JP2022006435A - 混雑推定システムおよび混雑推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空間内に設けるセンサ数を抑制しつつ、高精度に混雑状況を推定できる混雑推定システムおよび混雑推定方法を開示する。【解決手段】混雑推定システムは、移動体(例えば、人)を輸送する輸送機関(例えば、鉄道列車)が発着する空間(例えば、駅)における混雑状態を推定し、輸送機関と空間との間における移動体の移動に関する所定量を含む予測情報を保存する記録部(300)と、予測情報に基づいて移動体の空間における移動をシミュレーションするシミュレーション部(204)と、空間における所定箇所において移動体の移動に関する所定情報を計測する計測部(205)と、計測部によって計測される所定情報の計測値と、シミュレーションに基づいて推定される所定情報の推定値との比較に基づいて、シミュレーションにおいて用いられる、予測情報に関連するパラメータを更新する補正部(207)と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、駅などの空間における人の流動や混雑状況を推定する混雑推定システムおよび混雑推定方法に関する。
鉄道駅などでは、通勤時間帯などの日常的な混雑の発生に加えて、鉄道の輸送障害や周辺で開催されるイベントの影響を受けてしばしば混雑が増大する。混雑の増大によって、乗降時間による列車発車遅延や、ホームにおける過密状態が発生し得る。遅延や過密状態を防ぐために、空間内の混雑状況をリアルタイムに把握または予測し、適切な対処を行うことが要求されている。
空間内にカメラなどのセンサを多数設ければ、空間内の人の移動状況を検知できる。しかし、多数のセンサの検知データを統合することは容易ではない。また、システムのコストが増大する。
これに対し、シミュレーションを用いて人の移動状況を推定する技術が知られている。
例えば、特許文献1に記載の技術では、空間の出入口を通過する人数を計測した断面交通量を用いて、出入口間のOD(Origin Destination)通行量(歩行者の起点(出発地)と終点(目的地)の間の通行量)を推定する。さらに、OD通行量に基づき歩行者の移動をシミュレーションすることで、空間内の混雑状況をリアルタイムに把握する。
また、特許文献2に記載の技術では、自動改札機で収集されたデータから、駅間の移動人数や各車両の乗降車人数を算出する。
特開2016-200973号公報 特開2008-62729号公報
特許文献1の技術では、出入口毎に断面交通量を計測する必要があり、出入口の総数分のセンサ数を要する。また、列車のような輸送機関の発着時における利用者の乗降に伴う、空間内の人の増減については考慮されていない。
また、特許文献2の技術では、自動改札機のデータを用いているため、乗降人数や乗降タイミングを精度よく推定することが難しい。
そこで、本発明は、空間内に設けるセンサ数を抑制しつつ、高精度に混雑状況を推定できる混雑推定システムおよび混雑推定方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明による混雑推定システムは、移動体を輸送する輸送機関が発着する空間における移動体の混雑状態を推定するものであって、輸送機関と空間との間における移動体の移動に関する所定量を含む予測情報を保存する記録部と、予測情報に基づいて、移動体の空間における移動をシミュレーションにより推定するシミュレーション部と、空間における所定箇所において移動体の移動に関する所定情報を計測する計測部と、計測部によって計測される所定情報の計測値と、シミュレーションに基づいて推定される所定情報の推定値との比較に基づいて、シミュレーションにおいて用いられる、予測情報に関連するパラメータを更新する補正部と、を有する。
また、上記課題を解決するために、本発明による混雑推定方法は、移動体を輸送する輸送機関が発着する空間における移動体の混雑状態を推定する方法であって、輸送機関と空間との間における移動体の移動に関する所定量を含む予測情報に基づいて、移動体の空間における移動をシミュレーションし、空間における所定箇所において移動体の移動に関する所定情報を計測し、所定情報の計測値と、シミュレーションに基づいて推定される所定情報の推定値との比較に基づいて、シミュレーションにおいて用いられる、予測情報に関連するパラメータを更新する。
本発明によれば、空間内に設けるセンサ数を抑制しつつ、高精度に混雑状況を推定できる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
一実施例である混雑推定システムの構成を示すシステム構成図である。 実施例の混雑推定システムの機能構成を示すブロック図である。 空間構造データ301(図2)の一例を示すデータ構成図である。 予測列車降車人数データ302(図2)の一例を示すデータ構成図である。 降車車両分布データ303(図2)の一例を示すデータ構成図である。 断面交通量データ304(図2)の一例を示すデータ構成図である。 ODデータ305(図2)の一例を示すデータ構成図である。 実施例の混雑推定システムが実行する処理の概要を示すフローチャートである。 実施例における列車発着検知処理の詳細を示すフローチャートである。 実施例におけるパラメータ調整処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態である混雑推定システムについて図面を用いて説明する。なお、各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
本実施形態において、混雑状態を推定する対象は、鉄道駅である。すなわち、本実施形態において、輸送機関は鉄道であり、移動体としての人の混雑が生じる空間は駅である。
