JP2022013318A - パンケーキ構造の超伝導コイルおよび回転機 - Google Patents

パンケーキ構造の超伝導コイルおよび回転機 Download PDF

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ナンディンツェツェグ ゴンボジャブ
Gombojav Nandintsetseg
昭 筒井
Akira Tsutsui
拓也 松本
Takuya Matsumoto
祐太 小紫
Yuta Komurasaki
和宏 福山
Kazuhiro Fukuyama
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Abstract

Figure 2022013318000001
【課題】本発明は、超伝導コイルの形状を維持しつつ、アキシャルギャップ型回転機に利用可能なパンケーキ構造の超伝導コイルおよびこれを用いた回転機を提供する。
【解決手段】本発明のパンケーキ構造のコイル13aは、パンケーキ構造となるように、幅方向が軸方向に沿うように巻き回された帯状の導体部材131aと、前記巻き回された帯状の導体部材131aを、前記巻き回された帯状の導体部材131aにおける積層方向に沿って拘束する拘束部材4aと、前記巻き回された帯状の導体部材131aの両端部それぞれに取り付けられた第1および第2電極5a-1、5a-2と、前記巻き回された帯状の導体部材131aにおける周方向に沿って延びるように第1および第2電極5a-1、5a-2に取り付けられた第1および第2電線6a-1、6a-2とを備え、前記導体部材131aは、超伝導線材である。
【選択図】図3

Description

本発明は、超伝導線材で形成されたパンケーキ構造の超伝導コイルおよび前記超伝導コイルを用いた回転機に関する。
従来、超伝導線材を巻き回して形成された超伝導コイルが知られている。前記超伝導コイルに給電するために、例えば特許文献1のように、前記超伝導線材の両端部それぞれに電極が取り付けられる。帯状(テープ状、リボン状)の超伝導線材でコイルを形成する場合、いわゆるパンケーキ構造が適している。ダブルパンケーキ構造の超伝導コイルの場合、最内周から帯状の超伝導線材を巻き始めれば、前記帯状の超伝導線材の両端部は、最外周となるので、周方向に沿って電極を取り付けることができる。しかしながら、シングルパンケーキ構造の超伝導コイルの場合、前記特許文献1のように、最内周の端部から軸方向に延びるように電極が取り付けられることになる。
一方、このような超伝導コイルの用途の1つに、電気エネルギを機械エネルギへ変換するモータ(電気モータ、電動機)がある。このモータは、様々な用途に利用されており、一般に、出力軸を有し回転するロータ(回転子)と、前記ロータと相互作用するステータ(固定子)とを備え、回転変化する磁界(回転磁界)によって前記ロータを回転させる。このモータは、一般に、動作原理の観点から分類すると、同期モータと誘導モータ(非同期モータ)とに大別され、一方、構造の観点から分類すると、ラジアルギャップ型モータと、アキシャルギャップ型モータとに大別される。
同期モータは、給電された交流電流が作る回転磁界によってロータが吸引されて追従回転し、同期速度で回転する電動機である。同期モータには、例えば、ロータに永久磁石を用いる永久磁石同期電動機(PM型モータ)や、鉄のようなリラクタンス(磁気抵抗)が小さく一時的に磁石となる材料をロータに用いるリラクタンス型同期電動機等がある。
誘導モータは、ステータが作る回転磁界によって電気伝導体のロータに誘導電流を発生させ、これによってすべりに対応した回転トルクを得る電動機である。誘導モータには、例えば、始動時には所定の方法で回転トルクが与えられ始動後には単相交流電力で回転トルクを得る単相誘導電動機や、三相交流電力で回転トルクを得る例えばかご形三相誘導電動機および巻線形三相誘導電動機等の三相誘導電動機等がある。
ラジアルギャップ型モータは、固定子と回転子とが径方向に間隔を空けて配置される構造のモータであり、アキシャルギャップ型モータは、固定子と回転子とが軸方向に間隔を空けて配置される構造のモータである。アキシャルギャップ型モータは、その構造から、トルクを低下させずに、ラジアルギャップ型モータに較べて薄くできるという利点を有する。このような観点から分類されるアキシャプギャップ型誘導モータは、種々、開発されている(例えば特許文献2等)。
また、一方、モータは、電気エネルギの投入を機械エネルギの投入に変えることで、機械エネルギを電気エネルギへ変換する発電機としても機能できる。このため、本書では、モータ(電動機)および発電機のうちの少なくとも一方として利用される装置として回転機が定義される。
特開2019-16685号公報 特開2004-304912号公報
ところで、超伝導線材に変位や応力が発生すると臨界電流密度が低下する虞や、さらにクエンチ(超伝導状態の破れ)が発生してしまう虞もある。このため、許容曲げ半径を超えて前記超伝導線材を曲げることができない。したがって、超伝導コイルは、前記許容曲げ半径を超えないように前記超伝導線材で形成されるが、形成後、許容曲げ半径を超えて変形しないように、超伝導コイルの形状が維持されることが望ましい。
