JP2022003490A - 設計ユーザ端末、設計支援システム及び設計支援方法 - Google Patents

設計ユーザ端末、設計支援システム及び設計支援方法 Download PDF

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拓馬 西
Takuma Nishi
尊彰 宮内
Takaaki Miyauchi
翔太 市川
Shota Ichikawa
雅二 金本
Masaji Kanemoto
健司 岡本
Kenji Okamoto
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Abstract

【課題】設備設計担当者等が設計した各構成部材に設けられる貫通孔に関する情報を、BIMモデルの対応する構成部材に対して効率的に紐付けることを可能にする、設計ユーザ端末、設計支援システム及び設計支援方法を提供すること。【解決手段】建築物のBIMモデルを設計する、設計ユーザ端末10であって、ネットワーク30を介して、BIMモデルの備える各構成部材の有する貫通孔の形状情報及び位置情報を少なくとも含む中間ファイル60を受信する通信部120と、BIMモデルを設計する設計部122と、構成部材の端部結合条件を格納する格納部132と、構成部材が端部結合条件を満たしているか否かを判定する端部結合条件判定部124と、端部結合条件判定部124における判定結果を表示する表示部130とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、設計ユーザ端末、設計支援システム及び設計支援方法に関する。
建築設計においては、敷地の条件や周辺環境を勘案しながら建築物の配置を決定し、内外観や間取り構成、装飾等を設計する意匠設計がまず行われる。この意匠設計では、一般に普及しているCAD(Computer-aided design)を用いることにより、二次元図面は勿論のこと、パースを含む三次元図面が作成される。この意匠設計により設計された建築物に対して、積雪や地震等に対する安全性能を満たすように、土台や骨組みを設定し、柱や構成部材、壁等の仕様や形状、配置を設定する構造設計が意匠設計に次いで行われる。また、この構造設計と並行して、もしくは構造設計の後で、快適な室内環境のための空調設備、上下水道に通じる衛生設備、コンセントや照明を配置する電気設備等を設定する設備設計が行われる。これらの意匠設計、構造設計、及び設備設計は、各設計担当者が相互に情報共有しながら、複数回に亘って設計変更がなされた後、建築物の設計が完了する。
ところで、上記する建築物の設計において、BIM(Building Information Modeling)モデルを用いて、デザイナーや設計者、施工監理者、工事施行業者などの間で建築物に関する情報を共有化することが行われている。ここで、BIMモデルとは、建築物を構成する構成要素(オブジェクトとも言い、梁や柱、壁等を含む)に関する、仮想の三次元空間における形状に関する情報(形状情報)や、材質や寸法に関する情報、配設位置に関する情報(位置情報)等に関する各種情報(これらをまとめて、「仕様情報」とする)を有する三次元モデルである。このBIMモデルを用いて、三次元モデルを様々な角度から見た三次元図面が作成できる他、三次元図面を様々に切断したり、様々な角度から見た平面図(伏図を含む)や立面図(軸組図を含む)といった二次元図面を作成できる。すなわち、三次元モデルを構成する各構成要素は、種々の仕様情報を内包しており、この仕様情報は、変更や修正、追加が可能となり、変更や追加等の履歴も残すことができる。
ところで、BIMモデルを構成する各種の構成部材(梁、床等)には、空調設備や電気設備、防災設備等、様々な設備用の貫通孔(スリーブ)が設けられており、例えば一本の梁において、複数の貫通孔が相互に間隔を置いて配設されている。このような貫通孔は、例えば設備設計担当者や設備業者担当者等の有する設計ユーザ端末にて設計が行われ、各貫通孔に関する情報(各構成部材における、一つもしくは複数の貫通孔の形状情報や位置情報等)は、設備設計担当者や設備業者担当者等の有する設計ユーザ端末に格納される。設備設計担当者等はさらに、各貫通孔に対して、設置可能な形状及び寸法を備えた補強板を設定する設計を合わせて行っている。
上記する貫通孔や補強板に関する情報をBIMモデルに取り込むに当たり、従来は、上記する各貫通孔等に関する情報が盛り込まれた設備図面に基づき、例えば構造設計担当者が自身の設計ユーザ端末に各貫通孔等に関する情報を手入力することにより、各構成部材(オブジェクト)において、設計されている貫通孔や補強板の情報を紐付けていた。そのため、貫通孔や補強板に関する情報がオブジェクトに紐付けられたBIMモデルの作成には、多大な手間と時間を要していた。
ここで、鉄骨梁のウエブに貫通孔を設ける場合に、鉄骨梁の貫通孔の形成部周辺を補強する補強内容を示す鉄骨貫通孔の補強設計支援装置が提案されている。より具体的には、鉄骨梁の断面寸法情報、梁長さ、貫通孔の孔径、及び梁端から貫通孔中心までの距離を少なくとも含む条件データを入力し、又は所定のデータ登録手段から取り込む条件入力手段と、この条件入力手段で得た条件データから、上記補強の有無判定および補強が必要な場合の補強量の演算を行う補強判定演算手段と、この補強判定演算手段で演算された結果を表示する演算結果表示手段とを備えている。そして、補強判定演算手段は、所定の数式にて示されるせん断耐力Qhが、式中の作用せん断力を上回る場合に補強不要と判定し、補強必要と判定した場合には、さらに別途の所定式を充足する補強量の補強内容を演算するものとしている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4246588号公報
特許文献1に記載の補強設計支援装置によれば、梁端から貫通孔中心までの距離を条件に含み、所定の数式に従って、梁に作用する曲げモーメント、せん断力、および梁の曲げ耐力、せん断耐力を演算して補強の必要の有無および補強量を示すことにより、画一的な補強による過剰補強を回避し、補強の不要を明確に示すとともに、過剰とならない必要補強量を示すことを可能にする。しかしながら、この補強設計支援装置では、上記する課題、すなわち、設備設計担当者等が設計した各構成部材に設けられる貫通孔や補強板に関する情報を、BIMモデルの対応する構成部材に対して効率的に紐付けることは難しい。
本発明は上記する課題に鑑みてなされたものであり、設備設計担当者等が設計した各構成部材に設けられる貫通孔に関する情報を、BIMモデルの対応する構成部材に対して効率的に紐付けることを可能にする、設計ユーザ端末、設計支援システム及び設計支援方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による設計ユーザ端末の一態様は、
建築物のBIMモデルを設計する、設計ユーザ端末であって、
ネットワークを介して、前記BIMモデルの備える各構成部材の有する貫通孔の形状情報及び位置情報を少なくとも含む中間ファイルを受信する、通信部と、
前記BIMモデルを設計する設計部と、
前記構成部材の端部結合条件を格納する格納部と、
前記構成部材が前記端部結合条件を満たしているか否かを判定する、端部結合条件判定部と、
前記端部結合条件判定部における判定結果を表示する表示部と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、各構成部材(梁や床等)の有する貫通孔の形状情報及び位置情報を少なくとも含む中間ファイルを通信部にて受信することにより、受信した貫通孔に関する各種情報(形状情報や位置情報等)をBIMモデルの備える各構成部材(オブジェクト)に対して効率的に紐付けることができる。さらに、BIMモデルの備える構成部材が予め設定されている端部結合条件を満たしているか否かを判定し、判定結果を表示部に表示することにより、端部結合条件を満たしていない構成部材の端部結合条件が好適に修正されたBIMモデルを設計することができる。ここで、中間ファイルは、設備設計担当者等が設計ユーザ端末にて作成した、構成部材ごとの有する貫通孔の形状情報や位置情報等に関するテキストファイルである。例えば、設備設計担当者等は、設計ユーザ端末において3D−CADにて設備設計を行い、その際のデータがBIMソフトウェアにて読み込み可能にテキストファイルに変換される。一例として、設計ユーザ端末の設計部において、BIMソフトウェアとしてAutodesk Revit(登録商標)(Autodesk社製)が適用される場合に、中間ファイルがCSV(Comma Separated Value)形式のテキストファイルやTXT(Text)形式のテキストファイルとして通信部にて受信される。
