JP2022018325A - 臭気指標物質、臭気の評価方法、消臭効果の評価方法、及び擬似臭組成物 - Google Patents

臭気指標物質、臭気の評価方法、消臭効果の評価方法、及び擬似臭組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】人の体臭由来の臭気を客観的にかつ定量的に評価する。【解決手段】臭気指標物質は、人の体臭由来の臭気の評価に用いられる。臭気指標物質は、炭素数6~10の飽和アルデヒドから選ばれる少なくとも1種を含有する。【選択図】図2

Description

本開示は、臭気指標物質、臭気の評価方法、消臭効果の評価方法、及び擬似臭組成物に関する。
従来より、生活空間における臭気を模擬した空間模擬臭組成物が知られている。特許文献1には、主成分であるアセトアルデヒドと、該アセトアルデヒドと異なる臭成分とを含有する空間模擬臭組成物が開示されている。特許文献1の空間模擬臭組成物に含まれるアセトアルデヒドは、生活空間の建材、家具、生活用品等から拡散されている成分である。
特開2015-163852号公報
ところで、一般的な生活空間(例えば、オフィスや住居)には、臭気の発生源の一つとして人が滞在している。人は、性別や年齢を問わず、皮膚の汗腺又は皮脂腺から分泌物を分泌している。この分泌物は、特有の臭気(いわゆる、体臭)を放出している。人の体臭由来の臭気については、その体臭のみのにおいの質に着目した分析例もなく、原因となるにおい成分についても知られていない。
本開示の目的は、人の体臭由来の臭気を客観的にかつ定量的に評価することである。
本開示の第1の態様は、人の体臭由来の臭気の評価に用いられる臭気指標物質であって、炭素数6~10の飽和アルデヒドから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
第1の態様では、人の体臭由来の臭気における臭気指標物質は、人の体臭由来の臭気に含まれる炭素数6~10の飽和アルデヒドから選ばれる少なくとも1種を含んでいる。そのため、上記臭気指標物質を用いることで、人の体臭由来の臭気を客観的かつ定量的に評価できる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記飽和アルデヒドは、直鎖飽和アルデヒドであることを特徴とする。
本開示の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の臭気指標物質を指標として、人の体臭由来の臭気を評価することを特徴とする臭気の評価方法である。
第3の態様では、人の体臭由来の臭気を評価する方法において、上記臭気指標物質を指標とする。これにより、人の体臭由来の臭気を客観的かつ定量的に評価できる。
本開示の第4の態様は、第3の態様において、被験者が着用した衣服に付着したにおい成分をサンプリングする工程を含むことを特徴とする。
第4の態様では、人の体臭由来の臭気の評価は、被験者が着用した衣服に付着したにおい成分をサンプリングすることで行われる。これにより、人の体臭に含まれるにおい成分を効率よくサンプリングできる。
本開示の第5の態様は、第1又は第2の態様に記載の臭気指標物質を指標として、人の体臭由来の臭気に対する消臭効果を評価することを特徴とする消臭効果の評価方法である。
第5の態様では、上記臭気指標物質を指標として、人の体臭由来の臭気に対する消臭効果を評価する。これにより、人の体臭由来の臭気に対する消臭効果をより客観的かつ定量的に評価できる。
本開示の第6の態様は、人の体臭由来の臭気を模擬した擬似臭組成物であって、炭素数6~10の飽和アルデヒドを含有することを特徴とする。
第6の態様では、人の体臭由来の臭気を模擬した擬似臭組成物は、人の体臭由来の臭気に含まれる炭素数6~10の飽和アルデヒドを含んでいる。そのため、人の体臭由来の臭気を模擬した臭気を容易に再現できる。
