JP2021532099A - アトピー性皮膚炎を処置するためのグラム陰性種の使用 - Google Patents
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Abstract
治療上有効な量の精製された生存可能なグラム陰性菌と、薬学的に許容可能な担体とを含む、医薬組成物が開示される。上記医薬組成物は局所投与のために製剤化される。これらの医薬組成物を使用してアトピー性皮膚炎を処置する方法がさらに開示される。【選択図】図1B
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月23日に出願された米国特許出願第16/042,939号の利益を主張するものであり、この文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
本出願は、2018年7月23日に出願された米国特許出願第16/042,939号の利益を主張するものであり、この文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
開示の分野
この開示は、皮膚科学の分野、とりわけ、アトピー性皮膚炎を処置するための生存可能なグラム陰性菌の局所適用の使用に関する。
この開示は、皮膚科学の分野、とりわけ、アトピー性皮膚炎を処置するための生存可能なグラム陰性菌の局所適用の使用に関する。
アトピー性皮膚炎を説明するためにしばしば使用される用語「湿疹(eczema)」は、古代ギリシャで造語され、「煮えこぼれる(boil out)」とおおざっぱに翻訳される。しかし、現代科学は、この疾患への宿主要因と環境要因の両方の寄与を認識する。その疾患の特徴としては、バリア機能の減少、自然免疫活性化の減少、および黄色ブドウ球菌感染への感受性が挙げられる。素因となる宿主因子は、STAT3、フィラグリン、およびAD様表現型に関連する他の遺伝子における単一遺伝子変異によって示唆される(Lyons et al., Immunology and allergy clinics of North America 35, 161−183 (2015); published online Epub Feb (10.1016/j.iac.2014.09.008))。宿主の遺伝的影響は、ステロイド外用薬あるいはカルシニューリン阻害剤によって治療的に調節することができる(Boguniewicz and Leung, J Allergy Clin Immunol 132, 511−512 e515 (2013); published online (Epub) Aug (10.1016/j.jaci.2013.06.030))。黄色ブドウ球菌はADの病因に寄与し、抗生物質によって緩和することができる(Boguniewicz and Leung, supra; Kobayashi et al., Immunity 42, 756−766)。最近の研究により、皮膚マイクロバイオームが健康な対照とAD患者との間で有意に異なり、および、症状は共生多様性の喪失に関連することが明らかになっている(Kong et al., Genome research 22, 850−859 (2012); published online (Epub) May (10.1101/gr.131029.111))。このディスバイオシスを治療的に標的とし、かつアトピー性皮膚炎を処置するための方法が、依然として求められている。
健康な被験体の皮膚からの培養可能なグラム陰性菌(CGN)は、自然免疫の活性化、バリア機能の増強、および黄色ブドウ球菌の制御に関係していたことが、本明細書に開示される。これらのグラム陰性菌は、被験体のアトピー性皮膚炎を処置するために有用である。
いくつかの実施形態では、治療上有効な量の精製された生存可能なグラム陰性菌と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物が開示され、ここで、a)グラム陰性菌の溶菌液および/または成分はインビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および、d)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与される場合、非病原性である。医薬組成物は局所投与のために製剤化される。
いくつかの実施形態では、治療上有効な量の精製された生存可能なグラム陰性菌と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物が本明細書で提供され、ここで、上記精製された生存可能なグラム陰性菌は、ロゼオモナス・ミュコーサ(Roseomonas mucosa)の少なくとも1つの株を含み、および、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、(i)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、あるいはSEQ ID NO:3、または(ii)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、あるいはSEQ ID NO:12の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:1の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:2の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:3の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、またはRM−Cを含む。さらには実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Aを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Bを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Cを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、またはRM−Cを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Aを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Bである。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Cである。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、およびRM−Cである。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、104〜1012のコロニー形成単位の総量で存在する。さらなる実施形態では、医薬組成物は局所剤形である。さらなる実施形態では、局所的剤形は、クリーム、ゲル、フォーム、軟膏、または液体である。いくつかの実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つの医薬組成物を含む包帯が提供される。いくつかの実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つの医薬組成物を含む、スプレーボトルが提供される。いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎を処置するためのキットが提供され、上記キットは:前述の実施形態の医薬組成物を含む容器と;薬学的に許容可能な担体を含む容器と;薬学的に許容可能な担体とともに医薬組成物を皮膚に局所的に適用するための説明書と、を含む。
これらの医薬組成物を使用して局所的な皮膚炎を処置する方法がさらに開示される。いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎の処置のための方法が提供され、上記方法は:精製された生存可能なグラム陰性菌および薬学的に許容可能な担体を、それを必要とする被験体に局所的に投与する工程を含み、ここで、上記精製された生存可能なグラム陰性菌は、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株を含み、および、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、(i)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、あるいはSEQ ID NO:3、または(ii)SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、あるいはSEQ ID NO:12の核酸配列を含み、および、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、被験体のアトピー性皮膚炎の処置に十分な量で存在する。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、噴霧によって局所的に投与される。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、週に少なくとも2回、被験体に局所的に投与される。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、一週間にわたって1日おきに被験体に局所的に投与される。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、一週間にわたって毎日、被験体に局所的に投与される。さらなる実施形態では、被験体は成人である。さらなる実施形態では、被験体は乳児である。さらなる実施形態では、被験体は小児である。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:1の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:2の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:3の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の核酸配列を含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、またはRM−Cを含む。さらには実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Aを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Bを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Cを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、またはRM−Cを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Aを含む。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Bである。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Cである。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、およびRM−Cである。さらなる実施形態では、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、104〜1012のコロニー形成単位の総量で存在する。さらなる実施形態では、医薬組成物は局所剤形である。さらなる実施形態では、局所的剤形は、クリーム、ゲル、フォーム、軟膏、または液体である。
本発明の前述および他の特徴と利点が、添付の図を参照して行われるいくつかの実施形態に関する以下の詳細な説明から、より明白になるだろう。
特許あるいは出願のファイルは、色つきで作成された少なくとも1つの図面を含む。請求および必要な料金の支払いに応じて、カラーの図面を有するこの特許または特許出願公開のコピーが当該事務局によって提供される。
CGN分離株は、健常な被検者とADを患う患者との間で、存在と黄色ブドウ球菌阻害の点で異なる。(A)HV(n=26)およびAD(n=17)の被験体から得られたCGN分離株を有する個体の割合。複数のCGN分離株を有する個体を分離株ごとに計数したところ、HVにおいて>100%の合計であった;詳細については表1を参照されたい。(B)HVおよびAD患者から単離された黄色ブドウ球菌の8つの株を、CGN上清または対照培地のいずれかの存在下で育てた。各データポイントは、培地対照(HV分離株=9、AD分離株=7)と比較して、1つのCGN分離株からの上清の黄色ブドウ球菌成長に対する効果を表し;形状は、参加者の自己由来の黄色ブドウ球菌、あるいはHVまたはAD患者から単離された1つの黄色ブドウ球菌のいずれかとしての、黄色ブドウ球菌の供給源を表す。*シンボルのあるデータポイントは、続くヒトチャレンジ実験およびマウスモデル実験のために選択された、1つのHV由来および1つのAD由来CGN分離株を表す。データは代替的にCGN種によって提示される。図4を参照されたい。(C)健康なマウスの耳に、10日間、HVまたはAD患者からの黄色ブドウ球菌(株SAAS9)とロゼオモナス・ミュコーサ(Rm)、またはHVからの緑膿菌で同時接種(co−inoculated)した。12日目に耳をホモジナイズし、CFUごとに階段希釈によってプレーティングした。希釈剤(CGNが添加されていない)対照に対する成長の変化率が示される。(D)パネルCと同じマウスから得られたCGNのCFU収量。示されるデータは、3つ以上の独立した実験の組み合わせ(B)、または2つの独立した実験の代表的なもの(C−D)であり、平均+SEMとして表される。SA=黄色ブドウ球菌、HV=健常な被験者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、Pa=緑膿菌。有意性は、スチューデントt検定(B)またはボンフェローニの補正を用いたANOVA(C−D)によって判定される。
CGN分離株は、健常な被検者とADを患う患者との間で、存在と黄色ブドウ球菌阻害の点で異なる。(A)HV(n=26)およびAD(n=17)の被験体から得られたCGN分離株を有する個体の割合。複数のCGN分離株を有する個体を分離株ごとに計数したところ、HVにおいて>100%の合計であった;詳細については表1を参照されたい。(B)HVおよびAD患者から単離された黄色ブドウ球菌の8つの株を、CGN上清または対照培地のいずれかの存在下で育てた。各データポイントは、培地対照(HV分離株=9、AD分離株=7)と比較して、1つのCGN分離株からの上清の黄色ブドウ球菌成長に対する効果を表し;形状は、参加者の自己由来の黄色ブドウ球菌、あるいはHVまたはAD患者から単離された1つの黄色ブドウ球菌のいずれかとしての、黄色ブドウ球菌の供給源を表す。*シンボルのあるデータポイントは、続くヒトチャレンジ実験およびマウスモデル実験のために選択された、1つのHV由来および1つのAD由来CGN分離株を表す。データは代替的にCGN種によって提示される。図4を参照されたい。(C)健康なマウスの耳に、10日間、HVまたはAD患者からの黄色ブドウ球菌(株SAAS9)とロゼオモナス・ミュコーサ(Rm)、またはHVからの緑膿菌で同時接種(co−inoculated)した。12日目に耳をホモジナイズし、CFUごとに階段希釈によってプレーティングした。希釈剤(CGNが添加されていない)対照に対する成長の変化率が示される。(D)パネルCと同じマウスから得られたCGNのCFU収量。示されるデータは、3つ以上の独立した実験の組み合わせ(B)、または2つの独立した実験の代表的なもの(C−D)であり、平均+SEMとして表される。SA=黄色ブドウ球菌、HV=健常な被験者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、Pa=緑膿菌。有意性は、スチューデントt検定(B)またはボンフェローニの補正を用いたANOVA(C−D)によって判定される。
CGN分離株は、健常な被検者とADを患う患者との間で、存在と黄色ブドウ球菌阻害の点で異なる。(A)HV(n=26)およびAD(n=17)の被験体から得られたCGN分離株を有する個体の割合。複数のCGN分離株を有する個体を分離株ごとに計数したところ、HVにおいて>100%の合計であった;詳細については表1を参照されたい。(B)HVおよびAD患者から単離された黄色ブドウ球菌の8つの株を、CGN上清または対照培地のいずれかの存在下で育てた。各データポイントは、培地対照(HV分離株=9、AD分離株=7)と比較して、1つのCGN分離株からの上清の黄色ブドウ球菌成長に対する効果を表し;形状は、参加者の自己由来の黄色ブドウ球菌、あるいはHVまたはAD患者から単離された1つの黄色ブドウ球菌のいずれかとしての、黄色ブドウ球菌の供給源を表す。*シンボルのあるデータポイントは、続くヒトチャレンジ実験およびマウスモデル実験のために選択された、1つのHV由来および1つのAD由来CGN分離株を表す。データは代替的にCGN種によって提示される。図4を参照されたい。(C)健康なマウスの耳に、10日間、HVまたはAD患者からの黄色ブドウ球菌(株SAAS9)とロゼオモナス・ミュコーサ(Rm)、またはHVからの緑膿菌で同時接種(co−inoculated)した。12日目に耳をホモジナイズし、CFUごとに階段希釈によってプレーティングした。希釈剤(CGNが添加されていない)対照に対する成長の変化率が示される。(D)パネルCと同じマウスから得られたCGNのCFU収量。示されるデータは、3つ以上の独立した実験の組み合わせ(B)、または2つの独立した実験の代表的なもの(C−D)であり、平均+SEMとして表される。SA=黄色ブドウ球菌、HV=健常な被験者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、Pa=緑膿菌。有意性は、スチューデントt検定(B)またはボンフェローニの補正を用いたANOVA(C−D)によって判定される。
CGN分離株は、健常な被検者とADを患う患者との間で、存在と黄色ブドウ球菌阻害の点で異なる。(A)HV(n=26)およびAD(n=17)の被験体から得られたCGN分離株を有する個体の割合。複数のCGN分離株を有する個体を分離株ごとに計数したところ、HVにおいて>100%の合計であった;詳細については表1を参照されたい。(B)HVおよびAD患者から単離された黄色ブドウ球菌の8つの株を、CGN上清または対照培地のいずれかの存在下で育てた。各データポイントは、培地対照(HV分離株=9、AD分離株=7)と比較して、1つのCGN分離株からの上清の黄色ブドウ球菌成長に対する効果を表し;形状は、参加者の自己由来の黄色ブドウ球菌、あるいはHVまたはAD患者から単離された1つの黄色ブドウ球菌のいずれかとしての、黄色ブドウ球菌の供給源を表す。*シンボルのあるデータポイントは、続くヒトチャレンジ実験およびマウスモデル実験のために選択された、1つのHV由来および1つのAD由来CGN分離株を表す。データは代替的にCGN種によって提示される。図4を参照されたい。(C)健康なマウスの耳に、10日間、HVまたはAD患者からの黄色ブドウ球菌(株SAAS9)とロゼオモナス・ミュコーサ(Rm)、またはHVからの緑膿菌で同時接種(co−inoculated)した。12日目に耳をホモジナイズし、CFUごとに階段希釈によってプレーティングした。希釈剤(CGNが添加されていない)対照に対する成長の変化率が示される。(D)パネルCと同じマウスから得られたCGNのCFU収量。示されるデータは、3つ以上の独立した実験の組み合わせ(B)、または2つの独立した実験の代表的なもの(C−D)であり、平均+SEMとして表される。SA=黄色ブドウ球菌、HV=健常な被験者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、Pa=緑膿菌。有意性は、スチューデントt検定(B)またはボンフェローニの補正を用いたANOVA(C−D)によって判定される。
HVからのCGNは自然免疫およびバリア機能を増強する。(A)健康な対照に対するインビボのヒト水疱チャレンジ(blister challenge)についてのサイトカイン分析であり、生理食塩水対照ウェル(点線)と比較して、ADを患う患者から単離されたロゼオモナス・ミュコーサの代表的な株に対する、健康な対照からのロゼオモナス・ミュコーサの代表的な株へのサイトカイン反応を示す(N=7)。(B)パネルAで示されたデータのペア分析であり、同じヒト被験体において、AD由来のロゼオモナス・ミュコーサに曝露された水疱ウェル(blister well)におけるサイトカイン産生よりも少ない、HV由来のロゼオモナス・ミュコーサに曝露された水疱ウェルにおけるサイトカイン産生を示す。(C)HVまたはADのいずれかに由来の1e7CFUのロゼオモナス・ミュコーサを、マウスの耳に3日間毎日接種した。5日目の、GAPDHに正規化され、かつ未処置のマウスと比較された、IL−1βおよびフィラグリンのmRNA存在量(1群当たりN=4−5匹のマウス)。(D)0日目に、マウスの背面の毛を剃り、毛を化学的に除去した。その後、HVまたはADのいずれかに由来する1e7CFUのロゼオモナス・ミュコーサを毎日適用した後に、TEWLを測定した(1群当たりN=4〜5匹のマウス)。示されるデータは、7つの独立した実験の組み合わせ(A−B)または2つ以上の独立した実験の代表的なもの(C−D)であり、平均+SEM(C−D)あるいは平均と個々の参加者(A−B)として表される。HV=健常な被験者、AD=アトピー性皮膚炎、CGN=培養可能なグラム陰性、Rm=ロゼオモナス・ミュコーサ、FLG=フィラグリン、IL−=インターロイキン、TEWL=経皮水分損失。希釈剤対照(または示されるように)の有意性は、ボンフェローニの補正を用いたANOVAによって判定される。
