JP2022008687A - ポリエステル糸用の原料着色方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル繊維の染色方法は原料樹脂本来の特性や物性から白化や色の均等性、染着性や堅牢度など幾つか課題を抱えたままである。そこで発色性、製造コスト、高価且つ大規模な初期投資、環境への負荷軽減を考慮し、簡易で設備も簡便且つ大幅な節水ができ環境への負荷もおおいに軽減できる原料着色の方法を提供する。【解決手段】顔料や着色剤を5nm~100nmのサイズに爆発粉砕又はマイクロ粉砕機で粉砕し、従来より大幅に少ない混合率で素早く均等な分散性を実現し、ポリエステル樹脂の溶融に特別な条件を与えることなくポリエステル糸を得る。この方法は工業用水の節水と工業排水による環境への負荷も大幅に減らせる事ができる。【選択図】なし

Description

この発明はポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)を原料としたポリエステル糸、ポリエステルファイバーという、強度があり、地合の良さ、寸法安定性など有用性に優れた繊維を布地、繊維製品として使用する時に避けて通れない染色加工を嘗て無い簡便に可能にする技術に関するものである。又非常に有用ではあるがそもそも染色に馴染み難いポリエステル繊維を堅牢度も高く且つコストも設備費用も大きく掛けることなく、廃棄物も使用する水の量も非常に少なくエコロジーという時代の要請に応える技術にも関するものである。
従来から原料段階でポリエステル樹脂に染料や顔料を混入し、着色後に紡糸して糸を得る技術は知られている。(特許文献1)
また、紡糸した糸の段階乃至はその糸で織物や編物を製造した後に、高温・高圧下で分散染料を用いた染色する技術もよく知られている。(特許文献2)
更に顔料や染料を前もって溶融温度の低いポリエステル樹脂に高い混率で加え、それをペレット化したマスターバッチとして、別の主素材となるポリエステル樹脂に一定レベルの混率で加え、染料や顔料のより早い分散化と染色の均一性を持たせようとする技術も周知されている。(特許文献3)
加えて、染料にプラス電荷を付与し、染色される糸にマイナス電荷を付与した電気結合による所謂カチオン染色という染色技術もよく知られている。(特許文献4)
しかし、そもそもポリエステル繊維はポリオレフィン系樹脂を主原料とする繊維と同様に染色になじまないポリエステル樹脂を原料とし、従来の技術ではポリエステル繊維の染色染着が十分ではなくいわゆる白化という、ある角度から見ると白く輝き色が付いていないように見える現象解決に課題があった。特に濃色である黒色においてはその現象が顕著であった。
その白化対策として濃度の高い染料色が必要になるし、エネルギー・水量も多く必要でありコスト高であるばかりではなく、環境に与える負荷も大きなものなるという問題点もあった。
又、カチオン染色にはプラス電荷を染料に、マイナス電荷を糸に持たせるという工程も必要であり、染料をマスターバッチ化するという染色方法は長い工程とコストを要するという課題もある。
特開2004-250824 発明の名称「増粘化ポリエステル用乾式熱染色材料及び染色方法」 特開2005-273122 発明の名称「ポリエステル布帛の染色方法」 特開2009-185409 発明の名称「原着ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステル繊維の製造方法」 特開2004-190147 発明の名称「ポリエステルの染色方法」
ポリエステル繊維の染色方法は先人たちの多くの工夫と改良に支えられ、天然繊維ではない合成繊維としては世界的な普遍性をそのコストと物性から多くの生産者や消費者に支持を得ているが、その染色方法は幾つかの課題を抱えたままである。そこで発明者は、発色性、コスト、高価な初期投資、大量の工業用水消費などの環境への負荷を考慮し、原料着色の技術を更に高めようと試み本発明に至った。
今では一般的である高温高圧下における分散染料による染色ではその発色性に物足りなさを持ったままという課題は残る。光の屈折理が高く白化するという特性を持つポリエステル糸を染料で染色すると、染料自体彩りは持っていても染料の透明性から、光の屈折率が高いポリエステルではある角度から光が当たるとそこには彩りが反映されないという宿命を持つ。特に黒など濃い色ではそのマイナス面は際立つこととなる。
白化現象を宿命的に持つ染料による染色は、染着のよさと繊細な色を実現できる電気結合をメカニズムとするカチオン染色でも同様の課題を解決できない。
又顔料をマスターバッチに担持させ、主原料となるポリエステル樹脂に一定割合で配合し、原料着色を試みる技術は顔料の分散性を高め、又少ない顔料で安定した色を実現で出来るが、先ずマスターバッチを製造しなければならないという別の工程とコストをかけなければならない。
従来から行われている顔料によるポリエステル原料着色技術で使用されている顔料のサイズは凡そ2ミクロン乃至はそれよりやや小さいレベルである。
顔料そのものは透明性がなく光を遮断できる、それゆえ染料染色のもつ白化現象を引き起こすという問題は解消できるが、均等な分散性に問題があり色の再現性という面では課題は残ってしまうし、求める色によっては結果的に重量比で5から40という高い顔料混率を求めてしまう。
ポリエステル糸の代表的な原料の一つであるポリエチレンテレフタレートにとっても顔料は異物であり、その異物の混入率は高くなればなるほど本来ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステル糸の本来の物性を損ない、より細い糸を作ることが難しくなるし、出来ても強度が不足するという問題が残る。
問題を解決するための手段