本開示の第7の態様は、第6の態様において、前記飽和アルデヒドは、ヘキサナール、ノナナール、及びデカナールから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする。
第7の態様では、飽和アルデヒドは、人の体臭由来の臭気に含まれるヘキサナール、ノナナール、及びデカナールから選ばれる少なくとも1種を含んでいる。そのため、人の体臭由来の臭気を模擬した臭気を容易に再現できる。
図1は、臭気の評価方法について説明するためのフローチャートである。 図2は、臭気の評価試験における被験者1の結果を示した表である。 図3は、臭気の評価試験における被験者2の結果を示した表である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態》
実施形態について説明する。
本開示における「人の体臭」とは、人の体表面から放散される揮発性物質を原因としたにおい、又は人の皮膚の汗腺又は皮脂腺から分泌される汗や皮脂等の分泌物を原因として、それらが空気中の酸素によって酸化される、もしくは皮膚上の常在細菌によって代謝、分解されることで発生するにおいの総称である。本開示における「人の体臭由来の臭気」とは、人が居室空間で感じる人の体臭のことであり、人から直接に放出されるにおいと、人が着用した衣類から放出されるにおいとを含む。本開示における「臭気指標物質」とは、臭気の評価において指標として用いられる物質のことである。
本開示における「消臭効果」は、物理的消臭効果、化学的消臭効果、及び感覚的消臭効果を含む。物理的消臭とは、消臭基剤などによるにおいの吸着、包接等を用いた消臭方法である。化学的消臭とは、消臭基剤などによるにおいの中和、酸化等を用いた消臭方法である。感覚的消臭とは、香料マスキング剤や変調剤などを用いた消臭方法である。
-臭気指標物質-
本実施形態の臭気指標物質は、炭素数6~10の飽和アルデヒドから選ばれる少なくとも1種を含有する。
ここで、飽和アルデヒドとは、分子内のアルデヒド基以外の炭素骨格に不飽和結合を含まないアルデヒドをいう。飽和アルデヒドは、アルデヒド基以外の炭素骨格に不飽和結合を含まない限りは、直鎖状のアルデヒド(以下、直鎖飽和アルデヒドという)であっても、分岐鎖状のアルデヒド(以下、分岐鎖飽和アルデヒドという)であってもよい。
炭素数6~10の直鎖飽和アルデヒドとしては、例えば、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナールが挙げられる。
炭素数6~10の分岐鎖飽和アルデヒドとしては、例えば、メチルペンタナール、ジメチルブタナール、エチルブタナール、メチルヘキサナール、ジメチルペンタナール、トリメチルブタナール、エチルペンタナール、メチルエチルブタナール、メチルヘプタナール、ジメチルヘキサナール、トリメチルペンタナール、エチルヘキサナール、メチルエチルペンタナール、プロピルペンタナール、メチルオクタナール、ジメチルヘプタナール、トリメチルヘキサナール、エチルヘプタナール、テトラメチルペンタナール、メチルエチルヘキサナール、プロピルヘキサナール、ジメチルエチルペンタナール、ジエチルペンタナール、メチルプロピルペンタナール、メチルノナナール、ジメチルオクタナール、トリメチルヘプタナール、テトラメチルヘキサナール、エチルオクタナール、メチルエチルヘプタナール、プロピルヘプタナール、ジメチルエチルヘキサナール、ジエチルヘキサナール、メチルプロピルヘキサナール、ブチルヘキサナール、ジメチルプロピルペンタナール、エチルプロピルペンタナールが挙げられる。
本開示の飽和アルデヒドは、直鎖飽和アルデヒドが好ましい。炭素数6~10の直鎖飽和アルデヒドの嗅覚閾値は、ヘキサナールが0.00028ppm、ヘプタナールが数十ppb、オクタナールが0.00001ppm、ノナナールが0.00034ppm、デカナールが0.0004ppmである。このように炭素数6~10の各直鎖飽和アルデヒドの嗅覚閾値は小さいので、人がにおいを感じやすい物質である。
