JP2022012537A - 車両用通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のアンテナを用いて通信する構成において、通信性能の劣化を抑制しつつ、小型化可能な車両用通信装置を提供する。【解決手段】車両用通信装置1は、回路基板11と、筐体12と、カバー13と、を備える。回路基板11には、移動体通信用の複数のアンテナ・・・、A2、・・・、A5が配置されている。回路基板11上に配置されているアンテナのうち、アンテナ間隔が所定の結合距離未満となっているアンテナ同士は、給電方向が直交するように形成されている。また、送受信兼用のアンテナは無線回路から最も近くに、基板に対して垂直に形成されている。【選択図】図2

Description

本開示は、複数のアンテナを備える車両用通信装置に関する。
特許文献1に開示されているように、車両のルーフに取り付けられて使用される、複数のアンテナを含む車両通信装置が開発されている。このようなアンテナ装置は、例えば、MIMO(Multi Input Multi Output)方式の通信に供される。
また、移動体通信システムにおいては、近年5Gの実用化が進められており、5G方式では、現行のLTE、4G方式に比べて、周波数帯が増加する。具体的には5G方式では4G方式で使用される周波数帯に、さらに、3.7GHz帯、4.5GHz帯、28GHz帯が追加される。
このように近年の移動体通信システムでは、通信に供される周波数帯が増加していく傾向にあり、車両用通信装置としても、複数の周波数帯に対応するアンテナを設けた構成の需要が高まっている。
特許題6009062号公報
アンテナの数が増加すると、それに応じて装置のサイズが大きくなってしまい、コストや車両への搭載性が課題となる。また、小型化のためにアンテナ同士を近接配置すると、アンテナ間での干渉又は結合が生じ、通信性能が劣化する。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、複数のアンテナを用いて通信する構成において、通信性能の劣化を抑制しつつ、小型化可能な車両用通信装置を提供することにある。
その目的を達成するための車両用通信装置は、一例として、車両に搭載されて使用される、複数のアンテナ素子を含むアンテナ装置であって、複数のアンテナ素子と接続されてあって、複数のアンテナ素子を用いて他の装置と通信を実施するための無線回路(TRX1)を備え、間隔が所定の結合距離未満となるアンテナ素子同士は、給電点からアンテナ素子が伸びる方向である給電方向が互いに直交する姿勢で形成されている。
上記構成によれば、近接配置されるアンテナ素子同士は給電方向が直交する。給電方向が直交するアンテナ素子同士の相関値は、抑制される傾向にある。つまり、通信性能の劣化を抑制しつつ、小型化が可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
車両用通信装置1の車両2への搭載位置を概略的に示す図である。 車両用通信装置1の搭載姿勢を示す図である。 回路基板11の正面図である。 回路基板11の側面図である。 アンテナ間隔と相関値との関係をシミュレーションする際のモデルを示す図である。 アンテナ間隔と相関値との関係をシミュレーションした結果を示す図である。 給電方向と相関値との関係をシミュレーションする際のモデルを示す図である。 図7に示すシミュレーションモデルの側面図である。 給電方向と相関値との関係をシミュレーションする際のモデルを示す図である。 図9に示すシミュレーションモデルの側面図である。 給電方向と相関値の関係のシミュレーション結果を示す図である。 第2実施形態の車両用通信装置1の全体構成を示す側面図である。 回路基板11Aの正面図である。 回路基板11Aの側面図である。 アンテナの折り曲げ量と相関値のシミュレーションをする際のモデルを示す図である。 アンテナの折り曲げ量と相関値のシミュレーション結果を示す図である。 第3実施形態の車両用通信装置1の全体構成を示す側面図である。 回路基板11Bの正面図である。 回路基板11Bの側面図である。 第4実施形態の車両用通信装置1の全体構成を示す側面図である。 回路基板11Cの正面図である。 回路基板11Cの側面図である。 車両2への車両用通信装置1の取り付け態様の変形例を示す図である。 車両2への車両用通信装置1の取り付け態様の変形例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について図を用いて説明する。なお、以降において同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
[第1実施形態]
図1は、車両用通信装置1の車両2への搭載位置及び搭載姿勢を示す図である。車両用通信装置1は車両2の屋根部21に取り付けられて使用される。例えば車両用通信装置1は、車両2の屋根部21の中央部、或いは中央部から前方又は後方に所定量ずれた位置に配置可能である。例えば車両用通信装置1は、車両2の屋根部21の上面後端部に配置されている。所定量は、例えば0.1m~0.5m程度の範囲で変更可能である。また、車両用通信装置1の搭載位置は上記に限定されず、屋根部21の前端付近であっても良い。屋根部21の上面又は車室内側の面が、車両用通信装置1にとっての取付面に相当する。
なお図1に例示する車両2の屋根部21の後端部は緩やかに傾斜しており、屋根部21の後端部の上面は、車両2の後方ほど下方に位置する。なお、車両用通信装置1が搭載される車両2は、図1に示す屋根形状の車両2に限られない。屋根の外面形状が略平面となっている車両にも、車両用通信装置1は搭載可能である。車両用通信装置1は種々の外形形状の車両に搭載できる。たとえば、車両用通信装置1は1ボックス型の車両にも搭載できる。また、図1に示す車両2は普通乗用車であるが、車両用通信装置1は、種々の区分の車両に搭載できる。たとえば、車両用通信装置1はトラックにも搭載できる。
車両用通信装置1は、複数のアンテナを用いて移動体通信システムの電波を送受信可能に構成されている。例えば車両用通信装置1は、第5世代(いわゆる5G)の移動体通信システムに割り当てられている周波数帯の1つである2.5GHz帯の電波を、MIMO方式で送受信可能に構成されている。MIMOは、multiple-input and multiple-outputの略である。なお、複数のアンテナを用いた通信の形態としては、MIMO方式のほか、アンテナ・ダイバーシティ方式や、ビーム・フォーミング方式などがある。本開示の構成は、アンテナ・ダイバーシティ方式や、ビーム・フォーミング方式などの通信を行う構成にも適用可能である。
また、車両用通信装置1の送受信の対象とする周波数帯、換言すれば動作周波数帯は適宜設計されればよく、2.5GHz帯に限られない。動作周波数帯は、700MHz帯、800MHz帯、900MHz帯、1.5GHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯、2.5GHz帯、3.4GHz帯、3.7GHz帯、4.5GHz帯、及び28GHz帯の一部又は全部であってもよい。また、車両用通信装置1が、送受信の対象とする電波は、5Gの電波に限定されない。4GやLTE(Long Term Evolution)の電波であってもよい。加えて、V2X通信用の電波であってもよい。V2X通信には5.9GHz帯あるいは700MHz帯の電波が使用される。また、車両用通信装置1は、送信と受信の何れか一方のみを実施可能に構成されていても良い。車両用通信装置1は、屋根部21の所定位置に設けられた穴にはめ込まれた態様で車両2に装着されている。
車両用通信装置1は、図2に示すように、例えば、回路基板11と、回路基板11を収容する筐体12と、カバー13と、を含む。回路基板11はプリント基板B1上に多様な電子部品が実装されたモジュールである。回路基板11については別途後述する。回路基板11に直交する方向が車両用通信装置1にとっての上下方向に相当する。
筐体12は回路基板11を収容可能な形状に形成されている。筐体12は、例えば回路基板11に対して垂直な方向を厚み方向とする扁平な直方体状に形成されている。つまり、筐体12は所定の深さを有する箱状に形成されている。筐体12は、電波を遮蔽しないよう樹脂製である。筐体12の側面には、屋根部21に設けられた穴部の縁部と嵌合するための嵌合溝121が形成されている。嵌合溝121は、筐体12の側面のうち、上端付近に形成されている。当該構成によれば、屋根部21の上面に対する筐体12の上面の出っ張りを抑制することができる。なお、嵌合溝121は、防水性向上のため、側面部の全周に渡って設けられていることが好ましい。もちろん、嵌合溝121は側面部の一部にのみ形成されていても良い。
カバー13は、筐体12の上面全体を覆う部材であって、屋根部21と接着剤で接着されている。カバー13は、電波を遮蔽しないよう樹脂製である。カバー13は、車両用通信装置1をはめ込むために屋根部21に設けた穴から車室内への水の侵入を防ぐ役割を担う。また、カバー13は、砂や雹などの飛散物から筐体12及び回路基板11を守る役割を担う。
車両用通信装置1は、通信ケーブル4を介して通信用のECU(Electronic Control Unit)3と接続されており、車両用通信装置1が受信した信号は通信ECU3に逐次出力される。また、車両用通信装置1は通信ECU3から入力される電気信号を電波に変換して空間に放射する。通信ECU3は、車両用通信装置1が受信した信号を取得するとともに、当該車両用通信装置1に対して送信信号或いは送信用のデータを出力するものである。通信ケーブル4としては、同軸ケーブルや、イーサネット(登録商標)用のケーブルなどを採用可能である。なお、車両用通信装置1と通信ECU3とは、有線接続のほか、無線通信で接続可能に構成されていてもよい。車両用通信装置1と通信ECU3との無線通信方式としては、Bluetooth(登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)などを採用可能である。
この車両用通信装置1は回路基板11が屋根部21と平行となり、且つ、アンテナ搭載面が車両上方を向くように車両に取り付けられる。ここでのアンテナ搭載面とは、回路基板11において種々のアンテナが配置されている方の面を指す。なお、ここでの「平行」との表現が指す状態は、完全な平行に限らない。数度~数十度程度の傾きが生じている状態も含む。「垂直」との表現についても同様に、完全に垂直な状態に限らない。数度~数十度程度の傾いている状態も含まれる。車両用通信装置1には、車両での搭載姿勢に対応するように上下、左右が設定されている。
<回路基板11の構成について>
ここでは回路基板11の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る回路基板11の概略的な構成の一例を示す正面図である。図4は、回路基板11の側面図である。回路基板11は、主たる構成要素として、プリント基板B1、アンテナA1~5、無線回路TRX1~TRX2、車両コネクタCn、インターフェース回路Ci、及び電源回路Cpなどを備える。
以降における「λ」は、送受信の対象とする電波の波長(以降、対象波長とも記載)を表す。例えば「λ/2」及び「0.5λ」は対象波長の半分の長さを指し、「λ/4」及び「0.25λ」は対象波長の4分の1の長さを指す。なお、真空中及び空気中における2.5GHzの電波の波長(つまりλ)は約120mmである。
プリント基板B1は、例えば複数の導体層と絶縁層とを含む多層基板である。プリント基板B1が備える少なくとも1つの内部導体層は、各種アンテナA1~A5にとっての地板として作用するように構成されている。地板は、グランド電位を提供する導体板であって、例えば電源回路Cpの接地端子または同軸ケーブルの外部導体と電気的に接続されている。
プリント基板B1は、各種電子部品等を搭載可能な面積を有する長方形状に形成されている。なお、プリント基板B1の形状は長方形状に限らず、台形状や正方形状であってもよい。プリント基板B1の短辺の長さは、例えば、電気的に0.5λ相当であり、長辺の長さは0.75λ相当に設定されている。ここでの電気的な長さとは誘電体による波長短縮効果などを考慮した長さを指す。電気的な長さとは実効長とも称される。なお、上述したプリント基板B1の寸法は一例であり適宜変更可能である。プリント基板B1が対向基板に相当する。
