰り返すことが効果的である。
さらに、大当り中表示200や変動可能区間表示201を表示しているときに、液晶表示器40の画像の表示領域から退避する退避位置から当該表示領域に重なる重畳位置に移動可能な可動役物を設けてもよい。この場合に、可動役物を文字の変化部分(「大当り」または「準備中」に相当する部分)のみに重なるように移動させることが可能である。これにより、文字の変化部分の視認性が阻害されるため、いずれの遊技状態かを遊技者が認識し難くし、遊技状態への興味を惹くことができる。また、大当り中表示200が表示されている期間よりも、変動可能区間表示201が表示されている期間のほうが、文字の変化部分に可動役物が重なる演出の実行割合が高くなるように演出の実行割合を設定することも可能である。例えば、可動役物を作動させるか否かの抽選を大当り中は30秒に1回のペースで実行し、図柄の変動区間では20秒に1回のペースで実行することにより実現可能である。このような構成とすることにより、大当り中でない期間中も、大当りに移行していることへの期待感を高め、遊技者の遊技の興趣を高めることができる。
[擬似変動対応シンボルを表示するときの具体例]
図50~図53は、擬似変動対応シンボルを表示するときの具体例を示す説明図である。高確率状態(確変状態)において大当りに当選すると、時短回数が100回付与される(図20、図21参照。なお、リミッタ作動時を除く)。このとき、残りの時短回数が21回~2回である変動回数が20回の擬似変動区間では、1変動につき5回、20変動で合計100回の擬似変動が行われる。
図50中(a):擬似変動区間に移行すると、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数(換言すると、保留記憶数)を表すマーカ(図42中に符号M1,M2参照)が消去される。そして、第1特別図柄の保留記憶数を示す第1記憶数表示300及び第2特別図柄の保留記憶数を示す第2記憶数表示301がそれぞれ数字で画面の左下に表示される。図の例では、第1特別図柄の保留記憶数が「4」、第2特別図柄の保留記憶数が「4」であることを示している。また、擬似変動区間での擬似変動の残り回数を示す残り回数表示302が画面の右上に表示される。図の例では残り100回であることを示している。そして、画面の下部には、擬似変動対応シンボル303が横並びに12個表示される。擬似変動対応シンボルはそれぞれ星の形をしている。そして、擬似変動対応シンボル303は右側から数えて10個目~12個目(すなわち、3個)は灰色になっている。また、右側から数えて1個目~9個目(すなわち、9個)は金色になっている。さらに、右側から数えて10個目は他のシンボルよりも一回り大きく表示されている。
図50中(b):例えば、擬似変動区間に移行して第2特別図柄の保留記憶が消化されると第2記憶数表示301の数字が1減算される。図の例では1減算されて第2特別図柄の保留記憶数が残り3になっている。そして、擬似変動区間で1回目の図柄の変動表示(残り21回目の変動表示)が開始されるとともに1回目の擬似変動が開始されると、変動開始時の変動音の出力とともに変動中に対応した背景に切り替えられる。これにより、新たな擬似変動対応シンボル303が1個右側から補充され、これに連動して今まで表示されていた12個の擬似変動対応シンボル303が左側にシフトしたような表示が行われ、また、右側から数えて12個目(すなわち、一番左側)の擬似変動対応シンボル303がしたような表示が行われる。このように、背景の切り替えに伴う一連の動作により擬似変動対応シンボル303は擬似変動に連動しているように見える。なお、画面上で表示される擬似変動対応シンボル303の数は変わらず12個のままである。そして、背景の切り替えに伴うシフトと同時に右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が金色になり、右側から11個目と12個目の2個の擬似変動対応シンボル303が灰色になる。よって、灰色の擬似変動対応シンボル303が2個、金色の擬似変動対応シンボル303が9個になる。このような動作により、右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が1回目の擬似変動に対応する表示となる。
図50中(c):擬似変動が開始された図柄が仮停止すると、擬似変動終了時に対応した背景に切り替えられる。これにより、残り回数表示302が1減算される。図の例では「残り100個」から1個減算されて「残り99個」になり、擬似変動の残り回数が99回であることが示されている。また、1回目の擬似変動が終了したことに対応して右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が灰色になる。
