JP2022001343A - 注入剤の濃度推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分解前後の注入剤の濃度をそれぞれ推定できる注入剤の濃度推定方法を提供する。【解決手段】注入剤の濃度推定方法は、地盤10中で分解される注入剤と、地盤中で注入剤と同様に特性が変化すると共に、地盤中において、変化前に分解前の注入剤と同様の挙動を示し、変化後に分解後の注入剤と同様の挙動を示す指標剤とを、注入液に添加する工程と、注入液を地盤中に注入する工程と、注入液を地盤中に注入後に、地盤における任意の観測点から地下水を採水する工程と、採水された地下水における変化前の指標剤の濃度と変化後の指標剤の濃度とを測定する工程と、変化前の指標剤の濃度から分解前の注入剤の濃度を推定し、変化後の指標剤の濃度から分解後の注入剤の濃度を推定する工程と、を備えている。【選択図】図1B

Description

本発明は、注入剤の濃度推定方法に関する。
下記特許文献1には、土壌浄化剤にトレーサーとしての塩化リチウムを添加する土壌浄化工法が示されている。
特開2017−109188
上記特許文献1の土壌浄化工法では、土壌浄化剤に代えて塩化リチウムの濃度を測定し、測定された濃度により注入材の浸透状況を確認する。
土壌浄化剤のように地盤へ注入する注入剤のなかには、地盤中で分解されるものがあるこのような注入剤を用いると、分解前の注入剤の濃度をトレーサーによって推定できても、分解後の注入剤の濃度を推定できない場合がある。
本発明は、上記事実を考慮して、分解前後の注入剤の濃度をそれぞれ推定できる注入剤の濃度推定方法を提供することを目的とする。
請求項1の注入剤の濃度推定方法は、地盤中で分解される注入剤と、前記地盤中で前記注入剤と同様に特性が変化すると共に、前記地盤中において、変化前に分解前の前記注入剤と同様の挙動を示し、変化後に分解後の前記注入剤と同様の挙動を示す指標剤とを、前記注入液に添加する工程と、前記注入液を前記地盤中に注入する工程と、前記注入液を前記地盤中に注入後に、前記地盤における任意の観測点から地下水を採水する工程と、採水された前記地下水における変化前の前記指標剤の濃度と変化後の前記指標剤の濃度とを測定する工程と、変化前の前記指標剤の濃度から分解前の前記注入剤の濃度を推定し、変化後の前記指標剤の濃度から分解後の前記注入剤の濃度を推定する工程と、を備えた注入剤の濃度推定方法。
請求項1に記載の注入剤の濃度推定方法では、注入液に、地盤中で分解される注入剤及び地盤中で特性が変化する指標剤が添加される。また、指標剤は、地盤中で、注入剤と同様に特性が変化し、かつ、変化前においては分解前の注入剤と同様の挙動を示し、変化後においては分解後の注入剤と同様の挙動を示す。
このため、変化前後の指標剤の濃度をそれぞれ測定することにより、分解前後の注入剤の濃度をそれぞれ推定できる。
請求項2の注入剤の濃度推定方法は、請求項1に記載の注入剤の濃度推定方法において、前記指標剤は、地盤中で蛍光特性が変化する蛍光染料とされ、採水された前記地下水における、変化前の前記蛍光染料の濃度と変化後の前記蛍光染料の濃度とを測定する工程と、変化前の前記蛍光染料の濃度から、分解前の前記注入剤の濃度を推定し、かつ、変化後の前記蛍光染料の濃度から、分解後の前記注入剤の濃度を推定する工程と、を備えている。
請求項2に記載の注入剤の濃度観測方法では、指標剤が、地盤中で蛍光特性が変化する蛍光染料とされている。そして、地盤中から採水された地下水における、変化前の蛍光染料の濃度と変化後の蛍光染料の濃度とを測定し、これらの濃度から、分解前後の注入剤の濃度をそれぞれ推定できる。これにより、注入剤の濃度を直接測定することが難しい場合でも、当該濃度を推定することができる。
本発明によると、分解前後の注入剤の濃度をそれぞれ推定できる。
本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法が適用される地盤注入剤濃度推定システムの概略構成を示す平面図である。 本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法が適用される地盤注入剤濃度推定システムの概略構成を示す立断面図である。 本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法が適用される地盤注入剤濃度推定システムにおける観測井戸と測定装置との関係を示す立断面図である。 本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法が適用される地盤注入剤濃度推定システムにおける励起光及び蛍光の光強度と波長の関係を示すグラフである。 