本発明の第一の態様によると、ニコチン塩粒子を含むエアロゾルの発生のためにエアロゾル発生システムで使用するカートリッジが提供されている。カートリッジは、ニコチンで含浸された第一の担体材料を含むニコチン供与源を含有する第一の区画を備え、第一の区画は第一の空気吸込み口および第一の空気出口を有する。第一の区画は、第一の空気吸込み口と第一の空気出口の間で第一の担体材料の第一の表面を横切って延びる第一の気流経路を画定する。第一の区画は、第一の気流経路に直角を成す方向で幅を有する。カートリッジはまた、酸で含浸された第二の担体材料を含む酸供与源を含有する第二の区画を備え、第二の区画は第二の空気吸込み口および第二の空気出口を有する。第二の区画は、第二の空気吸込み口と第二の空気出口の間で第二の担体材料の第一の表面を横切って延びる第二の気流経路を画定する。第二の区画は、第二の気流経路に直角を成す方向で幅を有する。第一の区画および第二の区画は、カートリッジ内で平行に配設されている。第一の区画および第二の区画のうちの少なくとも一つの幅は、それぞれ第一の気流経路または第二の気流経路に沿った方向で変化する。
本発明に関連して本明細書で使用される「空気吸込み口」という用語は、空気が通ってカートリッジの構成要素または構成要素の部分の中に引き出されうる一つ以上の開口部を記述するために使用される。
本発明に関連して本明細書で使用される「空気出口」という用語は、空気が通ってカートリッジの構成要素または構成要素の部分から外に引き出されうる一つ以上の開口部を記述するために使用される。
第一の区画および第二の区画に関連して本明細書で使用される「平行」とは、使用時にカートリッジを通して引き出された第一の気流が、第一の空気吸込み口を通して第一の区画の中に通り、第一の区画を通して下流に、そして第一の空気出口を通して第一の区画の外に出るように、またカートリッジを通して引き出された第二の気流が、第二の空気吸込み口を通して第二の区画の中に通り、第二の区画を通して下流に、そして第二の空気出口を通して第二の区画の外に出るように、第一の区画と第二の区画がカートリッジ内に配設されていることを意味する。ニコチン蒸気は、第一の区画の中のニコチン供与源から、カートリッジを通して引き出された第一の気流の中に放出され、また酸蒸気は、第二の区画の中の酸供与源から、カートリッジを通して引き出された第二の気流の中に放出される。第一の気流中のニコチン蒸気は、第二の気流中の酸蒸気と気相で反応して、ニコチン塩粒子のエアロゾルを形成する。
本発明によるカートリッジは第一の区画および第二の区画を備え、第一の区画および第二の区画のうちの少なくとも一つの幅は、それぞれ第一の気流経路または第二の気流経路に沿った方向で変化する。
有利なことに、本発明の発明者らは、担体材料の表面を横切って気流経路に沿った方向で変化する幅を有する区画を使用することが、均一な幅を有する区画を備える周知のシステムと比較して、担体材料の厚さにおける製造公差の影響を低減または軽減することを認識した。言い換えれば、製造公差に起因する担体材料の厚さの均一な差異は、区画が担体材料の表面を横切る気流経路に沿って変化する幅を有する時、担体材料を含有する区画を通る体積空気流量に及ぼす影響を低減または軽減する。
有利なことに、本発明の発明者らは、担体材料の表面を横切る気流経路に沿った方向で変化する幅を有する区画を使用することが、担体材料を含有する区画を通る引き出し抵抗のより正確な制御を容易にすることを認識した。有利なことに、第一の区画および第二の区画のうちの少なくとも一つを通る引き出し抵抗のより正確な制御は、効率的な反応化学量論を促進する、ニコチン蒸気と酸蒸気の比の制御を容易にする。
第一の区画の幅は、第一の気流経路に沿った方向で変化し、また第二の区画の幅は、第二の気流経路に沿った方向で変化することが好ましい。有利なことに、第一の区画および第二の区画の各々に、それぞれの気流経路に沿って変化する幅を提供することは、第一の区画と第二の区画の両方を通る体積空気流量に及ぼす、担体材料の厚さにおける製造公差の影響を低減または軽減する場合がある。
第一の区画は、第一の担体材料が位置付けられている第一の壁を備えることが好ましい。第一の壁は、平面形状を有してもよい。第一の担体材料は、第一の担体材料の第一の表面の反対側の第二の表面を備えることが好ましい。第一の担体材料は、第一の担体材料の第二の表面にて、第一の区画の第一の壁に固定されていることが好ましい。第一の壁が平面形状を有する実施形態において、有利なことに平面形状は、第一の担体材料の第一の壁への取り付けを容易にする場合がある。
