JP2022021376A - 旅客機の座席システム - Google Patents

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Abstract

【課題】長距離旅客機のエコノミークラスの乗客は窮屈な座席に束縛され、長時間の精神的、肉体的苦痛に耐えている。乗客一人当たりの床面積を増やすことなく乗客に快適な着座環境を提供する必要がある。【解決手段】全座席を離着陸時には椅子の形状をもって床上に固定し、就寝時、飛行方向に向かって前後に一つおきに高い位置に移行する座席(高座席)と低い位置に移行する座席(低座席)とに分割し、高座席は上に、低座席は下に移行させ、背もたれと脚載せを伸ばして全座席がフルフラットまたはそれに近い二段ベッド状となすことを実現した。3人掛け、4人掛けの場合、奥のベッドから乗客が通路に出入りする際の問題を通路側のベッドを前後にスライドさせる方法により解決した。座席の位置や形状の変更は座席の脇に設備する複数本の支持架構によって具体的に実施可能となる。【選択図】図7

Description

本発明は旅客機の乗客用座席に関する。本発明は旅客機の客室内で椅子と就寝用ベッドという二つの異なる使用目的に対応して座席の形態と位置を相互に転換するにあたり、選択される最良の形態と立体配置、転換の方法、及びそのために用いられる補助設備に関する。
大陸の横断、あるいは大洋を越えて大陸間を飛翔する長距離旅客機の無着陸飛翔時間はしばしば約10時間に及び、それを超えることも珍しくない。エコノミークラスの乗客にとってかかる長時間、窮屈な座席に着座した状態を続けることは拷問に等しい苦痛であるのみならず、いわゆるエコノミー症候群など身体的な疾患を発症させることもある。本発明はエコノミークラスの座席の配置と形態を離着陸時と就寝時に対応して椅子からベッドへと変換させて乗客の身体的苦痛を取り除く座席システムとその関連技術に関するものである。
旅客機の座席は快適な座り心地の提供という目的と併せて安全性向上と軽量化を求めて終始改良がなされてきた。また航空路線では、限られた空間に可及的に多くの乗客を収容しようという見地から、種々の客室構造や座席配置が試みられた。近年は座席の上部空間の利用効率を高めることによって上記要求にこたえるべくいくつかの提案がなされている。
遊休状態にある客席の上部空間の利用を図り、収容客数を増やすべく、客席のメインデッキの中心線を挟んで上部に長細い中二階のフロアの設置を提案する特許がある。客室中心線上に設けられた階段で中二階に登ると中二階部の中心通路の両側に二列ずつ計4列の客席を配するという客室空間構成と座席配置が提案されている(特許文献1)。
エコノミークラスと同程度またはそれ以下の座席ピッチをもって休息―就寝時に横臥姿勢をとれるとする次の特許がある。
飛行方向に向かって一つおきに高いレベルの座席と低いレベルの座席が配置され、横に並ぶ複数(3人掛けが例示)の高いレベルの座席、その目の前を通路側から見ての断面形状がS字型に遮るモジュールの壁があり、壁の前方が低いレベルの座席となる。このような座席配置により、場合によりエコノミークラスの座席と同程度またはそれ以下の座席ピッチをもって休息―就寝時に横臥姿勢をとれるとしている。また同特許では実施の一形態としてモジュールが上下にキャスターを具備し、下部(床面)と上部(天井裏の強度メンバー)に架装されたレールに乗って前後に移動可能な態様も含まれる。
しかし、提案されているモジュールの通路側から見た断面形状からすると高いレベルの座席の着座姿勢は安楽とはほど遠いものである。また低いレベルの横並び奥に位置する座席への乗客の出入りの難易度はかろうじて現在のエコノミー座席並みであるとしても、高いレベルの横並び奥に位置する座席への通路から乗客の出入りは窮屈のレベルを超えて不可能に近い。
更にこの発明において、就寝―休息の状態に入るために高いレベルの座席の背もたれが倒され低いレベルの座席を前方にスライドした場合、奥の座席の乗客は三次元的に完全に封じ込まれた状態となり、通路に出るとき、前方上下及び後方上下で休息している他人にお願いする言葉に窮するであろう。
また、このように多くのくぼみを持ち開口部が一面に限られる成型されたものが客室内を常時占有することは狭隘感を増大させ乗客に大きな心理的圧迫を与える。
座席が空間を区切る度合いが大きくなるので空気の淀みを増大させ、それに応じた空調設備を必要とする。また、客室乗務員による高いレベルの座席の乗客への食事サービスにも危険や不便があり、労働負担を増大させる。客室の整備、修理そして清掃作業の手間が大幅に増大することも一見、明らかである。(特許文献2)
