JP2021528406A - コンジュゲート - Google Patents
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Abstract
コンジュゲートを開示する。前記コンジュゲートは、腫瘍への送達のための標的化ユニットと、前記腫瘍におけるグリコシル化を阻害し、それによって前記腫瘍の免疫抑制活性を低下させるためのグリコシル化阻害剤と、を含み得る。前記グリコシル化阻害剤は、前記標的化ユニットにコンジュゲートされ得る。
【選択図】図8
【選択図】図8
Description
本開示は、コンジュゲートに関する。
がんの免疫療法は、体自身の免疫系を利用してがん細胞を認識し、根絶することがある。しかしながら、がん細胞などの腫瘍細胞は、腫瘍を有する対象の免疫系の細胞の活性を抑制するためにいくつかのメカニズムを利用し得る。したがって、悪性細胞またはがん細胞の免疫抑制活性を低下させるための手段、および/または対象の免疫応答を高めるための手段は、がん免疫療法を改善する可能性がある(Pardoll,Nat.Rev.Cancer 12:252−64,2012)。標的療法と免疫療法の組み合わせは、治療結果をさらに改善する可能性がある(Vanneman & Dranoff,Nat.Rev.Cancer 12:237−51,2012)。
コンジュゲートを開示する。コンジュゲートは、腫瘍への送達のための標的化ユニットと、腫瘍におけるグリコシル化を阻害し、それによって腫瘍の免疫抑制活性を低下させるためのグリコシル化阻害剤と、を含み得る。グリコシル化阻害剤は、標的化ユニットにコンジュゲートされ得る。
実施形態のさらなる理解を提供し、本明細書の一部を構成するために含まれる添付の図面は、様々な実施形態を示す。図面において:
セクションの概要
I)定義
II)グリコシル化阻害剤
III)リンカーユニット
IV)標的化ユニット
V)ストレッチャーユニット
VI)特異性ユニット
VII)スペーサーユニット
VIII)さらなるリンカーユニット
IX)コンジュゲート
X)組成および方法
I)定義
コンジュゲートを開示する。
I)定義
II)グリコシル化阻害剤
III)リンカーユニット
IV)標的化ユニット
V)ストレッチャーユニット
VI)特異性ユニット
VII)スペーサーユニット
VIII)さらなるリンカーユニット
IX)コンジュゲート
X)組成および方法
I)定義
コンジュゲートを開示する。
コンジュゲートは、腫瘍への送達のための標的化ユニットと、腫瘍におけるグリコシル化を阻害し、それによって腫瘍の免疫抑制活性を低下させるためのグリコシル化阻害剤と、を含み得る。
コンジュゲートは、腫瘍細胞である標的細胞および/または第2の腫瘍細胞の免疫抑制活性を低下させるためのコンジュゲートであり得る。
したがって、コンジュゲートは、腫瘍への送達のための標的化ユニットと、腫瘍、例えば標的細胞または第2の腫瘍細胞におけるグリコシル化を阻害し、それによって、腫瘍の免疫抑制活性、例えば、標的細胞および/または第2の腫瘍細胞の免疫抑制活性を低下させるためのグリコシル化阻害剤と、を含み得る。
グリコシル化阻害剤は、標的化ユニットにコンジュゲートされ得る。グリコシル化阻害剤は、少なくとも部分的に共有結合的に標的化ユニットにコンジュゲートされ得る。例えば、それは共有結合的に、または部分的に非共有結合的に(そして部分的に共有結合的に)コンジュゲートされ得る。
多くの腫瘍は、悪性またはがん細胞だけでなく、腫瘍を有する対象の非悪性または非がん細胞からも形成されることが知られている。そのような非悪性または非がん細胞は腫瘍に移動する可能性があり、その結果、それらは腫瘍または腫瘍微小環境内に位置するか、さもなければ腫瘍と密接に関連している。例えば、そのような非悪性または非がん細胞は、悪性細胞またはがん細胞の間に位置し得るか、またはそれらは、悪性細胞またはがん細胞と直接物理的に接触し得る。
本明細書の文脈において、「腫瘍細胞」という用語は、腫瘍の一部を形成するか、または腫瘍に関連する、任意の細胞型の任意の細胞を指すことができる。この用語は、悪性またはがん細胞、追加的または代替的に、腫瘍の一部を形成するか、または腫瘍に関連する、非がんまたは非悪性細胞を包含し得る。この用語はまた、腫瘍微小環境に存在する任意の非がん性または非悪性細胞を包含し得る。腫瘍細胞は、例えば、免疫系の細胞を含み得る。そのような腫瘍細胞の例には、腫瘍浸潤リンパ球、免疫系の細胞、腫瘍血管系およびリンパ系の細胞、ならびに線維芽細胞、周皮細胞および脂肪細胞などの腫瘍浸潤免疫細胞が含まれ得る。そのような非がん性腫瘍細胞の特定の例には、T細胞(Tリンパ球)、細胞傷害性CD8+T細胞を含むCD8+細胞;Tヘルパー1(TH1)細胞、TH2細胞、TH17細胞、Tregを含むCD4+細胞;γδTリンパ球;B細胞およびBreg(B10細胞)を含むBリンパ球;NK細胞;NKT細胞;腫瘍関連マクロファージ(TAM);骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC);樹状細胞(DC);腫瘍関連好中球(TAN);CD11b+骨髄由来骨髄細胞;筋線維芽細胞およびがん関連線維芽細胞を含む線維芽細胞;内皮細胞;平滑筋細胞;筋上皮細胞;多分化能幹細胞、系統特異的幹細胞、前駆細胞、多能性幹細胞、がん幹細胞(がんを引き起こす細胞)、間葉系幹細胞および造血幹細胞を含む幹細胞;脂肪細胞;血管内皮細胞;間質細胞;血管周囲間質細胞(周皮細胞);およびリンパ管内皮細胞を含むリンパ系細胞(Balkwill et al.2012.J.Cell Sci.125:5591−6)であって、但し、腫瘍の一部を形成するか、または腫瘍に関連する場合に限るもの、が含まれ得る。
換言すれば、したがって腫瘍を形成し得る腫瘍細胞は、少なくとも悪性またはがん細胞、ならびに腫瘍の一部を形成するかまたは腫瘍に関連する非がんまたは非悪性細胞を含み得る。標的細胞は、悪性もしくはがん細胞、または非がんもしくは非悪性細胞(例えば、免疫系の細胞)のうちの少なくとも1つであり得る。同様に、第2の腫瘍細胞は、悪性もしくはがん細胞、または非がんもしくは非悪性細胞(例えば、免疫系の細胞)のうちの少なくとも1つであり得る。
標的化ユニットは、様々な方法での腫瘍への送達に、例えば、腫瘍、例えば、腫瘍内の標的細胞または分子を結合するために、適切であり得る。
一実施形態では、標的化ユニットは、腫瘍分子に結合し得るか、または結合することができ、それにより、腫瘍または腫瘍の任意の細胞へのコンジュゲートの送達を促進する。
本明細書の文脈において、「腫瘍分子」という用語は、腫瘍の一部を形成するか、または腫瘍に関連する(例えば、密接に関連する)任意の分子タイプの任意の分子を指すことができる。この用語は、悪性またはがん細胞によって産生される分子、および追加的または代替的に、腫瘍の一部を形成するかまたは腫瘍に関連する非がん性または非悪性細胞によって産生される分子、ならびに追加的または代替的に、非腫瘍細胞によって産生され、腫瘍の一部を形成するか腫瘍に関連する分子を包含し得る。この用語はまた、腫瘍微小環境に存在する任意の分子を包含し得る。腫瘍分子は、例えば、タンパク質、脂質、グリカン、核酸、またはそれらの組み合わせを含み得る。腫瘍分子は、いくつかの実施形態では、腫瘍に特異的であるか、または腫瘍内に富んでいる可能性がある。
腫瘍分子に結合すると、または結合した後、コンジュゲートは、グリコシル化阻害剤を放出し得、その結果、グリコシル化阻害剤は、例えば、標的細胞、またはいくつかの実施形態では、第2の腫瘍細胞に侵入するか、そうでなければ相互作用し得る。
コンジュゲートは、腫瘍、例えば標的細胞におけるグリコシル化を阻害することによって、腫瘍、例えば標的細胞の免疫抑制活性を低下させることができ得る。しかしながら、追加的または代替的に、標的細胞におけるグリコシル化を阻害することにより、コンジュゲートは、第2の腫瘍細胞の免疫抑制活性を低下させることができ得る。例えば、阻害により、例えば膜結合または分泌された腫瘍タンパク質の一部として、標的細胞が変化したグリコシル化構造を有する可能性がある。次いで、これらの変化したグリコシル化構造は、腫瘍微小環境内の第2の腫瘍細胞と相互作用し、それによって第2の腫瘍細胞の免疫抑制活性を低下させる可能性がある。
一実施形態では、コンジュゲートは、標的細胞の免疫抑制活性を低下させるためのコンジュゲートである。
一実施形態では、コンジュゲートは、第2の腫瘍細胞の免疫抑制活性を低下させるためのコンジュゲートである。
一実施形態では、コンジュゲートは、標的細胞および第2の腫瘍細胞の免疫抑制活性を低下させるためのコンジュゲートである。
腫瘍細胞は免疫抑制受容体を有し得る。したがって、例えば、標的細胞および/もしくは第2の腫瘍細胞の免疫抑制受容体の1つ以上の活性を低下させることによって、コンジュゲートは、腫瘍の、例えば標的細胞および/もしくは第2の腫瘍細胞の、免疫抑制活性を、低下させるのに適しているか、または低下させるように構成され得る。一実施形態では、コンジュゲートは、グリコシル化−細胞受容体相互作用、例えば、グリコシル化−レクチン相互作用を低減するのに適しているか、または低減するように構成され得る。それにより、コンジュゲートは、標的細胞および/または第2の腫瘍細胞の1つ以上の免疫抑制受容体の活性を低下させることによって、免疫抑制を低下させ得る。
一実施形態では、コンジュゲートは、免疫抑制受容体と標的細胞および/もしくは第2の腫瘍細胞のグリカンリガンドとの間の相互作用を減少させるのに適しているか、または減少させるように構成されている。
一実施形態では、コンジュゲートは、ガレクチン−ガレクチンリガンド相互作用および/もしくはシグレック−シグレックリガンド相互作用を減少させるのに適しているか、または減少させるように構成されている。「シグレック(Siglec)」という用語は、哺乳動物のI型レクチンのシグレックサブグループ内の任意のシアル酸認識受容体を指すと理解され得る。哺乳類で発見されたシグレックは少なくとも17個あり、そのうち少なくともシグレック−1、−2、−3、−4、−5、−6、−7、−8、−9、−10、−11、−12、−14、−15、−16、および−17は、ヒトで同定されている(Varki et al.,eds.,Essentials of Glycobiology,2017,3rd edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York;Chapter 35)。「ガレクチン(Galectin)」という用語は、ガラクトシド認識受容体である任意のS型レクチンを指すと理解され得る。哺乳類で発見されたガレクチンは少なくとも15個あり、LGALS遺伝子によってコードされており、そのうち少なくともガレクチン−1、−2、−3、−4、−7、−8、−9、−10、−12、および−13は、ヒトで同定されている(Essentials of Glycobiology 2017;Chapter 36)。
