JP2022011576A - 地熱発電プラント - Google Patents

地熱発電プラント Download PDF

Info

Publication number
JP2022011576A
JP2022011576A JP2020112800A JP2020112800A JP2022011576A JP 2022011576 A JP2022011576 A JP 2022011576A JP 2020112800 A JP2020112800 A JP 2020112800A JP 2020112800 A JP2020112800 A JP 2020112800A JP 2022011576 A JP2022011576 A JP 2022011576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
condenser
condensed water
gas
cooler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020112800A
Other languages
English (en)
Inventor
貴弘 日▲高▼
Takahiro Hidaka
憲弘 福田
Norihiro Fukuda
象二郎 齊藤
Shojiro Saito
泰彦 高上
Yasuhiko Takagami
匡仙 河田
Masanori Kawada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Power Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Power Ltd filed Critical Mitsubishi Power Ltd
Priority to JP2020112800A priority Critical patent/JP2022011576A/ja
Publication of JP2022011576A publication Critical patent/JP2022011576A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

Figure 2022011576000001
【課題】蒸気タービンの発電出力を低下させずに復水器内の圧力増加を抑制できる地熱発電プラントを提案する。
【解決手段】一実施形態に係る地熱発電プラントは、地熱蒸気により駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンから排出される排蒸気を凝縮するための冷却水が流れる冷却管群を含む復水器と、復水器に供給される冷却水を冷却するように構成された乾式冷却塔であって、復水器で加温された冷却水が流れる被冷却管群を含む乾式冷却塔と、復水器内の不凝縮ガスを抽出するように構成されたガス抽出装置と、復水器とガス抽出装置との間に配置され、復水器から抽出された不凝縮ガスを冷却するように構成されたガス冷却器と、を備える。
【選択図】図1

Description

本開示は、地熱発電プラントに関する。
地熱発電は、地下に存在する地熱蒸気を採取し、採取した地熱蒸気で蒸気タービンを回し発電させる発電システムである。地熱発電プラントでは、直接接触式復水器と湿式冷却塔との組合せが多く用いられる。湿式冷却塔は、地熱蒸気が凝縮した凝縮水を冷却する際に、一部の凝縮水を蒸発させて他の凝縮水から蒸発潜熱を奪うことで、冷却性能を向上でき、これによって、コンパクト化が可能になる。しかし、一方で、湿式冷却塔で冷却水の一部が蒸発する際に発生する白煙(水蒸気)が景観上好ましくなく、また、復水器で凝縮する凝縮水の多くが地下に戻されることなく、大気に蒸散してしまうため、地下水の枯渇をまねく、等の理由から敬遠される場合がある。
従って、代わりに、蒸気と冷却水とを非接触で熱交換する表面式復水器と乾式冷却塔との組合せが用いられる場合もある。しかし、地熱蒸気には硫化水素などの不凝縮ガスが含まれるため、特に、表面式復水器の場合、不凝縮ガスが復水器内に溜まって復水器内の圧力が上昇する傾向がある。復水器内の圧力が上昇すると、復水器内の圧力低下による発電出力増加の効果が損なわれるため、この対策として、復水器の伝熱面積を増やすなどの対策が考えられるが、復水器が大型化しコスト増となるという問題がある。
特許文献1には、この対策として、蒸気タービンを駆動する蒸気の一部を駆動蒸気とするエジェクタを設け、このエジェクタによって復水器内の不凝縮ガスを抽出して復水器内圧力を低下させる手段が開示されている。
特開平06-058107号公報
特許文献1に開示された手段は、蒸気タービンを駆動するための地熱蒸気の一部がエジェクタの駆動蒸気として消費されるため、蒸気タービンに供給される蒸気が低減し、これによって、蒸気タービンの発電出力が低下してしまうという問題がある。
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、蒸気タービンの発電出力を低下させずに復水器内の圧力増加を抑制できる地熱発電プラントを提案することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係る地熱発電プラントは、地熱蒸気により駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンから排出される排蒸気を凝縮するための冷却水が流れる冷却管群を含む復水器と、前記復水器に供給される前記冷却水を冷却するように構成された乾式冷却塔であって、前記復水器で加温された前記冷却水が流れる被冷却管群を含む乾式冷却塔と、前記復水器内の不凝縮ガスを抽出するように構成されたガス抽出装置と、前記復水器と前記ガス抽出装置との間に配置され、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスを冷却するように構成されたガス冷却器と、を備える。
本開示に係る地熱発電プラントによれば、ガス抽出装置によって復水器内の不凝縮ガスを抽出することで、復水器内の圧力上昇を抑制できるため、蒸気タービンの発電出力低下を抑制できる。また、ガス冷却器によって抽出ガス容量が減少するため、ガス抽出装置の駆動に必要な動力を削減でき、これによって、プラントの効率低下を抑制できる。
一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1~図6は、幾つかの実施形態に係る地熱発電プラント10(10A、10B、10C、10D、10E、10F)を示す系統図である。地熱発電プラント10(10A~10F)は、地熱蒸気Gsにより駆動する蒸気タービン12を備えている。地下から蒸気井(不図示)などを介して採取された地熱蒸気Gsは、地熱蒸気路14から蒸気タービン12に供給される。地熱蒸気路14には蒸気加減弁16が設けられ、蒸気加減弁16で蒸気タービン12に供給される蒸気量が調節される。蒸気タービン12で仕事をした後の排蒸気は、蒸気タービン12の出口から復水器18に排出される。復水器18の内部には冷却管群20aが設けられ、排蒸気は冷却管群20aを流れる冷却水によって冷却されて凝縮する。復水器18の内部に貯留した凝縮水Cwは、復水器18に接続された凝縮水路26から凝縮水ポンプ28によって凝縮水路26に排出し、さらに、還元井(不図示)などを介して地下に戻される。
復水器18と乾式冷却塔22とに跨って設けられる冷却水路20は、復水器18の内部に設けられる冷却管群20aと、乾式冷却塔22の内部に設けられる被冷却管群20bと、冷却管群20aと被冷却管群20bとを接続する往路配管20c及び復路配管20dとを含み、ループ状の閉回路を構成する。乾式冷却塔22は、冷却媒体として空気流のみを使用し、冷却水を使用しない。また、乾式冷却塔22は、被冷却管群20bを流れる冷却水が空気流と直接接触せず、熱交換管の管壁を介して接触するように構成されている。従って、冷却水を必要とせず、かつ外気に含まれるごみ、埃等の不純物が冷却水に混入しない。冷却管群20a及び被冷却管群20b内の冷却水は、冷却水ポンプ24によって循環する。冷却水は、乾式冷却塔22で冷却された後、復水器18で排蒸気を冷却して凝縮させる。
地熱蒸気Gsには、不純ガスとして硫化水素などの不凝縮ガスが含まれている。凝縮しない不凝縮ガスは、復水器18内で次第に蓄積されて復水器18の内圧を高める。復水器18の内圧が増加すると、復水器18内の圧力低下による発電出力増加効果が損なわれる。そこで、本実施形態では、復水器18の内部から不凝縮ガスnを外部に抽出して復水器18の内圧を減少させるためのガス抽出装置30を備えている。さらに、復水器18とガス抽出装置30との間には、ガス冷却器32が設けられ、復水器18から抽出された不凝縮ガスは、ガス冷却器32によって冷却される。
復水器18に溜まった不凝縮ガスnをガス抽出装置30で抽出することで、復水器18の内圧が低下する。これによって、蒸気タービン12の発電出力低下を抑制できる。また、ガス冷却器32で冷却された不凝縮ガスnは体積が縮小すると共に、随伴する蒸気が凝縮するため、ガス冷却器32の出口側で抽出ガス容量が減少する。従って、ガス抽出装置30の駆動に必要な動力や蒸気量を削減できるため、プラントの効率低下を抑制できる。
一実施形態では、復水器18に不凝縮ガスを抽出するためのガス抽出路34が接続され、ガス抽出装置30はガス抽出路34に設けられると共に、復水器18とガス抽出装置30との間のガス抽出路34にガス冷却器32が設けられる。そして、ガス抽出装置30によって復水器18からガス抽出路34に抽出された不凝縮ガスnは、まず、ガス冷却器32で冷却される。
一実施形態では、例えば、図1及び図2に示すように、ガス抽出装置30は第1エジェクタ装置36を含む。第1エジェクタ装置36は、地熱蒸気によって駆動される第1エジェクタ38と、第1エジェクタ38により抽出された不凝縮ガスを冷却するように構成された第1冷却器40と、を有する。また、地熱蒸気路14から分岐した分岐路42が第1エジェクタ38に接続され、分岐路42から第1エジェクタ38に地熱蒸気Gsが駆動流体として供給される。
第1エジェクタ38によって復水器18から抽出された不凝縮ガスnは、ガス冷却器32で冷却され、体積が縮小すると共に、随伴する蒸気が凝縮するため、第1エジェクタ38の処理容量を低減できる。これによって、第1エジェクタ38で駆動流体として用いられる地熱蒸気量を削減できるため、蒸気タービン12に供給される蒸気量の減少を抑制でき、蒸気タービン12の発電出力低下を抑制できる。第1エジェクタ38から吐出される排気は第1冷却器40で冷却され、不凝縮ガスnに随伴する蒸気は凝縮して不凝縮ガスnと分離するため、後段側ガス抽出装置の動力を削減できると共に、最終段においては、不凝縮ガスnを大気に排出する際に白煙などの発生を抑制できる。
地熱発電プラントの規模に応じて、ガス抽出路34に1段又は複数段のエジェクタ装置を選択的に設けることができる。図1及び図2に示す例示的な実施形態では、第1エジェクタ装置36より下流側のガス抽出路34に、第2エジェクタ装置43を含んでいる。第2エジェクタ装置43は、第2エジェクタ44と、第2エジェクタ44より下流側に設けられた第2冷却器46とを備えている。また、分岐路42からさらに分岐路48が分岐し、分岐路48を介して第2エジェクタ44に駆動流体として地熱蒸気Gsが供給される。第1冷却器40で凝縮水Cwと分離した不凝縮ガスnは、さらに第2エジェクタ44に吸引されて第2冷却器46に送られ、第2冷却器46で冷却されて凝縮水Cwが分離し、その後、大気に放出される。
一実施形態では、例えば図3に示すように、ガス抽出装置30は、水封式真空ポンプ50を含む。水封式真空ポンプ50は被処理気体が蒸気を含む場合に高性能を発揮できるため、水封式真空ポンプ50を設けることで、プラント全体の効率を向上できる。特に、水封式真空ポンプ50の上流側に設けられたガス冷却器32で不凝縮ガスを冷却し、不凝縮ガスnに随伴する凝縮水の飽和水蒸気圧を低減しているため、水封式真空ポンプ50の処理容量を削減できる。
なお、図3に示す例示的な実施形態では、水封式真空ポンプ50の下流側にシール水セパレータ52が設けられ、シール水セパレータ52で水封式真空ポンプ50のシール水Swが分離された不凝縮ガスnが大気に放出される。
図4に示す実施形態では、第1エジェクタ装置36の下流側のガス抽出路34に水封式真空ポンプ50が設けられている。第1エジェクタ装置36と水封式真空ポンプ50との組合せによってプラント効率を向上できる。水封式真空ポンプはエジェクタ装置より効率が良いが、代わりに到達真空度がエジェクタ装置ほど高くない性質を有している。そのため、第1エジェクタ装置36の下流側に水封式真空ポンプ50を配置する組合せにより、不凝縮ガスnの抽出力を高め、かつプラント効率を高めることができる。
一実施形態では、図1~図3に示すように、ガス冷却器32(32a)は、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aとが熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成された表面式熱交換器が用いられる。ガス冷却器32として表面式熱交換器32(32a)を用いるため、冷却水路20を循環する冷却水aと復水器18から抽出された不純物を含む不凝縮ガスnとが互いに接触しないため、冷却水aに該不純物が混入するのを防止できる。そのため、冷却水路20の内部で詰まりなどの不具合が発生するのを防止できる。
