JP2022006922A - コイル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイル装置の小型化を図る。【解決手段】コイル装置10は、送電コイルCL2と、送電コイルCL2を覆うカバー22と、送電コイルCL2とカバー22との間に配置されたセンサ部30と、センサ部30の出力信号に基づいて金属異物Mを検知する検知部40とを備える。センサ部30は、コイルセンサ31と、コイルセンサ31の両端にそれぞれ接続された一対のセンサ配線33a,33bを有し、コイルセンサ31を検知部40に接続する配線ユニット33と、一方の端部がコイルセンサ31に接続されると共に他方の端部がグランドライン34に接続された温度センサ32とを有する。検知部40は、コイルセンサ31の両端間の電圧に基づいて金属異物Mの有無を検知する第1検知部41と、温度センサ32の両端間の電圧に基づいて金属異物Mの有無を検知する第2検知部42とを有する。【選択図】図6

Description

本発明は、コイル装置に関する。
例えば、特許文献1には、地上に設置された送電側のコイル装置から車両に搭載された受電側のコイル装置に対して非接触で送電するシステムが記載されている。このシステムには、送電側のコイル装置と受電側のコイル装置との間の金属異物を検知するため、2種類のセンサが設けられている。具体的には、送電側のコイル装置には、コイルセンサ(検知コイル704)と、温度センサ(温度センサ705)とが設けられている。コイルセンサは、磁場の変動に基づいて、金属異物の有無を検知するためのセンサである。温度センサは、送電時に金属異物が発熱することによって生じる温度変化に基づいて、金属異物の有無を検知するためのセンサである。
特開2015-204707号公報
特許文献1に記載された送電側のコイル装置のように、金属異物を検知するための2種類のセンサを設ける場合、センサの配線の数が多くなるためにコイル装置内において配線を設置するためのスペースが大きくなり、コイル装置の小型化を図ることが困難であった。
そこで、本発明は、小型化を図ることが可能なコイル装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るコイル装置は、相手側コイルとの間で送電又は受電するコイルと、コイルを覆うカバーと、コイルとカバーとの間に配置されたセンサ部と、センサ部の出力信号に基づいて金属異物を検知する検知部と、を備え、センサ部は、磁場の変動を検知するコイルセンサと、コイルセンサの両端にそれぞれ接続された一対のセンサ配線を有し、コイルセンサを検知部に接続するための配線ユニットと、一方の端部がコイルセンサ又は配線ユニットに接続されると共に他方の端部がグランドラインに接続され、温度変化に伴って抵抗値が変化する温度センサと、を有し、検知部は、配線ユニットに接続され、コイルセンサの両端間の電圧に基づいて金属異物の有無を検知する第1検知部と、配線ユニットに接続され、温度センサの両端間の電圧に基づいて金属異物の有無を検知する第2検知部と、を有する。
このコイル装置では、温度センサの一方の端部がコイルセンサに接続されている。第2検知部は、コイルセンサに接続された配線ユニットに接続されている。すなわち、第2検知部は、コイルセンサ及び配線ユニットを介して温度センサの出力信号を取得できる。このように、このコイル装置では、コイルセンサ及び配線ユニットを、温度センサと検知部との間の信号線としても機能させることができる。または、このコイル装置では、温度センサの一方の端部が配線ユニットに接続されている。第2検知部は、コイルセンサに接続された配線ユニットに接続されている。すなわち、第2検知部は、配線ユニットを介して温度センサの出力信号を取得できる。このように、このコイル装置では、配線ユニットを、温度センサと検知部との間の信号線としても機能させることができる。これらにより、温度センサと検知部との間において、温度センサの出力信号を取得するための専用の信号線を削減できる。従って、このコイル装置によれば、小型化を図ることができる。
コイル装置において、検知部は、センサ部の出力信号を分離する周波数フィルタを更に備え、第1検知部は、周波数フィルタを介して入力されたコイルセンサの両端間の電圧に基づいて金属異物の有無を検知してもよい。この場合、第1検知部は、コイルセンサの両端間の所望の周波数の電圧変動に基づいて金属異物の有無を検知できる。すなわち、コイル装置は、第1検知部によって検知したい周波数の電圧変動のみを第1検知部に入力することができ、温度センサの出力信号等が第1検知部に影響を及ぼすことを抑制できる。これにより、コイル装置は、第1検知部によって金属異物の有無をより精度よく検知できる。
コイル装置は、グランドラインに対して所定の電位差を有するバイアス電圧を、配線ユニットを介して温度センサに印加するバイアス回路を更に含んでいてもよい。この場合、コイル装置は、配線ユニットを介してバイアス回路から温度センサへバイアス電圧を印加できる。
コイル装置において、温度センサは、カバーにおけるコイル側の面に当接していてもよい。この場合、温度センサは、カバー上の金属異物の発熱を、カバーを介して効率よく検知できる。
コイル装置は、カバーにおけるコイル側の面に当接する熱伝導体を更に備え、熱伝導体はカバーよりも熱伝導率が高く、温度センサは、熱伝導体に当接していてもよい。例えば、温度センサの位置と、カバー上において発熱する金属異物の位置とがカバーの上面又は下面の拡がり方向において互いに離れていても、金属異物からカバーを介して熱伝導体に伝達された熱は、熱伝導率の高い熱伝導体を介して温度センサまで伝達される。このように、コイル装置は、熱伝導体を用いて、金属異物の発熱を効率よく温度センサまで伝達することができ、温度センサによって金属異物をより効率よく検知できる。