本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法において、指標剤として用いる蛍光染料が地盤内で変化する前と変化した後のそれぞれの蛍光特性を示すグラフである。 本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法において、変化前の蛍光染料の濃度の推移と、変化後の蛍光染料の濃度の推移と、を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法及び地盤注入剤濃度推定システムについて、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。但し、明細書中に特段の断りが無い限り、各構成要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
<第1実施形態>
(全体構成)
第1実施形態における地盤注入剤濃度推定システムは、図1A、図1Bに示す地盤10に含まれる汚染物質を分解するための汚染地盤浄化システム20に適用される。汚染地盤浄化システム20は、地盤10に構築された揚水井戸22、注水井戸24、観測井戸26及び遮水壁28と、地表面GLの上部に構築され、地盤10、揚水井戸22及び注水井戸24の間で地下水を循環させる浄化装置30と、観測井戸26から採取された地下水を分析する測定装置40と、を備えている。
(汚染地盤)
地盤10は、地表面GLよりも下方の地盤であって、地下水が流れる帯水層12及び地下水が流れない不透水層14を備えている。この地盤10のうち、汚染物質が基準値(例えば汚染物質の種類毎に定められた値)以上含まれている部分を、汚染地盤Eとする。「汚染物質」とは、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、塩化ビニルモノマー、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンなどの有機ハロゲン化物を含む概念である。
なお、図1Bにおいては、地下水位HLを一点鎖線で図示しており、地盤10内での地下水の流れの向きを破線の矢印で図示している。なお、この地下水の流れは注水井戸24から地盤10へ、後述する浄化剤等を含む注入液を注入し、更に揚水井戸22から地下水を揚水することで発生する流れである。
(揚水井戸)
揚水井戸22は、地盤10から地下水を揚水する揚水手段であり、揚水ポンプPにより帯水層12の地下水を吸い上げて、浄化装置30に送ることができる。図1A、図1Bにおいて揚水ポンプPは揚水井戸22(揚水井戸22a、22b)の外部に設置されているが、これは構成を説明するためであり、揚水ポンプPは揚水井戸22の内部に設置されているものとする。但し揚水ポンプPは、揚水井戸22の外部に設置してもよい。また、揚水井戸22は汚染地盤Eと遮水壁28との間に配置されており、下端の深度が汚染地盤Eの深度以下となるように地盤10に形成されている。
図1Aにおいては図示の便宜上、2本の揚水井戸22a、22bのみを記載しているが、本開示の実施形態はこれに限らず、任意の本数を敷地の広さ等に応じて適宜配置して構わない。
なお、揚水井戸22は汚染地盤Eに配置されていてもよい。また、揚水井戸22による揚水の具体的な方法や、揚水井戸22の形状、サイズ等については公知であるため、詳細な説明を省略する。
(注水井戸)
注水井戸24(注水井戸24a、24b)は、浄化装置30で生成された注入液を地盤10に注入する注入手段であり、図示しないポンプ等により注入液を地盤10内に送ることができる。また、注水井戸24は、汚染地盤Eと遮水壁28との間(汚染地盤Eからみて揚水井戸22の反対側)に配置された井戸であり、下端の深度が汚染地盤Eの深度以下となるように地盤10に形成されている。
図1Aにおいては図示の便宜上、2つの注水井戸24a、24bのみを記載しているが、本開示の実施形態はこれに限らず、任意の数を敷地の広さ等に応じて適宜配置しても構わない。
なお、注水井戸24は汚染地盤Eに配置してもよい。また、注水井戸24による注入液の注入の具体的な方法や、注水井戸24の形状、サイズ等については公知であるため、詳細な説明を省略する。
(観測井戸)
観測井戸26(観測井戸26a、26b、26c)は、地下の状態を観測する観測手段である。ここで、「地下の状態」とは、観測井戸26が埋設された位置における地盤10中の状態を示しており、例えば地下水位、地盤内温度、地下水における後述する浄化剤、活性剤、指標剤の濃度、地下水における汚染物質濃度などを含む。
観測井戸26には図示しない各種センサーが設置されている。これらのセンサーは、上述した地下水位、地盤内温度、地下水における浄化剤及び活性剤の濃度などを測定し、これらの測定値を浄化装置30における制御部38に電気信号で伝達する。