HVからのCGNは、AD様皮膚炎のMC903マウスモデルにおける結果を改善する。(A−B)MC903の適用前に、HVあるいはAD患者由来のロゼオモナス・ミュコーサ(Rm)、HV由来の緑膿菌(Pa)、または黄色ブドウ球菌のSAAS9菌株を、マウスの両耳に2日間毎日接種した。その後、細菌とMC903を13日間毎日、同時適用した。14日目の各耳の厚さ(A)および血清の総IgEレベル(B)が示され;1群当たりN=4〜8匹のマウスである。(C−D)マウスをMC903で14日間処置し、AD様皮膚炎を引き起こした。13日目から、HVまたはAD患者由来の1e6CFUの生きているロゼオモナス・ミュコーサ(HVCGNおよびADCGN)、3e6CFUの自己由来のロゼオモナス・ミュコーサの上清に再懸濁された、同じHV由来の死んでいる1e6CFUのロゼオモナス・ミュコーサの(死んだ混合物)、あるいはHVのロゼオモナス・ミュコーサの1e7CFUの上清(Sup)で、マウスを3日間毎日処置した。21日目の赤み(D)および耳の厚さ(C)が視覚的に示され;1群あたりN=3−5匹のマウスである。示されるデータは、3つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+SEMとして示される。有意性はANOVAによって判定される。
HVからのCGNは、AD様皮膚炎のMC903マウスモデルにおける結果を改善する。(A−B)MC903の適用前に、HVあるいはAD患者由来のロゼオモナス・ミュコーサ(Rm)、HV由来の緑膿菌(Pa)、または黄色ブドウ球菌のSAAS9菌株を、マウスの両耳に2日間毎日接種した。その後、細菌とMC903を13日間毎日、同時適用した。14日目の各耳の厚さ(A)および血清の総IgEレベル(B)が示され;1群当たりN=4〜8匹のマウスである。(C−D)マウスをMC903で14日間処置し、AD様皮膚炎を引き起こした。13日目から、HVまたはAD患者由来の1e6CFUの生きているロゼオモナス・ミュコーサ(HVCGNおよびADCGN)、3e6CFUの自己由来のロゼオモナス・ミュコーサの上清に再懸濁された、同じHV由来の死んでいる1e6CFUのロゼオモナス・ミュコーサの(死んだ混合物)、あるいはHVのロゼオモナス・ミュコーサの1e7CFUの上清(Sup)で、マウスを3日間毎日処置した。21日目の赤み(D)および耳の厚さ(C)が視覚的に示され;1群あたりN=3−5匹のマウスである。示されるデータは、3つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+SEMとして示される。有意性はANOVAによって判定される。
HVからのCGNは、AD様皮膚炎のMC903マウスモデルにおける結果を改善する。(A−B)MC903の適用前に、HVあるいはAD患者由来のロゼオモナス・ミュコーサ(Rm)、HV由来の緑膿菌(Pa)、または黄色ブドウ球菌のSAAS9菌株を、マウスの両耳に2日間毎日接種した。その後、細菌とMC903を13日間毎日、同時適用した。14日目の各耳の厚さ(A)および血清の総IgEレベル(B)が示され;1群当たりN=4〜8匹のマウスである。(C−D)マウスをMC903で14日間処置し、AD様皮膚炎を引き起こした。13日目から、HVまたはAD患者由来の1e6CFUの生きているロゼオモナス・ミュコーサ(HVCGNおよびADCGN)、3e6CFUの自己由来のロゼオモナス・ミュコーサの上清に再懸濁された、同じHV由来の死んでいる1e6CFUのロゼオモナス・ミュコーサの(死んだ混合物)、あるいはHVのロゼオモナス・ミュコーサの1e7CFUの上清(Sup)で、マウスを3日間毎日処置した。21日目の赤み(D)および耳の厚さ(C)が視覚的に示され;1群あたりN=3−5匹のマウスである。示されるデータは、3つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+SEMとして示される。有意性はANOVAによって判定される。
HVからのCGNは、AD様皮膚炎のMC903マウスモデルにおける結果を改善する。(A−B)MC903の適用前に、HVあるいはAD患者由来のロゼオモナス・ミュコーサ(Rm)、HV由来の緑膿菌(Pa)、または黄色ブドウ球菌のSAAS9菌株を、マウスの両耳に2日間毎日接種した。その後、細菌とMC903を13日間毎日、同時適用した。14日目の各耳の厚さ(A)および血清の総IgEレベル(B)が示され;1群当たりN=4〜8匹のマウスである。(C−D)マウスをMC903で14日間処置し、AD様皮膚炎を引き起こした。13日目から、HVまたはAD患者由来の1e6CFUの生きているロゼオモナス・ミュコーサ(HVCGNおよびADCGN)、3e6CFUの自己由来のロゼオモナス・ミュコーサの上清に再懸濁された、同じHV由来の死んでいる1e6CFUのロゼオモナス・ミュコーサの(死んだ混合物)、あるいはHVのロゼオモナス・ミュコーサの1e7CFUの上清(Sup)で、マウスを3日間毎日処置した。21日目の赤み(D)および耳の厚さ(C)が視覚的に示され;1群あたりN=3−5匹のマウスである。示されるデータは、3つの独立した実験の代表的なものであり、および平均+SEMとして示される。有意性はANOVAによって判定される。
図1Bからのデータの種分析。HVおよびAD患者から単離された8つの黄色ブドウ球菌株を、CGN上清液または対照培地のいずれかの存在下で育てた。各データポイントは、培地対照(HV分離株=9、AD分離株=7)と比較して、1つのCGN分離株からの上清の黄色ブドウ球菌成長に対する効果を表す。ロゼオモナス・ミュコーサ分離株間の有意性はスチューデントt検定によって判定される。
吸引水疱プロトコル。(A)3D印刷された水疱誘発デバイスの画像。(B)吸引2時間後の水疱の結果を示す。(C)裸にされた水疱領域上にチャレンジチャンバー(Challenge chamber)を置き、細菌分離株をピペットによって各チャレンジキャップの中心に入れる。
CGNはサイトカインと抗菌ペプチドの反応に影響を与える。インビボのヒト水疱チャレンジについてのサイトカイン分析(A)および抗菌ペプチド(B)(補足方法を参照)(N=5)。示されるデータは、5つの独立した実験の組み合わせであり、平均+SEM(B)あるいは平均および個々の参加者(A)として表される。
CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトをコンフルエンスになるまで培養した。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに添加した。24時間後にKCからmRNAを採取し、PCRによって分析した。データは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均の±SEMとして表され、個々のドットは異なる分離株で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントt検定によって判定される。*=p<0.05、**=p>0.01。
CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトをコンフルエンスになるまで培養した。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに添加した。24時間後にKCからmRNAを採取し、PCRによって分析した。データは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均の±SEMとして表され、個々のドットは異なる分離株で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントt検定によって判定される。*=p<0.05、**=p>0.01。
CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトをコンフルエンスになるまで培養した。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに添加した。24時間後にKCからmRNAを採取し、PCRによって分析した。データは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均の±SEMとして表され、個々のドットは異なる分離株で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントt検定によって判定される。*=p<0.05、**=p>0.01。
CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトをコンフルエンスになるまで培養した。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに添加した。24時間後にKCからmRNAを採取し、PCRによって分析した。データは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均の±SEMとして表され、個々のドットは異なる分離株で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントt検定によって判定される。*=p<0.05、**=p>0.01。
CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトをコンフルエンスになるまで培養した。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに添加した。24時間後にKCからmRNAを採取し、PCRによって分析した。データは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均の±SEMとして表され、個々のドットは異なる分離株で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントt検定によって判定される。*=p<0.05、**=p>0.01。
CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトをコンフルエンスになるまで培養した。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに添加した。24時間後にKCからmRNAを採取し、PCRによって分析した。データは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均の±SEMとして表され、個々のドットは異なる分離株で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントt検定によって判定される。*=p<0.05、**=p>0.01。
CGNは初代ヒトケラチノサイトを刺激する。初代ヒト包皮ケラチノサイトをコンフルエンスになるまで培養した。1e7CFUのグラム陰性菌をウェルごとに添加した。24時間後にKCからmRNAを採取し、PCRによって分析した。データは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均の±SEMとして表され、個々のドットは異なる分離株で培養されたKCを表す。有意性はスチューデントt検定によって判定される。*=p<0.05、**=p>0.01。
HV−Rによって産生された脂質。ミュコーサは、黄色ブドウ球菌の成長を阻害する。(A)図1Bで実施される黄色ブドウ球菌(株USA300)阻害を評価する前に、ロゼオモナス・ミュコーサおよび緑膿菌の上清で硫酸アンモニウム沈殿法を実施した。(B)黄色ブドウ球菌の3つの分離株を、リゾホスファチジルコリン(LPC)あるいはカルジオリピンの存在下または非存在下で培養し、希釈剤(0)に対する阻害を図1Bのように評価した。(C)ヒト包皮ケラチノサイトをLPCの存在下または非存在下で培養し、評価した。データは、3つの独立した実験の代表的なものであり、平均±SEMとして示される。有意性は、ボンフェローニの補正を用いたANOVAによって判定される。*=p<0.05。
MC903チャレンジ中に、CGNはマウスのフィラグリン反応に影響を与える。示されるように、マウスはグラム陰性分離株の接種と共にMC903処置を受けた。14日目にmRNAを耳から採取し、PCRで分析した。示されるデータは3つの独立した実験の代表的なものであり、平均+SEMとして示される。ANOVAによって計算されるように、MC903との有意差が認められる。*=p<0.05。
RM−AおよびRM−Cの分離株を同定するための対立遺伝子識別アッセイからの、リアルタイムPCT結果のプロットを示す。X軸は、「A」変異体レポーター増幅の相対的存在量を示し、Y軸は、「G」変異体レポーター増幅の相対的存在量を示す。
RM−AおよびRM−Bの分離株を同定するための対立遺伝子識別アッセイからの、リアルタイムPCT結果のプロットを示す。X軸は、「C」変異体レポーター増幅の相対的存在量を示し、Y軸は、「T」変異体レポーター増幅の相対的存在量を示す。
成人の被験体のための試験デザインの要約(図11のA)。SCORADによって測定される、客観的強度(図11のB)および主観的そう痒(図11のC)についての平均(棒)および個々(円;n=10)の処置前と処置後のスコア。(図11のD)肘前に固有のSCORAD;局所的強度とそう痒スコアの合計。(図11のE)登録(0週目)前の6週間、処置(6週目)後、およびウォッシュアウト(10週目)後の、平均(緋色)および個々(灰色)の自己報告されたステロイド使用(日/月)。患者は、積極的治療の間、在宅レジメンを維持するように指示された;しかし、患者2および9は、ロゼオモナス・ミュコーサ処置の開始時にステロイド外用薬を中止した。
小児の被験体のための試験デザインの要約(図12のA)。処置中の平均(緋色)および個々(灰色;n=5)のSCORAD値(図12のB)と改善の割合(図12のC)。点線は、帰無仮説と一致しない改善レベルを示す。(図12のD)平均および個々のそう痒。(図12のE)登録(0週目)前の3ヶ月間および処置中の、1ヵ月当たりのステロイド外用薬使用の平均日数ならびに個別の患者によって報告された日数。(図12のE)培養によって決定される、肘前(AC)窩のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌に対する黄色ブドウ球菌の比。有意性は、両側スチューデントt検定とノンパラメトリックWilcoxonのマッチドペア検定(Wilcoxon’s matched−pairs test)によって判定される。登録値に対して決定された*P<0.05、**P<0.01。
健康な対照からの共生生物は、アトピー性皮膚炎を患う患者から採取された同一の種と比較して、免疫活性、バリア機能、および抗菌プロファイルが異なっていることが、本明細書で開示される。したがって、アトピー性皮膚炎を患う患者を処置するための生きたバイオセラピューティック(live−biotherapeutic)アプローチが提供される。
アトピー性皮膚炎の処置に使用することができる、局所投与のために製剤化された医薬組成物が本明細書に開示される。これらの医薬組成物は、治療上有効な量の精製された生存可能なグラム陰性菌と薬学的に許容可能な担体とを含み、ここで、a)グラム陰性菌の溶菌液および/または成分はインビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および、d)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与される場合、非病原性である。特定の非限定的な例では、グラム陰性菌はリゾホスファチジルコリンを産生する。
グラム陰性菌はいかなる種に由来してもよい。したがって、特定の例では、グラム陰性菌がシュードモナス属である場合、グラム陰性菌は、緑膿菌、シュードモナス・ルテオラ(Pseudomonas luteola)、またはシュードモナス・オリジハビタンス(Pseudomonas orbyhabitans)であり得る。他の例では、グラム陰性菌がパンテア属である場合、グラム陰性菌はパントエア・セプティカ(Pantoea septica)であり得る。さらなる例では、グラム陰性菌がモラクセラ属である場合、グラム陰性菌はモラクセラ・オスロエンシスであり得る。さらなる例では、グラム陰性菌がロゼオモナス属である場合、グラム陰性菌はロゼオモナス・ミュコーサであり得る。医薬組成物に含まれるグラム陰性菌は、単一株、単一種、または単一属由来であり得る。代替的に、グラム陰性菌の株、種、および/または属の組み合わせが、開示された方法で使用されてもよい。
用語
分子生物学の一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V, published by Oxford University Press, 1994 (ISBN 0−19−854287−9);Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, published by Blackwell Science Ltd., 1994 (ISBN 0−632−02182−9);およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, published by VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1−56081−569−8)において見ることができる。
分子生物学の一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin, Genes V, published by Oxford University Press, 1994 (ISBN 0−19−854287−9);Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, published by Blackwell Science Ltd., 1994 (ISBN 0−632−02182−9);およびRobert A. Meyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, published by VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1−56081−569−8)において見ることができる。
本開示の様々な実施形態の論評を容易にするために、特定の用語について以下の説明が提供される:
アトピー性皮膚炎:皮膚を冒す慢性疾患。アトピー性皮膚炎では、皮膚が非常にかゆくなる。ひっかくことで、赤み、腫れ、ひび割れ、透明液の「滲出」が引き起こされ、最終的には、かさぶたができてはがれる。ほとんどの場合、増悪の期間に続いて寛解の期間がある。アトピー性皮膚炎にかかっている正確な人数を特定するのは難しいが、乳児と幼児の推定20%がこの疾患の症状を経験する。これらの幼児のおよそ60%は、成年期にアトピー性皮膚炎の1つ以上の症状を有し続ける。したがって、米国では1500万人を超える人々がこの疾患の症状を有している。「病変領域」は、アトピー性皮膚炎に冒された皮膚の領域である。一般に、病変は、皮膚の乾燥(乾皮症)、赤み、水疱、痂皮、または任意の組み合わせによって特徴付けられる。非病変領域は、アトピー性皮膚炎または他のいかなる皮膚病状にも冒されていない。
動物:生きている多細胞の脊椎生物、例えば、哺乳動物および鳥を含むカテゴリー。哺乳動物という用語は、ヒトおよびヒト以外の哺乳動物の両方を含む。同様に、「被験体」という用語は、ヒトおよび動物の被験体の両方を含む。
抗生物質:細菌、真菌、または他の任意の微生物を殺傷するか、あるいはそれらの成長を実質的に遅らせる化合物または物質。「抗菌剤」とは、細菌を殺傷するか、またはその成長を実質的に遅らせる化合物または物質である。
抗菌性抗生物質は通常、その作用機序、化学構造、または作用スペクトルに基づいて分類される。大部分は細菌の機能または成長プロセスを標的とする。細菌細胞壁を標的とするもの(例えば、ペニシリンとセファロスポリン)、または細胞膜を標的とするもの(例えば、ポリミキシン)、あるいは必須の細菌酵素を妨害するもの(例えば、キノロンおよびスルホンアミド)は、殺菌性である。タンパク質合成を標的とするもの(例えば、アミノグリコシド、マクロライド、およびテトラサイクリン)は、一般に静菌性である。さらなる分類はそれらの標的特異性に基づく。
「狭域」の抗菌性抗生物質は、グラム陰性菌またはグラム陽性菌などの特定の種類の細菌を標的とする。「広域抗生物質」は多数の異なる種類の菌に影響を与える。抗菌剤としては、環状リポペプチド(ダプトマイシンなど)、グリシルサイクリン(チゲサイクリンなど)、およびオキサゾリジノン(リネゾリドなど)が挙げられる。
