JP2022014514A - 表皮材、及び内装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた近赤外線の反射性能を確保しつつ、軽量化した表皮材を提供する。【解決手段】シート状の繊維集合体3を備えた表皮材1である。繊維集合体3は、カーボンブラックを含まず、かつ単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維5を含む。単繊維5は、近赤外線反射性を有する平面部6を備える。繊維集合体3には、単繊維5が並んで構成される単繊維層7が厚み方向に複数積層されている箇所が存在している。【選択図】図1

Description

本開示は、表皮材、及び内装材に関する。
特許文献1では、遮熱機能の優れた表皮材が開示されている。具体的には、繊維径が1μmより大きく5μm以下の繊維が含まれ、この数μm程度の繊維径の繊維が占有する体積率が3%以上20%以下であり、かつZ軸方向の配向テンソルが0.42以下である表皮材は、優れた近赤外線の反射性能を有することが開示されている。
国際公開第2019/225304号
この文献の技術は、繊維径を1μmより大きく5μm以下の極細領域とすれば、繊維形状を問わずに、優れた近赤外線の反射性能を確保できるというものである。
しかし、この技術を、軽量で実用的な表皮材の量産品に適用することは、例えば以下の理由から困難であった。すなわち、特許文献1の体積率の要件の制御等が困難であった。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、体積率に依存せずに、優れた近赤外線の反射性能を確保しつつ、軽量化することを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
〔1〕シート状の繊維集合体を備えた表皮材であって、
前記繊維集合体は、カーボンブラックを含まず、かつ単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維を含み、
前記単繊維は、近赤外線反射性を有する平面部を備え、
前記繊維集合体には、前記単繊維が並んで構成される単繊維層が厚み方向に複数積層されている箇所が存在している、表皮材。
本開示の表皮材は、シート状の繊維集合体を備える。繊維集合体は、カーボンブラックを含まず、かつ単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維を含む。単繊維は、近赤外線反射性を有する平面部を備える。そして、単繊維は列をなすように配置されて単繊維層を形成しており、繊維集合体には、単繊維層が厚み方向に複数積層されている箇所が存在している。この構成の表皮材では、光線が透過しにくく、近赤外線の反射率が高くなる。よって、従来よりも軽量であっても、反射性能の高い表皮材を提供できる。
本開示について、本開示による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明する。
実施形態の一例の表皮材(繊維集合体)の断面図である。 単繊維の斜視図である。 実施形態の一例の表皮材(繊維集合体)の断面図である。 単繊維層の一例の断面図である。 実施形態の一例の表皮材(繊維集合体)の平面図である。 実施形態の一例の内装材の断面図である。 シミュレーション方法を説明する説明図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 シミュレーション結果を示す図である。 単繊維層の層数と光線透過率の関係を示すグラフである。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
〔2〕前記単繊維の繊維横断面の外形が略三角形である、〔1〕に記載の表皮材。
本表皮材では、単繊維に3つの平面部が存在するから、反射性能が良好である。
〔3〕前記繊維集合体は、編物、織物、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、及びニードルパンチ不織布からなる群より選択される少なくとも1種である、〔1〕又は〔2〕に記載の表皮材。
本表皮材は、既存の製造設備で製造できるから、実用性が高い。
〔4〕前記単繊維は、合成繊維である、〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の表皮材。
1μmより大きく5μm以下の繊維が合成繊維であると製造しやすいので、表皮材を作りやすい。
〔5〕〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載の表皮材を備える、内装材。
本内装材は、近赤外線の反射効率が高いから、遮熱機能に優れる。
