JP2022010436A - 打抜き装置、および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アライメント誤差を短時間に無くすことができる打抜き装置を提供する。【解決手段】平板状の被加工物を対向したパンチとダイによって打抜く打抜き装置であって、打抜き方向と直交する同一平面上に備えられ、3軸方向の荷重を計測する少なくとも4つのセンサと、前記打ち抜き方向と直交する2軸方向、および前記打ち抜き方向まわりの回転方向に、積載した前記ダイおよび前記センサを駆動させる駆動テーブルと、制御部と、を備えたことを特徴とする打抜き装置。【選択図】図9

Description

本開示は、金属やプラスチック、複合材料等の被加工物を打抜く打抜き装置、およびせん断加工装置に関するものである。
板状の材料を、精密に位置合わせした一対の金型を用いて打抜く方法は、きわめて一般的なものであり、広く産業分野で用いられている。しかしながら、同分野における技術は時代とともに進化しているが、本質的な課題は変わらないことが多い。
雌雄一対からなる金型のパンチとダイの最適なクリアランスに関して、打抜き対象の材料厚みによって変わることが良く知られており、その具体的な値としては材料厚みの7%程度がクリアランスの値となる。近年において、厚みが30マイクロメートル以下のアモルファス金属やフィルム樹脂が加工対象になる場合があり、その様な薄い材料では金型のクリアランスが1~3マイクロメートルになる。クリアランス値は、金型組立後に実現される値なので、各要素部品の加工精度や再現性を超えることができない。加えて、金型組立後のクリアランス値の実用的な精度確認の方法が無いのが現状である。特に金型の組立後のクリアランス精度は、金型寿命や加工品質と強い相関があるので非常に重要である。しかしながら、これらの金型の高精度な組み立て技術については、熟練技能者に任されていることはもとより、定量化の術も確立されていない。よって金型組立後、打抜き試験して、異常を発見した場合、再度金型を分解し、各部を削ったりして組立調整しなおすのが一般的である。
パンチとダイがアライメント誤差を生じた場合、パンチとダイのクリアランスは一様にならず、同様に加工品質についても一様にならない。クリアランスの不均一度合いにより異なるが、工具寿命についても短くなることが予想される。またアライメント誤差が相対的に大きい場合、パンチとダイの衝突が生じ、たちまち壊れることとなる。
一般的に金型部品の加工精度の累積値が軸芯のずれになるので、初回の組立調整において、アライメント誤差が無い状態となることは稀である。
その様な現状を鑑みて、金型組立後にパンチとダイが同芯となるように、容易にアライメント可能な打抜き装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された、パンチとダイが同芯となるように調整する方法について説明する。
特許文献1に記載された開示内容には、位置ズレが生じると打抜き荷重が大きいとある。一方、位置ズレが生じない場合は、荷重が小さいとある。すなわち、パンチとダイのアライメント誤差が生じた状態で打抜き加工すると、加工抵抗が高くなる。一方、アライメント誤差が無い状態で打抜き加工すると、加工抵抗が低くなる。このようにアライメント誤差の有無により加工抵抗値の大小が変化するので、最も加工抵抗値が小さくなるように、ダイ下方に設置した位置調整部を操作して、1マイクロメートル以下の精度で軸芯のずれを調整すれば良いことが記載されている。
特開2015-178129号公報
しかしながら、前記従来の構成では、その打抜き時にアライメント誤差が生じているか、いないのか不明な状態で打抜き荷重を測定したとしても、荷重が大きいか、小さいかを判断することは困難である。何かの荷重値と比較しなければ、打抜き荷重の大小を判断できない。即ち、本従来例では根本的にアライメント誤差の発生の有無を判断できないという致命的欠陥がある。さらには「アライメント誤差がある」と判断できたとしても、どの方向に、どの程度の距離だけ動かせばアライメント誤差を解消できるのか、全くわからないという問題がある。よって、従来例のように金型内に高精度な調整部材を内在させたとしても、それによってパンチとダイのずれを解消することはできないのである。
それに加えて、従来例においてはダイの直下に位置調整部が設置してあるため、打抜いた“抜きカス”を金型外に排出できないという問題があり、このままでは一般的な打抜き装置として量産現場で使用することができない。
本開示は、前記従来の課題を解決するもので、パンチとダイのアライメント誤差の大きさと方向を求めることで、アライメント誤差を短時間に無くすことができる打抜き装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の打抜き装置は、平板状の被加工物を対向したパンチとダイによって打抜く打抜き装置であって、打抜き方向と直交する同一平面上に備えられ、3軸方向の荷重を計測する少なくとも4つのセンサと、前記打ち抜き方向と直交する2軸方向、および前記打ち抜き方向まわりの回転方向に、積載した前記ダイおよび前記センサを駆動させる駆動テーブルと、制御部と、を備える。
以上のように、本開示の打抜き装置、および方法によれば、パンチとダイのアライメント誤差の大きさと方向を求めることで、アライメント誤差を短時間に無くすことができる。
打抜き加工におけるパンチとダイのアライメント誤差の概念図 本発明の実施の形態1における並進(X、Y)方向のアライメント誤差検出原理を説明する図 本実施の形態1におけるZ軸まわり回転方向のアライメント誤差検出原理を説明する図 本実施の形態1における荷重センサの配置例を説明する図 本実施の形態1における校正方法を説明する図 本実施の形態1における3軸(X、Y、γ)駆動テーブルの例を説明する図 本実施の形態1における3軸駆動テーブルの上に、荷重センサを配置した例を説明する図 本実施の形態1におけるパンチとダイを軸芯に一致させる調整例を説明する図 本実施の形態1における打抜き装置の例を説明する図 本実施の形態1における3軸駆動テーブルの制御方法の例を説明する図