また、本実施形態において、移動シミュレーションに用いられる、輸送機関と空間との間における移動体の移動に関する所定量(例えば、移動体の移動量)を含む予測情報は、列車から駅内(例えば、プラットホーム)への降車人数を含む予測データである(後述の図4参照)。
また、本実施形態において、パラメータの更新に用いられる、空間における所定箇所における移動体の移動に関する所定情報は、駅内における所定箇所(例えば、プラットホームからコンコースへの出口(階段))における断面交通量である。
<システムの構成>
図1は、本発明の一実施例である混雑推定システムの構成を示すシステム構成図である。
本実施例の混雑推定システムは、鉄道駅のプラットホーム102内部の人の流れ(移動状況)を推定するシステムである。
図1に示すように、混雑推定システムは、輸送機器である列車101の到着あるいは出発を検知する列車検知センサ111、通路において方向別に歩行者を検知して通行人数を計測する人流計測センサ112、演算装置と制御装置と記録装置と入出装置を有するサーバとして機能するサーバコンピュータ131やクライアントとして機能するクライアントコンピュータ132、これらの構成要素間の通信を可能にする通信ネットワーク装置141によって構成される。
各装置の台数は、適宜、単数または複数適用される。例えば、クライアントコンピュータ132は、複数のシステムユーザーの各々が所有してもよく、この場合、混雑推定システムは、複数台のユーザーは複数のクライアントコンピュータ132を備える。
図2は、本実施例の混雑推定システムの機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施例の混雑推定システムは、列車発着検知部201、列車発着時刻補正部202、降車客OD生成部203(OD:Origin Destination)、歩行者シミュレーション部204、断面交通量計測部205、断面交通量評価部206、パラメータ調整部207、入出力部208、通信部209、記録部300で構成される。これらの機能構成部は、データバス210を介して、互いにデータを送受する。
なお、本実施例では、サーバコンピュータ131もしくはクライアントコンピュータが、所定のプログラムを実行することによって、これらの機能部として動作する。
また、記録部300(図2)は、混雑推定システムにおいて利用されるデータとして、空間構造データ301、予測列車降車人数データ302、降車車両分布データ303、断面交通量データ304、ODデータ305および人数補正係数データ306を、データベースとして保存したり、一時的に保存したりする。
<システムの機能>
次に、図2を用いて、本実施例の混雑推定システムの各機能部について説明する。
列車発着検知部201は、列車検知センサ111(図1)を用いてプラットホーム102(図1)に到着する列車の到着時刻および出発時刻を検知して出力する。列車検知センサ111は、例えば、プラットホーム102上に設置された監視カメラと、監視カメラ内部あるいは外部に接続されたコンピュータとから構成され、画像処理を用いて列車101(図1)を検知する。
なお、列車発着検知部201は、列車検知センサを用いる替わりに、列車運行管理システムから列車の発着時刻を取得してもよい。
列車発着時刻補正部202は、列車発着検知部201で検知した列車を特定し、予測列車降車人数データ302あるいはODデータ305の該当する列車に対応するデータの内、発着時刻に対応するデータを修正する。
降車客OD生成部203は、空間構造データ301と、予測列車降車人数データ302と、降車車両分布データ303とを入力として、到着列車の各車両あるいは各ドアから目的地となり得る地点までの人の移動量の内訳を推定し、移動の出発地(Origin)に対する目的地(Destination)毎の交通量を集計したODデータ305を作成して出力する。
歩行者シミュレーション部204は、空間構造を構造化して記録した空間構造データ301と、ODデータ305とを入力として、歩行者を模擬したエージェントを空間内で動かすことで、空間内の人の流れおよび混雑状況を推定する。また、歩行者シミュレーション部204は、推定された人の流れから、空間構造データ301内の任意の場所の断面交通量を集計し、推定値である断面交通量データ304を出力する。
なお、駅などの空間内における人の動きをシミュレーションする技術としては、いわゆるセルオートマトンなどの公知技術が適用される。ここで、空間内における人の移動は、周囲の状態、例えば、その人の行先、他人や障害物(建築構造物や設置物など)の有無によって異なり、公知技術においては、ある時点における周囲の状況に応じて、人が、ある時点から次の時点でどこへ(例えば、どの方向へ)動くかを予め設定しておくことによって、所定の空間内での人の移動が予測される。なお、空間内への人の流入や空間外への人の流出がある場合、シミュレーションにおいては、出入口など空間内の所定箇所において、人を発生および消滅させる。
断面交通量計測部205は、人流計測センサ112(図1)を用いて指定の範囲を通過する歩行者の断面交通量を計測し、計測値である断面交通量データ304を記録部300に保存する。人流計測センサ112は、例えば、監視カメラと、監視カメラ内部あるいは外部に接続されたコンピュータとから構成され、画像処理を用いて歩行者を検知する。
なお、人流計測センサ112として、レーダ、赤外線センサ、超音波センサなど適用して、移動体である歩行者の通過を検知して断面交通量を計測してもよい。
断面交通量評価部206は、計測値および推定値である断面交通量データ304を入力として、断面交通量の計測値と断面交通量の推定値の差分を計算する。
パラメータ調整部207は、断面交通量評価部206が算出する、断面交通量の計測値と断面交通量の推定値の差分に応じて、降車客OD生成部203がODデータ305を作成するときに利用するパラメータを修正する。
