JP2022003029A - ゾニサミド原薬粒子およびその用途 - Google Patents

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敏史 猪西
Tosohifumi Inishi
拓未 森
Takumi Mori
慶吾 中村
Keigo Nakamura
幸二 北田
Koji Kitada
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Abstract

【課題】溶出性を向上できるゾニサミド原薬粒子を提供する。【解決手段】原薬粒子をゾニサミドまたはその塩で形成し、かつ体積基準の累積50%粒子径(D50)を18μm以下に調整する。前記原薬粒子において、体積基準の累積10%粒子径(D10)は3.6μm未満であってもよく、体積基準の累積90%粒子径(D90)は15μm以上であってもよい。前記原薬粒子を含む顆粒を調製してもよい。この顆粒は中実状であってもよい。前記顆粒は、ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルを実質的に含まないのが好ましい。前記顆粒および速崩壊性粒子を含む口腔内崩壊錠を調製してもよい。前記速崩壊性粒子はエチルセルロースを含んでいてもよい。前記速崩壊性粒子は、糖アルコール、カルメロース、ケイ酸類およびクロスポビドンをさらに含んでいてもよい。前記口腔内崩壊錠は、結晶セルロースを実質的に含まないのが好ましい。前記口腔内崩壊錠は、ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルおよびデンプン類を実質的に含まないのが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、抗てんかん薬として利用されるゾニサミドで形成されたゾニサミド原薬粒子およびその用途に関する。
ゾニサミドは、抗てんかん薬や抗パーキンソン病薬として利用される。ゾニサミドは、通常、経口製剤として利用され、口腔内崩壊錠(OD錠)の形態などで利用される場合は速やかな溶出性が要求される。
国際公開第2009/102038号(特許文献1)には、口腔内崩壊錠として、活性成分、マンニトール、結晶セルロース、ならびに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチおよびカルメロースからなる群から選ばれる少なくとも2種の特定成分を含有する口腔内崩壊錠が開示されている。この文献では、前記活性成分の平均粒子径は、通常1〜250μm(好ましくは1〜100μm)と記載され、実施例では、平均粒子径約7μmのゾニサミドなどが使用されている。
国際公開第2014/030656号(特許文献2)には、薬物含有中空粒子として、シェルおよび中空部からなる粒子であって、シェルが薬物と高分子とを含み、粒子全体に対する中空の体積比率が1〜50%である中空粒子が開示されている。この文献の実施例では、前記薬物として、ジェットミル粉砕物である体積基準の累積50%粒子径(D50)2.7μmのゾニサミドなどが使用され、前記高分子としてヒドロキシプロピルセルロースなどの高分子が使用されている。
国際公開第2019/130749号(特許文献3)には、所望の部位で所望の時間により目的成分を吸収させ、所望の薬効を得る製剤が提供できる組成物として、コーティング可能な微粒子を含む、シェルおよび中空部からなる薬物含有中空粒子に徐放性、腸溶性、胃溶性、苦みマスキング性または光安定性の機能を付与するための組成物が開示されている。この文献の実施例では、前記薬物として、体積基準の累積50%粒子径(D50)1.99μmのゾニサミドなどが使用されている。
国際公開第2009/102038号 国際公開第2014/030656号 国際公開第2019/130749号
しかし、特許文献1〜3のゾニサミド原薬では、十分な溶出性を確保することが困難であった。
従って、本発明の目的は、溶出性を向上できるゾニサミド原薬粒子およびその用途を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ゾニサミド原薬粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)を18μm以下に調整することにより、溶出性を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の原薬粒子は、ゾニサミドまたはその塩で形成され、かつ体積基準の累積50%粒子径(D50)が18μm以下である。また、前記原薬粒子について、体積基準の累積10%粒子径(D10)が3.6μm未満で、体積基準の累積90%粒子径(D90)が15μm以上であってもよい。
本発明には、前記原薬粒子を含む顆粒も含まれる。この顆粒は中実状であってもよい。前記顆粒は、ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルを実質的に含まないのが好ましい。
本発明には、前記顆粒および速崩壊性粒子を含む口腔内崩壊錠も含まれる。前記速崩壊性粒子はエチルセルロースを含んでいてもよい。前記速崩壊性粒子は、糖アルコール、カルメロース、ケイ酸類およびクロスポビドンをさらに含んでいてもよい。前記口腔内崩壊錠は、結晶セルロースを実質的に含まないのが好ましい。前記口腔内崩壊錠は、ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルおよびデンプン類を実質的に含まないのが好ましい。
本発明には、ゾニサミドまたはその塩で形成された原薬粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)を18μm以下に調整することにより、水中でのゾニサミドまたはその塩の溶出速度を向上させる方法も含まれる。
本発明では、ゾニサミド原薬粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)が18μm以下に調整されているため、ゾニサミド原薬の溶出性を向上できる。
[ゾニサミド原薬粒子]
本発明の原薬粒子は、ゾニサミド(1,2−ベンズイソオキサゾール−3−イル−メタンスルホンアミド)またはその塩で形成されている。
