JP2022000183A - 口腔ケア器具用の毛束及びヘッド並びに口腔ケア器具 - Google Patents

口腔ケア器具用の毛束及びヘッド並びに口腔ケア器具 Download PDF

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    • A46B2200/1066Toothbrush for cleaning the teeth or dentures

Abstract

【課題】歯磨き中に歯及び歯肉の表面から歯垢及び残骸を除去するために十分な効果が得られ得る口腔ケア器具用の毛束及びヘッドを提供する。【解決手段】口腔ケア器具用の毛束は、複数のフィラメントを含む。それぞれのフィラメントは、長手方向軸線と、長手方向軸線に対して実質的に垂直な平面において延びる、実質的に十字形状の断面領域と、を有する。十字形状の断面領域は、4つの突起部及び4つのチャネルを有し、突起部及びチャネルは、交互に配置されている。それぞれのチャネルは、隣接しかつ合流する突起部により形成された凹状の湾曲部を有する。凹状の湾曲部は、半径を有し、チャネルの凹状の湾曲部の半径は、約0.025mm〜約0.10mmの範囲内である。毛束は、約40%〜約55%の範囲内の詰込み率を有する。【選択図】図4

Description

本開示は、口腔ケア器具用の毛束に関し、毛束は、長手方向軸線と、長手方向軸線に対して実質的に垂直な平面において延びる、実質的に十字形状の断面領域と、を有する複数のフィラメントを含む。本開示は、口腔ケア器具用のヘッド及びそのようなヘッドを備える口腔ケア器具に更に関する。
手動式又は電動式歯ブラシのような口腔ケア器具用の、複数のフィラメントで構成される毛束は、当該技術分野において周知である。一般的に、毛束は、使用者の口腔内に挿入されることを意図したヘッドの剛毛支持部に取り付けられている。通常は、ヘッドに把持部ハンドルが取り付けられ、歯磨きの際にはこのハンドルが使用者により握られる。ヘッドは、ハンドルに永久的に接続されているか、又はハンドルに繰り返し着脱可能となっている。
歯を効果的に清掃するために、フィラメントの自由端と歯との間に適切な接触圧力が与えられなければならない。一般的に、単一のフィラメントの曲げ剛性がその長さ及び断面面積に依存する一方で、接触圧力は、フィラメントの曲げ剛性及び変位に依存する。通常、より長いフィラメントは、より短いフィラメントと比較して、より低い曲げ剛性を示す。しかし、比較的薄いフィラメントは、容易に屈曲して離れてしまう傾向にあり、比較的低い曲げ剛性は、歯の表面における歯垢除去の効率性を減少させ、加えて、歯間貫入特性及び洗浄性能を低下させる。より長いフィラメントの曲げ剛性の低下を補償するために、フィラメントの断面領域の寸法を増大させることができる。しかし、比較的太いフィラメントは、不快な歯磨き感覚を生じさせる場合があり、口腔内の歯肉を傷つけやすい。なお、より太いフィラメントは低い曲げ回復性を示す場合があり、比較的短期間の使用後に、そのフィラメントの使用による毛束パターンの使い古した印象が生じる場合がある。
更に、非円形断面領域、例えば、多角形の又は十字形状の断面領域をもたらす、それらの長さ延在部に沿った輪郭を有するフィラメントが、当該技術分野において周知である。このようなフィラメントは、通常の使用中、口腔ケア器具の洗浄特性を向上させるであろう。特に、輪郭づけられた端部は、歯磨きプロセス中により頑丈な摩擦作用を提供して、歯垢及び歯の表面上の残留物の除去を向上させるであろう。
これらの種類のフィラメントを備える歯ブラシは、歯の外側の頬側面を適切に洗浄する一方で、一般的に、歯間空隙内への貫入が依然として比較的困難であるため、隣接歯間領域並びにその他の到達しづらい口腔領域からの歯垢並びに残骸の適切な除去には、同様に適していない。更に、製造工程中及び歯磨き行為中に、十字形状のフィラメント/剛毛は、互いに容易に絡まる場合があり、これにより、歯ブラシの摩耗した外観がもたらされる。加えて、これらのフィラメントは、歯磨き中に、歯及び歯肉の表面から歯垢及び残骸を除去するために十分な毛管効果を提供しない。
本開示の目的は、前述の欠点のうちの少なくとも1つを克服する、口腔ケア器具用の毛束及びヘッドを提供することである。このようなヘッドを備える口腔ケア器具を提供することもまた、本開示の目的である。
一態様によれば、口腔ケア器具用の毛束が提供され、毛束は、複数のフィラメントを含み、それぞれのフィラメントは、長手方向軸線と、長手方向軸線に対して実質的に垂直な平面において延びる実質的に十字形状の断面領域と、を有し、十字形状の断面領域は、4つの突起部及び4つのチャネルを有し、突起部及びチャネルは、交互に配置され、それぞれのチャネルは、隣接しかつ合流する突起部によって形成された凹状の湾曲部を有し、凹状の湾曲部は、半径を有し、チャネルの凹状の湾曲部の半径は、約0.025mm〜約0.10mmの範囲内であり、毛束は、約40%〜約55%の範囲内の詰込み率を有する。
一態様によれば、このような毛束を備えた口腔ケア器具用のヘッドが提供される。
一態様によれば、このようなヘッドを備えた口腔ケア器具が提供される。
本発明を、種々の実施形態及び図面に関して、以下により詳細に記載する。
本開示による複数のフィラメントを含む毛束を有する口腔ケア器具の概略斜視図である。 図1に示すような毛束の1つのフィラメントの概略断面図である。 現況技術によるフィラメントの概略断面図である。 毛束の例示的な実施形態の概略断面図である。 第1の例示的な比較実施形態による毛束の概略断面図である。 第2の例示的な比較実施形態による毛束の概略断面図である。 図2によるフィラメントを含む毛束の歯磨き結果を、2つの例示的な比較実施形態による毛束の歯磨き結果と比較したグラフである。 図2によるフィラメントを含む毛束の「スラリー取り込み質量」を、2つの例示的な比較実施形態による毛束の「スラリー取り込み質量」と比較したグラフである。 図2によるフィラメントを含む毛束の「スラリー取り込み速度」を、2つの例示的な比較実施形態による毛束の「スラリー取り込み速度」と比較したグラフである。 現況技術によるダイヤモンド形状のフィラメントの概略断面図である。