低位置にある座席と高位置にある二種類の座席が前提となる特許がある。そのいずれもが立位と横臥位という二種類の座位モードを取ることができ、座席が立位(背もたれが起立している状態)から横臥位(背もたれが水平に近い状態)に転換する際、二種類の座席の荷重保持面の間の距離(高低差)が増加するようにそれをなすことを特徴としている。少し具体的には、進行方向に前後関係にある座席の一つを低位置に、もう一つを高位置に配し、座席の背もたれと脚載せが横臥位(水平またはそれに近い姿勢)に向かって動くとき、二種類の座席の一方または両方が互いの垂直距離を長くする方向に動くという仕組みを権利として主張している。具体例の典型として、低位の座席が横臥位に転換するとき座面も含めて座席の床からの高さがより低くなるように動き、高位の座席はその時、座面も含めて床面からの高さがより高くなるように動く。
しかしながらこの発明では大前提として、低位置に設置された座席と高位置に設置された座席が(交互に)存在することとなっており、この座席配置と座席形状から見て3人掛け、または4人掛けの座席配置の場合、低位置座席であって通路から見て奥の座席への乗客の出入りは、通路側の席が空席であっても物理的に大きな困難を伴い、通路側の席に乗客がいれば不可能となる。また食事に当たって低位置の座席の乗客は狭苦しい思いをしなければならず、高位置の座席の乗客も客室乗務員も熱い湯茶をこぼして周囲に迷惑を及ぼさぬよう細心の注意を払う必要がある。
更に、この発明においては高位置にある座席を含めすべての座席は緊急着陸時の大きなGに耐える構造物として製作し、相応の強度をもって床に固定しておく必要があり、特に高位置の座席にかかる前方へのモーメントは通常の座席の二倍程度を想定しての設計が必要となる。(特許文献3)
全席が、通常のエコノミー座席の通常の座席高さにくらべて40~50cmほど高い位置にあり前方に斜めに倒すことができる座席脚の上に設置されており、乗客がリクライニング姿勢を望むとき、座席脚を前面下方に向かって滑り出させ、結果として背面に生じる空間に背もたれを倒し、(図示されていない)前面下方に向かって足載せを伸ばして(図示されていない)リクライニング姿勢を獲得するという特許がある。
リクライニング時、背もたれのリクライニング角度はせいぜい40度(水平面から)までであり、フルフラットには程遠い。また三人掛け、四人掛けの場合に生じる奥の座席への出入りの問題は考慮されていない。(特許文献4)
三人掛けの座席を対象として、離着陸時に飛行方向に向かって座る3人掛けの座席スペースを就寝時に、飛行方向に対し直角に使用して最大3段のベッドに変換するという特許がある。この技術のポイントは相隣る3人の誰にも迷惑をかけずにベッドから通路に出入りできる点にあるとする。
3人分の座席のうち最初にベッドに転用されるのは通常、座席として使われていた横並び3列の座面である。または3段ベッドとして使用する時、一番目は少し高くした三列座面、二番目は背もたれの上端を支持点として背もたれを水平に起こして作られる水平面、3番目は一番目のベッドの下部空間を使用する。一番目を除いて洞穴のような空間に潜り込んだり出たりするのはかなり身体的に無理な姿勢を強要される。
またこの技術では、座席の横並び長さがベッドの長さとなるので2人掛け座席の場合、寸法が不足してベッドにはなり得ない、4人掛けの座席の場合、横方向に4人分の座席幅があるのでベッド長さとしては十分であるが、縦に4人分の寝台を作ることは天井高さの制限から不可能である。(特許文献5)
客室内において、就寝時に二階ベッドを増設する方式が紹介されている特許がある。この発明のこの部分はもともと十分な空間が確保されたファーストクラスの乗客のためにスペースをより有効に利用するための一つの形態であり、窓際の上部の斜めの壁に沿って組み込まれていたベッドを引き倒し、それに内蔵される梯子を十分な空きスペースに向かって取り付けるだけのものであり。高密度のエコノミークラスの座席群に関する技術思想と比較しうるほどの苦心の技術思想は存在しない。(特許文献6)
飛行方向に向かって前後に一つおきに、座席を水平に伸ばしながら高いい位置に移動させて固定する一群と、座席を水平に伸ばしながら低い位置に移動させて固定する他の一群とに分けるという概念としての技術思想が紹介されているものがある。
この公開公報には二つの座席群の当初の状態と移動した後の状態についての具体的記述がないのみならず座席の移動及び固定の具体的方法についての記述もないので特許発明とは言い難い。(特許文献7)
米国特許4,066,227(Appl.No:705,790 Filed: July 16,1976) WO97/07021A2 米国特許US2015/0274298A1 Filed: Mar.26,2015 特開2019-023058号公報 特開2004-509017号公報 特表2019-521034号公報 特開2001-158267号公報
長距離旅客機のエコノミ―座席は、客室床上に固定されており、背もたれのリクライニングの角度や足を延ばす距離は座席の前後の距離(座席ピッチ)によって制限されるから、乗客は離陸から着陸まで窮屈な座位を取り続けるほかなかった。この長時間に亙る心理的、肉体的苦痛から乗客を解放することはエコノミー座席に関する切実な課題であった。