第一の区画は、第一の壁の反対側で、かつ第一の担体材料から離隔した第二の壁を備え、第一の気流経路は、第一の担体材料と第二の壁の間に少なくとも部分的に画定されていることが好ましい。第一の区画の幅は、第一の壁と第二の壁の間に延びる。
第二の壁は、平面形状を有してもよい。第一の区画が第一の気流経路に沿って変化する幅を有する実施形態において、第二の壁は第一の壁と非平行であってもよい。言い換えれば、第一の区画は、テーパー状の形状を有してもよい。
第一の区画が第一の気流経路に沿って変化する幅を有する実施形態において、第二の壁の少なくとも一部分は非平面形状を有してもよい。有利なことに、非平面の第二の壁は、第一の担体材料の厚さにおける製造公差の影響の低減または軽減を最適化する場合がある。第二の壁の少なくとも一部分は、凸形状、凹形状、起伏のある形状、多面形状、一つ以上のへこみ、および一つ以上の突出部のうちの少なくとも一つを有してもよい。第二の壁は、対称の形状を有してもよい。第二の壁は、非対称の形状を有してもよい。
第二の壁の少なくとも一部分が一つ以上の突出部を有する実施形態において、一つ以上の突出部は、任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。
一つ以上の突出部は各々、立方体形状を有してもよい。一つ以上の突出部は各々、ドーム形状を有してもよい。一つ以上の突出部は各々、半球形状を有してもよい。一つ以上の突出部は、第二の壁の少なくとも一部分にわたって格子状にまたは配列状に配設されてもよい。
一つ以上の突出部は、一つ以上の細長い隆起を備えてもよい。一つ以上の細長い隆起は、第一の気流経路に対して直角に延びることが好ましい。
第二の壁の少なくとも一部分が一つ以上のへこみを有する実施形態において、一つ以上のへこみは任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。
一つ以上のへこみは各々、立方体形状を有してもよい。一つ以上のへこみは各々、椀形状を有してもよい。一つ以上のへこみは各々、半球形状を有してもよい。一つ以上のへこみは、第二の壁の少なくとも一部分にわたって格子状にまたは配列状に配設されてもよい。
一つ以上のへこみは、一つ以上の細長い溝を備えてもよい。一つ以上の細長い溝は、第一の気流経路に対して直角に延びることが好ましい。
第二の壁の少なくとも一部分が多面形状を有する実施形態において、多面形状は、傾いた部分および下に傾いた部分のうちの少なくとも一つを備えてもよい。本明細書で使用される「傾いた部分」は、担体材料の表面を横切る気流経路に沿った気流の方向に区画の幅の直線状の減少を提供する壁の一部分である。本明細書で使用される「下に傾いた部分」は、担体材料の表面を横切る気流経路に沿った気流の方向に区画の幅の直線状の増大を提供する壁の一部分である。
第二の区画は、第二の担体材料が位置付けられている第三の壁を備えることが好ましい。第三の壁は、平面形状を有してもよい。第二の担体材料は、第二の担体材料の第一の表面の反対側である第二の表面を備えることが好ましい。第二の担体材料は、第二の担体材料の第二の表面にて、第二の区画の第三の壁に固定されていることが好ましい。第三の壁が平面形状を有する実施形態において、有利なことに平面形状は、第二の担体材料の第三の壁への取り付けを容易にする場合がある。
第二の区画は、第三の壁の反対側で、かつ第二の担体材料から離隔した第四の壁を備え、第二の気流経路は、第二の担体材料と第四の壁の間に少なくとも部分的に画定されていることが好ましい。第二の区画の幅は、第三の壁と第四の壁の間に延びる。
第四の壁は、平面形状を有してもよい。第二の区画が第二の気流経路に沿って変化する幅を有する実施形態において、第四の壁は第三の壁と非平行であってもよい。言い換えれば、第二の区画は、テーパー状の形状を有してもよい。
第二の区画が第二の気流経路に沿って変化する幅を有する実施形態において、第四の壁の少なくとも一部分は非平面形状を有してもよい。有利なことに、非平面の第四の壁は、第二の担体材料の厚さにおける製造公差の影響の低減または軽減を最適化する場合がある。第四の壁の少なくとも一部分は、凸形状、凹形状、起伏のある形状、多面形状、一つ以上のへこみ、および一つ以上の突出部のうちの少なくとも一つを有してもよい。第四の壁は、対称の形状を有してもよい。第四の壁は、非対称の形状を有してもよい。
第四の壁の少なくとも一部分が一つ以上の突出部を有する実施形態において、一つ以上の突出部は任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。
