[0010] 患者の脈管系内における刃の延長を制御することは、特にシース及び刃が特定の脈管又は生理学的環境に存在する蛇行状経路を通り抜ける場合に重要なことがある。更に、特定の例では、リード線を除去するのにかかる機械的デバイスを使用するには、リード線が、脈管系の構造的に弱い部分に位置する場合、及び/又はそのような部分に付着している場合など、より精密な制御を要する。例えば、人体内にある一般的なリード線は、無名静脈を通り、上大動脈(「SVC」)を越えて、心臓の右心房に入る。SVCに沿って、また無名静脈に沿った他の場所に沿って起こる組織成長によって、特に静脈壁が薄い場合に、リード線をかかる場所から抽出することのリスクが高まり、更に困難になる。組織成長はまた、患者の脈管系内の他の難しい場所でも起こることがあり、リード線をかかる場所から抽出するのに使用されるデバイスの繊細で精密な制御が求められる。
[0011] 本開示による、植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、中間シースと中間シースアセンブリの遠位端に配設された中間先端とを含む、中間シースアセンブリと、中間シースアセンブリ内で回転可能に保持され、内側シース及び切断先端を含み、切断先端が、切断先端が中間シースアセンブリに対して回転すると、植込み物に結合された組織を切断するように適合された切断面を含む、内側シースアセンブリと、ハウジング、ハウジングによって保持されたトリガ、並びにハウジングによって保持されると共にトリガ及び内側シースアセンブリに結合された切断先端駆動メカニズムを含み、トリガが、切断先端駆動メカニズムを駆動し、それによって内側シース及び切断先端を中間シースアセンブリに対して回転させるように作動可能である、ハンドルアセンブリと、中間シースアセンブリ外で保持される外側シースアセンブリであって、外側シースアセンブリが、外側シースと外側シースアセンブリの遠位端に配設されると共に遠位側開口部を含む外側シールドとを含み、切断先端の切断面が外側シールド内に配設される第1の位置から、切断先端が遠位側開口部を通って延在すると共に切断面が外側シールド外に少なくとも部分的に配設される第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、中間シースアセンブリに対して並進可能である、外側シースアセンブリと、外側シースアセンブリに結合され、第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、外側シースアセンブリを中間シースアセンブリに対して並進させるように作動可能である、シールド駆動メカニズムと、を含む。
[0012] 上記デバイスは、中間シースアセンブリが、中間シースアセンブリの遠位端と中間シースアセンブリの近位端との間に延在する長手方向軸線を含み、シールド駆動メカニズムが、長手方向軸線を中心にして回転することによって作動する。
[0013] 上記デバイスは、トリガが、トリガをハウジングに対して近位方向及び遠位方向に並進させることによって作動する。
[0014] 上記デバイスは、シールド駆動メカニズムが、ハンドルアセンブリのハウジングに回転可能に結合される。
[0015] 上記デバイスは、シールド駆動メカニズムが、外側シースアセンブリを中間シースアセンブリに対して回転させるように作動し、中間先端及び外側シールドによって規定されるカム・フォロワメカニズムであって、外側シースアセンブリが中間シースアセンブリに対して回転すると、第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、外側シースアセンブリを中間シースアセンブリに対して並進させる、カム・フォロワメカニズムを更に含む。
[0016] 上記デバイスは、カム・フォロワメカニズムが第1のカム・フォロワメカニズムであり、中間先端及び切断先端によって規定される第2のカム・フォロワメカニズムを更に含み、第2のカム・フォロワメカニズムが、切断先端が中間先端に対して回転すると切断先端を中間先端に対して並進させる。
[0017] 上記デバイスは、中間先端及び切断先端によって規定されるカム・フォロワメカニズムであって、切断先端が中間先端に対して回転すると切断先端を中間先端に対して並進させる、カム・フォロワメカニズムを更に含む。
[0018] 上記デバイスは、外側シールドの第1の位置では、切断先端が中間先端に対して回転する際にカム・フォロワメカニズムが切断先端を中間先端に対して並進させたとき、切断先端の切断面が外側シールド内に配設されたままである。
[0019] 上記デバイスは、中間シースアセンブリが、中間シースアセンブリの遠位端と中間シースアセンブリの近位端との間に延在する長手方向軸線を含み、切断先端の切断面が長手方向軸線に対して垂直である。
[0020] 上記デバイスは、中間シースアセンブリが、中間シースアセンブリの遠位端と中間シースアセンブリの近位端との間に延在する長手方向軸線を含み、切断先端の切断面が長手方向軸線に対して鋭角で配設される。
[0021] 上記デバイスは、切断先端駆動メカニズムが、トリガ及び内側シースアセンブリに結合されたバレルカムを含み、トリガが、バレルカムを回転させ、それによって内側シース及び切断先端を中間シースアセンブリに対して回転させるように作動可能である。
[0022] 上記デバイスは、バレルカムが、バレルカム上で長手方向及び円周方向に延在するカムスロットを含み、カムスロットがバレルカムをトリガに結合する。
[0023] 本開示による、植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、中間シースと中間シースアセンブリの遠位端に配設された中間先端とを含む、中間シースアセンブリと、中間シースアセンブリ内で回転可能に保持され、内側シース及び切断先端を含み、切断先端が、切断先端が中間シースアセンブリに対して回転すると、植込み物に結合された組織を切断するように適合された切断面を含む、内側シースアセンブリと、ハウジング、ハウジングによって保持されたトリガ、並びにハウジングによって保持されると共にトリガ及び内側シースアセンブリに結合された切断先端駆動メカニズムを含み、トリガが、切断先端駆動メカニズムを駆動し、それによって内側シース及び切断先端を中間シースアセンブリに対して回転させるように作動可能である、ハンドルアセンブリと、中間先端外で保持され、遠位側開口部を含み、切断先端の切断面が外側シールド内に配設される第1の位置から、切断先端が遠位側開口部を通って延在すると共に切断面が外側シールド外に少なくとも部分的に配設される第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、中間先端に対して並進可能である、外側シールドと、中間先端及び外側シールドによって規定され、外側シールドが中間先端に対して回転すると、第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、外側シールドを中間先端に対して並進させる、カム・フォロワメカニズムと、を含む。
[0024] 上記デバイスは、カム・フォロワメカニズムが第1のカム・フォロワメカニズムであり、中間先端及び切断先端によって規定される第2のカム・フォロワメカニズムを更に含み、第2のカム・フォロワメカニズムが、切断先端が中間先端に対して回転すると切断先端を中間先端に対して並進させる。
[0025] 本開示による、植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、内側シースと内側シースアセンブリの遠位端に配設された切断先端とを含み、切断先端が、切断先端が回転すると植込み物に結合された組織を切断するように適合された切断面を含む、内側シースアセンブリと、ハウジング、ハウジングによって保持されたトリガ、並びにハウジングによって保持されると共にトリガ及び内側シースアセンブリに結合された切断先端駆動メカニズムを含み、トリガが、切断先端駆動メカニズムを駆動し、それによって内側シース及び切断先端をハウジングに対して回転させるように作動可能である、ハンドルアセンブリと、内側シースアセンブリ外で保持され、外側シースと外側シースアセンブリの遠位端に配設されると共に遠位側開口部を含む外側シールドであって、外側シースアセンブリが、切断先端の切断面が外側シールド内に配設される第1の位置から、切断先端が遠位側開口部を通って延在すると共に切断面が外側シールド外に少なくとも部分的に配設される第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、内側シースアセンブリに対して並進可能である、外側シールドと、外側シースアセンブリに結合され、第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、外側シースアセンブリを内側シースアセンブリに対して並進させるように作動可能である、シールド駆動メカニズムと、を含む。
[0026] 上記デバイスは、内側シースアセンブリが、内側シースアセンブリの遠位端と内側シースアセンブリの近位端との間に延在する長手方向軸線を含み、シールド駆動メカニズムが、長手方向軸線を中心にして回転することによって作動する。
[0027] 上記デバイスは、トリガが、トリガをハウジングに対して近位方向及び遠位方向に並進させることによって作動する。
[0028] 上記デバイスは、シールド駆動メカニズムが、ハンドルアセンブリのハウジングに回転可能に結合される。
[0029] 上記デバイスは、切断先端が長手方向軸線の周りを回転する。
[0030] 上記デバイスは、切断先端の切断面及び外側シールドの遠位側開口部が、長手方向軸線に対して垂直に配設される。
[0031] 上記デバイスは、シールド駆動メカニズムが、第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、外側シースアセンブリを内側シースアセンブリに対して回転及び並進させるように作動する。
[0032] 本開示による、植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、外側シースと、外側シースに結合された外側カム部材と、外側シース内で保持された中間シースと、中間シースに結合されると共に外側カム部材内で保持され、第1のカムスロットを備える、中間カム部材と、第1のカムスロットに受け入れられると共に中間カム部材を外側カム部材に接続する、第1のピンと、中間シース内で保持された内側シースと、内側シースに結合されると共に中間カム部材内で保持され、切断面及び第2のカムスロットを備える、内側カム部材と、第2のカムスロットに受け入れられると共に内側カム部材を中間カム部材に接続する、第2のピンと、を含む。
[0033] 植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、外側シースと外側シースの遠位端に隣接して配設された外側シールドとを備え、外側シールドがシールド遠位端を備える、外側シースアセンブリと、外側シースアセンブリ内に配設され、内側シースと内側シースの遠位端に隣接して配設された切断先端とを備え、切断先端が切断面を有する、内側シースアセンブリと、外側シースアセンブリに結合され、ノブ及びボタンを備え、ボタンを作動させると、ノブが回転することができ、それによって外側シールドを第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ回転及び並進させ、第1の位置にあるときよりも第2の位置にあるときの方が外側シールドが遠位側にある、シールド駆動メカニズムと、切断先端を外側シースの遠位端に対して並進させる並進メカニズムと、切断先端を回転させる切断先端駆動メカニズムであって、並進メカニズムに結合され、切断先端駆動メカニズムを作動させると、切断先端が、回転及び並進すると共に、(a)外側シールドが第2の位置にあるときはシールド遠位端の近位側に留まり、(b)シールドが第1の位置にあるときはシールド遠位端の遠位側に延在する、切断先端駆動メカニズムと、を備える。
[0034] 上記デバイスは、シールド駆動メカニズムが封止材料を更に含む。
[0035] 上記デバイスは、封止材料がエラストマー材料を含む。
[0036] 上記デバイスは、封止材料が発泡体である。
[0037] 上記デバイスは、封止材料の少なくとも一部分が、ノブと、内側シース、外側シース、及び内側シースと外側シースとの間に配設された中間シースのうち少なくとも1つとの間に配設される。
[0038] 上記デバイスは、封止材料の少なくとも一部分がノブと中間シースとの間に配設される。
[0039] 上記デバイスは、ハウジングを更に備え、シールド駆動メカニズムがハウジングに回転可能に結合され、シールド駆動メカニズムが、ノブを外側シースアセンブリの長手方向軸線を中心にして回転させることによって作動する。
[0040] 上記デバイスは、ハウジングによって保持されたトリガを更に備え、トリガが、トリガをハウジングに対して並進させることによって作動する。
[0041] 上記デバイスは、トリガとハウジングとの間に配設された封止材料を更に含む。
[0042] 上記デバイスは、封止材料が発泡体を含む。
[0043] 上記デバイスは、発泡体が連続気泡発泡体である。
[0044] 上記デバイスは、発泡体が独立気泡発泡体である。
[0045] 上記デバイスは、外側シールドを中間シースアセンブリに結合するカム・フォロワメカニズムを更に備え、カム・フォロワメカニズムが、ノブが回転すると、第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ、外側シースアセンブリを内側シースアセンブリに対して並進させる。
[0046] 上記デバイスは、内側シースアセンブリが、内側シースアセンブリの遠位端と内側シースアセンブリの近位端との間に延在する長手方向軸線を含み、切断先端が長手方向軸線を中心にして回転する。
[0047] 上記デバイスは、電気モータを更に備える。
[0048] 上記デバイスは、電気モータに電気的に結合された電源を更に備える。
[0049] 上記デバイスは、電源が電池である。
[0050] 上記デバイスは、電気モータを内側シースアセンブリに結合する1つ又は複数の歯車を更に備える。
[0051] 上記デバイスは、電池及びモータのうち少なくとも1つと、内側シース、外側シース、及び内側シースと外側シースとの間に配設された中間シースのうち少なくとも1つとの間に配設された、封止材料を更に含む。
[0052] 上記デバイスは、封止材料がエラストマー材料を含む。
[0053] 植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、シールド遠位端を備える外側シースと、外側シース内に配設され、切断面を有する切断先端を備える、内側シースと、外側シースに結合され、外側シールドを第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ移動させるように構成され、第1の位置にあるときよりも第2の位置にあるときの方が外側シールドが遠位側にある、シールド駆動メカニズムと、切断先端を回転させる切断先端駆動メカニズムであって、切断先端駆動メカニズムを作動させると、切断先端が、回転及び並進すると共に、(a)外側シールドが第2の位置にあるときはシールド遠位端の近位側に留まり、(b)シールドが第1の位置にあるときはシールド遠位端の遠位側に延在する、切断先端駆動メカニズムと、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを示す位置信号を提供するセンサと、命令を収容する非一時的コンピュータ可読媒体を備え、命令が実行されると、位置信号を受信した際に、インターフェースを介して、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを示す警告を、1つ又は複数のプロセッサに提示させる、コントローラと、を備える。
[0054] 上記デバイスは、警告が、可聴信号、視覚信号、及び触覚信号のうち少なくとも1つである。