本課題の解決のため、前述のような先行技術思想が提案され開示されているが、満足のゆく解決策はない。特許文献2のように固定的に設置される低い位置の座席と高い位置の座席の組み合わせにおいては、座席が不動の構造体として床の上に固定されており乗客が利用できる空間が入り組んで狭隘を極める結果となっている。
また、3人掛け4人掛けのように通路から見て“奥の座席”(通路に出るためには通路側の乗客をまたぐか同乗客の起立を必要とするような座席)に付随する問題を意識したものは特許文献5を除けば皆無である。
特許文献7では、就寝時に座席を寝台に切り替えるべく飛行方向に向かって前後に一つおきに高い位置に移動する座席群と低い位置に移動する座席群に分けるという技術思想が開示されているが、技術課題解決の具体策については不明である。
全座席が離着陸時には飛行方向を向いており、就寝時、飛行方向に向かって前後に一つ置きに高い位置に移行する座席(高座席)と低い位置に移行する座席(低座席)の二つの群からなり、高座席は上に、低座席は下に移行させることによって、すべての座席の前後に座席ピッチの二倍の空間を出現させ、その空間に向かって背もたれと脚載せを伸ばすことによって全座席をフルフラットまたはそれに近い状態の二段ベッド状となすことを実現した。
低座席を低い位置に移行させるとき併せて前方に座席の一ピッチ分移動させる態様を選択することも可能とし、客席設計に当たり許容空間の長さ方向の利用効率を極大化できるようにした。高いベッドから通路への乗り降りには、足載せを垂下させて作られる階段と併せて梯子を利用する。
三人掛けや四人掛けの座席配置において生じる“奥のベッド”の問題は、通路側のベッドを必要な長さだけ後方に移行させて出入りための空間を作り出すことによって解決した。
1.従来のエコノミー座席が配置される面積内に二階建てベッドに変換可能な座席をほぼ同じ数、配置す ることができる。
2.低座席を低い位置に移行するとき併せて前方に座席の一ピッチ分移動させる実施態様を含めることに より、空間利用効率の高い座席の全体配置設計が可能となる。
3.両側に通路がある3人掛けまたは4人掛けの座席を二階建てのベッドに変換したとき、通路側から見 て“奥のベッド”の乗客が通路に出入りするとき通路側の乗客をまたぐという問題を、通路側のベッ ドを後方に移動させることにより解決した。
4.離着陸時の大きなGに対応するように作られた床、座席脚など既存の技術や部材をそのまま流用出来 る。
5.食事提供時を含め離着陸時の座席配置と乗客の着座姿勢は従来のエコノミークラスと実質同じであり 、客室乗務員に余分な負担は生じないし再教育の必要もない。
6.座席が二段ベッドの状態に変換された後も客室乗務員による乗客の存否の一瞥視認は容易であるから その観点からの追加的安全確認業務は発生しないし、そのための特段の教育訓練は不要である。
座席の基本的構成要素と形態を示す概要図 上下二層からなり前後にスライド自在の座面枠を持つ座席の概要図 両側が通路である2人掛け座席群の標準モードの一例を示す斜視図 両側が通路である4人掛け座席群の標準モードの一例を示す斜視図 図2の座席群の側面図と平面図 図2の座席群が就寝モード1にあるときの側面図と平面図 標準モードと就寝モード1の乗客の身体の位置関係を示す図 通路側の高いベッドの乗客が通路への昇降に用いる階段と梯子を示す説明図 標準モードから就寝モード2に移行中(その一)と移行後の状態を示す説明図 標準モードから就寝モード2に移行中(その二)と移行後の状態を示す説明図 標準モードと就寝モード2の乗客の身体の位置関係を示す図 奥の高いベッドの乗客が通路への昇降のとき通路側の高いベッドを移動させる説明図 頭頂部背面に凹部を持つ背もたれとその使用上の効果を示す説明図 長身者用の背もたれが使用された状態を示す概要図 高座席用の昇降装置の一例(奥の座席部分は図示せず)の概要図 高座席用の昇降装置の一例の概要図 高座席用の昇降装置の一例の概要図 座席の固定用留め金ユニットの一例の概要図 座席の固定用留め金ユニットの一例の概要図 客席床面積利用効率から見た就寝モード1と2の違いを示す説明図
通路と通路の間に二個の座席が横に並んでいる形式を2人掛け(図2)、3個の座席が並んでいる形式を3人掛け、4個の座席が並んでいる形式を4人掛け(図3)と呼び、このように飛行方向に向かって横から見た複数の座席の配列を座席配置と呼ぶ。
本発明は2人掛けのエコノミー座席配置に対して最も効果的に適用されるが、通路に面した座席の構造を選ぶことにより、3人掛けおよび4人掛けのエコノミークラス座席配置にも適用できる。
