JP2022019567A - コイル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なインダクタンス特性を有するコイル装置を提供すること。【解決手段】インダクタ1は、コイル2と、コイル2の端部に接続される端子4a,4bと、コイル2が配置される柱状部53と、柱状部53が上面に形成されたベース部50とを有する第1コア5と、コイル2とともにベース部50の上面を覆う第2コア6と、を有する。端子4a,4bは、ベース部50の上面に配置されている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えばインダクタ等として用いられるコイル装置に関する。
インダクタ等として用いられるコイル装置として、例えば特許文献1に記載のコイル装置が知られている。特許文献1に記載のコイル装置は、コイルと、コイルの端部が接続される端子と、柱状部にコイルが巻回された第1コアと、コイルとともに端子の一部を覆う第2コアとを有する。特許文献1に記載のコイル装置では、継線部と実装部とを接続する端子の接続部が第2コアの内部に配置されているため、該接続部を介して端子を第2コアに強固に固定することが可能となっている。
しかしながら、特許文献1に記載のコイル装置では、接続部が第2コアの内部に配置されているため、接続部の設置スペースの分だけ第2コアの体積が減少し、良好なインダクタンス特性を確保することができないおそれがある。
米国公開特許公報2011/0005064
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、良好なインダクタンス特性を有するコイル装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るコイル装置は、
コイルと、
前記コイルの端部に接続される端子と、
前記コイルが配置される柱状部と、前記柱状部が上面に形成されたベース部とを有する第1コアと、
前記コイルとともに前記ベース部の上面を覆う第2コアと、を有し、
前記端子は、前記ベース部の上面に配置されている。
本発明に係るコイル装置では、端子がベース部の上面に配置されており、該ベース部の上面を第2コアが覆っている。そのため、ベース部に配置された端子の一部が第1コア(ベース部)と第2コアとで覆われ、該部分を介して端子が上記各コアに固定されることになる。それ故、本発明に係るコイル装置では、従来技術とは異なり、継線部と実装部との接続部を介して端子を第2コアに固定する必要がなく、該接続部を第2コアの外側に配置させることが可能である。したがって、第2コアの体積を十分に確保することが可能となり、良好なインダクタンス特性を有するコイル装置を実現することができる。特に、本発明による効果はコイル装置を小型化あるいは大電流化したときに顕著に現れるため、小型化および大電流化に適したコイル装置を実現することができる。
好ましくは、前記第1コアの上には前記端子の継線部が配置されており、前記継線部の上には前記第2コアが配置されている。このような構成とすることにより、第1コアおよび第2コアの間に継線部を配置することが可能となるため、外力等の外部因子から継線部を有効に保護し、オープン不良の発生を防止することができる。また、第1コアの上に継線部を配置しておくことにより、継線部の上に第2コアを配置したときに、継線部の位置ずれを防止することができる。
好ましくは、前記第1コアと前記第2コアとは略同一平面上で接合されている。このような構成とすることにより、第1コアおよび第2コアの接合面に沿って、第2コアの内部に配置された端子の一部を上記各コアの外部まで引き出すことが可能となり、端子の形状を簡素化することができる。
好ましくは、前記端子の継線部と前記コイルとは、前記ベース部の略同一平面上に配置されている。このような構成とすることにより、製造時において、コイルとともに端子をベース部の上面に載置しやすくなり、製造の容易化を図ることができる。
好ましくは、前記端子は、前記ベース部に対して、前記コイルの配置面よりも下方に配置されている。このような構成とすることにより、コイルの配置面と端子の配置面とをずらすことが可能となり、ベース部の上面に、端子の一部とコイルの底面の一部とが重複して配置されることがあっても、安定してコイルをベース部の上方に配置することができる。
好ましくは、前記端子は、前記第2コアの側面に沿って、前記第1コアとは反対側に向かって延びている。第2コアはコイル等を覆うため、その構成上、第1コアよりも側面の面積が大きくなる場合がある。この場合、上記のような構成とすることにより、第2コアの側面に広範囲にわたって端子の一部が配置されることになり、当該部分にハンダフィレットを十分に形成することが可能となる。したがって、基板に対するコイル装置の実装強度を高めることができる。
好ましくは、前記端子には切り欠きが形成されており、前記切り欠きは、少なくとも前記端子が前記第1コアおよび前記第2コアの外側に露出する位置に形成されている。このような構成とすることにより、端子が第1コアおよび第2コアの外側に露出する位置で、第1コアまたは第2コアの側面に沿うように端子を折り曲げやすくなるとともに、この折り曲げ位置から先の部分を端子のハンダフィレット形成部として用いることができる。
好ましくは、前記コイルの各端部にそれぞれ接続される一対の第1端子および第2端子を有し、前記第1端子の第1継線部と前記第2端子の第2継線部とは、互いに同一方向を向いて配置されている。このような構成とすることにより、第1継線部および第2継線部に例えばレーザ溶接を施す場合に、各継線部にレーザを照射しやすくなり、製造の容易化を図ることができる。
好ましくは、前記柱状部は、前記ベース部の中心部に対して、外側に位置ずれして形成されている。このような構成とすることにより、ベース部の中心部にスペースが形成され、該スペースに端子を載置することが可能となる。したがって、端子を載置するスペースを確保するためにベース部を外側に拡張する必要がなく、コイル装置の小型化を図ることができる。
好ましくは、前記第1コアは実装面とは反対側の外面を有する。この場合、実装面が第2コアに形成される。前述のとおり、第2コアはコイル等を覆うため、その構成上、第1コアよりも側面の面積が大きくなる場合があるが、第2コアに実装面を具備させることにより、第2コアに十分な面積のハンダフィレット形成部を形成することが可能となり、基板に対するコイル装置の実装強度を高めることができる。
図1は本発明の第1実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図2は図1に示す第1コアの斜視図である。 図3は図1に示すコイルの斜視図である。 図4は図1に示す端子の斜視図である。 図5は図1に示すコイル装置を別の角度から見た斜視図である。 図6Aは図1に示すコイル装置の製造方法を示す図である。 図6Bは図6Aの続きの工程を示す図である。 図6Cは図6Bの続きの工程を示す図である。 図6Dは図6Cの続きの工程を示す図である。 図6Eは図6Dの続きの工程を示す図である。 図7は本発明の第2実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図8は図7に示す第1コアの斜視図である。 図9は図7に示すコイルの斜視図である。 図10は図7に示す端子の斜視図である。 図11は図7に示すコイル装置を別の角度から見た斜視図である。 図12は本発明の第3実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図13は図12に示すコイル装置の素体の形成時に用いられる第1コアの構成を示す斜視図である。 図14は図12に示すコイル装置の素体の形成時に用いられる第2コアの構成を示す斜視図である。 図15は図12に示す一対の端子の構成を示す斜視図である。 図16Aは図15に示す一対の端子の各々のベース部にコイルを載置したときの状態を示す側面図である。 図16Bは図16Aに示す一対の端子およびコイルを別の角度から見たときの状態を示す斜視図である。 図17は図12に示すコイル装置の構成を示す平面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るインダクタ1は、略直方体形状からなり、コイル2と、端子4a,4bと、第1コア5と、第2コア6とを有する。インダクタ1は、第1コア5と第2コア6とをZ軸方向に組み合わせた形状を有する。第1コア5側にはインダクタ1の上面が形成され、第2コア6側にはインダクタ1の底面(実装面)が形成されている。なお、第2コア6については、インダクタ1の内部の構成について理解を容易にするために仮想線で示している。また、図2~図6Dにおいては、上記各構成について、理解を容易にするために、上下反転させた状態で図示している。