炭素数6~10の飽和アルデヒドを人の体臭由来の臭気指標物質として使用する場合、各飽和アルデヒドを単体で使用してもよく、複数の飽和アルデヒドからなる混合物を使用してもよい。また、飽和アルデヒドの純度は高いほど好ましいが、臭気に影響を与えない限り、臭気指標物質に夾雑物を含んでもよい。本開示の臭気指標物質には、アセトアルデヒドは含まれない。
-擬似臭組成物-
本開示の人の体臭由来の臭気を模擬した擬似臭組成物は、炭素数6~10の飽和アルデヒドを含有する。擬似臭組成物に含まれる炭素数6~10の飽和アルデヒドは、直鎖飽和アルデヒドであるヘキサナール、ノナナール、及びデカナールから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
具体的には、本開示の擬似臭組成物は、炭素数6~10の飽和アルデヒドから選ばれる少なくとも1種を含んでいればよく、炭素数6~10の飽和アルデヒドのうち複数の物質を組み合わせてもよい。更に、本開示の擬似臭組成物は、炭素数6~10の飽和アルデヒド以外の物質を含んでもよい。ただし、本開示の擬似臭組成物は、アセトアルデヒドを含まない。なお、擬似臭組成物の構成成分の配合量は、上記成分の他に配合される成分などに応じて適宜選択されるものであり、特に限定されるものではない。
擬似臭組成物は、希釈剤として水、エタノール等の溶剤や、カチオン性等の界面活性剤を併用して希釈してもよい。また、擬似臭組成物は、液状又は固体状の担体に含侵して用いることができる。固形状の担体は、擬似臭組成物を担持できるものであれば特に限定されず、例えば、シリカゲル、シリカ、活性炭等が挙げられる。固体状担体の形態も特に限定されず、例えば、粉体、粒状、シート状等として使用してもよい。
-臭気の評価方法-
人の体臭由来の臭気の評価方法について説明する。図1に示すように、臭気の評価方法は、無臭処理工程と、体臭除去工程と、着用工程と、サンプリング工程と、分析工程とを含む。この臭気の評価方法では、上記臭気指標物質を指標として用いる。
まず、被験者が着用する衣服の無臭処理を行う無臭処理工程を行う。この無臭処理工程では、被験者が着用する綿100%素材のTシャツを、洗剤を使用せずに50℃のお湯で2回洗濯を行う。2回の洗濯後、熱乾燥機でTシャツを乾燥させる。これにより、衣類に元から付着していたにおいを除去する。
次に、被験者の体臭を除去する体臭除去工程を行う。この体臭除去工程では、被験者がサンプリング用のTシャツを着用する前に、無香料のボディーソープを使用して、髪を含む全身を洗浄する。これにより、評価開始前における被験者の体臭を除去する。
次に、被験者が衣服を着用して過ごす着用工程を行う。この着用工程では、体臭を除去した被験者が、無臭処理されたTシャツを着用して就寝する。被験者は、該Tシャツを翌々日の朝まで着用し続ける。ここで、無臭処理されたTシャツを着用している間、被験者は普段通りに生活を行う。ただし、被験者は入浴等における全身の洗浄を行わない。これにより、衣服に被験者の体臭が染み付く。なお、被験者がTシャツを着用し続ける時間は、単なる一例である。本実施形態では、被験者は約1.5日に亘ってTシャツを着用したが、これよりも短時間でもよく、長時間でもよい。
次に、被験者が着用し続けた衣服に付着したにおい成分をサンプリングするサンプリング工程を行う。このサンプリング工程では、被験者が着用し続けたTシャツを回収し、吸着剤及び回収したTシャツをサンプリングバックに入れて密閉する。サンプリングバックを密閉後、37℃で一晩放置する。その後、サンプリングバックから吸着剤を回収する。これにより、衣服に染み付いた体臭由来の臭気を回収する。