コイル装置において、センサ部は、複数のコイルセンサと、複数の配線ユニットと、複数の温度センサとを有し、複数の配線ユニットのそれぞれは、複数のコイルセンサのそれぞれに対して設けられ、複数の温度センサのそれぞれの一方の端部は、複数のコイルセンサのそれぞれ又は複数の配線ユニットのそれぞれに接続されていてもよい。この場合、コイル装置は、金属異物の有無を、より確実に検知できる。
コイル装置において、センサ部は、回路基板を更に備え、コイルセンサ、配線ユニット、及び温度センサは、回路基板におけるカバー側の面に設けられ、グランドラインは、回路基板におけるコイル側の面に設けられていてもよい。この場合、コイル装置は、回路基板の両面に、コイルセンサ及び温度センサと、グランドラインとをそれぞれ設けることができる。これにより、コイル装置は、カバーとコイルとの対向方向に沿って見たときのセンサ部の大きさを小型化することができる。
コイル装置において、グランドラインは、コイルと相手側コイルとの対向方向において、コイルセンサ及び配線ユニットと対向する位置にのみ設けられていてもよい。この場合、コイル装置は、グランドラインがコイルによる送電又は受電に影響を与えることを抑制できる。
本発明の一態様によれば、コイル装置の小型化を図ることが可能となる。
図1は、実施形態に係るコイル装置を備える非接触給電システムを示す側面図である。 図2は、コイル装置の内部構成を示すブロック図である。 図3は、センサ部を上方から見た平面図である。 図4は、図3のIV-IV線に沿ったセンサ部の断面図である。 図5(a)は、コイルセンサを上方から見た平面図である。図5(b)は、グランドラインを上方から見た平面図である。 図6は、センサ部及び検知部の構成を示す回路図である。 図7は、金属異物の検知処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、変形例に係るセンサ部を上方から見た平面図である。 図9は、図8のIX-IX線に沿ったセンサ部及びカバーの断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当する要素同士には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に示されるように、コイル装置10は、例えば、非接触給電システム1における受電装置11又は送電装置12に用いられる。非接触給電システム1は、例えば、車両又はドローン等の移動体Vに搭載されたバッテリを充電する。コイル装置10は、受電装置11及び送電装置12の両方に用いられてもよい。
コイル装置10が送電装置12に用いられる場合、送電装置12としてのコイル装置10は、例えば屋外の路面Gに固定される。コイル装置10の送電コイルCL2には、図示しない高周波電源が接続される。一方、コイル装置10が受電装置11に用いられる場合、受電装置11としてのコイル装置10は、例えば車両のシャシー等に固定される。受電装置11の受電コイルCL1は、受電回路及び充電回路等を介して、バッテリに接続される。
送電装置12と受電装置11とが上下方向において対向し、送電コイルCL2と受電コイルCL1とが電磁気的に結合して電磁結合回路を形成することにより、送電コイルCL2から受電コイルCL1へと非接触給電が行われる。言い換えれば、受電コイルCL1は、送電コイルCL2との間で、送電コイルCL2から非接触で受電する。送電コイルCL2は、受電コイルCL1との間で、受電コイルCL1へ非接触で送電する。電磁結合回路は、「電磁誘導方式」で送電及び受電を行う回路であってもよく、「磁界共鳴方式」で送電及び受電を行う回路であってもよい。
以下、コイル装置10を送電装置12として利用する態様を例に、コイル装置10について更に詳細に説明する。以下の説明において、送電装置12と受電装置11とが対向する上下方向をZ方向といい、Z方向と直交する面内方向の一方向をX方向といい、当該面内方向のうち当該一方向と直交する他方向をY方向という。なお、X方向及びY方向は、水平方向となる。
図2に示されるように、コイル装置10は、筐体20と、センサ部30と、検知部40と、送電コイルCL2とを備えている。筐体20は、例えば、扁平な箱状の部材であり、少なくとも、送電コイル(コイル)CL2及びセンサ部30を収容している。筐体20は、送電コイルCL2を収容するための収容空間を規定する本体部21及びカバー22を有している。
本体部21は、上部が開口した箱状の部材である。本体部21は、路面Gに設置されている。本体部21は、路面Gに固定されていてもよく、固定されていなくてもよい。本体部21には、送電コイルCL2及びセンサ部30が収容されている。本実施形態において、本体部21には、検知部40も収容されている。本体部21は、樹脂材料又は金属材料等の様々な材料で構成され得る。また、本体部21の全体若しくは一部を、アルミニウム又は銅等の透磁率の低い金属材料で構成することにより、本体部21が、漏えい磁界の外部流出を遮蔽できるようにしてもよい。
カバー22は、本体部21の上部の開口を覆うように本体部21に取り付けられている。すなわち、カバー22は、本体部21内に収容された送電コイルCL2等を覆っている。送電コイルCL2と受電コイル(相手側コイル)CL1との電磁気的結合はカバー22を透過して行われる。このため、非接触給電が高効率で行われるように、カバー22は、電磁気的結合に影響しない、非磁性且つ非導電性の材料により形成されている。非磁性且つ非導電性の材料は、例えば、繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)等の樹脂材料である。カバー22は、本体部21に対して水密に取り付けられていてもよい。
