JP2022001936A - 光分岐デバイス及びそれを用いた光分岐方法 - Google Patents

光分岐デバイス及びそれを用いた光分岐方法 Download PDF

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浩一 谷口
Koichi Taniguchi
正義 八若
Masayoshi Hachiwaka
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【課題】分岐後の複数の出射光間において、各波長の光量比率を均一にすることができる光分岐デバイスを提供する。【解決手段】光分岐デバイス10は、断面形状が非円形のコア111を有する非円形コア光ファイバ11と、その非円形コア光ファイバ11からの光を複数に分岐させる光分岐手段12とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光分岐デバイス及びそれを用いた光分岐方法に関する。
断面形状が非円形のコアを有する光ファイバが知られている。例えば、特許文献1には、レーザ光源からのレーザ光を伝送するための光ファイバであって、断面形状が円形のコアを有する第1ファイバに、断面形状が矩形のコアを有する第2ファイバを接続したものが開示されている。
特開2014−48447号公報
ところで、複数のレーザ光を出射する多出射光源装置を構成する手段としては、まず第1に、複数の光源を用いる方法がある。しかしながら、この方法では、装置の小型化、省電力化、低コスト化を図ることができないという問題がある。
また、単一の光源を用い、そこから出射されるレーザ光を入射光とし、それを導波路構造、ファイバカプラ、誘電体多層膜ミラーといった光分岐デバイスで光学的に分岐させる方法がある。しかしながら、この方法では、レーザ光の波長により分岐比率が異なることとなるため、分岐後の複数のレーザ光において、光強度が不均一になるという問題がある。このため、例えば、入射光を、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3波長を所定の光量比率で混合した可視レーザ光とした場合、各色毎に波長の分岐比率が異なることとなるため、分岐後の複数のレーザ光において、光強度が不均一になるのに加え、入射光の色が維持されず、また、相互に色が異なったものが混在することとなる。
本発明の課題は、分岐後の複数の出射光の光強度が均一となる光分岐デバイスを提供することである。
本発明は、断面形状が非円形のコアを有する非円形コア光ファイバと、前記非円形コア光ファイバからの光を複数に分岐させる光分岐手段とを備えた光分岐デバイスである。
本発明は、本発明の光分岐デバイスにおける前記非円形コア光ファイバの入射端から光を入射する光分岐方法である。
本発明によれば、非円形コア光ファイバからの光を光分岐手段により複数に分岐させることにより、それらの分岐後の複数の出射光の光強度を均一にすることができる。
実施形態に係る光分岐デバイスの構成を示す図である。 非円形コア光ファイバの一例の断面図である。 非円形コア光ファイバの他の一例の断面図である。 実施形態に係る光分岐デバイスを用いた多出射光源装置の構成を示す図である。 非円形コア光ファイバのコアのみにレーザ光を入射したときの動作を示す説明図である。 非円形コア光ファイバのコア及びクラッドの両方にレーザ光を入射したときの動作を示す説明図である。 矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と伝送効率及び面内分布との関係を示すグラフである。 矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と、光ファイババンドルAの出射端からの光の出射角度及び結合効率との関係を示すグラフである。 矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と、光ファイババンドルBの出射端からの光の出射角度及び結合効率との関係を示すグラフである。
以下、実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る光分岐デバイス10を示す。実施形態に係る光分岐デバイス10は、非円形コア光ファイバ11と、その非円形コア光ファイバ11の出射端に接続された光ファイババンドル12(光分岐手段)とを備える。
非円形コア光ファイバ11は、非円形コア111と、その非円形コア111を被覆するクラッド112と、そのクラッド112を更に被覆するジャケット113とを有する。