以下、回路基板11の構成について、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を有する右手系の3次元座標系の概念を導入して説明する。図3等の種々の図に示すX軸はプリント基板B1の長手方向を、Y軸はプリント基板B1の短手方向を、Z軸は上下方向をそれぞれ表している。なお、他の態様としてプリント基板B1が正方形状である場合には、任意の1辺に沿う方向をX軸とすることができる。これらX軸、Y軸、及びZ軸を備える3次元座標系は、車両用通信装置1の構成を説明するための概念である。例えば車両用通信装置1が車両に搭載されている状態においてX軸は車両2の左右方向に、Y軸は車両2の前後方向に、Z軸は車両2の高さ方向にそれぞれ対応する。なお、車両用通信装置1が車両2に搭載されている状態においてX軸正方向は車両右方向に対応する。また、Y軸正方向は車両前方に対応する。Z軸正方向は車両の上方に対応する。
また、ここでは、プリント基板B1においてX軸に平行な縁部のうち、Y軸正方向側に位置する縁部を主基板前端部E11、Y軸負方向側に位置する縁部を主基板後端部E12と称する。さらに、プリント基板B1においてY軸に平行な縁部のうち、X軸正方向側に位置する縁部を主基板右端部E13、X軸負方向側に位置する縁部を主基板左端部E14と称する。
プリント基板B1の一方の面にはアンテナA1~A5、インターフェース回路Ci、電源回路Cpが形成されている。便宜上、プリント基板B1及び回路基板11においてアンテナA1~A5が設けられている面をアンテナ形成面と称し、アンテナ形成面と反対側の面を裏面と称する。アンテナ形成面は、車両搭載時において上方に向く面に相当する。故にアンテナ形成面は上面と呼ぶこともできる。裏面は車両搭載時において車両下方、換言すれば車室内側に向けられる面に相当する。故に裏面は下面と呼ぶこともできる。プリント基板B1の裏面には、無線回路TRX1~TRX2、車両コネクタCnが配置されている。裏面が、裏面部に相当する。
車両コネクタCnは、通信ケーブル4が接続されるための構成である。車両コネクタCnは、その長手方向の一端が主基板後端部E12のX軸正方向側端部と揃い、かつ、主基板後端部E12に沿う姿勢で、プリント基板B1の背面に配置されている。換言すれば、車両コネクタCnは、プリント基板B1の1つの隅部において、車両コネクタCnの長手方向がプリント基板B1の長手方向と沿う姿勢で固定されている。便宜上、プリント基板B1において車両コネクタCnが配置されている隅部をコネクタ配置隅部と称する。
インターフェース回路Ciは、回路基板11が車両コネクタCn及び通信ケーブル4を介して通信ECU3と通信を行うための信号処理を行う回路群である。例えばインターフェース回路Ciは、信号形式を変換するための回路や、受信データを一時保管するためのバッファ回路、送信データを一時保管するためのバッファ回路などを含む。インターフェース回路Ciには、イーサネット(登録商標)やUARTなどにおいて論理信号を実際の電気的な信号に変換する構成(いわゆるI/Oデバイス)などが含めることができる。なお、種々の通信規格に対応するI/Oデバイスは、それぞれチップセット(いわゆるPHYチップ)として実現されていることが多い。インターフェース回路Ciには所定の通信規格のPHYチップが含まれうる。インターフェース回路Ciは車両コネクタCnの裏側、つまり、プリント基板B1のアンテナ搭載面においてコネクタ配置隅部に配置されている。
電源回路Cpは、車両電源から供給されている電圧を、各回路の動作電圧に変換して出力する回路モジュールである。電源回路Cpもまた、インターフェース回路Ciの近傍に配置されている。例えば、電源回路Cpはインターフェース回路CiとX軸方向に隣接するように、アンテナ搭載面の主基板後端部E12に沿って形成されている。当該構成は、車両コネクタCnの裏側に電源回路Cp及びインターフェース回路Ciを配置した構成に相当する。インターフェース回路Ciと電源回路Cpは一体的に形成されていても良い。なお、インターフェース回路Ciと電源回路Cpは車両コネクタCnに比べて高さが低いため、図4の側面図では図示を省略している。
アンテナA1~A4は、移動体通信システムを構成する無線基地局とデータ通信を行うためのアンテナである。アンテナA1~A4は、例えば2.5GHz帯の電波を受信、送信、又は送受信するためのアンテナである。アンテナA1~A4は移動体通信用のアンテナと呼ぶこともできる。無線基地局は地上に設定されている。故に、アンテナA1~A4は、概ね水平方向から到来する電波を送信、受信、又は送受信可能に構成されていることが好ましい。なお、無線基地局は主として垂直偏波を送受信するように構成されている。故に、アンテナA1~A4の何れか1つは垂直偏波の送受信に適した構成を有することが好ましい。垂直偏波の送受信に適した構成とは、例えばプリント基板B1に対して垂直に設けられたモノポールアンテナ等である。
アンテナA1~4は例えばモノポールアンテナとして動作するように構成されている。すなわち、各アンテナA1~A4のそれぞれは、電気的にλ/4に相当する長さを有する、線状に形成された導体を用いて構成されている。各アンテナA1~A4は、給電点から離れた位置で直角に折り曲げられた、屈折形状を有する。図中の矢印は給電点におけるアンテナA1~A4の延伸方向である給電方向を示している。給電方向は、給電点におけるアンテナ素子の接線方向に相当する。
アンテナA1~A4のうち、アンテナA1は、受信専用アンテナに設定されている。アンテナA1は、例えばアンテナ形成面において、コネクタ設置隅部と対角に位置する隅部に沿って、L型にパターン形成されている。具体的には、アンテナA1は、主基板前端部E11に沿う部分と、主基板左端部E14に沿う部分とを有する。アンテナA1の給電点は、主基板前端部E11に沿う部分のX軸正方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA1の給電方向は、X軸負方向となる。なお、線状のアンテナ素子がプリント基板B1の縁部に沿って設けられた構成には、プリント基板B1の縁部とアンテナ素子との間に所定距離未満の離隔が存在する態様も含まれる。ここでの所定距離は例えば0.1λなどとする事ができる。
アンテナA2は、送受信兼用アンテナである。アンテナA1は、例えばアンテナ形成面の主基板前端部E11の中央部において、支持部S1を用いてプリント基板B1に対して立設されている。支持部S1は、アンテナA2を支持するための構成である。支持部S1は、例えば直方体状の構成であって、例えば樹脂などを用いて形成されている。アンテナA2は直方体状の支持部S1の側面から上面に沿って延設されており、支持部S1の上面の縁部で直角に折り曲げられた構成を備える。すなわち、アンテナA2は、支持部S1の側面に沿ってZ軸正方向に延設されている立設部と、支持部S1の上面においてアンテナ形成面と対向するように延設されている浮遊区間とを備える。アンテナA2の浮遊区間はさらに立設部の上側端部から、X軸正方向に伸びる部分であるX軸平行部と、X軸平行部のX軸正方向側の端部からY軸負方向に伸びるY軸平行部とを備える。アンテナA2は全長として、λ/4の長さを有するように構成されている。給電点は、立設部分の根本、すなわちプリント基板B1上に形成されている。当該構成によれば、アンテナA2の給電方向は、Z軸正方向となる。なお、別途後述するようにアンテナA2は、アンテナA1~A4の中で、無線回路TRX1から最も近い位置に配置されているアンテナに相当する。また、アンテナA2はアンテナA1~A4の中で、最も背の高いアンテナに相当する。なおアンテナA2には、インピーダンスを整合させるためのスタブあるいは短絡部が付加されていても良い。アンテナA2の高さに応じてインピーダンスが変化しうるためである。
アンテナA3は、受信専用アンテナである。アンテナA3は、例えばアンテナ形成面において、主基板前端部E11と主基板右端部E13とが接続する角部に沿って、L型にパターン形成されている。具体的には、アンテナA3は、主基板前端部E11に沿う部分と、主基板右端部E13に沿う部分とを有する。アンテナA3の給電点は、主基板右端部E13に沿う部分のY軸負方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA3の給電方向は、Y軸正方向となる。
アンテナA4は、受信専用アンテナである。アンテナA4は、例えばアンテナ形成面において、主基板後端部E12と主基板左端部E14とが接続する角部に沿って、L型にパターン形成されている。具体的には、アンテナA4は、主基板後端部E12に沿う部分と、主基板左端部E14に沿う部分とを有する。給電点は、主基板左端部E14に沿う部分のY軸正方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA4の給電方向は、Y軸負方向となる。
アンテナA5は、GNSS(Global Navigation Satellite System)が備える航法衛星が送信する航法信号を受信するアンテナである。アンテナA5は衛星通信用のアンテナと呼ぶこともできる。航法衛星は上空に存在するので、GNSSアンテナ112は、車両上方、換言すれば天頂方向から到来する電波を受信する必要があるアンテナである。アンテナA5は、例えばパッチアンテナとして構成されている。パッチアンテナとしてのアンテナA5は円偏波を送受信可能なように1組の対角部が縮退分離素子として作用するように切り取られていてもよい。アンテナA5は、プリント基板B1の中央からX軸正方向側に所定距離ずれた位置に配置されている。換言すればアンテナA5は、アンテナA3のY軸負方向側に配置されている。なお、上記の配置態様は、立体的な構造を有するアンテナA2から所定距離離れた位置にアンテナA5を配置した構成に相当する。また、上記の配置態様は、立体的な構造を有するアンテナA2よりも、平面的に形成されているアンテナA3の近くにアンテナA5を配置した構成に相当する。
無線回路TRX1は、他の装置から送信された信号を無線基地局及びアンテナA1~A4を介して受信するための回路モジュールである。つまり、無線回路TRX1はデータ通信を実行するための回路である。無線回路TRX1は、アンテナA1~A4で受信した信号に対して所定の信号処理を受信データを取り出す回路、及び、アンテナA2に送信信号を出力して電波として送信させるための回路を含む。つまり、変調回路や復調回路、検波回路、信号増幅器、周波数変換器、位相調整器などを含む。無線回路TRX1はアンテナA1~A4のそれぞれと電気的に接続されている。無線回路TRX1は、プリント基板B1の裏面において、アンテナA1~A4の中心に位置する領域に配置されている。例えば無線回路TRX1は、プリント基板B1の裏面の中央部に配置されている。このような構成は、換言すれば、無線回路TRX1をアンテナA1、A3、A4から概ね等距離となる位置に配置した構成に相当する。無線回路TRX1が中央に配置されていることにより、送受信用のアンテナA2は前述の通り、アンテナA1~A4の中で、無線回路TRX1から最も近い位置に配置されているアンテナに相当する。信号送信にも供されるアンテナA2を無線回路TRX1の近くに配置することにより、伝送過程における信号損失を抑制することができる。
無線回路TRX2は、アンテナA5を介して衛星からの信号を受信処理するための回路である。例えば無線回路TRX2は、測位衛星からの信号に基づいて現在位置を算出するGNSS受信機として機能するように構成されている。無線回路TRX2は、アンテナA5の裏側に配置されている。
<アンテナの離隔と相関値の関係について>
ここでは図5~図6を用いて、アンテナ同士の離隔と相関値の関係について説明する。なお、ここでの相関値は相関係数とも称される。一般的に複数のアンテナを用いた通信方式においては相関値が大きいほど、通信性能が劣化することが知られている。つまり相関値は小さい方が好ましいパラメータである。
図5は、モノポールアンテナとして構成された2つのアンテナAaとアンテナAbを用いたシミュレーションのモデルを表した図である。アンテナAaとアンテナAbは何れもZ軸正方向に立設されており、給電方向は両方ともZ軸正方向である。アンテナAa及びアンテナAbの個々の放射素子としての幅Wは0.005λに設定されている。各アンテナAa、Abの高さHはいずれも0.25λである。図5中のDは、アンテナ間の距離、換言すれば離隔を表している。シミュレーションモデルにおいて地板Gnは、送受信の対象とする波長に対して十分に大きいサイズに設定されている。なお、本開示におけるアンテ間の距離は、それぞれのアンテナの給電点の距離に対応する。