入出力部208は、コンピュータが有するディスプレイなどの表示装置に歩行者シミュレーション部204が計算した人の流れおよび混雑状況を可視化して出力する。また、入出力部208は、ユーザーの操作に応じて、シミュレーション条件の変更や表示する内容の切り替えを行う。
なお、入出力部208は、ディスプレイなどの表示装置、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、カメラなどの入力装置などのハードウェアと、入出力を制御するソフトウェアとから構成される。
通信部209は、各機能間のデータ通信を制御する。通信部209は、ネットワーク装置などのハードウェアと、通信制御用ソフトウェアとから構成される。
記録部300は、混雑推定システム100が使用するデータを、データベースとして蓄積したり、一時的に保存するデータとして記録したりする。また、記録部300は、データの検索および読み出し機能を有する。
なお、記録部300は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ、HDDなどの記憶デバイス(ハードウェア)と、データ制御(記録、検索、読み出し)用ソフトウェアとから構成される。
<システム用データ>
次に、本実施例の混雑推定システムが使用するデータについて、図3~7を用いて説明する。なお、図3~7に示すテーブルデータは、一例にすぎず、データベースの正規化をして、図示とは異なるテーブル構成でもよい。
図3は、空間構造データ301(図2)の一例を示すデータ構成図である。
空間構造データ301は、混雑推定を行う空間(本実施例では鉄道駅)の構造を、歩行者シミュレーション部204(図2)に入力できるように構造化したデータである。図3の例では、二つのプラットホームと、コンコースとが、格子状に分割され、各格子に属性が設定されている。本実施例において、各格子に設定される基本的な属性は、通路、壁、階段、改札機、出入口・乗車位置である。
通路は、通行できる格子を表す。また、壁は通行できない格子を表す。
階段は、異なるフロア間を接続する格子を表す。
改札機は、指定された方向にのみ通行可能な格子を表す。
出入口・乗車位置は、空間に歩行者エージェントが流出入する格子を表す。なお、出入口・乗車位置は、これを後述するODデータ(図7)における出発地および目的地と関連付けるための情報(例えば、IDや名称)を有する。
なお、空間構造データ301は、空間を構造化したデータであればよく、格子に分割せず、互いに関連付けられている、属性を有するオブジェクトとポリゴン(多角形)などの形状データとから構成されてもよい。
図4は、予測列車降車人数データ302(図2)の一例を示すデータ構成図である。
予測列車降車人数データ302は、列車毎の到着時刻および降車人数の予測データであり、列車ID(ID:Identification)、列車属性である列車区分と列車編成および終着駅、到着番線、到着時刻、出発時刻、目的地毎の降車人数を記録している。
列車IDは、列車を特定する文字列である。
列車区分は、列車の運行上の区分であり、例えば、特急、急行、快速、各駅停車などの名称である。また、列車編成は、列車の編成を特定する文字列であり、車両の型式や車両数(図4)などを示す。終着駅は、列車の最終目的地となる終着駅を特定する文字列である。
到着番線は、駅において列車が入線する番線である。
到着時刻は、列車が駅へ到着する予測時刻である。また、出発時刻は、列車が駅から出発する予測時刻である。
目的地毎の降車人数は、目的地毎に予測される駅での降車人数である。
予測列車降車人数データ302は、公知の列車降車人数予測手段(例えば、前述の特許文献2参照)により予測され、逐次、記録部300に記録される。
なお、到着番線と同一の番線を目的地とする人の移動は、同一番線に停車する異なる属性の列車への乗り換えを行うための移動を表す。
図5は、降車車両分布データ303(図2)の一例を示すデータ構成図である。
降車車両分布データ303は、駅に到着した列車から降車する歩行者の分布を示すデータであり、複数車両の各々からの降車客の割合を示す。降車車両分布データ303は、列車属性である列車種別(図4における「列車区分」に相当)と列車編成および終着駅、並びに降車客分布を記録している。
列車属性については、前述の予測列車降車人数データ302と同様である。
降車客分布は、列車からの予測降車総人数の内、各車両(図5)あるいは各ドアからの降車人数の割合である。なお、本実施例では、降車人数の割合を「%」で表している。
図6は、断面交通量データ304(図2)の一例を示すデータ構成図である。
断面交通量データ304は、空間における特定の位置を移動する歩行者の人数であり、計測値と、シミュレーションによる推定値とを含む。なお、断面交通量データ304は、時刻、方向、通行量を記録している。
時刻は、通行量を計測および推定した時刻を特定する文字列である。例えば、一定時間間隔で周期的に通行量を計測およびして記録する場合(図6)、各時間間隔の開始時刻が記録される。また、時間間隔が変化する場合、各時間間隔の開始時刻および終了時刻が記録される。
方向は、歩行者の通行方向を特定する文字列である。例えば、階段を上る方向と階段を下る方向を特定する文字列、出入口を入る方向と出る方向を特定できる文字列を記録する。本実施例では、方向を特定する文字列は「0」および「1」であり、例えば、上る方向および下る方向を、それぞれ「0」および「1」で示す。
通行量は、一時間間隔において、ある方向に移動した歩行者の人数である。
断面交通量データ304は、断面交通量計測部205(図2)および歩行者シミュレーション部204(図2)による集計値が、それぞれ計測値および推定値として記録部300に記録される。さらに、断面交通量データ304は、通行量を集計する場所が特定できるように、集計場所ごとに記録部300に記録される。