図1及び図3に示す例示的な実施形態では、ガス冷却器32の内部に設けられた熱交換管54の入口と復路配管20dとを接続する配管56が設けられ、かつ熱交換管54の出口と往路配管20cとを接続する配管58が設けられる。これによって、ガス冷却器32(32a)では、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aが配管56を介して熱交換管54に供給され、熱交換管54の外側空間に存在する不凝縮ガスnを冷却する。不凝縮ガスnとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。こうして、ガス冷却器32(32a)で不凝縮ガスnを冷却する冷却媒体として、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aが用いられる。
図1及び図2に示す例示的な実施形態では、第1冷却器40(40a)又は第2冷却器46(46a)も表面式熱交換器で構成されている。これらの実施形態では、配管56が第1冷却器40(40a)及び第2冷却器46(46a)の内部に夫々設けられた熱交換管54の入口に接続され、熱交換管54の出口が配管58に接続される。こうして、第1冷却器40(40a)及び第2冷却器46(46a)の内部では、熱交換管54の外側空間に存在する不凝縮ガスnと熱交換管54の内部を流れる冷却水aとで熱交換が行われ、不凝縮ガスnが冷却される。
図1~図6において、ガス冷却器32、第1冷却器40、第2冷却器46、及びシール水セパレータ52には、夫々内部に貯留した凝縮水Cw又はシール水Swを凝縮水路26に排出する排出路60、62、64及び66が設けられている。
一実施形態では、図2及び図4等に示すように、ガス冷却器32(32b)は、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが直接接触して熱交換する直接接触式熱交換器で構成されている。このように、ガス冷却器32(32b)が表面式熱交換器より冷却効率が良い直接接触式熱交換器で構成されているため、上述のように、ガス抽出装置30によって抽出された不凝縮ガス量をガス冷却器32(32a)より低減できる。従って、ガス冷却器32(32b)をガス冷却器32(32a)よりコンパクト化できると共に、ガス抽出装置30の駆動に必要な動力を低減でき、ガス抽出装置30がエジェクタを含む場合、エジェクタに必要な地熱蒸気の削減効果をさらに高めることができる。これによって、プラントの効率低下や蒸気タービンの発電出力低下をさらに抑制できる。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、第1冷却器40(40b)を直接接触式熱交換器で構成している。これによって、ガス冷却器32(32b)と同様に、第1冷却器40(40b)を第1冷却器40(40a)よりコンパクト化できると共に、ガス抽出装置30の駆動に必要な動力をさらに低減でき、プラントの効率低下をさらに抑制できる。
図2及び図4~図6に示す例示的な実施形態では、直接接触式熱交換器の内部で、冷却媒体を導入する配管72、88、90、94等の先端付近に冷却媒体を噴霧するノズル87が設けられ、ノズル87から不凝縮ガスnに冷却媒体が噴霧されるように構成される。
一実施形態では、図5に示すように、ガス冷却器32(32c)は、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aとが熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成されるとともに、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが直接接触して熱交換するハイブリッド式熱交換器で構成されている。ガス冷却器32(32c)がハイブリッド式熱交換器で構成されているため、冷却性能の向上と還元井を介して地下に戻す凝縮水の確保とを両立させることができる。
一実施形態では、図2に示すように、地熱発電プラント10(10B)は第1凝縮水冷却器70を備える。第1凝縮水冷却器70は、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが、熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成されている。不凝縮ガスnとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。第1凝縮水冷却器70で冷却された凝縮水Cwが直接接触式熱交換を行うガス冷却器32(32b)に供給される本実施形態では、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aをガス冷却器32(32b)に冷却媒体として供給される凝縮水Cwを冷却する冷熱源として用いることができる。第1凝縮水冷却器70でガス冷却器32(32b)に供給される凝縮水Cwを冷却することで、ガス冷却器32(32b)の冷却能力を向上できる。また、第1凝縮水冷却器70は表面式熱交換を行うため、冷却水aと凝縮水Cwとが混じり合わない。従って、冷却水aに不純物が混入するのを防止できる。
図2に示す例示的な実施形態では、凝縮水路26を流れる凝縮水Cwの一部を第1凝縮水冷却器70に供給する分岐路71が設けられ、分岐路71に流量調整弁74が設けられている。流量調整弁74の開度を調節することで、第1凝縮水冷却器70に供給される凝縮水Cwの流量を調節できる。第1凝縮水冷却器70で冷却された凝縮水Cwは、配管72を介してガス冷却器32(32b)に供給される。
一実施形態では、図3に示すように、地熱発電プラント10(10C)は第2凝縮水冷却器76を備える。第2凝縮水冷却器76は、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成されている。不凝縮ガスnとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。第2凝縮水冷却器76で冷却された凝縮水Cwが水封式真空ポンプ50に封水として供給される。このように、封水として水封式真空ポンプ50に供給される凝縮水を冷却水aで冷却してから、水封式真空ポンプ50に供給するために、水封式真空ポンプ50の性能を向上できる。例えば、最高到達真空度を向上できると共に、排気量の低下を抑制できる。また、第2凝縮水冷却器76は表面式熱交換を行うため、冷却水aと凝縮水Cwとが混じり合わない。そのため、冷却水aに凝縮水Cwに含まれる不純物が混入するのを防止できる。
図3に示す例示的な実施形態では、凝縮水路26を流れる凝縮水Cwの一部を第2凝縮水冷却器76に供給する分岐路78が設けられ、分岐路78に流量調整弁80が設けられている。流量調整弁80の開度を調節することで、第2凝縮水冷却器76に供給される凝縮水Cwの流量を調節できる。第2凝縮水冷却器76で冷却された凝縮水Cwは、配管79を介して水封式真空ポンプ50に供給される。
一実施形態では、図4~図6に示すように、地熱発電プラント10(10D、10E、10F)は、復水器18で凝縮した凝縮水Cwを冷却するように構成された湿式冷却塔82を備える。湿式冷却塔82の内部に空気流が形成され、凝縮水路26から供給された凝縮水Cwの一部が空気流と熱交換して蒸発し、蒸発潜熱を他の凝縮水Cwから奪うことで他の凝縮水Cwを冷却できる。従って、乾式冷却塔のような顕熱熱交換より冷却効果を向上できる。湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1はガス冷却器32(32b、32c)に供給される。このように、ガス冷却器32(32b、32c)に供給する凝縮水Cw1を予め湿式冷却塔82で冷却するため、凝縮水Cw1が供給されるガス冷却器32(32b、32c)の冷却効果を向上できる。また、湿式冷却塔82では、凝縮水Cw1は空気流との接触により凝縮水Cw1自体の蒸発潜熱で冷却されるため、空気流以外の冷熱源を必要としない。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1は、凝縮水路84に設けられた凝縮水ポンプ86によって、凝縮水路84から配管88又は94を経てガス冷却器32(32b、32c)に供給される。ガス冷却器32(32b、32c)の内部で配管88及び94の先端付近に、凝縮水Cw1を噴霧するためのノズル87が設けられ、ノズル87から噴霧される凝縮水Cw1によって不凝縮ガスnが冷却される。
一実施形態では、図4~図6に示すように、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1が第1エジェクタ装置36の第1冷却器40(40b)に供給される。これによって、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1を第1冷却器40(40b)の冷却媒体として用いることができ、そのため、プラント内外の他の冷熱源を必要としない。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1は、凝縮水ポンプ86によって凝縮水路84から配管90を経て第1冷却器40(40b)に供給される。第1冷却器40(40b)の内部で配管90に凝縮水Cw1を噴霧するためのノズル87が設けられ、ノズル87から噴霧される凝縮水Cw1によって不凝縮ガスnが冷却される。
一実施形態では、図4~図6に示すように、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1は水封式真空ポンプ50に封水として供給される。これによって、湿式冷却塔82で予め冷却された凝縮水Cw1を水封式真空ポンプ50の封水として用いることができるため、水封式真空ポンプ50の性能低下をまねかない。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1は、凝縮水ポンプ86によって凝縮水路84及び92を経て水封式真空ポンプ50に供給される。
一実施形態では、図6に示すように、地熱発電プラント10(10F)は、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1を復水器18に供給するための凝縮水路84と、凝縮水路84から供給された凝縮水Cw1を復水器18の内部に噴霧するためのノズル87と、を備える。本実施形態では、復水器18において、冷却管群20aを流れる冷却水による表面式熱交換と、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1による直接接触式熱交換とを併用できるため、復水器18における排蒸気の冷却効果を向上できる。
図6に示す例示的な実施形態では、復水器18の内部で、ノズル87は凝縮水Cw1を導入する配管95の先端付近に設けられ、ノズル87から不凝縮ガスnに凝縮水Cw1が噴霧されるように構成される。
図4~図6に示す実施形態においては、湿式冷却塔82と、復水器18、ガス冷却器32(32b、32c)及び第1冷却器40(40b)を直接接触式熱交換器とすることの組合せにより、冷却性能の向上と還元井を介して地下に戻す凝縮水の確保とを両立させることができる。また、湿式冷却塔82から凝縮水Cw1が供給される復水器18、ガス冷却器32(32b、32c)、第1冷却器40(40b)及び水封式真空ポンプ50は、許容される蒸散量に応じて自由な設計が可能になる。
一実施形態では、図4~図6に示すように、凝縮水路26から分岐して復水器18で凝縮した凝縮水Cwの一部を湿式冷却塔82に供給する凝縮水路96と、凝縮水路96に設けられた流量調整弁98と、湿式冷却塔82に貯留された凝縮水Cw1の水位を検出する水位計100と、水位計100の検出値に応じて流量調整弁98の開度を制御可能なコントローラ102と、を備える。本実施形態では、コントローラ102によって、水位計100の検出値に応じて、流量調整弁98の開度を調整することで、湿式冷却塔82に貯留される凝縮水量を所望の量に調整できる。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、ガス冷却器32(32b、32c)から凝縮水Cwを排出する排出路60に、第1冷却器40(40b)から凝縮水Cwを排出する排出路62、及びシール水セパレータ52から凝縮水Cwを排出する排出路66が合流するように構成されている。排出路60に凝縮水ポンプ68が設けられ、排出路60は凝縮水路96に接続されている。排出路60、62及び66から排出される凝縮水Cwは凝縮水路96を介して湿式冷却塔82に送られる。こうして、湿式冷却塔82、ガス冷却器32(32b、32c)、第1冷却器40(40b)及びシール水セパレータ52を含む凝縮水Cwの循環系統が構成される。なお、図4~図6に示す実施形態では、復水器18の凝縮水Cwの一部を補給水として湿式冷却塔82に配分するように構成しているが、湿式冷却塔82の凝縮水Cw1の蒸散量によっては、凝縮水路96から湿式冷却塔82への補給が不要になる場合もある。
ガス抽出路34に設けられたガス抽出装置30を含む凝縮水Cwの蒸散量は、通常、復水器18も含めた地熱発電プラント全体の高々10~20%程度である。従って、一部の凝縮水の大気への蒸散が許容されるプラントの場合、ガス抽出装置30の熱交換器をすべて直接接触式とすることができる。これによって、熱交換器の冷却性能を向上できる。また、許容される蒸散量に応じて、後段のガス抽出装置を水封式真空ポンプとすることができる。