ここで、設計ユーザ端末には、意匠設計担当者の有するユーザ端末、構造設計担当者の有するユーザ端末、設備設計担当者の有するユーザ端末等、様々な設計ユーザ端末が含まれ、いずれもパーソナルコンピュータにより形成される。設計ユーザ端末は格納部を有し、格納部には市販の構造計算用ソフトウェアがダウンロード等によりインストールされており、構造設計部において構造計算用ソフトウェアが読み出され、意匠設計された建築物を構造計算用ソフトウェア内においてモデル化する。このモデル化においては、各構成部材の材質(剛性)、寸法、配設位置等の仕様情報が入力される。そして、構造計算用ソフトウェアにより、パーソナルコンピュータ内において構造計算が実行され、構造計算データが例えば格納部に格納される。設計ユーザ端末には、例えば変換用ソフトウェアが同様にインストールされており、この変換用ソフトウェアにより、構造計算用ソフトウェア内にてモデル化されている計算モデル(非BIM計算モデル)からBIM計算モデルが作成される。BIM計算モデルは、構造計算に不要な部材(屋外階段等)を有していないことから、設計部では、構造設計担当者等がBIM計算モデルに対して様々な構成部材を追加したり、既にある構成部材の仕様を設計変更等することにより、BIMモデルが設計される。
従来のBIMモデルの設計においては、構成部材のモデル化の際に、当該構成部材が予め設定されている端部結合条件(端部結合タイプ)を満たしていない場合でも、モデル化を行うことが可能となっている。例えば、この構成部材の一例として梁を取り上げ説明する。梁の端部結合条件としては、「固定」、「ピン」等があるが、例えば、梁が大梁の場合には、構造上はその両端の結合条件はいずれも「固定」であることを一般に要し、両端にある柱に対してそれぞれ「固定」の結合条件を満たしていない場合には、対象のBIMモデルを構成する大梁が所定の構造条件を満たさないこととなり好ましくない。しかしながら、上記するように、従来のBIMモデルの設計においては、梁の端部結合条件の設定が例えば梁種に応じて自動的にデフォルト処理されるようになっていないことから、BIMモデルを設計した後に、各梁の端部結合条件の適否を梁ごとに精査することが必要となり、この精査にも多大な時間と手間を要していた。これに対し、本態様によれば、BIMモデルを構成する各梁が端部結合条件を満たしているか否かが端部結合条件判定部にて自動判定され、判定結果が表示部に表示されることにより、端部結合条件を満たしていない梁等の構成部材を短時間に特定し、端部結合条件の修正を速やかに行うことが可能になる。
また、本発明による設計ユーザ端末の他の態様は、貫通孔合否判定部をさらに有し、
前記貫通孔の設計条件がさらに前記格納部に格納されており、
前記貫通孔合否判定部では、前記構成部材が前記端部結合条件を満たしている場合に、該構成部材に設けられている前記貫通孔が前記設計条件を満たしているか否かを判定し、
前記貫通孔合否判定部における判定結果を前記表示部にて表示することを特徴とする。
本態様によれば、端部結合条件を満たしている構成部材の備える貫通孔が、当該貫通孔の設計条件を満たしているか否かを貫通孔合否判定部にて判定し、判定結果を表示部にて表示することにより、適切な端部結合条件を有する構成部材に対して、適切な位置に適切な寸法形状の貫通孔が設けられているか否かを速やかに確認することができる。ここで、「貫通孔の設計条件」とは、例えば構成部材がH形鋼により形成される梁であって、この梁を構成するウエブに貫通孔が設けられる場合に、ウエブの端部から貫通孔までの最小離間等に関する条件を意味する。そして、設計条件を満たしていない貫通孔に対しては、貫通孔の寸法や形状を修正する、もしくは貫通孔の位置を修正する等の措置を講じることにより、適切な貫通孔を速やかに設定することが可能になる。
また、本発明による設計ユーザ端末の他の態様において、前記中間ファイルには、各貫通孔に取り付けられる補強板の形状情報及び位置情報がさらに含まれており、
補強板合否判定部をさらに有し、
前記補強板の設計条件がさらに前記格納部に格納されており、
前記補強板合否判定部では、前記補強板が前記設計条件を満たしているか否かを判定し、
前記補強板合否判定部における判定結果を前記表示部にて表示することを特徴とする。
本態様によれば、貫通孔合否判定部において貫通孔が予め設定されている設計条件を満たすか否かを判定することに加えて、さらに、補強板合否判定部において補強板が予め設定されている設計条件を満たすか否かを判定することにより、適切な補強板が設けられているか否かを速やかに確認することができる。ここで、「補強板の設計条件」とは、貫通孔の端部と補強板の端部との間の最小端あきや、貫通孔の中心と補強板の端部までの最小距離等に関する条件を意味する。そして、設計条件を満たしていない補強板に対しては、補強板の寸法や形状を修正する、もしくは補強板の設置位置を修正する等の措置を講じることにより、適切な補強板を速やかに設定することが可能になる。
また、本発明による設計ユーザ端末の他の態様において、前記構成部材が梁であり、該梁には、大梁、小梁、及び片持ち梁が含まれており、
前記大梁、前記小梁、及び前記片持ち梁の前記端部結合条件がそれぞれ前記格納部に格納されていることを特徴とする。
本態様によれば、建築物の構成部材として適用される梁に関し、大梁、小梁、及び片持ち梁ごとに固有の端部結合条件が設定されていることにより、複数種の梁を有するBIMモデルにおける各梁が梁種に応じた端部結合条件を満たすか否かを端部結合条件判定部にて速やかに判定することができる。例えば、既述するように、大梁の両端の端部結合条件は両端ともに「固定」を原則とし、小梁の両端の端部結合条件は一端が「固定」、他端が「ピン」を原則とすることができる。尚、より詳細には、端部結合条件には、完全に修正を要する「エラー条件」と、修正を必須とせず、設計担当者に確認を促す「警告条件」等が含まれていてもよい。例えば、大梁であっても、必ずしも両端を「固定」にせず、一端のみ「固定」とし、「他端」を「ピン」として設計する場合もあり得る。一方で、大梁において、両端が「ピン」となる構造はあり得ない。そこで、大梁においては、両端が「ピン」となっている場合に「エラー条件」と表示し、一端が「固定」で「他端」が「ピン」となっている場合に「警告条件」と表示することにより、このように一種の構成部材が様々な端部結合条件を有する場合であっても、設計担当者に迅速に端部結合条件の修正要否を提示することが可能になる。
また、本発明による設計ユーザ端末の他の態様において、前記表示部では、前記構成部材の有する形状情報及び位置情報と、各構成部材の備える前記貫通孔の有する形状情報及び位置情報と、前記貫通孔及び前記補強板の合否判定結果がテキスト表示されるようになっており、
前記貫通孔及び前記補強板の合否判定結果を示す部分において、合否に応じた色分け表示が実行されることを特徴とする。
本態様によれば、表示部において、例えばエクセル(Excel、登録商標)形式等でテキスト表示される合否判定結果を示す部分(例えばセル)において、合否に応じた色分け表示がなされることにより、設計担当者は設計条件を満たさない貫通孔や補強板をより一層速やかに特定することができる。例えば、設計条件を満たすセルにおいては、着色無し、もしくは青く着色され、設計条件を満たさないセルにおいては、赤く着色されること等により、設計条件を満たさないセルの特定がより一層容易になる。
また、本発明による設計ユーザ端末の他の態様は、前記表示部に表示される前記BIMモデルにおいて、前記貫通孔が、前記貫通孔合否判定部による判定結果、及び/又は前記補強板合否判定部よる判定結果に応じて色分け表示されることを特徴とする。
本態様によれば、表示部にて例えば三次元表示されているBIMモデルにおいて、貫通孔合否判定部や補強板合否判定部による判定結果に応じて色分けされた貫通孔(モデル)が表示されることにより、BIMモデル上において、各構成部材(オブジェクト)の有する貫通孔やそこに設置されている補強板が設計条件を満たしているか否かを三次元的に視認することができる。
また、本発明による設計支援システムの一態様は、
前記設計ユーザ端末と、
前記ネットワークを介して、前記設計ユーザ端末にて設計された前記BIMモデルと作成された前記中間ファイルを受信し、二以上の該設計ユーザ端末が前記BIMモデル及び前記中間ファイルを共有可能に格納する共有サーバと、を有することを特徴とする。
本態様によれば、設計ユーザ端末が中間ファイルを速やかに受信することができ、各設計ユーザ端末にて作成されたBIMモデルを共有し、設計条件を満たしていない貫通孔に関する情報を速やかに構造設計担当者等から設備設計担当者等に提供することができる。ここで、構造設計担当者は、例えば自身の設計ユーザ端末にて、設計条件を満たしていない貫通孔を速やかに特定することができるが、ここでは、特定された設計条件を満たしていない貫通孔(及び補強板)を自身の設計ユーザ端末にて修正せず、共有サーバに送信し、貫通孔等を修正するべき設備設計担当者が共有サーバから設計条件を満たしていない貫通孔(及び補強板)に関する情報を受信し、自身の設計ユーザ端末にて修正するのが望ましい。設備設計担当者にて修正された貫通孔(及び補強板)を備えた構成部材を有するBIMモデルもしくは中間ファイルが共有サーバに再度送信され、構造設計担当者がこの中間ファイル等を再度受信し、全ての貫通孔(及び補強板)が設計条件を満足するBIMモデルを自身の設計ユーザ端末にて作成することができる。
また、本発明による設計支援方法の一態様は、
建築物のBIMモデルを設計する、設計支援方法であって、
ネットワークを介して、前記BIMモデルの備える各構成部材の有する貫通孔の形状情報及び位置情報を少なくとも含む中間ファイルを受信する、受信工程と、