上記モデルにおいて、アンテナAa、Abの距離Dを変化させた場合の相関値のシミュレーション結果を図6に示す。図6に示すようにアンテナ間の距離は小さくなるほど、相関値は高くなる。一方、距離Dを0.22λ以上とした構成によれば相関値は0.1以下に抑制できる。また、相関値が0.1以下であれば、アンテナ・ダイバーシティ方式やMIMO方式などの複数のアンテナを用いた通信方式としては、十分な通信品質が得られることが期待できる。
なお、図6は逆説的に、給電方向が同一となるアンテナ同士を、離隔が0.22λ未満となる位置関係で配置すると相関値が0.1以上となり、通信性能が劣化しうることを示している。このように通信性能を劣化しうるアンテナ間隔の閾値を以降では結合距離とも記載する。結合距離は例えば0.22λである。なお、結合距離は0.25λであってよい。また、相関値として0.2までを許容範囲とする場合には、結合距離は0.175λとすることができる。
<給電方向と相関値の関係について>
ここでは、図7~図11を用いて、給電方向と相関値の関係について説明する。図7~10は、モノポールアンテナとして構成された2つのアンテナAaとアンテナAbを用いたシミュレーションのモデルを説明するための図である。
図7、図9は何れも、X軸方向に直線状に形成されたアンテナAaと、地板Gnに対して立設するように形成されたL字型のアンテナAbとを含むシミュレーションモデルを示している。図8は、図7のアンテナAbのXZ平面での構成を概略的に示しており、図10は、図9のアンテナAbのYZ平面での構成を概略的に示している。図中のLはアンテナAaの長さを表しており、L≒λ/4に設定されている。図中のHはアンテナAbの高さを表しており、変数である。図中のL2は、アンテナAbの地板Gnに平行な部分の長さを表している。アンテナAbは、H+L2≒λ/4を充足するように構成されている。図7及び図8に示すシミュレーションモデルをAモデルと称する。図9及び図10に示すシミュレーションモデルをBモデルと称する。Aモデルは、アンテナAbがアンテナAaに対して逆方向に折り曲げられている構成に相当する。BモデルはアンテナAbがアンテナAaに対して直交する方向に折り曲げられている構成に相当する。いずれも各アンテナAa、Abの給電方向が直交している構成に相当する。アンテナ同士の距離Dは、例えば0.1λ相当に設定されている。
図11は、Aモデル及びBモデルにおいてアンテナAbの高さHを変更した場合の相関値のシミュレーション結果を示すものである。図11に示すように、Aモデル、Bモデルの何れにおいても高さHに関わらず、相関値は0.1以下に抑制できる。このような傾向は、アンテナAa、Abの距離Dを0.05λから0.25λの範囲で変更しても同様であった。つまり、給電方向が直交していれば、アンテナ間の距離Dが結合距離以下であっても、相関値を0.1以下に抑制できる。
よって、回路基板11のレイアウトを設計する際には以下の設計思想(1)~(2)に基づいて行うことにより、アンテナ間の相関値を抑制できる。
思想(1):アンテナ間隔が結合距離未満となるアンテナ同士は給電方向を直交させる。
思想(2):給電方向を同一とするアンテナ同士は結合距離以上、離して配置する。
上記の思想(1)、(2)に基づけば、回路のレイアウト設計時に、アンテナ位置やアンテナ間距離を変更しても通信性能が大きく変化することを低減でき、設計作業の効率性を高めることができる。
<上記構成の効果>
以上のように構成された回路基板11を含む車両用通信装置1は、回路基板11が車両水平面に対して概ね平行となる姿勢で屋根部21に配置されると、データ通信用のアンテナA1~A4の中でアンテナA2が最も高い位置になる。つまり、アンテナA2はアンテナA1~A4のなかで、電波環境として最も良い位置に配置されたアンテナ素子に相当する。このような最も高い位置にあるアンテナA2を送受信兼用アンテナとして用いることで、通信性能の担保しやすくなる。
また、衛星用通信用のアンテナA5は、上空のエリアを全て見えるようにしたいといった要求がある。そのような要求に対し、アンテナA2のように高さの高いアンテナが近くにあると、アンテナA2によって受信特性が劣化する方向が発生してしまう。そのような事情を踏まえて、アンテナA5は、背の高いアンテナA2より、背の低いA3に近づけて配置してある。当該構成によれば、衛星通信用のアンテナA5に電波的な死角が生じる恐れを抑制できる。なお、電波的な死角とは、信号を直接的に受信できない方向であって、アンテナにとっての見通し外とも呼ばれる。
さらに、アンテナA1の給電方向はX軸負方向であり、アンテナA2の給電方向はZ軸正方向である。また、アンテナA3の給電方向はY軸正方向であり、アンテナA4の給電方向はY軸負方向である。アンテナ間隔が所定の閾値(以降、結合距離)に位置するアンテナの組み合わせにおいては、給電方向を直交させている。具体的には、アンテナA1とアンテナA2、アンテナA2とアンテナA3、アンテナA1とアンテナA4は、それぞれ給電方向が直交させている。
このように給電方向を直交させた構成によれば、アンテナ間の距離が結合距離未満であっても、2つのアンテナの相関値を所定値(例えば0.1以下)に抑制できる。つまり、通信性能を劣化させることなく近接配置可能となる。ひいては基板サイズを縮小可能となる。
また、上記に構成によれば移動体通信用のアンテナA1~A4を近接配置可能となる。その結果、移動体通信用の複数のアンテナA1~A4と、それらのアンテナでの受信信号の処理を行う無線回路TRX1を1つのケースに収めることが可能となる。また、車両用通信装置1の小型化、特に、高さの抑制が可能となる。さらに、車両用通信装置1の小型化に伴って車両2への搭載性も改善できる。
また、上記のように回路のレイアウト設計をする前に、各アンテナの給電方向を上記のように決めておくことで、回路のレイアウトの修正時に、アンテナ位置やアンテナ間距離を変更しても通信性能への影響を抑制できる。そのため、別の回路部品の追加等で回路レイアウトを微調整する必要が生じた場合であっても、アンテナ形状とアンテナ配置を大幅に変更する手間が生じる恐れを低減できる。換言すれば、複数のアンテナを用いた通信方式に適した構成を決定するための設計工数を抑制可能となる。
さらに、上記構成によれば、複数のアンテナA1~A4を1つの筐体に収容しつつ、通信性能を担保可能となる。故に、所望の通信性能を得るために、車両2の別の場所に移動体通信用のアンテナを設ける必要がなくなる。それに伴い、別の場所に設けられたアンテナと通信ECUまた無線回路TRX1とを接続する同軸コネクタの数を減らすことが可能となる。その結果、車両2への取り付け工程での所要時間等のコストを削減できる。
さらに、アンテナA1~A4を例えばL字型などの屈曲形状に形成することにより、より一層の小型化が可能となる。特にプリント基板B1に対して立設されたアンテナA2を2段階折り曲げた屈曲形状に形成することで、車両用通信装置1の高さを低減できる。その結果、屋根部21の上面に対する車両用通信装置1の突出量を低減可能となる。
[第2実施形態]
次に本開示の車両用通信装置1の第2の実施形態について図12~図16を用いて説明する。図12は第2実施形態における車両用通信装置1の全体構成を概略的に示した図である。図13は第2実施形態における回路基板11の正面図であり、図14は第2実施形態の車両用通信装置1の側面図である。
第2実施形態と第1実施形態の主たる相違点は、図12に示すように、車両用通信装置1の外観形状が、走行による空気抵抗を減ずる流線形状に形成された、いわゆるシャークフィン状に形成されている点にある。シャークフィン状は、換言すれば、厚みが前後方向の長さに比べて薄く、かつ、前端から後端に向かってなだらかに高さが大きくなるように形成された立体形状に相当する。シャークフィン状は、ドルフィン状と呼ぶこともできる。第2実施形態は第1実施形態の変形例と呼ぶこともできる。
以下、第2実施形態の車両用通信装置1の構成について説明する。第2実施形態の車両用通信装置1は、回路基板11Aと、筐体12Aと、カバー13Aとを備える。カバー13Aは、前述の通り、シャークフィン状に形成されている。筐体12Aは、後述するように主基板B1Aに対して垂直に立設された副基板B2を含む回路基板11Aを収容可能なように形成されている。すなわち、筐体12Aもまた、車両高さ方向に突出した略シャーフィン上の形状を有する。
回路基板11Aは、プリント基板B1に相当する主基板B1A、副基板B2、アンテナA11~15、無線回路TRX1~TRX2、車両コネクタCn、インターフェース回路Ci、及び電源回路Cpを備える。
主基板B1AはY軸方向を長手方向とする矩形状のプリント基板である。主基板B1Aは複数の導体層と絶縁層を含む多層基板として構成されている。なお、主基板B1Aが備える少なくとも1つの内部導体層は、各種アンテナA11~A15にとっての地板として作用するように構成されている。主基板B1AのX軸方向の長さは電気的に0.4λ相当に設定されており、Y軸方向の長さは0.7λ相当に設定されている。もちろん主基板B1Aの寸法は適宜変更可能である。なお、主基板B1AのY軸方向の長さは0.5λ以上に設定されていることが好ましい。
副基板B2は、主基板B1Aに対して垂直に取り付けられた板状部材である。例えば副基板B2はプリント基板を用いて実現されている。副基板B2は単なる樹脂板であってもよい。副基板B2は、アンテナ搭載面において、主基板B1Aの中心を通ってY軸に平行な線である中心線に沿って立設されている。副基板B2はYZ平面に平行な姿勢でプリント基板B1のアンテナ搭載面に取り付けられている。副基板B2は、Y軸正方向の端部からY軸負方向の端部に向かってZ軸方向の長さが増加するように形成されている。副基板B2の形状は、直角台形でも良いし、三角形でもよい。あるいは、Z軸正方向側の縁部が曲線形状に形成されていても良い。ここでは図14に示すように直角台形に形成されている。副基板B2が垂直板に相当する。
以降では説明簡略化のため、副基板B2が備える縁部のうち、Y軸正方向側の縁部を副基板前端部E21と記載する。Y軸正方向は車両搭載時における車両前方に対応するためである。Y軸負方向は車両後方に相当するため、副基板B2が備える縁部のうち、Y軸負方向側の縁部を副基板後端部E22と記載する。また、Z軸正方向は車両にとっての上方向に対応するため、副基板B2が備える縁部のうち、Z軸正方向側の縁部を副基板上端部E23と記載する。副基板B2が備える縁部のうち、Z軸負方向側の縁部を副基板下端部と記載する。副基板下端部は、主基板B1Aとの接合部に相当する。副基板B2が備える2つの面のうち、X軸負方向側の側面のことを左側面、X軸正方向側の側面のことを右側面とも記載する。
副基板B2のY軸方向の長さは、主基板B1AのY軸方向の長さよりも小さい範囲において、適宜設定可能である。例えば副基板B2のY軸方向の長さは0.4λに設定されている。なお、副基板B2のY軸方向の長さは、電気的に0.22λ以上であることが好ましい。
また、副基板B2のZ軸方向の長さ、すなわち高さは、Y軸負方向に向かって徐々にお大きくなるように構成されている。副基板前端部E21の長さは、例えば電気的に0.15λに相当する長さに設定されている。また、副基板後端部E22の長さは、例えば電気的に0.2λに相当する長さに設定されている。なお、これらの長さは一例であって適宜変更可能である。例えばY軸正方向側の端部の長さは、0.1λや0.2λ相当であってもよい。副基板後端部E22は、副基板前端部E21よりも長く形成されていればよい。なお、車両用通信装置1の高さを抑制する観点からは、副基板B2は低く形成されていることが好ましい。
車両コネクタCnは、長手方向の一端が主基板後端部E12と揃い、かつ、主基板右端部E13に沿うように、主基板B1Aの裏面に配置されている。インターフェース回路Ciは、車両コネクタCnの裏側、つまり、プリント基板B1のアンテナ搭載面においてコネクタ配置隅部に配置されている。なお、車両コネクタCnは主基板B1Aに実装される部品の中で最も大きな部品の1つに相当する。そのような車両コネクタCnをY軸方向に沿う姿勢で配置することにより、主基板B1AのX軸方向の幅を抑制できる。その結果、車両2への搭載性を向上できる。インターフェース回路Ciは、アンテナ搭載面において主基板右端部E13と副基板B2との間に配置されている。
電源回路Cpは、インターフェース回路Ciの近傍に配置されている。例えば、電源回路Cpはインターフェース回路CiとY軸方向に隣接するように、アンテナ搭載面の主基板右端部E13から副基板B2の間に配置されている。インターフェース回路Ciと電源回路Cpは図14の側面図では図示を省略している。