本発明において座席とは一例を図1に示すようにシートベルト19と同受け金具20が装着された座面9または10、当該座面の後縁部で関節等を介して連結される背もたれ7または8、同前縁部で関節等を介して連結される足載せ11または12、及び座面(及び場合により背もたれ)をその下部で支持固定する剛性のある材料で作られた座面枠6の基本4部品がひとまとまりとなったものをいう(図1)。座面枠は基本的に座面を支持するが、リクライニング自在椅子に見られるように背もたれと座面の両方を支持する形式のものをも含む。また座席には後述するように3または4人掛けの座席配置において、通路に面した座席に使用されるスライドレール13を介して連結する二層構造の座面枠を持ち座面が前後にスライド自在である座席(図2)も含まれる。
本発明ではどちらかの側が通路に面する座席とそうでない座席を区別し、通路に面する座席にサフィックスaをつけ、通路に面しない奥の座席にサフィックスbをつける。図1では奥の座席は図示していない。通路側に面するか否かを区別する必要がない場合にはサフィックスをつけない。座面枠6は座席と一対一で対応するものと、図1、図2のように一つの座面枠6が横並び二つの座面を支えるものとがある。
座席は離着陸時など、支持架構(後述)の下部に椅子の形状(図1の椅子の状態)をもって所定の高さで固定され、就寝時に前後に一つおきにより高い位置またはより低い位置に移行し背もたれと脚載せが水平に近い形状に変換されベッドの形状となる(図1のベッドの状態)。ベッドの形状となった座席をベッドと呼ぶ。
より高い位置またはより低い位置に移行する座席をそれぞれ高座席、低座席、各々の形状がベッドに変換されたものをそれぞれ高いベッド、低いベッドと呼ぶ。
ひじ掛けは座面枠6の両側(二つの座面を持つ座面枠の場合は併せてその中央部にも)上部に取り付けられ、座面枠両側部と共にスライドレールを介して支持架構と昇降自在に結合している。座面枠両側部のひじ掛けは座席の昇降運動の円滑化に資する安定板14としても機能する。
シートベルトと同受け金具は座面と背もたれを連結する関節または心棒30に取り付けられ(図18,19)、前記関節または心棒は座席が椅子として機能する離着陸時、及びベッドとして機能する就寝時、それぞれの位置で留め金によって支持架構(後述)に固定される。
本発明には座席が使用状況に応じてより高い位置またはより低い位置に移行し、また前後方向に移動し、それら移行や移動に対応して座席形状が椅子からベッドに変化する態様が含まれる(図6~11,14)
座席を床上の所定位置に固定し、また位置や形状の変化した座席を安全確実に保持するために、座席の側部に柱状の部材を建て、その上部を相互に桟または桁状の部材などによって結合する。これら縦横の構造部材を支持架構と呼ぶ。柱状の部材を柱状支持架構と呼びこれらはすべて下部において座席脚と一体化するよう緊結固定されているか、座席脚と独立して設置する場合は座席脚と同等の耐前方G、耐下向きGの剛性を持たせる。柱状支持架構の上端部は天井を突き抜け、胴体のリブまたは縦通し材に直接、または力の分散機構を介して、かつダンパーを介してまたは介さずに連結されることが望ましい。そうすることにより支持架構と胴体は相補的に補強され、高いベッドの安定性も増す。柱状支持架構と直交し水平で飛行方向に沿った支持架構を梁、飛行方向に直角なものを横桟と呼ぶ。
支持架構は軽量高剛性合金やアラミド系またはカーボン系FRPなどを素材とし、中空構造を持ち、寸法と断面形状は場所と目的に応じて決められるが角パイプやC形チャンネルが好適に利用できる。
本発明では使用状況に応じて座席の形状と立体配置が変化する。
全座席が椅子の形状を持ち飛行方向を向いて柱状支持架構下部に固定された状態を標準モードと呼び、このとき全座席の座面高さは通常のエコノミー座席の座面高さと同程度に設定される。 標準モードにおいて2人掛けの座席群が取る座席の基本構成の一例を図3に、4人掛けの座席群が取る座席の基本構成の一例を図4に示す。
就寝時に高い位置に移行させられる高座席と、低い位置に移行させられる低座席が飛行方向に向かって前後一つ置きに配置される。2人掛けの座席群の標準モードにおける側面図と平面図を図5に示す。
図6,7,8に示すように、高座席が高い位置に、低座席が低い位置にそれぞれ移行し、各座席の背もたれ7,8を倒し脚載せ11,12を水平にすることにより、座席はベッドに変換され、低座席の脇に取り付けられていた梯子枠44がその両側において柱状支持架構3dと4cに固定され就寝モード1となる。
背もたれを倒す仕組みは電動または空気圧駆動方式であってもよいし、安楽椅子などに用いられるように背もたれと座面の両方に支持点を置くことによるリクライニング自在方式であってもよい。足載せは、乗客が通路に出入りする際にこれを単独で上下させる必要があるので、座面との関節の駆動には電動または空気圧方式が採用される。高座席の足載せのつま先側先端部には踏板42と連結する仕組み(図示せず)が備えられている。
低座席の移行の仕方に応じて就寝モードは1と2に分けられる。低座席が水平面内の位置を変えずに低い位置に移行する就寝モード1と、低い位置に移行するとともに前方に座席ピッチ分の長さ分だけ移動する就寝モード2とである(表1)。
