JP2022018321A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技に支障をきたし難い遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ遊技機1は、所定の判定処理の結果が大当たり(第1の判定結果)である場合、大入賞口30(可変入賞口)を開放させる大当たり遊技を実行し、大入賞口に入賞した遊技球が特定領域39を通過した場合、高確率状態に制御する。またパチンコ遊技機1は、通常確率状態且つ非時短状態(非特典遊技状態)における所定の判定処理の結果が、特殊ハズレ(第2の判定結果)である場合には、大当たり遊技を実行することなく、時短状態(特典遊技状態)に制御するが、高確率状態且つ非時短状態における所定の判定処理の結果が特殊ハズレであっても、時短状態に制御しない。このため、意図しない特定領域への通過が万が一発生し、高確率状態に制御された場合でも、特殊ハズレに基づいてさらに時短状態になってしまうのを防止可能である。【選択図】図28-2

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
下記特許文献1には、始動口への入賞に基づいて、大入賞口(可変入賞口)を開放させる大当たり遊技を行い、大入賞口内の特定領域に遊技球が通過すると、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に制御する遊技機が記載されている。
特開2015-071037号公報
ところで上記文献に記載の遊技機のように、大入賞口内の特定領域への通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機では、製造者が意図していなかった場面で特定領域の通過が生じて、高確率状態に制御されてしまうことが考えられる。そのため、このような事態が発生した場合を想定した対策を施しておくことが望まれる。
本発明の遊技機は、
所定の判定処理の結果が第1の判定結果である場合、可変入賞口を開放させる大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、
前記可変入賞口に入賞した遊技球が特定領域を通過した場合、前記大当たり遊技を実行すると判定される確率が通常確率状態よりも高い高確率状態に制御可能な高確率状態制御手段と、
可変始動口への入球が非特典遊技状態よりも容易な特典遊技状態に制御可能な特典遊技状態制御手段と、を備え、
前記特典遊技状態制御手段は、
前記通常確率状態且つ前記非特典遊技状態における前記所定の判定処理の結果が第2の判定結果である場合には、前記大当たり遊技を実行することなく、前記特典遊技状態に制御することがあり、
前記高確率状態且つ前記非特典遊技状態における前記所定の判定処理の結果が前記第2の判定結果である場合には、前記特典遊技状態に制御しないことを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、意図しない特定領域への通過によって高確率状態に制御されても、遊技に支障をきたし難い遊技機を提供可能である。
本発明の実施形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 同遊技機が備える大入賞装置を示す概略正面図である。 図2に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)大当たり図柄種別判定テーブルである。(B)大当たり図柄の種別と大当たり遊技後の遊技状態の関係を示す表である。 大入賞口の開放制御と振分部材の作動制御を示すテーブルである。 振分部材の作動パターンを示すテーブルである。 通過困難パターンの振分部材作動ラウンドにおける振分部材等の動作を示すタイミングチャートである。 通過容易パターンの振分部材作動ラウンドにおける振分部材等の動作を示すタイミングチャートである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)大当たり判定テーブルである。(B)リーチ判定テーブルである。(C)普通図柄当たり判定テーブルである。(D)普通図柄変動パターン選択テーブルである。 ハズレ図柄種別判定テーブルである。 (A)非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。(B)時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検出処理のフローチャートである。 ゲート通過処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 大当たり判定処理のフローチャートである。 変動パターン選択処理のフローチャートである。 変動パターン選択処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 突時設定処理のフローチャートである。 遊技状態リセット処理のフローチャートである。 大当たり開始処理のフローチャートである。 大入賞口動作設定処理のフローチャートである。 大当たり開放処理のフローチャートである。 大入賞口センサ検出処理のフローチャートである。 大当たり閉鎖処理のフローチャートである。 大当たり終了処理のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特定領域センサ検出処理のフローチャートである。 作動パターン設定処理のフローチャートである。 振分部材制御処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 変動演出パターン判定テーブルである。 変動演出における通常変動の具体例を示す説明図である。 変動演出におけるNリーチ(ノーマルリーチ)の具体例を示す説明図である。 変動演出におけるSPリーチの具体例を示す説明図である。 変動演出における時短突入演出の具体例を示す説明図である。 特殊ハズレに基づく時短状態において設定される空背景モードの背景画像を示す図である。
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の上下方向及び左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者から見た上下方向及び左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン64が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図6参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(表示手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図4参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれ(通常ハズレ)であった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留表示エリアがある。演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上部には、盤可動体15が格納状態にて配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(入球口の一例、第1入球口、固定入球口、固定始動口、第1始動入賞口ともいう)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(入球口の一例、第2入球口、可変入球口、可変始動口、第2始動入賞口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を普通電動役物(普通電役)ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。
電チュー22は、可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図5参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、遊技領域3におけるゲート28の下方には、大入賞口(可変入賞口の一例、特定の入賞口や特別入賞口ともいう)30を備えた大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31を、特別入賞手段、特別可変入賞装置、又は特別電動役物(特別電役)ともいう。大入賞装置31は、開閉部材(特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。つまり、大入賞口ソレノイド33は開閉部材32の駆動源である。大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図3(A)に示すように、大入賞装置31の内部には、大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域(非V領域)70が形成されている。なお、大入賞装置31において、特定領域39および非特定領域70の上流には、大入賞口30への遊技球の入賞を検知する大入賞口センサ30aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。
また、大入賞装置31は、大入賞口30を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材ソレノイド73は、振分部材71の駆動源である。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1状態をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2状態をとる。なお振分部材71は、言い換えれば、特定領域39を開閉するシャッター部材である。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、大入賞口30に入賞した遊技球は、大入賞口センサ30aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。なお本形態では、第1のルートにおける大入賞口センサ30aの配置位置から、振分部材71による遊技球の分岐位置までの遊技球通路の長さは、5cm以下と比較的短い。この遊技球通路の長さは、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、大入賞口30に入賞した遊技球は、大入賞口センサ30aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口(確変領域)となっており、大入賞装置31は所謂Vアタッカーである。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。
図2に戻り、遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、及び大入賞口30への入賞を狙うことができる。
また図2に示すように、遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図4に示すように、第1特別図柄(識別図柄の一例)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(識別図柄の一例)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄(特図1)および第2特別図柄(特図2)を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技における大入賞口30の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレ(後述の複数種類のハズレのうちの一つ)である場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なお、ハズレ図柄の一つとして全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定情報ともいう)は、特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図5参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図5参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図5参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。第1特図保留記憶部85aや第2特図保留記憶部85bは記憶手段と言える。
また主制御基板80には、図5に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、大入賞口30内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、大入賞口30内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、大入賞口ソレノイド33、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、大入賞装置31の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球や貸球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、図6に示すように、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、遊技機枠50に設けられている枠ランプ66、および遊技盤2に設けられている盤ランプ5の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15(図2参照)を動作させる。盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(本形態では上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(図2参照)から、その折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態(図示省略)に変位可能なものである。
詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、枠中継基板98を介して演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が実行される。また、「はずれ」には、後述するように、「通常ハズレ」と「特殊ハズレ」とがあり、「特殊ハズレ」に当選した場合には、大当たり遊技が実行されることなく、後述する時短状態に制御されることがある。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(特定開放遊技の一例)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(ラウンド間インターバル)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図7(A)に示す通りである。図7(A)に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つある。V通過大当たり(特図1_大当たり図柄1~2及び特図2_大当たり図柄4、これらの図柄を通過用当たり図柄と言う)と、V非通過大当たり(特図1_大当たり図柄3、この図柄を非通過用当たり図柄と言う)である。
V通過大当たりは、その大当たりへの当選に基づく大当たり遊技中に特定領域39への通過が容易に可能な大当たりである。これに対して、V非通過大当たりは、その大当たりへの当選に基づく大当たり遊技中に特定領域39への通過が不可能又は困難な大当たりである。本形態のパチンコ遊技機1は、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機である。よって、V通過大当たりは、高確率状態に制御されることが予定される大当たりであり、V非通過大当たりは、高確率状態に制御されないことが予定される大当たりである。特定領域39の通過の可否を切り替える振分部材71の作動制御については後述する。