また、前記ダブルパンケーキ構造の超伝導コイルの場合、最内周では、超伝導線材を前記ダブルパンケーキ構造の積層方向(軸方向)に比較的大きく曲げる必要があり、前記許容曲げ半径を超えてしまう虞がある。このため、前記シングルパンケーキ構造が好ましいが、前記シングルパンケーキ構造の超伝導コイルの場合、上述のように、最内周の端部から軸方向に延びるように電極が取り付けられるため、固定子と回転子とが軸方向に間隔を空けて配置される構造のアキシャルギャップ型回転機には、利用し難い。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、超伝導コイルの形状を維持しつつ、アキシャルギャップ型回転機に利用可能なパンケーキ構造の超伝導コイルおよびこの超伝導コイルを用いた回転機を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるパンケーキ構造の超伝導コイルは、パンケーキ構造となるように、幅方向が軸方向に沿うように巻き回された帯状の導体部材と、前記巻き回された帯状の導体部材を、前記巻き回された帯状の導体部材における積層方向に沿って拘束する拘束部材と、前記巻き回された帯状の導体部材の両端部それぞれに取り付けられた第1および第2電極と、前記巻き回された帯状の導体部材における周方向に沿って延びるように前記第1および第2電極に取り付けられた第1および第2電線とを備え、前記導体部材は、超伝導線材である。好ましくは、上述のパンケーキ構造の超伝導コイルにおいて、前記第1および第2電極は、それぞれ、略矩形の板状本体部と、前記板状本体部における前記周方向の一方端に前記周方向に延びる延設部とを備える。好ましくは、上述のパンケーキ構造の超伝導コイルにおいて、前記第1および第2電極は、互いに前記積層方向で対向して前記周方向の同位置に取り付けられている。
このようなパンケーキ構造の超伝導コイルは、拘束部材によって積層方向に沿って拘束されるので、超伝導線材の導体部材の巻き回した状態を維持できる。そして、上記パンケーキ構造の超伝導コイルは、前記周方向に沿って延びるように第1および第2電極に取り付けられた第1および第2電線を備えるので、アキシャルギャップ型回転機に利用できる。したがって、上記パンケーキ構造の超伝導コイルは、超伝導コイルの形状を維持しつつ、アキシャルギャップ型回転機に利用可能である。
他の一態様では、上述のパンケーキ構造の超伝導コイルにおいて、前記拘束部材は、樹脂製の締結部品を含む。
このようなパンケーキ構造の超伝導コイルは、締結部品が樹脂製であるので、拘束部材に絶縁特性を付与できる。特に、第1および第2電極を鉄心に締結部材で取り付ける場合に、第1および第2電極と鉄心とを絶縁できる。
他の一態様では、これら上述のパンケーキ構造の超伝導コイルにおいて、前記第1および第2電極のうちの一方は、前記拘束部材の一部を構成している。
このようなパンケーキ構造の超伝導コイルは、第1および第2電極のうちの一方が拘束部材の一部を構成しているので、部品点数を削減できる。
他の一態様では、上述のパンケーキ構造の超伝導コイルにおいて、前記軸方向の長さが前記帯状の導体部材の幅よりも長く、前記帯状の導体部材を巻き付ける鉄心をさらに備え、前記第1および第2電極は、前記軸方向の長さが前記帯状の導体部材の幅よりも長い板状部材であり、前記第1および第2電極のうちの一方は、前記巻き回された帯状の導体部材における最外周の端部に外周側から取り付けられ、前記拘束部材は、前記第1および第2電極のうちの前記一方と前記鉄心とを連結する連結部材を含む。好ましくは、上述のパンケーキ構造の超伝導コイルにおいて、前記連結部材は、前記第1および第2電極のうちの前記一方と前記鉄心との間に挟み込まれるスペーサと、前記第1および第2電極のうちの前記一方を前記スペーサを介してと前記鉄心に締結する樹脂製のボルトとを備える。
これによれば、鉄心と、第1および第2電極のうちの前記一方と、連結部材とで拘束部材を構成したパンケーキ構造の超伝導コイルが提供できる。
本発明の他の一態様にかかるアキシャルギャップ型回転機は、コイルを備える固定子と、前記固定子から軸方向に間隔を空けて配置され、前記コイルと磁気的に相互作用しながら回転する回転子とを備え、前記コイルは、上述のいずれかのパンケーキ構造の超伝導コイルである。好ましくは、上述のアキシャルギャップ型回転機は、前記回転子が第1磁性体部材をさらに備えるアキシャルギャップ型誘導回転機であって、前記固定子と前記回転子との間であって前記第1磁性体部材上に配置され、前記第1磁性体部材における前記固定子に臨む面を少なくとも全て覆う板状の第2磁性体部材をさらに備える。
本発明にかかるパンケーキ構造の超伝導コイルは、超伝導コイルの形状を維持しつつ、アキシャルギャップ型回転機に利用可能である。本発明によれば、このようなパンケーキ構造の超伝導コイルを用いた回転機が提供できる。
実施形態におけるアキシャルギャップ型誘導回転機の構成を示す図である。 前記アキシャルギャップ型誘導回転機における固定子を説明するための図である。 前記アキシャルギャップ型誘導回転機におけるコイルを説明するための図である。 周方向で互いに隣接する2個のコイル間における電線による接続の様子を示す上面図である。 前記アキシャルギャップ型誘導回転機における回転子および第2磁性体部材を説明するための図である。 前記回転子における第2磁性体部材の配置の様子を説明するための図である。 3相交流の場合におけるコイル間における電線による接続の様子を示す上面図である。
以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
実施形態における超伝導コイルは、パンケーキ構造となるように、幅方向が軸方向に沿うように巻き回された帯状の導体部材と、前記巻き回された帯状の導体部材を、前記巻き回された帯状の導体部材における積層方向に沿って拘束する拘束部材と、前記巻き回された帯状の導体部材の両端部それぞれに取り付けられた第1および第2電極と、前記巻き回された帯状の導体部材における周方向に沿って延びるように前記第1および第2電極に取り付けられた第1および第2電線とを備える。そして、前記導体部材は、超伝導線材である。実施形態における回転機は、コイルを備える固定子と、前記固定子から軸方向に間隔を空けて配置され、前記コイルと磁気的に相互作用しながら回転する回転子とを備え、前記コイルは、上述のパンケーキ構造の超伝導コイルである。以下、一例として、アキシャルギャップ型誘導回転機(以下、適宜「AG型誘導回転機」と略記する)を用いて、より具体的に説明する。なお、ここでは、AG型誘導回転機を用いて本発明の一実施形態が説明されるが、他の分類形式の回転機でも同様に説明できる。