局所用抗生物質は、皮膚または目などの体表面に適用される抗生物質である。局所用抗生物質はしばしば、軟膏またはクリームの形態で製剤化され、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシンなど)、サルファ剤抗生物質(スルファセタミドなど)、環状ペプチド(バシトラシン、ポリミキシンなど)、プソイドモン酸(ムピロシンなど)、アミノグリコシド(ネオマイシンなど)、またはキノロン(シプロフロキサシンまたはオフロキサシンなど)、ニトロイミダゾール(メトロニダゾールなど)などの活性薬剤、または薬物の組み合わせ(バシトラシン/ポリミキシンあるいはネオマイシン/ポリミキシンB/バシトラシン)を含む。
共生生物:複数の生物が同じ環境で生きることができ、他方に影響(有害または有益のいずれか)を与えずに互いに恩恵を受けることができる場合、生物は共生である。皮膚微生物叢のバクテリアは、ヒトなどの宿主と共生すると考えられる。皮膚微生物叢に存在する共生細菌の種の数は、例えば、存在する細菌種を特定する16SリボソームRNAを使用して、検出することができる。
上皮細胞:皮膚などの上皮を形成する、密集して詰まった細胞。上皮にはいくつかの種類があり、単層扁平上皮、単層立方上皮、単層円柱上皮、偽重層上皮、重層扁平(非角化)上皮、重層立方上皮、および移行上皮が含まれる。
グラム陰性菌:複数の外膜、側細胞膜、内側細胞膜、薄いペプチドグリカン層、およびリポ多糖(LPS)を含む外膜を有する細菌。ポリンは外膜に存在し、およびグラム陰性菌は、細菌を識別するグラム染色法で使用されるクリスタルバイオレット染色を保持しない。外膜と細胞質部分の間に、ペリプラスムで満たされた空間がある。S層は、外膜に直接付着する。テイコイル酸またはリポタイコ酸は存在しない。ほとんどのグラム陰性菌(しかし全てでない)は胞子を形成しない。典型的なグラム陰性種としては、限定されないが、例えば、HANDBOOK OF ENDOTOXINS、1:187−214, eds. R. Proctor and E. Rietschel, Elsevier, Amsterdam (1984)で報告されるような、ヒトの敗血症および敗血症性ショックと最も一般的に関連するものが挙げられる。HSP60(GroEL)タンパク質中のCSI(conserved signature indel)は、グラム陰性菌のすべての従来の門(例えば、プロテオバクテリア門、アクウィフェクス門、クラミジア門、バクテロイデス門、クロロビウム門、シアノバクテリア門、フィブロバクター門、ベルコミクロビウム門、プランクトミケス門、スピロヘータ門、およびアシドバクテリウム門)を区別する。グラム陰性菌としては、限定されないが、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス属の種、シュードモナス、サルモネラ菌、およびロゼオモナス属の種が挙げられる。CGNは、皮膚に見られるグラム陰性菌である。「成分」とは、グラム陰性菌中に存在するか、またはグラム陰性菌によって分泌される分子を意味する。したがって、成分は溶菌液または上清に存在し得る。特定の非限定的な例では、上清に含まれるものなどのグラム陰性菌の成分は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する。
グラム陽性菌:細菌を識別するグラム染色法においてクリスタルバイオレット染色を保持する細菌。これらの細菌は、その膜内のLPS分子に対して圧倒的に多くのペプチドグリカンを特徴とし、グラム陰性種について記載されるものと同様の、微生物感染に特徴的な疾患原因および症状を引き起こすことができる。
異種:別個の遺伝子源または種に起源をもつこと。異種のポリペプチドは、異なる細胞または組織の種類、または受容者とは異なる種に由来し、通常はそのポリペプチドを発現しない細胞へとクローン化される。
宿主細胞:ベクターを増殖させることができ、かつそのDNAを発現することができる細胞。細胞は原核生物または真核生物のものでもよい。細胞はヒト細胞などの哺乳類のものであり得る。上記用語は、被験体の宿主細胞の子孫をも含む。複製中に変異が起こる場合があるため、全ての子孫が親の細胞と同一ではない可能性あることが理解される。しかし、用語「宿主細胞」が使用される場合は、そのような子孫が含まれている。
マイクロバイオーム:真核生物、古細菌、細菌、およびウイルス(細菌ウイルス(すなわち、ファージ)を含む)を含む、持続可能に、ならびに一時的に人体内および人体上で生きている微生物群の遺伝物質であり、ここで、「遺伝物質」には、ゲノムDNA、ミクロRNAおよびリボソームRNAなどのRNA、エピゲノム、プラスミド、および他の全ての種類の遺伝子情報が含まれる。
免疫適格性:体液性(B細胞)免疫不全、T細胞欠損症、または補体欠損症などの免疫不全のない、ヒトなどの被験体。免疫適格性の被験体は、細菌感染への免疫反応を開始することができる。「免疫適格」とは、抗原または細菌にさらされた後に、正常な免疫反応を生み出すための体の能力である。
単離された、または精製された:グラム陰性菌などの「単離された」または「精製された」細胞は、細菌などの細胞が生じる環境において他の細胞または種から分離または精製されている。したがって、用語「単離された」は、単一細胞クローン化および培養などの標準的な精製法によって精製された細菌を含む。上記用語は、組換え法によって調製されたか、または自然発生源から単離された細菌も包含する。単離された(または精製された)グラム陰性菌は一般に、グラム陽性菌などの他の細菌から取り出される。単離されたグラム陰性菌は、単一の属、種、および/または株のものであり得る。本明細書で使用される場合、用語「実質的に精製された」とは、他の種類の細菌(例えば、グラム陽性菌)が枯渇するようにサンプル中で実質的に増加する、細菌の属、種、株、または1つ以上の菌株の混合物(例えば、グラム陰性菌)を指す。サンプルが、少なくとも約70%、80%、85%、90%、95%、99%、もしくはそれを超える所望の細菌の属、種、株であるか、あるいは、約30%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、もしくはそれ未満の好ましくないかあるいは他の細菌の属、種、または株であるように、菌株または対象の株の混合物について実質的に精製または濃縮され得る。
疾患の阻害または処置:アトピー性皮膚炎などの疾患の阻害とは、疾患の完全な発症を阻害することを指す。いくつかの例では、疾患の阻害とは、症状の緩和または病変サイズの減少を指す。「処置」とは、皮膚の赤み、腫れ、ひび割れ、透明液の「滲出」、および最終的に、かさぶたができてはがれることなどの、疾患の徴候または症状を改善する治療的介入を指す。
インターロイキン(IL)−6。炎症促進性のサイトカインおよび抗炎症性のマイオカインとして作用するIL。IL−6は、リガンド結合IL−6Rα鎖(CD126)と、シグナル伝達要素gp130(CD130とも呼ばれる)とからなる細胞表面I型サイトカイン受容体の複合体を介してシグナルを送る。CD130は、白血病抑制因子(LIF)、毛様体神経栄養因子、オンコスタチンM、IL−11、およびカルジオトロフィン−1を含むいくつかのサイトカインに関する、一般的なシグナル伝達物質であり、ほとんどの組織においてほぼ遍在して発現される。対照的に、CD126の発現は特定の組織に限定される。IL−6がその受容体と相互に作用するように、それはgp130とIL−6Rタンパク質による複合体の形成を引き起こし、したがって受容体を活性化させる。例示的なアミノ酸配列は、UniprotデータベースAccession No.P05231(ヒト)およびP08505(マウス)で提供され、IL−6をコードする例示的なmRNAの配列(対応するタンパク質配列とともに)は、GENBANK(登録商標)Accession No.NM_000600.4(ヒト)、2016年1月5日、およびNM_031168.2(マウス)、2015年10月26日で提供され、それらのすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
哺乳動物:この用語は、ヒトおよびヒト以外の哺乳動物の両方を含む。同様に、用語「被験体」は、ヒトおよび動物の被験体の両方を含む。
核酸:一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーであり、他に限定されない限り、自然に生じるヌクレオチドと同様の方法で、核酸にハイブリダイズする天然のヌクレオチドの既知の類似体を含む。
製薬剤:被験体に適切に投与されると、望ましい治療的または予防的効果を引き起こすことができる、グラム陰性菌などの細菌、化合物、核酸分子、または組成物。一実施形態では、製薬剤はグラム陰性菌である。
薬学的に許容可能な担体:本発明に有用である薬学的に許容可能な担体はありふれたものである。Remington’s Pharmaceutical Sciences, by E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, PA, 15th Edition (1975)には、本明細書で開示されるグラム陰性菌の薬剤送達に適した組成物と処方が記載されている。
一般に、担体の性質は、使用されている投与の特定の様式に依存する。例えば、非経口製剤は、通常、ビヒクルとして、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース(aqueous dextrose)、グリセロールなどの、薬学的かつ生理学的に許容可能な液体を含む注射可能な液体を含む。固形組成物(例えば、粉末剤、丸剤、錠剤、またはカプセル剤の形態)の場合、従来の無毒な固形担体は、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、スターチ、またはステアリン酸マグネシウムを含み得る。生物学的に中性な担体に加えて、投与される医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、防腐剤、およびpH緩衝剤などの小量の無毒な補助剤、例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンラウリン酸モノエステルを含むことができる。許容可能な担体はさらに、局所投与用などのクリーム剤および軟膏剤を含む。
シュードモナス属:191の記載された種を含むシュードモナダセエ科に属する、グラム陰性の好気性ガンマプロテオバクテリア綱の属。属の構成員は、かなりの程度の代謝の多様性を示し、したがって、広範囲のニッチ(niches)にコロニー形成することができる。この属の構成員は、16S rRNA分析を使用して決定することができる。一般に、属の構成員は、1つ以上の極性の鞭毛を有する桿菌の好気性の芽胞非形成菌であり、陽性の酸化酵素ならびにカタラーゼ試験を示す。
ロゼオモナス属:プロテオバクテリア門およびアセトバクター科に割り当てられた、好気性でグラム陰性の桿菌の属。特定の非限定的な例では、細菌は、細菌からの16S rRNAの核酸配列を評価することによって、ロゼオモナス属に属すると判定され得る。ロゼオモナス属は、種に応じて、丸々とした(plump)球菌、球桿菌、または短桿菌として現れ得る。ほとんどの株は、マッコンキー寒天培地上で成長し、および成長は25°C、30°C、および35°Cで、ならびにその間の温度で起こる。ほとんどの株はさらに、42°Cで成長する。薄いピンクの成長色素が生成され、BERGEY’S MANUAL(登録商標)of Systemic Bacteriology, Volume Two, The Proteobaceria, Part 3, Springer Science & Business Media, July 25, 206, pages 88−89(Google booksからオンラインで入手可能)を参照されたい。
治療上有効な量:アトピー性皮膚炎を処置するのに十分な用量。一実施形態では、治療上有効な量は、病変サイズを減少させるのに十分なグラム陰性菌の量である。
局所適用:局所的に適用される薬剤は、体全体ではなく特定の領域にのみ適用される。特定の例では、組成物は病変内などの皮膚に適用される。例えば、医薬組成物は医薬品製剤において病変に適用することができる。
形質導入された:形質導入された細胞は、分子生物学技術によって核酸分子が導入された細胞である。本明細書において使用される場合、形質導入という用語は、核酸分子をそのような細胞に導入する可能性のある全ての技術を含み、それらの技術には、ウイルスベクターによるトランスフェクション、プラスミドベクターによる形質転換、および電気穿孔、リポフェクション、ならびに粒子銃加速による裸のDNAの導入が含まれる。
ベクター:宿主細胞に導入され、それによって形質転換された宿主細胞を産生する核酸分子。ベクターは、複製起点などの、宿主細胞内での複製を可能にする核酸配列を含み得る。ベクターはさらに、1つ以上の選択可能な標識遺伝子、および当技術分野において既知の他の遺伝要素を含み得る。ベクターは、グラム陰性およびグラム陽性の細菌細胞における発現のためのプラスミドを含む、プラスミドベクターを含む。典型的なベクターは、グラム陰性菌における発現のためのものを含んでいる。
他に特段の説明がない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有している。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈により明らかに示されない限り、複数の指示物を含んでいる。同様に、「または」との用語は、文脈が他に明確に明示していない限り、「および」を含むように意図される。核酸またはポリペプチドに関して与えられる、全ての塩基の大きさまたはアミノ酸の大きさ、および全ての分子量または分子質量の数値は、おおよその数値であり、説明のために提供されることがさらに理解される。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を、本開示の実施または試験に使用することができるが、適切な方法および材料が以下に記載される。用語「含む(comprises)」は「含む(includes)」を意味する。本明細書で言及される、すべての出版物、特許出願、特許、および他の引用文献は、その全体が参照によって組み込まれる。矛盾が生じる場合、用語の説明を含む本明細書が優先される(control)。さらに、材料、方法、および例は、単に例示的であり、限定するようには意図されない。
グラム陰性菌
単離された、または実質的に精製されたグラム陰性菌、および、無傷のヒト皮膚からのグラム陰性菌あるいはそのようなグラム陰性菌から繁殖したグラム陰性菌の組み合わせを含む、医薬組成物が提供される。これらのグラム陰性菌は、アトピー性皮膚炎を患う被験体に投与されると、健康な微生物叢の機能を有意義に提供するか、あるいは常在マイクロバイオームの増大を触媒する能力を有する。特に、アトピー性皮膚炎の症状を処置するか、防ぐか、遅らせるか、または減少させる組成物が提供される。
単離された、または実質的に精製されたグラム陰性菌、および、無傷のヒト皮膚からのグラム陰性菌あるいはそのようなグラム陰性菌から繁殖したグラム陰性菌の組み合わせを含む、医薬組成物が提供される。これらのグラム陰性菌は、アトピー性皮膚炎を患う被験体に投与されると、健康な微生物叢の機能を有意義に提供するか、あるいは常在マイクロバイオームの増大を触媒する能力を有する。特に、アトピー性皮膚炎の症状を処置するか、防ぐか、遅らせるか、または減少させる組成物が提供される。
これらの組成物は、アトピー性皮膚炎を患っていない被験体、例えば、皮膚の病態のない健康な被験体から単離されたグラム陰性菌を含み得る。いくつかの実施形態では、被験体は、病態、例えば、皮膚および/または任意の内臓の病態を有していない。被験体は免疫適格性であり得る。グラム陰性菌は、被験体の皮膚から直接単離され得るか、あるいは細菌の培養のための標準的技術を使用してインビトロで増殖され得る。しかし、グラム陰性菌は、以下で説明されるように、他の供給源から得られてもよい。グラム陰性菌は、プロテオバクテリア、スピロヘータ科、腸内細菌、多形性紡錘菌、またはセレノモナス目(Selenomonadales)であり得る。グラム陰性菌は、双球菌、球桿菌、球菌、または桿菌であり得る。
いくつかの実施形態では、単離された、または実質的に精製された生存可能なグラム陰性菌と薬学的に許容可能な担体とを含む、局所投与のために製剤化される組成物が開示され、ここで、a)グラム陰性菌の溶菌液および/または成分は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および、d)グラム陰性菌は、免疫適格性の被験体の皮膚に投与される場合、非病原性である。「成分」は、グラム陰性菌中に存在するか、またはグラム陰性菌によって分泌される分子を意味する。特定の非限定的な例では、グラム陰性菌によって分泌された分子を含む上清は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害する。
アトピー性皮膚炎を有していない被験体、例えば、健康な被験体のヒト皮膚微生物叢で元々発見される、特定の属、種、株、および株または種の組み合わせが本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、これらの種/株は、インビトロアッセイ内の皮膚の病原体複製の速度を有意に低下させることができる。これらの種/株は、そのような細菌性病原体の成長、複製、および疾患重症度に影響する安全かつ効果的な手段を提供することができる。いくつかの実施形態では、病原性細菌を排除する能力を有する細菌組成物が提供される。
例示的な細菌組成物は、黄色ブドウ球菌などの特定の病原体の成長速度を低下させることが示される。皮膚の黄色ブドウ球菌を永続的に減少させる能力を有するグラム陰性菌は、ヒト微生物叢内の成分の生態制御因子(ECF)を推定するための方法を使用して特定することができる。ECFは、インビトロのアッセイを使用して、所与の病原体(例えば、黄色ブドウ球菌)に対して、所与の共生株(commensal strain)の拮抗する作用あるいは株の組み合わせを評価することにより決定され、その結果として、追加された共生株の様々な濃度で観察された生態的防除のレベルをもたらす。共生株あるいは株の組み合わせのECFは、抗生物質の評価で利用される長年の最小発育阻止濃度(MIC)評価と多少類似している。ECFは、皮膚病原体に拮抗するそれらの能力について、共生株および株の組み合わせの相対的な効力の評価と順位付けを可能にする。共生株または株の組み合わせのECFは、インビトロのアッセイで、標的病原体(例えば、黄色ブドウ球菌)の所定の阻害率(例えば、少なくとも10%、20%、50%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、あるいは100%)を媒介することが可能なその組成物の濃度を評価することにより、計算することができる。
いくつかの実施形態では、グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激する。グラム陰性菌は、インビボおよび/またはインビトロでヒトケラチノサイトを刺激することができる。グラム陰性菌は、IL−1βをコードするmRNA、ディフェンシンβ4をコードするmRNA、Cyp27b1をコードするmRNA、ビタミンD受容体をコードするmRNA、オクルディンをコードするmRNA、クローディンをコードするmRNA、および/またはフィラグリンをコードするmRNAの産生などの、上皮性関門機能に関与する免疫メディエーターあるいは分子のmRNA、転写を増大させることによってケラチノサイトを刺激する。
さらなる実施形態では、グラム陰性菌は、ヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発する。ヒト細胞としては、限定されないが、線維芽細胞およびヒトケラチノサイトなどの皮膚の細胞が挙げられる。サイトカインとしては、限定されないが、IL−6およびIL−1βなどのインターロイキン(IL)が挙げられる。
さらに他の実施形態では、グラム陰性菌はリゾホスファチジルコリンを産生する。
さらなる実施形態では、グラム陰性菌は、免疫適格性の被験体などの被験体の皮膚に投与される場合、非病原性である。一般に、グラム陰性菌は、無傷のヒト皮膚に投与される場合には感染を引き起こさない。したがって、処置後に病態形成は観察されない。
開示された組成物に含まれる生存可能なグラム陰性菌は、任意の属であり得る。いくつかの実施形態では、グラム陰性菌はシュードモナスである。さらなる実施形態では、グラム陰性菌は、パンテア属またはモラクセラ属である。他の実施形態では、グラム陰性菌はロゼオモナス属である。
単一の属のみに由来する細菌が医薬組成物に含まれ得る。代替的に、属の組み合わせが医薬組成物に含まれてもよく、開示される方法において有用である。したがって、上記組成物は、例えば、グラム陰性菌の1、2、3、4、または5つの属を含み得る。1つの特定の非制限的な例では、上記組成物は、生存可能なロゼオモナスを含む。別の特定の非制限的な例では、組成物は生存可能なシュードモナスを含む。さらに別の特定の非制限的な例では、組成物は生存可能なロゼオモナスおよび生存可能なシュードモナスを含む。