本開示による毛束は、複数のフィラメントを含む。前記毛束のそれぞれのフィラメントは、フィラメントの主延在部によって画定される長手方向軸線を有する。以下、その長手方向軸線に沿うフィラメントの延在部はまた、「フィラメントの長手方向延在部」と称される場合がある。フィラメントは、長手方向軸線に対して実質的に垂直な平面において延びる断面領域を有する。前記断面領域の形状は、十字形状である。十字形状の断面領域は、4つの突起部及び4つのチャネルを有し、突起部及びチャネルは交互に配置される。隣接する2つの突起部、すなわち、前記突起部の隣接する2つの前記側縁部は、チャネルの底部で合流し、「合流領域」を画定する。隣接する突起部は、前記合流領域において、凹状の湾曲部が、すなわち、内側に向かって湾曲した半径を伴い、チャネルの底部に形成されるように合流する。
チャネルの凹状の湾曲部の半径は、約0.025mm〜約0.10mm、又は約0.03mm〜約0.08mm、又は0.04mm〜約0.06mmの範囲内である。そのような範囲を伴う半径は、標準の十字形状のフィラメントと比較すると比較的大きい(図3及び以下の更なる説明を参照)。
過去において、(例えば、図3に示され、更に後述されるような)従来の十字形状のフィラメントは、これらの種類のフィラメントが、製造中及び歯磨き中の両方で、互いに絡まりやすい場合があるという欠点を有することが観察されてきた。しかし、驚くべきことに、いわゆる「ピッキングプロセス」中に、複数のフィラメントが撚り合って1つの毛束を形成する場合に、フィラメントが絡まるという可能性が著しく減少するため、本開示によるフィラメントの外側表面の特定の形状/輪郭が、向上した製造可能性を可能にする、ということが見出されてきた。
更に、チャネルの底部における半径が比較的大きいため、フィラメントの安定性が増し、したがって、例えば、ステープリング留め又は高温毛束付けプロセス中に、フィラメントがブラシヘッドの取り付け表面上に突かれて固定される場合に、ブラシの製造プロセス中に発生するフィラメントの損傷が減少する。過去において、ピッキングプロセス中に、比較的多数の従来の十字形状のフィラメントが損傷を受けることが観察されてきた。特に、突起部がフィラメントから切断されて離れてしまう、又はチャネルの底部における合流領域においてフィラメントが撚り継いでしまう場合がある。撚り継いだフィラメントは、比較的鋭い端部を提供することができるが、これは、歯磨き中に口腔組織を傷つけてしまう/痛めてしまう場合がある。
更に、凹状の湾曲部の半径の特定の幾何学的形状により、チャネルは、毛束内に低密度で、すなわち、低い詰込み率でフィラメントを容易に詰め込むことができる。これにより、歯磨きプロセス中、より長い時間、より多くの歯磨き剤/練り歯磨きを、フィラメントに保持/付着させることができる。更に、より低い毛束の密度は、歯磨き剤が拡散して向上した全体的な歯磨きプロセスがもたらされる可能性を回避してしまう場合がある。換言すると、練り歯磨きを、チャネルにおいてより良好に受容することができ、歯に接触して洗浄する際に、直接送達され、これにより、特に、歯の変色の除去に関して所望である、多大な研磨効果が得られる。
本発明による毛束は、約40%〜約55%、又は約45%〜約50%、又は約49%の範囲内の詰込み率を有する。驚くべきことに、チャネルの凹状の湾曲部の半径が約0.025mm〜約0.10mmの範囲内である十字形状のフィラメントにより、隣接する2つのフィラメント間の間隙を最大にすることができるため、毛束内のフィラメントのかかる比較的低い詰込み率を可能にすることが見出された。本開示の文脈では、用語「詰込み率」は、毛束孔におけるフィラメントの横断断面領域の合計を毛束孔の横断断面領域により割ったものとして定義される。毛束を毛束孔内に取り付けるために、ステープルなどの固定具が使用される実施形態では、固定手段領域は、毛束孔の横断断面領域から除外される。フィラメントが依然として、外側の横方向表面の一部に沿って互いに接触を有する一方で、約40%〜約55%又は約45%〜約50%又は約49%の詰込み率は、毛束内で特定の間隙容積を保つ。間隙容積は、より多くの練り歯磨きを歯磨きプロセスへと送達することができ、かつ練り歯磨きがより長い時間歯と相互作用することができ、向上した歯磨き効果に寄与する。加えて、間隙容積、すなわち、フィラメント間の空隙は、向上した毛管作用により、緩んだ歯垢の取り込みの増加が可能になる。
換言すると、約40%〜約55%又は約45%〜約50%又は49%の範囲内の比較的低い詰込み率は、向上した毛管効果により、向上した歯磨き効果、すなわち、歯の表面及び歯肉からのより良好な歯垢及び残骸の除去をもたらしてもよい。これらの毛管効果は、歯磨き剤がフィラメントの先端/自由端に向かって流れることを可能にし、したがって、歯磨き中に、歯磨き剤をより有効に歯及び歯肉に与えることができる。同時に、歯及び歯肉の表面からの歯垢及び残骸の取り込みが向上する。