非円形コア111は、断面形状が非円形である。ここで、本出願における「非円形」とは、内接円と外接円とが不一致となる形状をいう。具体的には、非円形コア111の断面形状としては、例えば、図2Aに示す正方形や図2Bに示す長方形のような矩形が挙げられる。また、非円形コア111の断面形状は、三角形や五角形のような多角形、D形等であってもよい。非円形コア光ファイバ11の最大外径は、好ましくは50μm以上3000μm以下、より好ましくは100μm以上1000μm以下である。非円形コア光ファイバ11の長さLは、好ましくは10mm以上300mm以下、より好ましくは50mm以上200mm以下である。非円形コア111の形成材料としては、例えば、無添加の石英、Geなどの屈折率を高めるドーパントが添加された石英、アクリル樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
クラッド112は、外郭形状が円形であることが好ましいが、外郭形状が矩形等の非円形であってもよい。クラッド112の外径は、非円形コア111のサイズとの関係で機械的強度が考慮されて設定されるが、例えば125μm以上2000μm以下である。クラッド112の形成材料は、非円形コア111の形成材料よりも屈折率が低い。クラッド112の形成材料としては、例えば、BやFなどの屈折率を下げるドーパントが添加された石英、アクリル樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
ジャケット113の外径は、例えば250μm以上4000μm以下である。ジャケット113の形成材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。ジャケット113の形成材料は、クラッド112が石英製の場合には、石英製との優れた密着性が得られる観点から、シリコーン系樹脂であることが好ましく、クラッド112が樹脂製の場合には、アクリル樹脂、又は、フッ素系樹脂であることが好ましい。ジャケット113の形成材料は、クラッド112内に光を閉じ込める観点から、クラッド112の形成材料よりも屈折率が低いことが好ましい。ジャケット113は、ナイロン系樹脂又はフッ素系樹脂の外層が設けられた二層構造を有していてもよい。
なお、非円形コア光ファイバ11は、クラッド112とジャケット113との間に、例えば石英で形成されたサポート層を有していてもよい。また、ジャケット113を有さず、クラッド112の外周面に傷が入らない様に固定保持する手段が設けられた構成であってもよい。
光ファイババンドル12は、複数本の光ファイバ121の束で構成されている。光ファイババンドル12の入射端では、複数本の光ファイバ121は、非円形コア光ファイバ11との高い結合効率が得られるように配置が設定され、例えば最密状に設けられている。複数本の光ファイバ121のそれぞれは、コア121aと、そのコア121aを被覆するクラッド121bとを有する。コア121aの断面形状は、円形であっても、非円形であっても、どちらでもよい。コア121aの直径及びクラッド121bの外径は、非円形コア光ファイバ11との高い結合効率が得られるように設定されている。コア121a及びクラッド121bの形成材料は、非円形コア光ファイバ11と同様のものが挙げられる。複数本の光ファイバ121は、全てが同一構成であっても、異なる構成のものを含んでいても、どちらでもよい。したがって、複数本の光ファイバ121は、コア121aの断面形状やサイズが異なっていてもよい。なお、光ファイババンドル12の出射端側では、複数本の光ファイバ121が分岐してそれぞれが独立していてもよい。
非円形コア光ファイバ11の出射端と光ファイババンドル12の入射端とは、コネクタにより近接配置されて接続されていてもよく、また、接着剤により接続されていてもよく、さらに、融着接続されていてもよい。
以上の構成の実施形態に係る光分岐デバイス10を用いた光分岐方法では、非円形コア光ファイバ11の入射端から光が入射すると、その入射光は、非円形コア光ファイバ11の非円形コア111を伝搬する。このとき、非円形コア111の断面形状が非円形であることにより、光の伝搬モードの多モード化が促進され、非円形コア光ファイバ11の出射端からは、空間的に光量が均一に拡がった出射パターンの光が出射される。