塩としては、薬学的に許容できる塩であれば、特に限定されない。塩の形態としては、例えば、アルカリ金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩など)などが挙げられる。
原薬粒子の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。
原薬粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)は18μm以下であればよく、例えば3〜16μm、好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは3〜12μmである。原薬粒子の粒径が小さすぎると、溶出性および服用感が低下する虞がある。
原薬粒子の体積基準の累積10%粒子径(D10)は3.6μm未満であってもよく、例えば1.5〜3μm、好ましくは1.5〜2.5μmである。
原薬粒子の体積基準の累積90%粒子径(D90)は15μm以上であってもよく、例えば15〜50μm、好ましくは15〜40μmである。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、体積基準の累積50%粒子径(D50)などの粒子径は、レーザー回折式粒度分布計を用いて体積基準で測定でき、詳細には、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
[原薬粒子を含む顆粒]
本発明の顆粒は、薬効成分として、前記原薬粒子を含み、前記原薬粒子に加えて、賦形剤をさらに含んでいてもよい。原薬粒子の割合は顆粒中10〜90質量%程度であってもよく、例えば30〜80質量%、好ましくは40〜75質量%、さらに好ましくは50〜70質量%、最も好ましくは60〜65質量%である。
賦形剤としては、例えば、乳糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、ショ糖、白糖、粉末還元麦芽糖水アメなどの糖類;ソルビトール、マンニトール、還元麦芽糖水飴(マルチトール)、還元澱粉糖化物、キシリトール、還元パラチノース、ブドウ糖を醗酵させた四炭糖(例えば、エリスリトールなど)などの糖アルコール;微結晶セルロース、結晶セルロース、粉末セルロースなどのセルロース類;タルク、軽質無水ケイ酸などの無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素(含水無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどのケイ酸類;酸化マグネシウム、酸化チタンなどの金属酸化物;沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;乳酸カルシウムなどの乳酸塩;無水リン酸水素カルシウム、リン酸一水素カルシウムなどのリン酸塩;ベントナイト、合成ヒドロタルサイト、カオリンなどの鉱物類などが挙げられる。これらの賦形剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、マンニトールなどの糖アルコール、タルクや軽質無水ケイ酸などのケイ酸類が好ましく、糖アルコールとケイ酸類との組み合わせが特に好ましい。糖アルコールの体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば1〜350μm、好ましくは5〜250μm、さらに好ましくは20〜150μmであってもよい。ケイ酸類のD50は、例えば0.1〜30μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μm、最も好ましくは2〜4μmであってもよい。
糖アルコールとケイ酸類とを組み合わせる場合、糖アルコールの割合は、ケイ酸類100質量部に対して、例えば10〜100質量部、好ましくは20〜80質量部、さらに好ましくは30〜70質量部、最も好ましくは40〜60質量部である。糖アルコールの割合が少なすぎると、機械的特性が低下する虞があり、逆に多すぎると、原薬の溶出性が低下する虞がある。
賦形剤の割合は、原薬粒子100質量部に対して、例えば3〜100質量部、好ましくは5〜80質量部、さらに好ましくは10〜50質量部、最も好ましくは20〜40質量部である。賦形剤の割合は顆粒中3〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%、最も好ましくは15〜25質量%である。賦形剤の割合が少なすぎると、機械的特性が低下する虞があり、逆に多すぎると、原薬の溶出性が低下する虞がある。
前記顆粒は、前記原薬粒子に加えて、結合剤をさらに含んでいてもよい。結合剤は、マスキングのためのコーティング剤として配合されてもよい。結合剤(またはコーティング剤)としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、コポリビドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体など)、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニルなどの合成高分子;メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシメチルセルロース(カルメロースまたはCMC)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)などのセルロースエーテル類;酢酸セルロースなどのセルロースエステル類などが挙げられる。これらの結合剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、アルキルセルロースが好ましく、ECなどのC1−3アルキルセルロースが特に好ましい。アルキルセルロースの体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば1〜60μm、好ましくは3〜45μm、さらに好ましくは5〜15μmであってもよい。