驚くべきことに、この間隙容積は、チャネルの凹状の湾曲部の半径が約0.025mm〜約0.10mmの範囲内である十字形状のフィラメントを使用して達成することができることが見出された。フィラメントが、互いにまだ接触している間に間隙領域を開放することが重要であることが見出された。規定要件に従い、かつ外観全体に関して消費者により評価される歯ブラシを製造するために、一般的には、高詰込み率(円形のフィラメントに関しては約70%〜約80%、ダイヤモンド形状のフィラメントに関しては、約80%、三葉型のフィラメントに関しては、約89%)が必要とされる。ステープリング留めプロセスにより製造された歯ブラシに関しては、約70%よりも低い率では、毛束孔内に不十分に圧縮されたフィラメントをもたらすこととなり、したがって、毛束の保持が不十分となる。したがって、円形のフィラメントが約70%よりも低い詰込み率を伴う場合には、規定要件が満たされない。高温で毛束づけられた歯ブラシに関しては、約70%よりも低い詰込み率により、溶融液の圧力が、フィラメントが互いに接触するまでもう一方へと毛束のフィラメントを押す際に、成形プロセスにわたって、プラスチック溶融液が毛束内へと進入することを可能にするであろう。いわゆる多棘は、それにより形成され、歯肉を痛めてしまう/傷つけてしまう場合があり、したがって、製品が不安全となってしまう。規定及び安全性の観点の他に、円形のフィラメントの低詰込み毛束は、「粗野」かつ損傷した外観を有するであろうし、消費者により許容されないであろう。しかし、チャネルの凹状の湾曲部の半径が約0.025mm〜約0.10mmの範囲内である十字形状のフィラメントの使用により、向上した洗浄特性を提供しつつ、許容可能な全体の外観を有する、規格に準拠したかつ安全な製品に関して、低い詰込み率を達成することができる。
図7に示され、以下に更に説明するように、本開示による複数のフィラメントを含む毛束は、円形の又は従来の十字形状のフィラメントの毛束と比較して、頬面、舌側、咬合面及び歯間の表面から、並びに歯肉線に沿う歯垢除去を向上させることができる。
更に、フィラメントの特異的な十字形状に起因して、同一量の材料から製造された場合に、それぞれの単一のフィラメントは、円形形状のフィラメントよりも硬い。しかし、約40%〜約55%、又は約45%〜約50%、又は49%の範囲内の低い詰込み率に起因して、チャネルの凹状の湾曲部の半径が約0.025mm〜約0.10mmの範囲内である十字形状のフィラメントから製造された毛束全体の剛性は、円形形状のフィラメントの毛束と比較して低下する。驚くべきことに、このような毛束は、洗浄効率を増加させながら、感覚的体験を向上させる。すなわち、歯磨き中、口腔内でより柔らかな感覚を提供することが見出されている。
それぞれのフィラメントの十字形状の断面領域は、外径を有する。本開示の文脈では、外径は、フィラメントの断面領域の中心を通過する直線の長さにより画定され、その終点は、断面領域の最も外側の円周上に位置する。換言すれば、十字形状の断面領域は、円の形状にて仮想の外側円周(すなわち、外側外囲円)を有し、外径は、円の中心を通過する、円の最も長い直線区分として画定される。
外径は、約0.15mm〜約0.40mm若しくは約0.19mm〜約0.38mmの範囲内であってもよいか、又は、外径は、約0.22mm〜約0.35mm若しくは約0.24mm〜約0.31mmの範囲内であってもよい。
チャネルの湾曲部の半径に対する外径の比率は、約2.5〜約12の範囲内であってもよい。あるいは、チャネルの湾曲部の半径に対する外径の比率は、約2.7〜約9の範囲内であってもよい。
驚くべきことに、このようなフィラメントの形状は、口腔内におけるブラシの快適性を維持しつつ、更になお向上した洗浄性能を提供する、ということが見出されてきた。加えて、このような形状は、歯磨き中に、フィラメントが絡まってしまう可能性が更に減少するため、フィラメント/毛束摩耗の外観が減少することに更になお役立つ、ということが見出されてきた。更に、歯ブラシの製造プロセス中の、このようなフィラメントの製造可能性は、更に向上する。
フィラメントの十字形状の断面領域のそれぞれの突起部は、端が丸められていてもよく、これにより湾曲部を形成している。前記湾曲部は、直径を有してもよい。突起部の湾曲部の直径は、約0.01mm〜約0.04mmの範囲内であってもよいか又は約0.018mm〜約0.026mmの範囲内であってもよい。
チャネルの湾曲部の半径に対する、突起部の湾曲部の直径の比率は、約0.2〜約1.5又は約0.3〜約1.0又は約0.5〜約0.7の範囲内であってもよい。その比率は、先行技術による標準的な十字形状のフィラメントと比較して、比較的小さい(図3及び以下の更なる説明を参照)。換言すれば、突起部の湾曲部の直径に関して、すなわち、突起部の幅延在部に関して、チャネルの凹状の湾曲部の半径は比較的大きい。又は換言すれば、チャネルの凹状の湾曲部の半径と比較して、突起部の湾曲部の直径は比較的薄くすることができる。この比較的大きい半径は、向上した安定性を伴う比較的薄い突起部を提供する。したがって、ブラシの製造プロセス中、特に、フィラメントが突かれる場合に、フィラメント/突起部が損傷を受ける可能性が少ない、又は比較的薄い突起部が破損して離れる可能性が少ない。換言すれば、歯ブラシの製造プロセス中の、このようなフィラメントの製造可能性は、更に向上する。
なお、驚くべきことに、このようなフィラメントの形状は、口腔内におけるブラシの快適性を維持しつつ、更になお向上した洗浄性能を提供する、ということが見出されてきた。加えて、このような形状は、歯磨き中に、フィラメントが絡まってしまう可能性が更に減少するため、フィラメント/毛束の外観の摩耗が減少することに更に役立つ、ということが見出されてきた。
突起部の湾曲部の直径は、フィラメントの外径の約6%〜約15%又は約8%〜約12%の範囲内であってもよい。驚くべきことに、このようなフィラメントは、なおより良好に歯の輪郭に適合することができ、より容易に歯間空隙内へと貫入して、より完全に歯垢及び残骸を除去することができるということが見出されている。
十字形状の断面領域のそれぞれの突起部は、フィラメントの長手方向の延在に沿った2つの外側側方縁部を備える。これらの側方縁部は、歯の表面上に比較的高い集中応力を発生させて、歯垢を壊し、除去することができる。外側縁は、歯垢及び残骸がより効果的に緩むように、摩擦効果を提供することができる。チャネルの底部における凹状の湾曲部の半径が比較的大きいため、歯の表面から歯垢をより容易に/効果的に緩める/除去する、向上した剛性/安定性を伴う突起部が提供される。チャネルは、次に、壊された歯垢を捕獲し、歯から取り除くことができる。
