図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
<1.飲料製造装置の概要>
図1は飲料製造装置1の概要図、図2は飲料製造装置1の制御装置11のブロック図である。飲料製造装置1は、焙煎コーヒー豆と液体(ここでは水)からコーヒー飲料を自動製造する装置であり、一回の製造動作につき、コップ一杯分のコーヒー飲料を製造可能である。飲料製造装置1は、豆処理装置2、抽出装置3及び制御装置11を含む。
制御装置11は飲料製造装置1の全体を制御する。制御装置11は、処理部11a、記憶部11b及びI/F(インタフェース)部11cを含む。処理部11aは例えばCPU等のプロセッサである。記憶部11bは例えばRAMやROMである。I/F部11cは外部デバイスと処理部11aとの間の信号の入出力を行う。
処理部11aは記憶部11bに記憶されたプログラムを実行し、操作ユニット12からの指示或いはセンサ群13の検出結果に基づいて、アクチュエータ群14を制御する。操作ユニット12はユーザの指示入力を受け付けるユニットであり、例えば、タッチパネル、機械式スイッチである。ユーザは操作ユニット12を介して、コーヒー飲料の製造を指示可能である。センサ群13は飲料製造装置1に設けられた各種のセンサ(例えばお湯の温度センサ、機構の動作位置検出センサ、圧力センサ等)である。アクチュエータ群14は飲料製造装置1に設けられた各種のアクチュエータ(例えばモータ、電磁弁、ヒーター等)である。
豆処理装置2は、焙煎コーヒー豆から挽き豆を生成する。抽出装置3は豆処理装置2から供給される挽き豆からコーヒー液を抽出する。抽出装置3は、流体供給ユニット7、後述する駆動ユニット8、抽出容器9及び切替ユニット10を含む。豆処理装置2から供給される挽き豆は、抽出容器9に投入される。流体供給ユニット7は、抽出容器9にお湯を投入する。抽出容器9内で挽き豆からコーヒー液が抽出される。抽出されたコーヒー液を含むお湯が切替ユニット10を介してコーヒー飲料としてコップCに送出される。
<2.流体供給ユニット及び切替ユニット>
流体供給ユニット7及び切替ユニット10の構成について図1を参照して説明する。まず、流体供給ユニット7について説明する。流体供給ユニット7は、抽出容器9へのお湯の供給や、抽出容器9内の気圧の制御等を行う。なお、本書において、気圧を数字で例示している場合、特に断わらない限り絶対圧を意味し、ゲージ圧とは大気圧を0気圧とする気圧である。大気圧とは、抽出容器9の周囲の気圧、又は、飲料製造装置の気圧を指し、例えば、飲料製造装置が海抜0mの地点に設置されている場合は、国際民間航空機関(=「International Civil Aviation Organization」〔[略]ICAO〕)が1976年に制定した国際標準大気(=「International Standard Atmosphere」〔[略]ISA〕)の海抜0mでの基準気圧(1013.25hPa)である。
流体供給ユニット7は配管L1~L3を含む。配管L1は空気が流通する配管であり、配管L2は水が流通する配管である。配管L3は空気と水の双方が流通可能な配管である。
流体供給ユニット7は、加圧源としてコンプレッサ70を含む。コンプレッサ70は大気を圧縮して送出する。コンプレッサ70は例えばモータ(不図示)を駆動源として駆動される。コンプレッサ70から送出される圧縮空気は、逆止弁71aを介してリザーブタンク(アキュームレータ)71に供給される。リザーブタンク71内の気圧は圧力センサ71bにより監視され、所定の気圧(本実施形態では7気圧(ゲージ圧で6気圧))に維持されるよう、コンプレッサ70が駆動される。リザーブタンク71には排水用のドレイン71cが設けられており、空気の圧縮により生じる水を排水可能となっている。
水タンク72にはコーヒー飲料を構成するお湯(水)が蓄積される。水タンク72には、水タンク72内の水を加温するヒーター72a及び水の温度を計測する温度センサ72bが設けられている。ヒーター72aは温度センサ72bの検出結果に基づいて、蓄積されるお湯の温度を所定の温度(本実施形態では摂氏120度)に維持する。ヒーター72aは例えばお湯の温度が摂氏118度でONとされ、摂氏120度でOFFとされる。
水タンク72には、また、水位センサ72cが設けられている。水位センサ72cは水タンク72内のお湯の水位を検出する。水位センサ72cにより所定の水位よりも水位が下がったことが検出されると、水タンク72に水が供給される。本実施形態の場合、不図示の浄水器を介して水道水が供給される。浄水器からの配管L2の途中には電磁弁72dが設けられており、水位センサ72cにより水位の低下が検出されると電磁弁72dが開放されて水が供給され、所定の水位に到達すると電磁弁72dが閉鎖されて水の供給が遮断される。こうして水タンク72内のお湯が一定の水位に維持される。なお、水タンク72への給水は一回のコーヒー飲料の製造に使用するお湯を排出する度に行ってもよい。
水タンク72には、また、圧力センサ72gが設けられている。圧力センサ72gは水タンク72内の気圧を検出する。水タンク72には調圧弁72e及び電磁弁72fを介してリザーブタンク71内の気圧が供給される。調圧弁72eはリザーブタンク71から供給される気圧を所定の気圧に減圧する。本実施形態の場合、3気圧(ゲージ圧で2気圧)に減圧する。電磁弁72fは調圧弁72eで調圧された気圧の、水タンク72への供給と遮断とを切り替える。電磁弁72fは、水タンク72への水道水の供給時を除き、水タンク72内の気圧が3気圧に維持されるように開閉制御される。水タンク72への水道水の供給時には、水道水の水圧によって水タンク72に円滑に水道水が補給されるように、電磁弁72hにより水タンク72内の気圧を水道水の水圧よりも低い圧力(例えば2.5気圧未満)に減圧する。電磁弁72hは水タンク72内を大気に解放するか否かを切り替え、減圧時には水タンク72内を大気に解放する。また、電磁弁72hは水タンク72への水道水の供給時以外に、水タンク72内の気圧が3気圧を超える場合に水タンク72内を大気に解放し、水タンク72内を3気圧に維持する。
水タンク72内のお湯は、逆止弁72j、電磁弁72i及び配管L3を介して抽出容器9へ供給される。電磁弁72iを開放することで抽出容器9へお湯が供給され、閉鎖することでお湯の供給が遮断される。抽出容器9へのお湯の供給量は、電磁弁72iの開放時間で管理することができる。しかし、供給量を計測して電磁弁72iの開閉を制御してもよい。配管L3にはお湯の温度を計測する温度センサ73eが設けられており、抽出容器9へ供給される湯温が監視される。
リザーブタンク71の気圧は、また、調圧弁73a、電磁弁73bを介して抽出容器9へ供給される。調圧弁73aはリザーブタンク71から供給される気圧を所定の気圧に減圧する。本実施形態の場合、5気圧(ゲージ圧で4気圧)に減圧する。電磁弁73bは調圧弁73aで調圧された気圧の、抽出容器9への供給と遮断とを切り替える。抽出容器9内の気圧は圧力センサ73dで検出される。抽出容器9内の加圧時、圧力センサ73dの検出結果に基づいて電磁弁73bが開放され、抽出容器9内を所定の気圧(本実施形態の場合、最大で5気圧(ゲージ圧で4気圧))に加圧する。抽出容器9内の気圧は電磁弁73cで減圧可能である。電磁弁73cは抽出容器9内を大気に解放するか否かを切り替え、圧力異常時(例えば抽出容器9内が5気圧を超える場合)には抽出容器9内を大気に解放する。
一回のコーヒー飲料の製造が終わると、本実施形態の場合、抽出容器9内を水道水で洗浄する。電磁弁73fは洗浄時に開放され、抽出容器9に水道水を供給する。
次に切替ユニット10について説明する。切替ユニット10は抽出容器9から送出される液体の送出先を注ぎ部10cと廃棄タンクTとのいずれかに切り替えるユニットである。切替ユニット10は、切替弁10aと切替弁10aを駆動するモータ10bを含む。切替弁10aは、抽出容器9内のコーヒー飲料を送出する場合は注ぎ部10cへ流路を切り替える。コーヒー飲料は注ぎ部10cからカップCへ注がれる。洗浄時の廃液(水道水)及び残渣(挽き豆)を排出する場合は廃棄タンクTへ流路を切り替える。切替弁10aは本実施形態の場合3ポートのボール弁である。洗浄時には切替弁10aを残渣が通過することから、切替弁10aはボール弁が好適であり、モータ10bはその回転軸を回転することで、流路を切り替える。
<3.豆処理装置>
図3を参照して豆処理装置2について説明する。図3は豆処理装置2の斜視図である。豆処理装置2は、貯留装置4及び粉砕装置5を含む。
<3-1.貯留装置>
貯留装置4は、焙煎後のコーヒー豆が収容される複数のキャニスタ40を含む。本実施形態の場合、キャニスタ40は三つ設けられている。三つのキャニスタ40を区別する場合、キャニスタ40A、40B、40Cという。各キャニスタ40A~40Cには、互いに異なる種類の焙煎コーヒー豆を収容し、操作ユニット12に対する操作入力によって、コーヒー飲料の製造に用いる焙煎コーヒー豆の種類を選択できるようにしてもよい。種類が異なる焙煎コーヒー豆とは例えばコーヒー豆の品種が異なる焙煎コーヒー豆である。また、種類が異なる焙煎コーヒー豆とは、同じ品種のコーヒー豆であるが、焙煎度が異なる焙煎コーヒー豆であってもよい。また、種類が異なる焙煎コーヒー豆とは、品種も焙煎度も異なる焙煎コーヒー豆でもよい。また、三つのキャニスタ40の少なくともいずれか一つには、複数種類の品種の焙煎コーヒー豆が混合された焙煎コーヒー豆が収容されてもよい。この場合、各品種の焙煎コーヒー豆は、焙煎度が同程度であってもよい。
なお、本実施形態では複数のキャニスタ40を設けたが、一つのキャニスタ40のみが設けられる構成であってもよい。また、複数のキャニスタ40を設けた場合に、同じ種類の焙煎コーヒー豆が全部又は複数のキャニスタ40に収容されてもよい。
各キャニスタ40には、個別にコンベア41が設けられている。コンベア41はキャニスタ40に収容された所定の量の焙煎コーヒー豆を下流側に自動送出する送出機構(搬送機構)である。本実施形態のコンベア41はモータ41aを駆動源としたスクリューコンベアであって、焙煎コーヒー豆を自動計量する計量ユニットである。モータ41aの回転量(スクリューの回転量)により焙煎コーヒー豆の送出量を制御することができる。各コンベア41は下流側の集合搬送路42に焙煎コーヒー豆を排出する。集合搬送路42は、中空の部材で構成されており、コンベア41毎の投入口42aと、共通の排出口42bとを含み、共通の排出口42bから粉砕装置5へ焙煎コーヒー豆が供給される。
<3-2.粉砕装置>
図3及び図4を参照して粉砕装置5を説明する。図4は粉砕装置5の縦断面図である。粉砕装置5は、グラインダ5A及び5B、及び、分離装置6を含む。グラインダ5A及び5Bは貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆を挽く機構である。グラインダ5A及び5Bは、豆を挽く粒度が異なっている。グラインダ5Aは粗挽き用のグラインダであり、グラインダ5Bは細挽き用のグラインダである。
<3-2-1.グラインダ>
グラインダ5Aは、モータ52a及び本体部53aを含む。モータ52aはグラインダ5Aの駆動源である。本体部53aはカッターを収容するユニットであり、回転軸54aが内蔵されている。回転軸54aにはギア55aが設けられており、モータ52aの駆動力がギア55aを介して回転軸54aに伝達される。
回転軸54aには、また、カッターである回転刃58aが設けられており、回転刃58aの周囲には、また、カッターである固定刃57aが設けられている。本体部53aの内部は投入口50a及び排出口51aと連通している。集合搬送路42から供給される焙煎コーヒー豆は本体部53aの側部に形成されている投入口50aから本体部53aへ横方向に進入し、回転刃58aと固定刃57aとの間に挟まれるようにして粉砕される。回転軸54aの回転刃58aよりも上側には抑制板56aが設けられており、抑制板56aは焙煎コーヒー豆が上側に逃げることを抑制する。グラインダ5Aでは焙煎コーヒー豆が例えば1/4程度に粉砕される。粉砕された挽き豆は排出口51aから分離装置6へ排出される。
なお、投入口50aに供給された焙煎コーヒー豆は、回転刃58aの上方からではなく、側面に当たるような高さに供給されてもよい。その場合は、回転刃58aにより焙煎コーヒー豆が上側へ逃げることが抑制されるため、抑制板56aを設けなくてもよい。
グラインダ5Aは、回転刃58aの回転数を変化させることで、粉砕された後に排出される焙煎コーヒー豆の大きさを変化させてもよい。また、回転刃58aと固定刃57aとの間の距離を手動で調整することで変化させてもよい。
分離装置6は挽き豆から不要物を分離する機構である。分離装置6はグラインダ5Aとグラインダ5Bとの間に配置されている。つまり、本実施形態の場合、貯留装置4から供給される焙煎コーヒー豆は、まず、グラインダ5Aで粗挽きされ、その粗挽き豆から分離装置6によって不要物が分離される。不要物が分離された粗挽き豆は、グラインダ5Bにより細挽きされる。分離装置6で分離する不要物は、代表的にはチャフや微粉である。これらはコーヒー飲料の味を低下させる場合がある。分離装置6は空気の吸引力により不要物を分離する機構であり、その詳細は後述する。
グラインダ5Bは、モータ52b及び本体部53bを含む。モータ52bはグラインダ5Bの駆動源である。本体部53bは、カッターを収容するユニットであり、回転軸54bが内蔵されている。回転軸54bにはプーリ55bが設けられており、モータ52bの駆動力がベルト59b及びプーリ55bを介して回転軸54bに伝達される。
回転軸54bには、また、回転刃58bが設けられており、回転刃58bの上側には固定刃57bが設けられている。本体部53bの内部は投入口50b及び排出口51bと連通している。分離装置6から落下してくる挽き豆は投入口50bから本体部53bへ進入し、回転刃58bと固定刃57bとの間に挟まれるようにして更に粉砕される。粉状に粉砕された挽き豆は排出口51bから排出される。なお、グラインダ5Bにおける挽き豆の粒度は、回転刃58bと固定刃57bとの隙間を調整することによって調整可能である。
焙煎コーヒー豆の粉砕は、一つのグラインダ(一段階の粉砕)であってもよい。しかし、本実施形態のように、二つのグラインダ5A、5Bによる二段階の粉砕とすることで、挽き豆の粒度が揃い易くなり、コーヒー液の抽出度合を一定にすることができる。豆の粉砕の際にはカッターと豆との摩擦により、熱が発生する場合がある。二段階の粉砕とすることで、粉砕時の摩擦による発熱を抑制し、挽き豆の劣化(例えば風味が落ちる)を防止することもできる。
また、粗挽き→不要物の分離→細挽きという段階を経ることで、チャフなどの不要物を分離する際、不要物と挽き豆(必要部分)との質量差を大きくできる。これは不要物の分離効率を上げることができるとともに、挽き豆(必要部分)が不要物として分離されてしまうことを防止することができる。また、粗挽きと細挽きとの間に、空気の吸引を利用した不要物の分離処理が介在することで、空冷によって挽き豆の発熱を抑えることができる。これにより挽き豆の劣化(例えば風味が落ちる)を防止することもできる。
<3-2-2.分離装置>
次に、図3~図5を参照して分離装置6を説明する。図5は分離装置6の一部破断斜視図である。分離装置6は、吸引ユニット6A及び形成ユニット6Bを含む。形成ユニット6Bは、グラインダ5Aから自由落下してくる挽き豆が通過する分離室SCを形成する中空体である。吸引ユニット6Aは、挽き豆の通過方向(本実施形態の場合、上下方向。)と交差する方向(本実施形態の場合、左右方向。)で分離室SCと連通し、分離室SC内の空気を吸引するユニットである。分離室SC内の空気を吸引することで、チャフや微粉といった軽量な物体が吸引される。これにより、挽き豆から不要物を分離できる。
吸引ユニット6Aは遠心分離方式の機構である。吸引ユニット6Aは、送風ユニット60A及び回収容器60Bを含む。送風ユニット60Aは本実施形態の場合、ファンモータであり、回収容器60B内の空気を上方へ排気する。
回収容器60Bは、分離可能に係合する上部61と下部62とを含む。下部62は上方が開放した有底の筒型をなしており、不要物を蓄積する空間を形成する。上部61は下部62の開口に装着される蓋部を構成する。上部61は、円筒形状の外周壁61aと、これと同軸上に形成された排気筒61bとを含む。送風ユニット60Aは排気筒61b内の空気を吸引するように排気筒61bの上方において上部61に固定されている。上部61は、また、径方向に延設された筒状の接続部61cを含む。接続部61cは形成ユニット6Bと接続され、分離室SCと回収容器60Bとを連通させる。接続部61cは排気筒61bの側方に開口している。
送風ユニット60Aの駆動により、図5において矢印d1~d3で示す気流が発生する。この気流により、分離室SCから不要物を含んだ空気が接続部61cを通って回収容器60B内に吸引される。接続部61cは排気筒61bの側方に開口しているため、不要物を含んだ空気は排気筒61bの周囲を旋回する。空気中の不要物Dは、その重量によって落下し、回収容器60Bの一部に集められる(下部62の底面上に堆積する)。空気は排気筒61bの内部を通って上方に排気される。
排気筒61bの周面には複数のフィン61dが一体に形成されている。複数のフィン61dは排気筒61bの周方向に配列されている。個々のフィン61dは、排気筒61bの軸方向に対して斜めに傾斜している。このようなフィン61を設けたことで、不要物Dを含んだ空気の排気筒61bの周囲の旋回を促進する。また、フィン61により不要物Dの分離が促進される。この結果、吸引ユニット6Aの上下方向の長さを抑えることができ、装置の小型化に寄与する。
また、本実施形態では、グラインダ5A及び5Bによる挽き豆の落下経路に形成ユニット6Bを配置する一方、落下経路の側方に遠心分離方式の吸引ユニット6Aを配置している。遠心分離方式の機構は上下方向に長くなり易いが、吸引ユニット6Aを落下経路からずらして側方に配置することで、吸引ユニット6Aをグラインダ5A及びグラインダ5Bに対して横方向に並設することができる。これは装置の上下方向の長さを抑えることに寄与する。特に本実施形態のように、二つのグラインダ5A及び5Bにより二段階の粉砕を行う場合、装置の上下方向の長さが長くなる傾向になるため、吸引ユニット6Aのこのような配置が装置の小型化に有効である。
図3~図9を参照して形成ユニット6Bを説明する。図6は形成ユニット6Bの縦断面図である。図7は形成ユニット6Bの斜視図及び部分拡大図である。図8は形成ユニット6Bの平面図であって、断面積の比較説明図である。
形成ユニット6Bは、本実施形態の場合、上下に半割された二部材を結合して形成されている。形成ユニット6Bは、管部63及び分離室形成部64を含み、平面視でスプーン形状を有している。管部63は、吸引ユニット6Aとの連通路63aを形成する筒体であり、横方向(後述する中心線CLと交差する方向)に延設されている。分離室形成部64は管部63に接続され、分離室SCを形成する、中央が上下方向に開口した円環形状の中空体である。
本実施形態では、挽き豆から不要物を分離するにあたり、グラインダ5Aから落下してくる挽き豆に横方向の風圧を作用させて不要物を吸引する方式を採用している。これは、遠心分離方式よりも鉛直方向の長さを短くできる点で有利である。
分離室形成部64は、上下方向に延設された筒状部65を含む。筒状部65はその上下方向の中央部から下部にかけて分離室SC内に突出している。筒状部65は上側の一端に開口部65aを有し、開口部65aは分離室SCに連通した、挽き豆の投入口を形成している。開口部65aは分離室SC外に位置しており、グラインダ5Aの排出口51aに接続されている。これにより、排出口51aから落下する挽き豆が漏れなく分離室形成部64に導入される。筒状部65は下側の他端に開口部65bを有する。開口部65bは分離室SC内に位置している。開口部65bが分離室SCに臨んでいるため、排出口51aから落下する挽き豆が漏れなく分離室SCに導入される。
筒状部65は、本実施形態の場合、円筒形状を有しており、開口部65a及び開口部65bは中心線CL上に位置する同心の円形状を有している。これにより、排出口51aから落下する挽き豆が筒状部65を通過し易くなる。筒状部65は内部空間の断面積が開口部65a側から開口部65b側へ向かって徐々に小さくなるテーパ形状を有している。筒状部65の内壁がすり鉢形状となるため、落下してくる挽き豆が内壁に衝突し易くなる。グラインダ5Aから落下してくる挽き豆は、粒同士が密着して塊となって落下してくる場合がある。挽き豆が塊の状態であると、不要物の分離効率が低下する場合がある。本実施形態の場合、塊となった挽き豆が筒状部65の内壁に衝突することで、塊を崩し、不要物を分離し易くすることができる。
なお、挽き豆の塊を崩す点では、筒状部65の内壁はすり鉢形状に限られない。筒状部65の途中部位に開口部65aよりも内部空間の断面積が小さい箇所があり、それにより、中心線CLに対して傾斜した(水平ではない)内壁があれば、塊との衝突を促進しつつ、挽き豆を円滑に落下させることができる。また、筒状部65は分離室SC内に突出している必要はなく、分離室形成部64の外面から上側に突出した部分のみを有するものであってもよい。但し、筒状部65を分離室SC内に突出させたことで、筒状部65の周囲の風速を向上できる。このため、管部63から相対的に遠い領域R1において、風圧による不要物の分離効果を高めることができる。
分離室形成部64は、不要物を分離した後の挽き豆が排出される、分離室SCに連通した排出口66を有している。排出口66は、本実施形態の場合、開口部65bの下方に位置しており、筒状部65を通った挽き豆は、分離室SCを通過して排出口66から自由落下する。本実施形態の場合、排出口66は中心線CL上に位置する円形の開口であり、開口部65a及び開口部65bと同心円の開口である。このため、挽き豆が分離室形成部64を自由落下により通過し易くなり、分離室形成部64内に挽き豆が堆積することを防止することができる。
図8に示すように、本実施形態の場合、開口部65bの断面積SC1よりも排出口66の断面積SC2の方が大きい。本実施形態の場合、開口部65bと排出口66とが上下方向で見て、互いに重なっている。したがって、排出口66に対して、上下方向に開口部65bを投影すると、排出口66の内側に開口部65bが収まることになる。換言すると、開口部65bは、排出口66を上下方向に延長した領域内に収まる。開口部65bと排出口66とが同一中心線上にないが重なっている構成や、少なくとも一方が円形でないが重なっている構成も採用可能である。
断面積SC2に対する断面積SC1の比率は、例えば、95%以下、あるいは、85%以下であり、また、例えば、60%以上、あるいは、70%以上である。開口部65b、排出口66は同心円であるため、中心線CL方向に見ると互いに重なっている。このため、開口部65bから自由落下する挽き豆が排出口66から排出され易くなる。また、落下する挽き豆が排出口66の縁に衝突して管部63側へ跳ねることを防止し、必要な挽き豆が吸引ユニット6Aに吸引されてしまうことも抑制できる。排出口(例えば66)の開口面積よりも一端開口部(例えば65a)の開口面積の方が小さいと例示してきたが、排出口(例えば66)の開口面積と一端開口部(例えば65a)の開口面積は同じであってもよいし、排出口(例えば66)の開口面積よりも一端開口部(例えば65a)の開口面積の方が大きくてもよい。排出口(例えば66)の開口面積よりも他端開口部(例えば65b)の開口面積の方が小さいと例示してきたが、排出口(例えば66)の開口面積と他端開口部(例えば65b)の開口面積は同じであってもよいし、排出口(例えば66)の開口面積よりも他端開口部(例えば65b)の開口面積の方が大きくてもよい。吸引ユニット(例えば6A)によって排出口66及び投入口(例えば65a,65a’)から空気が吸引されることを例示したが、投入口(例えば65a,65a’)から吸引される空気の量よりも排出口66から吸引される空気の量の方が多くなるようにしてもよい。これは、分離室内に他端開口部(例えば65b)が突出していることや、一端開口部(例えば65a)の開口面積の大きさよりも排出口66の断面積の大きさが大きいことで実現してもよいし、他端開口部(例えば65b)の開口面積の大きさよりも排出口66の断面積の大きさが大きいことで実現してもよいし、一端開口部(例えば65a)から分離室までの距離よりも排出口66から分離室までの距離が近いことで実現してもよいし、一端開口部(例えば65a)から排気筒61bまでの距離よりも排出口66から排気筒61bまでの距離が近いことで実現してもよいし、一端開口部(例えば65a)から送風ユニット60Aまでの距離よりも排出口66から送風ユニット60Aまでの距離が近いことで実現してもよい。形成ユニット6Bや分離室SCを構成する部材(63~65)の内壁部のいずれかや筒状部65や他端開口部(例えば65b)であるが、グラインダ(5A及び5Bのうちの少なくとも一方)と直接又は他の部材を介して間接的に接触して、当該グラインダの回転による振動が伝わって、振動するように構成されていてもよい。例えば、実施例における飲料製造装置1の場合、それらは直接的又は間接的に接触していることから、グラインダの動作中は、形成ユニット6Bや分離室SCを構成する部材(63~65)の内壁部のいずれかや筒状部65や他端開口部(例えば65b)が振動し、振動により当該分離室SC内に生じる乱れた空気によって、他端開口部(例えば65b)から分離室SCに進入する軽い不要物にブレーキを与えて、当該不要物を吸引ユニット(例えば6A)によって吸引しやすくしている。特に、実施例における飲料製造装置1のように形成ユニット6Bは、グラインダ5A及びグラインダ5Bのうちのグラインダ5Aと直接接触しているが、このように一のグラインダに直接接触させることで形成ユニット6Bに適度な振動を与えて、軽い不要物を吸引しやすくしてもよい。
本実施形態の場合、吸引ユニット6Aにより吸引される空気は、主に、排出口66から吸引される。このため、排出口66とグラインダ5Bの投入口50bとの間には隙間が設けられており、空気の吸引が促進される。矢印d4は吸引ユニット6Aにより吸引される空気の気流の向きを模式的に示している。排出口66から空気を吸引することで不要物が排出口66から排出されにくくなり、挽き豆と不要物との分離性能を向上できる。なお、吸引ユニット6Aにより吸引される空気は、開口部65aからも吸引される。
排出口66を画定する周囲壁には、乱流促進部67が形成されている。乱流促進部67は排出口66から分離室SCへ吸引される空気に乱流を生じさせる。乱流促進部67を形成したことにより、特に、開口部65bとの排出口66との間の領域R2において、乱流が生じやすくなる。また、本実施形態の場合、筒状部65の周囲で風速が向上するので、領域R2での乱流の発生を相乗的に促進させることができる。