結合剤(またはコーティング剤)の割合は、原薬粒子100質量部に対して、例えば3〜100質量部、好ましくは5〜80質量部、さらに好ましくは10〜50質量部、最も好ましくは20〜40質量部である。結合剤の割合は、顆粒中3〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%、最も好ましくは15〜20質量%である。結合剤の割合が少なすぎると、形態安定性が低下する虞があり、逆に多すぎると、原薬の溶出性が低下する虞がある。
結合剤がコーティング剤として利用される場合、前記賦形剤のうち、無機粒子(ケイ酸類、金属酸化物、炭酸塩、乳酸塩、リン酸塩、鉱物類など)は、コーティング剤の取り扱い性を向上させるために配合してもよい。このような目的で配合される賦形剤(特に、タルク)の割合は、コーティング剤100質量部に対して、例えば5〜100質量部、好ましくは10〜80質量部、さらに好ましくは30〜70質量部、最も好ましくは40〜60質量部である。
前記顆粒は、前記原薬粒子に加えて、経口製剤に配合される慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、崩壊剤、滑沢剤、可塑剤、界面活性剤、pH調整剤、着色剤、甘味剤または矯味剤(アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスコルビン酸、ステビア、カンゾウ粗エキス、単シロップなど)、着香剤または清涼化剤(ヨーグルトミクロン、ペパーミントミクロン、メントール、ジンジャーオイルなど)、抗酸化剤[ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、クエン酸など]、防腐剤または保存剤(安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル類など)、湿潤剤、帯電防止剤、崩壊補助剤などが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、クロスポビドン(架橋ポリビニルピロリドン)、クロスポビドンコポリマーなどの架橋ポリビニルピロリドン類;カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)などのセルロースエーテル類;寒天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビンガム、アラビアガム、トラガントガム、プルラン、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ペクチン、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどの多糖類;ゼラチン、カゼイン、ダイズタンパク質などのタンパク質類;ベントナイト、合成ヒドロタルサイト、カオリンなどの鉱物類などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ヤシ油脂肪酸ナトリウムなどの脂肪酸またはその金属塩;含水二酸化ケイ素、二酸化ケイ素などの酸化ケイ素;ジメチルポリシロキサンなどのポリオルガノシロキサン;硬化油、カカオ脂などの油脂類;ミツロウ、サラシミツロウ、カルナウバロウ、ラノリン、パラフィン、ワセリンなどのワックス類などが挙げられる。
可塑剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの親水性可塑剤;トリアセチン、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、ラウリル酸、ステアリルアルコール、セタノールなどの脂溶性可塑剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、重量平均分子量300〜6000のポリエチレングリコールなどのマクロゴール類;プルロニック(登録商標)、ポロクサマーなどのポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール;ポリソルベート80などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート類);ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化油;モノステアリン酸グリセリンなどのグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル;ショ糖ラウリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル;ラウリル硫酸ナトリウムなどの脂肪酸金属塩などが挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸;酢酸、クエン酸などの有機酸;水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基;アミン類などの有機塩基などが挙げられる。
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用レーキ色素、ベンガラ、ウコン抽出液、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステルナトリウム、カロチン液、タール色素、カラメルなどが挙げられる。
これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の総量は、顆粒中50質量%以下であってもよく、例えば0.01〜30質量%、好ましくは0.05〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
前記顆粒は、原薬の溶出性を向上できる点から、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルを実質的に含まないのが好ましい。ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルの割合は、顆粒中1質量%以下であってもよく、好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下であり、ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルを含まないのが最も好ましい。