[0055] 上記デバイスは、警告が、可聴信号、視覚信号、及び触覚信号のうち少なくとも2つである。
[0056] 上記デバイスは、警告が可聴信号及び視覚信号を含む。
[0057] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0058] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0059] 上記デバイスは、第2のセンサを更に備え、第2のセンサが、外側シールドが第1の位置及び第2の位置のうち少なくとも一方にあることを示すシールド位置信号を提供する。
[0060] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、外側シールドが第1の位置及び第2の位置のうち少なくとも一方にあることをシールド位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0061] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、外側シールドが第2の位置にあることをシールド位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0062] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動を開始しないようにコントローラを作動停止する。
[0063] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が延長位置にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動を開始しないようにコントローラを作動停止する。
[0064] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0065] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0066] 上記デバイスは、第2のセンサを更に備え、第2のセンサが、外側シールドが第1の位置及び第2の位置のうち少なくとも一方にあることを示すシールド位置信号を提供する。
[0067] 植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、シールド遠位端を備える外側シースと、外側シース内に配設され、切断面を有する切断先端を備える、内側シースと、外側シースに結合され、外側シールドを第1の位置から第2の位置へ、また第2の位置から第1の位置へ移動させるように構成され、第1の位置にあるときよりも第2の位置にあるときの方が外側シールドが遠位側にある、シールド駆動メカニズムと、外側シールドが第1の位置又は第2の位置のうち少なくとも一方にあることを示す位置信号を提供するセンサと、切断先端を回転させる切断先端駆動メカニズムであって、切断先端駆動メカニズムを作動させると、切断先端が、回転及び並進すると共に、(a)外側シールドが第2の位置にあるときはシールド遠位端の近位側に留まり、(b)シールドが第1の位置にあるときはシールド遠位端の遠位側に延在する、切断先端駆動メカニズムと、命令を収容する非一時的コンピュータ可読媒体を備え、命令が実行されると、位置信号を受信した際に、インターフェースを介して、外側シールドが第1の位置又は第2の位置のうち少なくとも一方にあることを示す警告を、1つ又は複数のコントローラに提示させる、コントローラと、を備える。
[0068] 上記デバイスは、警告が、可聴信号、視覚信号、及び触覚信号のうち少なくとも1つである。
[0069] 上記デバイスは、警告が、可聴信号、視覚信号、及び触覚信号のうち少なくとも2つである。
[0070] 上記デバイスは、警告が可聴信号及び視覚信号を含む。
[0071] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、外側シールドが第1の位置又は第2の位置のうち少なくとも一方にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする、上記パラグラフのいずれかのデバイス。非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、外側シールドが第2の位置にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0072] 上記デバイスは、第2のセンサを更に備え、第2のセンサが、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを示す先端位置信号を提供する。
[0073] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを先端位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0074] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置にあることを先端位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0075] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、外側シールドが第1の位置又は第2の位置のうち少なくとも一方にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動を開始しないようにコントローラを作動停止する。
[0076] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、外側シールドが第2の位置にあることを位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムの作動を開始しないようにコントローラを作動停止する。
[0077] 植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、シールド遠位端を備える外側シースと、外側シース内に配設され、切断面を有する切断先端を備える、内側シースと、切断先端を回転させる切断先端駆動メカニズムと、切断先端を回転させるために加えられる電力、力、及び電流のうち少なくとも1つを示す電力信号を提供するセンサと、命令を収容する非一時的コンピュータ可読媒体を備え、命令が実行されると、電力信号及び第1の電力閾値に基づいて、切断先端の回転に1つ又は複数のプロセッサを作用させる、コントローラと、を備える。
[0078] 上記デバイスは、コントローラが、電力信号が第1の電力閾値を満たしている場合に、インターフェースを介して警告を提示する命令を更に含む。
[0079] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、電力信号が第1の電力閾値を満たしていない場合に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0080] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、電力信号が第1の電力閾値を満たしている場合に、切断先端駆動メカニズムを作動停止する。
[0081] 上記デバイスは、シールド位置センサを更に備え、シールド位置センサが、外側シールドが第1の位置又は第2の位置のうち少なくとも一方にあることを示すシールド位置信号を提供する。
[0082] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、外側シールドが第1の位置又は第2の位置のうち少なくとも一方にあることをシールド位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムを作動停止する。
[0083] 上記デバイスは、先端位置センサを更に備え、先端位置センサが、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを示す先端位置信号を提供する。
[0084] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを先端位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムを作動停止する。
[0085] 上記デバイスは、先端位置センサを更に備え、先端位置センサが、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを示す先端位置信号を提供する。
[0086] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、切断先端が非延長位置及び延長位置のうち少なくとも一方にあることを先端位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムを作動停止する。
[0087] 上記デバイスは、シールド位置センサを更に備え、シールド位置センサが、外側シールドが第1の位置又は第2の位置のうち少なくとも一方にあることを示すシールド位置信号を提供する。
[0088] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、外側シールドが第1の位置又は第2の位置のうち少なくとも一方にあることをシールド位置信号が示した場合に、切断先端駆動メカニズムを作動停止する。
[0089] 上記デバイスは、切断先端駆動メカニズムが原動機を含む。
[0090] 上記デバイスは、原動機が電気モータを含む。
[0091] 上記デバイスは、電気モータに電気的に結合された電源を更に備える。
[0092] 上記デバイスは、電源が電池である。
[0093] 植込み物を身体脈管から除去するデバイスは、外側シースと、外側シース内に配設され、切断面を有する切断先端を備える、内側シースと、切断先端を回転させる切断先端駆動メカニズムであって、切断先端駆動メカニズムが作動すると切断先端が回転及び並進する、モータ及びモータエンコーダを含む切断先端駆動メカニズムと、切断先端駆動メカニズムのホーム位置を示す位置信号を提供するセンサと、命令を収容する非一時的コンピュータ可読媒体を備え、命令が実行されると、位置信号に少なくとも部分的に基づいて、1つ又は複数のプロセッサにモータエンコーダを校正させる、コントローラと、を備える。
[0094] 上記デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体が更なる命令を収容し、命令が実行されると、モータエンコーダを校正する際に、切断先端駆動メカニズムの作動をコントローラが開始することを可能にする。
[0095] 上記デバイスは、モータエンコーダを校正する命令がモータを一方向に回転させることを含む。
[0096] 上記デバイスは、モータエンコーダを校正する命令が、センサが位置信号を生成するまでモータを一方向に回転させることを含む。
[0097] 上記デバイスは、モータエンコーダを校正する命令がモータの一方向の回転を中断させることを含む。
[0098] 上記デバイスは、モータエンコーダを校正する命令が、モータの一方向の回転を中断させ、モータを逆方向に回転させることを含む。
[0099] 上記デバイスは、モータエンコーダを校正する命令が、センサが位置信号を生成するまでモータを逆方向に回転させることを含む。
[00100] 上記デバイスは、切断先端駆動メカニズムが電流センサを更に備え、電流センサが、モータが所定の電流閾値を超えていることを示す電流信号を生成する。
[00101] 上記デバイスは、命令によって、所定の電流閾値を超える電流信号に基づいて、モータの一方向の回転を中断させる。
[00102] 上記デバイスは、モータエンコーダを校正する命令がモータを逆方向に回転させることを含む。
[00103] 上記デバイスは、モータエンコーダを校正する命令が、センサが位置信号を生成するまでモータを逆方向に回転させることを含む。
[0001] 「少なくとも1つの」、「1つ又は複数の」、並びに「及び/又は」という語句は、動作の点で接続的及び離接的の両方であるオープンエンドの表現である。例えば、「A、B、及びCのうち少なくとも1つ」、「A、B、又はCのうち少なくとも1つ」、「A、B、及びCの1つ又は複数」、「A、B、又はCの1つ又は複数」、並びに「A、B、及び/又はC」という表現はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとB、AとC、BとC、又はAとBとCを意味する。上述の表現において、A、B、及びCのそれぞれが、X、Y、及びZなどの1つの要素、又はX1〜Xn、Y1〜Ym、及びZ1〜Zoなどの一群の要素を指す場合、その語句は、X、Y、及びZから選択された単一の要素、同じ群から選択された要素の組み合わせ(例えば、X1とX2)、並びに2つ以上の群から選択された要素の組み合わせ(例えば、Y1とZo)を指すものとする。
[0002] 単数形の実体は、その実体の1つ又は複数を指す。そのため、「1つ又は複数の」、及び「少なくとも1つの」という用語は、本明細書では交換可能に使用されることがある。また、「〜を備える」、「〜を含む」、及び「〜を有する」という用語は、交換可能に使用されることがある点に留意されたい。
[0003] 「コンピュータ可読媒体」という用語は、本明細書で使用するとき、命令をプロセッサに提供して実行させることに関与する任意の記憶媒体及び/又は伝送媒体を指す。かかる媒体は、一般に有形であって非一時的であり、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含むがそれらに限定されない多くの形態をとることができ、非限定的に、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読出し専用メモリ(「ROM」)などを含む。不揮発性媒体としては、例えば、NVRAM、又は磁気若しくは光学ディスクが挙げられる。揮発性媒体としては、主メモリなどのダイナミックメモリが挙げられる。コンピュータ可読媒体の一般的形態としては、例えば、フロッピーディスク(非限定的に、ベルヌーイカートリッジ、ZIPドライブ、JAZドライブを含む)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ若しくはカセット、又は他の任意の磁気媒体、磁気光学媒体、デジタルビデオディスク(CD−ROMなど)、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理的媒体、RAM、PROM及びEPROM、FLASH(登録商標)−EPROM、メモリカードのような固体媒体、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、後述するような搬送波、又はコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体が挙げられる。電子メールへのデジタルファイル添付、又は他の独立情報アーカイブ若しくは一連のアーカイブは、有形記憶媒体と同等の配布媒体と見なされる。コンピュータ可読媒体がデータベースとして構成される場合、データベースは、関係型、階層型、オブジェクト指向型、及び/又はその他など、任意のタイプのデータベースであることが理解されるべきである。したがって、本開示は、本開示のソフトウェア実現例が格納される、有形記憶媒体又は配布媒体、並びに従来技術で認識されている等価物及び後継の媒体を含むものと見なされる。コンピュータ可読記憶媒体は、一般に、一時的記憶媒体、特に電気、磁気、電磁、光学、磁気光学信号を除外する。
[0004] 「リード線」は、伝導性構造であり、一般的には電気絶縁性のコイル状ワイヤである。導電性材料は任意の伝導性材料であり、金属及び金属間化合物合金が一般的である。絶縁材料の外側シースは、生体適合性であって生体安定性(例えば、体内で非溶解性)であり、一般に、ポリウレタン及びポリイミドなどの有機材料を含む。リード線のタイプとしては、非限定例として、心外膜及び心内膜リード線が挙げられる。リード線は、一般に、経皮的又は外科的に体内に植え込まれる。