投入口65aに投入された挽き豆は領域R2を通過する際に乱流の影響を受けて攪拌される。本実施形態の場合、特に、上記のとおり開口部65bの断面積SC1よりも排出口66の断面積SC2の方が大きいため、挽き豆は領域R2を必ず通過する。乱流によって、チャフや微粉といった不要物が、挽き豆から分離されやすくなる。よって、分離室SCが小さい空間であっても、不要物の分離効率を向上することができ、特に、分離室SCの上下方向の長さを小さくすることに寄与し、本実施形態のように二つのグラインダ5A、5Bで二段階の粉砕を行う場合の装置の小型化に有利である。
本実施形態の場合、乱流促進部67は複数の乱流促進要素67aを含む。乱流促進要素67aは、上下方向で下向きに突出した突起である。乱流促進要素67aの突出方向は、どの方向であってもよいが、分離室SC内に乱流をより発生させ易くする点で、下方向から径方向内側方向の範囲内の方向が好適である。本実施形態のように、突出方向が下方向であれば、落下してきた挽き豆が引っ掛かることがなく、より好ましい。
乱流促進要素67aの断面形状は、台形形状の四角柱を断面の上底が中心線CL方向に向くように配置され、かつ先端部の内側に面取り67bを施された形状となっている。乱流促進要素67aの形状は、本実施形態の形状に限られないが、排出口66の形状を三次元的に複雑にする形状が好適である。
本実施形態の場合、乱流促進要素67aは、排出口66の周囲方向d5に繰り返し形成されている。これにより、領域Rへ多方向から空気が吹き込み、乱流の発生が促進される。隣接する乱流促進要素67aのピッチは、異ピッチでもよいが、本実施形態では等ピッチである。乱流促進要素67aは12個形成されているが、乱流促進要素67aの数は任意である。
<3-2-3.他の構成例>
図9を参照して分離室形成部64の他の構成例について説明する。乱流促進要素67aは、突起のほか、切欠きや穴であってもよい。図9のEX1の例は、乱流促進要素67aを排出口66の周囲壁に形成した貫通穴とした例を例示している。このような穴も領域R2における乱流発生を促進可能である。
図9のEX2の例は、筒状部65を設けない例を示している。この場合においても、投入口65a’の断面積SC1’よりも、排出口66の断面積SC2を大きくした構成が好適である。
筒状部65の開口部65bは水平面上の開口ではなく、傾斜面上の開口であってもよい。図9のEX3の例は、筒状部65の管部63側の下端が、反対側の下端よりも下方向に突出していている。このようにすることで、領域R1側へ挽き豆が案内され易くなって分離室SCにおける挽き豆の滞留時間を長くとることができ、分離効果を高めることができる。
<4.駆動ユニット及び抽出容器>
<4-1.概要>
抽出装置3の駆動ユニット8及び抽出容器9について図10を参照して説明する。図10は駆動ユニット8及び抽出容器9の斜視図である。
駆動ユニット8はフレームFに支持されている。フレームFは、上下の梁部F1、F2及び梁部F1、F2を支持する柱部F3を含む。駆動ユニット8は、上部ユニット8A、中部ユニット8B及び下部ユニット8Cの三つのユニットに大別される。上部ユニット8Aは梁部F1に支持されている。中部ユニット8Bは梁部F1と梁部F2との間において、梁部F1に支持されている。下部ユニット8Cは梁部F2に支持されている。
抽出容器9は、容器本体90及び蓋ユニット91を含むチャンバである。抽出容器9のことをチャンバと呼ぶ場合がある。中部ユニット8Bは、容器本体90を着脱自在に保持するアーム部材820を備える。アーム部材820は、保持部材820aと、左右に離間した一対の軸部材820bとを含む。保持部材820aは、Cの字型のクリップ状に形成された樹脂等の弾性部材であり、その弾性力により容器本体90を保持する。保持部材82aは容器本体90の左右の側部を保持し、容器本体90の前方側は露出させている。これにより容器本体90の内部を、正面視で視認し易くなる。
保持部材820aに対する容器本体90の着脱は手動操作で行い、保持部材820aに容器本体90を前後方向後方へ押し付けることで容器本体90が保持部材820aに装着される。また、容器本体90を保持部材820aから前後方向前側へ引き抜くことで、容器本体90を保持部材820aから分離可能である。
一対の軸部材820bは、それぞれ、前後方向に延設されたロッドであり、保持部材820aを支持する部材である。なお、本実施形態では軸部材820bの数を二本としたが、一本でもよいし、三本以上であってもよい。保持部材820aは、一対の軸部材820bの前側の端部に固定されている。後述する機構により、一対の軸部材820bは前後方向に進退され、これにより保持部材820aが前後に進退し、は容器本体90を前後方向に平行移動する移動動作を行うことができる。中部ユニット8Bは、また、後述するように、抽出容器9の上下を反転させる回動動作を行うも可能である。
<4-2.抽出容器>
図11及び図12を参照して抽出容器9について説明する。図11は抽出容器9の閉状態及び開状態を示す図であり、図12は抽出容器9の分解斜視図である。上記のとおり、抽出容器9は中部ユニット8Bにより上下が反転される。図10及び図11の抽出容器9は、蓋ユニット91が上側に位置している基本姿勢を示している。以下の説明において上下の位置関係を述べる場合、特に断らない限りは基本姿勢における上下の位置関係を意味するものとする。
容器本体90は有底の容器であり、ネック部90b、肩部90d、胴部90e及び底部90fを有するボトル形状を有している。容器本体90の全体または一部は透過部を有していてもよい。透過部は無色透明または有色透明の材料で構成してもよい。これにより容器本体90の外部から内部を視認可能となる。ネック部90bの端部(容器本体90の上端部)には、容器本体90の内部空間と連通する開口90aを画定するフランジ部90cが形成されている。
ネック部90b及び胴部90eは、いずれも円筒形状を有している。ネック部90bは、内部空間の断面積あるいは断面形状が同じ領域が上下方向に延びている。また、胴部90eも断面積あるいは断面形状が同じ領域が上下方向に延びており、ネック部90bよりも長い。内部空間の断面積は、ネック部90bよりも胴部90eの方が大きい。胴部90eに対するネック部90bの断面積の比率は、例えば、65%以下、50%以下、或いは、35%以下であり、また、例えば、10%以上、あるいは、20%以上である。肩部90dは、ネック部90bと胴部90eとの間の部分であり、その内部空間の断面積が胴部90e側からネック部90b側へ向かって徐々に小さくなるようにテーパ形状を有している。しかし、ネック部90bは、底部90fよりも開口90aに近い位置について説明上名前をつけているだけで、必ずしも内部空間の断面積は、ネック部90bよりも胴部90eの方が大きいことに限定されず、ネック部90aを胴部90eの一部としてもよい。すなわち抽出容器9は図10等に示されるようなくびれた部分を有する形状ではなくてもよく、寸胴形状または、寸胴形状でかつ開口90a又は開口90aの近傍に90cのようなフランジ部が設けられた形状としてもよい。
蓋ユニット91は開口90aを開閉するユニットである。蓋ユニット91の開閉動作(昇降動作)は上部ユニット8Aにより行われる。
容器本体90は、本体部材900及び底部材901を含む。本体部材900は、ネック部90b、肩部90d、胴部90eを形成する上下が開放した筒部材である。底部材901は底部90fを形成する部材であり、本体部材900の下部に挿入されて固定される。本体部材900と底部材901との間にはシール部材902が介在し、容器本体90内の気密性を向上する。
底部材901の中心部には凸部901cが設けられ、この凸部901cには軸穴901bが形成されている。また、軸穴901bの周囲には複数の連通穴901aが形成されている。連通穴901aは容器本体90内を外部に連通させる貫通穴であり、主に、容器本体90内を洗浄する際の廃液及び残渣の排出に用いられる。
軸穴901bは底部材901を貫通しており、ここには栓部材903の軸903aが挿入される。栓部材903は容器本体90の内側から連通穴901aを開閉する。栓部材903と底部材901の内側面(上面)との間にはシール部材904が設けられており、栓部材903の閉時に容器本体90内の気密性を向上する。
底部材901の外側(下側)において、軸903aにはコイルばね905、円筒状のばね受け906が装着され、更に、軸903aの端部にEリング907が係合する。コイルばね905及びばね受け906は底部材901とEリング907との間に保持され、コイルばね905は栓部材903を閉方向に付勢する。凸部901cにはシール部材908が設けられており、シール部材908は、上部ユニット8Aまたは下部ユニット8Cと底部材901との間を気密に維持するための部材である。
蓋ユニット91は、帽子状のベース部材911を備える。ベース部材911は、凸部911d、及び、閉時にフランジ部90cと重なる鍔部911cを有する。ベース部材911には、容器本体90における栓部材903と同じ開閉機構が設けられている。具体的に言うと、ベース部材911の中心部には軸穴911bが形成されており、また、軸穴911bの周囲には複数の連通穴911aが形成されている。連通穴911aは容器本体90内を外部に連通させる貫通穴であり、主に、容器本体90内へのお湯の注入とコーヒー飲料の送出に用いられる。
軸穴911bはベース材911を貫通しており、ここには栓部材913の軸913aが挿入される。栓部材913は容器本体90の内側から連通穴911aを開閉する。栓部材913とベース部材911の内側面との間にはシール部材914が設けられており、栓部材913の閉時に容器本体90内の気密性を向上する。
ベース部材911の外側(上側)において、軸913aにはコイルばね915、円筒状のばね受け916が装着され、更に、軸913aの端部にEリング917が係合する。コイルばね915及びばね受け916はベース材911とEリング917との間に保持され、コイルばね915は栓部材913を閉方向に付勢する。凸部911dにはシール部材918a、リングばね918bが設けられている。シール部材918aは、上部ユニット8Aまたは下部ユニット8Cとベース部材911との間を気密に維持するための部材である。リングばね918bは、蓋ユニット91の開時に蓋ユニット91を上部ユニット8Aに保持するための係合部材である。
ベース部材911の内側(下側)には、固定部材919が固定される。固定部材919は、フィルタ910及び保持部材910aを支持する。フィルタ910はコーヒー飲料と挽き豆の残渣を分離するためのフィルタであり、例えば金属フィルタである。金属フィルタを用いることで、コーヒーオイルを含んだコーヒー飲料をユーザに提供することができる。保持部材910aは、フィルタ910の変形を抑制する多孔部材である。シール部材919aは固定部材919に支持される。本実施形態の場合、固定部材919は弾性部材であり、固定部材919とシール部材919aは、蓋ユニット91の閉時に蓋ユニット91と容器本体90との気密性を向上する。
なお、フランジ90cと鍔部911cとを気密に接触させることで、シール部材919aを用いない構成も採用可能である。
<4-3.上部ユニット及び下部ユニット>
上部ユニット8A及び下部ユニット8Cについて図13及び図14を参照して説明する。図13は上部ユニット8A及び下部ユニット8Bの一部の構成を示す正面図であり、図14は図13のI-I線に沿う断面図である。
上部ユニット8Aは、操作ユニット81Aを含む。操作ユニット81Aは容器本体90に対する蓋ユニット91の開閉操作(昇降)及び栓部材903及び913の開閉操作を行う。操作ユニット81Aは、支持部材800、保持部材801、昇降軸802及びプローブ803を含む。
支持部材800はフレームFに対する相対位置が変化しないように固定して設けられている。保持部材801を収容する収容部800bを含む。収容部800bは下方に開口し、天部が閉鎖された円筒状の空間である。支持部材800は、また、配管L3と収容部800b内を連通させる連通部800aを備える。配管L3から供給されるお湯、水道水および気圧が連通部800aを介して収容部800b内に導入される。
保持部材801は、蓋ユニット91を着脱自在の保持する部材である。保持部材801は蓋ユニット91の凸部911d又は底部材901の凸部901cが挿入される収容部801bを含む。収容部801bは下方に開口し、天部が閉鎖された円筒状の空間である。保持部材801は、また、収容部800bと収容部801bを連通させる連通部801aを備える。配管L3から供給されるお湯、水道水および気圧が連通部800a及び連通部801aを介して収容部801b内に導入される。保持部材801は収容部800b内を上下方向にスライド自在に設けられた可動部材である。保持部材801には、保持部材801と収容部800bとの間をシールするシール部材801cが形成されており、保持部材801のスライド中も収容部800b内の気密性が維持される。
収容部801b内壁には、径方向内側に隆起した係合部801dが形成されている。係合部801dと蓋ユニット91のリングばね918bとが係合することで、蓋ユニット91が保持部材801に保持される。保持部材801と蓋ユニット91とを上下方向に分離させる一定以上の力が作用すると、リングばね918bの弾性変形によって、係合部801dとリングばね918bとの係合が解除される。これにより、蓋ユニット91と保持部材801とが分離する。
昇降軸802はその軸方向が上下方向となるように設けられている。昇降軸802は支持部材800の天部を上下方向に貫通し、支持部材800に対して上下に昇降自在に設けられている。支持部材800には、昇降軸802が通る穴の部分にシール部材800cが設けられており、昇降軸802のスライド中も収容部800b内の気密性が維持される。
昇降軸802の下端部には保持部材801の天部が固定されている。昇降軸802の昇降によって保持部材801が上下方向にスライドし、凸部911dや凸部901cへの保持部材801の装着と分離を行うことができる。また、容器本体90に対する蓋ユニット91の開閉を行うことができる。図15は蓋ユニット91が開状態である場合を示している。蓋ユニット91を保持した保持部材801が上昇位置にあり、保持された蓋ユニット91が容器本体90の上方に離間している。なお、図15は一部の部品の図示が省略されている。
昇降軸802の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ802aが形成されている。このねじ802aにはナット804bが螺着されている。上部ユニット8Aは、モータ804aを備えており、ナット804bはモータ804aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転される。ナット804bの回転によって昇降軸802が昇降する。
昇降軸802は、中心軸に貫通穴を有する管状の軸であり、この貫通穴にプローブ803が上下にスライド自在に挿入されている。プローブ803は保持部材801の天部を上下方向に貫通し、支持部材800及び保持部材801に対して上下に昇降自在に設けられている。保持部材801には、プローブ803が通る穴の部分にシール部材801eが設けられており、プローブ803のスライド中も収容部801b内の気密性が維持される。
プローブ803は、栓部材903の軸903a(及び栓部材913の軸913a)と同軸上に設けられている。プローブ803を降下することで、栓部材903の軸903aを下方に押圧し、栓部材903を閉状態から開状態にすることができる。なお、プローブ803を用いずに、抽出容器9へ供給する空気の気圧や水の水圧を利用して、栓部材903を押圧し、閉状態から開状態にすることも可能である。この場合、気圧や水圧をコイルばね905の付勢力よりも高い圧力とすればよい。
図16は栓部材903(及び栓部材913)の開閉態様を示している。保持部材801が降下位置にあり、凸部911dが保持部材801に挿入されている。そして、プローブ803(図16で不図示)の降下により栓部材903が破線で示す開状態に変位可能であることが理解される。抽出容器9の上下が反転された場合、栓部材913を閉状態から開状態にすることができる。なお、図16は一部の部品の図示が省略されている。
プローブ803の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ803aが形成されている。このねじ803aにはナット805bが螺着されている。上部ユニット8Aは、モータ805aを備えており、ナット805bはモータ805aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転するように設けられている。ナット805bの回転によってプローブ803が昇降する。
下部ユニット8Cは、操作ユニット81Cを含む。操作ユニット81Cは、操作ユニット81Aを上下に反転した構成であり、栓部材903及び913の開閉操作を行う。操作ユニット81Cも蓋ユニット91の開閉が可能な構成であるが、本実施形態では操作ユニット81Cを蓋ユニット91の開閉には用いない。
以下、操作ユニット81Aの説明と略同じであるが、操作ユニット81Cについて説明する。操作ユニット81Cは、支持部材810、保持部材811、昇降軸812及びプローブ813を含む。
支持部材810はフレームFに対する相対位置が変化しないように固定して設けられている。保持部材811を収容する収容部810bを含む。収容部810bは上方に開口し、底部が閉鎖された円筒状の空間である。支持部材810は、また、切替ユニット10の切替弁10aと収容部810b内を連通させる連通部810aを備える。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810aを介して切替弁10aに導入される。
保持部材811は、蓋ユニット91の凸部911d又は底部材901の凸部901cが挿入される収容部811bを含む。収容部811bは上方に開口し、底部が閉鎖された円筒状の空間である。保持部材811は、また、収容部810bと収容部811bを連通させる連通部811aを備える。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810a及び811bを介して切替弁10aに導入される。保持部材811は収容部810b内を上下方向にスライド自在に設けられた可動部材である。保持部材811には、保持部材811と収容部810bとの間をシールするシール部材811cが形成されており、保持部材811のスライド中も収容部810b内の気密性が維持される。
収容部811b内壁には、径方向内側に隆起した係合部811dが形成されている。係合部811dと蓋ユニット91のリングばね918bとが係合することで、蓋ユニット91が保持部材811に保持される。保持部材811と蓋ユニット91とを上下方向に分離させる一定以上の力が作用すると、リングばね918bの弾性変形によって、係合部811dとリングばね918bとの係合が解除される。これにより、蓋ユニット91と保持部材811とが分離する。
昇降軸812はその軸方向が上下方向となるように設けられている。昇降軸812は支持部材810の底部を上下方向に貫通し、支持部材810に対して上下に昇降自在に設けられている。支持部材810には、昇降軸812が通る穴の部分にシール部材810cが設けられており、昇降軸812のスライド中も収容部810b内の気密性が維持される。
昇降軸812の下端部には保持部材811の底部が固定されている。昇降軸812の昇降によって保持部材811が上下方向にスライドし、凸部901cや凸部911dへの保持部材811の装着と分離を行うことができる。昇降軸812の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ812aが形成されている。このねじ812aにはナット814bが螺着されている。下部ユニット8Cは、モータ814aを備えており、ナット814bはモータ814aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転される。ナット814bの回転によって昇降軸812が昇降する。
昇降軸812は、中心軸に貫通穴を有する管状の軸であり、この貫通穴にプローブ813が上下にスライド自在に挿入されている。プローブ813は保持部材811の底部を上下方向に貫通し、支持部材810及び保持部材811に対して上下に昇降自在に設けられている。保持部材811には、プローブ813が通る穴の部分にシール部材811eが設けられており、プローブ813のスライド中も収容部811b内の気密性が維持される。
プローブ813は、栓部材913の軸913a(及び栓部材903の軸903a)と同軸上に設けられている。プローブ813を上昇することで、栓部材913の軸913aを上方に押圧し、栓部材913を閉状態から開状態にすることができる。なお、プローブ813を用いずに、抽出容器9へ供給する空気の気圧や水の水圧を利用して、栓部材913を押圧し、閉状態から開状態にすることも可能である。この場合、気圧や水圧をコイルばね915の付勢力よりも高い圧力とすればよい。例えば、蒸らしための液体(例えば、お湯)の投入、抽出容器9の清掃のための液体(例えば、浄水、お湯、洗剤)の投入のうちの少なくとも一方又は両方は、液体の投入部(栓部材913や栓部材903)を予め開放しておいて液体を圧入させるのではなく、ユーザの好みであったり、透過部101を介したユーザへの見せ方、や液体の勢いの程度を通常と異なるようにするために、投入部(栓部材913や栓部材903)を閉鎖又は全開よりも少ない開放にしておき、投入する液体の水圧で当該投入部を開放させるのが好適な場合がある。例えば瞬間的に抽出容器9内に液体が進入したり、抽出容器9の内壁部や抽出対象(例えば、焙煎コーヒーの挽き豆)にシャワー上に降り注いだりさせられる場合がある。
図16は栓部材913(及び栓部材903)の開閉態様を示している。保持部材811が上昇位置にあり、凸部901cが保持部材811に挿入されている。そして、プローブ813(図16で不図示)の上昇により栓部材913が破線で示す開状態に変位可能であることが理解される。抽出容器9の上下が反転された場合、栓部材903を閉状態から開状態にすることができる。
プローブ813の外周面にはリードスクリュー機構を構成するねじ813aが形成されている。このねじ813aにはナット815bが螺着されている。下部ユニット8Cは、モータ815aを備えており、ナット815bはモータ815aの駆動力によって、その場で(上下に移動せずに)回転するように設けられている。ナット815bの回転によってプローブ813が昇降する。
<4-4.中部ユニット>
中部ユニット8Bについて図10及び図17を参照して説明する。図17は中部ユニット8Bの模式図である。中部ユニット8Bは抽出容器9を支持する支持ユニット81Bを含む。支持ユニット81Bは上述したアーム部材820の他、ロック機構821を支持するユニット本体81B’を含む。
ロック機構821は、蓋ユニット91を容器本体90に対して閉状態に維持する機構である。ロック機構821は、蓋ユニット91の鍔部911cと容器本体90のフランジ部90cとを上下に挟持する一対の把持部材821aを含む。一対の把持部材821aは、鍔部911cとフランジ部90cとを挟み込んで嵌合するC字型の断面を有しており、モータ822の駆動力により左右方向に開閉される。一対の把持部材821aが閉状態の場合、図17の囲み図において実線で示すように、各把持部材821aは鍔部911cとフランジ部90cとを上下に挟み込むようにしてこれらに嵌合し、蓋ユニット91が容器本体90に対して気密にロックされる。このロック状態においては、保持部材801を昇降軸802によって上昇させて蓋ユニット91を開放しようとしても、蓋ユニット91は移動しない(ロックは解除されない)。つまり、保持部材801を用いて蓋ユニット91を開放する力よりもロック機構821によるロックの力の方が強く設定されている。これにより異常時に容器本体90に対して蓋ユニット91が開状態になることを防止することができる。
また、一対の把持部材821aが開状態の場合、図17の囲み図において破線で示すように、鍔部911cとフランジ部90cから各把持部材821aが離間した状態となり、蓋ユニット91と容器本体90とのロックが解除される。
なお、把持部材821aのC字型の断面は、図の例の場合、矩形状(上辺と下辺とが平行)であるが、開口端側で断面積が狭くなる台形状であってもよい。これにより鍔部911cとフランジ部90cとをより強固にロックできる。
保持部材801の係合部801dと蓋ユニット91のリングばね918bとが係合状態にあり、かつ、保持部材801を降下位置から上昇位置に上昇する場合、一対の把持部材821aが開状態の場合には容器本体90から蓋ユニット91が分離される。逆に一対の把持部材821aが閉状態の場合には係合部801dとリングばね918bとの係合が解除され、保持部材801だけが上昇することになる。
中部ユニット8Bは、また、モータ823を駆動源としてアーム部材820を前後方向に水平移動する機構を含む。これにより、アーム部材820に支持された容器本体90を後側の抽出位置(状態ST1)と、前側の豆投入位置(状態ST2)との間で移動することができる。図18は容器本体90の移動態様を示している。図18において、実線で示す容器本体90の位置は抽出位置を示し、破線で示す容器本体90の位置は豆投入位置である。豆投入位置は、容器本体90に挽き豆を投入する位置であり、蓋ユニット91が分離された容器本体90の開口90aに、グラインダ5Bで挽かれた挽き豆が投入される。抽出位置は、容器本体90が操作ユニット81A及び操作ユニット81Cによる操作が可能となる位置であり、プローブ803、813と同軸上の位置であって、コーヒー液の抽出を行う位置である。図10、図13~図16はいずれも容器本体90が抽出位置にある場合を示している。このように、挽き豆の投入と、コーヒー液の抽出及び水の供給とで、容器本体90の位置を異ならせることにより、コーヒー液抽出時に発生する湯気が、挽き豆の供給部であるグラインダ5Bの排出口51bに付着しにくくなり、湯気の水分で挽き豆が排出口51bに付着することを防止できる。
図17に戻り、中部ユニット8Bは、また、モータ824を駆動源として支持ユニット81Bを前後方向の軸825回りに回転させる機構を含む。これにより、容器本体90(抽出容器9)の姿勢をネック部90bが上側の正立姿勢(状態ST1)からネック部90bが下側の倒立姿勢(状態ST3)へ変化させることができる。図13は抽出容器9が正立姿勢の状態を示している。図19は抽出容器9を回動してその姿勢を変化させた状態を図示している。抽出容器9の回動中は、ロック機構821により容器本体90に蓋ユニット91がロックされた状態が維持される。図19において実線で示す抽出容器9は倒立姿勢の状態を示しており、破線で示す抽出容器9は、正立姿勢と倒立姿勢との中間の姿勢(回動途中の姿勢)を示している。正立姿勢と倒立姿勢とで抽出容器9は上下が反転される。正立姿勢における凸部901cの位置に、倒立姿勢では凸部911dが位置する。また、正立姿勢における凸部911dの位置に、倒立姿勢では凸部901cが位置する。このため、倒立姿勢では栓部材903に対する開閉操作を操作ユニット81Aが行うことができ、また、栓部材913に対する開閉操作を操作ユニット81Cが行うことができる。