そして本形態では、図7(B)に示すように、V通過大当たり(大当たり図柄1、大当たり図柄2、大当たり図柄4)に基づく大当たり遊技(特定大当たり遊技)中にV通過(特定領域39への通過)が有った場合、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ時短状態に制御される。この場合、高確率状態における特図変動の上限実行回数(確変回数)も、時短状態における特図変動の上限実行回数(時短回数)も共に、161回に設定される。但し、V通過大当たりに基づく大当たり遊技中にV通過が無かった場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態に制御される。この場合、時短回数は、100回に設定される。このように本形態では、V通過大当たりにおいて、製造者の意図に反して、V非通過(イレギュラーV非通過)となった場合には、高確率状態には制御しないが、時短状態には制御するようにしている。
また本形態では、V非通過大当たり(大当たり図柄3)に基づく大当たり遊技(非特定大当たり遊技)においてV通過(特定領域39への通過)が無かった場合、大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態に制御される。この場合、時短回数は、100回に設定される。但し、V非通過大当たりに基づく大当たり遊技中にV通過が有った場合には、大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態且つ非時短状態に制御される。この場合、確変回数は、161回に設定される。このように本形態では、V非通過大当たりにおいて、製造者の意図に反して、V通過(イレギュラーV通過)が生じた場合には、高確率状態には制御するが、時短状態には制御しないようにしている。
なお、図7(A)に示すように、特図1の抽選では、大当たり当選時に55%の割合でV通過大当たりに振り分けられ、残りの45%の割合でV非通過大当たりに振り分けられる。一方、特図2の抽選では、大当たり当選時は必ずV通過大当たりに振り分けられる。つまり本形態では、第1始動口20への入賞に基づく大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21への入賞に基づく大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本形態では、何れの大当たり図柄に基づくものであっても、全て10Rの大当たりとなっている。そして、V通過大当たり(特図1_大当たり図柄1及び2、特図2_大当たり図柄4)も、V非通過大当たり(特図1_大当たり図柄3)も、図8に示すように、1R目~10R目までの全てのラウンド遊技に置いて、大入賞口30が、ロング開放の開放態様で開放される。ロング開放の開放態様とは、最長25000msにわたって大入賞口30を開放する開放態様である。普通に遊技を行っていれば、25000msの開放期間が終わるまでの間に、1回のラウンド遊技における大入賞口30への最大入賞球数(本形態では10個)に及ぶ入賞が可能である。なお、大入賞口30への入賞球数が最大入賞球数に至ると、大入賞口30は閉鎖される。そして、ラウンド間インターバル(2000ms)を経て次のラウンド遊技が開始される。
このように本形態では、全てのV通過大当たり(特図1_大当たり図柄1及び2、特図2_大当たり図柄4)で10R分の賞球を獲得可能であるが、大当たり当選の報知態様は、特図1_大当たり図柄1及び特図2_大当たり図柄4と、特図1_大当たり図柄2とで異なっている。具体的には、図7(A)に示すように、特図1_大当たり図柄1および特図2_大当たり図柄4に当選した場合には、大当たり当選の判定結果を報知する変動演出において、演出図柄の最終的な停止態様として金図柄(本形態では3又は7)のゾロ目が停止表示され、これにより、V通過大当たりであることが報知される。
これに対して、特図1_大当たり図柄2に当選した場合には、大当たり当選の判定結果を報知する変動演出において、演出図柄の最終的な停止態様として銀図柄(本形態では1,2,4,5,6,又は8)のゾロ目が停止表示される。銀図柄のゾロ目は、V非通過大当たり(特図1_大当たり図柄3)に当選した場合の変動演出における最終的な停止態様でもある。つまり、特図1_大当たり図柄2に当選した場合には、その当選に基づく変動演出において、V通過大当たりであることが報知されない。特図1_大当たり図柄2に当選した場合には、大当たり遊技中に勝利のバトル演出が実行されることでV通過大当たりであることが遊技者に報知される。一方、V非通過大当たりである特図1_大当たり図柄3に当選した場合には、大当たり遊技中に敗北のバトル演出が実行される。敗北のバトル演出が実行されることにより、遊技者にはV非通過大当たりに当選したことが報知される。
[振分部材の作動制御]次に各大当たりにおける振分部材71の作動制御(特定領域39の開閉制御)について説明する。図8に示すように、本形態では、振分部材71が作動するラウンド(「振分部材作動ラウンド」あるいは「V作動ラウンド」という)は、各大当たりにおける7R及び9Rに決められている。なお、振分部材作動ラウンドの実行間隔を1ラウンド以上離しているのは、前のラウンド遊技における特定領域39の開放期間が次のラウンド遊技における特定領域39の開放期間に重ならないようにするためである。また本形態では、振分部材作動ラウンド以外の期間は、振分部材71は特定領域39への通過を妨げる第2状態(図3(B))に制御されている。
V作動ラウンドには、通過困難パターンのV作動ラウンド(V通過(特定領域39への通過)が実質的に不可能なV作動ラウンド)と、通過容易パターンのV作動ラウンド(V通過が容易に可能なV作動ラウンド)とがある。V通過大当たり(大当たり図柄1,2,及び4)では、7R目のラウンド遊技が通過困難パターンのV作動ラウンドとなっており、9R目のラウンド遊技が通過容易パターンのV作動ラウンドとなっている。一方、V非通過大当たり(大当たり図柄3)では、7R目のラウンド遊技も9R目のラウンド遊技も通過困難パターンのV作動ラウンドとなっている。
ここで本形態では、振分部材71の作動パターンに、図9に示す2種類の作動パターン(第1の作動パターンと第2の作動パターン)がある。第1の作動パターンは、12msの閉塞制御(特定領域39への通過が不可能な第2状態(図3(B))への制御)を経て、24msの開放制御(特定領域39への通過が可能な第1状態(図3(A))への制御)を行う作動パターンである。一方、第2の作動パターンは、振分部材71を最長26500msにわたって通過許容状態(第1状態)に制御する作動パターンである。
第1の作動パターンで振分部材71が制御されても、遊技球が特定領域39を通過することはまずない。振分部材71が通過許容状態(第1状態)をとる期間が24msと極めて短いからである。これに対して、第2の作動パターンで振分部材71が制御されると、遊技球が特定領域39を容易に通過できる。振分部材71が通過阻止状態(第2状態)をとる期間がなく、最長26500msにわたり通過許容状態をとり続けるからである。なお、振分部材71は、ラウンド遊技の終了時に通過許容状態(特定領域39を開放している開放状態)に制御されていれば、通過阻止状態(特定領域39を閉塞している閉塞状態)に制御される。また、特定領域39の開放(通過許容状態への制御)をV開放といい、特定領域39の閉鎖を(通過阻止状態への制御)をV閉鎖と言う。また、24msにわたる特定領域39の開放のように、V通過の発生が見込めないV開放をV短開放といい、最長26500msにわたる特定領域39の開放のように、V通過が可能なV開放をV長開放という。
図10に示すように、通過困難パターンのV作動ラウンドでは、大入賞口30への遊技球の入賞個数をカウントする大入賞口入賞カウンタの値が「0」であると判定されたことに基づいて、振分部材71を第1の作動パターンで作動させるが、大入賞口入賞カウンタの値がいくつになっても、第2の作動パターンで作動させることはない。このため、通過困難パターンのV作動ラウンドではV通過の発生は実質的に不可能である。なお、図10では、(1)の区間は、振分部材71が第1の作動パターンで作動している区間を示し、それ以降の(2)の区間は、振分部材71が非作動の区間を示している。
これに対して、通過容易パターンのV作動ラウンドでは、図11に示すように、大入賞口入賞カウンタの値が「0」であると判定されたことに基づいて、振分部材71を第1の作動パターンで作動させ、さらに、大入賞口入賞カウンタの値が「2」(特定値の一例)であると判定されたことに基づいて、振分部材71を第2の作動パターンで作動させる。このため、通過容易パターンのV作動ラウンドではV通過を発生させることが可能である。なお図11では、(1)の区間は、振分部材71が第1の作動パターンで作動している区間を示し、(2)の区間は、振分部材71が非作動の区間を示し、(3)の区間は、振分部材71が第2の作動パターンで作動している区間を示している。
このように本形態のパチンコ遊技機1は、振分部材71の作動が大入賞口入賞カウンタの値に基づいて開始されるものであり、通過困難パターンのV作動ラウンドには、振分部材71の作動契機となる大入賞口入賞カウンタの値が1つしか設定されておらず(「0」のみ)、通過容易パターンのV作動ラウンドには、振分部材71の作動契機となる大入賞口入賞カウンタの値が2つ設定されている(「0」と「2」)。そして、V通過を発生させない予定の第1の作動パターンでの作動契機となる大入賞口入賞カウンタの値は、「0」に設定されている。これにより、次のことに期待できる。
すなわち、V通過を発生させない予定の第1の作動パターンでの作動契機となる大入賞口入賞カウンタの値を、「1」等の「0」ではない値に設定してしまうと、本形態のパチンコ遊技機1のような、大入賞装置31における大入賞口センサ30aの配置位置と振分部材71による分岐部(振分部)までの遊技球の通路長が比較的短い遊技機においては(本形態では大入賞口センサ30aにおける遊技球の通過部の概ね直下に振分部材71による振分部がある、図3参照)、いくら第1の作動パターンにおけるV開放(特定領域39の開放)の期間を短くしても、大入賞口30への入賞球が特定領域39を通過してしまう可能性が生じてしまう。
そこで本形態のように、V通過を発生させるための第2の作動パターンでの作動契機となる大入賞口入賞カウンタの値は、1以上の特定値(本形態では「2」)としながらも、第1の作動パターンでの作動契機となる大入賞口入賞カウンタの値を「0」とすることにより、V作動ラウンドにおける大入賞口30への1球目の入賞球が、大入賞装置31における振分部材71による振分部に達する前に、第1の作動パターンでの作動が終了し易いくなり、意図しないV通過の発生(イレギュラーV通過)を抑制することが可能である。
このように本形態のパチンコ遊技機1では、イレギュラーV通過の抑制策を十分に講じてはいるが、特殊ハズレ(後述するように、時短状態の契機となるハズレ図柄)を搭載している関係上、次の事が懸念される。すなわち、万が一V非通大当たりにおいてイレギュラーV通過が生じた場合には、高確率状態且つ非時短状態に制御されるが、この高確率状態且つ非時短状態中に、特殊ハズレに当選する可能性が生じる。そこで、後述するように、非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルを、通常確率状態であるときと高確率状態であるときとで分けて、特殊ハズレ時には各遊技状態に応じた異なる特図変動パターンが選択されるようにしている(図14(A)参照)。この点については後に詳述する。
[各種乱数]ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「図柄種別乱数」に基づいて行われる。図12(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および図柄種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図12(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図13-1(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図14参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図13-1(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である(図13-1(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図15参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図15参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球サポート状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球サポート状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、V通過大当たりにおいて特定領域39への通過が生じた場合の大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では161回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、V非通過大当たり及びV通過大当たりにおいて特定領域39への通過が生じなかった場合の大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、V非通過大当たりにおいてイレギュラーV通過が生じた場合の大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、所定回数(本形態では161回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「有利遊技状態」と称することとする。また、非時短状態(低ベース状態)を非特典遊技状態とも称し、時短状態(高ベース状態)を特典遊技状態とも称する。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.特殊ハズレ
次に「特殊ハズレ」について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄抽選の結果、ハズレと判定した場合、図柄種別乱数を図13-2に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。
図13-2に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示されるハズレ図柄)の種別と、特図2の抽選で決定されるハズレ図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示されるハズレ図柄)の種別とは、共にそれぞれ2種類である。具体的には特図1の抽選では、99.5%の割合で、「特図1_ハズレ図柄A」に決定し、0.5%の割合で、「特図1_ハズレ図柄B」に決定する。一方、特図2の抽選では、90%の割合で、「特図2_ハズレ図柄C」に決定し、10%の割合で、「特図2_ハズレ図柄D」に決定する。
「特図1_ハズレ図柄A」及び「特図2_ハズレ図柄C」は、通常ハズレであり、「特図1_ハズレ図柄B」及び「特図2_ハズレ図柄D」は、特殊ハズレである。特殊ハズレは、時短状態の制御契機となり得るハズレである。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合、遊技制御用マイコン81は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態に制御することがある。このため、特殊ハズレを、時短ハズレとも称する。なお、「特図1_ハズレ図柄B」、「特図2_ハズレ図柄D」は、特別図柄の停止態様に関する非特定態様の一例である。
ここで、「特図1_ハズレ図柄B」を制御契機とする時短状態では、時短回数(時短状態における特図変動の上限実行回数)は30回に設定される。一方、「特図2_ハズレ図柄D」を制御契機とする時短状態では、時短回数は100回に設定される。このように本形態では、特図2の抽選での特殊ハズレに基づく時短状態は、特図1の抽選での特殊ハズレに基づく時短状態よりも、時短回数が多いため、遊技者にとって有利と言える。なお、「特図2_ハズレ図柄D」を制御契機とする時短状態は、特図2の残保留(時短状態から非時短状態に戻った際に貯まっている特図2保留)に基づく抽選の結果、移行することがある。