インダクタ1の寸法は特に限定されないが、そのX軸方向幅は好ましくは2~20mmであり、Y軸方向幅は好ましくは2~20mmであり、Z軸方向幅は好ましくは1~10mmである。
図2に示すように、第1コア5は、ベース部50と、ベース部50の表面(上面)に形成された柱状部53とを有する。なお、図1に示すように、インダクタ1を実装面が下方を向くように配置したとき、ベース部50の上面はインダクタ1の下方を向くことになる。
第1コア5は、フェライト粒子または金属磁性体粒子が分散された合成樹脂で構成されている。ただし、第1コア5を構成する材料はこれに限定されるものではなく、これらの粒子を含まない合成樹脂で構成してもよい。フェライト粒子としては、Ni-Zn系フェライト、Mn-Zn系フェライトなどが例示される。金属磁性体粒子としては、特に限定されないが、たとえばFe-Ni合金粉、Fe-Si合金粉、Fe-Si-Cr合金粉、Fe-Co合金粉、Fe-Si-Al合金粉、アモルファス鉄などが例示される。
第1コア5に含まれる合成樹脂としては、特に限定されないが、好ましくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂などが例示される。
ベース部50は略直方体形状(略扁平形状)からなり、その表面(上面)には第1凹部51a~第4凹部51dと、第1凸部52a~第4凸部52dと、突出部54とが形成されている。凹部51a~51dは、それぞれベース部50の四隅に形成されており、Z軸方向から見て略長方形状を有する。
凹部51a~凹部51dは所定の深さを有し、その深さは図1に示す端子4a,4bの厚み(板厚)と略等しくなっている。すなわち、凹部51a~51dの深さは比較的浅く、ベース部50の上面は実質的に平坦面となっている。そのため、図1に示すように、第1コア5と第2コア6とを組み合わせたとき、第1コア5と第2コア6とは、略同一平面上で接合されることになる。
図2に示すように、凸部52a~52dは、平坦面からなる表面形状を有し、ベース部50の略中心部(ベース部50の中心から僅かに位置ずれした位置)から外側に向かって放射状に延在している。第1凸部52aは第1凹部51aと第4凹部51dとの間に形成され、第2凸部52bは第1凹部51aと第2凹部51bとの間に形成され、第3凸部52cは第2凹部51bと第3凹部51cとの間に形成され、第4凸部52dは第3凹部51cと第4凹部51dとの間に形成されている。
第3凸部52cのY軸方向の端部には、突出部54が形成されている。突出部54は、第3凸部52cの上面からZ軸方向に所定の高さだけ突出している。突出部54のX軸方向幅は、第3凸部52cのX軸方向幅と略等しくなっている。突出部54はZ軸方向から見て略長方形状を有し、その上面にはテーパ面が形成されている。
後述するように、第1凹部51aおよび第2凹部51bには、端子4aが第2凸部52bを跨ぐように配置される(図5参照)。第3凹部51cおよび第4凹部51dには、端子4bが第4凸部52dを跨ぐように配置される(図5参照)。凸部52a~52dは凹部51a~51dに対して端子4a,4bの厚み分だけZ軸方向に突出しているため、上述したように端子4a,4bを凹部51a~51dに配置したとき、凸部52a~52dの上面と端子4a,4b(第1載置部41および第2載置部42)の上面とが略面一となる。
柱状部53は、ベース部50の略中心部に一体的に形成されており、Z軸方向に延在している。柱状部53は、ベース部50の中心部に対して、僅かに外側(Y軸方向の負方向側)に位置ずれして形成されている。柱状部53には、図1に示すコイル(空芯コイル)2が配置(挿入あるいは巻回)される。そのため、柱状部53の直径は、コイル2の内径よりも小さくなっている。柱状部53は円柱形状からなり、その高さはコイル2の高さよりも高くなっている(図5参照)。第1コア5に柱状部53を具備させることにより、コイル2の内側の領域における第1コア5の実効透磁率を十分に確保することが可能となり、インダクタ1のインダクタンス特性を良好なものとすることができる。
図3に示すように、コイル2は、空芯コイルで構成されており、平角線からなるワイヤ3をエッジワイズ巻きしてなる。コイル2は、α巻きされているが、その巻回方法はこれに限定されるものではない。ワイヤ3の短辺側の面(エッジ側の面)はコイル2の内周面または外周面を構成しており、ワイヤ3の長辺側の面(幅方向の面)はZ軸方向を向いている。
ワイヤ3を構成する材料としては、例えば銅および銅合金、銀、ニッケルなどの金属の良導体が挙げられるが、導体材料であれば特に限定されない。ワイヤ3の表面には絶縁被覆が施されている。絶縁被覆を構成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばエポキシ変性アクリル樹脂等が用いられる。
ワイヤ3の一端(ワイヤ端3a)はコイル2の一方の端部を構成し、ワイヤ3の他端(ワイヤ端3b)はコイル2の他方の端部を構成している。ワイヤ端3aは、コイル2(コイル2の巻回部分)の下端から、Y軸方向に沿って、外側に直線的に引き出されている。ワイヤ端3bは、コイル2(コイル2の巻回部分)の上端から、Y軸方向に沿って外側に引き出されるとともに、Z軸方向に沿って下方に引き出されている。すなわち、ワイヤ端3bは、Y軸方向からZ軸方向へ、およびZ軸方向からY軸方向へ屈曲しつつ、引き出される。ワイヤ端3a,3bのいずれについても、捻られることなく、互いに同一方向(Y軸方向)に引き出されている。
図4に示すように、端子4a,4bは、YZ平面に対して鏡面対称に形成されており、図5に示すように、ベース部50の上面に、X軸方向に所定の間隔をあけて配置(載置)される。端子4aはベース部50のX軸方向の一方側に配置され、端子4bはベース部50のX軸方向の他方側に配置される。端子4a,4bは、例えば金属の板材を機械加工して形成されるが、端子4a,4bの形成方法はこれに限定されるものではない。
図4に示すように、端子4a,4bは、第1載置部41と、第2載置部42と、第1位置決め部43と、第4位置決め部44と、継線部45と、実装部46と、接続部47と、切り欠き部48とを有する。
実装部46は、図1に示す第2コア6の底面に固定される。実装部46は、Y軸方向に所定幅を有し、第2コア6の底面のY軸方向の一端部から他端部に至る領域に固定される。また、実装部46は、X軸方向に所定幅を有し、第2コア6の底面のX軸方向の端部に固定される。実装部46は、半田や導電性接着剤等によって、回路基板(図示略)に接続される。
接続部47は、実装部46に一体的に接続されており、実装部46に対して略垂直方向に延在している。接続部47は、実装部46と載置部41,42とを接続する部分であり、図1に示す第2コア6の外側面に固定される。接続部47は、第2コア6の外側面に沿って、第1コア5とは反対側(Z軸負方向側)に向かって延在する。端子4aの接続部47と端子4bの接続部47とは、X軸方向に対向して配置される。実装部46を半田で回路基板(図示略)に接続したとき、接続部47の一部にはハンダフィレットが形成される。すなわち、接続部47は、ハンダフィレット形成部としても機能する。
第1載置部41および第2載置部42は、接続部47のZ軸方向の端部に一体的に接続されており、接続部47に対して略垂直方向(実装部46の延在方向と同一方向:X軸方向)に延在している。載置部41,42は、第1コア5(ベース部50)の上面に略平行な面を有し、実装部46とZ軸方向に対向している。載置部41,42は、ベース部50の上面に載置され(図5参照)、第1コア5と第2コア6とによって挟まれる(図1参照)。
より詳細には、図2および図4に示すように、端子4aの第1載置部41は第3凹部51cに配置され、端子4aの第2載置部42は第4凹部51dに配置され、端子4bの第1載置部41は第2凹部51bに配置され、端子4bの第2載置部42は第1凹部51aに配置される。