なお、把持部材821aには、把持部カバーを備えていてもよい。その場合、回転動作時のロック機構821全体の回転半径を抑えるために、回転面の正面視で把持部カバーの外側を削る形状をしていてもよい。こうすることで、他の部品との干渉を防ぎつつ、ロック機構の保護が可能になる。
図17の例ではユニット本体81B’に対してアーム部材820が前後方向に相対的に進退する機構としたが、図24の例に示すようにユニット本体81B’にアーム部材820を固定する機構も採用可能である。図24の例では、モータ823を駆動源とした機構によりユニット本体81B’を前後方向に水平移動する。これによりアーム部材820も前後方向に移動するので、容器本体90を抽出位置と豆投入位置との間で移動することができる。
<5.動作制御例>
処理部11aが実行する飲料製造装置1の制御処理例について図20~図22を参照して説明する。図20は一回のコーヒー飲料製造動作に関わる制御例を示している。製造指示前の飲料製造装置1の状態を待機状態と呼ぶ。待機状態における各機構の状態は以下の通りである。
抽出装置3は図10の状態にある。抽出容器9は正立姿勢で、かつ、抽出位置に位置している。ロック機構821は閉状態であり、蓋ユニット91は容器本体90の開口90aを閉鎖している。保持部材801は降下位置にあり、凸部911dに装着されている。保持部材811は上昇位置にあり、凸部901cに装着されている。栓部材903及び913は閉状態にある。切替弁10aは操作ユニット81Cの連通部810aを廃棄タンクTと連通させる。待機状態は、図10の状態に限定されず、例えば、抽出容器9は正立姿勢で、かつ、抽出位置に位置し、ロック機構821は開状態であり、蓋ユニット91は容器本体90の開口90aを開放しているようにしてもよい。
待機状態において、コーヒー飲料の製造指示があると、図20の処理が実行される。S1では予熱処理が実行される。この処理は容器本体90内にお湯を注ぎ、容器本体90を事前に加温する処理である。まず、栓部材903及び913を開状態とする。これにより、配管L3、抽出容器9、廃棄タンクTが連通状態となる。
電磁弁72iを所定時間(例えば1500ms)だけ開放したのちに閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。続いて電磁弁73bを所定時間(例えば500ms)だけ開放したのちに閉鎖する。これにより、抽出容器9内の空気が加圧され、廃棄タンクTへのお湯の排出を促進する。以上の処理により、抽出容器9の内部及び配管L2が予熱され、これに続くコーヒー飲料の製造において、お湯が冷めることを低減できる。
また、この予熱処理においてお湯が抽出容器9内に注入される際、フィルタ910をお湯が通過する。前回のコーヒー飲料の製造において使用した挽き豆の残渣や、コーヒー液の抽出により生じたオイルがフィルタ910に付着していたとしても、これが洗い流されて排出される。
S2ではグラインド処理を行う。ここでは焙煎コーヒー豆を粉砕し、その挽き豆を容器本体90に投入する。まず、ロック機構821を開状態とし、保持部材801を上昇位置に上昇する。蓋ユニット91は保持部材801に保持され、保持部材801と共に上昇する。この結果、蓋ユニット91は容器本体90から分離する。保持部材811は降下位置に降下する。容器本体90を豆投入位置に移動する。続いて、貯留装置4及び粉砕装置5を作動する。これにより、貯留装置4から一杯分の焙煎コーヒー豆がグラインダ5Aに供給される。グラインダ5A及び5Bで焙煎コーヒー豆が二段階で挽かれ、かつ、分離装置6で不要物が分離される。挽き豆は容器本体90に投入される。
容器本体90を抽出位置に戻す。保持部材801を降下位置に降下して容器本体90に蓋ユニット91を装着する。ロック機構821を閉状態とし、蓋ユニット91を容器本体90に気密にロックする。保持部材811は上昇位置に上昇する。栓部材903、913のうち、栓部材903は開状態とし、栓部材913は閉状態とする。
S3では抽出処理を行う。ここでは容器本体90内の挽き豆からコーヒー液を抽出する。図21はS3の抽出処理のフローチャートである。
S11では抽出容器9内の挽き豆を蒸らすため、一杯分のお湯よりも少ない量のお湯を抽出容器9に注入する。ここでは、電磁弁72iを所定時間(例えば500ms)開放して閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。その後、所定時間(例えば、5000ms)待機してS11の処理を終了する。この処理によって挽き豆を蒸らすことができる。なお、この処理の後の抽出容器9内の圧力および温度は若干上昇するが、処理の前と大きな差はない。
挽き豆を蒸らすことで、挽き豆に含まれる炭酸ガスを放出させ、その後の抽出効果を高めることができる。挽き豆全体を蒸らすために、蒸らし用のお湯は、挽き豆に対して均等にかかる量が好ましい。そのため、蒸らし用のお湯を抽出容器9内に注入する際に、電磁弁72hを一時的に開放し、水タンク72を減圧しつつ注入するようにしてもよい。このようにすることで、蒸らし用のお湯の勢いを落とし、豆に対してなるべく均等にお湯をかけるようにすることができ、蒸らしの効果を高めることができる。なお、蒸らし時の抽出容器9内の気圧は、後述するその後の浸漬式の抽出時(S14)の気圧よりも低い気圧(お湯が沸騰しない気圧)で行ってもよい。これにより炭酸ガスの放出を促進することができる。液体(例えば、お湯)に挽き豆を接触させる際、例えば蒸らしの際、浸漬の際等に当該挽き豆から放出される炭酸ガスについては、蒸らしの後で一度解放弁73cを開弁して大気に解放してもよいし、解放せずに、後の挽き豆を液体(例えば、お湯)に浸漬する際に当該炭酸ガスの圧力も加えて浸漬するようにしてもよい。例えば、飲料製造装置1の場合、2気圧(絶対圧で3気圧)または0気圧(絶対圧で1気圧)で挽き豆の蒸らしを行い、その後2気圧(絶対圧で3気圧)で一杯分の液体(例えば、お湯)を抽出容器9に注入し、4気圧(絶対圧で5気圧)で浸漬し、大気圧(0気圧(絶対圧で1気圧))で突沸させ、抽出容器9を回転させた後、抽出容器9内に圧力を0.7気圧(絶対圧で1.7気圧)を与えながら浸漬や抽出容器9外への送出を行うが、挽き豆から放出される炭酸ガスの圧力も加味して、挽き豆の蒸らしや浸漬や送出を行ってもよいし、蒸らしは実行前に炭酸ガスを大気に放出してから行ったり、4気圧の浸漬の前に炭酸ガスを大気に放出したり、当該4気圧の前の2気圧の浸漬の前に炭酸ガスを大気に放出したり、当該4気圧の後の0.7気圧の浸漬や送出の前に炭酸ガスを大気に放出したりしてもよい。蒸らしは炭酸ガスの圧力もプラスして行ったり、4気圧の浸漬を炭酸ガスの圧力もプラスして行ったり(例えば、4気圧+炭酸ガスの圧力で浸漬を行ったり)、4気圧の前の2気圧の浸漬を炭酸ガスの圧力もプラスして行ったり(例えば、2気圧+炭酸ガスの圧力で浸漬を行ったり)、4気圧の後の0.7気圧の浸漬を炭酸ガスの圧力もプラスして行ったり(例えば、0.7気圧+炭酸ガスの圧力で浸漬を行ったり)してもよい。
なお、蒸らしの有無を設定により選択可能であってもよい。蒸らしを行わない場合は、注水が一度で済むためにコーヒー飲料製造完了までの時間を短縮する効果がある。
S12では、一杯分のお湯が抽出容器9に収容されるよう、残りの量のお湯を抽出容器9へ注入する。ここでは、電磁弁72iを所定時間(例えば7000ms)開放して閉鎖する。これにより、水タンク72から抽出容器9内にお湯が注入される。なお、本実施形態では、お湯の量を電磁弁72iの開放時間で管理しているが、注湯量を流量計での測定や、他の方法の計量により管理してもよい。
S12の処理によって抽出容器9内を、1気圧で摂氏100度を超える温度(例えば摂氏110度程度)の状態とすることができる。続いてS13により抽出容器9内を加圧する。ここでは電磁弁73bを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖し、抽出容器9内をお湯が沸騰しない気圧(例えば4気圧程度(ゲージ圧で3気圧程度))に加圧する。その後、栓部材903を閉状態とする。
続いて、この状態を所定時間(例えば7000ms)維持して浸漬式のコーヒー液抽出を行う(S14)。これにより高温高圧下での浸漬式によるコーヒー液の抽出が行われる。高温高圧下での浸漬式の抽出では、以下の効果が見込める。一つ目は、高圧にすることで、挽き豆の内部にお湯を浸透させ易くし、コーヒー液の抽出を促進させることができる。二つ目は、高温にすることで、コーヒー液の抽出が促進される。三つ目は、高温にすることで挽き豆に含まれるオイルの粘性を下がり、オイルの抽出が促進される。これにより香り高いコーヒー飲料を製造できる。なお、高温でコーヒー液を抽出するとえぐ味が出易いと言う見解があるが、本実施形態では、分離装置6においてえぐ味の元になるチャフ等の不要物を除去している。このため、高温でコーヒー液を抽出した場合であってもえぐ味を抑えることができる。
お湯(高温水)の温度は、摂氏100度を超えていればよいが、より高温である方がコーヒー液の抽出の点で有利である。一方、お湯の温度を高くするためには一般にコストアップとなる。したがって、お湯の温度は、例えば、摂氏105度以上、または、摂氏110度以上、或いは、摂氏115度以上とし、また、例えば、摂氏130度以下、または、摂氏120度以下としてもよい。気圧はお湯が沸騰しない気圧であればよい。
S15では抽出容器9内を減圧する。ここでは、抽出容器9内の気圧をお湯が沸騰する気圧に切り替える。具体的には、栓部材913を開状態とし、電磁弁73cを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖する。抽出容器9内が大気に解放される。その後、栓部材913を再び閉状態とする。
抽出容器9内が沸点圧よりも低い気圧に急激に減圧され、抽出容器9内のお湯が一気に沸騰する。抽出容器9内のお湯、挽き豆は、抽出容器9内で爆発的に飛散する。これにより、お湯を均一に沸騰させることができる。また、挽き豆の細胞壁の破壊を促進させることができ、その後のコーヒー液の抽出を更に促進させることができる。また、この沸騰により挽き豆とお湯を撹拌させることもできるため、コーヒー液の抽出を促進させることができる。こうして本実施形態ではコーヒー液の抽出効率を向上することができる。解放弁(73c)の開弁によって、抽出容器9内の気圧を急減圧している。急減圧とは、例えば、突沸状態や突沸に近い状態のうちの一方が発生する速度で減圧することとしてもよく、具体的には、抽出容器9内の気圧を蒸気圧(飽和水蒸気圧、平衡蒸気圧等としてもよい。)未満の圧力まで下がるような速度で減圧することや抽出容器9内の液体(例えば、お湯やお湯とコーヒー液の混合物)を沸点を超えた温度で突然沸騰させるような速度で減圧することとしてもよい。突沸(例えば、沸騰していなかった液体(例えば、お湯)が沸点を超えた温度で突然沸騰する現象等)により、挽き豆の細胞の破壊や挽き豆とお湯の撹拌を行うようにしてもよい。
S16では抽出容器9を正立姿勢から倒立姿勢へ反転する。ここでは、保持部材801を上昇位置に、保持部材811を降下位置にそれぞれ移動する。そして、支持ユニット81Bを回転させる。その後、保持部材801を降下位置に、保持部材811を上昇位置にそれぞれ戻す。図23は反転の前後での抽出容器内9の状態を示している。同図左側は正立姿勢の抽出容器9を示し、同図右側は倒立姿勢の抽出容器9を示す。ネック部90bやフィルタ910を含む蓋ユニット91が下側に位置する。正立姿勢から倒立姿勢への反転とは、抽出容器9の回転を伴う動作を行うことで、抽出容器9を180度回転させることに限定されず、180度未満のある角度(例えば、170度)に回転させたり、180度を超えるある角度(例えば、190度)回転させるようにしてもよい。抽出容器9をプラスマイナス90度超える角度まで回転させればよいものとしてもよい。例えば、正立姿勢や倒立姿勢については、抽出容器9の開口90aを構成するある部位と抽出容器9の開口90aを構成しない部位のうちの当該ある部位から最も遠い部位について、正立姿勢とは当該遠い部位よりも当該ある部位の方が高い位置に位置する姿勢であり、倒立姿勢とは、当該遠い部位よりも当該ある部位の方が低い位置に位置する姿勢としてもよく、正立姿勢とは当該遠い部位よりも当該ある部位の方が高い位置に位置する状態で静止した姿勢であり、倒立姿勢とは、当該遠い部位よりも当該ある部位の方が低い位置に位置する状態で静止した姿勢としてもよい。また、正立姿勢から倒立姿勢への回転の際に所定の回数(例えば、1回、複数回等)360度回転するなど、正立姿勢から倒立姿勢の姿勢変化の間にどのようなアクションを行ってもよく、また単なる回転ではなく、正立姿勢を取る抽出容器9の位置と倒立姿勢を取る抽出容器9の位置が前後上下左右で別の位置であってもよい。
S17では透過式のコーヒー液抽出を行い、カップCにコーヒー飲料を送出する。ここでは、切替弁10aを切り替えて注ぎ部10cと操作ユニット81Cの通路部810aとを連通させる。また、栓部材903、913をいずれも開状態とする。更に、電磁弁73bを所定時間(例えば10000ms)開放し、抽出容器9内を所定気圧(例えば1.7気圧(ゲージ圧で0.7気圧))にする。抽出容器9内において、コーヒー液がお湯に溶け込んだコーヒー飲料がフィルタ910を透過してカップCに送出される。フィルタ910は挽き豆の残渣が漏出することを規制する。S14での浸漬式の抽出とS17での透過式の抽出とを併用することによりコーヒー液の抽出効率を向上できる。以上により抽出処理が終了する。ここでは、透過式のコーヒー液抽出の前に、当該炭酸ガスによる圧力を大気解放しない例を示したが、透過式のコーヒー液抽出の前に、解放弁73cを開弁して抽出容器9内の挽き豆から放出された炭酸ガスを大気に解放することで、当該炭酸ガスによる圧力を大気解放することが好ましい。
なお、S17における透過式のコーヒー液抽出の際には、栓部材903のみを開状態とし、一度、大気圧に開放してもよい。そうすることで、浸漬式抽出の最中に発生した炭酸ガスによって上昇した抽出容器9内の気圧を下げることができる。この動作を行ったあとで、栓部材913を開状態とし、電磁弁73bを開放することでコーヒー液を抽出するようにしてもよい。
抽出処理の終了判断は、抽出処理中の抽出容器9の内部の圧力変化によって判断してもよい。たとえば、1.7気圧を維持するために1.7気圧を下回った場合に電磁弁73bの開閉によって加圧を行い、加圧から次の加圧までの時間の間隔が送出開始時から半分以下になった場合に送出が完了したと判断し、抽出処理を終了してもよい。また、単位時間あたりの加圧回数が増加することによって判断を行ってもよい。
ここで、図23を参照してS16の反転動作とS17の透過式のコーヒー液抽出との関係について説明する。抽出容器9が正立姿勢の状態では、挽き豆が胴部90eから底部90fに渡って堆積する。一方、抽出容器9が倒立姿勢の状態では、挽き豆が肩部90dからネック部90bに渡って堆積する。ネック部90bの断面積SC12よりも胴部90eの断面積SC11の方が大きく、倒立姿勢での挽き豆の堆積厚さH2は正立姿勢での堆積厚さH1よりも厚くなる。つまり、挽き豆は抽出容器9が正立姿勢の状態では相対的に薄く、広く堆積し、倒立姿勢の状態では相対的に厚く、狭く堆積する。
本実施形態の場合、S14の浸漬式抽出は抽出容器9が正立姿勢の状態で行われるので、お湯と挽き豆とを広範囲にわたって接触させることができ、コーヒー液の抽出効率を向上できる。但し、この場合はお湯と挽き豆とが部分的に接触する傾向にある。一方、S17の透過式抽出は抽出容器9が倒立姿勢の状態で行われるので、お湯がより多くの挽き豆と接触しながら堆積した挽き豆を通過することになる。お湯がより万遍なく挽き豆と接触することになり、コーヒー液の抽出効率を更に向上することができる。
抽出容器9の内部空間の断面積を開口90a側で小さくするにあたり、開口90aまで徐々に絞る(連続的に傾斜した)形状となるようにネック部90bを形成してもよいが、本実施形態のように、ネック部90bが断面積が一定となる箇所が上下方向に一定の長さだけ確保される方が好ましい。このようにすることで、挽き豆の単位体積当たりに透過するお湯の量を均一に近づけることができるため、過抽出を防ぎつつ、透過式による抽出の効率を高めることができる。また、抽出容器9の断面形状は、円筒形状に限られず、角筒形状等でもよいが、本実施形態のように円筒形状とすることでコーヒー液をより均一に抽出できる。
また、抽出容器9を反転する際にはお湯と挽き豆が攪拌されるので、コーヒー液の抽出効率を更に向上することができる。本実施形態の場合、肩部90dが胴部90eとネック部90bとの間に形成されているので、反転の際、挽き豆を胴部90eからネック部90bに円滑に移動させることができる。
なお、減圧後、抽出容器9内の攪拌を目的として、抽出容器9を振る動作を行ってもよい。具体的には、例えば、30度の範囲内で抽出容器9の姿勢を傾けて戻す動作を複数回繰り返してもよい。この振る動作は、抽出容器9の反転前に行ってもよいし、反転後に行ってもよい。
また、本実施形態では、減圧前にS14で浸漬式の抽出を行っているが、減圧後に浸漬式の抽出を行うようにしてもよく、この場合、S14の処理を削除してもよいし、S14の処理も行って、減圧の前後で浸漬式の抽出を行ってもよい。
また、本実施形態ではS15の減圧の方法として、抽出容器9内を大気に解放するようにしたが、これに限らず、抽出容器9内の圧力よりも低い圧力(大気圧以上もしくは大気圧以下)の容器と導通させる方式など、どのような方式を採用してもよい。しかし、本実施形態の方式が、その後の抽出における温度、送出されるコーヒー飲料の温度、減圧のし易さ、減圧幅の点で有利である。もちろん解放弁73cの開放時間を調整して、減圧後の圧力を大気圧よりも高いある圧力(例えば1.1気圧等)になるようにしてもよい。減圧後の圧力を大気圧よりも低いある圧力(例えば0.9気圧等)になるようにしてもよい。もちろん、減圧後の圧力を大気圧になるようにしてもよい。
また、抽出容器9内を高温高圧の状態にするために、本実施形態では、高温高圧のお湯を抽出容器内に注入する方式を採用しているが、これに限られない。例えば、抽出容器9内に水または所望の温度よりも低い湯を注入した後に加圧、加熱する方式を採用してもよい。
図20に戻り、S3の抽出処理の後は、S4の排出処理を行う。ここでは抽出容器9内の清掃に関する処理を行う。図22はそのフローチャートである。
S21では抽出容器9を倒立姿勢から正立姿勢へ反転させる。ここでは、まず、栓部材903、913を閉状態にする。保持部材801を上昇位置に、保持部材811を降下位置にそれぞれ移動する。そして、支持ユニット81Bを回転させる。ネック部90bやフィルタ910を含む蓋ユニット91が上側に位置する。その後、保持部材801を降下位置に、保持部材811を上昇位置にそれぞれ戻す。フィルタ910を取り外すことなく、抽出容器9内の清掃を行える。また、抽出容器9の反転時の振動或いは反転完了時の衝撃で、フィルタ910に付着した挽き豆の残渣がフィルタ910から分離し、落下することを促進できる。
S22では、栓部材913を開状態にする。電磁弁73fを所定時間(例えば2500ms)開放して閉鎖する。これにより、水道水(浄水)が抽出容器9内に注入される。清掃には水タンク72のお湯を用いることもできるが、お湯を消費するとコーヒー飲料の連続製造性能が低下する。このため、本実施形態では、水道水(浄水)を利用している。しかし清掃には水タンク72のお湯や図示しない洗剤タンクから送出される洗剤を用いるようにしてもよい。
本実施形態では、フィルタ910側の端部付近(ネック部90b)に断面外形が一定となる箇所がある。このため、掃除用の水を抽出容器9内に注入する際に抽出容器9の壁面に沿って水を流すことができ、掃除の効果を高めることができる。
なお、S22注水の前又はS21の反転の前に抽出容器9内を所定時間(例えば500ms等)だけ大気に解放してもよい。抽出容器9内の残圧を逃がすことができ、S22の注水を円滑に行うことができる。
このように抽出容器9内を大気に解放した場合、抽出容器9内がゲージ圧で0気圧となる。よって、注水の際には、水圧で栓部材913が自動的に開状態となる場合がある。この場合には、栓部材913を開状態にする処理は不要である。水圧で栓部材913を開状態とした場合、栓部材913が閉状態に復帰する力と水圧との均衡によって、水が抽出容器9の内壁面等を伝って流れやすくなり、抽出容器9の内部全体に水が供給され易くなる。
S23では、栓部材903を開状態にする。切替弁10aは操作ユニット81Cの連通部810aを廃棄タンクTと連通させる。これにより、配管L3、抽出容器9、廃棄タンクTが連通状態となる。電磁弁73bを所定時間(例えば1000ms)開放して閉鎖する。これにより抽出容器9内が加圧され、抽出容器9内の水が、挽き豆の残渣と共に廃棄タンクTへ排出される。その後、栓部材903、913を閉状態にして処理が終了する。
清掃に用いた水が、コーヒー飲料の送出用の連通穴911aとは別の連通穴901aから送出されるため、連通穴911aが汚れることを防止できる。
なお、連通穴901aは連通穴911aよりも大きくてもよく、これにより残渣などを排出し易くなる。また、抽出容器9内の加圧は、S22の注水の途中で開始してもよい。これにより、S23での水や残渣の排出をより効果的に行うことが可能となる。抽出容器9内の加圧は、例えば、5気圧(ゲージ圧で4気圧)程度に一気に加圧することで、残渣をより勢いよく排出でき、また、抽出容器9内で水が舞い上がって、抽出容器9内の隅々に水を供給し、内部全体の洗浄能力を向上できる。
また、S23の処理の終了後に栓部材903、913を閉状態とせず、開状態のままとしてもよい。
以上により一回のコーヒー飲料製造処理が終了する。以降、同様の処理が製造指示毎に繰り返される。一回のコーヒー飲料の製造に要する時間は、例えば、60~90秒程度である。
<第二実施形態>
抽出容器9の清掃に関する他の処理例について説明する。
<排出処理>
図22に例示した排出処理では、S22及びS23の注水、水及び残渣の排出を一回だけ行うようにしたが、複数回行ってもよい。これにより抽出容器9内を、より清浄に維持することができる。図25は図22の排出処理に代わる排出処理例を示すフローチャートである。
図25のS21~S23の処理は図22のS21~S23の処理と同じである。S23の処理の後、S24では規定回数の清掃を完了したか否かを判定する。規定回数とは例えば2回である。完了していない場合はS22へ戻り、S22及びS23の処理を再度実行する。完了している場合は一回の排出処理を終了する。
なお、S22及びS23の処理を繰り返すにあたって、水の量や、加圧の程度或いはタイミングを変更してもよい。
また、S22の注水の際に栓部材903を閉状態にしていてもよい。その場合、抽出容器9内に水を貯めて栓部材913も閉状態にし、抽出容器9の反転動作を一回又は複数回行ってもよい。これにより抽出容器9内の洗浄効果を向上できる。なお、図25の例のようにS22の注水処理を複数回行う場合、2回目以降の注水処理において、このような抽出容器9の反転動作を行ってもよい。初回は抽出容器9内に残存する残渣の量が多く、容器内でのその飛散を回避するためである。
<再清掃処理>
コーヒー液の抽出後以外のタイミングで、抽出容器9の清掃を行ってもよい。例えば、待機状態に行うことができる。或いは、ユーザが操作ユニット12から指示した場合に行うことができる。このようにコーヒー液抽出直後以外のタイミングで行う抽出容器9の清掃処理を再清掃処理という。図26は再清掃処理の例を示すフローチャートである。
S31では注水処理を行う。S22と同様の処理である。S32ではS31で注水した水の排水を行う。S23と同様の処理である。以上により一単位の処理が終了する。
なお、S31の注水の際に栓部材903を閉状態にしていてもよい。図22や図25の排出処理の場合は、注水の際に栓部材903を閉状態とせずに、図26の再清掃処理の場合だけ注水の際に栓部材903を閉状態としてもよい。或いは、図22や図25の排出処理の場合も注水の際に栓部材903を閉状態とするが、排出処理の場合と再清掃処理の場合とで注水量を異ならせてもよい。更に、注水量はユーザが操作ユニット12から指示可能であってもよい。
また、再清掃処理は抽出容器9が正立姿勢の場合に実行することを基本とするが、抽出容器9を反転させて倒立姿勢として実行してもよい。
また、コーヒー飲料の製造から一定時間が経過すると、水タンク72の湯を用いた再洗浄の処理を自動で行ってもよい。この動作を行うことによって、流路内に冷えて固まったコーヒー液の油成分等を洗い流すことができる。
<第三実施形態>
豆処理装置2及び抽出装置3の他の構成例について説明する。以下の説明において、第一実施形態と同じ構成、又は、機能が共通する構成については、第一実施形態における各構成と同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成又は機能を中心に説明する。
第一実施形態と同様、本実施形態でも豆処理装置2の下側に抽出装置3が配置されており、基本的な構造は共通している。豆処理装置2は、貯留装置4、粉砕装置5、を含む。粉砕装置5は粗粒用のグラインダ5A、細粒用のグラインダ5B、及び、これらの間で不要物を挽き豆から分離する分離装置6を含む。
分離装置6の形成ユニット6Bとグラインダ5Bとの間は、後方から前方へ向かって斜め下方に延びる搬送管500によって接続されている。分離装置6で不要物が除去された挽き豆は、搬送管500を通ってグラインダ5Bへ供給される(実質的に自然落下)。
グラインダ5Bにはノズルタイプの送出管501が設けられている。グラインダ5Bで細粒化された挽き豆は送出管501を通って排出される。送出管501は、その出口が、容器本体90が豆投入位置に位置している場合に、丁度容器本体90の開口90aの上方に位置するように、配置されている。図27の態様は、容器本体90が抽出位置に位置しており、送出管501の出口は、容器本体90の前方でやや上方に位置している。
本実施形態の場合、抽出位置における容器本体90は、グラインダ5Bの真下から横方向にずれた位置に位置している。このため、送出管501を湾曲させて、グラインダ5Bの真下からずれた位置へ挽き豆を送出するようにしている。
本体部53には挽き豆の粒度を調整するギア53b‘が設けられている。ギア53b’は不図示の粒度調整機構により操作される。
<吸引ユニット>