図6に示す地熱発電プラント10(10F)のように、復水器18をハイブリッド式熱交換器で構成する実施形態は、一部の凝縮水の大気への蒸散の許容条件がさらに緩和される場合に用いることができる。
図7は、一実施形態に係る地熱発電プラント10(10G)を示す系統図である。地熱発電プラント10(10G)は、地熱蒸気Gsにより駆動する蒸気タービン12を備えている。地下から蒸気井(不図示)によって採取された地熱蒸気Gsは、地熱蒸気路14から蒸気タービン12に供給される。地熱蒸気路14には蒸気加減弁16が設けられ、蒸気加減弁16で蒸気タービン12に供給される蒸気量が調節される。蒸気タービン12で仕事をした後の排蒸気は、蒸気タービン12の出口から復水器18に排出される。復水器18の内部には冷却管群20aが設けられ、排蒸気は冷却管群20aを流れる冷却水によって冷却されて凝縮する。復水器18の内部に貯留した凝縮水Cwは、復水器18に接続された凝縮水路26から凝縮水ポンプ28によって凝縮水路26に排出し、さらに、還元井(不図示)などを介して地下に戻される。
復水器18と乾式冷却塔22とに跨って設けられる冷却水路20は、復水器18の内部に設けられる冷却管群20aと、乾式冷却塔22の内部に設けられる被冷却管群20bと、冷却管群20aと被冷却管群20bとを接続する往路配管20c及び復路配管20dとを含み、ループ状の閉回路を構成する。乾式冷却塔22は、冷却媒体として空気流のみを使用し、冷却水を使用しない。また、乾式冷却塔22は、被冷却管群20bを流れる冷却水が空気流と直接接触せず、熱交換管の管壁を介して接触するように構成されている。従って、冷却水を必要とせず、かつ外気に含まれるごみ、埃等の不純物が冷却水に混入しない。冷却管群20a及び被冷却管群20b内の冷却水は、冷却水ポンプ24によって循環する。冷却水は、乾式冷却塔22で冷却された後、復水器18で排蒸気を冷却して凝縮させる。
地熱蒸気Gsには、不純ガスとして硫化水素などの不凝縮ガスが含まれている。凝縮しない不凝縮ガスは、復水器18内で次第に蓄積されて復水器18の内圧を高める。復水器18の内圧が増加すると、復水器18内の圧力低下による発電出力増加効果が損なわれる。そこで、本実施形態では、復水器18の内部から不凝縮ガスnを外部に抽出して復水器18の内圧を減少させるためのガス抽出装置30を備え、ガス抽出装置30は水封式真空ポンプ50を有している。
復水器18に溜まった不凝縮ガスnをガス抽出装置30で抽出することで、復水器18の内圧が低下する。これによって、蒸気タービン12の発電出力低下を抑制できる。また、ガス抽出装置30は、被処理気体が蒸気を含む場合に高性能を発揮できる水封式真空ポンプ50を有するため、プラント全体の効率を向上できる。
一実施形態では、復水器18に不凝縮ガスnを抽出するためのガス抽出路34が設けられ、水封式真空ポンプ50を含むガス抽出装置30はガス抽出路34に設けられる。
一実施形態では、ガス抽出装置30は第1エジェクタ装置36を含む。第1エジェクタ装置36は、地熱蒸気によって駆動される第1エジェクタ38と、第1エジェクタ38により抽出された不凝縮ガスを冷却するように構成された第1冷却器40(40a)と、を有する。また、地熱蒸気路14から分岐した分岐路42が第1エジェクタ38に接続され、分岐路42から第1エジェクタ38に地熱蒸気Gsが駆動流体として供給される。第1エジェクタ38によって復水器18内の不凝縮ガスnが抽出され、第1エジェクタ38から吐出される排気は第1冷却器40(40a)で冷却される。これによって、体積が縮小すると共に、随伴する蒸気が凝縮するため、水封式真空ポンプ50の被処理ガス容量を低減できる。不凝縮ガスnに随伴する蒸気は凝縮して不凝縮ガスnと分離するため、後段側にガス抽出装置がある場合その動力を削減できると共に、最終段においては、不凝縮ガスnを大気に排出する際に白煙などの発生を抑制できる。なお、第1エジェクタ装置36は2段以上設けてもよい。
図7に示す実施形態では、第1エジェクタ装置36の下流側のガス抽出路34に水封式真空ポンプ50が設けられている。第1エジェクタ装置36と水封式真空ポンプ50との組合せによってプラント効率を向上できる。水封式真空ポンプ50は被処理ガスの入口圧力が低いほうが到達真空度及び排気容量等を向上できるため、第1エジェクタ装置36の下流側に水封式真空ポンプ50を配置する組合せにより、不凝縮ガスnの抽出力を高め、かつプラント効率を高めることができる。
図7に示す例示的な実施形態では、水封式真空ポンプ50の下流側にシール水セパレータ52が設けられ、シール水セパレータ52で水封式真空ポンプ50のシール水Swが分離された不凝縮ガスnが大気に放出される。
一実施形態では、第1冷却器40(40a)は、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aとが熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成された表面式熱交換器が用いられる。これによって、冷却水路20を循環する冷却水aと不純物を含む不凝縮ガスnとが互いに接触しないため、冷却水aに該不純物が混入するのを防止できる。そのため、冷却水路20の内部で詰まりなどの不具合が発生するのを防止できる。
図7に示す例示的な実施形態では、ガス冷却器32の内部に設けられた熱交換管54の入口と復路配管20dとを接続する配管56が設けられ、かつ熱交換管54の出口と往路配管20cとを接続する配管58が設けられる。これによって、第1冷却器40(40a)では、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aが配管56を介して熱交換管54に供給され、熱交換管54の外側空間に存在する不凝縮ガスnを冷却する。不凝縮ガスnとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。こうして、第1冷却器40(40a)で不凝縮ガスnを冷却する冷却媒体として、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aが用いられる。
図7に示す例示的な実施形態では、第1冷却器40(40a)及びシール水セパレータ52には、夫々内部に貯留した凝縮水Cw又はシール水Swを凝縮水路26に排出する排出路62及び66が設けられている。
一実施形態では、地熱発電プラント10(10G)は第2凝縮水冷却器76を備える。第2凝縮水冷却器76は、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが、熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成されている。不凝縮ガスnとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。第2凝縮水冷却器76で冷却された凝縮水Cwは水封式真空ポンプ50に封水として供給される。本実施形態では、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aを水封式真空ポンプ50の封水として供給される凝縮水Cwを冷却する冷熱源として用いることができる。
このように、封水として水封式真空ポンプ50に供給される凝縮水を、冷却水aで冷却してから水封式真空ポンプ50に供給するために、水封式真空ポンプ50の性能を向上できる。また、第2凝縮水冷却器76は表面式熱交換を行うため、冷却水aと凝縮水Cwとが混じり合わない。そのため、冷却水aに凝縮水Cwに含まれる不純物が混入するのを防止できる。
図7に示す例示的な実施形態では、凝縮水路26を流れる凝縮水Cwの一部を第2凝縮水冷却器76に供給する分岐路78が設けられ、分岐路78に流量調整弁80が設けられている。流量調整弁80の開度を調節することで、第2凝縮水冷却器76に供給される凝縮水Cwの流量を調節できる。第2凝縮水冷却器76で冷却された凝縮水Cwは、配管79を介して水封式真空ポンプ50に供給される。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
1)一態様に係る地熱発電プラントは、地熱蒸気(Gs)により駆動する蒸気タービン(12)と、前記蒸気タービンから排出される排蒸気を凝縮するための冷却水が流れる冷却管群(20a)を含む復水器(18)と、前記復水器に供給される前記冷却水を冷却するように構成された乾式冷却塔であって、前記復水器で加温された前記冷却水が流れる被冷却管群を含む乾式冷却塔(22)と、前記復水器内の不凝縮ガス(n)を抽出するように構成されたガス抽出装置(30)と、前記復水器と前記ガス抽出装置との間に配置され、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスを冷却するように構成されたガス冷却器(32)と、を備える。
このような構成によれば、上記ガス抽出装置によって不凝縮ガスが復水器から抽出されて復水器内の圧力が低下するため、蒸気タービンの発電出力低下を抑制できる。また、復水器から抽出された不凝縮ガスは、ガス抽出装置の前段に設けられたガス冷却器で冷却されるため、体積が縮小すると共に、随伴する蒸気が凝縮して不凝縮ガスから分離するため、抽出されたガスの容量が減少する。従って、ガス抽出装置の必要動力や蒸発量を削減できるため、プラントの効率低下を抑制できる。
2)別な態様に係る地熱発電プラントは、1)に記載の地熱発電プラントであって、前記ガス抽出装置(30)は、前記地熱蒸気(Gs)によって駆動される第1エジェクタ(38)と、前記第1エジェクタにより抽出された前記不凝縮ガス(n)を冷却するように構成された第1冷却器(40)と、を有する第1エジェクタ装置(36)を含む。
このような構成によれば、第1エジェクタによって復水器から抽出された不凝縮ガスは、ガス冷却器で冷却されるため、上述のように、第1エジェクタの抽出ガス容量を低減できる。これによって、第1エジェクタが駆動流体として用いる地熱蒸気量を削減できるため、蒸気タービンに供給される蒸気量の減少を抑制でき、蒸気タービンの発電出力低下を抑制できる。さらに、第1エジェクタから吐出される排気は第1冷却器で冷却され、この排気に含まれる蒸気は凝縮して不凝縮ガスと分離するため、後段側ガス抽出装置の動力を削減できると共に、最終段においては、不凝縮ガスを大気に排出する際に白煙などの発生を抑制できる。
3)別な態様に係る地熱発電プラントは、1)又は2)に記載された地熱発電プラントであって、前記ガス抽出装置(30)は、水封式真空ポンプ(50)を含む。
このような構成によれば、ガス抽出装置として、被処理気体が蒸気を含む場合に高性能を発揮できる水封式真空ポンプを用いることで、プラント全体の効率を向上できる。特に、水封式真空ポンプの前段に設けられたガス冷却器で不凝縮ガスを冷却することで、随伴する凝縮水の飽和水蒸気圧を低減できるため、水封式真空ポンプの処理容量を削減できる。
4)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、1)乃至3)の何れかに記載の地熱発電プラントであって、前記ガス冷却器(32(32a))は、前記復水器(18)から抽出された前記不凝縮ガス(n)と、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成された表面式熱交換器である。
このような構成によれば、ガス冷却器の冷熱源として乾式冷却塔で冷却された冷却水を用いることができる。また、表面式熱交換器を採用することで、上記冷却水と復水器から抽出された不凝縮ガスとが直接接触しないため、不凝縮ガスに含まれる不純物が冷却水に混ざって被冷却管群に詰まりなどが発生するのを防止できる。
5)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、1)乃至3)の何れかに記載の地熱発電プラントであって、前記ガス冷却器(32(32b))は、前記復水器(18)から抽出された前記不凝縮ガス(n)と、前記復水器で凝縮した凝縮水(Cw)とが直接接触して熱交換するように構成された直接接触式熱交換器である。
このような構成によれば、ガス冷却器が表面式熱交換器より冷却効率が良い直接接触式熱交換器で構成されるため、ガス抽出装置によって抽出されたガス量が減少する。従って、ガス冷却器をコンパクト化できると共に、ガス抽出装置の必要動力や必要地熱蒸気量を削減できるため、プラントの効率低下や蒸気タービンの発電出力低下を抑制できる。
6)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、1)乃至3)の何れかに記載の地熱発電プラントであって、前記ガス冷却器(32(32c))は、前記復水器(18)から抽出された前記不凝縮ガス(n)と、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成されるとともに、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスと、前記復水器で凝縮した凝縮水(Cw)とが直接接触して熱交換するように構成されたハイブリッド式熱交換器である。
このような構成によれば、ガス冷却器が上記ハイブリッド式熱交換器で構成されるため、冷却性能の向上と還元井を介して地下に戻す凝縮水の確保とを両立させることができる。