前記顆粒の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。さらに、前記顆粒の形状は、中空形状であってもよいが、服用感などの点から、中実状が好ましい。
前記顆粒の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば50〜1000μm、好ましくは70〜800μm、さらに好ましくは80〜700μm、さらに好ましくは100〜600μm、最も好ましくは150〜500μmである。顆粒の粒径が小さすぎると、服用感が低下する虞があり、大きすぎると、原薬の溶出性が低下する虞がある。
前記顆粒に含まれる水分量は、例えば、1.5質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましい。
[速崩壊性粒子]
本発明の口腔内崩壊錠(OD錠)は、前記顆粒および速崩壊性粒子を含み、前記原薬粒子を含む顆粒と速崩壊性粒子とを組み合わせているため、口腔内崩壊性を高度に向上できる。さらに、前記顆粒と特定の速崩壊性粒子とを組み合わせることにより、口腔内崩壊性に加えて、服用感を向上できるとともに、OD錠に必要な硬度などの機械的特性も担保できる。
(糖アルコール)
前記速崩壊性粒子は、賦形剤として糖アルコールを含むのが好ましい。糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、マンニトール、還元麦芽糖水飴(マルチトール)、還元澱粉糖化物、キシリトール、還元パラチノース、ブドウ糖を醗酵させた四炭糖(例えば、エリスリトールなど)などが挙げられる。これらの糖アルコールは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトールなどが汎用され、マンニトールが好ましく、D−マンニトールが特に好ましい。
糖アルコール(原料糖アルコール)の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。
糖アルコール(原料糖アルコール)の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば1〜350μm、好ましくは5〜250μm、さらに好ましくは20〜150μmである。糖アルコールの粒径が小さすぎると、速崩壊性粒子の機械的特性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、服用感が低下する虞がある。
糖アルコール(特に、マンニトール)の割合は、速崩壊性粒子中30質量%以上であってもよく、例えば30〜95質量%、好ましくは50〜90質量%、さらに好ましくは60〜85質量%、より好ましくは65〜80質量%、最も好ましくは70〜75質量%である。糖アルコールの割合が少なすぎると、服用感が低下する虞があり、逆に多すぎると、口腔内崩壊性が低下する虞がある。
(エチルセルロース)
前記速崩壊性粒子は、結合剤としてエチルセルロースを含むのが好ましい。結合剤としてエチルセルロースを用いることにより、口腔内崩壊性を向上できる。
エチルセルロースの形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。
エチルセルロースの体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば1〜60μm、好ましくは3〜45μm、さらに好ましくは5〜15μmである。エチルセルロースの粒径が小さすぎると、速崩壊性粒子の機械的特性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、服用感が低下する虞がある。
エチルセルロースの割合は、糖アルコール100質量部に対して、例えば0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部、さらに好ましくは1.5〜4質量部、最も好ましくは2〜3.5質量部である。エチルセルロースの割合は、速崩壊性粒子中0.1〜10質量%であってもよく、好ましくは0.5〜5質量%、さらに好ましくは1〜3質量%、最も好ましくは1.5〜2.5質量%である。エチルセルロースの割合が少なすぎると、粒子の機械的特性が低下する虞があり、逆に多すぎると、口腔内崩壊性が低下する虞がある。
(カルメロース)
前記速崩壊性粒子は、崩壊剤としてカルメロースを含むのが好ましい。速崩壊性粒子では、結晶セルロースを実質的に含有させることなく、糖アルコールとカルメロースとを組み合わせると、口腔内崩壊性だけでなく、服用感も向上できる。特に、糖アルコールに加えて、さらに前記エチルセルロース、後述するケイ酸類およびクロスポビドンと組み合わせることにより、カルメロースの導水性が他の成分と相乗作用を示すためか、口腔内崩壊性および服用感を高度に向上できるとともに、口腔内崩壊錠に必要な機械的特性も担保できる。
カルメロースにおいて、カルボキシメチル基の平均置換度(または平均エーテル化度)は、例えば0.1〜1、好ましくは0.2〜0.8、さらに好ましくは0.3〜0.7、最も好ましくは0.4〜0.6である。平均置換度が低すぎると、口腔内崩壊性が低下する虞がある。なお、この平均置換度は、セルロースを構成するグルコース単位の6位のヒドロキシル基に対する置換度(置換割合)の平均値であり、最大値は1である。
カルメロース(原料カルメロース)の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。
カルメロース(原料カルメロース)の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば1〜70μm、好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。カルメロースの粒径が小さすぎると、口腔内崩壊性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、服用感が低下する虞がある。
カルメロースの嵩比重は、例えば100〜800g/リットル、好ましくは200〜500g/リットル、さらに好ましくは300〜400g/リットルである。