図27と図28を参照して吸引ユニット6Aの構成について説明する。図28は吸引ユニット6Aの垂直断面図である。本実施形態の吸引ユニット6Aは、第一実施形態の吸引ユニット6Aと同様、遠心分離方式の機構である。基本的な動作も同様である。すなわち、送風ユニット60Aにより回収容器60B内の空気を上方へ排気する。それにより、接続部61cを介して形成ユニット6Bから不要物を含んだ空気が排気筒61bの周囲を旋回し、不要物Dがその重量によって回収容器60Bに落下する。空気が排気筒61bの周囲を旋回する際、フィン61dにより空気の旋回と不要物Dの分離が加速される。
本実施形態の場合、回収容器60Bの下部62が、上側の湾曲部62Aと下側の回収部62Bとを含み、これらは分離可能に係合する。湾曲部62Aは、上部61から下方へ延出した後、前側へ屈曲した円筒体である。
回収部62Bは屈曲のない真っ直ぐな有底の円筒体であり、湾曲部62Aの下端に嵌合している。このため、回収部62Bは後方から前方へ向かって下側に斜めに傾斜して取り付けられている。不要物Dは回収部62Bの一部に集められる(底部に堆積する)。不要物Dを廃棄する場合、回収部62Bを湾曲部62Aから取り外す。その際、回収部62Bを前方下方へ引き抜けばよいので、ユーザが装置正面から回収部62Bの取り外し作業を行い易い。
回収容器60Bの上部61は、遠心分離のために、上下方向に延びていることが好ましい。湾曲部62Aを設けたことで、遠心分離性能と回収部62Bの着脱容易性とを両立できる。
回収容器60Bの下部62は外部から内部が視認可能な透過部を有していてもよい。或いは、湾曲部62Aは非透過性の部材とし、回収部62Bのみを透過性を有する部材としてもよい。いずれの場合もユーザが不要物Dの堆積量を目視にて確認できる。
<中部ユニット>
図27、図29及び図30を参照して中部ユニット8Bの構成、特に、容器本体90を水平方向に移動する構成等について説明する。図29は中部ユニット8Bが備える水平移動機構の部分斜視図であり、図30はアーム部材820の部分斜視図である。
第一実施形態と同様、アーム部材820は、保持部材820aと、左右に離間した一対の軸部材820bとを含む。一対の軸部材820bはユニット本体81B’に前後移動自在に案内され、かつ、支持されている。なお、本実施形態では軸部材820bの数を二本としたが、一本でもよいし、三本以上であってもよい。
一対の軸部材820bの後端部には、それぞれ、ラック820cが設けられている。このラック820cは、モータ823(図17)により駆動されるピニオンが噛み合い、ピニオンの回転によりアーム部材820が前後方向に移動する。移動範囲は、ラック820cの前後端が他の構成(例えばユニット本体81B’の前側の円板部等)と干渉することで制限することができる。なお、本実施形態では、ラック-ピニオン機構によりアーム部材820を水平移動させたが、ボールねじ機構等、他の駆動機構を用いてもよい。
保持部材820aは、一対の軸部材820bの前端部に固定されている。保持部材820aは、第一実施形態と同様、樹脂等の弾性部材であり、その弾性力により容器本体90を保持する。保持部材820aに対する容器本体90の着脱は手動操作で行い、保持部材820aに容器本体90を前後方向後方へ押し付けることで容器本体90が保持部材820aに装着される。また、容器本体90を保持部材820aから前後方向前側へ引き抜くことで、容器本体90を保持部材820aから分離可能である。
保持部材820aは、底部BP、左右の側部SP、上部UP、及び、左右の係止部EPを一体に含む環状の枠体を構成している。保持部材820aを環状の枠体とすることで、その弾性変形を許容しつつ、全体的に高い強度を確保することができる。
底部BPは平面視で前側が開いたC字型を有しており、容器本体90は底部BP上に搭載される。左右の側部SPは、底部BPの後側の左右の端部から上方に延設されており、一対の軸部材820bの前端部に固定されている。容器本体90を保持した状態において、左右の側部SPは容器本体90の真横よりも後ろ側に位置している。上部UPは、左右の側部SPの上端部間を接続するように形成されており、本実施形態の場合、上方に凸型のアーチ形状を有している。容器本体90を保持した状態において、上部UPは容器本体90の後ろ側に位置し、かつ、肩部90dにアーチ部分が僅かに重なる。これにより容器本体90が不用意に、上へ変位することが抑制される。
左右の係止部EPは、左右の側部SPの上端部から前方で上方に延び、かつ、僅かに内側に向いている。容器本体90を保持した状態において、左右の係止部EPは、容器本体90の側方から前側に渡って位置し、その先端部は、ネック部90bを前側から押さえる。これにより容器本体90が保持部材820aから前側へ脱落することが抑制される。
このように本実施形態の保持部材820aは、容器本体90を保持した状態において、正面から容器本体90の前側が視認し易いように構成されており、ユーザが容器本体90の動作を確認し易い。また、容器本体90の全体又は一部が透過部を有する構成とした場合には、その内部が正面から見やすくなり、コーヒー液の抽出状況を視認しやすい。
ユニット本体81B’の後方側にはローラRLが設けられている。ローラRLはユニット本体81B’が回転する際に、本体フレームに設けられた円形の縁を滑るようになっている。ローラRLは、ユニット本体81B’の円周に沿って、120度毎に3つや、90度ごとに4つ設けてもよい。ユニット本体81B’がどの回転角度であっても、このローラRLの少なくとも一つは本体フレームの円形の縁によってその重さを支えるようになっている。ローラRLから保持部材820aまでの距離が、ユニット本体81B’の後方で支える部分からの距離よりも短くすることで、上下方向の撓りを軽減することもできる。
<貯留装置>
<キャニスタ及びその着脱構造(第一例)>
図27と、図31~図34を参照して貯留装置4について説明する。本実施形態では、キャニスタ40がホルダユニット43に着脱自在なカートリッジとして構成されている。これにより、例えば、焙煎コーヒー豆の種類の交換を容易かつ迅速に行うことができる。図31はキャニスタ40の分解斜視図、図32はキャニスタ40の筒部の断面図、図33はキャニスタ40の構成部品の動作説明図、図34は装着状態におけるキャニスタ40周辺の垂直断面図である。
ホルダユニット43は、複数の装着部44を含む。一つの装着部44に一つのキャニスタ40が着脱自在に装着される。本実施形態の場合、ホルダユニット43は三つの装着部44を含む。したがって、同時に三つのキャニスタ40を装着することができる。三つのキャニスタ40を区別する場合、キャニスタ40A、40B、40Cという。
本実施形態のキャニスタ40は、焙煎コーヒー豆を収容する細長い中空の豆容器である。キャニスタ40は、筒部401、蓋部402、接続部403、パッキン404、出口形成部405及び出口開閉部408の各部材を含む。
筒部401は、両端部が開放した円筒形状を有しており、焙煎コーヒー豆の収容空間を画定する。筒部401の両端部は、いずれも焙煎コーヒー豆の出入りが可能な口を構成している。筒部401の、蓋部402側の端部の口は、キャニスタ40から飲料製造装置1内へ(コンベア41へ)焙煎コーヒー豆が移動する際には焙煎コーヒー豆が通過しない口であり、蓋部402を開放して焙煎コーヒー豆を補充する場合に焙煎コーヒー豆が通過する口である。
本実施形態の場合、筒部401は透過性を有する部材で形成されている。これにより、収容されている焙煎コーヒー豆の残量を外部から視認することができる。筒状部401の周壁には、スケールSCがその軸方向と平行に延設されている。スケールSCには、焙煎コーヒー豆の残量の目安となる目盛が形成されている。図32の断面図に示すように、スケールSCは、筒部401を形成する板状材料の端部を接続する接続部分としても機能している。
筒部401の一方端部には、環状のパッキン404を介して円筒形状の接続部403が嵌合する。パッキン404は接続部403のフランジ部と筒部401の端縁との間をシールするが、省略してもよい。接続部403の内周面には、雌ネジが形成されている。蓋部402はこの雌ネジに螺号する雄ネジが形成されており、接続部403に対して着脱自在とされている。したがって、図27に示すようにキャニスタ40を装着部44に装着した状態で、蓋部402を回して取り外し、焙煎コーヒー豆を補充することもできる。
蓋部402は半球の殻形状を有しており、筒部401の一方端部を閉鎖する。蓋部402の外周面には周方向に複数の凹部が形成されており、ユーザが指をかけて蓋部402を回しやすくなっている。
出口形成部405は、筒部401の他方端部に接着等により固定される。出口形成部405は上方に開放したカップ状の部材であり、その周壁には出口405aが形成されている。出口405aは焙煎コーヒー豆の出入りが可能な口であり、筒部401に収容される焙煎コーヒー豆は出口405aから外部へ排出可能である。つまり、出口405aは、キャニスタ40から飲料製造装置1内へ(コンベア41へ)焙煎コーヒー豆が移動する際に焙煎コーヒー豆が通過する口であり、粉砕装置5への豆供給用の口である。
出口形成部405には、また、突起部405bが形成されており、筒部401の開口部401aを通って筒部401の周壁の外側に突出する。突起部405bには装着部44に対するキャニスタ40の装着方向を示すマークが付されている。
出口形成部405には、また、突起部405bから下方に延びる検知片405cが形成されており、検知片405cも開口部401aを通って筒部401の周壁の外側に突出する。検知片405cは、装着部44に対するキャニスタ40の装着の有無を検知するために用いられる。
出口形成部405の底部にはコイルばね407が設けられている。また、出口形成部405の底部には固定部材406が組み付けられる。図31は出口形成部405に固定部材406が組み付けられた状態を示しているが、実際には、出口形成部405に出口開閉部408が装着されてから、出口形成部405と固定部材406とで、出口開閉部408を挟み込むようにして、出口形成部405に固定部材406が組み付けられる。
出口開閉部408は、出口形成部405を受け入れる上方に開放したカップ状の部材であり、出口405aを開閉する蓋機構あるいは蓋部材を構成する。出口開閉部408の周壁には開口部408aが形成されている。開口部408aが出口405aと重なると出口405aが開状態となり、出口開閉部408の周壁が出口405aと重なると出口405aが閉状態となる。つまり、出口開閉部408は、筒部401の中心軸線回りに出口形成部405に対して回転可能に出口形成部405に装着される。本実施形態の場合、出口開閉部408は、後述する装着部44側の機構により操作され、出口405aを開閉する。
出口開閉部408の底部には、下方へ突出した筒部408bが設けられ、この筒部408bの内側の空間408b’はコイルばね407が配置される凹部を形成している。上述した固定部材406は筒部408bを挿通して出口形成部405に組み付けられる。コイルばね407は、出口開閉部408を出口形成部405から離れる方向に常時付勢する。
筒部408bの周囲には、突起408cが形成され、その下側には固定部材406に形成された爪部406aが係合する切欠き408dが形成されている。
図33を参照して出口開閉部408の回転規制状態及び回転許容状態について説明する。図33は出口形成部405、出口開閉部408及び固定部材406を組み付けた状態を示している。
状態ST11はキャニスタ40を装着部44に未装着の状態における、出口形成部405及び出口開閉部408等を二方向から見た図を示している。切欠き408dに爪部406aが係合しており、筒部401の中心軸線回りに出口形成部405に対して出口開閉部408が回転することが規制される。出口405aは閉状態にある。コイルばね407の付勢により、矢印で示すように出口開閉部408から離れる方向に出口形成部405が付勢されている。これにより、切欠き408dと爪部406aとの係合が強く維持される。このように切欠き408dと爪部406aは、キャニスタ40が装着部44に装着されていない場合に出口開閉部408が出口405aを開放することを規制する規制機構として機能する。
状態ST12はキャニスタ40を装着部44に装着した状態における、出口形成部405及び出口開閉部408等を二方向から見た図を示している。装着部44には出口開閉部408と当接する当接部(後述するシャッタ部443)が設けられており、装着部44に対するキャニスタ40の装着によって、コイルばね407の付勢に抗して出口開閉部408が矢印で示すように出口開閉部408側に出口開閉部408が相対変位する。
これにより、切欠き408dが爪部406aから離間し、両者の係合が解除される。筒部401の中心軸線回りに出口形成部405に対して出口開閉部408が回転することが許容される。図33の状態ST12では出口405aは閉状態にあるが、出口開閉部408を回転させることで出口405aを開状態にすることが可能となる。
図34はキャニスタ40を装着部44に装着した状態におけるその周辺構造も含めた垂直断面図である。装着部44はキャニスタ40の端部が挿入されるカップ状の本体部441を含む。本体部441は、その前側が上方に開口しており、ここにキャニスタ40の筒部401の端部、出口形成部405及び出口開閉部408が収容され、その後側は格子状(リブ状)に形成されている。
本体部441の周壁の端縁には、突起部405bが係合する溝441aが形成されている。この溝441aに隣接して、検知片405cを検知するセンサ441bが配置されている。センサ441bは例えばフォトインタラプタであり、センサ441bが検知片405cを検知すると、キャニスタ40が装着されたと処理部11aは認識する。センサ441bが検知片405cを検知しないとキャニスタ40が装着されていないと処理部11aは認識する。
本体部441の周壁には、また、キャニスタ40からの焙煎コーヒー豆を受け入れる受入部442が形成されている。本実施形態の場合、受入部442は、コンベア41の内部に連通した開口である。キャニスタ40の出口405aから排出される焙煎コーヒー豆は、受入部442を通ってコンベア41へ導かれる。
本体部441内には、出口開閉部408の外形にフィットするカップ形状を有する部材であるシャッタ部443が設けられている。シャッタ部443は、本体部441内で、キャニスタ40の中心軸線回りに回転自在に支持されており、受入部442を開閉する。本実施形態の場合、本体部441の周壁に周方向に複数のローラ441dが配置されている(図27参照)。本体部441の周壁には、ローラ441dを内部に露出する開口が形成されている。ローラ441dはキャニスタ40の径方向と平行な軸回りに回転自在に支持されている。シャッタ部443はその外周面が、本体部441の内部において複数のローラ441dに当接し、回転自在に支持されている。
キャニスタ40が未装着の場合、シャッタ部443は受入部442を閉鎖してコンベア41内に異物が侵入することを防止する。図34はシャッタ部443が受入部442を閉鎖した状態を示している。キャニスタ40が装着された後、モータ41aの駆動によりシャッタ部443を回転し、受入部442を開放することができる。
シャッタ部443は回転部材444に取り付けられている。回転部材444は出口開閉部408を操作して回転させ、出口405aを開閉する。回転部材444は駆動軸445に連結されている。駆動軸445はキャニスタ40が装着された場合に、その中心軸線と同軸上に位置するように配置され、モータ41aの駆動力を回転部材444へ伝達する要素の一つである。回転部材444は前方側上方に開口した円筒状の部材である。回転部材444の周壁の端縁には溝444aが形成されており、この溝444aには出口開閉部408の突起408cが係合する。この係合により、回転部材444を回転すると出口開閉部408も回転し、出口405aを開閉することになる。図34は出口開閉部408が出口405aを閉状態とした状態を示している。
以上の構成により、回転部材444の回転によって、シャッタ部443が受入部442を閉鎖し、かつ、出口開閉部408が出口405aを閉状態とした状態(図34の状態。閉鎖状態と呼ぶ。)と、シャッタ部443が受入部442を開放し、かつ、出口開閉部408が出口405aを開状態とした状態(焙煎コーヒー豆を装置内に供給する状態。開放状態と呼ぶ。)と、に貯留装置4の状態を切り替えることができる。これらの状態は、不図示のセンサによりシャッタ部443の回転位置を検知することで、処理部11aに認識することができる(フィードバック制御)。別の例として、モータ41aとしてステッピングモータを用い、その制御量(ステップ数)で貯留装置4の状態の認識と切替えを行ってもよい(オープンループ制御)。
駆動軸445には傘歯歯車445aが設けられており、傘歯歯車445aは駆動軸46に設けた傘歯歯車445bと噛み合っている。
駆動軸46は、モータ41aの出力軸に設けられたピニオンギア45aと噛み合う歯車45bが設けられており、モータ41aの駆動により回転する。駆動軸46と傘歯歯車445bとの間にはワンウェイクラッチ445cが介在している。ワンウェイクラッチ445cは、駆動軸46の一方方向の回転のみ傘歯歯車445bに伝達する。つまり、モータ41aを一方方向に回転した場合は、モータ41aの駆動力が、傘歯歯車445b、傘歯歯車445a、駆動軸445の経路で回転部材444に伝達されるが、モータ41aをこれとは逆の他方方向に回転した場合は伝達されない。
コンベア41はキャニスタ40からの焙煎コーヒー豆を搬送する搬送機構である。本実施形態の場合、コンベア41はキャニスタ40側ではなく装着部44側に設けられている。つまり、コンベア41はキャニスタ40が装着部44から取り外された場合に装着部44側に残るように設けられている。キャニスタ40とコンベア41とを一体にする構成も採用可能であるが、本実施形態のように別体に構成することで、キャニスタ40の簡略化、軽量化を図れる。
コンベア41のスクリュー軸は、ワンウェイクラッチ47aを介して駆動軸46に連結されている。ワンウェイクラッチ47aの駆動伝達方向は、ワンウェイクラッチ445cと逆方向である。つまり、モータ41aを他方方向に回転した場合は、モータ41aの駆動力がスクリュー軸47に伝達され、焙煎コーヒー豆が搬送されるが、モータ41aをこれとは逆の一方向に回転した場合は伝達されない。
こうして本実施形態では、モータ41aの回転方向を正逆で切り替えることで、回転部材444の回転(つまりシャッタ部443及び出口開閉部408の回転)と、スクリュー軸47の回転とを排他的に行うことができる。
キャニスタ40の装着及び取り外しに関する処理部11aの制御例について説明する。ユーザによってキャニスタ40が装着部44に装着されると、センサ441bによりこれが検知される。処理部11aはモータ41aを駆動して、シャッタ部443及び出口開閉部408を開放状態とする。突起408cは、本体部441の内周壁に設けられたストッパ441cと、キャニスタ40の軸線方向に係合し、ユーザが手を放してもキャニスタ40が装着部44から脱落しなくなる。換言すると突起408cは、出口開閉部408が出口405aを開放している場合にキャニスタ40が装着部44から取り外されることを規制する規制部として機能する。これにより、出口405aが開放されたまま、キャニスタ40が取り外されてキャニスタ40内の焙煎コーヒー豆がこぼれ落ちることを防止できる。
シャッタ部443及び出口開閉部408が開放状態とされたことで、キャニスタ40内の焙煎コーヒー豆が受入部442を通ってコンベア41内に導入される。この状態で待機する。
コーヒー飲料の製造の際には、モータ41aを駆動してスクリュー軸47を回転して停止する。これにより集合搬送路42へ焙煎コーヒー豆が搬送される。スクリュー軸47の回転量によって、コーヒー飲料の製造に用いる焙煎コーヒー豆の量が自動計量される。1回のコーヒー飲料の製造で、複数の焙煎コーヒー豆をブレンドしてコーヒー飲料の製造を行いたい場合は、キャニスタ40間で、コンベア41による集合搬送路42への搬送量の割合を変えてもよい。これにより、複数種類の焙煎コーヒー豆がブレンドされた挽き豆を抽出容器9に供給することができる。
キャニスタ40を交換する場合、ユーザは操作ユニット12から交換指示を行う。処理部11aはモータ41aを駆動して、シャッタ部443及び出口開閉部408を閉鎖状態に戻す。ユーザは装着部44からキャニスタ40を取り外すことができる。
<キャニスタ及びその着脱構造(第二例)>
図31~図34を参照して説明した第一例のキャニスタ40及び装着部44と部分的に異なる第二例のキャニスタ40及び装着部44について図35~図47を参照して説明する。第二例の各構成のうち、第一例と同じ構成、又は、機能が共通する構成については、第一例における各構成と同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成又は機能を中心に説明する。
図35~図37は第二例のキャニスタ40及び装着部44を多方向から見た外観図を示している。第一例の装着部44の本体部441において、その後ろ側が格子状(リブ状)に形成されていると説明したが、第二例の本体部441の同様の構成であり、その構造が図36等から理解される。本体部441の後側は複数のリブ441eで構成されており、その内側の回転部材444等が視認可能となっている。
回転部材444には、その周方向に180度離間した二つの検知片444bを有している。フォトインタラプタ等のセンサ441fが二つ設けられており、これらは二つの検知片444bを検知する。処理部11aはセンサ441fの検知結果に基づいて回転部材444の回転位置を認識する。つまり、第一例で述べたシャッタ部443及び出口開閉部408が閉鎖状態にあるか開放状態にあるかを認識する。
図38はキャニスタ40を装着部44に装着した状態におけるその周辺構造も含めた垂直断面図である。第二例の構造は基本的に第一例と同じであるが、出口405aの周縁において、出口形成部405の周壁に弾性変形部405dが形成されている。弾性変形部405dは、出口405aの周縁から出口形成部405の周壁に平行なスリットを入れて形成した部分であり、これによりその周囲の部位よりも変形し易く構成されている。弾性変形部405dの機能については後述する。
第二例は、出口開閉部408の回転規制及び回転許容に関わる構成が第一例と異なっている。この点を図39、図40を参照して説明する。図39の状態ST1は、出口開閉部408が回転規制状態である場合を示し、図39の状態ST22は、出口開閉部408が回転許容状態である場合を示している。また、図40は、図39のII-II線に沿う断面図であり、同図の状態ST21、ST22は、図39の状態ST21、ST22に対応している。
第二例では、第一例における出口形成部405のコイルバネばね407、固定部材406の爪部406aが設けられておらず、出口形成部405に対して出口開閉部408が筒部401の軸方向に相対変位する構成ではなく、この軸回りに相対回転のみ可能となっている。
第二例のスケールSCは、溝GRを有し、ここにスライダ409が組み込まれている。スライダ409はスケールSCの表側の部材と裏側の部材とを二本のボルトで締結して構成されおり、溝GRに沿ってスケールSCの長手方向にスライド可能である。第一例の突起部405b、検知片405cに相当する構成として、スライダ409は突起部405b’、検知片405c’を有している。スライダ409はユーザが指先で把持するための把持部NBも有している。
スライダ409は、スケールSCに形成された凹部CT1、CT2のいずれかと係合可能な凸部409aを有している。スライダ409は、凸部409aが凹部CT1と係合する第一の位置と、凸部409aが凹部CT2と係合する第二の位置との間でスライド可能である。状態ST21や状態ST22は、スライダ409が第一の位置に位置している状態を示し、図40の状態ST23はスライダ409が第二の位置に位置している状態を示している。スライダ409は基本的に第一の位置に位置し、後述する焙煎コーヒー豆の噛み込み解除の際に第二の位置に手動でスライドされる。
第二例のスケールSCの端部には、出口形成部405側に開口した筒状の支持部SC’が固定されている。支持部SC’には、第一例のコイルバネばね407、爪部406aに代わるコイルバネばね407’、可動部材406a’が支持されている。出口開閉部408の端縁には、第一例の切欠き408dに代わる切欠き408d’が形成されている。状態ST21に示すように、可動部材406a’が切欠き408d’と係合することで筒部401の中心軸線回りに出口形成部405に対して出口開閉部408が回転することが規制される。このとき、出口405aは閉状態にある。コイルばね407’により、可動部材406a’が切欠き408d’側へ常時付勢される。これにより、切欠き408d’と可動部材406a’との係合が強く維持される。このように切欠き408d’と可動部材406a’は、キャニスタ40が装着部44に装着されていない場合に出口開閉部408が出口405aを開放することを規制する規制機構として機能する。
キャニスタ40を装着部44に装着すると、状態ST22に示すように、シャッタ部443の端縁に可動部材406a’が当接し、コイルばね407’の付勢に抗して支持部SC’内に押し込まれる。これにより可動部材406a’と切欠き408d’との係合が解除され、筒部401の中心軸線回りに出口形成部405に対して出口開閉部408が回転することが許容される。
第二例における、キャニスタ40の装着及び取り外しに関する処理部11aの制御例について主に図38~図41を参照して説明する。ユーザによってキャニスタ40が装着部44に装着されると、シャッタ部443の端縁に可動部材406a’が当接して、これにより可動部材406a’と切欠き408d’との係合が解除される(状態ST22の状態)。
キャニスタ40の装着がセンサ441bにより検知され、処理部11aはモータ41aを駆動して、シャッタ部443及び出口開閉部408を開放状態とする。図41の状態ST31は出口開閉部408が閉鎖状態にある場合を示し、状態ST32は状態ST31から出口開閉部408が開放状態に移行した場合を例示している。
シャッタ部443及び出口開閉部408が開放状態となると、突起408cは、本体部441の内周壁に設けられたストッパ441cと、キャニスタ40の軸線方向に係合し、ユーザが手を放してもキャニスタ40が装着部44から脱落しなくなる。換言すると突起408cは、出口開閉部408が出口405aを開放している場合にキャニスタ40が装着部44から取り外されることを規制する規制部として機能する。これにより、出口405aが開放されたまま、キャニスタ40が取り外されてキャニスタ40内の焙煎コーヒー豆がこぼれ落ちることを防止できる。
シャッタ部443及び出口開閉部408が開放状態とされたことで、キャニスタ40内の焙煎コーヒー豆が受入部442を通ってコンベア41内に導入される。この状態で待機する。
コーヒー飲料の製造の際には、モータ41aを駆動してスクリュー軸47を回転して停止する。これにより集合搬送路42へ焙煎コーヒー豆が搬送される。スクリュー軸47の回転量によって、コーヒー飲料の製造に用いる焙煎コーヒー豆の量が自動計量される。