一つ以上の突出部は各々、立方体形状を有してもよい。一つ以上の突出部は各々、ドーム形状を有してもよい。一つ以上の突出部は各々、半球形状を有してもよい。一つ以上の突出部は、第四の壁の少なくとも一部分にわたって格子状にまたは配列状に配設されてもよい。
一つ以上の突出部は、一つ以上の細長い隆起を備えてもよい。一つ以上の細長い隆起は、第二の気流経路に対して直角に延びることが好ましい。
第四の壁の少なくとも一部分が一つ以上のへこみを有する実施形態において、一つ以上のへこみは任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。
一つ以上のへこみは各々、立方体形状を有してもよい。一つ以上のへこみは各々、椀形状を有してもよい。一つ以上のへこみは各々、半球形状を有してもよい。一つ以上のへこみは、第四の壁の少なくとも一部分にわたって格子状にまたは配列状に配設されてもよい。
一つ以上のへこみは、一つ以上の細長い溝を備えてもよい。一つ以上の細長い溝は、第二の気流経路に対して直角に延びることが好ましい。
第四の壁の少なくとも一部分が多面形状を有する実施形態において、多面形状は、傾いた部分および下に傾いた部分のうちの少なくとも一つを備えてもよい。
カートリッジは、第一の区画および第二の区画を画定するカートリッジハウジングを備えることが好ましい。第一の区画が第一の壁および第二の壁を備える実施形態において、カートリッジハウジングは、第一の壁および第二の壁を画定することが好ましい。第二の区画が第三の壁および第四の壁を備える実施形態において、カートリッジハウジングは、第三の壁および第四の壁を画定することが好ましい。
カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口、およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は各々、一つ以上の開口部を備えてもよい。例えば、カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口、およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は各々、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、または七つの開口部を備えてもよい。
カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口、およびカートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は、同一の数の開口部を備えてもよく、または異なる数の開口部を備えてもよい。
本発明に関連して本明細書で使用される「ニコチン」という用語は、ニコチン、ニコチン塩基、またはニコチン塩を記述するために使用される。第一の担体材料がニコチン塩基またはニコチン塩で含浸されている実施形態において、本明細書に列挙したニコチンの量は、それぞれニコチン塩基の量またはイオン化されたニコチンの量である。
第一の担体材料は、液体ニコチンまたは水性溶媒もしくは非水性溶媒中のニコチン溶液で含浸されてもよい。
第一の担体材料は、天然ニコチンまたは合成ニコチンで含浸されてもよい。
第一の担体材料および第二の担体材料は同一であってもよく、または異なっていてもよい。
有利なことに、第一の担体材料および第二の担体材料は、約0.1グラム/立方センチメートル〜約0.3グラム/立方センチメートルの密度を有する。
有利なことに、第一の担体材料および第二の担体材料は、約15パーセント〜約55パーセントの空隙率を有する。
第一の担体材料および第二の担体材料は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの一つ以上を含んでもよい。
第一の担体材料は、ニコチン用の貯蔵部として作用する。
有利なことに、第一の担体材料は、ニコチンに対して化学的に不活性である。
有利なことに、ニコチン供与源は、約1ミリグラム〜約50ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含む。
ニコチン供与源は、約3ミリグラム〜約30ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことが好ましい。ニコチン供与源は、約6ミリグラム〜約20ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことがより好ましい。ニコチン供与源は、約8ミリグラム〜約18ミリグラムのニコチンで含浸された第一の担体材料を含むことが最も好ましい。