本開示の打ち抜き装置は、平板状の被加工物を対向したパンチとダイによって打抜く打抜き装置であって、打抜き方向と直交する同一平面上に備えられ、3軸方向の荷重を計測する少なくとも4つのセンサと、前記打ち抜き方向と直交する2軸方向、および前記打ち抜き方向まわりの回転方向に、積載した前記ダイおよび前記センサを駆動させる駆動テーブルと、制御部と、を備える。
このように、打ち抜き装置が、3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向の荷重測定器を4個備えることで、3軸方向の並進力に加えて、3軸まわり(α軸、β軸、γ軸)のモーメント(Mx、My、Mz)を演算することが可能となる。この結果から合力ベクトルを演算することで、パンチとダイのアライメント誤差が生じていた場合のずれている方向を計算により求めることが可能となる。
更には、本案の打抜き装置においては、X軸、Y軸、γ軸(Z軸まわり)方向に可動可能な3軸駆動テーブルを搭載している。この3軸駆動テーブルを使えば、前記のパンチとダイのアライメント誤差が生じた場合の影響係数を求めることが可能となる。即ち、ずれ量と荷重の関係が求まるので、ずれを解消するための移動量が求まる。よって、搭載された荷重測定器にて求めた並進力やモーメントに基づいて打ち抜き装置のパンチとダイのずれを調整することができる。これにより、高品質な打ち抜き加工に寄与する打ち抜き装置を提供することができる。3軸駆動テーブルの中央部には貫通穴が設けてあるので、打抜いたカス(もしくは、製品)を従来と同様の方法で排出可能である。
本開示における第2の打抜き装置は、前記制御部が、第1打ち抜き時に生じる荷重のうち、前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の荷重を前記センサから取得する取得ステップと、前記第1打ち抜き時の前記パンチと前記ダイとの相対位置とを記憶する記憶ステップと、所定の距離だけ、前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記1軸方向に移動させるよう前記駆動テーブルを駆動させる駆動ステップと、前記駆動ステップの後の第2打ち抜き時に生じる荷重のうち、前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の荷重を前記センサから取得する再取得ステップと、を行うことで前記1軸方向の校正を行う。
本ステップを実施することによって、アライメント誤差が1軸方向に生じた場合に1軸方向の荷重変化から、アライメント誤差した距離を算出することができるようになる。
本開示における第3の打抜き装置は、前記制御部が、前記取得ステップおよび前記再取得ステップにおいて取得した荷重と、前記所定の距離と、に基づき、前記1軸方向における単位距離あたりの荷重変化量を算出する。
この一連の作業を行うことでパンチとダイがずれた場合の影響係数を求める作業となる。すなわちずれた方向にアライメント誤差を生じた場合の校正を行う。
本開示における第4の打抜き装置は、前記制御部が、前記センサから取得した、打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の打抜き荷重と、前記荷重変化量に基づき、前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記1軸方向かつ前記打ち抜き荷重を小さくする方向へ移動させるよう前記駆動テーブルを駆動させる。
本ステップを実施することによって、パンチとダイのアライメント誤差の方向と距離が求まるので、その方向に3軸駆動テーブルを駆動することで、パンチとダイの軸芯を完全に一致させることができる。
本開示における第5の打抜き装置は、前記制御部がさらに、前記取得ステップで取得した前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の荷重に基づき、前記1軸方向まわりのモーメントを算出する算出ステップと、前記再取得ステップで取得した前記打ち抜き方向と直交する2軸のうち少なくとも1軸方向の荷重に基づき、前記1軸方向まわりのモーメントを算出する再算出ステップと、を行うことで前記1軸方向まわりのモーメントの校正を行う。
本ステップを実施することによって、アライメント誤差が1軸方向に生じた場合に1軸まわりのモーメント変化から、アライメント誤差した1軸方向の距離を算出することができるようになる。
本開示における第6の打抜き装置は、前記制御部が、前記算出ステップおよび前記再算出ステップにおいて算出したモーメントと、前記所定の距離と、に基づき、前記1軸方向における単位距離あたりのモーメント変化量を算出する。
この一連の作業を行うことでパンチとダイがずれた場合の影響係数を求める作業となる。すなわちずれた方向にアライメント誤差を生じた場合の校正を行う。
本開示における第7の打抜き装置は、前記制御部が、前記センサから取得した、打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の打抜き荷重と、前記モーメント変化量に基づき、前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記1軸方向かつ前記モーメントを小さくする方向へ移動させるよう前記駆動テーブルを駆動させる。
