JP2022011981A - 充電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】PFC回路のスイッチング素子を変えることなく、系統電源が単相2線の場合の充電電力を増加させることが可能な充電システムを提供する。【解決手段】充電システムは、系統電源から入力線を介して供給される交流電力を直流電力に変換するPFC回路と、系統電源と入力線との間の接続関係を切り替える切替装置と、PFC回路のスイッチング素子をスイッチング制御する制御装置と、を備える。切替装置は、系統電源が単相2線であるとき、系統電源の非接地側が2つの入力線に接続されるように切り替えを行う。制御装置は、系統電源が単相2線であるとき、系統電源の非接地側の2つの入力線に接続するスイッチング素子をインターリーブとなるように互いに位相をずらしてスイッチング制御し、系統電源の接地側に接続するスイッチング素子を同期整流となるようにスイッチング制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、単相又は3相のいずれの系統電源からも電力を供給しバッテリを充電する充電システムに関する。
EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)といった大容量のバッテリを搭載する車両では、外部の系統電源と接続しバッテリを充電する車載充電器(OBC;On Board Charger)が搭載される。クリーンエネルギーの導入が進められている昨今、EVやPHVが今後ますます普及していく中で、バッテリの充電効率の向上が求められている。特に欧州においては、充電効率の向上に当たって、従来の単相、充電電力6.6kWの充電用インフラから、今後3相、充電電力10~22kWの充電用インフラが主流となる。車載充電器は、単相6.6kW及び3相、充電電力10~22kWの充電用インフラにおいて兼用することができる充電システムとなれば、大部分の充電用インフラに対応することが可能となる。
特許文献1には、単相又は3相のいずれの系統電源においても高効率に動作が可能な充電システムに関する技術が開示されている。この充電システムでは、バッテリへの入力電圧を調整するLLCコンバータを2つ含んでおり、それぞれの入力端は直列に接続され、出力端は並列に接続されたインターリーブ構成となっている。また系統電源が単相である場合には、1つのLLCコンバータのみが機能するようにスイッチが搭載されている。これにより、系統電源が3相である場合には、インターリーブにより2つのLLCコンバータの出力電圧をバッテリへの入力電圧とし、単相である場合には、1つのLLCコンバータの出力電圧をバッテリへの入力電圧とすることで、単相又は3相のどちらの系統電源においても高効率に動作が可能な充電システムを提供している。
特開2018-183037号公報
一般的な車載充電器の充電システムは、系統電源から供給される交流電力を直流電力に整流するコンバータ回路と、直流電力の力率を改善し高調波を抑制するPFC回路と、PFC回路の出力を交流電力に変換するインバータ回路と、インバータ回路の出力を直流電力に整流しバッテリの入力電力とする整流回路と、を含むように構成されている。コンバータ回路及びPFC回路は、整流と高調波抑制を同時に行う高力率コンバータにより一体化されて構成される場合もある。この場合、この高力率コンバータをPFC回路とも称する。またインバータ回路は、単相フルブリッジ回路のPWM(Pulse Width Modulation)方式により構成されている場合もあれば、LLC共振回路のPFM(Pulse Frequency Modulation)方式により構成されている場合もある。LLC共振回路は、整流回路と合わせてLLCコンバータとも称される。
単相又は3相のいずれの系統電源からも電力を供給しバッテリを充電する充電システムでは、3相の系統電源を接続するための3つの入力線を備えている。従来の充電システムでは、系統電源が単相2線である場合、3つの入力線の内2つの入力線を系統電源と接続しバッテリの充電を行う。従って、系統電源が単相2線である場合、充電電力が同じ3相の系統電源と比べると、1入力線あたりの電流量が大きくなる。
充電システムが対応できる系統電源の充電電力は、効率や保守の観点から、1入力線あたりの電流量により制限される。これは、1入力線あたりの電流量が大きくなると、PFC回路に含まれるスイッチング素子において、スイッチング損失及び導通損失の増加、半導体チップ温度の上昇が起きるためである。このため、充電システムが対応できる単相2線の充電電力は、充電システムが対応する3相の充電電力に合わせた値となる。