図4に示すように、第1載置部41は端子4a,4bのY軸方向の一方側の端部に形成され、第2載置部42は端子4a,4bのY軸方向の他方側の端部に形成されている。第1載置部41と第2載置部42とはY軸方向に所定の間隔で配置されており、載置部41,42の各々の間にはこれらを隔てる切り欠き部48が形成されている。図1に示すように、切り欠き部48は、少なくとも端子4a,4bが第1コア5および第2コア6の外側に露出する位置に形成されており、図4に示す例では、載置部41,42の先端部から接続部47の下端部にまで及んでいる。端子4a,4bに切り欠き部48を具備させることにより、載置部41,42と接続部47との交差部において、端子4a,4bの折り曲げが容易になる。
図5に示すように、端子4a,4bをベース部50の上面に配置したとき、端子4aの切り欠き部48が形成された領域には第4凸部52dが配置され、端子4bの切り欠き部48が形成された領域には第2凸部52bが配置される。
図4に示すように、継線部45は、第1載置部41のY軸方向の一方側の端部に一体的に形成されている。継線部45には、図3に示すコイル2の端部が接続される。端子4aの継線部45と端子4bの継線部45とは、互いに同一方向(Y軸方向)を向いて配置されている。
継線部45は、固定片45aと折曲片45bとを有する。固定片45aは、折曲片45bに対してZ軸方向に対向しており、第1載置部41のY軸方向の一方側の端部に一体的に形成されている。固定片45aは、第1載置部41をY軸方向の一端側に延長した形状を有し、第1載置部41と同様にベース部50の上面に載置される(図5参照)。
折曲片45bは、固定片45aのX軸方向の他方側の端部に一体的に形成されており、当該端部を折曲点(支点)として折曲可能に形成されている。折曲片45は、その折曲前はZ軸方向に立設するように形成されており、その折曲後は図示されているようにX軸方向の一方側に延在するように形成されている。端子4aの折曲片45bと端子4bの折曲片45bとは、互いに近づく方向に延びている。折曲片45bは、固定片45aとともに、ベース部50の上面に対向するように配置されている。
図5に示すように、端子4aの継線部45は、その固定片45aと折曲片45bとでワイヤ3のワイヤ端3aを挟み込み、これを保持する。また、端子4bの継線部45は、その固定片45aと折曲片45bとでワイヤ3のワイヤ端3bを挟み込み、これを保持する。
継線部45は、載置部41,42と同様に、ベース部50の表面に載置され、図1に示す第1コア5と第2コア6とによって挟まれる。継線部45によってワイヤ3のワイヤ端3a,3bの長辺側の面を保持したときの保持面は、ベース部50の上面に対して略平行に配置される。また、固定片45aにおけるワイヤ端3a,3bの保持面(当接面)と、折曲片45bにおけるワイヤ端3a,3bの保持面(当接面)と、ワイヤ端3a,3bの長辺側の面とは、略平行に配置される。
図4に示すように、第1載置部41のX軸方向の一方側の端部には、第1位置決め部43が形成されている。第1位置決め部43は、当該端部における第1載置部41のエッジを折曲点(支点)として折り曲げられており、Z軸方向に延在している。第1位置決め部43は、折曲片45bの折曲点が配置される側とは反対側に形成されている。端子4aの第1位置決め部43と端子4bの第1位置決め部43とは、X軸方向に対向している。
第2載置部42のY軸方向の他方側の端部には、第2位置決め部44が形成されている。第2位置決め部44は、当該端部における第2載置部42のエッジを折曲点(支点)として折り曲げられており、Z軸方向に延在している。端子4aの第2位置決め部44と端子4bの第2位置決め部44とは、図1に示す第2コア6の側面(Y軸に対して垂直に交わり、端子4a,4bが固定されていない側面)を向いている。
位置決め部43,44は、それぞれ突起形状からなる。位置決め部43,44のZ軸方向の長さは、特に限定されるものではないが、折曲片45bの長手方向に沿う長さの1/4~3/4程度である。端子4aの第1位置決め部43と端子4bの第1位置決め部43との間の距離は、端子4aの第2位置決め部44と端子4bの第2位置決め部44との間の距離よりも小さくなっている。
図5に示すように、ベース部50の上面にコイル2と端子4a,4bとを配置したとき、端子4aの位置決め部43,44と端子4bの位置決め部43,44とは、コイル2の外周近傍に配置される。これにより、端子4a,4bに対してコイル2の位置(X軸方向、Y軸方向および回転方向への移動)が規制され、端子4a,4bに対してコイル2の位置決めを行うことが可能となっている。
なお、継線部45の折曲片45bは、その折曲前においては、Z軸方向に立ち上げられており、この状態において、コイル2(より詳細には、コイル2の端部を構成するワイヤ3のワイヤ端3a,3b)の位置決めを行うことが可能となっている。
ベース部50の上面に端子4a,4bが配置された状態において、コイル2は、端子4aの第1載置部41および第2載置部42と、端子4bの第1載置部41および第2載置部42と、ベース部50の第1凸部52a~第4凸部52dとに跨るように配置(載置)される。
本実施形態では、継線部45の周囲において、第1コア5(ベース部50)の上に端子4a,4bの継線部45(より正確には固定片45a)が配置され、継線部45(より正確には折曲片45b)の上に図1に示す第2コア6が配置される。
前述の通り、継線部45(固定片45a)の配置位置とコイル2の配置位置との間には段差があるが、この段差の高さは端子4a,4bの板厚と同程度であり比較的小さいため、継線部45(固定片45a)とコイル2とは、実質的にベース部50の略同一平面上に配置されることになる。
図1および図5に示すように、第2コア6は、コイル2とともにベース部50の上面を覆うように形成される。第2コア6は、例えば、端子4a,4bが各端部に接続されたコイル2に第1コア5を組み合わせた仮組体を金型の内部にインサートし、射出成形を行うことにより形成される。ただし、第2コア6として、予め成形しておいたコア(仮成形コア)を用いてもよい。第2コア6は、第1コア5と同種の材料で構成してもよく、あるいは異種の材料で構成してもよい。なお、第2コア6を樹脂のみで構成してもよい。
第1コア5に第2コア6を組み合わせたとき、コイル2と、端子4a,4bの一部(載置部41,42、位置決め部43,44、継線部45)とは、第2コア6によって覆われる。
次に、図6A~図6E等を参照しつつ、インダクタ1の製造方法について説明する。本実施形態の方法では、まず、金属板(たとえば、Snめっき金属板)等の導電板を図6Aに示すような形状に打抜き加工する。同図に示すように、打抜き加工後の導電板には、接続部47を介してフレーム7に接続された端子4a,4bが形成されている。
次に、図3に示すコイル2の各端部(ワイヤ3のワイヤ端3a,3b)に端子4a,4bを接続する。このとき、端子4a,4bの各々の位置決め突起43,44によって、端子4a,4bに対するコイル2の位置を規制しつつ、コイル2の底面の一部を端子4a,4bの各々の載置部41,42上に載置する。そして、ワイヤ端3a,3bを固定部45aと折曲片45bとで挟み込み(保持し)、ワイヤ端3a,3bを継線部45に接続する。
次に、図6Bに示すように、端子4a,4bが各端部に固定されたコイル2に、図2に示す第1コア5を組み合わせ、仮組体を構成する。より詳細には、第1コア5の柱状部53をコイル2の内側に挿入するとともに、ベース部50の上面に端子4a,4bの各々の載置部41,42を載置する。このとき、コイル2の底面の一部が、ベース部50の凸部52a~52d上に載置される。第1コア5としては、予め成形しておいたコア(仮成形コア)が用いられる。第1コア5を構成する材料としては、流動性のある材料が用いられ、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂をバインダとした複合磁性材料が用いられる。
仮組体を構成する前または後において(すなわち、図6Aまたは図6Bに示す状態において)、継線部45に対してレーザ溶接を施す。レーザ溶接は、例えば継線部45の上方から折曲片45bに向けてレーザを照射することにより行われる。レーザを照射した部分には、レーザ玉(図示略)が形成される。