BIMモデルを設計する設計工程と、
前記構成部材に対して設定されている端部結合条件を該構成部材が満たしているか否かを判定する、端部結合条件判定工程と、
前記端部結合条件判定工程における判定結果を表示する表示工程と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、各構成部材の有する貫通孔の形状情報及び位置情報を少なくとも含む中間ファイルを受信工程にて受信することにより、受信した貫通孔に関する各種情報をBIMモデルの備える各構成部材(オブジェクト)に対して効率的に紐付けることができる。さらに、BIMモデルの備える構成部材がその種類に応じて予め設定されている端部結合条件を満たしているか否かを端部結合条件判定工程にて判定し、判定結果を表示工程にて表示することにより、端部結合条件を満たしていない構成部材の端部結合条件が好適に修正されたBIMモデルを設計することができる。
また、本発明による設計支援方法の他の態様は、貫通孔合否判定工程をさらに有し、
前記貫通孔合否判定工程では、前記構成部材が前記端部結合条件を満たしている場合に、該構成部材に設けられている前記貫通孔に対して設定されている設計条件を該貫通孔が満たしているか否かを判定することを特徴とする。
本態様によれば、端部結合条件を満たしている構成部材の備える貫通孔が、当該貫通孔の設計条件を満たしているか否かを貫通孔判定工程にて判定することにより、適切な端部結合条件を有する構成部材に対して、適切な位置に適切な寸法形状の貫通孔が設けられていることを速やかに確認することができる。
また、本発明による設計支援方法の他の態様において、前記中間ファイルには、各貫通孔に取り付けられる補強板の形状情報及び位置情報がさらに含まれており、
補強板合否判定工程をさらに有し、
前記補強板合否判定工程では、前記補強板に対して設定されている設計条件を該補強板が満たしているか否かを判定することを特徴とする。
本態様によれば、貫通孔判定工程において貫通孔が予め設定されている設計条件を満たすか否かを判定することに加えて、さらに、補強板合否判定工程において補強板が予め設定されている設計条件を満たすか否かを判定することにより、適切な補強板が設けられているか否かを速やかに確認することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明による設計ユーザ端末、設計支援システム及び設計支援方法によれば、設備設計担当者等が設計した各構成部材に設けられる貫通孔に関する情報を、BIMモデルの対応する構成部材に対して効率的に紐付けることができる。
実施形態に係る設計支援システムの全体構成の一例を示す図である。 コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。 実施形態に係る設計ユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。 中間ファイルの一例を示す図である。 実施形態に係る設計ユーザ端末の表示部に表示された、アドインツールの一例を示す図である。 梁断面図において円形貫通孔を示すモデル図である。 床平面図と床断面図において角形貫通孔を示すモデル図である。 構成部材の端部結合条件の確認画面を示す図である。 大梁、小梁、及び片持ち梁のエラー条件と警告条件の一例を示す図である。 表示部における出力画面の一例を示す概要図である。 表示部における出力画面に含まれる、設計条件の一例を示す図である。 表示部における出力画面に含まれる、梁情報、貫通孔情報、及び補強板情報を示すエクセルデータの一例を示す図である。 表示部における出力画面に含まれる、貫通孔合否判定結果と補強板合否判定結果の一例を示す図である。 表示部における出力画面に含まれる、設計図面を示す図である。 合否判定において設計条件を満たさない場合の設計図面を示す図である。 表示部における出力画面に表示される拡大図を示す図である。 表示部におけるBIMモデル上で、正常判定の貫通孔とエラー判定の貫通孔を示す図である。 BIMモデルを形成する梁ファミリを、大梁と小梁と片持ち梁に分類している状態を示す図である。 実施形態に係る設計支援方法の一例を示すフロー図である。 実施形態に係る設計支援方法のうち、貫通孔合否判定工程と補強板合否判定工程の一例を詳細に示すフロー図である。
以下、実施形態に係る設計ユーザ端末、設計支援システム及び設計支援方法の一例について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る設計支援システム]
はじめに、図1を参照して、実施形態に係る設計支援システムの一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る設計支援システムの全体構成の一例を示す図である。
設計支援システム50は、設計ユーザ端末10と共有サーバ20とがネットワーク30を介して接続されることにより形成される。設計ユーザ端末10は、意匠設計ユーザ端末10A、構造設計ユーザ端末10B、設備設計ユーザ端末10C等を有し、さらに、積算ユーザ端末、施工計画ユーザ端末、実施工ユーザ端末(いずれも図示せず)等、様々なユーザ端末を含み得る。
ネットワーク30には、インターネット等の公衆ネットワーク、携帯電話網等の無線ネットワーク、VPN(Virtual Private Network)等の専用ネットワーク、LAN(Local Area Network)等が含まれる。
ここで、設計支援システム50は、一つのハウスメーカー等の会社内部のみで情報共有がなされるクローズドネットワークを有する形態の他、外部機関との間においても情報共有が可能なオープンネットワークを有する形態である。例えば、設備設計ユーザ端末10Cは、一つのハウスメーカー等の会社内部における設備設計担当者の有するユーザ端末の他、ハウスメーカーとは異なる設備業者の担当者等の有する設計ユーザ端末であってもよい。
共有サーバ20へのアクセスにはアクセス権限を要し、アクセス権限が付与されているユーザ端末のみが共有サーバ20にアクセスでき、共有サーバ20に格納されている各種データを共有することができる。例えば、以下で説明するBIMモデルが各設計段階の都度共有サーバ20に格納され、アクセス権限が付与されている設計ユーザ端末や外部機関は共有サーバ20にアクセスして、共有サーバ20に格納されているBIMモデルを自身の端末に取り込んだり、自身の端末にて作成されたBIMモデルを共有サーバ20にアップすることができる。
ここで、共有サーバ20は、データ保管の他にも、各種のアプリケーションソフトウェアを複数のユーザが共有できるクラウドサーバであってもよい。例えば、設計ユーザ端末10と外部機関端末(図示せず)が共通のアプリケーションソフトウェアを使用して、BIMデータの送受信を行ったり、異なる時期に送受信される複数のBIMデータに関して、任意の二つの時期のBIMデータを相互に比較することを可能にしてもよい。尚、「外部機関端末」には、確認申請機関端末の他、設備設計や施工計画等の段階で協同して作業を行う資機材供給メーカー等の有する資機材供給メーカー端末等を含み得る。
意匠設計ユーザ端末10A、構造設計ユーザ端末10B、及び設備設計ユーザ端末10Cはそれぞれ、意匠設計担当者、構造設計担当者、及び設備設計担当者が使用する端末であり、パーソナルコンピュータやタブレット等により形成される。
BIMモデルには、建築物の企画段階等で意匠設計担当者が意匠設計ユーザ端末10Aにおいて設計するBIM意匠モデル、構造設計担当者が構造設計ユーザ端末10Bにおいて設計するBIM構造モデル等が含まれる。企画段階では、三次元モデリングされた建築物の画像データ(BIM意匠モデル)を見ることにより、当該建築物の外観やレイアウトデザイン等について直接イメージすることができる。また、設備設計段階においては、建築物の内部における熱流(風・気流等の流れ)のシミュレーションを行なったり、照明の配置と光環境との関係について検討することにより、居住空間の快適性を考慮した設計を行うことができる。さらに、構造設計段階や施工計画段階においては、三次元画像を確認することにより、設備機器や鉄骨、配管等の干渉チェックを行うことができ、二次元図面では見え難い状態を細部に亘り明りょうに把握することができる。
特に、図示例の設計支援システム50では、設備設計ユーザ端末10Cにより、BIMモデルを構成する梁や床等の構成部材において貫通孔が設計され、各構成部材が設計された貫通孔に関するデータを備えている中間ファイルが共有サーバ20に送信される。一方、構造設計ユーザ端末10Bは、その内部においてBIMモデルを作成するとともに、共有サーバ20から上記中間ファイルを受信し、BIMモデルを形成する構成部材(オブジェクト)と、中間ファイル内にあって当該オブジェクトに対応する構成部材をリンクさせ、中間ファイル内に含まれる貫通孔に関する情報をBIMモデルのオブジェクトに紐付ける。
[実施形態に係る設計ユーザ端末]
次に、図2乃至図15を参照して、実施形態に係る設計ユーザ端末の一例について説明する。ここで、図2は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図であり、図3は、実施形態に係る設計ユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