例えば、3相、充電電力10kWの系統電源に対応した従来の充電システムでは、1入力線あたりの電流量は18Aで、対応できる単相2線の充電電力は3.3kWまでとなる。3相、充電電力22kWの系統電源に対応した従来の充電システムでは、1入力線あたりの電流量は35Aで、対応できる単相2線の充電電力は6.6kWまでとなる。
3相、充電電力10kWの系統電源に対応した充電システムで、単相2線、充電電力6.6kWの系統電源に対応する方法の1つは、電流量に対するスイッチング損失、導通損失及び半導体チップ温度の特性が良いスイッチング素子を備えることである。しかし、これは充電システムのコストを高くしてしまう。
本発明は、上述の課題を鑑みてなされたもので、PFC回路のスイッチング素子を変えることなく、充電システムが対応できる単相2線の充電電力を増加させることが可能な充電システムを提供することを目的とする。
本発明は、単相又は3相のいずれの系統電源からも電力を供給しバッテリを充電する充電システムに関連する。充電システムは、系統電源に接続する第1入力線、第2入力線、及び第3入力線と、第1入力線、第2入力線、及び第3入力線を介して系統電源から供給される交流電力を直流電力に変換するPFC回路と、系統電源と第1入力線、第2入力線、及び第3入力線との接続関係を切り替える切替装置と、PFC回路のスイッチング素子をスイッチング制御する制御装置と、を備えている。
切替装置は、系統電源が単相2線であるとき、系統電源の非接地側を第1入力線及び第2入力線の両方に接続し、系統電源の接地側を第3入力線に接続するように構成されている。
制御装置は、系統電源が単相2線であるとき、第1入力線に接続されるスイッチング素子と第2入力線に接続されるスイッチング素子とをインターリーブとなるように互いに位相をずらしてスイッチング制御し、第3入力線に接続されるスイッチング素子を同期整流となるようにスイッチング制御するように構成されている。
本発明によれば、系統電源が単相2線のとき、系統電源の非接地側を2つの入力線(第1入力線及び第2入力線)の両方に接続し、第1入力線に接続されるPFC回路のスイッチング素子(以下「第1スイッチング素子」とも称する。)と第2入力線に接続されるPFC回路のスイッチング素子(以下「第2スイッチング素子」とも称する。)をインターリーブとなるように互いに位相をずらしてスイッチング制御する。これにより、PFC回路がインターリーブ構成となることで、系統電源の非接地側に流れる電流に伴うスイッチング損失、導通損失を、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子それぞれに分散することができる。
また系統電源の接地側を第3入力線に接続し、第3入力線に接続するPFC回路のスイッチング素子(以下「第3スイッチング素子」とも称する。)を同期整流となるようにスイッチング制御する。第3スイッチング素子は、系統電源の電源周波数(以下「系統周波数」とも称する。)の2倍程度の周波数でスイッチング制御されるため、スイッチング損失が抑えられ、導通損失のみとなる。
このように、本発明の充電システムでは、系統電源が単相2線である場合のPFC回路の各スイッチング素子の損失の低減及び半導体チップ温度の抑制が可能となり、スイッチング素子の変更をすることなく、単相2線の充電電力を従来の充電システムよりも増加させることができる。
本発明の実施の形態に係る充電システムの構成例を模式的に示す図である。 単相2線、3相及び単相3線それぞれの場合の系統電源の接続を示す図である。 本発明の実施の形態に係る充電システムの概要を説明するための概念図である。 系統電源が3相の場合の本実施の形態に係る充電システムの概要を説明するための概念図である。 単相3線の場合のPFC回路のスイッチング制御の概要を示す図である。 本実施の形態に係る充電システムの制御装置において実行する処理を表すフローチャートである。 本実施の形態に係る充電システムの制御装置において実行される系統電源の種別を判定する処理を表すフローチャートである。 本実施の形態に係る充電システムの制御装置において実行される系統電源の種別を判定する処理を表すフローチャートである。 単相2線の場合の本実施の形態に係る充電システムの制御装置において実行されるPWM制御の処理を表すブロック図である。 3相の場合の本実施の形態に係る充電システムの制御装置において実行されるPWM制御の処理を表すブロック図である。 単相2線の場合のPFC回路の損失に関して、従来の充電システムと本実施の形態に係る充電システムの比較を示す図である。 単相2線の場合の伝導ノイズに関して、従来の充電システムと本実施の形態に係る充電システムの比較を示す図である。 充電システムを双方向化した場合の構成例を示す図である。 充電システムに降圧回路を配置した場合の構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