したがって、コンジュゲートは、悪性細胞またはがん細胞などの第2の腫瘍細胞に対する、免疫系の細胞であり得る標的細胞の活性を増加させるのに適しているか、または増加させるように構成され得る。
したがって、コンジュゲートは、悪性細胞またはがん細胞などの標的細胞に対する、免疫系の細胞であり得る第2の腫瘍細胞の活性を増加させるのに適しているか、または増加させるように構成され得る。
グリコシル化阻害剤と標的化ユニットは少なくとも部分的に共有結合しているので、それは、グリコシル化阻害剤を標的細胞および/または第2の腫瘍細胞に送達するのを助けることができる。コンジュゲートはまた、改善された薬力学および/または薬物動態を示し得る。コンジュゲートの調製も比較的実行可能で費用効果が高い可能性がある。
本明細書の文脈において、「腫瘍」という用語は、固形腫瘍、びまん性腫瘍、転移、腫瘍微小環境、腫瘍細胞の群、単一の腫瘍細胞および/または抹消循環腫瘍細胞を指し得る。
本明細書の文脈において、「標的細胞」という用語は、悪性もしくはがん細胞および/または非悪性もしくは非がん細胞、例えば免疫系の細胞を含む腫瘍細胞の1つ以上の実施形態を指し得る。標的細胞は、1つ以上の腫瘍細胞タイプを指し得る。一実施形態では、標的細胞は、悪性細胞もしくはがん細胞、または非悪性細胞もしくは非がん細胞のうちの少なくとも1つであり得る。一実施形態では、標的細胞は、悪性細胞またはがん細胞であり得る。一実施形態では、標的細胞は、腫瘍浸潤免疫細胞などの非悪性または非がん細胞である腫瘍細胞であり得る。コンジュゲートまたはその一部、例えばグリコシル化阻害剤は、その後、輸送されるか、さもなければ他の腫瘍細胞に移動され得る。追加的または代替的に、標的細胞は、腫瘍浸潤免疫細胞などの非悪性または非がん細胞であり得、そしてグリコシル化阻害剤は、標的細胞自体のグリコシル化を阻害し、それにより、標的細胞の免疫抑制受容体の少なくとも一部の活性を低下させ得る。
本明細書の文脈において、「第2の腫瘍細胞」という用語は、悪性もしくはがん細胞および/または非悪性もしくは非がん細胞、例えば免疫系の細胞を含む腫瘍細胞の1つ以上の実施形態を指し得る。第2の腫瘍細胞は、1つ以上の腫瘍細胞タイプを指すか、またはそれを含み得る。一実施形態では、第2の腫瘍細胞は、悪性もしくはがん細胞、または非悪性もしくは非がん細胞のうちの少なくとも1つであり得る。一実施形態では、第2の腫瘍細胞は、悪性細胞またはがん細胞であり得る。一実施形態では、第2の腫瘍細胞は、腫瘍浸潤性免疫細胞などの非悪性または非がん細胞である腫瘍細胞であり得る。
本明細書の文脈において、「標的分子」という用語は、腫瘍分子の1つ以上の実施形態を指し得る。
本明細書の文脈において、「標的化ユニット」という用語は、標的細胞または標的分子を認識して結合することができる基、部分または分子を指し得る。標的化ユニットは、標的細胞に特異的に結合することができ得る。標的化ユニットは、標的分子に特異的に結合することができ得る。
本明細書の文脈において、「グリコシル化阻害剤」という用語は、標的細胞または第2の腫瘍細胞においてグリコシル化を阻害することができ、標的細胞または標的分子に結合した後にコンジュゲートまたはその一部が輸送されるか、さもなければ移動され得る、任意の基、部分または分子を指し得る。グリコシル化は様々な生合成のステップとメカニズムを含む複雑なプロセスであるため、グリコシル化阻害剤は原則として、グリコシル化の任意のステップまたは側面を阻害して、腫瘍細胞の1つ以上の実施形態の細胞表面で、例えば糖タンパク質および/または糖脂質へのグリカン構造の取り込みを減少、妨害、または防止し得る。
本明細書の文脈において、「コンジュゲートする」または「コンジュゲートされる」という用語は、基、部分または分子、例えば、グリコシル化阻害剤および標的化ユニットを互いに少なくとも部分的に共有結合的に連結することを指すが、しかしながら、いくつかの実施形態では、連結が少なくとも部分的に非共有結合的に配置され得るように、理解され得る。例えば、標的化ユニットおよびグリコシル化阻害剤は、リンカーユニットを介してコンジュゲートさせることができ、その結果、リンカーユニットの別個の末端は、それぞれ、標的化ユニットおよびグリコシル化阻害剤に共有結合的にコンジュゲートされる。一実施形態では、標的化ユニットおよびグリコシル化阻害剤は、共有結合的にコンジュゲートされ得る。
しかしながら、それらは、リンカーユニットの少なくとも一部が、非共有結合的に、例えば非共有結合的な相互作用を介して連結されるユニット、基、部分または分子を含み得るようにコンジュゲートされ得る。そのような非共有結合的な相互作用の例は、ビオチン−アビジン相互作用または十分な親和性を有する他の非共有結合的な相互作用であり得る。
非共有結合的連結または非共有結合的な相互作用に対する十分な親和性は、例えばナノモルKd、ピコモルKd、フェムトモルKd、アトモルKd、またはそれ以下のオーダーの解離定数(Kd)を有するものであり得る。一実施形態では、親和性は、ビオチン−アビジン相互作用の親和性と実質的に同じである。親和性は、約10−14mol/lのKdを有する親和性、または10−15mol/l〜10−12mol/l(フェムトモル)のKdの親和性、または10−15mol/l未満(アトモル)のKdの親和性であり得る。一実施形態では、親和性は、例えば約10−9mol/lのKd、または10−12mol/l〜10−9mol/l(ピコモル)、または10−9mol/l〜10−7mol/l(ナノモル)のKdを有する親和性などの、抗体−抗原相互作用の親和性と実質的に同じである。一実施形態では、親和性は、10−7mol/l未満、10−8mol/l未満、10−9mol/l未満、10−10mol/l未満、10−11mol/l未満、10−12mol/l未満、10−13mol/l未満、10−14mol/l未満、または10−15mol/l未満であるKdを有する親和性であり得る。
本明細書の文脈において、「SK−BR−3細胞」および「SKBR−3細胞」という用語は、交換可能に使用することができ、同じ細胞株を指すと理解することができる。
コンジュゲートは、本開示の化学式の変数によって記載されるように、1つ以上の化学置換基を含み得る。当業者は、それらの名前に基づいて、どの構造が特定の置換基に含まれるかを決定することができる。本明細書の文脈において、「置換する」または「置換される」という用語は、1つ以上の置換基を有する親基(parent group)を指すと理解され得る。「置換基」という用語は、本明細書では従来の意味で使用され、親基に共有結合している、または適切な場合には融合している化学部分を指す。多種多様な置換基が周知であり、それらを形成し、様々な親基に導入するための方法もまた、当業者に周知である。
本明細書の文脈において、置換基は、以下の実施形態に記載されるような特定の化学構造をさらに含み得る。
一実施形態では、「アルキル」という用語は、脂肪族または脂環式であり得、飽和または不飽和(例えば、部分的に不飽和、完全に不飽和)であり得る、炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することによって得られる、または得ることのできる一価部分を意味する。したがって、「アルキル」という用語は、サブクラスであるアルケニル、アルキニル、シクロアルキルなどを含む。一実施形態では、「C1〜12アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル部分を意味する。
飽和アルキル基の例には、メチル(C1)、エチル(C2)、プロピル(C3)、ブチル(C4)、ペンチル(C5)、ヘキシル(C6)およびヘプチル(C7)が含まれるが、これらに限定されない。
飽和直鎖アルキル基の例には、メチル(C1)、エチル(C2)、n−プロピル(C3)、n−ブチル(C4)、n−ペンチル(アミル)(C5)、n−ヘキシル(C6)およびn−ヘプチル(C7)が含まれるが、これらに限定されない。
飽和分岐アルキル基の例には、イソプロピル(C3)、イソブチル(C4)、sec−ブチル(C4)、tert−ブチル(C4)、イソペンチル(C5)、およびネオ−ペンチル(C5)が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、「アルケニル」という用語は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有するアルキル基を意味する。一実施形態では、「C2〜12アルケニル」という用語は、2〜12個の炭素原子を有するアルケニル部分を意味する。
不飽和アルケニル基の例には、エテニル(ビニル、−CH=CH2)、1−プロペニル(−CH=CH−CH3)、2−プロペニル(アリル、−CH−CH=CH2)、イソプロペニル(1−メチルビニル、−C(CH3)=CH2)、ブテニル(C4)、ペンテニル(C5)、およびヘキセニル(C6)が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、「アルキニル」という用語は、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有するアルキル基を意味する。一実施形態では、「C2〜12アルキニル」という用語は、2〜12個の炭素原子を有するアルキニル部分を意味する。
不飽和アルキニル基の例には、エチニル(ethynyl)(エチニル(ethinyl)、−C=CH)および2−プロピニル(プロパルギル、−CH2−C=CH)が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、「シクロアルキル」という用語は、シクリル(cyclyl)基でもあるアルキル基、すなわち、環状炭化水素(炭素環式)化合物の脂環式環原子から水素原子を除去することによって得られる一価の部分を意味する。一実施形態では、「C3〜20シクロアルキル」という用語は、3〜8個の環原子を含む3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキル部分を意味する。
シクロアルキル基の例には、以下に由来するものが含まれるが、これらに限定されない:
飽和単環式炭化水素化合物:シクロプロパン(C3)、シクロブタン(C4)、シクロペンタン(C5)、シクロヘキサン(C6)、シクロヘプタン(C7)、メチルシクロプロパン(C4)、ジメチルシクロプロパン(C5)、メチルシクロブタン(C5)、ジメチルシクロブタン(C6)、メチルシクロペンタン(C6)、ジメチルシクロペンタン(C7)、およびメチルシクロヘキサン(C7);
不飽和単環式炭化水素化合物:シクロプロペン(C3)、シクロブテン(C4)、シクロペンテン(C5)、シクロヘキセン(C6)、メチルシクロプロペン(C4)、ジメチルシクロプロペン(C5)、メチルシクロブテン(C5)、ジメチルシクロブテン(C6)、メチルシクロペンテン(C6)、ジメチルシクロペンテン(C7)およびメチルシクロヘキセン(C7);ならびに
飽和多環式炭化水素化合物:ノルカラン(C7)、ノルピナン(C7)、ノルボルナン(C7)。