続いて、この空間的に光量が均一に拡がった出射パターンの光が、光ファイババンドル12の入射端の複数本の光ファイバ121のそれぞれのコア121aに入射して伝搬する。このとき、光ファイババンドル12の複数本の光ファイバ121には、光量差の少ない状態で光が結合する。また、非円形コア光ファイバ11での光の伝搬モードの多モード化の促進により、その出射端から出射される光の光量の出射パターンの波長依存性が解消される結果、光ファイババンドル12の複数本の光ファイバ121に分岐して入射する光間においても、波長無依存化が実現される。
そして、光ファイババンドル12の複数本の光ファイバ121を伝搬した光は、それぞれの出射端から出射光として出射される。このとき、光ファイババンドル12から出射される分岐後の複数の出射光の光強度は均一となる。したがって、実施形態に係る光分岐デバイス10によれば、非円形コア光ファイバ11からの光を光ファイババンドル12により複数に分岐させることにより、それらの分岐後の複数の出射光の光強度を均一にすることができる。
また、例えば、非円形コア光ファイバ11の入射端から、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の3波長を所定の光量比率で混合したレーザ光を入射した場合、入射光のレーザ光は、RGB3色に波長差があっても、それぞれの色の光が、断面形状が非円形の非円形コア111を伝搬する際に多モード化されるとともに、その非円形コア111の断面形状に強く依存した強度分布を維持しながら伝搬する。このとき、RGB3色の光の強度分布の差が非常に小さくなって波長差の影響が抑えられる。その結果、非円形コア光ファイバ11の出射端からは、RGB3色の光のそれぞれが空間的に均一な光量分布を有するように変換されたレーザ光が出射される。
そして、そのRGB3色の光のそれぞれが空間的に均一な光量分布を有するレーザ光が、光ファイババンドル12の入射端の複数本の光ファイバ121のそれぞれのコア121aに分岐して入射するとともに伝搬し、光ファイババンドル12の出射端の複数本の光ファイバ121から、光強度が均一で、且つ非円形コア光ファイバ11への入射光の色が維持された相互に同色の出射光として出射される。また、入射光に波長の変動が生じた場合でも、非円形コア光ファイバ11の出射端から出射される多モード化された光の光量の出射パターンの均一性に大きな変化は生じず、したがって、光ファイババンドル12の出射端の複数本の光ファイバ121から出射される出射光の均一性はほとんど影響を受けない。
光の伝搬モードの多モード化を図る観点からは、非円形コア光ファイバ11を長さ方向に沿って捻った構造としてもよい。また、非円形コア光ファイバ11を長さ方向に複数に分割し、それらを軸回転させて融着させることにより再結合させた構造としてもよい。また、非円形コア光ファイバ11の出射端側の部分をテーパ形状のような先細った形状に形成した構造としてもよい。また、非円形コア光ファイバ11の非円形コア111の断面形状を形成する辺に凹凸を形成したり、波形に形成したりした構造としてもよい。また、非円形コア光ファイバ11に曲げを与えた構造としてもよい。また、非円形コア光ファイバ11に振動を与える手段を設けた構成としてもよい。
図3は、実施形態に係る光分岐デバイス10を用いた多出射光源装置20を示す。この多出射光源装置20は、例えば、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の可視レーザ光を利用するディスプレイ、照明、可視光通信、光センシング、医療等の分野において用いられるものである。
多出射光源装置20は、実施形態に係る光分岐デバイス10と、その入射端側に設けられたレーザ光源21と、それらの間に設けられたレンズ系22とを備える。
レーザ光源21は、実施形態に係る光分岐デバイス10に入射するためのレーザ光を発する。レーザ光源21としては、例えば、半導体レーザ、固体レーザ、ガスレーザ等が挙げられる。レーザ光源21は、単一のレーザで構成されていても、複数のレーザで構成されていても、どちらでもよい。したがって、レーザ光源21は、赤色(R)のレーザ光を発するレーザ、緑色(G)のレーザ光を発するレーザ、及び青色(B)のレーザ光を発するレーザの3個のレーザで構成されていてもよい。レーザ光源21の出力は、例えば数mW乃至数Wであり、冷却手段を備えることで更に大きな出力の光源が適用可能となる。レーザ光源21が発するレーザ光は、連続光であっても、パルス光であっても、どちらでもよい。
レンズ系22は、レーザ光源21からのレーザ光を集光して実施形態に係る光分岐デバイス10に入射させる。このとき、レンズ系22は、レーザ光の伝搬モードを効率的に多モード化する観点から、レーザ光源21からのレーザ光を集光して、非円形コア光ファイバ11の非円形コア111及びクラッド112の両方に同時に入射させることが好ましい。