本ステップを実施することによって、パンチとダイのアライメント誤差の方向と距離が求まるので、その方向に3軸駆動テーブルを駆動することで、パンチとダイの軸芯を完全に一致させることができる。
本開示における第8の打抜き装置は、前記制御部が、第1打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向の荷重に基づき、前記打ち抜き方向まわりのモーメントを算出する打ち抜き算出ステップと、前記第1打ち抜き時の前記パンチと前記ダイとの相対位置とを記憶する記憶ステップと、所定の角度だけ、前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記打ち抜き方向に回転させるよう前記駆動テーブルを駆動させる駆動ステップと、前記駆動ステップの後の第2打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向の荷重に基づき、前記打ち抜き方向まわりのモーメントを算出する打ち抜き再算出ステップと、を行うことで前記打ち抜き方向の校正を行う。
本ステップを実施することによって、軸芯の打ち抜き方向まわりの回転ずれが生じた場合に打ち抜き方向まわりのモーメント変化から、回転ずれした打ち抜き方向の角度を算出することができるようになる。
本開示における第9の打抜き装置は、前記制御部が、前記打ち抜き算出ステップおよび前記打ち抜き再算出ステップにおいて算出したモーメントと、前記所定の角度と、に基づき、前記1軸方向における単位角度あたりの打ち抜きモーメント変化量を算出する。
この一連の作業を行うことでパンチとダイがずれた場合の影響係数を求める作業となる。すなわちずれた角度にアライメント誤差を生じた場合の校正を行う。
本開示における第10の打抜き装置及び方法は、前記制御部が、打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向まわりのモーメントと、前記打ち抜きモーメント変化量に基づき、前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記打ち抜き方向まわりかつ前記モーメントを小さくする方向へ回転させるよう前記駆動テーブルを駆動させる。
本ステップを実施することによって、パンチとダイの打ち抜き方向まわり回転ずれの角度が求まるので、その方向に3軸駆動テーブルを駆動することで、パンチとダイの角度ずれを完全に一致させることができる。
本発明は、ますます高精度化が求められる打抜き加工において、熟練技能者の経験と膨大な時間によって達成されている高精度な組立技術を、数値的に管理し、制御することで、金型組立精度を、金型部材の加工精度に近づけることである。その結果、打抜き金型の組立精度が飛躍的に向上したので、高精度な打抜き部品が提供できるようになった。加えて、金型寿命のバラつきが減少したので、金型のメンテナンスサイクルや、コスト管理が非常に容易になるという副次効果が見いだせるようになった。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における打抜き装置について、図を用いて説明する。図1には、打抜き加工におけるパンチ1とダイ2を用いて、被加工物3を打抜いたときに発生するアライメント誤差(以降、場合によりX、Y軸については“偏芯”誤差、γ軸については“回転”誤差と呼ぶ)を説明する図である。図1(a)には、打抜き加工時の側面断面図、図1(b)には、打抜き後の上面図を模式的に描いた。打抜き金型は、熟練した技能者によって組み立てられるが、一般的にパンチ1とダイ2のクリアランスが10マイクロメートル以下の精度を要求される場合、干渉して衝突することは無いにしても、クリアランスが均一であることを測定する術がない。即ち、図1(b)に示すようにパンチ1とダイ2のクリアランスが一様で無い状態となる。ましてや昨今の、クリアランスが3マイクロメートル以下の組見立て精度の要求に至っては、金型部品の単体加工精度と近くなるために、非常に困難で、実現できたとしても長い時間を要する。
このような状態で量産の打抜き加工を開始すると、打抜き後の加工物4に規格以上のバリが発生したりして、不良の原因になる。但し、バリの不良は気づきやすいので、問題となる場合は、金型の組立直し等による再調整がなされる。一方、パンチ1やダイ2の型寿命が短いという問題が生じることがある。型寿命が本来の設計寿命より短くなると、製造コストが上昇することになる。よって、常に安定した製造コストを維持するためには、金型の組立に伴う誤差を極力減らすことが、重要となる。
図1(b)に示すパンチ1とダイ2のクリアランスが均一とならないアライメント誤差は、X並進方向、Y並進方向、Z軸回りの回転方向(γ軸)、X軸回り回転方向(α軸)、Y軸回り回転方向(β軸)の5自由度の誤差が考えられる。しかしながら、打抜き後のパンチ1とダイ2の干渉量(押し込み深さ)が、実際の打抜き加工の中では被加工物厚みの2、3倍程度が一般的であり、α軸(後述するMxの出力)、β軸(Myの出力)の誤差が問題となることは実用上少ないので以下においては、X並進(後述するX)、Y並進(後述するY)、γ軸回転(後述するMz)の3自由度の誤差の検出方法や解消方法について説明する。しかしながら、以下に詳述する本案の構成においては、α回転やβ回転の誤差についても同様に検出できることは言うまでもない。
パンチ1とダイ2のアライメント誤差は、通常図1(b)に示すように、X並進、Y並進、γ軸回転の3つの誤差が、同時に含まれるのが一般的であるが、ここではそれぞれを分離して説明する。
図2にX、Y並進方向のアライメント誤差検出原理を示す。図2(a)には、パンチ1に対してダイ2がΔXだけ偏芯した状態を示す。ここでは問題を単純化するために、パンチ1とダイ2の中心軸がX軸方向にのみ偏芯が生じ、Y軸方向やγ軸回転方向に誤差が無い状態を示す。