アンテナA11~A14は、移動体通信システムを構成する無線基地局とデータ通信を行うためのアンテナである。アンテナA11~A14は、前述のアンテナA1~A4に対応する構成である。アンテナA11~A14は、第1実施形態と同様に、モノポールアンテナとして動作するように構成されている。
アンテナA11は、受信専用アンテナである。アンテナA11は、例えばアンテナ形成面において、コネクタ設置隅部と対角に位置する隅部に沿って、L型にパターン形成されている。具体的には、アンテナA11は、主基板前端部E11に沿う部分と、主基板左端部E14に沿う部分とを有する。アンテナA11の給電点は、主基板前端部E11に沿う部分のX軸正方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA1の給電方向は、X軸負方向となる。
アンテナA12は、送受信兼用アンテナである。アンテナA12は、例えば副基板B2の左側面において、副基板後端部E22に沿って、副基板下端部から副基板上端部E23に向かって延設されている。換言すれば、アンテナA12は主基板B1Aに対して垂直に延設されている。また、アンテナA12は、副基板上端部E23付近で副基板上端部E23に沿うようにY軸正方向に向かって折り曲げられた構成を備える。すなわち、アンテナA12は、主基板B1Aとの接合部から、副基板後端部E22に沿って延設されている立設部と、副基板上端部E23に沿って延設されている連接部とを備える。アンテナA12は全長として、λ/4の長さを有するように構成されている。給電点は、立設部の根本、すなわちアンテナA12のZ軸負方向側の端部に形成されている。当該構成によれば、アンテナA12の給電方向は、Z軸正方向となる。また、アンテナA12はアンテナA11~A14の中で、最も背の高いアンテナに相当する。
アンテナA13は、受信専用アンテナである。アンテナA13は、例えばアンテナ形成面において、主基板前端部E11と主基板右端部E13とが接続する角部に沿って、L字型にパターン形成されている。具体的には、アンテナA13は、主基板前端部E11に沿う部分と、主基板右端部E13に沿う部分とを有する。アンテナA13の給電点は、主基板右端部E13に沿う部分のY軸負方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA13の給電方向は、Y軸正方向となる。なお、アンテナA13の給電点とアンテナA11の給電点との間隔は、これらの給電方向が直交しているため、結合距離未満となっていても良い。
アンテナA14は、受信専用アンテナである。アンテナA14は、例えば副基板B2の左側面において、副基板下端部から副基板上端部E23に向かって、副基板前端部E21に沿って延設されている。換言すれば、アンテナA14は主基板B1Aに対して垂直に延設されている。また、アンテナA14は、副基板上端部E23付近で副基板上端部E23に沿うようにY軸負方向に向かって折り曲げられた構成を備える。すなわち、アンテナA14は、主基板B1Aとの接合部から、副基板前端部E21に沿って延設されている立設部と、副基板上端部E23に沿って延設されている連接部とを備える。アンテナA14は全長として、λ/4の長さを有するように構成されている。給電点は、アンテナA14のZ軸負方向側の端部に形成されている。換言すれば、アンテナA14の給電点は副基板B2と主基板B1Aとの接合部に形成されている。当該構成によれば、アンテナA14の給電方向は、Z軸正方向となる。
アンテナA14の給電点とアンテナA11の給電点との間隔は、これらの給電方向が直交しているため、結合距離未満となっていても良い。同様に、アンテナA14の給電点とアンテナA13の給電点との間隔は、これらの給電方向が直交しているため、結合距離未満となっていても良い。
また、アンテナA12及びアンテナA14は何れも副基板B2上に形成されており、給電方向は同一となる。ただし、アンテナA12は副基板後端部E22に沿って形成されている一方、アンテナA14は副基板前端部E21に沿って形成されている。副基板B2のY軸方向長さは、λ/4以上に設定されているため、アンテナA12とアンテナA14の間隔もまた0.22λ以上となる。このような構成によればアンテナA12とアンテナA14の相関値を0.1以下に抑制することができる。
アンテナA15は、アンテナA5に対応する構成である。アンテナA15は、主基板B1AのX軸方向中央部であって、かつ、副基板B2よりもY軸正方向側となる位置に配置されている。換言すればアンテナA15は、アンテナA11とアンテナA13の間に配置されている。
無線回路TRX1は、アンテナA11~A14のそれぞれと電気的に接続されている。無線回路TRX1は、プリント基板B1の裏面において、中央部よりもX軸負方向側に所定量ずれた位置に配置されている。換言すれば、副基板B2と主基板左端部E14との間に配置されている。なお、当該配置態様は一例であって、プリント基板B1の裏面において、副基板B2と重なる位置に配置されていても良い。また、無線回路TRX1は、アンテナA11~A14のそれぞれとの距離の合計値が最小となる位置に配置されていることが好ましい。当該構成によれば装置全体での伝送損失を抑制できる。さらに、無線回路TRX1は信号送信にも供するアンテナA12の近くに配置されていることが好ましい。信号送信にも供されるアンテナA12を無線回路TRX1の近くに配置することにより、伝送過程における信号損失を抑制可能となる。その他、無線回路TRX1は、各アンテナA11~14の給電点の重心に相当する場所に配置されていても良い。
無線回路TRX2は、アンテナA15を介して衛星からの信号を受信処理するための回路である。無線回路TRX2は、アンテナA15の裏側に配置されている。
<Z軸方向に伸びるアンテナをL字型とした場合の影響について>
ここでは図15及び図16を用いて、アンテナA12及びアンテナA14の組み合わせのように、Z軸方向に伸びるアンテナを途中で折り曲げ、L字型に形成した場合の相関値への影響について説明する。なお、ここでのL字型とは直角に折り曲げられた構成に限定されない。折り曲げ角度が、30°~150°となる構成を含む。折り曲げ角度は折り曲げられている部分の内角を指す。
図15は、地板Gnに対して立設するように形成されたL字型のアンテナAa、Abとを含むシミュレーションモデルを示している。図中のLはアンテナAa、Abの地板Gnに平行な部分の長さを表しており、図中のHは、アンテナAa、Abの高さを示している。アンテナAa、Abは何れもH+L≒λ/4を充足するように構成されている。アンテナ同士の距離Dは、例えば0.23λ相当に設定されている。なお、アンテナAaの折り曲げ方向はアンテナAbが存在する方向であり、アンテナAbの折り曲げ方向はアンテナAaが存在する方向である。つまり、アンテナAa、Abは相手側に向かって折り曲げられた構成を有する。給電方向は何れもZ軸正方向で同一である。
図16は、図15に示すシミュレーションモデルにおいて、アンテナ間の距離Dを一定としたまま、アンテナAa、Abの高さHを変更した場合の相関値のシミュレーション結果を示すものである。図16に示すように、高さHに関わらず、相関値は0.1以下に抑制できる。このような傾向は、アンテナAa、Abの距離Dを0.22λ以上とする範囲においては同様である。つまり、アンテナAa、Abを折り曲げても、図5~図6を用いて説明したアンテナ間の距離Dと相関値と関係性は同様となることがわかる。
故に、アンテナA12及びアンテナA14の組み合わせのように、Z軸方向に伸びるアンテナを途中で折り曲げた構成によれば、アンテナ間距離を結合距離以上とする限りは、相関値を抑制しつつ、車両用通信装置1の高さを抑制できる。
<上記構成の効果>
アンテナA11の給電方向はX軸負方向であり、アンテナA12の給電方向はZ軸正方向であり、アンテナA13の給電方向はY軸正方向であり、アンテナA14の給電方向はX軸正方向である。アンテナA11とアンテナA14、アンテナA13とアンテナA14は、それぞれ給電方向が直交しているため、仮にアンテナ間隔が結合距離未満となっていても、アンテナ間の相関値は0.1以下に維持できる。つまり、通信性能が劣化する恐れを低減しつつ、小型化可能となる。
また、アンテナA12とアンテナA14の給電方向は、両方ともZ軸正方向であり、同一であるが、アンテナ間隔が結合距離以上となっているため、2つのアンテナの相関値は0.1以下に維持できる。つまり、通信性能が劣化する恐れを低減できる。さらに、Z軸正方向に伸びるアンテナA12、A14は、途中で折り曲げた構成を含むことで、通信性能を劣化させることなく、アンテナ高さ、ひいては車両用通信装置1の高さを低減できる。
さらに、アンテナA12は移動体通信用の複数のアンテナA11~A14の中で最も背が高いアンテナに相当する。加えて、アンテナA12は主基板B1Aに対して立設されている。主基板B1Aが大地に対しておおむね水平となる姿勢で車両に設置されると、図12に示すようにアンテナA12が最も高い位置になり、電波環境として最も良い位置になる。故に、アンテナA12を送受信兼用アンテナとして用いることで、送信信号の品質を高めることができる。
また、衛星通信用のアンテナA15は、最も背の高いアンテナA12から離れた位置に配置している。このような構成によれば、アンテナA12によって生じる死角を低減できる。その他、上記構成によれば第1実施形態と同様の効果を奏する。
[第3実施形態]
次に本開示の車両用通信装置1の第3の実施形態について図17~図19を用いて説明する。図17は、第3実施形態のおける車両用通信装置1の車両2への取付状態を示す図である。図18は第3実施形態における回路基板11Bの正面図であり、図19は第3実施形態の回路基板11Bの側面図である。第3実施形態は第1実施形態の変形例に相当する。
第3実施形態と第1実施形態の主たる違いは、第3実施形態の車両用通信装置1は、複数の周波数帯の電波を送受信可能に構成されている点にある。換言すれば、複数種類の周波数帯のそれぞれを送受信の対象とするアンテナを備えている点にある。周波数帯はバンドとも称される。
ここでは一例として車両用通信装置1は、ハイバンド、ミドルバンド、及びローバンドの3種類の周波数帯の電波を送受信可能に構成されているものとする。ローバンドは3つの周波数帯の中で最も低い周波数帯であり、例えば、1.5GHz帯とすることができる。また、ミドルバンドは、3つの周波数帯の中で2番目に低い周波数帯であり、例えば、2.5GHz帯とすることができる。ハイバンドは3つの周波数帯の中で最も高い周波数帯であり、例えば、4.5GHz帯とすることができる。なお、各バンドの周波数帯や、送受信の対象とするバンドの数は適宜変更可能である。例えばハイバンドは3.7GHz帯とすることができる。
以降では便宜上、ハイバンドの電波の波長をλH、ミドルバンドの電波の波長をλM、ローバンドの電波の波長をλLと記載する。ある周波数帯の電波の波長としては、当該周波数帯の中心周波数の波長を採用可能である。
図17に示すように第3実施形態の車両用通信装置1は、回路基板11Bと、筐体12Bと、カバー13Bとを備える。筐体12B及びカバー13Bの構成は第1実施形態の筐体12及びカバー13と同様の構成を採用可能である。
回路基板11Bは、プリント基板B1、アンテナA21~26、無線回路TRX1~TRX2、車両コネクタCn、インターフェース回路Ci、及び電源回路Cpを備える。図18ではY軸方向が長手方向に設定された構成を示しているが、これに限らない。プリント基板B1は、X軸方向の長さがY軸方向よりも長く設定されていても良い。プリント基板B1のX軸方向の長さは例えば0.5λL、Y軸方向の長さは0.6λL相当に設定されている。プリント基板B1の寸法は適宜変更可能である。
車両コネクタCnは、長手方向の一端が主基板右端部E13と揃い、かつ、主基板後端部E12に沿うように、プリント基板B1の裏面に配置されている。インターフェース回路Ciは、車両コネクタCnの裏側、すなわち、プリント基板B1のアンテナ搭載面においてコネクタ配置隅部に配置されている。
電源回路Cpは、インターフェース回路Ciに隣接配置されている。例えば、電源回路Cpはインターフェース回路CiとY軸方向に隣接するように、アンテナ搭載面の主基板左端部E14からX軸正方向に向かって延設されている。インターフェース回路Ciと電源回路Cpは図19の側面図では図示を省略している。なお、インターフェース回路Ciと電源回路Cpの位置は入れ替え可能である。また、インターフェース回路Ciと電源回路Cpは一体的に、あるいは、部品を共用するように構成されていても良い。