(表1)

┌──────────┬──────────┬──────────┐
│座席モード │低座席の水平位置 │図面番号 │
├──────────┼──────────┼──────────┤
│就寝モード1 │不変 │6,7,8 │
├──────────┼──────────┼──────────┤
│就寝モード2 │前方に移動 │9,10,11 │
└──────────┴──────────┴──────────┘


2人掛けの座席が標準モードから就寝モード1に変換された状態を図6,7に示す。同様に標準モードから就寝モード2に変換される過程を図9,及び10に示す。低座席の移行-移動方式は二つあり、座席枠下に取り付けたキャスターに乗って組み立てられたブリッジ40の上を滑り降りてゆく方式その一(図9)とキャスター付きの台車45に乗って前方に移動する方式その二(図10)である。
就寝モード1では図6~7の通り、座席の垂直方向での移行に際して水平面内の位置は変わらないから、モードの変換時に座席と支持架構や昇降装置などとの三次元空間的整合をとる必要がない。従って二人掛けの場合、高座席も低座席も、相並ぶ二つの座面を一つの座面枠6に取り付けて取り扱うことができる。(図1,15,16,17)
標準モードで座位にあるときと就寝モード1で横臥位にあるときの乗客の位置と身体形状の変化は図7の通りとなり、高いベッドの乗客の腰の真下に低いベッドの乗客の頭部があり、横臥位となった上下の乗客の身体は身長の半分、位相がずれる。
就寝モード2では図9~10に示すように、低座席は前方に移動しながら下降し最終的にひとつ前の高座席が固定されていた場所の低い位置に固定される。2人掛けの座席配置であって座席と座席の間に柱状支持架構3eと同3f及び、二人掛け座席の中間部に駆動部を持つ高座席用昇降装置(図15,16,17)があるときは水平方向への移動に際して低座席の二人掛け座面枠がこれらと衝突するので横並びの二つの低座席は一つの座席枠に取り付けることは出来ず、一つずつ独立別個のものとなる。
就寝モード2で横臥位に移行したときの乗客の位置と身体形状の変化は図11の通りであり、上下の乗客の身体の位相はそろっている。
就寝モード2は1に比べて装置、操作共に複雑となるが次の利点がある。図20に示すように、就寝モード2の場合、客室の長手方向の一定の距離の中に収納される連続した座席数は、それが偶数個の場合には就寝モード1より一つ増える。これは客室のレイアウト設計において重要な要素である。
いずれの就寝モードであっても、高いベッドと低いベッドの高さの差が大きいほど乗客の快適さは増す。両者の座面間の高低差は80cm以上が好ましく90cm以上あれば乗客の大半は座面に腰を下ろした状態で頭上にゆとりの空間を保つことができる。しかし高いベッドの床上高さは乗客の利便と安全から低い方が好ましいのみならず客室の天井高さの制限を受ける。これら諸条件を勘案すると、就寝モードにおいて低いベッドの座面高さは床から40cm以下であることが好ましい。
座席が就寝モードにあるとき、一人の乗客の利用可能水平距離(座席をフルフラットにしたとき頭頂からつま先までの長さ)は座席ピッチの二倍であり、ピッチが85cmならば170cm、ピッチが90cmなら180cmとなる。
しかしフルフラット(完全水平状態)を少し犠牲にすることによって座席ピッチの二倍を超える身長の乗客にも対応できる。それは背もたれ7,8を水平よりわずかに起こし、足載せ11,12をわずかにつま先下がりとすることにより実現できる。具体的には前方の乗客の頭部の下に当方の脚先が潜りこむ形をとることによって実現できる(図13,14)。
本発明には背もたれ7,8の立ち上がり角度及び足載せのつま先下がり角度を最小限にするために後頭部背面に凹部39を持つ背もたれ(図13)を使用する態様も含まれる。また同背もたれは三人掛けまたは四人掛けの座席配置の場合に“奥のベッド”の乗客が通路に出入りする際に通路側のベッドを後方にスライドさせる(後述)際にも同様の効用を発揮する。
高座席は昇降装置(図15,16,17)などの助けを借りて高い位置に、低座席は原則、手動で低い位置に移行させられる。二つの座席モード間の相互変換は狭い空間内で互いに隣接する座席の位置や形を変えることなので、互いの接触や邪魔が発生することを防止するため、一定のシークエンスに従って行わせるのが良い。
標準モードから就寝モード1への機械的操作シークエンスの一例を二人掛け座席について次に示す。
1.低座席の背もたれ7を垂直に立て、高座席が上に移行するための空間を作る。
2.高座席の固定留め金ユニット28uの留め金29(図18)を解除して高座席用の昇降機(図16,17など) を作動させて座席を上昇させる。