図2に示すように、設計ユーザ端末10は、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)やワークステーション(WS:Work Station)等の情報処理装置からなり、共有サーバ20もサーバからなる情報処理装置であり、いずれも図2に示すコンピュータにより構成される。
設計ユーザ端末10等のコンピュータは、接続バス112により相互に接続されているCPU(Central Processing Unit)102、主記憶装置104、補助記憶装置106、通信IF(interface)108、及び入出力IF110を備えている。主記憶装置104と補助記憶装置106は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。尚、上記の構成要素はそれぞれ個別に設けられてもよいし、一部の構成要素を設けないようにしてもよい。
CPU102は、MPU(Microprocessor)やプロセッサとも呼ばれ、CPU102は、単一のプロセッサであってもよいし、マルチプロセッサであってもよい。CPU102は、コンピュータからなる設計ユーザ端末10等の全体の制御を行う中央演算処理装置である。CPU102は、例えば、補助記憶装置106に記憶されたプログラムを主記憶装置104の作業領域にて実行可能に展開し、プログラムの実行を通じて周辺機器の制御を行うことにより、所定の目的に合致した機能を提供する。
主記憶装置104は、CPU102が実行するコンピュータプログラムや、CPU102が処理するデータ等を記憶する。主記憶装置104は、例えば、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)を含む。補助記憶装置106は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納し、外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶装置106には、例えば、OS(Operating System)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、例えば、通信IF108を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、ネットワークに接続するパーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション(WS)、サーバ、携帯端末等の情報処理装置や外部記憶装置等が含まれる。
補助記憶装置106は、例えば、主記憶装置104を補助する記憶領域として使用され、CPU102が実行するコンピュータプログラムや、CPU102が処理するデータ等を記憶する。補助記憶装置106は、不揮発性半導体メモリ(フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM))を含むシリコンディスク、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)装置、ソリッドステートドライブ装置等である。また、補助記憶装置106として、CDドライブ装置、DVDドライブ装置、BDドライブ装置といった着脱可能な記録媒体の駆動装置が例示される。着脱可能な記録媒体として、CD、DVD、BD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカード等が例示される。
通信IF108は、設計ユーザ端末10等が接続するネットワーク30とのインターフェイスである。通信IF108は、ネットワーク30を介して、共有サーバ20と設計ユーザ端末10の間で中間ファイルの送受信を実行する。また、通信IF108は、ネットワーク30を介して、設計ユーザ端末10にて設計されたBIMモデルを共有サーバ20に格納し、共有サーバ20に格納されているBIMモデルを受信する。
入出力IF110は、設計ユーザ端末10等に接続する機器との間でデータの入出力を行うインターフェイスである。入出力IF110には、例えば、キーボード、タッチパネルやマウス等のポインティングデバイス、マイクロフォン等の入力デバイス等が接続する。設計ユーザ端末10等は、入出力IF110を介し、入力デバイスを操作する操作者からの操作指示等を受け付ける。
また、入出力IF110には、例えば、液晶パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELパネル(EL:Electroluminescence)等の表示デバイス、プリンタ、スピーカ等の出力デバイスが接続する。設計ユーザ端末10等は、入出力IF110を介し、CPU102により処理されるデータや情報、主記憶装置104、補助記憶装置106に記憶されるデータや情報を出力する。
図3に示すように、設計ユーザ端末10(例えば、構造設計ユーザ端末10B)は、CPU102によるプログラムの実行により、少なくとも、通信部120、設計部122、端部結合条件判定部124、貫通孔合否判定部126,補強板合否判定部128,表示部130,及び格納部132の各種機能を提供する。尚、上記処理機能の少なくとも一部が、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって提供されてもよく、同様に、上記処理機能の少なくとも一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、数値演算プロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用LSI(large scale integration)やその他のデジタル回路等であってもよい。
以下、設計ユーザ端末10として構造設計ユーザ端末10Bを取り上げて説明する。通信部120は、設備設計ユーザ端末10Cにて作成され、共有サーバ20にて格納されている中間ファイルを受信し、格納部132に格納する。また、通信部120は、設計ユーザ端末10にて作成されたBIMモデルを共有サーバ20に送信し、共有サーバ20に格納されているBIMモデルを受信する(アクセス権限を有する様々な設計ユーザ端末10がBIMモデルを作成して共有サーバ20にアップし、アップされたBIMモデルを共有できる)。
次に、図4を参照して、中間ファイルの一例について説明する。中間ファイル60は、例えば設備設計担当者が、BIMモデルを構成する梁や床等の構成部材において貫通孔を設計し、各構成部材が、設計された貫通孔に関するデータを備えているファイルである。
図4に一例として示す中間ファイル60は、例えばCSV形式やTXT形式のファイルとして共有サーバ20に送信され、格納される。中間ファイル60には、上段から、3次元座標原点61,階名62,構成部材63,円形貫通孔64等がテキストデータとして入力されている。ここで、3次元座標原点61の(X0,Y0,Z0)は、中間ファイル60に入力されている各種座標の基準となる座標であり、BIMモデルにおいて設定されている3次元座標原点と3次元座標原点61とが位置合わせされることにより、中間ファイル60に入力されている構成部材や構成部材中の貫通孔等をBIMモデル上に重ね合わせることができる。尚、中間ファイル60におけるファイル内容には様々な項目や順番があってよく、図示例はあくまでも一例に過ぎない。例えば、円形貫通孔に代わり、角形貫通孔が設定されてもよい。また、貫通孔に対応する補強板に関する情報がさらに入力されていてもよい。
図4に示す例では、中間ファイル60において、1階(1F)におけるXi通り(もしくはYi通り)に沿って配設される構成部材である梁が設定されている。そして、梁には、円形貫通孔が設定されており、この円形貫通孔は、孔径φ、孔開始点と孔終点の各3次元座標(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)が設定されている。
図3に戻り、格納部132には、RC/SRC/S造建物の高機能一貫構造計算ソフトウェアである、BUS−6(株式会社構造システム社製)等がインストールされている。ここで、RC造は鉄筋コンクリート造を示し、SRC造は鉄骨鉄筋コンクリート造を示し、S造は鉄骨造を示す。設計部122により高機能一貫構造計算ソフトウェアが読み出され、意匠設計担当者が設計しているBIM意匠モデルに基づいて、計算ソフトウェア内において計算モデルを作成し、計算モデルを構成する各種の構成要素の仕様情報を入力し、構造計算を実行する。このように計算ソフトウェア内において作成された計算モデルはBIMモデルでないことから、非BIM計算モデルとなる。
格納部132には、構造計算ソフトウェアとBIMソフトウェアを繋ぐ、ST−Bridge(一般社団法人building SMART Japan社製)と、BIMソフトウェアとして、Autodesk Revit(登録商標)(Autodesk社製)がインストールされており、設計部122にてこれらのソフトウェアを起動することにより、非BIM計算モデルをBIM計算モデルに変換する。