アンテナA21~A25は、移動体通信システムを構成する無線基地局とデータ通信を行うためのアンテナである。アンテナA21~A25のうち、アンテナA21は、ローバンドとミドルバンドの受信専用のデュアルバンドアンテナとして構成されている。アンテナA21は、例えばアンテナ形成面において、コネクタ設置隅部と対角に位置する隅部領域にパターン形成されている。アンテナA21は、ミドルバンドの信号を受信するための線状素子であるミドルバンド部A21Mと、ローバンドの信号を受信するための線状素子であるローバンド部A21Lと、が組み合わさった構成を有する。ローバンド部A21Lとミドルバンド部A21Mとは所定の位置で電気的に接続されている。ローバンド部A21Lとミドルバンド部A21Mは何れもL字型に形成されている。ローバンド部A21Lは、主基板前端部E11に沿う部分と、主基板左端部E14に沿う部分とを有する。ミドルバンド部A21Mもまた、主基板前端部E11に平行な部分と、主基板左端部E14に平行な部分とを有する。ミドルバンド部A21Mはローバンド部A21Lよりも内側に配置されている。
給電点はミドルバンド部A21MのX軸正方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA21の給電方向は、X軸負方向となる。アンテナA21は、ローバンド部A21Lと、ミドルバンド部A21Mの一部との協働により、ローバンド信号を受信可能に構成されている。ローバンド部A21Lは、及びミドルバンド部A21Mと給電点を共用するアンテナ素子に相当する。
アンテナA21は無線回路TRX1から最も遠い位置に配置されているアンテナに相当する。故に、アンテナA21は、アンテナA21~A25のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L21の長さが最も長い。以降では便宜上、給電点から無線回路TRX1までの長さを線路長とも略して記載する。
アンテナA22は、ローバンド、ミドルバンド、及びハイバンドの送受信兼用のトリプルバンドアンテナである。アンテナA22は、例えばアンテナ形成面において、主基板前端部E11と主基板右端部E13とが接続する隅部領域において、支持部S1を用いてプリント基板B1に対して立設されている。支持部S1は、直方体状の構成であって、主基板前端部E11及び主基板右端部E13に沿うように配置されている。支持部S1は例えば樹脂などを用いて形成されている。支持部S1のY軸方向の長さは例えば0.22λH以上に設定されている。また、支持部S1の高さはλH/4相当に設定されている。
アンテナA22はブロック状の支持部S1のX軸負方向側の側面から上面に沿って延設されており、支持部S1の上面の縁部で直角に折り曲げられた構成を備える。例えば、アンテナA22は支持部S1のX軸負方向側の側面から上面にかけてパターン形成されている。
アンテナA22は、ハイバンド部A22Hと、ミドルバンド部A22Mと、ローバンド部A22Lとが組み合わさった構成を有する。ハイバンド部A22Hは、ハイバンド信号を送受信するための構成である。ミドルバンド部A22Mは、ミドルバンド信号を送受信するための線状素子である。ローバンド部A22Lは、ローバンド信号を送受信するための線状素子である。ハイバンド部A22Hとミドルバンド部A22M、及び、ミドルバンド部A22Mとローバンド部A22Lは図18~図19に示すように、それぞれ所定の位置で電気的に接続されている。
ハイバンド部A22Hは、支持部S1の下端からZ軸正方向に平行に立設されている。ハイバンド部A22Hは、電気的にλH/4の長さを有するように直線状に形成されている。ハイバンド部A22H、ミドルバンド部A22M、及びローバンド部A22Lの中でハイバンド部A22Hは最もY軸負方向に配置されている。ハイバンド部A22Hは高周波用のアンテナ素子に相当する。
ミドルバンド部A22M及びローバンド部A22Lは何れも、支持部S1の側面に沿ってZ軸正方向に延設されている立設部と、支持部S1の上面においてアンテナ形成面と対向するように延設されている浮遊区間とを備える。ミドルバンド部A22M及びローバンド部A22Lの浮遊区間はさらに立設部の上側端部から、X軸正方向に伸びる部分であるX軸平行部と、X軸平行部のX軸正方向側の端部からY軸負方向に伸びるY軸平行部とを備える。ミドルバンド部A22Mは全長として、λM/4の長さを有するように構成されている。アンテナA22は、ミドルバンド部A22Mと、ハイバンド部A22Hの一部の協働によりミドルバンド信号を送受信可能に構成されている。
ローバンド部A22Lは全長として、λL/4の長さを有するように構成されている。アンテナA22は、ローバンド部A22Lと、ミドルバンド部A22Mの一部と、ハイバンド部A22Hの一部の協働によりローバンド信号を送受信可能に構成されている。ローバンド部A22L及びミドルバンド部A22Mは、ハイバンド部A22Hと給電点を共用するアンテナ素子に相当する。また、ローバンド部A22Lは低周波用のアンテナ素子に相当する。
給電点は、ハイバンド部A22Hの立設部分の根本、すなわちプリント基板B1上に形成されている。当該構成によれば、アンテナA22の給電方向は、Z軸正方向となる。なお、別途後述するようにアンテナA22は、アンテナA21~A25の中で、無線回路TRX1から最も近い位置に配置されているアンテナに相当する。故に、アンテナA22は、アンテナA21~A25のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L22の長さが最も短い。また、アンテナA22はアンテナA1~A4の中で、最も背の高いアンテナの1つに相当する。
なお、上記構成によれば、給電点を共用する態様で、ハイバンド用のアンテナ、ミドルバンド用のアンテナ、及びローバンド用のアンテナを無線回路TRX1の近傍に配置した構成に相当する。当該構成によればハイバンド信号だけでなく、相対的に低周波信号の品質も担保することが可能となる。また、上記構成は、無線回路TRX1から最も近いアンテナを送信用又は送受信用のアンテナとする構成に相当する。送信用のアンテナは受信用のアンテナに比べて数が少ないため、当該構成によれば、送信信号の品質を担保しやすくなる。
アンテナA23は、ハイバンドの送受信兼用のシングルバンドアンテナである。アンテナA23は、例えばアンテナ形成面において、支持部S1のX軸負方向側に配置されている。アンテナA23はL字型にパターン形成されている。具体的には、アンテナA23は、Y軸正方向に平行な部分であるY軸平行部と、当該Y軸平行部のY軸正方向側端部からX軸負方向側に伸びるX軸平行部とを備える。アンテナA23は全長として、λH/4の長さを有するように構成されている。給電点は、Y軸平行部のY軸負方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA23の給電方向は、Y軸正方向となる。なお、アンテナA23の給電点とアンテナA22の給電点との間隔は、これらの給電方向が直交しているため、結合距離未満となっていても良い。
また、別途後述するようにアンテナA23は、アンテナA21~A25の中で、2番目に無線回路TRX1の近くに配置されているアンテナに相当する。故に、アンテナA23は、アンテナA21~A25のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L23の長さが2番目に短い。このような構成は、無線回路TRX1に近接するアンテナを送信用又は送受信用のアンテナとする構成に相当する。上述の通り送信用のアンテナは受信用のアンテナに比べて数が少ないため、当該構成によれば、送信信号の品質を担保しやすくなる。
アンテナA24は、ハイバンドの受信専用のシングルバンドアンテナである。アンテナA24は、アンテナA23のX軸負方向側に配置されている。アンテナA24はL字型にパターン形成されている。具体的には、アンテナA24は、Y軸正方向に平行な部分であるY軸平行部と、当該Y軸平行部のY軸正方向側端部からX軸正方向側に伸びるX軸平行部とを備える。アンテナA24は全長として、λH/4の長さを有するように構成されている。アンテナA24とアンテナA23のY軸平行部は結合距離以上離して配置されている。
給電点は、Y軸平行部のY軸負方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA24の給電方向は、Y軸正方向となる。なお、アンテナA23とアンテナA24の給電方向は同一となっているが、これらの離隔は結合距離以上となっているため、相関値を0.1以下に抑制できる。
アンテナA24は、アンテナA21~A25のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L24の長さが2番目に長い。換言すれば、ミドルバンド及びローバンド用のアンテナA21よりは線路長が短い。このような構成は、低周波用のアンテナよりも高周波用のアンテナの線路長が短くなるように複数のアンテナA21~A25を配置した構成に相当する。高周波信号は低周波信号に比べて線路損失が大きい。当該構成によれば相対的に高周波に相当するハイバンドの通信品質を担保しやすくなる。
アンテナA25は、ハイバンドの受信専用のシングルバンドアンテナである。アンテナA25は、支持部S1のX軸負方向側の側面において、アンテナA22よりもY軸負方向側となる位置に延設されている。つまり、アンテナA25は、支持部S1の下端からZ軸正方向に平行に立設されている。アンテナA25は全長として、λH/4の長さを有するように構成されている。アンテナA24とアンテナA22のハイバンド部A22Hは互いにY軸方向において結合距離以上離して配置されている。つまり、アンテナA22とアンテナA25の給電点の距離は結合距離以上となっている。
アンテナA25の給電点は、Z軸負方向側の端部、すなわちプリント基板B1上に形成されている。当該構成によれば、アンテナA25の給電方向は、Z軸正方向となる。アンテナA25とアンテナA22の給電方向は同一となっているが、これらの離隔は結合距離以上となっているため、相関値を0.1以下に抑制できる。
また、アンテナA25は、アンテナA21~A25のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L25の長さが3番目に短い。換言すれば、アンテナA25の線路長はミドルバンド及びローバンド用のアンテナA21よりは線路長が短い。当該構成によれば、相対的に高周波に相当するハイバンドの通信品質を担保しやすくなる。
アンテナA26は、アンテナA5に対応する構成である。アンテナA26は、アンテナ搭載面において、電源回路Cp又はインターフェース回路CiのY軸性方向側に配置されている。アンテナA26は、上空の見通しを良好に保つため、支持部S1によって提供される立体的な構造を有するアンテナA22、A25から一定距離、離れた位置に配置されていることが好ましい。
無線回路TRX1は、アンテナA21~A25のそれぞれと電気的に接続されている。無線回路TRX1は、プリント基板B1の裏面において、アンテナA22及びアンテナA25のX軸負方向側であって、かつ、アンテナA23、A24のY軸負方向側となる位置に配置されている。このような構成は、別の観点によれば、ハイバンドに対応しているアンテナA22~A25を無線回路TRX1の周りに配置した構成に相当する。より具体的には、ハイバンド用のアンテナA22~A25を無線回路TRX1からの距離が所定距離(例えばλH/4)以内となる範囲に配置した構成に相当する。さらに、別の観点によれば当該配置態様は、相対的に低周波に相当するローバンド用のアンテナA21よりも、ハイバンドに対応しているアンテナA22~A25を優先的に無線回路TRX1の近くに配置した構成に相当する。
なお、上記の配置態様は一例であって、無線回路TRX1は、プリント基板B1の裏面において、支持部S1と重なる位置に配置されていても良い。また、無線回路TRX1はアンテナA21~A25との線路長の合計値が最小となる位置に配置されていることが好ましい。無線回路TRX1は、各アンテナA21~A25の給電点の重心に相当する場所に配置されていても良い。上記構成によれば線路損失を抑制可能となる。
無線回路TRX2は、アンテナA26を介して衛星からの信号を受信処理するための回路である。無線回路TRX2は、アンテナA26の裏側に配置されている。
<上記構成の効果>