図50中(d):擬似変動区間に移行して2回目の擬似変動が開始されると、変動開始時の変動音の出力とともに変動中に対応した背景に切り替えられる。これにより、新たな擬似変動対応シンボル303が1個右側から補充され、これに連動して今まで表示されていた12個の擬似変動対応シンボル303が左側にシフトしたような表示が行われ、また、右側から数えて12個目(すなわち、一番左側)の擬似変動対応シンボル303が画面外にシフトしたような表示が行われる。このように、背景の切り替えに伴う一連の動作により擬似変動対応シンボル303は擬似変動に連動しているように見える。なお、画面上で表示される擬似変動対応シンボル303の数は変わらず12個のままである。そして、背景の切り替えに伴うシフトと同時に右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が金色になり、右側から11個目と12個目の2個の擬似変動対応シンボル303が灰色になる。よって、灰色の擬似変動対応シンボル303が2個、金色の擬似変動対応シンボル303が9個になる。このような動作により、右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が2回目の擬似変動に対応する表示となる。すなわち、右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が金色になると変動開始された擬似変動に対応していることが示される。なお、図柄の変動回数自体は1回目であるので、第1記憶数表示300及び第2記憶数表示301は変化しない。
図51中(e):図50中(c)及び図50中(d)の動作が繰り替えされて、残り11回目の擬似変動が終了して、残りの擬似変動回数が10回になったとする。なお、このときは、擬似変動区間における18回目の図柄の変動表示が終了したので演出図柄は停止する。
図51中(f):例えば、擬似変動区間に移行して第2特別図柄の保留記憶が消化され、擬似変動区間で残り2回目の図柄の変動表示が開始されるとともに残り10回目(91回目)の擬似変動が開始されると、背景の切り替えに併せて擬似変動対応シンボル303は図50中(b)と同様の動作を行う。
図51中(g):残り10回目の擬似変動が終了すると、背景の切り替えに併せて擬似変動対応シンボル303は図50中(c)と同様の動作を行う。
図51中(h):擬似変動区間に移行して残り9回目(92回目)の擬似変動が開始されると、変動開始時の変動音の出力とともに変動中に対応した背景に切り替えられる。これにより、新たな擬似変動対応シンボル303が1個右側から補充され、これに連動して今まで表示されていた12個の擬似変動対応シンボル303が左側にシフトしたような表示が行われ、また、右側から数えて12個目(すなわち、一番左側)の擬似変動対応シンボル303が画面外にシフトしたような表示が行われる。このように、背景の切り替えに伴う一連の動作により擬似変動対応シンボル303は擬似変動に連動しているように見える。なお、画面上で表示される擬似変動対応シンボル303の数は変わらず12個のままである。しかし、図50中(b)と異なり、補充される星の色は灰色である。そして、背景の切り替えに伴うシフトと同時に右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が金色になるが、右側から11個目と12個目の2つと右側から1個目の合計3つの擬似変動対応シンボル303が灰色になる。これにより、金色の擬似変動対応シンボル303は9個になるので、残りの擬似変動回数である9回に対応した表示となる。
図52中(i)(j):残りの擬似変動回数が9回以下になった後は、擬似変動が行われるたびに背景が切り替えられて灰色の擬似変動対応シンボル303が補充されているかのような表示が行われ、金色の擬似変動対応シンボル303の数が残りの擬似変動回数に対応した数になる。
図52中(k)(l):残り1回目の擬似変動(すなわち時短回数が残り2回であるときの5回目の擬似変動)が開始されると、金色の擬似変動対応シンボル303は右から10個目の1個のみの表示になるような背景に切り替えられる。
図53中(m):残り1回の擬似変動が終了すると(すなわち、擬似変動区間での20回目の変動が終了すると)、残り1個の金色の擬似変動対応シンボル303が灰色になり、12個の擬似変動対応シンボル303は全て灰色になる表示になるような背景に切り替えられる。これにより、擬似変動区間での100回の擬似変動が終了したことが示唆される。
図53中(n):擬似変動区間での100回の擬似変動が終了すると(すなわち、擬似変動区間での20回目の変動が終了すると)、時短回数が残り1回であることを示す文字「LAST!」が表示される。