次に、衣服に染み付いた体臭由来の臭気を分析する分析工程を行う。この分析工程では、サンプリング工程で回収した吸着剤をGC-MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)により分析を行い、体臭由来の臭気のにおい成分を同定する。その際、上記臭気指標物質を標準物質として用い、予め検量線を作成する。この検量線を使用して、衣服から採取したサンプルに含まれる飽和アルデヒドのピークを同定し、その量を測定する。
このように、上記臭気指標物質を用いて体臭由来の臭気の程度を定量的に評価することができる。炭素数6~10の飽和アルデヒドを人の体臭由来の臭気を評価する臭気指標物質として使用する方法は特に制限されず、上記評価方法以外の公知の様々な評価方法を用いてもよい。
-臭気に対する消臭効果の評価方法-
人の体臭由来の臭気に対する消臭効果の評価方法について説明する。この評価方法では、上記臭気指標物質を指標として用いる。この評価方法では、例えば消臭剤又は空気清浄機の消臭効果を評価することができる。
消臭剤の消臭効果を評価する場合には、有効成分として炭素数6~10の飽和アルデヒドを所定濃度で含有する臭気指標物質を、衣服や居室の壁、床、カーテン等に付着させる。その後、臭気指標物質が付着した衣服等に所定量の消臭剤サンプルを添加し、臭気指標物質の変化の状態を適切な方法で定量する。これにより、消臭剤の消臭効果を客観的かつ定量的に評価できる。
また、消臭剤の消臭効果を評価する別の方法として、臭気指標物質を空間中に気化させて拡散させる。その後、臭気指標物質が拡散された空間に所定量の消臭剤サンプルを添加し、臭気指標物質の変化の状態を適切な方法で定量してもよい。
さらに、消臭剤の消臭効果を評価する別の方法として、衣服や居室の壁等に臭気指標物質を付着させず、元々衣服や居室の壁等に染み付いた体臭由来の臭気に対して、所定量の消臭剤サンプルを添加し、臭気指標物質の変化の状態を適切な方法で定量してもよい。
消臭剤の消臭効果を評価する方法と同様の方法で、空気清浄機の消臭効果を評価できる。これにより、空気清浄機の消臭効果を客観的かつ定量的に評価することができる。
臭気指標物質の変化の状態を定量する方法において、消臭剤サンプルが飽和アルデヒドを吸着等してにおいを減じる種類、又は消臭剤サンプルが飽和アルデヒドを分解又は別の化合物に誘導してにおいを減じる種類のものである場合には、臭気指標物質の検量線を予め作成しておき、この検量線を用いて機器分析を行ってもよく、臭気指標物質の変化体又は未変化体を滴定又は抽出等の化学分析により定量してもよい。
また、臭気指標物質の変化の状態を定量する方法において、消臭剤サンプルが人の体臭由来の臭気をマスキング、又は変調する種類のものである場合には、まず臭気指標物質を数段階に希釈して各濃度のにおい標準サンプルを調製する。次に、消臭剤サンプルを添加した臭気指標物質のにおいを標準サンプルと照合し、官能評価やにおい質の変化の機器分析を行う。これにより、感覚的消臭効果を評価してもよい。
人の体臭由来の臭気に対する消臭効果の評価方法においては、上記臭気指標物質を単体として使用してもよく、他の成分、例えば溶解又は希釈のための溶剤や、安定剤、抗菌剤、界面活性剤、酸化防止剤、香料、植物抽出物等の添加剤を配合し、保存や評価試験での使用等の実用に即した組成物に調製して用いてもよい。
人の体臭由来の臭気に対する消臭効果の評価方法においては、臭気指標物質の代わりに擬似臭組成物を用いてもよい。具体的には、擬似臭組成物を用いた消臭効果の評価方法では、臭気指標物質を用いた消臭効果の評価方法と同様に、本実施形態の擬似臭組成物を衣服等に付着させた後、消臭剤サンプルを添加して臭気指標物質の変化の状態を定量してもよい。また、擬似臭組成物を空間中に気化して拡散させた後、消臭剤サンプルを添加して臭気指標物質の変化の状態を定量してもよい。なお、擬似臭組成物を用いた消臭効果の評価方法においても、臭気指標物質の変化の状態を定量する方法は、臭気指標物質を用いた消臭効果の評価方法と同様に行う。