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図16~図39に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス、カウンタ、及びタイマ等のリセット等を行う。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図12に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。この場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込む。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次にセキュリティ制御処理(S103)を実行する。セキュリティ制御処理(S103)では、不正行為の有無を検知して、その検知結果に基づいて不正行為の発生を報知する等の処理を行う。不正行為としては、例えば、電チュー22(つまり普通電役)、大入賞口30への不正な入賞、特定領域39への不正な通過、磁気を利用した不正行為(不図示の磁気検知センサによって検知される行為)、電波を利用した不正行為(不図示の電波検知センサによって検知される行為)、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為(不図示の振動検知センサによって検知される行為)等がある。またセキュリティ制御処理(S103)では、補助遊技における電チュー22に対する入排出球数の不一致や、ラウンド遊技における大入賞口30に対する入排出球数の不一致を確認し、不一致が生じればその旨を報知する。
次にタイマ更新処理(S104)を実行する。タイマ更新処理(S104)では、作動中の各種タイマの値の更新(減算)を行う。次いで賞球制御処理(S105)を行う。賞球制御処理(S105)では、入力処理(S102)で読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板110に対して出力されるコマンドである。
次に普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S106)を行う。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S106)は、図16の主制御メイン処理で行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図12に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S106)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S107)、普通動作処理(S108)、特別動作処理(S109)、および特定領域センサ検出処理(S110)を実行する。その後、大入賞口ソレノイド33の駆動データを出力する処理を行う(S111)。つまり大入賞口30を開放したり閉塞したりする。
それから、振分部材71の作動パターンを設定する作動パターン設定処理(S112)、及び、ステップS112で設定した作動パターン等に従って振分部材71を第1状態(通過許容状態)にしたり第2状態(通過阻止状態)にしたりする振分部材制御処理(S113)を行い、その他の処理(S114)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。作動パターン設定処理(S112)および振分部材制御処理(S113)については後述する。その他の処理(S114)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、後述の普図保留球数に基づいて普図保留表示器44をその数を示す表示態様に制御したりする。
そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)で実行される始動口センサ検出処理(S107)について説明する。図18に示すように、始動口センサ検出処理(S107)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図12(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて始動口センサ検出処理(S107)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図12(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図19に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、図12(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S107)に次いで普通動作処理(S108)を行う。図20に示すように、普通動作処理(S108)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値)を読み出し、図13-1(C)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図13-1(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図15の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図15の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S108)に次いで特別動作処理(S109)を行う。特別動作処理(S109)は、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理である。特別動作処理(S109)では、図21に示すように、特別動作ステータスの値を読み出して(S1001)、この値に応じたいずれかの処理(S1002~S1008のうちのいずれかの処理)を実行する。
具体的には、特別動作ステータスの値が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1002)を行う。また、特別動作ステータスの値が「2」である場合には、特別図柄変動中処理(S1003)を行う。また、特別動作ステータスの値が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1004)を行う。また、特別動作ステータスの値が「4」である場合には、大当たり開始処理(S1005)を行う。また、特別動作ステータスの値が「5」である場合には、大当たり開放処理(S1006)を行う。また、特別動作ステータスの値が「6」である場合には、大当たり閉鎖処理(S1007)を行う。また、特別動作ステータスの値が「7」である場合には、大当たり終了処理(S1008)を行う。これらの各処理(S1002~S1008)については後述する。なお、特別動作ステータスの初期値は「1」である。
[特別図柄待機処理]図22に示すように、特別図柄待機処理(S1002)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(V通過大当たり)に当選しやすくなっている(図7(A)参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図23に基づいてまとめて説明する。図23に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85b(詳しくは第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図13-1(A))をセットし(S1502)、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1503)。大当たり判定(S1503)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1504)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(A)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1505)。大当たり図柄種別を判定(S1505)した後は、大当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(A)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1506)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1503)の結果が「大当たり」でなければ、「ハズレ」であるので、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図13-2に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄種別(ハズレの種類)を判定する(S1507)。ハズレ図柄種別を判定(S1507)した後は、ハズレ図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図13-2参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。ハズレ図柄種別の判定により、通常ハズレであるか特殊ハズレであるかが判定される。なお、大当たり判定処理(S1402,S1408)の結果が大当たりであることは、第1の判定結果に相当し、特殊ハズレであることは、第2の判定結果に相当する。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図24及び図25に基づいてまとめて説明する。図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1601)。
非時短状態であれば(S1601でYES)、続いて、通常確率状態であるか否かを判定する(S1602)。そして通常確率状態であれば(S1602でYES)、続いて、大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。ONであれば(S1603でYES)、非時短状態且つ通常確率状態中大当たり用のテーブル(図14(A)に示すテーブルのうち通常確率状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1604)。図14(A)に示すように、特図変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
なお、特図変動パターンには変動演出が関連付けられており、特図変動パターンが決定されると、その特図変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、特図変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、特図変動パターンP2に基づく変動演出ではSPリーチは実行されないがノーマルリーチが実行される(図14(A)に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選確度(大当たり当選である可能性の高さ)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1603において、大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(ハズレ図柄B、又は、ハズレ図柄Dのいずれか)であるか否かを判定する(S1606)。「ハズレ図柄B」又は「ハズレ図柄D」のいずれかであれば(S1606でYES)、非時短状態且つ通常確率状態中特殊ハズレ用のテーブル(図14(A)に示すテーブルのうち通常確率状態且つ特殊ハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターンを選択する(S1607)。
具体的には、ステップS1607では、特図変動パターンP7(第1の変動パターンの一例)が選択される。特図変動パターンP7が選択された場合、後述するように演出制御用マイコン91は、失敗態様のSPリーチを行った後、時短突入演出を行う(図47(A)(C)参照)。時短突入演出により、遊技者には、特殊ハズレに当選し、時短状態に制御されることが示される。なお、特図変動パターンP7の変動時間は、失敗態様のSPリーチを行った後に時短突入演出を行うことから、50秒に設定されている。
またステップS1606において、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレでなければ(S1606でNO)、通常ハズレ(ハズレ図柄A、又は、ハズレ図柄Cのいずれか)であるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1608)。図13-1(B)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも通常ハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1608でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態且つ通常確率状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(図14(A)に示すテーブルのうち通常確率状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1609)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1608でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態且つ通常確率状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(図14(A)に示すテーブルのうち通常確率状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1610)。
なお、リーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い特図変動パターンが選択されるようになっている。
具体的には、ステップS1610では、特図変動パターンP5又はP6が選択される。特図変動パターンP5が選択された場合、後述するように演出制御用マイコン91は、10秒の変動時間に合う通常変動の変動演出を行う(図44(A)(B)(C-1)(D)参照)。これにより、遊技者には、ハズレであることが示される。また、特図変動パターンP6が選択された場合、後述するように演出制御用マイコン91は、5秒の変動時間に合う短縮版の通常変動の変動演出を行う。これにより、遊技者には、ハズレであることが示される。
またステップS1602において、遊技状態が通常確率状態でないと判定した場合(S1602でNO)、すなわち高確率状態であると判定した場合には、図25に示すように、大当たりフラグがONか否かを判定する(S1613)。ONであれば(S1613でYES)、非時短状態且つ高確率状態中大当たり用のテーブル(図14(A)に示すテーブルのうち高確率状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて特図変動パターンを選択する(S1614)。
またステップS1613において、大当たりフラグがONでなければ(S1613でNO)、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(ハズレ図柄B、又は、ハズレ図柄Dのいずれか)であるか否かを判定する(S1616)。「ハズレ図柄B」又は「ハズレ図柄D」のいずれかであれば(S1616でYES)、非時短状態且つ高確率状態中特殊ハズレ用のテーブル(図14(A)に示すテーブルのうち高確率状態且つ特殊ハズレに該当する部分)を参照して、特図変動パターンを選択する(S1617)。具体的には、ステップS1617では、特図変動パターンP17(第2の変動パターンの一例)が選択される。特図変動パターンP17が選択された場合、後述するように演出制御用マイコン91は、10秒の変動時間に合う通常変動の変動演出を行う(図44(A)(B)(C-1)(D)参照)。これにより、遊技者には、ハズレであることが示される。
このように本形態では、非時短状態且つ通常確率状態において特殊ハズレを引いたときには、時短突入演出に関連付けられた特図変動パターンP7(変動時間は50秒)が選択される一方で、非時短状態且つ高確率状態において特殊ハズレを引いたときには、リーチ無しハズレのときと同様に、通常変動の変動演出に関連付けられた特図変動パターンP17(変動時間は10秒)が選択されるようになっている。これは、非時短状態且つ高確率状態のときに特殊ハズレを引いても、時短状態には移行させないからである。