図53中(o):時短回数21回目の変動が開始されると、背景が切り替えられて12個の擬似変動対応シンボル303は消去され、通常の変動画面に戻される。よって、これに併せて、第1記憶数表示300及び第2記憶数表示301も消去され、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの保留記憶数を表すマーカM1,M2が再度表示される。なお、時短回数21回目の最終変動に応じた演出画面が表示される。
図53中(p)(q):時短回数21回目の変動が終了すると、残りの保留記憶を消化する期間に移行することを示す「ファイナルチャンス!」という文字が表示される。以降、残りの保留記憶を消化する演出を実行しつつ保留記憶が消化されていく。
このように、擬似変動対応シンボル303は擬似変動における背景の一部である。このため、中始動入賞口26や可変始動入賞装置28に遊技球が入賞しても擬似変動対応シンボル303が増加することはなく、また、図柄の変動表示が行われても擬似変動対応シンボル303が減少することはない。すなわち、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの保留記憶数を表すマーカM1,M2とは異なるものである。なお、本実施形態では、擬似変動区間では、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの保留記憶数を表すマーカM1,M2を表示しないため、演出制御CPU126は、これらの表示データを生成しない。よって、使用しないデータを生成に係る処理を省略できる。また、上記のように、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの保留記憶数を表すマーカM1,M2と、擬似変動対応シンボル303とは異なるデザインになっている。よって、これらを誤認することを防止できる。
そして、背景の切り替えを繰り返すことにより、右側から10個目の大きい擬似変動対応シンボル303が擬似変動の開始とともに金色になり、擬似変動の終了とともに灰色になるので、当該擬似変動対応シンボル303が1回の擬似変動に対して1つの保留表示を行っているかのような表示を明確に行うことができる。
なお、本実施形態において、擬似変動は、主制御CPU72からコマンドを受信していない場合であっても、演出制御CPU126によって開始または終了の制御を行うことが可能なものである。そして、擬似変動対応シンボルは、主制御CPU72からのコマンドの受信によって増加、減少、シフトが行われる実際の保留表示(上記のマーカM1,M2)と異なり、演出制御CPU126の制御によって切り替えられる背景の一部の表示であるため、コマンドの送受信がなくとも自由な表示が可能である。よって、擬似対応シンボルは、実際の保留表示と表示態様が類似するか否かに関わらず、さらには同一であるか否かに関わらず、異なる性質のものである。
なお、同一の内部状態であっても擬似変動対応シンボル303を使用する区間と使用しない区間を設けてもよい。例えば、時短状態が終了する前の4回転のみ通常通り保留表示を消化するように構成することが可能である。
また、本実施形態では、時短回数が100回の区間に含まれる区間に擬似変動区間を設けたが、異なる状態に擬似変動区間を設けてもよい。例えば、海岸モードにおける時短回数7回の区間に擬似変動区間を設けることが可能である。具体的には、残り6回の変動で1変動あたり16回の擬似変動を行って合計96回の擬似変動を行い、これに4つの保留消化を合わせて合計100回転のチャンス区間とすることが可能である。この場合に、擬似変動区間で表示する残りの変動回数を擬似変動区間での擬似変動の回数と擬似変動区間以外における通常の変動回数を合算してもよい。上記の例では、擬似変動区間での擬似変動回数96回に保留消化の変動回数4回を合算し、残り回数を100回とした状態で擬似変動区間を開始するように構成することが可能である。これにより、擬似変動区間とその後の通常変動区間とが一連の有利な遊技であるような印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、擬似変動区間において、1回の変動表示に対して5回の擬似変動が一律に行われるようにしたが、1回の変動表示に対する擬似変動の回数を変動するように構成することが可能である。また、擬似変動区間において、1回の変動表示に対する擬似変動の回数を変動するように構成した場合には、擬似変動区間で表示される残り回数を一時的に非表示とする、あるいは常に非表示とする、あるいは実際の変動回数に換算して表示(本実施形態の例では、擬似変動5回を1回の変動として換算して表示)することが可能である。
[ハンドルユニットの構成]
次に、ハンドルユニット16の構成について説明する。図54は、ハンドルユニット16の外観斜視図である。図55はハンドルユニット16の分解斜視図である。