レーザ光源21からのレーザ光Lを、図4Aに示すように、非円形コア光ファイバ11の非円形コア111のみに入射させた場合、非円形コア光ファイバ11の長さが短いと、入射されたレーザ光Lの電界強度分布は、非円形コア111の中心付近に集まり、レーザ光Lが非円形コア111とクラッド112との界面で反射を繰り返す回数が少ないまま出射端に達するので、レーザ光Lの伝搬モードの多モード化が十分に進まない。その結果、非円形コア光ファイバ11の出射端からは、非円形コア111とクラッド112との界面付近に対応する部分に、光量の不均一な部分を含む出射パターンのレーザ光Lが出射される虞がある。
一方、レーザ光源21からのレーザ光Lを、図4Bに示すように、非円形コア光ファイバ11の非円形コア111及びクラッド112の両方に同時に入射させた場合、入射されたレーザ光Lの電界強度分布は、非円形コアコア111のみならずクラッド112にも拡がり、そのうちの入射角度が大きい成分は、非円形コア111とクラッド112との界面で反射を繰り返す回数が多く、非円形コア光ファイバ11の長さが短くても、伝搬モードの数が増えて多モード化が進む。その結果、非円形コア光ファイバ11の出射端からは、非円形コア111とクラッド112との界面付近に対応する部分も含んで、光量が均一な出射パターンのレーザ光Lが出射される。この場合、非円形コア光ファイバ11の長さは、好ましくは10mm以上300mm以下、より好ましくは50mm以上200mmとすることができるので、装置の小型化及び作製容易化を図ることができる。
加えて、ジャケット113の形成材料がクラッド112の形成材料よりも屈折率が低ければ、クラッド112に入射された光のみならず、非円形コア111からの漏洩光もクラッド112とジャケット113との界面で反射しながら伝搬する。この漏洩光は、非円形コア111がクラッド112内に存在するためにモード変換が生じやすく、多モード化が進みやすい。その結果、非円形コア光ファイバ11の出射端からは、非円形コア111を伝搬してきた多モード化されたレーザ光と、クラッド112を伝搬してきた多モード化された漏洩光のレーザ光とが合波され、光量の均一性の非常に高い出射パターンのレーザ光が出射される。
レーザ光源21からのレーザ光を、非円形コア光ファイバ11の非円形コア111及びクラッド112の両方に同時に入射させる具体的手段としては、例えば、非円形コア光ファイバ11の入射端にレーザ光を斜めから入射し、その入射角度を所定範囲とする方法、及び非円形コア光ファイバ11へのレーザ光の集光サイズを、非円形コア光ファイバ11の非円形コア111よりも大きくする方法等が挙げられる。光の伝搬モードを効率的に多モード化する観点からは、これらのうちの前者の方法が好ましい。
非円形コア光ファイバ11へのレーザ光の入射角度を所定範囲とするより具体的な方法としては、レンズ系22により集光距離を調整する方法、単に集光するレーザ光の光軸を非円形コア光ファイバ11の軸に対して傾けるようにレンズ系22を配置する方法等が挙げられる。なお、レーザ光源21からのレーザ光が直接的に非円形コア光ファイバ11の非円形コア111及びクラッド112の両方に同時に入射されるのであれば、必ずしもレンズ系22は必要ない。
以上の構成の多出射光源装置20によれば、複数のレーザ光源21を用いる構成と比較して、小型化、低コスト化、及び省電力化を図ることができる。また、光強度が均一な複数の出射光を出射するので、複数のレーザ光源を用いる構成のように、それらから出射される複数のレーザ光が均一になるように調整する必要がない。
ここで、光学設計解析ソフトウェア(Zemax OpticStudio Zemax社製)を用いて行ったシミュレーションについて説明する。
シミュレーションでは、矩形コア光ファイバ(非円形コア光ファイバ)と光ファイババンドルとを10μmの間隔をおいて配置した光分岐デバイスのモデルについて、矩形コア光ファイバに、入射角度に応じた拡がり角を持つとともに水平方向及び垂直方向のいずれの方向にも単峰性のガウシアン形状の強度分布を有する光を、矩形コア光ファイバの入射端への入射角度を変量して入射するシミュレートを行った。
まず、矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と伝送効率及び面内分布との関係を調べた。図5は、その関係を示す。なお、伝送効率は、矩形コア光ファイバの入射端での矩形コア(非円形コア)への入射光の強度に対する出射端での矩形コアからの出射光の強度の割合を百分率で表したものである。面内分布は、出射端面の光強度分布における最大光強度をIMAX及び最小光強度をIminとしたとき、