図7は、ODデータ305(図2)の一例を示すデータ構成図である。
ODデータ305は、出発地と目的地間を移動する歩行者の予測人数を示し、開始時刻、終了時刻、種別、出発地、目的地毎の交通量を記録している。
開始時刻は、データが集計される期間の開始時刻を示す。
終了時刻は、データが集計される期間の終了時刻を示す。
種別は、開始時刻から終了時刻までに交通量として記録された移動人数が移動する分布を特定する情報が記録される。例えば、種別が通常の場合、開始時刻から終了時刻までの間にランダムに歩行者の移動が発生する。また、種別が列車の場合、開始時刻以降に、列車から、降車可能な最大スループットで歩行者の移動が発生する。
列車の場合、開始時刻および終了時刻は、それぞれドア(車両ドアまたはホームドア)が開かれる時刻およびドアが閉じられる時刻に設定できる。この場合、開始時刻すなわちドアが開かれる時刻は、あらかじめ設定されるパラメータであるドア開必要時間を列車到着時刻に加算して算出される。また、終了時刻すなわちドアが閉じられる時刻は、あらかじめ設定するパラメータであるドア閉必要時間を列車出発時間から減算して算出される。
出発地は、移動の出発地となる場所を特定する情報である。例えば、場所の名称を特定できる文字列が記録される。
目的地毎の交通量は、目的地毎に出発地から移動する予測人数を記録する。目的地としては、出発地と同様に、場所を特定できる文字列、例えば場所の名称などが用いられる。
<システムが実行する処理>
次に、本実施例の混雑推定システムが実行する処理について、図8~10を用いて説明する。
図8は、本実施例の混雑推定システムが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
処理ステップ1001において、歩行者シミュレーション部204は、空間構造データ301の読み込みなど、シミュレーションを実行するための前処理を実行する。
次に、処理ステップ1002において、列車発着検知部201は、列車発着検知処理の実行を開始する。なお、後述するように(図9)、列車検知処理においては、列車からの降車客のODデータ305が作成され、記録部300に保存される。
次に、処理ステップ1003において、断面交通量計測部205は、断面交通量計測処理の実行を開始する。そして、断面交通量計測部205は、計測した断面交通量を、計測値である断面交通量データ304として記録部300に保存する。
なお、プラットホームとコンコースとを接続する出入口からプラットホームに流入する断面交通量が検知されたときに、歩行者が乗車する番線や乗車位置に基づいて目的地を設定し、出入口の断面交通量を各目的地に割り振ったODデータ305を作成して記録部300に保存してもよい。これにより、コンコースからプラットホームに流入する歩行者の動きをシミュレーションすることができる。
次に、処理ステップ1004において混雑推定システムは、混雑推定を行う期間を計算周期で離散化して、計算周期毎に、処理ステップ1005~1009を繰り返し実行する。例えば、一日の列車運行時間(営業開始から営業終了までの時間)を計算周期で離散化し、各計算周期をp、計算周期の集合をPとして、すべてのpに対して周期的に処理ステップ1004から処理ステップ1008の処理が順次実行される。
次に、処理ステップ1005において、混雑推定システムは、記録部300から計算周期pに入力すべきODデータ(例えば、計算周期pの計算対象時間内を開始時刻とするODデータ305があるか否かを確認し、入力すべきODデータ305がある場合には、歩行者シミュレーション部204に入力する。
次に、処理ステップ1006において、歩行者シミュレーション部204は、ODデータ305を入力として、歩行者の生成処理、移動処理および削除(消滅)処理を実行する。また、歩行者シミュレーション部204は、シミュレーション上で指定した空間内の場所を通行した人数を、推定値である断面交通量データ304として出力し、記録部300に保存する。推定値である断面交通量データ304は、少なくとも断面交通量データ304実測する実際の場所に相当するシミュレーション上の場所で集計される。
次に、処理ステップ1007において、断面交通量評価部206は、計測値である断面交通量データ304と推定値である断面交通量データ304とを比較する。ここで、断面交通量評価部206は、計測値である断面交通量データ304と推定値である断面交通量データ304の差分を算出する。
次に、処理ステップ1008において、パラメータ調整部207は、処理ステップ1007で算出した差分値に基づいて、推定値が計測値に近づくように、シミュレーションにおけるパラメータとして、少なくとも人数補正係数データ306(図2)を修正する。なお、パラメータ修正処理の詳細については後述する(図10)。
次に、処理ステップ1009において、入出力部208は、処理周期すなわち計算周期pにおける歩行者シミュレーション結果を表示装置に出力する。
例えば、入出力部208は、表示装置の画面上に表示される歩行者エージェントや列車エージェントの位置を、処理周期すなわち計算周期pの歩行者シミュレーションを実行した後の位置に更新する。
また、入出力部208は、表示装置に、断面交通量や特定の範囲の滞在人数、滞在時間、群衆密度、サービス水準などの指標を表示するとともに、表示を更新してもよい。なお、これらの指標は、例えば、空間内の各箇所を指標の大小が区別できるように、異なる色やパターンによってヒートマップのように塗りつぶして表示されたり、グラフとして表示されたりする。
次に、処理ステップ1010において、列車発着検知部201は、列車発着検知処理の実行を終了する。後述するように(図9)、列車発着検知部201は、列車発着検知処理の実行フラグを偽とすることで処理を終了する。なお、他のシステムが列車発着検知部201を共有している場合、列車発着検知部201は処理の実行を継続してもよい。