1.構成例
図1は、本発明の実施の形態に係る充電システム1の構成例を模式的に示す図である。充電システム1は、系統電源10と、切替リレー20と、入力フィルタ21と、PFC回路30と、インバータ40と、トランス41と、整流回路50と、出力フィルタ51と、バッテリ60と、を含んでいる。充電システム1は、系統電源10から供給される電力を変換して、バッテリ60の充電を行う。
系統電源10は、単相2線、3相又は単相3線の交流電源である。系統電源10は、例えば家庭や公共施設において設置される100V又は200Vの普通充電器である。ここで、単相2線及び単相3線の系統電源10(以下単に「単相2線」、「単相3線」とも称する。)の充電電力は6.6kW、3相の系統電源10(以下単に「3相」とも称する。)の充電電力は10kWとする。系統電源10が、3相、充電電力22kWであっても、3相、充電電力10kWの場合と同様に構成することができる。
切替リレー20(切替装置)は、系統電源10の種別(単相2線、3相又は単相3線のいずれであるか)によって、系統電源10と第1入力線L1、第2入力線L2、及び第3入力線L3との接続を切り替える。系統電源10の種別の判断及びリレー切替要求は、後述するように、制御装置70により行われる。あるいは、切替リレー20は、系統電源10の種別を入力として切り替えを行うように構成されていても良い。
図2は、単相2線、3相及び単相3線それぞれの場合の系統電源10の接続を示す図である。切替リレー20は、制御装置70のリレー切替要求に従って、図2に示される接続となるようにリレーの切り替えを行う。
単相2線の場合、非接地側は第1入力線L1に、接地側は第3入力線L3及び接地線Nに接続され、切替リレー20のB端子線には何も接続されない。切替リレー20は、A端子とC端子が導通(以下「2線接続」とも称する。)するようにリレーが切り替えられ、非接地側は第1入力線L1及び第2入力線L2の両方に接続される。
3相の場合、各相の出力端は第1入力線L1、第3入力線L3及び切替リレー20のB端子線に接続され、中性線は接地線Nに接続される。切替リレー20は、B端子とC端子が導通(以下「3線接続」とも称する。)するようにリレーが切り替えられ、各相電圧線が第1入力線L1、第2入力線L2、及び第3入力線L3にそれぞれ平衡に接続される。
単相3線の場合、2つの電圧線は第1入力線L1及び第3入力線L3に接続され、中性線は切替リレー20のB端子線及び接地線Nに接続される。切替リレー20は、3線接続となるようにリレーが切り替えられ、中性線は第2入力線L2に接続される。
入力フィルタ21は、系統電源10から供給される電力のフィルタリングを行う。入力フィルタ21は、例えばコイルとコンデンサを含むローパスフィルタや、各入力線と接地線Nの間に接続されるコンデンサによるバイパスコンデンサにより構成される。
PFC回路30は、系統電源10から供給される交流電力を力率が調整され高調波を抑制した直流電力に変換し出力する。PFC回路30は、半導体スイッチング素子(IGBTやMOSFET等)と還流ダイオードにより構成される3つのレグが並列に接続された回路と、その後段に並列に接続されたコンデンサにより構成されている。各入力線は、交流リアクトルを介してそれぞれのレグのアームの間に接続される。
PFC回路30は、後述する制御装置70から入力されるPWM制御要求に従って第1スイッチング素子Q1及びQ2、第2スイッチング素子Q3及びQ4、第3スイッチング素子Q5及びQ6をスイッチング制御することで、出力電力の調整を行う。PFC回路30は、高力率コンバータを構成しており、スイッチング制御により力率の調整だけでなく出力電圧の大きさを調整することが可能である。
インバータ40は、PFC回路30から出力される直流電力を所定周波数の交流電力に変換し出力する。インバータ40は、単相フルブリッジ回路により構成されている。インバータ40は、制御装置70から入力されるPWM制御要求に従って回路に含まれるスイッチング素子をスイッチング制御することにより、出力電力の周波数を調整する。
トランス41は、系統電源側の回路とバッテリ側の回路を絶縁するとともに、インバータ40の出力電圧を変圧しバッテリ60の入力電圧を調整する。
整流回路50は、トランス41により変圧された交流電力を直流電力に変換する。整流回路50は、複数のダイオードにより構成される単相全波整流回路と、単相全波整流回路の後段に接続されるLCフィルタにより構成されている。
出力フィルタ51は、整流回路50より出力される電力のフィルタリングを行う。出力フィルタ51は、例えば2つのコイルにより構成されるコモンモードコイルフィルタや、電圧線と接地線Nの間に接続されるコンデンサによるバイパスコンデンサにより構成される。