次に、並進誤差の検出原理を図2(b)に示す。同図中上段の[検出原理a]では、打抜き時に生じる並進方向(この例ではX軸方向)の荷重を検出すればよい。パンチ1とダイ2が偏芯してセッチングされた状態で打抜き加工すると、パンチ1とダイ2の間でダイ2がパンチ1から離れようとする並進力(図では、X方向の荷重)が生じるが、右側と左側では逆方向に並進力が生じる。しかしながら、パンチ1とダイ2に偏芯が生じていると、偏った側の並進力が大きくなるので、ダイ2の下方に荷重センサを設置すれば(図示せず)、並進力を検出することができる。言い換えると、パンチ1とダイ2に偏芯が生じていない場合、打抜き加工時に生じる並進力は、右側と左側で釣り合う。よって、ダイ2下方での並進力がゼロの場合、偏芯が生じていないと考えられる。
図2(b)下段には[検出原理b]を記す。ここではパンチ1とダイ2の間で生じる打抜き荷重を利用する。具体的にはパンチ1とダイ2が偏芯してセッチングされた状態で打抜き加工すると、ダイ2の右側の切れ刃部と左側の切れ刃部で、打抜き荷重が生じる。パンチ1とダイ2に偏芯が生じているので、偏った側の打抜き荷重が大きくなる。よって、ダイ2の下方に荷重センサを設置すれば(図示せず)、左側に生じた打抜き荷重と右側に生じた打抜き荷重を検出することができる。その検出した打抜き荷重から、同図の例ではY軸まわり(β軸)のモーメントを算出できる。言い換えると、パンチ1とダイ2に偏芯が無い場合、打抜き加工時に生じる左右の打抜き荷重は、右側と左側で同じ値となる。よって、ダイ2下方でのモーメントがゼロの場合、偏芯が生じていないと考えられる。
図3(a)(b)には、γ軸(Z軸まわり回転方向)の誤差検出方法を示す。ここでは板状の被加工物が、あるものとして描いていない。図3(a)は、γ軸の誤差のみが生じた模式図である。図3(b)には、γ軸の誤差のみが生じているので打抜き加工するとパンチ1とダイ2とのクリアランスに応じてX-Y面内での打抜き荷重が生じ、その結果図中に記すようにZ軸まわり(γ軸)のモーメント(Mz)となって現れる。よって、X-Y面内での打抜き荷重を検出すれば、モーメントMzは計算により求めることができる。
本案の荷重センサの配置例を図4に示す。荷重センサ5(a~d)は、3軸方向の荷重が計測でき、ダイ2を含む下型22の下方に設置してある。打抜き時にダイ2に生じた荷重は、下型22を介して4つの荷重センサ5に掛かるようになっている。荷重センサ5の配置は、ダイ2の重心に対して、対称に配置すると後で詳述するモーメントの計算が容易になる。図4の例では、Y軸に対称に距離a、同様にX軸に対称に距離b離して4個のセンサを配置してある。荷重センサの数は少なくとも3個あれば、本案と同様の機能が実現できることは言うまでもない。
X軸方向の荷重Xは、以下の数式1の通り、4つの荷重センサ5のX方向成分を合算した値となる。
Figure 2022010436000002
Y軸方向の荷重Yは、以下の数式2の通り、4つの荷重センサ5のY方向成分を合算した値となる。
Figure 2022010436000003
Z軸方向の荷重Zは、即ち打抜き荷重Zである。荷重Zは、以下の数式3の通り、4つの荷重センサ5のZ方向成分を合算した値である。
Figure 2022010436000004
X軸まわり(α軸)のモーメントMxは、以下の数式4の通り、4つの荷重センサ5のZ方向成分と距離から計算される。
Figure 2022010436000005
Y軸まわり(β軸)のモーメントMyは、以下の数式5の通り、4つの荷重センサ5のZ方向成分と距離から計算される。
Figure 2022010436000006
Z軸まわり(γ軸)のモーメントMzは、以下の数式6の通り、4つの荷重センサ5のX方向成分、Y方向成分と距離から計算される。
Figure 2022010436000007
打抜き加工すると、図4に示した4つの荷重センサからの出力は、後述するチャージアンプなどの荷重検出装置34を介して、図5に示した計算式に基づいて演算され、6自由度方向の荷重およびモーメントが出力される。図4、5からわかるように、完全な対称構造の金型で打抜き加工した場合、(式(1))、(式(2))
、(式(4))、(式(5))、(式(6))の値はゼロとなり、打抜き荷重である(式
(3))のみが生じることになる。冒頭で説明したように、(式(4))、(式(5))
の出力であるモーメントMx、Myについては、本実施の例では使用しないので、これ以上の説明はしない。
一方、現実の金型はパンチ1とダイ2のアライメント誤差を有している場合がほとんどなので、(式(1))のX方向の並進力、(式(2))のY方向の並進力、(式
(6))からモーメントMzが出力される。はじめに(式(1))、(式(2))の合ベ
クトル方向が、X-Y平面内での偏芯方向となる。しかし、このままでは偏芯方向が分かるだけで、その偏芯量(距離)については不明である。γ軸回転誤差成分であるMzについても同様に、誤差の生じている回転方向が分かるだけで、定量的な角度は不定である。
次に偏芯量(距離)と水平分力の関係を求める方法(校正方法)について、以降説明する。図5に水平分力方向(同図中では、Y軸方向)の、校正方法について示す。ここでの作業は、図4、5で説明した荷重センサと、後述する3軸駆動テーブル(図6、8)を用いる。また図5(a)においては打抜き加工するが、被加工物は存在するものとして、描いていない。
初めに図5(a)に示すダイ2の初期位置として、パンチ1に対してY軸方向の中央となるように設置し(この中央に設置する方法については、図8で説明する)、打抜き加工を実施する。この時検出されたY軸方向の並進力(図5の式(2))を、P0とする。
次にダイ2を後述する3軸駆動テーブルを使ってΔY1だけ移動して、そこで打抜き加工を実施する。この時検出されたY軸方向の並進力をP1とする。