図1は、実施形態におけるアキシャルギャップ型誘導回転機の構成を示す図である。図1Aは、側面図であり、図1Bは、斜視図であり、図1Cは、固定子のバックヨークを取り除いた場合の上面斜視図である。図2は、前記アキシャルギャップ型誘導回転機における固定子を説明するための図である。図2Aは、バックヨークの斜視図であり、図2Bは、ステータコアの斜視図である。図3は、前記アキシャルギャップ型誘導回転機におけるコイルを説明するための図である。図3Aは、上面図であり、図3Bは、帯状の導体部材(テープ状超伝導線材)の巻き始めの様子を示す側面図(積層方向から見た図)であり、図3Cは、前記帯状の導体部材における最外周の端部に外周側から取り付けられた第2電極の様子を示す、周方向の一方から見た斜視図であり、図3Dは、前記第2電極の様子を示す、周方向の他方から見た斜視図である。図4は、周方向で互いに隣接する2個のコイル間における電線による接続の様子を示す上面図である。図5は、前記アキシャルギャップ型誘導回転機における回転子および第2磁性体部材を説明するための図である。図5Aは、回転子の斜視図であり、図5Bは、第2磁性体部材の斜視図である。図6は、前記回転子における第2磁性体部材の配置の様子を説明するための図である。図6Aは、第2磁性体部材を配置する前の回転子を示し、図6Bは、複数の第2磁性体部材の一部を回転子に配置した状態を示す。
実施形態におけるAG型誘導回転機Rは、例えば、図1ないし図6に示すように、固定子1a、1bと、回転子2とを備え、本実施形態では、回転子2で生じる渦電流を低減するために、第2磁性体部材3(3-1、3-2、3-3、・・・)をさらに備える。
本実施形態では、固定子1a、1bは、回転子2を挟むように配置される第1および第2固定子1a、1bを備える。これら第1および第2固定子1a、1bは、同構造であるので、以下では、主に、第1固定子1aについて説明し、第2固定子1bの構成に対応する第1固定子1aの構成の符号の後に、前記第2固定子1bの構成の符号を括弧書きで記載することで、第2固定子1bの説明に代え、第2固定子1bの説明は、省略する。
第1固定子1a(1b)は、回転子2を回転させるための磁界を発生させる部品であり、例えば、図1Cおよび図2に示すように、バックヨーク11a(11b)と、複数のステータコア12a(12a-1、12a-2、12a-3、・・・)(12b(12b-1、12b-2、12b-3、・・・))と、複数のコイル13a(13a-1、13a-2、13a-3、・・・)(13b(13b-1、13b-2、13b-3、・・・))とを備える。ステータコア12a(12b)の個数は、コイル13a(13b)の個数に応じた個数であり、コイル13a(13b)の個数と同数である。
バックヨーク11a(11b)は、複数のコイル13a(13b)それぞれで生じる各磁束を結合するための部材である。バックヨーク11a(11b)は、例えば、比較的高い透磁率を持つ鉄やフェライト等で円板状に形成される。バックヨーク11a(11b)は、磁気的に等方性を有することが好ましい。円板状のバックヨーク11a(11b)における中心には、図2Aに示すように、図略の出力軸を遊挿するための円形な挿通孔111a(111b)が形成されている。バックヨーク11a(11b)には、ステータコア12a(12b)をねじ止めするための2個のねじ止め孔112a-1、112a-2(112b-1、112b-2)が径方向に沿って並んで形成され、このような径方向に並ぶ2個のねじ止め孔112a-1、112a-2(112b-1、112b-2)が、複数のステータコア12a(12b)を周方向に並べてバックヨーク11a(11b)に取り付けられるように、複数のステータコア12a(12b)の個数と同数で周方向に所定の間隔を空けて形成されている。
複数のステータコア12a(12b)は、それぞれ、複数のコイル13a(13b)それぞれの、磁束の通路となる鉄心であり、例えば、図2Bに示すように、コイル13a(13b)を巻き回すための、平面視にて略長円形の柱状のコア本体部121a(121b)と、コア本体部121a(121b)の一方端に連結された付属部122a(122b)とを備える。付属部122a(122b)は、平面視にて、そのサイズがコア本体部121a(121b)より大きく(例えば一回り大きく)、これにより、軸方向に直交する直交方向にフランジ状(鍔状)にコア本体部121a(121b)の一方端側面から延びている。複数のステータコア12a(12b)は、それぞれ、バックヨーク11a(11b)と同様に、例えば、比較的高い透磁率を持ち、磁気的に等方性を有する鉄やフェライト等で形成される。これら複数のステータコア12a(12b)は、図1Aおよび図1Cに示すように、コア本体部121a(121b)の他方端でバックヨーク11a(11b)に当接され、周方向に所定の間隔を空けて等間隔で配置され、ねじ止め孔112a-1、112a-2(112b-1、112b-2)を用いてねじ止めされる。
複数のコイル13a(13b)は、それぞれ、通電により回転子2を回転させる磁界を発生させるための部材であり、例えば、いわゆるパンケーキ構造となるように、幅方向がコイル軸方向に沿うように複数のステータコア12a(12b)のコア本体部121a(121b)それぞれに巻き回された帯状の導体部材で形成される。前記帯状の導体部材は、本実施形態では、絶縁被覆された超伝導線材であり、したがって、複数のコイル13a(13b)は、シングルパンケーキ構造の超伝導コイルである。
より具体的には、複数のコイル13a(13b)それぞれには、本実施形態では、例えば、図3に示すように、拘束部材4a(4b)、第1および第2電極5a-1(5b-1)、5a-2(5b-2)ならびに第1および第2電線6a-1(6b-1)、6a-2(6b-2)が取り付けられている。
拘束部材4a(4b)は、コイル13a(13b)において、前記巻き回された帯状の導体部材を、前記巻き回された帯状の導体部材における積層方向に沿って拘束する部材である。拘束部材4a(4b)は、樹脂製の締結部品、例えば樹脂製の2個の第21および第22ボルト42a-1、42a-2を含む。拘束部材4a(4b)については、さらに、後述する。