上記構成によれば、ローバンドの信号を受信、送信、又は送受信可能なアンテナとしてアンテナA21、A22を備える。すなわち、ローバンド用のアンテナが2つ存在することとなる。また、ミドルバンドの信号を受信、送信、又は送受信可能なアンテナとしてアンテナA21、A22を備える。つまり、ミドルバンド用のアンテナが2つ存在することとなる。さらに、ハイバンドの信号を受信、送信、又は送受信可能なアンテナとしてアンテナA22~A25を備える。つまり、ハイバンド用のアンテナとしては、アンテナA22~A25の4つのアンテナを備える事となる。
このような構成は、周波数が高くなるほど、アンテナ数を増加させた構成に相当する。また、最も高い周波数帯に対応するアンテナの数を最も多くした構成に相当する。定性的に、周波数が高くなると線路損失が増加し、信号が減衰し、通信性能が劣化する傾向がある。上記の構成は当該課題に着眼して創出されたものであって、周波数が高いアンテナほど数を増やすことで、通信性能を担保しやすくなる。
また、信号の送信に使用されるアンテナA22、A23は、送受信の対象とする周波数帯を同一とする受信専用のアンテナA24よりも優先的に無線回路TRX1の近くに配置されている。当該構成によれば、伝送過程における信号損失を抑制することができる。
また、アンテナA22とアンテナA23は、それぞれ給電方向が直交しているため、相関値を0.1以下に抑制しつつ、アンテナ間の距離を結合距離未満に設定可能である。アンテナA22とアンテナA21もまた、それぞれ給電方向が直交しているため、相関値を0.1以下に抑制しつつ、アンテナ間の距離を結合距離未満に設定可能である。つまり、複数のアンテナを密集させつつ、複数アンテナを使用した通信の性能を良好に維持可能となる。
加えて、アンテナA21及びアンテナA25はプリント基板B1に対して垂直に立設されたアンテナに相当する。プリント基板B1が大地に対しておおむね水平となる姿勢で車両に設置されると、例えばアンテナA25は大地に対して概ね垂直なモノポールアンテナとして振る舞う。また、これらのアンテナA21及びA25は、相対的にアンテナ位置も高いため、通信品質を高めることができる。上記構成によれば第1、第2実施形態と同様の効果を奏する。
なお、上記構成は上述した設計思想(1)、(2)に加えて、以下の設計思想(3)~(6)に基づき創出されたものであって、アンテナ間の相関値を抑制できる。
思想(3):給電点と無線回路TRX1を接続する線路長は、低周波用のアンテナよりも、高周波用のアンテナのほうが短くなるように、各アンテナを配置する。換言すれば、高周波用のアンテナを低周波用のアンテナよりも優先的に無線回路TRX1の近くに配置する。周波数が高いほど線路損失は大きいため、上記の構成によれば、車両用通信装置1全体としての線路損失を抑制できる。また、車両用通信装置1が送受信可能な周波数帯の中で相対的に高周波数帯の通信品質を担保しやすくなる。なお、ここでの低周波用のアンテナには、例えば前述のローバンド部A22Lが対応する。また、例えば前述のハイバンド部A22Hが上記の高周波用のアンテナに対応する。
思想(4):無線回路TRX1の近傍に配置された高周波用のアンテナの給電点は、低周波用のアンテナと共用する。当該構成によれば、低周波用のアンテナも無線回路TRX1の近傍に配置することができる。なお、当該構成は、高周波数帯を含む複数の周波数帯で動作するように構成されたアンテナであるマルチバンドアンテナを、無線回路TRX1の近傍に優先的に配置することに相当する。
思想(5):送信専用あるいは送受信兼用のアンテナは、優先的に無線回路TRX1の近くに配置する。車両用通信装置1の構成としては、送信用のアンテナの数は受信用のアンテナの数よりも少なく、信号送信にかかる通信性能のマージンが少ない。そのため伝送損失が通信品質に与える影響が大きい。故に、送信専用あるいは送受信兼用のアンテナは、優先的に無線回路TRX1の近くに配置することにより、送信信号の品質を高めることができる。
思想(6):無線回路TRX1の近くにモノポールアンテナの原理で動作するアンテナをプリント基板B1に対して立設するとともに、当該アンテナを送信専用あるいは送受信兼用アンテナに設定する。無線基地局は主として垂直偏波を送信するように構成されている。プリント基板B1が大地に対しておおむね水平となる姿勢で車両に設置されると、プリント基板B1に立設された上記アンテナは大地に対して概ね垂直なモノポールアンテナとして振る舞い、無線基地局との通信品質を担保しやすくなる。
上記の思想(1)~(6)に基づけば、回路のレイアウト設計時に、アンテナ位置やアンテナ間距離を変更しても通信性能が大きく変化することを低減でき、設計作業の効率性を高めることができる。その他、衛星通信用のアンテナは、プリント基板B1上、及び、車両ボディなどの導電性の立体構造物から離れた位置に配置することを設計思想に含めても良い。これに基づけば衛星通信用のアンテナに電波的な死角が生じる恐れを抑制できる。
[第4実施形態]
次に本開示の車両用通信装置1の第4の実施形態について図20~図22を用いて説明する。図20は第4実施形態のおける車両用通信装置1の車両2への取付状態を示す図である。図21は第4実施形態における回路基板11Cの正面図であり、図22は回路基板11Cの側面図である。第4実施形態は第2実施形態の変形例に相当する。また、第4実施形態は第2実施形態と第3実施形態を組み合わせた構成に相当する。
第4実施形態と第2実施形態の主たる違いは、第4実施形態の車両用通信装置1は、複数の周波数帯を送受信可能に構成されている点にある。換言すれば、複数種類の周波数帯のそれぞれを送受信の対象とするアンテナを備えている点にある。
ここでは一例として車両用通信装置1は、ハイバンド、及び、ローバンドの2種類の周波数帯の電波を送受信可能に構成されているものとする。ローバンドはハイバンドよりも低い周波数帯であり、例えば、1.5GHz帯とすることができる。また、ハイバンドは、例えば4.5GHz帯とすることができる。第3実施形態と同様、ハイバンドの電波の波長をλH、ローバンドの電波の波長をλLと記載する。
図20に示すように第4実施形態の車両用通信装置1は、回路基板11Cと、筐体12Cと、カバー13Cとを備える。筐体12C及びカバー13Cの構成は第2実施形態の筐体12A及びカバー13Aと同様の構成を採用可能である。
回路基板11Cは、図21に示すようにプリント基板B1としての主基板B1A、副基板B2、アンテナA31~35、無線回路TRX1~TRX2、車両コネクタCn、インターフェース回路Ci、及び電源回路Cpを備える。
主基板B1AのX軸方向の長さは電気的に0.25λL相当に設定されており、Y軸方向の長さは0.3λ相当に設定されている。主基板B1Aの寸法は適宜変更可能である。なお、主基板B1AのY軸方向の長さは0.22λL以上に設定されていることが好ましい。
副基板B2は、主基板B1Aに対して垂直に取り付けられたプリント基板である。副基板B2は、アンテナ搭載面において、YZ平面に平行に配置されている。副基板B2のアンテナ搭載面におけるX軸方向位置は、例えば中央部から所定距離ずれた位置とする事ができる。もちろん、副基板B2のアンテナ搭載面におけるX軸方向位置はアンテナ搭載面の中心を通る位置であってもよい。副基板B2は、Y軸正方向の端部からY軸負方向の端部に向かってZ軸方向の長さが増加するように形成されている。
副基板B2のY軸方向の長さは、主基板B1AのY軸方向長さと同じに設定されている。副基板前端部E21が主基板前端部E11と一致し、かつ副基板後端部E22が主基板後端部E12と一致するように配置されている。なお、副基板B2のY軸方向長さは、主基板B1AのY軸方向長さよりも短く設定されていても良い。ただしアンテナA31とアンテナA32の離隔を結合距離以上とするために、副基板B2のY軸方向長さは、0.22λLよりも長く設定されていることが好ましい。また、副基板B2のZ軸方向の長さ、すなわち高さは、Y軸正方向側の端部とY軸負方向側の端部とで相違しうる。副基板前端部E21の長さは、例えば電気的に0.15λLに相当する長さに設定されている。また、副基板後端部E22の長さは、例えば電気的に0.2λLに相当する長さに設定されている。
車両コネクタCnは、長手方向の一端が主基板後端部E12と揃い、且つ、主基板右端部E13に沿うように、主基板B1Aの裏面に配置されている。インターフェース回路Ciは、車両コネクタCnの裏側に配置されている。インターフェース回路Ciは、アンテナ搭載面において主基板右端部E13と副基板B2の間に配置されている。
第4実施形態において電源回路Cpは、インターフェース回路Ciの近傍に配置されている。例えば、電源回路Cpはアンテナ搭載面の主基板右端部E13から副基板B2の間において、インターフェース回路CiとY軸方向に隣接するように配置されている。インターフェース回路Ciと電源回路Cpは図22の側面図では図示を省略している。なお、上記構成は、電源回路Cp及びインターフェース回路Ciに隣接するように副基板B2を配置した構成に相当する。
アンテナA31~A35は、移動体通信システムを構成する無線基地局とデータ通信を行うためのアンテナである。アンテナA31~A35のうち、アンテナA31は、ローバンドの受信専用のシングルバンドアンテナとして構成されている。アンテナA31は、例えば副基板B2の左側面において、副基板下端部から副基板上端部E23に向かって、副基板前端部E21に沿って延設されている。換言すれば、アンテナA31は主基板B1Aに対して垂直に延設されている。また、アンテナA31は、副基板上端部E23付近で副基板上端部E23に沿うように、Y軸負方向に折り曲げられた構成を備える。すなわち、アンテナA31は、主基板B1Aとの接合部から副基板前端部E21に沿って延設されている立設部と、副基板上端部E23に沿って延設されている連接部とを備える。アンテナA31は全長として、λL/4の長さを有するように構成されている。アンテナA31の給電点は、立設部の根本、すなわちアンテナA31のZ軸負方向側の端部に形成されている。当該構成によれば、アンテナA31の給電方向は、Z軸正方向となる。
アンテナA31は、アンテナA31~A35の中で、無線回路TRX1から最も遠い位置に配置されているアンテナに相当する。故に、アンテナA31は、アンテナA31~A35のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L35の長さが最も長い。ただし、アンテナA31に対応する信号は相対的に低周波であるため、線路損失は相対的に小さい。
アンテナA32は、ローバンドとハイバンドの送受信兼用のダブルバンドアンテナである。アンテナA32は、例えば副基板B2の左側面において、副基板後端部E22に沿うようにパターン形成されている。具体的には、アンテナA32はハイバンドを送受信するためのハイバンド部A32Hと、ローバンド信号を送受信するための線状素子であるローバンド部A32Lとが組み合わさった構成を有する。ハイバンド部A32Hとローバンド部A22Lは所定の位置で電気的に接続されている。
ローバンド部A32Lは副基板下端部から副基板上端部E23に向かって、副基板後端部E22に沿って延設されている。換言すれば、ローバンド部A32Lは主基板B1Aに対して垂直に立設されている。また、ローバンド部A32Lは、副基板上端部E23付近で副基板上端部E23に沿うように、Y軸正方向に折り曲げられた構成を備える。すなわち、ローバンド部A32Lは、主基板B1Aとの接合部から、副基板後端部E22に沿って延設されている立設部と、副基板上端部E23に沿って延設されている連接部とを備える。ローバンド部A32Lは全長として、λL/4の長さを有するように構成されている。
ハイバンド部A32Hは、ローバンド部A32LのY軸正方向側において、ローバンド部A32Lの立設部と平行な姿勢で、直線状に形成されている。換言すれば、ハイバンド部A32Hは主基板B1Aに対して垂直に立設されている。ハイバンド部A32Hは電気的にλH/4の長さに設定されている。アンテナA32の給電点は、ハイバンド部A32Hの根本、すなわちアンテナA32のZ軸負方向側の端部に形成されている。当該構成によれば、アンテナA32の給電方向は、Z軸正方向となる。アンテナA32は、ローバンド部A32Lとハイバンド部A32Hの一部の協働によりローバンド信号を送受信可能に構成されている。ローバンド部A32Lは、ハイバンド部A32Hと給電点を共用するアンテナ素子に相当する。