ここで示される事項は例示的なものおよび本開示の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本開示の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本開示の根本的な理解のために必要である程度以上に本開示の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本開示の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
以下、本開示の実施形態を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「~」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10~20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10~20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。なお、本開示における図面は、物を概念的に示したものであり、それらの構成を正確に示したものではない。
本実施形態の表皮材1は、シート状の繊維集合体3を備える。繊維集合体3は、カーボンブラックを含まず、かつ単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維5を含む。
表皮材1は、繊維集合体3からなるものであってもよい(図1,3参照)。表皮材1は、繊維集合体3の他に、他の構成要素を備えていてもよい。他の構成要素としては、繊維集合体3の表面に設けられる表面層、繊維集合体3の裏面に設けられる裏面層が例示される。裏面層は、例えば、バッキング層やウレタンフォーム層が好適に挙げられる。バッキング層は、表皮材1を補強するため、及び/又は接着剤の含侵を防ぐためのコーティング層である。
1.単繊維5について
(1)カーボンブラック
本実施形態の繊維集合体3に含まれる単繊維5には、カーボンブラックが含まれていない。カーボンブラックが含まれると、繊維集合体3の反射性能が低下するからである。
(2)単繊維5の単繊維径
繊維集合体3に含まれる単繊維5の単繊維径は、1μmより大きく5μm以下であり、好ましくは2μm以上5μm以下である。単繊維径がこの範囲内であると、表皮材1の近赤外線に対する反射性能が優れる。よって、表皮材1により覆われた各種物品の温度上昇を抑制できる。
単繊維径がこの範囲内となると反射性能が優れる理由は定かではないが、単繊維径がこの範囲内となると、単繊維径が近赤外線波長と同等から数倍の領域内となり、ミー散乱と呼ばれる光の散乱現象が起きるためであると推測される。
単繊維5の断面形状は異形断面であり、断面形状の外接円の直径を単繊維径とする。なお、単繊維径は、走査型電子顕微鏡で単繊維5の横断面を撮影することにより測定が可能である。
(3)単繊維5の形状
単繊維5は、平面部6を有した形状とされている。図2には、平面部6を有する単繊維5の一例が示されている。
単繊維5の単糸断面形状は、平面部6が存在する単繊維5の断面形状である限り、特に限定されない。単糸断面形状として、丸断面以外の異形断面が例示される。異形断面の形状としては、略三角断面、略四角断面、略五角断面等が好適に例示される。つまり、単繊維5の繊維横断面の外形は、略三角形、略四角形、略五角形が好ましい。これらの形状とすると、近赤外線を反射する面が複数存在することになり、近赤外線の反射性能が優れる。略三角形には、角が丸まった三角形、辺が緩やかな曲線を有する三角形等が含まれる。略四角形には、角が丸まった四角形、辺が緩やかな曲線を有する四角形等が含まれる。略五角形には、角が丸まった五角形、辺が緩やかな曲線を有する五角形等が含まれる。これらの形状の中でも、繊維を密に配置して反射面を増す、あるいは反射角の均一性を増す観点から、略三角形であることが好ましい。また、略三角形の中でも、3つの辺の長さが略同一の略正三角形が好ましい。略正三角形とすることで、3つの側面の幅を、近赤外線の反射効率が高くなる寸法に揃えることができ、3つの側面を近赤外線の反射面として機能させることができる。
異形断面の単繊維5を得る方法は、特に限定されない。例えば、溶融紡糸時に用いる口金の形状を異形にする方法が例示される。
(4)単繊維5以外の繊維
繊維集合体3には、単繊維径が1μmより大きく5μm以下でない繊維、すなわち、単繊維径が1μm以下の繊維や、単繊維径が5μmよりも大きい繊維を含んでいてもよい。但し、繊維集合体3に含まれる繊維の全量を100質量部とした場合に、単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維5が5質量部以上含まれていることが好ましく、10質量部以上含まれていることがより好ましく、15重量部以上含まれていることが更に好ましい。単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維5の量がこの範囲内であると、繊維集合体3の反射性能が特に優れるからである。単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維5は、100質量部であってもよい。
