JP2022022742A - 音声秘匿システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明に関する技術としては、騒音をキャンセルする位置である騒音キャンセル位置の近くに配置したマイクと、騒音キャンセル位置において騒音と打ち消しあって騒音をキャンセルするキャンセル音を出力するスピーカと、騒音源の出力信号もしくは当該出力信号を疑似した信号に適応的に設定した伝達関数を施してスピーカから出力するキャンセル音を生成する適応フィルタとを設け、適応フィルタにおいて、マイクの出力を補助フィルタを用いて補正した信号をエラー信号として伝達関数を適応的に設定する能動型騒音制御(ANC; Active Noise Control)の技術が知られている(たとえば、特許文献2)。
図1に、本実施形態に係る音声秘匿システムの構成を示す。
図示するように、音声秘匿システムは、移動電話装置1、オーディオ装置2、マスキング原音生成器3、通話マイク4、第1スピーカ5、第2スピーカ6、騒音制御システム7、マスキング音調整部8、マスキング音制御部9、第1加算器10、第2加算器11を備えている。
さて、オーディオ装置2は楽曲等のオーディオコンテンツの再生音Aを出力する。
第1加算器10は、オーディオ装置2が出力する再生音Aにマスキング音調整部8が出力するマスキング音Mを加算してA+M音を出力し、第2加算器11はA+M音に騒音制御システム7が出力するキャンセル音Cを加算し、A+M+C音を出力音Xとして座席Z2用のスピーカである第2スピーカ6から出力する。
そして、オーディオ装置2が出力したオーディオコンテンツの再生音Aは、座席Z2に着座したユーザU2によって聴取される。
図示するように、マスキング音調整部8は、1からnまでのn個の帯域に対応するn個のバンドパスフィルタ81を備えており、各バンドパスフィルタ81はマスキング原音MSKの対応する帯域の成分を抽出する。ここで、図中のBPFiは、i番目の帯域に対応するバンドパスフィルタ81を表している。
ここで、各可変増幅器82のゲインはマスキング音制御部9によって制御される。すなわち、i番目の帯域に対応する可変増幅器82のゲインGiは、マスキング音制御部9から出力される制御信号CNTiによって制御される。
図示するようにマスキング音制御部9は、第1フィルタ91、第2フィルタ92、第3フィルタ93、第4フィルタ94、残存音算出用加算器95、帯域毎ゲイン設定部96を備えている。
すなわち、帯域毎ゲイン設定部96は、第3フィルタ93から出力される伝達関数Cv(z)が施された再生音Cv(z)・Aと、第4フィルタ94から出力される伝達関数Cv(z)が施されたマスキング音Cv(z)・Mとを加算した音を、マスキング実効音とする。
そして、算定した大きさに応じて、マスキング実効音の当該帯域の成分の大きさが、残存音Ceの当該帯域の成分をマスキングして、残存音Ceの当該帯域の成分が聞き取れなくなる大きさとなるように、マスキング音調整部8の当該帯域のゲインを算出する。
ΔGi=(L1i+Δk-L2i)/Cv(z)・M
を、帯域iのマスキング音調整部8のゲインの増加量ΔGiとして、現在の帯域iのマスキング音調整部8のゲインを増加量ΔGi増加させたゲインGiを算出する。
次に、騒音制御システム7の構成を図4に示す。
図示した構成は、能動型騒音制御(ANC; Active Noise Control)を行う場合の騒音制御システム7の構成であり、この場合、図示するように、座席Z2の近傍に、騒音制御システム7と接続したエラーマイク12を配置する。
また、入力した受話音声Tは補助フィルタ75を通って減算器74に送られ、減算器74は、エラーマイク12でピックアップしたエラー信号Eから、補助フィルタ75の出力を減算し、エラーとして、適応アルゴリズム実行部72に出力する。
第1段階の学習処理は、騒音制御システム7を図5aに示す第1段階学習処理部20に、エラーマイク12を学習用マイク21に置き換えた構成において行う。
学習用マイク21は、座席Z2に着座したユーザの標準的な音聴取位置に配置する。
ここで、このような学習用マイク21の配置は、頭部に学習用マイク21を固定したダミー人形Dを座席Z2に着座させること等により行う。
第1段階学習処理部20は、図4に示した騒音制御システム7から、補助フィルタ75と減算器74を排して、推定フィルタ73を伝達関数Cv^(z)が設定された推定フィルタ201に置換し、学習用マイク21の出力をエラーとして適応アルゴリズム実行部72に入力した構成を備えている。ただし、伝達関数Cv^(z)は、学習用マイク21を用いて計測した第1段階学習処理部20から学習用マイク21までの伝達関数Cv(z)とする。
第2段階学習処理部30は、第1段階の学習処理の結果として得た伝達関数W(z)を伝達関数として設定した固定フィルタ301と、可変フィルタ302と、適応アルゴリズム実行部303と、減算器304を備えている。