図54~図55に示すように、ハンドルユニット16は、操作ハンドル400と、取り付けベース401と、取り付け用ブラケット402とを備えている。取り付けベース401は一体扉ユニット4に取り付けられており、取り付け用ブラケット402は内枠アセンブリ7に取り付けられている。そして、操作ハンドル400は取り付けベース401の開口401aを介して取り付け用ブラケット402に固定される。
操作ハンドル400は、取り付け用ブラケット402に固定されるベース体400aと、このベース体400aに回転操作可能に支持され、図示の初期位置から最大回転位置まで所定角度の範囲内で回転する操作リング400bと、操作ハンドル400の前面を被覆するフェイスカバー400dと、を備えている。
操作リング400bは、その回転方向に沿って離間するように配置された3つの指掛部400d~400fを備えている。指掛部400dが反時計方向への回転経路の最も上流側に配置され、指掛部400fが反時計方向への回転経路の最も下流側に配置され、指掛部400eが中間位置に配置されている。また、指掛部400d~400fは外方に突出している。操作リング400bは時計方向にバネ付勢されている。遊技球を遊技領域に発射させるときは、バネの付勢力に反するように操作ハンドル400が反時計方向に回転操作される。一般的には、遊技者は、指掛部400d~400fに遊技者の指を引っ掛けた状態で操作ハンドル400を回転操作する。
図56は操作ハンドル400の操作リング400bの回転位置を示す説明図である。図56(a)に示すように、操作リング400bは、その回転中心を通る水平基準線L1と、その回転中心から指掛部400dの先端までの回転基準線L2との角度が反時計方向にα°離間した位置が初期位置とされている。そして、指掛部400d~400fは、初期位置では、いずれも水平基準線L1よりも上方に位置するように各部が配置されている。また、図56(b)に示すように、水平基準線L1との回転基準線L2との角度が反時計方向にβ°離間した位置が左打ち基準位置とされている。そして、図56(c)に示すように、水平基準線L1との回転基準線L2との角度が反時計方向にγ°離間した右打ち基準位置が最大回転位置とされている。
図57は操作ハンドル400の操作リング400bの回転中心から各部までの距離を示す説明図である。具体的には、図57(a)は一体扉ユニット4との距離の関係、図57(b)は内枠アセンブリ7との距離の関係を示す説明図である。
図57(a)に示すように、操作リング400bの回転中心から指掛部400dの先端までの直線距離をD1、操作リング400bの回転中心から指掛部400eの先端までの直線距離をD2、操作リング400bの回転中心から指掛部400fの先端までの直線距離をD3、操作リング400bの外周面までの直線距離をE、操作リング400bの回転中心から一体扉ユニット4の下側の縁までの垂直方向の直線距離をF1、操作リング400bの回転中心から一体扉ユニット4の右側の縁までの水平方向の直線距離をG1であるとする。
そして、本実施形態では、D1は53.4mm、D2は45.6mm、D3は39.3mm、Eは34.6mm、F1は40.0mm、G1は49.1mmに設定されている。
図57(b)に示すように、操作リング400bの回転中心から指掛部400dの先端までの直線距離をD1、操作リング400bの回転中心から指掛部400eの先端までの直線距離をD2、操作リング400bの回転中心から指掛部400fの先端までの直線距離をD3、操作リング400bの外周面までの直線距離をE、操作リング400bの回転中心から内枠アセンブリ7の下側の縁までの垂直方向の直線距離をF2、操作リング400bの回転中心から内枠アセンブリ7の右側の縁までの水平方向の直線距離をG2であるとする。
そして、本実施形態では、D1は53.4mm、D2は45.6mm、D3は39.3mm、Eは34.6mm、F1は45.0mm、G1は51.1mmに設定されている。
そして、本実施形態では、指掛部400d~400fは、初期位置では、いずれも操作リング400bの回転中心を通る水平基準線L1よりも上方に位置するように各部が配置されているので、操作ハンドル400の操作リング400bが初期位置であるときは、指掛部400d~400fが本体枠11(すなわち、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7)の下側の縁よりも下側に突出しない。また、操作ハンドル400の操作リング400bを最大回転位置まで回転させた場合であっても、指掛部400d,400eが本体枠11(すなわち、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7)の下側の縁まで回転することがなく、かつ、操作リング400bの回転中心から指掛部400fの先端までの直線距離D3は、操作リング400bの回転中心から一体扉ユニット4の下側の縁までの垂直方向の直線距離F1及び操作リング400bの回転中心から内枠アセンブリ7の下側の縁までの垂直方向の直線距離F2よりも短いので、操作ハンドル400の操作リング400bが最大回転位置であるときは、指掛部400d~400fが本体枠11の下側の縁(すなわち、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の下側の縁)よりも下側に突出しない。よって、操作ハンドル400の操作リング400bが如何なる回転位置であっても、指掛部400d~400fが本体枠11の下側の縁(すなわち、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の下側の縁)よりも下側に突出することがない。