カルメロースの割合は、糖アルコール100質量部に対して1〜100質量部程度の範囲から選択でき、例えば3〜50質量部、好ましくは5〜45質量部、さらに好ましくは10〜40質量部、より好ましくは20〜35質量部、最も好ましくは25〜30質量部である。カルメロースの割合は、速崩壊性粒子中3〜50質量%であってもよく、好ましくは5〜40質量%、さらに好ましくは10〜30質量%、最も好ましくは15〜25質量%である。カルメロースの割合が少なすぎると、口腔内崩壊性が低下する虞があり、逆に多すぎると、服用感が低下する虞がある。
(ケイ酸類)
前記速崩壊性粒子は、糖アルコールおよびカルメロースに加えて、結合剤および/または崩壊剤としてケイ酸類をさらに含んでもよい。ケイ酸類は、一般的には賦形剤として利用されることが多いが、糖アルコールおよびカルメロースと組み合わせることにより、硬度の向上に加えて、口腔内崩壊性および服用感にも寄与し、無水ケイ酸を選択することにより、導水性が向上するためか、口腔内崩壊性および服用感を高度に向上できる。
ケイ酸類としては、例えば、前記顆粒の項で賦形剤として例示されたケイ酸類などが挙げられる。前記ケイ酸類は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、無水ケイ酸が好ましく、軽質無水ケイ酸が特に好ましい。
ケイ酸類(原料ケイ酸類)の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。
ケイ酸類(特に、無水ケイ酸)の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば0.1〜30μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μm、最も好ましくは2〜4μmである。ケイ酸類の粒径が小さすぎると、口腔内崩壊性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、服用感が低下する虞がある。
ケイ酸類(原料ケイ酸類)のBET比表面積は、例えば50〜1000m/g、好ましくは100〜500m/g、さらに好ましくは150〜450m/g、最も好ましくは200〜400m/gである。BET比表面積が小さすぎると、硬度が低下する虞があり、逆に大きすぎると、口腔内崩壊性が低下する虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、ケイ酸類のBET比表面積は、慣用の方法、例えば、窒素吸着法に基づいて測定できる。
ケイ酸類(特に、無水ケイ酸)の割合は、糖アルコール100質量部に対して、例えば0.1〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜3質量部、最も好ましくは1〜2質量部である。ケイ酸類(特に、無水ケイ酸)の割合は、速崩壊性粒子中0.1〜5質量%であってもよく、好ましくは0.3〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%、最も好ましくは0.5〜1.5質量%である。ケイ酸類の割合が少なすぎると、硬度の向上効果や口腔内崩壊性が低下する虞があり、逆に多すぎると、服用感が低下する虞がある。
(クロスポビドン)
前記速崩壊性粒子は、崩壊剤としてクロスポビドンを含んでいてもよい。
クロスポビドン(原料クロスポビドン)の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、通常、無定形状、粉粒状などである。
クロスポビドンの体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば0.5〜50μm、好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは3〜20μm、最も好ましくは5〜10μmである。クロスポビドンの粒径が小さすぎると、口腔内崩壊性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、服用感が低下する虞がある。
クロスポビドンの割合は、糖アルコール100質量部に対して、例えば3〜20質量部、好ましくは5〜15質量部、さらに好ましくは6〜10質量部、最も好ましくは7〜9質量部である。クロスポビドンの割合は、速崩壊性粒子中3〜15質量%であってもよく、好ましくは5〜10質量%、さらに好ましくは5〜8質量%、最も好ましくは6〜7質量%である。クロスポビドンの割合が少なすぎると、口腔内崩壊性が低下する虞があり、逆に多すぎると、粒子の機械的特性が低下する虞がある。
(他の成分)
前記速崩壊性粒子は、経口製剤に配合される慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、前記顆粒の項で例示された崩壊剤(クロスポビドンを除く)、賦形剤(糖アルコールおよびケイ酸類を除く)、結合剤(エチルセルロース、カルメロースを除く)、滑沢剤、可塑剤、界面活性剤、pH調整剤、着色剤、甘味剤または矯味剤、着香剤または清涼化剤、抗酸化剤、防腐剤または保存剤、湿潤剤、帯電防止剤、崩壊補助剤などが挙げられる。
これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の総量は、速崩壊性粒子中50質量%以下(例えば0.01〜50質量%)であってもよく、例えば30質量%以下、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、最も好ましくは5質量%以下(例えば0.1〜5質量%)である。
前記速崩壊性粒子は、ゾニサミド原薬を含んでいてもよいが、製剤設計性などの点から、ゾニサミド原薬を実質的に含まない粒子が好ましく、ゾニサミド原薬を含まないのが好ましい。
(速崩壊性粒子の特性)
前記速崩壊性粒子の形状は、特に限定されず、無定形状、繊維状、楕円体状、球状、平板状、粉粒状などであってもよく、無定形状、粉粒状、球状が好ましく、球状などの等方形状が特に好ましい。