[0005] 「手段」という用語は、本明細書で使用するとき、米国特許法第112条(f)項にしたがって、可能な範囲で最も広い解釈を与えられるものとする。したがって、「手段」という用語を組み込んだクレームは、本明細書で説明する全ての構造、材料、又は動作、及びそれらの等価物全てを包含するものとする。更に、構造、材料、又は動作、及びそれらの等価物は、発明の概要、図面の簡単な説明、発明を実施するための形態、要約、及び特許請求の範囲自体に記載されるものを全て含むものとする。
[0006] 「モジュール」又は「論理」という用語は、本明細書で使用するとき、全ての既知の若しくは今後開発されるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、人工知能、ファジー論理、又はその要素と関連付けられた機能性を実施することができるハードウェアとソフトウェアの組み合わせを指す。また、本開示は例示的実施形態に関して提供されるが、本開示の個々の態様を別個に請求できることが認識されるべきである。
[0007] 「鋸歯」若しくは「鋸歯状刃」若しくは「鋸歯状切刃」、又は他の変形例は、本明細書で使用するとき、刻み付きの刃又は鋸状歯を有する切断面の構成を意味するものとする。刻み付きの刃が作り出す、切断される材料との複数の接触点は、刻み付きでない切刃の場合よりも小さい(したがって、接触面積も小さい)。それに加えて、鋸歯状の各接触点によって加えられる圧力は比較的大きく、接触点は、切断される材料に対してより鋭角である。鋸歯状切刃の一例は、1つの切欠きとそれに隣接し当接する別の切欠きとを含み、かかる切欠きの間には切刃があるとしても非常に小さく、それによって接触点が作られる。鋸歯の複数の変形及び/又は特徴がある。例えば、鋸歯状の特徴の1つのタイプは「クラウン」と呼ばれる。本明細書で使用するとき、「クラウン」の形状の鋸歯状切刃又は他の変形例は、複数の切欠きと隣接する切欠きなしの部分とを備えることにより、特に切刃が円形の場合、切欠き部分と切欠きなしの部分との組み合わせが王族(例えば、王、女王など)の冠に似ている、切刃を意味するものとする。「クラウン」の更なるタイプとしては「フッククラウン」が挙げられる。本明細書で使用するとき、「フッククラウン」の形状の鋸歯状切刃又は他の変形例は、複数の切欠きと隣接する切欠きなしの部分とを備え、切刃の切欠きなしの部分の長さが切刃の切欠き部分よりも長い、切刃を意味するものとする。
[0008] 「外科用インプラント」は、欠落した生体構造を置換し、損傷した生体構造を支持、刺激、若しくは治療し、又は既存の生体構造を強化、刺激、若しくは治療するように製造された、医療用デバイスである。移植される生体組織である移植片とは異なり、医療用インプラントは人造デバイスである。場合によっては、インプラントは、非限定的に、人工ペースメーカー、除細動器、電極、及び人工内耳を含む、電子部品を含む。一部のインプラントは生体活性であり、非限定的に、植込み型の丸薬又は薬物溶出ステントの形態の皮下薬物送達デバイスを含む。
[0009] 本開示全体を通して与えられる数値の上限は全て、それ以下の数値限定が本明細書に明示的に書かれているものとして、かかる数値限定全てを代替として含むものと見なされることが理解されるべきである。本開示全体を通して与えられる数値の下限は全て、それ以上の数値限定が本明細書に明示的に書かれているものとして、かかる数値限定全てを代替として含むものと見なされる。本開示全体を通して与えられる数値範囲は全て、かかる広い数値範囲よりも狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に書かれているものとして、かかる狭い数値範囲全てを含むものと見なされる。
[0010] 上記は、本開示の一部の態様を理解するための本開示の簡単な概要である。この概要は、本開示、並びにその様々な態様、実施形態、及び構成の広範な概説でも排他的な概説でもない。本開示の重要又は必須の要素を特定するためのものでも、また本開示の範囲を描写するためのものでもなく、後述する更に詳細な記載の導入部として簡単に本開示の選択された概念を提示するためのものである。認識されるように、上述した特徴又は詳細に後述する特徴のうち1つ若しくは複数を、単独で又は組み合わせて利用する、本開示の他の態様、実施形態、及び構成が可能である。
[0011] 添付図面は、本開示の複数の実施例を例証するため、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す。これらの図面は、明細書と併せて、本開示の原理を説明するものである。図面は単に、本開示がどのように作られ使用されるかについての好ましい実施例及び代替の実施例を図示するものであり、本開示を図示され記載される実施例のみに限定するものとして解釈すべきではない。以下に参照する図面に図示されるような、本開示の様々な態様、実施形態、及び構成についての以下の更に詳細な説明から、更なる特徴及び利点が明白となるであろう。
[0057] 図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されるべきである。特定の例では、本開示を理解するのに不要な詳細、又は他の詳細を知覚しづらくなる詳細は省略されていることがある。当然ながら、本開示は本明細書に例証する特定の実施形態に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。
[0058] 本開示のあらゆる実施形態について詳細に説明する前に、本開示は、以下の説明に記述されるか又は以下の図面に例証される構造の詳細及び構成要素の構成に、その応用が限定されないことが理解されるべきである。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な手法で実践又は実施することが可能である。また、本明細書で使用する用語及び専門用語は、説明目的のものであり、限定と見なされるべきではないことが理解されるべきである。「〜を含む」、「〜を備える」、又は「〜を有する」、及びそれらの変形の本明細書における使用は、以下に列挙される項目及びそれらの等価物、並びに更なる項目を包含するものとする。
[0059] 本開示による実施形態は、患者の脈管系内に安全に配備し、リード線などの植込み物を患者の脈管系から分離することができる、シースアセンブリを含む外科用デバイスを提供する。図1及び図2は、被験者10(例えば、ヒトの患者)の体内に挿入されるように適合されたシースアセンブリ102を有する外科用デバイス100を示している。シースアセンブリ102は、左無名静脈に沿ってSVCを越えて通り、心臓の左心室内又はその周りに接続された、植え込まれたリード線(図示なし)を取り囲む。リード線をシースアセンブリ102が取り囲む際、外科用デバイス100のユーザ(つまり医師)は、ハンドルアセンブリ104を作動させることによって、シースアセンブリ102の遠位端に配設された切断先端(図1には図示なし)を回転させて、患者のSVC内のリード線を取り囲む組織を切断、分離、及び/又は拡張する。
[0060] 切断先端がシースアセンブリ102の外側シースアセンブリ106内に配設されるデバイス100の1つ又は複数の遮蔽構成では、切断先端は回転して、組織を切断、分離、及び/又は拡張する。いくつかの実施形態では、デバイス100の遮蔽構成は、切断先端が被験者のSVCに接触し、場合によっては損傷するのを阻害する。切断先端が外側シースアセンブリ106から少なくとも部分的に突出するデバイス100の1つ又は複数の延長構成では、切断先端はやはり回転して、組織を切断、分離、及び/又は拡張する。いくつかの実施形態では、切断先端は、遮蔽構成よりも延長構成の方が効率的に組織を切断する。更に詳細に後述するように、外科用デバイス100は、切断先端を遮蔽構成から延長構成へ、また延長構成から遮蔽構成へと移動するように選択的に再構成可能である。切断先端を回転させるプロセスは、植え込まれたリード線及び/又は周囲組織が、SVCに付着した組織から完全に若しくは実質的に切断、分離、及び/又は拡張されるまで、(遮蔽構成及び/又は延長構成で)繰り返される。その際、植え込まれたリード線が患者のSVCから安全に除去される。
[0061] 図3A及び図3Bを参照すると、ハンドルアセンブリ104の内部図が示されている。ハンドルアセンブリ104はハウジング308を含む。ハウジング308は、ポリマーなど、様々な適切な材料で形成される。いくつかの実施形態では、ハウジング308は、例えば、締結具、接着剤などによって互いに結合される、2つ以上の構成要素を含む。図3Aに示される実施形態では、ハウジング308は、併せてハウジング308を規定する2つの「半個片」、即ち互いにほぼ鏡像である構成要素を含む。図3Aでは、ハウジング308によって保持される構成要素を示すため、ハウジング308の半個片の一方が省略されている。
[0062] ハウジング308はトリガ310を移動可能に保持する。トリガ310をユーザが作動させて、即ちハウジング308に対して移動させて、切断先端を回転させる。いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、トリガ310は、トリガ310をハウジング308に対して近位方向及び遠位方向に並進させることによって作動する。いくつかの実施形態では、トリガ310は、トリガ310をハウジング308に対して枢動させることによって作動する。いくつかの実施形態では、トリガ310は、トリガ310をハウジング308に対して並進及び枢動させることによって作動する。いくつかの実施形態では、トリガ310は押下げ可能なボタンとして形成される。トリガ310は、ポリマーなど、様々な適切な材料で形成される。いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、トリガ310は、ユーザが1つ又は複数の指を挿入することができる1つの開口部を含む。いくつかの実施形態では、トリガ310は2つ以上の開口部を含む。いくつかの実施形態では、トリガ310は、開口部を有さない直線又は非線形の部材である。トリガ310は、トリガ310が単独で又はハウジング308との組み合わせで、人間工学的に適正であってユーザにとって快適であるという条件で、様々なサイズ及び形状を有する。
[0063] ハンドルアセンブリ104のハウジング308はまた、ばね312を移動可能に保持する。ばね312はトリガ310に結合されて、トリガ310をホーム位置に向かって付勢する。いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、トリガ310は、ユーザがトリガ310をハウジング308に対して近位側に並進させると作動し、続いてばね312がトリガ310をハウジング308に対して遠位側に並進させる。いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、ばね312は定荷重ばねである。
[0064] ハンドルアセンブリ104のハウジング308は更に、シースアセンブリ102に結合された切断先端駆動メカニズム314を保持する。トリガ310の作動によって切断先端駆動メカニズム314が駆動され、次いで切断先端駆動メカニズム314が、回転運動をシースアセンブリ102及び切断先端に伝達する。いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、切断先端駆動メカニズム314は、それらの教示するもの全て及び目的の全てを参照により本明細書に組み込む米国仮特許出願第62/058,790号、第62/113,865号、及び/又は第61/947,377号に記載及び/又は例証されている、バレルカム若しくはバレルカムアセンブリのいずれかなどのバレルカム316を含む。一般に、バレルカム316は、トリガ310が保持するピンを受け入れるカムスロットを含む。カムスロットは、バレルカム316の表面上で長手方向及び円周方向に延在する。結果として、トリガ310の作動及びトリガピンによってバレルカム316が回転する。次いで、バレルカム316は、回転運動をシースアセンブリ102及び切断先端に伝達する。
[0065] 切断先端駆動メカニズム314は他の様々な形態をとる。例えば、いくつかの実施形態では、切断先端駆動メカニズム314は、その教示するもの全て及び目的の全てを参照により本明細書に組み込むPCT出願PCT/US2014/026496号に記載及び/又は例証されているメカニズムのいずれかなど、歯車メカニズム(図示なし)又はねじ山付きナット及びシャフトメカニズム(図示なし)として形成される。別の例として、いくつかの実施形態では、切断先端駆動メカニズム314は、ハウジング308が保持する電池などの電源(図示なし)から電力を受け取る、電気モータなどの原動機(図示なし)を含む。
[0066] 図3、図4A、及び図4Bを参照すると、ハンドルアセンブリ104のハウジング308は、シールド駆動メカニズム318を更に保持する。外科用デバイス100のユーザがシールド駆動メカニズム318を作動させて、デバイスを、遮蔽構成(つまり、切断先端が外側シースアセンブリ106内に配設される構成)から延長構成(つまり、切断先端が外側シースアセンブリ106から少なくとも部分的に突出する構成)へ、また延長構成から遮蔽構成へと再構成する。いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、シールド駆動メカニズム318は、ハンドルアセンブリ104のハウジング308の遠位端付近で保持される。シールド駆動メカニズム318は、例えば締結具(図示なし)などを介して、ハンドルアセンブリ104のハウジング308に固定的に結合する基部320を含む。基部320は、ポリマーなど、様々な適切な材料で形成される。基部320は、例えば軸受(図示なし)を介して、作動可能な構成要素又は「チャック」322に回転可能に結合する。チャック322は、ポリマーなど、様々な適切な材料で形成される。更に詳細に後述するように、シースアセンブリ102の1つ又は複数の構成要素は、基部320及びチャック322によって規定される通路424を通って延在する。
[0067] チャック322は、例えば1つ又は複数の締結具、接着剤などを介して、外側シースアセンブリ106の近位端に固定的に結合する。チャック322を、シースアセンブリ102の長手方向軸線326を中心にして回転させて、外側シースアセンブリ106を切断先端に対して並進させることによって、デバイス100を遮蔽構成から延長構成へ、また延長構成から遮蔽構成へと再構成する。図5A〜図5Dを簡単に参照すると、長手方向軸線326を中心にしてチャック322が回転すると、シールドアセンブリ102の遠位端に規定されるシールドカム・フォロワメカニズム528が存在することにより、デバイス100の構成が変化する。カム・フォロワメカニズム528は、チャック322が回転すると、外側シースアセンブリ106を切断先端に対して並進させる。例えば、図3、図4A、及び図4Bに戻ると、外科用デバイス100が第1の構成(例えば、遮蔽構成)のとき、チャック322を、長手方向軸線を中心にして第1の方向(例えば、デバイス100を近位端から遠位端の方に見て時計方向)に回転させて、デバイス100を第2の構成(例えば、延長構成)に再構成する。逆に、外科用デバイス100が第2の構成のとき、チャック322を、長手方向軸線を中心にして第2の方向(例えば、デバイス100を近位端から遠位端の方に見て反時計方向)に回転させて、デバイス100を第1の構成に再構成する。いくつかの実施形態では、チャック322は、基部320に対して約90度回転して、デバイス100を第1の構成から第2の構成へ、また第2の構成から第1の構成へと再構成する。或いは、チャック322は、基部320に対して他の様々な角度にわたって回転して、デバイス100を第1の構成から第2の構成へ、また第2の構成から第1の構成へと再構成する。