もし仮に、非時短状態且つ通常確率状態用の特図変動パターン判定テーブルとは別に、非時短状態且つ高確率状態用の特図変動パターン判定テーブルを設けず、非時短状態且つ高確率状態であっても特図変動パターンP7を選択する構成とした場合(共通の特図変動パターンを選択する構成とした場合)には、次のような問題が懸念される。すなわち、特図変動パターンP7が選択されることに応じて演出制御用マイコン91が時短突入演出を実行する構成であれば、時短状態には制御されないにもかかわらず時短突入演出が実行されることになり、遊技の実態と演出内容とに齟齬が生じる懸念がある。また、時短状態に制御されないにもかかわらず50秒の変動時間が選択されることとなり、遊技が間延びする懸念がある。そこで本形態では、イレギュラーV通過が生じた場合しか非時短状態且つ高確率状態に制御されることがないとしても、非時短状態且つ高確率状態用の特図変動パターン判定テーブルを、非時短状態且つ通常確率状態用の特図変動パターン判定テーブルとは別に搭載することとし、上記のような問題が生じるのを防止している。
また図25に示すように、ステップS1616において、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレでなければ(S1616でNO)、通常ハズレ(ハズレ図柄A、又は、ハズレ図柄Cのいずれか)であるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1618)。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1618でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態且つ高確率状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(図14(A)に示すテーブルのうち高確率状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1619)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1618でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態且つ高確率状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(図14(A)に示すテーブルのうち高確率状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて特図変動パターンを選択する(S1620)。
具体的には、ステップS1620では、特図変動パターンP15又はP16が選択される。特図変動パターンP15が選択された場合、後述するように演出制御用マイコン91は、10秒の変動時間に合う通常変動の変動演出を行う(図44(A)(B)(C-1)(D)参照)。これにより、遊技者には、ハズレであることが示される。また、特図変動パターンP16が選択された場合、後述するように演出制御用マイコン91は、5秒の変動時間に合う短縮版の通常変動の変動演出を行う。これにより、遊技者には、ハズレであることが示される。
また図24に示すように、ステップS1601において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1601でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、図14(B)に示す時短状態用の特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを選択する(S1625)。
時短状態における特図変動パターンの選択では、参照する特図変動パターン判定テーブルを時短状態用のテーブル(図14(B)参照)にする事以外は非時短状態と同様の流れで処理を行う。
なお、時短状態用の特図変動パターン判定テーブル(図14(B)に示すテーブル)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態用の特図変動パターン判定テーブルは、非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
また、時短状態における特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合には、特図変動パターンP25(第3の変動パターンの一例)が選択される。特図変動パターンP25が選択された場合には、後述するように演出制御用マイコン91は、10秒の変動時間に合う通常変動の変動演出を行う(図44(A)(B)(C-1)(D)参照)。これにより、遊技者には、ハズレであることが示される。これは、リーチ無しハズレの特図変動パターンP23が選択された場合と同様である。
上記のようにして特図変動パターンの選択を行った後は、図24に示すように、選択した特図変動パターンをセットして(S1630)、本処理を終える。ステップS1630でセットした特図変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1002)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図26に示すように、特別図柄変動中処理(S1003)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図14参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図27に示すように、特別図柄確定処理(S1004)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図14参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1802)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1804)。その後、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1805)。そして大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニング設定を行うとともに(S1806)、大当たりのオープニングコマンド(図7(A)参照)をセットする(S1807)。オープニング設定では大当たり遊技のオープニングの時間が所定のタイマにセットされる。
続いて、特別電役作動有効カウンタの値を「10」にセットして(S1808)、本処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技の残回数を示すカウンタである。このカウンタを残ラウンド数カウンタともいう。
また、ステップS1803において大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1809)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図28-1に示すように、遊技状態管理処理(S1802)ではまず、確変フラグがONか否かを判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の実行回数を減算方式でカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「161」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の実行回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2006)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には低確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「100」にセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「161」にセットされるようになっている。この点については後述する。
ステップS2009では、後述する突時設定処理を行う。そして、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2010)、本処理を終える。
[突時設定処理]図28-2に示すように、突時設定処理(S2009)ではまず、時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S2011)。時短フラグがOFFでなければ、本処理を終えるが、時短フラグがOFFであれば、続いて、確変フラグがOFFであるか否かを判定する(S2012)。そして、確変フラグがOFFでなければ、本処理を終えるが、時短フラグがOFFであれば、続いて、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(時短ハズレ)であるか否かを判定する(S2013)。
ステップS2013においてハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(ハズレ図柄Bまたはハズレ図柄D)でないと判定した場合は(S2013でNO)、本処理を終える。これに対して、ハズレ図柄の種別が特殊ハズレ(ハズレ図柄Bまたはハズレ図柄D)であれば(S2013でYES)、時短フラグをONにするとともに(S2014)、ハズレ図柄の種別に応じた時短回数(図13-2参照)を時短カウンタにセットして(S2015)、本処理を終える。
このように本形態では、非時短状態且つ通常確率状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄Bまたはハズレ図柄D)が停止表示されることに応じて、時短状態に設定され、非時短状態且つ通常確率状態以外の遊技状態(非時短状態且つ高確率状態や時短状態)において特殊ハズレが停止表示されても、遊技状態の設定は変わらずに維持される。なお、特殊ハズレに基づく時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。
[遊技状態リセット処理]図29に示すように、遊技状態リセット処理(S1804)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
[大当たり開始処理]図30に示すように、大当たり開始処理(S1005)ではまず、大当たりのオープニングの時間が経過したか否かを判定する(S2301)。経過していなければ、直ちに本処理を終える。経過していれば、大入賞口動作設定処理(S2302)を行う。
[大入賞口動作設定処理]図31に示すように、大入賞口動作設定処理(S2302又はS2809)ではまず、特別動作ステータスの値を「5」にセットする(S2401)。次いで、1R分の大入賞口の動作設定を行う(S2402)。つまり、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図8参照)で大入賞口が開放されるように、これから実行するラウンドに応じた開放態様をセットする。具体的には例えば、特図1_大当たり図柄1に当選しており、これから1ラウンド目を開始する場合には、ロング開放の動作を開始するための駆動データを設定する。ステップS2402の実行後に、図17のステップS111の処理(大入賞口ソレノイドの駆動データ出力処理)が実行されると、大入賞口(大入賞口30)が開放される。
続いて、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値を1減算する(S2403)。そして、これから実行するラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技かを示す情報を含むラウンド指定コマンド(図7(A)参照)を、RAM84の出力バッファにセットする(S2404)。次いで、特別電役作動回数カウンタの値を1加算する(S2405)。特別電役作動回数カウンタは、実行したラウンド遊技の回数をカウントするカウンタである。このカウンタを、実行ラウンド数カウンタともいう。
続いて遊技制御用マイコン81は、これから実行するラウンド遊技が、振分部材作動ラウンド(振分部材71を作動させるラウンド)であるか否かを判定する(S2406)。具体的には、7R目あるいは9R目のラウンド遊技であれば、振分部材作動ラウンドであると判定し、それ以外のラウンド遊技であれば、振分部材作動ラウンドではないと判定する(図8参照)。
ステップS2406の判定結果がNOであれば、V作動ラウンドフラグの値を「0」に設定して(S2407)、本処理を終える。V作動ラウンドフラグは、V作動ラウンドであるか否か、及び、V作動ラウンドであれば通過困難パターンと通過容易パターンの何れのV作動ラウンドであるかを示すフラグである。V作動ラウンドフラグは、図31中の表に示すように、非V作動ラウンドであれば(V作動ラウンドでなければ)、「0」に設定され、通過困難パターンのV作動ラウンドであれば、「1」に設定され、通過容易パターンのV作動ラウンドであれば、「2」に設定される。V作動ラウンドフラグの初期値は「0」である。
ステップS2406の判定結果がYESであれば、これから実行するラウンド遊技はV作動ラウンド(振分部材作動ラウンド)であるため、続いて、通過困難パターンのV作動ラウンドであるか否かを判定する(S2408)。ステップS2408の判定結果がYESであれば、V作動ラウンドフラグの値を「1」に設定して(S2409)、本処理を終える。一方、ステップS2408の判定結果がNOであれば、これから実行するラウンド遊技は通過容易パターンのV作動ラウンドであるため、V作動ラウンドフラグの値を「2」に設定して(S2410)、本処理を終える。
[大当たり開放処理]図32に示すように、大当たり開放処理(S1006)ではまず、後述する大入賞口センサ検出処理(S2501)を行ってステップS2502に進む。ステップS2502では、大入賞口入賞カウンタの値が「10」以上であるか否かを判定する。大入賞口入賞カウンタは、1回のラウンド遊技における大入賞口への総入賞球数を加算方式にてカウントするカウンタである。このカウンタのカウントアップは、ステップS2501で行われる。
ステップS2502の判定結果がNOであれば、続いて、大入賞口動作タイマの値が「0」でないか否かを判定する(S2503)。大入賞口動作タイマは、大入賞口の開放時間(図8参照)を計測するためのタイマである。ステップS2503において大入賞口動作タイマの値が「0」でなければ(S2503でYES)、まだ大入賞口の開放時間中であるため、直ちに本処理を終える。
ステップS2502でYESと判定された場合や、ステップS2503でNOと判定された場合(つまり大入賞口の閉鎖条件が満たされた場合)には、ステップS2504に進む。ステップS2504では、大入賞口30の閉鎖設定を行う。この処理により大入賞口30は閉鎖される。
続くステップS2505では、特別動作ステータスの値を「6」にセットする。そして、大入賞口の球ハケ時間(つまりラウンド間インターバルの時間、本形態では2000ms)を、大入賞口動作タイマにセットして(S2506)、本処理を終える。
[大入賞口センサ検出処理]図33に示すように、大入賞口センサ検出処理(S2502又はS2801)ではまず、大入賞口30への通過があったか否か(つまり大入賞口センサ30aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S2701)。通過検知がなければ(S2701でNO)、直ちに本処理を終える。一方、通過検知があれば(S2701でYES)、大入賞口30への入賞があったことをサブ制御基板90に通知するための大入賞口入賞コマンドを出力バッファにセットする(S2702)。
続いて、大入賞口入賞カウンタの値が「10」以上か否かを判定する(S2703)。10以上であれば(S2703でYES)、オーバー入賞であるため直ちに本処理を終える。これに対して、10未満であれば(S2703でNO)、大入賞口入賞カウンタの値を1加算して(S2704)、本処理を終える。
[大当たり閉鎖処理]図34に示すように、大当たり閉鎖処理(S1007)ではまず、大入賞口センサ検出処理(図33参照)を行って(S2801)、ステップS2804に進む。大入賞口センサ検出処理(S2801)を行うのは、球ハケ期間(つまりラウンド間インターバル)に大入賞口センサ30aに遊技球が検知されることがあるのを考慮してのことである。
続いてステップS2804では、大入賞口の球ハケ時間が経過したか否かを判定する。経過していなければ(S2804でNO)、直ちに本処理を終える。一方、経過していれば(S2804でYES)、続いて、作動パターンフラグの値が、非作動に対応した値「0」でないかどうかを判定する(S2805)。作動パターンフラグの値が「0」でなければ、振分部材71の作動を終了させるため、作動パターンフラグの値を「0」に設定して(S2806)、ステップS2807に進む。一方、作動パターンフラグの値が「0」であれば、直ちにステップS2807に進む。なお、作動パターンフラグは、振分部材71の作動に係るフラグであり、図34中の表に示すように、非作動中は「0」に設定され、第1の作動パターン(図9参照)で作動させるときには「1」に設定され、第2の作動パターン(図9参照)で作動させるときには「2」に設定される。作動パターンフラグの初期値は「0」である。