バッテリ60は、出力フィルタによりフィルタリングされた電力を充電する。バッテリ60は、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の2次電池を含む再充電可能な直流電源である。
充電システム1は、各部の電流又は電圧を検出する各センサと、制御装置70と、を更に含んでいる。
センサ71、センサ72、及びセンサ73は電圧センサで、第1入力線L1、第2入力線L2、及び第3入力線L3の間の線間電圧を検出する。センサ74、センサ75、及びセンサ76は電流センサで、それぞれ第1入力線L1、第2入力線L2、及び第3入力線L3に流れる入力電流を検出する。センサ77は電圧センサで、PFC回路30の出力電圧を検出する。センサ78は電圧センサで、バッテリ60の電圧を検出する。
制御装置70は、少なくとも系統電源10の種別の判断と、切替リレー20に対するリレー切替要求と、PFC回路30に対するPWM制御要求と、インバータ40に対するPWM制御要求と、を行うように構成されている。制御装置70は、典型的には、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)である。制御装置70は、切替リレー20と、PFC回路30と、インバータ40と、各センサと、電気的に又は無線で接続されている。
制御装置70は、インターフェースと、メモリと、プロセッサと、を含んでいる。インターフェースは、各センサの検出値を入力とし、切替リレー20に対するリレー切替要求と、PFC回路30に対するPWM制御要求と、インバータ40に対するPWM制御要求と、を出力とする。メモリは、データを一時的に記録するRAM(Random Access Memory)と、プロセッサで実行可能な制御プログラムや制御プログラムに関連する種々のデータ等を保存するROM(Read Only Memory)と、を含んでいる。プロセッサは、制御プログラム等をメモリから読み出して実行し、取得した入力値に基づいて各出力を生成する。
2.充電システムの機能
2-1.概要
図3は、本発明の実施の形態に係る充電システム1の概要を説明するための概念図である。系統電源10は、単相2線であり、系統電源10の非接地側は、前述のように、第1入力線L1及び第2入力線L2の両方に接続されている。図3に示される入力フィルタ21、インバータ40、整流回路50、出力フィルタ51は、それぞれ図1と同一であり図1に示されるような構成を有する。
系統電源10が単相2線、充電電力6.6kWの場合、線間電圧V3の電圧波高値は293~373Vである。PFC回路30は、系統電源10から供給される電力をPWM制御によるスイッチング制御を行い、380~680Vの直流電力に変換して出力する。PFC回路30の出力電力は、インバータ40でPWM制御により所定周波数の交流電力に変換された後、トランス41で変圧され、整流回路50及び出力フィルタ51を介して250~450Vの直流電力となる。
PFC回路30のスイッチング制御は、次のように行われる。第1スイッチング素子Q1とQ2、第2スイッチング素子Q3とQ4、第3スイッチング素子Q5とQ6は、それぞれ相補的に反転するように制御される。第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4と、はインターリーブとなるように互いに位相をずらしてPWM制御によるスイッチング制御が行われる。第3スイッチング素子Q5及びQ6は、図3に示すように、系統電源10の電圧が正値のときQ5がOFF、Q6がONとなり、負値のときQ5がON、Q6がOFFとなるように制御され、同期整流を行う。
第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4のPWMによるスイッチング信号は、制御装置70において、互いに180deg位相がずれたキャリアにより生成される。これにより、第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4と、をインターリーブとなるようにスイッチング制御することができる。
第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4と、は系統周波数よりも高周波数でスイッチング制御され、第3スイッチング素子Q5及びQ6は、系統周波数の2倍程度の周波数でスイッチング制御される。
図4は、系統電源10が3相の場合の本実施の形態に係る充電システムの概要を説明するための概念図である。図4に示される入力フィルタ21、インバータ40、整流回路50、出力フィルタ51は、それぞれ図1と同一であり図1に示されるような構成を有する。