飽和単環式炭化水素化合物:シクロプロパン(C3)、シクロブタン(C4)、シクロペンタン(C5)、シクロヘキサン(C6)、シクロヘプタン(C7)、メチルシクロプロパン(C4)、ジメチルシクロプロパン(C5)、メチルシクロブタン(C5)、ジメチルシクロブタン(C6)、メチルシクロペンタン(C6)、ジメチルシクロペンタン(C7)、およびメチルシクロヘキサン(C7);
不飽和単環式炭化水素化合物:シクロプロペン(C3)、シクロブテン(C4)、シクロペンテン(C5)、シクロヘキセン(C6)、メチルシクロプロペン(C4)、ジメチルシクロプロペン(C5)、メチルシクロブテン(C5)、ジメチルシクロブテン(C6)、メチルシクロペンテン(C6)、ジメチルシクロペンテン(C7)およびメチルシクロヘキセン(C7);ならびに
飽和多環式炭化水素化合物:ノルカラン(C7)、ノルピナン(C7)、ノルボルナン(C7)。
一実施形態では、「ヘテロシクリル」という用語は、複素環式化合物の環原子から水素原子を除去することによって得られる一価部分を意味し、その部分は3〜20個の環原子を有し、そのうち1〜10個は環ヘテロ原子である。一実施形態では、各環は3〜8個の環原子を有し、そのうち1〜4個は環ヘテロ原子である。
この文脈において、接頭辞(例えば、C3〜20、C3〜8、C5〜6など)は、炭素原子またはヘテロ原子のいずれかに関わりなく、環原子の数、または環原子の数の範囲を示す。例えば、「C5〜6ヘテロシクリル」という用語は、5個または6個の環原子を有するヘテロシクリル基を意味する。
単環式ヘテロシクリル基の例には、以下に由来するものが含まれるが、これらに限定されない:
N1:アジリジン(C3)、アゼチジン(C4)、ピロリジン(テトラヒドロピロール)(C5)、ピロリン(例えば、3−ピロリン、2,5−ジヒドロピロール)(C5)、2H−ピロールまたは3H−ピロール(イソピロール、イソアゾール)(C5)、ピペリジン(C6)、ジヒドロピリジン(C6)、テトラヒドロピリジン(C6)、アゼピン(C7);
O1:オキシラン(C3)、オキセタン(C4)、オキソラン(テトラヒドロフラン)(C5)、オキソール(ジヒドロフラン)(C5)、オキサン(テトラヒドロピラン)(C6)、ジヒドロピラン(C6)、ピラン(C6)、オキセピン(C7);
S1:チイラン(C3)、チエタン(C4)、チエタン(テトラヒドロチオフェン)(C5)、チアン(テトラヒドロチオフェン)(C6)、チエパン(C7);
O2:ジオキソラン(C5)、ジオキサン(C6)、およびジオキセパン(C7);
O3:トリオキサン(C6);
N2:イミダゾリジン(C5)、ピラゾリジン(ジアゾリジン)(C5)、イミダゾリン(C5)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール)(C5)、ピペラジン(C6);
N1O1:テトラヒドロオキサゾール(C5)、ジヒドロオキサゾール(C5)、テトラヒドロイソオキサゾール(C5)、ジヒドロイソオキサゾール(C5)、モルホリン(C6)、テトラヒドロオキサジン(C6)、ジヒドロオキサジン(C6)、オキサジン(C6);
N1S1:チアゾリン(C5)、チアゾリジン(C5)、チオモルホリン(C6);
N2O1:オキサジアジン(C6);
O1S1:オキサチオール(C5)およびオキサチアン(チオキサン)(C6);および、
N1O1S1:オキサチアジン(C6)。
N1:アジリジン(C3)、アゼチジン(C4)、ピロリジン(テトラヒドロピロール)(C5)、ピロリン(例えば、3−ピロリン、2,5−ジヒドロピロール)(C5)、2H−ピロールまたは3H−ピロール(イソピロール、イソアゾール)(C5)、ピペリジン(C6)、ジヒドロピリジン(C6)、テトラヒドロピリジン(C6)、アゼピン(C7);
O1:オキシラン(C3)、オキセタン(C4)、オキソラン(テトラヒドロフラン)(C5)、オキソール(ジヒドロフラン)(C5)、オキサン(テトラヒドロピラン)(C6)、ジヒドロピラン(C6)、ピラン(C6)、オキセピン(C7);
S1:チイラン(C3)、チエタン(C4)、チエタン(テトラヒドロチオフェン)(C5)、チアン(テトラヒドロチオフェン)(C6)、チエパン(C7);
O2:ジオキソラン(C5)、ジオキサン(C6)、およびジオキセパン(C7);
O3:トリオキサン(C6);
N2:イミダゾリジン(C5)、ピラゾリジン(ジアゾリジン)(C5)、イミダゾリン(C5)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾール)(C5)、ピペラジン(C6);
N1O1:テトラヒドロオキサゾール(C5)、ジヒドロオキサゾール(C5)、テトラヒドロイソオキサゾール(C5)、ジヒドロイソオキサゾール(C5)、モルホリン(C6)、テトラヒドロオキサジン(C6)、ジヒドロオキサジン(C6)、オキサジン(C6);
N1S1:チアゾリン(C5)、チアゾリジン(C5)、チオモルホリン(C6);
N2O1:オキサジアジン(C6);
O1S1:オキサチオール(C5)およびオキサチアン(チオキサン)(C6);および、
N1O1S1:オキサチアジン(C6)。
置換単環式ヘテロシクリル基の例には、環状形態の糖類に由来するもの、例えば、アラビノフラノース、リボフラノース、およびキシロフラノースなどのフラノース(C5)、およびフコピラノース、グルコピラノース、マンノピラノース、イドピラノース、およびガラクトピラノースなどのピラノース(C6)が含まれる。
一実施形態では、「アリール」という用語は、芳香族化合物の芳香環原子から水素原子を除去することによって得られる一価部分を意味し、その部分は3〜20個の環原子を有する。例えば、各環は5〜8個の環原子を有し得る。
この文脈において、接頭辞(例えば、C3〜20、C5〜8など)は、炭素原子またはヘテロ原子のいずれかに関わらず、環原子の数、または環原子の数の範囲を示す。例えば、本明細書で使用される「C5〜6アリール」という用語は、5または6個の環原子を有するアリール基を意味する。
環原子は、「カルボアリール基」のように、すべて炭素原子であり得る。カルボアリール基の例には、ベンゼン(すなわちフェニル)(C6)、ナフタレン(C10)、アズレン(C10)、アントラセン(C14)、フェナントレン(C14)、ナフタセン(C18)、およびピレン(C16)に由来するものが含まれるが、これらに限定されない。
少なくとも1つが芳香族環である縮合環を含むアリール基の例には、インダン(例えば、2,3−ジヒドロ−1H−インデン)(C9)、インデン(C9)、イソインデン(C9)、テトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(C10)、アセナフテン(C12)、フルオレン(C13)、フェナレン(C13)、アセフェナントレン(C15)、およびアセアントレン(C16)に由来する基が含まれるが、これらに限定されない。
あるいは、環原子は、「ヘテロアリール基」のように、1つ以上のヘテロ原子を含み得る。単環式ヘテロアリール基の例には、以下に由来するものが含まれるが、これらに限定されない:
N1:ピロール(アゾール)(C5)、ピリジン(アジン)(C6);
O1:フラン(オキソール)(C5);
S1:チオフェン(チオール)(C5);
N1O1:オキサゾール(C5)、イソキサゾール(C5)、イソオキサジン(C6);
N2O1:オキサジアゾール(フラザン)(C5);
N3O1:オキサトリアゾール(C5);
N1S1:チアゾール(C5)、イソチアゾール(C5);
N2:イミダゾール(1,3−ジアゾール)(C5)、ピラゾール(1,2−ジアゾール)(C5)、ピリダジン(1,2−ジアジン)(C6)、ピリミジン(1,3−ジアジン)(C6)(例えば、シトシン、チミン、ウラシル)、ピラジン(1,4−ジアジン)(C6);
N3:トリアゾール(C5)、トリアジン(C6);および、
N4:テトラゾール(C5)。
N1:ピロール(アゾール)(C5)、ピリジン(アジン)(C6);
O1:フラン(オキソール)(C5);
S1:チオフェン(チオール)(C5);
N1O1:オキサゾール(C5)、イソキサゾール(C5)、イソオキサジン(C6);
N2O1:オキサジアゾール(フラザン)(C5);
N3O1:オキサトリアゾール(C5);
N1S1:チアゾール(C5)、イソチアゾール(C5);
N2:イミダゾール(1,3−ジアゾール)(C5)、ピラゾール(1,2−ジアゾール)(C5)、ピリダジン(1,2−ジアジン)(C6)、ピリミジン(1,3−ジアジン)(C6)(例えば、シトシン、チミン、ウラシル)、ピラジン(1,4−ジアジン)(C6);
N3:トリアゾール(C5)、トリアジン(C6);および、
N4:テトラゾール(C5)。
縮合環を含むヘテロアリールの例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:
ベンゾフラン(O1)、イソベンゾフラン(O1)、インドール(N1)、イソインドール(N1)、インドリジン(N1)、インドリン(N1)、イソインドリン(N1)、プリン(N4)(例えば、アデニン、グアニン)、ベンズイミダゾール(N2)、インダゾール(N2)、ベンゾオキサゾール(N1O1)、ベンズイソキサゾール(N1O1)、ベンゾジオキソール(O2)、ベンゾフラザン(N2O1)、ベンゾトリアゾール(N3)、ベンゾチオフラン(S1)、ベンゾチアゾール(N1S1)、ベンゾチアジアゾール(N2S)に由来する(縮合二環(2 fused rings)を有する)C9;
クロメン(O1)、イソクロメン(O1)、クロマン(O1)、イソクロマン(O1)、ベンゾジオキサン(O2)、キノリン(N1)、イソキノリン(N1)、キノリジン(N1)、ベンゾオキサジン(N1O1)、ベンゾジアジン(N2)、ピリドピリジン(N2)、キノキサリン(N2)、キナゾリン(N2)、シンノリン(N2)、フタラジン(N2)、ナフチリジン(N2)、プテリジン(N4)に由来する(縮合二環を有する)C10;
ベンゾジアゼピン(N2)に由来する(縮合二環を有する)C11;
カルバゾール(N1)、ジベンゾフラン(O1)、ジベンゾチオフェン(S1)、カルボリン(N2)、ペリミジン(N2)、ピリドインドール(N2)に由来する(縮合三環を有する)C13、ならびに
アクリジン(N1)、キサンテン(O1)、チオキサンテン(S1)、オキサトレン(oxanthrene)(O2)、フェノキサチイン(O1S1)、フェナジン(N2)、フェノキサジン(N1O1)、フェノチアジン(N2S1)、チアントレン(S2)、フェナントリジン(N1)、フェナントロリン(N2)、フェナジン(N2)に由来する(縮合三環を有する)C14。
ベンゾフラン(O1)、イソベンゾフラン(O1)、インドール(N1)、イソインドール(N1)、インドリジン(N1)、インドリン(N1)、イソインドリン(N1)、プリン(N4)(例えば、アデニン、グアニン)、ベンズイミダゾール(N2)、インダゾール(N2)、ベンゾオキサゾール(N1O1)、ベンズイソキサゾール(N1O1)、ベンゾジオキソール(O2)、ベンゾフラザン(N2O1)、ベンゾトリアゾール(N3)、ベンゾチオフラン(S1)、ベンゾチアゾール(N1S1)、ベンゾチアジアゾール(N2S)に由来する(縮合二環(2 fused rings)を有する)C9;