ステップS2807では、大入賞口入賞カウンタの値を「0」にクリアする。そして遊技制御用マイコン81は、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値が「0」であるか否かを判定する(S2808)。「0」でなければ(S2808でNO)、まだ未実行のラウンド遊技が残っているため、既に図31に基づいて説明した大入賞口動作設定処理を行って(S2809)、本処理を終える。
一方、ステップS2808で「0」であると判定した場合には、実行中の大当たり遊技における全てのラウンド遊技が終わっているため、特別動作ステータスを「7」にセットする(S2810)。そして、この大当たり遊技の実行中に特定領域39への通過があったか否かを判定する(S2811)。この判定は、後述するVフラグの値を参照して行う。
ステップS2811の判定結果がYESであれば、V通過時の大当たりエンディング設定を行うとともに(S2812)、V通過時のエンディングコマンド(図7(A)参照)を出力バッファにセットする(S2813)。一方、ステップS2811の判定結果がNOであれば、V未通過時の大当たりエンディング設定を行うとともに(S2814)、V未通過時のエンディングコマンド(図7(A)参照)を出力バッファにセットする(S2815)。なお、大当たりエンディング設定では、大当たり遊技のエンディングの時間が所定のタイマにセットされる。
[大当たり終了処理]図35に示すように、大当たり終了処理(S1008)ではまず、大当たり遊技のエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S3001)、エンディング時間が経過していなければ(S3001でNO)、直ちに本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S3001でYES)、大当たりフラグをOFFし(S3002)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S3003)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1002)が実行されることになる。その後、遊技状態設定処理(S3004)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図36に示すように、遊技状態設定処理(S3004)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S3101)。Vフラグは特定領域39への有効な通過があったことを示すフラグであり、後述する特定領域センサ検出処理(図37)でONされるフラグである。VフラグがONでなければ(S3101でNO)、時短フラグをONするとともに(S3102)、時短カウンタに「100」をセットして(S3103)、ステップS3110に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS3101においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S3104)、確変カウンタに「161」をセットする(S3105)。その後、VフラグをOFFする(S3106)。続いて、今回当選した大当たり図柄が「大当たり図柄3」であるか否かを判定する(S3107)。大当たり図柄3でなければ、V通過大当たりにおける予定通りのV通過であるため、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONするとともに(S3108)、時短カウンタに「161」をセットして(S3109)、ステップS3110に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が161回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
これに対して、ステップS3107において、今回当選した大当たり図柄が「大当たり図柄3」であると判定した場合は、V非通過大当たりにおけるイレギュラーV通過であるため、遊技制御用マイコン81は、時短状態を設定することなく(ステップS3108,S3109を行うことなく)、ステップS3110に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ非時短状態且つ低ベース状態(すなわち高確低ベース状態)になる。この高確低ベース状態は、特別図柄の可変表示が161回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS3110では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、遊技状態設定処理を終える。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S109)に次いで特定領域センサ検出処理(S110)を行う。特定領域センサ検出処理(S110)では図37に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S3201)。ステップS3201にて検知なしと判定した場合には(S3201でNO)、直ちに本処理を終了する。一方、検知ありと判定した場合には(S3201でYES)、続いて、V有効期間中か否かを判定する(S3202)。なお、特定領域39(V領域)の有効、無効の設定については後述する。
V有効期間中でなければ(S3202でNO)、直ちに本処理を終える。これに対して、V有効期間中であれば(S3202でYES)、続いて、VフラグがOFFであるか否かを判定する(S3203)。VフラグがOFFであれば(ステップS3203でYES)、VフラグをONするとともに(S3204)、V通過コマンドをセットして(S3205)、本処理を終える。ステップS3203の判定結果がNOであれば(つまり既にVフラグがONであれば)、ステップS3204及びS3205を行うことなく、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過があったことを通知するためのコマンドである。
[作動パターン設定処理]遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検出処理(S110)に続いて大入賞口ソレノイドの駆動データ出力処理を行った後(図17参照)、作動パターン設定処理(S112)を行う。作動パターン設定処理(S112)では図38に示すように、まず、作動パターンフラグの値が「0」であるか否かを判定する(S3301)。この判定結果がNOであれば、振分部材71を第1の作動パターン若しくは第2の作動パターンで作動させている最中であるため、直ちに本処理を終える。
これに対して、ステップS3301の判定結果がYESであれば、続いて、V作動ラウンドフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S3302)。この判定結果がYESであれば、通過困難パターンのV作動ラウンド中(大当たり図柄1~4の7R目、若しくは、大当たり図柄3の9R目、図8参照)であるため、大入賞口入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S3303)。そして、大入賞口入賞カウンタの値が「0」でなければ本処理を終えるが、大入賞口入賞カウンタの値が「0」であれば、振分部材71を第1の作動パターンで作動させるため、作動パターンフラグの値を「1」に設定して(S3304)、本処理を終える。なお、ステップS3303の判定処理は、V作動ラウンドが開始されてから(V作動ラウンドにおいて大入賞口30を開放させる処理(ステップS2402の後のステップS111)が行われてから)、大入賞口30への入賞判定(図33に示すステップS2701)が初めて行われるよりも前に、行われる処理である。このため、V作動ラウンドの開始と同時に大入賞口30への入賞球が生じても、第1の作動パターンでの振分部材71の作動がなされなくなってしまうことはない。
また、ステップS3302における判定結果がNOであれば、続いて、V作動ラウンドフラグの値が「2」であるか否かを判定する(S3305)。この判定結果がYESであれば、通過容易パターンのV作動ラウンド中(大当たり図柄1,2,4の9R目、図8参照)であるため、大入賞口入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S3306)。そして、大入賞口入賞カウンタの値が「0」でなければステップS3308に進むが、大入賞口入賞カウンタの値が「0」であれば、振分部材71を第1の作動パターンで作動させるため、作動パターンフラグの値を「1」に設定して(S3307)、ステップS3308に進む。なお、ステップS3308の判定処理も、ステップS3303の判定処理と同様、V作動ラウンドが開始されてから、大入賞口30への入賞判定(図33に示すステップS2701)が初めて行われるよりも前に、行われる処理である。
ステップS3308では、大入賞口入賞カウンタの値が「2」(特定値)であるか否かを判定する。そして、大入賞口入賞カウンタの値が「2」でなければ本処理を終えるが、大入賞口入賞カウンタの値が「2」であれば、振分部材71を第2の作動パターンで作動させるため、作動パターンフラグの値を「2」に設定して(S3309)、本処理を終える。なお、ステップS3308の判定処理は、通過容易パターンのV作動ラウンドにおいて第1の作動パターンでの振分部材の作動が終了し、作動パターンフラグが「0」に戻された後に(後述のステップS3410参照)、行われる処理である。
なお、ステップS3305の判定結果がNOである場合には、V作動ラウンドではないため、直ちに本処理を終える。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、作動パターン設定処理(S112)に次いで振分部材制御処理(S113)を行う。振分部材制御処理(S113)では図39に示すように、まず、作動パターンフラグの値が「1」であるか否かを判定する(S3401)。この判定結果がYESであれば、第1の作動パターン(12msにわたってV閉鎖を維持した後に24msのV開放を行って通過阻止状態に戻す作動パターン)での制御期間である。よって遊技制御用マイコン81は、特定領域39の開放タイミングであるか否かを判定し(S3402)、開放タイミングでなければ(12msのV閉鎖の期間が経過したタイミングでなければ)、ステップS3406に進み、開放タイミングであれば(12msのV閉鎖の期間が経過したタイミングであれば)、振分部材ソレノイド73をONにする(すなわち振分部材71を通過許容状態に制御する、ステップS3403)。なお、ここでのV開放の時間は24msである。
ステップS3403に続いて、遊技制御用マイコン81は、特定領域タイマの値を設定する(S3404)。具体的には、24ms後に振分部材71を通過阻止状態に戻す必要があるため、24msに対応した値を特定領域タイマの値に設定する。そして遊技制御用マイコン81は、ステップS3404に続いて、特定領域の有効化処理(S3405)を行って、ステップS3406に進む。特定領域の有効化処理(S3405)では、V有効期間に設定する(特定領域39を有効に設定する)。
ステップS3406では、特定領域39の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。閉鎖タイミングでなければ(24msのV開放の期間が経過したタイミングでなければ)、本処理を終え、閉鎖タイミングであれば(24msのV開放の期間が経過したタイミングであれば)、振分部材ソレノイド73をOFFにする(すなわち振分部材71を通過阻止状態に制御する、ステップS3407)。
ステップS3407に続いて、遊技制御用マイコン81は、特定領域の無効化処理(S3409)を行う。特定領域の無効化処理(S3409)では、V無効期間に設定する(特定領域39を無効に設定する)。そして遊技制御用マイコン81は、作動パターンフラグの値を、非作動に対応する値「0」に設定して(S3410)、本処理を終える。なお、特定領域39を無効に設定するタイミングは、ステップS3407で振分部材ソレノイド73をOFFにしてから所定の球ハケ期間(例えば1000ms)が経過したタイミングとしてもよい。
また、ステップS3401において作動パターンフラグの値が「1」でないと判定した場合には(S3401でNO)、続いて、作動パターンフラグの値が「2」であるか否かを判定する(S3411)。ステップS3411において、作動パターンフラグの値が「2」であると判定した場合には(S3411でYES)、第2の作動パターン(最長26500msにわたってV開放を行う作動パターン)での制御期間である。よって遊技制御用マイコン81は、特定領域39の開放タイミングであるか否かを判定し(S3412)、開放タイミングでなければ(26500msのV開放を開始するタイミングでなければ)、ステップS3416に進み、開放タイミングであれば(26500msのV開放を開始するタイミングであれば)、振分部材ソレノイド73をONにする(すなわち振分部材71を通過許容状態に制御する、ステップS3413)。
ステップS3413に続いて、遊技制御用マイコン81は、特定領域タイマの値を設定する(S3414)。具体的には、26500ms後に振分部材71を通過阻止状態に戻す必要があるため、26500msに対応した値を特定領域タイマの値に設定する。そして遊技制御用マイコン81は、ステップS3414に続いて、特定領域の有効化処理(S3415)を行って、ステップS3416に進む。特定領域の有効化処理(S3415)では、V有効期間に設定する(特定領域39を有効に設定する)。
ステップS3416では、特定領域39の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。閉鎖タイミングでなければ(26500msのV開放の期間が経過したタイミングでなければ)、本処理を終え、閉鎖タイミングであれば(26500msのV開放の期間が経過したタイミングであれば)、振分部材ソレノイド73をOFFにする(すなわち振分部材71を通過阻止状態に制御する、ステップS3417)。
ステップS3417に続いて、遊技制御用マイコン81は、特定領域の無効化処理(S3419)を行う。特定領域の無効化処理(S3419)では、V無効期間に設定する(特定領域39を無効に設定する)。そして遊技制御用マイコン81は、作動パターンフラグの値を、非作動に対応する値「0」に設定して(S3420)、本処理を終える。なお、特定領域39を無効に設定するタイミングは、ステップS3417で振分部材ソレノイド73をOFFにしてから所定の球ハケ期間(例えば1000ms)が経過したタイミングとしてもよい。
また、ステップS3411において作動パターンフラグの値が「2」でないと判定した場合には(S3411でNO)、続いて、振分部材ソレノイド73がONであるか否かを判定する(S3421)。この判定結果がYESであれば、V作動ラウンドの終了に伴うV閉鎖を行うため、振分部材ソレノイド73をOFFする(S3422)。そして、V無効期間に設定するため、特定領域の無効化処理(S3423)を行って、本処理を終える。一方、ステップS3421において振分部材ソレノイド73がONでないと判定した場合には、直ちに本処理を終える。
7.演出制御用マイコン91の動作
次に、図40~図42に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、図40に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示画面7a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体15を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図41に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ66、および盤ランプ5などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をランプ制御基板107に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、発光データに従って枠ランプ66、および盤ランプ5などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体15などの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、盤可動体15などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図42に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によってRAM94の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン63やセレクトボタン64といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板106への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン91が遊技制御用マイコン81からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン91が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