(5)単繊維5の材質
単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維5は、合成繊維、再生繊維、半合成繊維、天然繊維のいずれであってもよい。
合成繊維としては、特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維等のポリエステル系繊維;ポリアミド6繊維、ポリアミド66繊維等のポリアミド系繊維;ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維等の各種の合成繊維を用いることができる。
これらの繊維のうちでは、汎用性が高いことから、ポリエステル系繊維(特にPET繊維)、ポリプロピレン繊維、ポリアミド6繊維が好ましい。
単繊維径が1μmより大きく5μm以下の繊維として、単一種の繊維のみならず、2種類以上の繊維を混合して用いることもできる。
なお、合成繊維は、未延伸糸でもよく、半延伸糸でもよく、これらが混合されている混合糸でもよい。
再生繊維としては、特に限定されない。例えば、セルロース系のレーヨン、精製セルロース繊維系のリヨセル等を用いることができる。レーヨンには、ポリノジック、ビスコース、キュプラレーヨン等の種類がある。
半合成繊維としては、特に限定されない。例えば、セルロース系のアセテート、たんぱく質系のプロミックス等を用いることができる。
天然繊維としては、特に限定されない。例えば、綿、麻等の植物繊維や、絹、獣毛(例えば羊毛)等の動物繊維を用いることができる。
2.繊維集合体3について
(1)繊維集合体3の構成
繊維集合体3には、単繊維5が並んで構成される単繊維層7が厚み方向に複数積層されている箇所が存在している。図1には、単繊維5が一層に並んで構成される第1単繊維層7A、第2単繊維層7Bが積層されている例が模式的に示されている。第1単繊維層7A、第2単繊維層7Bは、それぞれ、単繊維5が図面の横方向(繊維集合体3の平面方向)に列をなすように配置されている。
図1では2層の単繊維層7が積層されている様子が示され、図3では12層の単繊維層7が積層されている様子が示されている。
繊維集合体3の厚み方向に積み重ねられる単繊維層7の層数は特に限定されない。例えば、軽量化やコスト等の観点から、2層以上100層以下が好ましく、5層以上75層以下がより好ましく、10層以上50層以下が更に好ましい。
繊維集合体3では、少なくとも一部において、厚み方向に単繊維層7が複数積み重ねられていればよい。すなわち、繊維集合体3では、厚み方向に単繊維層7が複数積み重ねられていない箇所が存在していてもよい。また、繊維集合体3の全体において、単繊維層7が同一数積み重ねられている必要はない。単繊維層7の積み重ね数が異なる部分が存在していてもよい。
繊維集合体3では、特定方向の入射光に対する反射効率を高めるという観点から、単繊維層7における2以上の単繊維5の各平面部6が略同一方向を向いていることが好ましい(図4参照)。本開示において「平面部が略同一方向を向いている」とは、以下のように定義する。単繊維層7における各単繊維5の断面(横断面)が可能な限り直線に並ぶように、繊維集合体3を配置する。この状態で、対比する2つの平面部6における各法線ベクトルVを求める。2つの法線ベクトルVのなす角が0°以上10°以下である場合を略同一方向を向いていると定義する。図4のように4本の単繊維5A,5B,5C,5Dが並んで配置している場合を例として説明する。単繊維5A,5Bは、それぞれ平面部6A,6Bを有する。平面部6A,6Bのそれぞれ法線ベクトルを、法線ベクトルV1,V2とする。この際、単繊維5Aの平面部6Aの法線ベクトルV1と、単繊維5Bの平面部6Bの法線ベクトルV2とのなす角が0°以上10°以下である場合を略同一方向を向いていると定義する。本開示の場合、少なくとも2本の単繊維5の平面部6がこのような関係にあることが好ましい。図4のように2本よりも多い例えば4本の単繊維5A,5B,5C,5Dにおいて、平面部6A,6B,6C,6Dが略同一方向を向いていてもよい。この場合には、平面部6A,6B,6C,6Dの法線ベクトルV1,V2,V3,V4から任意の2つを選択すると、2つの法線ベクトルのなす角が0°以上10°以下となっている。
なお、図4では、単繊維層7における単繊維5の各平面部6が略同一方向を向いている場合を示したが、繊維集合体3では、単繊維層7における単繊維5の各平面部6の向く方向が揃っていなくてもよい。