なお、アンテナA31及びアンテナA32は何れも副基板B2上に形成されており、給電方向は同一となる。ただし、アンテナA32は副基板後端部E22に沿って形成されている一方、アンテナA31は副基板前端部E21に沿って形成されている。副基板B2のY軸方向長さは、0.22λL以上に設定されているため、アンテナA32とアンテナA31の間隔もまた、0.22λL以上となる。このような構成によればアンテナA32とアンテナA31の相関値を0.1以下に抑制することができる。
アンテナA32は、別途後述するようにアンテナA31~A35の中で、無線回路TRX1から最も近い位置に配置されているアンテナに相当する。故に、アンテナA32は、アンテナA31~A35のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L32の長さが最も短い。故に、線路損失が最も小さいアンテナに相当する。また、アンテナA32はアンテナA31~A35の中で、最も背の高いアンテナの1つに相当する。故に、アンテナA32は、車両搭載路において最も電波環境が良い位置および姿勢で配置されたアンテナ相当する。このようなアンテナA32をローバンド及びハイバンドの送受信兼用アンテナとして使用する構成によれば複数のアンテナを用いた通信の品質を担保しやすくなる。
また、上記アンテナA32の構成は、給電点を共用する態様で、ハイバンド用のアンテナとローバンド用のアンテナを無線回路のTRX1の近傍に配置した構成に相当する。当該構成によればハイバンド信号だけでなく、ローバンド信号の品質も担保することが可能となる。アンテナA32は、思想(3)~(6)を充足するように配置されたアンテナに相当する。
アンテナA33は、ハイバンドの送受信兼用のシングルバンドアンテナである。アンテナA33は、主基板後端部E12に沿って配置されている。アンテナA33は直線状であって、電気的にλH/4の長さを有するように、例えばパターン形成されている。給電点はX軸正方向側の端部に設けられている。当該構成によれば、アンテナA33の給電方向は、X軸負方向となる。
なお、アンテナA33から最も近い他のアンテナであるアンテナA32とは給電方向が直交している。そのため、アンテナA33の給電点とアンテナA32の給電点との間隔は、結合距離未満となっていても良い。つまりアンテナA33は図示する位置よりも副基板B2に近づけて配置してもよい。また、アンテナA33の延設方向はY軸に平行であっても良い。例えば主基板左端部E14に沿うように配置されていても良い。その場合の給電方向はY軸正方向又は負方向となる。アンテナA33の給電方向がY軸の正又は負方向である場合もアンテナA32等の他のアンテナとは給電方向が直交する関係にあるため、それらの相関値は0.1以下に抑制可能である。
また、アンテナA33は、アンテナA31~A35の中で、無線回路TRX1から2番目に近くに配置されているアンテナに相当する。故に、アンテナA33は、アンテナA31~A35のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L33の長さが2番目に短い。故に、線路損失が2番目に小さいアンテナに相当する。アンテナA33は上述した設計思想(3)、(5)を満たすアンテナに相当する。
アンテナA34は、ハイバンドの受信専用のシングルバンドアンテナである。アンテナA34は例えば副基板B2の左側面において、アンテナA32のハイバンド部A32Hから0.22λH以上Y軸正方向側となる位置に、Z軸正方向に沿って副基板下端部から延設されている。換言すれば、アンテナA34は主基板B1Aに対して垂直に延設されている。アンテナA34は直線状であり、λH/4の長さを有するように構成されている。アンテナA34の給電点は、Z軸負方向側の端部に形成されている。当該構成によれば、アンテナA34の給電方向は、Z軸正方向となる。アンテナA32とアンテナA34は給電方向が同一となるが、給電点の距離が0.22λH以上離れているため相関値は0.1以下に抑制できる。
アンテナA34は、アンテナA31~A35の中で、無線回路TRX1から3番目に近くに配置されているアンテナに相当する。故に、アンテナA34は、アンテナA31~A35のなかで、無線回路TRX1から給電点までの線路L34の長さが3番目に短い。ただし、アンテナA34は主基板B1Aに対して立設されており、車両に取り付けられた際のアンテナ姿勢は、無線基地局からの電波の受信に適した姿勢となる。アンテナA34は、上述した設計思想(3)、(6)を充足するように配置されたアンテナに相当する。
アンテナA35は、ハイバンドの受信専用のシングルバンドアンテナである。アンテナA35は例えば副基板B2の左側面において、アンテナA34から0.22λH以上Y軸正方向側となる位置に、Z軸正方向に沿って副基板下端部から延設されている。換言すれば、アンテナA35は主基板B1Aに対して垂直に延設されている。アンテナA35は直線状であり、λH/4の長さを有するように構成されている。アンテナA35の給電点は、Z軸負方向側の端部に形成されている。当該構成によれば、アンテナA35の給電方向は、Z軸正方向となる。アンテナA34とアンテナA35は給電方向が同一となるが、給電点の距離が0.22λH以上離れているため相関値は0.1以下に抑制できる。
上記のアンテナA35は、アンテナA31~A35の中で、無線回路TRX1から2番目に遠くに配置されているアンテナに相当する。ただし、ローバンド用のアンテナA31よりは無線回路TRX1に近い。このような構成は、ハイバンド用のアンテナA35をローバンド用のアンテナA31よりも優先的に無線回路TRX1の近くに配置した構成に相当する。また、アンテナA35は主基板B1Aに対して立設されており、車両に取り付けられた際のアンテナ姿勢は、無線基地局からの電波の受信に適した姿勢となる。アンテナA35は、上述した設計思想(3)、(6)を充足するように配置されたアンテナに相当する。
アンテナA36は、アンテナA5に対応する構成である。アンテナA36は、主基板B1Aのアンテナ搭載面において、副基板B2よりもX軸負方向側となる領域の任意の位置に配置されている。例えば主基板B1Aの中心よりもX軸負方向側かつY軸性方向側となる位置に配置されている。なお、アンテナA36は副基板B2のX軸負方向側において、Y軸方向の中央部に配置されていても良い。そのような構成によれば、アンテナA31~A35のなかで一番目と2番目に背が高いアンテナA31、A32からの距離を大きくすることができ、アンテナA36にとっての死角を抑制する事ができる。
無線回路TRX1は、アンテナA31~A35のそれぞれと電気的に接続されている。無線回路TRX1は、プリント基板B1の裏面において、アンテナA32及びアンテナA34のX軸負方向側かつアンテナA33のX軸正方向側に配置されている。つまり、無線回路TRX1はアンテナA32とアンテナA33の間に配置されている。このような構成は、換言すれば、アンテナA32~A34を無線回路TRX1の近傍領域に配置されている。無線回路TRX1の近傍領域とは例えば、無線回路TRX1からの距離が所定距離(例えばλH/4)以内となる範囲を指す。なお、上記の配置態様は一例であって、無線回路TRX1は、プリント基板B1の裏面において、副基板B2と重なる位置に配置されていても良い。また、無線回路TRX1はアンテナA31~A35との線路長の合計値が最小となる位置に配置されていることが好ましい。無線回路TRX1は、各アンテナA31~A35の給電点の重心に相当する場所に配置されていても良い。それらの構成によれば線路損失を抑制可能となる。
無線回路TRX2は、アンテナA36を介して衛星からの信号を受信処理するための回路である。無線回路TRX2は、アンテナA36の裏側に配置されている。
<上記構成の効果>
上記構成によれば、ローバンドの信号を受信、送信、又は送受信可能なアンテナとしてアンテナA31、A32を備える。つまり、ローバンド用のアンテナが2つ存在することとなる。また、ハイバンドの信号を受信、送信、又は送受信可能なアンテナとしてアンテナA32~A35を備える。つまり、ハイバンド用のアンテナとしては、アンテナA32~A35の4つのアンテナを備える事となる。
このような構成は、ハイバンド用のアンテナをローバンド用のアンテナよりも多く設置した構成に相当する。前述の通り、周波数が高くなるほど線路損失が大きくなり、通信性能が劣化しやすい傾向がある。上記の構成は当該課題に着眼して創出されたものであって、ハイバンド用のアンテナを相対的に多く設置することで、ハイバンドの通信性能を改善することが可能となる。また、信号送信にも供するアンテナA32、A33は優先的に無線回路TRX1の近くに配置されている。当該構成によれば信号送信時における損失を抑制可能となる。
さらに、アンテナA32とアンテナA33は、それぞれ給電方向が直交している。そのため、アンテナ間を結合距離未満に設定しても、2つのアンテナの相関値は0.1以下に抑制できる。つまり、複数アンテナを使用した通信の性能を良好に維持できる。なお、アンテナA33とアンテナA34もまた、それぞれ給電方向が直交しているため、相関値を0.1以下に抑制しつつ、アンテナ間の距離を結合距離未満に設定可能である。その結果、車両用通信装置1を小型化可能となる。
加えて、アンテナA31、A32、A34、及びA35はプリント基板B1に対して垂直に立設されたアンテナに相当する。主基板B1Aが大地に対しておおむね水平となる姿勢で車両に設置されると、これらのアンテナは大地に対して概ね垂直なモノポールアンテナとして振る舞う。つまり、垂直偏波を受信対象とし、水平方向の全方位に指向性を有するアンテナとして機能する。また、これらのアンテナA31、A32、A34、及びA35は、アンテナA33に比べて高い位置に配置されたアンテナに相当する。当該構成によれば通信品質を担保しやすくなる。加えて、主基板B1Aに対して垂直なモノポールアンテナを複数備える構成によれば、例えばMIMO方式など、複数のアンテナを用いた通信方式の性能を高めることができる。その他、上記構成によれば第1、第2実施形態と同様の効果を奏する。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、上記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば上記の種々の実施形態は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。また、以降の構成も本開示の範囲に含まれる。
以上では移動体通信用のアンテナをモノポールアンテナとする構成を開示したが、車両用通信装置1は、移動体通信用のアンテナとしてパッチアンテナや逆Fアンテナ、ループアンテナを備えていればよい。平板アンテナにおける給電方向は、給電点における放射素子の延伸方向に相当する。
以上では5Gや4G等の移動体通信用のアンテナのレイアウトの決定に設計思想(1)~(6)を適用した例を開示したがこれに限らない。車両用通信装置1がV2X通信用のアンテナを複数備える場合には、それらのアンテナの配置態様の決定に上記設計思想(1)~(6)を適用可能である。また、複数の用途に対応する複数のアンテナの配置態様の決定に上記設計思想(1)~(6)の一部または全部を適用してもよい。例えばアンテナA1をBluetooth用のアンテナ、アンテナA2~3を4G用のアンテナ、アンテナA4をWi-Fi用のアンテナとしてもよい。
また、プリント基板B1の裏面は車室内側の面に相当する。プリント基板B1の裏面にはBluetooth用及び/又はWi-Fi用のアンテナモジュールを配置しても良い。そのような構成によれば、車両用通信装置1はユーザが車室内に持ち込んだスマートフォン等との無線通信を実施するための機能を提供可能となる。
第2実施形態及び第4実施形態のように副基板B2を備える構成においては、図23に示すように、主基板B1Aは屋根部21の下側に位置し、副基板B2に関連する構成だけが屋根部21の上方に位置するように取り付けられても良い。副基板B2に関連する構成とは、副基板B2に設けられたアンテナの他、副基板B2を収容する筐体を含む。そのような取り付け態様によれば、屋根部21に設ける穴部の大きさを抑制できる。なお、屋根部21の上方に突出した副基板B2は、筐体12及びカバー13で保護されるように構成されている。図23に示す車両用通信装置1は、筐体12の上面から側方に突出した突出部122が屋根部21と接着剤またはネジ等で固定されればよい。