第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)は、コイル13a(13b)において、前記巻き回された帯状の導体部材の両端部それぞれに取り付けられ、例えば銅やアルミニウム等の金属(合金を含む)で形成された導電性の部材である。より具体的には、本実施形態では、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)のうちの一方が前記拘束部材の一部を構成するために、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)は、それぞれ、軸方向(コイル13a(13b)の軸方向、AG型誘導回転機Rの軸方向と同一)の長さが前記帯状の導体部材の幅よりも長い板状部材である。より詳しくは、第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)それぞれを取り付けるために、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)は、それぞれ、略矩形の板状本体部501a-1、501a-2(501b-1、501b-2)と、前記板状本体部501a-1、501a-2(501b-1、501b-2)における周方向の一方端に周方向に延びる延設部502a-1、502a-2(502b-1、502b-2)とを備えた、側面視にて略Γ字状の形状を呈した板状部材である。この板状本体部501a-1、501a-2(501b-1、501b-2)における前記軸方向の長さが前記帯状の導体部材の幅よりも長い。複数のステータコア12a(12b)それぞれも、前記軸方向の長さが前記帯状の導体部材の幅よりも長い。本実施形態では、コア本体部121a(121b)の前記軸方向の長さが前記帯状の導体部材の幅よりも長い。好ましくは、第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)を周方向から引き出せるように、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)は、それぞれ、前記軸方向の長さが第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)の太さ以上で前記帯状の導体部材の幅よりも長く、複数のステータコア12a(12b)それぞれも、前記軸方向の長さが第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)の太さ以上で前記帯状の導体部材の幅よりも長い。本実施形態では、第1電極5a-1(5b-1)は、コイル13a(13b)において、前記巻き回された帯状の導体部材の最内周の端部に内周側から取り付けられている。第2電極5a-2(5b-2)は、コイル13a(13b)において、前記巻き回された帯状の導体部材の最外周の端部に外周側から取り付けられている。この第2電極5a-2(5b-2)は、前記拘束部材の一部を構成している。この板状部材の第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)における周方向の長さ(本実施形態では前記板状本体部における周方向の長さ)は、適宜に設定されてよいが、第2電極5a-2(5b-2)がコイル13a(13b)における前記帯状の導体部材をより確実に拘束するためにより長い方が好ましい。
第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)は、コイル13a(13b)において、前記巻き回された帯状の導体部材における周方向に沿って延びるように第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)に取り付けられた、絶縁被覆された導電性の線材である。第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)は、それぞれ、絶縁被覆された例えば銅等の金属(合金を含む)で形成された撚り線る。ただし、第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)それぞれにおける第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)と電気的に接続される部分は、もちろん、絶縁被覆されていない。コイル13a(13b)には、AG型誘導回転機Rがモータとして利用される場合、所定の電力が第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)ならびに第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)を介して供給される。一方、AG型誘導回転機Rが発電機として利用される場合、コイル13a(13b)から、所定の電力が第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)ならびに第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)を介して出力される。
拘束部材4a(4b)は、前記第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)のうちの一方、本実施形態では第2電極5a-2(5b-2)とステータコア12a(12b)とを連結する連結部材を含む。前記連結部材は、本実施形態では、第2電極5a-2(5b-2)とステータコア12a(12b)との間に挟み込まれる筒状の2個の第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)と、前記第2電極5a-2(5b-2)を前記2個の第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)を介してステータコア12a(12b)に締結する樹脂製の2個の第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)とを備える。