次に、処理ステップ1011において、断面交通量計測部205は、断面交通量計測処理の実行を終了する。なお、他のシステムが断面交通量計測部205を共有している場合、断面交通量計測部205は処理の実行を継続してもよい。
なお、処理ステップ1007における断面交通量の評価と、処理ステップ1008におけるパラメータの調整とは、本実施例のように計算周期p毎に実行されるほか、複数の計算周期における断面交通量(計測値、推定値)を計測および集計した後、実行されてもよい。例えば、計算周期pを500ミリ秒とすると、断面交通量の評価およびパラメータ調整は、10周期分の断面交通量(計測値、推定値)を計測および集計した後、すなわち5秒間隔で、実行されてもよい。
図9は、本実施例における列車発着検知処理(図8の処理ステップ1002)の詳細を示すフローチャートである。
なお、本実施例における列車発着検知処理は、混雑推定システムが実行する一連の処理に含まれるが、図8に示した処理フローとは独立したスレッドまたはプロセスとして実行される。これにより、リアルタイムに実行される列車発着検知処理に要する即応性が向上する。なお、図9の列車発着検知処理は、図8の処理フローの中で、サブルーチンとして随時呼び出されて実行されてもよい。
図9に示すように、処理ステップ1101において、列車発着検知部201は、列車発着検知部201が保持する変数である実行フラグの真偽を判定する。列車発着検知部201は、実行フラグが真のとき、次に処理ステップ1102を実行し、実行フラグが偽の場合、処理を終了する。なお、列車発着検知処理が開始されたとき実行フラグの初期値は真とする。
処理ステップ1102において、列車発着検知部201は、列車の到着あるいは発車の検知処理を実行する。すなわち、列車発着検知部201は、列車検知センサ111による列車の到着あるいは発射の検知の有無を判定する。列車発着検知部201は、列車の到着あるいは発車が検知されなかった場合、処理ステップ1101に戻り、列車の到着あるいは発車が検知された場合、検知された番線を特定する情報(例えば、センサーのID情報)と、到着と発車のいずれであるかを特定できる情報と、検知した時刻を含む列車検知情報とを出力して、次に処理ステップ1103を実行する。
なお、列車発着検知部201は、列車検知情報を記録部300に保存し、その後、処理ステップ1103以降の処理を、図9の処理フローとは別のスレッドあるいはプロセスで実行してもよい。
また、列車検知センサ111としてカメラが用いられる場合、列車発着検知部201は、あらかじめ撮影された映像から列車属性を識別する列車属性識別器を作成し、列車属性識別器を用いて到着あるいは出発する列車の推定列車属性を列車検知情報に含めて出力してもよい。
この列車属性識別器としては、例えば、列車を撮影した画像データを入力として、列車の編成を特定する値を出力する学習済みの学習モデルが用いられる。また、列車を撮影した画像データを入力として、列車の行先表示部(種別の表示を含む)の範囲を出力する学習済み学習モデルと、文字を撮影した画像データを入力として、文字を出力する学習済みの学習モデルとを用いて、カメラに撮影された列車から行先表示部を特定するとともに、行先表示部の文字認識を行うことで列車の終着駅あるいは種別を識別してもよい。また、特定された行先表示部の画像データを入力として、終着駅あるいは種別を区別できる形や色などの情報を用いて、終着駅や種別を識別してもよい。
処理ステップ1103において、列車発着検知部201は、列車検知情報が入力されたとき、あるいは記録部300に保存される列車検知情報が更新されたときに、この時点で検知された第1の列車検知情報と、同一番線で前の時点において検知された第2の列車検知情報とを用いて、検知された列車の状態が到着および出発のいずれであるかを判定する。
第1の列車検知情報が列車到着であり、かつ第2の列車検知情報が列車出発である場合、列車発着検知部201は、列車到着と判断して、第2の列車検知情報を第1の列車検知情報で置き換え、次に処理ステップ1104を実行する。また、第1の列車検知情報が列車出発であり、かつ第2の列車検知情報が列車到着である場合、列車発着検知部201は、列車出発と判断して、第2の列車検知情報を第1の列車検知情報で置き換え、次に処理ステップ1107を実行する。
第1の列車検知情報と第2の列車検知情報の組み合わせが上記以外の場合、列車発着検知部201は、エラーと判断して、第2の列車検知情報を更新せずにそのまま保持し、処理ステップ1101に戻る。なお、処理開始直後の最初の列車検知においては、第2の列車検知情報は空であるため、列車発着検知部201は、最初に検知された第1の列車検知情報を真として、第1の列車検知情報に基づいて列車到着あるいは列車出発を判定する。
処理ステップ1104において、列車発着検知部201は、記録部300に保存されている予測列車降車人数データ302において、処理ステップ1103で到着を検知した列車に対応する予測列車降車人数データ302を特定する。例えば、列車発着検知部201は、予測列車降車人数データ302の内、処理ステップ1103で列車到着と判定された番線と同一の番線に到着する列車を抽出し、未到着の列車の内で最初に到着する列車を到着列車であるとして、予測列車降車人数データ302を特定する。
なお、列車の到着、未到着は、例えば、予測列車降車人数データに追加保存される、到着、未到着を表すフラグに基づいて判定される。
また、列車発着検知部201は、列車属性識別器を有する場合、到着する列車の列車属性が、未到着の列車の内で最初に到着する列車の列車属性と一致しているか否かを判定する。一致している場合、列車発着検知部201は、未到着の列車の内で最初に到着する列車を到着列車とする。また、一致しない場合、列車発着検知部201は、未到着の列車の内で最初に列車属性が一致する列車を到着列車とするか、あるいは、システムユーザーに到着列車の特定に失敗したことを通知する。