[0068] いくつかの実施形態では、シールド駆動メカニズム318は、デバイス100の遮蔽構成及び/又は延長構成におけるチャック322の基部320に対する回転配向(つまり、「遮蔽回転配向」及び/又は「延長回転配向」)を維持する、移動止めメカニズム430(図4Bを参照)を含む。移動止めメカニズム430がもたらす保持力が克服されると、上述したように、チャック322が基部320に対して回転する。いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、移動止めメカニズム430は、いくつかの平坦な外表面と、チャック322によって保持されると共に構成要素432の平坦面を係合するばね式ピン433とを含む、基部320の構成要素432によって形成される。
[0069] いくつかの実施形態では、移動止めメカニズム430は、外科用デバイス100の1つ又は複数の遮蔽構成及び1つ又は複数の延長構成を規定する。例えば、図面にも示されるように、外科用デバイス100は、遮蔽構成(例えば、図5Bを参照。つまり、切断先端534が外側シースアセンブリ106内に配設される構成であり、この構成は、切断面564が遠位面548と面一なので「面一」構成とも呼ばれる)、第1の延長構成(例えば、図5Cを参照。つまり、切断先端534が外側シースアセンブリ106から部分的に、例えば0.025cm(0.010インチ)突出する構成であり、この構成は「部分延長」構成とも呼ばれる)、並びに第2の延長構成(例えば、図5Dを参照。つまり、切断先端534が外側シースアセンブリ106から更に、例えば0.051cm(0.020インチ)突出する構成であり、この構成は「完全延長」構成とも呼ばれる)へと構成可能である。いくつかの実施形態では、デバイス100が第1の延長構成のとき、チャック322は基部320に対して第1の方向(例えば、デバイス100を近位端から遠位端の方に見て時計方向)に約45度回転して、デバイス100を第1の延長構成から第2の延長構成へ、また第2の延長構成から第1の延長構成へと再構成する。いくつかの実施形態では、デバイス100が第1の延長構成のとき、チャック322は基部320に対して第2の方向(例えば、デバイス100を近位端から遠位端の方に見て反時計方向)に約45度回転して、デバイス100を第1の延長構成から遮蔽構成へ、また遮蔽構成から第1の延長構成へと再構成する。或いは、チャック322は、基部320に対して他の様々な角度にわたって回転して、デバイス100を第1の延長構成から第2の延長構成へ、また第2の延長構成から第1の延長構成へと再構成し、更にデバイス100を第1の延長構成から遮蔽構成へ、また遮蔽構成から第1の延長構成へと再構成する。
[0070] いくつかの実施形態では、チャック322は、デバイス100の遮蔽及び/又は延長構成において基部320のインジケータ438と整列する、1つ又は複数のインジケータ(例えば、3つのインジケータ436A、436B、及び436C)を含む。例えば、第1のインジケータ436Aは、遮蔽構成において基部インジケータ438と長手方向で整列し、第2のインジケータ436Bは、第1の延長構成(部分延長構成)において基部インジケータ438と長手方向で整列し、第3のインジケータ436Cは、第2の延長構成(完全延長構成)において基部インジケータ438と長手方向で整列する。いくつかの実施形態では、インジケータ436A、436B、及び436Cは異なる色である。例えば、第1のインジケータ436Aは緑色、第2のインジケータ436Bは黄色、第3のインジケータ436Cは赤色である。インジケータ436及び438は、様々なタイプとして、また記号及び/又は形状(円形など)の異なる組み合わせで形成される。それに加えて、図4A及び図4Bは、遮蔽構成、第1の延長構成、及び完全延長構成に対応する3つのインジケータ436A、436B、及び436Cを示しているが、デバイス100は、チャック322を含めて、追加の遮蔽、延長、又は他の構成を有してもよい。そのため、デバイス100及びチャック322は、かかる構成を示す追加の対応するインジケータを含む。
[0071] 図5A〜図5Dを再び参照すると、シースアセンブリ102は、患者の脈管系を受け入れ、それに適応し、そこを通り抜けるため、一般に可撓性である。シースアセンブリ102は、一般に、外側シースアセンブリ106と、外側シースアセンブリ106内で保持される中間シースアセンブリ540と、中間シースアセンブリ540内で保持される内側シースアセンブリ542とを含む。
[0072] 外側シースアセンブリ106は外側シース544を含む。外側シース544は、ポリマー押出材、編組強化ポリマー押出材、コイル、バイコイル、トリコイル、レーザー切断金属管材、及びそれらの任意の組み合わせで形成される。いくつかの実施形態では、外側シース544は、上述の構成要素を取り囲む、可撓性ポリマージャケットなどのジャケットを含む。外側シース544は複数の部分を含む一体構造である。いくつかの実施形態では、外側シース544は、約0.516cm(0.203インチ)の外径と約0.480cm(0.189インチ)の内径とを有する。いくつかの実施形態では、外側シース544は、約0.625cm(0.250インチ)の外径と約0.584cm(0.230インチ)の内径とを有する。外側シース544の近位端はチャック322に固定的に結合される。或いは、更に詳細に後述するように、外側シース544の近位端は、チャック322に対して回転可能に固定されると共に並進可能に摺動することができる。外側シース544の遠位端は、例えば溶接接続などを介して、外側シールド又は外側の帯546に結合する。
[0073] 外側シールド546は、図6A及び図6Bに別個に示されている。外側シールド546は、生体適合性金属など、様々な適切な構成要素で形成された、ほぼ環状の構成要素である。外側シールド546は、外側シース544とは反対側に遠位面548を含む。いくつかの実施形態では、遠位面548は、被験者の組織の拡張を容易にする、湾曲した、研磨された、並びに/又は全体的に平滑な表面である。遠位面548は、植え込まれたリード線と、場合によっては植え込まれたリード線を取り囲む組織の一部分とを受け入れる、遠位側開口部550を規定する。それに加えて、切断先端534が、外科用デバイス100の延長構成では、遠位側開口部550を少なくとも部分的に通って延在する(例えば、図5C及び図5Dを参照)。遠位側開口部550は、外側シールド546の遠位面548から近位端まで延在する、外側シールド通路551と連通している。
[0074] 中間シースアセンブリ540は、外側シース544内で保持される中間シース552を含む。中間シース552は、ポリマー押出材、編組強化ポリマー押出材、コイル、バイコイル、トリコイル、レーザー切断金属管材、及びそれらの任意の組み合わせで形成される。中間シース552は複数の部分を含む一体構造である。いくつかの実施形態では、中間シース552は、約0.457cm(0.180インチ)の外径と約0.422cm(0.166インチ)の内径とを有する。いくつかの実施形態では、中間シース552は、約0.556cm(0.219インチ)の外径と約0.521cm(0.205インチ)の内径とを有する。中間シース552の近位端は、シールド駆動メカニズム318の基部320に固定的に結合される。或いは、中間シース552は基部320の通路424を通って延在し、中間シース552の近位端は、ハンドルアセンブリ104のハウジング308に固定的に結合される。中間シース552の遠位端は、例えば溶接接続などを介して、中間先端554に結合する。
[0075] 中間先端554は、図7A及び図7Bに別個に示されている。中間先端554は、生体適合性金属など、様々な適切な構成要素で形成される。中間先端554は、外側シールド通路551内で保持される、ほぼ環状の構成要素である。中間先端554は、中間先端554の遠位端から近位端まで延在する中間先端通路555を含む。
[0076] 次に図5A〜図5D、図6A〜図6B、及び図7A〜図7Bを参照すると、簡潔に上述したように、外側シールド546及び中間先端554は併せてシールドカム・フォロワメカニズム528を規定する。カム・フォロワメカニズム528は、シールド駆動メカニズム318が作動し、外側シースアセンブリ106が回転すると(例えば、チャック322が回転すると)、外側シースアセンブリ106の少なくとも一部分(例えば、遠位部分)を中間シースアセンブリ540及び切断先端534に対して並進させる。いくつかの実施形態では、カム・フォロワメカニズム528は、外側シールド546によって規定されるカムスロット又はチャネル556と、中間先端554が保持するフォロワ又はピン558とを含む。いくつかの実施形態では、ピン558は、中間先端554によって規定される貫通穴559にプレス嵌めによって受け入れられる。或いは、カムスロット556は中間先端554によって規定され、フォロワ558は外側シールド546によって保持される。いずれの場合も、カムスロット556はフォロワ558を摺動可能に受け入れる。それに加えて、カムスロット556は、長手方向に、また外側シールド546(或いは、中間先端554)の円周の少なくとも一部分にわたって(つまり、部分的にらせん状に)延在する、プロファイルを含む。結果として、(例えば、チャック322の回転によって)外側シース544及び外側シールド546が中間シースアセンブリ540に対して回転すると、フォロワ558がカムスロット556内で摺動し、カムスロット556のプロファイルによって、中間先端554及び切断先端534に対する外側シールド546の長手方向並進が制御される。換言すれば、カムスロット556のプロファイルは、切断先端534が外側シールド546内に配設される、1つ又は複数の第1の位置(つまり、デバイス100の遮蔽構成の1つ又は複数。例えば、図5Bを参照)から、切断先端534が遠位側開口部550を少なくとも部分的に通って延在する、1つ又は複数の第2の位置(つまり、デバイス100の延長構成の1つ又は複数。例えば、図5C及び図5Dを参照)へ、また第2の位置から第1の位置へ、外側シールド546の並進を制御する。
[0077] いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、カムスロット556は線形プロファイルを含む。或いは、カムスロット556は、非線形プロファイル、又は個々及び/若しくは複数の線形及び非線形プロファイルの組み合わせを含む。
[0078] いくつかの実施形態では、(チャック322及び外側シース544の回転による)外側シールド546の中間シースアセンブリ540に対する並進及び回転によって、外側シース544がチャック322と外側シールド546との間で比較的少量、長手方向に圧縮及び延長する(例えば、約0.051cm(0.020インチ)の長手方向圧縮及び延長)。換言すれば、外側シース544の近位端はチャック322に固定的に結合され、外側シールド546が中間シースアセンブリ540に対して並進し回転しても、外側シース544の近位端は並進しない。或いは、いくつかの実施形態では、(チャック322及び外側シース544の回転による)外側シールド546の中間シースアセンブリ540に対する並進及び回転によって、外側シース544の近位端がチャック322に対して並進及び/又は回転する。換言すれば、外側シース544の近位端は、チャック322に並進可能及び/又は回転可能に結合される。
[0079] 図5A〜図5Dを再び参照すると、内側シースアセンブリ542は、中間シース552によって回転可能に保持された内側シース560を含む。内側シース560は、ポリマー押出材、編組強化ポリマー押出材、コイル、バイコイル、トリコイル、レーザー切断金属管材、及びそれらの任意の組み合わせで形成される。内側シース560は複数の部分を含む一体構造である。可撓性であることに加えて、内側シース560はまた、切断先端駆動メカニズム314から伝達されるトルクを受け、十分なトルクを切断先端534に伝達するために、高い回転剛性を有する。いくつかの実施形態では、内側シース560は、約0.396cm(0.156インチ)の外径と約0.345cm(0.136インチ)の内径とを有する。いくつかの実施形態では、内側シース560は、約0.498cm(0.196インチ)の外径と約0.450cm(0.177インチ)の内径とを有する。内側シース560の近位端は、例えば、米国仮特許出願第62/058,790号に記載及び/又は例証されている内側キー及び外側キーのいずれかを含むアセンブリなど、キーアセンブリ362(図3Aを参照)を介して、切断先端駆動メカニズム314に対して回転可能に固定されると共に並進可能に摺動することができる。内側シース560の遠位端は、例えば溶接接続などを介して、切断先端534に結合する。
[0080] 切断先端534は、図8A〜図8Dに別個に示されている。切断先端534は、生体適合性金属など、様々な適切な構成要素で形成される。切断先端534は、中間先端通路555内で保持される、ほぼ環状の構成要素である。切断先端534の遠位端は、(例えば、切断先端駆動メカニズム314の作動、及び中間シース552に対する内側シース560の回転によって)切断先端534が中間先端554に対して回転すると、被験者の組織を切断するように適合された、切断面564を含む。いくつかの実施形態では、切断面564は、外科用デバイス100の遮蔽構成及び延長構成の両方で被験者の組織を切断するように適合される。
[0081] いくつかの実施形態では、図8A〜図8Dに示されるように、切断面564は、「クラウン」鋸歯(つまり、複数の切欠きと隣接する切欠きなしの部分とを含む表面)として形成される。或いは、図9A及び図9Bに示されるように、シースアセンブリ102は、別のタイプの鋸歯として形成された切断面968を有する切断先端966を含む。具体的には、切断面968は、複数の切欠きを含むが隣接する切欠きなしの部分は有さない鋸歯として形成される。別の代替例として、切断先端の切断面は鋸歯を有さない。本明細書の残りの部分は、簡潔にするために切断先端534のみに言及するが、切断先端534のいかなる説明も切断先端966にも当てはまることが理解されるべきである。
[0082] 更に別の代替例として、切断先端の切断面は、その教示するもの全て及び目的の全てを参照により本明細書に組み込む米国特許出願第13/834,405号に記載及び/又は例証されているもののいずれかなど、他の様々なプロファイルを含む。それに加えて、図10を参照すると、本明細書に記載する切断先端のいずれかは内表面1070を含む。内表面1070は、径方向内側であって切断面564に対して近位側に配設される。内表面1070は、切断組織T及び/又は植え込まれたリード線Lをシースアセンブリ102内へとガイドするのを容易にする、湾曲した、研磨された、並びに/又は全体的に平滑な表面である。
[0083] 図5A〜図5D及び図8A〜図8Dを再び参照すると、いくつかの実施形態では、切断先端534は、切断先端駆動メカニズム314が作動すると、単に中間先端554及び外側シールド546に対して回転する(つまり、切断先端534は、切断先端駆動メカニズム314が作動した際、中間先端554及び外側シールド546に対して長手方向に並進はしない)。いくつかの実施形態では、切断先端534は、切断先端駆動メカニズム314が作動すると、中間先端554及び外側シールド546に対して回転すると共に長手方向に並進する。この並進を容易にするため、いくつかの実施形態では、外科用デバイス100は、シースアセンブリ102の遠位端に規定される切断先端カム・フォロワメカニズム572を含む。つまり、カム・フォロワメカニズム572は、(例えば、トリガ310を近位方向及び遠位方向に並進させることによって)切断先端駆動メカニズム314が作動し、切断先端534が回転すると、切断先端534を中間先端554及び外側シールド546に対して並進させる。いくつかの実施形態では、カム・フォロワメカニズム572は、切断先端534によって規定されるカムスロット又はチャネル574と、中間先端554が保持するフォロワ又はピン558とを含む。或いは、カムスロット574は中間先端554によって規定され、フォロワ558は切断先端534によって保持される。別の代替例として、切断先端カム・フォロワメカニズム572は、シールドカム・フォロワメカニズム528とは別のフォロワ又はピン(図示なし)を含む。いずれの場合も、カムスロット574はフォロワ558を摺動可能に受け入れる。それに加えて、カムスロット574は、長手方向に、また切断先端534(或いは、中間先端554)の円周の少なくとも一部分にわたって延在する、プロファイルを含む。結果として、(例えば、トリガ310の並進及び切断先端駆動メカニズム314の作動によって)内側シース560及び切断先端534が中間シースアセンブリ540に対して回転すると、フォロワ558がカムスロット574内で摺動し、カムスロット574のプロファイルによって、中間先端554及び外側シールド546に対する切断先端534の長手方向並進が制御される。