面内分布(%)={(IMAX−Imin)/(IMAX+Imin)}×100
で表される値である。
図5によれば、伝送効率は、入射角度が0°での初期値が96%であって、それに続く入射角度が相対的に小さい領域Iでは、入射角度が大きくなってもほとんど変化がなく、領域Iに続く入射角度が相対的に大きい領域IIでは、入射角度に比例して低下する傾向が認められる。領域IIにおける伝送効率の低下は、矩形コアからクラッドへの光の漏洩が助長されることに依るものと考えられる。また、面内分布も、領域IIでは、伝送効率と同様の低下傾向が認められる。これは、矩形コア光ファイバの出射光の光量の均一化が進むということである。面内分布の低下は、その矩形コアからクラッドへの光の漏洩により、矩形コアの外側まで光の電界分布が拡がったことに依るものであると考えられる。
これらのことから、矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と伝送効率との関係において、領域Iとそれに続く領域IIとの折れ曲がり点における入射角度を光量均一化臨界入射角度θとし、矩形コア光ファイバへの光の入射角度θopを、θop≧θの条件を満たすように設定する動作モードとすることにより、矩形コア光ファイバの出射光について、高い光量の均一性を得ることができる。このような動作モードは、波長が同一の光量差が少ない光を発する複数の光源が必要な光センサー等の用途で有用である。
領域Iと領域IIとの折れ曲がり点の光量均一化臨界入射角度θは、矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と伝送効率との関係を4次関数で近似し、その2階微分式が極値をとるときの入射角度として定義される。
なお、図5によれば、上記シミュレーションでは、光量均一化臨界入射角度θが0.15より若干小さい。一方、矩形コア光ファイバの矩形コア及びクラッドの屈折率から計算される開口数(NA)は0.2である。したがって、光量均一化臨界入射角度θは、この開口数(NA)よりも小さい。これは、開口数(NA)よりも小さい入射角度でも、矩形コアからクラッドへの光の漏洩が生じることを意味するものである。このことは、矩形コア光ファイバでは、構造上、円形コア光ファイバよりも高次モードが生じやすいということが要因として考えられる。
また、面内分布の変化にはうねりが認められる。このうねりは、入射角度と矩形コア光ファイバの構造との組み合わせに依るものである。したがって、このうねりを考慮して入射角度の設定を行うことにより、矩形コア光ファイバの出射光について、より高い光量の均一性を得ることができる。
次に、コアサイズの小さい光ファイババンドルA及び大きい光ファイババンドルBのそれぞれについて、矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と、光ファイババンドルの出射端からの光の出射角度及び結合効率との関係を調べた。図6A及びBは、その関係を示す。なお、結合効率は、矩形コア光ファイバの入射端に入射される光の光量に対する光ファイババンドルの出射端から出射される光の光量の百分率である。
図6A及びBによれば、コアサイズが相違する光ファイババンドルA及びBについて、出射端からの光の出射角度及び結合効率に定量的な相違は認められるものの、挙動は概ね共通していることが分かる。光ファイババンドルA及びBのいずれの場合も、結合効率は、入射角度が小さい領域Xでは、非常に大きい。しかしながら、領域Xでは、光は、矩形コア光ファイバを、入射したビーム形状を保持したまま伝播する。その結果、矩形コア光ファイバの出射端では、出射光の面内分布が高く、そのため光量の更なる均一化が進まず、光ファイババンドルでは、その光量の均一化が進んでいない出射光が分岐されることとなる。
種々の検討の結果、光ファイババンドルA及びBの出射端において、光量の更なる均一化が図られた出射光を得るためには、矩形コア光ファイバへの光の入射角度を、矩形コア光ファイバの長さをL及び最大外径をDとして、下記式(1)に示すθ以上とすることが好ましいことが判明した。
θ=2.5×tan−1(D/L) (1)
なお、矩形コア光ファイバの長さLは、好ましくは10mm以上300mm以下、より好ましくは50mm以上200mm以下である。最大外径Dは、好ましくは50μm以上3000μm以下、より好ましくは100μm以上1000μm以下である。
結合効率は、領域Xに続く入射角度の領域Yでは、高く安定し、それに続く領域Zでは、ある入射角度θ付近から減衰している。