また、本実施形態では、指掛部400d~400fは、初期位置では、いずれも本体枠11(すなわち、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7)の右側の縁から離れた位置にあるので、操作ハンドル400の操作リング400bが初期位置であるときは、指掛部400d~400fが本体枠11の右側の縁よりも右側に突出しない。また、操作ハンドル400の操作リング400bを最大回転位置まで回転させた場合であっても、指掛部400dが本体枠11の右側の縁(すなわち、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の右側の縁)まで回転することがなく、かつ、操作リング400bの回転中心から指掛部400eの先端までの直線距離D2と、操作リング400bの回転中心から指掛部400fの先端までの直線距離D3は、操作リング400bの回転中心から一体扉ユニット4の右側の縁までの水平方向の直線距離G1及び操作リング400bの回転中心から内枠アセンブリ7の右側の縁までの水平方向の直線距離G2よりも短いので、操作ハンドル400の操作リング400bが最大回転位置であるときは、指掛部400d~400fが本体枠11の右側の縁(すなわち、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の右側の縁)よりも右側に突出しない。よって、本実施形態では、操作ハンドル400の操作リング400bが如何なる回転位置であっても、指掛部400d~400fが本体枠11の右側の縁よりも右側に突出することがない。
そして、本実施形態では、突出量が最も大きい指掛部400dを最大指掛部とすると、最大回転位置において、最大指掛部である指掛部400dの先端部が回転軌道の最下点に位置しない。
以上のことから、本体枠11を床などに置いた場合であっても、指掛部400d~400fが床などに接触することがなく、操作ハンドル400の操作リング400bが破損することを防止できる。これにより、ハンドルユニット16を構成する部品など、パチンコ機1の部品が破損するリスクを低減できる。
以上説明したように、本実施形態は以下の効果を奏する。
(A1)大当り中表示200と変動区間中表示201は一部の文字「天下無敵の」が共通であり他の一部の文字が異なり、変動区間中表示201における他の一部の文字「準備中」は変動可能区間に制御されていることを示唆する文字である。
よって、大当り中と変動可能区間とで一連の演出を実行する場合に、見た目上の一体感を残しつつ各状態の報知を正確に行うことができる。
(A2)液晶表示器42は、大当りに制御されているときに大当りムービーを表示可能であるとともに、変動可能区間に制御されているときにテロップ表示や変動中背景を表示可能であり、大当り中表示200と変動区間中表示201は大当りムービー、テロップ表示、変動中背景よりも表示の優先度が高い。
よって、大当り中表示200と変動区間中表示201を明確に表示することができ、各状態の報知を正確に行うことができる。
なお、上記実施形態では、(A1)に示す発明をパチンコ機に本発明を適用する例を挙げたが、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンなど、他の態様の遊技機に本発明を適用してもよい。
(B1)低確率状態と高確率状態とにおいて、先読み判定の判定結果に基づいて特定演出を実行可能であり、保留記憶として記憶する大当り決定乱数が所定値であるときは特定演出の実行を制限し、所定値は高確率状態に制御されているときは大当りに制御すると決定される値であり、低確率状態に制御されているときは大当りに制御しないと決定される値であり、高確率状態から低確率状態に制御されたとき、及び低確率状態から高確率状態に制御されたときのいずれにおいても演出モードが切り替わらない。
よって、状態が変化したときに特定演出の内容に不整合が生じないようにすることができる。