7)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、5)又は6)に記載の地熱発電プラントであって、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水と、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水(Cw)とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成された第1凝縮水冷却器(70)を備え、前記第1凝縮水冷却器で冷却された前記凝縮水が前記ガス冷却器(32(32b、32c))に供給されるように構成される。
このような構成によれば、上記第1凝縮水冷却器において、不凝縮ガスを冷却するためにガス冷却器に供給される凝縮水を、ガス冷却器に供給される前に、乾式冷却塔で冷却された冷却水で冷却するため、ガス冷却器における凝縮水の冷却効果を向上できる。また、上記凝縮水冷却器は表面式熱交換を行うため、冷却水と凝縮水とが混じり合わない。そのため、冷却水に凝縮水に含まれる不純物が混入するのを防止できる。
8)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、3)に記載の地熱発電プラントであって、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水と、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水(Cw)とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成された第2凝縮水冷却器(76)を備え、前記第2凝縮水冷却器で冷却された凝縮水が前記水封式真空ポンプ(50)に封水として供給されるように構成される。
このような構成によれば、上記第2凝縮水冷却器において、封水として水封式真空ポンプに供給される凝縮水を、水封式真空ポンプに供給される前に、乾式冷却塔で冷却された冷却水で冷却するため、水封式真空ポンプの性能を向上できる。また、上記第2凝縮水冷却器は表面式熱交換を行うため、冷却水と凝縮水とが混じり合わない。そのため、冷却水に凝縮水に含まれる不純物が混入するのを防止できる。
9)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、5)又は6)に記載の地熱発電プラントであって、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水(Cw)を冷却するように構成された湿式冷却塔(82)をさらに備え、前記湿式冷却塔で冷却された前記凝縮水が前記ガス冷却器(32(32b、32c))に供給されるように構成される。
このような構成によれば、復水器で凝縮した凝縮水を不凝縮ガスを冷却するためにガス冷却器に供給する場合に、上記湿式冷却塔で冷却した後ガス冷却器に供給するため、凝縮水により冷却効果を向上できる。また、湿式冷却器では、凝縮水は空気流との接触により凝縮水自体の蒸発潜熱で冷却されるため、空気流以外の他の冷熱源を必要としない。
10)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、9)に記載された地熱発電プラントであって、前記地熱蒸気(Gs)によって駆動される第1エジェクタ(38)と、前記第1エジェクタにより抽出された前記不凝縮ガス(n)を冷却するように構成された第1冷却器(40(40a、40b))と、を有する第1エジェクタ装置(36)を含み、前記湿式冷却塔(82)で冷却された前記凝縮水(Cw)が前記第1冷却器に供給されるように構成される。
このような構成によれば、復水器で凝縮した凝縮水を第1冷却器に供給される冷却媒体として用いることができ、プラント内外の他の冷熱源を必要としない。
11)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、9)又は10)に記載の地熱発電プラントであって、前記ガス抽出装置(30)は、水封式真空ポンプ(50)を含み、前記湿式冷却塔(82)で冷却された前記凝縮水(Cw)が前記水封式真空ポンプに封水として供給されるように構成される。
このような構成によれば、湿式冷却塔で冷却された凝縮水を水封式真空ポンプの封水として用いることができる。また、水封式真空ポンプに供給される凝縮水は湿式冷却塔で予め冷却されるので、水封式真空ポンプの性能低下をまねかない。
12)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、9)乃至11)の何れか一項に記載の地熱発電プラントであって、前記湿式冷却塔(82)で冷却された前記凝縮水(Cw)を前記復水器(18)に供給するための凝縮水路(84)と、前記凝縮水路により供給された前記凝縮水を前記復水器の内部に噴霧するための冷却ノズル(87)と、を備える。
このような構成によれば、復水器において、被冷却管群を流れる冷却水による表面式熱交換と、湿式冷却塔で冷却された凝縮水による直接接触式熱交換とを併用できるため、復水器における排蒸気の冷却効果を向上できる。なお、この実施形態は、一部の凝縮水の大気への蒸散の許容条件が緩和される場合に用いることができる。
13)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、9)乃至12)の何れか一項に記載の地熱発電プラントであって、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水を前記湿式冷却塔(82)に供給する凝縮水路(26,96)と、前記凝縮水路に設けられた流量調整弁)98)と、前記湿式冷却塔に貯留された前記凝縮水(Cw)の水位を検出する水位計(100)と、前記水位計の検出値に応じて前記流量調整弁の開度を制御可能なコントローラ(102)と、を備える。
このような構成によれば、上記コントローラによって、水位計の検出値に応じて、流量調整弁の開度を調整することで、湿式冷却器に貯留される凝縮水量を所望の量に調整できる。
14)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、地熱蒸気により駆動する蒸気タービン(12)と、前記蒸気タービンから排出される排蒸気を凝縮するための冷却水が流れる冷却管群(20a)を含む復水器(18)と、前記復水器に供給される前記冷却水を冷却するように構成された乾式冷却塔であって、前記復水器で加温された前記冷却水が流れる被冷却管群を含む乾式冷却塔(22)と、前記復水器内の不凝縮ガス(n)を抽出するように構成されたガス抽出装置(30)と、を備え、前記ガス抽出装置は、水封式真空ポンプ(50)を含む。
このような構成によれば、復水器に溜まった不凝縮ガスをガス抽出装置で抽出することで、復水器の内圧が低下する。これによって、蒸気タービンの発電出力低下を抑制できる。また、ガス抽出装置は、被処理気体が蒸気を含む場合に高性能を発揮できる水封式真空ポンプを有するため、プラント全体の効率を向上できる。
15)さらに別な態様に係る地熱発電プラントは、14)に記載の地熱発電プラントであって、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水(a)と、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水(Cw)とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成された第2凝縮水冷却器(76)を備え、前記第2凝縮水冷却器で冷却された前記凝縮水が、前記水封式真空ポンプ(50)に封水として供給されるように構成される。
このような構成によれば、封水として水封式真空ポンプに供給される凝縮水を、第2凝縮水冷却器で冷却された冷却水で冷却してから水封式真空ポンプに供給するために、水封式真空ポンプの性能を向上できる。また、第2凝縮水冷却器は表面式熱交換を行うため、冷却水と凝縮水とが混じり合わない。そのため、冷却水に凝縮水に含まれる不純物が混入するのを防止できる。
10(10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G) 地熱発電プラント
12 蒸気タービン
14 地熱蒸気路
16 蒸気加減弁
18 復水器
20 冷却水路
20a 冷却管群
20b 被冷却管群
20c 往路配管
20d 復路配管
22 乾式冷却塔
24 冷却水ポンプ
26、60、62、64、66、84、92、96 凝縮水路
28、68、86 凝縮水ポンプ
30 ガス抽出装置
32(32a、32b、32c) ガス冷却器
32a 表面式熱交換器
32b 直接接触式熱交換器
32c ハイブリッド式熱交換器
34 ガス抽出路
36 第1エジェクタ装置
38 第1エジェクタ
40(40a、40b) 第1冷却器
42、48、71、78 分岐路
43 第2エジェクタ装置
44 第2エジェクタ
46(46a) 第2冷却器
50 水封式真空ポンプ
52 シール水セパレータ
54 熱交換管
56、58、72、79、88、90、94、95 配管
60、62、64、66 排出路
70 第1凝縮水冷却器
74、80、98 流量調整弁
76 第2凝縮水冷却器
82 湿式冷却塔
87 ノズル
100 水位計
102 コントローラ
Cw、Cw1 凝縮水
Gs 地熱蒸気
Sw シール水
a 冷却水
b 温水
n 不凝縮ガス
本開示は、地熱発電プラントに関する。
地熱発電は、地下に存在する地熱蒸気を採取し、採取した地熱蒸気で蒸気タービンを回し発電させる発電システムである。地熱発電プラントでは、直接接触式復水器と湿式冷却塔との組合せが多く用いられる。湿式冷却塔は、地熱蒸気が凝縮した凝縮水を冷却する際に、一部の凝縮水を蒸発させて他の凝縮水から蒸発潜熱を奪うことで、冷却性能を向上でき、これによって、コンパクト化が可能になる。しかし、一方で、湿式冷却塔で冷却水の一部が蒸発する際に発生する白煙(水蒸気)が景観上好ましくなく、また、復水器で凝縮する凝縮水の多くが地下に戻されることなく、大気に蒸散してしまうため、地下水の枯渇をまねく、等の理由から敬遠される場合がある。
従って、代わりに、蒸気と冷却水とを非接触で熱交換する表面式復水器と乾式冷却塔との組合せが用いられる場合もある。しかし、地熱蒸気には硫化水素などの不凝縮ガスが含まれるため、特に、表面式復水器の場合、不凝縮ガスが復水器内に溜まって復水器内の圧力が上昇する傾向がある。復水器内の圧力が上昇すると、復水器内の圧力低下による発電出力増加の効果が損なわれるため、この対策として、復水器の伝熱面積を増やすなどの対策が考えられるが、復水器が大型化しコスト増となるという問題がある。
特許文献1には、この対策として、蒸気タービンを駆動する蒸気の一部を駆動蒸気とするエジェクタを設け、このエジェクタによって復水器内の不凝縮ガスを抽出して復水器内圧力を低下させる手段が開示されている。
特開平06-058107号公報
特許文献1に開示された手段は、蒸気タービンを駆動するための地熱蒸気の一部がエジェクタの駆動蒸気として消費されるため、蒸気タービンに供給される蒸気が低減し、これによって、蒸気タービンの発電出力が低下してしまうという問題がある。
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、蒸気タービンの発電出力を低下させずに復水器内の圧力増加を抑制できる地熱発電プラントを提案することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係る地熱発電プラントは、地熱蒸気により駆動する蒸気タービンと、前記蒸気タービンから排出される排蒸気を凝縮するための冷却水が流れる冷却管群を含む復水器と、前記復水器に供給される前記冷却水を冷却するように構成された乾式冷却塔であって、前記復水器で加温された前記冷却水が流れる被冷却管群を含む乾式冷却塔と、前記復水器内の不凝縮ガスを抽出するように構成されたガス抽出装置と、前記復水器と前記ガス抽出装置との間に配置され、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスを冷却するように構成されたガス冷却器と、を備える。
本開示に係る地熱発電プラントによれば、ガス抽出装置によって復水器内の不凝縮ガスを抽出することで、復水器内の圧力上昇を抑制できるため、蒸気タービンの発電出力低下を抑制しながら、復水器内の圧力上昇を抑制できる。また、ガス冷却器によって抽出ガス容量が減少するため、ガス抽出装置の駆動に必要な動力を削減でき、これによって、プラントの効率低下を抑制できる。
一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。 一実施形態に係る地熱発電プラントの系統図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1~図6は、幾つかの実施形態に係る地熱発電プラント10(10A、10B、10C、10D、10E、10F)を示す系統図である。地熱発電プラント10(10A~10F)は、地熱蒸気Gsにより駆動する蒸気タービン12を備えている。地下から蒸気井(不図示)などを介して採取された地熱蒸気Gsは、地熱蒸気路14から蒸気タービン12に供給される。地熱蒸気路14には蒸気加減弁16が設けられ、蒸気加減弁16で蒸気タービン12に供給される蒸気量が調節される。蒸気タービン12で仕事をした後の排蒸気は、蒸気タービン12の出口から復水器18に排出される。復水器18の内部には冷却管群20aが設けられ、排蒸気は冷却管群20aを流れる冷却水によって冷却されて凝縮する。復水器18の内部に貯留した凝縮水Cwは、復水器18に接続された凝縮水路26から凝縮水ポンプ28によって凝縮水路26に排出し、さらに、還元井(不図示)などを介して地下に戻される。