クロメン(O1)、イソクロメン(O1)、クロマン(O1)、イソクロマン(O1)、ベンゾジオキサン(O2)、キノリン(N1)、イソキノリン(N1)、キノリジン(N1)、ベンゾオキサジン(N1O1)、ベンゾジアジン(N2)、ピリドピリジン(N2)、キノキサリン(N2)、キナゾリン(N2)、シンノリン(N2)、フタラジン(N2)、ナフチリジン(N2)、プテリジン(N4)に由来する(縮合二環を有する)C10;
ベンゾジアゼピン(N2)に由来する(縮合二環を有する)C11;
カルバゾール(N1)、ジベンゾフラン(O1)、ジベンゾチオフェン(S1)、カルボリン(N2)、ペリミジン(N2)、ピリドインドール(N2)に由来する(縮合三環を有する)C13、ならびに
アクリジン(N1)、キサンテン(O1)、チオキサンテン(S1)、オキサトレン(oxanthrene)(O2)、フェノキサチイン(O1S1)、フェナジン(N2)、フェノキサジン(N1O1)、フェノチアジン(N2S1)、チアントレン(S2)、フェナントリジン(N1)、フェナントロリン(N2)、フェナジン(N2)に由来する(縮合三環を有する)C14。
上記の基は、単独であっても別の置換基の一部であっても、それ自体が任意選択的に、それ自体および以下に列挙される追加の置換基から選択される1つ以上の基で置換され得る。さらに、以下に列挙される置換基は、それ自体が置換基であり得る。
ハロ:−F、−Cl、−Br、および−I。
ヒドロキシ:−OH。
エーテル:−OR、式中、Rはエーテル置換基、例えば、C1〜10アルキル基(以下で論じるC1〜10アルコキシ基とも称される)、C3〜20ヘテロシクリル基(また、C3〜20ヘテロシクリロキシ基とも称される)、またはC5〜20アリール基(C5〜20アリールオキシ基とも称される)、好ましくはC1〜10アルキル基である。
アルコキシ:−OR’、式中、R’はアルキル基、例えば、C1〜10アルキル基である。C1〜10アルコキシ基の例には、−OMe(メトキシ)、−OEt(エトキシ)、−O(nPr)(n−プロポキシ)、−O(iPr)(イソプロポキシ)、−O(nBu)(n−ブトキシ)、−O(sBu)(sec−ブトキシ)、−O(iBu)(イソブトキシ)、および−O(tBu)(tert−ブトキシ)が含まれるがこれらに限定されない。
アセタール:−CH(OR’1)(OR’2)、式中、R’1およびR’2は、独立して、アセタール置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基、好ましくはC1〜10アルキル基、または、「環状」アセタール基の場合、R’1およびR’2は、それらが結合している2個の酸素原子、およびそれらが結合している炭素原子と一緒になって、4〜8個の環原子を有する複素環を形成する。アセタール基の例には、−CH(OMe)2、−CH(OEt)2、および−CH(OMe)(OEt)が含まれるが、これらに限定されない。
ヘミアセタール:−CH(OH)(OR’1)、式中、R’1はヘミアセタール置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは、C1〜10アルキル基である。ヘミアセタール基の例には、−CH(OH)(OMe)および−CH(OH)(OEt)が含まれるが、これらに限定されない。
ケタール:−CR’(OR’1)(OR’2)、式中、R’1およびR’2は、アセタールについて定義したとおりであり、R’は、水素以外のケタール置換基、例えばC1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。ケタール基の例には、−C(Me)(OMe)2、−C(Me)(OEt)2、−C(Me)(OMe)(OEt)、−C(Et)(OMe)2、−C(Et)(OEt)2、および−C(Et)(OMe)(OEt)が含まれるが、これらに限定されない。
ヘミケタール:−CR’(OH)(OR’1)、式中、R’1は、ヘミアセタールに対して定義されたとおりであり、R’は、水素以外のヘミケタール置換基、例えばC1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。ヘミアセタール基の例には、−C(Me)(OH)(OMe)、−C(Et)(OH)(OMe)、−C(Me)(OH)(OEt)、および−C(Et)(OH)(OEt)が含まれるが、これらに限定されない。
オキソ(ケト、−オン):=O。
チオン(チオケトン):=S。
イミノ(イミン):=NR’、式中、R’はイミノ置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。エステル基の例には、これらに限定されないが、=NH、=NMe、=NEt、および=NPhが含まれる。
ホルミル(カルバルデヒド、カルボキサルデヒド):−C(=O)H。
アシル(ケト):−C(=O)R’、式中、R’はアシル置換基、例えば、C1〜10アルキル基(また、C1〜10アルキルアシルもしくはC1〜10アルカノイルとも称される)、C3〜20ヘテロシクリル基、(また、C3〜20ヘテロシクリルアシルとも称される)またはC5〜20アリール基、(また、C5〜20アリールアシルとも称される)であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。アシル基の例には、−C(=O)CH3(アセチル)、−C(=O)CH2CH3(プロピオニル)、−C(=O)C(CH3)3(t−ブチリル)、および−C(=O)Ph(ベンゾイル、フェノン)が含まれるが、これらに限定されない。
カルボニル(カルボン酸):−C(=O)OH。
チオカルボキシ(チオカルボン酸):−C(=S)SH。
チオロカルボキシ(チオロカルボン酸):−C(=O)SH。
チオノカルボキシ(チオノカルボン酸):−C(=S)OH。
イミジン酸:−C(=NH)OH。
ヒドロキサム酸:−C(=NOH)OH。
エステル(カルボキシレート、カルボン酸エステル、オキシカルボニル):−C(=O)OR’、式中、R’はエステル置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。エステル基の例には、−C(=O)OCH3、−C(=O)OCH2CH3、−C(=O)OC(CH3)3、および−C(=O)OPhが含まれるが、これらに限定されない。
アシルオキシ(逆エステル(reverse ester)):−OC(=O)R’、式中、R’はアシルオキシ置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。アシルオキシ基の例には、−OC(=O)CH3(アセトキシ)、−OC(=O)CH2CH3、−OC(=O)C(CH3)3、−OC(=O)Phおよび−OC(=O)CH2Phが含まれるが、これらに限定されない。
オキシカルボイルオキシ:−OC(=O)OR、式中、Rはエステル置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。エステル基の例には、−OC(=O)OCH3、−OC(=O)OCH2CH3、−OC(=O)OC(CH3)3、および−OC(=O)OPhが含まれるが、これらに限定されない。
アミノ:−NR’1R’2、式中R’1およびR’2は、独立してアミノ置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基(また、C1〜10アルキルアミノもしくはジC1〜10アルキルアミノと呼ばれる)、C3〜20ヘテロシクリル基、もしくはC5〜20アリール基であり、好ましくはHもしくC1〜10アルキル基であり、または、「環状」アミノ基の場合、R’1およびR’2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4〜8個の環原子を有する複素環を形成する。アミノ基は、第一級(−NH2)、第二級(−NHR’1)、または第三級(−NHR’1R’2)であってもよく、およびカチオン型では、第四級(−NR’1R’2R’3)であってもよい。アミノ基の例には、−NH2、−NHCH3、−NHC(CH3)2、−N(CH3)2、−N(CH2CH3)2、および−NHPhが含まれるが、これらに限定されない。環状アミノ基の例には、アジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、およびチオモルホリノが含まれるが、これらに限定されない。
アミド(カルバモイル、カルバミル、アミノカルボニル、カルボキサミド):−C(=O)NR’1R’2、式中、R’1およびR’2は、独立して、アミノ基について定義したようなアミノ置換基である。アミド基の例には、−C(=O)NH2、−C(=O)NHCH3、−C(=O)N(CH3)2、−C(=O)NHCH2CH3、および−C(=O)N(CH2CH3)2、ならびに、R’1およびR’2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環構造を形成するなどの場合でのアミド基、例えば、ピペリジノカルボニル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、およびピペラジノカルボニル、が含まれるが、これらに限定されない。
チオアミド(チオカルバミル):−C(=S)NR’1R’2、式中、R’1およびR’2は独立して、アミノ基について定義したようなアミノ置換基である。アミド基の例には、−C(=S)NH2、−C(=S)NHCH3、−C(=S)N(CH3)2、および−C(=S)NHCH2CH3が含まれるが、これらに限定されない。
アシルアミド(アシルアミノ):−NR’1C(=O)R’2、式中、R’1は、アミド置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素またはC1〜10アルキル基、およびR’2はアシル置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基、好ましくは水素またはC1〜10アルキル基である。アシルアミド基の例には、−NHC(=O)CH3、−NHC(=O)CH2CH3、および−NHC(=O)Phが含まれるが、これらに限定されない。R’1およびR’2は、例えば、スクシンイミジル、マレイミジル、およびフタルイミジルのように、一緒に環状構造を形成し得る。
アミノカルボニルオキシ:−OC(=O)NR’1R’2、式中、R’1およびR’2は、独立して、アミノ基について定義したようなアミノ置換基である。アミノカルボニルオキシ基の例としては、−OC(=O)NH2、−OC(=O)NHMe、−OC(=O)NMe2、および−OC(=O)のNEt2が含まれるが、これらに限定されない。