生存可能なグラム陰性菌はいかなる種に由来してもよい。したがって、特定の例では、グラム陰性菌がシュードモナス属である場合、グラム陰性菌は緑膿菌、シュードモナス・ルテオラ(luteola)、またはシュードモナス・オリジハビタンス(orbyhabitans)であり得る。他の例では、グラム陰性菌がパンテア属である場合、グラム陰性菌はパンテア・セプティカ(septica)であり得る。さらなる例では、グラム陰性菌がモラクセラ属である場合、グラム陰性菌はモラクセラ・オスロエンシスであり得る。さらなる例では、グラム陰性菌がロゼオモナス属である場合、グラム陰性菌は、ロゼオモナス・エリラタ(Roseomonas aerilata)、ロゼオモナス・エアロフィラ(Roseomonas aerophila)、ロゼオモナス・アエストゥアリ(Roseomonas aestuarii)、ロゼオモナス・アルカリテラアエ(Roseomonas alkaliterrae)、ロゼオモナス・アクアティク(Roseomonas aquatic)、ロゼオモナス・サービカリス(Roseomonas cervicalis)、ロゼオモナス・ファウリアエ(Roseomonas fauriae)、ロゼオモナス・フリジダクエ(Roseomonas frigidaquae)、ロゼオモナス・ジラーディイ(Roseomonas gilardii)、ロゼオモナス・ラクス、ロゼオモナス・ルディプエリティアエ(Roseomonas ludipueritiae)、ロゼオモナス・ミュコーサ、ロゼオモナス・ペクーニアエ(Roseomonas pecuniae)、ロゼオモナス・リゾスフェラエ(Roseomonas rhizosphaerae)、ロゼオモナス・リグィロシ(Roseomonas riguiloci)、ロゼオモナス・ロゼア(Roseomonas rosea)、ロゼオモナス・ソーリ(Roseomonas soli)、ロゼオモナス・スタグニ(Roseomonas stagni)、ロゼオモナス・テラエ、またはロゼオモナス・ヴィナセア(Roseomonas vinacea)であり得る。1つの特定の非限定的な例では、グラム陰性菌はロゼオモナス・ミュコーサである。
単一の種のグラム陰性菌が医薬組成物に含まれ得る。代替的に、種を組み合わせたグラム陰性菌が医薬組成物に含まれてもよく、開示される方法において有用である。したがって、上記組成物は、グラム陰性菌の1、2、3、4、または5つの種を含み得る。1つの特定の非制限的な例では、上記組成物は生存可能なロゼオモナス・ミュコーサを含む。別の特定の非制限的な例では、上記組成物は生存可能な緑膿菌を含む。さらに別の特定の非制限的な例では、上記組成物は生存可能なロゼオモナス・ミュコーサおよび生存可能な緑膿菌を含む。
使用される生存可能なグラム陰性菌は、単一株由来であり得る。代替的に、グラム陰性菌は多数の株由来であり得る。単一株のグラム陰性菌、または株を組み合わせたグラム陰性菌が、開示される組成物に含まれてもよく、開示される方法において有用である。したがって、上記組成物は、1、2、3、4、または5つの種のグラム陰性菌を含み得る。1つの特定の非制限的な例では、上記組成物は、生存可能なロゼオモナス・ミュコーサの単一株を含む。さらに特定の非限定的な例では、上記組成物は、生存可能なロゼオモナス・ミュコーサの2、3、4、または5つの株を含む。他の特定の非制限的な例では、上記組成物は、生存可能な緑膿菌の単一株を含む。さらに特定の非限定的な例では、組成物は、生存可能な緑膿菌の2、3、4、または5つの株を含む。さらに別の特定の非制限的な例では、組成物は、生存可能なロゼオモナス・ミュコーサの1つの株および生存可能な緑膿菌の1つの株を含む。他の特定の非限定的な例では、組成物は、生存可能なロゼオモナス・ミュコーサの2、3、4、または5つの株および生存可能な緑膿菌の2、3、4、または5つの株を含む。
したがって、医薬組成物は2種類のグラム陰性菌(「二組」または「二対」)または2つより多い種類のグラム陰性菌を含み得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、あるいは少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、29 30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または少なくとも40、少なくとも50、もしくは50より多くの種類のグラム陰性菌を含み得る。一般に、属、種、または株は、個々にあるいは組み合わせて、以下の特性を有している:a)グラム陰性菌の溶菌液および/または成分は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および、d)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与される場合、非病原性である。
ある実施形態では、グラム陰性菌は、プラスミドの形態などの異種核酸で形質転換される。発現ベクターは、任意の対象のタンパク質をコード化することができる。外来性DNAは、エレクトロポレーションまたはリン酸カルシウム媒介トランスフェクション(calcium phosphate−mediated transfection)などの標準的な技術を用いて、細菌細胞に導入され得る。
いくつかの実施形態では、異種核酸はプラスミド中に含まれている。核酸カセット内の核酸を転写することができ、および必要であれば、トランスフェクトされた細胞において翻訳することができるように、プラスミドは一般に、他の必要な遺伝要素と共に、位置的および順序的に配向された多数の遺伝要素を含む。プラスミドは、1つ以上の異種核酸が挿入され得る、プラスミドベクター、コスミド、またはファージミドに由来するDNAである核酸を含む。異種核酸は対象のタンパク質をコードすることができ、そのタンパク質は、グラム陰性菌の発現のためのプロモーターに動作可能に連結することができる。
プラスミドは一般に、1つ以上の固有の制限部位を含有する。加えて、プラスミドは、薬物耐性などの、選択可能であるかまたは容易に検出される宿主生物上のいくつかの明確な表現型を付与することができる。したがって、プラスミドは発現カセットを含み、その発現カセットにおいて、ポリペプチドがコード化される。発現は、挿入された遺伝子、核酸配列、またはプラスミドを伴う核酸カセットの効果的な転写を含む。
一実施形態では、環状プラスミドが細菌細胞内に移される場合、環状プラスミドは自律複製染色体外DNA分子であってもよく、この分子は、正常な細菌ゲノムとは異なっており、非選択的条件下での細菌細胞の生存に必須ではない。用語「持続的発現」とは、本明細書で使用される場合、細胞内の遺伝子材料のエピゾームの(染色体外の)複製および/または維持を可能にする遺伝要素と共に、遺伝子を細胞中内に導入することを指す。これにより、宿主細胞の染色体内へと新規な遺伝子材料を組込みこむことなく、細胞の明らかに安定した形質転換をもたらすことができる。
プラスミドはさらに、遺伝子材料を標的細胞の染色体に導入することができ、そこで遺伝子材料が一体化し、その細胞内の遺伝子材料の恒久的な成分になる。安定した導入後の遺伝子発現は、複製により生じる細胞とその子孫の特性を永久に変更し、安定した形質転換をもたらすことができる。
投与のために細菌組成物を調製する方法
細菌組成物を生成するための方法は、1つ以上の混合工程と組み合わされた、3つの主要な処理工程を含む。上記工程は、生物バンキング、生物生成、および保存である。
細菌組成物を生成するための方法は、1つ以上の混合工程と組み合わされた、3つの主要な処理工程を含む。上記工程は、生物バンキング、生物生成、および保存である。
バンキングに関して、細菌組成物に含まれる株は、(1)限定されないが、ヒトの皮膚などの試料から直接単離されるか、またはバンキングされたストックから採取され、(2)生存可能なバイオマスを生じさせるために成長を支持する栄養寒天培地またはブロスで随意に培養されることができ、および(3)バイオマスが、長期保管に際して多数のアリコートに随意に保存され得る。
グラム陰性菌は、ヒト被験体の皮膚から単離され得る。一般に、ヒト被験体は、アトピー性皮膚炎、または他のいかなる皮膚疾病も有していない。したがって、被験体は健康であり得、これは、他のいかなる病的な症状も有していないことを意味する。被験体は免疫適格性であり得る。しかし、グラム陰性菌は、商用供給源または環境サンプルなどの他の供給源から単離可能であり、本明細書で開示される方法および組成物で使用することができる。本明細書で開示されるように、任意のグラム陰性菌は、以下の条件で有用である:a)グラム陰性菌の溶菌液および/または成分は、インビトロのアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し;b)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し;c)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および、d)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与される場合、非病原性である。その後、グラム陰性菌は増殖し得る。
培養工程を用いる実施形態では、寒天培地またはブロスは、成長を可能にする必要要素および特定の因子を供給する栄養素を含み得る。非限定的な例は、0.5g/Lのブドウ糖、0.5g/Lの酵母エキス、0.5g/Lのプロテオースペプトン、0.5g/Lのカザミノ酸、0.3g/Lのリン酸二カリウム、50mg/Lの硫酸マグネシウム、0.3g/Lのピルビン酸ナトリウムからなる培地である。様々な微生物培地とバリエーションが、当技術分野において既知である(例えば、R. M. Atlas, Handbook of Microbiological Media (2010) CRC Press)。培地は、培養の開始時または培養中に培養液に添加されてもよく、あるいは培養を通して断続的に/連続的に流入されてもよい。種/株は単独で培養され得るか、または細菌の種/株を含む全収集物として培養され得る。一例として、第1の株は、培養物が培養から洗い流されないようにするために、いずれかの細胞の最大の成長速度よりも遅い希釈速度で、混合連続培養において第2の株と一緒に培養されてもよい。
培養物は、バイオマスを構築するのに十分な時間にわたって、好ましい条件下でインキュベートされる。ヒト使用のための細菌組成物の場合、この条件はしばしば、約32〜37°C、正常なヒトニッチと類似する値を有するpHと他のパラメータである。環境は能動的に制御され得る。
培養物が十分なバイオマスを生成している場合、それはバンキングのために保存され得る。生物は、凍結(凍結保護物質を添加するなどにより)、乾燥、および/または浸透圧ショック(浸透圧保護剤を添加するなどにより)から保護する化学的環境に置かれてもよく、均一のバンクを作るために複数の(随意に同一の)容器内に分注され、その後、培養物は保存のために随意に処理される。容器は一般に不浸透性であり、環境からの隔離を保証する、閉じるもの(closures)を備えている。低温保存は、極めて低い温度(例えば、約−70°C、あるいは約−70°Cより下)で液体を凍結することにより遂行することができる。乾燥保存は、蒸発によって(噴霧乾燥または冷却乾燥の場合)、または昇華(例えば、凍結乾燥、噴霧凍結乾燥)によって、培養物から水を除去する。脱水により、より高度で、長期的な細菌組成物の貯蔵安定性が改善される。株および/または種は、個々に培養ならびに保存されてもよく、あるいは、種/株はともに混合してバンキングされてもよい。
非限定的な一例では、低温保存のために、培地からの細胞を遠心分離してペレット化することで細菌培養物を集めることができ、上清をデカントし、15%のグリセロールを含有している新しい培養液と取り替えることができる。その後、その培養物を1mLのクライオチューブにアリコートし、密閉し、長期的に生存率を維持するために−80°Cまたは−70°Cで静置させることができる。この手順は、冷凍保存から回復する際に、容認可能な生存率を達成する。
生物生成は、培養液組成や培養条件を含む、バンキングと同様の工程を使用して実行され得る。生成は、特に、臨床開発または商業生産のために、大規模な運用を用いて実行することができる。大規模の場合、最終培養の前に、細菌のいくつかの継代培養が行われる場合がある。培養の終わりに、培養物を集めて、投与のための剤形に製剤化する。これには、濃縮、好ましくない培地成分の除去、および/または細菌組成物を保存し、かつ選択された経路経由での投与にとって容認可能なものにする化学的環境への導入が含まれる。1つの非限定的な例では、細菌組成物は、水中の15%のスクロースからなる保存培地を用いて、1010CFU/mLの濃度まで培養される場合がある。
局所製剤および処置法
開示される単離された、または実質的に精製されたグラム陰性菌を含む医薬組成物が提供され、上記医薬組成物は局所投与用に製剤化される。これらの組成物は、薬学的に許容可能な担体を含み、追加の化合物を随意に含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、最終産物を生成するために、さらなる活性物質および/または不活性物質を含み、最終産物は単回投与単位または多回投与形式であり得る。
開示される単離された、または実質的に精製されたグラム陰性菌を含む医薬組成物が提供され、上記医薬組成物は局所投与用に製剤化される。これらの組成物は、薬学的に許容可能な担体を含み、追加の化合物を随意に含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、最終産物を生成するために、さらなる活性物質および/または不活性物質を含み、最終産物は単回投与単位または多回投与形式であり得る。
アトピー性皮膚炎を有する任意の被験体は、本明細書で開示される方法を用いて処置され得る。被験体はヒトであり得る。いくつかの実施形態では、被験体は小児であり、例えば、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1歳、あるいは1歳未満の被験体である。被験体は幼児、例えば、1歳未満の被験体であり得る。他の実施形態では、被験体は成人であり、例えば、18、20、25、30、35、40、45、50、55、または60歳を超える被験体である。被験体は高齢者であり、例えば、65、70、75、または80歳を超える被験体である。被験体は免疫無防備状態であり得るか、または、正常な免疫系(免疫適格性)を有し得る。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、緩衝剤、防腐剤、安定化剤、結合剤、圧縮剤、潤滑剤、分散促進剤、および/または着色剤の1つ以上を含み得る。適切な緩衝剤の非限定的な例としては、クエン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸水素カルシウムが挙げられる。適切な防腐剤の非限定的な例としては、αトコフェロールとアスコルビン酸塩などの抗酸化剤、パラベン、クロロブタノール、およびフェノールが挙げられる。適切な結合剤の非限定的な例としては、スクロース、デンプン、α化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、 カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン(polyvinyloxoazolidone)、ポリビニルアルコール、C12−C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、サッカライド、オリゴ糖、およびそれらの組み合わせが挙げられる。適切な潤滑剤の非限定的な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、水添植物油、ステロテックス(sterotex)、リオキシエチレンモノステアラート、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、および軽油が挙げられる。pH緩衝剤は、使用される場合、組成物の水性成分に溶解すると、5〜7(例えば、約pH5.5)の範囲のpHをもたらす。
医薬組成物は、細菌の成長を持続させるなどのために、他の成分を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は栄養素を含み得る。いくつかの実施形態では、上記組成物は少なくとも1つの炭水化物を含む。「炭水化物」とは、糖または糖の重合体を指す。用語「サッカライド」、「多糖類」、「炭水化物」、および「オリゴ糖」は、交換可能に使用され得る。ほとんどの炭水化物は、多くのヒドロキシル基(一般に、分子の各炭素原子上に1つ)を有するアルデヒドあるいはケトンである。炭水化物は一般に、分子式CnH2nOnを有する。炭水化物は、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、または多糖であってもよい。最も基本的な炭水化物は、グルコース、スクロース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、およびフルクトースなどの単糖である。二糖類は2つの結合された単糖類である。例示的な二糖類としては、スクロース、マルトース、セロビオース、およびラクトースが挙げられる。典型的には、オリゴ糖は、3〜6の単糖単位(例えば、ラフィノース、スタキオース)、および多糖類は6つ以上の単糖単位を含む。例示的な多糖類としては、デンプン、グリコゲン、およびセルロースが挙げられる。炭水化物は、ヒドロキシル基が除去された2’−デオキシリボース、ヒドロキシル基がフッ素で置き換えられた2’−フルオロリボース(fluororibose)、または、N‐アセチルグルコサミン、グルコースの窒素含有形態(例えば、2’−フルオロリボース、デオキシリボース、およびヘキソース)などの修飾されたサッカライド単位を含有し得る。炭水化物は、様々な形態、例えば、配座異性体、環状形態、非環状形態、立体異性体、互変異性体、アノマー、および異性体で存在することができる。
いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも1つの脂質を含む。「脂質」は、脂肪、油、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質、または遊離脂肪酸を含む任意の形態の脂肪酸を含む。脂肪、油、および脂肪酸は、飽和、不飽和(シスあるいはtrans)、または部分的に不飽和(シスあるいはtrans)であり得る。いくつかの実施形態では、脂質は、ラウリン酸(12:0)ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、マルガリン酸(17:0)、ヘプタデセン酸(17:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、オクタデカテトラエン酸(18:4)、アラキジン酸(20:0)、エイコセン酸(20:1)、エイコサジエン酸(20:2)、エイコサテトラエン酸(20:4)、イコサペンタエン酸(20:5)(EPA)、ドコサン酸(22:0)、ドコセン酸(22:1)、ドコサペンタエン酸(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)(DHA)、およびテトラコサン酸(24:0)から選択される少なくとも1つの脂肪酸を含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの追加のミネラルまたはミネラル源を含む。ミネラルの例としては、限定することなく、塩化物、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、およびセレンが挙げられる。前述のミネラルのいずれかの適切な形態としては、可溶性ミネラル塩、わずかに可溶性のミネラル塩、不溶性ミネラル塩、キレート化されたミネラル、ミネラル複合体、カルボニルミネラルなどの非反応性ミネラル、および還元型ミネラル、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
さらなる実施形態では、組成物は、少なくとも1つの追加のビタミンを含む。少なくとも1つのビタミンは、脂溶性または水溶性のビタミンであり得る。適切なビタミンとしては、限定されないが、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸、およびビオチンが挙げられる。前述のもののいずれかの適切な形態は、ビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンの同一または類似の活性を有する化合物、およびビタミンの代謝産物である。
様々な他の添加剤は組成物に含まれていてもよい。これらには、限定されないが、その存在が薬学的にあるいは他の方法で望ましい場合がある他のクラスの材料と同様に抗酸化剤、収斂剤、芳香、防腐剤、皮膚軟化剤、ピグメント、色素、保湿剤、噴霧剤、および日焼け止め剤が含まれる。任意の添加剤の非限定的な例は、以下のとおりである:ソルビン酸塩などの防腐剤;イソプロパノールおよびプロピレングリコールなどの溶剤;メントールおよびエタノールなどの収斂剤;ポリアルキレンメチルグルコシドなどの皮膚軟化剤;グリセリンなどの保湿剤;グリセロールステアレート、PEG−100ステアリン酸、ポリグルセリル−3 ヒドロキシラウリルエーテル、およびポリソルベート60などの乳化剤;ソルビトール、およびポリエチレングリコールなどの他のポリヒドロキシアルコール;などの日焼け止め剤、オクチルメトキシルシンナメート(octyl methoxyl cinnamate)(Parsol MCXとして市販されている)およびブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789の商標名で入手可能);アスコルビン酸(ビタミンC)、αトコフェロール(ビタミンE)、βトコフェロール、γトコフェロール、δトコフェロール、εトコフェロール、ζιトコフェロール、Z^トコフェロール、ηトコフェロール、およびレチノール(ビタミンA)などの抗酸化剤;精油、セラミド、必須脂肪酸、鉱物油、植物油(例えば、大豆油、パーム油、シアバターの液状部分、ひまわり油)、動物油(例えば、ペルヒドロスクアレン(perhydrosqualene))、合成油、シリコーン油あるいはワックス(例えば、シクロメチコンとジメチコン)、フッ素油(一般にパーフルオロポリエーテル)、脂肪族アルコール(例えば、セチルアルコール)、およびワックス(例えば、ミツロウ、カルナウバロウ、ならびにパラフィンワックス);皮膚感触調節剤(skin−feel modifiers);および、膨潤粘土ならびに架橋カルボキシポリアルキレンなどの増粘剤とストラクチュラント。