復水器18と乾式冷却塔22とに跨って設けられる冷却水路20は、復水器18の内部に設けられる冷却管群20aと、乾式冷却塔22の内部に設けられる被冷却管群20bと、冷却管群20aと被冷却管群20bとを接続する往路配管20c及び復路配管20dとを含み、ループ状の閉回路を構成する。乾式冷却塔22は、冷却媒体として空気流のみを使用し、冷却水を使用しない。また、乾式冷却塔22は、被冷却管群20bを流れる冷却水が空気流と直接接触せず、熱交換管の管壁を介して接触するように構成されている。従って、冷却水を必要とせず、かつ外気に含まれるごみ、埃等の不純物が冷却水に混入しない。冷却管群20a及び被冷却管群20b内の冷却水は、冷却水ポンプ24によって循環する。冷却水は、乾式冷却塔22で冷却された後、復水器18で排蒸気を冷却して凝縮させる。
地熱蒸気Gsには、不純ガスとして硫化水素などの不凝縮ガスが含まれている。凝縮しない不凝縮ガスは、復水器18内で次第に蓄積されて復水器18の内圧を高める。復水器18の内圧が増加すると、復水器18内の圧力低下によって得られる発電出力増加効果が損なわれる。そこで、本実施形態では、復水器18の内部から不凝縮ガスnを外部に抽出して復水器18の内圧を減少させるためのガス抽出装置30を備えている。さらに、復水器18とガス抽出装置30との間には、ガス冷却器32が設けられ、復水器18から抽出された不凝縮ガスnは、ガス冷却器32によって冷却される。
復水器18に溜まった不凝縮ガスnをガス抽出装置30で抽出することで、復水器18の内圧が低下する。これによって、蒸気タービン12の発電出力低下を抑制しながら、復水器18内の圧力上昇を抑制できる。また、ガス冷却器32で冷却された不凝縮ガスnは体積が縮小すると共に、随伴する蒸気が凝縮するため、ガス冷却器32の出口側で抽出ガス容量が減少する。従って、ガス抽出装置30の駆動に必要な動力や蒸気量を削減できるため、プラントの効率低下を抑制できる。
一実施形態では、復水器18に不凝縮ガスを抽出するためのガス抽出路34が接続され、ガス抽出装置30はガス抽出路34に設けられると共に、復水器18とガス抽出装置30との間のガス抽出路34にガス冷却器32が設けられる。そして、ガス抽出装置30によって復水器18からガス抽出路34に抽出された不凝縮ガスnは、まず、ガス冷却器32で冷却される。
一実施形態では、例えば、図1及び図2に示すように、ガス抽出装置30は第1エジェクタ装置36を含む。第1エジェクタ装置36は、地熱蒸気によって駆動される第1エジェクタ38と、第1エジェクタ38により抽出された不凝縮ガスを冷却するように構成された第1冷却器40と、を有する。また、地熱蒸気路14から分岐した分岐路42が第1エジェクタ38に接続され、分岐路42から第1エジェクタ38に地熱蒸気Gsが駆動流体として供給される。
第1エジェクタ38によって復水器18から抽出された不凝縮ガスnは、ガス冷却器32で冷却され、体積が縮小すると共に、随伴する蒸気が凝縮するため、第1エジェクタ38の処理容量を低減できる。これによって、第1エジェクタ38で駆動流体として用いられる地熱蒸気量を削減できるため、蒸気タービン12に供給される蒸気量の減少を抑制でき、蒸気タービン12の発電出力低下を抑制できる。第1エジェクタ38から吐出される排気は第1冷却器40で冷却され、不凝縮ガスnに随伴する蒸気は凝縮して不凝縮ガスnと分離するため、後段側ガス抽出装置の動力を削減できると共に、最終段においては、不凝縮ガスnを大気に排出する際に白煙などの発生を抑制できる。
地熱発電プラントの規模に応じて、ガス抽出路34に1段又は複数段のエジェクタ装置を選択的に設けることができる。図1及び図2に示す例示的な実施形態では、第1エジェクタ装置36より下流側のガス抽出路34に、第2エジェクタ装置43を含んでいる。第2エジェクタ装置43は、第2エジェクタ44と、第2エジェクタ44より下流側に設けられた第2冷却器46とを備えている。また、分岐路42からさらに分岐路48が分岐し、分岐路48を介して第2エジェクタ44に駆動流体として地熱蒸気Gsが供給される。第1冷却器40で凝縮水Cwと分離した不凝縮ガスnは、さらに第2エジェクタ44に吸引されて第2冷却器46に送られ、第2冷却器46で冷却されて凝縮水Cwが分離し、その後、大気に放出される。
一実施形態では、例えば図3に示すように、ガス抽出装置30は、水封式真空ポンプ50を含む。水封式真空ポンプ50は被処理気体が蒸気を含む場合に高性能を発揮できるため、水封式真空ポンプ50を設けることで、プラント全体の効率を向上できる。特に、水封式真空ポンプ50の上流側に設けられたガス冷却器32で不凝縮ガスを冷却し、不凝縮ガスnに随伴する凝縮水の飽和水蒸気圧を低減しているため、水封式真空ポンプ50の処理容量を削減できる。
なお、図3に示す例示的な実施形態では、水封式真空ポンプ50の下流側にシール水セパレータ52が設けられ、シール水セパレータ52で水封式真空ポンプ50のシール水Swが分離された不凝縮ガスnが大気に放出される。
図4に示す実施形態では、第1エジェクタ装置36の下流側のガス抽出路34に水封式真空ポンプ50が設けられている。第1エジェクタ装置36と水封式真空ポンプ50との組合せによってプラント効率を向上できる。水封式真空ポンプ50はエジェクタ装置より効率が良いが、代わりに到達真空度がエジェクタ装置ほど高くない性質を有している。そのため、第1エジェクタ装置36の下流側に水封式真空ポンプ50を配置する組合せにより、不凝縮ガスnの抽出力を高め、かつプラント効率を高めることができる。
一実施形態では、図1及び図3に示すように、ガス冷却器32(32a)は、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aとが熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成された表面式熱交換器が用いられる。ガス冷却器32として表面式熱交換器32(32a)を用いるため、冷却水路20を循環する冷却水aと復水器18から抽出された不純物を含む不凝縮ガスnとが互いに接触しないため、冷却水aに該不純物が混入するのを防止できる。そのため、冷却水路20の内部で詰まりなどの不具合が発生するのを防止できる。
図1及び図3に示す例示的な実施形態では、ガス冷却器32の内部に設けられた熱交換管54の入口と復路配管20dとを接続する配管56が設けられ、かつ熱交換管54の出口と往路配管20cとを接続する配管58が設けられる。これによって、ガス冷却器32(32a)では、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aが配管56を介して熱交換管54に供給され、熱交換管54の外側空間に存在する不凝縮ガスnを冷却する。不凝縮ガスnとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。こうして、ガス冷却器32(32a)で不凝縮ガスnを冷却する冷却媒体として、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aが用いられる。
図1及び図2に示す例示的な実施形態では、第1冷却器40(40a)又は第2冷却器46(46a)も表面式熱交換器で構成されている。これらの実施形態では、配管56が第1冷却器40(40a)及び第2冷却器46(46a)の内部に夫々設けられた熱交換管54の入口に接続され、熱交換管54の出口が配管58に接続される。こうして、第1冷却器40(40a)及び第2冷却器46(46a)の内部では、熱交換管54の外側空間に存在する不凝縮ガスnと熱交換管54の内部を流れる冷却水aとで熱交換が行われ、不凝縮ガスnが冷却される。
図1~図6において、ガス冷却器32、第1冷却器40、第2冷却器46、及びシール水セパレータ52には、夫々内部に貯留した凝縮水Cw又はシール水Swを凝縮水路26に排出する排出路60、62、64及び66が設けられている。
一実施形態では、図2及び図4等に示すように、ガス冷却器32(32b)は、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが直接接触して熱交換する直接接触式熱交換器で構成されている。このように、ガス冷却器32(32b)が表面式熱交換器より冷却効率が良い直接接触式熱交換器で構成されているため、上述のように、ガス抽出装置30によって抽出された不凝縮ガス量をガス冷却器32(32a)より低減できる。従って、ガス冷却器32(32b)をガス冷却器32(32a)よりコンパクト化できると共に、ガス抽出装置30の駆動に必要な動力を低減でき、ガス抽出装置30がエジェクタを含む場合、エジェクタに必要な地熱蒸気Gsの削減効果をさらに高めることができる。これによって、プラントの効率低下や蒸気タービン12の発電出力低下をさらに抑制できる。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、第1冷却器40(40b)を直接接触式熱交換器で構成している。これによって、ガス冷却器32(32b)と同様に、第1冷却器40(40b)を第1冷却器40(40a)よりコンパクト化できると共に、ガス抽出装置30の駆動に必要な動力をさらに低減でき、プラントの効率低下をさらに抑制できる。
図2及び図4~図6に示す例示的な実施形態では、直接接触式熱交換器の内部で、冷却媒体を導入する配管72、88、90、94等の先端付近に冷却媒体を噴霧するノズル87が設けられ、ノズル87から不凝縮ガスnに冷却媒体が噴霧されるように構成される。
一実施形態では、図5に示すように、ガス冷却器32(32c)は、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aとが熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成されるとともに、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが直接接触して熱交換するハイブリッド式熱交換器で構成されている。ガス冷却器32(32c)がハイブリッド式熱交換器で構成されているため、冷却性能の向上と還元井を介して地下に戻す凝縮水Cwの確保とを両立させることができる。
一実施形態では、図2に示すように、地熱発電プラント10(10B)は第1凝縮水冷却器70を備える。第1凝縮水冷却器70は、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが、熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成されている。復水器18で凝縮した凝縮水Cwとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。第1凝縮水冷却器70で冷却された凝縮水Cwが直接接触式熱交換を行うガス冷却器32(32b)に供給される本実施形態では、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aをガス冷却器32(32b)に冷却媒体として供給される凝縮水Cwを冷却する冷熱源として用いることができる。第1凝縮水冷却器70でガス冷却器32(32b)に供給される凝縮水Cwを冷却することで、ガス冷却器32(32b)の冷却能力を向上できる。また、第1凝縮水冷却器70は表面式熱交換を行うため、冷却水aと凝縮水Cwとが混じり合わない。従って、冷却水aに不純物が混入するのを防止できる。
図2に示す例示的な実施形態では、凝縮水路26を流れる凝縮水Cwの一部を第1凝縮水冷却器70に供給する分岐路71が設けられ、分岐路71に流量調整弁74が設けられている。流量調整弁74の開度を調節することで、第1凝縮水冷却器70に供給される凝縮水Cwの流量を調節できる。第1凝縮水冷却器70で冷却された凝縮水Cwは、配管72を介してガス冷却器32(32b)に供給される。
一実施形態では、図3に示すように、地熱発電プラント10(10C)は第2凝縮水冷却器76を備える。第2凝縮水冷却器76は、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成されている。復水器18で凝縮した凝縮水Cwとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。第2凝縮水冷却器76で冷却された凝縮水Cwが水封式真空ポンプ50に封水として供給される。このように、封水として水封式真空ポンプ50に供給される凝縮水Cwを冷却水aで冷却してから、水封式真空ポンプ50に供給するために、水封式真空ポンプ50の性能を向上できる。例えば、最高到達真空度を向上できると共に、排気量の低下を抑制できる。また、第2凝縮水冷却器76は表面式熱交換を行うため、冷却水aと凝縮水Cwとが混じり合わない。そのため、冷却水aに凝縮水Cwに含まれる不純物が混入するのを防止できる。
図3に示す例示的な実施形態では、凝縮水路26を流れる凝縮水Cwの一部を第2凝縮水冷却器76に供給する分岐路78が設けられ、分岐路78に流量調整弁80が設けられている。流量調整弁80の開度を調節することで、第2凝縮水冷却器76に供給される凝縮水Cwの流量を調節できる。第2凝縮水冷却器76で冷却された凝縮水Cwは、配管79を介して水封式真空ポンプ50に供給される。