なお、これらのセンサーは揚水井戸22及び注水井戸24の内部にも設置されている。すなわち、揚水井戸22及び注水井戸24はそれぞれ、観測手段としても機能する。また、図1A、図1Bにおいては、図が煩雑になる事を避けるため、各種センサーと制御部38とに接続された信号線の図示は省略している。
観測井戸26の内部又は外部には、図示しない揚水ポンプが設置されている。これらの揚水ポンプによって、観測井戸26の所定の深度の地下水を採取し、この採取した地下水を地上に設置した測定装置40まで揚水することができる。
なお、観測井戸26は、遮水壁28で囲われた地盤10内の複数箇所に埋設されているが、図1Aにおいては図示の便宜上、3つの観測井戸26a、26b、26cのみを記載している。但し本開示の実施形態はこれに限らず、任意の数の観測井戸26を敷地の広さ等に応じて適宜配置することができる。
(遮水壁)
遮水壁28は、汚染地盤Eの周囲を囲むように地盤10に配置された鋼製矢板(シートパイル)の遮水手段であり、遮水壁28内外の地下水の流れを遮断している。すなわち、遮水壁28の「外側」の地盤10における地下水の流れと、遮水壁28の「内側」の地盤10における地下水の流れとを、相互に影響を及ぼさないようにしている。
図1Bに示すように、遮水壁28の下端は不透水層14に根入れされている。これにより、汚染地盤Eは遮水壁28と不透水層14とで囲まれ、汚染物質が遮水壁28の外側の地盤10へ流出することが抑制されている。
(浄化装置)
浄化装置30は、揚水井戸から揚水された地下水を浄化し、後述する浄化剤や活性剤を添加して地盤10へ戻すための装置であり、水処理・加温装置32、添加槽36及び制御部38を含んで構成される。
(水処理・加温装置)
水処理・加温装置32は、揚水井戸から揚水された地下水から、汚染物質を分離(及び抽出)する。また、水処理・加温装置32は、後述する制御部38により温調される図示しないヒーターにより、浄化された地下水を加温する。水処理・加温装置32によって地下水を加温することにより、地盤10内で汚染物質を生物分解する分解微生物の増殖を促進したり、分解微生物の活性を上げたりすることができる。
(添加槽)
添加槽36では、地下水に対して「注入剤」(浄化剤又は活性剤のうち少なくとも一方)と「指標剤」とを添加して注入液を生成する。具体的には、後述する制御部38により制御された投入装置(図示省略)から、添加槽36内部の地下水に浄化剤又は活性剤のうち少なくとも一方と指標剤とが添加され、攪拌されて注水井戸24から地盤10へ注入する注入液が生成される。
(注入剤)
注入剤の一例としての「浄化剤」とは、地盤10内で汚染物質を分解する物質のことであり、例として、汚染物質を生物分解するデハロコッコイデス、デハロサルファイド等の「分解微生物」や、汚染物質を化学分解する「化学分解剤」がある。化学分解剤の具体例としては、鉄系スラリー等の「還元剤」や、過酸化水素、加硫酸塩、フェントン試薬、過マンガン酸、過炭酸塩などの「酸化剤」が挙げられる。
注入剤の別の一例としての「活性剤」とは、分解微生物の生物分解を活性化させる物質のことであり、水素徐放剤、有機物、PH調整剤、微量栄養素又は微量元素等を用いることができる。
このうち、有機物としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸若しくはクエン酸又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩若しくはカルシウム塩、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ペプトン、トリプトン、酵母エキス、フミン酸又は植物油等を用いることができる。なお、有機物は地盤10内で分解されると無機化する(無機炭素になる)。
また、PH調整剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム、カリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、トリポリリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム又はリン酸三ナトリウム等を用いることができる。
また、微量栄養素としては、ビタミンB12、ビタミンB1、パントテン酸、ビオチン、葉酸等を用いることができる。
さらに、微量元素としては、Co、Zn、Fe、Mg、Ni、Mo、B等を用いることができる。
なお、第1実施形態においては、注入剤として活性剤を用いており、さらに、活性剤として酵母エキスを用いている。また、添加槽36においては、活性剤に加えて浄化剤を添加することもできるが、詳しい実施形態については後述する。