前記速崩壊性粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば10〜200μm、好ましくは30〜130μm、さらに好ましくは50〜110μm、最も好ましくは70〜90μmである。速崩壊性粒子の粒径が小さすぎると、口腔内崩壊性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、服用感が低下する虞がある。
前記速崩壊性粒子の体積基準の累積10%粒子径(D10)は、例えば1μm以上(例えば1〜75μm)、好ましくは5μm以上(例えば5〜50μm)、さらに好ましくは10μm以上(例えば10〜40μm)、より好ましくは20μm以上(例えば20〜35μm)、最も好ましくは25μm以上(例えば25〜30μm)である。D10が小さすぎると、口腔内崩壊性が低下する虞がある。
前記速崩壊性粒子の体積基準の累積90%粒子径(D90)は、例えば300μm以下(例えば80〜300μm)、好ましくは250μm以下(例えば100〜250μm)、より好ましくは200μm以下(例えば130〜200μm)、最も好ましくは180μm以下(例えば150〜180μm)である。D90が大きすぎると、服用感が低下する虞がある。
前記口腔内崩壊錠(OD錠)において、速崩壊性粒子の割合は、顆粒100質量部に対して、例えば10〜1000質量部、好ましくは30〜500質量部、さらに好ましくは50〜400質量部、より好ましくは100〜300質量部、最も好ましくは150〜200質量部である。速崩壊性粒子の割合が少なすぎると、口腔内崩壊性および服用感が低下する虞があり、逆に多すぎると、製剤設計性が低下する虞がある。
(速崩壊性粒子の製造方法)
前記速崩壊性粒子は、慣用の造粒方法、例えば、転動造粒法、流動層造粒法、混合・攪拌造粒法、噴霧乾燥造粒法、振動造粒法などの造粒方法で造粒することにより得られる。これらのうち、生産性などの点から、流動層造粒法が好ましい。
流動層造粒法としては、慣用の方法を利用できるが、速崩壊性粒子が糖アルコール、カルメロース、エチルセルロース、ケイ酸類およびクロスポビドンを含む場合、クロスポビドン以外の成分を予め流動層造粒機で混合し、クロスポビドンを含む水系分散液(造粒液)を噴霧して造粒する方法が好ましい。固体状の糖アルコールと固体状のカルメロースとを混合することにより、口腔内崩壊性と服用感とを両立できる速崩壊性粒子を調製し易くなる。
前記造粒液に含まれる溶媒としては、特に制限されないが、水や低級アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノールなどのC1−4アルコールなど)、脂肪族ケトン(例えば、アセトンなど)またはこれらの混合溶媒が汎用され、安全性の面から、水および/またはエタノールが好ましく、水が特に好ましい。溶媒の割合は、クロスポビドン100質量部に対して、例えば1000〜3000質量部、好ましくは1200〜2500質量部、さらに好ましくは1500〜2000質量部である。
[口腔内崩壊錠]
本発明の口腔内崩壊錠(OD錠)は、前記顆粒および前記速崩壊性粒子を含むOD錠であればよいが、前記顆粒および前記速崩壊性粒子を含むOD錠用組成物を打錠して得られるOD錠が好ましい。
(他の成分)
前記OD錠用組成物は、前記顆粒および前記速崩壊性粒子に加えて、経口製剤に配合される慣用の添加剤、例えば、賦形剤、滑沢剤、甘味剤または矯味剤、着香剤または清涼化剤などをさらに含んでいてもよい。
賦形剤としては、前記顆粒の項で例示された賦形剤や結合剤をさらに含んでいてもよい。前記賦形剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、アルキルセルロースが好ましく、ECなどのC1−3アルキルセルロースが特に好ましい。アルキルセルロースの体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば1〜60μm、好ましくは3〜45μm、さらに好ましくは5〜15μmであってもよい。賦形剤の割合は、前記顆粒100質量部に対して、例えば1〜100質量部、好ましくは2〜50質量部、さらに好ましくは3〜30質量部、最も好ましくは5〜10質量部である。
滑沢剤としては、前記顆粒の項で例示された滑沢剤の他、前記顆粒の項で賦形剤として例示されたケイ酸類などが挙げられる。前記滑沢剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。前記滑沢剤のうち、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、軽質無水ケイ酸などのケイ酸類が好ましい。滑沢剤の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、例えば0.1〜30μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μm、最も好ましくは2〜4μmであってもよい。滑沢剤の割合は、前記顆粒100質量部に対して、例えば0.5〜10質量部、好ましくは1〜7質量部、さらに好ましくは2〜5質量部である。
甘味剤または矯味剤としては前記顆粒の項で例示された甘味剤または矯味剤などが挙げられる。甘味剤または矯味剤の割合は、前記顆粒100質量部に対して、例えば1〜30質量部、好ましくは5〜20質量部、さらに好ましくは10〜15質量部である。
着香剤または清涼化剤としては前記顆粒の項で例示された着香剤または清涼化剤などが挙げられる。着香剤または清涼化剤の割合は、前記顆粒100質量部に対して、例えば0.01〜3質量部、好ましくは0.05〜1質量部、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部である。
前記OD錠は、口腔内崩壊性と服用感とを両立させる点から、微結晶セルロースまたは結晶セルロースを実質的に含まないのが好ましい。そのため、前記OD錠において、結晶セルロースの割合は、OD錠中1質量%未満であり、好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下であり、結晶セルロースを含まないのが最も好ましい。OD錠中に結晶セルロースが含まれると、口腔内崩壊性、服用感ともに低下する。