このような拘束部材4a(4b)、第1および第2電極5a-1、5a-2((b-1、5b-2)ならびに第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)を取り付けたコイル13a(13b)は、次のように作成される。
例えば、図3Bに示すように、ステータコア12a(12b)のコア本体部121a(121b)における周面(側面)に絶縁層51a(51b)(図3A参照)を介して第1電極5a-1(5b-1)が2個の樹脂製の第11および第12ボルト7a-1、7a-2(7b-1、7b-2)で締結固定される。前記絶縁層51a(51b)は、例えば絶縁シートや絶縁性の接着剤等で構成される。ステータコア12a(12b)のコア本体部121a(121b)には、この第1電極5a-1(5b-1)を取り付けるために、その周面に、周方向の略中央位置に径方向に凹ませた凹所が形成され、この凹所の底面には、第11および第12ボルト7a-1、7a-2(7b-1、7b-2)を取り付けるための互いに周方向に離間した2個の第11および第12穴(不図示)が、径方向に穿孔されている。前記2個の第11および第12穴の内側面には、第11および第12ボルト7a-1、7a-2(7b-1、7b-2)を螺合で取り付けるために、ねじ溝が形成されている。第1電極5a-1(5b-1)の板状本体部501a-1(501b-1)には、第11および第12ボルト7a-1、7a-2(7b-1、7b-2)を挿通するための2個の第11および第12貫通孔が前記2個の第11および第12穴に対応するように形成される。第1電極5a-1(5b-1)の延設部502a-1(502b-1)には、第1電線6a-1(6b-1)が周方向に沿って延びるように例えば超伝導材の半田等で接続され、第1電極5a-1(5b-1)の板状本体部501a-1(501b-1)における、第11および第12ボルト7a-1、7a-2(7b-1、7b-2)を取り付けるための部分を除く残余部分(図3Bに示す例では第11および第12ボルト7a-1、7a-2(7b-1、7b-2)を取り付けるための部分の下部の部分)に、帯状の超伝導線材131a(131b)の一方端部が、その幅方向が軸方向に沿うように、例えば超伝導材の半田等で接続される。
このように第1電極5a-1(5b-1)に接続された帯状の超伝導線材131a(131b)は、その幅方向が軸方向に沿うように、テータコア12a(12b)のコア本体部121a(121b)に巻き回され、図3A、図3Cおよび図3Dに示すように、シングルパンケーキ構造のコイル13a(13b)が形成される。
ステータコア12a(12b)のコア本体部121a(121b)には、その周面(側面)に、第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)を取り付けるための互いに周方向に離間した2個の第21および第22穴(不図示)が、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)が互いに積層方向で対向して前記周方向の同位置に取り付けられるような位置で、径方向に穿孔されている。前記2個の第21および第22穴の内側面には、第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)を螺合で取り付けるために、ねじ溝が形成されている。第2電極5a-2(5b-2)の板状本体部501a-2(501b-2)には、第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)を挿通するための2個の第21および第22貫通孔が前記2個の第21および第22穴に対応するように形成される。
第2電極5a-2(5b-2)は、図3Bおよび図3Cに示すように、上記シングルパンケーキ構造のコイル13a(13b)に形成された帯状の超伝導線材131a(131b)における最外周の他方端部に、電気的に接続するように、外周側から取り付けられる。より詳しくは、ステータコア12a(12b)のコア本体部121a(121b)と第2電極5a-2(5b-2)との間に、周方向に並置された第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)が挟まれ、第21ボルト42a-1(42b-1)が、第2電極5a-2(5b-2)の板状本体部501a-2(501b-2)における前記第21貫通孔に挿通され、続いて、第1スペーサ41a-1(41b-1)に挿通され、コア本体部121a(121b)の前記第21穴に螺合され、締結固定され、同様に、第22ボルト42a-2(42b-2)が、第2電極5a-2(5b-2)の板状本体部501a-2(501b-2)における前記第22貫通孔に挿通され、続いて、第2スペーサ41a-2(41b-2)に挿通され、コア本体部121a(121b)の前記第22穴に螺合され、締結固定される。この際に、本実施形態では、第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)が、例えばステンレス(SUS)等の導電性の金属で形成されているため、第2電極5a-2(5b-2)と第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)とを絶縁するために、例えば繊維強化プラスチック(FRP、Fiber Reinforced Plastics)等で形成された円筒状の第1および第2絶縁部材52a-1、52a-2(52b-1、52b-2)が第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)における第2電極5a-2(5b-2)側の端部に、第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)の先端面を覆うように嵌め込まれている。そして、第2電極5a-2(5b-2)の前記延設部には、第2電線6a-2(6b-2)が周方向に沿って延びるように例えば超伝導材の半田等で接続される。