次に、図6Bに示す仮組体を金型の内部にインサートし、金型内で第2コア6を射出成形により形成する。このとき、端子4a,4bの接続部47については金型から露出させておく。射出成形時においては、磁性粉末とバインダ樹脂とを含む混合物を加熱等により流動化して金型内に射出し、冷却等により固化することにより、図6Cに示す第2コア6が得られる。
図示の例では、第2コア6の表面には、その側面および底面に跨るように、段差部60が形成されている。第2コア6の底面に形成された段差部60の一部には、端子部4a,4bの実装部46(図4)を配置させることが可能となっており、第2コア6の側面に形成された段差部60の一部には、端子部4a,4bの接続部47を配置させることが可能となっている。
次に、図6Dに示すように、図6Cに示すフレーム7を切断器具で切断して除去し、図6Eに示すように、除去して残った部分(接続部47)を段差部60に固定する。より詳細には、図6Eに示すように、端子4a,4bの接続部47を図6Dに示す状態から略垂直に折り曲げ、接続部47を第2コア6の側面に形成された段差部60の一部に固定する。また、その状態で、接続部47の先端部を略垂直に折り曲げ、第2コア6の底面に形成された段差部60の一部に固定する。以上のようにして、本実施形態におけるインダクタ1を得ることができる。
本実施形態に係るインダクタ1では、端子4a,4bがベース部50の上面に配置されており、ベース部50の上面を第2コア6が覆っている。そのため、ベース部50に配置された端子4a,4bの一部(載置部41,42および継線部45等)が第1コア5(ベース部50)と第2コア6とで覆われ、該部分を介して端子4a,4bが上記各コア5,6に固定されることになる。それ故、本実施形態に係るインダクタ1では、従来技術とは異なり、継線部45と実装部46との接続部47を介して端子4a,4bを第2コア6に固定する必要がなく、接続部47を第2コア6の外側に配置させることが可能である。したがって、第2コア6の体積を十分に確保することが可能となり、良好なインダクタンス特性を有するインダクタ1を実現することができる。特に、本実施形態による効果はインダクタ1を小型化あるいは大電流化したときに顕著に現れるため、小型化および大電流化に適したインダクタ1を実現することができる。
また、本実施形態では、第1コア5の上には端子4a,4bの継線部45が配置されており、継線部45の上に第2コア6が配置されている。そのため、第1コア5および第2コア6の間に継線部45を配置することが可能となり、外力等の外部因子から継線部45を有効に保護し、オープン不良の発生を防止することができる。また、第1コア5の上に継線部45を配置しておくことにより、継線部45の上に第2コア6を配置したときに、継線部45の位置ずれを防止することができる。
また、本実施形態では、第1コア5と第2コア6とは略同一平面上で接合されている。そのため、第1コア5および第2コア6の接合面に沿って、第2コア6の内部に配置された端子4a,4bの一部(載置部41,42)を、接続部47として上記各コア5,6の外部まで引き出すことが可能となり、端子4a,4bの形状を簡素化することができる。
また、本実施形態では、端子4a,4bの継線部45とコイル2とは、ベース部50の略同一平面上に配置されている。そのため、製造時において、コイル2とともに端子4a,4bをベース部50の上面に載置しやすくなり、製造の容易化を図ることができる。
また、本実施形態では、端子4a,4bは、ベース部50に対して、コイル2の配置面よりも下方に配置されている。そのため、コイル2の配置面(載置部41,42の上面)と端子4a,4b(載置部41,42)の配置面(凹部51a~51d)とをずらすことが可能となり、ベース部50(凹部51a~51d)の上面に、端子4a,4bの一部(載置部41,42)とコイル2の底面の一部とが重複して配置されることがあっても、安定してコイル2をベース部50の上方に配置することができる。
また、本実施形態では、端子4a,4bは、第2コア6の側面に沿って、第1コア5とは反対側に向かって延びている。第2コア6はコイル2等を覆うため、その構成上、第1コア5よりも側面の面積が大きくなる。そのため、上記のような構成とすることにより、第2コア6の側面に広範囲にわたって端子4a,4bの接続部47が配置されることになり、接続部47にハンダフィレットを十分に形成することが可能となる。したがって、基板に対するインダクタ1の実装強度を高めることができる。
また、本実施形態では、端子4a,4bには切り欠き部48が形成されており、切り欠き部48は、少なくとも端子4a,4bが第1コア5および第2コア6の外側に露出する位置に形成されている。そのため、端子4a,4bが第1コア5および第2コア6の外側に露出する位置で、第2コア6の側面に沿うように端子4a,4b(載置部41,42と接続部47との交差部)を折り曲げやすくなるとともに、この折り曲げ位置から先の部分(接続部47)を端子4a,4bのハンダフィレット形成部として用いることができる。
また、本実施形態では、コイル2の各端部にそれぞれ接続される一対の端子4a,4bを有し、端子4aの継線部45と端子4bの継線部45とは、互いに同一方向(Y軸正方向)を向いて配置されている。そのため、各継線部45,45に例えばレーザ溶接を施す場合に、各継線部45,45にレーザを照射しやすくなり、製造の容易化を図ることができる。
また、本実施形態では、柱状部53が、ベース部50の中心部に対して、外側に位置ずれして形成されている。そのため、ベース部50の中心部にスペースが形成され、該スペースに端子4a,4bの継線部45等を余裕をもって載置することが可能となる。したがって、継線部45等を載置するスペースを確保するためにベース部50を外側に拡張する必要がなく、インダクタ1の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、第1コア5は実装面とは反対側の外面を有する。すなわち、本実施形態では、実装面が第2コア6に形成される。前述のとおり、第2コア6はコイル2等を覆うため、その構成上、第1コア5よりも側面の面積が大きくなる。それ故、第2コア6に実装面を具備させることにより、第2コア6に十分な面積のハンダフィレット形成部(接続部47)を形成することが可能となり、基板に対するインダクタ1の実装強度を高めることができる。
第2実施形態
本発明の第2実施形態に係るインダクタ101は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成については、前述した第1実施形態と同様である。以下において、第1実施形態と共通する部分については、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7に示すように、インダクタ101は、コイル102と、端子104a,104bと、第1コア105とを有する。図8に示すように、第1コア105は、第1実施形態におけるベース部50に代えてベース部150を有する。ベース部150は、その上面に凹部51a~51dと凸部52a~52dと突出部54とが形成されていないという点において、第1実施形態におけるベース部50(図2)とは異なる。すなわち、本実施形態におけるベース部150の上面は平坦面からなり、凹凸が形成されてはいない。なお、ベース部150のX軸方向の各端部には凹部155が形成されているが、凹部155については省略してもよい。
図9に示すように、コイル102は、平角線からなるワイヤ3をフラットワイズ巻きしてなるという点において、第1実施形態におけるコイル2(図3)とは異なる。ワイヤ3の長辺側の面(幅方向の面)はコイル2の内周面または外周面を構成しており、ワイヤ3の短辺側の面(エッジ側の面)はZ軸方向を向いている。コイル102は、α巻きされており、図11に示すようにベース部150の上面に配置(載置)される。
図9に示すように、ワイヤ3のワイヤ端3aは、略L字状に屈曲しており、コイル102(コイル102の巻回部分)の上端から、Y軸方向に沿って、外側に直線的に引き出されている。ワイヤ3のワイヤ端3bは、略L字状に屈曲しており、コイル102(コイル102の巻回部分)の下端から、Y軸方向に沿って、外側に直線的に引き出されている。ワイヤ端3a,3bのいずれについても、捻られることなく、互いに同一方向(Y軸方向)に引き出されている。