一実施形態では、図4~図6に示すように、地熱発電プラント10(10D、10E、10F)は、復水器18で凝縮した凝縮水Cwを冷却するように構成された湿式冷却塔82を備える。湿式冷却塔82の内部に空気流が形成され、凝縮水路26から供給された凝縮水Cwの一部が空気流と熱交換して蒸発し、蒸発潜熱を他の凝縮水Cwから奪うことで他の凝縮水Cwを冷却できる。従って、乾式冷却塔のような顕熱熱交換より冷却効果を向上できる。湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1はガス冷却器32(32b、32c)に供給される。このように、ガス冷却器32(32b、32c)に供給する凝縮水Cw1を予め湿式冷却塔82で冷却するため、凝縮水Cw1が供給されるガス冷却器32(32b、32c)の冷却効果を向上できる。また、湿式冷却塔82では、凝縮水Cw1は空気流との接触により凝縮水Cw1自体の蒸発潜熱で冷却されるため、空気流以外の冷熱源を必要としない。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1は、凝縮水路84(第1凝縮水路)に設けられた凝縮水ポンプ86によって、凝縮水路84から配管88又は94を経てガス冷却器32(32b、32c)に供給される。ガス冷却器32(32b、32c)の内部で配管88及び94の先端付近に、凝縮水Cw1を噴霧するためのノズル87が設けられ、ノズル87から噴霧される凝縮水Cw1によって不凝縮ガスnが冷却される。
一実施形態では、図4~図6に示すように、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1が第1エジェクタ装置36の第1冷却器40(40b)に供給される。これによって、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1を第1冷却器40(40b)の冷却媒体として用いることができ、そのため、プラント内外の他の冷熱源を必要としない。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1は、凝縮水ポンプ86によって凝縮水路84から配管90を経て第1冷却器40(40b)に供給される。第1冷却器40(40b)の内部で配管90に凝縮水Cw1を噴霧するためのノズル87が設けられ、ノズル87から噴霧される凝縮水Cw1によって不凝縮ガスnが冷却される。
一実施形態では、図4~図6に示すように、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1は水封式真空ポンプ50に封水として供給される。これによって、湿式冷却塔82で予め冷却された凝縮水Cw1を水封式真空ポンプ50の封水として用いることができるため、水封式真空ポンプ50の性能低下をまねかない。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1は、凝縮水ポンプ86によって凝縮水路84及び92を経て水封式真空ポンプ50に供給される。
一実施形態では、図6に示すように、地熱発電プラント10(10F)は、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1を復水器18に供給するための凝縮水路84と、配管95から供給された凝縮水Cw1を復水器18の内部に噴霧するためのノズル87と、を備える。本実施形態では、復水器18において、冷却管群20aを流れる冷却水aによる表面式熱交換と、湿式冷却塔82で冷却された凝縮水Cw1による直接接触式熱交換とを併用できるため、復水器18における排蒸気の冷却効果を向上できる。
図6に示す例示的な実施形態では、復水器18の内部で、ノズル87は凝縮水Cw1を導入する配管95の先端付近に設けられ、ノズル87から不凝縮ガスnに凝縮水Cw1が噴霧されるように構成される。
図4~図6に示す実施形態においては、湿式冷却塔82と、復水器18、ガス冷却器32(32b、32c)及び第1冷却器40(40b)を直接接触式熱交換器とすることの組合せにより、冷却性能の向上と還元井を介して地下に戻す凝縮水Cwの確保とを両立させることができる。また、湿式冷却塔82から凝縮水Cw1が供給される復水器18、ガス冷却器32(32b、32c)、第1冷却器40(40b)及び水封式真空ポンプ50は、許容される蒸散量に応じて自由な設計が可能になる。
一実施形態では、図4~図6に示すように、凝縮水路26(第2凝縮水路)から分岐して復水器18で凝縮した凝縮水Cwの一部を湿式冷却塔82に供給する凝縮水路96(第2凝縮水路)と、凝縮水路96に設けられた流量調整弁98と、湿式冷却塔82に貯留された凝縮水Cwの水位を検出する水位計100と、水位計100の検出値に応じて流量調整弁98の開度を制御可能なコントローラ102と、を備える。本実施形態では、コントローラ102によって、水位計100の検出値に応じて、流量調整弁98の開度を調整することで、湿式冷却塔82に貯留される凝縮水Cw量を所望の量に調整できる。
図4~図6に示す例示的な実施形態では、ガス冷却器32(32b、32c)から凝縮水Cwを排出する排出路60に、第1冷却器40(40b)から凝縮水Cwを排出する排出路62、及びシール水セパレータ52から凝縮水Cwを排出する排出路66が合流するように構成されている。排出路60に凝縮水ポンプ68が設けられ、排出路60は凝縮水路96に接続されている。排出路60、62及び66から排出される凝縮水Cwは凝縮水路96を介して湿式冷却塔82に送られる。こうして、湿式冷却塔82、ガス冷却器32(32b、32c)、第1冷却器40(40b)及びシール水セパレータ52を含む凝縮水Cwの循環系統が構成される。なお、図4~図6に示す実施形態では、復水器18の凝縮水Cwの一部を補給水として湿式冷却塔82に配分するように構成しているが、湿式冷却塔82の凝縮水Cwの蒸散量によっては、凝縮水路96から湿式冷却塔82への補給が不要になる場合もある。
ガス抽出路34に設けられたガス抽出装置30を含む凝縮水Cwの蒸散量は、通常、復水器18も含めた地熱発電プラント全体の高々10~20%程度である。従って、一部の凝縮水の大気への蒸散が許容されるプラントの場合、ガス抽出装置30の熱交換器をすべて直接接触式とすることができる。これによって、熱交換器の冷却性能を向上できる。また、許容される蒸散量に応じて、後段のガス抽出装置30を水封式真空ポンプ50とすることができる。
図6に示す地熱発電プラント10(10F)のように、復水器18をハイブリッド式熱交換器で構成する実施形態は、一部の凝縮水Cwの大気への蒸散の許容条件がさらに緩和される場合に用いることができる。
図7は、一実施形態に係る地熱発電プラント10(10G)を示す系統図である。地熱発電プラント10(10G)は、地熱蒸気Gsにより駆動する蒸気タービン12を備えている。地下から蒸気井(不図示)によって採取された地熱蒸気Gsは、地熱蒸気路14から蒸気タービン12に供給される。地熱蒸気路14には蒸気加減弁16が設けられ、蒸気加減弁16で蒸気タービン12に供給される蒸気量が調節される。蒸気タービン12で仕事をした後の排蒸気は、蒸気タービン12の出口から復水器18に排出される。復水器18の内部には冷却管群20aが設けられ、排蒸気は冷却管群20aを流れる冷却水によって冷却されて凝縮する。復水器18の内部に貯留した凝縮水Cwは、復水器18に接続された凝縮水路26から凝縮水ポンプ28によって凝縮水路26に排出し、さらに、還元井(不図示)などを介して地下に戻される。
復水器18と乾式冷却塔22とに跨って設けられる冷却水路20は、復水器18の内部に設けられる冷却管群20aと、乾式冷却塔22の内部に設けられる被冷却管群20bと、冷却管群20aと被冷却管群20bとを接続する往路配管20c及び復路配管20dとを含み、ループ状の閉回路を構成する。乾式冷却塔22は、冷却媒体として空気流のみを使用し、冷却水を使用しない。また、乾式冷却塔22は、被冷却管群20bを流れる冷却水が空気流と直接接触せず、熱交換管の管壁を介して接触するように構成されている。従って、冷却水を必要とせず、かつ外気に含まれるごみ、埃等の不純物が冷却水に混入しない。冷却管群20a及び被冷却管群20b内の冷却水は、冷却水ポンプ24によって循環する。冷却水は、乾式冷却塔22で冷却された後、復水器18で排蒸気を冷却して凝縮させる。
地熱蒸気Gsには、不純ガスとして硫化水素などの不凝縮ガスが含まれている。凝縮しない不凝縮ガスは、復水器18内で次第に蓄積されて復水器18の内圧を高める。復水器18の内圧が増加すると、復水器18内の圧力低下による発電出力増加効果が損なわれる。そこで、本実施形態では、復水器18の内部から不凝縮ガスnを外部に抽出して復水器18の内圧を減少させるためのガス抽出装置30を備え、ガス抽出装置30は水封式真空ポンプ50を有している。
復水器18に溜まった不凝縮ガスnをガス抽出装置30で抽出することで、復水器18の内圧が低下する。これによって、蒸気タービン12の発電出力低下を抑制できる。また、ガス抽出装置30は、被処理気体が蒸気を含む場合に高性能を発揮できる水封式真空ポンプ50を有するため、プラント全体の効率を向上できる。
一実施形態では、復水器18に不凝縮ガスnを抽出するためのガス抽出路34が設けられ、水封式真空ポンプ50を含むガス抽出装置30はガス抽出路34に設けられる。
一実施形態では、ガス抽出装置30は第1エジェクタ装置36を含む。第1エジェクタ装置36は、地熱蒸気Gsによって駆動される第1エジェクタ38と、第1エジェクタ38により抽出された不凝縮ガスを冷却するように構成された第1冷却器40(40a)と、を有する。また、地熱蒸気路14から分岐した分岐路42が第1エジェクタ38に接続され、分岐路42から第1エジェクタ38に地熱蒸気Gsが駆動流体として供給される。第1エジェクタ38によって復水器18内の不凝縮ガスnが抽出され、第1エジェクタ38から吐出される排気は第1冷却器40(40a)で冷却される。これによって、体積が縮小すると共に、随伴する蒸気が凝縮するため、水封式真空ポンプ50の被処理ガス容量を低減できる。不凝縮ガスnに随伴する蒸気は凝縮して不凝縮ガスnと分離するため、後段側にガス抽出装置30がある場合その動力を削減できると共に、最終段においては、不凝縮ガスnを大気に排出する際に白煙などの発生を抑制できる。なお、第1エジェクタ装置36は2段以上設けてもよい。
図7に示す実施形態では、第1エジェクタ装置36の下流側のガス抽出路34に水封式真空ポンプ50が設けられている。第1エジェクタ装置36と水封式真空ポンプ50との組合せによってプラント効率を向上できる。水封式真空ポンプ50は被処理ガスの入口圧力が低いほうが到達真空度及び排気容量等を向上できるため、第1エジェクタ装置36の下流側に水封式真空ポンプ50を配置する組合せにより、不凝縮ガスnの抽出力を高め、かつプラント効率を高めることができる。
図7に示す例示的な実施形態では、水封式真空ポンプ50の下流側にシール水セパレータ52が設けられ、シール水セパレータ52で水封式真空ポンプ50のシール水Swが分離された不凝縮ガスnが大気に放出される。
一実施形態では、第1冷却器40(40a)は、復水器18から抽出された不凝縮ガスnと、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aとが熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成された表面式熱交換器が用いられる。これによって、冷却水路20を循環する冷却水aと不純物を含む不凝縮ガスnとが互いに接触しないため、冷却水aに該不純物が混入するのを防止できる。そのため、冷却水路20の内部で詰まりなどの不具合が発生するのを防止できる。
図7に示す例示的な実施形態では、第1冷却器40(40a)の内部に設けられた熱交換管54の入口と復路配管20dとを接続する配管56が設けられ、かつ熱交換管54の出口と往路配管20cとを接続する配管58が設けられる。これによって、第1冷却器40(40a)では、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aが配管56を介して熱交換管54に供給され、熱交換管54の外側空間に存在する不凝縮ガスnを冷却する。不凝縮ガスnとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。こうして、第1冷却器40(40a)で不凝縮ガスnを冷却する冷却媒体として、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aが用いられる。
図7に示す例示的な実施形態では、第1冷却器40(40a)及びシール水セパレータ52には、夫々内部に貯留した凝縮水Cw又はシール水Swを凝縮水路26に排出する排出路62及び66が設けられている。
一実施形態では、地熱発電プラント10(10G)は第2凝縮水冷却器76を備える。第2凝縮水冷却器76は、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aと、復水器18で凝縮した凝縮水Cwとが、熱交換管54の管壁を介して熱交換するように構成されている。復水器18で凝縮した凝縮水Cwとの熱交換後に熱交換管54から排出される温水bは、配管58を介して往路配管20cに戻される。第2凝縮水冷却器76で冷却された凝縮水Cwは水封式真空ポンプ50に封水として供給される。本実施形態では、乾式冷却塔22で冷却された冷却水aを水封式真空ポンプ50の封水として供給される凝縮水Cwを冷却する冷熱源として用いることができる。