さらに、以上では車両2への車両用通信装置1の取付態様の例として、屋根部21に車両用通信装置1をはめ込むための穴部を設け、当該穴部に車両用通信装置1をはめ込む態様を示したが、これに限らない。図24に示すように、車両2の屋根部21に凹部211を設け、当該凹部211に車両用通信装置1を固定しても良い。固定方法としてはネジ止めや接着材など多様な方法を援用できる。
なお、凹部211に車両用通信装置1を配置する構成においては、プリント基板B1または主基板B1Aの中央部に送受信兼用アンテナAxを配置することが好ましい。仮に基板B1の縁部に送受信兼用アンテナAxを配置した構成では、凹部211の段差部211Aを構成する金属によって、送受信兼用アンテナAxにとっての死角が相対的に大きくなる。プリント基板B1または主基板B1Aの中央部に送受信兼用アンテナAxを配置した構成によれば、送受信兼用アンテナAxにとっての死角を抑制することができ、通信性能を担保しやすくなる。なお、送受信兼用アンテナAxは上記の設計思想に基づき、プリント基板B1または主基板B1Aに対して立設されていることが好ましい。図24に示す送受信兼用アンテナAxは前述のアンテナA2、A12、A22、A32などに対応する。
また、凹部211に車両用通信装置1を配置する構成においては、筐体12の内側上面部にアンテナ素子をパターン形成してもよい。当該構成によれば、装置内において最も高い位置にアンテナを配置できるため、凹部211の段差部211Aによって生じる死角を低減できる。なお、そのような車両用通信装置1は、筐体12側に配置されたアンテナ素子の端部が、プリント基板B1に設けられた給電点と当接するように構成されていればよい。例えば、プリント基板B1には、筐体12の内側上面部に配置されたアンテナ素子と当接する高さを有する樹脂ブロックを配置し、当該樹脂ブロックの上面部に給電点を配置してもよい。
また、給電方向が互いに直交する関係を有するアンテナの組み合わせは必ずしも存在しなくともよい。設計思想(1)~(6)の一部のみを用いて車両用通信装置1を構成しても良い。例えば設計思想(3)~(6)に基づいて車両用通信装置1は構成可能である。
アンテナA1、A3~4、A11、A11、A13、A21、A23~24、及びA33が平行給電アンテナに相当する。また、アンテナA2、A12、A14、A22、A25、A31、A32、A34、及びA35が垂直給電アンテナに相当する。
アンテナA2、A12、A22、A23、及びA33は送受信兼用アンテナに相当する。また、アンテナA1、A3~4、A11、A13~A14、A21、A24~A25、A31、A34~A35が受信専用アンテナに相当する。アンテナA5、A15、A26、及びA36が衛星用アンテナに相当する。
ハイバンドまたはミドルバンドが第2周波数帯に相当する。ハイバンドを第2周波数帯と見なす場合には、ミドルバンド及びローバンドの少なくとも何れか一方が第1周波数帯に相当する。また、ローバンドを第1周波数帯と見なす場合には、ハイバンド及びミドルバンドの少なくとも何れか一方が第2周波数帯に相当する。例えばアンテナA32~A35、及びA42~A45が第2周波数用アンテナに相当する。また、アンテナA31、及びA41が第1周波数用アンテナに相当する。アンテナA31、A32、及びA42がマルチバンドアンテナに相当し、アンテナA33~A35、及びA41、A43~A45がシングルバンドアンテナに相当する。ダブルバンドアンテナやトリプルバンドアンテナがマルチバンドアンテナに相当する。
<付言>
[構成(1)]
無線回路からの電気的距離が最も離れているアンテナは、最も動作周波数帯が高いアンテナではない、車両用通信装置。
[構成(2)]
無線回路からの電気的距離が最も離れているアンテナは、受信専用アンテナである、車両用通信装置。
[構成(3)]
複数の周波数帯で動作可能に構成されているマルチバンドアンテナ(A22、A32)と、1つの周波数帯で動作可能に構成されているシングルバンドアンテナ(A23~A25、A31、A33~A35)とを備え、
無線回路からの電気的距離が最も離れているアンテナはシングルバンドアンテナである、車両用通信装置。
[構成(4)]
複数の周波数帯で動作可能に構成されているマルチバンドアンテナ(A22、A32)と、1つの周波数帯で動作可能に構成されているシングルバンドアンテナ(A23~A25、A31、A33~A35)とを備え、
無線回路から最も近くに配置されているアンテナ素子はマルチバンドアンテナである、車両用通信装置。
[構成(5)]
車両の屋根部に設けられた穴部に取り付けられて使用されるように構成された、車両用通信装置。
[構成(5A)]
構成(5)に記載の車両用通信装置であって、
樹脂製の筐体(12、12A~C)を備え、
上記の筐体は屋根部に設けられた穴部の縁部と嵌合するための嵌合溝(121)を備え、
嵌合溝は、筐体側面部の上端部に形成されている、車両用通信装置。
[構成(6)]
車両の屋根部に設けられた凹部(211)に取り付けられて使用されるように構成された、車両用通信装置。
[構成(6A)]
上記構成(6)に記載の車両用通信装置であって、
基板の中央部に送受信兼用のアンテナ素子が配置されている、車両用通信装置。当該構成によれば、凹部の段差部に由来する死角を抑制可能となる。
[構成(6B)]
上記構成(6)に記載の車両用通信装置であって、
矩形状の基板の4つの縁部のうちの少なくとも3つの縁部のそれぞれにアンテナ素子が配置されている、車両用通信装置。当該構成によれば、凹部の段差部に由来する或る縁部に配置されたアンテナ素子の死角を、他の縁部に配置されたアンテナ素子で補うことが可能となる。
[構成(6C)]
上記構成(6)に記載の車両用通信装置であって、
基板を収容する筐体の内側上面部にパターン形成されたアンテナ素子を含む車両用通信装置。当該構成によれば、装置内において最も高い位置にアンテナを配置する事ができるため、凹部の段差部によって生じる死角を低減できる。
[構成(7)]
移動体通信用の複数のアンテナ素子を備え、
上記の複数のアンテナ素子は、何れもプリント基板の縁部に接する領域にパターン形成されている車両用通信装置。当該構成によれば、アンテナ間隔を大きく取ることができ、相関値をより一層低減できる。
1 車両用通信装置、2 車両、21 屋根部、11 回路基板、12 筐体、13 カバー 、B1 プリント基板(対向基板)、B1A 主基板、B2 副基板(垂直板)、A1~A5・A11~A15・A21~A26、A31~A36 アンテナ、TRX1 無線回路、Cn 車両コネクタ(コネクタ)

Claims (14)

  1. 車両に搭載されて使用される、複数のアンテナ素子を含むアンテナ装置であって、
    複数の前記アンテナ素子と接続されてあって、複数の前記アンテナ素子を用いて他の装置と通信を実施するための無線回路(TRX1)を備え、
    間隔が所定の結合距離未満となる前記アンテナ素子同士は、給電点から前記アンテナ素子が伸びる方向である給電方向が互いに直交する姿勢で形成されている車両用通信装置。
  2. 請求項1に記載の車両用通信装置であって、
    前記結合距離は0.22λである、車両用通信装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用通信装置であって、
    前記車両における取付面に対して平行に配置される基板である対向基板を含み、
    前記アンテナ素子として、
    前記給電方向が前記対向基板と平行となるように形成されているアンテナ素子である平行給電アンテナと、
    前記給電方向が前記対向基板と垂直となるように形成されているアンテナ素子である垂直給電アンテナと、
    を備える、車両用通信装置。
  4. 請求項3に記載の車両用通信装置であって、
    前記垂直給電アンテナは、屈曲形状を有する線状素子として構成されている、車両用通信装置。
  5. 請求項3又は4に記載の車両用通信装置であって、
    前記アンテナ素子として、受信専用アンテナと、送受信兼用アンテナとを備え、
    複数の前記アンテナ素子のうち、前記無線回路から最も近くに配置されている前記アンテナ素子は、前記送受信兼用アンテナとして構成された前記垂直給電アンテナである、車両用通信装置。
  6. 請求項3から5の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    前記対向基板には前記アンテナ素子とは別に、衛星からの信号を受信するための衛星用アンテナを備え、
    前記衛星用アンテナは、前記垂直給電アンテナから所定距離離れた位置に配置されている、車両用通信装置。
  7. 請求項3から6の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    前記車両の前後方向に対応するように前記対向基板には予め前後方向が設定されており、
    前記前後方向に沿い、かつ、前記対向基板に対して垂直に設けられた板状部材である垂直板(B2)を含み、
    前記アンテナ素子として、第1周波数帯で動作する第1周波数用アンテナと、前記第1周波数帯よりも高い第2周波数帯で動作する第2周波数用アンテナを含み、
    前記垂直板は、前側から後ろ側に向かって高くなるように形成されており、
    前記垂直板の前端部と後端部のそれぞれには前記第1周波数用アンテナが配置されており、その間に前記第2周波数用アンテナが配置されている、車両用通信装置。
  8. 請求項3から7の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    前記アンテナ素子として、送受信兼用に設定された送受信兼用アンテナを含み、
    前記送受信兼用アンテナは、前記対向基板に対して立設されている、車両用通信装置。
  9. 請求項3から8の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    前記車両の左右方向に対応するように前記対向基板には予め左右方向が設定されており、
    通信ケーブルが接続されるコネクタ(Cn)を備え、
    前記コネクタは、前記対向基板において前記垂直給電アンテナが配置されている面とは反対側の面である裏面部に配置されており、
    前記コネクタは、前記裏面部のうち、左側または右側の縁部に沿って配置されている、車両用通信装置。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    前記アンテナ素子として、第1周波数帯で動作する第1周波数用アンテナと、前記第1周波数帯よりも高い第2周波数帯で動作する第2周波数用アンテナと、を備え、
    前記第2周波数用アンテナのほうが前記第1周波数用アンテナよりも前記無線回路の近くに配置されている、車両用通信装置。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    動作周波数帯が異なる複数の前記アンテナ素子を備え、
    前記無線回路から最も近くに配置されている前記アンテナ素子は、複数の前記アンテナ素子の中で動作周波数帯が最も高い前記アンテナ素子である、車両用通信装置。
  12. 請求項1から11の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    前記アンテナ素子として、第1周波数帯で動作する第1周波数用アンテナと、前記第1周波数帯よりも高い第2周波数帯で動作する第2周波数用アンテナと、を備え、
    前記第2周波数用アンテナの数は、前記第1周波数用アンテナの数よりも多い、車両用通信装置。
  13. 請求項1から12の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    前記アンテナ素子として、受信専用の前記アンテナ素子である受信専用アンテナと、送受信兼用の前記アンテナ素子である送受信兼用アンテナと、を備え、
    前記送受信兼用アンテナは、動作周波数帯を同一とする前記受信専用アンテナよりも、前記無線回路の近くに配置されている、車両用通信装置。
  14. 請求項1から13の何れか1項に記載の車両用通信装置であって、
    前記アンテナ素子として、
    第1周波数帯で動作する線状素子である第1周波数用アンテナと、
    前記第1周波数帯よりも高い第2周波数帯で動作する、線状素子である第2周波数用アンテナと、を備え、
    前記第1周波数用アンテナは、屈曲形状に形成されている一方、前記第2周波数用アンテナは直線状に形成されている、車両用通信装置。
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