また、擬似臭組成物を用いた消臭効果を評価する別の方法として、擬似臭組成物で充満された空間に、消臭剤を使用した空間と、消臭剤を使用しない空間の両方のにおいをそれぞれ被験者に嗅いでもらい、その結果を比較してもよい。
臭気指標物質又は擬似臭組成物を用いた消臭効果の評価において、消臭剤の代わりに空気清浄機を用いて、同様の消臭効果の評価を行ってもよい。
上記消臭効果の評価方法により、上記臭気指標物質又は擬似臭組成物を用いて体臭由来の臭気に対する消臭効果の程度を定量的に評価することができる。
-臭気の評価試験の結果-
人の体臭由来の臭気を分析評価した試験の結果について説明する。
本試験は、上記臭気の評価方法に沿って行った。被験者は、20代~50代の10人の男性である。各被験者が着用したTシャツを回収し、各Tシャツに染み付いたにおいを吸着させた吸着剤をGC-MS分析により分析し評価した。
図2及び図3に示すように、第1被験者及び第2被験者の着用したTシャツに染み付いた体臭由来の臭気には、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ノネナール、飽和脂肪酸類、アルカン類、アルケン類、ケトン類、エステル類、芳香族化合物類等が含まれていた。
この結果から、各被験者の体臭由来の臭気には、炭素数6~10の直鎖飽和アルデヒドであるヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナールが含まれていることが確認された。更に、第1被験者の体臭由来の臭気には、炭素数6~10の直鎖飽和アルデヒドが全体の約57.62質量%含まれていることが確認された。第2被験者の体臭由来の臭気には、炭素数6~10の直鎖飽和アルデヒドが全体の約49.18質量%含まれていることが確認された。その他の被験者の体臭由来の臭気においても、炭素数6~10の直鎖飽和アルデヒドが全体の30質量%以上含まれていることが確認された。
したがって、人の体臭由来の臭気全体に対する直鎖飽和アルデヒドの占める割合が大きいことが確認された。この結果から、臭気指標物質及び擬似臭組成物には、炭素数6~10の直鎖飽和アルデヒドが全体の30質量%以上含まれていることが好ましい。
-実施形態の特徴(1)-
本実施形態の臭気指標物質は、炭素数6~10の飽和アルデヒドから選ばれる少なくとも1種を含有する。
また、本実施形態の臭気指標物質の飽和アルデヒドは、直鎖飽和アルデヒドである。
ところで、オフィスや住居などの生活空間では、様々な年齢、性別の人が長時間滞在する。このような生活空間では、人が滞在する限り、人の体臭由来の臭気が発生し続けている。しかし、人の体臭のみのにおいの質に着目し、分析した例もなく、原因となるにおい成分についても知られていない。
本実施形態の臭気指標物質は、人の体臭由来の臭気に含まれる炭素数6~10の飽和アルデヒドから選ばれる少なくとも1種を含んでいる。そのため、上記臭気指標物質を用いることで、人の体臭由来の臭気を客観的かつ定量的に評価できる。
ここで、人の体臭由来の臭気に含まれている飽和アルデヒドは、空気中の酸素等と反応して酸化すると脂肪酸に変化する。しかし、一般的な生活空間では定期的に換気がされるので、人から放出された飽和アルデヒドが空間内に長時間保持されて脂肪酸に変化することは少ない。このため、人の体臭由来の臭気に含まれる成分としては、脂肪酸に比べ飽和アルデヒドの方が多いと考えられる。
-実施形態1の特徴(2)-
本実施形態の臭気の評価方法は、上記臭気指標物質を指標として、人の体臭由来の臭気を評価する。
本実施形態の臭気指標物質では、人の体臭由来の臭気を評価する方法において、上記臭気指標物質を指標とすることにより、人の体臭由来の臭気を客観的かつ定量的に評価できる。
-実施形態1の特徴(3)-
本実施形態の臭気の評価方法は、被験者が着用した衣服に付着したにおい成分をサンプリングする工程を含む。