そこで発明者は、前記染料による染色や染料乃至は顔料の原料着色のもつ課題を解決するため、又目的とする色を実現するためにより少ない配合比率が可能になる、顔料による原料着色ポリエステル糸を開発した。
そもそも顔料とは水や溶媒に溶けない有色微粒子状の無機物乃至は有機化合部であり、展色料と混和して塗装幕や成形物に彩を与えるのであり、染料は一般的に水又は溶媒に溶け顔料とは区別されるべきものである。
本発明に使用されるのは顔料であり、有彩色顔料としては黄色酸化鉄、チタン黄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、レソールレッド、硫化カルシウムなど例示され、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、蛍光顔料、アルミニウムやブロンズの金属粉などが例示される。
又、食品添加物としての使用を認められている着色剤でも良く、当該着色剤をもってポリエステル糸を従来技術で染色しようとしても、染着しない若しくは洗濯や摩擦などには到底耐えない堅牢度の低いものしか得られない。
しかし、本発明の技術を以ってすれば食品に直接触れる乃至は保存するためにポリエステル糸で構成される安全な布地や袋などにも使用できる。
顔料や着色剤のナノレベルへの粉砕に付いては、それらの爆発粉砕によっても得られるが、より粒子の大きさを均一化し粒度分布を良くするためにスターミルZRS(アシザワ・ファインテック社製)による方法がある。
粉砕された顔料の粒度は5nm~5000nmの範囲であり、より好ましくは10nm~100nmであり、粒度の分布が大きく問われる事はほぼ無いが、整っているに越した事はない。
又ナノサイズレベルまで微粉末化された顔料のポリエステル樹脂への混合率は0.2~3重量%で十分あり、より好ましくは0.25~2.5重量%である。
顔料がマスターバッチ化されていなくても、10~100nmもナノレベルに粉砕された顔料や着色剤はこういった驚くような低い混合率で非常に素早く又均等な分散を見せる。
顔料を混入する時のポリエステル樹脂の温度は、通常のポリエステル糸を製造する時と同様、255℃~270℃程度と特別な温度設定は必要ない。紡糸する際のノズル(紡口孔)の形状は丸型ばかりではなくY字型、W字型、星型など所謂異型断面糸も製造可能である。
発明の効果
本発明によるポリエステル原料着色糸は、ポリエステル樹脂が持つ負の特性である染色の難しさを解消し、彩りも鮮やかに非常に少ない顔料、着色料で染着でき且つ堅牢度も高い糸とその糸を使用した織物や編物、不織布といった布地を提供できる。
又、分散染料による高圧染色に比較して初期設備が非常に安価簡便であり時代の要請である工業用水を大幅に節約できるだけでなく、工業排水による環境への負荷も大幅に削減できる事になる。
ここで本発明の更なる詳細を説明するために実施例を上げる。
ポリエチレンテレフタレートをスクリュー式溶融押出し機を用いて255℃で溶融し、計量用のスクリューフィーダーで軽量しながら粒度10nm~100nmに粉砕したカーボンブラックを2.3重量%加えながら、丸断面紡糸口金より吐出量400g/分で吐き出させた糸条に口金面の下4cmの位置から25℃から28℃の冷却用空気を吹き当て未延伸糸を得た。この際のカーボンブラックの溶融したポリエチレンテレフタレート樹脂内の均一分散は非常に素早いものであった。
ついで得られた未延伸糸を50℃/90℃の2段温水延伸法で2.0~2.5倍に延伸し繊度1.5デニールの黒く染着されたポリエステル糸でトウを得た。
そのトウを3,8mmの均等サイズにカットして黒いポリエステルファイバーを得て、それをカード機にかけスライバー化して綿番手40番程度の原料着色スパンポリエステル糸を得て、その紡績糸に更に500回の追撚を掛けメリヤス編機で鹿の子編を得た。
原料着色した黒いポリエステル長繊維糸の繊度均一性にも問題なく、短繊維化した黒いファイバーで紡糸した糸で編まれた鹿の子生地の摩擦堅牢度は4~5級と優れたものであった。
又、その鹿の子生地には擦れやあたりといった染めむらも色むらもなく生地としてはAクラスのものであった。
10~100nというナノサイズに微粉砕された顔料や着色剤は、それらが通常使用されているサイズとは異なった、均等で且つ素早い分散性を示し、非常に少ない量で十分な着色効果を見せる。
特別な設備を要するどころか、より簡易な設備で特別な温度条件も環境設定も必要としないで堅牢度の高いポリエステル長繊維、ポリエステル短繊維を提供できる。
詰り、重厚な設備によって超大量生産を行い均質のポリエステル糸を製造し、コストダウンを図ってきた従来の後染め用ポリエステル糸が、その後の染色にかかる更なる設備と工程を経ずに堅牢度が高く且つ白化を防止しながら廃棄する水量を大幅に節約し、工業排水による環境への負荷も大幅に減らせる事ができるという、今の時代が要請するエコロジーに叶う繊維を提供できる。
又、設備が簡便に済むという事は、多彩な色揃えを要求する繊維産業において、原料着色ポリエステル糸が大量生産を余儀なくすることや在庫ロスを生むといった従来の弱点を補うものでもある。
顔料や着色料のナノレベルへの粉砕に付いては、それらの爆発粉砕によっても得られるが、より粒子の大きさを均一化し粒度分布を良くするために、ビーズミル装置、スターミル(登録商標)ZRS(アシザワ・ファインテック社製)による方法がある。

Claims (3)

  1. ポリエチレンテレフタレート樹脂に粒度10nmから500nmまで微細に粉末化した顔料又は着色剤を加え、原料着色を施したポリエステル糸
  2. 請求項1にいう原料着色を施したポリエステル糸を少なくともその構成原料の一部とする紡績糸
  3. 請求項1又は請求項2で得た糸を少なくともその構成原料の一部とする布地、不織布及びその布地又は不織布を構成原料の一部とする繊維製品
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