十字形状のフィラメントの突起部は、外向き方向にて、すなわち、断面領域の中心から離れ、外側円周に向かった方向に、半径方向に先細であってもよい。このような先細の突起部は、狭い空隙及び到達しづらい領域へ確実に接近することができ、なおより深くかつ効果的に、歯間領域への貫入/進入を可能にすることができる。同一量の材料から製造された円形形状のフィラメントと比較して、十字形状のフィラメントの曲げ剛性が高いため、より高い曲げ剛性は、フィラメントの突起部を強めて、歯間領域内へとより容易に滑り込ませてもよい。
突起部は、約6°〜約25°の範囲内の角度だけ、又は約8°〜約20°の範囲内の角度だけ、外向きに半径方向に先細になってもよい。驚くべきことに、このような先細形状は、最適な歯間貫入特性を可能にする、ということが見出されている。更に、このようなフィラメントは、隣接するフィラメントの輪郭上で絡まってしまうことなく、より容易に毛束に束ねることができる。
フィラメントは、実質的に円筒状のフィラメントであってもよく、すなわち、フィラメントは、実質的に円筒状の外側側面を有してもよい。換言すれば、その長手方向軸線に沿ったフィラメントの断面領域の形状及び寸法は、実質的に変化しなくてもよい、すなわち、断面領域の形状及び寸法は、フィラメントの長手方向の延在部にわたって実質的に一定であってもよい。本開示の文脈では、用語「フィラメントの外側側方表面」は、その側面における、フィラメントの外面又は外側表面を意味する。この種類のフィラメントは、先細のフィラメントと比較して、向上した曲げ剛性を提供してもよい。より高い曲げ剛性により、フィラメントは、歯間間隙/空隙内へ容易に貫入することができる。なお、円筒状のフィラメントは、一般にゆっくりと摩滅し、フィラメントのより長い耐用期間を提供してもよい。
円筒状のフィラメントは、実質的に端が丸められた先端/自由端を有して、穏やかな洗浄特性を提供してもよい。端が丸められた先端は、歯磨き中に、歯肉が傷つけられるのを防いでもよい。本開示の文脈の範囲内で、端が丸められたフィラメントは、依然として、実質的に円筒状のフィラメントの定義の分類に入るであろう。
あるいは、フィラメントは、長手方向軸線に沿う、実質的に円筒状の部分及び先細部分を含んでもよく、先細部分は、フィラメントの自由端に向かって、長手方向にて次第に細くなり、円筒状の部分は、本開示による断面領域を有する。換言すれば、フィラメントは、先端が尖った先細のフィラメントであってもよい。先細のフィラメントは、歯磨き中、2本の歯の間の領域並びに歯肉ポケットに最適に貫入することができ、洗浄特性を向上させることができる。先細のフィラメントは、約8mm〜約16mmの範囲内、任意選択的には約12.5mmの、取り付け表面の上に延在する全長を有してもよく、先細部分は、フィラメントの先端から測定して約5mm〜約10mmの範囲内であってもよい。先が尖った先端は、針形状であってもよく、枝分かれ状又は羽根状の端部を有してもよい。先細部分は、化学的及び/又は機械的な先細形成プロセスにより製造することができる。
フィラメントは、外側表面において着色された、カオリン粘土などの研摩材を伴うか又は伴わないポリアミド、例えば、ナイロンから、カオリン粘土などの研摩材及び/又はポリアミド指示薬材料、例えば、ナイロン指示薬材料を伴うか又は伴わないポリブチレンテレフタレート(PBT)から製造することができる。ポリアミド指示薬材料の着色は、フィラメントが徐々に使用されるとゆっくりと摩滅してもよく、フィラメントが摩耗した程度を示す。
フィラメントは、異なる材料の少なくとも2つの区分を含むことができる。少なくとも1つの区分は、熱可塑性エラストマー材料(TPE)を含んでもよく、少なくとも1つの区分は、外側表面において着色された、カオリン粘土などの研摩材を伴うか又は伴わないポリアミド、例えば、ナイロンを、カオリン粘土などの研摩材又はポリアミド指示薬材料、例えば、ナイロン指示薬材料を伴うか又は伴わないポリブチレンテレフタレート(PBT)を、含んでもよい。これらの少なくとも2つの区分は、平行した構造にて、又はコア−外装構造にて配置されてもよく、これはフィラメント全体の剛性の減少をもたらしてもよい。より硬い材料、例えば、ポリアミド又はPBTを含む内側/コア区分、及びコア区分を取り囲み、より柔らかい材料、例えば、TPEを含む外側/外装区分を伴うコア−外装構造は、穏やかな洗浄特性をもたらす比較的柔らかい外側横方向表面を伴う、フィラメントを提供してもよい。
フィラメントは、フッ化物、亜鉛、ストロンチウム塩、香料、シリカ、ピロリン酸塩、過酸化水素、硝酸カリウム又はこれらの組み合わせから選択される成分を含んでもよい。例えば、フッ化物は、石化効果をもたらしてもよく、したがって、虫歯を防止してもよい。亜鉛は、使用者の免疫系を強化してもよい。過酸化水素は、歯を漂白/白くしてもよい。シリカは、より効果的に歯の歯垢及び残骸を除去する研磨効果を有してもよい。ピロリン酸塩は、歯肉線に沿った新しい歯垢、歯石及び歯の結石の形成を阻害してもよい。ピロリン酸塩を含むフィラメントは、歯肉及び口腔粘膜の炎症に対する持続的な保護を提供してもよい。
複数のこのようなフィラメントは共に束ねられて、毛束を形成し、毛束の中心に配置されたフィラメントがフッ化物を含んで、歯磨きプロセス中に歯を石灰化することができる一方、これらは、毛束の外側側面におけるフィラメントがピロリン酸塩を含んで、歯肉線に沿う歯垢、歯石及び歯の結石の形成を阻害することができるように配置することができる。
上記に掲載された構成要素のうちの少なくとも1つは、外装上で、すなわち、フィラメントの外側区分上で、コーティングしてもよい。換言すれば、少なくともいくつかの毛束のフィラメントは、コア−外装構造を含んでもよく、内側/コア区分は、TPE、ポリアミド又はPBTを含んでもよく、外側/外装区分は、上記に掲載された構成要素のうちの少なくとも1つを含んでもよい。このようなコア−外装構造は、比較的高濃度にて、構成要素(複数可)が直接歯に有効となるようにしてもよい、すなわち、歯磨き中に、構成要素(複数可)が歯に直接接触してもよい。