同様にダイ2を、3軸駆動テーブルを使って-ΔY2の位置に移動して、そこで打抜き加工を実施する。この時検出されたY軸方向の並進力をP2とする。
図5(b)に先ほど3回の実験結果をまとめて、校正曲線とする。同図中では横軸に距離、縦軸にY軸荷重として、3カ所の点をプロットしてある。この3点を直線(線形近似)、もしくは多項式で表現される多項式近似によって結ぶ。もちろん、正確を期すためにもっと実験データを加えて、正確な校正曲線を描いてもよいことは言うまでもない。このようにすることで、Y軸方向の微小距離とY軸方向の並進力の関係が明らかになる。図5ではY軸を例にとって説明したが、X軸についても同様に描くことができる。
更には、図5で説明した式(6)のモーメントMzについても同様に校正曲線を描くことができる。図5(b)の例と同様に説明すると、横軸にZ軸まわりの微小な回転角度をとり、縦軸にモーメントMzとなるように校正曲線を描けばよい。
同様に図2(b)の[検出原理b]で説明した方法についても、同様に考えることができる。図5(b)の例と同様に説明すると、Y軸方向の校正を実施する場合、横軸にY方向の微小距離をとり、縦軸にX軸まわりのモーメントMxとなるように校正曲線を描けばよい。
同様にX軸方向の校正を実施する場合、横軸にX軸方向の微小距離をとり、縦軸にY軸まわりのモーメントMyとなるように校正曲線を描けば、X軸方向の校正が可能となる。このようにすることで、X軸方向の微小距離とモーメントMyの関係が明らかになる。
図6、図7に本実施の例で使用した3軸駆動テーブルの一例を示す。本駆動テーブルの目的は、パンチとダイのアライメント用途なので、X並進、Y並進、γ軸回転の3軸が可動する必要がある。更には、その可動単位は金型の組立調整レベルなので、1マイクロメートルはもとより、0。1マイクロメートル以下の分解能を有することは言うまでもない。しかしながら、打抜き加工で使用するものであるから、可動面のZ軸方向(打抜き軸方向)には、加工対象物にもよるが、10000N以上の衝撃的な荷重が生じることは言うまでもない。よって3軸駆動テーブルの構成としては、精密に動けば良いだけとは言えない。衝撃的な打抜き荷重がかかったとしても壊れたり、壊れないまでも弾性変形を容易にする構成では、打抜き加工用途に使用することができない。また金型を搭載する可動面の中央部には、貫通穴が開いていることが望ましい。何故ならば、打抜きカス(場合によっては、製品そのもの)を排出し、下方に落とす穴が必要だからである。よって一般的な可動テーブルのように、可動部の中央に送り機構(例えば、ボールねじ)を内在するために中空部を設けた構成では、剛性面や中央部の貫通穴が必須等の要求仕様を満足することはできない。図6に示した3軸駆動テーブルは、先述した要求仕様を満たす構成であり、打抜き加工用途に適していると考えられるので、以下に詳細に説明する。
図6に3軸駆動テーブル6の基本構成を示す。板状のフレーム6aの内部に、中央に貫通穴部を有した可動部6bがある。可動部6bは、後述するように荷重センサや下型(ダイを含む)を搭載可能な大きさとなっている。可動部6bは板状であり、打抜き方向となるZ軸方向には機構部や中空部を有しない構成である。
本案の3軸駆動テーブル6では、中央の可動部6bがフレーム6aと弾性ヒンジを介して支持されている。更に駆動源となるに圧電素子(PZT)6cは、与圧用のばねを介してフレーム6aと可動部6bに接している。この圧電素子により駆動される可動部6bの動作時の変位は、距離センサ6dにより測長されている。
図5にあるように、Y軸方向は、対向して配置された2個の圧電素子と、1個の変位センサのセットになっている。X軸方向は、図のように対向して配置された4本の圧電素子と2個の変位センサの組合せになっている。γ軸回転は、X軸方向に配置した圧電素子を駆動することで回転動作を与えることができる。同様にγ軸の回転角度については、X軸に配置した2個の変位センサにより、回転角度を精度よく検出できるようになっている。またこれらの一連の動作については、外部に設けた圧電素子コントローラ35によって制御されることは言うまでもない。
図7に3軸駆動テーブル6の上に設置した4個の荷重センサと更にその上に下型22を配置し、パンチ1ダイ2の配置が分かるように描いた図を示す。本案においては、先述したように打抜き加工を行うと、下型の下方に設置した4個の3軸荷重を検出する荷重センサ5が荷重を検出し、その結果を図示しない演算装置によって算出し、3軸駆動テーブルを動作させて、パンチ1とダイ2のアライメント誤差が解消する位置となるように動作させることができる。
図8に、本案の打抜き装置の構成で実現できるパンチ1とダイ2のアライメント誤差を解消する例である。図2および図3とは異なる方法である。図8(a)にはアライメント誤差調整方法の模式図であり、図8(b)は、そのアライメント誤差調整時の変位量と荷重の関係を示す。本方式によるアライメント調整作業は、打ち抜き加工は実施しないので、被加工物は不要である。本調整作業は、図8(a)に示すように、打抜き装置内で3軸駆動テーブル6の上に4個の荷重センサ5を設置し、更にその上に下型22、および図示しない上型21、パンチ1を取り付けた状態で実施する。