アミノカルボニルオキシ:−OC(=O)NR’1R’2、式中、R’1およびR’2は、独立して、アミノ基について定義したようなアミノ置換基である。アミノカルボニルオキシ基の例としては、−OC(=O)NH2、−OC(=O)NHMe、−OC(=O)NMe2、および−OC(=O)のNEt2が含まれるが、これらに限定されない。
ウレイド:−N(R’1)C(=O)NR’2R’3、式中、R’1およびR’3は、独立して、アミノ基について定義したようなアミノ置換基であり、R’1は、ウレイド置換基、例えば水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素またはC1〜10アルキル基である。ウレイド基の例は、これらに限定されないが、以下が含まれる、−NHCONH2、−NHCONHMe、−NHCONHEt、−NHCONMe2、−NHCONEt2。
NMeCONH2、−NMeCONHMe、−NMeCONHEt、−NMeCONMe2、および−NMeCONEt2。
グアニジノ:−NH−C(=NH)NH2。
テトラゾリル:4個の窒素原子と1個の炭素原子を有する5員芳香環。
イミノ:=NR’、式中、R’はイミノ置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素またはC1〜10アルキル基である。イミノ基の例には、=NH、=NMe、および=NEtが含まれるが、これらに限定されない。
アミジン(アミジノ):−C(=NR’1)NR’2、式中、各R’1はアミジン置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素またはC1〜10アルキル基である。アミジン基の例には、−C(=NR’1)NH2、−C(=NH)NMe2、および−C(=NMe)NMe2が含まれるが、これらに限定されない。
ニトロ:−NO2。
ニトロソ:−NO。
アジド:−N3。
シアノ(ニトリル、カルボニトリル):−CN。
イソシアノ:−NC。
シアネート:−OCN。
イソシアネート:−NCO。
チオシアノ(チオシアナト):−SCN。
イソチオシアノ(イソチオシアナト):−NCS。
スルフヒドリル(チオール、メルカプト):−SH。
チオエーテル(スルフィド):−SR’、式中、R’はチオエーテル置換基、例えば、C1〜10アルキル基、(また、C1〜10アルキルチオ基とも呼ばれる)、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。C1〜10アルキルチオ基の例には、−SCH3および−SCH2CH3が含まれるが、これらに限定されない。
ジスルフィド:−SS−R’、式中、R’はジスルフィド置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である(本明細書ではC1〜10アルキルジスルフィドとも呼ばれる)。C1〜10アルキルジスルフィド基の例には、−SSCH3および−SSCH2CH3が、含まれるが、これらに限定されない。
スルフィン(スルフィニル、スルホキシド):−S(=O)R’、式中、R’は、スルフィン置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。スルフィン基の例には、−S(=O)CH3および−S(=O)CH2CH3が、含まれるが、これらに限定されない。
スルホン(スルホニル):−S(=O)2R’、式中、R’はスルホン置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは、例えば、フッ素化または過フッ素化C1〜10アルキル基を含むC1〜10アルキル基である。スルホン基の例には、−S(=O)2CH3(メタンスルホニル、メシル)、−S(=O)2CF3(トリフリル)、−S(=O)2CH2CH3(エシル)、−S(=O)2C4F9(ノナフリル)、−S(=O)2CH2CF3(トレシル)、−S(=O)2CH2CH2NH2(タウリル)、−S(=O)2Ph(フェニルスルホニル、ベシル)、4−メチルフェニルスルホニル(トシル)、4−クロロフェニルスルホニル(クロシル)、4−ブロモフェニルスルホニル(ブロシル)、4−ニトロフェニル(ノシル)、2−ナフタレンスルホネート(ナプシル)、および5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−イルスルホネート(ダンシル)、が含まれるが、これらに限定されない。
スルフィン酸(スルフィノ):−S(=O)OH、−SO2H。
スルホン酸(スルホ):−S(=O)2OH、−SO3H。
スルフィネート(スルフィン酸エステル):−S(=O)OR’、式中、R’はスルフィネート置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。スルフィネート基の例には、−S(=O)OCH3(メトキシスルフィニル、スルフィン酸メチル)および−S(=O)OCH2CH3(エトキシスルフィニル、スルフィン酸エチル)が、含まれるが、これらに限定されない。
スルホネート(スルホン酸エステル):−S(=O)2OR’、式中、R’はスルホネート置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。スルホネート基の例には、−S(=O)2OCH3(メトキシスルホニル;メチルスルホネート)および−S(=O)2OCH2CH3(エトキシスルホニル;エチルスルホネート)が、含まれるが、これらに限定されない。
スルフィニルオキシ:−OS(=O)R’、式中、R’はスルフィニルオキシ置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。スルフィニルオキシ基の例には、−OS(=O)CH3および−OS(=O)CH2CH3が、含まれるが、これらに限定されない。
スルホニルオキシ:−OS(=O)2R’、式中、R’はスルホニルオキシ置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。スルホニルオキシ基の例には、−OS(=O)2CH3(メシレート)および−OS(=O)2CH2CH3(エシレート)が、含まれるが、これらに限定されない。
スルフェート:−OS(=O)2OR’、式中、R’は、スルフェート置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。スルフェート基の例には、−OS(=O)2OCH3および−SO(=O)2OCH2CH3が、含まれるが、これらに限定されない。
スルファミル(スルファモイル、スルフィン酸アミド、スルフィンアミド):−S(=O)NR’1R’2、式中、R’1およびR’2は独立して、アミノ基について定義したようなアミノ置換基である。スルファミル基の例には、−S(=O)NH2、−S(=O)NH(CH3)、−S(=O)N(CH3)2、−S(=O)NH(CH2CH3)、−S(=O)N(CH2CH3)2、および−S(=O)NHPh、が含まれるが、これらに限定されない。
スルホンアミド(スルフィナモイル、スルホン酸アミド、スルホンアミド):−S(=O)2NR’1R’2、式中、R’1およびR’2は独立して、アミノ基について定義したようなアミノ置換基である。スルホンアミド基の例には、−S(=O)2NH2、−S(=O)2NH(CH3)、−S(=O)2N(CH3)2、−S(=O)2NH(CH2CH3)、−S(=O)2N(CH2CH3)2、および−S(=O)2NHPhが、含まれるが、これらに限定されない。
スルファミノ:−NR’S(=O)2OH、式中、R’はアミノ基について定義されたアミノ置換基である。スルファミノ基の例には、−NHS(=O)2OHおよび−N(CH3)S(=O)2OH、が含まれるが、これらに限定されない。
スルホンアミノ:−NR’1S(=O)2R’2、式中、R’1は、アミノ基について定義したようなアミノ置換基であり、R’2は、スルホンアミノ置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基である。スルホンアミノ基の例には、−NHS(=O)2CH3および−N(CH3)S(=O)2C6H5、が含まれるが、これらに限定されない。
ホスフィノ(ホスフィン):−P(R’)2、式中、R’はホスフィノ置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素、C1〜10アルキル基、またはC5〜20アリール基である。ホスフィノ基の例には、−PH2、−P(CH3)2、−P(CH2CH3)2、−P(t−Bu)2、および−P(Ph)2、が含まれるが、これらに限定されない。
ホスホ:−P(=O)2。
ホスフィニル(ホスフィンオキシド):−P(=O)(R’)2、式中、R’はホスフィニル置換基、例えば、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5−20アリール基であり、好ましくはC1〜10アルキル基またはC5〜20アリール基である。ホスフィニル基の例には、−P(=O)(CH3)2、−P(=O)(CH2CH3)2、−P(=O)(t−Bu)2、および−P(=O)(Ph)2、が含まれるが、これらに限定されない。
ホスホン酸(ホスホノ):−P(=O)(OH)2。
ホスホネート(ホスホノエステル):−P(=O)(OR’)2、式中、R’はホスホネート置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素、C1〜10アルキル基、またはC5〜20アリール基である。ホスホネート基の例には、−P(=O)(OCH3)2、−P(=O)(OCH2CH3)2、−P(=O)(O−t−Bu)2、および−P(=O)(OPh)2、が含まれるが、これらに限定されない。
リン酸(ホスホノオキシ):−OP(=O)(OH)2。
ホスフェート(ホスホノオキシエステル):−OP(=O)(OR’)2、式中、R’はホスフェート置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素、C1〜10アルキル基、またはC5〜20アリール基である。ホスフェート基の例には、−OP(=O)(OCH3)2、−OP(=O)(OCH2CH3)2、−OP(=O)(O−t−Bu)2、および−OP(=O)(OPh)2、が含まれるが、これらに限定されない。
亜リン酸:−OP(OH)2。
ホスフィット:−OP(OR’)2、式中、R’はホスフィット置換基、例えば、水素、C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素、C1〜10アルキル基、またはC5〜20アリール基である。ホスフィットの例には、−OP(OCH3)2、−OP(OCH2CH3)2、−OP(O−t−Bu)2、および−OP(OPh)2、が含まれるが、これらに限定されない。