あるいは、上記に掲載された構成要素のうちの少なくとも1つは、TPE、ポリアミド、例えば、ナイロン、及び/又はPBTと共に共押し出されてもよい。このような実施形態は、使用中にフィラメント材料がゆっくりと摩滅するとき、構成要素(複数可)が徐々に歯に有効となるようにしてもよい。
上述の実施形態のうちの任意による複数のフィラメントは、共に束ねられて、口腔ケア器具に取り付けることができる毛束を形成する。口腔ケア器具は、ハンドル及びヘッドを備える歯ブラシであってもよい。ヘッドは、ハンドルから延び、ハンドルに繰り返し着脱可能なものであってもよいか、又は、ヘッドは、取り外しできないようにハンドルに連結されていてもよい。歯ブラシは、電動式歯ブラシ又は手動式歯ブラシであってもよい。
ヘッドは、実質的に円形又は楕円形の形状を有する剛毛支持部を備えてもよい。このような剛毛支持部は、回転振動運動を行うことができる電動式歯ブラシに提供することができる。電動式歯ブラシの剛毛支持部は、運動の軸線の周囲を回転し、かつ運動の軸線に沿って振動する様式で軸線方向に動くように駆動することができ、そのような運動の軸線は、剛毛支持部の上側の上面により画定される平面に対して、実質的に垂直に延びてもよい。本開示による複数のフィラメントを含む1つ以上の毛束は、剛毛支持部に取り付けてもよい。前記毛束(複数可)により、フィラメントの突起部は、更に向上したヘッドの清掃特性を与えることができるヘッドの回転振動運動の際に、歯間領域及び届きにくい領域により容易に貫入することができる。歯の表面に対して実質的に垂直なフィラメントの振動動作により、歯垢及びその他の残留物を緩めつつ、回転運動により歯垢及び更なる残留物を押し流すことができる。
口腔ケア器具用のヘッドに取り付けられた、少なくとも1つの毛束は、長手方向軸線と、前記長手方向軸線に垂直な平面において延びる断面領域と、を有することができる。複数のフィラメントは、毛束の断面領域が、毛束を作り上げる、それぞれ個々のフィラメントのそれぞれ対応する形状の拡大した形状を有する様式にて、配置されてもよい。換言すれば、毛束は、そのフィラメントの拡大した変形型である、すなわち、毛束の断面領域の形状は、それぞれの個々のフィラメントと同じであるが、より大きな寸法のフィラメントとして、実質的に同一の十字形状の断面領域を有してもよい。毛束の断面領域の形状は、そのフィラメントの断面領域の形状に対応してもよい。本開示の文脈では、用語「拡大した形状を有する断面領域」は、同一の形状だが増大した寸法を備える断面領域を意味する。換言すれば、形状の種類は、同一であってもよいが、断面領域の寸法は、異なる、すなわち増大する。毛束の断面領域の外側円周にて、2つの隣接する個々のフィラメントの間に存在してもよいいずれかの間隙、ばらつき、起伏又は溝穴は、その断面領域の実質的な形状に寄与せず、したがって、無視してもよい。
このような毛束は、向上した洗浄特性を提供してもよい。前述で概略を述べたように、個々のフィラメントの特定の形状/幾何学的形状は、円形又は従来の十字形状の断面領域を伴う均一なフィラメントの特性とは異なる特定の洗浄特性を有する。これらの特定の洗浄特性は、それぞれの個々のフィラメントの断面形状の拡大された変形型である毛束全体の断面形状をフィラメントが形成するような様式にて、そのフィラメントを配置させることにより、強化されてもよい。なお、それぞれの単一のフィラメントの特定の形態は一般には使用者に目視され得ず、本開示による毛束はそれぞれの形態を使用者に伝え、したがって、その毛束を作り上げるフィラメントの対応する洗浄特性を伝えてもよい。
フィラメント及び毛束は、それぞれ、非円形形状を伴うそれぞれの断面領域を有するため、フィラメント並びに毛束全体は、歯磨きプロセス中に、異方性の曲げ剛性特性を提供することができる。所与の接触圧力がフィラメント/毛束の自由端へと加えられた場合、フィラメント/毛束の偏向/変位の量は、フィラメント/毛束の直径/半径に依存する。直径/半径が小さいと、フィラメント/毛束の自由端の偏向/変位が大きくなり、また逆に、直径/半径が大きいと、フィラメント/毛束の自由端の偏向/変位が小さくなる。毛束は、より大きい洗浄力が必要であり得る方向にて、より大きい曲げ剛性が提供されるような様式にて、ヘッドの取り付け表面上に配置されてもよい。穏やかな洗浄力又はマッサージ効果が必要とされてもよい方向にて、より小さい曲げ剛性が提供されてもよい。
本開示による口腔ケア器具用のヘッドは、少なくとも1個の毛束孔、例えば、盲端ボアが設けられた剛毛支持部を有している。本開示による複数のフィラメントを含む毛束は、ステープル留めプロセス/定着毛束付け法により、前記毛束孔に固定/定着させてもよい。これは、毛束のフィラメントが、例えば、金属で形成された、例えば、アンカーワイヤ又はアンカープレートのようなアンカーの周囲に実質的にU字形状の様式で折り曲げられる/折り畳まれることを意味する。固定具と共にフィラメントを毛束孔内へと押し込み、これにより、固定具が毛束孔の反対側の壁内へと貫入し、それにより、フィラメントを剛毛支持部へと定着/固定/締結する。正係合及び摩擦係合により、固定具を反対側の壁に固定してもよい。毛束穴が盲端ボアである場合、固定具は、フィラメントをボアの底部に対して保持する。換言すれば、実質的に垂直の様式にて、U形状の湾曲にわたって固定具を位置させてもよい。毛束のフィラメントが、実質的にU形状の構成にて固定具の周囲で湾曲するため、それぞれのフィラメントの第1のリム及び第2のリムは、フィラメントの方向にて剛毛支持部から延びる。ステープル留めプロセスに使用することができる/ステープル留めプロセスおける使用に好適なフィラメントの種類はまた、「両端フィラメント」と称される。ステープル留めプロセスにより製造される口腔ケア器具用のヘッドは、比較的低コストかつ時間的に効率のよい様式にて提供することができる。本開示によるフィラメントの向上した幾何学形状のため、ステープル留めプロセス中に、フィラメントがブラシヘッドの取り付け表面上に突かれて固定される場合に、例えば、切断など、少数のフィラメントが損傷するにとどまる。更に、複数のフィラメントが突かれて、1つの毛束を形成する場合に、隣接するフィラメントの外側表面上で、少数のフィラメントが絡まるにとどまる。