有利なことに、カートリッジの第一の区画は風味剤をさらに含んでもよい。適切な風味剤としては、メントールが挙げられるが、これに限定されない。
有利なことに、第一の担体材料は、約3ミリグラム〜約12ミリグラムの風味剤で含浸されてもよい。
第二の担体材料の中に含浸された酸は、カルボン酸であることが好ましい。酸は乳酸であることが好ましい。
有利なことに、酸供与源は、約2ミリグラム〜約60ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことが好ましい。
酸供与源は、約5ミリグラム〜約50ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことが好ましい。酸供与源は、約8ミリグラム〜約40ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことがより好ましい。酸供与源は、約10ミリグラム〜約30ミリグラムの乳酸で含浸された第二の担体材料を含むことが最も好ましい。
カートリッジの第一の区画の形状および寸法は、望ましい量のニコチンがカートリッジの中に収容されることを可能にするように選ばれてもよい。
カートリッジの第二の区画の形状および寸法は、望ましい量の酸がカートリッジの中に収容されることを可能にするように選ばれてもよい。
第一の区画および第二の区画は、実質的に同一の形状およびサイズを有してもよい。
有利なことに、カートリッジは細長いカートリッジである。カートリッジが細長いカートリッジである実施形態において、カートリッジの第一の区画および第二の区画は、カートリッジの長軸方向軸を中心として対称的に配設されてもよい。
カートリッジは任意の適切な形状を有してもよい。例えば、カートリッジは実質的に円筒状であってもよい。
カートリッジは、任意の適切な横断断面形状を有してもよい。例えば、カートリッジの横断断面形状は、円形、半円形、楕円形、三角形、正方形、長方形、または台形であってもよい。
カートリッジは任意の適切なサイズを有してもよい。
例えば、カートリッジは、約5ミリメートル〜約50ミリメートルの長さを有してもよい。有利なことに、カートリッジは、約10ミリメートル〜約20ミリメートルの長さを有してもよい。
例えば、カートリッジは、約4ミリメートル〜約10ミリメートルの幅、および約4ミリメートル〜約10ミリメートルの高さを有してもよい。有利なことに、カートリッジは、約6ミリメートル〜約8ミリメートルの幅、および約6ミリメートル〜約8ミリメートルの高さを有してもよい。
本発明に関連して本明細書で使用される「近位」「遠位」「上流」および「下流」という用語は、カートリッジおよびエアロゾル発生システムの構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
本発明によるエアロゾル発生システムは近位端を備え、使用時にニコチン塩粒子のエアロゾルはユーザーへの送達のために、この近位端を通ってエアロゾル発生システムを出る。近位端はまた、口側端と呼ばれてもよい。使用時に、エアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを吸入するために、ユーザーはエアロゾル発生システムの近位端を吸う。エアロゾル発生システムは近位端の反対側に遠位端を備える。
ユーザーがエアロゾル発生システムの近位端で吸う時、空気はエアロゾル発生システムの中に引き出され、カートリッジを通過し、そしてその近位端にてエアロゾル発生システムを出る。エアロゾル発生システムの構成要素、または構成要素の部分は、エアロゾル発生システムの近位端と遠位端の間のそれらの相対的な位置に基づいて、互いに上流または下流にあるとして記述されてもよい。
カートリッジの第一の区画の第一の空気出口は、カートリッジの第一の区画の近位端に位置する。カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口は、カートリッジの第一の区画の第一の空気出口の上流に位置する。カートリッジの第二の区画の第二の空気出口は、カートリッジの第二の区画の近位端に位置する。カートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口は、カートリッジの第二の区画の第二の空気出口の上流に位置する。
本発明に関連して本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、カートリッジまたはエアロゾル発生システムの近位端と反対側の遠位端との間の方向を記述するために使用され、また「横断方向」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を記述するために使用される。