種々の検討の結果、領域Zにおいて、結合効率が減衰を開始する入射角度θは、光量均一化臨界入射角度θ、矩形コア光ファイバの最大外径D、及び光ファイババンドルを構成する光ファイバのコアの直径dを用いて、下記式(2)で表されることが判明した。
θ=θ×(d/D) (2)
可視光領域の光の分岐を目的とする光分岐デバイスでは、結合効率が最大値の半分である光量であっても、表示用途では有用であり、この点を考慮すれば、矩形コア光ファイバと光ファイババンドルとの高い結合効率を得るのには、矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度θopを、結合効率が最大値の約50%以上となる範囲を含む下記式(3)の条件を満たすように設定することが好ましい。
θ≦θop≦2.5×θ=θ (3)
但し、確実に矩形コア光ファイバと光ファイババンドルとの高い結合効率を得る観点からは、矩形コア光ファイバの入射端における光の入射角度θopを、下記式(4)の条件を満たすように設定することがより好ましい。
θ≦θop≦×θ (4)
光ファイババンドルの出射端からの光の出射角度については、矩形コア光ファイバへの光の入射角度が大きくなるのに伴って大きくなるが、領域Zで飽和傾向を示し、最終的には一定値に落ち着くことが分かる。
なお、上記実施形態では、光分岐手段として光ファイババンドル12を用いたが、特にこれに限定されるものではなく、コアを複数有するマルチコアファイバやレンズ等を用いることもできる。
本発明は、光分岐デバイス及びそれを用いた光分岐方法の技術分野について有用である。
10 光分岐デバイス
11 非円形コア光ファイバ
111 非円形コア
112 クラッド
113 ジャケット
12 光ファイババンドル(光分岐手段)
121 光ファイバ
121a コア
121b クラッド
20 多出射光源装置
21 レーザ光源
22 レンズ系
L レーザ光

Claims (6)

  1. 断面形状が非円形のコアを有する非円形コア光ファイバと、
    前記非円形コア光ファイバからの光を複数に分岐させる光分岐手段と、
    を備えた光分岐デバイス。
  2. 請求項1に記載された光分岐デバイスにおいて、
    前記コアの断面形状が矩形である光分岐デバイス。
  3. 請求項1又は2に記載された光分岐デバイスにおいて、
    光分岐手段が光ファイババンドルである光分岐デバイス。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された光分岐デバイスにおける前記非円形コア光ファイバの入射端から光を入射する光分岐方法。
  5. 請求項4に記載された光分岐方法において、
    前記非円形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と伝送効率との関係を4次関数で近似し、その2階微分式が極値をとるときの入射角度を光量均一化臨界入射角度θとしたとき、前記非円形コア光ファイバへの光の入射角度θopを、θop≧θの条件を満たすように設定する光分岐方法。
  6. 請求項4又は5に記載された光分岐方法において、
    前記非円形コア光ファイバの入射端における光の入射角度と伝送効率との関係を4次関数で近似し、その2階微分式が極値をとるときの入射角度を光量均一化臨界入射角度θとし、また、前記非円形コア光ファイバの長さをL及び最大外径をD、並びに前記光分岐手段である光ファイババンドルを構成する光ファイバのコアの直径をdとして、下記式(1)及び(2)でそれぞれθ及びθを定義したとき、
    θ=2.5×tan−1(D/L) (1)
    θ=θ×(d/D) (2)
    前記非円形コア光ファイバへの光の入射角度θopを、下記式(3)の条件を満たすように設定する光分岐方法。
    θ≦θop≦2.5×θ (3)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022149358A1 (ja) * 2021-01-06 2022-07-14 株式会社島津製作所 レーザ装置、水中光無線通信装置およびレーザ加工装置

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WO2022149358A1 (ja) * 2021-01-06 2022-07-14 株式会社島津製作所 レーザ装置、水中光無線通信装置およびレーザ加工装置

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