前記OD錠は、口腔内崩壊性と服用感とを両立させる点から、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルを実質的に含まないのが好ましい。ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルの割合は、OD錠中1質量%以下であってもよく、好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下であり、ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルを含まないのが最も好ましい。
前記OD錠は、口腔内崩壊性と服用感とを両立させる点から、デンプン類を実質的に含まないのが好ましく、デンプンを実質的に含まないのが特に好ましい。
デンプン類としては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプンなどのデンプン;アルファ化デンプン、部分アルファ化デンプン、酸化デンプン、デキストリン、シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウムなどのデンプン誘導体などが挙げられる。
前記OD錠において、デンプン類(特に、トウモロコシデンプンなどのデンプン)の割合は、OD錠中1質量%未満であり、好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以下であり、デンプン類を含まないのが最も好ましい。OD錠中にデンプン類(特に、デンプン)が含まれると、口腔内崩壊性、服用感ともに低下する。
本発明のOD錠の錠剤径(平均径)は、例えば3〜20mm、好ましくは5〜15mm、さらに好ましくは7〜12mm、最も好ましくは8〜11mmである。
本発明のOD錠に含まれる水分量は、例えば、2.5質量%以下であることが好ましく、1.5質量%以下であることがより好ましい。
本発明のOD錠の硬度は、例えば、55N以上であることが好ましく、65N以上であることがより好ましい。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、OD錠の硬度は、後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明のOD錠の製造方法としては、このようなOD錠用組成物を用いて打錠する方法であればよく、慣用の方法を利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の例における評価方法を以下に示す。また、使用した原料の重量は全て固形分重量である。
[粒径分布]
粒径分布(D10、D50、D90)は、レーザー回折式粒度分布測定装置(マルバーン社製、商品名「マスターサイザー3000」)を用いて、体積基準で測定した。
[原薬粒子およびOD錠の平均溶出率]
日本薬局方 溶出試験法 パドル法(回転数50rpm)に準拠して、原薬粒子またはOD錠の平均溶出率を測定した。
サンプルを採取して試験を開始し、サンプリング時間ごとに溶出液を採取し、孔径0.45μm以下のメンブランフィルターでろ過し、試料溶液を調製した。
別途、標準品28mgを精密に量り、溶解液を加えて正確に50mLとした。この溶液2.5mLを正確に量り、溶解液を正確に加えて50mLとし、標準溶液を調製した。
試料溶液および標準溶液につき、紫外可視吸光度測定法により試験を行い、波長285nmにおけるそれぞれの液の吸光度を測定した。
[硬度]
硬度の測定には硬度計(ERWEKA社製、商品名「TBH425」)を用いた。なお、以下の実施例5〜8に示す硬度は、5つのOD錠の平均値である。
[崩壊時間(第十七改正日本薬局方)]
崩壊試験機(日本薬局方準拠)を用いた。ガラス容器に37℃の水900mLを入れ、錠剤を入れたバスケット(底部が網状)を容器の水中で上下運動させ、錠剤が崩れきるまでの時間を測定した。
比較例1
ゾニサミドの未粉砕品について、粒径分布を測定した結果、体積基準の累積50%粒子径(D50)は19.8μmであり、体積基準の累積10%粒子径(D10)は3.6μmで、体積基準の累積90%粒子径(D90)は116.0μmであった。
実施例1
ゾニサミドの未粉砕品を、衝撃式粉砕機を用いて、6000rpmで粉砕したゾニサミド原薬粒子について、粒径分布を測定した結果、体積基準の累積50%粒子径(D50)は11.7μmであり、体積基準の累積10%粒子径(D10)は2.5μmで、体積基準の累積90%粒子径(D90)は38.1μmであった。
実施例2
ゾニサミドの未粉砕品を、衝撃式粉砕機を用いて、10000rpmで粉砕したゾニサミド原薬粒子について、粒径分布を測定した結果、体積基準の累積50%粒子径(D50)は8.7μmであり、体積基準の累積10%粒子径(D10)は2.1μmで、体積基準の累積90%粒子径(D90)は22.3μmであった。
実施例3
ゾニサミドの未粉砕品を、衝撃式粉砕機を用いて、14000rpmで粉砕したゾニサミド原薬粒子について、粒径分布を測定した結果、体積基準の累積50%粒子径(D50)は7.0μmであり、体積基準の累積10%粒子径(D10)は1.9μmで、体積基準の累積90%粒子径(D90)は18.1μmであった。
実施例4
ゾニサミドの未粉砕品を、衝撃式粉砕機を用いて、18000rpmで粉砕したゾニサミド原薬粒子について、粒径分布を測定した結果、体積基準の累積50%粒子径(D50)は5.9μmであり、体積基準の累積10%粒子径(D10)は1.7μmで、体積基準の累積90%粒子径(D90)は15.7μmであった。
比較例1および実施例1〜4の原薬粒子の平均溶出率を測定した結果を表1に示す。
Figure 2022003029
表1の結果から明らかなように、比較例1に比べて、実施例1〜4の原薬粒子は溶出率が高かった。
実施例5
(ゾニサミド顆粒の調製)
1)エタノール(99.5)67.5mgにエチルセルロース7.5mgを加え溶解させ、精製水7.5mgを加えた後、タルク3.75mgを分散させて分散液を得た。
2)流動層造粒乾燥機にゾニサミド原薬粒子(D50:6.35μm、D10:1.76μm、D90:15.1μm)25mg、D−マンニトール(D50:55μm)2.8mgおよび軽質無水ケイ酸(D50:2.75μm)1.2mgを入れて混合し、前記分散液をスプレーし、乾燥させた。
3)30M篩(目開き500μm)で整粒し、ゾニサミド顆粒を得た。
(速崩壊性粒子の調製)