図8(a)はダイの中にパンチを挿入する位置(例えば、打抜き加工時の“下死点”)に下した状態で実施する。この状態から、例えばY方向に少しずつ(例えば、0。5マイクロメートル毎)に動作させると、いずれパンチ1とダイ2の内壁面が接触する。その時の荷重センサ5の値をモニターして出力すると、図8(b)に示すような図が描ける。横軸に3軸駆動テーブルで移動した距離、縦軸に移動方向の荷重センサ5の出力値を描く。パンチ1とダイ2の間には、クリアランスが存在して、例え3軸駆動テーブルを0。5マイクロメートルステップで動作させたとしても、即接触するわけではない。パンチ1とダイ2が接触しない位置では、荷重はゼロである。しかしながら、それらが接触すると、荷重が上昇するので、どの位置で接触したのか判別容易である。図8(b)の例では‐2~3マイクロメートルの間の5マイクロメートルが、パンチ1とダイ2のクリアランスであることがわかる。このことから、どの位置が、クリアランスが均等になる位置かわかる。この作業をX軸方向、次にY軸方向に行うと、パンチ1とダイ2のアライメント誤差としては、γ軸まわりの回転のみが残る。γ軸まわりの回転誤差についても、図8(b)の横軸が回転角度、縦軸がモーメントMzとなるだけで、同様に作業できる。
図2、3で示したアライメント誤差の検出原理と図5で示した校正作業を実施すれば、加工中においてもアライメント誤差を解消することができるメリットがある。一方、図8におけるアライメント誤差の解消方法は、打抜き加工をすることなく、静的な状態でアライメント誤差を解消できるメリットがある。これらの使い分けについては、同じ打抜き装置の構成の中で実施できることなので、適宜、最適方法を選んで実施すればよい。
図9に、本案実施の形態における打抜き装置を示す。図9において、主要な構成を説明する。
図9において、サーボスクリュー式の打抜き装置11である。本案における打抜き装置としては、サーボスクリュー式である必要は無いが、制御性が非常に良いことから、本案を実施するにあたって適していると考える。サーボスクリュー式の打抜き装置11は、上プレート13部に設置されたサーボモータ12と、サーボモータ12の回転部と結合されたボールねじ17と、その先に可動プレート14があり、サーボモータ12が正転、逆転することで、可動プレート14がシャフト16に沿って、動作する構成である。サーボモータ12は、打抜き装置のコントローラ18の指令に基づいて回転動作するようになっている。
可動プレート14には、金型の半分である上型21が取り付けられる。上型21の主要な構成は、パンチ1を内在し、先端に材料押さえの役割をするストリッパー23がある。ストリッパー23は、圧縮ばねであるストリッパーばね24により、所定の初期荷重が与えられている。
上型21の下方には、ダイ2を内在した下型22が架台15上に設置される。架台15は上部の上プレート13と4本のシャフト16によって連結され、可動プレート14に締結された上型21と、下型22が相対的に上下動作する仕組みである。対向配置される上型21と下型22の間には、被加工物3が設置されている。
下型22の下部に4個の3軸荷重を検出する荷重センサ5が設置されている。更に、荷重センサは、3軸駆動テーブル6の可動部6bに締結されている。荷重センサ5は、外部に設けた荷重検出装置34に接続され、4個の各3軸の荷重値が演算され、モーメントの計算もなされる。
3軸駆動テーブルのフレーム6aは、ベースプレート25に締結されている。本構成において、3軸駆動テーブルの可動部6bは、圧電素子6cが動くと、それに伴ってベースプレート25上を、滑るように動作する。ベースプレート25と可動部6bの間は、滑らかな動作が可能なように、ベースプレートを砲金で製作してある。先述したように可動部には打抜き荷重が、条件によって10000N以上の衝撃的な荷重がかかることは先述したとおりであるが、可動部6b自体は厚い板状の金属部材なので、打抜き荷重によって問題となる変形等が生じないことは、見ての通りである。また駆動部である圧電素子6cは、破損しやすい精密部品であるが、打抜き加工時の打抜き荷重の影響のない位置に配置されるので、破損が生じることもない。また、図9より見てわかる通り、打抜き加工時において被加工物3の打抜かれたカスは、ダイ2の内部および下型内部から3軸駆動テーブルの可動部6bの中央を通って、さらに下方に排出される構成となっている。
3軸駆動テーブルは、各々の圧電素子6c、各々の距離センサ6d(ここでは、図示せず)が、圧電素子コントローラ35に接続されている。
次に可動プレート14の上下動作を高精度に測長する目的で、外部に設けたギャップセンサ32を設けている。このギャップセンサ32も、外部に設けたギャップセンサーアンプ33に接続されている。
本案の実施の例に示した制御装置類(18、33、34、35)は、コンピュータ31にすべて接続され、コンピュータ内で偏芯量の演算や、その結果に基づいた3軸駆動テーブルの移動量を演算し、それぞれの制御装置に指令を行う。
次に本案の打抜き装置への金型の設置について説明する。一般の打抜き金型は、上型と下型をガイドポストで連結して、そのガイドに沿って上型が上下動作する。一方、本案の打抜き装置においては、3軸駆動テーブル6を搭載し、上型に対して下型が相対的に動く構造といなっている。そのため、一般的な金型と同様なガイドポストは不要であるばかりか、パンチ1とダイ2のクリアランス調整機能である動きを阻害するものである。その代わりに、精度良く上型と下型を打抜き装置に搭載し、その打抜き装置のガイドポストの精度を利用して、精度確保する構成となっている。初期の精度があまりにも悪いと、初めにパンチ1とダイ2の衝突が生じる可能性がある。そこで上型と下型の搭載にあたっては、上型のパンチの代わりにパイロットパンチ(図示せず)と呼ばれるダイとの粗調整用のガイド機能を有するパンチを用いて、パンチ1のダイ2への挿入時に、衝突が生じない程度の精度で組み付けて、その後確実に固定する。その後、パイロットパンチを正式なパンチ1に入れ替える。この状態で、パンチ1がダイ2に衝突することなく挿入されることを、確認する。具体的には、荷重センサ5の出力をモニターし、パンチ1のダイ2への挿入位置においても、荷重が生じないようにすればよい。本金型構成は、金型単体で評価した場合、ガイドポストとその構成部材が不必要なので、低コストな金型構成が実現できるという特徴もある。