このように、コイル13a(13b)において、前記巻き回された帯状の導体部材131a(131b)を、第2電極5a-2(5b-2)を介して、ステータコア12a(12b)側へ積層方向に沿って、第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)で締め付けることで、コイル13a(13b)が積層方向に沿って拘束され、超伝導線材の導体部材131a(131b)における前記許容曲げ半径以下で巻き回した状態が維持される。
拘束部材4a(4b)、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)ならびに第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)を取り付けたコイル13a(13b)は、このように作成される。
このように作成された複数のコイル13a(13b)は、上述のように、複数のステータコア12a(12b)を介してバックヨーク11a(11b)に周方向に所定の間隔を空けて等間隔で配置され、本実施形態では、図4に示すように、周方向に直列で電気的に接続される。このため、図4に示すように、当該コイル13a(13b)における第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)は、それぞれ、例えば、当該コイル13a(13b)に時計回りに周方向に隣接するコイル13a(13b)における第2および第1電線6a-2、6a-1(6b-2、6b-1)となっている。すなわち、当該コイル13a(13b)における第1電線6a-1(6b-1)の一方端は、当該コイル13a(13b)における第1電極5a-1(5b-1)に接続され、当該コイル13a(13b)における第1電線6a-1(6b-1)の他方端は、当該コイル13a(13b)に時計回りに周方向に隣接するコイル13a(13b)における第2電極5a-2(5b-2)に接続される。当該コイル13a(13b)における第2電線6a-2(6b-2)の一方端は、当該コイル13a(13b)における第2電極5a-2(5b-2)に接続され、当該コイル13a(13b)における第2電線6a-2(6b-2)の他方端は、当該コイル13a(13b)に反時計回りに周方向に隣接するコイル13a(13b)における第1電極5a-1(5b-1)に接続される。このように複数のコイル13a(13b)が複数の第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)で直列に接続される場合、本実施形態では、複数のコイル13a(13b)それぞれにおいて、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)が互いに積層方向で対向して周方向(コイル13a(13b)の周方向)の同位置に取り付けられているので、複数の第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)が略同一の長さにできるため、複数の第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)が略同一の抵抗値にできる。これにより複数のコイル13a(13b)それぞれにバランスよく給電できる。
第2電極5a-1(5b-1)、第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)ならびに第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)は、前記第1および第2電極のうちの前記一方と前記鉄心とを連結する連結部材の一例に相当し、この前記連結部材は、前記巻き回された帯状の導体部材を、前記巻き回された帯状の導体部材における積層方向に沿って拘束する拘束部材の一例に相当し(本実施形態では、拘束部材、すなわち、連結部材)、第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)は、第2電極5a-2(5b-2)をステータコア12a(12b)に締結する、樹脂製の締結部材の一例に相当する。
回転子2は、第1および第2固定子1a、1bそれぞれで生成された各磁界によって回転する部品である。回転子2は、例えば、図5Aに示すように、枠体21と、複数の第1磁性体部材22(22-1、22-2、22-3、・・・)とを備える。枠体21は、前記出力軸を挿通させて固定される円環状(リング状)の内側円環部材211と、内側円環部材211と同心で大径な円環状の外側円環部材212と、周方向に所定の間隔を空けて等間隔で配置され、内側円環部材211と外側円環部材212とを連結する棒状の複数のスポーク部材213とを備える。枠体21は、例えば、アルミニウムや銅やスレンレス等の非磁性体で形成される。複数の第1磁性体部材22は、それぞれ、磁性体、例えば、軟磁性粉末を圧力成型あるいは加熱や接着剤等を用いて、板状に形成される。前記軟磁性粉末は、強磁性の金属粉末、例えば、純鉄粉や、鉄基合金粉末(Fe-Al合金、Fe-Si合金、パーマロイ等)や、アモルファス粉末等である。複数の第1磁性体部材22は、それぞれ、枠体21における内側円環部材211、外側円環部材212および互いに隣接する2個のスポーク部材213で形成される各開口部に嵌め込まれて固定される。