より詳細には、演出制御用マイコン91は、図43に示す変動演出パターン判定テーブルに従って、変動演出パターン(サブ変動パターン)を選択する。例えば、遊技制御用マイコン81から受信した変動開始コマンドが示す特図変動パターンがP7(非時短状態且つ通常確率状態で特殊ハズレを引いたときに選択される特図変動パターン)であれば、演出制御用マイコン91は、変動演出パターンTHP007を選択する。そして、これに対応する変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されること等により、失敗態様のSPリーチから時短突入演出へと繋がる50秒の変動演出が実行されることとなる。
また例えば、遊技制御用マイコン81から受信した変動開始コマンドが示す特図変動パターンがP17(非時短状態且つ高確率状態で特殊ハズレを引いたときに選択される特図変動パターン)であれば、演出制御用マイコン91は、変動演出パターンTHP017を選択する。そして、これに対応する変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されること等により、10秒の通常変動においてハズレを示す「どはずれ演出」が実行されることとなる。
また例えば、遊技制御用マイコン81から受信した変動開始コマンドが示す特図変動パターンがP25(時短状態で特殊ハズレを引いたときに選択される特図変動パターン)であれば、演出制御用マイコン91は、変動演出パターンTHP025を選択する。そして、これに対応する変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されること等により、10秒の通常変動においてハズレを示す「どはずれ演出」が実行されることとなる。
このように本形態では、通常遊技状態で特殊ハズレを引いたときには、時短状態に移行するため、時短突入演出を実行するが、高確率状態や時短状態中に特殊ハズレを引いても、遊技状態は変更されないため、どはずれ演出を実行するようにしている。なお、非時短状態且つ高確率状態において、特殊ハズレを引いた場合に選択される特図変動パターンはP17であり、この場合には、演出制御用マイコン91は「どはずれ演出」に対応する変動演出パターンとしてTHP017を選択するが、通常ハズレを引いた場合に選択される特図変動パターンはP15又はP16であり、この場合には、演出制御用マイコン91は「どはずれ演出」に対応する変動演出パターンとしてTHP015又はTHP016を選択する。つまり、特殊ハズレを引いても通常ハズレを引いても、どはずれ演出を実行するが、変動演出パターンとしては区別されている。
また、時短状態において、特殊ハズレを引いた場合に選択される特図変動パターンはP25であり、この場合には、演出制御用マイコン91は「どはずれ演出」に対応する変動演出パターンとしてTHP025を選択するが、通常ハズレを引いた場合に選択される特図変動パターンはP23又はP24であり、この場合には、演出制御用マイコン91は「どはずれ演出」に対応する変動演出パターンとしてTHP023又はTHP024を選択する。つまり、特殊ハズレを引いても通常ハズレを引いても、どはずれ演出を実行するが、変動演出パターンとしては区別されている。
そして本形態では、後述するように、特殊ハズレを引いた場合には小図柄KZ1,KZ2,KZ3を「1・3・5」の特定目で停止表示させる一方、通常ハズレを引いた場合には小図柄KZ1,KZ2,KZ3を「5・2・1」等のバラケ目(ハズレ目)で停止表示させる。よって遊技者は、どはずれ演出の実行時でも、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を注視することで、特殊ハズレを引いたことを認識することが可能である。
8.本形態における演出例
8-1.変動演出
次に、本形態のパチンコ遊技機1における演出例について、図44~図48に基づいて説明する。まず、変動演出について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る特図変動パターンおよび特別図柄抽選の結果(大当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および、特図変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面7aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる。演出図柄8L,8C,8Rの変動表示では、演出図柄8L,8C,8Rが変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示が行われる。そして、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示によって特別図柄抽選の結果が報知される。
8-1-1.演出図柄表示領域
画像表示装置7の表示画面7aには、図44(A)に示すように、表示画面7aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3が設けられている。左演出図柄領域50b1は、変動演出における演出図柄8L,8C,8Rの停止表示のときに、左演出図柄8Lを表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rを表示する領域である。
また、図44(A)に示すように、表示画面7aの上端部の左端の一区画(左上部)には、小図柄領域50cが設けられている。小図柄領域50cは、特別図柄の変動表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。なお、演出図柄8L,8C,8Rは、変動演出中に非表示となることがあるのに対して、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は非表示となることがない。この点において、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は演出図柄8L,8C,8Rの役割を補う図柄として機能する。
なお、図44(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
8-1-2.通常変動
パチンコ遊技機1は、変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特別図柄の変動表示が開始されると、例えば、図44(A)に示すように、表示画面7aにおいて、左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、図44(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」(リーチ無しハズレの変動)の場合には、図44(C―1)に示すように、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが異なる停止態様で仮停止してから、図44(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で一斉に停止表示する。このような変動演出が「どはずれ演出」である。
一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」(ノーマルリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)などのリーチ有りの変動パターンの場合には、図44(C―2)に示すように、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄8L,8C,8Rの停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
8-1-3.Nリーチ(ノーマルリーチ)
パチンコ遊技機1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図45(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図45(B)に示すように、中演出図柄8Cの変動速度が徐々に減速していく。そして、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図45(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「N大当たり変動」(ノーマルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図45(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄8Cが徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
また、ハズレを示唆する演出図柄8L,8C,8Rの停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン91によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン91によって選択される。
8-1-4.SPリーチ
パチンコ遊技機1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図46(A)に示すように、表示画面7aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面7aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図46(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」(SPリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図46(C―1)に示すように、表示画面7aに、大当たりを示唆する成功演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」(SPリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)の場合には、図46(C―2)に示すように、ハズレを示唆する失敗演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rがハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、成功演出に分岐するSPリーチを、成功態様のSPリーチといい、失敗演出に分岐するSPリーチを、失敗態様のSPリーチという。
8-1-5.非時短状態且つ通常確率状態における特殊ハズレに基づく変動演出
次に、非時短状態且つ通常確率状態における特図抽選の結果が、時短状態への制御契機となる特殊ハズレ(ハズレ図柄Bやハズレ図柄D)である場合の変動演出について説明する。演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から受信した変動開始コマンドが示す変動パターンが「P7」である場合、変動パターンが「P1」や「P3」である場合と同様、SPリーチを伴う変動演出を実行する(図14(A)参照)。
このSPリーチでは、図47(A)に示すように、失敗演出(敗北演出)が実行される。ここで、特図抽選の結果が通常ハズレ(ハズレ図柄A又はハズレ図柄C)の場合には、SPリーチで失敗演出が実行されると、バラケ目で仮停止表示されている演出図柄8L,8C,8Rはそのまま確定的に停止表示され、これに合わせて、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もバラケ目(リーチバラケ目)で停止表示される(図47(B)参照)。なお、このような変動演出は、特図変動パターンがP3であって変動演出パターンがTHP003である場合に実行される。
これに対して、特図抽選の結果が特殊ハズレ(ハズレ図柄B又はハズレ図柄D)の場合には、SPリーチで失敗演出が実行されると、演出図柄8L,8C,8Rが確定的に停止表示されることなく、復活画像G70が表示画面7aに表示される(図47(C)参照)。なお本形態では、復活画像G70は、主人公キャラクタの仲間のキャラクタの画像である。
復活画像G70が表示されることにより、遊技者には時短状態に移行することが示唆される。つまり、復活画像G70を表示する演出は、時短状態に移行することを示唆する演出や、特図抽選の結果が通常ハズレではないことを示唆する演出として機能する。なお、復活画像G70を表示する演出を、時短突入演出(特定演出の一例)と称する。時短突入演出の演出内容は、適宜変更可能である。
その後、図47(D)に示すように、演出制御用マイコン91は、復活画像G70を非表示とするとともに、中演出図柄8Cを特殊図柄TZとする特殊目で演出図柄8L,8C,8Rを仮停止表示する。本形態では、特殊図柄TZは、移行先の時短状態に対応する演出モード(後述の空背景モード)の名称の文字(〇〇背景)を含む画像である。そして、この特殊目で演出図柄8L,8C,8Rを確定的に停止表示するとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を、「1・3・5」の特定目で停止表示する(図47(E)参照)。なお、このような変動演出は、特図変動パターンがP7であって変動演出パターンがTHP007である場合に実行される。
このように本形態では、演出図柄8L,8C,8Rが特殊目で停止表示されることや、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特定目で停止表示されることによっても、時短状態に移行することが示唆される。すなわち、演出図柄8L,8C,8Rが特殊目で停止表示されることや、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特定目で停止表示されることは、時短状態に移行すること(特殊ハズレを引いたこと)を遊技者に示唆する演出として機能する。なお、演出図柄8L,8C,8Rの特殊目や、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の特定目は、適宜変更可能である。
8-1-6.非時短状態且つ高確率状態や時短状態における特殊ハズレに基づく変動演出
次に、非時短状態且つ高確率状態や時短状態における特図抽選の結果が、特殊ハズレ(ハズレ図柄Bやハズレ図柄D)である場合の変動演出について説明する。演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から受信した変動開始コマンドが示す変動パターンが「P17」である場合には、変動パターンが「P15」である場合と同様、ノーマルリーチやSPリーチに発展しない通常変動の変動演出(どはずれ演出)を実行する(図43参照)。また、演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から受信した変動開始コマンドが示す変動パターンが「P25」である場合には、変動パターンが「P23」である場合と同様、ノーマルリーチやSPリーチに発展しない通常変動の変動演出(どはずれ演出)を実行する(図43参照)。
すなわち、これらの場合には、図44(A)(B)(C-1)(D)の流れで演出を実行する。但し、これらの変動演出(特図変動パターンがP17であって変動演出パターンがTHP017である場合の変動演出や、特図変動パターンがP25であって変動演出パターンがTHP025である場合の変動演出)では、演出図柄8L,8C,8Rを非リーチハズレ目で停止表示させるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を「1・3・5」の特定目で停止表示させるものとする(不図示)。これにより、特殊ハズレに基づく時短状態への制御はなされないものの、遊技者が小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止態様によって特殊ハズレに当選したことを認識できるようにしている。なお、非時短状態且つ高確率状態や時短状態における特図抽選の結果が、特殊ハズレ(ハズレ図柄Bやハズレ図柄D)である場合の小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止態様を、特定目ではなく、バラケ目(例えば「5・2・1」等)としてもよい。