繊維集合体3の形態は、特に限定されない。繊維集合体3は、製造容易であるという観点から、織物、編物、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布(メルトブローン不織布)、及びニードルパンチ不織布からなる群より選択される少なくとも1種であることが望ましい。
織物の組織は特に限定されず、例えば、平織物、綾織物、朱子織物及びそれらの組み合わせ等の各種の織物とすることができる。
編物は、経編又は緯編のいずれであってもよい。緯編として、基本組織(平編、ゴム編、パール編)やその変化組織を例示できる。また、経編として、基本組織(デンビー編、コード編、アトラス編、鎖編)やその変化組織を例示できる。
スパンボンド不織布は、例えば、樹脂を溶融して繊維(糸)を作り、ネット上に開繊・堆積させてウェッブを形成した後、シート状に結合させて製造される。
メルトブロー不織布は、例えば、樹脂を溶融して紡糸ノズルの周囲から噴射する高温エアにより、繊維を細くしてシート状にして製造される。
ニードルパンチ不織布は、例えば、金属製等のニードルの往復運動により、繊維相互間を交絡して製造される。
(6)繊維集合体3の厚み
繊維集合体3の厚みは、単繊維5の単繊維径、積み重ねられる単繊維層7の層数などに応じて適宜設定される。繊維集合体の厚みは、製造コストを抑え、かつ反射率を高めるとの観点から、0.1mm以上10mm以下が好ましく、0.3mm以上5mm以下がより好ましく、0.5mm以上3mm以下が更に好ましい。
(7)繊維集合体3の目付量
繊維集合体3の目付量は、単繊維5の単繊維径、積み重ねられる単繊維層7の数などに応じて適宜設定される。繊維集合体3の目付量は、製造コストを抑え、かつ反射率を高めるという観点から、10g/m以上1500g/m以下が好ましく、15g/m以上1000g/m以下がより好ましく、20g/m以上500g/m以下が更に好ましい。
3.表皮材1について
表皮材1には、繊維集合体3を用いる。図5に示すように、繊維集合体3をそのまま表皮材1として用いてもよい。また、繊維集合体3に他の部材を貼り合わせて表皮材1としてもよい。
表皮材1は、各種技術分野の物品(部品を含む)の表皮として幅広く用いられる。表皮材1が利用される技術分野は特に限定されない。例えば、自動車、鉄道車両等の車両、航空機、船舶、建築、アパレル等の各種産業において、表皮材1が拘わる技術分野に関して好適に利用される。
表皮材1は、太陽光により高温になり得る内装材11、例えば、ドアトリム(特にアッパー部分)、パッケージトレイ、シートに好適に用いることができる。
表皮材1は、近赤外線を効率よく反射する。
4.内装材11について
内装材11には、表皮材1が備えられている。内装材11は、例えば、図6に示すように、基材8に表皮材1が積層された構造を有する。内装材11は、特に限定されない。内装材11としては、ドアトリム、パッケージトレイ、シート等の車両用内装材等が挙げられる。
表皮材1を備えた内装材11は、近赤外線を効率よく反射する。
1.シミュレーションによる検証
(1)概要
表皮材の近赤外線反射性能をシミュレーションにより検証した。評価面への光の透過量をシミュレートできるソフトウェアを選択し、繊維の形状と配置をパラメータとしたシミュレーションを実施した。光の屈折・反射のシミュレーションソフトとして、"照明SimulatorCAD"(オプティカルソリューション社)を解析に使用した。
図7にシミュレーションの概略図を示す。光源21から評価サンプル25(表皮材)に対して光23を照射する。光23のうち評価サンプル25を透過して評価面27に到達した本数(透過本数)をカウントする。
(2)解析の条件
解析の条件は、以下の通りである。
想定する繊維の材質はPET(カーボンブラックを含まない)とした。
PETの光に対する物性は以下のとおりとした 。
吸収率:0
透過率:1
反射率:0
屈折率:波長400nm~700nmの範囲では、以下の資料を用いた。
https://www.filmetrics.com/refractive-index-database/PET/Estar-Melinex-Mylar
700nmより長波長の領域では、同資料のPEの波長の変化率を応用した。
計算したデータを元に、下記のような重回帰式を求め、実際の解析に使用した。
Figure 2022014514000002
・単繊維の断面形状:正三角形(1辺の長さが2μm)
円形(繊維径1.5μm)
なお、正三角形と円形の断面積は同じとした。
・光の入射角:65° 夏の昼の太陽高度を想定した。
・光源の寸法:2μmの正三角形3個分の底辺全体に照射できる幅Lとした。
L=2×3×cos(π×(180-65)/180)
・入射光強度:波長によらず一定とした。
2.シミュレーション(その1)