系統電源10が3相、充電電力10kWの場合、線間電圧V1、V2、及びV3の電圧波高値は510~649Vである。PFC回路30は、系統電源10から供給される電力をPWM制御によるスイッチング制御を行い、680V以上の直流電力に変換して出力する。PFC回路30の出力電力は、インバータ40でPWM制御により所定周波数の交流電力に変換された後、トランス41で変圧され、整流回路50及び出力フィルタ51を介して250~450Vの直流電力となる。
3相の場合、PFC回路30のスイッチング制御は次のように行われる。第1スイッチング素子Q1とQ2、第2スイッチング素子Q3とQ4、第3スイッチング素子Q5とQ6は、それぞれ相補的に反転するように制御される。第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4と、第3スイッチング素子Q5及びQ6と、はPWM制御によりスイッチング制御される。スイッチング制御は系統周波数よりも高周波数で行われる。
図5は、単相3線の場合のPFC回路30のスイッチング制御の概要を示す図である。第1スイッチング素子Q1とQ2、第3スイッチング素子Q5とQ6は、それぞれ相補的に反転するように制御される。第2スイッチング素子Q3及びQ4は常にOFFとなる。第1スイッチング素子Q1及びQ2はPWM制御によりスイッチング制御される。第3スイッチング素子Q5及びQ6は、第1スイッチング素子Q1及びQ2と反転するように制御され、同期整流を行う。第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第3スイッチング素子Q5及びQ6と、は系統周波数よりも高周波数でスイッチング制御される。
なお、単相3線の場合に、充電システム1で行われる電圧調整は、図3に示される単相2線の場合と同様である。
2-2.制御装置の動作
図6は、本実施の形態に係る充電システム1の制御装置70において実行する処理を表すフローチャートである。
ステップS100において、制御装置70は、系統電源10の種別を判定する。系統電源10の種別の判定は、後述するように、各入力線の線間電圧V1、V2、及びV3に関する位相差を評価することにより行われる。
ステップS200において、制御装置70は、ステップS100において判定した系統電源10の種別に応じて、切替リレー20に対してリレー切替要求を出力する。切替リレー20は、リレー切替要求に従ってリレーの接続が切り替わる。
ステップS300において、制御装置70は、PWM制御における電圧指令値を決定する。電圧指令値は、充電システム1に含まれる各センサの値から判断するように構成されても良いし、基準とする系統電源10の電圧波高値やバッテリ60の規格からあらかじめ決められるように構成されていても良い。
ステップS400において、制御装置70はPWM制御によりPFC回路30のスイッチング制御を行う。PWM制御は、PFC回路30の出力電圧VpfcがステップS300において決められた電圧指令値となるように行われる。電圧指令値の変更がある場合、処理は再度ステップS300に進み、再度電圧指令値の決定を行う。
以下、ステップS100及びステップS400の処理について詳細に説明する。
図7a及び図7bは、ステップS100において制御装置70が実行する処理を表すフローチャートである。図7aのA及びBは、図7bのA及びBに繋がるように描かれている。系統電源10の種別の判定は、まず系統電源10が単相2線であるか否かを判定する。系統電源10が単相2線である場合、線間電圧V1とV2の位相差Φ12及び線間電圧V2とV3の位相差Φ23は共に0となる。従って、位相差Φ12及びΦ23を算出し評価することにより、系統電源10が単相2線であるか否かを判定することができる。
ステップS101において、制御装置70は、切替リレーが3線接続となるようにリレー切替要求を出力する。
ステップS102において、制御装置70は、センサ71、72及び73から線間電圧V1、V2、及びV3を検出する。線間電圧V1、V2、及びV3の検出は、所定のサンプリング周期毎に行われ、サンプリング周期毎に検出される値が離散値としてメモリに記録される。
ステップS103において、制御装置70は、線間電圧V1、V2、及びV3の実効値V1rms、V2rms、及びV3rmsを次の式(1)乃至式(3)により算出する。ここで、Tは系統電源10の周期である。
Figure 2022011981000002
Figure 2022011981000003
Figure 2022011981000004
ステップS104において、制御装置70は、位相差Φ12及びΦ23を次の式(4)及び式(5)により算出する。式(4)及び式(5)により、位相差Φ12及びΦ23は±90degまで算出することができる。
Figure 2022011981000005