構造設計担当者(以下、ユーザである設計担当者の一例として、構造設計担当者を取り上げて説明する)は、構造計算により所定の構造安全性をクリアしたBIM計算モデルに対して、構造計算には不要であった様々な構成要素をBIM計算モデルに付加することにより、BIM構造モデルを設計する。BIMモデル(BIM構造モデル)は、設計対象の建築物における、構造計算上必要となる構成部材や柱等の構造部材に加えて、階段、壁、天井、床、ドア、窓、各種配管といった非構造部材を含んでいる。
ここで、図5に示すように、構造設計ユーザ端末10Bの表示部130には、複数種のアドインツールが表示される。構造設計担当者は、併設する各種のアドインツールを順に操作することにより、中間ファイルの読み込みから梁ファミリマッピングまでの一連の処理を実行することができる。
構造設計担当者が、アドインツールにおける「中間ファイル読み込み」を押下することにより、共有サーバ20内に格納されている複数のCSV形式の中間ファイル選択画面(図示せず)が表示される。構造設計担当者が設計対象のBIMモデル用の中間ファイルを選択することにより、構造設計ユーザ端末10Bの通信部120において選択された中間ファイルが受信され、格納部132に格納される。尚、選択した中間ファイルは、設備設計担当者に編集権限が付与されており、従って、構造設計担当者による構造設計ユーザ端末10B内での編集は不可となっているのが望ましい。
選択された中間ファイルには、図4において一例を示す通り、各階に設定されている複数種の梁等の構成部材に関する全てのデータが入力されており、各構成部材において設定されている貫通孔に関する各種情報(孔種、孔の寸法、孔の位置等)も含まれており、その他、貫通孔に対応する補強板に関する各種情報(補強板の寸法、補強板の設置位置等)も含まれてよい。
ここで、図6は、中間ファイルにおいて設定されている貫通孔の情報を模式的に示す図であり、より具体的には、図6Aは、梁断面図において円形貫通孔を示すモデル図であり、図6Bは、床平面図と床断面図において角形貫通孔を示すモデル図である。
図6Aに示す梁モデルはH形鋼により形成される梁モデルであり、H形鋼のウエブの高さ中心位置に直径φの円形貫通孔が設けられている。図示例では、貫通孔の始点と終点の座標を、ウエブの高さ中心位置であって、かつ上下のフランジの左右端で示すものとしている。
一方、図6Bに示す床モデルは、縦幅YL,横幅XLの平面視矩形(直方体状)の貫通孔が設けられるモデルである。図示例では、貫通孔の始点と終点の座標を、平面視矩形の中心(二本の対角線の交点)であって、かつ床の上下位置で示すものとしている。
上記各種の貫通孔に関する情報が、中間ファイルにおける各構成部材の関連シートに入力されている。尚、貫通孔の座標設定形態等は、図示例の入力例以外の形態であってもよい。
上記するように、読み込まれた中間ファイル60(図4参照)に含まれる各構成部材の3次元座標原点61とBIMモデル上の3次元座標原点とが位置合わせされることにより、中間ファイルに入力されている構成部材や構成部材中の貫通孔等がBIMモデル上に重ね合わされる。尚、この段階では、BIMモデルの各オブジェクトに対して、中間ファイルにおいて対応する構成部材は紐付いておらず、あくまでも、BIMモデルに中間ファイルの入力情報が重ね合わされているに過ぎないが、この段階で、BIMモデルの各オブジェクトに対して、中間ファイルに入力されている対応する構成部材中の貫通孔等の各種情報が紐付けられてもよい。
図5に戻り、アドインツールにおける「結合確認」を押下することにより、端部結合条件判定部124(図3参照)が起動され、BIMモデルを構成する各オブジェクト(構成部材)が、設定されている端部結合条件を満たしているか否かが判定される。
ここでは、図7及び図8を参照して、構成部材が梁である場合の端部結合条件の判定例について説明する。ここで、図7は、構成部材の端部結合条件の確認画面を示す図であり、図8は、大梁、小梁、及び片持ち梁のエラー条件と警告条件の一例を示す図である。
図7に示すように、表示部130では、エクセル(Excel)形式にて、BIMモデルを構成する各梁の端部結合条件の判定結果がテキスト表示され、複数の梁タイプごとに始端結合タイプと終端結合タイプが設定されている。この結合タイプは、構造設計担当者等がBIMモデルを作成する際に、暫定的に設定した結合タイプであり、梁種に応じて設定されている結合条件を必ずしも忠実に反映したものではない。図7では、端部結合条件の判定結果も示されており、結合条件を満たして正常である場合には「ν」が表示され、完全に修正を要する「エラー」の場合には「×」が表示され、修正を必須とせず、構造設計担当者に確認を促す「警告」の場合には「!」が表示されるようになっている。
そして、例えば、「エラー」の場合には「×」のセルを赤色表示等で示し、「警告」の場合には「!」セルを黄色表示等で示すことにより、構造設計担当者に対して、「エラー」や「警告」の対象である梁を特定し易くしている。図7においては、最上段の梁(梁タイプが2G588M)が「大梁」であり、この梁の始端結合タイプが「ピン」であり、終端結合タイプが「固定」であることから、当該梁を「警告」対象としている。尚、端部結合条件には、「固定」や「ピン」以外の結合条件が設定されてもよい。
ここで、図8の条件設定例において示すように、梁には、大梁、小梁、及び片持ち梁が含まれ、各梁種に応じてエラー条件と警告条件が設定されている。図示例の各種梁の端部結合条件は格納部132に格納されており、構造設計担当者は、まず、端部結合条件判定部124を起動してBIMモデルを構成する梁等の構成部材の端部結合条件の適否を判定し、BIMモデルにおいて端部結合条件の修正を要する構成部材を検出し、必要に応じて端部結合条件の修正を行う。
また、図示を省略するが、エラー等の対象である梁を選択して対応するセルをクリックした際に、BIMモデルが表示され、梁の一端が側方の柱に結合されていない等が図示されるとともに、「結合対象の部材(柱等)が不明である」といったエラー内容が表示されてもよい。このエラー内容に基づき、構造設計担当者は梁の一端を柱等に結合するモデル修正を行い、再度の結合確認を行うことにより、エラー対象の梁が正常の梁に評価されたことを確認できる。尚、梁以外の構成部材であって、貫通孔が設けられる床等においても、端部結合条件が設定されており、BIMモデルを構成する各床が端部結合条件を満たすか否かが端部結合条件判定部124にて同様に判定され、エラー等の判定がなされた床に対しては適正な修正が行われることは梁と同様である。
図3に戻り、BIMモデルを構成する各オブジェクトの端部結合条件が必要に応じて適正に修正された後、構造設計ユーザ端末10Bでは、貫通孔合否判定部126と補強板合否判定部128が順次もしくは同時に起動する。
貫通孔合否判定部126は、合否判定対象の貫通孔を備える構成部材が端部結合条件を満たしていることを前提として、構成部材に設けられている一つもしくは複数の貫通孔が、予め設定されている貫通孔の設計条件を満たしているか否かを判定する。図示する設計ユーザ端末10では、端部結合条件を満たしていない構成部材が存在する場合でも、この構成部材に対しては貫通孔合否判定部126による判定が実行されず、端部結合条件を満たしている構成部材に対してのみ貫通孔合否判定部126による判定が実行されるようになっている。そのため、端部結合条件を満たしていない構成部材に対しては、適宜その修正を行うことにより、貫通孔合否判定部126による合否判定が可能になる。
ここで、「貫通孔の設計条件」とは、例えば構成部材がH形鋼により形成される梁であって、この梁を構成するウエブに貫通孔が設けられる場合に、ウエブの端部から貫通孔までの最小離間等に関する条件等のことであり、図10には、表示部における出力画面に含まれる、設計条件の一例を示している。図10に示す詳細ルールの左上欄には、梁面から貫通孔上下端までの距離に関する設計条件や、貫通孔を設けてはいけない領域に関する設計条件等を記載されており、中央下欄には、貫通孔心間隔に関する設計条件が記載されている。そして、これら種々の貫通孔の設計条件が格納部132に格納されており、貫通孔合否判定部126では、中間ファイルから読み込まれた各貫通孔が各種の設計条件を満たすか否かに関する判定が実行される。
一方、補強板合否判定部128は、貫通孔を補強する補強板が、予め設定されている補強板の設計条件を満たしているか否かを判定する。
ここで、「補強板の設計条件」とは、貫通孔の端部と補強板の端部との間の最小端あきや、貫通孔の中心と補強板の端部までの最小距離等に関する条件等のことであり、図10のその一例を示している。
例えば、図10の詳細ルールの左下欄や中央上欄には、補強板鉛直方向端あき寸法や補強板水平方向端あき寸法に関する設計条件等が記載されており、中央下欄には、隣接する補強板同士のクリアランスに関する設計条件等が記載されている。
図5に戻り、アドインツールにおける「Excel出力」を押下することにより、構成部材に関する各種情報、各構成部材に設けられる貫通孔と補強板に関する各種情報、貫通孔合否判定部126による合否判定結果、及び補強板合否判定部128による合否判定結果が表示部130に表示される。