また、入力した受話音声Tは可変フィルタ302を通って減算器304に送られ、減算器304はエラーマイク12でピックアップした信号から可変フィルタ302の出力を減算し、エラーとして、適応アルゴリズム実行部303に出力する。
以上のように、本実施形態によれば、受話音声Tを打ち消すキャンセル音を出力する騒音キャンセルの技術を用いて受話音声TのユーザU2に対する秘匿化を図りつつ、キャンセル音による打ち消し後に残る受話音声Tのレベルに応じて、出力するマスキング音Mのレベルを、ユーザU2に対して、当該打ち消し後に残る受話音声Tが、マスキング音Mと再生音Aによってマスキングされるレベルに調整するので、受話音声TのユーザU2への漏れ聞こえを確実に防止することができる。また、マスキング音Mの出力のみによって受話音声Tの漏れ聞こえを防止する場合に比べ、音声秘匿システムが出力するユーザU2にとって騒音として聞こえてしまうマスキング音Mを小さくできる。
また、以上の実施形態では、移動電話の受話音声Tを秘匿する音声として、その漏れ聞こえを防止したが、秘匿する音声は、ラジオ受信音声や再生音声等の、受話音声T以外の任意の音声であってよい。
Claims (7)
- 所定の位置である秘匿対象位置に対して秘匿の対象とする音声である秘匿対象音声を秘匿する音声秘匿システムであって、
秘匿対象音声を出力する第1スピーカと、
第2スピーカと、
キャンセル音を前記第2スピーカから出力する騒音制御手段と、
所定の音である所定音のレベルを調整し、前記第2スピーカから出力するレベル調整手段とを有し、
前記騒音制御手段は、秘匿対象位置において秘匿対象音声を打ち消すと推定される音をキャンセル音として生成し、
前記レベル調整手段は、前記第1スピーカに出力する秘匿対象音声と、当該秘匿対象音声の秘匿対象位置までの伝達関数と、前記第2スピーカに出力するキャンセル音と、当該キャンセル音の秘匿対象位置までの伝達関数とから、秘匿対象位置における前記キャンセル音による打ち消し後に残る秘匿対象音声のレベルを算定し、算定したレベルの秘匿対象音声が、秘匿対象位置において、前記第2スピーカから出力される所定音によってマスキングされるレベルに、前記所定音のレベルの調整を行うことを特徴とする音声秘匿システム。 - 請求項1記載の音声秘匿システムであって、
前記レベル調整手段は、前記第2スピーカに出力する前記所定音と、当該所定音の秘匿対象位置までの伝達関数とに基づいて求まる、前記秘匿対象位置における前記所定音のレベルが、前記算定した打ち消し後に残る秘匿対象音声のレベルよりも、所定量大きくなるように、前記所定音のレベルの調整を行うことを特徴とする音声秘匿システム。 - 請求項1記載の音声秘匿システムであって、
前記レベル調整手段は、秘匿対象位置における前記キャンセル音による打ち消し後に残る秘匿対象音声のレベルを、予め設定した複数の帯域の各々毎に算定すると共に、前記所定音のレベルの調整を前記帯域毎に行うことを特徴とする音声秘匿システム。 - 請求項3記載の音声秘匿システムであって、
前記レベル調整手段は、前記第2スピーカに出力する前記所定音と、当該所定音の秘匿対象位置までの伝達関数とに基づいて求まる、前記秘匿対象位置における前記所定音の各帯域のレベルが、前記算定した打ち消し後に残る秘匿対象音声の同帯域レベルよりも、所定レベル大きくなるように、所定音のレベルの調整を帯域毎に行うことを特徴とする音声秘匿システム。 - 請求項1、2、3または4記載の音声秘匿システムであって、
オーディオコンテンツの音声であるコンテンツ音を出力するオーディオ装置と、
所定のマスキング音を生成するマスキング音源とを有し、
前記所定音は、前記コンテンツ音とマスキング音とを少なくとも合成した合成音であり、
前記レベル調整手段は、前記第2スピーカに出力するマスキング音のレベルを調整することにより、前記所定音のレベルの調整を行うことを特徴とする音声秘匿システム。 - 請求項1、2、3、4または5記載の音声秘匿システムであって
前記騒音制御手段は、
マイクと、
前記秘匿対象音声を入力とし、出力を前記キャンセル音として前記第2スピーカに出力する適応フィルタと、
前記秘匿対象音声を入力とする補助フィルタと、
前記マイクの出力に補助フィルタの出力を加算してエラー信号として前記適応フィルタに出力するエラー補正手段とを有し、
前記適応フィルタは、前記エラー補正手段から入力するエラー信号が0となるように当該適応フィルタの伝達関数を更新し、
前記補助フィルタには、秘匿対象位置において第2スピーカから出力されたキャンセル音によって秘匿対象音声が打ち消されたときに、前記マイクの出力に前記補助フィルタの出力を加算した信号が0となる伝達関数として学習した伝達関数が予め設定されていることを特徴とする音声秘匿システム。 - 請求項1、2、3、4、5または6記載の音声秘匿システムであって、
当該音声秘匿システムは、自動車に搭載されており、
前記秘匿対象位置は、前記自動車の座席に着座したユーザが音を聴取する位置であることを特徴とする音声秘匿システム。
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