受入部442の根元には、豆残量検知センサSRが設けられている。豆残量検知センサSRは、例えば、透過式のセンサ(フォトインタラプタ)である。この位置で豆が無いと検知されてから、所定の回数(たとえば2杯分)のコーヒー飲料の製造を行うと、キャニスタ40の中身が空であることを報知してもよい。
キャニスタ40を交換する場合、例えば、ユーザは操作ユニット12から交換指示を行う。処理部11aはモータ41aを駆動して、シャッタ部443及び出口開閉部408を閉鎖状態に戻す。図41の状態ST33は、状態ST32から出口開閉部408が閉鎖状態に戻る途中の状態を示している。
シャッタ部443及び出口開閉部408が閉鎖状態となると、突起408cとストッパ441cと係合が解除され、ユーザは装着部44からキャニスタ40を取り外すことができる。装着部44からキャニスタ40を取り外すと、コイルばね407’の付勢により再び可動部材406a’が切欠き408d’と係合する(状態ST21の状態)。これにより、筒部401の中心軸線回りに出口形成部405に対して出口開閉部408が回転することが再び規制され、不用意に出口405aからキャニスタ40に残留した焙煎コーヒー豆がこぼれることが防止される。
<噛み込みの対策>
シャッタ部443及び出口開閉部408を開放状態から閉鎖状態に戻す場合、出口405aの露出度合(開口面積)が、出口開閉部408の周壁と重なるにつれて、徐々に狭くなる。図41の破線よりも下側には、出口開閉部408を開放状態から閉鎖状態に戻す過程において、出口405aの露出度合の変化を示している。
出口形成部405の、出口405aを画定する周壁の縁ED1と、出口開閉部408の、開口部408aを画定する周壁の縁ED2とは、いずれも互いに向かい合う方向に膨らんだ形状とされ、また、筒部401側で出口405aの幅が広くなるような形状とされている。これにより、縁ED1と縁ED2との間に位置している焙煎コーヒー豆が筒部401側に押し出され易くなり、複数の地点で豆の噛み込みが生じにくくなっている。なお、縁ED1及びED2を膨らんだ形状とせず、直線の形状としつつ、筒部401側で出口405aの幅が広くなるような形状としてもよい。
縁ED1の端部は弾性変形部405dによって形成されているため、出口405aの閉鎖直前に焙煎コーヒー豆を弾性変形部405dと縁ED2との間で噛み込みそうになった場合に、弾性変形部405dが変形して豆が弾かれやすくなる。これにより焙煎コーヒー豆の噛み込みを更に防止できる。
次に、焙煎コーヒー豆の噛み込み防止に関わる制御例について説明する。図42~図44はキャニスタ40の径方向の断面図であり、収容される焙煎コーヒー豆の状態を例示している。図42~図44はキャニスタ40の装着から取り外しまでの制御を例示している。
図42は装着部44にキャニスタ40が装着された直後の状態を示している。シャッタ部443及び出口開閉部408が閉鎖状態にある。図43は図42の状態からシャッタ部443及び出口開閉部408が開放状態に切り替えられた状態を示している。出口405a及び受入部442が開放され、コンベア41内に焙煎コーヒー豆が流出している。
図44は再びシャッタ部443及び出口開閉部408が閉鎖状態に戻す状態を示している。出口405aが完全に閉鎖する前に、一度、シャッタ部443及び出口開閉部408の回転を停止している。出口405aは、その一部が閉鎖された状態とされ、例えば、焙煎コーヒー豆が一粒通過可能な程度に開いておく。モータ41aがステッピングモータの場合、その制御量(ステップ数)で出口405aの開度制御が可能である。
この状態で、コンベア41を駆動し、受入部442の周辺から焙煎コーヒー豆を除去する。その後、コンベア41を停止し、シャッタ部443及び出口開閉部408を全部閉鎖して、閉鎖状態に完全に戻す。これにより、焙煎コーヒー豆を噛み込むことをより確実に防止できる。
図42~図44に図示されるように、出口形成部405、出口開閉部408及びシャッタ部443の端縁の断面形状は楔形状あるいはテーパ形状を有している。焙煎コーヒー豆と端縁との接触面積が小さくなるので、その噛み込み防止に寄与する。
また、図34や図38の断面図に示すように、受入部442の周辺の空間は、後方側よりも前方側の方が容積を大きくとっている。これにより、シャッタ部443及び出口開閉部408を開放状態から閉鎖状態に戻す場合に、徐々に狭くなる出口405aの周辺の空間をより大きく確保でき、焙煎コーヒー豆の噛み込みを防止できる。後方側を狭くすることで、ここに残留する焙煎コーヒー豆を少なくすることができ、図44の状態でコンベア41を駆動する際、コンベア41によって搬出される焙煎コーヒー豆(例えば廃棄される)の量を少なくすることができる。
図45~図47もキャニスタ40の径方向の断面図であり、収容される焙煎コーヒー豆の状態を例示している。図45~図47は比較的大量の焙煎コーヒー豆が受入部442及びキャニスタ40に残留している状態で、シャッタ部443及び出口開閉部408を開放状態から閉鎖状態に戻す場合を例示している。
図45はシャッタ部443及び出口開閉部408が開放状態である場合を示している。比較的大量の焙煎コーヒー豆が出口405aや受入部442付近に滞留している。
図46はシャッタ部443及び出口開閉部408が閉鎖状態に戻す状態を示している。図44の例と同様に出口405aが完全に閉鎖する前に、一度、シャッタ部443及び出口開閉部408の回転を停止している。この状態で、コンベア41を駆動し、受入部442の周辺から焙煎コーヒー豆を除去する。その後、コンベア41を停止し、シャッタ部443及び出口開閉部408を閉鎖状態に完全に戻す。しかし、図47に示すように焙煎コーヒー豆を噛み込む場合がある。
処理部11aは、例えば、所定時間内にシャッタ部443及び出口開閉部408が閉鎖状態に戻ったことが確認されない場合、ユーザに噛み込みの発生を報知する。焙煎コーヒー豆の噛み込むは、出口405aを少し広げてやれば解消する場合が多い。したがって、手動で出口形成部405(筒部401)を少し回して出口405aを少し広げてやればよい。しかし、キャニスタ40が装着部44に装着されている状態にあっては、突起部405b’と溝441aとの係合によって出口形成部405(筒部401)を手動で回転できない。
そこで、図40の状態ST23に示すようにユーザが手動でスライダ409を第二の位置へスライドさせる。これにより突起部405b’が溝441aから離脱し、両者の係合が解除される。出口形成部405(筒部401)を手動で回転し、噛み込みを解消することができる。その後はユーザがスライダ409を第一の位置へ手動で戻し、操作ユニット12から閉鎖状態への動作の再開を指示する。処理部11aはモータ41aを駆動してシャッタ部443及び出口開閉部408を閉鎖状態に完全に戻す。
<受入部及び集合搬送路>
貯留装置4は、装着部44毎の受入部442とは別に、装着部44とは異なる部位に受入部を備えてもよい。その構成例について再び図27を参照して説明する。
図27の例では、受入部442とは別の受入部42cが設けられている。受入部42cは集合搬送路42の前側の壁部に形成された開口部である。ユーザは、この受入部42cから焙煎コーヒー豆を、手で、或いは、漏斗状の器具を用いて集合搬送路42内に投入することができる。投入された焙煎コーヒー豆は自重で排出口42bから粉砕装置5へ供給され、そのコーヒー飲料を製造することができる。
この受入部42cは、例えば、キャニスタ40に収容されていない特別な焙煎コーヒー豆を用いてコーヒー飲料を製造する場合に利用することができる。このような特別な一杯のコーヒー飲料の製造に用いる製造処理プログラムは、選択可能であってもよいし、ユーザが設定した製造条件で動作する製造処理プログラムであってもよい。
このように本実施形態では、キャニスタ40から焙煎コーヒー豆の供給を受ける受入部442と、個別に焙煎コーヒー豆の供給を受ける受入部42cとを設けたことで、受入部442により同種のコーヒー飲料の量産性を確保しつつ、受入部42cにより個別のニーズに対応可能な飲料製造装置1を提供することができる。
本実施形態の場合、受入部442から粉砕装置5(特に粗粒グラインダ5A)までの供給経路RT1(図27の他、図34も参照。)よりも受入部42cから粉砕装置5(特に粗粒グラインダ5A)までの供給経路RT2の方が、経路長が短い。受入部42cから焙煎コーヒー豆を投入すると、概ね、直接排出口42bへ落下し、粉砕装置5へ供給される。これは投入された焙煎コーヒー豆の全量をより確実に粉砕装置5へ供給することができ、豆の無駄や計量誤差の発生を抑制できる。供給経路RT2は、供給経路RT1の途中に合流した経路である。それぞれ全く独立した経路を形成する構成よりも、構造を簡素なものとすることができる。
供給経路RT2上にはコンベア41が存在せず、したがって、受入部42cから投入された焙煎コーヒー豆は自動計量されない。このため、ユーザは自由に計量し、好みの量の焙煎コーヒー豆を受入部42cから投入することでコーヒー飲料を製造することができる。尤も、供給経路RT2上に焙煎コーヒー豆を自動計量する機構を設けることも可能である。
本実施形態の集合搬送路42は、その前壁が前方上方に傾斜しており、全体として傾斜した姿勢で配置されている。傾けることによって、受入部42cにおいて焙煎コーヒー豆を受けやすくなり、また、コンベア41から搬送されてくる焙煎コーヒー豆も粉砕装置5へ向かわせることができる。
受入部42cは開口部なので、受入部42cを介してコンベア41の状態を目視で点検することも可能である。すなわち、受入部42cは点検窓としても利用できる。
以下、集合搬送路42及び受入部42cの別例について説明する。
図48の例は、受入部42cを二つ設けている。このように受入部42cは複数設けてもよい。一方の受入部42cにはヒンジ42eで開閉可能に構成された蓋42dが設けられている。使用しない場合は受入部42を蓋42dで閉鎖しておくことで集合搬送路42に異物が侵入することを防止できる。ヒンジ42eを設ける部位は蓋42dの上側、下側、裏側、表側のいずれでもよい。他方の受入部42cは、ホッパー状の管部材42fにより形成されている。
管部材42fは図49に示すように集合搬送路42から分離可能であってもよい。開口部42gは管部材42fの取付用の穴である。この開口部42gは集合搬送路42の内部やコンベア41を目視点検する点検穴としても利用できる。図49は、また、左右に壁部を備える蓋42dを例示している。左右の壁部を備えたことで、開放して焙煎コーヒー豆を投入する際に、蓋42dの横にこぼれ難くなる。受入部42cを介して目視で視認可能なものは、コンベア41の状態だけでなく、受入部442から受け入れられた焙煎コーヒー豆の状態や受入部442から受け入れられた焙煎コーヒー豆が機内へ送り出される状態や受入部442から受け入れられた焙煎コーヒー豆が機内へ送り出される動作が行われている又は送り出されることを指令する操作が行われたにも関わらず送り出されない状態等を確認することができる。また受入部442から受け入れられた焙煎コーヒー豆が下流(例えばミル側)に流れる状態を目視可能になっている。また、受入部442から受け入れられた焙煎コーヒー豆が下流(例えばミル側)に流れることをユーザーが受入部42cを介して阻止することを可能にしてもよい。受入部42cから受け入れられた焙煎コーヒー豆を受入部442から視認不能にしてもよい。
図50の構成例EX11は、排出口42bが、受入部42c或いは集合搬送路42の左右方向の幅の中心線CLに対して左右方向にずれた位置に位置している。また、集合搬送路42の左側の底部LBと右側の底部RBとで傾斜が異なっている。左右で非対称な形状としたことにより、集合搬送路42内の特定の部位に焙煎コーヒー豆が滞留することを抑制できる場合がある。
図50の構成例EX12は、粉砕装置5(特に粗粒グラインダ5A)の側部に排出口42bを連結して焙煎コーヒー豆を供給する例を示している。グラインダの構成によっては、カッターの側方から焙煎コーヒー豆が供給される方が上から供給される場合よりも円滑に動作する場合がある。排出口42bの位置は、集合搬送路42の底部の他、左右の側部、前部又は後部であってもよい。
図51の例は、複数の排出口42bを設け、かつ、集合搬送路42内に焙煎コーヒー豆をいずれかの排出口42bに振り分ける振り分け機構42hを設けた例を示している。同図の例は二つの排出口42bが設けられており、例えば、一方は粉砕装置5へ接続され、他方は廃棄箱へ接続される。例えば、コンベア41に残留した焙煎コーヒー豆を廃棄する場合、振り分け機構42hにより集合搬送路42に導入される焙煎コーヒー豆を廃棄箱側の排出口42bへ振り分ける。また、例えば、受入部42c(図51には不図示)を介して投入された焙煎コーヒー豆を粉砕装置5側の排出口42bへ振り分ける。
図52~図54は、貯留装置4を覆うハウジング1aの例を例示している。ハウジング1aは飲料製造装置1の外装を形成する。図52はキャニスタ40を装着した状態でのハウジング1aの斜視図、図53はハウジング1aの正面図、図54は図53のIII-III線断面図である。
ハウジング1aはヒンジ部1cにより、不図示の本体ハウジングに対して開閉自在に構成されている。以下の説明はハウジング1aが閉状態の場合の説明である。ハウジング1aには、また、電源スイッチ1bが配設されている。
ハウジング1aには受入部42cが形成されており、受入部42cは蓋42dにより開閉される。受入部42cの開口の輪郭は、上側が蓋42dで、下側がハウジング1aで画定されている。
図54に示すように、受入部42cの背後には集合搬送路42が配設されており、受入部42cは集合搬送路42と連通している。蓋42dを開放して受入部42cに焙煎コーヒー豆を投入すると、実線矢印で示すように集合搬送路42に焙煎コーヒー豆が案内され、集合搬送路42から同図では不図示の粉砕装置5へ排出される。受入部42cの内周壁は、集合搬送路42前面に向かって傾斜したすり鉢形状を有しており、投入された焙煎コーヒー豆が集合搬送路42に円滑に案内される。
集合搬送路42の投入口42aは集合搬送路42の後壁に形成されている。キャニスタ40から不図示のコンベア41を介して搬送される焙煎コーヒー豆は破線矢印で示すように集合搬送路42に導入され、同図では不図示の粉砕装置5へ排出される。蓋42dを開放すると、受入部42cを介して、内部のコンベア41(不図示)を視認することができ、その点検を行うことができる。
ヒンジ42eの近傍には磁石42e’が配置されている。蓋部42dには開放時に磁石42e’に当接する部位に金属プレート42d’が設けられており、磁石42e’が金属プレート42d’を吸着することで、蓋部42dの開状態を維持し易くなっている。また、蓋部42dの先端部には凹部が形成されており、ユーザが凹部に指をかけやすく、蓋部42dを操作し易くなっている。
<第四実施形態>
飲料製造装置1の外装を形成するハウジングの構成例について説明する。
<ハウジング構成例1>
図55はハウジング100で内部機構が囲包された飲料製造装置1を模式的に示す斜視図である。ハウジング100は、前壁、後壁、上壁、左右の側壁を含む直方体形状を有している。上壁には、キャニスタ40が配置され、また、受入部42cが配置されている。前壁の下部には、取出口104が形成されており、ここに置かれたカップには、コーヒー飲料が注入される。
前壁には、ハウジング100の内部を外部から視認可能な透過部101が形成されている。透過部101を設けたことで、飲料製造装置1の前側から内部機構を視認でき、その動作確認を容易に行うことができる。また、コーヒー飲料の製造過程をコーヒー飲料の購入者等が観察することもできる。ハウジング100において、透過部101以外の部位は基本的に非透過部であるが、他の透過部を含んでもよい。
透過部101は、貫通穴又は透明部材で形成することができる。ガラスやアクリル樹脂等の透明部材で形成されることで、ハウジング100内の湯気等が外部に漏出することを抑制できる。透明部材は、無色透明でもよいし有色透明でもよい。湯気をハウジング100外に送出する湯気経路を設けてもよく、当該湯気経路は、例えばハウジング内の所定の場所に設けられた湯気入口、飲料製造装置1の背面部に湯気出口、湯気入口及び湯気出口をつなぐ湯気管、湯気出口又は湯気出口近傍の湯気経路の空気や湯気を飲料製造装置1の外に送出する湯気送出用ファンから構成してもよい。湯気入口は、グラインダ5Aの入口近傍、出口近傍、グラインダ5Bの入口近傍、出口近傍、豆投入位置に位置する抽出容器9の開口90a近傍や豆投入位置に位置する抽出容器9の開口90a近傍等のいずれかの位置、又は複数の位置に設けてもよい透過部101を透明部材で構成し、当該透過部101に湯気が逃げる孔や切り欠きを設けたり、ハウジングに孔や切り欠きや隙間等を設けて構成される湯気逃げ部を搭載する場合は、湯気逃げ部は、豆投入位置に位置する抽出容器9の方が湯気入口よりも近くなるような位置関係にしたりしてもよいし、湯気逃げ部は、抽出位置に位置する抽出容器9の方が湯気入口よりも近くなるような位置関係にしたりしてもよいし、湯気逃げ部は、グラインダ(例えばグラインダ5Aや5Bの少なくとも一方)の方が湯気入口よりも近くなるような位置関係にしたりしてもよいし、湯気逃げ部は、豆投入位置に位置する抽出容器9の方が湯気入口よりも遠くなるような位置関係にしたりしてもよいし、湯気逃げ部は、抽出位置に位置する抽出容器9の方が湯気入口よりも遠くなるような位置関係にしたりしてもよいし、湯気逃げ部は、グラインダ(例えばグラインダ5Aや5Bの少なくとも一方)の方が湯気入口よりも遠くなるような位置関係にしたりしてもよい。
本実施形態の場合、透過部101は板状の透明部材で形成されており、かつ、ヒンジ102により開閉自在に構成されている。これにより、透過部101を開放すれば内部機構にアクセスでき、そのメンテナンスも可能となる。図56は透過部101を開放した状態を示している。
透過部101の下部には取手103が設けられている。ユーザは取手103を把持することで、容易に透過部101の開閉を行うことができる。透過部101で開閉される開口部105の下縁において、取手103に対応する位置には透過部101の回動範囲を規制するストッパ105aが設けられている。
本実施形態の場合、透過部101の開方向は上方向であるが、ヒンジ102を透過部101の下部に配置することにより、下方向としてもよい。また、透過部101の開閉方向は上下方向ではなく左右方向でもよい。また、透過部101の開状態を維持する機構を設けてもよく、そのような機構は例えばヒンジ102に設けてもよい。透過部101は、側壁や上壁にも設けてもよい。
<ハウジング構成例2>
ハウジング100の他の構成例について説明する。図57は他の構成例のハウジング100で内部機構が囲包された飲料製造装置1を模式的に示す斜視図である。本構成例2のハウジング100について、図55及び図56のハウジング100と同じ構成又は機能が共通する構成には同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
ハウジング100は、L字型の本体110と、本体110のステージ111上に配置された内部機構IMを囲包する透過部101とを含む。透過部101は殻形状の透明部材で形成されており、その表面は、前方から後方へ向かって曲面を形成している。透過部101は、内部機構IMの前側、左右の側方、上方に渡って延設されており、飲料製造装置1の前方、側方及び上方から内部機構IMを視認可能である。
内部機構IMの発熱や蒸気により透過部101が曇る場合がある。そこで、透過部101の内側の部位において、背板112には換気部112aが形成されている。換気部112aは外気に連通した穴であってもよいし、ダクトであってもよい。換気部112aは本実施形態の場合、上部と下部に複数設けられているが、その配置は図示の形態以外の配置も採用可能である。
内部機構IMの蒸気や漏水により、ステージ111上が濡れる場合がある。そこで、ステージ111には排水部111aが設けられている。排水部111aには、不図示の廃棄タンクに接続されるパイプが接続される。
上述した構成例1と同様、構成例2も透過部101はヒンジ102により開閉自在に構成されている。これにより、透過部101を開放すれば内部機構IMにアクセスでき、そのメンテナンスも可能となる。透過部101の下部には取手103が設けられている。ユーザは取手103を把持することで、容易に透過部101の開閉を行うことができる。ステージ111の前端において、取手103に対応する位置には取手103と当接するストッパ105aが設けられている。取手103とストッパ105aは磁力により吸着する金属板及び磁石を設けてもよい。
図58は透過部101の開閉状態を示している。同図上側に示す閉状態においては、内部機構IMの部分を除いて、透過部101を通して飲料製造装置1の一側方から他側方までを見通すこともできる。構成例2ではヒンジ102が透過部101の上部で後方に配置されており、透過部101の開方向は上方向であるが、ヒンジ102を透過部101の下部に配置することにより、手前方向としてもよい。また、透過部101の開閉方向は上下方向ではなく左右方向でもよい。また、透過部101の開状態を維持する機構を設けてもよく、そのような機構は例えばヒンジ102に設けてもよい。透過部101の開閉を検知するセンサを設け、透過部101の開操作が検知されるとコーヒー飲料の製造動作を中止する制御を行ってもよい。また、透過部101の開閉を規制するロック機構を設け、コーヒー飲料の製造動作中はロック機構を作動して透過部101の開放を禁止する制御を行ってもよい。
<ハウジングに囲包される機構と視認可能な機構>
構成例1や構成例2で示したハウジング100に囲包される機構は、豆処理装置2及び抽出装置3の全部または一部であってもよい。構成例1のようにキャニスタ40はその少なくとも一部がハウジング100の外側に位置していてもよい。取出口104はハウジング100の外側にあってもよいし、内側にあってもよい。グラインダ5Aから送出される挽き豆はハウジング100の外部から透過部101を介して視認できず、グラインダ5Bから送出される挽き豆はハウジング100の外部から透過部101を介して視認できるようにしてもよい。
透過部101を介して外部から視認可能な内部機構としては、貯留装置4、粉砕装置5、抽出装置3の全部または一部を挙げることができる。なるべく多くの機構が飲料製造装置1の正面側から透過部101を介して視認可能なように、前後方向に隣接する各機構が左右にずれて配置されてもよい。
粉砕装置5について更にいうと、分離装置6の全部または一部を挙げることができる。
分離装置6の中では、特に、回収容器62Bの全部または一部が透過部101を介して外部から視認可能であれば、回収容器62B内の不要物をハウジング100の外部から視認することも可能である。回収容器62B内の不要物が送風ユニット60Aの送風で舞う状態をハウジング100の外部から透過部101を介して視認することも可能である。図28の構成例の場合、破線L11よりも前方側の部分のみがハウジング100の外部から透過部101を介して視認することも可能であってもよい。
また、粉砕装置5について更にいうと、粗粒グラインダ5Aや細粒グラインダ5Bの全部または一部がハウジング100の外部から透過部101を介して視認することも可能であってもよい。
抽出装置3について更に言うと、抽出容器9の全部または一部がハウジング100の外部から透過部101を介して視認することも可能であってもよい。抽出容器9の反転動作等の抽出容器9の姿勢の変化や、抽出容器9(容器本体90)の前後方向の水平移動等の動作の全部または一部がハウジング100の外部から透過部101を介して視認することも可能であってもよい。抽出容器9内の第一の栓部材(例えば913)の開閉をハウジング100の外部から透過部101を介して視認できるようにしてもよいし、できないようにしてもよい。抽出容器9内の第二の栓部材(例えば903)の開閉をハウジング100の外部から透過部101を介して視認できるようにしてもよいし、できないようにしてもよい。抽出容器9内の蓋ユニット(例えば91)の開閉をハウジング100の外部から透過部101を介して視認できるようにしてもよいし、できないようにしてもよい。
<第五実施形態>
焙煎コーヒー豆の情報管理の例について説明する。
<タグ>
複数のキャニスタ40に種類が異なる焙煎コーヒー豆を収納する場合、どの装着部44にどの焙煎コーヒー豆のキャニスタ40が装着されているか否かを管理する必要がある。その方法としてキャニスタ40に、収容されている焙煎コーヒー豆の種類に関する情報を有するタグを設けてもよい。図59はその一例を示す。
図59のキャニスタ40の筒部401にタグTGが設けられている。タグTGは、例えば、RFIDタグ、バーコードが付されたタグである。タグTGは筒部401に接着剤で貼り付けてもよい。タグTGを設ける部位は、筒部401に限られず、破線で示すように蓋部402や出口開閉部408であってもよい。タグTGはキャニスタ40の複数の部位に設けられてもよい。また、タグTGはキャニスタ40に収容する前の焙煎コーヒー豆を収容する収容袋120に設けられてもよい。
飲料製造装置1は、タグTGの情報を読み取るリーダを備えていてもよく、読み込んだ情報を処理部11aが取得可能に構成されていてもよい。リーダは、装着部44毎に設けられてもよく、この場合、情報を読み取ったリーダと、装着部44との対応関係から、キャニスタ40と装着部44との対応関係(焙煎コーヒー豆の種類と装着部44との対応関係)を特定できる。
タグTGの読み取りは携帯型の端末で行い、無線通信により処理部11aが携帯型の端末から読み取った情報を取得するようにしてもよい。
収容されている焙煎コーヒー豆の種類に関する情報は、原産地、焙煎度合、焙煎日、焙煎者、コーヒー飲料にしたときの味や風味等の情報を含んでいてもよい。また、タグTGは、収容される焙煎コーヒー豆からコーヒー飲料を製造するための製造条件(レシピ)に関する情報を有していてもよい。処理部11aはタグTGから読み取った製造情報にしたがって、その焙煎コーヒー豆からコーヒー飲料の製造制御を行ってもよい。製造情報としては、湯温、抽出時の圧力、抽出時間等を含んでいてもよい。
<ストッカ>
飲料製造装置1の付属品として、使用していないキャニスタ40を保管するストッカについて説明する。図60はその一例であるストッカ130の模式図である。
ストッカ130は、キャニスタ40が装着される複数の装着部131a~131c(総称するときは装着部131という。)を含む。同図の例では三つの装着部131cが設けられており、それぞれ、使用していないキャニスタ40が装着されている。ストッカ130は、各装着部131に対応した表示部132a~132c(総称するときは表示部132という。)を備える。表示部132aは装着部131aに対応し、表示部132bは装着部131bに対応している。そして、表示部132cは装着部131cに対応している。表示部132は例えば液晶ディスプレイである。