次に、図9乃至図13を参照して、表示部130における表示例を説明する。ここで、図9は、表示部における出力画面の一例を示す概要図であり、図10は、表示部における出力画面に含まれる、設計条件の一例を示す図である。また、図11Aは、表示部における出力画面に含まれる、梁情報、貫通孔情報、及び補強板情報を示すエクセルデータの一例を示す図であり、図11Bは、表示部における出力画面に含まれる、貫通孔合否判定結果と補強板合否判定結果の一例を示す図である。さらに、図12Aは、表示部における出力画面に含まれる、設計図面を示す図であり、図12Bは、合否判定において設計条件を満たさない場合の設計図面を示す図であり、図13は、表示部における出力画面に表示される拡大図を示す図である。
図9に示す表示部における画面G(アプリケーション画面G)について説明すると、このアプリケーション画面Gは、一般的な表計算ソフトのワークシート画面によって構成されている。また、アプリケーション画面Gには各種情報が表示され、情報ごとに表示領域が区画されている。具体的に説明すると、アプリケーション画面Gの第一領域(図9中、記号G1にて示す領域)には、図10に示す貫通孔や補強板に関する設計条件(設計条件情報)が表示される。図10に示すように、各種の設計条件情報が文字の他にイラストにて表示されており、構造設計担当者が都度参照できるようになっている。
アプリケーション画面Gの第二領域(図9中、記号G2にて示す領域)は、図11Aに示す内容の入力欄となっている。図11Aには、BIMモデルを構成する各種梁のオブジェクト情報に基づき、梁に関する各種情報が入力される。尚、図示例では、基本情報、梁情報、貫通孔情報及び補強板情報が入力情報として入力されている。そして、入力欄を通じて入力された各入力情報は、入力欄中の対応するセルに表示される。
また、アプリケーション画面Gの第三領域(図9中、記号G3にて示す領域)には、図12A及び図12Bに示すように、上記の入力情報に基づいて設計された梁の形状を示す設計図面Pが表示される。図12A及び図12Bは、設計された梁の形状を示す設計図面Pの一例を示す図であり、設計図面P中には、貫通孔(図中、記号khにて表記)及び補強板(図中、記号rbにて表記)が、それぞれ設計された寸法及び配置位置に応じて図示されている。また、貫通孔が複数形成される梁の設計図面Pでは、図12A及び図12Bに示すように、貫通孔及び補強板が複数表示されるようになる。
また、アプリケーション画面Gの第四領域(図9中、記号G4にて示す領域)には、図13に示すように、入力情報に応じて設計された梁に設けられている貫通孔(図中、記号khにて表記)、補強板(図中、記号rbにて表記)及びこれらの周辺を示す拡大図WPが表示される。図13は、拡大図WPの一例を示す図である。尚、図13に示すケースでは、拡大図WPが複数表示されている。
また、アプリケーション画面Gの第五領域(図9中、記号G5にて示す領域)には、図11Bに示すように、判定結果が表示される。図11Bは、判定結果の表示例を示す図である。ここで、「判定結果」とは、上記するように、貫通孔合否判定結果と補強板合否判定結果のことであり、図示例では、これらをまとめた総合判定結果も表示している。また、一つの梁の内部に貫通孔が複数設けられる場合には、貫通孔ごとに各判定結果が表示されるようになっている。
次に、図11A及び図11Bに関する表示内容について、詳細に説明する。図11Aに示す基本情報は、梁の形状に関する基本情報であり、図11Aに示すように、貫通孔の数である孔数と、梁断面の各部寸法とが含まれる。梁情報は、梁本体の形状に関する情報であり、図11Aに示すように、鋼種、内法長さ、梁継手の位置及び寸法、梁せい、梁幅及びフランジ厚が含まれる。尚、梁端部が剛接合であって継手を有しない梁部材については、梁情報のうち、梁継手に関する情報の入力が省略される。
孔情報は、貫通孔の位置及び大きさ(孔径)に関する情報である。貫通孔の位置に関する情報としては、梁の左端から貫通孔までの距離L1と、梁天から貫通孔の距離hが含まれる。また、梁に貫通孔が複数備えられる場合には、孔情報が貫通孔ごとに入力される。
補強板情報は、補強板の寸法や位置に関する情報であり、図11Aに示すように、板厚、板幅、枚数、及び板中心と貫通孔中心との距離が含まれる。また、梁が複数の貫通孔を有する場合には、孔情報と同様に、補強板情報が貫通孔ごとに入力される。
以上で説明した入力情報は、あくまでも一例であり、上述した情報以外の情報を入力情報として取得してもよい。ただし、入力作業の手間を軽減する観点では入力情報を極力少なくした方が望ましく、梁の設計においてユーザが決めるべき事項のうち、必要最低限のものに限定するのが好ましい。
尚、既述するように、上記各種の入力情報は、BIMモデルを構成する各オブジェクトの仕様情報に基づき、自動入力される。すなわち、図5に示すアドインツールにおける「Excel出力」を押下することにより、BIMモデルを構成する各オブジェクトの仕様情報から、図11Aに示す各種情報がアプリケーション画面Gに出力される。この際、中間ファイルにおける貫通孔に関する情報も同時にアプリケーション画面Gに出力されるが、既に中間ファイルの情報がBIMモデルの各オブジェクトの仕様情報として紐付いている場合は、各オブジェクトの仕様情報として同時に出力される。尚、図4に示す中間ファイルの例では、補強板に関する図示を省略しているが、中間ファイルには、補強板に関する情報も対応する貫通孔に併記されているのが望ましい。
図11Aに示す例では、孔ID1乃至4の4つの貫通孔が共通の梁の異なる場所に設けられている例を示しており、図11Aに示すように、孔情報及び補強板情報の各々の入力スペースが4行分確保されている。また、各貫通孔には番号が付される。そして、各番号の貫通孔に関する孔情報と、当該貫通孔に対応する補強板に関する補強板情報とが同一の行にて入力される。例えば、図11Aにおいて孔ID1の貫通孔と同じ行には、当該貫通孔に対応する補強板についての補強板情報が入力されている。
尚、各貫通孔の番号を示すセルに関しては、当該セル上で構造設計担当者が所定の動作(例えば、マウスのダブルクリック操作)を行うことにより、当該セルの色(セル塗潰し色)を変更させることが可能である。このように貫通孔の番号を示すセルの色を変更させることにより、各貫通孔について設計や検証(設計上の問題の有無についての検証)が済んだか否かを色分けにて識別することが可能になる。
図11Bでは、貫通孔合否判定部126と補強板合否判定部128における合否判定結果である、L1乃至L7(図10に示す貫通孔と補強板に関する設計条件)の各項目において、それぞれの合否が判定される。図11Bにおいては、L5以外の項目においては、全ての貫通孔と補強板が判定合格(「OK」)であると表示されている。
一方、L5の項目(梁フランジ内面と補強板との距離)は、3つの貫通孔で不合格(「NG」)となっている。この評価においては、単に「NG」表示のみを行う代わりに、基準値を超える量(孔ID1では、L5が基準より17mm狭い等)を具体的に表示している。
また、図11Bにて示すように、貫通孔と補強板のそれぞれの判定結果を総合した総合判定結果も示しており、補強板が判定「NG」である孔ID1,2,4の各貫通孔では、それらの総合判定も「NG」と評価される。そして、L5の判定結果と総合判定結果において「NG」を示すセルは、例えば赤字表示等にて示すことにより、構造設計担当者が「NG」評価の貫通孔を容易に特定することができ、速やかに当該貫通孔の修正や補強板の修正を行うことが可能になる。
尚、本実施形態において、図11Bには、総合判定の側方に、直交梁干渉情報が併せて表示される。ここで、直交梁干渉情報とは、設計対象の梁部材と直交する他の梁部材に貫通孔が干渉するかどうかについての判定結果を示す情報である。
上記する判定結果に応じて、設計図面Pが判定処理における判定結果を反映して表示される。より詳細には、Excel出力において設計図面P中の貫通孔及び補強板の図が表示される際の表示形式は、判定処理での判定結果に応じて変化する。図12A及び図12Bを参照しながら具体的に説明すると、貫通孔及び補強板についての総合判定結果が「OK」である場合、設計図面P中の貫通孔及び補強板の図は、図12Aに示すように黒色の実線にて表示されるようになる。
一方、貫通孔及び補強板についての総合判定結果が「NG」である場合、設計図面P中の貫通孔及び補強板の図は、図12Bに示すように赤の実線(図12Bでは図示の都合上、黒色の破線にて表記)にて表示されるようになる。このように図示例では、貫通孔及び補強板の表示色が当該貫通孔及び補強板についての総合判定結果に応じて相違する。このような表示色の違いにより、構造設計担当者は、設計された貫通孔及び補強板の各々の位置や大きさについて設計上の問題がないかどうかを容易に確認することが可能となる。尚、上記の表示色はあくまでも一例に過ぎず、他の色を採用してもよい。また、本実施形態では、貫通孔及び補強板の表示色を判定結果に応じて変化させることとしたが、これに限定されるものではなく、色以外の表示形式、例えば、線の太さ、線種、ハイライトの有無等を変化させてもよい。