(指標剤)
「指標剤」とは地盤10(汚染地盤Eを含む)内で浄化剤又は活性剤と同様の挙動を示す物質であり、低濃度状態でも、大規模な設備を用いることなく、原位置(例えば汚染地盤E上又は近傍の建物内など)で濃度の測定が容易な物質である。指標剤の例としては、蛍光染料、ハロゲンイオン、放射性同位体などが挙げられる。このうち、蛍光染料としてはウラニン、エオシン、ローダミンB、ローダミンWT、ピラニン、アミノG酸、ナフチオン酸ナトリウム、スルホローダミンG等を用いることができるが、第1実施形態においては蛍光染料(エオシン)を用いている。
ここで、「浄化剤又は活性剤と同様の挙動を示す」とは具体的に、地下水に対する指標剤の密度、粘性、吸着・分解特性などが、それぞれ浄化剤又は活性剤の密度、粘性、吸着・分解特性などと同程度であることを示す。
また、「同程度」とは、完全に一致している場合のほか、試験により測定可能な程度の僅かな差が生じる(略一致している)場合を含む。また、所定の係数(後述する係数α等)を乗じることで一致または略一致する場合を含む。
このため、指標剤は、地盤10の地下水における浄化剤又は活性剤の濃度を測定するための物質(トレーサー)として用いられる。指標剤の濃度を測定することで、地盤10の地下水における浄化剤又は活性剤の濃度を推定することができる。
(測定器)
図2には、観測井戸26と測定装置40との関係を説明するための立断面図が示されている。測定装置40は、ヘッダー42と、蛍光測定器44とを含んで構成されている。
観測井戸26a、26b、26cの内部の地下水は、各井戸内部に設置された図示しない揚水ポンプにより所定の深度の水が揚水され、測定装置40のヘッダー42を介して蛍光測定器44へ送られる。
ヘッダー42は、複数の配管を1つにまとめるための集合配管部材であり、図示しない電磁弁やバルブを開閉することで、観測井戸26a、26b、26cそれぞれから採水された地下水のうち、どの地下水を蛍光測定器44へ送るかを選択することができる。
蛍光測定器44は、ヘッダー42から送られてきた地下水に含まれる指標剤としての蛍光染料が発する光の強度を測定することができる。具体的には、光源装置から地下水に励起光を照射したときに、地下水に含まれる蛍光染料が発生する蛍光の光強度Cを測定できる。具体例として図3には、励起光の波長と蛍光の波長それぞれの光強度が模式的に示されている。
この光強度Cから蛍光染料の濃度を算出することができる。なお、本実施形態においては、光強度Cを測定し、かつ、光強度Cから蛍光染料の濃度を算出することを総括して「蛍光染料の濃度を測定する」と表現する場合がある。ここで、測定された蛍光染料の濃度を、光強度Cの関数としてF(C)[mg/l]として表すと、活性剤(酵母エキス)の推定濃度X[mg/l]を次のように表すことができる(詳しくは後述)。
(活性剤の推定濃度X)=α×[蛍光染料の濃度F(C)]・・・・・(1式)
α:係数
係数αは、活性剤(酵母エキス)及び蛍光染料の吸着・分解試験をそれぞれ実施することで測定される吸着・分解特性から導出される。
(制御部)
制御部38は、観測井戸26、注水井戸24及び揚水井戸22のそれぞれに設置されたセンサーによって測定された地下水位、地盤内温度、地下水における浄化剤又は活性剤の濃度などの情報を、電気信号として受信する。そして受信した情報に応じて、水処理・加温装置32、添加槽36、揚水ポンプPを駆動制御する。
(活性剤の濃度推定方法)
第1実施形態の地盤注入剤濃度推定システムでは、図2に示すように、まず添加槽36で、注水井戸24から地盤10へ注入する注入液に、活性剤としての酵母エキスと、指標剤としての蛍光染料(エオシン)を添加する。ここで、一例として、注入液における酵母エキスの濃度と、蛍光染料の濃度とを等しくする。すなわち、注入液においてそれぞれの濃度の関係は、次のように表される。
(活性剤の濃度):(蛍光染料の濃度)=1:1 ・・・・・(1−1式)
次に、添加槽36から注水井戸24へ、酵母エキス及び蛍光染料(エオシン)が添加された注入液が注入される。注水井戸24へ注入された注入液は、図1A、図1Bに示す揚水ポンプPが揚水井戸22から地下水を揚水して地下水の水勾配を生成することで、目標とする速度で注水井戸24から地盤10及び汚染地盤Eへ拡散する。
このとき、酵母エキスと蛍光染料(エオシン)とは、地下水に対する密度、粘性、吸着・分解特性などが同程度であり、図2にそれぞれS及びTで示したように拡散する。
このとき、地下水におけるそれぞれの濃度の関係は、吸着・分解特性に応じた係数αを用いて、次のように推定される。
(活性剤の推定濃度):(蛍光染料の濃度)=α:1
・・・・・(1−2式)