8-2.特殊ハズレに基づく時短状態に対応する演出モード
次に、特殊ハズレ(ハズレ図柄Bやハズレ図柄D)を契機とする時短状態の演出モードについて説明する。パチンコ遊技機1は、特図抽選の結果が「ハズレ図柄B」である場合、時短回数が30回の時短状態に制御し、特図抽選の結果が「ハズレ図柄D」である場合、時短回数が100回の時短状態に制御する(図13-2参照)。これらの時短状態では、演出制御用マイコン91は、図48に示す空背景が表示される空背景モードに設定する。空背景が表示画面7aに表示されることにより、遊技者には、特殊ハズレに基づく時短状態に移行したことが示唆される。
なお、空背景モードでは、右打ちすべき旨を報知する右打ち報知画像RIや、時短状態の終了までの残りの特図変動の回数を示唆する残回数表示ZIを、表示画面7aに表示する。残回数表示ZIを、終了時期示唆表示とも言う。ちなみに本形態のパチンコ遊技機1は、大当たりを契機とする時短状態では、空背景モードとは異なる他の演出モード(例えば所定の夜背景が表示される夜背景モード)に設定するが、この演出モードにおいても、右打ち報知画像RIや残回数表示ZIは表示画面7aに表示される。これに対して、非時短状態(通常確率状態且つ非時短状態、高確率状態且つ非時短状態)では、例えば所定の昼背景が表示される昼背景モードに設定されるが、この演出モードでは、右打ち報知画像RIや残回数表示ZIは表示されない。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1では、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機において、高確率状態であるときに特殊ハズレとなっても、非時短状態から時短状態に制御しない(図28-2参照)。よって、V非通過大当たりにおけるイレギュラーV通過など、意図しない特定領域39への通過が万が一発生し、高確率状態に制御されてしまった場合でも、特殊ハズレに基づいてさらに時短状態になってしまうのを防止することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常確率状態且つ非時短状態において特殊ハズレとなった場合(つまり時短状態に制御される場合)には特図変動パターンP7が選択され、高確率状態且つ非時短状態において特殊ハズレとなった場合(つまり時短状態に制御されない場合)には特図変動パターンP17が選択される(図14(A)参照)。そして、特図変動パターンP7が選択された場合には、これに応じた演出として、時短状態に制御されることを示す時短突入演出が実行される(図43参照)。これに対して、特図変動パターンP17が選択された場合には、これに応じた演出として、ハズレであることを示す「どはずれ演出」が実行される(図43参照)。よって、時短状態に制御されないのに時短状態に制御されることを示す演出が実行されてしまう事態の発生を防止でき、遊技者を誤解させることを防止可能である。すなわち、遊技の実態に即した適切な演出が実行されることによって、遊技の展開を誤解させないことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確率状態且つ非時短状態において特殊ハズレとなった場合に選択される特図変動パターンP17の変動時間(10000ms)は、通常確率状態且つ非時短状態において特殊ハズレとなった場合に選択される特図変動パターンP7の変動時間(50000ms)よりも短い。よって、時短状態に制御されないにも関わらず、時短状態に制御される場合と同様の長い変動が行われるのを防止可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、V作動ラウンドにおける大入賞口30への入賞球数が「2」(特定値の一例)である旨の判定がなされたことに基づいて、振分部材71を第2の作動パターン(最長26500msのV開放を含む作動パターン)で作動させて、特定領域39への通過を可能にすることと、V作動ラウンドにおける大入賞口30への入賞球数が「0」である旨の判定がなされたことに基づいて、大入賞口30への入賞がまだ1球も発生していないときから、振分部材71を第1の作動パターン(24msのV開放を含む作動パターン)で作動させることとを組み合わせることにより、新たな個数管理型の振分部材71の制御手法(個数管理型でありながらV作動ラウンドにおけるV開放のタイミングが早い制御手法)が提供されている。なお、24msのV開放は第1開放制御に相当し、最長26500msのV開放は第2開放制御に相当する。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、V作動ラウンドにおける大入賞口30への入賞球数が「0」である旨の判定がなされたことに基づいて振分部材71が第1の作動パターンで作動された場合には、V開放の時間が24ms(第1の時間の一例)と短く、V作動ラウンドにおける大入賞口30への入賞球数が「2」である旨の判定がなされたことに基づいて振分部材71が第2の作動パターンで作動された場合にはV開放の時間が最長26500ms(第2の時間の一例)と長いため、前者の場合の特定領域39への通過の可能性と、後者の場合の特定領域39への通過の可能性とを異ならせる(前者の場合を後者の場合よりも低くする)ことが可能である。
ここで仮に、V短開放(24msのV開放)の実行契機を、大入賞口30への入賞球数が「0」である旨の判定時ではなく、1球以上の所定値である旨の判定時としてしまうと、本パチンコ遊技機1のように、大入賞口センサ30aから振分部材71による分岐部までの遊技球の通路長が5cm以下と短い遊技機においては、いくら特定領域39の開放時間を短くしても、入賞球が特定領域39を通過する可能性がある程度出てしまうおそれがある。そこで本形態では、大入賞口30への入賞球数が「0」である旨の判定に基づいてV短開放を行うことにより、特定領域39への通過の可能性を極めて低くすることが可能である。
なお本形態のパチンコ遊技機1では、V作動ラウンドにおける大入賞口30への入賞球数が「0」である旨の判定がなされたことに基づいてV開放を行う場合には、V開放の前に12ms(所定時間)にわたるV閉鎖を行う。そのため、V閉鎖を行うことなく24msのV開放を行う構成に比べて、V閉鎖の期間中に大入賞口30への入賞が発生する可能性がある分、僅かながら特定領域39への通過の可能性が高められ、特定領域39への通過に期待感を持たせることが可能である。なお、12msのV閉鎖は閉塞制御に相当する。
また本形態のパチンコ遊技機1では、V作動ラウンドにおける大入賞口30への入賞球数が「2」である旨の判定がなされたことに基づいてV開放を行う場合には、V閉鎖に維持される期間を経ることなく直ちにV開放を行う。そのため、スムーズな特定領域39への通過の発生が可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、高確率状態且つ非時短状態における特殊ハズレ時に選択される特図変動パターンと、通常確率状態且つ非時短状態における特殊ハズレ時に選択される特図変動パターンとが異なる構成とした。これに対して、高確率状態且つ非時短状態であっても通常確率状態且つ非時短状態であっても、遊技制御用マイコン81は、特殊ハズレ時に同じ変動パターン(特定の変動パターン)を選択する構成とし、その特定の変動パターンが選択された場合には、演出制御用マイコン91が、高確率状態且つ非時短状態であるか、通常確率状態且つ非時短状態であるかに応じて、異なる変動演出パターンを選択する構成としてもよい。具体的には、演出制御用マイコン91が、高確率状態且つ非時短状態であれば、どはずれ演出に係る変動演出パターンを選択し、通常確率状態且つ非時短状態であれば、時短突入演出に係る変動演出パターンを選択する構成としてもよい。
また上記形態では、高確率状態や時短状態における特殊ハズレ時に選択する「どはずれ演出」に関連付けられた特図変動パターン(特図変動パターンP17、特図変動パターンP25、図14参照)と、高確率状態や時短状態における通常ハズレ時に選択する「どはずれ演出」に関連付けられた特図変動パターン(特図変動パターンP15、特図変動パターンP16、特図変動パターンP23、特図変動パターンP24、図14参照)とが異なる構成とした。これに対して、高確率状態や時短状態においては、通常ハズレであっても特殊ハズレであっても、共通の変動パターンが選択されるように構成してもよい。具体的には例えば、高確率状態且つ非時短状態における特殊ハズレ時には、通常ハズレ時と同様、特図変動パターンP15又はP16の何れかが選択されるように構成してもよい。また例えば、時短状態における特殊ハズレ時には、通常ハズレ時と同様、特図変動パターンP23又はP24の何れかが選択されるように構成してもよい。
また上記形態では、特図1の抽選と特図2の抽選の両方とも特殊ハズレに当選する可能性がある構成としたが、特図1の抽選でのみ特殊ハズレに当選する可能性がある構成としてもよい。また、特図2の抽選でのみ特殊ハズレに当選する可能性がある構成としてもよい。特図2の抽選でのみ特殊ハズレに当選する可能性がある構成とした場合であっても、例えばV非通過大当たり中の右打ちによって特図2保留が発生し、その大当たり中にイレギュラーV通過があった場合には、その後の高確率状態且つ非時短状態において特図2保留に基づいて特殊ハズレに当選する可能性がある。そのため、上記形態のように、通常確率状態且つ非時短状態の特図変動パターン判定テーブルと、高確率状態且つ非時短状態の特図変動パターン判定テーブルとを分けて持つことにより、遊技の実態と演出内容とに齟齬が生じるのを防止することが可能となる。
また上記形態では、高確率状態且つ非時短状態における特殊ハズレ時に選択される特図変動パターン(特図変動パターンP17)の変動時間が、通常確率状態且つ非時短状態における特殊ハズレ時に選択される特図変動パターン(特図変動パターンP7)の変動時間よりも短い構成としたが、遊技に支障をきたさない範囲であれば、前者が後者よりも長い構成としたり、両者を同じ長さとしたりする等、変動時間は適宜変更可能である。
また上記形態では、高確率状態且つ非時短状態に制御される契機を、V非通過大当たりにおけるイレギュラーV通過であるとして説明したが、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御する所謂V確機では、特定領域39の開放期間外に不正行為によってV通過を発生させられることが考えられる。このような場合に、遊技状態を高確率状態且つ非時短状態に設定する構成とした場合にも、上記形態に係る発明(高確率状態且つ非時短状態における特殊ハズレ時には「どはずれ演出」に関連付けられた特図変動パターンを選択する発明)は有用である。
また上記形態では、特定領域39への通過に基づいて、高確率状態への制御を行う遊技機としたが、特定領域39への通過に基づいて、大当たり遊技を実行する遊技機、つまり所謂2種大当たりを搭載した遊技機(所謂1種2種混合機やハネモノタイプの遊技機)としてもよい。この場合、特別図柄抽選で小当たりに当選した場合に、大入賞口30を所定時間(例えば1.8秒)開放する小当たり遊技を実行することとし、この小当たり遊技中に特定領域39への通過が生じた場合には、大当たり遊技を実行するように構成する。このように構成した場合、小当たり遊技は「特定開放遊技」に相当し、大当たり遊技を実行することは「特典を付与する」ことに相当する。なお、所定の始動口への入賞に基づいて、特別図柄抽選を経ることなく、小当たり遊技を実行する構成としてもよい。
また上記形態では、V作動ラウンドにおける大入賞口30への入賞球数が「0」である旨の判定がなされた場合には、12msのV閉鎖を経て24msのV開放を行う構成としたが、12msのV閉鎖を経ることなく24msのV開放を行う構成としてもよい。このように構成すれば、24msのV開放によってV通過が生じる可能性を、上記形態よりも低く抑えることが可能である。
また上記形態では、V作動ラウンドにおける大入賞口30への入賞球数が「2」である旨の判定がなされた場合には、V閉鎖に維持される期間を経ることなく直ちにV開放がなされる構成としたが、V閉鎖に維持される期間を経てV開放がなされる構成としてもよい。
また上記形態では、V作動ラウンドにおける2回目の振分部材71の作動契機となる大入賞口入賞カウンタの値を「2」としたが、「1」以上の特定値であれば、1ラウンド中の最大入賞個数(実施形態では「10」)を超えない範囲で、「2」以外の値としてもよい。
また上記形態では、V作動ラウンドにおける1回目の振分部材71の作動におけるV開放の時間を、2回目の振分部材71の作動におけるV開放の時間よりも短くしたが、V短開放時のV通過の発生確率を低く抑えることを考慮しなければ、逆の構成(1回目のV開放の時間が2回目のV開放の時間よりも長い構成)としてもよい。また、1回目のV開放の時間と2回目のV開放の時間とが同じであってもよい。なお、1回目の振分部材71の作動におけるV開放の時間や、2回目の振分部材71の作動におけるV開放の時間は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
また上記形態では、V通過大当たりにも、通過困難パターンのV作動ラウンドを設けたが(図8参照)、設けなくてもよい。また上記形態では、各大当たりにおいて2回のV作動ラウンド(7R目と9R目)を設けたが、1回としてもよいし、3回以上としてもよい。また上記形態では、通過容易パターンのV作動ラウンドにおいても、大入賞口入賞カウンタの値が「0」であることに基づいて第1の作動パターンで振分部材71を作動させたが、この第1の作動パターンでの作動を行わない構成、すなわち、大入賞口入賞カウンタの値が「2」であることに基づいて第2の作動パターンで振分部材71を作動させるだけの構成としてもよい。
また上記形態では、特定領域39を内部に備える大入賞口30だけを設けたが、特定領域を内部に備えない大入賞口(所謂ノーマルアタッカーの大入賞口)を設けて、その大入賞口を開放するラウンド遊技を設けてもよい。
また上記形態では、所謂ST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、所謂確変ループ機として構成してもよい。
また上記形態では、遊技球の入球し易さが変化しない第1始動口20と、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口21とを設けたが、第1始動口20又は第2始動口21の一方を備えていない構成としてもよい。第1始動口20を備えていない構成とする場合、電チュー22が閉状態にあるときでも、電チュー22に係る第2始動口21へ遊技球が入球するように構成する。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈A〉
手段1Aに係る発明は、
所定の判定処理(図23に示す大当たり判定処理)の結果が第1の判定結果(大当たり)である場合、可変入賞口(大入賞口30)を開放させる大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段(遊技制御用マイコン81による大当たり遊技の実行に関する処理)と、
前記可変入賞口に入賞した遊技球が特定領域(39)を通過した場合、前記大当たり遊技を実行すると判定される確率が通常確率状態よりも高い高確率状態に制御可能な高確率状態制御手段(遊技制御用マイコン81による高確率状態の設定に関する処理)と、
可変始動口(第2始動口21)への入球が非特典遊技状態(非時短状態)よりも容易な特典遊技状態(時短状態)に制御可能な特典遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン81による時短状態の設定に関する処理)と、を備え、
前記特典遊技状態制御手段は、
前記通常確率状態且つ前記非特典遊技状態における前記所定の判定処理の結果が第2の判定結果(特殊ハズレ)である場合には、前記大当たり遊技を実行することなく、前記特典遊技状態に制御することがあり、
前記高確率状態且つ前記非特典遊技状態における前記所定の判定処理の結果が前記第2の判定結果である場合には、前記特典遊技状態に制御しない(図28-2に示すステップS2012でNOであればステップS2014は実行されない)ことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
この構成の遊技機によれば、特定領域への通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機において、高確率状態であるときに第2の判定結果となっても、非特典遊技状態から特典遊技状態に制御しない。よって、意図しない特定領域への通過が万が一発生し、高確率状態に制御されてしまった場合でも、第2の判定結果に基づいてさらに特典遊技状態になってしまうのを防止することが可能である。