また、基礎情報の孔数が2以上であった場合(すなわち、梁に複数の貫通孔が設けられる場合)には、貫通孔及び補強板の図の表示色が貫通孔別に決められてもよい。より詳細には、一つの梁に対して複数の貫通孔が設けられる場合に、上記するように判定の成否が貫通孔別に判定され、これに対応する形で、Excel出力において複数の貫通孔を備える梁の設計図面Pを表示するに当たり、各貫通孔及び補強板について、それぞれ表示色が決定される。
また、本実施形態のExcel出力では拡大図WPが表示される。拡大図WPについて図13を参照しながら説明すると、拡大図WPでは、貫通孔及び補強板の図と共に限界ラインbrが表示される。この限界ラインbrは、設計条件に応じたラインであり、設計条件としての限界値(許容値)を線として図示したものである。このような貫通孔及び補強板の図と限界ラインbrが示された拡大図WPを表示することにより、貫通孔及び補強板が設計条件を満たしているかどうかをビジュアル化して表すことが可能になる。そして、構造設計担当者は、拡大図WPにおける限界ラインbrと貫通孔や補強板との位置関係から、設計条件の成否を容易に確認することができる。
ここで、限界ラインbrについては、拡大図WPの他の要素と異なる表示形式(例えば、表示色や線種)にて表示されることが好ましく、例えば赤色の破線(図13では図示の都合上、黒色の破線にて表記)にて表示されるのが望ましい。
尚、上記するように、本実施形態では設計条件が複数種設定されており、これに対応させて、拡大図WPが設計条件別に作成されることになっている。そして、Excel出力では、図13に示すように、設計条件別の拡大図WPが一画面(具体的にはアプリケーション画面G)にて同時に表示されることになっている。このことにより、設計条件別の判定結果を同時に、且つ容易に確認することが可能になる。
上記するように設計条件をビジュアル化した限界ラインbrを表示することにより、設計条件の成否についての確認がより容易になる。一方で、限界ラインbrについては、設計図面P中に表示することも可能である。ただし、限界ラインbrを設計図面Pに表示する場合、本実施形態のように設計条件が複数種類存在すると、複数の限界ラインbrが設計図面P中に混在することになる。その結果、貫通孔及び補強板と限界ラインbrとの位置関係が見難くなる可能性がある。これに対して、本実施形態では、拡大図WPに限界ラインbrを表示することとし、さらに設計条件ごとに拡大図WPを分けて作成することから、貫通孔及び補強板と限界ラインbrとの位置関係が見易くなり、好ましい。
以上のように、表示部130では、梁の設計のための入力情報、設計図面P、拡大図WP、及び、設計された梁に設けられている貫通孔や補強板に設計上の問題がないか否かに関する判定結果が、一画面に同時に表示される。このような画面構成ゆえに、構造設計担当者であるユーザにとって利便性が高く、表示されている梁の設計図面Pがどのような入力情報の下で設計されているのかを容易に把握することができる。
そして、貫通孔や補強板等の設計に問題があると判定された場合には、その判定結果とともに、どのような入力情報が入力されたことに起因して当該判定結果に至ったのかを分析することが容易になる。尚、アプリケーション画面Gにおいて、判定結果情報が表示される領域(第五領域)は、入力情報の表示領域(第二領域)に対して横並び(隣接)である。そして、ある梁を設計するための入力情報と、当該入力情報に基づく設計内容についての判定結果とが同一の行にて表示される。より詳細に説明すると、梁に設けられている貫通孔及び補強板に関する入力情報と、当該貫通孔及び補強板に関する設計内容についての判定結果が、同じ行において並べられる。このことにより、入力情報と判定結果との対比がより容易に行えるようになっている。
図5に戻り、次に、アドインツールにおける「結果表示」を押下することにより、Excel出力した結果をリスト表示する。ここで、図14は、表示部におけるBIMモデル上で、正常判定の貫通孔とエラー判定の貫通孔を示す図である。
図14では、表示部130においてBIMモデル画面が表示されており、図中の「注目する梁」が他の梁と異なる着色状態となっている。そして、この注目する梁には、3つの貫通孔が図示されており、そのうち、左右にある二つの貫通孔X1は設計条件を満たし、判定結果が正常であることから、例えば青色表示される。それに対して、中央の貫通孔X2はいずれかの設計条件を満たしておらず、例えば赤色表示される。
このように、表示部130における3次元のBIMモデル上において、設計条件を満たさない貫通孔が赤色表示等されることにより、構造設計担当者は、設計条件を満たさない貫通孔を三次元のBIMモデル上において容易に確認することが可能になる。
図5に戻り、次に、アドインツールにおける「梁ファミリマッピング」を押下することにより、判定処理された各梁を、大梁と小梁と片持ち梁とに分類する。尚、図15は、BIMモデルを形成する梁ファミリを、大梁と小梁と片持ち梁に分類している状態を示す図である。
[実施形態に係る設計支援方法]
次に、図16及び図17を参照して、実施形態に係る設計支援方法の一例について説明する。ここで、図16は、実施形態に係る設計支援方法の一例を示すフロー図であり、図17は、実施形態に係る設計支援方法のうち、貫通孔合否判定工程と補強板合否判定工程の一例を詳細に示すフロー図である。
図4を参照して既に説明したように、貫通孔等に関する各種情報が含まれた構成部材に関する中間ファイル60が設備設計ユーザ端末10Cにより作成され、共有サーバ20に送信され、格納されている。構造設計ユーザ端末10Bは、共有サーバ20から上記する中間ファイル60を受信する、受信工程を実行する(ステップS100)。この受信工程により、設備設計担当者等が設計した各構成部材に設けられる貫通孔や補強板に関する情報を、構造設計ユーザ端末10Bにおいて、BIMモデルの対応する構成部材に対して効率的に紐付けることが可能になる。
次に、構造設計ユーザ端末10Bにおいて、高機能一貫構造計算ソフトウェアが読み出され、意匠設計担当者が設計しているBIM意匠モデルに基づいて、計算ソフトウェア内において計算モデルを作成し、計算モデルを構成する各種の構成要素の仕様情報を入力し、構造計算を実行する(非BIM計算モデルの作成)。次に、ST−Bridgと、Autodesk Revitを起動することにより、非BIM計算モデルをBIM計算モデルに変換する。構造計算により所定の構造安全性をクリアしたBIM計算モデルに対して、構造計算には不要であった様々な構成部材(オブジェクト)をBIM計算モデルに付加することにより、BIMモデルを設計する、設計工程を実行する(ステップS110)。
次に、BIMモデルを構成する各構成部材(梁や床等)に対して、既に設定されている端部結合条件を各構成部材が満たしているか否かを判定する、端部結合条件判定工程を実行する(ステップS120)。尚、この判定結果を表示部130にて表示する表示工程が、随時実行されてよい(図示せず)。
一般のBIMモデルの設計においては、梁の端部結合条件の設定が例えば梁種に応じて自動的にデフォルト処理されるようになっていないことから、BIMモデルを設計した後に、各梁の端部結合条件の適否を梁ごとに精査することが必要となり、この精査に多大な時間と手間を要している。そこで、BIMモデルを構成する各構成部材が端部結合条件を満たしているか否かが端部結合条件判定工程にて自動判定され、判定結果が表示工程にて表示されることにより、端部結合条件を満たしていない梁等の構成部材を短時間に特定し、端部結合条件の修正を速やかに行うことが可能になる。
次に、構成部材がその端部結合条件を満たしていることを前提として、当該構成部材に設けられている一つもしくは複数の貫通孔に対して設定されている設計条件を、当該貫通孔が満たしているか否かを判定する、貫通孔合否判定工程を実行する(ステップS130)。尚、この判定結果を表示部130にて表示する表示工程も、随時実行されてよい(図示せず)。
貫通孔合否判定工程により、端部結合条件を満たしている構成部材の備える貫通孔が、当該貫通孔の設計条件を満たしているか否かを貫通孔判定工程にて判定することにより、適切な端部結合条件を有する構成部材に対して、適切な位置に適切な寸法形状の貫通孔が設けられていることを速やかに確認することができる。
次に、各貫通孔に対応する補強板に対して設定されている設計条件を、当該補強板が満たしているか否かを判定する、補強板合否判定工程を実行する(ステップS140)。尚、この判定結果を表示部130にて表示する表示工程も、随時実行されてよい(図示せず)。
貫通孔判定工程において貫通孔が予め設定されている設計条件を満たすか否かを判定することに加えて、さらに、補強板合否判定工程により、補強板が予め設定されている設計条件を満たすか否かを判定することによって、適切な補強板が設けられているか否かを速やかに確認することができる。
ここで、図17を参照して、実施形態に係る設計支援方法のうち、貫通孔合否判定工程と補強板合否判定工程の一例を詳細に説明する。
構造設計担当者であるユーザは、中間ファイル60を読み取ることにより、設計対象の梁と当該梁に設けられる貫通孔等に関する入力情報を取得する(ステップS102)。