Figure 2022011981000006

Figure 2022011981000007

Figure 2022011981000008
Figure 2022011981000009

Figure 2022011981000010

Figure 2022011981000011

Figure 2022011981000012
ここで、V1[n]、V2[n]、及びV3[n]は、それぞれサンプリング周期毎に検出される線間電圧V1、V2、及びV3の離散値であり、nはサンプリングのステップ数を表す。Xは、系統電源10の電圧周期に対するサンプリング周期の割合を表し、次の式(6)で表される。T[n]は、nステップ目の検出時間を表し、従ってT[n]-T[n-1]はサンプリング周期を表す。T1は、線間電圧V1の周期である。
Figure 2022011981000013
ステップS105において、制御装置70は、ステップS103において算出した実効値V1rms、V2rms、及びV3rmsが、それぞれ同程度であるか否かを判定する。同程度である場合(ステップS105;Yes)、処理はステップS106に進む。同程度でない場合(ステップS105;No)、判定不可として処理はステップS101に戻り再度処理を繰り返す。
ステップS106において、制御装置70は、位相差Φ12及びΦ23が共に0deg程度であるか否かを判定する。位相差Φ12及びΦ23が共に0deg程度である場合(ステップS106;Yes)、系統電源10の種別は単相2線であると考えられ、処理は系統電源10の種別判定前の実効電圧確認処理ステップS107に進む。位相差Φ12及びΦ23が共に0deg程度でない場合(ステップS106;No)、系統電源10は単相2線ではないとし、処理はステップS110に進む。
ステップS107において、制御装置70は、ステップS103において算出した実効値V1rms、V2rms、及びV3rmsそれぞれが、規定する系統電源10の実効値Vs(以下「規定実効値」とも称する。)に対して許容範囲内にあるか否かを判定する。規定実効値Vsは、例えば基準とする系統電源10の実効値により決められる。許容範囲内であるか否かは、実効値V1rms、V2rms、及びV3rmsそれぞれが、規定実効値Vsの0.9倍から1.1倍の範囲内にあるか否かにより判定される。許容範囲内にある場合(ステップS107;Yes)、処理はステップS108に進み、系統電源10の種別は単相2線であると判定し処理を終了する。許容範囲内にない場合(ステップS107;No)、判定不可として処理はステップS101に戻り再度処理を繰り返す。
ステップS110以降の処理では、系統電源10が3相又は単相3線であるかを判定する。系統電源10が3相である場合、位相差Φ12及びΦ23は、共に120degである。このことから、線間電圧V1とV2の平均電圧をV12、線間電圧V2とV3の平均電圧をV23とすると、線間電圧V1と平均電圧V12との位相差Φ112及び線間電圧V3と平均電圧V23との位相差Φ323は、共に60degとなる。また平均電圧V12及びV23の実効値V12rms及びV23rmsは、実効値V1rmsと等しくなる。一方、系統電源10が単相3線である場合、位相差Φ12及びΦ23は、共に180degである。このことから、平均電圧V12及びV23は、共に0Vとなる。従って、平均電圧V12及びV23と、位相差Φ112及びΦ323を評価することにより、系統電源10が3相又は単相3線であるかを判定することができる。
ステップS110において、制御装置70は、実効値V12rms及びV23rmsを次の式(7)及び(8)により算出する。
Figure 2022011981000014

Figure 2022011981000015
Figure 2022011981000016

Figure 2022011981000017
ステップS111において、制御装置70は、位相差Φ112及び位相差Φ323を次の式(9)及び(10)により算出する。式(9)及び式(10)により、位相差Φ112及びΦ323は±90degまで算出することができる。
Figure 2022011981000018