あるいは、少なくとも1つの毛束は、高温毛束付けプロセスの手段により、ヘッドに付着/固定されてもよい。口腔ケア器具のヘッドを製造する一方法は、次の工程を含んでもよい。第1に、少なくとも1つの毛束は、本開示による所望の量のフィラメントを提供することにより形成することができる。第2に、毛束を型穴内に定置させて、ヘッドに取り付けられると推定されるフィラメントの端部が前記穴内へと延びるようにしてもよい。第3に、射出成形プロセスにより、ヘッド又はそのヘッド及びハンドルを備える口腔ケア器具の本体を、型穴内へと延びるフィラメントの端部の周囲に形成して、これにより、少なくとも1つの毛束をヘッドに定着させてもよい。あるいは、射出成形プロセスにより、口腔ケア器具の残りの部分が形成される前に、型穴内へと延びるフィラメントの端部の周囲にヘッドの第1の部分、いわゆる「シールプレート」を形成することにより、毛束を定着させてもよい。射出成形プロセスを開始する前に、型穴内へと延びる少なくとも1つの毛束の端部を任意に溶融/融着させて、溶融密集体又は溶融球にしてフィラメントと一緒に連結させ、これにより、溶融密集体又は溶融球が穴内に配置されてもよい。少なくとも1つの毛束は、口腔ケア器具の仕上げヘッド上の毛束の所望の位置に対応する止まり穴を有する型支柱により、型穴内に保持されてもよい。換言すれば、高温毛束付けプロセスの手段によりヘッドに取り付けられた少なくとも1つの毛束のフィラメントは、それらの長さに沿った中間部分に折り重ならなくてもよく、固定具/ステープルを使用することによりヘッドに取り付けられなくてもよい。少なくとも1つの毛束は、固定具無しの毛束付けプロセスの手段により、ヘッド上に取り付けられてもよい。高温毛束付け製造プロセスは、複雑な毛束形態を可能にする。例えば、毛束は、その自由端、すなわち、その上部表面にて特定のトポグラフィー/形態を有してもよく、歯の輪郭に最適に適合するように形状づけられてもよく、歯間の貫入を更に強化するように形状づけられてもよい。例えば、トポグラフィーは、1つ又は2つの方向にて角がとられる若しくは丸みをつけられてもよいか、先が尖ってもよいか、又は線状、凹状若しくは凸状に形成されてもよい。本開示によるフィラメントの向上した形態のため、高温毛束付けプロセス中に、フィラメントがブラシヘッドの取り付け表面上に突かれて固定される場合に、例えば、切断など、少数のフィラメントが損傷するにとどまる。更に、複数のフィラメントが突かれて1つの毛束を形成する場合に、隣接するフィラメントの外側表面上で、少数のフィラメントが絡まるにとどまる。
以下は、図面を参照した、本開示による口腔ケア器具及びその部品の代表的実施形態の非限定的な考察である。
図1は、ハンドル12とハンドル12から長手方向に延びるヘッド14と、を備える、手動式又は電動式歯ブラシ10であると考えられる、口腔ケア器具10の上から見た斜視図を示す。ヘッド14は、ハンドル12に近い近位端部41と、ハンドル12から最も遠い、すなわち、近位端部41の反対側の遠位端部40と、を有する。ヘッド14は、長さ延在部52と、その長さ延在部52に対して実質的に垂直な幅延在部51と、を伴う、実質的に楕円の形状を有してもよい。本開示による複数のフィラメント20を有する複数の毛束16は、高温毛束付けプロセス又はステープル留めプロセスによってヘッド14に固定されてもよい。毛束16は、実質的に直交するように、ヘッド14の取り付け表面18から延びてもよい。
図1に示すような毛束16は、複数の端が丸められたフィラメント20を含み、これらのうちの1つを図2に示す。あるいは、フィラメント20は、長手方向軸線に沿った、実質的に円筒状の部分及び先細部分を含む、先細のフィラメントであってもよい。先細部分は、フィラメント20の自由端に向かって次第に細くなり、円筒状の部分は、本開示による断面領域22を有する。複数のフィラメント20は、それぞれの個別のフィラメント20の形状を拡大した形状を有する断面領域32を毛束16が有するように配置される。換言すれば、毛束16の断面領域32の形状は、それぞれの個別のフィラメント20の断面領域22の形状に対応する。毛束16は、約40%〜約55%、又は約45%〜約50%、又は約49%の範囲内の詰込み率を有してもよい。「詰込み率」は、フィラメント20の断面領域22の合計を毛束孔の断面領域により割ったものとして定義される。
図2は、本開示によるフィラメント20の概略断面図を示す。フィラメント20は、長手方向軸線と、その長手方向軸線に対して実質的に垂直な平面において延びる、実質的に十字形状の断面領域22と、を有する。十字形状の断面領域22は、4つの突起部24及び4つのチャネル26を有する。突起部24及びチャネル26は、交互に配置されている。それぞれの突起部24は、約6°〜約25°又は約8°〜約20°の範囲内の角度αにより、外向きの方向に先細になっている。
断面領域22は、フィラメントの断面領域22の中心36を通る外径28を有する。外径28の終点は、断面領域22の最外周38上に位置する。外径28は、約0.15mm〜約0.40mm、約0.19mm〜約0.38mm、約0.22mm〜約0.35mm、又は約0.24mm〜約0.31mmの範囲内の、長さ延在部を有する。
更に、それぞれのチャネル26は、凹状の湾曲部34、すなわち、断面領域22の中心36に向かって内側に湾曲した湾曲部を有する。凹状の湾曲部34は、隣接しかつ合流している2つの突起部24により、それぞれのチャネル26の底部において形成される。凹状の湾曲部34は、約0.025mm〜約0.10mm、又は約0.03mm〜約0.08mm、又は約0.04mm〜約0.06mmの範囲の半径30を有する。
凹状の湾曲部34の半径30に対する外径28の比率は、約2.5〜約12、又は約2.7〜約9の範囲内である。