送電コイルCL2は、例えば、同一平面内で渦巻状に巻回された導線によって形成される。送電コイルCL2は、例えばサーキュラー型のコイルである。サーキュラー型のコイルにおいて、導線は、巻軸(コイル軸)の周りを囲むように巻かれている。送電コイルCL2は、高周波電源から例えば100kHzの交流電力が供給されて給電磁場(交流磁場)を発生させる。送電コイルCL2から発生し受電コイルCL1へ向かう磁力線の方向は、概ねZ方向を向いている。給電磁場が受電コイルCL1に鎖交することにより、受電コイルCL1は誘導電流を発生させる。これにより、受電装置11は、非接触で送電装置12から電力を受け取る。
送電コイルCL2の下部には、送電コイルCL2から発生した磁力線の方向付け及び集約を行うフェライトが配置されていてもよい。高周波電源は、コイル装置10の一部であってもよく、コイル装置10とは別体であってケーブル等によって交流電力を供給する構成であってもよい。
センサ部30は、送電コイルCL2とカバー22との間に配置される。センサ部30は、カバー22上の金属異物Mを検知するためのセンサを有する。ここで、コイル装置10は、カバー22の上面がほぼ水平となるように設置される。このため、カバー22の上面に、金属異物Mが載ることがある。送電コイルCL2で発生した給電磁場は、カバー22を通過して受電装置11へ向かう。このためカバー22上に金属異物Mが存在すると、給電磁場によって金属異物M内に誘導電流が生じ、非接触給電の効率が低下したり、金属異物Mが発熱したりする。センサ部30は、金属異物Mの有無を検知するため、磁場の変化を検知するためのコイルセンサ31(図3参照)と、温度の変化を検知するための温度センサ32(図3参照)とを備える。
検知部40は、センサ部30の出力信号に基づいて、金属異物Mの有無を検知する。また、検知部40は、金属異物Mが存在すると検知した場合、送電コイルCL2への交流電力の供給を停止するように、例えば高周波電源に対して指示を行う。
次に、センサ部30の詳細について説明する。図3は、センサ部30をカバー22側(上側)から見た平面図である。図3に示されるように、センサ部30は、複数のコイルセンサ31と、複数の温度センサ32と、複数の配線ユニット33と、グランドライン(GNDライン)34と、回路基板35とを備えている。
回路基板35は、第1面35aと、第1面35aに対して反対側の第2面35b(図4参照)とを有する板状を呈している。回路基板35は、第1面35aが上側(カバー22側)を向き、第2面35bが下側(送電コイルCL2側)を向くように配置される。以下、第1面35aを上面35aと称し、第2面35bを下面35bと称する。図3及び図4に示されるように、コイルセンサ31、温度センサ32、及び配線ユニット33は、回路基板35の上面35aに設けられる。グランドライン34は、回路基板35の下面35bに設けられる。
回路基板35は、電磁気的結合に影響しない、非磁性且つ非導電性の材料により形成されている。これにより、回路基板35は、送電コイルCL2で発生した給電磁場への影響を抑制し、非接触給電の効率の低下を抑制できる。
図3及び図5(a)に示されるように、コイルセンサ31は、磁場の変動を検知する磁場センサである。コイルセンサ31は、導線性を有する材料によって形成され、環状を呈している。本実施形態において、コイルセンサ31は、略四角枠状を呈している。複数のコイルセンサ31は、回路基板35の上面35aに設けられている。複数のコイルセンサ31は、図3に示されるように、格子状に並べて配置されている。
コイルセンサ31は、送電コイルCL2が発生させた給電磁場が鎖交することにより、コイルセンサ31に誘導電流を発生させる。これにより、コイルセンサ31の両端間に電位差が生じる。コイルセンサ31の両端間の電圧が、コイルセンサ31の出力信号となる。また、カバー22上に金属異物Mが存在する場合、送電コイルCL2が発生させた給電磁場が金属異物Mの影響を受けて変化する。これにより、金属異物Mが存在する場合と存在しない場合とでは、給電磁場が変化していることによって、コイルセンサ31の両端間に生じる電位差も異なる。
本実施形態において、コイルセンサ31は、送電コイルCL2が発生させた給電磁場が金属異物Mによって生じる変化を検知する。これに限定されず、コイル装置10は、送電コイルCL2とは別に、金属異物の検知のための高周波磁場を発生するコイル及び回路を備えていてもよい。そして、コイルセンサ31は、金属異物の検知のためのコイルが発生させた高周波磁場に生じる変化に基づいて金属異物Mを検知してもよい。
複数の配線ユニット33のそれぞれは、複数のコイルセンサ31のそれぞれに対して設けられている。配線ユニット33は、コイルセンサ31の両端と検知部40とを電気的に接続する。配線ユニット33は、回路基板35の上面35aに設けられている。また、配線ユニット33における検知部40に接続される側の端部は、回路基板35外に延びて検知部40に接続される。配線ユニット33は、回路基板35の上面35aにおいて、コイルセンサ31と同一平面内に設けられている。ここで、配線ユニット33は、一対のセンサ配線33a,33bを備えている。コイルセンサ31の一方の端部はセンサ配線33aの端部に接続され、コイルセンサ31の他方の端部はセンサ配線33bに接続される。
対をなすセンサ配線33aとセンサ配線33bとは、回路基板35の上面35aにおいて互いに近接するように配置されている。これにより、配線ユニット33は、送電コイルCL2が発生させた給電磁場によるノイズを抑制できる。
図3及び図4に示されるように、温度センサ32は、温度変化に伴って抵抗値が変化するセンサである。温度センサ32は、例えば、サーミスタであってもよい。温度センサ32にはバイアス電圧が印加され、温度センサ32の両端間の電圧が温度センサ32の出力信号となる。