本実施形態の臭気の評価方法では、被験者が着用した衣服に付着したにおい成分をサンプリングすることで行われる。これにより、人の体臭に含まれるにおい成分を効率よくサンプリングできる。
また、本実施形態の臭気の評価方法では、人が着用した衣類から放出されるにおい成分を考慮しつつ、人の体臭由来の臭気を評価できる。
-実施形態1の特徴(4)-
本実施形態の消臭効果の評価方法は、臭気指標物質を指標として、人の体臭由来の臭気に対する消臭効果を評価する。
本実施形態の消臭効果の評価方法では、上記臭気指標物質を指標として、人の体臭由来の臭気に対する消臭効果を評価する。これにより、人の体臭由来の臭気に対する消臭効果をより客観的かつ定量的に評価できる。
-実施形態1の特徴(5)-
本実施形態の擬似臭組成物は、炭素数6~10の飽和アルデヒドを含有する。
本実施形態の擬似臭組成物では、人の体臭由来の臭気に含まれる炭素数6~10の飽和アルデヒドを含んでいる。そのため、人の体臭由来の臭気を模擬した臭気を容易に再現できる。
-実施形態1の特徴(6)-
本実施形態の擬似臭組成物は、飽和アルデヒドは、ヘキサナール、ノナナール、及びデカナールから選ばれる少なくとも1種を含む。
本実施形態の擬似臭組成物の飽和アルデヒドは、人の体臭由来の臭気に含まれるヘキサナール、ノナナール、及びデカナールから選ばれる少なくとも1種を含んでいる。そのため、人の体臭由来の臭気を模擬した臭気を容易に再現できる。
-実施形態1の特徴(7)-
本実施形態の臭気指標物質及び擬似臭組成物は、アセトアルデヒドを含まない。
オフィスや住居などの生活空間においては、アセトアルデヒドが臭気物質として検出される場合がある。しかし、アセトアルデヒドは、人がアルコールを摂取したときに肝臓で生成される物質であり、人の体臭における酒臭さの原因物質である。飲酒をしていない平常時に、人の体臭としてアセトアルデヒドは発生しない。生活空間における主なアセトアルデヒドの発生源は、生活空間中の建材や家具、生活用品に由来するため、人の体臭由来の臭気における臭気指標物質及び擬似臭組成物には、アセトアルデヒドは含まれない。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、及びその他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、臭気指標物質、臭気の評価方法、消臭効果の評価方法、及び擬似臭組成物について有用である。

Claims (7)

  1. 人の体臭由来の臭気の評価に用いられる臭気指標物質であって、
    炭素数6~10の飽和アルデヒドから選ばれる少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする臭気指標物質。
  2. 請求項1において、
    前記飽和アルデヒドは、直鎖飽和アルデヒドである
    ことを特徴とする臭気指標物質。
  3. 請求項1又は2に記載の臭気指標物質を指標として、人の体臭由来の臭気を評価する
    ことを特徴とする臭気の評価方法。
  4. 請求項3において、
    被験者が着用した衣服に付着したにおい成分をサンプリングする工程を含む
    ことを特徴とする臭気の評価方法。
  5. 請求項1又は2に記載の臭気指標物質を指標として、人の体臭由来の臭気に対する消臭効果を評価する
    ことを特徴とする消臭効果の評価方法。
  6. 人の体臭由来の臭気を模擬した擬似臭組成物であって、
    炭素数6~10の飽和アルデヒドを含有する
    ことを特徴とする擬似臭組成物。
  7. 請求項6において、
    前記飽和アルデヒドは、ヘキサナール、ノナナール、及びデカナールから選ばれる少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする擬似臭組成物。
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