図10に示すように、端子104a,104bは、継線部145と固定用孔149とを具備する一方で、位置決め部43,44を具備しないという点において、第1実施形態における端子4a,4b(図4)とは異なる。固定用孔149は、第1載置部41および第2載置部42の各々に形成されている。第2コア6の形成時に、金型の内部において、第2コア6を形成する材料(磁性粉末とバインダ樹脂とを含む混合物)が固定用孔109の内部に入り込むことにより、端子104a,104bを第2コア6に強固に固定することが可能となっている。
端子104aの継線部145と端子104bの継線部145とは、互いに同一方向(Y軸方向)を向いて配置されている。継線部145は、固定片145aと折曲片145bとを有する。
固定片145aは、折曲片145bとY軸方向に対向しており、第1載置部41のY軸方向の一方側の端部に一体的に形成されている。固定片145aは、第1載置部41のY軸方向の一方側の端部を折曲点(支点)として、上方に折り曲げられている。
端子104aの固定片145aのZ軸方向の長さは、端子104bの固定片145aのZ軸方向の長さよりも長く、また端子104aの折曲片145bのZ軸方向の長さよりも長くなっている。端子104bの固定片145aのZ軸方向の長さは、端子104bの折曲片145bのZ軸方向の長さと略等しくなっている。
折曲片145bは、固定片145aのZ軸方向の一方側の端部に一体的に形成されており、当該端部を折曲点(支点)として、下方に折り曲げられている。固定片145aおよび折曲片145bともに、Z軸方向に延在するように形成されており、ベース部150の上面に対して垂直となる向きに配置されている。
図11に示すように、端子104aの継線部145は、その固定片145aと折曲片145bとでワイヤ3のワイヤ端3aを挟み込み、これを保持する。ワイヤ3のワイヤ端3aは、コイル102の上端から引き出されるため、端子104aの継線部145はベース部150の上面よりも上方でワイヤ端3aを保持する。
端子104bの継線部145は、その固定片145aと折曲片145bとでワイヤ3のワイヤ端3bを挟み込み、これを保持する。ワイヤ3のワイヤ端3bは、コイル102の下端から引き出されるため、端子104bの継線部145はベース部150の上面に載置された状態でワイヤ端3bを保持する。
継線部145でワイヤ3のワイヤ端3a,3bの長辺側の面を保持したときの保持面は、図7に示す第2コア6の側面(Y軸に対して垂直に交わり、端子104a,104bが固定されていない側面)に対して略平行に配置されるとともに、ベース部50の上面に対して略垂直に配置される。ただし、継線部145の保持面は、第2コア6の上記側面に対して、多少傾斜して配置されていてもよい。
継線部145の保持面は、コイル102の巻回軸に対して略平行となるように配置される。固定片145aと折曲片145bとでワイヤ3のワイヤ端3a,3bを挟持したときの挟持方向は、コイル102の巻回軸に対して略垂直となる。
固定片145aにおけるワイヤ端3a,3bの保持面(当接面)と、折曲片145bにおけるワイヤ端3a,3bの保持面(当接面)と、ワイヤ端3a,3bの長辺側の面とは、平行に配置され、いずれも第2コア6の側面(Y軸に垂直に交わる側面)に対向している。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、継線部145でワイヤ3のワイヤ端3a,3bの長辺側の面を保持したときの保持面がコイル102の巻回軸に対して平行に延在しており、コイル102の巻回部分からワイヤ端3a,3bを引き出したとき、ワイヤ端3a,3bを捻らなくても、その長辺側の面と継線部145の保持面との向きが揃う。したがって、コイル102の端部を捻ることなくこれを上記保持面で保持することが可能となり、インダクタ1のインダクタンス特性のばらつきを防止し信頼性の高いインダクタ1を実現することができる。
また、本実施形態では、継線部145の保持面が第2コア6の側面(Y軸に垂直に交わる側面)に対向する。そのため、継線部145に例えばレーザ溶接を施す場合に、継線部145にレーザを照射しやすくなり、製造の容易化を図ることができる。
第3実施形態
本発明の第3実施形態に係るインダクタ201は、以下の点が相違するのみであり、その他の構成については、前述した第2実施形態と同様である。以下において、第2実施形態と共通する部分については、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12に示すように、インダクタ201は、コイル202と、一対の端子9a,9bと、コア(素体)8とを有する。コア8は、磁性粉末とバインダ樹脂とを含む混合物からなり、図13に示す第1コア205と図14に示す第2コア206とを組み合わせることにより形成される。すなわち、コア8は、予め成形された第1コア205と第2コア206とを金型の内部で圧縮成形し、これらを一体化することにより形成される。なお、第1コア205と第2コア206との接合部分では、その境界部を識別することができず、混然一体となっている。
図13に示すように、第1コア205は、図8に示すベース部150に代えて、ベース部250を有する。ベース部250の表面(上面)には、2つの段差部500と、各段差部500の間に位置する段差上部501とが形成されている。段差上部501は、段差部500に対して段差の上面を形成しており、段差上部501には柱状部53が形成されている。一方の段差部500は、柱状部53を間に挟んで、ベース部250のX軸負方向側に形成されている。他方の段差部500は、柱状部53を間に挟んで、ベース部250のX軸正方向側に形成されている。各段差部500は、Z軸方向から見て、同様の形状を有し、X軸方向およびY軸方向にそれぞれ所定長を有する略長方形状を有する。
各段差部500には、インダクタ1の製造時において、図15に示す端子9a,9bの端子ベース部91a,91bが配置され、これにより、各段差部500の位置で、端子ベース部91a,91bに対する端子9a,9bの位置決めを行うことが可能となっている。また、各段差部500に端子9a,9bの端子ベース部91a,91bを配置することにより、端子9a,9bの位置ずれを防止することが可能となっている。
段差部500のZ軸方向に沿う深さは、各段差部500に端子ベース部91a,91bを配置したときに、端子ベース部91a,91bの表面(上面)と段差上部501の表面とが面一となるよう、端子ベース部91a,91bの厚みと略等しくなっていることが好ましい。
ベース部250のX軸方向の各側面に形成された各第1凹部155には、図15に示す端子9a,9bの接続部93a,93bが配置される。第1凹部155のX軸方向に沿う深さは、特に限定されるものではないが、接続部93a,93bの厚みと同程度か、それよりも大きい。
図14に示すように、第2コア206は、略四角リング形状からなり、図13に示す第1コア205の表面(上面)に載置され、コイル202が装着された状態の第1コア205に組み合わされる。第2コア206は、第1コア205と同種の材料で構成してもよく、あるいは異種の材料で構成してもよい。第2コア206は、収容孔61と、端子収容溝62a,62bと、連結溝63a,63bと、第2凹部64と、底部65と、本体部66とを有する。
本体部66は、有底筒形状からなり、本体部66の外観形状は、略直方体形状となっている。本体部66のZ軸方向の厚みは、図13に示すベース部250のZ軸方向の厚みよりも大きくなっている。第1コア205を第2コア206に組み合わせたとき、本体部66の上面(底部65とは反対側の面)は、第1コア205のベース部250の表面(上面)に接続される。本体部66の下面には、底部65が形成されている。
収容孔61は、本体部66の略中央部に形成されており、本体部66のZ軸方向の一方の面(上面)から他方の面(底部65)に向かって延在している。収容孔61の開口部の形状は、略円形状であり、図12に示すコイル202の外周形状と略一致している。収容孔61の開口部とは反対側の端部は、底部65によって閉塞されている。収容孔61には、コイル202が装着された状態の第1コア205の柱状部53(図13)が収容される。