次に、図2に示すように注水井戸24から離れた場所に設けられた観測井戸26a、26b、26cの内部に備えられた揚水ポンプ(図示省略)が観測井戸26a、26b、26c内部の地下水を採取して、地下水が蛍光測定器44へ送られる。この蛍光測定器により、蛍光染料(エオシン)の光強度Cが測定され、蛍光染料(エオシン)の濃度F(C)[g/l]が算出される(濃度F(C)[g/l]が測定される)。
ここで、活性剤(酵母エキス)の推定濃度X[g/l]と、蛍光染料(エオシン)の濃度F(C)[g/l]とを、(1−2式)の左辺に代入すると、次のように表される。
(活性剤の推定濃度X):[蛍光染料の濃度F(C)]=α:1
・・・・・(1−3式)
この(1−3式)を変形することにより、上述した(1式)が得られ、活性剤の推定濃度が算出される。すなわち、活性剤の濃度が推定される。
なお、本実施形態においては、注入液における酵母エキスの濃度と、蛍光染料の濃度とを等しくしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば注入液における酵母エキスの濃度と蛍光染料の濃度の比率を(a:1)とした場合、(1式)の右辺にaを掛けることで、酵母エキスの推定濃度が算出される。
このaの値は任意であるが、蛍光染料には汚染物質分解効果を期待しないので、蛍光染料は酵母エキスの濃度を算出するために必要な程度含まれていればよく、例えばa=60程度でもよい。
(注入剤及び指標剤の分解)
注入剤としての活性剤(酵母エキス)及び指標剤としての蛍光染料(エオシン)は、地盤10内に存在する脱ハロゲン化微生物によって分解される。
活性剤(酵母エキス)は、分解されることにより無機化される(無機炭素になる)。
一方、蛍光染料(エオシン)は、脱ハロゲンされることより、蛍光特性の異なる蛍光染料(ウラニン)に変化する。これにより、蛍光特性が変化する。
なお、上述したように、活性剤(酵母エキス)及び蛍光染料(エオシン)は、互いに分解特性が等しい。本開示における「指標剤は、地盤中で、注入剤と同様に特性が変化し」とは、一例として、指標剤としての蛍光染料(エオシン)及び注入剤としての活性剤(酵母エキス)の分解特性が等しいことを示している。
分解前の注入剤(酵母エキス)と変化前の指標剤(エオシン)とは、地盤10(汚染地盤Eを含む)内で、同様の挙動を示す。そして、分解後の注入剤(無機化された酵母エキス)と変化後の指標剤(エオシン)とは、地盤10(汚染地盤Eを含む)内で、同様の挙動を示す。このため、上記の(1式)は、次の(2式)等のように表される。
(活性剤の推定濃度X)
=(分解前の活性剤の推定濃度X)+(分解後の活性剤の推定濃度X
・・・・・(2式)
(分解前の活性剤の推定濃度X
=α×[変化前の蛍光染料〈エオシン〉の濃度F(C)]
・・・・・(2−1式)
(分解後の活性剤の推定濃度X
=α×[変化後の蛍光染料〈ウラニン〉の濃度F(C)]
・・・・・(2−2式)
このように、注入剤及び指標剤として、脱ハロゲン化微生物によって分解(脱ハロゲン)される物質を用いた場合、分解前後の注入剤の濃度を、それぞれ変化前後の指標剤の濃度を用いて推定することができる。
(指標剤が分解されたことの検出方法)
上述したように、地盤10内で、蛍光染料(エオシン)は、蛍光特性の異なる蛍光染料(ウラニン)に変化する。図4には、蛍光染料(エオシン)の蛍光特性が曲線L1で、蛍光染料(ウラニン)の蛍光特性が曲線L2で示されている。
曲線L1で示されるエオシンの励起波長は約516nm、蛍光波長は約538nm(=λ1)である。一方、曲線L2で示されるウラニンの励起波長は約491nm、蛍光波長は約512nm(=λ2)である。
同じ強度の光を照射した場合、ウラニンはエオシンと比較して光に対する感度が高いので、光強度が大きい。一方、エオシンはウラニンより光強度が小さい。
ここで、エオシンがウラニンに変化しないと「想定」した場合、観測井戸26a、26b、26cから採取される地下水におけるエオシンの濃度F(C)は、時間が経つに従って徐々に高くなることが「想定」される。この濃度変化は、図4に示すエオシンの蛍光強度Cの経時変化から算出される。
しかしながら、地盤10内で、エオシンは光強度が強いウラニンに変化する。このため、図4に示す波長λ1における蛍光強度は、エオシンの蛍光強度Cに加えて、生成されたウラニンの波長λ1における光強度Cを加味した値が測定される。
(分解前後の指標剤濃度の測定方法)
分解前の指標剤である蛍光染料(エオシン)の濃度と、分解後の指標剤である蛍光染料(ウラニン)の濃度とは、採取された地下水に、エオシン及びウラニンの励起光をそれぞれ照射し、それぞれの蛍光強度を測定することで算出される。
このように、波長の異なる複数の励起光を注入液に照射することにより、蛍光染料が、励起波長が異なる蛍光染料に変化した場合でも、変化後の蛍光染料の蛍光波長及び当該蛍光波長での蛍光強度を測定することができる。