温度センサ32は、カバー22上の金属異物Mの発熱を検知する。具体的には、温度センサ32は、回路基板35の上面35aに設けられている。温度センサ32の上面は、カバー22の下面(送電コイルCL2側の面)に当接している。カバー22上の金属異物Mが発熱すると、熱がカバー22を介して温度センサ32に伝わる。これにより、温度センサ32の温度が上昇することによって温度センサ32の抵抗値が変化し、電気信号として温度上昇が検知される。
ここで、温度センサ32は、コイルセンサ31及び配線ユニット33よりも高さ(Z方向の厚さ)が高い。このため、センサ部30がカバー22の下面に当接させられることにより、複数の温度センサ32の上面がカバー22の下面に当接した状態となる。金属異物Mの発熱は、カバー22を介して、いずれかの温度センサ32において検知される。なお、温度センサ32の上面とセンサ部30のカバー22の下面とを適切に接触させるために、熱伝導率が高く且つ可塑性を有する素材(例えば、シリコーングリス等)が、温度センサ32の上面とカバー22の下面との間に設けられていてもよい。これにより、カバー22から温度センサ32へ良好に熱を伝達できる。
本実施形態において温度センサ32は、環状のコイルセンサ31の内側に配置されている。本実施形態では、一つのコイルセンサ31に対して、一つの温度センサ32が配置されている。温度センサ32の一方の端部は、上面35aに設けられた配線S1によって、対応するコイルセンサ31に電気的に接続される。詳しくは後述するが、コイルセンサ31には、配線ユニット33及びコイルセンサ31を介してバイアス回路(図6参照)からバイアス電圧が入力される。
温度センサ32の他方の端部は、Z方向において回路基板35を貫通する配線S2によって、グランドライン34に電気的に接続される。なお、温度センサ32の他端は、配線S2と、下面35bに設けられると共に水平方向に延在する配線とを介してグランドライン34に電気的に接続されてもよい。
本実施形態では、複数のコイルセンサ31が格子状に等間隔に配置されている。また、温度センサ32をコイルセンサ31に取り付ける位置は、それぞれのコイルセンサ31において互いに同じである。すなわち、複数の温度センサ32は、所定の間隔で等間隔に並んでいる。但し、温度センサ32は、等間隔に配置されていることに限定されない。例えば、カバー22の上面の特定の位置にのみ金属異物Mが存在し得る場合、温度センサ32は、金属異物Mが存在し得る位置の近くに配置されていてもよい。
グランドライン34は、グランド(GND)となる部位に接続されたラインである。本実施形態において、グランドライン34は、地面に接地されている。グランドライン34は、電気伝導率の高い導体(例えば、銅、アルミニウム等)によって構成される。
図4に示されるように、グランドライン34は、回路基板35の下面35bに設けられている。グランドライン34と、コイルセンサ31及び配線ユニット33との間は、回路基板35によって電気的に絶縁されている。グランドライン34は、Z方向(受電コイルCL1と送電コイルCL2との対向方向)において、コイルセンサ31及び配線ユニット33と対向する位置にのみ設けられている。Z方向において、コイルセンサ31及び配線ユニット33と対向しない部分には、グランドライン34が設けられていない。本実施形態において、グランドライン34は、図5(b)に示されるように、矩形状の複数の開口34aを有し、格子状を呈している。Z方向において、開口34aの位置と、コイルセンサ31の内側部分とが対応している。すなわち、Z方向において、コイルセンサ31と対向しないコイルセンサ31の内側部分には、グランドライン34が設けられていない。
ここで、例えば、グランドライン34に開口34aが設けられておらず、回路基板35の下面35bの全域にグランドライン34が設けられている場合、送電コイルCL2で発生した給電磁場よってグランドライン34に渦電流が誘導され、給電磁場を遮ることによって給電ができないことがある。これに対し、グランドライン34が開口34aを有していることで、給電磁場による渦電流の発生する面積が限定され、非接触給電への影響(効率低下)を抑制できる。
また、温度センサ32の一方の端部に接続された配線(コイルセンサ31及び配線ユニット33)と、温度センサ32の他方の端部に接続された配線(グランドライン34)とは、Z方向において重なっている。上述したように、送電コイルCL2から発生し受電コイルCL1へ向かう磁力線の方向は、概ねZ方向を向いている。このため、温度センサ32の両端にそれぞれ接続された配線に誘導される起電力を抑制することができる。すなわち、給電磁場による温度センサ32の出力信号への起電力(ノイズ)を抑制することができ、温度センサ32による温度測定を精度よく行うことができる。
このように、温度センサ32の一方の端部は、対応するコイルセンサ31に接続される。温度センサ32の他方の端部は、全ての温度センサ32同士で共通のグランドライン34に接続される。上述したように、複数の温度センサ32は回路基板35の上面35aに設けられ、グランドライン34は回路基板35の下面35bに設けられる。すなわち、複数の温度センサ32が設けられる面と、グランドライン34が設けられる面とは互いに異なると共に、互いに平行となっている。このように、回路基板35の上面35a及び下面35bの2つの面に、コイルセンサ31、温度センサ32、配線ユニット33、及びグランドライン34が設けられている。これにより、センサ部30の厚さ(Z方向の厚さ)を薄くすることができる。