3.高座席を柱状支持架構上部の所定位置に留め金ユニット(図示せず)により固定し、背もたれ8を倒 してその頭部を横桟5jに、脚載せ12を水平に伸ばしその先端を柱状支持架構4cと同4eの内側に固定し て高いベッドとする。手すり18は背もたれと連動して起立する。
4.ダンパー付きスプリング20によって少し押しあげられながら標準モードの位置に留め金ユニット28d (図19)に固定されている低座席の座面留め金29を解除して手動で押し下げて低い位置に留め金ユニ ット(図示せず)により固定し、背もたれ7を倒し脚載せ11を水平の伸ばしそれぞれの先端を3cと3e の内側に固定して低いベッドとする(図5、6)。
5.低座席の通路側に置かれた梯子枠44を柱状支持架構3dと4cの間に移して固定する(図5.6)。
就寝モード2への高座席の移行とベッドへの変換の仕方は就寝モード1の場合と同じである。
低座席を低い位置に移行させる際に、併せてこれを飛行方向(前方)に向かって次に説明する方法で水平に移動させ、空になった高座席の元あった位置に低い座面高さをもって固定する。
低座席の移動方式には次の二種類を含む。その一では、低座席の座面を前方の柱状支持架構3c,3eに向けて送るブリッジ40を造ったのち低座席を標準モードの位置から解放して斜め下、前方へ滑り落とし前方の高座席の場所に至らしめ固定する(図9)。
その二では、低座席の座面を押し下げ、キャスター付きの台車45に乗せて前方に移動させ前方の高座席の場所に固定する(図10)。留め金ユニットなどは前記と同種のものが使用される。
乗客がベッドから通路に出入りする際に必要とされるる仕組みについて説明する。
両側に通路がある二人掛けの座席の場合、就寝モード1において高いベッドの足載せ12の先端は足載せ12が水平になったとき柱状支持架構4c,4eに懸架された踏板42の下端と連結する。乗客が通路に上り下りするには、足載せ12aの関節を駆動させてこれを垂直に下ろし脚載せの先端に連結された踏板42を水平にしてこれを下の梯子枠に通じる階段とする。踏板42の一端は足載せの先端に連結されており、他端はそれに取り付けられた横桟が柱状架構4cと4eに沿って滑り降りて水平位置で固定される(図8)。乗客は踏板42と梯子枠44を経て上下する。梯子枠44は支点を柱状支持架構3dと4cに持ち、図8のように角度を調整できるものであってもよい。
両側に通路がある二人掛けの低いベッドの乗客が通路に出入するときは、高いベッドの足載せ12と踏板42が下方に降りていれば、それらを上部の就寝モードの位置に戻し、低いベッドの足載せ11の場所から出入りする。
両側に通路がある二人掛けの座席の場合、就寝モード2において通路側の高いベッドの乗客が通路に上り下りする仕方は就寝モード1の場合と同じである。低いベッドの乗客が通路に出入りに当たっては、就寝モード1の場合と同様に、高いベッドの足載せ12と踏板42が下方に降りているときはそれらを上部の就寝モードの位置に戻し、梯子枠44を開いて 低いベッドの足載せ11の場所から出入りするか、または自らの座面の位置すなわち柱状架構3cと3dの間から出入りする。
座席配置が3人掛けまたは4人掛けの場合には両側とも通路に面していないベッド(奥のベッド)が必ず発生し、上記どちらの就寝モードであっても“奥のベッド”から通路への出入りの問題が生じる。すなわち“奥の低いベッド”にいる乗客は通路に出入りするとき、通路側のベッドの乗客に脚を曲げるよう声をかけるか、またはその乗客の下肢部をまたいでゆかねばならないし、“奥の高いベッド”にいる乗客が通路に上下するとき、通路側のベッドの乗客に同様の気遣いをした後、危険な姿勢で梯子枠44まで足を延ばすこととなる。どちらの乗客にとっても不愉快であり、移動する側にとって危険を伴うこの問題を本発明は下記のように通路側のベッドを後方にスライドさせることによって解決した。
通路側の高いべッドの座面枠6をスライドレールを挟んだ二層構造のものとする(図2)。二層は常時留め金(図示せず)によって互いに動かないように固定されている。奥のベッドの乗客が通路に降りるとき、(例えば電気スイッチなどにより)通路側の高いベッドの上記留め金を解除し、(同時に足載せ12aと踏板42aとの連結も連動して解除され)前後スライド自由となった通路側の高いベッドを手動でまたは電動で後方にスライドさせ(図12)、それによって当該ベッドの下肢部に通路に出るための空間を作る。後方にスライドする高いベッドの背もたれ8aには後頭部背面に凹部39を持つもの(図13)を選択する。後方にスライドしてくる高いベッドの動きに伴って一つ後方の高いベッドの足載せ12aのつま先を少し下げるという仕組みが組み込むことにより後方の高いベッドの乗客への迷惑は減る。
次いで奥のベッドの足載せ12bと踏板42b、42aを下ろして水平とし梯子枠44に至る踏み台とする。踏板42aは足載せ12aとの連結が解除されると同時に踏板42btと横の面で連結する仕組みを加えることにより便利さが増える。奥のベッドの乗客は踏板42b,42a及び梯子枠44を経由して通路に降りる。