他の添加剤は、皮膚(特に、角質層の皮膚の上層)を調節し、その含水率の減少を遅らせることにより皮膚を柔らかく保ち、および/または皮膚を保護する材料を含む。そのような軟化剤および保湿剤としては、一例として、ピロリジンカルボン酸およびアミノ酸;2,4,4’−トリクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)および安息香酸などの有機抗菌剤が挙げられる。さらなる添加物としては、アセチルサリチル酸およびグリシレチン酸などの抗炎症剤;レチン酸などの抗脂漏薬;ニコチン酸などの血管拡張剤;コウジ酸などのメラニン形成阻害剤;および、これらの混合物が挙げられる。
他の実施形態では、組成物は、αヒドロキシ酸、αケト酸、高分子ヒドロキシ酸、保湿剤、コラーゲン、魚介エキス、およびアスコルビン酸(ビタミンC)および/またはα−トコフェロール(ビタミンE)などの酸化防止剤を含み得る。日焼け止めがさらに含まれてもよい。さらに、酵素、薬草、植物抽出物、腺、または動物エキスなどの成分が組成物に添加されてもよい。これらの様々な添加物の量は、化粧品の分野で従来より使用される量であり、例えば、局所製剤の全重量の約0.01%〜約20%の範囲にある。
組成物は、保管時の腐敗を防ぐための、つまり、酵母やカビなどの微生物の成長を阻害するための抗菌剤をさらに含み得る。適切な抗菌剤は、p−ヒドロキシ安息香酸のメチルエステルとプロピルエステル(つまり、メチルパラベンとプロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、イミド尿素、およびこれらの組み合わせからなる群から典型的に選択される。
組成物は、投与される化学成分あるいは組成物の他の成分に起因する皮層刺激または皮膚損傷の可能性を最小限に抑えるか、あるいはなくすために、刺激を緩和する添加剤も含有し得る。刺激を緩和する適切な添加剤としては、例えば:αトコフェロール;モノアミンオキシダーゼ阻害剤、特に2−フェニル−1−エタノールなどのフェニルアルコール;グリセリン;サリチラート;アスコルビン酸塩;モネンシンなどのイオノフォア;両親媒性アミン;塩化アンモニウム;N−アセチルシステイン;カプサイシン;およびクロロキンが挙げられる。刺激を緩和する添加剤は、存在する場合、刺激あるいは皮膚損傷を緩和するのに有効な濃度、一般的には、製剤の約20重量%以下、より典型的には、製剤の約5重量%以下で、組成物へと組み込むことができる。
ある実施形態において本製剤へ組み込まれ、したがって、活性薬剤と共に局所的に適用され得る、さらに適切な薬理学的活性薬剤としては、限定されないが:色素性あるいは非色素性の加齢によるシミ、角化症、およびしわを改善または根絶する薬剤;局所麻酔薬と鎮痛剤;コルチコステロイド;レチノイド;およびホルモンが挙げられる。局所的な薬理学的活性薬剤のいくつかの例としては、アシクロビル、アムホテリシン、クロルヘキシジン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、ミコナゾール、メトロニダゾール、ミノサイクリン、フェニトイン、パラアミノ安息香酸エステル、オクチルメトキシシンナメート、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、トコフェロール、酢酸トコフェロール、ジンクピリチオン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、クロタミトン、ヒドロキノン、およびそのモノメチルとベンジルエーテル、ナプロキセン、イブプロフェン、クロモリン、レチノール、レチニルパルミテート、酢酸レチニル、コールタール、グリセオフルビン、エストラジオール、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン21−アセテート、ヒドロコルチゾン17−バレレート、ヒドロコルチゾン17−ブチレート、プロゲステロン、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノニド、プロピオン酸クロベタゾール、ミノキシジル、ジピリダモール、ジフェニルヒダントイン、過酸化ベンゾイル、5−フルオロウラシル、タクロリムス、およびステロイド外用薬、例えば、アルクロメタゾン、アムシノニド、ベタメタゾン、クロベタゾール、デソニド、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、フルオシノニド、フルドロキシコルチド、ハロベタゾール、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、および/またはトリアムシノロンが挙げられる。
局所的製剤、例えば、皮膚送達用に製剤化されたクリーム剤および軟膏剤が企図されるが、送達系は、徐放性、遅延放出、あるいは持続放出の送達系を含んでいてもよい。そのような系は、組成物の連続投与を回避し、被験体および医師の利便性を増加させることができる。多くのタイプの放出送達系が利用可能であり、当業者に知られている。特定の例としては、限定されないが、(a)米国特許第4,452,775号;第4,667,014号;第4,748,034号;第5,239,660号;ならびに第6,218,371号に記載されるものなどの、侵食系、および(b)米国特許第3,832,253号および第3,854,480号に記載されるものなどの、活性成分が高分子から制御された速度で浸透する拡散系が挙げられる。
送達系は、コラーゲン、フィブリン、または基底膜抽出物などの細胞膜抽出物を含む場合があり、例えば、組成物は、皮膚への投与用に製剤化される。適切な基底膜抽出物は、約60〜85重量%のラミニン、5〜30重量%のコラーゲンIV、1〜10重量%のナイドジェン、1〜10%重量%のヘパラン硫酸プロテオグリカン、1〜5重量%のエンタクチンを一部含有する生物学的活性重合性抽出物を含む(米国特許第4,829,000号を参照、この文献は、BME組成物、ならびにその組成物を産生するための方法を開示し、参照により本明細書に組み込まれる)。BMEは、培養されると、上皮細胞を含む様々な細胞型の正常な成長と分化を支援することができる。基底膜抽出物は、当技術分野において既知であり、市販されている。
皮膚の処置のために、治療上有効な量の組成物が、患部に局所的に投与され得る。本明細書で開示される薬学的組成物は、アトピー性皮膚炎の処置のための少なくともグラム陰性菌の使用を容易にする。そのような組成物は、限定されないが、ヒト被験体などの任意の適切な被験体への有効成分を送達するのに適しており、および既知の方法、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥プロセスによって、製造することができる。上記のように、薬学的組成物は、1つ以上の薬理学的に(例えば、生理的にまたは薬学的に)許容可能な担体を使用して、ならびに、薬学的に利用可能な調合剤への活性化合物の処理を容易にする随意の補助剤を使用して、従来の方法で製剤化することができる。
組成物は、グラム陰性菌の単回(単位)用量を含み得る。典型的な量は、105〜1012コロニー形成単位(cfu)であり、例えば、106〜1010cfu、例えば105〜107cfu、例えば106cfuである。いくつかの実施形態では、グラム陰性菌の適切な用量は、104〜1012cfuの範囲、例えば、104〜1010、104〜108、106〜1012、106〜1010、または106〜108cfuの1つであり得る。他の実施形態では、組成物は、少なくとも約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約8.0重量%、約9.0重量%、約10.0重量%、約11.0重量%、約12.0重量%、約13.0重量%、約14.0重量%、約15.0重量%、約16.0重量%、約17.0重量%、約18.0重量%、約19.0重量%、約20.0重量%、約25.0重量%、約30.0重量%、約35.0重量%、約40.0重量%、約45.0重量%、約50.0重量%の細菌を含む。他の実施形態では、組成物は、少なくとも約0.01%〜約30%、約0.01%〜約20%、約0.01%〜約5%、約0.1%〜約30%、約0.1%〜約20%、約0.1%〜約15%、約0.1%〜約10%、約0.1%〜約5%、約0.2%〜約5%、約0.3%〜約5%、約0.4%〜約5%、約0.5%〜約5%、約1%〜約10%、約5%、の重量%のグラム陰性菌を含み得る。
組成物は、病変領域および円形病変領域などの皮膚に適用され得るか、または病変の形成を防ぐために無傷の皮膚(intact skin)の領域(非病変領域)に適用され得る。組成物は病変サイズを減少させるために使用することができる。組成物は毎日適用することができる。組成物は、1日に1、2、3、4、または5回適用することができる。組成物は一日おきに、または1週間に1、2、3、4、5、6、または7回適用することができる。組成物は週1回適用することができる。1つの特定の非限定的な例では、106cfuを、1週間に2回または3回皮膚に適用する。組成物は、投与のための単位用量として製剤化することができる。
クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、噴霧剤、および無菌溶液注射剤、または懸濁剤などの局所用の医薬組成物を製造する方法は、当技術分野において周知である。局所的な医薬組成物を調製する適切な方法は、例えば、PCT公報第WO95/10999号、PCT公報第WO2012150269号、米国特許第6,974,585号、およびPCT公報第WO2006/048747号に記載され、これらすべてが参照により本明細書に組み込まれる。組成物は水性担体を含むことができ、かつ噴霧剤として皮膚に適用することができる。
随意に、組成物は薬学的に許容可能な粘性強化剤および/または薄膜形成剤を含み得る。粘性強化剤は、適用部位を超えて製剤が広がるのを防ぐために、製剤の粘性を高める。バルサムモミ(Balsam Fir)(オレゴン)は、グラム陰性菌と共に使用される、薬学的に許容可能な粘性強化剤の一例である。
薄膜形成剤は乾燥すると、適用部位上に保護膜を形成する。その保護膜は、有効成分の除去を阻止し、および処置されている部位への有効成分の接触を維持する。本発明での使用に適した薄膜形成剤の一例は、弾性コロジオン、USPである。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. (Easton, PA: Mack Publishing Co., 1995), at page 1530に記載されるように、コロジオンは、蒸発してピロキシリンの膜を残す、ピロキシリン(ニトロセルロース)を含有するエチルエーテル/エタノール溶液である。薄膜形成剤は、担体として付加的に作用し得る。乾燥して薄膜を形成する溶液は、塗布剤と呼ばれることもある。医薬製剤の技術分野において周知のクリーム剤は、粘稠液または半固体の乳剤であり、水中油型または油中水型のいずれかである。
クリーム基剤は水洗い可能であり、油相、乳化剤、および水相を含む。油相は「内」相とも呼ばれ、ペトロラタムと、およびセチルまたはステアリルアルコールなどの脂肪族アルコールで一般に構成される。水相は通常、必ずしもそうではないが、体積で油相を超え、一般に湿潤剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は一般に、非イオン、陰イオン、カチオン、または両性界面活性剤である。
ローション剤は、摩擦なしに皮膚表面に適用される調合剤であり、典型的に、活性薬剤を含む粒子が水またはアルコールの基剤中に存在する液体または半流動体の調合剤である。ローション剤は通常、固形物の懸濁剤であり、好ましくは、水中油型の液体の油乳剤を含む。ローション剤は、より多くの流体組成物の適用を容易にすることから、身体の広い領域を処置するために使用することができる。一般に、ローション剤中の不溶物がきれいに分離されている必要がある。
ローション剤は典型的に、より良く分散させる懸濁化剤、および活性薬剤を局限化して皮膚に接した状態で保持するのに有用な化合物、例えば、メチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどを含む。
溶液は、溶解された物質の分子が溶剤の分子の間に分散するように、液体に1つ以上の化学物質(溶質)を溶解させることによって調製された均一混合物である。上記溶液は、溶質の緩衝、安定化、または保存のために、他の薬学的または美容的に許容可能な化学物質を含んでもよい。局所用の溶液を調製するのに使用される溶剤の一般的な例は、エタノール、水、プロピレングリコール、または他の許容可能な賦形剤である。これらは、皮膚に噴霧する、皮膚に塗る、または溶液で包帯を湿らせるなどの、任意の方法で適用され得る。
ゲル剤は半固体の懸濁型システム(suspension−type systems)である。単相のゲル剤は、担体液全体にわたって実質的に均一に分配された有機高分子を含み、その担体液は典型的に水性であり、さらに好ましくはアルコールを含み、および随意に油脂を含む。有用ないくつかの「有機高分子」、とりわけゲル化剤は、重合体の「カルボマー」ファミリー、例えば、CARBOPOL(登録商標)として市販されているカルボキシポリアルキレンなどの架橋アクリル酸重合体である。ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、およびポリビニルアルコールなどの親水性ポリマー;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチルセルロースなどのセルロースポリマー;トラガントおよびキサンタンガムなどのゴム;アルギン酸ナトリウム;および、ゼラチンも有用である。均一のゲルを調製するために、アルコールまたはグリセリンなどの分散剤を添加してもよく、または、ゲル化剤を粉砕、機械的混合、撹拌、あるいはそれらの組み合わせによって分散させてもよい。これらのゲル剤は本明細書に開示される方法に有用である。
軟膏剤もまた、本開示の方法に使用することができる。軟膏剤は、典型的にはワセリンまたは他の石油派生物に基づく半固形製剤である。当業者によって理解されるように、使用される特定の軟膏基剤は、多数の望ましい特性、例えば軟化などを提供するものである。軟膏基剤は一般に、不活性で、安定しており、非刺激性および非感作性である。軟膏基剤は4つのクラスに分類される:油脂性基剤;乳化性基剤;乳剤性基剤;および水溶性基剤(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. (Easton, PA: Mack Publishing Co., 1995), at pages 1399−1404を参照)。油性軟膏基剤としては、例えば、植物油、動物から得られた脂肪、および石油から得られた半固体の炭化水素が挙げられる。吸収性軟膏基剤としても知られる乳化性軟膏基剤は、ほとんどまたは全く水を含まず、例えば、ヒドロキシステアリン硫酸(hydroxystearin sulfate)、脱水ラノリンおよび親水ワセリンが挙げられる。乳剤性軟膏基剤は、油中水型(W/O)乳剤または水中油型(O/W)乳剤のいずれかであり、例えば、アセチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラノリンおよびステアリン酸が挙げられる。水溶性軟膏基剤は、様々な分子量のポリエチレングリコールから調製される。
ペースト剤は、活性薬剤が適切な基剤中に懸濁されている半固体の剤形であり、および有用である。基剤の性質に応じて、ペースト剤は、脂肪性ペースト剤と、単相の水性ゲル剤から作られたものとに分けられる。脂肪性ペースト剤中の基剤は一般に、ペトロラタムまたは親水ワセリンなどである。単相の水性ゲル剤から作られたペースト剤は一般に、基剤としてカルボキシメチルセルロースなどを組み込む。
局所用組成物は、クリーム剤、ローション剤、噴霧剤、溶液、ゲル剤、軟膏剤、ペースト剤、硬膏剤、塗布剤、生体付着性剤、包帯、噴霧剤、または懸濁液などの、体表面への適用に適した任意の形状であってもよく、および/または、リポソーム、ミセル、および/またはミクロスフェアを含むように調製されてもよい。局所用組成物は、体表面への適用時および適用後に、体表面から蒸発する水分を製剤内に維持するように、閉塞性の被覆層(occlusive overlayer)と組み合わせて使用され得る。
クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、軟膏剤、ペースト剤などは、患部に広げられてもよい。溶液は同じ方法で適用されてもよいが、より典型的には、滴瓶、綿棒(swab)、噴霧器などを用いて適用され、および患部に注意深く適用される。組成物は、例えば、軟膏剤などの局所用の調合剤において、または包帯材(dressing)あるいは包帯(bandage)の一部として、標的位置に直接適用され得る。組成物は、皮膚への投与用の任意のデバイスによる投与のために、単位用量として製剤化され得る。単位用量は、担体、例えば、所望の期間、例えば、少なくとも1日以上にわたって、皮膚に付着することができる粘着性の担体中の活性薬剤の蓄積であり得る。
医薬組成物はアトピー性皮膚炎の処置に有用である。したがって、いくつかの実施形態では、局所適用は結果として、病変サイズの減少、病変の数の減少、および/または症状の低減をもたらす。これらの医薬組成物の適用により、処置される被験体の皮膚の黄色ブドウ球菌を減らすことができる。医薬組成物の適用により、経皮水分損失によって測定される皮膚のバリア機能を向上させることができる。
アトピー性皮膚炎が再発として生じ、および寛解の期間があり得る。局所適用により再発を減らすことができ、その結果、アトピー性皮膚炎のさらなる事象の数、強度、または頻度が減少する。局所適用により、寛解の時間、例えば、事象間の時間の長さを長くすることができる。いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎の追加の事象は、適用後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間は起こらないだろう。さらなる実施形態では、アトピー性皮膚炎の追加の事象は、局所適用後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12か月間は起こらないだろう。
上記方法は、被験体の皮膚の微生物叢を測定する工程を含み得る。具体的には、被験体の皮膚内のバクテリア分類群(bacterial taxa)が処置後に変化するか否かを判定するために、診断アッセイを行うことが可能である。したがって、いくつかの実施形態では、細菌の門、細菌のクラス、細菌の目、細菌の科、細菌の属、および/または細菌の種が、アトピー性皮膚炎を有する被験体の皮膚において変化するか否かを判定する。一実施形態では、黄色ブドウ球菌の量が、処置後に被験体の皮膚において変化するか否かを判定する。
サンプル中の微生物叢を特定するためのそのような方法は、皮膚サンプルなどのサンプルを提供する工程と、そのサンプル中の少なくとも1つの微生物叢を検出する工程とを含み得る。上記方法の一実施形態は、サンプル中に存在する少なくとも1つの微生物叢から、主体の分子指標(molecular indicator of identity)を含む核酸サンプルを調製する工程、および主体の分子指標を検出する工程を含み得る。例えば、上記方法は、DNAサンプルの調製により、少なくとも1つの核酸サンプルを調製する工程を含み得る。主体の分子指標は、rRNA遺伝子(例えば、16S rRNA遺伝子)などの多形性ポリヌクレオチド(polymorphic polynucleotide)であり得る。恒等の分子指標は、16S rRNA遺伝子などの多形性ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列、またはその一部または部分配列を決定することによって、検出され得る。主体の分子指標を検出するためのさらなる実施形態は、選択的なプライマーを伴うPCR、選択的なプライマーを伴う量的PCR、DNA−DNAハイブリダイゼーション、RNA−DNAハイブリダイゼーション、インサイチュハイブリダイゼーション、およびそれらの組み合わせも含み得る。例えば、多形性ポリヌクレオチドは、特定のプローブへのハイブリダイゼーションによって検出することができる。そのような例では、特定のプローブは、16S rRNA遺伝子などの多形性の標的核酸にハイブリダイズする。随意に、複数の特定のプローブ、例えば、その各々が細菌を識別する複数の特定のプローブを含む少なくとも1つのアレイに、核酸をハイブリダイズさせることができる。主体の分子指標の検出はさらに、多形性の標的タンパク質、例えば、微生物叢を識別する多形性の標的タンパク質に結合するタンパク質プローブ(抗体など)を使用して行うことができる(米国特許第9,173,910号を参照。この文献は、参照により本明細書に組み込まれる)。