(汚染物質の分解状態推定方法)
ここで、「活性剤」とは、上述したように、地盤10内で汚染物質を分解する分解微生物の生物分解を活性化させる物質のことである。本実施形態において、この分解微生物(脱ハロゲン化微生物)は、活性剤(酵母エキス)を分解することによって栄養を取り込み、活性化される。
この脱ハロゲン化微生物は、酵母エキスに加えて、指標剤(蛍光染料)も分解(脱ハロゲン)する。すなわち、脱ハロゲン化微生物は、地盤10内において、蛍光染料を分解(脱ハロゲン)しながら、有機ハロゲン化物である汚染物質を分解する。
このため、蛍光染料の分解が進行していない段階では汚染物質の分解も進行せず、蛍光染料の分解が進行すれば、汚染物質の分解も進行する。これにより、蛍光染料の濃度変化(換言すると、蛍光染料の蛍光強度の変化)から、汚染物質の分解状況を推定することができる。
図5には、観測井戸26a、26b、26cから採取される地下水における分解前の蛍光染料(エオシン)の濃度F(C)の変化と、分解後の蛍光染料(ウラニン)の濃度F(C)の変化と、がそれぞれ曲線S1、S2で示されている。
曲線S1に示されるように、注入液に添加されて注水井戸24から地盤10へ注入されたエオシンは、注入直後は濃度が上昇する。その後エオシンは、分解微生物(脱ハロゲン化微生物)によって分解され、濃度が次第に減少する。一方、エオシンが分解されることで、曲線S2に示されるように、ウラニンの濃度が次第に増加する。
汚染物質の分解速度Vは、分解前の蛍光染料(エオシン)の濃度F(C)の減少速度V1を用いて次のように表される。
(汚染物質の分解速度V)=M1×蛍光染料(エオシン)の濃度の減少速度V1
・・・・・(3−1式)
M1:係数
また、汚染物質の分解速度Vは、分解後の蛍光染料(ウラニン)の濃度F(C)の増加速度V2を用いて次のように表される。
(汚染物質の分解速度V)=M2×蛍光染料(ウラニン)の濃度の増加速度V2
・・・・・(3−2式)
M2:係数
係数M1及び係数M2は、汚染物質及び蛍光染料(エオシンやウラニン等)の分解特性の違いから導出される。
3−1式に示すように、分解前の蛍光染料の濃度の減少速度(蛍光強度が弱まる速度)が大きいと、汚染物質の分解が速く進行していることがわかる。また、3−2式に示すように、分解後の蛍光染料の増加速度(蛍光強度が強まる速度)が大きいと、汚染物質の分解が速く進行していることがわかる。
<作用及び効果>
酵母エキスが添加された注入液は地下水で希釈されるため、有機物濃度が高い地下水中では酵母エキスの濃度測定は難しくなる。
これに対して蛍光染料は、地下水に希釈され低濃度になった状態でも、蛍光測定器を用いて光強度を測定することができる。そして、この光強度から、蛍光染料の濃度を算出することができる。
また、酵母エキスと蛍光染料とは、地下水に対する密度、粘性、吸着・分解特性などが同程度である。このため、地下水における蛍光染料の濃度がわかれば、酵母エキスの濃度を推定することができる。
これにより、地盤10及び汚染地盤Eの地下水における酵母エキスの濃度を適切に管理して、汚染物質を効果的に分解することができる。
本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方向によると、地盤10中から採水された地下水における、変化前の蛍光染料(エオシン)の濃度と変化後の蛍光染料(ウラニン)の濃度とを測定する。これにより、変化前だけでなく「変化後」の蛍光染料の濃度を用いて、注入剤としての活性剤の濃度を推定することができる。
このため、変化前の蛍光染料(エオシン)のみを用いて活性剤の濃度を推定する場合と比較して、地盤中の活性剤の濃度を適切に評価できる。すなわち、活性剤の浸透状況を確認し易い。
また、本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法によると、汚染物質及び蛍光染料(エオシン)が生物的に分解される。このため、分解前の蛍光染料(エオシン)の蛍光強度の変化、すなわち蛍光染料の生物的分解の進行状態から、汚染物質の分解状態を推定することができる。
一例として、図5の曲線S1に示すように、分解前の蛍光染料(エオシン)の濃度が低く(蛍光強度が小さく)なると、エオシンの分解が進行していることがわかる。これにより、汚染物質の分解も進行していることを推定できる。
別の一例として、分解前の蛍光染料(エオシン)の濃度が低くなる(蛍光強度が小さくなる)速度が大きいと、エオシンの分解が速く進行していることがわかる。これにより、汚染物質の分解も速く進行していることを推定できる。
また別の一例として、図5の曲線S2に示すように、分解後の蛍光染料(ウラニン)の濃度が高く(蛍光強度が大きく)なると、ウラニンの生成及びエオシンの分解が進行していることがわかる。これにより、汚染物質の分解も進行していることを推定できる。