それぞれの突起部24は端が丸められおり、それにより、特定の直径42を伴う湾曲部を形成する。前記直径42はまた、対向する2つの側縁部44の間に延びる幅延在部42として定義することができる。チャネル26の湾曲部34の半径30に対する、突起部24の湾曲部の直径42の比率は、約0.2〜約1.5、又は約0.3〜約1.0、又は約0.5〜約0.7の範囲内である。
更に、直径42は、フィラメント20の外径28の約6%〜約15%、又は約8%〜約12%の範囲で画定される。例えば、直径42は、約0.01mm〜約0.04mmの範囲内であってもよく、又は約0.018mm〜約0.026mmの範囲内であってもよい。
図3は、現況技術による十字形状のフィラメント54の概略断面図を示す。フィラメント54は、次の寸法を有する。
外径56:0.295mm
チャネルの凹状の湾曲部の半径58:0.01mm
凹状の湾曲部の半径58に対する外径56の比率:29.5
突起部の先細部α:15°
突起部の湾曲部の直径62:0.04mm
半径58に対する直径62の比率:4
内径64:0.1mm。
図4は、本開示による毛束66の例示的な実施形態1の概略断面図を示す。毛束66は、約49%の詰込み率を有する。毛束66のフィラメント68は、次の寸法を有する。
外径28:0.309mm
凹状の湾曲部の半径30:0.06mm
凹状の湾曲部の半径30に対する外径28の比率:5.15
突起部の先細部α:10°
突起部42の湾曲部の直径42:0.04mm
半径30に対する直径42の比率:0.67
内径70:0.12mm。
図5は、現況技術による複数の円形形状のフィラメント74を含む毛束72の概略断面図を示す。フィラメント74の直径は、約0.178mm(7ミル)である。このような毛束72は、約77%の詰込み率を有する(比較実施例2)。
図6は、図3による複数のフィラメント54を含む毛束76の概略断面図を示す。このような毛束76は、約58%の詰込み率を有する(比較実施例3)。
比較実験
ロボット試験:
複数のフィラメント68を含む図4による毛束66(毛束の直径:1.7mm)(例示的実施形態1)、複数のフィラメント74を含む図5による毛束72(毛束の直径:1.7mm)(比較実施例2)及び複数のフィラメント54を含む図6による毛束76(毛束の直径:1.7mm)(比較実施例3)を、人工歯(タイポドント)上での歯垢の代替除去におけるこれらの有効性に関して比較した。
以下の条件下でロボットシステムKUKA 3を用いて、歯磨き試験を行った(表1を参照)。
Figure 2022000183
図7は、例示的実施形態1、比較実施例2及び比較実施例3の歯垢の代替除去の量を、それぞれ、歯の表面全体78、頬側表面80、舌側表面82、舌側及び頬側表面84、咬合表面86、歯肉線88、並びに歯間表面90に関して、%にて示したものである。
図7は、例示的実施形態1が、歯の表面全体78、頬側表面80、舌側表面82、舌側及び頬側表面84、咬合表面86、歯肉線88、並びに歯間表面90に関して、比較実施例2及び3と比較して著しく向上した歯垢除去特性を提供することを明らかに示すものである。洗浄性能の最も著しい向上は、それぞれ、22%及び9%の向上を伴って、咬合表面86上で生じた。
スラリー取り込み試験:
図8は、本開示によるフィラメントを含み、約46%の詰込み率を有する毛束(毛束の直径:1.7mm)(例示的実施形態4)の「スラリー取り込み質量」を、ダイヤモンド形状のフィラメント(図10を参照)を含み、約80%の詰込み率を有する毛束(毛束の直径:1.7mm)(比較実施例5)の「スラリー取り込み質量」及び比較実施例2による毛束72の「スラリー取り込み質量」と比較した図を示す。
例示的実施形態4のフィラメントは、次の寸法を有する。
外径:0.269mm
チャネルの凹状の湾曲部の半径:0.05mm
凹状の湾曲部の半径に対する外径の比率:5.38
突起部の先細部α:14°
突起部の湾曲部の直径:0.029mm
チャネルの凹状の湾曲部の半径に対する、突起部の湾曲部の直径の比率:0.58
内径:0.102mm
比較実施例5のフィラメントは、次の寸法を有する(図10を参照)。
長い方の対角線長さ92:0.29mm
短い方の対角線長さ94:0.214mm
図9は、例示的実施形態4の「スラリー取り込み速度」を、比較実施例2及び5の「スラリー取り込み速度」と比較した図を示す。
試験の説明
代表的実施形態4並びに比較実施例2及び比較実施例5による毛束を含むブラシヘッドを、フィラメントが下向きに尖った水平位置にて固定した。練り歯磨きスラリーの皿(練り歯磨き:水=1:3)を、はかりと共に、ブラシヘッド直下に定置させた。このスケールを用いて、皿内のスラリー量を測定した。試験が開始されると、ブラシは、100mm/秒で下方に移動し、スラリー中に2mmの深さで浸液した。次に、ブラシを練り歯磨きスラリー中で5秒間保持し、再び100mm/分で引き上げた。この垂直方向の力を、時間の経過に伴って測定した。
図8及び図9は、比較実施例2及び比較実施例5と比較して、質量及び速度の観点から、例示的実施形態4が著しく向上した「スラリー取り込み」を提供することを明らかに示している。例示的実施形態4の毛束内の増大した空隙容量は、向上した毛管作用を可能にする。これは練り歯磨き(スラリー)の取り込み量の増大をもたらし、これにより、練り歯磨きが、歯磨きプロセスにより長く相互作用を与える/寄与することになる。例示的実施形態4の毛束は、約50%速い取り込み速度にて、約50%多い練り歯磨きスラリーを吸い上げることが可能であり、これは向上した歯の洗浄効果をもたらす。換言すれば、より多くの練り歯磨きを歯磨きプロセスへと送達するのみならず、代表的実施形態4の毛束内の特定の空隙容量はまた、緩んだ歯垢の向上した取り込みをも可能にする。これは、本開示による毛束を伴う歯ブラシの、全体的に向上した臨床的性能をもたらす。