列車発着検知部201は、処理ステップ1104を実行後、次に処理ステップ1105を実行する。
処理ステップ1105において、列車発着検知部201は、処理ステップ1104で特定された到着列車に対応する予測列車降車人数データ302の到着時刻を、列車検知情報の検知時刻に更新する。列車発着検知部201は、処理ステップ1105を実行後、次に処理ステップ1106を実行する。
処理ステップ1106において、列車発着検知部201は、到着時刻が更新された予測列車降車人数データ302からODデータ305を作成する。列車発着検知部201は、予測列車降車人数データ302に記録される到着番線を出発地とし、目的地毎の予測降車人数と人数補正係数を掛け合わせた数値をODデータ305における目的地毎の交通量として、ODデータ305を作成する。また、列車発着検知部201は、ODデータ305における開始時刻および終了時刻を、それぞれ到着時刻および出発時刻(または、各時刻にドア開閉時間をオフセットした時刻)に設定する。
なお、出発時刻は、列車発着検知部201で補正されるため、運行終了時刻など十分大きい値を常に設定しておいてもよい。
列車発着検知部201は、処理ステップ1106を実行後、処理ステップ1101に戻って、一連の処理を繰り返し実行する。
前述のように、列車発着検知部201は、処理ステップ1103にて列車出発と判定した場合、次に処理ステップ1107を実行する。
処理ステップ1107において、列車発着検知部201は、列車出発と検知された番線に相当する、シミュレーション上の番線に在線している列車に対応するODデータ305の終了時刻を検知時刻に変更する。さらに、本処理ステップでは、前述の図8における処理ステップ1005に含まれる列車出発処理が実行される。
なお、ODデータの終了時刻を変更せずに、処理ステップ1005に含まれる列車出発処理を直接起動するように処理が実行されてもよい。
本実施例の混雑推定システムによれば、列車の到着と出発を検知して、検知した列車の到着と出発に合わせた適切なタイミングで、歩行者シミュレーション上で、列車および歩行者を発生・消滅させて、列車エージェントと歩行者エージェントを移動させることができる。これにより、例えば、列車到着が検知された時刻に、列車が検知された番線の位置に、リアルタイムに、列車エージェントが表示され、ドアの開放が表示される。また、表示上で、ドア開放後に歩行者エージェントを、列車内からプラットホームに移動させたり、ドア位置付近から発生させたりすることができる。
図10は、本実施例におけるパラメータ調整処理を示すフローチャートである。
処理ステップ1201において、パラメータ調整部207は、混雑状態を推定する対象である駅構内に存在するプラットホーム毎に、処理ステップ1202から処理ステップ1207までの処理を繰り返し実行する。
処理ステップ1202において、パラメータ調整部207は、処理対象のプラットホームから歩行者が流出することが可能な複数の出口(ただし、列車への乗降口となるドア(車両ドア、ホームドア)は除く)における、プラットホームから流出する方向の断面交通量について、出口ごとに、特定期間における計測値の合計値と、同特定期間における推定値の合計値とを算出する。特定期間としては、例えば、同一番線に、列車が到着してから、次の列車が到着するまでの時間が設定される。
さらに、処理ステップ1202において、パラメータ調整部207は、出口ごとに算出した計測値の合計値の総和である全出口の計測値総量と、出口ごとに算出したと推定値の合計値の総和である全出口の推定値総量を算出する。
さらに、処理ステップ1202において、パラメータ調整部207は、全出口の計測値総量に対する全出口の推定値総量の誤差が許容範囲内か否かを判定する。例えば、パラメータ調整部207は、相対誤差率、絶対誤差、二乗絶対誤差などの誤差の指標が、あらかじめ定めた閾値を超えているか否かを判定する。なお、一種類の誤差指標を用いてもよいし、複数種類の誤差指標を組み合わせて用いてもよい。
パラメータ調整部207は、処理ステップ1202において、プラットホームからの流出する方向の断面交通量の計測値総量に対する推定値総量の誤差が、許容範囲内である場合、次に処理ステップ1203を実行し、許容範囲外である場合、次に処理ステップ1204を実行する。
処理ステップ1203において、パラメータ調整部207は、前述の出口ごとの断面交通量の計測値および推定値の合計値をそれぞれ個別出口の計測値総量および推定値総量として、出口ごとに、個別出口の計測値総量に対する個別出口の推定値総量の誤差が許容範囲内であるか否かを、前述の処理ステップ1202と同様の誤差判定手段によって判定する。
パラメータ調整部207は、処理ステップ1203において、少なくとも1つの出口について誤差が許容範囲外であると判定すると、次に処理ステップ1207を実行し、すべての出口について誤差が許容範囲内であると判定すると、処理対象のプラットホームを更新して、処理ステップ1202以降の処理を繰り返し実行する。
処理ステップ1204において、パラメータ調整部207は、処理対象のプラットホームについて同一プラットホーム内での乗り換えの発生の有無を判定する。
ここで、同一プラットホーム内での乗り換えとは、同一番線での異なる列車区分(列車種別)の列車への乗り換えや、プラットホームを挟んで反対側の番線での乗り換えである。したがって、同一番線において、運行されている列車もしくは停車する列車が1区分(種別)のみである場合、同一番線における乗り換えは発生しないと判定される。また、反対側の番線において、同一路線における進行方向が反対の列車のみが停車する場合、同一番線における乗り換えは発生しないと判定される。これらの場合に相当しない場合は、同一プラットホーム内での乗り換えが発生すると判定される。