(C1)特定区間において、保留記憶の数に関わらず、擬似変動表示に対応する擬似変動対応シンボル303を所定数(例えば、12個)表示可能である。また、操作ハンドル400は初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、初期位置において、指掛部400d~400fが本体枠11の下側の縁よりも下側に突出しておらず、最大回転位置において、指掛部400d~400fが本体枠11の下側の縁よりも下側に突出していない。
よって、擬似可変対応表示を明確に行うことができ、また、操作ハンドル400の破損を防止できる。これにより、遊技者が遊技にストレスを感じることを防止することができる。
(C2)所定数は、保留記憶の数に関わらず一定であるとともに、記憶可能な保留記憶の上限数(例えば、4個)よりも大きい。
よって、擬似可変対応表示と保留記憶に対応する保留表示を明確に区別することができる。
(C3)特定区間において保留表示を行わない区間を有する。
よって、擬似可変対応表示を明確に行うことができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様や各種数値はあくまで例示であり、上述した内容に限定されるものではない。
上述した実施形態では、確変領域を備えない遊技機の例で説明したが、確変領域を備える遊技機であってもよい。
上述した実施形態では、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に本発明を適用する例で説明したが、同時回しを採用している遊技機に対しても本発明を適用することができる。
上述した実施形態では、ループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に本発明を適用する例で説明したが、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に本発明を適用してもよい。また、大当りの種類も上述した実施形態に限らなくてもよく、例えば、通常モードの高確率非短縮状態(いわゆる、潜伏状態)のときに大当りに当選した場合は、時短回数が無限になる2ラウンド確変大当りや10ラウンド確変大当りを設けてもよい。また、大当りに限らず小当たりなど他の種類の当りを設けてもよい。
上述した実施形態では、7回の大当りでワンセットとなるリミッタ機の例で説明したが、6回以下又は8回以上の大当りでワンセットとなるリミッタ機であってもよい。
上述した実施形態では、確変リミッタ機に本発明を適用する例で説明したが、時短リミッタ機に本発明を適用してもよい。
パチンコ機1は、特定操作を実行することで、複数段階(例えば6段階)ある設定値(例えば設定1~6)のいずれかを設定し、設定値によって大当り確率が異なる構成であってもよい。
本発明は、設定付きパチンコ機に適用することもできる。
また、本発明は、性能表示モニタを備えるパチンコ機に適用することもできる。
さらに、本発明は、非リミッタ機に適用することもできる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
33 普通図柄表示装置
33a 普通図柄作動記憶ランプ
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
34a 第1特別図柄作動記憶ランプ
35a 第2特別図柄作動記憶ランプ
38 遊技状態表示装置
42 液晶表示器
45 演出切替ボタン
70 主制御装置
72 主制御CPU
74 ROM
76 RAM
124 演出制御装置
126 演出制御CPU

Claims (1)

  1. 開始条件が成立したことに基づいて可変表示を行うことが可能な遊技機であって、
    前枠と内枠とを有する本体枠と、
    本体枠を取り付け可能な外枠と、
    遊技領域を有する遊技盤と、
    前記開始条件が成立していない可変表示について保留記憶として記憶する保留記憶手段と、
    可変表示が開始されてから可変表示の表示結果が導出表示されるまでに、可変表示を一旦仮停止させた後に再度行う擬似可変表示を1回もしくは複数回行う擬似可変表示実行手段と、を備え、
    特定区間において、前記保留記憶の数に関わらず、前記擬似可変表示に対応する擬似可変対応表示を所定数表示可能であり、
    前記本体枠は、前記遊技領域に遊技球を発射するために、遊技者が操作可能に設けられた操作ハンドルを備え、
    前記操作ハンドルは外方に突出する指掛部を備え、
    前記操作ハンドルは初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
    前記初期位置において、前記指掛部が前記本体枠の下側の縁よりも下側に突出しておらず、
    前記最大回転位置において、前記指掛部が前記本体枠の下側の縁よりも下側に突出していない
    ことを特徴とする遊技機。
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