Figure 2022011981000019

Figure 2022011981000020

Figure 2022011981000021
Figure 2022011981000022

Figure 2022011981000023

Figure 2022011981000024

Figure 2022011981000025
ステップS112において、制御装置70は、ステップS103において算出した実効値V1rmsと、ステップS110において算出した実効値V12rms及びV23rmsが、それぞれ同程度であるか否かを判定する。同程度である場合(ステップS112;Yes)、処理はステップS113に進む。同程度でない場合(ステップS112;No)、処理はステップS120に進む。
ステップS113において、制御装置70は、位相差Φ112及びΦ323が共に60degであるか否かを判定する。位相差Φ112及びΦ323が共に60deg程度である場合(ステップS113;Yes)、系統電源10の種別は3相であると考えられ、処理は系統電源10の種別判定前の実効電圧確認処理ステップS114に進む。位相差Φ112及びΦ323が共に60deg程度でない場合(ステップS113;No)、判定不可として処理はステップS101に戻り再度処理を繰り返す。
ステップS114において、制御装置70は、ステップS103において算出した実効値V1rms、V2rms、及びV3rmsそれぞれが、規定する系統電源10の規定実効値Vsに対して許容範囲内にあるか否かを判定する。許容範囲内であるか否かは、実効値V1rms、V2rms、及びV3rmsそれぞれが、規定実効値Vsを線間電圧に換算した値(√3倍)の0.9倍から1.1倍の範囲内にあるか否かにより判定される。許容範囲内にある場合(ステップS114;Yes)、処理はステップS115に進み、系統電源10の種別は3相であると判定し処理を終了する。許容範囲内にない場合(ステップS114;No)、判定不可として処理はステップS101に戻り再度処理を繰り返す。
ステップS120において、制御装置70は、実効値V12rms及びV23rmsが共に0程度であるか否かを判定する。実効値V12rms及びV23rmsが共に0程度である場合(ステップS120;Yes)、系統電源10の種別は単相3線であると考えられ、処理は系統電源10の種別判定前の実効電圧確認処理ステップS121に進む。実効値V12rms及びV23rmsが共に0程度でない場合(ステップS120;No)、判定不可として処理はステップS101に戻り再度処理を繰り返す。
ステップS121において、制御装置70は、ステップS103において算出した実効値V1rms、V2rms、及びV3rmsそれぞれが、規定する系統電源10の規定実効値Vsに対して許容範囲内にあるか否かを判定する。ステップS121で実行される処理は、ステップS107と同一である。許容範囲内にある場合(ステップS121;Yes)、処理はステップS122に進み、系統電源10の種別は単相3線であると判定し処理を終了する。許容範囲内にない場合(ステップS121;No)、判定不可として処理はステップS101に戻り再度処理を繰り返す。
図8は、単相2線の場合のステップS400において制御装置70が実行する処理を表すブロック図である。
ブロックS410aにおいて、制御装置70は、ステップS300で決定した電圧指令値からセンサ77により検出されるPFC回路の出力電圧Vpfcを減算した偏差を入力とし、PI制御により直流電流指令値を生成し出力する。
ブロックS420aにおいて、制御装置70は、系統周波数θを入力とし、正弦波信号sinθを生成し出力する。
制御装置70は、直流電流指令値と正弦波信号sinθを乗算し、電流指令値を生成する。
ブロックS430aにおいて、制御装置70は、生成した電流指令値からセンサ74により検出される入力電流I1を減算した偏差と、PFC回路の出力電圧Vpfcと、センサ73により検出される線間電圧V3と、を入力とし、電圧補正を行いPWM制御回路の出力電圧指令値を生成し出力する。
ブロックS431aにおいて、制御装置70は、PWM制御の処理タイミングを規定するクロック信号を出力する。
ブロックS440aにおいて、制御装置70は、PWM制御回路の出力電圧指令値と、クロック信号と、を入力とし、PWM制御を実行する。これにより、図3に示されるように、第1スイッチング素子Q1及びQ2、第2スイッチング素子Q3及びQ4のスイッチング信号を生成する。第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4のスイッチング信号は、互いに位相が180degずれたキャリアにより生成される。生成したスイッチング信号で第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4と、をスイッチング制御するように、制御装置70は、PFC回路30に対してPWM制御要求を出力する。
単相3線の場合も単相2線の場合と同様の構成により、図5に示されるように、第1スイッチング素子Q1及びQ2のスイッチング信号を生成することができる。
図9は、3相の場合のステップS400において制御装置70が実行する処理を示すブロック図である。3相の場合に実行される制御は、3相2相変換により電圧及び電流をd-q座標系上で表し制御を構成する3相dq制御である。
ブロックS410bにおいて、制御装置70は、ステップS300で決定した電圧指令値からセンサ77により検出されるPFC回路の出力電圧Vpfcを減算した偏差を入力とし、PI制御によりq軸電流指令値を生成し出力する。
ブロックS420bにおいて、制御装置70は、センサ71、72及び73により検出される線間電圧V1、V2及びV3と、センサ74、75及び76により検出される入力電流I1、I2及びI3と、を入力とし、3相2相変換によりd軸電流及びq軸電流を生成し出力する。
ブロックS450bにおいて、制御装置70は、d軸電流をブロックS430bのPI制御を施した値と、d軸電流をブロックS440bのP制御を施した値と、を入力とし、電圧補正によりd軸電圧指令値を生成し出力する。
ブロックS460bにおいて、制御装置70は、q軸電流指令値からq軸電流を減算した偏差と、q軸電流をS440bのP制御を施した値と、を入力とし、電圧補正によりq軸電圧指令値を生成し出力する。