黄色ブドウ球菌などの1つ以上の細菌の相対的存在量は、被験体からのサンプル中で測定することができる。本明細書で使用される場合、用語「相対的存在量」とは、定義された位置またはコミュニティー内の他の生物に対する、ある生物の共通性または珍奇性(rarity)を指す。例えば、相対的存在量は、一般にはサンプル中の生物の全存在と比較して、特定の生物の存在を測定することにより決定することができる。
細菌の相対的存在量は、直接または間接的に測定することができる。直接測定は培養ベースの方法を含み得る。間接測定は、全サンプルに関して1つの生物または生物の群に特異的な、リボソームRNA(rRNA)遺伝子配列などの主体の分子指標の普及度を比較することを含み得る。
一実施形態では、個々の被験体の皮膚内の、黄色ブドウ球菌および/または任意の種類のグラム陰性菌などの微生物叢の相対存在量は、被験体の微生物叢プロファイルを得るために、個体からのサンプル中の1つ以上の特定の細菌の比率を測定することにより算出することができる。相対的存在量は、サンプル中に存在する細菌の全存在量から導き出すことができる。本明細書で使用される場合、「全存在量」とは一般に、サンプル中の全細菌を指す。したがって、「微生物叢プロファイル」とは、被験体中の、または被験体の皮膚サンプル中の1つ以上の微生物叢の相対的存在量の表現(グラフなど)を指す。
キット
開示される治療上有効な量の精製された生存可能なグラム陰性菌は、キットの構成要素として提供され得る。精製された生存可能なグラム陰性菌は、増殖培地で、凍結乾燥された形態で、または凍結した細胞として、提供され得る。したがって、キットは、治療上有効な量の精製された生存可能なグラム陰性菌を含む容器を含み得、ここで、i)グラム陰性菌の溶菌液および/または成分は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し;ii)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し;iii)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および、iv)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与される場合、非病原性である。
開示される治療上有効な量の精製された生存可能なグラム陰性菌は、キットの構成要素として提供され得る。精製された生存可能なグラム陰性菌は、増殖培地で、凍結乾燥された形態で、または凍結した細胞として、提供され得る。したがって、キットは、治療上有効な量の精製された生存可能なグラム陰性菌を含む容器を含み得、ここで、i)グラム陰性菌の溶菌液および/または成分は、インビトロアッセイで黄色ブドウ球菌の成長を阻害し;ii)グラム陰性菌はヒトケラチノサイトを刺激し;iii)グラム陰性菌はヒト細胞からのサイトカイン発現を誘発し;および、iv)グラム陰性菌は、被験体の皮膚に投与される場合、非病原性である。
いくつかの実施形態では、キットは、グラム陰性菌(任意の形態)を含む1つの容器、およびグラム陰性菌を懸濁するための薬学的に許容可能な担体を含む1つの容器などの、医薬組成物を生成するために必要な構成要素を含み得る。薬学的に許容可能な担体は、例えば、緩衝生理食塩水またはスクロース溶液であり得る。他の実施形態では、キットは、グラム陰性菌を含む容器と、薬学的に許容可能な担体を含む第2の容器と、限定されないがシリンジなどの、薬学的に許容可能な担体を測定するためのデバイスとを含み得る。さらに別の実施形態では、キットは、薬学的に許容可能な担体にいったん懸濁されたグラム陰性菌の局所適用のためのデバイス、限定されないが、スプレーノズルまたは包帯などを含むことができる。
随意に、そのようなキットは、包装、説明書、および他の様々な試薬、例えば、追加の緩衝剤または他の治療成分をさらに含む。キットは、容器と、その容器上にまたは容器に関連付けられたラベルまたは添付文書とを含み得る。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジなどが挙げられる。上記容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されてもよい。上記容器は典型的に、アトピー性皮膚炎の処置に効果的なグラム陰性菌を含む組成物を収容する。いくつかの実施形態では、上記容器は、無菌のアクセスポートを有してもよい(例えば、容器は、静脈注射用溶液バッグまたは皮下注射針によって貫通可能な栓を有するバイアルであり得る)。ラベルまたは添付文書は、組成物がアトピー性皮膚炎などの特定の疾病の処置に使用されることを示す。
ラベルまたは添付文書は典型的に、使用説明書をさらに含む。添付文書は典型的に、そのような治療薬の使用に関する指示、用法、用量、投与、禁忌、および/または警告に関する情報を含む、治療薬のコマーシャルパッケージに慣習的に含まれる説明書を含んでいる。いくつかの非限定的な例では、説明書は、グラム陰性菌を含むバイアルに添加するための薬学的に許容可能な担体の量に関する情報、薬学的に許容可能な担体にグラム陰性菌を懸濁するための指示、および皮膚への局所適用のための指示を含む。適用は、皮膚へのスプレー、あるいは綿棒による皮膚への塗布、または皮膚に適用するための包帯上に懸濁剤を導入することによって可能である。
説明書は、電子的形態(コンピューターディスケットまたはコンパクトディスクなど)に書き込まれ得るか、または視覚的なもの(ビデオファイルなど)であり得る。キットはさらに、キットが設計されている特定用途を容易にするための追加の構成要素、例えば、皮膚への適用のためのスプレーチップ、包帯、または綿棒を含んでもよい。キットは付加的に、緩衝剤と、特定の方法の実施に慣例的に使用される他の試薬とを含んでもよい。キットおよび適切な内容物は当業者に周知である。
本開示は、以下の非限定的な実施例によって例証される。
ヒト皮膚から採取された異なる共生グラム陰性(CGN)菌への接触後に、免疫学的結果が異なるか否かを評価するために試験を行なった。これらの試験のために、CGN菌を、健康な対照およびアトピー性皮膚炎(AD)を有する患者から採取した。様々な細胞および培養ベースのモデルを使用して、それらの免疫原性を評価した。CGNの代表的な株を選択し、それらの影響をADのMC903マウスモデルにおいて評価した。AD患者ではなく、健常なヒト被検者から採取したCGN菌が、バリア機能の向上、自然免疫活性化、および黄色ブドウ球菌の制御に関係していることがわかった。健康な対照からのCGNを用いたADの処置は、マウスモデルにおける結果を改善した。
実施例1:材料および方法
グラム陰性菌の採取および同定:無菌のリン酸緩衝生理食塩水(PBS; Corning Cellgro, Corning, NY)で湿らせた2つのFloqSwab(Copan, Brescia, Italy)を、15〜30秒間、被験体の皮膚(肘前窩)に勢いよくこすりつけた。一方のスワブ(swab)を、バンコマイシン(300ug/mL)およびアンフォテリシンB(5ug/mL;Sigma−Aldrich, St. Louis, MO)を含有する2mLの無菌のハンクス平衡塩類溶液(HBSS;Sigma−Aldrich)含む、15mLの円錐管(Corning Life, Corning, NY)に入れて、グラム陽性菌と真菌の成長を阻害した。もう一方のスワブを、同様の濃度のバンコマイシンおよびアンフォテリシンBを含む、2mLのR2A(Reasoner’s 2A)ブロス(Teknova, Hollister, CA)を含有する15mLの円錐管に入れた。その後、適所にスワブを残したままの管を、48〜72時間、一定に振盪させながら32°Cでインキュベートした後、各管からの100uLをR2A寒天プレート(Remel, Lenexa, KS)上にプレーティングした。次に、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法−飛行時間型(MALDI−TOF)分析を用いた質量分析法による種属同定のために、コロニーを採取した。BioTyper(v3.1, Bruker Daltonics Inc., Billerica, MA)を使用するMALDI−TOF MSの細菌タンパク質抽出は、上記方法(Lau et al., Journal of clinical microbiology 52, 2804−2812 (2014);published online Epub Aug (10.1128/JCM.00694−14)、器具の設定および較正(Lau et al., Journal of clinical microbiology 51, 828−834 (2013); published online (Epub) Mar (10.1128/JCM.02852−12); Youn et al., Journal of clinical microbiology, (2015); published online (Epub) Sep 2 (10.1128/JCM.01643−15)を使用して、米国国立衛生研究所(NIH)の臨床センターの微生物学研究所により実施された。BioTyperの同定は、NIHにより開発されたいくつかのデータベースによって提供される、追加の質量スペクトルで補足された(Lau et al, 2014, supra; Stevenson et al., Journal of clinical microbiology 48, 3482−3486 (2010); published online (Epub) Oct (10.1128/JCM.00687−09; Myles et al., Nature immunology 14, 804−811 (2013); published online (Epub) Aug (10.1038/ni.2637))。MALDI−TOF分析によって同定された他のロゼオモナス・ミュコーサ分離株で観察された固有のコロニー形態、UV光反応、およびグラム染色特性のみに基づいて、図1A−Dで報告される健康な対照のロゼオモナス・ミュコーサ株のうち10株を同定した。続く試験に使用されるすべてのロゼオモナス・ミュコーサ分離株を、MALDI−TOF分析によって確認した。この試験の参加者全員の書面でのインフォームドコンセントを得た。
グラム陰性菌の採取および同定:無菌のリン酸緩衝生理食塩水(PBS; Corning Cellgro, Corning, NY)で湿らせた2つのFloqSwab(Copan, Brescia, Italy)を、15〜30秒間、被験体の皮膚(肘前窩)に勢いよくこすりつけた。一方のスワブ(swab)を、バンコマイシン(300ug/mL)およびアンフォテリシンB(5ug/mL;Sigma−Aldrich, St. Louis, MO)を含有する2mLの無菌のハンクス平衡塩類溶液(HBSS;Sigma−Aldrich)含む、15mLの円錐管(Corning Life, Corning, NY)に入れて、グラム陽性菌と真菌の成長を阻害した。もう一方のスワブを、同様の濃度のバンコマイシンおよびアンフォテリシンBを含む、2mLのR2A(Reasoner’s 2A)ブロス(Teknova, Hollister, CA)を含有する15mLの円錐管に入れた。その後、適所にスワブを残したままの管を、48〜72時間、一定に振盪させながら32°Cでインキュベートした後、各管からの100uLをR2A寒天プレート(Remel, Lenexa, KS)上にプレーティングした。次に、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法−飛行時間型(MALDI−TOF)分析を用いた質量分析法による種属同定のために、コロニーを採取した。BioTyper(v3.1, Bruker Daltonics Inc., Billerica, MA)を使用するMALDI−TOF MSの細菌タンパク質抽出は、上記方法(Lau et al., Journal of clinical microbiology 52, 2804−2812 (2014);published online Epub Aug (10.1128/JCM.00694−14)、器具の設定および較正(Lau et al., Journal of clinical microbiology 51, 828−834 (2013); published online (Epub) Mar (10.1128/JCM.02852−12); Youn et al., Journal of clinical microbiology, (2015); published online (Epub) Sep 2 (10.1128/JCM.01643−15)を使用して、米国国立衛生研究所(NIH)の臨床センターの微生物学研究所により実施された。BioTyperの同定は、NIHにより開発されたいくつかのデータベースによって提供される、追加の質量スペクトルで補足された(Lau et al, 2014, supra; Stevenson et al., Journal of clinical microbiology 48, 3482−3486 (2010); published online (Epub) Oct (10.1128/JCM.00687−09; Myles et al., Nature immunology 14, 804−811 (2013); published online (Epub) Aug (10.1038/ni.2637))。MALDI−TOF分析によって同定された他のロゼオモナス・ミュコーサ分離株で観察された固有のコロニー形態、UV光反応、およびグラム染色特性のみに基づいて、図1A−Dで報告される健康な対照のロゼオモナス・ミュコーサ株のうち10株を同定した。続く試験に使用されるすべてのロゼオモナス・ミュコーサ分離株を、MALDI−TOF分析によって確認した。この試験の参加者全員の書面でのインフォームドコンセントを得た。
インビトロの黄色ブドウ球菌阻害アッセイ:グラム陰性分離株を、5mLのR2Aで8〜10日間、上記のように培養した。細菌を5000gで12分間ペレット化した。上清を採取し、凍結し、その後、凍結乾燥した(Labconco FreeZone 2.5, Kansas City, MO)。凍結乾燥した産物と、細菌なしで同時にインキュベートおよび凍結乾燥をしたR2Aの対照とを、1mLのトリプチックソイブロス(tryptic soy broth)(TSB)に懸濁させた。5mLのTSBにおいて成長させた黄色ブドウ球菌株の一晩の培養物を、新しい培地中へと1:100に希釈し、その後、100mcLの新しく希釈した培養物を、CGN上清あるいは凍結乾燥されたR2A対照を含有する100mcLのTSBと組み合わせた。サンプルを、一定の攪拌下で、37°Cで3時間インキュベートした。階段希釈を行い、プレーティングして(平板培養をして);翌日、コロニーを計数し、すべての計数可能なプレートを平均した。CGN上清に曝露させた培養物中のCFU数を、R2Aのみに曝露させた培養物中のCFU数で割ることによって、黄色ブドウ球菌の成長に対する影響率を算出した。
水疱誘発および細菌チャレンジ(Bacterial Challenge):8つのウェルの吸引チャンバーを設計し(Ammnra Creations; San Jose, CA)、ブロンズに3D印刷した(Shapeways; New York, NY)。これを、参加者のエタノール殺菌した前腕の手掌側に置き、およびマイクロダーマブレーション装置(Kendal Diamond HB−SF02)を使用して、30mmHgの吸引下に2時間置いた。デバイスの除去後、結果として生じた上皮の水疱の頂部を外科的に取り除いた。8つのチャレンジチャンバーを設計し(Ammnra Creations)、ブロンズに3D印刷した(Shapeways)(図4C)。一致する8つのウェル鋳型(Ammnra Creations)を使用して、10mmのパンチ生検(Acu−Punch, Acu−derm; Fort Lauderdale, FL)を、1つの4”x4”のデュオダームドレッシング材(Duoderm dressing)(ConvaTec; Bridgewater, NJ)にカットした。チャレンジチャンバーの縁を、ダーマボンド(Dermabond)接着剤(Ethicon; Somerville, NJ)でブラッシングして(brushed)から、露出した水疱上に配置した。1mLの無菌食塩水(Corning Life)または無菌食塩水に懸濁された2e7CFUの被照射細菌のいずれかで各ウェルを満たした。翌朝、水疱液をピペット(Eppendorf; Hauppauge, NY)で取り除いた。採取されたサンプルを350gで7分間遠心分離機にかけ、上清を取り除き、バッチ分析のために凍結した。
サイトカインおよび抗菌ペプチドの検出:標準ヒトreg3gamma(Sino Biologicals; Beijing, China)または水疱液サンプル(0.9%のNaCl中で希釈された100−12.5%)を、Nunc Maxisorpプレート上に一晩コーティングした。翌日、ウェルをPBSで5回洗浄し、3%のBSA/PBSで1時間ブロックした。ウェルをもう一度、PBSで洗浄した。多クローン性プロテインA−精製ウサギ抗マウスreg3gamma(13.2 mg/ml;kind gift from J. Kolls, University of Pittsburgh)を、1:1000の希釈度で1%のBSA/PBSに加え、室温で90分間インキュベートした。抗ウサギHRP(Santa Cruz; Dallas, TX)とTMB基質(Ebioscience; San Diego, CA)を加え、プレートを室温で5〜10分間インキュベートした。2N H2SO4を加えて反応を止め;プレートを450nmで読み取った。LL−37(Hycult; Plymouth Meeting, PA)およびヒトβ−ディフェンシン3(PeproTech; Rocky Hill, NJ)を、商用ELISAキットで測定した。サイトカインレベルを、メーカー説明書に従ってBio−Plex(BIO−Rad; Hercules, CA)で決定した。
ケラチノサイト培養物:初代包皮ケラチノサイト(KC)培養物を採取し、上述のとおり刺激した(Myles et al., Nature immunology 14, 804−811 (2013); published online EpubAug (10.1038/ni.2637))。1e7CFUの生きた共生グラム陰性菌をKC培地に加えた。24時間後にmRNAを抽出し、ΔΔCT法によるPCR解析を行った。
マウス:BALB/cマウスを、Taconic Farms(Hudson, NY)から購入した。8〜14週齢のマウスを使用した。オスとメスの両方のマウスで実験を行ったが、年齢と性別は各実験内で一致していた。
経皮水分損失(TEWL)の測定:マウスの毛を剃り、毛を化学的に除去した(Nair)。その翌日から、およそ1e7CFUの生きた細菌を毎日、むき出しの領域(nude areas)に置いた。接種の直前に、TEWLを、メーカーの説明書に従ってVapoMeter(Delfin;Greenwich, CT)で毎日測定した。
MC903および耳の接種:ADのMC903マウスモデルを上述のとおり行った(Wang et al., The Journal of allergy and clinical immunology 135, 781−791 e783 (2015); published online (Epub) Mar (10.1016/j.jaci.2014.09.015))。予防試験として、1e7CFUのグラム陰性菌を無菌のPBSに懸濁させ、10mcLの量をマウスの耳に滴らせた。MC903の2日前に接種を開始し、MC903曝露中も継続した。まずMC903を配置し、エタノールを2〜5分間蒸発させてから、細菌分離株を配置した。耳の厚さを14日目に測定した。mRNA単離およびPCRを上述のとおりに行った(Myles et al., 2013, supra)。黄色ブドウ球菌の同時接種を用いた実験では、黄色ブドウ球菌の1e6CFUのSAAS9株を、グラム陰性分離株の接種の直前に、耳の上に滴らせた。14日間毎日、マウスをMC903に曝露させ、および13〜15日目に1e7CFUのグラム陰性菌を接種することによって、処置試験を行った。21日目に耳の厚さを測定し、写真を撮った。
血清の総IgE分析:MC903処置の14日目に血清を採取した。商用のキット(Bethyl Laboratories, Montgomery, TX)を使用して、総IgEを上述のとおりに判定した(Myles, Nutrition journal 13, 61 (2014)10.1186/1475−2891−13−61))。
統計:Prism software(GraphPad, San Diego, CA)を用いて、多数のサンプルを比較するための両側独立t検定またはANOVAを使用して、平均値を比較した。NS=有意ではない、*=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001、****=p<0.0001。