[0084] カムスロット574のプロファイルは、米国仮特許出願第62/058,790号又は米国特許出願第13/834,405号に記載及び/又は例証されているもののいずれかを含む、様々な形態をとる。例えば、カムスロット574は、実質的に線形のプロファイル、実質的に正弦状のプロファイル、又は個々及び/若しくは複数の線形及び非線形プロファイルの組み合わせを有する。それに加えて、カムスロット574は開いた連続的構成を有し、それによって切断先端534を連続的に回転させることが可能になる。或いは、カムスロット574は閉じた不連続構成を有し、それによって、切断先端534が丸一回転した配向に達すると、再作動させる前に切断先端534が初期配向に戻るように、トリガ310を解除又は反転しなければならない。例えば、図8Aのカムスロット574は切断先端534の外部の全周には及んでいないので、カムスロット574は不連続である。更に、カムスロット574は、部分ローブカム(切断先端534の外表面の円周の360度未満を取り囲むカムスロットを含む)、単独ローブカム(切断先端534の外表面の円周の360度を取り囲むカムスロットを含む)、二重ローブカム(切断先端534の外表面の円周の720度を取り囲むカムスロットを含む)、及び/又は他の複数のローブカムである。
[0085] 上述したように、デバイス100の遮蔽構成では、切断先端駆動メカニズム314が作動していないとき、切断先端534の切断面564は外側シールド546内に配設される。いくつかの実施形態では、カムスロット574は、デバイス100の1つ又は複数の遮蔽構成では、切断先端駆動メカニズム314の作動中、切断面564が外側シールド546内に配設されたままであるような、プロファイルを含む。いくつかの実施形態では、切断先端534が外側シールド546内で回転し延長している間であっても、切断面564が外側シールド546の最遠位端の近位側に留まることにより、切断先端駆動メカニズム314の作動中に切断面654が遮蔽されたままなので、かかるデバイス100は脈管の壁を損傷するリスクを低減する。いくつかの実施形態では、カムスロット574は、デバイス100の1つ又は複数の遮蔽構成では、切断先端駆動メカニズム314の作動の一部分の間、切断面564が外側シールド546の遠位側開口部550を通って延在し、外側シールド546の外側に少なくとも部分的に配設されるような、プロファイルを含む。
[0086] 上述したように、デバイス100の延長構成では、切断先端駆動メカニズム314が作動していないとき、切断先端534の切断面564は外側シールド546外に少なくとも部分的に配設される。いくつかの実施形態では、カムスロット574は、デバイス100の1つ又は複数の延長構成では、切断先端駆動メカニズム314の作動中、切断面564が外側シールド546外に少なくとも部分的に配設されたままであるような、プロファイルを含む。いくつかの実施形態では、カムスロット574は、デバイス100の1つ又は複数の延長構成では、切断先端駆動メカニズム314の作動の一部分の間、切断面564が外側シールド546の遠位側開口部550を通って後退し、外側シールド546内に配設されるような、プロファイルを含む。
[0087] いくつかの実施形態では、図1〜図10に示されるように、外科用デバイス100は「平坦な」切断面564を有する切断先端534を含む。つまり、切断面564はシースアセンブリ102の長手方向軸線326に対して垂直である。いくつかの実施形態では、外側シールド546の遠位面548もシースアセンブリ102の長手方向軸線326に対して垂直である。
[0088] 次に図11A〜図11Eを参照すると、いくつかの実施形態では、外科用デバイス100は、「斜角を付けた」、「斜めの」、若しくは「オフセットされた」遠位端を有するシースアセンブリ1176を含む。つまり、シースアセンブリ1176は、「斜角を付けた」、「斜めの」、若しくは「オフセットされた」切断面1180を有する切断先端1178、及び/又は「斜角を付けた」、「斜めの」、若しくは「オフセットされた」遠位側開口部1184を有する外側シールド1182を含む。つまり、いくつかの実施形態では、切断先端1178の切断面1180は長手方向軸線326に対して鋭角αで配設される。いくつかの実施形態では、外側シールド1182の遠位側開口部1184は長手方向軸線326に対して鋭角βで配設される。いくつかの実施形態では、角度α及び角度βは等しい。いくつかの実施形態では、角度α及び角度βは等しくない。
[0089] 切断面1180は、上述したものなど、様々なタイプの鋸歯を有し、又は鋸歯を有さない。
[0090] 特に図11B及び図11Cを参照すると、切断先端1178は、切断先端1178が外側シールド1182内に配設されるシースアセンブリ1176の1つ又は複数の遮蔽構成では、回転して組織を切断、分離、及び/又は拡張する。特に図11D及び図11Eを参照すると、切断先端1178は、切断先端1178が外側シールド1182から少なくとも部分的に突出するシースアセンブリ1176の1つ又は複数の延長構成でも、回転して組織を切断、分離、及び/又は拡張する。
[0091] シースアセンブリ1176は、切断先端1178を遮蔽構成から延長構成へ、また延長構成から遮蔽構成へと移動させるように、選択的に再構成可能である。図12A及び図12Bを参照すると、デバイスは、ユーザが作動させて、シースアセンブリ1176を遮蔽構成から延長構成へ、また延長構成から遮蔽構成へと再構成する、シールド駆動メカニズム1286を含む。いくつかの実施形態では、シールド駆動メカニズム1286は、ハンドルアセンブリ(図示なし)の遠位端付近で保持される。シールド駆動メカニズム1286は、ハンドルアセンブリに固定的に結合する基部1288を含む。基部1288は、作動可能な構成要素又は「チャック」1290に回転可能に結合する。
[0092] 次に図11A〜図11E及び図12A〜図12Bを参照すると、チャック1290は、外側シース1192を介して外側シールド1182に結合する。そのため、チャック1290が長手方向軸線326を中心にして回転することによって、外側シールド1185が切断先端1178及び中間先端1194に対して回転する。外側シールド1185が回転すると、シールドカム・フォロワメカニズム1196が存在することにより、外側シールド1185は、切断先端1178及び中間先端1194に対して長手方向に並進する。
[0093] いくつかの実施形態では、カム・フォロワメカニズム1196は、中間先端1194によって規定されるカムスロット又はチャネル1198と、外側シールド1182が保持するフォロワ又はピン11100とを含む。或いは、カムスロット1198は外側シールド1182によって規定され、フォロワ11100は中間先端1194によって保持される。いずれの場合も、カムスロット1198はフォロワ11100を摺動可能に受け入れる。それに加えて、カムスロット1198は、長手方向に、また中間先端1194(或いは、外側シールド1182)の円周の少なくとも一部分にわたって(つまり、部分的にらせん状に)延在する、プロファイルを含む。そのため、(例えば、チャック1290の回転によって)外側シールド1182が中間先端1194に対して回転することによって、切断先端1178が外側シールド1182内に配設される、1つ又は複数の第1の位置(つまり、シースアセンブリ1176の遮蔽構成の1つ若しくは複数。例えば、図11B及び図11Cを参照)から、切断先端1178が遠位側開口部1184を少なくとも部分的に通って延在する、1つ又は複数の第2の位置(つまり、シースアセンブリ1176の延長構成の1つ若しくは複数。例えば、図11D及び図11Eを参照)へ、また第2の位置から第1の位置へ、外側シールド1182が並進する。
[0094] いくつかの実施形態では、図面にも示されるように、カムスロット1198は線形プロファイルを含む。或いは、カムスロット1198は、非線形プロファイル、又は個々及び/若しくは複数の線形及び非線形プロファイルの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、カムスロット1198は、中間先端1194(或いは、外側シールド1182)の円周を360度延在し、チャック1290は360度回転して、シースアセンブリ1176を遮蔽構成の1つから延長構成の1つへ、また延長構成の1つから遮蔽構成の1つへと再構成する。これにより、遮蔽構成及び延長構成の両方において、切断面1180の頂点11102を外側シールド1182の頂点11104と角度合わせすることが容易になる。
[0095] いくつかの実施形態では、切断先端1178は、切断先端駆動メカニズムが作動すると、単に中間先端1194及び外側シールド1182に対して回転する(図11A〜図12Bには示されていない。つまり、切断先端1178は、切断先端駆動メカニズムが作動した際、中間先端1194及び外側シールド1182に対して長手方向に並進はしない)。いくつかの実施形態では、切断先端1178は、切断先端駆動メカニズムが作動すると、中間先端1194及び外側シールド1182に対して回転すると共に長手方向に並進する。この並進を容易にするため、いくつかの実施形態では、シースアセンブリ1176は、シースアセンブリ1176の遠位端に規定される切断先端カム・フォロワメカニズム11106を含む。つまり、カム・フォロワメカニズム11106は、切断先端駆動メカニズムが作動し、切断先端1178が回転すると、切断先端1178を中間先端1194及び外側シールド1182に対して並進させる。いくつかの実施形態では、カム・フォロワメカニズム11106は、切断先端1178によって規定されるカムスロット又はチャネル11108と、中間先端1194が保持するフォロワ又はピン11110とを含む。或いは、カムスロット11108は中間先端1194によって規定され、フォロワ11110は切断先端1178によって保持される。いずれの場合も、カムスロット11108はフォロワ11110を摺動可能に受け入れる。それに加えて、カムスロット11108は、長手方向に、また切断先端1178(或いは、中間先端1194)の円周の少なくとも一部分にわたって延在する、プロファイルを含む。結果として、(例えば、切断先端駆動メカニズムの作動によって)切断先端1178が中間先端1194に対して回転すると、フォロワ11110がカムスロット11108内で摺動し、カムスロット11108のプロファイルによって、中間先端1194及び外側シールド1182に対する切断先端1178の長手方向並進が制御される。カムスロット11108のプロファイルは、上述したもののいずれかを含む様々な形態をとる。
[0096] シースアセンブリ1176の遮蔽構成では、切断先端駆動メカニズムが作動していないとき、切断先端1178の切断面1180は外側シールド1182内に配設される。いくつかの実施形態では、カムスロット1198は、シースアセンブリ1176の1つ又は複数の遮蔽構成では、切断先端駆動メカニズムの作動中、切断面1180が外側シールド1182内に配設されたままであるような、プロファイルを含む。例えば、1つ又は複数の遮蔽構成では、切断先端駆動メカニズムの作動の一部分の間、切断先端1178の頂点11102は外側シールド1182内に留まる。いくつかの実施形態では、カムスロット1198は、シースアセンブリ1176の1つ又は複数の遮蔽構成では、切断先端駆動メカニズムの作動の一部分の間、切断面1180が外側シールド1182の遠位側開口部1184を通って延在し、外側シールド1182の外側に少なくとも部分的に配設されるような、プロファイルを含む。例えば、1つ又は複数の遮蔽構成では、切断先端駆動メカニズムの作動の一部分の間、切断先端1178の頂点11102は外側シールド1182外に配設される。
[0097] シースアセンブリ1176の延長構成では、切断先端駆動メカニズムが作動していないとき、切断先端1178の切断面1180は外側シールド1182外に少なくとも部分的に配設される。例えば、切断先端駆動メカニズムが作動していないとき、切断先端1178の頂点11102は、外側シールド1182を越えて遠位側に0.051cm(0.020インチ)延在する。いくつかの実施形態では、カムスロット1198は、シースアセンブリ1176の1つ又は複数の延長構成では、切断先端駆動メカニズムの作動中、切断面1180が外側シールド1182外に少なくとも部分的に配設されたままであるような、プロファイルを含む。例えば、1つ又は複数の延長構成では、切断先端駆動メカニズムの作動の一部分の間、切断先端1178の頂点11102は外側シールド1182外に配設されたままである。いくつかの実施形態では、カムスロット1198は、シースアセンブリ1176の1つ又は複数の延長構成では、切断先端駆動メカニズムの作動の一部分の間、切断面1180が、外側シールド1182の遠位側開口部1184を通って後退し、外側シールド1182内に配設されるような、プロファイルを含む。例えば、1つ又は複数の延長構成では、切断先端駆動メカニズムの作動の一部分の間、切断先端1178の頂点11102は外側シールド1182内へと後退する。
[0098] 図13を参照すると、いくつかの実施形態では、外科用デバイス100はシースアセンブリ1300を含む。この図は、可撓性で固定の外側シース1302と、可撓性の延長可能な中間シース1304と、可撓性の延長可能な内側シース1306とを示している。外側シース1302には、回転可能な外側カム部材1308が結合されている。中間シース1304には、回転可能な中間カム部材1310が結合されている。内側シース1306には、回転可能な内側カム部材1312が結合されている。内側カム部材1312は切断面1313を含む。内側カム部材1312は、ピン1314によって中間カム部材1310に接続される。中間カム部材1310は、ピン1316によって外側カム部材に接続される。内側シース1306が遠位方向に延在すると、内側カム部材1312は、ピン1314が入るカムスロット1318のプロファイルにしたがって回転し移動する。同様に、中間シース1304が遠位方向に延在すると、中間カム部材は、ピン1316が入るカムスロット1320のプロファイルにしたがって回転し移動する。
[0099] 図14を参照すると、いくつかの実施形態では、外科用デバイス100はシースアセンブリ1400を含む。シースアセンブリ1400は上述のシースアセンブリと同様である。一般に、シースアセンブリ1400は、中間先端1404に受け入れられる切断先端1402を含む。切断先端1402は、切断先端カム・フォロワメカニズム(図14には図示なし)を介して中間先端1404に結合される。中間先端1404は外側シールド1406に受け入れられる。外側シールド1406は、シールドカム・フォロワメカニズム1408を介して中間先端1404に結合される。シールドカム・フォロワメカニズム1408は、外側シールド1406が、1つ又は複数の遮蔽構成(例えば、図14を参照)から1つ又は複数の延長構成(図示なし)へ、また延長構成から遮蔽構成へと移動するのを容易にする。遮蔽構成では、切断先端1402は外側シールド1406内に配設される。延長構成では、切断先端1402は外側シールド1406から少なくとも部分的に突出する。外側シールド1406は、外側シールド1406を中間先端1404に対して回転させることによって、遮蔽構成から延長構成へ、また延長構成から遮蔽構成へと移動する。換言すれば、シールドカム・フォロワメカニズム1408は、外側シールド1406が中間先端1404に対して回転した際、外側シールド1406を中間先端1404に対して並進させるのを容易にする。いくつかの実施形態では、シースアセンブリ1400は、外側シールド1406が遮蔽構成及び/又は延長構成のときに露出するか若しくは目に見える、1つ又は複数のインジケータを含む。例えば、図14に示されるように、中間先端1404は、遮蔽構成において露出する、色つきの帯1410(例えば、緑色の帯)を保持する。使用中、ユーザは、シースアセンブリ1400の遠位端を患者から除去して、外側シールド1406を中間先端1404に対して遮蔽構成から延長構成へ、また延長構成から遮蔽構成へと移動させる。