ブロックS470bにおいて、制御装置70は、d軸電圧指令値と、q軸電圧指令値と、を入力とし、2相3相変換により3相電圧指令値を生成し出力する。
ブロックS480bにおいて、制御装置70は、3相電圧指令値を入力とし、電圧補正によりPWM制御回路の出力電圧指令値を生成し出力する。
ブロックS481bにおいて、制御装置70は、PWM制御の処理タイミングを規定するクロック信号を出力する。
ブロックS490bにおいて、制御装置70は、PWM制御回路の出力電圧指令値と、クロック信号と、を入力とし、PWM制御を実行する。これにより、図4に示されるように、第1スイッチング素子Q1及びQ2、第2スイッチング素子Q3及びQ4、第3スイッチング素子Q5及びQ6のスイッチング信号を生成する。生成したスイッチング信号で第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4と、第3スイッチング素子Q5及びQ6と、をスイッチング制御するように、制御装置70は、PFC回路30に対してPWM制御要求を出力する。
3.効果
図10は、単相2線の場合のPFC回路30の損失に関して、従来の充電システム1と本実施の形態に係る充電システム1の比較を示す図である。図10に示されるように、本実施の形態に係る充電システム1では、従来の充電システム1と比較して、PFC回路30の損失をおおよそ半減することができる。従って、単相2線の充電電力を従来の充電システム1の2倍程度まで増加させることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る充電システム1では、単相2線の場合に、系統電源10の非接地側が第1入力線L1及び第2入力線L2の両方に接続され、第1スイッチング素子Q1及びQ2と、第2スイッチング素子Q3及びQ4とをインターリーブとなるように互いに位相をずらしてPWM制御によりスイッチング制御される。また第3スイッチング素子Q5及びQ6は、同期整流となるようにスイッチング制御される。これにより、PFC回路がインターリーブ構成となることで、系統電源10の非接地側に流れる電流に伴うスイッチング損失、導通損失が、第1スイッチング素子Q1及びQ2と第2スイッチング素子Q3及びQ4それぞれに分散される。また第3スイッチング素子は、スイッチング損失が抑えられ、導通損失のみとなる。これにより、PFC回路30の各スイッチング素子の損失の低減及び半導体チップ温度の抑制が可能となり、スイッチング素子の変更をすることなく、単相2線の充電電力を従来の充電システムよりも増加させることができる。
ところで本実施の形態に係る充電システム1では、単相2線の場合に、PFC回路30はインターリーブ構成となるため、奇数次の伝導ノイズを低減する効果を副次的に持っている。図11は、単相2線の場合の伝導ノイズに関して、従来の充電システム1と本実施の形態に係る充電システム1の比較を示す図である。図11に示されるように、本実施の形態に係る充電システム1では、奇数次の伝導ノイズがよく低減されている。
4.実施の形態の充電システムの変形例
実施の形態の充電システム1は、以下のように変形した態様を採用しても良い。
4-1.変形例1
充電システム1は、双方向に充放電が可能なように構成されていても良い。図12は、充電システム1を双方向化した場合の構成例を示す図である。図12に示される入力フィルタ21、出力フィルタ51は、それぞれ図1と同一であり図1に示されるような構成を有する。INV/整流回路50aは、図1に示される整流回路50のダイオードをスイッチング素子とすることで、充電時は整流回路として機能し、放電時はインバータ回路として機能するように構成されている。またインバータ40は、放電時に整流回路として機能する。
4-2.変形例2
充電システム1は、PFC回路30とインバータ40との間に降圧回路を配置するように構成されていても良い。図13は、充電システム1に降圧回路31を配置した場合の構成例を示す図である。図13に示される入力フィルタ21、出力フィルタ51は、それぞれ図1と同一であり図1に示されるような構成を有する。単相の場合は、降圧回路31のスイッチング素子を常にONとして降圧しないようにし、3相の場合は、降圧回路31のスイッチング制御を行い、PFC回路の出力電圧を単相の場合と同程度となるように降圧してインバータ40に入力する。例えば、単相でPFC回路の出力電圧が400Vのとき、インバータ40の入力電圧は400Vとし、3相でPFC回路の出力電圧が700Vのとき、降圧回路31で降圧してインバータ40の入力電圧を400Vとする。これにより、インバータ40に含まれる素子は、PFC回路30に含まれる素子よりも低電圧素子を使用することができ、充電システム1のコスト低減が可能である。
1 充電システム
10 系統電源
20 切替リレー
21 入力フィルタ
30 PFC回路
40 インバータ
41 トランス
50 整流回路
51 出力フィルタ
60 バッテリ
70 制御装置

Claims (1)

  1. 単相又は3相のいずれの系統電源からも電力を供給しバッテリを充電する充電システムであって、
    前記系統電源に接続される第1入力線、第2入力線、及び第3入力線と、
    前記第1入力線、前記第2入力線、及び前記第3入力線を介して前記系統電源から供給される交流電力を直流電力に変換するPFC回路と、
    前記系統電源と前記第1入力線、前記第2入力線、及び前記第3入力線との接続関係を切り替える切替装置と、
    前記PFC回路のスイッチング素子をスイッチング制御する制御装置と、
    を備え、
    前記切替装置は、
    前記系統電源が単相2線であるとき、前記系統電源の非接地側を前記第1入力線及び前記第2入力線の両方に接続し、前記系統電源の接地側を前記第3入力線に接続するように構成され、
    前記制御装置は、
    前記系統電源が前記単相2線であるとき、前記第1入力線に接続される前記スイッチング素子と前記第2入力線に接続される前記スイッチング素子とをインターリーブとなるように互いに位相をずらしてスイッチング制御し、前記第3入力線に接続される前記スイッチング素子を同期整流となるようにスイッチング制御するように構成されていることを特徴とする充電システム。
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