さらに別の一例として、分解後の蛍光染料(ウラニン)の濃度が高くなる(蛍光強度が大きくなる)速度が大きいと、ウラニンの生成及びエオシンの分解が速く進行していることがわかる。これにより、汚染物質の分解も速く進行していることを推定できる。
また、本開示の実施形態に係る注入剤の濃度推定方法では、注入液に添加される注入剤として、地盤中で分解される活性剤(酵母エキス)を用いている。そして注入液には、この活性剤(酵母エキス)に加えて蛍光染料(エオシン)が添加される。
蛍光染料(エオシン)は、地盤中で、活性剤(酵母エキス)と同様に特性が変化し(分解特性が等しく)、かつ、変化前においては分解前の活性剤と同様の挙動を示し、変化後(ウラニンに変化した後)においては分解後の活性剤と同様の挙動を示す。
このため、変化前後の蛍光染料の濃度をそれぞれ測定することにより、分解前後の活性剤の濃度をそれぞれ推定できる。
なお、本実施形態においては指標剤として蛍光染料(エオシン)を用いているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば地盤中で特性が変化し、かつ、変化前後で分解前後の注入剤と同様の挙動を示す物質であれば、蛍光染料以外の物質を指標剤として用いることができる。
<その他の実施形態>
上記各実施形態においては、蛍光染料の濃度を測定する方法として、蛍光測定器44を用い、蛍光強度を濃度に換算しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。
蛍光染料の濃度を測定する方法としては、一例として、液体中の成分を固定相と移動相の相互作用の差を用いて分離し、質量検出器で検出する液体クロマトグラフィー質量分析法を用いてもよい。
また別の一例として、吸光光度法を用いてもよい。吸光光度法では、採取した地下水に光を照射し、透過した光強度を測定(透過率、反射率を測定)することによって、どのくらいの光が吸収されているかを測定する。これにより、地下水に含まれる蛍光染料の濃度を算出する。
また、上記の各実施形態では、添加槽36で注入液に「注入剤」として浄化剤又は活性剤の何れか1種類を添加したが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば注入液には、「注入剤」として浄化剤及び活性剤の双方を添加してもよい。
また、「注入剤」として浄化剤のみを複数種類用いたり、活性剤のみを複数種類用いたりしてもよい。さらに、「指標剤」としては、ハロゲンイオン、放射性同位体を用いず、蛍光染料のみを複数用いてもよい。
また、上記の各実施形態では、図1Bに示すように、不透水層14の上方に形成された「1層の」帯水層12の汚染地盤Eを浄化しているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば帯水層12が不透水層によって上下に分断されて形成された「2層の」帯水層のそれぞれの汚染地盤を浄化することもできる。あるいは、「3層以上の」帯水層を浄化してもよい。
また、上記の各実施形態においては、図1A、図1Bに示す遮水壁28の材質を鋼製矢板(シートパイル)としているが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば凍土、粘土、コンクリート、セメント改良体等を用いることができる。また、遮水壁28は必ずしも設ける必要はない。遮水壁28を設けない場合は、地下水の流れの上流側に注水井戸24を配置し、下流側に揚水井戸22を設置することが望ましい。これにより、注水井戸24から地盤10に注入した注入液を円滑に地盤10へ浸透させることができる。
また、上記の各実施形態においては、図1A、図1Bに示す水処理・加温装置32において、地下水に空気を送り込むことで水質改善するものとしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば水質改善の方法として、地下水に浄化剤を添加し反応させて水質改善する方法、地下水に含まれる汚染物質を吸着することで地下水と汚染物質との分離を図る方法などを用いてもよい。
浄化剤として汚染物質を生物分解する分解微生物を用いて地下水を浄化する場合には、栄養塩や酸素を混入したり、新たに分解微生物を混入したりしても良い。さらに、注水井戸24による注入液の注入を円滑に実施するため、凝集剤を混入したりしても良い。
また、上記の各実施形態においては、ヒーターにより水処理・加温装置32で浄化された地下水を加温するものとしたが、本開示の実施形態はこれに限らない。例えば空調機器(図示省略)の熱媒体と、水処理・加温装置32で浄化された地下水とを熱交換させることにより地下水を加温しても良い。さらに、汚染地盤E上又は近傍の建物からの排熱や蒸気などを利用して加温してもよい。なお、分解微生物が所定の活性で活動している場合等は、加温は必ずしも必要ではない。