通路側の低いベッドについては、就寝モード1で使用されるときは座面枠6を図2に示す構造のものとし、奥のベッドの乗客の必要に応じて、上記高座席の場合と同じ手順で通路側の低いベッドを後方にスライドさせ、下肢部に空間を作る。奥のベッドの足載せ11bを下ろせばそのまま通路に出ることができる。
就寝モード2で使用される低座席はもともと前後スライド自在であるから、必要時、通路側の座席の留め金を外して後方へ押しやって下肢部に空間を作る。次いで奥のベッドの足載せ11bを下ろし、梯子枠44を押し開いて(図示せず)通路に出る。
ジェット推進の旅客機客室内ではエンジンからのバイパスからなる圧縮空気が利用でき、また巡航高度13000mでの外気圧160hPa程度に対して室内は850hPa 程度に与圧され、4~5回/時で換気するので、これらの空気圧力差も安価且つ好適に利用できる環境にある。
図15は室外の低圧空気を利用する吸引ポンプ式昇降装置を二人掛けの座席(図3)に適用したものである(片方の座席は図示せず)。座面枠6の横方向中間部の善後両側にワイヤロープが緊結され、ワイヤロープは柱状支持架構3eと同3fの内側に沿って上行し、上部の支持点に取り付けた滑車24と中央部の滑車24を経て,下降し吸引シリンダー23の中のピストン22に繋がる。シリンダー下部の空気は調節弁26などを経て機外に繋がる。調節弁25によりシリンダー内部を機外大気27に通ずることにより、ピストンは下降しワイヤによって座席は引き上げられる。シリンダー内径が6cmで、有効圧力差が600HPaのとき、12kgの座席を持ち上げることができる。スペースの関係で大口径のシリンダーが使えなければシリンダーを二本にする。座席を下降させるときは調圧弁26によりシリンダー内を機内空気25と結ぶ。この形式の昇降装置は二人掛け座席の両側の柱状支持架構内側に設置してもよい。
図16は圧縮空気を用いる昇降装置で三人掛けまたは四人掛けにおける横並び二人用座席に適用した場合を示す。座席中央部床面に複数段(図16では3段)の伸縮式のシリンダー32が設置されておりその上端が座面枠の底部を持ち上げる。シリンダーは最下段30が一番太く、上に行くに従い細くなる。相隣るシリンダーは高度のすり合わせで篏合している。気密性向上のためピストンリング34を装着してもよい(図16右の図)
下部の調節弁25から圧縮空気31を注入することによりシリンダーは伸長して座席枠を持ち上げる。シリンダーの過伸長防止のため内部にはストッパーのチェーン33が取り付けられる。座席を下降させるときは調節弁26によりシリンダー内を機内空気25と結ぶ。
図17は二人掛け座席におけるばねの力を利用したX字型の昇降装置である。図4のように4人掛け座席が二組の二人掛けに分割されたときもこの座席形態となる。標準モードの位置から上昇を始めるとき中央に設置する垂直に立てられたポンプ式昇降補助機35によってある高さまで座面枠を持ち上げ、残りをX 字型の昇降機36が受け持つ。ピストン付きシリンダー37は内部の空気圧を変化させてばねの力を加減するためのものである。
昇降装置としてラック―ピニオンギア方式、スクリュー方式、電動巻き上げ方式の昇降機なども利用でき、本発明はこのような昇降装置の利用を排除するものではない。
背もたれを倒したり立てたり、足載せを水平に伸ばしたりするための仕掛けについて説明する。関節部に空気の圧力差で曲げ伸ばしを行う蛇腹式の機構を組み込む方法がある。関節は50cmほどの長さがあるので数百hP程度の圧力差で十分のトルクを得ることが可能である。関節部に組み込んだトルクばねとの併用も効率的である(図示せず)。
就寝モードにおける痴漢行為の防止、感染症予防及びプライバシー確保のための設備について説明する。二人掛け座席び中央部の柱状支持架構4e,と3eと3f(図3)、四人掛け座席中央部の柱状支持架構4gと3gと3h(図4)の上部と中間部を飛行方向に沿って連結する梁5d、5cがありこれらを利用して高いベッド用のパーティション38を取り付けることができる。梁5cより下部についてはひじ掛けと柱状支持架構4e、同3eを利用して(図3,4)低いベッド用のパーティションを設置できる(図4では図示せず)。
また図15あるいは図16に示す形式の高座席用昇降装置が用いられる場合は昇降装置のカバー17がその用をなす。
1座席
2床面
3 高座席用柱状支持架構
3c 高座席の通路側の柱状支持架構(後部)
3d 高座席の通路側の柱状支持架構(前部)
3e 二人掛け高座席の座席中間部の柱状支持架構(後部)
3f 二人掛け高座席の座席中間部の柱状支持架構(前部)
3g 4人掛け高座席の通路から2座席奥の柱状支持架構(後部)
3h 4人掛け高座席の通路から2座席奥の柱状支持架構(前部)
4 低座席用柱状支持架構
4c 二人掛けまたは四人掛け低座席の通路側の柱状支持架構
4e 二人掛けまたは4人掛け低座席の通路から一座席奥の柱状支持架構