(1)略三角断面の繊維の単繊維層が2層の場合の結果
光の入射角、入射光波長、及び入射光線数が以下の条件では、図8のようになり、光の透過率は18.0%であった。
・光の入射角:65°
・入射光波長:550nm
・入射光線数:100万本
(2)略三角断面の繊維の単繊維層が12層の場合の結果
光の入射角、入射光波長、及び入射光線数が以下の条件では、図9のようになり、光の透過率は0.0%であった。
・光の入射角:65°
・入射光波長:550nm
・入射光線数:100万本
(3)丸断面の繊維の単繊維層が12層の場合の結果
光の入射角、入射光波長、及び入射光線数が以下の条件では、図10のようになり、光の透過率は21.5%であった。
・光の入射角:65°
・入射光波長:550nm
・入射光線数:100万本
3.シミュレーション(その2)
単繊維層の層数と透過率の関係を詳細に検討した。
単繊維の断面形状は、既述のシミュレーションと同様にした。すなわち、正三角形(1辺の長さが2μm)と、円形(繊維径1.5μm)の2種類とした。
光の入射角、入射光波長、及び入射光線数は、既述のシミュレーションと同様にした。すなわち、以下の条件とした。
・光の入射角:65°
・入射光波長:550nm
・入射光線数:100万本
結果を図11に示す。カーボンブラックを含まない極細の反射平面を持つ単繊維(例えば、正三角形断面の単繊維)の単繊維層を2層以上配することで、光線透過率が減少することが確認された。言い換えれば、このような単繊維層を2層以上配することで、反射率が向上することが確認された。これは、極細の単繊維の単繊維層を積層することで、入射光の反射平面での反射回数が増え、その結果、表皮材を透過する光が減少するためであると推測される。
4.考察
以上のシミュレーション結果から、近赤外線反射性の平面部を備えた単繊維の単繊維層が複数積層された表皮材は、2層以上であれば、層数がそれほど多くなくても、近赤外線反射性が高いことが検証された。よって、本開示によれば、従来よりも軽量で反射性能の高い表皮材を実現できる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本開示を限定するものと解釈されるものではない。本開示を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本開示の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的及び例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本開示の範囲又は本質から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本開示の詳述に特定の構造、材料及び実施例を参照したが、本開示をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本開示は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
1 …表皮材
3 …繊維集合体
5 …単繊維
5A…単繊維
5B…単繊維
5C…単繊維
5D…単繊維
6 …平面部
6A…平面部
6B…平面部
6C…平面部
6D…平面部
7 …単繊維層
7A…第1単繊維層
7B…第2単繊維層
8 …基材
11…内装材
21…光源
23…光
25…評価サンプル
27…評価面
V …法線ベクトル
V1…法線ベクトル
V2…法線ベクトル
V3…法線ベクトル
V4…法線ベクトル

Claims (5)

  1. シート状の繊維集合体を備えた表皮材であって、
    前記繊維集合体は、カーボンブラックを含まず、かつ単繊維径が1μmより大きく5μm以下の単繊維を含み、
    前記単繊維は、近赤外線反射性を有する平面部を備え、
    前記繊維集合体には、前記単繊維が並んで構成される単繊維層が厚み方向に複数積層されている箇所が存在している、表皮材。
  2. 前記単繊維の繊維横断面の外形が略三角形である、請求項1に記載の表皮材。
  3. 前記繊維集合体は、編物、織物、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、及びニードルパンチ不織布からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の表皮材。
  4. 前記単繊維は、合成繊維である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表皮材。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表皮材を備える、内装材。
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