[00100] 本明細書に記載するデバイス、構造、及び構成要素は、2014年12月19日付けの米国特許出願第14/577,976号、名称「植込み物を除去するための内側に屈曲した切断先端を含む外科用器具(SURGICAL INSTRUMENT including an inwardly deflecting cutting tip FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT)」、並びに/或いは2016年8月26日付けの米国出願第15/249,206号、名称「レーザー切断ハイポチューブを使用して植込み物を除去する医療用デバイス(MEDICAL DEVICE FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT USING LASER CUT HYPOTUBES)」に記載されている、デバイス、構造、及び構成要素のいずれかと組み合わせるか又は置換することができ、それらの教示するもの全て及び目的の全てを参照により本明細書に組み込むものとする。
[00101] 図15を参照すると、本開示の外科用デバイス2000の代替実施形態の斜視図が示されている。外科用デバイス2000は上述した他の外科用デバイスと類似しているが、外科用デバイス2000は、図1〜図3に示される手動式の実施形態など、手動で作動させて切断先端を回転及び並進させるのではなく、電気モータによる電動式である。したがって、簡潔にするため、上記で考察した外科用デバイスと外科用デバイス2000との違いについてのみ記載し、外科用デバイス2000は本明細書で上述した構造及び構成要素を含むことが理解されるものとする。例えば、外科用デバイス2000は、特に図5A〜図5Dに関して本明細書で上述したシースアセンブリ102と同様の、シースアセンブリ2002を含む。外科用デバイス2000のシースアセンブリ2002は、シースアセンブリ102、又は本明細書で上述した外科用デバイスの他の実施形態のアセンブリの、内側シースアセンブリ542、中間シースアセンブリ540、及び外側シースアセンブリ106とそれぞれ類似した、内側シースアセンブリ542’と、中間シースアセンブリ540’と、外側シースアセンブリ2006とを含むことが理解されるものする。
[00102] 図15及び図16を参照すると、外科用デバイス2000は、ハンドルアセンブリ2004と、ハンドルアセンブリ2004に結合されたシールド駆動メカニズム2318と、シールド駆動メカニズム2318から延在するストレインリリーフ2012と、ハンドルアセンブリ2004、シールド駆動メカニズム2318、及びストレインリリーフ2012に結合されると共にそこから延在するシースアセンブリ2002とを含む。ハンドルアセンブリ2004は、上部部分2010と、下部部分2008と、下部部分2008に結合されたトリガ(又はトリガボタン)2310とを含む。トリガ2310は下部部分2008に結合されているものとして示されているが、上部部分2010又はハンドルアセンブリ2004の別の部分に結合されることもある。ハンドルアセンブリ2004の上部部分2010及び下部部分2008は、一体又は別個の構成要素である。それに加えて、上部部分2010及び下部部分2008は、ハンドルの下部部分2008の少なくとも一部分が上部部分2010の上に重なるように、また上部部分2010が下部部分2008の上に重なるように、互いに重なり合う。
[00103] ハンドルアセンブリ2004の内部図である図17を参照すると、電源スイッチ2345と、トリガ2310に結合されたトリガスイッチ2344と、トリガシール2340と、1つ又は複数の電池2352a、2352bと、電池2352a、2352bの間に配設されたプルタブ2014と、ハンドルアセンブリ2004の下部部分2008内に配設された回路基板2348とが示されている。これらの構成要素は下部部分2008内に配設されるものとして示されているが、これらの構成要素は、上部部分2010内又はハンドルアセンブリ2004の別の部分内に配設されることもある。ハンドルアセンブリ2004の上部部分2010内に配設されると共にモータ2360を含む、切断先端駆動メカニズムの特定の構成要素については、更に詳細に後述する。切断先端駆動メカニズムの特定の構成要素は上部部分2010内に配設されるものとして示されているが、これらの構成要素は、下部部分2008内又はハンドルアセンブリ2004の別の部分内に配設されることもある。
[00104] トリガスイッチ2344、電池2352a、2352b、回路基板2348、及びモータ2360は互いに電気的に結合されて、場合によっては、トリガスイッチ2344が作動すると閉電気回路を形成する。回路基板2348は、図19に関連して更に詳細に後述するコントローラ2404を含む。一般に、コントローラ2404は、1つ又は複数のプロセッサと、メモリと、メモリに格納された論理若しくは命令を収容して、外科用デバイス2000の動作を制御する1つ又は複数のモジュールとを含む。例えば、医師がトリガ2310を作動させると、トリガスイッチ2344が作動して、信号がコントローラ2404に送信されることによって、電流が電池2352a、2352bからモータ2360に流れるようになり、切断先端駆動メカニズムが作動する。図17に示されるように、プルタブ2014が電池2352a、2352bの間に配設され、それによって、スイッチ2345がオン位置にあるとき、電気回路が開いて、電流が電池2352a、2352bからモータへと流れるのが阻害される。そのため、外科用デバイス2000のユーザは、デバイス2000を使用する前にプルタブ2014を除去しなければならない。プルタブ2014を含むことによって、外科用デバイス2000の配送、保管、及び/又は未使用の間の電池寿命が増大する。この図では、プルタブ2014は電池2352a、2352bの間に配設されているが、プルタブ2014は、トリガスイッチ2344、電池2352a、2352b、回路基板2348、及びモータ2360の間に形成される電気回路を遮断するため、別の位置に配設されることもある。更に、外科用デバイス2000は、電池2352a、2352bをその電力源又は電源として有するものとして例証され記載されるが、外科用デバイス2000は代替の電源の有することもある。例えば、直流を生成する電池2352a、2352bを有するのではなく、外科用デバイス2000は、カプラーを介して、補助の直流又は交流電源に電気的に結合されることもある。
[00105] 図17Aを参照すると、ハンドルアセンブリ2004の下部部分2008に関して、トリガ2310、トリガスイッチ2344、及びトリガ2310とハウジングとの間に配設されたトリガシール2340の拡大断面図が示されている。外科用デバイス2000の動作中、侵入し移動する血液などの体液が、外科用デバイス2000のハンドルアセンブリ2004に入り、トリガスイッチ2344、電池2352a、2352b、回路基板2348、及びモータ2360などの電気構成要素に接触するのを限定及び/又は阻害することが望ましい。トリガシール2340は、様々なタイプのエラストマー材料(例えば、ペバックス、シリコーン、ニトリル、ポリウレタン、フルオロカーボン、及びペルフルオロエラストマー)並びに発泡体を含むか、又はそれらで構成される。トリガシール2340が発泡体を含む場合、連続気泡発泡体又は独立気泡発泡体のどちらでもあり得る。
[00106] 図17B、図17C、図17Dを参照すると、切断先端駆動メカニズムの特定の構成要素が示されている。例えば、切断先端駆動メカニズムは、モータ2360と、一連の平歯車2366、2362と、内側シースアセンブリ542’(又は内側シース)とを含む。モータ2360は、エンコーダと、モータギヤボックス2356と、モータシャフト2364とを含む。モータ2360は、モータギヤボックス2356及びモータシャフト2364を介して平歯車2366に結合される。平歯車2366は、次に平歯車2362に結合され、それが内側シースアセンブリ542’に結合される。モータ2360及びモータシャフト2364が回転すると、平歯車2366は回転し、平歯車2362と噛合する。平歯車2362は、医師がトリガ2310を作動させると、切断先端534’を含む内側シースアセンブリ542’に結合されるので、モータ2360、モータシャフト2364、平歯車2366、2362が回転し、それによって切断先端駆動メカニズムを含むシースアセンブリ542’の回転を駆動する。図17B、図17C、及び図17Dは、歯車2366、2362を平歯車として示しているが、一方又は両方の歯車が、はすば歯車、かさ歯車、ねじれ歯車、マイタ歯車、ウォーム歯車、遊星歯車、ハイポイド歯車、ラック及びピニオンなどであるものを含むがそれらに限定されない、他のタイプの歯車構成を使用できることが理解されるものとする。
[00107] 図17B及び図17Cを参照すると、平歯車2366はモータシャフト2364に固定的に結合される。つまり、平歯車2366及びモータシャフト2364の両方が互いに対して軸線方向で移動せず回転もしないようにして、平歯車2366がモータシャフト2364に固定される。同様に、平歯車2362及び内側シース542’が互いに対して軸線方向で移動せず回転もしないようにして、平歯車2362が内側シースアセンブリ542’の内側シースに固定的に結合される。図13及び図14などに関連して上述したように、内側シースアセンブリは、内側シースアセンブリの切断先端1402及び中間シースアセンブリの遠位先端によって、中間シースアセンブリに結合される。例えば、ピンは中間先端に固定的に取り付けられ、ピンは内側シースの切断先端にあるカムスロットに収まる。内側シース及び切断先端が回転するにつれて、切断先端は、中間シース及び外側シースに対して線形的に延長及び後退する。したがって、内側シース542’は、中間シース540’に対して回転し軸線方向に並進する。
[00108] 内側シース542’及び中間シース540’の並進に適応するために、平歯車2366、2362は互いに対して軸線方向に並進することができる。例えば、平歯車2366は軸線方向に固定される一方で回転し、平歯車2362は軸線方向に並進すると共に回転することができる。平歯車2366、2362が十分に幅広である限り、回転中に互いに噛合し係合し続ける一方で、シースアセンブリのピン及びカムスロットの相互作用によって生じる中間シース540’内の内側シース542’の線形的(長手方向)並進を補償する。
[00109] 中間シース540’内における内側シース542’の線形的並進を補償する追加又は代替の手段は、参照により本明細書に組み込む2014年3月3日付けの米国仮出願第第61/947,377号、名称「埋込み物を除去する医療用デバイス(MEDICAL DEVICE FOR REMOVING AN IMPLANTED OBJECT)」に開示され考察されているものなどの、内側キー及び外側キーの構成に類似している。例えば、該特許出願の図8及び図8Cは、外側シースアセンブリの外側キー内に配置された内側シースアセンブリの内側キーを示しており、内側キーの近位端外部の断面は外側キー内部に対して補完的なプロファイルを有する。内側キーは、少なくとも部分的には、内側キー外部の遠位端が外側キー内の管腔の近位端における円形断面と噛合する円形断面を有することにより、外側キー内で自由に回転することができる。それに加えて、内側キー及び外側キーは緩く結合されているため、内側キー及び外側キーは互いに対して長手方向に移動することができる。例えば、外側キーが回転も長手方向移動もしないように固定されているとすると、内側キーは外側キー内で回転することも長手方向に移動することもできる。
[00110] 本開示の図17B及び図17Cを参照すると、外科用デバイス2000は、外側キーとして働くブラケット又はコレット部分2389を含む。コレット部分2389は中間シース540’の近位端に固定的に取り付けられる。したがって、モータ2360及びモータシャフト2364が回転するにつれて、平歯車2366、2362が噛合し回転し、それによって内側シース542’及び内側キーが中間シース540’及び外側キー608内で回転する。上述したように、内側シース542’及び中間シース540’の軸線方向並進に適応するために、平歯車2366、2362は互いに対して軸線方向(長手方向)に並進することができる。また、切断先端におけるカムスロットのプロファイルは、外側キーに対する内側キーの長手方向移動、及び外側の帯に対する切断先端の長手方向移動を含む、外側シースアセンブリ内における内側シースアセンブリの長手方向移動を制御する。
[00111] モータ2360、平歯車2366、2362、及び内側シースアセンブリ542’は、ハンドルアセンブリ2004の上部部分2010内に配設されたブラケット2388によって支持される。また、切断先端駆動メカニズムは、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’の回転方向及び/又は長手方向位置を、特に、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’がホーム位置(切断先端534’がその最近位側の軸線方向位置にあるため、非延長位置とも呼ばれる)にあるか、並びに/或いは延長位置(切断先端534’がホーム位置よりも遠位側の軸線方向位置にあるため)にあるかを、監視及び/又は判定する手段も含む。内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’の回転方向及び/又は長手方向位置を監視及び/又は判定する手段は、モータシャフト2364及び/又は平歯車2366を介してモータ2360に結合されたアクメねじ又はアクメねじ歯車2368と、対応する噛合して係合されたアクメナット2372と、ブラケット2388に結合された位置スイッチ2376とを含む。モータ2360、モータシャフト2364、平歯車2366が回転すると、アクメねじ歯車2368も回転する。アクメねじ歯車2368は回転しても、長手方向軸線に沿って軸線方向に固定されたままである。アクメナット2372はアクメねじ歯車2368に噛合して係合するので、固定されていないアクメナット2372は、アクメねじ歯車2368が回転すると、長手方向軸線に沿って軸線方向に並進する。アクメねじ歯車2368は、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’がホーム位置にあるときは位置スイッチ2376を係合する、係合機構(図示なし)を含む。内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’は、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’が回転し長手方向に並進する前の位置など、軸線方向でそれらの最近位側位置にあるとき、それらのホーム位置にある。つまり、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’がそれらの最近位側位置(非延長位置)にあって、シールドが遮蔽構成か延長構成かにかかわらず、切断先端534’がその最も後退した位置にあるとき、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’はそれらのホーム位置にある。図17Dは、アクメねじ歯車2368、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’がそれらのホーム位置にあることを示す1つの位置スイッチ(又はセンサ)2376のみを示しているが、外科用デバイス2000は、アクメねじ歯車2368、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’が、1つ若しくは複数の部分延長位置及び/又は延長位置など、他の位置にあることを示す、追加の位置スイッチ及び/又は位置センサを含むこともある。