本開示の文脈では、用語「実質的に」は、理論上は正確な一致又は挙動を示すことが期待されるが、実際にはわずかに正確ではないものとして具体化されてもよい要素又は機構の構成を意味する。このように、本用語は、定量的な値、測定値又はその他の関連する表現が、問題とされる対象物の基本的機能に変化をもたらすことなく、記載される基準から変動してもよい程度を示すものである。
本明細書にて開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、このようなそれぞれの寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。

Claims (15)

  1. 複数のフィラメント(20)を含む、口腔ケア器具(10)用の毛束(16、66)であって、それぞれのフィラメント(20)は、長手方向軸線と、前記長手方向軸線に実質的に垂直な平面において延びる実質的に十字形状の断面領域(22)と、を有し、前記十字形状の断面領域(22)は、4つの突起部(24)及び4つのチャネル(26)を有し、前記突起部(24)及び前記チャネル(26)は、交互に配置され、それぞれのチャネル(26)は、隣接しかつ合流する突起部(24)によって形成された凹状の湾曲部(34)を有し、前記凹状の湾曲部(34)は、半径(30)を有し、
    前記チャネル(26)の前記凹状の湾曲部(34)の前記半径(30)は、約0.025mm〜の約0.10mmの範囲内であり、前記毛束(16、66)は、約40%〜約55%の範囲内の詰込み率を有する、毛束(16、66)。
  2. 前記チャネル(26)の前記凹状の湾曲部(34)の前記半径(30)は、約0.03mm〜約0.08mm、好ましくは、約0.04mm〜約0.06mmの範囲内である、請求項1に記載の毛束(16、66)。
  3. 前記詰込み率は、約45%〜約50%の範囲内である、請求項1又は2に記載の毛束(16、66)。
  4. それぞれのフィラメント(20)の前記断面領域(22)の外径(28)は、約0.15mm〜約0.40mm、好ましくは、約0.19mm〜約0.38mm、更に好ましくは、約0.22mm〜約0.35mm、なお更に好ましくは、約0.24mm〜約0.31mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の毛束(16、66)。
  5. それぞれのフィラメント(20)の前記断面領域(22)は、外径(28)を有し、前記チャネル(26)の前記凹状の湾曲部(34)の前記半径(30)に対する前記外径(28)の比率は、約2.5〜約12、好ましくは、約2.7〜約9である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の毛束(16、66)。
  6. 前記断面領域(22)のそれぞれの突起部(24)は、端が丸められており、これにより湾曲部を形成し、前記湾曲部は、直径(42)を有し、前記突起部(24)の前記湾曲部の前記直径(42)は、約0.01mm〜約0.04mmの範囲内、好ましくは、約0.018mm〜約0.026mmの範囲内である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の毛束(16、66)。
  7. 前記断面領域(22)のそれぞれの突起部(24)は、端が丸められており、これにより湾曲部を形成し、前記湾曲部は、直径(42)を有し、前記チャネル(26)の前記湾曲部(34)の前記半径(30)に対する前記突起部(24)の前記湾曲部の前記直径(42)の比率は、約0.2〜約1.5である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の毛束(16、66)。
  8. 前記チャネル(26)の前記湾曲部(34)の前記半径(30)に対する前記突起部(24)の前記湾曲部の前記直径(42)の比率は、約0.3〜約1.0、好ましくは、約0.5〜約0.7である、請求項7に記載の毛束(16、66)。
  9. それぞれのフィラメント(20)の前記十字形状の断面領域(22)のそれぞれの突起部(24)は、外向き方向に先細になっている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の毛束(16、66)。
  10. それぞれの突起部(24)は、約6°〜約25°の範囲で画定された角度で、前記外向き方向に先細になっている、請求項9に記載の毛束(16、66)。
  11. それぞれの突起部(24)は、約8°〜約20°の範囲で画定された角度で、前記外向き方向に先細になっている、請求項9又は10に記載の毛束(16、66)。
  12. 前記毛束(16、66)は、長手方向軸線と、前記長手方向軸線に対して垂直な平面において延びる断面領域(32)と、を有し、前記複数のフィラメント(20)は、前記毛束(16、66)の前記断面領域(32)がそれぞれのフィラメント(20)の前記断面領域(22)の形状に対して拡大した形状を有する様式にて配置されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の毛束(16、66)。
  13. それぞれのフィラメント(20)は、その長手方向軸線に沿って、実質的に円筒状の部分及び先細部分を含み、前記先細部分は、前記フィラメントの自由端に向かって先細となり、前記円筒状の部分は、請求項1〜12のいずれか一項に記載の断面領域(22)を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の毛束(16、66)。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の毛束(16、66)を備える、口腔ケア器具(10)用のヘッド(14)。
  15. 請求項14に記載のヘッド(14)を備える、口腔ケア器具(10)。
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