なお、上述した各実施形態における地盤注入剤濃度推定システムは、地盤10に含まれる汚染物質を分解するための汚染地盤浄化システム20に適用され、注入剤として浄化剤や活性剤を用いているが、本開示の実施形態はこれに限らない。
例えば地盤注入剤濃度推定システムを、地盤10の液状化対策のための地盤改良システムに適用することもできる。この場合、注入剤としては過冷却水溶液、気泡混合水、固化材などが用いられ、指標剤としては、汚染地盤浄化システム20と同様に、蛍光染料、ハロゲンイオン、放射性同位体などを必要に応じて組み合わせて用いられる。あるいは、指標剤の使用に変えて地下水の温度測定により注入剤の濃度を推定することもできる。
なお、過冷却水溶液は、エリスリトール、酢酸ナトリウム3水塩、酢酸ナトリウム10水塩などの水溶液であり、過冷却状態で地盤10へ注入され、地下水における過冷却水溶液の濃度が所定の濃度に到達した時点で、結晶を投入又は刺激を加えて結晶化させる。これにより地盤10を固化させて地盤改良する。
また、気泡混合水は、水にファインバブル(直径100μm以下の気泡)、マイクロバブル(直径1〜100μmの気泡)又はウルトラファインバブル(直径1μm以下の気泡)を混合した液体であり、これを地盤10へ注入することで、地盤10における地下水に所定の濃度の気泡を含ませ不飽和状態にする。これにより、地震時における地盤10の粒子間の間隙水圧の上昇を抑制し、液状化を発生しにくくすることができる。
また、固化材としては、粘土・セメント系(ベントナイト、セメントなど)、超微粒子系(ハイブリッドシリカ(登録商標)など)、特殊スラグ系(シラクソル(登録商標)−UFなど)などの懸濁液型非水ガラス系固化材、アルカリ性(RMG−S5など)、中性・酸性(クリーンファームなど)の懸濁液型水ガラス系固化材、アルカリ性(アルシリカ(登録商標)など)、中性・酸性(ハードライザー(登録商標)など)、特殊中性・酸性(エコリヨン(登録商標))、特殊シリカ(エコシリカ(登録商標)など)などの水ガラス系溶液型無機系固化材、アルカリ性(RSG−3)の水ガラス系溶液型有機系固化材などを用いることができる。
さらに、地盤注入剤濃度推定システムは、地盤10の地中熱を利用するための蓄熱システムに適用することもできる。この場合、注入剤としては過冷却水溶液などの蓄熱材が用いられ、指標剤としては、汚染地盤浄化システム20と同様に、蛍光染料、ハロゲンイオン、放射性同位体などを必要に応じて組み合わせて用いられる。
なお、過冷却水溶液として用いられるエリスリトール、酢酸ナトリウム3水塩、酢酸ナトリウム10水塩などは、水やコンクリートと比較して大きな熱容量を備えているため、蓄熱材としての機能を発揮しやすい。
さらに、地盤注入剤濃度推定システムは、地盤10を掘削する際に地下水位を低下させるための遮水システムに適用することもできる。この場合、注入剤としては過冷却水溶液や固化材が用いられ、指標剤としては、汚染地盤浄化システム20と同様に、蛍光染料、ハロゲンイオン、放射性同位体などを必要に応じて組み合わせて用いられる。あるいは、指標剤に変えて、地下水の温度を測定することにより注入剤の濃度を推定することもできる。
10 地盤

Claims (2)

  1. 地盤中で分解される注入剤と、前記地盤中で前記注入剤と同様に特性が変化すると共に、前記地盤中において、変化前に分解前の前記注入剤と同様の挙動を示し、変化後に分解後の前記注入剤と同様の挙動を示す指標剤とを、注入液に添加する工程と、
    前記注入液を前記地盤中に注入する工程と、
    前記注入液を前記地盤中に注入後に、前記地盤における任意の観測点から地下水を採水する工程と、
    採水された前記地下水における変化前の前記指標剤の濃度と変化後の前記指標剤の濃度とを測定する工程と、
    変化前の前記指標剤の濃度から分解前の前記注入剤の濃度を推定し、変化後の前記指標剤の濃度から分解後の前記注入剤の濃度を推定する工程と、
    を備えた注入剤の濃度推定方法。
  2. 前記指標剤は、地盤中で蛍光特性が変化する蛍光染料とされ、
    採水された前記地下水における、変化前の前記蛍光染料の濃度と変化後の前記蛍光染料の濃度とを測定する工程と、
    変化前の前記蛍光染料の濃度から、分解前の前記注入剤の濃度を推定し、かつ、変化後の前記蛍光染料の濃度から、分解後の前記注入剤の濃度を推定する工程と、
    を備えた請求項1に記載の注入剤の濃度推定方法。
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