表示部132は、対応する装着部131に装着されているキャニスタ40に収容されている焙煎コーヒー豆の情報を表示する。同図の例の場合、焙煎コーヒー豆の種類を表示している。例えば、左側の表示部132aは、「A」という種類の焙煎コーヒー豆が、対応する装着部131aに装着されているキャニスタ40に収容されていることを示している。表示部132に表示する情報は、上述したタグTGから取得してもよい。各装着部131はタグTGを読み取るリーダを備えていてもよい。
装着部131にキャニスタ40が装着されていない場合、対応する表示部132には、未装着であることを示す情報を表示してもよい。図61のEX21は、装着部131cにキャニスタ40が装着されておらず、表示部132cには、未装着を示す記号が表示されている。なお、各装着部131にはキャニスタ40の装着を検知するセンサを設けてもよい。
キャニスタ40に収容されている焙煎コーヒー豆の情報が未登録の場合、対応する表示部132には、未登録であることを示す情報を表示してもよい。例えば、タグTGに情報が記憶されていない場合である。図61のEX22は、装着部131cにキャニスタ40が装着されているものの、その焙煎コーヒー豆の情報が登録されておらず、表示部132cには未登録を示す記号が表示されている。このような表示を行うことで、ユーザに情報の登録を促すことができる。
キャニスタ130はタグTGに情報を書き込むライタを備えていてもよい。空のキャニスタ40(又は新しい豆を補充したキャニスタ40)がストッカ130に装着された場合は、このキャニスタ40に収容されている焙煎コーヒー豆の情報をライタからタグTGに記憶させることができる。このようにすることで、焙煎コーヒー豆とキャニスタ40とが必ず一対一で結びついている必要がない。情報の登録の方法は、例えば、携帯型の端末から情報をストッカ130に送信してもよい。別の方法として、ストッカ130に取り付けられたリーダにより、焙煎コーヒー豆の収容袋120(図59)のタグTGを読み取って登録してもよい。
<第六実施形態>
第三実施形態のグラインダ5Bの構成について詳細に説明する。なお、以下に述べるグラインダ5Bの構成はグラインダ5Aにも適用可能である。
図62はグラインダ5Bの外観図である。図63はグラインダ5Bの着脱態様の説明図であり、グラインダ5Bの構造を模式的に示している。図63の状態ST31は装着状態を、状態ST32は分離状態をそれぞれ示している。
グラインダ5Bは、モータ52b、モータベース502、本体部53b及び粒度調整機構503を含む。
モータ52bはグラインダ5Bの駆動源であり、モータベース502上に支持されている。モータベース502は中空のケース内に、モータ52bの出力軸に固定されるピニオンギア52b’と、このピニオンギアと噛み合うギア502aとを内蔵している。
本体部53bは、カッターを収容するユニットであって、その外形を形成するハウジングが、ベース部505a、ギアケース部505b及びブレードケース部505cにより構成されており、これら三つの部材はボルト等の締結部材505dで固定されている。締結部材505dを取り外すと互いに分離可能であり、その内部のメンテナンスが容易化する。
ギアケース部505bにはギア502aと噛み合うギア55b’が収容されている。ギア55b’には回転軸54bが固定されており、回転軸54bはギアケース部505bに回転自在に支持されている。ギア502aを介してギア55b’に伝達されるモータ52bの駆動力が回転軸54bを回転させる。回転軸54bの端部には回転刃58bが設けられており、回転刃58bの上側には固定刃57bが設けられている。固定刃57bと、回転刃58bはブレードケース部505cに収容されている。
粒度調整機構503は本体部53bに設けられている。粒度調整機構503はその駆動源であるモータ503aと、モータ503aの駆動力により回転されるウォームギア503bを含む。ギア53b’はウォームギア503bと噛み合うウォームホイールであり、ギアケース部505bに回転自在に支持されている。
ギア53b’にはギア53b’の回転中心上で上下方向に延びる調整軸503cが設けられている。調整軸503cと固定刃57bには互いに噛み合うギアが形成されており、調整軸503cを回転すると固定刃57bがその軸方向に昇降するように構成されている。これにより、回転刃58bと固定刃57bとの隙間を調節することができ、グラインダ5Bにおける挽き豆の粒度を調節できる。なお、固定刃58bと固定刃57bとの隙間の調整する方法はこれに限らず、調整軸503cの位置は回転中心上でなくともよい。
送出管501は本体部53bに対して着脱自在に構成されている。本実施形態の場合、送出管501に係合部501aが設けられており、ギアケース部505bには係合部501aと係合する係合部505eが設けられておる。図63の状態ST31に図示するように、係合部501aを上から係合部505eに係合することで両者が係合し、係合部501aを上側に抜き取ると係合が解除される。係合状態において、送出管501はブレードケース部505cの周壁に形成された開口(挽き豆の出口)と連通する。送出管501が本体部53bに対して着脱自在であることで、送出管501の詰まり解消等のメンテナンス或いは交換や本体部53bの清掃等が容易化する。なお、送出管501の開口の形状は円形でなくてもよく、四角形や円形の中腹を凹ませた8の字のようなものでもよい。
ベース部505aとモータベース502とはボルト等の締結部材504で互いに固定されている。締結部材504を取り外すと図63の状態ST32に示すように本体部53bがモータベース502及びモータ52bから分離される。つまり、本体部53bを取り外すと、モータベース502及びモータ52bは飲料製造装置1の側(粉砕装置5の側)に残ることになる。本体部53bのみを取り外すことができるので、挽かれた豆により汚れやすい本体部53bの清掃がしやすくなる。メンテナンスを容易化することができる。また、モータベース502及びモータ52bは飲料製造装置1の側に残るので、その電気配線等を取り外す必要もない。よって、メンテナンスが容易化する。
なお、本実施形態の場合、ベース部505aの上にモータベース502が重ねられて締結部材504で締結される構成であるが、逆に、モータベース502の上にベース部505aが重ねられる構成であってもよい。また、本体部53bの取り外しにより、粒度調整機構503も本体部53bと共に取り外されるが、粒度調整機構503は飲料製造装置1の側(粉砕装置5の側)に残る構成でもよく、或いは、モータ503aだけが飲料製造装置1の側(粉砕装置5の側)に残る構成でもよい。また、ベース部505a、ギアケース部505b、ブレードケース部505cは、本体部53bを飲料製造装置1の側から分離することで互いに分離することが可能であってもよい。ギアケース部505bからベース部505aを取り外し、本体部53bの内部の機構(例えば、ギア55b’、回転軸54b等)の確認、メンテナンスを行いたい場合は、本体部53bを飲料製造装置1(例えば、モータベース502等)から取り外さなければ不可能となるように構成されている。また、本体部53bを飲料製造装置1(例えば、モータベース502等)に取り付けている締結部材504は、下向きに取り外すようになっており、上から又は斜め上からユーザーが本体部53bを見ても、ハウジング100の外部から透過部101を介して締結部材504が取り付けられているかどうかを視認できないようになっており、安易にユーザーが本体部53bを取り外してメンテナンスできないようになっている。なお、締結部材504の位置を知っている製造メーカーのメンテナンス者であれば斜め下からハウジング100の外部から透過部101を介して締結部材504が取り付けられているかどうかを確認出来るようになっている。
本実施形態の場合、ギアケース部505b及びブレードケース部505cには、それぞれ係合部506が設けられており、モータベース502と係合するように構成されている。係合部506は左右に離間して二組設けられている。図64はその説明図である。図64の状態ST41は本体部53bがモータベース502から取り外された状態、状態ST42はこれらを係合する途中の状態、状態ST43はこれらの係合が完了した状態を示している。
係合部506は後方に延設されたアーム形状を有し、モータベース502に設けられた係合部502bと係合する。係合部502bは上下方向に延設され、係合部506が差し込まれる差込部を有している。
図64に示すように本体部53bをモータベース502に取り付ける場合、係合部506を係合部502bに対して前後方向で差し込むように組み付け、本体部53bを持ち上げる。係合部502bの後端部には上に向かって広がる傾斜を持つテーパ面502cが形成されており、ここに係合部506の端部が当接する。テーパ面502cは係合部506を前後方向に開くように作用し、その弾性変形力によって、本体部53bとモータベース502とが前後方向にガタなく組み付けられる。締結部材504は、この後、本体部53bとモータベース502とに取り付けられてこれらを締結する。係合部506と係合部502dとの係合によって、本体部53bとモータベース502とを前後方向に離間させる弾性力が働き、上下方向の荷重を係合部506と係合部502dを介してモータベース502に負担させることが可能である。このため、モータベース502に対して本体部53bが脱落しづらくなり、締結部材504の固定負荷を軽減することができる。なお、テーパは係合部506に設けられていてもよい。
図65は、図64の例の変形例を示している。この変形例は係合部506と係合部502bとの上下の配置を逆にしたものであり、その他の構成は同じである。本体部53bをモータベース502に取り付ける場合、図64の例のように本体部53bを持ち上げるのではなく、本体部53bを押し下げることにより、テーパ面502cに係合部506の端部が当接することになる。テーパ面502cは係合部506を前後方向に開くように作用し、その弾性変形力によって、本体部53bとモータベース502とが前後方向にガタなく組み付けられる点は図64の例と同様である。状態ST51は本体部53bがモータベース502から取り外された状態、状態ST52はこれらを係合する途中の状態、状態ST53はこれらの係合が完了した状態を示している。
なお、本例では上下方向の荷重をモータベース502に負担させる点では、テーパ面502cは必須ではなく、これが無い構成も採用可能である。また、本例では係合部502bの高さ方向の長さを係合部506よりも長く取る(例えば2倍以上)ことで、本体部53bが自重で図65の状態ST53の矢印507で示すように回転しながら外れることも防止できる。
なお、本実施形態を第四実施形態と組み合わせた場合、透過部101を介して本体部53bの全部又は一部を外部から視認可能であってもよい。これにより、本体部53bのメンテナンスの必要性を確認し易くなる。逆に、本体部53bがモータベース502に取り付けられた状態においては、透過部101を介してモータ52bは外部から視認できない構成でもよい。モータ52b等の機構に関わる部分は視認できない方が意匠性の点で有利な場合がある。同様に、本体部53bがモータベース502に取り付けられた状態においては、透過部101を介してモータ503aは外部から視認できない構成でもよい。
<第七実施形態>
抽出容器9の別の構成例について説明する。図66は本実施形態の抽出容器9の断面図であり、把持部材821aでロックされた状態を示している。図67は容器本体90と蓋ユニット91とを自動的にセンタリングする案内機能の説明図である。
本実施形態の抽出容器9は、鍔部911cとフランジ部90cとに、それぞれ、案内部911eと案内部90gとが設けられている。これらの案内部911eと案内部90gは、蓋ユニット91が開口90aを塞ぐ際に、一方が他方を案内して容器本体90と蓋ユニット91とを自動的にセンタリングする。
本実施形態の場合、案内部911eは、鍔部911cの全周に渡って形成された環状の溝である。この溝の断面形状は三角形であり、下向きに(容器本体90側に)開口している。案内部90gはフランジ部90cの全周に渡って形成された環状のリブである。このリブはフランジ部90cから上向きに(蓋ユニット91側に)突出しており、案内部911eの内面の傾斜に対応して傾斜している。
図67は、蓋ユニット91が開口90aから離間した状態から開口90aを塞ぐ場合を例示している。同図の例の場合、容器本体90の中心線CLcから蓋ユニット91が微小量だけずれている状態を示している。なお、蓋ユニット91の中心は軸913aの軸心である。
図67に示すように容器本体90の中心線CLcから蓋ユニット91がずれていると、鍔部911cとフランジ部90cと重ねられる際に、案内部90gが案内部911eの径方向内側の傾斜面との当接し、その案内によって容器本体90の中心線CLcに蓋ユニット91の中心が合うように、少なくともいずれか一方が横方向に微小変位する。これにより容器本体90と蓋ユニット91とを自動的にセンタリングする。
なお、本実施形態では、案内部911eを溝とし、案内部90gをリブとしたが、これらは逆の関係であってもよい。また、案内部911eや案内部90gの形状も適宜選択可能である。
本実施形態の場合、把持部材821aの断面形状は、図17の例と同様に矩形状とされ、断面形状の上辺をなす上側内面USと、断面形状の下辺をなす下側内面LSとは互いに平行である。ロック状態において、上側内面USは鍔部911cの上面の一部(接触面)911c’と接触し、下側内面LSはフランジ部911cの下面の一部(接触面)90c’と接触する。ロック状態において、本実施形態の場合、上側内面US、下側内面LS、接触面911c’ 接触面90c’は互いに平行であり、中心線CLcと直交する。抽出容器9内を加圧した場合、蓋ユニット91と容器本体90には、上下方向(より正確には中心線CLc方向)に、これらを互いに分離する力が作用する。上側内面US、下側内面LS、接触面911c’ 接触面90c’が互いに平行であることにより、この分離する力の分力として、一対の把持部材821aを左右に開く方向への分力が働きにくくなり、ロック状態をより確実に維持できる。
<第八実施形態>
第一実施形態の水タンク72に変わる送液量調節装置について説明する。図68は本実施形態の送液量調節装置720の概要図、図69は図68のIV-IV線断面図及び別例の断面図(構成例EX31)である。送液量調節装置720は、水タンク72と同様、コーヒー飲料を構成するお湯(水)を蓄積するタンクであるとともに、一定量のお湯を送出する機能を有する装置である。これにより、一杯分のコーヒー飲料に必要なお湯を順次送出する。しかも、送出する一杯分のお湯の量は変更可能である。以下の説明において、水タンク72に関連する構成と同じ機能を有する構成については、同じ符号を付している。
送液量調節装置720は、お湯を蓄積するタンク720aを有する。タンク720aの外壁は、周壁721、周壁721の上端部に接合された上壁723、及び、周壁721の下端部に接合された底壁724を含み、図69の断面図に示すようにタンク720aは全体として円筒形状を有している。タンク720a内には仕切壁722が設けられており、その内部空間が仕切壁722によって、外側の円筒状の空間725と、内側の円柱状の空間726Aとに区画されている。本実施形態の場合、仕切壁722は周壁721と同心に配置された円筒形状の壁体であるが、図69の構成例EX31に示すように仕切壁722が周壁721に対して偏心していてもよい。
空間725はお湯を貯留する貯留部を構成する。空間725のことを貯留部725とも呼ぶ。空間726Aの上部には可動部材727cが配置され、その下部の空間726はお湯を貯留する貯留部を構成する。空間726のことを貯留部726とも呼ぶ。貯留部725と貯留部726とを共通の壁体である仕切壁722で仕切ることにより、別々の壁体で区画するよりも、タンク720aの小型化を図れる。
貯留部725には、貯留部725内の水を加温するヒーター72a及び水の温度を計測する温度センサ72bが設けられている。ヒーター72aは温度センサ72bの検出結果に基づいて、蓄積されるお湯の温度を所定の温度(本実施形態では摂氏120度)に維持する。ヒーター72aは例えばお湯の温度が摂氏118度でONとされ、摂氏120度でOFFとされる。
上壁723のうち、貯留部725を画定する部分には、リザーブタンク71(図1参照)内の気圧が供給される配管が接続されており、ここには電磁弁72fが設けられている。送液量調節装置720は貯留部725内の気圧を検出するセンサ(不図示。例えば図1の圧力センサ72gに相当するセンサ。)を備え、電磁弁72fは調圧弁72e(図1参照)で調圧された気圧の、貯留部725への供給と遮断とを切り替える。電磁弁72fは、貯留部725への水道水の供給時を除き、貯留部725内の気圧が3気圧に維持されるように開閉制御される。
上壁723のうち、貯留部725を画定する部分には、また、貯留部725を大気に連通させる配管が接続されており、ここには電磁弁72hが設けられている。貯留部725への水道水の供給時には、水道水の水圧によって貯留部725に円滑に水道水が補給されるように、電磁弁72hにより貯留部725の気圧を2.5気圧未満に減圧する。電磁弁72hは水タンク72内を大気に解放するか否かを切り替え、減圧時には貯留部725内を大気に解放する。また、電磁弁72hは貯留部725への水道水の供給時以外に、貯留部725内の気圧が3気圧を超える場合に貯留部725を大気に解放し、貯留部725を3気圧に維持する。
底壁724のうち、貯留部725を画定する部分には、貯留部725に水道水を供給する配管L2が接続されており、ここには電磁弁72dが設けられている。電磁弁72dは、後述する水位センサ72cの検出結果に基づき開閉制御され、貯留部725内のお湯の水位を制御する。
底壁724のうち、貯留部725を画定する部分には、また、貯留部725内のお湯を排出する配管L2’が接続されており、ここには電磁弁72d’が設けられている。電磁弁72d’は、貯留部725内のお湯を廃棄する場合に開放され、貯留部725内のお湯が配管L2’へ排出される。
貯留部726は、可動部材727cの移動により、その容積が変更可能な空間である。貯留部726には、配管728a、電磁弁728及び配管728bを介して貯留部725からお湯が供給される。配管728aは、底壁724のうち、貯留部725を画定する部分と電磁弁728との間を接続する。配管728bは、底壁724のうち、貯留部726を画定する部分と電磁弁728との間を接続する。
電磁弁728は、本実施形態の場合、三方向弁であり、配管728bと配管728aとの連通及び遮断の切り替えと、配管728bと配管728cとの連通及び遮断の切り替えとを行うことができる。また、電磁弁728はいずれの配管同士も遮断することも可能である。配管728cは、貯留部726内のお湯を抽出容器9へ送出するための配管である。
配管728bと配管728aとの連通及び遮断とを切り替えることにより、貯留部725と貯留部726との連通と遮断とを切り替えることができる。配管728bと配管728cとの連通及び遮断とを切り替えることにより、貯留部726内のお湯の送出と貯留とを切り替えることができる。
電磁弁728は、配管728bと配管728aとを連通している場合、配管728bと配管728cとを遮断する。逆に、配管728bと配管728cとを連通している場合、配管728bと配管728aとを遮断する。図中の電磁弁728に示す矢印は、電磁弁728の動作状態を示しており、図68の例の場合、配管728bと配管728cとを連通し、配管728bと配管728aとを遮断している状態を示している。
なお、本実施形態では、電磁弁728を三方向弁とすることで、一つの電磁弁728により、これらの切り替えを行うように構成した。しかし、配管728bを二つに分け、一方の配管728bと配管728aとの連通及び遮断を切り替える弁と、他方の配管728bと配管728cとの連通及び遮断を切り替える弁と、を設けた構成も採用可能である。
送液量調節装置720は、駆動ユニット727を備える。駆動ユニット727は、貯留部726から送出する湯量に対応して制御され、貯留部726の容積を変化する。コーヒーカップのサイズに応じて、一杯分の必要湯量が異なる。駆動ユニット727は、こうしたコーヒーカップのサイズ等に対応して適切な湯量が貯留部726から送出されるように、貯留部726の容積を調節する。
本実施形態の駆動ユニット727は、可動部材727cを上下に移動させることで貯留部726の容積を変化させる機構である。可動部材727cは空間726Aに挿入され、上下方向にスライドするように構成されたピストン状の部材であり、その底面727dが貯留部726の上側の壁体を構成する。底面727dの昇降により、貯留部726の容積が変化することになる。
なお、貯留部726の容積は、本実施形態のようにその上側の壁体の位置を移動することにより変化させるのではなく、下側や側部の壁体の位置を移動させることにより変化させる構成も採用可能である。
可動部材727cは、仕切壁722の内面とシールを構成するシール部材(不図示)を含み、仕切壁722の内面を液密に摺動する。但し、可動部材727cの周面には上下方向に延びる溝727eが形成されており、溝727eにおいて、仕切壁722の内面と隙間を有している。
この溝727eは、仕切壁722を厚み方向に貫通する開口722aと連通するように形成されている。開口722aは、貯留部725のお湯の最高水位(後述するセンサ731bの位置)よりも上側の位置に形成されており、貯留部725と空間726Aとを連通させる空気連通部である。開口722a及び溝727eを介して、貯留部725と貯留部726とで空気が連通し、これらの空間内の気圧は同じとなる。なお、貯留部725及び726を常時大気圧とする場合は、大気に連通する通路を個別に設けてもよい。
駆動ユニット727は、駆動源として上壁723に支持されたモータ727aを含み、また、可動部材727cを移動する移動機構としてネジ軸727bを含む。ネジ軸727bは上下方向に延設され、モータ727aの駆動力により回転する。可動部材727cは、その上面に開口したネジ穴727fを有しており、このネジ穴727fにネジ軸727bが係合している。可動部材727cは不図示の回り止めがなされており、ネジ軸727bの回転により上下方向に移動する。回り止めは、例えば、仕切壁722の内面と可動部材727cの周面に設けた、上下方向に延びる凹部と凸部であってもよい。
本実施形態では、可動部材727cを移動させる移動機構として、ネジ軸727bとネジ穴727fとからなるネジ機構を用いたが、これに限られず、ラック-ピニオン機構等、他の機構も採用可能である。
水位センサ72cは、貯留部725のお湯の水位を測定する測定ユニットである。水位センサ72cは、上下に延びる中空円柱状の貯留部729と、貯留部729内に設けられたフロート730と、フロート730を検知する下側のセンサ731a及び上側のセンサ731bとを含む。
貯留部729は、センサ731aよりも下側の位置の連通部729aで貯留部725と連通し、かつ、センサ731bよりも上側の位置の連通部729bで貯留部725と連通している。貯留部725のお湯は連通部729aを介して貯留部729へ流入する。連通部729bは、貯留部725と貯留部729とを連通させる空気連通部であり、連通部729bを介して貯留部725と貯留部729とで空気が連通する。したがって、貯留部729のお湯の水位は貯留部725のお湯の水位と等しくなる。
本実施形態の場合、貯留部729は、ガラスやアクリルなど、透過性を有する部材で構成される。これにより、貯留部729のお湯の水位を外部から視認可能であり、その結果、貯留部725のお湯の水位をユーザが確認できることになる。無論、貯留部725の周壁(721)の一部に透過部を設けてその水位を視認可能とする構成も採用可能である。
フロート730は貯留部729内において、お湯に浮かぶものであればどのようなものでもよい。
センサ731a及び731bは、例えば、光センサ(フォトインタラプタ)であり、フロート730を貯留部729の外部から検知する。センサ731aによりフロート730が検知されると、電磁弁72dを開放して貯留部725へ水が供給される。つまり、センサ731aは貯留部725のお湯の水位の下限を監視する。水位の下限はヒーター72aよりも高い位置に設定されており、ヒーター72aによる空焚きを防止できる。
センサ731bによりフロート730が検知されると、電磁弁72dを閉鎖して貯留部725への水の供給を停止する。つまり、センサ731bは貯留部725のお湯の水位の上限を監視する。
水位センサ72cと同等の構成を貯留部725の内部に構築することも可能である。しかし、本実施形態のように、貯留部725の外部に水位センサ72cを構築することで、外部から貯留部725の水位を確認し易くなる。
次に、図70を参照して送液量調節装置720の動作例について説明する。まず、カップサイズ等に応じて、駆動ユニット727により貯留部726の容積が調節される。状態ST61はその様子を示している。同図の例では、可動部材727cが降下し、貯留部726の容積が図69の例よりも小さい容積にセットされている。電磁弁728は配管728bと配管728cとを連通しており、貯留部725から貯留部726へお湯は供給されない。
貯留部726の容積がセットされると駆動ユニット727を停止し、電磁弁728により配管728bと配管728aとを連通させる。貯留部725と貯留部726とは気圧が同じであり、貯留部726はタンク720aの底部側にある。このため、貯留部725のお湯の水頭圧により、貯留部725から貯留部726へお湯が供給される。本実施形態の場合、貯留部725のお湯の最低水位(センサ731aの位置)よりも低い位置に形成されているため、貯留部725と貯留部726とで常に水頭差が生じている(貯留部725のお湯の方が高い)。したがって、貯留部726が満杯になるまで貯留部725から貯留部726へお湯が供給される。状態ST62は貯留部726が満杯になった状態を示している。溝727cにもお湯は進入するが、溝727cは空気の連通を確保できる程度の容積で足り、極小量とすることができる。
本実施形態の場合、貯留部726にはヒーター72aを設けていないが、貯留部726は貯留部725に囲まれているので、貯留されるお湯の保温性能を確保することができる。なお、状態ST62において駆動ユニット727によって貯留部726の容積を変化させてもよい。
貯留部725から貯留部726へのお湯の供給は、他の方式も可能であるが、本実施形態では貯留部725と貯留部726との水頭差を利用することで比較的単純な構成でお湯を供給することができる。
次に、貯留部726に貯留されたお湯を送出する。状態ST63に示すように、電磁弁728により配管728bと配管728cとを連通させることで、配管728cから抽出容器9へお湯を、自重又は貯留部726の気圧で送出することができる。お湯の送出開始後、電磁弁728の動作状態を、いずれの配管同士も遮断することで、貯留部726のお湯を段階的に送出することも可能である。例えば、蒸らし工程(図21のS11)のために、お湯を送出して中断し、その後、残りのお湯を送出する工程(図21のS12)を行うことも可能である。