センサ部30は、例えば、プリント基板を用いて構成されていてもよい。具体的には、例えば、コイルセンサ31、配線ユニット33、及びグランドライン34は回路パターンであってもよい。温度センサ32とグランドライン34とを接続するZ方向の配線(図4の配線S2)はビアであってもよい。温度センサ32は、回路パターンに設けられたランドにはんだ付けで固定及び電気的に接続されていてもよい。
次に、図6の回路図を用いて、センサ部30及び検知部40の詳細について説明する。なお、図6は、一つのコイルセンサ31及び温度センサ32に対する検知回路Sを示している。他のコイルセンサ31及び温度センサ32に対する検知回路Sは、図6に示される検知回路Sと同じであり、図示を省略する。
検知部40は、複数の検知回路S、及び停止指示部45を備えている。検知回路Sは、第1検知部41、第2検知部42、周波数フィルタ43、及びバイアス回路44を備えている。第1検知部41は、検知部40内の配線を介して配線ユニット33に接続され、周波数フィルタ43を介して入力されたコイルセンサ31の両端間の電圧に基づいて金属異物Mの有無を検知する。第2検知部42は、検知部40内の配線を介して配線ユニット33に接続され、温度センサ32の両端間の電圧に基づいて金属異物Mの有無を検知する。
ここで、温度センサ32の一端が配線ユニット33に接続されている。このため、コイルセンサ31及び温度センサ32の出力信号は、配線ユニット33を介して検知部40に入力される。すなわち、一つのコイルセンサ31の出力信号に、コイルセンサ31に接続された温度センサ32の出力信号が重畳されている。周波数フィルタ43は、重畳された2つの出力信号(センサ部30の出力信号)を分離する。
コイルセンサ31に鎖交する給電磁場(交流磁場)の周波数は、kHz~MHzオーダーであり、コイルセンサ31の出力信号の周波数は、kHz~MHzオーダーとなる。一方、給電磁場によって発熱する金属異物Mの温度変化は秒オーダーであり、温度センサ32の出力信号の周波数は、Hzオーダーとなる。このように、コイルセンサ31の出力信号の周波数と温度センサ32の出力信号の周波数とは互いに大きく異なっている。周波数フィルタ43は、周波数の違いによって、2つの出力信号を分離できる。ここでは、周波数フィルタ43は、直流・低周波成分と、高周波成分とを分離する。直流・低周波成分は、温度センサ32の出力信号である。高周波成分は、コイルセンサ31の出力信号である。
検知部40に接続されるセンサ配線33a及びセンサ配線33bの端部は、検知部40内に設けられた配線L1及びL2の一方の端部にそれぞれ接続されている。配線L1及びL2の他方の端部は、第1検知部41に接続されている。周波数フィルタ43は、配線L1及びL2の途中に設けられている。周波数フィルタ43は、本実施形態においては、キャパシタC1及びC2を用いてDC成分のカットを行うフィルタである。ここでは、キャパシタC1は配線L1に設けられ、キャパシタC2は配線L2に設けられている。周波数フィルタ43は、重畳されている温度センサ32の出力信号を分離し、コイルセンサ31の出力信号のみを通過させるため、例えば、10~100Hz以上の周波数の信号のみを通過させる構成であってもよい。但し、2つの出力信号を分離できれば、周波数フィルタ43の種類は限定されない。例えば、周波数フィルタ43は、RCフィルタであってもよい。
バイアス回路44は、検知部40内の配線L2において、周波数フィルタ43よりもセンサ部30側の位置に接続されている。ここでは、バイアス回路44は、配線L1及びL2のうち、温度センサ32が接続されている位置に近い側の配線L2に接続される。バイアス回路44は、グランドライン34に対して所定の電位差を有するバイアス電圧を、配線L2、配線ユニット33(センサ配線33b)、及びコイルセンサ31を介して温度センサ32に印加する。
バイアス回路44は、抵抗器R1、及び抵抗器R2を備えている。抵抗器R2の一方の端部は、配線L2に接続されている。抵抗器R2の他方の端部は、グランドとなる部分(本実施形態では地面に接地された配線)に接続されている。抵抗器R1の一方の端部は配線L2に接続されている。抵抗器R1の他方の端部には、電源が接続される。
コイルセンサ31の出力信号に重畳されるバイアス電圧は、電源側に接続される抵抗器R1の抵抗値と、グランド側に接続される抵抗器R2の抵抗値とのバランスによって決定される。温度センサ32はグランド側に接続される。このため、温度変化によって温度センサ32の抵抗値が変化すると、グランド側の抵抗値が変化することとなり、結果、バイアス電圧が変化する。
ここで、温度センサ32に印加されるバイアス電圧は直流であり、周波数フィルタ43を通過しない。このため、検知回路Sは、バイアス電圧の影響を受けることなく、コイルセンサ31の出力信号を、配線L1及びL2と、周波数フィルタ43とを介して第1検知部41に入力することができる。
検知部40内には、配線L2と第2検知部42とを接続する配線L3及びL4が設けられている。配線L3の一方の端部は、配線L2において、周波数フィルタ43よりもセンサ部30側の位置に接続されている。配線L3の他方の端部は、第2検知部42に接続されている。配線L4の一方の端部は、配線L2において、周波数フィルタ43よりも第1検知部41側の位置に接続されている。配線L4の他方の端部は、第2検知部42に接続されている。
第1検知部41には、周波数フィルタ43を介して、コイルセンサ31の出力信号(コイルセンサ31の両端間の電圧)が入力される。第1検知部41は、カバー22上に金属異物Mが存在しない状態で入力されたコイルセンサ31の出力信号(以下「正常時の出力信号」という)と、今回入力されたコイルセンサ31の出力信号とに基づいて、金属異物Mの有無を検知する。