次に本実施例における打抜き加工動作について、一連の流れを説明する。パンチ1とダイ2は衝突(干渉)しないレベルで、組み立てられているものとする。パンチ1とダイ2の間には、被加工物3が設置されている。被加工物3については、量産においては、巻き出し、巻取り等のローディング装置を有しているが、本案においては重要でないので省略するものとする。
打抜き動作においては、指定された動作パターン(加工プログラム)に基づいて、打抜き装置のコントローラ18からサーボモータ12に指令が送られ、可動プレート14に搭載された上型21が下降する。所定の位置に達すると、ギャップセンサ32から、荷重検出装置34に計測開始信号が入り、荷重計が計測開始される。但し、この段階では、荷重が生じていない。更に、下降が進むと、ストリッパー23が被加工物3を挟持し、この時点から荷重が発生する。更に下降が進むと、その位置に合わせてストリッパーばね24が圧縮されてストリッパー荷重が増加すると同時に、パンチ1がストリッパー23と相対動作して、パンチ先端が被加工物3と接した段階で打ち抜きが開始され、打抜き荷重も急増する。更にパンチ1が下降し、被加工物3を打抜いた後も下死点まで動作する。その後反転動作して、パンチは上昇して、更にはストリッパー23が被加工物3と離れ、更に上昇すると、ギャップセンサ32からの位置情報に基づいて、荷重計測が終了する。この一連の動作は、加工条件にもよるが1秒以下でなされることが一般的である。
次に、先述した一連のプロセスの中でデータ取得した荷重の取り扱いについて説明する。設置された4つの荷重センサ5(a)~(d)のデータは、瞬時に荷重検出装置34に送られ、図5に示した演算がなされ、特にその中で、X、Y、Mz、もしくは、Mx、My、Mzについては、コンピュータ31内で図2、図3で説明したアライメント誤差の検出原理に基づいて、演算、判定がなされ、圧電素子コントローラ35を介して3軸駆動テーブル6を駆動する仕組みになっている。但し、打抜き加工毎に、このようなシーケンスを実行するか、トレンドデータをまとめて実行するか、などは適宜最適方法でなされる。
また、このような打抜き荷重の計測後、パンチとダイのアライメント誤差を演算し、動作させる一連のプロセスは、事前に図5で説明した校正データに基づいて、即ち校正データがコンピュータ31部に記憶され、その結果に基づて並進荷重と距離の関係、モーメントMx、Myと距離の関係、モーメントMzと角度の関係がデータとして内臓しているから実現できていることは、言うまでもない。
また精度の高い荷重計測データ取得方法として、図10に示す方法も取り入れているので説明する。3軸駆動テーブルは、ナノメートルオーダで動作可能な仕様になっているため、加工直前にストリッパー荷重で被加工物3が挟持されるとき、不要に動作する場合がある。これはストリッパー面と下型面が完全に平行でない等の加工、組立誤差もあり、ストリッパー荷重としてはZ軸方向以外のX、Y軸成分が含まれる。この時、ストリッパー荷重のX、Y成分により下型22を動かさそうとする力が生じるので、3軸可動テーブルは押し戻そうとして不必要に動作する問題が生じる。そこで、上型の下降時の任意の位置で、3軸駆動テーブルを、クローズドループ制御から、オープンループ制御に瞬間的に切り替えることで、不要動作を無くすことができるようになった。この3軸駆動テーブルのクローズドループ制御からオープンループ制御に切り替え、打抜き加工後は再度クローズドループ制御に戻す工程を図10に示している。但し、図10の中のクローズドループ制御からオープンループ制御に切り替える位置、およびオープンループ制御からクローズドループ制御に変更する位置は、加工対象などによって変わるので、必ずしも図10に示す位置とは限らないことは言うまでもない。図10に示すような工夫を取り入れることで、より高精度で、再現性の高い荷重計測が可能となる。
また、図8で説明したパンチ1とダイ2のアライメント誤差の解消方法は、上述した方法とは異なる。図8で説明したパンチ1とダイ2のアライメント方法は、再度説明すると、打抜き加工する必要が無い。事前にパンチ1とダイ2の軸芯を合わせて、その後に打抜き加工する方法である。基本的に、金型におけるパンチ1とダイ2の取り付けは、非常に強固に取り付けているので、組立後こそずれが生じていたとしても、調整さえすれば打抜き加工の衝撃があったとしても変化するものでは無いからである。よしんば、加工中にパンチ1とダイ2のアライメントがずれるようなことがある場合、図8の方法で初期調整を実施し、その後の加工中に関しては、図2、3の方法を併用しても良い。いずれの方法であったとしても本案の装置構成であれば、同様のことが実現可能である。
また、本開示の打抜き装置および方法は、パンチとダイのアライメント誤差を解消する機能があることから、金型の長寿命化と高品質な打抜き加工を実現する打抜き装置および方法である。したがって、工具のクリアランスを適宜変更することが可能であるから、切断装置においても使用することができる。例えば、非常に薄い、例えば数マイクロメートルの厚みを有するフィルムを切断する場合、非常に高精度なクリアランス調整が必要となるが、本開示を切断装置等に適用できる。
本発明の打抜き装置および方法は、打抜き加工時の並進力やモーメントを演算することで、パンチとダイのアライメント誤差を検出し、加えて3軸駆動テーブルを備えることで、アライメント誤差を自動的解消することができる機能を有し、金属やプラスチック、複合材料等の被加工物を打抜く装置は基より、切断装置としても広く適用できる。
1 パンチ
2 ダイ
3 被加工物
4 加工物
5 荷重センサ
6 3軸駆動テーブル
6a フレーム
6b 可動部
6c 圧電素子
6d 距離センサ
11 打抜き装置
12 サーボモータ
13 上プレート