試験の認可:すべての動物実験は、認可されたOffice of Animal Care and Useの手続きの下で行なわれた。すべてのヒトサンプルの採取および処理はIRBに認可された臨床治験下で行われ、被験体全員がサンプル採取に完全に同意した。参加者全員が研究プロトコルに対して書面での同意を提出し、および、採血に先立って治験審査委員会(IRB)の同意が得られた。
実施例2:皮膚の共生グラム陰性菌の微生物叢は、健康な対照とADを有する患者との間で異なる
遺伝子ベースのマイクロバイオーム同定により、AD患者と健康な対照との間で、グラム陰性の皮膚バイオームに有意差があることが明らかになった(4)。培地、抗生物質、および温度を適切に選択することでグラム陰性の皮膚細菌叢(skin flora)を培養するための方法により、CGN種の機能特性および比較が可能になった。26人の健常な被検者と比較して、17人のAD患者の皮膚に存在する培養可能な細菌に有意差が見られた(図1A;表1)。
遺伝子ベースのマイクロバイオーム同定により、AD患者と健康な対照との間で、グラム陰性の皮膚バイオームに有意差があることが明らかになった(4)。培地、抗生物質、および温度を適切に選択することでグラム陰性の皮膚細菌叢(skin flora)を培養するための方法により、CGN種の機能特性および比較が可能になった。26人の健常な被検者と比較して、17人のAD患者の皮膚に存在する培養可能な細菌に有意差が見られた(図1A;表1)。
健常な被検者(HV)で同定された主なグラム陰性種は、ロゼオモナス・ミュコーサであった。AD患者のおよそ半数は、培養可能なグラム陰性菌を有しておらず、DNAベースの分析と一致している(Kong et al., Genome research 22, 850−859 (2012); published online EpubMay (10.1101/gr.131029.111))。
実施例3:健常な被験者からのCGNは、黄色ブドウ球菌の成長を阻害する
異常増殖と黄色ブドウ球菌への感染は両方とも、ADに特徴的な免疫の不均衡および不十分なバリア機能の要因であると共に、それらの結果でもある。黄色ブドウ球菌は、アレルギーの肥満細胞(allergic mast cells)(Schlievert et al., J Allergy Clin Immunol 125, 39−49 (2010); published online (EpubJan) (10.1016/j.jaci.2009.10.039; Nakamura et al., Nature 503, 397−401 (2013); published online (Epub) Nov 21 (10.1038/nature12655))およびT細胞( Brauweiler et al., The Journal of investigative dermatology 134, 2114−2121 (2014); published online (Epub) Aug (10.1038/jid.2014.43))を直接活性化することができる。抗生物質による処置は、黄色ブドウ球菌量を減らし、症状を改善することができるが、基礎病理を正常化することはない(Boguniewicz and Leung, J Allergy Clin Immunol 132, 511−512 e515 (2013); published online (Epub) Aug (10.1016/j.jaci.2013.06.030))。黄色ブドウ球菌に対するCGN株の影響を評価するために、黄色ブドウ球菌の複数の分離株を、CGNの培養物からの上清の存在下で成長させた。平均では、HV−CGNからの上清は、黄色ブドウ球菌をほぼ50%阻害した(図1B;図4)。対照的に、AD−CGNは、より変動しやすい効果を有し、ほとんどの株は阻害に失敗した(図1B;図4)。阻害性CGN上清からの黄色ブドウ球菌の新しい培地への再接種は、正常な成長を可能にし、殺菌作用ではなく静菌作用を示唆した。このインビトロ分析と一致して、マウスの耳へのCGNと黄色ブドウ球菌の同時接種は、黄色ブドウ球菌の収量も減らした(図1C)。この阻害は、脂質リゾホスファチジルコリン(LPC)の生成に関連しており、および市販で購入したLPC(図8のB)を使用して反復され、本発明の細菌特有の特徴が可能性のある臨床的有益性に関係していることを示した。
異常増殖と黄色ブドウ球菌への感染は両方とも、ADに特徴的な免疫の不均衡および不十分なバリア機能の要因であると共に、それらの結果でもある。黄色ブドウ球菌は、アレルギーの肥満細胞(allergic mast cells)(Schlievert et al., J Allergy Clin Immunol 125, 39−49 (2010); published online (EpubJan) (10.1016/j.jaci.2009.10.039; Nakamura et al., Nature 503, 397−401 (2013); published online (Epub) Nov 21 (10.1038/nature12655))およびT細胞( Brauweiler et al., The Journal of investigative dermatology 134, 2114−2121 (2014); published online (Epub) Aug (10.1038/jid.2014.43))を直接活性化することができる。抗生物質による処置は、黄色ブドウ球菌量を減らし、症状を改善することができるが、基礎病理を正常化することはない(Boguniewicz and Leung, J Allergy Clin Immunol 132, 511−512 e515 (2013); published online (Epub) Aug (10.1016/j.jaci.2013.06.030))。黄色ブドウ球菌に対するCGN株の影響を評価するために、黄色ブドウ球菌の複数の分離株を、CGNの培養物からの上清の存在下で成長させた。平均では、HV−CGNからの上清は、黄色ブドウ球菌をほぼ50%阻害した(図1B;図4)。対照的に、AD−CGNは、より変動しやすい効果を有し、ほとんどの株は阻害に失敗した(図1B;図4)。阻害性CGN上清からの黄色ブドウ球菌の新しい培地への再接種は、正常な成長を可能にし、殺菌作用ではなく静菌作用を示唆した。このインビトロ分析と一致して、マウスの耳へのCGNと黄色ブドウ球菌の同時接種は、黄色ブドウ球菌の収量も減らした(図1C)。この阻害は、脂質リゾホスファチジルコリン(LPC)の生成に関連しており、および市販で購入したLPC(図8のB)を使用して反復され、本発明の細菌特有の特徴が可能性のある臨床的有益性に関係していることを示した。
実施例4:健常な被験者からのCGNは、ヒトにおける自然免疫を誘導する
これらの細菌に対するインビボのヒト皮膚の免疫の反応性を測定するために、健常な被験者の前腕で吸引水疱を引き起こし、上皮の水疱の頂部を、上述されるのと同様の方法で除去した(図5のA)((Follin and Dahlgren, Methods in molecular biology 412, 333−346 (2007)10.1007/978−1−59745−467−4_22)。チャレンジチャンバー(図5のC)を使用し、黄色ブドウ球菌阻害の違いに基づいて選択された、HVまたはADのいずれかに由来する致死的に照射されたロゼオモナス・ミュコーサ分離株に、皮膚の水疱基部を接触させた(図1B)。
これらの細菌に対するインビボのヒト皮膚の免疫の反応性を測定するために、健常な被験者の前腕で吸引水疱を引き起こし、上皮の水疱の頂部を、上述されるのと同様の方法で除去した(図5のA)((Follin and Dahlgren, Methods in molecular biology 412, 333−346 (2007)10.1007/978−1−59745−467−4_22)。チャレンジチャンバー(図5のC)を使用し、黄色ブドウ球菌阻害の違いに基づいて選択された、HVまたはADのいずれかに由来する致死的に照射されたロゼオモナス・ミュコーサ分離株に、皮膚の水疱基部を接触させた(図1B)。
20〜24時間の刺激の後、IL−6の水疱サイトカインレベル(図2のA−2のB)は、AD患者由来のもの(図2のA−2のB)と比較して、HVのロゼオモナス・ミュコーサに応じて有意に高かった。インターロイキン(IL)−17、インターフェロンガンマ(IFNγ)、またはIL−4(図2のA)などの従来のTh(Tヘルパー)サイトカインのレベルに差異はなく、他の多くのサイトカイン(図6のA)または抗菌性ペプチド(図6のB)のレベルにも有意差はなかった;しかし、適応性のあるT細胞サイトカインは、より遅い時点でも測定されるべきである。インビトロの生きているCGNの複数の分離株によるヒト包皮由来の初代ケラチノサイト(KC)の感染は、KC自然免疫マーカーに対する異なる分離株の変動しやすい効果を示すが、AD−CGNと比較して、HV−CGNは、ディフェンシンβ4A(図7A)、および上流の修飾因子(Miller et al., Dermatologic therapy 23, 13−22 (2010); published online (Epub) Jan−Feb (10.1111/j.1529−8019.2009.01287.x); Schauber and Gallo, Experimental dermatology 17, 633−639 (2008); published online (Epub) Aug (10.1111/j.1600−0625.2008.00768.x).)、CYP27b1(ビタミンD転換酵素;図7B)、ビタミンD受容体(VDR)(図7C)、および抗菌ペプチドカテリシジン(図7D)のmRNA存在量を増やした。IL−1βまたはIL−6の転写レベルに差異はなかった(図7E−7F)。CD14、IL−8、腫瘍壊死因子α(TNFα)、トール様受容体(TLR)2、TLR3、TLR4、TLR9、または胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)のmRNA存在量にも差異はなく、および、黄色ブドウ球菌を阻害し、かつKCを活性化する分離株の能力に明白な相関はなかった。
実施例5:健常な被験者からのCGNは、マウスにおけるバリア機能を保全する
ADのバリア機能の損失は、経皮水分損失(TEWL)(Boguniewicz et al., J Allergy Clin Immunol 125, 4−13; quiz 14−15 (2010); published online (Epub) Jan (10.1016/j.jaci.2009.11.027))および抗原に対する皮膚感作(Pyun, Allergy, asthma & immunology research 7, 101−105 (2015); published online (Epub) Mar (10.4168/aair.2015.7.2.101))ゆえに、乾燥した敏感肌をもたらす。患者のサブセットでは、このバリア欠損は、タイトジャンクション構成タンパク質フィラグリンの機能不全に関連する(Bantz et al., Journal of clinical & cellular immunology 5, (2014); published online (Epub) Apr (10.4172/2155−9899.1000202))。ヒト水疱試験で使用される代表的なHV−CGN分離株を、健康なマウスの耳に局所適用することにより、AD−CGN分離株(図2のC)と比較して、耳の紅斑または厚さが顕著に変化することなく、フィラグリンの転写レベルが高まった。AD−CGNの適用はTEWLを増大させ、一方でHV−CGNは効果がなかった(図2のD)。まとめると、健康な状態に関連するCGNの株は、ビタミンDの活性化、自然免疫の刺激、およびバリア機能の保全に関する、潜在的に有益な免疫効果を引き起こすことが、これらのデータにより示唆される。
ADのバリア機能の損失は、経皮水分損失(TEWL)(Boguniewicz et al., J Allergy Clin Immunol 125, 4−13; quiz 14−15 (2010); published online (Epub) Jan (10.1016/j.jaci.2009.11.027))および抗原に対する皮膚感作(Pyun, Allergy, asthma & immunology research 7, 101−105 (2015); published online (Epub) Mar (10.4168/aair.2015.7.2.101))ゆえに、乾燥した敏感肌をもたらす。患者のサブセットでは、このバリア欠損は、タイトジャンクション構成タンパク質フィラグリンの機能不全に関連する(Bantz et al., Journal of clinical & cellular immunology 5, (2014); published online (Epub) Apr (10.4172/2155−9899.1000202))。ヒト水疱試験で使用される代表的なHV−CGN分離株を、健康なマウスの耳に局所適用することにより、AD−CGN分離株(図2のC)と比較して、耳の紅斑または厚さが顕著に変化することなく、フィラグリンの転写レベルが高まった。AD−CGNの適用はTEWLを増大させ、一方でHV−CGNは効果がなかった(図2のD)。まとめると、健康な状態に関連するCGNの株は、ビタミンDの活性化、自然免疫の刺激、およびバリア機能の保全に関する、潜在的に有益な免疫効果を引き起こすことが、これらのデータにより示唆される。
実施例6:健常な被験者からのCGNは、ADのマウスモデルにおける結果を改善する
マウスの耳に適用されると、MC903、ビタミンD類似体は、AD様皮膚炎を引き起こす(22)。HV供給ロゼオモナス・ミュコーサ分離株の同時適用は、耳の厚さにより測定されるように、MC903誘発性皮膚炎の発症を防いだ(図3A)。対照的に、AD供給ロゼオモナス・ミュコーサ分離株は、KC活性化(図7A−G)および黄色ブドウ球菌阻害(図1B)に対するHV供給緑膿菌の影響にもかかわらず、HV供給緑膿菌(図3A)のように疾患発症を防ぐことはできなかった。AD供給ロゼオモナス・ミュコーサの適用は、血清IgE誘発を高めたが、HV供給ロゼオモナス・ミュコーサは有意な影響を全く示さなかった(図3B)。健康なマウスの耳への接種と一致して、フィラグリンの転写レベルは、AD供給ロゼオモナス・ミュコーサに曝露させたMC903処置マウスにおいて有意に低かった(図9)。
マウスの耳に適用されると、MC903、ビタミンD類似体は、AD様皮膚炎を引き起こす(22)。HV供給ロゼオモナス・ミュコーサ分離株の同時適用は、耳の厚さにより測定されるように、MC903誘発性皮膚炎の発症を防いだ(図3A)。対照的に、AD供給ロゼオモナス・ミュコーサ分離株は、KC活性化(図7A−G)および黄色ブドウ球菌阻害(図1B)に対するHV供給緑膿菌の影響にもかかわらず、HV供給緑膿菌(図3A)のように疾患発症を防ぐことはできなかった。AD供給ロゼオモナス・ミュコーサの適用は、血清IgE誘発を高めたが、HV供給ロゼオモナス・ミュコーサは有意な影響を全く示さなかった(図3B)。健康なマウスの耳への接種と一致して、フィラグリンの転写レベルは、AD供給ロゼオモナス・ミュコーサに曝露させたMC903処置マウスにおいて有意に低かった(図9)。
CGNの治療上の潜在力を試験するために、AD様皮膚炎をMC903で誘発し、その後、3日間毎日CGNを接種した。HV−ロゼオモナス・ミュコーサによる処置は、耳の厚さおよび目に見える赤みの減少と関連している(図3C−3D)。生きたバイオセラピューティックが必要であるか否か、または、表面因子および分泌因子が単独で同様の結果をもたらすか否かを評価するために、上清に懸濁された、致死的に照射されたHV−CGNの同等のCFU濃度を適用した。この「死んだ混合物」も上清も、単独ではいかなる有益性をもたらすことはなく、各々が耳の厚さを増加させた(図3C−3D)。
ゲノムワイド関連解析(Barnes et al., J Allergy Clin Immunol 125, 16−29 e11−11; quiz 30−11 (2010); published online (Epub) Jan (10.1016/j.jaci.2009.11.008))および黄色ブドウ球菌の特性評価がADの病因を解明しているが、多くの原因の根本が謎のままである。宿主応答および黄色ブドウ球菌のコロニー形成を標的とする現在の治療アプローチは、AD症状を有意に改善することが可能であるが、成功した場合であっても、これらの処置は治癒的なものではなく、患者とその家族にかなりの感情的な犠牲を求める(24)。本明細書で開示される試験は、ADで報告された腸内菌共生バランス失調が、関連する所見であるだけでなく、病理の要因であり得ることを証明する。健康な対照から単離されたロゼオモナス・ミュコーサの株は、ADの多くの特徴に影響を与え、バリア機能を改善し、自然活性化(innate activation)を増強し、および黄色ブドウ球菌の成長を制限することができる。他のグラム陰性菌は同様の効果をもたらすことができた。
グラム陰性のV.フィリフォルミス(V.filiformis)溶解物をスキンクリームに添加することで、AD処置における利点をもたらすことができる(Gueniche et al., The British journal of dermatology 159, 1357−1363 (2008); published online (Epub) Dec (10.1111/j.1365−2133.2008.08836.x)。しかし、死んだロゼオモナス・ミュコーサの有効性の欠如は、生きた共生生物を含まない単離された分泌産物および/または表面産物の使用が、有益性をもたらさない場合があることを示唆する。理論によって制限されることなく、宿主共生動物の動的な相互作用がロゼオモナス・ミュコーサの臨床的有用性に求められる場合もあり、および、コロニー形成の可能性は、限定的な再適用の利点およびさらなる生理学的薬物動態を提供する。
実施例7:健常な被験者からのロゼオモナス・ミュコーサの医薬製剤の生成
3人の健常なヒト被験者(HV)から得たロゼオモナス・ミュコーサの3つの分離株を、最少培地(R2Aブロス、Teknova;あるいはハンクス緩衝塩溶液、HBSS、Gibco)において24〜48時間成長させた。黄色ブドウ球菌の成長を阻害し、ヒトケラチノサイト中のビタミンD経路を活性化し、およびADのマウスモデルにおける結果を改善する能力に基づいて、分離株を選択した。ゲノム配列決定をすべての株で実施し、遺伝性の臨床的に有意な抗生物質耐性遺伝子が存在しなかったことを確認した。細菌細胞をPBS(Gibco)で3回洗浄し、水中の10%〜15%のスクロースに再懸濁させ、109CFU/mlの濃度にした。階段希釈を10%〜15%のスクロースにおいて実施し、1ml当たり104、105、および106のストックを生成した。希釈した細菌のサンプルのアリコートをR2A寒天(Remel)上でプレーティングし、32°Cで48−72時間インキュベートし、凍結乾燥前のCFU濃度を測定した。開始CFU値は、予測された濃度の90%−105%であった。800ml(成人)または1.5ml(小児)の細菌溶液を、凍結乾燥(Labconco)前に、1.5mlの琥珀色ガラスのバイアル(Wheaton;成人)または3mlの自給式噴霧器システム(Discount Vials;小児)中で冷凍した。患者に分配されるまで、バイアル/噴霧器を密封し、標識し、−70°Cで保存した。
3人の健常なヒト被験者(HV)から得たロゼオモナス・ミュコーサの3つの分離株を、最少培地(R2Aブロス、Teknova;あるいはハンクス緩衝塩溶液、HBSS、Gibco)において24〜48時間成長させた。黄色ブドウ球菌の成長を阻害し、ヒトケラチノサイト中のビタミンD経路を活性化し、およびADのマウスモデルにおける結果を改善する能力に基づいて、分離株を選択した。ゲノム配列決定をすべての株で実施し、遺伝性の臨床的に有意な抗生物質耐性遺伝子が存在しなかったことを確認した。細菌細胞をPBS(Gibco)で3回洗浄し、水中の10%〜15%のスクロースに再懸濁させ、109CFU/mlの濃度にした。階段希釈を10%〜15%のスクロースにおいて実施し、1ml当たり104、105、および106のストックを生成した。希釈した細菌のサンプルのアリコートをR2A寒天(Remel)上でプレーティングし、32°Cで48−72時間インキュベートし、凍結乾燥前のCFU濃度を測定した。開始CFU値は、予測された濃度の90%−105%であった。800ml(成人)または1.5ml(小児)の細菌溶液を、凍結乾燥(Labconco)前に、1.5mlの琥珀色ガラスのバイアル(Wheaton;成人)または3mlの自給式噴霧器システム(Discount Vials;小児)中で冷凍した。患者に分配されるまで、バイアル/噴霧器を密封し、標識し、−70°Cで保存した。
1つのバッチ当たり3つのアリコートを滅菌水中で再構成し、階段希釈後にプレーティングし、凍結乾燥後のCFU濃度を測定した。生存率は、凍結乾燥後の開始CFUの93%〜99%であった。これらのアリコートも、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地(BD Bioscience)、サブローデキストロース寒天培地(Remel)、マッコンキー寒天培地(BD Bioscience)、キシロースリジン寒天培地(Remel)、チャコール寒天(charcoal agar)(BD Bioscience)、およびマンニット食塩培地(Remel)上でプレーティングし、USP61/62に従って汚染細菌の存在について評価した。汚染は、ロゼオモナス処置のどのバッチでも見られなかった。