手段2Aに係る発明は、
手段1Aに記載の遊技機であって、
前記大当たり遊技には、特定大当たり遊技(V通過大当たりに基づく大当たり遊技)よりも、前記特定領域への通過が困難な非特定大当たり遊技(V非通過大当たりに基づく大当たり遊技)が含まれ、
前記非特定大当たり遊技において前記特定領域に遊技球が通過した場合には(イレギュラーV通過があった場合には)、当該非特定大当たり遊技の終了後の遊技状態が、前記高確率状態且つ前記非特典遊技状態に制御される(図7(B)参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定領域への通過が予定されていない非特定大当たり遊技において特定領域への通過が発生して高確率状態且つ非特典遊技状態に制御された場合に、第2の判定結果に基づいてさらに特典遊技状態になってしまうのを防止することが可能である。
手段3Aに係る発明は、
手段2Aに記載の遊技機であって、
識別図柄(特図)を変動表示させた後、前記所定の判定処理の結果を示す停止態様で停止表示させる図柄表示制御手段(遊技制御用マイコン81による特図の変動表示および停止表示に関する処理)と、
前記所定の判定処理の結果に基づいて、前記識別図柄の変動パターンの種類を選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイコン81による特図変動パターンの選択に関する処理)と、
前記変動パターン選択手段によって選択された変動パターンの種類に応じた演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記変動パターン選択手段は、前記通常確率状態且つ前記非特典遊技状態において前記第2の判定結果(特殊ハズレ)であると判定された場合には、第1の変動パターン(時短突入演出に関連付けられた特図変動パターンP7、図14(A)、図43参照)を選択し、前記高確率状態且つ前記非特典遊技状態において前記第2の判定結果であると判定された場合には、前記第1の変動パターンとは異なる第2の変動パターン(通常変動に関連付けられた特図変動パターンP17、図14(A)、図43参照)を選択することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、通常確率状態且つ非特典遊技状態において第2の判定結果となった場合(つまり特典遊技状態に制御される場合)と、高確率状態且つ非特典遊技状態において第2の判定結果となった場合(つまり特典遊技状態に制御されない場合)とで、異なる種類の変動パターンが選択されるため、変動パターンの種類に応じて実行される演出の内容を変えることが可能である。
手段4Aに係る発明は、
手段3Aに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記変動パターン選択手段によって前記第1の変動パターン(特図変動パターンP7)が選択された場合、前記特典遊技状態に制御されることを示す特定演出(時短突入演出)を実行し、
前記変動パターン選択手段によって前記第2の変動パターン(特図変動パターンP17)が選択された場合、前記特定演出を実行しないで、ハズレであることを示すハズレ演出(どはずれ演出)を実行することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、通常確率状態且つ非特典遊技状態において第2の判定結果となった場合(つまり特典遊技状態に制御される場合)には、第1の変動パターンが選択され、これに応じた演出として、特典遊技状態に制御されることを示す特定演出が実行される。一方、高確率状態且つ非特典遊技状態において第2の判定結果となった場合(つまり特典遊技状態に制御されない場合)には、第2の変動パターンが選択され、これに応じた演出として、ハズレであることを示すハズレ演出が実行される。よって、特典遊技状態に制御されないのに特典遊技状態に制御されることを示す演出が実行されてしまう事態の発生を防止でき、遊技者を誤解させることを防止可能である。
手段5Aに係る発明は、
手段3A又は手段4Aに記載の遊技機であって、
前記第1の変動パターン(特図変動パターンP7)における変動時間(50000ms、図14(A)参照)よりも、前記第2の変動パターン(特図変動パターンP17)における変動時間(10000ms、図14(A)参照)の方が短いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、高確率状態且つ非特典遊技状態において第2の判定結果となった場合には、通常確率状態且つ非特典遊技状態において第2の判定結果となった場合よりも、変動時間の短い変動パターンが選択されるため、特典遊技状態に制御されないにも関わらず、特典遊技状態に制御される場合と同様の長い変動が行われるのを防止可能である。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば特開2015-071037号公報に記載されているように、始動口への入賞に基づいて、大入賞口(可変入賞口)を開放させる大当たり遊技が行われ、大入賞口内の特定領域に遊技球が通過すると、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される。しかしながら、特開2015-071037号公報に記載されているような、大入賞口内の特定領域への通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機では、製造者が意図していなかった場面で特定領域の通過が生じて、高確率状態に制御されてしまうことが考えられる。そのため、このような事態が発生した場合を想定した対策を施しておくことが望まれる。
上記した発明Aは、特開2015-071037号公報に記載の遊技機に対して、「特典遊技状態制御手段は、通常確率状態且つ非特典遊技状態における所定の判定処理の結果が第2の判定結果である場合には、大当たり遊技を実行することなく、特典遊技状態に制御することがあり、高確率状態且つ非特典遊技状態における所定の判定処理の結果が第2の判定結果である場合には、特典遊技状態に制御しない」という点で相違している。これにより、発明Aは、「意図しない特定領域への通過によって高確率状態に制御されても、遊技に支障をきたし難い遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
〈B〉
手段1Bに係る発明は、
特定の入賞口(大入賞口30)へ入賞した遊技球が特定領域(39)を通過したことに基づいて特典(高確率状態への制御)を付与する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特定領域への遊技球の通過を許容する通過許容状態(図3(A)に示す第1状態)と、前記特定領域への遊技球の通過を許容しない通過阻止状態(図3(B)に示す第2状態)とをとる振分部材(71)と、
前記特定の入賞口を開放させる特定開放遊技(ラウンド遊技)を実行可能な特定開放遊技実行手段(ステップS2402,S111等の大入賞口30の開放に係る処理を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記特定開放遊技における前記特定の入賞口への入賞球数をカウントするカウント手段(図33に示すステップS2704等の大入賞口30への入賞球数のカウントに係る処理を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記カウント手段によるカウント値が零であるか否かを判定する第1個数判定手段(図38に示すステップS3303,S3306の処理を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記第1個数判定手段により零であると判定された場合に、前記振分部材を前記通過許容状態に制御する第1開放制御(24msのV開放)を行う第1作動手段(図39に示すステップS3403等のV開放に係る処理を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記カウント手段によるカウント値が1以上の予め定められた特定値(例えば「2」)であるか否かを判定する第2個数判定手段(図38に示すステップS3308の処理を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記第2個数判定手段により前記特定値であると判定された場合に、前記振分部材を前記通過許容状態に制御する第2開放制御(最長26500msのV開放)を行う第2作動手段(図39に示すステップS3413等のV開放に係る処理を行う遊技制御用マイコン81)と、
を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の入賞口への入賞球数が1以上の予め定められた特定値である場合に、振分部材を通過許容状態に制御して、特定領域への通過を可能とすることと、特定の入賞口への入賞がまだ1球も発生していないときから振分部材を通過許容状態に制御することとを組み合わせることにより、新たな個数管理型の振分部材の制御手法を提供可能である。
手段2Bに係る発明は、
手段1Bに記載の遊技機であって、
前記第1作動手段は、前記第1開放制御において前記振分部材を第1の時間(24ms)にわたって前記通過許容状態に制御し、
前記第2作動手段は、前記第2開放制御において前記振分部材を前記第1の時間とは異なる第2の時間(最長26500ms)にわたって前記通過許容状態に制御する(図11参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の入賞口に1球も入賞していない状態で通過許容状態に制御された場合と、特定の入賞口への入賞が発生している状態で通過許容状態に制御された場合とで、特定領域への通過の可能性を異ならせることが可能である。
手段3Bに係る発明は、
手段2Bに記載の遊技機であって、
前記第1の時間(24ms)は、前記第2の時間(最長26500ms)よりも短いことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の入賞口に1球も入賞していない状態で通過許容状態に制御された場合の特定領域への通過の可能性を、特定の入賞口への入賞が発生している状態で通過許容状態に制御された場合の特定領域への通過の可能性よりも、低くすることが可能である。
手段4Bに係る発明は、
手段1Bから手段3Bまでのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1作動手段は、前記第1個数判定手段により零であると判定された場合、前記振分部材を所定時間にわたって前記通過阻止状態に維持する閉塞制御(12msのV閉鎖)を行った後に、前記第1開放制御(24msのV開放)を行う(図11参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の入賞口に1球も入賞していない状態で通過許容状態に制御する場合には、通過許容状態に制御する前に、所定時間にわたる閉塞制御を行うことで、この期間中に、特定の入賞口への入賞の可能性を生じさせ、第1開放制御による特定領域への通過に期待させることが可能である。
手段5Bに係る発明は、
手段4Bに記載の遊技機であって、
前記第2作動手段は、前記第2個数判定手段により前記特定値であると判定された場合、前記閉塞制御を行うことなく、前記第2開放制御(最長26500msのV開放)を行うことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定の入賞口への入賞が発生している状態で通過許容状態に制御する場合には、所定時間にわたる閉塞制御を行うことなく通過許容状態に制御することで、スムーズな特定領域への通過が可能となる。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば特開2015-071037号公報に記載されているように、始動口への入賞に基づいて、大入賞口(特定の入賞口)を開放させるラウンド遊技(特定開放遊技)が行われ、大入賞口内の特定領域に遊技球が通過すると、特典が付与される。この文献における特典とは、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に制御することである。しかしながら、特開2015-071037号公報に記載された遊技機では、特定領域への通過の可否は、シャッター(振分部材)によって切り替えられている。このシャッターは、ラウンド遊技において時間で管理された一定の動作で駆動されている。シャッター(振分部材)をどのように動作させるかは遊技性に関わる事項であるため、シャッターの制御手法には見直しの余地がある。
上記した発明Bは、特開2015-071037号公報に記載の遊技機に対して、「特定の入賞口への入賞球数をカウントするカウント手段によるカウント値が零であると判定された場合に、振分部材を通過許容状態に制御する第1開放制御を行う第1作動手段と、カウント手段によるカウント値が1以上の予め定められた特定値であると判定された場合に、振分部材を通過許容状態に制御する第2開放制御を行う第2作動手段と、を備えている」という点で相違している。これにより、発明Bは、「新たな振分部材の制御手法を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
1…パチンコ遊技機
21…第2始動口(可変始動口)
30…大入賞口(可変入賞口)
39…特定領域
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン

Claims (5)

  1. 所定の判定処理の結果が第1の判定結果である場合、可変入賞口を開放させる大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段と、
    前記可変入賞口に入賞した遊技球が特定領域を通過した場合、前記大当たり遊技を実行すると判定される確率が通常確率状態よりも高い高確率状態に制御可能な高確率状態制御手段と、
    可変始動口への入球が非特典遊技状態よりも容易な特典遊技状態に制御可能な特典遊技状態制御手段と、を備え、
    前記特典遊技状態制御手段は、
    前記通常確率状態且つ前記非特典遊技状態における前記所定の判定処理の結果が第2の判定結果である場合には、前記大当たり遊技を実行することなく、前記特典遊技状態に制御することがあり、
    前記高確率状態且つ前記非特典遊技状態における前記所定の判定処理の結果が前記第2の判定結果である場合には、前記特典遊技状態に制御しないことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記大当たり遊技には、特定大当たり遊技よりも、前記特定領域への通過が困難な非特定大当たり遊技が含まれ、
    前記非特定大当たり遊技において前記特定領域に遊技球が通過した場合には、当該非特定大当たり遊技の終了後の遊技状態が、前記高確率状態且つ前記非特典遊技状態に制御されることを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機であって、
    識別図柄を変動表示させた後、前記所定の判定処理の結果を示す停止態様で停止表示させる図柄表示制御手段と、
    前記所定の判定処理の結果に基づいて、前記識別図柄の変動パターンの種類を選択する変動パターン選択手段と、
    前記変動パターン選択手段によって選択された変動パターンの種類に応じた演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
    前記変動パターン選択手段は、前記通常確率状態且つ前記非特典遊技状態において前記第2の判定結果であると判定された場合には、第1の変動パターンを選択し、前記高確率状態且つ前記非特典遊技状態において前記第2の判定結果であると判定された場合には、前記第1の変動パターンとは異なる第2の変動パターンを選択することを特徴とする遊技機。
  4. 請求項3に記載の遊技機であって、
    前記演出実行手段は、
    前記変動パターン選択手段によって前記第1の変動パターンが選択された場合、前記特典遊技状態に制御されることを示す特定演出を実行し、
    前記変動パターン選択手段によって前記第2の変動パターンが選択された場合、前記特定演出を実行しないで、ハズレであることを示すハズレ演出を実行することを特徴とする遊技機。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の遊技機であって、
    前記第1の変動パターンにおける変動時間よりも、前記第2の変動パターンにおける変動時間の方が短いことを特徴とする遊技機。
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