パラメータ調整部207は、本処理ステップ1204において、予測列車降車人数データ302(図4)における列車属性および到着番線に基づいて、同一番線の乗り換えが発生するか否かを判定する。
なお、駅毎・到着番線毎に同一プラットホームにおける乗り換えの発生の有無を記録するデータベースを記録部300に保持して、パラメータ調整部207は、このデータベースを参照して、同一プラットホーム内での乗り換えの発生の有無を判定してもよい。
パラメータ調整部207は、本処理ステップ1204において、同一プラットホーム内での乗り換えが発生すると判定した場合、次に処理ステップ1205を実行し、発生しないと判定した場合、次に処理ステップ1206を実行する。
処理ステップ1205において、パラメータ調整部207は、同一プラットホーム内での乗換比率を更新する。
乗換比率は、列車の到着番線における降車人数における、同じ番線を目的地とする人数の比率である。例えば、降車客OD生成部203が、予測列車降車人数データ302からODデータ305を作成する際に、予測列車降車人数データ302の目的地毎の降車人数の合計値を算出し、乗換比率を用いて、この合計値をODデータ305の目的地毎の交通量として再配分する。これにより、乗換比率が、降車する歩行者の移動先の決定に反映される。また、乗換比率は、予測列車降車人数データを算出する路線単位の旅客流動シミュレーションにフィードバックされ、路線単位の旅客流動シミュレーションが再実行される。この旅客流動シミュレーションによって新たに作成される予測列車降車人数データ302が混雑推定システムにおける歩行者シミュレーションにおいて用いられる。これにより、乗換比率が、降車する歩行者の移動先の決定に反映される。
乗換比率は、混雑推定の対象駅における番線ごとあるいは列車種別毎に、乗換先あるいは向かう出口に対して設定され、テーブルデータとして記録部300に保持される。
処理ステップ1205において、パラメータ調整部207は、全出口の断面交通量の推定値総量が全出口の計測値総量より大きい場合には、乗換比率を増加させる。また、パラメータ調整部207は、全出口の断面交通量の推定値総量が全出口の計測値総量より小さい場合には、乗換比率を減少させる。
パラメータ調整部207は、処理ステップ1205を実行後、次に処理ステップ1207を実行する。
処理ステップ1206において、パラメータ調整部207は、降車人数の総数を補正する人数補正係数を更新する。例えば、第1の列車の到着が検知される時刻をt1、出口における断面交通量が途絶える時刻をt2、第1の列車と同一番線に次に到着する列車である第2の列車の到着が検知される時刻をt3とすると、パラメータ調整部207は、t1からt2までの期間、あるいはt1からt3までの期間における、断面交通量について個別出口の計測値総量に対する個別出口の推定値総量の誤差の総和を算出し、さらに推定値総量に対する計測値総量の比率を人数補正係数として算出する。
パラメータ調整部207は、処理ステップ1205を実行後、次に処理ステップ1207を実行する。
処理ステップ1207において、パラメータ調整部207は、各出口における断面交通量について、個別出口の計測値総量に対する個別出口の推定値総量の誤差の総和が少なくなるように、各出口の使用配分を調整する。
このとき、パラメータ調整部207は、各出口の断面交通量に関わるパラメータとして、乗換比率、階段部分(階段に至るまでの通路を含む)の空間構造データに関連する通行コスト(例えば、通行距離)、降車客分布データ(図4における「目的地毎の降車人数」)などのいずれかもしくは複数を更新する。
例えば、第1の列車の到着が検知される時刻をt1、出口における断面交通量が途絶える時刻をt2、第1の列車と同一番線に次に到着する列車である第2の列車の到着が検知される時刻をt3とすると、パラメータ調整部207は、t1からt2までの期間、あるいはt1からt3までの期間において、断面交通量の個別出口の計測値総量に対する断面交通量の個別出口の推定値総量の誤差の総和を調整結果の評価指標として、乗換比率、階段部分の空間構造データの通行コスト、降車客分布データのような各出口の断面交通量に関わるパラメータを修正する。
なお、本実施例においては、更新する単数もしくは複数のパラメータの候補を予め複数設定しておき、候補毎に歩行者シミュレーションを実行して、評価指標である、個別出口の断面交通量の計測値に対する個別出口の断面交通量の推定値の総和が最適値すなわち最小値となるパラメータの候補に、パラメータが更新される。そして、更新されたパラメータは、更新時の次の時点の列車到着時(上述のt3)において、混雑状態を推定するための歩行者シミュレーションに適用される。
なお、過去の混雑推定を再確認する場合、更新されたパラメータを用いて、パラメータ更新時点から混雑状態を推定してもよい。
上述の実施例によれば、所定情報である断面交通量の計測値と、シミュレーションに基づいて推定される断面交通量の推定値との比較に基づいて、シミュレーションにおいて用いられる、予測情報である予測列車降車人数データ302に関連するパラメータを更新することにより、鉄道駅のプラットホームにおける移動体である人の混雑状態を高精度に推定できる。また、センサは、列車発着検知部201および断面交通量計測部205が備えていればよく、多数のセンサを必要としない。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、移動体は、人に限らず、物品でもよい。
また、輸送機関は、鉄道列車に限らず、バスなどでもよい。輸送機関が発着する空間は、駅に限らず、バスが発着するバスターミナルなどでもよい。
101 列車
102 プラットホーム
111 列車検知センサ
112 人流計測センサ
131 サーバコンピュータ