ホスホルアミダイト:−OP(OR’1)−N(R’2)2、式中、R’1およびR’2はホスホルアミダイト置換基、例えば、水素、(任意選択的に置換された)C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素、C1〜10アルキル基、またはC5〜20アリール基である。ホスホルアミダイト基の例には、−OP(OCH2CH3)−N(CH3)2、−OP(OCH2CH3)−N(i−Pr)2、および−OP(OCH2CH2CN)−N(i−Pr)2、が含まれるが、これらに限定されない。
ホスホルアミデート:−OP(=O)(OR’1)−N(R’2)2、式中、R’1およびR’2は、ホスホルアミデート置換基、例えば、水素、(任意選択的に置換された)C1〜10アルキル基、C3〜20ヘテロシクリル基、またはC5〜20アリール基であり、好ましくは水素、C1〜10アルキル基、またはC5〜20アリール基である。ホスホルアミデート基の例には、−OP(=O)(OCH2CH3)−N(CH3)2、−OP(=O)(OCH2CH3)−N(i−Pr)2、および−OP(=O)(OCH2CH2CN)−N(i−Pr)2が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、「アルキレン」という用語は、脂肪族または脂環式であり得、かつ飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和であり得る、炭化水素化合物の2つの水素原子を、両方とも同じ炭素原子から、または2つの異なる炭素原子のそれぞれから1つずつ、除去することによって得られる二座部分を意味する。したがって、「アルキレン」という用語は、以下で論じられるサブクラスのアルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレンなどを含む。
直鎖飽和C3〜12アルキレン基の例としては、−(CH2)n−で、式中、nは3〜12の整数であるもの、例えば、−CH2CH2CH2−(プロピレン)、−CH2CH2CH2CH2−(ブチレン)、−CH2CH2CH2CH2CH2−(ペンチレン)、および−CH2CH2CH2CH2CH2CH2CH2−(ヘプチレン)、が含まれるが、これらに限定されない。
分岐飽和C3〜12アルキレン基の例としては、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−、−CH(CH2CH3)−、−CH(CH2CH3)CH2−、および−CH2CH(CH2CH3)CH2−、が含まれるが、これらに限定されない。
直鎖部分的不飽和C3〜12アルキレン基(C3〜12アルケニレン、およびアルキニレン基)の例には、−CH=CH−CH2−、−CH2−CH=CH2−、−CH=CH−CH2−CH2−、−CH=CH−CH2−CH2−CH2−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−CH=CH−CH2−、−CH=CH−CH=CH−CH2−CH2−、−CH=CH−CH2−CH=CH−、−CH=CH−CH2−CH2−CH=CH−、および−CH2−C≡C−CH2−、が含まれるが、これらに限定されない。
分枝部分的不飽和C3〜12アルキレン基(C3〜12アルケニレンおよびアルキニレン基)の例としては、−C(CH3)=CH−、−C(CH3)=CH−CH2、−CH=CH−CH(CH3)−および−C≡C−CH(CH3)−、が含まれるが、これらに限定されない。
脂環式飽和C3〜12アルキレン基(C3〜12シクロアルキレン)の例としては、シクロペンチレン(例えば、シクロペント−1,3−イレン)、シクロヘキシレン(例えば、シクロヘキシ−1,4−イレン)、が含まれるが、これらに限定されない。
脂環式部分不飽和C3〜12アルキレン基(C3〜12シクロアルキレン)の例としては、シクロペンテニレン(例えば、4−シクロペンテン−1,3−イレン)、シクロヘキシレン(例えば、2−シクロヘキセン−1,4−イレン、3−シクロヘキセン−1,2−イレン、2,5−シクロヘキサジエン−1,4−イレン)、が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、「グリコシド」という用語は、グリコシド結合によって結合されている炭水化物またはグリカン部分を意味する。グリコシド結合は、O−、N−、C−、またはS−グリコシド結合であり得、これは、結合が、それぞれ酸素、窒素、炭素または硫黄原子によってグリカン部分のアノマー炭素に形成されることを意味する。グリコシド結合はアセタール結合であり得る。グリカンは、任意の単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖であり得、かつそれは、上記の置換基のいずれかによってさらに置換され得る。
グリコシド基の例には、β−D−O−ガラクトシド、N−アセチル−β−D−O−ガラクトサミニド、N−アセチル−α−D−O−ガラクトサミニド、N−アセチル−β−D−O−グルコサミニド、N−アセチル−β−D−N−グルコサミニド、β−D−O−グルクロニド、α−L−O−イドロニド、α−D−O−ガラクトシド、α−D−O−グルコシド、α−D−C−グルコシド、β−D−O−グルコシド、α−D−O−マンノシド、β−D−O−マンノシド、β−D−C−マンノシド、α−L−O−フコシド、β−D−O−キシロシド、N−アセチル−α−D−O−ニューラミニド、ラクトシド、マルトシド、デキストラン、およびこれらの任意の類似体または修飾体、が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態では、グリカン部分のアノマー結合は波線で表すことができ、これは、アノマー炭素の立体化学が定義されていないことを示し、RまたはS立体配置、言い換えればベータまたはアルファ立体配置のいずれかで存在し得ることを示し、つまり、グリカンが環として描かれる場合、結合は環の上または下のいずれかに向けられることを意味する。さらなる実施形態では、アノマー炭素がヒドロキシル基への波状結合で描かれる(したがってヘミアセタールを形成する)場合、波状結合は、グリカンが開環形態(アルデヒドまたはケトン)でも存在し得ることを示す。
一実施形態では、「ポリエチレングリコール」という用語は、式[CH2CH2O]nの繰り返し「PEG」単位を含むポリマーを意味する。一実施形態では、「PEG1〜50」という用語は、1〜50のPEG単位を有するポリエチレングリコール部分を意味する。一実施形態では、「置換ポリエチレングリコール」という用語は、上記の置換基の1つ以上で置換されたポリエチレングリコールを意味する。一実施形態では、「分岐ポリエチレングリコール」という用語は、分岐構造を形成する1つ以上のポリエチレングリコール置換基で置換されたポリエチレングリコール部分を意味する。
コンジュゲートは式Iによって表すことができる:
[D−L]n−T
式I
式中、Dはグリコシル化阻害剤であり、Tは標的化ユニットであり、LはDとTを少なくとも部分的に共有結合的に連結するリンカーユニットであり、nは少なくとも1である。
[D−L]n−T
式I
式中、Dはグリコシル化阻害剤であり、Tは標的化ユニットであり、LはDとTを少なくとも部分的に共有結合的に連結するリンカーユニットであり、nは少なくとも1である。
式Iでは、nが1より大きい場合、原則として、各Dは独立して選択され得る。同様に、各Lは独立して選択することができる。
式Iでは、nは整数、例えば少なくとも1の整数であり得る。
式Iにおいて、nは、1〜約20、もしくは1〜約15、もしくは1〜約10、もしくは2〜10、もしくは2〜6、もしくは2〜5、もしくは2〜4、もしくは3〜約20、もしくは3〜約15、もしくは3〜約10、もしくは3〜約9、もしくは3〜約8、もしくは3〜約7、もしくは3〜約6、もしくは3〜5、もしくは3〜4、もしくは4〜約20、もしくは4〜約15、もしくは4〜約10、もしくは4〜約9、もしくは4〜約8、もしくは4〜約7、もしくは4〜約6、もしくは4〜5の範囲;または約7−9の範囲であってよく;または約8、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20であってよく;または、1〜約1000、もしくは1〜約2000、もしくは1〜約400、もしくは1〜約200、もしくは1〜約100の範囲;または100〜約1000、もしくは200〜約1000、もしくは400〜約1000、もしくは600〜約1000、もしくは800〜約1000の範囲;または100〜約800、もしくは200〜約600、もしくは300〜約500の範囲;または20〜約200、もしくは30〜約150、もしくは40〜約120、もしくは60〜約100の範囲;8より大きい、16より大きい、20より大きい、40より大きい、60より大きい、80より大きい、100より大きい、120より大きい、150より大きい、200より大きい、300より大きい、400より大きい、500より大きい、600より大きい、800より大きい、または1000より大きくてよく;または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、63、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、または2000より大きくてよい。
II)グリコシル化阻害剤
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、以下の刊行物のいずれかに記載のグリコシル化阻害剤である:Esko et al.2017,in Essentials of Glycobiology,3rdedition,Chapter 55、Chapman et al.2004,Angew Chem Int Ed Engl 43:3526−48、Dorfmueller et al.2006,J Am Chem Soc 128:16484−5、Brown et al.2007,Crit Rev Biochem Mol Biol 42:481−515、 Chaudhary et al.2013,Mini Rev Med Chem 13:222−36、Tu et al.2013.Chem Soc Rev 42:4459−75、Galley et al.2014,Bioorg Chem 55:16−26、Gouin 2014,Chemistry 20:11616−28、Kallemeijn et al.2014,Adv Carbohydr Chem Biochem 71:297−338、Kim et al.2014,Crit Rev Biochem Mol Biol 49:327−42.Shayman & Larsen 2014,J Lipid Res 55:1215−25。