[00112] 内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’がそれらのホーム位置にあり、アクメナット2372の係合機構が位置スイッチ2376を係合しているとき、スイッチ2376は、対応する位置信号を生成し、位置信号をコントローラ2404に送信する。図示されていないが、外科用デバイス2000は、係合機構が追加の位置スイッチを係合しトリガして、対応する位置信号をコントローラ2404に送信すると、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’の長手方向又は軸線方向位置を監視する、追加の位置スイッチを含む。例えば、外科用デバイス2000は、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’がそれらの最遠位位置(延長位置)にあるとき、係合機構が位置スイッチを係合するような位置に配置された、位置スイッチを含む。(アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’の)最近位位置と最遠位位置との間での位置を感知し監視する、追加の位置スイッチも含まれる。或いは、1つ又は複数の位置スイッチは、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’の長手方向又は軸線方向位置を監視する、1つ又は複数のセンサに置き換えられ、1つ又は複数のセンサが、対応する位置信号をコントローラ2404に対して生成する。
[00113] 図17B、図17C、図17D、及び図18を参照すると、アクメナット2372(図17B、図17Cを、及び図17D)は、対応するスロット2378a、2378bそれぞれと係合しその中で摺動する、1つ又は複数の突出部2390a、2390b(図18)を含む。スロット2378a、2378bは近位側及び遠位端を有する。そのため、突出部2390a、2390b、及びスロット2378a、2378bは、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’の軸線方向又は長手方向移動を限定する手段として働く。つまり、突出部2390aがスロット2378aの遠位端に当接し接触すると、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’はそれ以上遠位方向に移動しないように阻止される。同様に、突出部2390bがスロット2378bの近位端に当接し接触すると、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’はそれ以上近位方向に移動しないように阻止される。そのため、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’の軸線方向又は長手方向移動は、スロット2378a、2378bの長さによって限定される。アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’の軸線方向又は長手方向移動を限定する他の手段又は代替手段が、外科用デバイス2000に含まれることもある。例えば、ブラケット部分2386は、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’がそれらの最遠位位置にあるとき、アクメナット2372が当接し接触する、アバットメントとして働く。図示されないが、ブラケット2388は、アクメナット2372、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’がそれらの最近位位置にあるとき、アクメナット2372が当接し接触する、別のアバットメントを含む。
[00114] アクメナット2372が、アクメナット2372の軸線方向又は長手方向移動を限定する手段に接触すると、モータに供給される電流が増加する。コントローラ2404はかかる電流を監視し、電流が所定の閾値を超えると、モータへの電力の供給が中止され、それによって、切断先端駆動メカニズム、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’のそれ以上の回転及び並進が停止され阻止される。アクメねじ歯車2368及びアクメナット2372はまた、ねじ歯車2368を回転させるのに使用される電流の量を増加又は減少させるように構成することができる。例えば、アクメねじ歯車2368及びアクメナット2372のねじ山のサイズとピッチは、ねじ歯車2368の回転に伴って電流が増加又は減少するように、固定又は可変である。
[00115] 図17C及び図18を参照すると、ブラケット部分2386に隣接してその遠位側に、また平歯車2362に隣接してその近位側に配設された、シール部材2380が示されている。つまり、シール部材2380は、平歯車2362とブラケット部分2386との間に配設される。上述したように、外科用デバイス2000の動作中、侵入し移動する血液などの体液が、ハンドルアセンブリ2004に入るのを限定及び/又は阻害することが望ましく、シール部材2380はかかる限定及び/又は阻害を助ける。シール部材2380は、トリガシール2340が含むのと同じ若しくは類似の材料を含むか、又はそれらから構築される。シール部材2380は、シースアセンブリ2002を、特に内側シースアセンブリ542’及び/又は中間シースアセンブリ540’を取り囲むように構成される。
[00116] 図20A及び図20Cを参照すると、シールド駆動メカニズム2318の断面図が示されている。シールド駆動メカニズム2318は、ノブ2322(又はチャック)と、ボタン2320と、支持部材2328と、ノブ2322と支持部材2388との間に配設されたばね2326とを含む。支持部材2388は、ノブ2322の径方向内側に配設され、支持部材2388は、内側シースアセンブリ542’及び/又は中間シースアセンブリ540’を通すための、中を貫通する管腔を含む。ボタン2320は、解除状態では、ばね2326がボタン2320及びアーム2324を径方向外側に押しやる、移動止めを有するアーム2324を含み、移動止め2410は、ハンドルアセンブリ2004の上部部分2010に関して、ハウジングの陥凹部2420を係合する。移動止め2410が陥凹部2420を係合すると、ノブ2322は、ハンドルアセンブリ2004に対して非回転配向で維持される。つまり、移動止め2410が陥凹部2420を係合すると、ノブ2322は回転することができない。ボタン2320を押し下げると、移動止め2410は陥凹部2420を係脱し、それによってノブ2322の回転が可能になる。ノブ2322(又はチャック)、ボタン2320、支持部材2328、ばね2326、又はそれらの任意の組み合わせは協働して、特に外科用デバイス2000の使用中、シールド駆動メカニズム2318の位置が不用意に移動する可能性を防ぐか又は最小限に抑える手段を提供する。本開示は、シールド駆動メカニズムの位置が不用意に移動する可能性を防ぐか又は最小限に抑える、この手段のみを開示するが、外側シースアセンブリ及び/又はシールド駆動メカニズムの回転及び並進を可能にするには、係合若しくは係脱しなければならないスイッチ又は他の係止メカニズムなど、他の手段が想起される。更に、シールド駆動メカニズムは、線形並進のみで、1つの位置から別の位置へと移動可能である。
[00117] 図20Aには図示されないが、ハンドルアセンブリ2004の上部部分2010は、外科用デバイス2000の遮蔽構成、延長構成、並びに/又は複数の遮蔽構成及び延長構成に対応する、複数の陥凹部を含む。つまり、ボタン2320を押し下げると、「遮蔽回転配向」、「部分延長回転配向」、「完全延長構成」、又は他の何らかの遮蔽若しくは延長構成など、本明細書で図4A及び図4Bを参照して上述した構成に類似した、シールド及び/又はシールド駆動メカニズムの別の構成を示す、移動止め2410が陥凹部2420を係合することが可能になる回転方向位置にノブ2322が達するまで、ノブ2322が回転する。
[00118] 図20Aを引き続き参照すると、内側シースアセンブリ542’、中間シースアセンブリ540’、及び外側シースアセンブリ106が示されている。外側シースアセンブリ106は、ノブ2322に対して摺動可能である摺動可能な外側シースコレット2388を介して、ノブ2322に固定的に取り付けられる。中間シースアセンブリ540’は、上述したように固定であるが、外側シースアセンブリ106及び内側シースアセンブリ542’は両方とも、中間シースアセンブリ540’に対して回転し長手方向に並進する。
[00119] シール部材2382はまた、ブラケット部分2386に隣接してその遠位側に、またノブ2322の近位端に隣接してその近位側に配設される。つまり、シール部材2382は、ノブ2322の近位端とブラケット部分2386との間に配設される。上述したように、外科用デバイス2000の動作中、侵入し移動する血液などの体液が、ハンドルアセンブリ2004に入るのを限定及び/又は阻害することが望ましく、シール部材2382はかかる限定及び/又は阻害を助ける。シール部材2382は、トリガシール2340及び/又はシール部材2380が含むのと同じ若しくは類似の材料を含むか、又はそれらから構築される。シール部材2382は、シースアセンブリ2002を、特に内側シースアセンブリ106及び/又は中間シースアセンブリ540’を取り囲むように構成される。
[00120] 図18を参照すると、1つ若しくは複数のスイッチ2392a、2392b、又はシールドメカニズムが「遮蔽回転配向」若しくは「延長回転配向」のどちらにあるかを判定するセンサを含む、スイッチアセンブリ及び/又はセンサアセンブリの拡大斜視図が示されている。ノブ2322は、ノブ2322及びシールド駆動メカニズムが「遮蔽回転配向」又は「延長回転配向」のとき、1つ又は複数のスイッチ2392a、2392bと相互作用する、係合機構2492(図20B)を含む。スイッチ2392a、2392b又はセンサが、シールドメカニズムが「遮蔽回転配向」又は「延長回転配向」にあることを判定及び/又は感知すると、スイッチ2392a、2392b又はセンサは、対応するシールド位置信号をコントローラ2404に送信する。図18は、2つのスイッチ2392a、2392bのみを示しているが、外科用デバイスは、追加の遮蔽位置及び/又は延長位置を示しそれらに対応する、追加のスイッチ又はセンサを含むこともあることが理解されるものとする。図4A及び図4Bのチャック322と同様に、シールド駆動メカニズム、特にノブ2322は、ハンドルアセンブリ2004の上部部分にあるインジケータと整列する1つ又は複数のインジケータを含み、それによって、シールド駆動メカニズム及びシールドが遮蔽構成のうち1つ又は延長構成のうち1つにあることを示す。
[00121] それに加えて、図面には示されていないが、インジケータは或いは、ハンドルアセンブリ2104上に組み込まれた電子式の視覚インジケータを含む。例えば、外科用デバイス2000は、シールド駆動メカニズム及び/又はシールドが遮蔽構成のうち1つ又は延長構成のうち1つにあるときに発光する、複数の発光ダイオード2416を含む。また、図21を参照すると、外科用デバイス2000は、ハンドルアセンブリ2104に結合されるか又はその上に配設される、グラフィカルユーザインターフェース2100も含む。グラフィカルユーザインターフェース2100は、シールド駆動メカニズム及びシールドが遮蔽構成のうち1つ又は延長構成のうち1つのどちらにあるかを示す、インジケータ及び/又はアイコン2108、2112を表示する。図示されないが、シールドの位置(後退若しくは延長)を示す別のタイプのインジケータは、可聴信号を含む。つまり、シールド駆動メカニズム及びシールドが遮蔽構成のうち1つ又は延長構成のうち1つのどちらにあるかを示す、異なる可聴信号があり得る。
[00122] 図19Aを参照すると、外科用デバイス2000の制御システム2400のブロック図が示されている。制御システム2400は、1つ又は複数のプロセッサと、メモリと、メモリに格納された論理若しくは命令を収容して、外科用デバイス2000の動作を制御する1つ又は複数のモジュールとを含む、コントローラ2404を備える。例えば、命令は、非一時的コンピュータ可読媒体などのメモリに格納され、プロセッサは命令を実行する。
[00123] 外科用デバイス2000のユーザがプルタブ2014を外科用デバイス2000から除去し、電源スイッチ2345を作動させてオン位置にすると、電力が、電池2352a、2352bの間に配設される1つ若しくは複数などの電源からコントローラ2345に流れることができる。図19Bを参照すると、内側シースアセンブリ542’及び切断先端の回転を含めて外科用デバイス2000を動作させるのに、制御システム2400と併せて使用される、論理900の一部分を示すフローチャートが示されている。例えば、動作制御論理1900は、電源スイッチ2345がオン位置にある(1905)という信号を受信することを含む。動作制御論理1900はまた、電源スイッチ2345がオフ位置にあった後に最初に、電源スイッチ2345がオン位置にある(1905)か否かを判定する。電源スイッチ2345がオフ位置にあった後にオン位置にある場合(1905)、動作制御論理1900は、図19Cに関連して更に詳細に後述する、モータエンコーダ校正ルーチン1910を自動的に始動する。
[00124] モータエンコーダ校正ルーチン1910を使用してモータエンコーダを校正した後、動作制御論理1900は、トリガスイッチ2310がオン位置又はオフ位置のどちらにあるかを判定する(1915)。トリガスイッチ2310がオフ位置にある場合、モータ2360は回転しない(1920)。しかしながら、トリガスイッチ2310がオン位置にある場合、トリガスイッチ2310がその位置に留まり続ける限り、モータ2360は回転し(1925)、電流センサ2412は、モータ電流が所定の閾値を超えていることを示す信号を生成せず、コントローラ2404に送信しない(1930)。電流センサ2412が、モータ電流が所定の閾値を超えていることを示す信号を生成せず、コントローラ2404に送信しない(1930)と仮定して、トリガスイッチ2310がオン位置にある間、モータ2360は一方向(即ち、時計方向)又は別の方向(即ち、反時計方向)に回転し続け、それによって内側シース及び切断先端を回転及び/又は並進させる。別の方法として、又はそれに加えて、動作制御論理1900は、特定の方向に所定の回数を回転させた後、モータの回転(並びに内側シース及び切断先端の回転及び/又は並進)の方向を、一方向から別の方向に切り替える命令を含む。例えば、トリガスイッチ2310を作動させてオン位置にすると、モータ2360(並びに内側シース及び切断先端)は、最初に一方向(即ち、時計方向)に所定の旋回数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回など)回転し、その後停止し、逆方向(即ち、反時計方向)に所定の旋回数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10回など)回転する。モータ2360(並びに内側シース及び切断先端)が最初に一方向に回転する所定の旋回数は、モータ2360が反対方向に回転するのよりも少ないか、それと同じであるか、又はそれよりも多い。