具体的には、第1検知部41は、差動回路41a、A/D変換器41b、及び第1演算部41cを備えている。差動回路41aには、周波数フィルタ43を介してコイルセンサ31の出力信号(両端間の電圧)が入力される。差動回路41aにおいて出力信号の差分処理が行われる。そして、差分処理を行った値に対してシングルエンド変換が行われ、A/D変換器(アナログ/デジタル変換器)41bに入力される。A/D変換器41bは、入力された値をデジタル信号に変換し、変換した値を第1演算部41cに入力する。なお、以下では、コイルセンサ31の出力信号に対して、上述したデジタル信号への変換処理が行われた後の値を、「コイルセンサ31のセンサ値」という。
第1演算部41cは、物理的には、CPU(Central Processing Unit)46によって構成される。第1演算部41cは、金属異物Mが存在しない状態における正常時の出力信号に対して上述した差分処理等が行われた値を、正常時のセンサ値として予め記憶している。第1演算部41cは、予め記憶している正常時のセンサ値と、今回入力されたセンサ値との差分が、予め定めらされた閾値以上である場合、金属異物Mが存在すると判定する。
第2検知部42は、既知である温度センサ32の抵抗値と温度との関係に基づいて、温度センサ32の出力信号を温度に変換する。第2検知部42は、変換した温度が予め定められた閾値以上である場合に、カバー22上に金属異物Mが存在すると判定する。
具体的には、第2検知部42は、差動回路42a、A/D変換器42b、第2演算部42c、及びコンデンサC3を備えている。差動回路42aには、配線L3及び配線L4の信号が入力される。差動回路42aには、配線L3を介して、コイルセンサ31の出力信号と温度センサ32の出力信号とが重畳された信号が入力される。配線L4には、周波数フィルタ43を通過した信号が入力される。上述したように、バイアス電圧は直流であり、周波数フィルタ43を通過しない。このため、配線L4には、コイルセンサ31の出力信号のみが入力される。従って、差動回路42aは、配線L3及びL4を介して入力された信号の差分処理を行うことにより、温度センサ32の出力信号(温度に対応した電圧)のみを出力することができる。そして、差分処理を行うことで得られた温度センサ32の出力信号に対してシングルエンド変換が行われ、コンデンサC3によって平滑化されて、A/D変換器42bに入力される。A/D変換器42bは、入力された値をデジタル信号に変換し、第2演算部42cに入力する。以下では、温度センサ32の出力信号に対して、上述したデジタル信号への変換処理が行われた後の値を、「温度センサ32のセンサ値」という。
第2演算部42cは、物理的には、CPU46によって構成される。第2演算部42cは、入力された温度センサ32のセンサ値を、上述したように既知である温度センサ32の抵抗値と温度との関係に基づいて温度に変換する。第2演算部42cは、得られた温度(温度センサ32によって検出された温度)が、予め定められた温度閾値以上である場合、金属異物Mが存在すると判定する。なお、第2検知部42は、コンデンサC3での平滑化の代わりに、CPU46内で実効値算出処理を実行してもよい。
停止指示部45は、物理的には、CPU46によって構成される。停止指示部45は、複数の検知回路Sのそれぞれに設けられた第1検知部41及び第2検知部42のいずれかによって、金属異物Mが存在すると判定された場合、送電コイルCL2による送電(給電磁場の発生)を停止させるための停止指示を行う。例えば、停止指示部45は、送電コイルCL2に交流電力を供給する高周波電源に対して、有線通信を介して停止指示を行い、高周波電源による交流電力の供給を停止させてもよい。高周波電源による交流電力の供給が停止されることによって送電コイルCL2における給電磁場の発生が停止される。
次に、検知部40において行われる金属異物Mの検知処理の流れについて、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図7に示される処理は、予め定められた周期で繰り返し実行される。
図7に示されるように、CPU46は、配線ユニット33を介して入力されたコイルセンサ31及び温度センサ32の出力信号に対して上述した差分処理等が行われたコイルセンサ31及び温度センサ32のセンサ値を取り込む(S101)。具体的には、第1演算部41cは、配線ユニット33を介して入力されたコイルセンサ31の出力信号に対して上述した差分処理等が行われたコイルセンサ31のセンサ値を取り込む。同様に、第2演算部42cは、配線ユニット33を介して入力された温度センサ32の出力信号に対して上述した差分処理等が行われた温度センサ32のセンサ値を取り込む。
次に、第1演算部41cは、予め記憶しているコイルセンサ31の正常時のセンサ値と、今回入力されたコイルセンサ31のセンサ値との差分に基づいて金属異物Mの有無を判定する(S102)。また、第2演算部42cは、入力された温度センサ32のセンサ値を温度に変換し、得られた温度が予め定められた温度閾値以上であるか否かに基づいて、金属異物Mの有無を判定する(S103)。なお、S102及びS103の処理は、S103の処理が行われた後にS102の処理が行われてもよく、S102の処理とS103の処理とが同時に行われてもよい。
停止指示部45は、第1演算部41c及び第2演算部42cの判定結果に基づいて、カバー22上に金属異物Mが存在するか否かを判定する(S104)。ここでは、停止指示部45は、第1演算部41c及び第2演算部42cの少なくともいずれかによって金属異物Mが存在すると判定されている場合、カバー22上に金属異物Mが存在すると判定する。金属異物Mが存在する場合(S104:YES)、停止指示部45は、送電コイルCL2による送電を停止させるための停止指示を行う(S105)。これにより、送電コイルCL2からの送電が停止する。停止指示の後、検知部40は、予め定められた時間の経過後に再びS101から処理を開始する。一方、金属異物Mが存在しない場合(S104:NO)、検知部40は、今回の処理を終了し、予め定められた時間の経過後に再びS101から処理を開始する。