第2凹部64は、本体部66のX軸方向の各側面に形成されている。各第2凹部64には、図15に示す端子9a,9bの接続部93a,93bが配置される。第2凹部64のX軸方向に沿う深さは、図13に示す第1凹部155のX軸方向に沿う深さと同様となっている。また、第2凹部64のY軸方向幅は、第1凹部155のY軸方向幅と同様となっている。第1コア205に第2コア206を組み合わせた状態において、第2凹部64は、Z軸方向に沿って、第1凹部155に接続される。これにより、図12に示すように、コア8のX軸方向の各側面には、側方凹部80が、Z軸方向の一端から他端にかけて延在するように形成される。
なお、各第2凹部64は、本体部66のX軸方向の各側面に加えて、底部65の表面(外面)にまで延在している(図示略)。底部65の表面において、第2凹部64は、底部65のX軸方向の端部から底部65の中心に向かって延在している。
本体部66のY軸正方向側の面とX軸正方向側の面とが交差する位置に形成された角部には、端子収容溝62aが形成されており、本体部66のY軸正方向側の面とX軸負方向側の面とが交差する位置に形成された角部には、端子収容溝62bが形成されている。
端子収容溝62a,62bは、本体部66のZ軸方向の一方の面(上面)から他方の面(底部65)に向かって延在している。端子収容溝62a,62bの開口部の形状は、略長方形状となっている。図13に示す第1コア205に第2コア206を組み合わせた状態において、端子収容溝62aの内部には、図12に示す溶融物10で接続された状態の継線部92aを収容することが可能となっている。また、端子収容溝62bの内部には、図12に示す溶融物10で接続された状態の継線部92bを収容することが可能となっている。
連結溝63a,63bは、本体部66のZ軸方向の一方の面(上面)から他方の面(底部65)に向かって延在している。また、連結溝63a,63bは、Y軸方向に沿って延在し、収容孔61と端子収容溝62a,62bとを連結している。連結溝63aは収容孔61のX軸正方向側の端部に接続されており、連結溝63bは収容孔61のX軸負方向側の端部に接続されている。
図16Bに示すように、ワイヤ3の引出部3aは、コイル202の2層目(2段目)において、コイル202の第1引出位置202cから外側に引き出され、Y軸方向に沿って直線的に延在している。ワイヤ3の引出部3bは、コイル202の1層目(1段目)において、コイル202の第2引出位置2dから外側に引き出され、Y軸方向に沿って直線的に延在している。引出部3a,3bは、捻られることなく、互いに同一方向(Y軸方向)に引き出されている。第1引出位置202cと第2引出位置2dとは、Z軸方向に沿って位置ずれしており、引出部3a,3bは、Z軸方向に沿って位置ずれして配置されている。
図15に示すように、端子9aは、端子ベース部91aと、継線部92aと、接続部93aと、実装部94aとを有する。端子9bは、端子ベース部91bと、継線部92bと、接続部93bと、実装部94bとを有する。
端子ベース部91a,91bは、コイル202の巻回軸方向に略直交する方向(すなわち、X軸方向およびY軸方向)に延在する平板形状を有する。端子ベース部91a,91bは、図12に示すコア8の内部に配置される。端子ベース部91a,91bは、Z軸方向から見て、略長方形状を有している。インダクタ1の製造時において、端子ベース部91a,91bは、図13に示す第1コア205のベース部250の各段差部500に、X軸方向に沿って所定の間隔で載置される。
第1コア205に図14に示す第2コア206を組み合わせた状態(すなわち、図12に示すコア8が形成された状態)では、端子ベース部91a,91bは、コア8の反実装面8bからZ軸方向に段差部500の厚み分だけ離間した位置に配置されることになる。
図12に示すように、端子ベース部91a,91bの上面には、コイル202が載置される。より詳細には、端子ベース部91a,91bの上面には、コイル202の巻回軸方向の第2端部202bが設置され、第2端部202bと端子ベース部91a,91bとが接触する。
図17に示すように、端子ベース部91a,91bにコイル202の第2端部202bが設置された状態において、コイル202の外周面と内周面との間には、端子ベース部91a,91bの内方縁部91a1,91b1が位置する。このような構成とすることにより、端子ベース部91a,91bにコイル202の第2端部202bを安定した状態で配置することができる。また、コイル202の内周側を通過する磁束の通路に端子ベース部91a,91bの内方縁部91a1,91b1が配置されることがないため、磁束の通路を良好に確保し、良好なインダクタンス特性を有するインダクタ1を実現することができる。
端子ベース部91a,91bにコイル202が載置された状態において、コイル202の外周面は、端子ベース部91aの側方縁部91a2と端子ベース部91bの側方縁部91b2とをX軸方向に結ぶ仮想線VL1よりもY軸方向の内側に配置されている。仮想線VL1よりもY軸方向の外側にコイル202の外周面が配置されないように、コイル202を端子ベース部91a,91bに載置することにより、コイル202の外周面をコア8のY軸負方向側の側面から十分に離間した位置に配置させることが可能となり、コイル202の外周面(コイル202のY軸負方向側の端部)とコア8のY軸負方向側の側面との間において、コア8の厚みを十分に確保し、コア8のY軸負方向側の側面にクラックが生じることを防止することができる。
図16Bに示すように、端子ベース部91bの上面には、コイル202の第2端部202bとともに、ワイヤ3の引出部3bの一部が載置される。より詳細には、端子ベース部91bの上面には、引出部3bの引出底部3b1が設置され、引出底部3b1と端子ベース部91bとが接触する。これにより、引出部3bの引出底部3b1は、端子ベース部91b1によって支持されることになる。
継線部92a,92bには、ワイヤ3の引出部3a,3bが接続される。図12に示すように、継線部92a,92bは、コア8の内部に配置される。本実施形態では、引出部3a,3bは、互いに略同一方向(Y軸正方向側)に向けて引き出されているため、継線部92a,92bは、引出部3a,3bが引き出されるコイル202のY軸正方向側に配置されている。
図15に示すように、継線部92a,92bは、端子ベース部91a,91bから、Z軸方向に沿って立ち上げられている。より詳細には、継線部92a,92bは、端子ベース部91a,91bのY軸正方向側の端部(側方縁部91a2,91b2とは反対側に位置する端部)から、端子ベース部91a,91bに対して略直交した状態で立ち上げられ、Z軸方向に沿って延在している。継線部92a,92bの立上位置は、接続部93a,93bのY軸正方向側の端部の位置よりもY軸方向の外側に位置している。第1継線部92aおよび第2継線部92bは、それぞれX軸方向に関して異なる位置で、互いに略平行となるように、Z軸方向に沿って延在している。
図17に示すように、端子ベース部91a,91bにコイル202が載置された状態において、コイル202の外周面は、第1継線部92aと第2継線部92bとをX軸方向に結ぶ仮想線VL2よりもY軸方向の外側に露出してはおらず、仮想線VL2よりもY軸方向の内側に配置されている。このような構成とすることにより、コイル202の外周面をコア8のY軸正方向側の側面から十分に離間した位置に配置させることが可能となり、コイル202の外周面(コイル202のY軸正方向側の端部)とコア8のY軸正方向側の側面との間において、コア8の厚みを十分に確保し、コア8のY軸正方向側の側面にクラックが生じることを防止することができる。
図15に示すように、継線部92aは、平板部920と、収容凹部921aと、一対の突出部922a,922aとを有する。また、継線部92bは、収容凹部921bと、一対の突出部922b,922bとを有する。
平板部920は、XZ平面に平行な平板形状からなり、端子ベース部91aに対して略直交した状態でZ軸方向に沿って延在している。平板部920は、継線部92aにのみ設けられており、継線部92bには設けられていない。
図16Bに示すように、収容凹部921aには、ワイヤ3の引出部3aが収容される。収容凹部921aは、継線部92aの頂部にZ軸方向に沿って形成された切り欠きからなる。収容凹部921aのZ軸方向の一端(上端)は開放されており、この開放部分からワイヤ3の引出部3aを差し込む(あるいはスライドする)ようにして収容凹部921aの内部に挿入することが可能となっている。