実施例8:健常な被験者からのロゼオモナス・ミュコーサコンソーシア(consortia)の特徴付け
実施例7で得られたロゼオモナス・ミュコーサの3つの分離株からのゲノムを、それらの配列を確認するためのアッセイを識別するべく、配列決定および評価した。3つの分離株の各々に固有の配列の領域を、表2に示されるように同定した(各株に固有の塩基は、太字で下線が引かれている)。
実施例7で得られたロゼオモナス・ミュコーサの3つの分離株からのゲノムを、それらの配列を確認するためのアッセイを識別するべく、配列決定および評価した。3つの分離株の各々に固有の配列の領域を、表2に示されるように同定した(各株に固有の塩基は、太字で下線が引かれている)。
株に特異的な変異が特定された領域を増幅するように、プライマーを設計した。カスタムTaqMan(登録商標)SNP遺伝子型判定アッセイ、非ヒト、SMキット、およびプロトコルを使用して、各株の検出のための分析を実施した。簡潔に言えば、各分離株からのDNAをPCRにかけ、ここで、プライマーは、SEQ ID NO:4(CACCGGACAGCAGGCT)、SEQ ID NO:5(GCGGTGGCTTAGCATCATC)であった。増幅産物を対立遺伝子識別アッセイに供した。第1の比較では、以下のレポーターを使用した:SEQ ID NO:6(CACCCCATCCTCG)およびSEQ ID NO:7(CACCCCGTCCTCG)。これはA/Gの対立遺伝子識別アッセイであった。RM−A分離株およびRM−C分離株からの増幅産物をスクリーニングした結果が、図10Aに示される。第2の比較では、以下のレポーターを使用した:SEQ ID NO:8(CCCTCCACCCCATCCT)およびSEQ ID NO:9(CCCTCCACTCCATCCT)。これはT/Cの対立遺伝子識別アッセイであった。RM−A分離株およびRM−B分離株からの増幅産物をスクリーニングした結果が、図10Bに示される。その結果において見ることができるように、アッセイの組み合わせは、各株の同一性を確認するための明確なツールを提供した。
ロゼオモナスの3つの株の配列決定分析により、各々が、株特異的アンプリコンを生成するためのプライマーを使用したPCRにより検出可能な、特定の遺伝子配列を有することが示された。3つの株の固有の遺伝子領域についてのサンガー法シーケンシングの結果が、表3で提供される。
2つのプライマーのセットを各株ごとに同定し、そのプライマーをグループ化して、PCRとその後のサンガー法シーケンシングを多重化し、各株を確認した(データは示されず)。各マルチプレックスアッセイで使用されるプライマーが、表4に表記される。増幅試薬は、ThermoFisherのPlatinum Taqを含んでいた(メーカーの提案に従った、3つの株の各々からのすべてのgDNAを有する6つのプライマーすべてを有する25μlの総反応量)。増幅を以下のサイクル条件下で実施した:(a)96°Cで3分間と;(b)(i)94°Cで30秒間;(ii)60°Cで30秒間;ならびに、(iii)72°Cで75秒間の30サイクルと;(c)72°Cで3分間の最終伸長と;および、(d)4°Cの保持。
実施例9:成人および小児の被験体におけるロゼオモナス・ミュコーサコンソーシアの投与
被験体において試験を実施し、アトピー性皮膚炎(AD)を有する被験体における、ロゼオモナス・ミュコーサコンソーシアの分離株RM−A、RM−B、およびRM−C(実施例7で得られ、実施例8で特徴付けられた)の投与と、プラセボの投与を比較した。
被験体において試験を実施し、アトピー性皮膚炎(AD)を有する被験体における、ロゼオモナス・ミュコーサコンソーシアの分離株RM−A、RM−B、およびRM−C(実施例7で得られ、実施例8で特徴付けられた)の投与と、プラセボの投与を比較した。
A)被験体。SCORAD(アトピー性皮膚炎のための確立されたスコアリングアルゴリズム)値を、標準的なアプローチ下で決定した。関与する表面積および疾患の強度を観察した。被験体は、そう痒と睡眠障害の主観的値を提供した。包含基準を満たすためには、被験体は、10以上のSCORAD値を有し、前肘窩および/または前腕上に存在する疾患を有し、および、以前に標準治療を試みたことがある必要がある。肘前の特定のSCORADに対する値は、前肘部のそう痒について被験体から報告された主観的なスコア(0〜10のスコア)に、前肘部の強度値(乾燥、紅斑、浮腫、滲出(oozing)、擦過傷、および苔癬化について、0〜3のスコア)を加えることにより得られた。前肘窩を、上述されるようにグラム陰性細菌の存在についてスワブで拭き取った。2mlのトリプシンブロス(Remel)においてスワブを30秒間ボルテックスし、血液寒天プレート(Remel)上に100μlをプレーティングすることにより、黄色ブドウ球菌とCNSの負荷を決定した。翌日、コロニー数を数え、その数に20を掛けて2mlの採取量の総CFUを求め、その後、両腕間の値を平均した。黄色ブドウ球菌のコロニー数をCNSのコロニー数で割ることにより、黄色ブドウ球菌の相対存在量を得た。被験体は、18歳以上(成人のコホート)あるいは7〜17歳(小児のコホート)であり;(b)少なくとも10のSCORADを有し;(c)前肘窩の積極的関与を伴うADであると医師により診断され;(d)将来の研究のために血液の保管を快諾し;(e)その他の皮膚病の既往歴がなく;(f)登録の少なくとも6ヶ月前に標準治療を開始したか、または試みており;および、(g)必要であれば、適切な避妊法を使用することに同意する。主要評価項目は、(a)非自発的および自発的な有害事象、重篤な有害事象、ならびに死亡の頻度;および、(b)局所的または総SCORADの50%の減少であった。副次的評価項目(小児のコホートにのみ適用可能)は、(a)Children’s Dermatology Life Quality Index(CDLQI)の30%の改善;および、(b)Family DermatologyLife Quality Index (FDLQI)の30%の改善であった。
B)投与および適用。ロゼオモナス・ミュコーサに対する遅い成長、および、先の投与が定常期に達する前に、新しい細菌の適用を避けたいという要求のために、週に2度回の投与を選択した。成人患者に、2mlの滅菌水(Wheaton)のバイアルを提供した。1mlのシリンジ(BD Bioscience)を使用して800μlを吸引するように、成人を訓練した。800μlの水を凍結乾燥された細菌のバイアルに注入し、栓を交換し、バイアルをおよそ1分間穏やかに振盪した。その後、患者は、200〜250μlの再構成した細菌溶液を吸引し、アトマイザーの先端をシリンジ(MAD300、Teleflex)に設置した。その溶液を片方の腕の肘前/前腕部位上に噴霧し、その後、反対の腕で繰り返した。被験体は、処置した領域を文書で記録している限り、残る300−400μlの溶液を追加の体表面積上で使用することを許可された。合計で、被験体は、合計6週間にわたって、1適用を週2回投与した。最初の2週間、患者は104CFU/mlのバイアルを再構成した;したがって、200−250μlの適用は、表面積当たり2×103〜2.5×103の総細菌コロニーの処置用量を示した。遠隔の経過観察を行って処置による合併症がないことを確実に確認した後、患者は、表面積当たり2×104〜2.5×104細菌コロニーでの、その後、最終的には、表面積当たり2×105〜2.5×105の総細菌コロニーでの、2週間の処置に進んだ。
小児の被験体に、自給式噴霧器システム(Discount Vials)において凍結乾燥された細菌を提供した。1.5mlの滅菌水の点眼器(United States Plastic Corp))が提供された。各投与について、患者または患者の親は、点眼器の内容物を噴霧器バイアルにすべて移し、再構成のために2〜5分待ってから、噴霧するように指示された。3回のポンプ噴霧が成人の治験で適用された250μlを反映するように、噴霧器を計量した。CFU/mlの投与濃度は成人の投与量と同一であった。成人と同様に、小児の被験体は、最初の3ヶ月間は週に2回の処置を適用し、その後、最終月は1日おきの処置を適用した。用量漸増は、安全性評価後に4週間毎に行った。
C)ロゼオモナス・ミュコーサコンソーシアは、成人における臨床効果および安全性と関連していた。生ロゼオモナス・ミュコーサの漸増する用量を含有するスクロース溶液を、6週間にわたって週2回、局所的に適用し、その後、4週間のウォッシュアウト期が続いた(図11のA)。被験体の両側の前肘窩、および被験体が選択した1つの追加の体表面への局所適用に十分な量を、10人の成人被験体に提供した。SCORADスケールを使用してADの重症度を評価した。被験体の前肘窩の登録培養物(Enrollment cultures)は、グラム陰性細菌を産出しなかった。
処置は、客観的強度(図11のB)、主観的な局所的そう痒(図11のC)、および肘前に固有のSCORAD(図11のD)の有意な減少に関連した。被験体は、積極的治療の間、それらの在宅レジメンを維持するように指示された。しかし、ウォッシュアウト期の終わりまでに、ロゼオモナス・ミュコーサ処置のステロイド減量効果は明らかであった(図11のE)。一部の被験体は、前肘部外の処置(未処置でない)部位における応答を経験し(データは示されず)、処置部位から未処置の部位への任意の受身伝達は、応答を生成するのに不十分であったことを示唆している。両側の表面が処置された時、応答は両側間で等しかった(データは示されず)。手の処置は、肘前が改善された被験体でさえ、臨床的有用性と関連していなかった(データは示されず)。
D)ロゼオモナス・ミュコーサコンソーシアは、小児における臨床効果および安全性と関連していた。5人の小児被験体(9〜14歳)を同様のプログラム下で評価した(図12のA)。成人のコホートと同様に、非自発的または自発的な有害事象はなかった。成人被験体の非自発的事象に加えて、被験体を、SCORADの悪化(患部において、登録から>20%の増加)、およびかゆみの悪化(登録時に対して、そう痒スコアの>20%の増加)について評価した。差異、化学パネル(chemistry panel)、肝酵素、ミネラルパネル、ならびに、赤血球沈降速度とC反応性タンパク質を用いた全血球計算の臨床検査値を、小児のコホートについて追跡したが、有害な変化は示されなかった(データは示されず)。10%の真率で有害事象を検出するために、組み合わせたコホートに動力を供給した。
小児のコホートを16週間にわたって週2回処置し、すべての関与する体表面を処置するのに十分な溶液を提供した。成人の局所的なデータと同様に、小児被験体の処置は、SCORAD(図12のB−12のC)、そう痒(図12のD)、およびステロイド使用(図12のE)の有意な減少と関連している。さらに、成人のデータと一致し、かつ総SCORADに反映されるように、前肘部外の処置も改善に関連していた(データは示されず)。小児被験体全員が、黄色ブドウ球菌でコロニー形成された(図12のF)。処置は、肘前(図12のF)と膝窩の両方における黄色ブドウ球菌培養負荷(culture burden)の減少(データは示されず)、およびコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)に対する黄色ブドウ球菌の割合(データは示されず)に関連していた。
組み合わせた15人の被験体のうち10人(66.7%)は、局所的または総SCORAD(P=0.016)の50%を超える改善閾値を達成した。コホートの組み合わせた平均改善は、63.9%であり;レスポンダーは平均84.1%の改善、およびノンレスポンダーは平均21.7%の改善であった。
本発明の原理が適用され得る多くの可能な実施形態の観点から、例示された実施形態は本発明の例にすぎず、本発明の範囲を制限すると考えられるべきでないことを認識されたい。
Claims (48)
- 医薬組成物であって、前記医薬組成物は:
SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、またはSEQ ID NO:3の核酸配列を含む、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株と;
薬学的に許容可能な担体と、を含む、
医薬組成物。 - 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:1の核酸配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:2の核酸配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:3の核酸配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の核酸配列を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、またはRM−Cを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は分離株RM−Aを含む、請求項6に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は分離株RM−Bを含む、請求項6に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−Cを含む、請求項6に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、またはRM−Cである、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は分離株RM−Aである、請求項10に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は分離株RM−Bである、請求項10に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は分離株RM−Cである、請求項10に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、およびRM−Cからなる、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、104〜1012のコロニー形成単位の総量で存在する、請求項1−14のいずれか1つに記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物は局所剤形である、請求項1−15のいずれか1つに記載の医薬組成物。
- 前記局所剤形は、クリーム、ゲル、フォーム、軟膏、ローション、または液体である、請求項16に記載の医薬組成物。
- 請求項1−17のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む、包帯。
- 請求項1−17のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む、スプレーボトル。
- アトピー性皮膚炎を処置するための方法であって、前記方法は:
被験体にロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株を局所的に投与する工程を含み、ここで、前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、またはSEQ ID NO:3の核酸配列を含み、および、前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、前記被験体のアトピー性皮膚炎の処置に十分な量で存在する、
方法。 - 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、噴霧により局所的に投与される、請求項20に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、週に少なくとも2回、前記被験体に局所的に投与される、請求項20に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、一週間にわたって毎日、前記被験体に局所的に投与される、請求項20に記載の方法。
- 前記被験体は、成人、小児、または幼児である、請求項20に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、およびSEQ ID NO:3の核酸配列を含む、請求項20に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、またはRM−Cを含む、請求項20に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、またはRM−Cである、請求項20に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、分離株RM−A、RM−B、およびRM−Cからなる、請求項20に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、104〜1012のコロニー形成単位の総量で存在する、請求項20に記載の方法。
- アトピー性皮膚炎を処置するためのキットであって、前記キットは:
a)請求項1〜17のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む容器と;
b)薬学的に許容可能な担体を含む容器と;
c)前記薬学的に許容可能な担体とともに前記医薬組成物を皮膚に局所的に適用するための説明書と、を含む、
キット。 - 医薬組成物であって、前記医薬組成物は:
SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、またはSEQ ID NO:12の核酸配列を含む、ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株と;
薬学的に許容可能な担体と、を含む、
医薬組成物。 - 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:10の核酸配列を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:11の核酸配列を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:12の核酸配列を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の核酸配列を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、104〜1012のコロニー形成単位の総量で存在する、請求項31〜35のいずれか1つに記載の医薬組成物。
- 前記医薬組成物は局所剤形である、請求項31〜36のいずれか1つに記載の医薬組成物。
- 前記局所剤形は、クリーム、ゲル、フォーム、軟膏、ローション、または液体である、請求項37に記載の医薬組成物。
- アトピー性皮膚炎を処置するための方法であって、前記方法は:
被験体にロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株を局所的に投与する工程を含み、ここで、前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、またはSEQ ID NO:12の核酸配列を含み、および、前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、前記被験体のアトピー性皮膚炎の処置に十分な量で存在する、
方法。 - 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、噴霧により局所的に投与される、請求項39に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、週に少なくとも2回、前記被験体に局所的に投与される、請求項39に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、一週間にわたって毎日、前記被験体に局所的に投与される、請求項39に記載の方法。
- 前記被験体は、成人、小児、または幼児である、請求項39に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、およびSEQ ID NO:12の核酸配列を含む、請求項39に記載の方法。
- 前記ロゼオモナス・ミュコーサの少なくとも1つの株は、104〜1012のコロニー形成単位の総量で存在する、請求項39に記載の方法。
- 請求項31−38のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む、包帯。
- 請求項31−38のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む、スプレーボトル。
- アトピー性皮膚炎を処置するためのキットであって、前記キットは:
a)請求項31〜38のいずれか1つに記載の医薬組成物を含む容器と;
b)薬学的に許容可能な担体を含む容器と;
c)前記薬学的に許容可能な担体とともに医薬組成物を皮膚に局所的に適用するための説明書と、を含む、
キット。
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