以上のように、コイル装置10では、温度センサ32の一方の端部がコイルセンサ31に接続されている。第2検知部42は、コイルセンサ31に接続された配線ユニット33に接続されている。すなわち、第2検知部42は、コイルセンサ31及び配線ユニット33を介してコイルセンサ31の出力信号を取得できる。このように、このコイル装置10では、コイルセンサ31及び配線ユニット33を、温度センサ32と検知部40との間の信号線としても機能させることができる。これにより、温度センサ32と検知部40との間において、温度センサ32の出力信号を取得するための専用の信号線を削減できる。従って、このコイル装置10によれば、小型化を図ることができる。
第1検知部41は、周波数フィルタ43を介して入力されたコイルセンサ31の出力信号(コイルセンサ31の両端間の電圧)に基づいて、金属異物Mの有無を検知する。この場合、第1検知部41は、コイルセンサ31の両端間の所望の周波数の電圧変動に基づいて金属異物Mの有無を検知できる。すなわち、コイル装置10は、第1検知部41によって検知したい周波数の電圧変動のみを第1検知部41に入力することができ、温度センサ32の出力信号等が第1検知部41に影響を及ぼすことを抑制できる。これにより、コイル装置10は、第1検知部41によって金属異物Mの有無をより精度よく検知できる。
コイル装置10は、配線L2に接続されたバイアス回路44を備えている。この場合、コイル装置10は、配線ユニット33(センサ配線33b)及びコイルセンサ31を介して、バイアス回路44から温度センサ32へバイアス電圧を印加できる。
温度センサ32は、カバー22の下面に当接している。この場合、温度センサ32は、カバー22上の金属異物Mの発熱を、カバー22を介して効率よく検知できる。
センサ部30は、コイルセンサ31を複数備え、温度センサ32を複数備えている。この場合、コイル装置10は、金属異物Mの有無を、複数のコイルセンサ31及び複数の温度センサ32を用いてより確実に検知できる。
コイルセンサ31、配線ユニット33、及び温度センサ32は、回路基板35における上面35a(カバー22側の面)に設けられ、グランドライン34は、回路基板35における下面35b(送電コイルCL2側の面)に設けられている。この場合、コイル装置10は、回路基板35の両面に、コイルセンサ31及び温度センサ32と、グランドライン34とをそれぞれ設けることができる。これにより、コイル装置10は、上下方向(カバー22と送電コイルCL2との対向方向)に沿って見たときのセンサ部30の大きさを小型化することができる。
グランドライン34は、上下方向において、コイルセンサ31及び配線ユニット33と対向する位置にのみ設けられている。この場合、コイル装置10は、グランドライン34が送電コイルCL2による送電に影響を与えることを抑制できる。
次に、センサ部の変形例について説明する。本変形例におけるセンサ部は、上記実施形態におけるセンサ部30に対し、カバー22上の金属異物Mの熱を効率よく温度センサ32に伝達させる構成を有している。具体的には、図8に示されるように変形例におけるセンサ部30Aは、上述したセンサ部30の構成要素に加え、複数の熱伝導体36を更に備えている。図9に示されるように、熱伝導体36は、カバー22の下面(送電コイルCL2側の面)に当接している。
熱伝導体36は、カバー22よりも熱伝導率が高い材料によって構成されている。熱伝導体36は、板状を呈している。例えば、熱伝導体36は、カバー22よりも熱伝導率が高い樹脂板であってもよい。熱伝導体36の下面は、温度センサ32の上面に当接している。一つの熱伝導体36は、上下方向に沿って見たときに、一つの温度センサ32がカバー22の上面において金属異物Mの検出対象とする領域を覆うように設けられている。
熱伝導体36が設けられていることにより、金属異物Mで発生した熱は、カバー22の厚さ方向(上下方向)に伝わった後、熱伝導体36によって水平方向に伝わり、温度センサ32によって温度上昇が検出される。このように、センサ部30Aは、カバー22の熱伝導率が低い場合であっても、金属異物Mで発生した熱を熱伝導体36を介して効率よく温度センサ32まで伝達できる。これにより、センサ部30Aは、金属異物Mと温度センサ32との距離が離れていても、温度センサ32によって金属異物Mを効率よく検知できる。また、熱伝導体36が温度センサ32の検出領域ごとに設けられていることにより、金属異物Mで発生した熱が複数の熱伝導体36の全体に拡散することを抑制し、金属異物Mに近い温度センサ32によって温度上昇を早期に検出することができる。
熱伝導体36は、その上面がカバー22によって覆われており、雨及び太陽光に晒されることが無く、移動体Vのタイヤによって踏まれることもない。このため、熱伝導体36の材料として、耐環境性能及び機械的強度が高い材料を用いる必要が無い。
また、熱伝導体36は、熱伝導率の高い可塑性の樹脂によって形成されていてもよい。可塑性の樹脂を用いることにより、熱伝導体36と温度センサ32との接触を良好とし、熱伝導体36から温度センサ32への熱伝導性を向上させてもよい。熱伝導体36は弾性が低い材料によって形成されていてもよい。弾性が低い材料を用いることにより、熱伝導体36と温度センサ32との接触性を高めて、熱伝導性を向上させてもよい。