1)クロスポビドン(D50:15.6μm)5.115mgを精製水に分散させ、この分散液を造粒液とした。
2)流動層造粒乾燥機にD−マンニトール(D50:55μm)60.5275mg、エチルセルロース(D50:10.3μm)1.705mg、軽質無水ケイ酸(D50:2.75μm)0.8525mg、カルメロース(D50:54.2μm)17.05mgを入れて混合し、前記造粒液をスプレーした後、乾燥、整粒し、速崩壊性粒子を得た。
(混合・打錠・包装)
1)ゾニサミド顆粒40.25mg、速崩壊性粒子85.25mg、エチルセルロース(D50:10.3μm)3mg、アスパルテーム5mg、軽質無水ケイ酸(D50:2.75μm)0.75mgを拡散式混合機に投入して混合し、混合末を得た。
2)混合末にステアリン酸マグネシウム0.75mgを投入し、混合して打錠末を得た。
3)ロータリー式打錠機を用いて前記打錠末を打錠し、135mgのOD錠(錠径7.0mm、硬度73N、崩壊時間19秒)を得た。官能評価の結果、飲みやすさ、崩壊時の味、服用後の後味、ざらつき感、崩壊性において良好な結果を得た。
実施例5のOD錠の平均溶出率を測定した結果を表2に示す。
Figure 2022003029
表2の結果から明らかなように、実施例5のOD錠は、良好な溶出性を示した。
実施例6
(ゾニサミド顆粒の調製)
1)エタノール(99.5)135mgにエチルセルロース15mgを加え溶解させ、精製水15mgを加えた後、タルク7.5mgを分散させて分散液を得た。
2)流動層造粒乾燥機にゾニサミド原薬粒子(D50:6.35μm、D10:1.76μm、D90:15.1μm)50mg、D−マンニトール5.6mgおよび軽質無水ケイ酸2.4mgを入れて混合し、前記分散液をスプレーし、乾燥させた。
3)30M篩(目開き500μm)で整粒し、ゾニサミド顆粒を得た。
(速崩壊性粒子の調製)
1)クロスポビドン10.23mgおよび黄色三二酸化鉄0.189mgを精製水に分散させ、この分散液を造粒液とした。
2)流動層造粒乾燥機にD−マンニトール121.055mg、エチルセルロース3.41mg、軽質無水ケイ酸1.705mg、カルメロース34.1mgを入れて混合し、前記造粒液をスプレーした後、乾燥、整粒し、速崩壊性粒子を得た。
(混合・打錠・包装)
1)ゾニサミド顆粒80.5mg、速崩壊性粒子170.5mg、エチルセルロース6mg、アスパルテーム10mg、軽質無水ケイ酸1.5mgを拡散式混合機に投入して混合し、混合末を得た。
2)混合末にステアリン酸マグネシウム1.5mgを投入し、混合して打錠末を得た。
3)ロータリー式打錠機を用いて前記打錠末を打錠し、270mgのOD錠(錠径9.0mm、硬度81N、崩壊時間17秒)を得た。官能評価の結果、飲みやすさ、崩壊時の味、服用後の後味、ざらつき感、崩壊性において良好な結果を得た。
実施例6のOD錠の平均溶出率を測定した結果を表3に示す。
Figure 2022003029
表3の結果から明らかなように、実施例6のOD錠は、良好な溶出性を示した。
実施例7
ゾニサミド原薬粒子として粒径の異なるゾニサミド原薬粒子(D50:3.3μm、D10:1.1μm、D90:6.8μm)を用いる以外は、実施例5と同一処方および製造方法によって、有効成分含量25mgのOD錠(錠径7.0mm、硬度69.4N)135mgを得た。官能評価の結果、飲みやすさ、崩壊時の味、服用後の後味、ざらつき感、崩壊性において良好な結果を得た。
実施例7のOD錠の平均溶出率を測定した結果を表4に示す。
Figure 2022003029
表4の結果から明らかなように、実施例7のOD錠は、良好な溶出性を示した。
実施例8
ゾニサミド原薬粒子として粒径の異なるゾニサミド原薬粒子(D50:3.3μm、D10:1.1μm、D90:6.8μm)を用いる以外は、実施例6と同一処方および製造方法によって、有効成分含量50mgのOD錠(錠径9.0mm、硬度70.1N)270mgを得た。官能評価の結果、飲みやすさ、崩壊時の味、服用後の後味、ざらつき感、崩壊性において良好な結果を得た。
実施例8のOD錠の平均溶出率を測定した結果を表5に示す。
Figure 2022003029
表5の結果から明らかなように、実施例8のOD錠は、良好な溶出性を示した。
本発明のゾニサミド原薬粒子は、抗けいれん作用および抗パーキンソン作用を有するベンズイソオキサゾール系の抗てんかん薬などに有効に利用できる。

Claims (11)

  1. ゾニサミドまたはその塩で形成され、かつ体積基準の累積50%粒子径(D50)が18μm以下である原薬粒子。
  2. 体積基準の累積10%粒子径(D10)が3.6μm未満で、体積基準の累積90%粒子径(D90)が15μm以上である原薬粒子。
  3. 請求項1または2記載の原薬粒子を含む顆粒。
  4. 中実状である請求項3記載の顆粒。
  5. ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルを実質的に含まない請求項3または4記載の顆粒。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の顆粒および速崩壊性粒子を含む口腔内崩壊錠。
  7. 速崩壊性粒子がエチルセルロースを含む請求項6記載の口腔内崩壊錠。
  8. 速崩壊性粒子が、糖アルコール、カルメロース、ケイ酸類およびクロスポビドンをさらに含む請求項6または7記載の口腔内崩壊錠。
  9. 結晶セルロースを実質的に含まない請求項6〜8のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
  10. ヒドロキシC2−4アルキル基を有するセルロースエーテルおよびデンプン類を実質的に含まない請求項6〜9のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
  11. ゾニサミドまたはその塩で形成された原薬粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)を18μm以下に調整することにより、水中でのゾニサミドまたはその塩の溶出速度を向上させる方法。
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