14 可動プレート
15 架台
16 シャフト
17 ボールねじ
18 コントローラ
21 上型
22 下型
23 ストリッパー
24 ストリッパーばね
25 ベースプレート
31 コンピュータ
32 ギャップセンサ
33 ギャップセンサーアンプ
34 荷重検出装置
35 圧電素子コントローラ

Claims (10)

  1. 平板状の被加工物を対向したパンチとダイによって打抜く打抜き装置であって、
    打抜き方向と直交する同一平面上に備えられ、3軸方向の荷重を計測する少なくとも4つのセンサと、
    前記打ち抜き方向と直交する2軸方向、および前記打ち抜き方向まわりの回転方向に、積載した前記ダイおよび前記センサを駆動させる駆動テーブルと、
    制御部と、を備える、打抜き装置。
  2. 前記制御部は、
    第1打ち抜き時に生じる荷重のうち、前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の荷重を前記センサから取得する取得ステップと、
    前記第1打ち抜き時の前記パンチと前記ダイとの相対位置とを記憶する記憶ステップと、
    所定の距離だけ、前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記1軸方向に移動させるよう前記駆動テーブルを駆動させる駆動ステップと、
    前記駆動ステップの後の第2打ち抜き時に生じる荷重のうち、前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の荷重を前記センサから取得する再取得ステップと、
    を行うことで前記1軸方向の校正を行う、請求項1に記載の打抜き装置。
  3. 前記制御部は、
    前記取得ステップおよび前記再取得ステップにおいて取得した荷重と、前記所定の距離と、に基づき、前記1軸方向における単位距離あたりの荷重変化量を算出する、
    請求項2に記載の打抜き装置。
  4. 前記制御部は、
    前記センサから取得した、打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の打抜き荷重と、前記荷重変化量に基づき、
    前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記1軸方向かつ前記打ち抜き荷重を小さくする方向へ移動させるよう前記駆動テーブルを駆動させる、
    請求項3に記載の打抜き装置。
  5. 前記制御部は、さらに、
    前記取得ステップで取得した前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の荷重に基づき、前記1軸方向まわりのモーメントを算出する算出ステップと、
    前記再取得ステップで取得した前記打ち抜き方向と直交する2軸のうち少なくとも1軸方向の荷重に基づき、前記1軸方向まわりのモーメントを算出する再算出ステップと、
    を行うことで前記1軸方向まわりのモーメントの校正を行う、
    請求項2~4のいずれか1項に記載の打抜き装置。
  6. 前記制御部は、
    前記算出ステップおよび前記再算出ステップにおいて算出したモーメントと、前記所定の距離と、に基づき、前記1軸方向における単位距離あたりのモーメント変化量を算出する、
    請求項5に記載の打抜き装置。
  7. 前記制御部は、
    前記センサから取得した、打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向と直交する1軸方向の打抜き荷重と、前記モーメント変化量に基づき、
    前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記1軸方向かつ前記モーメントを小さくする方向へ移動させるよう前記駆動テーブルを駆動させる、
    請求項3に記載の打抜き装置。
  8. 前記制御部は、
    第1打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向の荷重に基づき、前記打ち抜き方向まわりのモーメントを算出する打ち抜き算出ステップと、
    前記第1打ち抜き時の前記パンチと前記ダイとの相対位置とを記憶する記憶ステップと、
    所定の角度だけ、前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記打ち抜き方向に回転させるよう前記駆動テーブルを駆動させる駆動ステップと、
    前記駆動ステップの後の第2打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向の荷重に基づき、前記打ち抜き方向まわりのモーメントを算出する打ち抜き再算出ステップと、
    を行うことで前記打ち抜き方向の校正を行う、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の打抜き装置。
  9. 前記制御部は、
    前記打ち抜き算出ステップおよび前記打ち抜き再算出ステップにおいて算出したモーメントと、前記所定の角度と、に基づき、前記1軸方向における単位角度あたりの打ち抜きモーメント変化量を算出する、
    請求項8に記載の打抜き装置。
  10. 前記制御部は、
    打ち抜き時に生じる前記打ち抜き方向まわりのモーメントと、前記打ち抜きモーメント変化量に基づき、
    前記パンチと前記ダイとの相対位置を、前記打ち抜き方向まわりかつ前記モーメントを小さくする方向へ回転させるよう前記駆動テーブルを駆動させる、
    請求項9に記載の打抜き装置。
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