図16Aに示すように、収容凹部921aにワイヤ3の引出部3aを収容したときに、引出部3aの引出底部3a1と、収容凹部921aの収容底部921a1との間には隙間G1が形成される。この場合、収容凹部921aに収容されたワイヤ3の引出部3aは、隙間G1のZ軸方向の長さに応じた距離だけ、収容凹部921aの収容底部921a1よりも上方に位置する。
そのため、例えば製造誤差により、引出部3aの第1引出位置202c(図16B)がZ軸方向(特に、Z軸下方)にずれた場合であっても、引出部3aを収容凹部921aに収容するにあたって、引出部3aに対して屈曲加工を施すことなく、引出部3aを直線的に引き出した状態で継線部92aに接続することができる。
また、引出部3aと収容凹部921aの収容底部921a1との間に隙間(マージン)G1が形成されるように予め収容凹部921aの深さを比較的深くしておくことにより、コイル202を傾けることなく、引出部3aを収容凹部921aに確実に収容することができる。また、例えば設計変更等により、引出部3aの第1引出位置202c(図16B)をZ軸方向に沿って通常とは異なる位置に配置させるような事態が生じた場合であっても、引出部3aを収容凹部921aに確実に収容することができる。
なお、引出部3aの引出底部3a1とは反対側の端部と、継線部92aのZ軸方向の頂部との間には隙間G2が形成されている。隙間G2のZ軸方向の長さは、隙間G1のZ軸方向の長さよりも大きくなっているが、これよりも小さくてもよい。
一対の突出部922a,922aは、収容凹部921aを間に挟んで形成されている。突出部922a,922aの延在方向は、平板部920の延在方向と同様であり、Z軸方向である。突出部922a,922aのZ軸方向に沿う長さは、収容凹部921aのZ軸方向に沿う長さに対応している。
図16Bに示すように、収容凹部921bには、ワイヤ3の引出部3bが収容される。収容凹部921bは、継線部92bの頂部にZ軸方向に沿って形成された切り欠きからなる。ただし、収容凹部921bの一部(底部)は、端子ベース部91bのY軸正方向側の端部に食い込んでおり、厳密には、収容凹部921bの一部は端子ベース部91bにY軸方向に沿って形成されている。このように、収容凹部921bを端子ベース部91bまで延長して形成することにより、端子ベース部91bと継線部92bとの交差部において、後述する一対の突出部922b,922bのZ軸への折り曲げ(立ち上げ)が容易になる。
収容凹部921bのZ軸方向の一端(上端)は開放されており、この開放部分からワイヤ3の引出部3bを差し込む(あるいはスライドする)ようにして収容凹部921bの内部に挿入することが可能となっている。引出部3bが収容凹部921bに収容された状態において、引出部3bの引出底部3b1は端子ベース部91bの上面に載置され、引出底部3b1と端子ベース部91bの上面とは接触している。
一対の突出部922b,922bは、収容凹部921bを間に挟んで形成されている。突出部922b,922bの延在方向は、突出部922a,922aと同様であり、Z軸方向である。
図16Aに示すように、収容凹部921aと、収容凹部921bとは、Z軸方向に沿って位置ずれしている。また、収容凹部921aに収容された引出部3aのZ軸方向の位置と、収容凹部921bに収容された引出部3bのZ軸方向の位置とは位置ずれしている。
本実施形態では、コイル202から引出部3aと引出部3bとがZ軸方向に沿って位置ずれした状態で引き出されるため、これに対応する形で、収容凹部921aと、収容凹部921bとがZ軸方向に沿って位置ずれするように、継線部92a,92bが形成されている。収容凹部921aと収容凹部921bとの間のZ軸方向に沿う位置ずれ幅は、引出部3aの引出位置202c(図16B)と引出部3bの引出位置202d(図16B)との間のZ軸方向に沿う距離に対応している。収容凹部921aと収容凹部921bとの間のZ軸方向に沿う位置ずれ幅は、ワイヤ3(引出部3a,3b)のZ軸方向に沿う幅に対応していてもよい。
また、収容凹部921aと収容凹部921bとの間のZ軸方向に沿う位置ずれ幅は、一対の突出部922a,922aの先端部と、一対の突出部922b,922bの先端部と間の距離に対応していてもよい。また、収容凹部921aと収容凹部921bとの間のZ軸方向に沿う位置ずれ幅は、収容凹部921aの収容底部921a1と、端子ベース部91bの上面との間の距離に対応していてもよい。また、収容凹部921aと収容凹部921bとの間のZ軸方向に沿う位置ずれ幅は、継線部92aの平板部920のZ軸方向に沿う長さに対応していてもよい。
継線部92a,92bを正面(Y軸正方向側)から見たとき、図16Aおよび図17に示すように、収容凹部921a,921bは、X軸方向に関して、コイル202の外周の位置よりも内側に配置されている。すなわち、収容凹部921aと収容凹部921bとの間の距離は、コイル202の外径よりも小さくなっている。また、上記距離は、ワイヤ3の引出部3aの第1引出位置202c(図16B)と引出部3bの第2引出位置202d(図16B)との間の距離よりも小さくなっており、収容凹部921aと収容凹部921bとは、第1引出位置202cと第2引出位置202dとの間に配置されている。そのため、図17に示すように、引出部3a,3bは、Y軸方向に対して所定角度だけ内側に傾斜して引き出された状態で、収容凹部921a,921bに収容されることになる。
収容凹部921a,921bにワイヤ3の引出部3a,3bが収容された状態において、継線部92a,92bに対してレーザ照射が行われ、図12に示すように、継線部92a,92bに溶接玉等からなる溶融物(接合部あるいは接合部材)10が形成される。その結果、図15に示す一対の突出部922a,922aの各々は溶融物10で接続され、一対の突出部922b,922bの各々は溶融物10で接続される。
図15に示すように、接続部93a,93bは、端子ベース部91a,91bにおいて、継線部92a,92bとは異なる位置でZ軸方向に沿って立ち上げられている。接続部93a,93bは、端子ベース部91a,91bの内方縁部91a1,91b1とはX軸方向の反対側の外方縁部91a3,91b3から立ち上げられている。
接続部93a,93bは、実装補助部930a,930bと、側方引出部931a,931bとを有する。側方引出部931a,931bは、端子ベース部91a,91bの外方縁部91a3,91b3に接続されている。側方引出部931a,931bは、XY平面に平行な面を有し、X軸方向の外側に向かって、コア8のX軸方向の各側面の位置まで延在している。
実装補助部930a,930bは、側方引出部931a,931bのX軸方向の端部に接続されており、上方に向かって延在している。実装補助部930a,930bは、YZ平面に平行な面を有し、図12に示すコア8のX軸方向の各側面に沿って、コア8の実装面8aの位置まで延在している。なお、実装補助部930a,930bはコア8の外部に露出している。
実装部94a,94bは、実装補助部930a,930bのZ軸方向の端部に接続されており、X軸方向の内側に向かって延在している。実装部94a,94bは、XY平面に平行な面を有し、図12に示すコア8の実装面8aに沿って形成されている。実装部94a,94bは、実装面8aにおいて、コア8の外部に露出しており、インダクタ1の実装時において、回路基板等(図示略)との接続部を構成する。
本実施形態におけるインダクタ21の製造では、まず、図15に示す端子9a,9bの端子ベース部91a,91bの上面に、図12に示すコイル202の第2端部202bを載置する。また、ワイヤ3の引出部3a,3bを、図15に示す継線部92a,92bの収容凹部921a,921bに収容するととともに、継線部92a,92bにレーザを照射し、溶融物10(図12)を介して引出部3a,3bを端子9a,9bに接続する。次に、端子9a,9bが各端部に固定されたコイル2を金型の内部に設置し、当該コイル2に、図13に示す第1コア205と図14に示す第1コア6とを組み合わせる。