いずれにしても、貯留部726に貯留されたお湯は全量を送出する。全量の送出確認は電磁弁728の開時間(配管728bと配管728cとの連通時間)で行うことができる。貯留部726に貯留されたお湯を一回送出する度に、制御弁72dを開放してその分量に見合った水を貯留部725に供給してもよい。
以上述べた通り、本実施形態ではお湯の送出量を調節することができる。液体の送出量の調節には、一般には、流量センサを用いてその検知結果により弁を開閉する制御が用いられる。しかし、高温の液体や特殊な液体の場合、対応可能な流量センサが市販されていないか高価な場合がある。本実施形態では、貯留部726の容積を調節する方式を採用することで流量センサを必要とせずにお湯の送出量を調節できる。
次にタンク720aの他の構成例について説明する。図71はタンク720aの構成が異なる送液量調節装置720の概要図と、タンク720a部分の水平断面図である。
図68の例では貯留部725の内側に貯留部726が位置する構成としたが、図71の例のように貯留部725と貯留部726とが並設される構成も採用可能である。また、図68の例では貯留部725、貯留部726及び貯留部729の水平断面形状が円形であったが、図71の例のような矩形等、多角形でもよい。また、楕円形状等の他の水平断面形状も採用可能である。更に、連通部729a、729bは、図71の例のように貯留部729の下端、上端と貯留部725とを連通させる構成であってもよい。
図72もタンクの構成が異なる送液量調節装置720の概要図と、タンク部分の水平断面図である。同図の例では、貯留部725を構成するタンク720bと、貯留部726を構成するタンク720cとが別々に構成されている。このようなタンクの構成も採用可能である。また、図72の例では、貯留部725よりも貯留部726の方が、底面が低い位置に形成されている。これにより水頭差を利用したお湯の供給を行い易くすることができる。
次に、タンク720aの上壁723と底壁724との間に貯留部729を支持する構成も採用可能である。図73はその一例を示している。同図の例では、貯留部729を形成する筒状の部材が上壁723と底壁724との間に支持されており、また、貯留部725を画定する周壁721も上壁723と底壁724との間に支持されている。連通部729a、729bは底壁724、上壁723にそれぞれ形成されている。貯留部729と、上壁723及び底壁724との間にはガスケット729cが設けられている。
図73の例の場合、貯留部729を上壁723と底壁724とを用いて支持することができ、特に、貯留部729と周壁721とが並設されているので、周壁721を貯留部729の補強部材としても活用できる。
貯留部729をガラス管等で構成した場合、上壁723と底壁724との境界部分での負荷の作用を防止するため、ガスケット729cに代えて、構成例EX32に示すように、貯留部729の上下端部を被覆するカバー729dを設けてもよい。カバー729dは例えばシリコン製であってもよい。また、貯留部729をガラス管等で構成した場合、破損時の飛散を防止すべく、その周面に網目シートを付着してもよく、また、ガラス管をポリカーボネートのようなもので補強してもよい。
<第九実施形態>
切替ユニット10の他の構成例について説明する。図74は本実施形態の切替ユニット10の斜視図である。第一実施形態と同様、本実施形態の切替ユニット10も、抽出容器9から送出される液体の送出先を注ぎ部10cと、廃棄タンクT(図74において不図示)とのいずれかに切り替えるユニットであり、同じ機能を有する構成については同じ符号を用いている。
本実施形態の概要を説明する。図21に例示した抽出処理においては、S17において抽出容器9を所定気圧(例示として1.7気圧)としてコーヒー飲料を送出している。このときの気圧を高めに設定した場合、コーヒー飲料の送出効率は向上するが、カップCへ注がれるコーヒー飲料の勢いが強くなってこぼれる場合がある。本実施形態の切替ユニット10は減圧部600を備えており、カップCへ注がれるコーヒー飲料を減圧する。これにより、コーヒー飲料をより穏やかに飲料容器(カップC)に注ぐことができる。以下、切替ユニット10の構成を説明する。
切替ユニット10は、操作ユニット81Cの連通部810aに接続される連通部10dを備える。容器本体90内のコーヒー飲料、水道水、挽き豆の残渣が連通部810aを介して切替ユニット10に導入される。切替弁10aは、切替ユニット10に導入されたコーヒー飲料等の送出先を、減圧部600または配管10fに切り替える。切替弁10aは、カップCにコーヒー飲料を注ぐ場合は、送出先を減圧部100とし、コーヒー飲料や残渣等を廃棄する場合は送出先を配管10fとする。
配管10fは、廃棄タンクTが取り付けられる取付部10eに接続されている。取付部10eには、また、配管10gが接続されている。配管10gは、切替ユニット10を経由しない別の廃棄経路を構成する配管であり、例えば、水タンク72から水を廃棄する場合等に用いられる。また、配管10gにはステージ111(図57)に設けられた排水部111aが接続されていてもよい。
図74(A)及び(B)、図75(A)~(C)及び図76(A)及び(B)を参照して減圧部600について説明する。図74(B)は減圧部600の斜視図、図75(A)は減圧部600の平面図、図75(B)、(C)は図75(A)のV-V線断面図、VI-VI線断面図である。図76(A)及び(B)は下部ケース602の斜視図である。
減圧部600は、内部に空間600aを有する中空の箱体(減圧容器)である。減圧部600は、切替弁10aを介してコーヒー飲料が導入される導入管604aと、カップCへコーヒー飲料を注ぐ注ぎ部10cとを含み、製造したコーヒー飲料をカップCに注ぐ前に、空間600aをコーヒー飲料が通過するように構成されている。空間600aの容積は、例えば、一杯分のコーヒー飲料の最大液量よりも多い容積である。
注ぎ部10cは減圧部600の底部から下方へ突出して形成されており、その下端部に送出口605を有している。送出口605は、空間600aと連通し、空間600aを通過するコーヒー飲料を送出する。送出口605は注ぎ口を構成してもよいし、注ぎ口を形成するノズルが接続されてもよい。
導入管604は前後方向に延びる円筒形状の配管であり、その一方端部604aは切替弁10aに接続され、その他方端部はコーヒー飲料を空間600aに導入する、空間600aに開口した導入口604bを構成している。導入口604bは送出口605よりも高い位置に形成されており、コーヒー飲料はその自重により送出口605へ流れやすくされている。また、導入口604bは、平面視で(水平方向の位置で)連通穴606よりも送出口605側に形成されている。
減圧部600は、その上半分を構成する上部ケース601と、その下半分を構成する下部ケース602とを上下に結合して空間600aを形成するモナカ構造を有している。
上部ケース601は、フランジ部601aとフランジ部601aに囲まれて上側に膨出した膨出部601bとを有し、膨出部601bが空間600aの上部を画定する。下部ケース602は、フランジ部602aとフランジ部602aに囲まれて下側に膨出した膨出部602bとを有し、膨出部602bが空間600aの下部を画定する。
上部ケース601と下部ケース602とはフランジ部601aとフランジ部602aとを重ね合わせてネジで締結される。フランジ部601aとフランジ部602aとの間にはシール部材603が介在し、空間600aを密封する。
減圧部600の壁部には空間600aを大気に連通させる連通穴606が形成されている。空間600aにコーヒー飲料が加圧状態で導入されると、空間600aの空気が連通穴606から大気に放出される。これによりコーヒー飲料を減圧することができる。本実施形態の場合、導入口604bが連通穴606よりも低い位置となるよう、連通穴606は減圧部600の天部をなす上壁部600bに形成されている。連通穴606を空間600aの高い位置に形成することで、コーヒー飲料が連通穴606から漏れ出ることを抑制することができる。
本実施形態の空間600aは左右方向に長い空間であり、その長手方向の一方端部(左側端部)600c側に導入口604bが形成されており、送出口605は一方端部600cと他方端部(右側端部)600dとから離間した位置にあり、本実施形態の場合、一方端部600cと他方端部600dとの中間部に形成されている。導入口604bから導入されたコーヒー飲料の勢いが強い場合、送出口605を通過して他方端部600d側に流れ、そして、戻るようにして送出口605へ流れるため、コーヒー飲料の勢いを効果的に弱めることができる。
また、導入口604bと送出口605とが、水平方向にずれた位置に形成されていることで、コーヒー飲料が空間600aを流れる区間をより長く確保することができ、その勢いを減少させることができる。
連通穴606は、水平方向で送出口605よりも導入口604bに近い部位に形成されている。このような配置とすることで、導入口604dから送出口605へ向かうコーヒー飲料の勢いで、コーヒー飲料が連通穴606から漏出しづらくすることができる。また、コーヒー飲料に混入している気体が連通穴606から早期に逃げやすくなり、送出口605から吹き出さないようにすることができる。なお、連通穴606の数や位置はこれに限られず、複数の連通穴606を設けてもよく、異なる部位に連通穴606を形成することも可能である。
下部ケース602は、空間600aの左右の底面610、611、前後の周面612、613を形成する。これら各面は、送出口605へ向かって傾斜した傾斜面であり、空間600aのコーヒー飲料が空間600aに滞留することを防止して、送出口605へ流れやすくすることができる。
下部ケース602は、また、空間600aの左右の周面614、615を形成する。周面614は一方端部600c側の周面であり、周面615は他方端部600d側の周面である。
周面614には、導入管604内の流路を前後方向に延長するように形成された断面C字型の切欠き614aが形成され、切欠き614aの端部には導入口604aと対向する壁面614bが形成されている。導入口604bから導入されたコーヒー飲料の勢いが強い場合、壁面614bと衝突してその勢いを弱めることができる。
下部ケース602には、上下方向に延びる壁体621、622が形成されている。壁体621の壁面は左右上下方向と平行であり、壁体622の壁面は前後上下方向と平行である。換言すると壁体621の壁面は導入管604内の通路の通路方向(前後方向)と交差する面であり、本実施形態では直交する面である。また、壁体622の壁面は導入管604内の通路の通路方向(前後方向)と交差しない面であり、本実施形態では平行な面である。
壁体621、622は互いの端部が連続しており、全体として、断面L字型の柱体を構成している。壁体621、622は、連通穴606に臨む位置まで延設されており、減圧部600の平面視で、連通穴606は壁体621、622に囲まれている。換言すると、壁体621は連通穴606よりも前側に位置し、壁体622は連通穴606よりも右側に位置している。
このような壁体621、622は、空間600aのコーヒー飲料が連通穴606へ向かうことを防止する邪魔板となり、コーヒー飲料が連通穴606から漏出することを防止できる。壁体621、622は導入口604bよりも高い位置まで延びており、上壁部600bと僅かな隙間を有する位置に到達している。本実施形態の場合、この隙間は導入口604bの直径よりも小さい。また、導入口604bから壁体621、622の上端までの高さは導入口604bの直径よりも長い。
こうした構成により、コーヒー飲料が多くの量流入された場合でも、連通穴606から吹き出しにくいようになっている。減圧部600に流入するコーヒー飲料の圧力が高い場合、導入口604bから空間600ahe霧状に吹き出す可能性があるが、壁体621、622の上端と上壁部600bとの隙間を狭くすることで、舞い上がる滴が容器外へ出しにくくしている。
本実施形態の場合、導入口604bは壁体621に開口している。導入口604bから空間600aへ流入したコーヒー飲料は壁体621によって後ろ側へ移動することが防止され、勢いが最も強い流入直後のコーヒー飲料が連通穴606へ向かうことを防止できる。導入口604dの直径を大きくすることは流入するコーヒー飲料の勢いを低下させることに有効であり、例えば、10mm以上30mm以下である。
次に、減圧部600の他の構成例について説明する。図77は別例の下部ケース602の平面図である。同図の例では、不図示の上部ケースに複数の連通穴606A、606Bが形成されている。連通穴606A、606Bはいずれも水平方向で送出口605よりも導入口604bに近い位置にあり、早期に空気が逃げやすくなっている。
膨出部602bがL字型を有しており、壁体621に形成された導入口604bと送出口605とを結ぶ仮想線633がフランジ部602aを横断している。不図示の上部ケースには膨出部602bに対応する形状の膨出部が設けられる。つまり、コーヒー飲料が導入口604bからL字型に迂回させながら送出口605へ流れる構成である。これにより、コーヒー飲料の勢いの低減や空気の分離を促進することができる。
底面630、631、632は、同図の矢印で示す方向に下向きに傾斜しており、底面630→底面631→底面632に向かって、順次底面が下方へ傾斜している。これにより、導入口604bから送出口605へ、コーヒー飲料をその自重で円滑に流れやすくすることができる。
壁体621の右側端部には、周面との隙間621aが形成されており、壁体621の裏側の空間621bにコーヒー飲料が進入しても、そこに溜まることなく、隙間621aから抜けるようにしている。
図78(A)は更に別例の下部ケース602の平面図を示し、図78(B)は図78(A)の下部ケース602を利用した減圧部600の断面図であって、図78(A)のVII-VII線に沿う断面図である。
この例では、減圧部600が前後方向に長く形成されている。壁体621は下部ケース602ではなく上部ケース601に設けられている。平面視で、導入管604の一方端部604aから送出口605まで直線上に導入口605bが位置しており、壁体621はこの直線に対して傾斜している。
底面641の傾斜は後方から前方へ向かって下方に向いた一方向の傾斜とされ、コーヒー飲料が空間600aの周縁部に溜まりにくい構造とされている。導入口604bから連通穴606までの高さと、送出口605から導入口604bまでの高さを比較すると前者の高さの方が高くなっている。
底面641の傾斜は後方から前方へ向かって下方に向いた一方向の傾斜とされ、コーヒー飲料が空間600aの周縁部に溜まりにくい構造とされている。導入口604bから連通穴606までの高さと、送出口605から導入口604bまでの高さを比較すると前者の高さの方が高くなっている。また、連通穴606を送出口605の上方に設けてもよい。こうすることで導入口604bから連通穴606までの距離が遠くなり、かつ送出口605からの距離も遠くなる位置であるため、空気とコーヒー飲料の分離を容易にする。
<他の実施形態>
上述した各実施形態は相互に組合せ可能である。また、上記各実施形態では、専らコーヒー飲料を対象としたが、日本茶、紅茶などの茶、スープなどの各種飲料も対象とすることができる。また、抽出対象として、コーヒー豆、コーヒーの生豆、コーヒー豆の挽き豆、焙煎コーヒー豆、焙煎コーヒー豆の挽き豆、焙煎されていないコーヒー豆、焙煎されていないコーヒー豆の挽き豆等、粉末のコーヒー豆、インスタントのコーヒー、ポッドに入ったコーヒー等を例示し、飲料として、コーヒー飲料等を例示し、飲料液としてコーヒー液を例示してきたが、これらだけに限定されない。また、抽出対象として、日本茶、紅茶、ウーロン茶などの茶葉、挽いた茶葉、野菜、粉砕された野菜、果物、粉砕した果物、穀物、粉砕した穀物、椎茸等のきのこ類、椎茸等のきのこ類を粉砕した物、椎茸等のきのこ類を加熱後に乾燥させた物、椎茸等のきのこ類を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、鰹等の魚類、鰹等の魚類を粉砕した物、鰹等の魚を加熱後に乾燥させた物、鰹等の魚を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、こんぶ等の海藻類、こんぶ等の海藻類を粉砕した物、こんぶ等の海藻類を加熱後に乾燥させた物、こんぶ等の海藻類を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、牛、豚、鳥、等の肉を加熱後に乾燥させた物、当該肉等を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物、牛の骨、豚の骨、鳥の骨、等の肉を加熱後に乾燥させた物、当該骨等を加熱後に乾燥させた物を粉砕した物等の抽出材料であればよく、飲料として、日本茶、紅茶、ウーロン茶、野菜ジュース、果物ジュース、汁物、出汁、スープ等、飲料であればよく、飲料液として、日本茶のエキス、紅茶のエキス、ウーロン茶のエキス、野菜のエキス、果物のエキス、きのこのエキス、魚等のエキス、肉のエキス、骨のエキス等のエキス類であればよい。なお、実施例中で水、水道水、浄水、お湯、洗浄水と記載しているところがあるが、例えば水をお湯と置き換えたり、お湯を水と置き換えてもよい等いずれかの記載を別の記載に置き換えてもよく、全て液体、水蒸気、高温水、冷却水、冷水等と置き換えてもよい。例えば抽出対象(例えば、焙煎コーヒー豆の挽き豆)とお湯を抽出容器9に入れるといった記載であれば、抽出対象(例えば、焙煎コーヒー豆の挽き豆)と冷水(単に水でもよい)を抽出容器9に入れるといった記載に置き換えてもよく、この場合であれば水出しコーヒー等の抽出方法や飲料製造装置としてとらえてもよい。
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の装置または方法を少なくとも開示する。
A1.焙煎コーヒー豆の挽き豆から不要物を分離する分離装置(例えば6)であって、
前記挽き豆が通過する分離室(例えばSC)を形成する形成ユニット(例えば6B)と、
前記挽き豆の通過方向と交差する方向で前記分離室と連通し、該分離室内の空気を吸引する吸引ユニット(例えば6A)と、を備え、
前記形成ユニットは、
前記分離室と連通した、前記挽き豆の投入口(例えば65a,65a’)と、
前記分離室と連通した、前記挽き豆の排出口(例えば66)と、を有し、
前記吸引ユニットの吸引によって、前記排出口から前記分離室へ空気が吸引される、
ことを特徴とする分離装置。
A2.前記排出口の開口面積(例えばSC2)は、前記投入口の開口面積(例えばSC1’)よりも大きい、
ことを特徴とする分離装置。
A3.前記形成ユニットは、筒状部(例えば65)を備え、
前記筒状部の一端開口部(例えば65a)は前記投入口を形成し、
前記筒状部の他端開口部(例えば65b)は前記分離室に臨み、
前記排出口の開口面積は、前記他端開口部の開口面積よりも大きい、
ことを特徴とする分離装置。
A4.前記筒状部の内部空間は、その断面積が前記一端開口部側から前記他端開口部側へ向かって小さくなる形状を有している(例えば図6)、
ことを特徴とする分離装置。
A5.前記筒状部は上下方向に延設されており、
前記筒状部の前記吸引ユニット側の下端の少なくとも一部は、反対側の下端の少なくとも一部よりも下方に突出している(例えば図9,EX3)、
ことを特徴とする分離装置。
A6.前記吸引ユニットの吸引によって、前記投入口から前記分離室へ空気が吸引される、
ことを特徴とする分離装置。
A7.前記筒状部は上下方向に延設されており、
前記他端開口部は、前記排出口を上下方向に延長した領域内に収まる(例えば図8)、
ことを特徴とする分離装置。
A8.前記一端開口部、前記他端開口部および前記排出口は、いずれも円形であり、かつ、同一中心線(例えばCL)上に配置されている(例えば図8)、
ことを特徴とする分離装置。
A9.前記形成ユニットは、
前記同一中心線と交差する方向に延び、前記吸引ユニットとの連通路を形成する管部(例えば63)と、
前記管部に接続され、前記分離室を形成する分離室形成部(例えば64)と、を含み、
前記分離室形成部は、前記同一中心線を中心とした円環形状を有している(例えば図8)、
ことを特徴とする分離装置。
A10.前記排出口の周囲壁には、前記排出口から前記分離室へ吸引される空気に乱流を生じさせる乱流促進部(例えば67)が形成されている、
ことを特徴とする分離装置。
A11.前記乱流促進部は、複数の乱流促進要素(例えば67a)を含む、
ことを特徴とする分離装置。
A12.前記複数の乱流促進要素は、前記排出口の周囲方向に繰り返し形成されている、
ことを特徴とする分離装置。
A13.前記複数の乱流促進要素は、複数の突起、複数の切欠き、または、複数の穴である、
ことを特徴とする分離装置。
A14.前記筒状部は前記分離室内に突出しており、
前記筒状部の前記一端開口部は前記分離室外に位置し、
前記筒状部の前記他端開口部は前記分離室内に位置している、
ことを特徴とする分離装置。
A15.焙煎コーヒー豆を粗挽きする第一のグラインダ(例えば5A)と、
前記第一のグラインダから排出される挽き豆から不要物を分離する上記分離装置と、
前記分離装置から排出される挽き豆を細挽きする第二のグラインダ(例えば5B)と、を備える、
ことを特徴とする粉砕装置(例えば5)。
A16.上記粉砕装置と、
前記粉砕装置から排出される挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出装置(例えば3)と、備える、
ことを特徴とする飲料製造装置(例えば1)。
B1.焙煎コーヒー豆の挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出方法であって、
前記挽き豆と液体とが収容された抽出容器内を、第一の気圧から前記第一の気圧よりも低い第二の気圧に切り替える減圧工程(例えばS15)と、
前記挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出工程(例えばS17)と、を含み、
前記第一の気圧は、所定の温度の前記液体が沸騰しない気圧であり、
前記第二の気圧は、前記第一の気圧で沸騰しなかった前記液体が沸騰する気圧であり、
前記第一の気圧から前記第二の気圧への切り替えは、前記抽出容器内の気圧を解放することにより行われる、
ことを特徴とする抽出方法。
B2.前記抽出工程では、前記抽出容器から該抽出容器内の液体を排出しながら透過式によりコーヒー液を抽出する、
ことを特徴とする抽出方法。
B3.前記抽出工程では、前記抽出容器内で浸漬式によりコーヒー液を抽出する、
ことを特徴とする抽出方法。
B4.前記液体とは、高温水のことであり、
前記所定の温度とは、前記液体の前記第一の気圧における沸点以上の温度のことであり、
前記第一の気圧とは、大気圧を超える気圧であり、
前記第二の気圧とは、大気圧である、
ことを特徴とする抽出方法。
B5.前記抽出容器に供給される液体は、加温された液体であって、かつ、該液体が沸騰しない第三の気圧で前記抽出容器に圧送され、
前記第三の気圧は前記第一の気圧よりも低く前記第二の気圧よりも高い気圧である、
ことを特徴とする抽出方法。
B6.前記減圧工程の前に、前記抽出容器に供給される液体により前記挽き豆を蒸らす蒸らし工程(例えばS11)を含み、
前記蒸らし工程では、前記抽出容器内の気圧を前記第三の気圧に維持する、
ことを特徴とする抽出方法。
B7.前記減圧工程の前に、前記抽出容器内で浸漬式によりコーヒーを抽出する工程(例えばS14)を含む、
ことを特徴とする抽出方法。
B8.焙煎コーヒー豆の挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出装置(例えば3)であって、
抽出容器(例えば9)と、
前記抽出容器に、液体および空気圧を供給する供給ユニット(例えば7)と、
前記供給ユニットを制御する制御ユニット(例えば11)と、を備え、
前記制御ユニットは、
前記挽き豆と前記液体とが収容された前記抽出容器内を、第一の気圧から前記第一の気圧よりも低い第二の気圧に切り替える減圧制御を実行し(例えばS15)、
前記第一の気圧は、所定の温度の前記液体が沸騰しない気圧であり、
前記第二の気圧は、前記第一の気圧で沸騰しなかった前記液体が沸騰する気圧であり、
前記第一の気圧から前記第二の気圧への切り替えは、前記抽出容器内の気圧を解放することにより行われる、
ことを特徴とする抽出装置。
C1.焙煎コーヒー豆の挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出装置(例えば3)であって、
開口(例えば90a)を有するネック部(例えば90b)と胴部(例えば90e)とを含み、前記挽き豆と液体とが収容される抽出容器(例えば9)と、
前記ネック部の前記開口に配置され、前記挽き豆の漏出を規制するフィルタ(例えば910)と、
前記抽出容器の姿勢を、前記ネック部が上側の第一の姿勢から、前記ネック部が下側の第二の姿勢へ変化させる駆動ユニット(例えば8B)と、を備える、
ことを特徴とする抽出装置。
C2.前記抽出容器は、前記フィルタを含む蓋ユニット(例えば91)を含み、
前記蓋ユニットは、
前記抽出容器に対して前記挽き豆を投入する場合(例えばS2)に前記開口を開放し、
前記抽出容器内でコーヒー液を抽出する場合に前記開口を覆う(例えばS3)、
ことを特徴とする抽出装置。
C3.前記第一の姿勢において、前記挽き豆が前記胴部に堆積し、
前記第二の姿勢において、前記挽き豆が前記ネック部に堆積し、
前記抽出容器は、前記第二の姿勢では前記第一の姿勢よりも前記挽き豆の堆積厚さが厚くなるように形成されている、
ことを特徴とする抽出装置。
C4.前記ネック部は、前記胴部よりも内部空間の断面積が小さい、
ことを特徴とする抽出装置。
C5.前記抽出容器は、前記胴部と前記ネック部との間の肩部(例えば90d)を有し、
前記肩部は前記ネック部に向かって内部空間の断面積が徐々に小さくされている、
ことを特徴とする抽出装置。
C6.前記ネック部は、円筒形状を有している、
ことを特徴とする抽出装置。
C7.前記第一の姿勢は、少なくとも予め定めた浸漬時間の間、維持される(例えばS14)、
ことを特徴とする抽出装置。
C8.前記第二の姿勢は、少なくとも予め定めた透過時間の間、維持される(例えばS17)、
ことを特徴とする抽出装置。
C9.焙煎コーヒー豆の挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出方法であって、
第一の姿勢の抽出容器内で、該抽出容器に第一の態様で堆積された前記挽き豆を液体に浸漬する浸漬工程(例えばS14)と、
前記抽出容器の姿勢を第一の姿勢から第二の姿勢に反転させ、前記挽き豆を第二の態様で堆積させる反転工程(例えばS16)と、