取得した梁に関する情報において、貫通孔の数(孔数)を特定し、設計対象の梁において貫通孔が複数設けられているか否かを確認する(ステップS131)。
設定対象の梁に設けられる貫通孔が一つである場合、当該梁における貫通孔及び補強板が複数種類の設計条件をすべて満たしているか否かを判定する(ステップS132)。そして、構造設計ユーザ端末10Bにおいて、貫通孔及び補強板が複数種類の設計条件をすべて満たしていると判定した場合には、設計図面P中の貫通孔及び補強板の図の表示色を黒色に設定する(ステップS133)。
一方、構造設計ユーザ端末10Bにおいて、貫通孔及び補強板がいずれかの設計条件を満たしていないと判定した場合には、設計図面P中の貫通孔及び補強板の図の表示色を赤色に設定する(ステップS134)。さらに、構造設計ユーザ端末10Bにおいて、満たされなかった設計条件について、当該設計条件を満たすのに修正が必要な入力情報(被特定情報)の入力列と修正値とを特定する(ステップS135)。
以上までの各ステップを経た後、構造設計ユーザ端末10Bは、Excel出力表示を実行する(ステップS136)。Excel出力表示では、アプリケーション画面Gにおいて、各種の入力情報、梁の形状等を示す設計図面P、貫通孔周りの拡大図WP、及びステップS132での判定結果を示す判定結果情報が同時に表示される。この際、設計図面P中の貫通孔及び補強板に関する図は、ステップS133又はステップS134にて設定された表示色にて表示される。具体的に説明すると、貫通孔及び補強板がすべての設計条件を満たしている場合には貫通孔及び補強板の図が黒色にて表示され、貫通孔及び補強板がいずれかの設計条件を満たしていない場合には赤色にて表示される。
また、貫通孔及び補強板がいずれかの設計条件を満たしていない場合には、当該設計条件についての判定結果情報(条件別結果情報)として、ステップS135にて特定された入力列と修正値を含んだ情報が表示されるようになる。
ステップS131に戻り、設定対象の梁に設けられる貫通孔が複数である場合、構造設計ユーザ端末10Bは、梁における各貫通孔及び各補強板が複数種類の設計条件をすべて満たしているかどうかを判定する(ステップS137)。そして、構造設計ユーザ端末10Bは、各貫通孔及び各補強板がすべての設計条件を満たしていると判定した場合には、設計図面P中、各貫通孔及び補強板の図の表示色を黒色に設定する(ステップS138)。
一方、構造設計ユーザ端末10Bが設計条件を満たしていない貫通孔や補強板が存在すると判定した場合、設計図面P中、設計条件を満たしていない貫通孔及び補強板の図の表示色を赤色に設定する(ステップS139)。尚、この際、設計条件をすべて満たす貫通孔及び補強板が存在する場合、当該貫通孔及び補強板の図の表示色については、黒色に設定される。
また、ステップS137において、設計条件を満たしていない貫通孔や補強板が存在すると判定した場合、構造設計ユーザ端末10Bは、当該設計条件を満たすのに修正が必要な入力情報(被特定情報)の入力列と修正値とを特定する(ステップS141)。
ステップS138又はステップS141の終了後、構造設計ユーザ端末10Bは、設計対象の梁において取得された貫通孔の中から一の貫通孔を特定する(ステップS142)。具体的には、アプリケーション画面G中に表示された各貫通孔の番号のうち、その時点でカーソルが合わせられたセル番号の貫通孔を特定する。
以上までのステップを経た後、構造設計ユーザ端末10Bは、Excel出力表示を実行する(ステップS143)。Excel出力表示では、アプリケーション画面Gにおいて、各種の入力情報、梁の形状等を示す設計図面P、貫通孔周りの拡大図WP、及びステップS137での判定結果を示す判定結果情報が同時に表示される。このとき、設計図面P中の貫通孔及び補強板の図は、ステップS138又はステップS139にて設定された表示色にて表示される。具体的に説明すると、貫通孔及び補強板がすべての設計条件を満たしている場合には貫通孔及び補強板の図が黒色にて表示され、貫通孔及び補強板がいずれかの設計条件を満たしていない場合には赤色にて表示される。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:設計ユーザ端末
20:共有サーバ
30:ネットワーク
50:設計支援システム
60:中間ファイル
120:通信部
122:設計部
124:端部結合条件判定部
126:貫通孔合否判定部
128:補強板合否判定部
130:表示部
132:格納部

Claims (10)

  1. 建築物のBIMモデルを設計する、設計ユーザ端末であって、
    ネットワークを介して、前記BIMモデルの備える各構成部材の有する貫通孔の形状情報及び位置情報を少なくとも含む中間ファイルを受信する、通信部と、
    前記BIMモデルを設計する設計部と、
    前記構成部材の端部結合条件を格納する格納部と、
    前記構成部材が前記端部結合条件を満たしているか否かを判定する、端部結合条件判定部と、
    前記端部結合条件判定部における判定結果を表示する表示部と、を有することを特徴とする、設計ユーザ端末。
  2. 貫通孔合否判定部をさらに有し、
    前記貫通孔の設計条件がさらに前記格納部に格納されており、
    前記貫通孔合否判定部では、前記構成部材が前記端部結合条件を満たしている場合に、該構成部材に設けられている前記貫通孔が前記設計条件を満たしているか否かを判定し、
    前記貫通孔合否判定部における判定結果を前記表示部にて表示することを特徴とする、請求項1に記載の設計ユーザ端末。
  3. 前記中間ファイルには、各貫通孔に取り付けられる補強板の形状情報及び位置情報がさらに含まれており、
    補強板合否判定部をさらに有し、
    前記補強板の設計条件がさらに前記格納部に格納されており、
    前記補強板合否判定部では、前記補強板が前記設計条件を満たしているか否かを判定し、
    前記補強板合否判定部における判定結果を前記表示部にて表示することを特徴とする、請求項1又は2に記載の設計ユーザ端末。
  4. 前記構成部材が梁であり、該梁には、大梁、小梁、及び片持ち梁が含まれており、
    前記大梁、前記小梁、及び前記片持ち梁の前記端部結合条件がそれぞれ前記格納部に格納されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の設計ユーザ端末。
  5. 前記表示部では、前記構成部材の有する形状情報及び位置情報と、各構成部材の備える前記貫通孔の有する形状情報及び位置情報と、前記貫通孔及び前記補強板の合否判定結果がテキスト表示されるようになっており、
    前記貫通孔及び前記補強板の合否判定結果を示す部分において、合否に応じた色分け表示が実行されることを特徴とする、請求項3、又は請求項3に従属する請求項4に記載の設計ユーザ端末。
  6. 前記表示部に表示される前記BIMモデルにおいて、前記貫通孔が、前記貫通孔合否判定部による判定結果、及び/又は前記補強板合否判定部よる判定結果に応じて色分け表示されることを特徴とする、請求項3、請求項3に従属する請求項4又は5のいずれか一項に記載の設計ユーザ端末。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の設計ユーザ端末と、
    前記ネットワークを介して、前記設計ユーザ端末にて設計された前記BIMモデルと作成された前記中間ファイルを受信し、二以上の該設計ユーザ端末が前記BIMモデル及び前記中間ファイルを共有可能に格納する共有サーバと、を有することを特徴とする、設計支援システム。
  8. 建築物のBIMモデルを設計する、設計支援方法であって、
    ネットワークを介して、前記BIMモデルの備える各構成部材の有する貫通孔の形状情報及び位置情報を少なくとも含む中間ファイルを受信する、受信工程と、
    BIMモデルを設計する設計工程と、
    前記構成部材に対して設定されている端部結合条件を該構成部材が満たしているか否かを判定する、端部結合条件判定工程と、
    前記端部結合条件判定工程における判定結果を表示する表示工程と、を有することを特徴とする、設計支援方法。
  9. 貫通孔合否判定工程をさらに有し、
    前記貫通孔合否判定工程では、前記構成部材が前記端部結合条件を満たしている場合に、該構成部材に設けられている前記貫通孔に対して設定されている設計条件を該貫通孔が満たしているか否かを判定することを特徴とする、請求項8に記載の設計支援方法。
  10. 前記中間ファイルには、各貫通孔に取り付けられる補強板の形状情報及び位置情報がさらに含まれており、
    補強板合否判定工程をさらに有し、
    前記補強板合否判定工程では、前記補強板に対して設定されている設計条件を該補強板が満たしているか否かを判定することを特徴とする、請求項8又は9に記載の設計支援方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114704006A (zh) * 2022-03-30 2022-07-05 中国五冶集团有限公司 一种基于bim的开合式仿生月牙金属格栅施工方法

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