より詳細には、図13に示す第1コア205のベース部250の各段差部500に、図16Bに示すコイル202が設置された状態の端子9a,9bの端子ベース部91a,91bを載置する。このとき、コイル202に対して図13に示す第1コア205の柱状部53を挿通させ、コイル202の内部に柱状部53を配置させる。そして、その状態で、図14に示す第2コア206の収容孔61の内部に、図13に示す柱状部53およびこれに取り付けられたコイル202が収容されるように、第1コア205に第2コア206を組み合わせ、第1コア205と第2コア206とを金型の内部で圧縮成形する。これにより、第1コア205と第2コア206とが一体化し、図12に示すコア8が形成される。
なお、インダクタ21の製造方法はこれに限定されるものではなく、例えば、端子9a,9bの端子ベース部91a,91bにコイル202を載置する順番を変更してもよい。より詳細には、図13に示す第1コア205のベース部250の各段差部500に、図15に示す端子9a,9bの端子ベース部91a,91bを載置した後、端子ベース部91a,91bの上面にコイル202の第2端部202bを載置してもよい。
本実施形態に係るコイル装置201では、図12に示すように、端子9a,9bが、コイル202の第2端部202bが設置される端子ベース部91a,91bを有する。そのため、インダクタ201の製造時では、端子ベース部91a,91bにコイル202の第2端部202bを載置した状態で、金型の内部にコイル202を端子9a,9bとともに設置することが可能となっている。このように、端子ベース部91a,91bにコイル202の第2端部202bを載置しておくことにより、端子ベース部91a,91bによってコイル202の第2端部202bが支持されるため、第1コア205(図13)および第2コア206(図14)の圧縮成形時に加圧力がコイル202に作用しても、コイル202がZ軸方向に位置ずれしにくくなり、コイル202の第2端部202bの位置が端子ベース部91a,91bの位置に固定される。したがって、コア8の内部においてコイル202の位置を所定の位置(端子ベース部91a,91bの上面)に定めることが可能となり、コイル202の位置のばらつきに起因して製品毎にインダクタンス特性等にばらつきが発生することを防止し、信頼性の高いインダクタ201を実現することができる。
また、本実施形態に係るインダクタ201では、図15および図16Bに示すように、継線部92a,92bに引出部3a,3bが収容される収容凹部921a,921bが形成されている。そのため、引出部3a,3bを収容凹部921a,921bに収容することにより引出部3a,3bを継線部92a,92bに接続することが可能であり、引出部3a,3bを継線部92a,92bに接続するにあたって引出部3a,3bに対して端子9a,9bをかしめる必要がなく、引出部3a,3bを端子9a,9bに容易に接続することができる。
特に、本実施形態に係るインダクタ201では、収容凹部921aと、収容凹部921bとは、Z軸方向に沿って位置ずれしている。そのため、引出部3aの第1引出位置202c(図16B)と引出部3bの第2引出位置202d(図16B)とが、Z軸方向に沿って位置ずれしていたとしても、引出部3aあるいは引出部3bを不要に屈曲させることなく、引出部3a,3bをそれぞれ端子9a,9bまで引き出すことが可能である。したがって、この点においても、引出部3a,3bを端子9a,9bに容易に接続することができる。
また、本実施形態に係るインダクタ201では、収容凹部921a,921bが形成された継線部92a,92bがコア8の内部に配置され、さらにコイル202が平角線で構成されているため、上述したように引出部3a,3bを端子9a,9bに容易に接続することを可能にしつつ、大電流を流すことが可能な表面実装型のインダクタ201を容易に製造することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
上記各実施形態では、本発明のインダクタに対する適用例について示したが、インダクタ以外のコイル装置に本発明を適用してもよい。
上記各実施形態では、ワイヤ3の巻回形状を円形螺旋状としたが、例えば楕円形螺旋状、あるいは角形螺旋状等であってもよい。
上記第1実施形態では、ワイヤ3を平角線で構成したが、丸線、四角線、あるいはリッツ線で構成してもよい。上記第2実施形態についても同様である。
上記第1実施形態において、端子4aの継線部45と端子4bの継線部45とは、コイル2を挟んで、対角線上に配置されていてもよい。上記第2実施形態についても同様である。
上記第1実施形態において、ベース部50から凹部51a~51dと凸部52a~52dと突出部54とを省略し、ベース部50の上面をフラットに形成してもよい。
上記第1実施形態において、第1コア5の上面あるいは側面の一部が第2コア6によって覆われていてもよい。上記第2実施形態についても同様である。
上記第1実施形態において、端子4a,4bの接続部47を第1コア5側に向けて折り曲げてもよい。上記第2実施形態についても同様である。
1,101,201…インダクタ(コイル装置)
2,102,202…コイル
202b…第2端部
3…ワイヤ
3a,3b…ワイヤ端
4a,4b,104a,104b…端子
41…第1載置部
42…第2載置部
43…第1位置決め部
44…第2位置決め部
45,145…継線部
45a,145a…固定片
45b,145b…折曲片
46…実装部
47…接続部
48…切り欠き部
149…固定用孔
5,105,205…第1コア
50,150,250…ベース部
51a~51d…第1凹部~第4凹部
52a~52d…第1凸部~第4凸部
53…柱状部
54…突出部
155…凹部
500…段差部
501…段差上部
6,206…第2コア
61…収容孔
62a,62b…端子収容溝
63a,63b…連結溝
64…第2凹部
65…底部
66…本体部
7…フレーム
8…コア
8a…実装面
8b…反実装面
80…側方凹部
9a,9b…端子
91a,91b…端子ベース部
91a1,91b1…内方縁部
91a2,91b2…側方縁部
91a3,91b3…外方縁部
92a,92b…継線部
920…平板部
921a,921b…収容凹部
921a1…収容底部
922a,922b…突出部
93a,93b…接続部
930a,930b…実装補助部
931a,931b…側方引出部
94a,94b…実装部
10…溶融物

Claims (10)

  1. コイルと、
    前記コイルの端部に接続される端子と、
    前記コイルが配置される柱状部と、前記柱状部が上面に形成されたベース部とを有する第1コアと、
    前記コイルとともに前記ベース部の上面を覆う第2コアと、を有し、
    前記端子は、前記ベース部の上面に配置されているコイル装置。
  2. 前記第1コアの上には前記端子の継線部が配置されており、前記継線部の上には前記第2コアが配置されている請求項1に記載のコイル装置。
  3. 前記第1コアと前記第2コアとは略同一平面上で接合されている請求項1または2に記載のコイル装置。
  4. 前記端子の継線部と前記コイルとは、前記ベース部の略同一平面上に配置されている請求項1~3のいずれかに記載のコイル装置。
  5. 前記端子は、前記ベース部に対して、前記コイルの配置面よりも下方に配置されている請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。
  6. 前記端子は、前記第2コアの側面に沿って、前記第1コアとは反対側に向かって延びている請求項1~5のいずれかに記載のコイル装置。
  7. 前記端子には切り欠きが形成されており、
    前記切り欠きは、少なくとも前記端子が前記第1コアおよび前記第2コアの外側に露出する位置に形成されている請求項1~6のいずれかに記載のコイル装置。
  8. 前記コイルの各端部にそれぞれ接続される一対の第1端子および第2端子を有し、
    前記第1端子の第1継線部と前記第2端子の第2継線部とは、互いに同一方向を向いて配置されている請求項1~7のいずれかに記載のコイル装置。
  9. 前記柱状部は、前記ベース部の中心部に対して、外側に位置ずれして形成されている請求項1~8のいずれかに記載のコイル装置。
  10. 前記第1コアは実装面とは反対側の外面を有する請求項1~9のいずれかに記載のコイル装置。
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