[00125] 電流センサ2412は、モータ電流が所定の閾値を超えていることを示す信号を生成し、次にコントローラ2404が警告1935を生成し、モータ2360に対する電力の供給が中止され、それによってモータの回転が中止される(1920)。電流センサ2412が、モータ電流が所定の閾値を超えていることを示す信号を生成しない場合、又は電流センサ2412が、モータ電流が所定の閾値未満であることを示す信号を生成した場合、コントローラ2404は、トリガスイッチ2310が作動して、オン位置からモータの運動が停止するオフ位置になる(1940)まで、モータが回転することを可能にする。モータの回転を再開させるためには、オペレータは単に、電源スイッチ2345がオン位置に留まっている間にトリガスイッチ2310を再び作動させればよい。電源スイッチ2345がオン位置からオフ位置に切り替えられた場合(1905)、電源スイッチ2345を作動させてオン位置(1905)にしなければならず、かかる作動の際、モータエンコーダ校正ルーチン1910が再び実行される。
[00126] 上述の説明は、モータ電流が所定の閾値を超えていることを示す信号を生成する、電流センサ2412を使用することに言及している。電流センサ2412は1つ又は複数のリミットスイッチと置き換えられることが理解されるものとする。更に、モータ電流が所定の閾値を超えていることを示す信号を生成する代替手段がある。
[00127] 図19Cを参照すると、モータエンコーダ校正ルーチン1910の一例を示すフローチャートが示されている。ルーチン1910は、決定ブロック1955に示されるように、電源スイッチ2345がオン位置にあるか否か、並びに/或いは電源2352a、2352bが電力をモータ2368及び/又はコントローラ2404に提供しているか否かを判定することによって開始する(1950)。電源スイッチ2345がオン位置にある場合、並びに/或いは電源2352a、2352bが電力をモータ2368及び/又はコントローラ2404に提供している場合、コントローラ2404は、デバイスが校正ステップを実施していることをデバイス2000のユーザに示す、警告を生成する(1960)。論理は、校正ルーチン1910の間、ユーザがトリガスイッチ2310を始動するか、又はトリガスイッチ2310を介してモータ2368を作動させることができないように、設計され構成される。或いは、モータ2368及び/又はコントローラ2404に電力供給する際に校正ルーチン1910を開始するのではなく、モータ2368及び/又はコントローラ2404に電力供給した後であって、デバイスのユーザがトリガ2310又は他の何らかの係合機構を係合すると、校正ルーチン1910が開始される。
[00128] 校正ルーチン1910は、ブロック2365に示されるように、モータ2368を初期方向(時計方向又は反時計方向のどちらか)に回転させるステップ1965を含む。モータ2368が回転している間、校正ルーチン1910及びコントローラ2404は、決定ブロック1970に示されるように、位置スイッチ2376又はセンサがトリガされているか否かを判定する。電流センサ2412がトリガされていない限り(1975)、モータは、位置スイッチがトリガされるまで初期方向に回転し続ける。位置スイッチ2376又はセンサがトリガされると、かかるトリガは、モータ2368、モータシャフト2364、内側シースアセンブリ、及び切断先端がそれらのホーム位置にあることを示す。また、ホーム位置を識別すると、ホーム位置がエンコーダのゼロ位置に対応するように、モータエンコーダが校正又は再校正される。
[00129] 校正ルーチン1910はまた、モータエンコーダのゼロ校正位置を確認するため、追加の位置識別決定ルーチンを実施する任意のステップ(1990)を含む。かかる追加の位置識別決定ルーチン1990は、モータ2368及びモータシャフト2364を時計方向及び反時計方向の一方又は両方に特定の所定の回数回転させ、次に、モータ2368及びモータシャフト2364を逆方向に同じ所定の回数回転させて、かかる逆回転が完了すると、位置スイッチ2376又はセンサが再びトリガされるのを確認し、それによってモータ2368及びモータシャフト2364がそれらのホーム位置に戻っていることを示すことを含む。この時点で、校正ルーチン1910が完了し、モータエンコーダ、モータシャフト、位置スイッチが校正されるので、外科用デバイス2000のユーザは、図19Bの論理1900の残りの部分によって、トリガスイッチ2344を作動させ、切断先端の回転を開始することができる。
[00130] 図19Cを再び参照すると、校正ルーチン1910及びコントローラ2404が、モータ2368を初期方向に回転させたとき、決定ブロック1970に示されるように、位置スイッチ2376又はセンサがトリガされず、決定ブロック1975に示されるように、電流センサ2412がトリガされたと判定された場合、モータ2368が停止され、ブロック1980に示されるように、コントローラ2404はモータを反対方向に回転させる。電流センサ2412がトリガされていない限り(1975)、モータは、ブロック1985に示されるように、位置スイッチ2376がトリガされるまで反対方向に回転し続ける。位置スイッチ2376又はセンサがトリガされると、かかるトリガは、モータ2368、モータシャフト2364、内側シースアセンブリ、及び切断先端がそれらのホーム位置にあることを示す。また、ホーム位置を識別すると、ホーム位置がエンコーダのゼロ位置に対応するように、モータエンコーダが校正又は再校正される。
[00131] 上述の説明は、デバイスに電力供給する際に校正ルーチン1910を使用することについて考察している。校正ルーチン1910は更に、又は別の方法として、コントローラ論理がエラー信号を受信した後に始動及び/又は使用される。それに加えて、校正ルーチン1910は、モータ、内側シース、及び/又は切断先端が特定の長手方向及び/又は回転方向位置にあるか否かを判定するなど、モータ、内側シース、及び/又は切断先端の位置を確認若しくは再確認するのに使用される。例えば、医師がカッターの位置を分かっていることを確認するために、またモータ、内側シース、及び/又は切断先端が、ホーム位置(例えば、完全後退)又は別の位置(例えば、部分後退、部分延長、若しくは完全延長)など、特定の位置にあるか否かを確認するために、デバイスの使用中に、使用中の特定の時点でユーザがデバイスを再校正することが望ましい。
[00132] 図19Cを再び参照すると、代替の校正ルーチンは、この図に類似しているが、「電流センサがトリガされる」ステップ1975が省略されたルーチンを含む。例えば、校正ルーチンは、ブロック2365に示されるように、モータ2368を初期方向(時計方向又は反時計方向のどちらか)に回転させるステップ1965を含む。モータ2368が回転している間、校正ルーチン1910及びコントローラ2404は、決定ブロック1970に示されるように、位置スイッチ2376又はセンサがトリガされているか否かを判定する。位置スイッチ2376又はセンサがトリガされると、かかるトリガは、モータ2368、モータシャフト2364、内側シースアセンブリ、及び切断先端がそれらのホーム位置にあることを示す。次に、コントローラ2404は、ブロック1980及び1985に示されるように、モータを反対方向に回転させて、位置スイッチがいつ逆にトリガされるかを判定する。ブロック1980及び1985は、ブロック1965の後であってブロック1990の前に配置される。
[00133] 図19Aを参照すると、上述したように、外科用デバイス2000は、外科用デバイス2000のユーザによって作動させられて、デバイスを、遮蔽構成(つまり、切断先端が外側シースアセンブリ106内に配設される構成)から延長構成(つまり、切断先端が外側シースアセンブリ106から少なくとも部分的に突出する構成)へ、また延長構成から遮蔽構成へと再構成する、シールド駆動メカニズムを含む。外科用デバイスはまた、1つ又は複数のスイッチ2392a、2392b、又はシールドメカニズムが「遮蔽回転配向」若しくは「延長回転配向」のどちらにあるかを感知し決定するセンサを含む、スイッチアセンブリ及び/又はセンサアセンブリを含み、スイッチ2392a、2392b又はセンサは、対応するシールド位置信号を生成し、コントローラ2404に送信する。
[00134] コントローラ2404がシールド位置信号を受信すると、コントローラは、シールド及び/又はシールド駆動メカニズムが遮蔽構成若しくは延長構成の一方にあることを示す警告信号を送信し、それによって、切断先端の回転及び並進の間、切断先端がシールド及び外側シースアセンブリそれぞれに留まるか又はそこから少なくとも部分的に突出するかを、トリガの作動の際にデバイスのユーザに通知する。警告は、可聴信号、視覚信号、触覚信号、及び/又は全てのタイプの信号の組み合わせのうち1つ若しくは複数の形で、ユーザに提示される。例えば、図19を参照すると、コントローラ2404は、「遮蔽回転配向」を示す1つの色及び「延長回転配向」を示す別の色など、シールド構成位置を示す視覚警告信号を、1つ又は複数の発光ダイオード2416に送信する。別の方法として、又はそれに加えて、コントローラ2404は、可聴警告信号を任意の音声増幅器2426を通してスピーカー2424に送信し、スピーカー2424は、シールド及び/又はシールド駆動メカニズムが遮蔽構成又は延長構成のうち1つにあるか否かを示す、異なる音(例えば、音色、音量など)を生成する。
[00135] 上述したように、外科用デバイス2000は、切断先端、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’がホーム位置にあり、スイッチ2376又はセンサが、対応する切断先端位置信号をコントローラ2404に送信するときを含む、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’の位置を判定する位置スイッチ2376又はセンサを含む。コントローラ2404は、次に、対応する警告信号を生成し、ユーザに送信し、並びに/或いは外科用デバイス2000の動作を制御する。例えば、ユーザが外科用デバイス2000を作動させるために、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’が回転及び遠位方向並進を開始する前は、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’がそれらのホーム位置又は別の位置にあることが望ましい。同様に、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’が特定の位置にあるかないかをコントローラ2404が感知すると、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’の回転及び並進を作動停止することが望ましい。したがって、コントローラ2404は、切断先端が少なくとも1つ若しくは複数の軸線方向及び/又は回転方向位置にあることを示す位置信号に応じて、切断先端駆動メカニズムを作動停止し、並びに/或いは作動を可能にする。また、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’の軸線方向及び/又は回転方向位置を感知すると、コントローラ2404は、上述したのと同様に、1つ又は複数の可聴信号、視覚信号、触覚信号、及び/又は全てのタイプの信号の組み合わせなど、対応する警告信号を生成する。切断先端駆動メカニズムの「作動を可能にすること」は、電流が電源からトリガ2310及び/又はモータ2360に流れるのを可能にすること(中断を阻害すること)を意味し、切断先端駆動メカニズムの「作動を阻害すること」又は「作動停止すること」は、電流が電源からトリガ2310及び/又はモータ2360に流れるのを阻害することを意味することが理解されるものとする。「作動を阻害すること」又は「作動停止すること」は、コントローラ2404によって単独で、又はモータドライバ2408などの他の電気構成要素と併せて制御される。例えば、コントローラ2404はモータドライバ2308を直接制御し、それが次に、モータ2406に電気的に結合されてそれと協働し、又はコントローラは、「作動を阻害すること」又は「作動停止すること」を示す、対応する信号をモータドライバ2408に送信する。
[00136] モータ2360は、モータシャフト2364の速度、位置、及び回転方向を監視し制御するエンコーダ2358を含む。モータ2360は電流センサを含み、並びに/或いは制御システム2400は、モータ電流を監視する電流センサ2412を含む。例えば、モータ2360は、モータシャフト2364の一定の回転速度を維持するために、モータ電流を調節する。上述したように、アクメナット2372が、アクメナット2372の軸線方向又は長手方向移動を限定する手段に接触すると、モータ2360に供給される電流が増加する。コントローラ2404が、モータ電流が所定の閾値を超えていると感知し判定すると、モータ2360への電力の供給が中止され、それによって、切断先端駆動メカニズム、内側シースアセンブリ542’、及び切断先端534’のそれ以上の回転及び並進が停止され阻止される。
[00137] コントローラ2404はまた、シールド及びシールド駆動メカニズムの位置及び配向を示す、スイッチ2392a、2392b(若しくはセンサ)からのシールド位置信号を、内側シースアセンブリ542’及び切断先端534’の軸線方向又は回転方向位置を示す、位置スイッチ2376(若しくはセンサ)からの信号と組み合わせる、モジュール又は論理を含む。かかる信号を受信すると、コントローラ2404は、対応する警告を生成し、切断先端駆動メカニズムの作動を可能にし、並びに/或いは切断先端駆動メカニズムを作動停止する。個々の信号又は1つ若しくは複数の信号の組み合わせの受信に基づいた、コントローラの動作の例を、以下の表1に示す。
[00138] コントローラ2404はまた、電源(例えば、電池)の残りの電力及び/又は電圧減衰、並びにモータ2360の使用持続時間(時間)を監視し感知する、1つ又は複数のモジュールを含む。電源の電力及び/又は電圧減衰が所定の閾値未満の場合、コントローラ2404は、警告の生成及び/又は切断先端駆動メカニズムの作動停止を含めて、外科用デバイス2000の持続時間及び/又は使用を限定する。同様に、モータが所定の閾値よりも長い期間使用された場合、コントローラ2404は、時間が期限切れに近付いていること及び/又は期限切れであることを示す警告を生成し、並びに/或いはコントローラは切断先端駆動メカニズムを作動停止させる。
[00139] 上述の説明を例示及び説明の目的で提供してきた。上記は、本開示を本明細書に開示した形態に限定しようとするものではない。例えば、上述した発明の概要の項では、本開示を合理化するため、本開示の様々な特徴を、1つ若しくは複数の態様、実施形態、及び/又は構成にまとめている。本開示の態様、実施形態、及び/又は構成の特徴は、上述したもの以外の代替の態様、実施形態、及び/又は構成と組み合わされる。この開示の方法は、特許請求の範囲が各クレームに明示的に列挙されるよりも多くの特徴を要するという意図を反映するものと解釈すべきではない。それよりもむしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、単一の上記に開示した態様、実施形態、及び/又は構成の全ての特徴よりも少ない特徴にある。したがって、以下の特許請求の範囲は、この発明を実施するための形態の項に組み込まれ、各クレームは、本開示の別個の好ましい実施形態として独立している。
[00140] 更に、本明細書は、1つ若しくは複数の態様、実施形態、及び/又は構成の説明を含んでおり、並びに特定の変形及び修正、他の変形、組み合わせ、及び修正は、例えば、本開示を理解した後の当業者の技能及び知識の範囲内にあるものとして、本開示の範囲内にある。特許請求されるものに対する代替、交換可能、及び/又は等価の構造、機能、範囲、又はステップを含めて、かかる代替、交換可能、及び/又は等価の構造、機能、範囲、又はステップが本明細書に開示されるか否かにかかわらず、またいずれの特許可能な主題も公的に捧げることなく、許可される範囲に対する代替の態様、実施形態、及び/又は構成を含む権利が得られるものとする。