4g 4人掛け低座席の通路から二座席奥(中央)の柱状支持架構
5 水平方向で使用される支持架構
5j 柱状支持架構4cと4eと(4g)を中間高さで結ぶ横桟、高座席の背もたれの頭部を支持
5k 柱状支持架構4cと4eと(4g)を高い位置で結ぶ横桟、高座席の乗客の手すりを併用
5c 横並び座席の中央部柱状支持架構の中間部を前後方向水平に結ぶ桁材
5d 横並び座席の中央部柱状支持架構の上部を前後方向水平に結ぶ桁材
6 座面枠
7 低座席の背もたれ
7a 通路側の低座席の背もたれ
7b 奥の低座席の背もたれ
8 高座席の背もたれ
8a 通路側の高座席の背もたれ
8b 奥の高座席の背もたれ
9 低座席の座面
9a 通路側の低座席の座面
9b 奥の低座席の座面
10 高座席の座面
10a 通路側の高座席の座面
10b 奥の高座席の座面
11 足載せ
11a 通路側の低座席の足載せ
11b 奥の低座席の足載せ
12 高座席の足載せ
12a 通路側の高座席の足載せ
12b 奥の高座席の足載せ
13 座面を座面枠上で前後に動かすスライドレール
14 高座席の昇降安定板
15 高座席の座席脚
16 低座席の座席脚
17 昇降装置カバー
18 高座席の背もたれ側部の落下防止柵
19 シートベルトの収納ケース
20 シートベルト受け金具
21 低座席昇降用ダンパー付きスプリング
22 高座席昇降装置シリンダーの内部のピストン
22 高座席昇降装置シリンダー
24 滑車
25 機内空気
26 調節弁
27 機外空気
28 座席固定用留め金ユニット
28u 高座席標準モード用留め金ユニット、低座席就寝モード用留め金ユニット
28d 高座席就寝モード用留め金ユニット、低座席標準モード用留め金ユニット
29 座席固定用留め金
30 背もたれと座面を連結する心棒
31 圧縮空気
32 多段式加圧空気駆動シリンダ
33 シリンダー用ストップチェーン
34 ピストンリング
35 ポンプ式昇降補助機
36 高座席を昇降させるX字型のバー
37 スプリングの力を調整するシリンダー
38 パーティション
39 背もたれの後頭部の凹部
40 低座席の座面を移動させる為のブリッジ
41 低座席移動用のブリッジを駆動するシリンダー
42 高いベッド乗客が通路への上り下りに用いる踏板
42a 通路側の高いベッドの乗客が通路への上り下りに用いる踏板
42b 奥の高いベッドの乗客が通路への上り下りに用いる踏板
43 捨て番
44 梯子枠
45 低座席移動用キャスター付き台座

Claims (7)

  1. 旅客機の座席が就寝時にベッドの形状に変換される構成からなり、高座席用または低座席用支持架構が前記座席の両側部に前後一つおきに配置され、前記高座席用支持架構に昇降自在に取り付けられる前記座席が就寝時に離着陸時の位置より高い位置に移行して固定されるとともに前記低座席用支持架構に昇降自在に取り付けられる前記座席が就寝時に離着陸時の位置より低い位置に移行して固定されることを特徴とする旅客機の座席システム。
  2. 前記低座席用支持架構に昇降自在に取り付けられる前記座席が前後方向にスライド自在に取り付けられ就寝時に離着陸時の位置より低い位置に移行するとともに一つ前の座席の位置に移動して前記高座席用支持架構に固定されることを特徴とする請求項1に記載の旅客機の座席システム。
  3. 前記高座席用支持架構または低座席用支持架構に昇降自在にとりつけられ就寝時に離着陸時の位置より高い位置または低い位置に移行する前記座席が、同座席の座面枠内に内蔵されるスライドレールによって前後方向にスライド自在であることを特徴とする請求項1に記載の旅客機の座席システム。
  4. 単独のまたは両側が通路に面する二人掛けの前記座席がその両側部に配置される前記高座席用または低座席用の支持架構にローラーまたはボールベアリングを有するスライドレールを介して組み立てられることを特徴とする請求項1または2に記載の座席システム
  5. 単独のまたは二人掛けの前記座席の下部に、空気の圧力差によって駆動される座席昇降装置を設置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の旅客機の座席システム。
  6. 単独の前記座席の両側または二人掛けの前記座席の中央部または両側に立つ前記高座席用支持架構内部に、空気の圧力差によって駆動される座席昇降装置を設置したことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の旅客機の座席システム。
  7. 前記座席が背もたれの頭頂部背面に形成された凹部を持つことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載に記載の旅客機の座席システム。

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