有利なことにカートリッジは、本体部分と、一つ以上の端キャップとを備える。
カートリッジは、本体部分と、遠位端キャップとを備えてもよい。
カートリッジは、本体部分と、近位端キャップとを備えてもよい。
カートリッジは、本体部分と、遠位端キャップと、近位端キャップとを備えてもよい。
カートリッジが遠位端キャップを備える実施形態において、カートリッジの第一の区画の第一の空気吸込み口を形成する一つ以上の開口部と、カートリッジの第二の区画の第二の空気吸込み口を形成する一つ以上の開口部とが、遠位端キャップに提供されてもよい。
カートリッジが近位端キャップを備える実施形態において、カートリッジの第一の区画の第一の空気出口を形成する一つ以上の開口部と、カートリッジの第二の区画の第二の空気出口を形成する一つ以上の開口部とが、近位端キャップに提供されてもよい。
カートリッジがカートリッジハウジングを備える実施形態において、カートリッジハウジングは、本体部分および一つ以上の端キャップを備えることが好ましい。
カートリッジハウジングは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。適切な材料としては、アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(Kapton(登録商標)など)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂が挙げられるがこれらに限定されない。
カートリッジが本体部分および一つ以上の端キャップを備える実施形態において、本体部分および一つ以上の端キャップは、同一の材料から形成されてもよく、または異なる材料から形成されてもよい。
カートリッジハウジングは、耐ニコチン性および耐酸性である一つ以上の材料から形成されてもよい。
カートリッジの第一の区画は、一つ以上の耐ニコチン性材料で被覆されてもよく、またカートリッジの第二の区画は一つ以上の耐酸性材料で被覆されてもよい。
適切な耐ニコチン性材料および耐酸性材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、液晶ポリマー(LCP)、修飾LCP(黒鉛またはガラス繊維を有するLCPなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
カートリッジハウジングの形成と、カートリッジの第一の区画の内部の被覆とのうちの一方または両方に対する、一つ以上の耐ニコチン性材料の使用は有利なことに、カートリッジの貯蔵寿命を延しうる。
カートリッジハウジングの形成およびカートリッジの第二の区画の内部の被覆のうちの一方または両方に対する、一つ以上の耐酸性材料の使用は有利なことに、カートリッジの貯蔵寿命を延しうる。
カートリッジハウジングは、一つ以上の熱伝導性材料から形成されてもよい。
カートリッジの第一の区画およびカートリッジの第二の区画は、一つ以上の熱伝導性材料で被覆されてもよい。
カートリッジハウジングの形成と、カートリッジの第一の区画および第二の区画の内部の被覆とのうちの一方または両方に対する、一つ以上の熱伝導性材料の使用は有利なことに、ヒーターからニコチン供与源および乳酸供与源への熱伝達を増大しうる。
適切な熱伝導性材料としては、金属(例えば、アルミニウム、クロム、銅、金、鉄、ニッケル、銀など)、合金(真鍮、鋼など)、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
カートリッジハウジングは、第一の区画および第二の区画が、熱伝導または誘導のどちらによって加熱されるかに応じて、低い抵抗率または高い抵抗率を有する一つ以上の材料で形成されてもよい。
カートリッジの第一の区画およびカートリッジの第二の区画は、第一の区画および第二の区画が、熱伝導または誘導のどちらによって加熱されるかに応じて、低い抵抗率または高い抵抗率を有する一つ以上の材料で被覆されてもよい。
カートリッジハウジングは任意の適切な方法によって形成されてもよい。適切な方法としては、深絞り、射出成形、ブリスタリング、吹き込み成形、および押出成形が挙げられるが、これらに限定されない。
カートリッジは、第一の区画の中のニコチンおよび第二の区画の中の酸が枯渇すると、廃棄されるように設計されてもよい。
カートリッジは、再充填可能であるように設計されてもよい。
カートリッジは、ヒーターを受容するためのカートリッジ空洞を備えてもよい。カートリッジ空洞は、第一の区画と第二の区画の間に位置することが好ましい。ヒーターは、カートリッジとともに使用するように構成されたエアロゾル発生装置の一部を形成してもよい。