このように、封水として水封式真空ポンプ50に供給される凝縮水Cwを、冷却水aで冷却してから水封式真空ポンプ50に供給するために、水封式真空ポンプ50の性能を向上できる。また、第2凝縮水冷却器76は表面式熱交換を行うため、冷却水aと凝縮水Cwとが混じり合わない。そのため、冷却水aに凝縮水Cwに含まれる不純物が混入するのを防止できる。
図7に示す例示的な実施形態では、凝縮水路26を流れる凝縮水Cwの一部を第2凝縮水冷却器76に供給する分岐路78が設けられ、分岐路78に流量調整弁80が設けられている。流量調整弁80の開度を調節することで、第2凝縮水冷却器76に供給される凝縮水Cwの流量を調節できる。第2凝縮水冷却器76で冷却された凝縮水Cwは、配管79を介して水封式真空ポンプ50に供給される。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
1)一態様に係る地熱発電プラント(10)は、地熱蒸気(Gs)により駆動する蒸気タービン(12)と、前記蒸気タービン(12)から排出される排蒸気を凝縮するための冷却水が流れる冷却管群(20a)を含む復水器(18)と、前記復水器(18)に供給される前記冷却水を冷却するように構成された乾式冷却塔であって、前記復水器(18)で加温された前記冷却水が流れる被冷却管群(20b)を含む乾式冷却塔(22)と、前記復水器(18)内の不凝縮ガス(n)を抽出するように構成されたガス抽出装置(30)と、前記復水器(18)と前記ガス抽出装置(30)との間に配置され、前記復水器(18)から抽出された前記不凝縮ガス(n)を冷却するように構成されたガス冷却器(32)と、を備える。
このような構成によれば、上記ガス抽出装置(30)によって不凝縮ガス(n)が復水器(18)から抽出されて復水器内の圧力が低下するため、蒸気タービン(12)の発電出力低下を抑制しながら、復水器(18)内の圧力上昇を抑制できる。また、復水器(18)から抽出された不凝縮ガス(n)は、ガス抽出装置(30)の前段に設けられたガス冷却器(32)で冷却されるため、体積が縮小すると共に、随伴する蒸気が凝縮して不凝縮ガス(n)から分離するため、抽出されたガスの容量が減少する。従って、ガス抽出装置(30)の必要動力や蒸発量を削減できるため、プラントの効率低下を抑制できる。
2)別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、1)に記載の地熱発電プラントであって、前記ガス抽出装置(30)は、前記地熱蒸気(Gs)によって駆動される第1エジェクタ(38)と、前記第1エジェクタ(38)により抽出された前記不凝縮ガス(n)を冷却するように構成された第1冷却器(40)と、を有する第1エジェクタ装置(36)を含む。
このような構成によれば、第1エジェクタ(38)によって復水器(18)から抽出された不凝縮ガス(n)は、ガス冷却器(32)で冷却されるため、上述のように、第1エジェクタ(38)の抽出ガス容量を低減できる。これによって、第1エジェクタ(38)が駆動流体として用いる地熱蒸気(Gs)量を削減できるため、蒸気タービン(12)に供給される蒸気量の減少を抑制でき、蒸気タービン(12)の発電出力低下を抑制できる。さらに、第1エジェクタ(38)から吐出される排気は第1冷却器(40)で冷却され、この排気に含まれる蒸気は凝縮して不凝縮ガス(n)と分離するため、後段側ガス抽出装置(30)の動力を削減できると共に、最終段においては、不凝縮ガス(n)を大気に排出する際に白煙などの発生を抑制できる。
3)別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、1)又は2)に記載された地熱発電プラントであって、前記ガス抽出装置(30)は、水封式真空ポンプ(50)を含む。
このような構成によれば、ガス抽出装置(30)として、被処理気体が蒸気を含む場合に高性能を発揮できる水封式真空ポンプ(50)を用いることで、プラント全体の効率を向上できる。特に、水封式真空ポンプ(50)の前段に設けられたガス冷却器(32)で不凝縮ガス(n)を冷却することで、随伴する凝縮水(Cw)の飽和水蒸気圧を低減できるため、水封式真空ポンプ(50)の処理容量を削減できる。
4)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、1)乃至3)の何れかに記載の地熱発電プラントであって、前記ガス冷却器(32(32a))は、前記復水器(18)から抽出された前記不凝縮ガス(n)と、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水(a)とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成された表面式熱交換器である。
このような構成によれば、ガス冷却器(32(32a))の冷熱源として乾式冷却塔(22)で冷却された冷却水(a)を用いることができる。また、表面式熱交換器を採用することで、上記冷却水(a)と復水器(18)から抽出された不凝縮ガス(n)とが直接接触しないため、不凝縮ガス(n)に含まれる不純物が冷却水(a)に混ざって被冷却管群(20b)に詰まりなどが発生するのを防止できる。
5)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、1)乃至3)の何れかに記載の地熱発電プラントであって、前記ガス冷却器(32(32b))は、前記復水器(18)から抽出された前記不凝縮ガス(n)と、前記復水器(18)で凝縮した凝縮水(Cw)とが直接接触して熱交換するように構成された直接接触式熱交換器である。
このような構成によれば、ガス冷却器(32(32b))が表面式熱交換器より冷却効率が良い直接接触式熱交換器で構成されるため、ガス抽出装置(30)によって抽出されたガス量が減少する。従って、ガス冷却器(32(32b))をコンパクト化できると共に、ガス抽出装置(30)の必要動力や必要地熱蒸気(Gs)量を削減できるため、プラントの効率低下や蒸気タービン(12)の発電出力低下を抑制できる。
6)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、1)乃至3)の何れかに記載の地熱発電プラントであって、前記ガス冷却器(32(32c))は、前記復水器(18)から抽出された前記不凝縮ガス(n)と、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水(a)とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成されるとともに、前記復水器(18)から抽出された前記不凝縮ガス(n)と、前記復水器(18)で凝縮した凝縮水(Cw)とが直接接触して熱交換するように構成されたハイブリッド式熱交換器である。
このような構成によれば、ガス冷却器(32(32c))が上記ハイブリッド式熱交換器で構成されるため、冷却性能の向上と還元井を介して地下に戻す凝縮水(Cw)の確保とを両立させることができる。
7)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、5)又は6)に記載の地熱発電プラントであって、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水(a)と、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水(Cw)とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成された第1凝縮水冷却器(70)を備え、前記第1凝縮水冷却器(70)で冷却された前記凝縮水(Cw)が前記ガス冷却器(32(32b、32c))に供給されるように構成される。
このような構成によれば、上記第1凝縮水冷却器(70)において、不凝縮ガス(n)を冷却するためにガス冷却器(32(32b))に供給される凝縮水(Cw)を、ガス冷却器(32(32b))に供給される前に、乾式冷却塔(20)で冷却された冷却水(a)で冷却するため、ガス冷却器(32(32b))における凝縮水(Cw)の冷却効果を向上できる。また、上記第1凝縮水冷却器(70)は表面式熱交換を行うため、冷却水(a)と凝縮水(Cw)とが混じり合わない。そのため、冷却水(a)に凝縮水(Cw)に含まれる不純物が混入するのを防止できる。
8)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、3)に記載の地熱発電プラントであって、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水(a)と、前記復水器(18)で凝縮した凝縮水(Cw)とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成された第2凝縮水冷却器(76)を備え、前記第2凝縮水冷却器(76)で冷却された前記凝縮水(Cw)が前記水封式真空ポンプ(50)に封水として供給されるように構成される。
このような構成によれば、上記第2凝縮水冷却器(76)において、封水として水封式真空ポンプ(50)に供給される凝縮水(Cw)を、水封式真空ポンプ(50)に供給される前に、乾式冷却塔(22)で冷却された冷却水(a)で冷却するため、水封式真空ポンプ(50)の性能を向上できる。また、上記第2凝縮水冷却器(76)は表面式熱交換を行うため、冷却水(a)と凝縮水(Cw)とが混じり合わない。そのため、冷却水(a)に凝縮水(Cw)に含まれる不純物が混入するのを防止できる。
9)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、5)又は6)に記載の地熱発電プラントであって、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水(Cw)を冷却するように構成された湿式冷却塔(82)をさらに備え、前記湿式冷却塔(82)で冷却された前記凝縮水(Cw1)が前記ガス冷却器(32(32b、32c))に供給されるように構成される。
このような構成によれば、復水器(18)で凝縮した凝縮水(Cw1)を不凝縮ガス(n)を冷却するためにガス冷却器(32(32b、32c))に供給する場合に、上記湿式冷却塔(82)で冷却した後ガス冷却器(32(32b、32c))に供給するため、凝縮水(Cw)により冷却効果を向上できる。また、湿式冷却器(82)では、凝縮水(Cw)は空気流との接触により凝縮水(Cw)自体の蒸発潜熱で冷却されるため、空気流以外の他の冷熱源を必要としない。
10)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、9)に記載された地熱発電プラントであって、前記地熱蒸気(Gs)によって駆動される第1エジェクタ(38)と、前記第1エジェクタ(38)により抽出された前記不凝縮ガス(n)を冷却するように構成された第1冷却器(40(40a、40b))と、を有する第1エジェクタ装置(36)を含み、前記湿式冷却塔(82)で冷却された前記凝縮水(Cw)が前記第1冷却器(40(40a、40b))に供給されるように構成される。
このような構成によれば、復水器(18)で凝縮した凝縮水(Cw)を第1冷却器(40(40b))に供給される冷却媒体として用いることができ、プラント内外の他の冷熱源を必要としない。
11)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、9)又は10)に記載の地熱発電プラント(10)であって、前記ガス抽出装置(30)は、水封式真空ポンプ(50)を含み、前記湿式冷却塔(82)で冷却された前記凝縮水(Cw1)が前記水封式真空ポンプ(50)に封水として供給されるように構成される。
このような構成によれば、湿式冷却塔(82)で冷却された凝縮水(Cw1)を水封式真空ポンプ(50)の封水として用いることができる。また、水封式真空ポンプ(50)に供給される凝縮水(Cw1)は湿式冷却塔(82)で予め冷却されるので、水封式真空ポンプ(50)の性能低下をまねかない。
12)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、9)乃至11)の何れか一項に記載の地熱発電プラントであって、前記湿式冷却塔(82)で冷却された前記凝縮水(Cw1)を前記復水器(18)に供給するための第1凝縮水路(84)と、前記第1凝縮水路(84)により供給された前記凝縮水(Cw1)を前記復水器(18)の内部に噴霧するためのノズル(87)と、を備える。
このような構成によれば、復水器(18)において、被冷却管群(20a)を流れる冷却水(a)による表面式熱交換と、湿式冷却塔(82)で冷却された凝縮水(Cw1)による直接接触式熱交換とを併用できるため、復水器(18)における排蒸気の冷却効果を向上できる。なお、この実施形態は、一部の凝縮水(Cw)の大気への蒸散の許容条件が緩和される場合に用いることができる。
13)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、9)乃至12)の何れか一項に記載の地熱発電プラントであって、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水(Cw)を前記湿式冷却塔(82)に供給する第2凝縮水路(26、96)と、前記第2凝縮水路(26、96)に設けられた流量調整弁(98)と、前記湿式冷却塔(82)に貯留された前記凝縮水(Cw)の水位を検出する水位計(100)と、前記水位計(100)の検出値に応じて前記流量調整弁(98)の開度を制御可能なコントローラ(102)と、を備える。