第2磁性体部材3(3-1、3-2、3-3、・・・)は、回転子2における複数の第1磁性体部材22の個数と同数な複数である。これら複数の第2磁性体部材3は、それぞれ、図1A、図1Cおよび図6Cに示すように、各第1磁性体部材22における第1固定子1aに臨む面を少なくとも全て覆うように、第1固定子1aと回転子2との間であって前記各第1磁性体部材22上に、互いに隣接する第2磁性体部材3同士を離間させて、例えば樹脂接着剤等で固定されて配置される。したがって、平面視にて、第2磁性体部材3のサイズ(大きさ)は、第1磁性体部材22における第1固定子1aに臨む面のサイズより大きい。複数の第2磁性体部材3は、それぞれ、磁気的なギャップ(隙間)を低減できるように、例えば樹脂製のボルト等の締結部材で各第1磁性体部材22と密着させることが好ましい。複数の第2磁性体部材3は、それぞれ、第1磁性体部材22と同様な磁性体で、板状に形成される。例えば、平面視にて、第2磁性体部材3は、第1磁性体部材22における第1固定子1aに臨む面の形状と略相似形である。
このようなAG型誘導回転機Rにおけるパンケーキ構造の超伝導コイル13a(13b)は、拘束部材4a(4b)によって積層方向に沿って拘束されるので、超伝導線材の導体部材131a(131b)の巻き回した状態を維持できる。そして、上記パンケーキ構造の超伝導コイル13a(13b)は、前記周方向に沿って延びるように第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)に取り付けられた第1および第2電線6a-1、6a-2(6b-1、6b-2)を備えるので、アキシャルギャップ型回転機に利用できる。本実施形態では、上記パンケーキ構造の超伝導コイル13a(13b)は、AG型誘導回転機Rに利用されている、したがって、上記パンケーキ構造の超伝導コイル13a(13b)は、超伝導コイル13a、13bの形状を維持しつつ、アキシャルギャップ型回転機に利用可能である。
上記パンケーキ構造の超伝導コイル13a(13b)は、締結部品の第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)が樹脂製であるので、拘束部材4a(4b)に絶縁特性を付与でき、第2電極5a-2(5b-2)とステータコア12a(12b)とを絶縁できる。本実施形態では、第1電極5a-1(5b-1)は、樹脂製の第11および第12ボルト7a-1、7a-2(7b-1、7b-2)でステータコア12a(12b)に取り付けられるので、第1電極5a-1(5b-1)とステータコア12a(12b)とを絶縁できる。
上記パンケーキ構造の超伝導コイル13a(13b)は、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)のうちの一方、本実施形態では第2電極5a-2(5b-2)が拘束部材4a(4b)の一部を構成しているので、部品点数を削減できる。したがって、アキシャルギャップ型回転機における構造が簡素化され、低コスト化に寄与できる。
本実施形態によれば、ステータコア12a(12b)と、第1および第2電極5a-1、5a-2(5b-1、5b-2)のうちの一方(本実施形態では第2電極5a-2(5b-2))と、連結部材(本実施形態では第1および第2スペーサ41a-1、41a-2(41b-1、41b-2)ならびに第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2))とで拘束部材4a(4b)を構成したパンケーキ構造の超伝導コイル13a(13b)が提供できる。
上記AG型誘導回転機Rは、第1固定子1aの磁束が第2磁性体部材3に導かれて第1磁性体部材22を優先的に通るようにでき、前記第1固定子1aの磁束が回転子2の第1磁性体部材22を除く部分を通ることを低減できる。このため、前記第1固定子1aの磁束が回転子2の第1磁性体部材22を除く部分を通ることにより生じる渦電流が低減でき、回転子2に生じる誘導電流は、外側円環部材212から内側円環部材211へスポーク部材213を一方向に流れるようになる。したがって、上記AG型誘導回転機Rは、モータ(電動機)の場合ではトルクを向上でき、発電機の場合では発電効率を向上できる。
そして、上記AG型誘導回転機Rは、1個の回転子2に対し2個の第1および第2固定子1a、1bを備えるので、モータの場合ではトルクをより向上でき、発電機の場合では発電効率をより向上できる。
なお、上述の実施形態において、第1電極5a-1(5b-1)をステータコア12a(12b)に取り付ける第11および第12ボルト7a-1、7a-2(7b-1、7b-2)や、第2電極5a-2(5b-2)をステータコア12a(12b)に取り付ける第21および第22ボルト42a-1、42a-2(42b-1、42b-2)は、1本でもよいが、本実施形態のように複数本とすることで、第1電極5a-1(5b-1)の回転および第2電極5a-2(5b-2)の回転を防止でき、構造上、安定的に超伝導コイル13a、13bの形状を維持できる。
また、上述の実施形態では、複数の第2磁性体部材3は、それぞれ、各第1磁性体部材22における第1固定子1aに臨む面を少なくとも全て覆うように、前記各第1磁性体部材22上に配置されたが、各第1磁性体部材22における第2固定子1bに臨む面を少なくとも全て覆うように、前記各第1磁性体部材22上に配置されてもよい。
また、複数の第2磁性体部材3は、それぞれ、各第1磁性体部材22における第1固定子1aに臨む面を少なくとも全て覆う板状の第2A磁性体部材と、前記各第1磁性体部材22における第2固定子1bに臨む面を少なくとも全て覆う板状の第2B磁性体部材とを備えて構成されてもよい。このような構成のAG型誘導回転機Rは、モータの場合ではトルクをさらにより向上でき、発電機の場合では発電効率をさらにより向上できる。
また、上述の実施形態では、第2磁性体部材3は、回転子2の第1磁性体部材22と別体で構成されたが、磁気的なギャップ(隙間)をなくすために、第2磁性体部材3は、回転子2の第1磁性体部材22と一体で構成されてもよい。
また、上述の実施形態では、AG型誘導回転機Rは、回転子2を両側から挟む2個の第1および第2固定子1a、1bを備えて構成されたが、回転子2の一方面に配置された1個の固定子を備えて構成されてもよい。