カートリッジは、第一の区画および第二の区画を加熱するように構成されたヒーターを備えてもよい。こうした実施形態において、ヒーターは有利なことに、第一の区画と第二の区画の間に位置する。言い換えれば、第一の区画および第二の区画は、ヒーターの両側に配置されている。
ヒーターは電気ヒーターであってもよい。ヒーターは抵抗ヒーターであってもよい。
ヒーターはサセプタを備えてもよい。使用中、サセプタを誘導加熱するために誘導ヒーターが使用される。
有利なことに、ヒーターは、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、摂氏約250度未満の温度に加熱するように構成されている。ヒーターは、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、摂氏約80度〜摂氏約150度の温度に加熱するように構成されていることが好ましい。
有利なことに、ヒーターは、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、実質的に同一の温度に加熱するように構成されている。
本発明に関連して本明細書で使用される「実質的に同一の温度」とは、ヒーターに関して対応する場所で測定されたカートリッジの第一の区画と第二の区画の間の温度の差異が、摂氏約3度未満であることを意味する。
使用時に、カートリッジの第一の区画および第二の区画を、周囲温度を上回る温度に加熱することは有利なことに、カートリッジの第一の区画中のニコチンの蒸気濃度と、カートリッジの第二の区画中の酸の蒸気圧とが制御され、かつ比例的にそのバランスが取られて、ニコチンと酸の間の効率的な反応化学量論を得ることを可能にする。有利なことに、これはニコチン塩粒子の形成効率、およびユーザーへの送達の一貫性を改善する場合がある。有利なことに、これはまた、ユーザーへの未反応のニコチンおよび未反応の酸の送達を低減する場合がある。
カートリッジは、第一の区画および第二の区画の下流にあり、かつ第一の区画の第一の空気出口および第二の区画の第二の空気出口と流体連通している第三の区画を備えてもよい。使用中、第一の空気出口を通して第一の区画から出るニコチン蒸気は第三の区画の中で、第二の空気出口を通して第二の区画から出る酸蒸気と反応して、ニコチン塩粒子のエアロゾルを形成してもよい。
カートリッジはマウスピースを備えてもよい。カートリッジがカートリッジハウジングを備える実施形態において、マウスピースはカートリッジハウジングと一体的に形成されてもよい。マウスピースは、カートリッジハウジングとは別個に形成されてもよい。マウスピースは、カートリッジハウジングに取り外し可能に取り付け可能であってもよい。カートリッジハウジングとマウスピースの組み合わせは、紙巻たばこ、葉巻たばこ、またはシガリロなどの可燃性喫煙物品の形状および寸法をまねてもよい。カートリッジハウジングとマウスピースの組み合わせは、紙巻たばこの形状および寸法をまねてもよい。
カートリッジが第三の区画を備える実施形態において、マウスピースは第三の区画を少なくとも部分的に画定してもよい。
本発明の第二の態様によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるカートリッジを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは、カートリッジの少なくとも一部分を受容するための空洞を画定する装置ハウジングを備えるエアロゾル発生装置をさらに備える。エアロゾル発生装置はまた、カートリッジの第一の区画および第二の区画を加熱するためのヒーターを備える。
エアロゾル発生システムはマウスピースを備えてもよい。
マウスピースは、本発明の第一の態様に関して本明細書に記載の通りのカートリッジの一部を形成してもよい。
マウスピースは、エアロゾル発生装置の一部を形成してもよい。マウスピースは、装置ハウジングに取り外し可能に取り付け可能であることが好ましい。マウスピースは、本発明の第一の態様に関して本明細書に記載の通りの第三の区画を少なくとも部分的に画定してもよい。
マウスピースは、第一の区画中のニコチンおよび第二の区画中の酸が枯渇すると、廃棄されるように設計されてもよい。
マウスピースは、再利用可能であるように設計されてもよい。マウスピースが再利用可能であるように設計された実施形態において、マウスピースは有利なことに、カートリッジまたはエアロゾル発生装置のハウジングに取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