132 クライアントコンピュータ
141 通信ネットワーク装置
201 列車発着検知部
202 列車発着時刻補正部
203 降車客OD生成部
204 歩行者シミュレーション部
205 断面交通量計測部
206 断面交通量評価部
207 パラメータ調整部
208 入出力部
209 通信部
210 データバス
300 記録部
301 空間構造データ
302 予測列車降車人数データ
303 降車車両分布データ
304 断面交通量データ
305 ODデータ
306 人数補正係数データ

Claims (14)

  1. 移動体を輸送する輸送機関が発着する空間における前記移動体の混雑状態を推定する混雑推定システムにおいて、
    前記輸送機関と前記空間との間における前記移動体の移動に関する所定量を含む予測情報を保存する記録部と、
    前記予測情報に基づいて、前記移動体の前記空間における移動をシミュレーションにより推定するシミュレーション部と、
    前記空間における所定箇所において前記移動体の移動に関する所定情報を計測する計測部と、
    前記計測部によって計測される前記所定情報の計測値と、前記シミュレーションに基づいて推定される前記所定情報の推定値との比較に基づいて、前記シミュレーションにおいて用いられる、前記予測情報に関連するパラメータを更新する補正部と、
    を有することを特徴とする混雑推定システム。
  2. 請求項1に記載の混雑推定システムにおいて、
    前記補正部は、一時点における前記輸送機関の発着時に前記パラメータを補正し、
    前記シミュレーション部は、前記一時点の次の時点における前記輸送機関の発着時に、前記一時点で更新された前記パラメータを用いることを特徴とする混雑推定システム。
  3. 請求項1に記載の混雑推定システムにおいて、
    さらに、前記空間において発着する前記輸送機関を検知する検知部を備え、
    前記シミュレーション部は、前記検知部によって検知された前記輸送機関に対応する前記予測情報に基づいて前記シミュレーションを実行し、
    前記補正部は、前記検知部が前記輸送機関を検知すると、前記パラメータを更新することを特徴とする混雑推定システム。
  4. 請求項1に記載の混雑推定システムにおいて、
    さらに、前記予測情報に基づいて前記空間における前記移動体の移動量を含むODデータ(OD:Origin Destination)を作成するOD生成部を備え、
    前記シミュレーション部は、前記OD生成部によって作成された前記ODデータを用いて前記シミュレーションを実行することを特徴とする混雑推定システム。
  5. 請求項4に記載の混雑推定システムにおいて、
    さらに、前記空間において発着する前記輸送機関を検知する検知部を備え、
    前記予測情報は、前記輸送機関の発着時刻情報を含み、
    前記ODデータは、前記移動量の集計時刻情報を含み、
    前記検知部が前記輸送機関を検知すると、前記発着時刻情報が、前記検知部が前記輸送機関を検知した検知時刻に更新されることを特徴とする混雑推定システム。
  6. 請求項1の混雑推定システムにおいて、
    前記所定情報が、前記所定箇所における前記移動体の断面交通量であることを特徴とする混雑推定システム。
  7. 請求項1の混雑推定システムにおいて、
    前記補正部は、前記所定情報の計測値に対する前記所定情報の推定値の誤差に基づいて前記パラメータを更新することを特徴とする混雑推定システム。
  8. 請求項7の混雑推定システムにおいて、
    前記パラメータは乗換比率であり、
    前記補正部は、前記誤差が所定の許容範囲外であり、かつ前記空間において前記輸送機関の乗り換えが発生する場合、前記乗換比率を更新することを特徴とする混雑推定システム。
  9. 請求項7の混雑推定システムにおいて、
    前記パラメータは人数補正係数であり、
    前記補正部は、前記誤差が所定の許容範囲外であり、かつ前記空間において前記輸送機関の乗り換えが発生しない場合、前記人数補正係数を更新することを特徴とする混雑推定システム。
  10. 請求項7に記載の混雑推定システムにおいて、
    前記シミュレーション部は、前記補正部によって更新される前記パラメータの複数の候補の各々を用いて、前記シミュレーションを実行し、
    前記補正部は、前記複数の候補の内、前記誤差が最小となる候補の前記パラメータを更新することを特徴とする混雑推定システム。
  11. 請求項1に記載の混雑推定システムにおいて、
    前記移動体は人であり、前記輸送機関は鉄道列車であり、前記空間は駅であることを特徴とする混雑推定システム。
  12. 請求項5に記載の混雑推定システムにおいて、
    前記検知部は、カメラを備え、前記カメラが撮影した画像に基づいて、前記輸送機関を検知することを特徴とする混雑推定システム。
  13. 移動体を輸送する輸送機関が発着する空間における前記移動体の混雑状態を推定する混雑推定方法において、
    前記輸送機関と前記空間との間における前記移動体の移動に関する所定量を含む予測情報に基づいて、前記移動体の前記空間における移動をシミュレーションし、
    前記空間における所定箇所において前記移動体の移動に関する所定情報を計測し、
    前記所定情報の計測値と、前記シミュレーションに基づいて推定される前記所定情報の推定値との比較に基づいて、前記シミュレーションにおいて用いられる、前記予測情報に関連するパラメータを更新することを特徴とする混雑推定方法。
  14. 請求項13に記載の混雑推定方法において、
    前記移動体は人であり、前記輸送機関は鉄道列車であり、前記空間は駅であることを特徴とする混雑推定方法。
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