前記第二の姿勢の前記抽出容器から前記液体を送出する透過工程(例えばS17)と、を含み、
前記第二の態様は、前記第一の態様よりも前記挽き豆の堆積厚さが厚い態様であり、
前記透過工程では、前記第二の態様で堆積している前記挽き豆を通過させて前記液体を送出する、
ことを特徴とする抽出方法。
C10.前記抽出容器は太い部分(例えば90e)と細い部分(例えば90b)とを含み、
前記第一の姿勢では前記太い部分に前記挽き豆が堆積し、
前記第二の姿勢では前記細い部分に前記挽き豆が堆積する、
ことを特徴とする抽出方法。
D1.焙煎コーヒー豆の挽き豆から不要物を分離する分離装置(例えば6)と、
前記分離装置により前記不要物が分離された前記挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出装置(例えば3)と、を備える飲料製造装置(例えば1)であって、
前記飲料製造装置の外装を形成するハウジング(例えば100)を備え、
前記ハウジングは、外部から前記分離装置の少なくとも一部を視認可能にする第一の透過部(例えば101)を含む、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D2.焙煎コーヒー豆の挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出装置(例えば3)を備える飲料製造装置(例えば1)であって、
前記飲料製造装置の外装を形成するハウジング(例えば100)を備え、
前記抽出装置は、前記挽き豆と液体とが収容され、コーヒー液を抽出する抽出容器(例えば9)と、コーヒー液を抽出する際に該抽出容器を動かす駆動ユニット(例えば8B)とを含み、
前記ハウジングは、外部から前記抽出容器の少なくとも一部を視認可能にする第一の透過部(例えば101)を含む、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D3.前記分離装置は、前記不要物が収容される回収容器(例えば60B)を含み、
前記回収容器は、収容されている前記不要物を外部から視認可能な第二の透過部(例えば62)を含み、
前記第一の透過部及び前記第二の透過部を介して前記回収容器に収容されている前記不要物を外部から視認可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D4.前記分離装置は、前記回収容器内の空気を排気する送風ユニット(例えば60A)を含み、
前記送風ユニットと前記回収容器とは、前記不要物を該回収容器の一部に集める遠心分離装置を構成する、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D5.前記回収容器が前記分離装置に着脱自在である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D6.焙煎コーヒー豆を粗挽きする第一のグラインダ(例えば5A)と、
焙煎コーヒー豆を細挽きする第二のグラインダ(例えば5B)と、を備え、
前記分離装置は、前記第一のグラインダから排出される挽き豆から前記不要物を分離し、
前記第二のグラインダは、前記分離装置により前記不要物が分離された前記挽き豆を細挽きし、
前記第二のグラインダは、前記第一の透過部を介して前記第二のグラインダの少なくとも一部が視認可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D7.前記第一の透過部は、開閉自在に構成される(例えば図56,図58)、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D8.前記第一の透過部は、少なくとも前記飲料製造装置の前方及び側方から、該装置の内部を視認可能な形状を有している(例えば図58)、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D9.前記第一の透過部は、曲面を含む(例えば図58)、
ことを特徴とする飲料製造装置。
D10.前記駆動ユニットの駆動によって、コーヒー液の抽出の際に前記抽出容器の姿勢が変化し、
前記第一の透過部を介して前記抽出容器の姿勢の変化を視認可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E1.焙煎コーヒー豆を原料とした飲料を製造する飲料製造装置(例えば1)であって、
焙煎コーヒー豆を収容した豆容器(例えば40)と、
前記豆容器が装着される装着部(例えば44)と、
前記焙煎コーヒー豆を受け入れる第一の受入部(例えば442)と、
前記焙煎コーヒー豆を受け入れる第二の受入部(例えば42c)と、を備え、
前記第一の受入部は、前記装着部に装着された前記豆容器から前記焙煎コーヒー豆を受け入れ、
前記第二の受入部は、前記装着部とは異なる部位に形成された開口部である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E2.前記第一の受入部に受け入れられた所定の量の焙煎コーヒー豆を下流側に自動送出する送出ユニット(例えば41)を備え、
前記第二の受入部に受け入れられた焙煎コーヒー豆は、前記送出ユニットにより自動送出されずに、飲料の製造に用いることが可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E3.焙煎コーヒー豆を挽くグラインダ(例えば5A)を更に備え、
前記第一の受入部又は前記第二の受入部で受け入れられた焙煎コーヒー豆は、前記グラインダへ供給される、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E4.前記第一の受入部から前記グラインダまでの焙煎コーヒー豆の供給経路(例えばRT1)よりも、前記第二の受入部から前記グラインダまでの焙煎コーヒー豆の供給経路(例えばRT2)の方が経路長が短い、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E5.前記第一の受入部に受け入れられた焙煎コーヒー豆が通過する第一の供給経路(例えばRT1)と、
前記第二の受入部に受け入れられた焙煎コーヒー豆が通過する第二の供給経路(例えばRT2)と、を更に備え、
前記第二の供給経路は、前記第一の供給経路の途中に合流する、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E6.前記送出ユニットは、スクリューコンベアであり、スクリュー軸(例えば47)の回転量によって所定の量の前記焙煎コーヒー豆の送出を行うユニットである、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E7.前記開口部(例えば42c)を介して前記送出ユニットを視認可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E8.前記豆容器は、前記第一の受入部に対する焙煎コーヒー豆の出口(例えば405a)と、該出口を開閉する蓋機構(例えば408)と、を備え、
前記飲料製造装置は、前記蓋機構を操作して、前記装着部に対する前記豆容器の装着後に、前記出口を閉状態から開状態へ自動開放する駆動機構(例えば41a,444,445c)を備える、
ことを特徴とする飲料製造装置。
E9.前記駆動機構は、前記蓋機構を操作して、前記出口を開状態から閉状態へ自動閉鎖することが可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
F1.焙煎コーヒー豆の挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出装置(例えば3)であって、
前記挽き豆と液体とが収容され、前記挽き豆からコーヒー液が抽出される容器(例えば90)と、
前記容器を、該容器に前記挽き豆を供給する挽き豆供給位置(例えば図9の破線の豆投入位置)と、該容器に液体を供給する液体供給位置(例えば図9の実線の抽出位置)と、に移動する駆動ユニット(例えば8B)と、を備える、
ことを特徴とする抽出装置。
F2.前記抽出装置の外装を形成するハウジング(例えば100)を備え、
前記ハウジングは、外部から前記容器の移動を視認可能にする透過部(例えば101)を含む、
ことを特徴とする抽出装置。
F3.前記駆動ユニットは、前記容器を前記挽き豆供給位置と前記液体供給位置との間で、往復移動する(例えば図9)、
ことを特徴とする抽出装置。
F4.前記駆動ユニットは、前記容器を水平方向に平行移動する(例えば図9)、
ことを特徴とする抽出装置。
F5.前記駆動ユニットは、前記容器を支持する支持部材(例えば820)を含む、
ことを特徴とする抽出装置。
F6.前記支持部材は、
前記容器を保持する保持部材(例えば820a)と、
前記保持部材に連結され、前記容器の移動方向に延びる軸部材(例えば820b)と、を含み、
前記保持部材は、前記容器の移動方向を前記容器の正面-背面方向とした場合、前記容器の左右の各側部及び底部に渡って延設され(例えば図29,図30)、
前記軸部材は、前記容器の前記各側部において前記保持部材に連結され、
前記軸部材は前記移動方向に移動される、
ことを特徴とする抽出装置。
F7.前記挽き豆供給位置において前記容器に前記挽き豆が供給された後、前記液体供給位置において前記容器に液体が供給される、
ことを特徴とする抽出装置。
F8.前記液体供給位置において前記容器に予熱用の液体が供給された後、前記挽き豆供給位置において前記容器に前記挽き豆が供給され、その後、前記液体供給位置において前記容器に液体が供給される、
ことを特徴とする抽出装置。
F9.前記容器の移動方向を前記容器の正面-背面方向とした場合、前記透過部を介して前記容器の正面が視認可能であり、かつ、前記液体供給位置は、前記挽き豆供給位置よりも奥側の位置である(例えば図9)、
ことを特徴とする抽出装置。
F10.前記液体供給位置において前記容器の開口(例えば90a)に着脱自在に装着される蓋ユニット(例えば91)を備え、
前記蓋ユニットは、前記容器内を外部に連通させる穴(例えば911a)を含み、
前記液体供給位置において前記開口に前記蓋ユニットが装着された状態で前記穴を介して前記容器内に液体が供給される、
ことを特徴とする抽出装置。
F11.前記液体供給位置において前記開口から前記蓋ユニットが分離された状態で、前記容器が前記挽き豆供給位置に移動し、前記開口を介して前記容器内に前記挽き豆が供給される、
ことを特徴とする抽出装置。
F12.前記駆動ユニットは、前記液体供給位置において前記蓋ユニットが上側に位置する第一の姿勢と、下側に位置する第二の姿勢とに前記容器及び前記蓋ユニットを反転する機構と、前記穴を開閉する栓部材(例えば913)を含み、
前記第一の姿勢において前記容器内に液体が供給され、
前記第二の姿勢において前記栓部材は前記穴を開放し、該穴を介してコーヒー飲料が前記容器から送出される、
ことを特徴とする抽出装置。
G1.焙煎コーヒー豆の挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出装置(例えば3)であって、
前記挽き豆と液体とが収容され、前記挽き豆からコーヒー液が抽出される抽出容器(例えば9)と、
前記抽出容器に液体を供給する供給ユニット(例えば7)と、を備え、
前記抽出容器は、
前記抽出容器内のコーヒー飲料が送出される第一の穴(例えば911a)と、
前記抽出容器内の清掃に用いた液体が送出される第二の穴(例えば901a)と、を含む、
ことを特徴とする抽出装置。
G2.前記抽出容器の姿勢を第一の姿勢と第二の姿勢とで反転させる駆動ユニット(例えば8B)を備え、
前記第一の穴は前記第一の姿勢において前記抽出容器の下端部に、前記第二の姿勢において前記抽出容器の上端部に位置し、
前記第二の穴は前記第一の姿勢において前記抽出容器の上端部に、前記第二の姿勢において前記抽出容器の下端部に位置する、
ことを特徴とする抽出装置。
G3.前記抽出容器が前記第一の姿勢の状態で前記抽出容器内のコーヒー飲料が前記第一の穴を介して送出された後、前記駆動ユニットにより前記抽出容器が前記第二の姿勢に変化され、前記第一の穴を介して前記供給ユニットにより清掃用の液体が前記抽出容器内に供給される、
ことを特徴とする抽出装置。
G4.前記第一の穴から前記抽出容器内の前記挽き豆が漏出することを規制するフィルタ(例えば910)を備える、
ことを特徴とする抽出装置。
G5.前記フィルタは金属フィルタである、
ことを特徴とする抽出装置。
G6.前記金属フィルタは、前記第一の姿勢において前記抽出容器の前記下端部の側に、前記第二の姿勢において前記抽出容器の前記上端部の側に位置する、
ことを特徴とする抽出装置。
G7.前記抽出容器は、前記第一の穴を開閉する第一の栓部材(例えば913)と、前記第二の穴を開閉する第二の栓部材(例えば903)と、を含む、
ことを特徴とする抽出装置。
G8.前記抽出容器は、その内部を視認可能な透過部(例えば90)を含む、
ことを特徴とする抽出装置。
G9.前記第二の穴の方が前記第一の穴よりも大きく、
前記第一の穴から前記清掃用の液体が前記抽出容器内に供給される際に、前記第一の穴から空気を送り込む、
ことを特徴とする抽出装置。
H1.焙煎コーヒー豆を原料とした飲料を製造する飲料製造装置(例えば1)であって、
焙煎コーヒー豆を収容した豆容器(例えば40)と、
前記豆容器が着脱可能に装着される装着部(例えば44)と、
前記豆容器からの前記焙煎コーヒー豆を搬送可能な搬送機構(例えば41)と、を備え、
前記搬送機構は、前記豆容器が前記装着部から取り外された場合に前記装着部側に残るように設けられている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H2.前記豆容器は、
前記焙煎コーヒー豆の出入りが可能な第一の口(例えば筒部401の端部)と、
前記焙煎コーヒー豆の出入りが可能な第二の口(例えば405a)と、を含み、
前記第一の口は、前記豆容器から前記飲料製造装置内へ前記焙煎コーヒー豆が移動する際に通過しない口であり、
前記第二の口は、前記豆容器から前記飲料製造装置内へ前記焙煎コーヒー豆が移動する際に通過する口である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H3.前記豆容器は、前記第二の口を開閉する開閉部材(例えば408)を含む、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H4.前記豆容器は、
筒部(例えば401)と、
前記筒部の端部に設けられ、前記第二の口を形成する形成部材(例えば405)と、を含み、
前記開閉部材は、前記筒部の中心軸回りに回転可能に前記形成部材に取り付けられている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H5.前記装着部には、前記開閉部材を操作して前記第二の口を開放可能な駆動機構(例えば41a,444,445c)が設けられている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H6.前記駆動機構は、前記開閉部材を操作して前記第二の口を閉鎖可能である、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H7.前記装着部には、前記第二の口が開放されている場合に前記豆容器の取り外しを規制する規制手段(例えば408c)が設けられている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H8.前記搬送機構は、受入部(例えば442)に受け入れられた前記焙煎コーヒー豆を搬送し、
前記受入部は、前記装着部に装着された前記豆容器から前記焙煎コーヒー豆を受け入れ、
前記開閉部材により前記第二の口を一部閉鎖した状態で前記搬送機構を駆動し(例えば図44)、その後、前記開閉部材により前記第二の口を全部閉鎖する、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H9.前記搬送機構は、受入部(例えば442)に受け入れられた前記焙煎コーヒー豆を搬送し、
前記受入部は、前記装着部に装着された前記豆容器から前記焙煎コーヒー豆を受け入れ、
前記装着部には、前記受入部を開閉するシャッタ(例えば443)が設けられている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
H10.前記豆容器は、前記装着部に装着されていない場合に前記開閉部材が前記第二の口を開放することを規制する規制手段(例えば406a,408d,406a’,408d’)を備える、
ことを特徴とする飲料製造装置。
I1.焙煎コーヒー豆を挽く粉砕装置(例えば5)であって、
カッターを備えた本体部(例えば53b)と、
前記カッターを駆動するモータ(例えば52b)と、を備え、
前記モータを前記粉砕装置に残して前記本体部を前記粉砕装置から取り外し可能である(例えば図63)、
ことを特徴とする粉砕装置。
I2.前記本体部は、挽き豆の粒度を調整する調整機構(例えば503)を備える、
ことを特徴とする粉砕装置。
I3.前記調整機構は、駆動源として、前記モータとは別のモータ(例えば503a)を備える、
ことを特徴とする粉砕装置。
I4.前記粉砕装置の真下から横方向にずれた位置へ挽き豆を送出する、着脱可能な送出管(例えば501)を備える、
ことを特徴とする粉砕装置。
I5.コーヒー飲料を製造する飲料製造装置(例えば1)であって、
焙煎コーヒー豆を挽く粉砕装置(例えば5)と、
前記粉砕装置から送出される挽き豆からコーヒーを抽出する抽出装置(例えば3)と、
前記飲料製造装置の外装を形成するハウジング(例えば100)と、を備え、
前記粉砕装置は、
カッターを備えた本体部(例えば53b)と、
前記カッターを駆動するモータ(例えば52b)と、を備え、
前記モータを前記粉砕装置に残して前記本体部を前記粉砕装置から取り外し可能であり(例えば図63)、
前記ハウジングは、外部から前記本体部の少なくとも一部を視認可能にする透過部(例えば101)を含む、
ことを特徴とする飲料製造装置。
I6.前記本体部が前記粉砕装置に取り付けられた状態で、前記モータは前記透過部を介して外部から視認できない、
ことを特徴とする飲料製造装置。
I7.前記本体部は、挽き豆の粒度を調整する調整機構(例えば503)を備え、
前記調整機構は、駆動源として、前記モータとは別のモータ(例えば503a)を備え、
前記本体部が前記粉砕装置に取り付けられた状態で、前記別のモータは前記透過部を介して外部から視認できない、
ことを特徴とする飲料製造装置。
J1.焙煎コーヒー豆の挽き豆からコーヒー液を抽出する抽出装置(例えば3)であって、
前記挽き豆と液体とを収容する容器本体(例えば90)と、
前記容器本体の開口(例えば90a)を塞ぐ蓋(例えば91)と、
前記蓋が前記開口を塞いだ状態で、前記容器本体と前記蓋とをロックするロック機構(例えば821)と、を備える、
ことを特徴とする抽出装置。
J2.前記容器本体は、前記開口を画定する周縁部(例えば90c)を含み、
前記蓋は、前記周縁部と重ねられる鍔部(例えば911c)を含み、
前記ロック機構は、互いに重ねられた前記周縁部と前記鍔部とを挟み込むようにしてこれらに嵌合する嵌合部(例えば821)を含む、
ことを特徴とする抽出装置。
J3.前記嵌合部は、嵌合状態において前記周縁部と接触する第一の面(例えばLS)と前記鍔部と接触する第二の面(例えばUS)と、を含み、
前記周縁部は前記第一の面と接触する第三の面(例えば90c’)を含み、
前記鍔部は前記第二の面と接触する第四の面(例えば911c’)を含み、
嵌合状態において、前記第一の面乃至前記第四の面は互いに平行である、
ことを特徴とする抽出装置。
J4.前記蓋を保持する保持部(例えば801)と、
前記保持部を、前記蓋が前記開口を塞ぐ第一位置と、前記蓋が前記開口から離間した第二の位置と、に移動する駆動手段(例えば8A)を備える、
ことを特徴とする抽出装置。
J5.前記鍔部と前記周縁部とは、前記鍔部と前記周縁部とが重ねられる際に前記容器本体と前記蓋との位置が合うように互いを案内する案内部(例えば90g,911e)を含む、
ことを特徴とする抽出装置。
J6.前記蓋は、前記容器本体と前記蓋との間をシールするシール部材(例えば919a)を備える、
ことを特徴とする抽出装置。
J7.前記ロック機構が前記容器本体と前記蓋とをロックしている場合、前記駆動手段を駆動しても前記蓋を前記第二の位置に移動できない、
ことを特徴とする抽出装置。
J8.前記蓋は、
前記蓋を貫通する穴(例えば911a)と、
前記穴を開閉する栓部材(例えば913)と、を含み、
前記容器本体と前記蓋とが前記ロック機構によりロックされた状態で、前記容器本体内には前記穴を介して大気圧よりも高い気圧の空気が供給される、
ことを特徴とする抽出装置。
J9.前記栓部材は、前記容器本体内へ供給される空気の気圧により開放可能である、
ことを特徴とする抽出装置。
J10.前記蓋は、
前記蓋を貫通する穴(例えば911a)と、
前記穴を開閉する栓部材(例えば913)と、を含み、
前記容器本体と前記蓋とが前記ロック機構によりロックされた状態で、前記容器本体内には前記穴を介して水が供給される、
ことを特徴とする抽出装置。
J11.前記栓部材は、前記容器本体内へ供給される液体の液圧により開放可能である、
ことを特徴とする抽出装置。
K1.液体を貯留する第一の貯留部(例えば725)
と、
前記第一の貯留部から供給される前記液体を貯留する第二の貯留部(例えば726)
と、
前記第一の貯留部と前記第二の貯留部との連通と遮断とを切り替える連通切替手段(例えば728)と、
前記第二の貯留部に供給された前記液体の送出と貯留とを切り替える送出切替手段(例えば728)と、
前記第二の貯留部から送出する液量に対応して、前記第二の貯留部の容積を変化させる駆動手段(例えば727)と、を備える、
ことを特徴とする送液量調節装置(例えば720)。
K2.前記第一の貯留部と前記第二の貯留部とは共通の壁体(例えば722)で仕切られている、
ことを特徴とする液量調節装置。
K3.前記第一の貯留部に貯留された前記液体を加温するヒーター(例えば72a)を備える、
ことを特徴とする送液量調節装置。
K4.前記第一の貯留部の液位を測定する測定部(例えば72c)を備え、
前記測定部は、
前記液体に浮かぶフロート(例えば730)と、
前記フロートを検知する上側の第一のセンサ(例えば731b)と、
前記フロートを検知する下側の第二のセンサ(例えば731a)と、を備える、
ことを特徴とする送液量調節装置。
K5.前記測定部は、
前記液体を貯留する第三の貯留部(例えば729)を備え、
前記フロートは、前記第三の貯留部内に配置され、
前記第三の貯留部は、前記第二のセンサよりも下側の位置で前記第一の貯留部と連通している(例えば729a)、
ことを特徴とする送液量調節装置。
K6.前記第一の貯留部と前記第二の貯留部との間で空気を連通させる空気連通部(例えば722a)を備える、
ことを特徴とする送液量調節装置。
K7.前記第一のセンサよりも上側の位置において、前記第一の貯留部と前記第三の貯留部との間で空気を連通させる空気連通部(例えば729b)を備える、
ことを特徴とする送液量調節装置。
K8.前記第二の貯留部の前記液体が送出されると、前記第一の貯留部に前記液体が供給される、
ことを特徴とする送液量調節装置。
K9.前記第一の貯留部における水頭圧によって、前記第一の貯留部から前記第二の貯留部へ前記液体が供給される、
ことを特徴とする送液量調節装置。
K10.前記駆動手段は、
前記第二の貯留部の容積を規定する壁体を構成する可動部材(例えば727c)と、
モータ(例えば727a)と、
前記モータの駆動力により前記可動部材を移動する移動機構(例えば727b,727f)と、を備える、
ことを特徴とする送液量調節装置。
L1.飲料を製造して、飲料容器(例えばC)に注ぐ飲料製造装置(例えば1)であって、
製造した飲料を前記飲料容器に注ぐ前に、前記飲料が通過する減圧部(例えば600)を備え、
前記減圧部には該減圧部内を大気に連通させる連通穴(例えば606)が形成されている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
L2.前記減圧部は、上壁部(例えば600b)を有し、
前記連通穴は、前記上壁部に形成されている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
L3.前記減圧部は、前記飲料を送出する送出口(例えば605)を含み、
前記送出口は、前記連通穴よりも低い位置に形成されている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
L4.前記減圧部は、前記飲料を該減圧部内に導入する導入口(例えば604b)を含み、
前記導入口は、前記連通穴よりも低い位置であって、前記送出口よりも高い位置に形成されている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
L5.前記連通穴は、前記送出口よりも前記導入口に近い部位に形成されている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
L6.前記飲料を廃棄する場合に、前記飲料の送り先を前記減圧部と異なる流路へ切り替える弁(例えば10a)を備える、
ことを特徴とする飲料製造装置。
L7.前記導入口と前記送出口とは、水平方向にずれた位置に形成されている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
L8.前記減圧部は、
前記飲料を前記減圧部内に導入する導入口(例えば604b)と、
前記飲料を送出する送出口(例えば605)と、を含み、
前記減圧部の内部空間(例えば600a)は、水平方向の一方端部(例えば600c)と他方端部(例えば600d)とを含み、
前記導入口は、水平方向で前記一方端部側に形成され、
前記送出口は、水平方向で前記一方端部及び前記他方端部から離間した位置に形成されている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
L9.前記減圧部は、
前記飲料を前記減圧部内に導入する導入口(例えば604b)と、
前記飲料を送出する送出口(例えば605)と、を含み、
前記減圧部の内部空間(例えば600a)は、水平方向の一方端部(例えば600c)と他端端部(例えば600d)とを含み、
前記導入口は、前記減圧部の内部空間における水平方向の中心よりも前記一方端部側に形成され、
前記送出口は、前記他端端部よりも前記減圧部の内部空間における水平方向の中心に近い位置に形成されている、
ことを特徴とする飲料製造装置。
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。