ヒーターは電気ヒーターであってもよい。ヒーターは抵抗ヒーターであってもよい。
カートリッジが空洞内に受容されている時、ヒーターはカートリッジの少なくとも一部分を囲むように配設されてもよい。
ヒーターはエアロゾル発生装置の空洞内に位置してもよく、またカートリッジは、本明細書に記載の通りのヒーターを受容するためのカートリッジ空洞を備えてもよい。こうした実施形態において、エアロゾル発生装置のヒーターは有利なことに、ヒーターブレードの形態の細長いヒーターであってもよい。ヒーターブレードは、その厚さよりも大きい幅を有してもよい。カートリッジ空洞は、細長いスロットとして構成されてもよい。
ヒーターは誘導ヒーターであってもよく、またカートリッジは、本明細書に記載の通りのカートリッジの第一の区画および第二の区画を加熱するためのサセプタを備えてもよい。
エアロゾル発生システムは、ヒーターに電力を供給するための電源と、電源からヒーターへの電力の供給を制御するように構成されたコントローラとを備えることが好ましい。
電源は、任意の適切な電源であってもよく、例えば電池などの直流電圧源であってもよい。電源は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池)、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池であってもよい。
電源は再充電可能リチウムイオン電池を含んでもよい。電力供給源は、コンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置を備えてもよい。電力供給源は再充電を必要とする場合がある。電力供給源は、エアロゾル発生装置の1回以上の使用のために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有してもよい。例えば、電力供給源は従来の紙巻たばこ1本を喫煙するのにかかる一般的な時間に対応する約6分間、また6分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電力供給源は所定の吸煙回数、または不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
コントローラは、加熱サイクルの開始時に、電力供給源からヒーターへの電力の供給を開始するように構成されてもよい。コントローラは、加熱サイクルの終了時に、電力供給源からヒーターへの電力の供給を終了するように構成されてもよい。
コントローラは、電力供給源からヒーターへの電力の連続的供給を提供するように構成されてもよい。
コントローラは、電力供給源からヒーターへの電力の断続的供給を提供するように構成されてもよい。コントローラは、電力供給源からヒーターへの電力のパルス供給を提供するように構成されてもよい。ヒーターへの電力のパルス供給は、期間中のヒーターからの総出力の制御を容易にする場合がある。期間中のヒーターからの総出力を制御することは、温度の制御を容易にする場合がある。
コントローラは、電力供給源からヒーターへの電力の供給を変化させるように構成されてもよい。コントローラは、電力のパルス供給の負荷サイクルを変化させるように構成されてもよい。コントローラは、パルス幅および負荷サイクルの期間のうちの少なくとも一つを変化させるように構成されてもよい。
エアロゾル発生装置は、ヒーターと、カートリッジの第一の区画と、カートリッジの第二の区画とのうちの少なくとも一つの温度を感知するように配設された一つ以上の温度センサーを備えてもよい。コントローラは、感知した温度に基づいてヒーターへの電力の供給を制御するように構成されてもよい。
エアロゾル発生装置は、ユーザー入力装置を備えてもよい。ユーザー入力装置は、押しボタン、スクロールホイール、タッチボタン、タッチスクリーン、およびマイクロフォンのうちの少なくとも一つを備えてもよい。ユーザー入力装置は、ユーザーがエアロゾル発生装置の動作の一つ以上の態様を制御することを可能にする場合がある。ユーザー入力装置は、ユーザーがヒーターへの電力の供給を起動すること、またはヒーターへの電力の供給を停止すること、またはその両方を可能にする場合がある。
疑義を避けるために、本発明の一態様に関する上述の特徴はまた、本発明の他の態様に適用されてもよい。特に、本発明のカートリッジに関する上述の特徴はまた、適切な場合、本発明のエアロゾル発生システムに関連する場合があり、また逆も可能である。
ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。