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、以下の刊行物のいずれかに記載のグリコシル化阻害剤である:Esko et al.2017,in Essentials of Glycobiology,3rdedition,Chapter 55、Chapman et al.2004,Angew Chem Int Ed Engl 43:3526−48、Dorfmueller et al.2006,J Am Chem Soc 128:16484−5、Brown et al.2007,Crit Rev Biochem Mol Biol 42:481−515、 Chaudhary et al.2013,Mini Rev Med Chem 13:222−36、Tu et al.2013.Chem Soc Rev 42:4459−75、Galley et al.2014,Bioorg Chem 55:16−26、Gouin 2014,Chemistry 20:11616−28、Kallemeijn et al.2014,Adv Carbohydr Chem Biochem 71:297−338、Kim et al.2014,Crit Rev Biochem Mol Biol 49:327−42.Shayman & Larsen 2014,J Lipid Res 55:1215−25。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、非アセチル化糖類似体などの親水性グリコシル化阻害剤である。親水性は、親水性グリコシル化阻害剤が、腫瘍または標的細胞などの標的組織に到達する前にコンジュゲートから早まって放出される場合、非標的細胞に入る能力が低い可能性があるという利点を有し得る。例えば、UDP−GlcNAcレベルは、細胞の外側から、ヒト白血病細胞株KG1aまたはT細胞のいずれかの非アセチル化4−フルオロ−GlcNAc処理に応答して必ずしも有意に変化するわけではないが、過アセチル化4−フルオロ−GlcNAcによる処理はこれらの細胞のUDP−GlcNAcレベルを大幅に低下させる可能性があり、それにより、異なる細胞タイプを区別することなく、任意の細胞のグリコシル化を効果的に阻害できる可能性がある(Barthel et al.2011,J.Biol.Chem.286:21717−31)。親水性グリコシル化阻害剤はまた、実質的に無毒であり得る。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、過アセチル化糖類似体などの疎水性グリコシル化阻害剤である。疎水性は、疎水性グリコシル化阻害剤が、腫瘍などの標的組織に到達した後、標的細胞に到達する前にコンジュゲートから早まって放出された場合、標的細胞に入る良好な能力を有し得るという利点を有し得る。さらに、疎水性グリコシル化阻害剤は、(第1の)標的細胞におけるグリコシル化を阻害した後、別の標的細胞または第2の腫瘍細胞に入る良好な能力を有し得る。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、以下の群から選択される:
1)ヌクレオチド糖などのグリコシル化経路の一般的な中間体の形成に関与するステップを妨害することができる代謝阻害剤、
2)小胞体(ER)、ゴルジ、および/またはトランスゴルジネットワークの構造またはそれらの間の通過を妨害することができる細胞輸送阻害剤、
3)ドリコール−PP−GlcNAc形成の阻害を介してN−結合型グリコシル化を阻害し、ウンデカプレニル−PP−GlcNAcアセンブリの阻害を介してペプチドグリカン生合成を阻害することができるツニカマイシン、
4)グリコシダーゼのプロセシングの阻害を介してN−結合型グリコシル化を阻害することができる植物アルカロイド、
5)特定のグリコシルトランスフェラーゼまたはグリコシダーゼを阻害することができる基質類似体、
6)グリカンのアセンブリを内因性受容体から外因性プライマーに転換させることにより、グリコシル化経路を阻害することができるグリコシドプライマー、および
7)例えば、特定のグリコシルトランスフェラーゼへのRNAの干渉などが含まれ得る、グリコシル化の特異的阻害剤。
1)ヌクレオチド糖などのグリコシル化経路の一般的な中間体の形成に関与するステップを妨害することができる代謝阻害剤、
2)小胞体(ER)、ゴルジ、および/またはトランスゴルジネットワークの構造またはそれらの間の通過を妨害することができる細胞輸送阻害剤、
3)ドリコール−PP−GlcNAc形成の阻害を介してN−結合型グリコシル化を阻害し、ウンデカプレニル−PP−GlcNAcアセンブリの阻害を介してペプチドグリカン生合成を阻害することができるツニカマイシン、
4)グリコシダーゼのプロセシングの阻害を介してN−結合型グリコシル化を阻害することができる植物アルカロイド、
5)特定のグリコシルトランスフェラーゼまたはグリコシダーゼを阻害することができる基質類似体、
6)グリカンのアセンブリを内因性受容体から外因性プライマーに転換させることにより、グリコシル化経路を阻害することができるグリコシドプライマー、および
7)例えば、特定のグリコシルトランスフェラーゼへのRNAの干渉などが含まれ得る、グリコシル化の特異的阻害剤。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、上記のグループ1)〜7)およびその任意の類似体または修飾体から選択される。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、代謝阻害剤(グループ1)を含むか、または代謝阻害剤である。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、細胞輸送阻害剤(グループ2)を含むか、または細胞輸送阻害剤である。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、ツニカマイシン(グループ3)を含むか、またはツニカマイシンである。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、植物アルカロイド(グループ4)を含むか、または植物アルカロイドである。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、基質類似体(グループ5)を含むか、または基質類似体である。そのような基質類似体は、特定のグリコシルトランスフェラーゼおよび/またはグリコシダーゼを阻害することができる可能性がある。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、グリコシドプライマー(グループ6)を含むか、またはグリコシドプライマーである。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、特定の阻害剤(グループ7)を含むか、または特定の阻害剤である。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、代謝阻害剤(グループ1)、細胞輸送阻害剤(グループ2)、ツニカマイシン(グループ3)、植物アルカロイド(グループ4)、基質類似体(グループ5)、グリコシドプライマー(グループ6)、および/または特定の阻害剤(グループ7)を含むか、またはこれらである。
グリコシル化阻害剤は、代謝阻害剤、細胞輸送阻害剤、ツニカマイシン、植物アルカロイド、基質類似体、グリコシドプライマー、グリコシル化の特異的阻害剤、N−アセチルグルコサミニル化阻害剤、N−アセチルガラクトサミニル化阻害剤、シアリル化阻害剤、フコシル化阻害剤、ガラクトシル化阻害剤、キシロシル化阻害剤、グルクロニル化阻害剤、マンノシル化阻害剤、マンノシダーゼ阻害剤、グルコシダーゼ阻害剤、グルコシル化阻害剤、N−グリコシル化阻害剤、O−グリコシル化阻害剤、グリコサミノグリカン生合成阻害剤、グリコスフィンゴリピド生合成阻害剤、硫酸化阻害剤、ブレフェルジンA、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、クロレート、2−デオキシグルコース、フッ素化糖類似体、2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,3−ジデオキシ−3−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,6−ジデオキシ−6−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,5−ジデオキシ−5−フルオログルコサミン、4−デオキシ−4−フルオログルコサミン、3−デオキシ−3−フルオログルコサミン、6−デオキシ−6−フルオログルコサミン、5−デオキシ−5−フルオログルコサミン、3−デオキシ−3−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3ax−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3eq−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3ax−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3eq−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3−フルオロフコース、2−デオキシ−2−フルオログルコース、2−デオキシ−2−フルオロマンノース、2−デオキシ−2−フルオロフコース、3−フルオロシアル酸、カスタノスペルミン、オーストラリン(australine)、デオキシノジリマイシン、N−ブチルデオキシノジリマイシン、デオキシマンノジリマイシン、キフネンシン、スウェインソニン、マンノスタチンA、アロキサン、ストレプトゾトシン、2−アセトアミド−2,5−ジデオキシ−5−チオグルコサミン、2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−チオグルコサミン、PUGNAc(O−[2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシリデン]アミノ−N−フェニルカルバメート)、チアメット−G、N−アセチルグルコサミン−チアゾリン(NAG−チアゾリン)、GlcNAcスタチン(GlcNAcstatin)、ヌクレオチド糖類似体、UDP−GlcNAc類似体、UDP−GalNAc類似体、UDP−Glc類似体、UDP−Gal類似体、GDP−Man類似体、GDP−Fuc類似体、UDP−GlcA類似体、UDP−Xyl類似体、CMP−Neu5Ac類似体、ヌクレオチド糖二基質、グリコシドプライマー、β−キシロシド、β−N−アセチルガラクトサミニド、β−グルコシド、β−ガラクトシド、β−N−アセチルグルコサミニド、β−N−アセチルラクトサミニド、二糖グリコシドおよび三糖グリコシド、4−メチル−ウンベリフェロン、グルコシルセラミドエポキシド、D−トレオ−1−フェニル−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−プロパノール(PDMP)、PPPP、