また、上述のAG型誘導回転機Rは、3相交流に適用されてもよい。図7は、3相交流の場合におけるコイル間における電線による接続の様子を示す上面図である。この3相交流に適用されるAG型誘導回転機Rでは、図7に示すように、複数のコイル13a(13b)は、U相用のコイル13a-U(13b-U)、V相用のコイル13a-V(13b-V)およびW相用のコイル13a-W(13b-W)を1組として、複数のステータコア12a(12b)を介してバックヨーク11a(11b)に周方向に所定の間隔を空けて等間隔で配置される。すなわち、各相のコイル13a(13b)は、周方向に2個おきに配置される。そして、各第1および第2電線6a-1(6b-1)、6a-2(6b-2)は、各相ごとに結線される。すなわち、U相では、当該U相用のコイル13a-U(13b-U)における第1電線6a-1U(6b-1U)の一方端は、当該コイル13a-U(13b-U)における第1電極5a-1U(5b-1U)に接続され、当該コイル13a-U(13b-U)における第1電線6a-1U(6b-1U)の他方端は、当該コイル13a-U(13b-U)に時計回りに周方向に2個おいて隣接するコイル13a-U(13b-U)における第2電極5a-2U(5b-2U)に接続される。当該コイル13a-U(13b-U)における第2電線6a-2U(6b-2U)の一方端は、当該コイル13a-U(13b-U)における第2電極5a-2U(5b-2U)に接続され、当該コイル13a-U(13b-U)における第2電線6a-2U(6b-2U)の他方端は、当該コイル13a-U(13b-U)に反時計回りに周方向に2個おいて隣接するコイル13a-U(13b-U)(不図示)における第1電極5a-1U(5b-1U)に接続される。同様に、V相では、当該V相用のコイル13a-V(13b-V)における第1電線6a-1V(6b-1V)の一方端は、当該コイル13a-V(13b-V)における第1電極5a-1V(5b-1V)に接続され、当該コイル13a-V(13b-V)における第1電線6a-1V(6b-1V)の他方端は、当該コイル13a-V(13b-V)に時計回りに周方向に2個おいて隣接するコイル13a-V(13b-V)における第2電極5a-2V(5b-2V)に接続される。当該コイル13a-V(13b-V)における第2電線6a-2V(6b-2V)の一方端は、当該コイル13a-V(13b-V)における第2電極5a-2V(5b-2V)に接続され、当該コイル13a-V(13b-V)における第2電線6a-2V(6b-2V)の他方端は、当該コイル13a-V(13b-V)に反時計回りに周方向に2個おいて隣接するコイル13a-V(13b-V)(不図示)における第1電極5a-1V(5b-1V)に接続される。W相では、当該W相用のコイル13a-W(13b-W)における第1電線6a-1W(6b-1W)の一方端は、当該コイル13a-W(13b-W)における第1電極5a-1W(5b-1W)に接続され、当該コイル13a-W(13b-W)における第1電線6a-1W(6b-1W)の他方端は、当該コイル13a-W(13b-W)に時計回りに周方向に2個おいて隣接するコイル13a-W(13b-W)における第2電極5a-2W(5b-2W)に接続される。当該コイル13a-W(13b-W)における第2電線6a-2W(6b-2W)の一方端は、当該コイル13a-W(13b-W)における第2電極5a-2W(5b-2W)に接続され、当該コイル13a-W(13b-W)における第2電線6a-2W(6b-2W)の他方端は、当該コイル13a-W(13b-W)に反時計回りに周方向に2個おいて隣接するコイル13a-W(13b-W)(不図示)における第1電極5a-1W(5b-1W)に接続される。各結線は、このように各相ごとに実施される。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
R アキシャルギャップ型誘導回転機(AG型誘導回転機)
1a 第1固定子
1b 第2固定子
2 回転子
4a、4b 拘束部材
5a、5b 電極
6a、6b 電線
12a、12b ステータコア
13a、13b コイル(超伝導コイルの一例)
42a-1、42a-2、42b-1、42b-2 ボルト(締結部材の一例)

Claims (5)

  1. パンケーキ構造となるように、幅方向が軸方向に沿うように巻き回された帯状の導体部材と、
    前記巻き回された帯状の導体部材を、前記巻き回された帯状の導体部材における積層方向に沿って拘束する拘束部材と、
    前記巻き回された帯状の導体部材の両端部それぞれに取り付けられた第1および第2電極と、
    前記巻き回された帯状の導体部材における周方向に沿って延びるように前記第1および第2電極に取り付けられた第1および第2電線とを備え、
    前記導体部材は、超伝導線材である、
    パンケーキ構造の超伝導コイル。
  2. 前記拘束部材は、樹脂製の締結部品を含む、
    請求項1に記載のパンケーキ構造の超伝導コイル。
  3. 前記第1および第2電極のうちの一方は、前記拘束部材の一部を構成している、
    請求項1または請求項2に記載のパンケーキ構造の超伝導コイル。
  4. 前記軸方向の長さが前記帯状の導体部材の幅よりも長く、前記帯状の導体部材を巻き付ける鉄心をさらに備え、
    前記第1および第2電極は、前記軸方向の長さが前記帯状の導体部材の幅よりも長い板状部材であり、
    前記第1および第2電極のうちの一方は、前記巻き回された帯状の導体部材における最外周の端部に外周側から取り付けられ、
    前記拘束部材は、前記第1および第2電極のうちの前記一方と前記鉄心とを連結する連結部材を含む、
    請求項3に記載のパンケーキ構造の超伝導コイル。
  5. コイルを備える固定子と、
    前記固定子から軸方向に間隔を空けて配置され、前記コイルと磁気的に相互作用しながら回転する回転子とを備え、
    前記コイルは、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のパンケーキ構造の超伝導コイルである、
    回転機。
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