このような構成によれば、上記コントローラ(102)によって、水位計(100)の検出値に応じて、流量調整弁(98)の開度を調整することで、湿式冷却器(82)に貯留される凝縮水(Cw)量を所望の量に調整できる。
14)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、地熱蒸気により駆動する蒸気タービン(12)と、前記蒸気タービン(12)から排出される排蒸気を凝縮するための冷却水が流れる冷却管群(20a)を含む復水器(18)と、前記復水器(18)に供給される前記冷却水を冷却するように構成された乾式冷却塔であって、前記復水器(18)で加温された前記冷却水が流れる被冷却管群(20b)を含む乾式冷却塔(22)と、前記復水器(18)内の不凝縮ガス(n)を抽出するように構成されたガス抽出装置(30)と、を備え、前記ガス抽出装置(30)は、水封式真空ポンプ(50)を含む。
このような構成によれば、復水器(18)に溜まった不凝縮ガス(n)をガス抽出装置(30)で抽出することで、復水器(18)の内圧が低下する。これによって、蒸気タービン(12)の発電出力低下を抑制できる。また、ガス抽出装置(30)は、被処理気体が蒸気を含む場合に高性能を発揮できる水封式真空ポンプ(50)を有するため、プラント全体の効率を向上できる。
15)さらに別な態様に係る地熱発電プラント(10)は、14)に記載の地熱発電プラントであって、前記乾式冷却塔(22)で冷却された前記冷却水(a)と、前記復水器(18)で凝縮した前記凝縮水(Cw)とが熱交換管(54)の管壁を介して熱交換するように構成された第2凝縮水冷却器(76)を備え、前記第2凝縮水冷却器(76)で冷却された前記凝縮水(Cw)が、前記水封式真空ポンプ(50)に封水として供給されるように構成される。
このような構成によれば、封水として水封式真空ポンプ(50)に供給される凝縮水(Cw)を、第2凝縮水冷却器(76)で冷却された冷却水(a)で冷却してから水封式真空ポンプ(50)に供給するために、水封式真空ポンプ(50)の性能を向上できる。また、第2凝縮水冷却器(76)は表面式熱交換を行うため、冷却水(a)と凝縮水(Cw)とが混じり合わない。そのため、冷却水(a)に凝縮水(Cw)に含まれる不純物が混入するのを防止できる。
10(10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G) 地熱発電プラント
12 蒸気タービン
14 地熱蒸気路
16 蒸気加減弁
18 復水器
20 冷却水路
20a 冷却管群
20b 被冷却管群
20c 往路配管
20d 復路配管
22 乾式冷却塔
24 冷却水ポンプ
26、60、62、64、66、84、92、96 凝縮水路
28、68、86 凝縮水ポンプ
30 ガス抽出装置
32(32a、32b、32c) ガス冷却器
32a 表面式熱交換器
32b 直接接触式熱交換器
32c ハイブリッド式熱交換器
34 ガス抽出路
36 第1エジェクタ装置
38 第1エジェクタ
40(40a、40b) 第1冷却器
42、48、71、78 分岐路
43 第2エジェクタ装置
44 第2エジェクタ
46(46a) 第2冷却器
50 水封式真空ポンプ
52 シール水セパレータ
54 熱交換管
56、58、72、79、88、90、94、95 配管
60、62、64、66 排出路
70 第1凝縮水冷却器
74、80、98 流量調整弁
76 第2凝縮水冷却器
82 湿式冷却塔
87 ノズル
100 水位計
102 コントローラ
Cw、Cw1 凝縮水
Gs 地熱蒸気
Sw シール水
a 冷却水
b 温水
n 不凝縮ガス

Claims (13)

  1. 地熱蒸気により駆動する蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンから排出される排蒸気を凝縮するための冷却水が流れる冷却管群を含む復水器と、
    前記復水器に供給される前記冷却水を冷却するように構成された乾式冷却塔であって、前記復水器で加温された前記冷却水が流れる被冷却管群を含む乾式冷却塔と、
    前記復水器内の不凝縮ガスを抽出するように構成されたガス抽出装置と、
    前記復水器と前記ガス抽出装置との間に配置され、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスを冷却するように構成されたガス冷却器と、
    を備える地熱発電プラント。
  2. 前記ガス抽出装置は、
    前記地熱蒸気によって駆動される第1エジェクタと、
    前記第1エジェクタにより抽出された前記不凝縮ガスを冷却するように構成された第1冷却器と、を有する第1エジェクタ装置を含む請求項1に記載の地熱発電プラント。
  3. 前記ガス抽出装置は、水封式真空ポンプを含む請求項1又は2に記載の地熱発電プラント。
  4. 前記ガス冷却器は、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスと、前記乾式冷却塔で冷却された前記冷却水とが熱交換管の管壁を介して熱交換するように構成された表面式熱交換器である請求項1乃至3の何れか一項に記載の地熱発電プラント。
  5. 前記ガス冷却器は、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスと、前記復水器で凝縮した凝縮水とが直接接触して熱交換するように構成された直接接触式熱交換器である請求項1乃至3の何れか一項に記載の地熱発電プラント。
  6. 前記ガス冷却器は、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスと、前記乾式冷却塔で冷却された前記冷却水とが熱交換管の管壁を介して熱交換するように構成されるとともに、前記復水器から抽出された前記不凝縮ガスと、前記復水器で凝縮した凝縮水とが直接接触して熱交換するように構成されたハイブリッド式熱交換器である請求項1乃至3の何れか一項に記載の地熱発電プラント。
  7. 前記乾式冷却塔で冷却された前記冷却水と、前記復水器で凝縮した前記凝縮水とが熱交換管の管壁を介して熱交換するように構成された第1凝縮水冷却器を備え、
    前記第1凝縮水冷却器で冷却された前記凝縮水が前記ガス冷却器に供給されるように構成された請求項5又は6に記載の地熱発電プラント。
  8. 前記乾式冷却塔で冷却された前記冷却水と、前記復水器で凝縮した前記凝縮水とが熱交換管の管壁を介して熱交換するように構成された第2凝縮水冷却器を備え、
    前記第2凝縮水冷却器で冷却された凝縮水が前記ガス冷却器に供給されるように構成された請求項3に記載の地熱発電プラント。
  9. 前記復水器で凝縮した前記凝縮水を冷却するように構成された湿式冷却塔をさらに備え、
    前記湿式冷却塔で冷却された前記凝縮水が前記ガス冷却器に供給されるように構成された請求項5又は6に記載の地熱発電プラント。
  10. 前記ガス抽出装置は、
    前記地熱蒸気によって駆動される第1エジェクタと、
    前記第1エジェクタにより抽出された前記不凝縮ガスを冷却するように構成された第1冷却器と、を有する第1エジェクタ装置を含み、
    前記湿式冷却塔で冷却された前記凝縮水が前記第1冷却器に供給されるように構成された請求項9に記載の地熱発電プラント。
  11. 前記ガス抽出装置は、水封式真空ポンプを含み、
    前記湿式冷却塔で冷却された前記凝縮水が前記水封式真空ポンプに封水として供給されるように構成された請求項9又は10に記載の地熱発電プラント。
  12. 前記湿式冷却塔で冷却された前記凝縮水を前記復水器に供給するための凝縮水路と、
    前記凝縮水路により供給された前記凝縮水を前記復水器の内部に噴霧するための冷却ノズルと、
    を備える請求項9乃至11の何れか1項に記載の地熱発電プラント。
  13. 前記復水器で凝縮した前記凝縮水を前記湿式冷却塔に供給する凝縮水路と、
    前記凝縮水路に設けられた流量調整弁と、
    前記湿式冷却塔に貯留された前記凝縮水の水位を検出する水位計と、
    前記水位計の検出値に応じて前記流量調整弁の開度を制御可能なコントローラと、
    を備える請求項9乃至12の何れか1項に記載の地熱発電プラント。

JP2020112800A 2020-06-30 2020-06-30 地熱発電プラント Pending JP2022011576A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020112800A JP2022011576A (ja) 2020-06-30 2020-06-30 地熱発電プラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020112800A JP2022011576A (ja) 2020-06-30 2020-06-30 地熱発電プラント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022011576A true JP2022011576A (ja) 2022-01-17

Family

ID=80148285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020112800A Pending JP2022011576A (ja) 2020-06-30 2020-06-30 地熱発電プラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022011576A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022044791A (ja) * 2018-03-20 2022-03-17 株式会社三洋物産 遊技機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022044791A (ja) * 2018-03-20 2022-03-17 株式会社三洋物産 遊技機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4331689B2 (ja) 複合型空冷凝縮器
US4873829A (en) Steam power plant
US9057288B2 (en) Process utilizing high performance air-cooled combined cycle power plant with dual working fluid bottoming cycle and integrated capacity control
US7886538B2 (en) Method for operating a steam power plant, particularly a steam power plant in a power plant for generating at least electrical energy, and corresponding steam power plant
CN108666597B (zh) 燃料电池系统
JP2007010243A (ja) ヒートポンプ装置及びヒートポンプの運転方法
CN108344214B (zh) 排气装置、制冷空调系统和不凝性气体的排气方法
JP6870621B2 (ja) 燃料電池システム
US5165237A (en) Method and apparatus for maintaining a required temperature differential in vacuum deaerators
US6233941B1 (en) Condensation system
JP2010096436A (ja) エジェクタ式冷凍システム
US9399929B2 (en) Steam turbine plant
JP2017507024A (ja) 蒸発缶
US20090178403A1 (en) Power Station
JP2022011576A (ja) 地熱発電プラント
ES2621759T3 (es) Secador frigorífico
US7540905B2 (en) Deaerating and degassing system for power plant condensers
JP7131493B2 (ja) 燃料電池システム
US9458739B2 (en) Steam turbine plant
KR20160054652A (ko) 증기분사 진공 냉각장치의 하이브리드 시스템
ES2949859T3 (es) Sistema de reciclaje de vapor para una turbina de vapor de baja presión
JP2015101965A (ja) 水回収装置、および、ガスタービンプラント
JP2018017188A (ja) 地熱発電プラント
JPH07217803A (ja) 少なくとも2つの分離圧力装置を備えた廃熱ボイラーの起動方法及びその装置
CZ21389U1 (cs) Svislý separační parogenerátor

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210628

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20220125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240219