以上、本発明の実施形態及びセンサ部の変形例について説明したが、本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、回路基板35は両面に素子が配置される両面基板であったが、回路基板35として、両面基板よりも層数の多いプリント基板が用いられてもよい。この場合、センサ部30は、回路基板35において配線等を上下方向に重ねて配置できるため、水平方向における小型化を図ることができる。特に、一つのコイルセンサ31の一端に接続されたセンサ配線33aと他端に接続されたセンサ配線33bとを上下方向に重ねることにより、送電コイルCL2からの給電磁場が鎖交する面積が小さくなる。これにより、コイルセンサ31の出力信号に対するノイズを小さくすることができ、コイルセンサ31によって金属異物Mを精度よく検出できる。
上記実施形態では、図2に示されるように、検知部40がセンサ部30の横に設けられているが、検知部40の設置位置はこれに限定されない。例えば、検知部40は、送電コイルCL2の下に設けられていてもよい。また、検知部40は、本体部21の外に設けられていてもよい。
上記実施形態では、一つのコイルセンサ31に対して、一つの温度センサ32を設けたが、温度センサ32を設ける数はこれに限定されない。一つのコイルセンサ31に対して複数の温度センサ32(例えば、NTCサーミスタ)が設けられていてもよい。この場合、複数の温度センサ32は、コイルセンサ31とグランドライン34との間に並列に接続されていてもよい。これにより、一つの温度センサ32の温度が上昇すると並列の抵抗値が減少し、図6に示される回路において第2検知部42によって温度上昇が検出されて、金属異物Mの検知を行うことができる。
上記実施形態において、温度センサ32の一端がコイルセンサ31に接続されていたが、温度センサ32の一端は配線ユニット33を構成するセンサ配線33a及びセンサ配線33bのいずれか一方に接続されていてもよい。
また、移動体V側から地上側に送電されてもよい。具体的には、移動体Vに搭載された送電装置から地上に設置された受電装置に非接触で送電されてもよい。この場合であっても、コイル装置10は、移動体Vに搭載された送電装置及び地上に設置された受電装置のいずれに用いられてもよく、両方に用いられてもよい。
10 コイル装置
22 カバー
30、30A センサ部
31 コイルセンサ
32 温度センサ
33 配線ユニット
33a,33b センサ配線
34 グランドライン
35 回路基板
36 熱伝導体
40 検知部
41 第1検知部
42 第2検知部
43 周波数フィルタ
44 バイアス回路
CL1 受電コイル(相手側コイル)
CL2 送電コイル(コイル)
M 金属異物

Claims (8)

  1. 相手側コイルとの間で送電又は受電するコイルと、
    前記コイルを覆うカバーと、
    前記コイルと前記カバーとの間に配置されたセンサ部と、
    前記センサ部の出力信号に基づいて金属異物を検知する検知部と、
    を備え、
    前記センサ部は、
    磁場の変動を検知するコイルセンサと、
    前記コイルセンサの両端にそれぞれ接続された一対のセンサ配線を有し、前記コイルセンサを前記検知部に接続するための配線ユニットと、
    一方の端部が前記コイルセンサ又は前記配線ユニットに接続されると共に他方の端部がグランドラインに接続され、温度変化に伴って抵抗値が変化する温度センサと、
    を有し、
    前記検知部は、
    前記配線ユニットに接続され、前記コイルセンサの両端間の電圧に基づいて前記金属異物の有無を検知する第1検知部と、
    前記配線ユニットに接続され、前記温度センサの両端間の電圧に基づいて前記金属異物の有無を検知する第2検知部と、
    を有する、コイル装置。
  2. 前記検知部は、前記センサ部の出力信号を分離する周波数フィルタを更に備え、
    前記第1検知部は、前記周波数フィルタを介して入力された前記コイルセンサの両端間の電圧に基づいて前記金属異物の有無を検知する、請求項1に記載のコイル装置。
  3. 前記グランドラインに対して所定の電位差を有するバイアス電圧を、前記配線ユニットを介して前記温度センサに印加するバイアス回路を更に含む、請求項1又は2に記載のコイル装置。
  4. 前記温度センサは、前記カバーにおける前記コイル側の面に当接している、請求項1~3のいずれか一項に記載のコイル装置。
  5. 前記カバーにおける前記コイル側の面に当接する熱伝導体を更に備え、
    前記熱伝導体は前記カバーよりも熱伝導率が高く、
    前記温度センサは、前記熱伝導体に当接している、請求項1~3のいずれか一項に記載のコイル装置。
  6. 前記センサ部は、複数の前記コイルセンサと、複数の前記配線ユニットと、複数の前記温度センサとを有し、
    前記複数の配線ユニットのそれぞれは、前記複数のコイルセンサのそれぞれに対して設けられ、
    前記複数の温度センサのそれぞれの前記一方の端部は、複数の前記コイルセンサのそれぞれ又は前記複数の配線ユニットのそれぞれに接続されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のコイル装置。
  7. 前記センサ部は、回路基板を更に備え、
    前記コイルセンサ、前記配線ユニット、及び前記温度センサは、前記回路基板における前記カバー側の面に設けられ、
    前記グランドラインは、前記回路基板における前記コイル側の面に設けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載のコイル装置。
  8. 前記グランドラインは、前記コイルと前記相手側コイルとの対向方向において、前記コイルセンサ及び前記配線ユニットと対向する位置にのみ設けられている、請求項7に記載のコイル装置。
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