2−アミノ−2−デオキシマンノース、2−アシル−2−デオキシ−グルコシル−ホスファチジルイノシトール、10−プロポキシデカン酸、Neu5Ac−2−エン(DANA)、4−アミノ−DANA、4−グアニジノ−DANA、(3R,4R,5S)−4−アセトアミド−5−アミノ−3−(1−エチルプロポキシル)−1−シクロヘキサン−1−カルボン酸、(3R,4R,5S)−4−アセトアミド−5−アミノ−3−(1−エチルプロポキシル)−1−シクロヘキサン−1−カルボン酸エチルエステル、2,6−ジクロロ−4−ニトロフェノール、ペンタクロロフェノール、マンノシダーゼI阻害剤、グルコシダーゼI阻害剤、グルコシダーゼII阻害剤、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ阻害剤、N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ阻害剤、ガラクトシルトランスフェラーゼ阻害剤、シアリルトランスフェラーゼ阻害剤、ヘキソサミン経路阻害剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミノトランスフェラーゼ(GFPT1)阻害剤、ホスホアセチルグルコサミンムターゼ(PGM3)阻害剤、UDP−GlcNAcシンターゼ阻害剤、CMP−シアル酸シンターゼ阻害剤、N−アセチル−D−グルコサミン−オキサゾリン、6−メチル−ホスホネート−N−アセチル−D−グルコサミン−オキサゾリン、6−メチル−ホスホネート−N−アセチル−D−グルコサミン−チアゾリン、V型ATPアーゼ阻害剤、コンカナマイシン、コンカナマイシンA、コンカナマイシンB、コンカナマイシンC、バフィロマイシン、バフィロマイシンA1、アルカゾリド、アルカゾリドA、サリチリハラミド、サリチリハラミドA、オキシミジン、オキシミジンI、ロバタミド、ロバタミドA、アピクラレン、アピクラレンA、アピクラレンB、クルエンタレン、プレコマクロリド(plecomacrolide)、(2Z,4E)−5−(5,6−ジクロロ−2−インドリル)−2−メトキシ−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ペンタジエンアミド(INDOL0)、エピキフネンシン、デオキシフコノジリマイシン、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−マンニトール、2,5−ジデオキシ−2,5−イミノ−D−マンニトール、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−キシリトール、リゾリン脂質アシルトランスフェラーゼ(LPAT)阻害剤、細胞質型ホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤、アシル−CoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、CI−976、N−アシルデオキシノジリマイシン、N−アセチルデオキシノジリマイシン、N−アシルデオキシマンノジリマイシン、N−アセチルデオキシマンノジリマイシン、コートタンパク質(COPI)阻害剤、ブレフェルジン、タモキシフェン、ラロキシフェン、スリンダク、3−デオキシ−3−フルオロ−Neu5N、3−デオキシ−3ax−フルオロ−Neu5N、3−デオキシ−3eq−フルオロ−Neu5N、3’−アジド−3’−デオキシチミジン、3’−フルオロ−3’−デオキシチミジン、3’−アジド−3’−デオキシシチジン、3’−フルオロ−3’−デオキシシチジン、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシシチジン、3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシシチジン、および任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、3’−アジド−3’−デオキシチミジン、3’−フルオロ−3’−デオキシチミジン、3’−アジド−3’−デオキシシチジン、3’−フルオロ−3’−デオキシシチジン、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシシチジン、および3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシシチジンの群から選択され得る。
一実施形態では、代謝阻害剤(グループ1)は、硫酸化阻害剤、クロレート、2−デオキシグルコース、D−トレオ−1−フェニル−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−プロパノール(PDMP)、DL−トレオ−フェニル−2−ヘキサデカノイルアミノ−3−ピロリジノ−1−プロパノール(PPPP)、2−アミノ−2−デオキシマンノース、2−アシル−2−デオキシ−グルコシル−ホスファチジルイノシトール、10−プロポキシデカン酸、2,6−ジクロロ−4−ニトロフェノール、ペンタクロロフェノール、ヘキソサミン経路阻害剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミノトランスフェラーゼ(GFPT1)阻害剤、ホスホアセチルグルコサミンムターゼ(PGM3)阻害剤、UDP−GlcNAcシンターゼ阻害剤、CMP−シアル酸シンターゼ阻害剤、グリコサミノグリカン生合成阻害剤、グリコスフィンゴリピド生合成阻害剤、および任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、細胞輸送阻害剤(グループ2)は、コートタンパク質(COPI)阻害剤、ブレフェルジン、ブレフェルジンA、V型ATPアーゼ阻害剤、コンカナマイシン、コンカナマイシンA、コンカナマイシンB、コンカナマイシンC、バフィロマイシン、バフィロマイシンA1、アルカゾリド、アルカゾリドA、サリチリハラミド、サリチリハラミドA、オキシミジン、オキシミジンI、ロバタミド、ロバタミドA、アピクラレン、アピクラレンA、アピクラレンB、クルエンタレン、プレコマクロリド、(2Z,4E)−5−(5,6−ジクロロ−2−インドリル)−2−メトキシ−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ペンタジエンアミド(INDOL0)、リゾリン脂質アシルトランスフェラーゼ(LPAT)阻害剤、細胞質ホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤、アシル−CoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、CI−976、および任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、ツニカマイシン(グループ3)は、ツニカマイシンおよび任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、植物アルカロイド(グループ4)は、N−アシルデオキシノジリマイシン、N−アセチルデオキシノジリマイシン、N−アシルデオキシマンノジリマイシン、N−アセチルデオキシマンノジリマイシン、エピ−キフネンシン、デオキシフコノジリマイシン、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−マンニトール、2,5−ジデオキシ−2,5−イミノ−D−マンニトール、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−キシリトール、カスタノスペルミン、オーストラリン、デオキシノジリマイシン、N−ブチルデオキシノジリマイシン、デオキシマンノジリマイシン、キフネンシン、スワインソニン、マンノスタチンA、および任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、基質類似体(グループ5)は、フッ素化糖類似体、2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,3−ジデオキシ−3−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,6−ジデオキシ−6−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,5−ジデオキシ−5−フルオログルコサミン、4−デオキシ−4−フルオログルコサミン、3−デオキシ−3−フルオログルコサミン、6−デオキシ−6−フルオログルコサミン、5−デオキシ−5−フルオログルコサミン、3−デオキシ−3−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3ax−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3eq−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3ax−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3eq−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3−フルオロフコース、2−デオキシ−2−フルオログルコース、2−デオキシ−2−フルオロマンノース、2−デオキシ−2−フルオロフコース、3−フルオロシアル酸、アロキサン、ストレプトゾトシン、2−アセトアミド−2,5−ジデオキシ−5−チオグルコサミン、2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−チオグルコサミン、PUGNAc(O−[2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシリデン]アミノ−N−フェニルカルバメート)、チアメット−G、N−アセチルグルコサミン−チアゾリン(NAG−チアゾリン)、GlcNAcスタチン、ヌクレオチド糖類似体、UDP−GlcNAc類似体、UDP−GalNAc類似体、UDP−Glc類似体、UDP−Gal類似体、GDP−Man類似体、GDP−Fuc類似体、UDP−GlcA類似体、UDP−Xyl類似体、CMP−Neu5Ac類似体、ヌクレオチド糖二基質、Neu5Ac−2−エン(DANA)、4−アミノ−DANA、4−グアニジノ−DANA、(3R,4R,5S)−4−アセトアミド−5−アミノ−3−(1−エチルプロポキシル)−1−シクロヘキサン−1−カルボン酸、(3R,4R,5S)−4−アセトアミド−5−アミノ−3−(1−エチルプロポキシル)−1−シクロヘキサン−1−カルボン酸エチルエステル、N−アセチル−D−グルコサミン−オキサゾリン、6−メチル−ホスホネート−N−アセチル−D−グルコサミン−オキサゾリン、6−メチル−ホスホネート−N−アセチル−D−グルコサミン−チアゾリン、3−デオキシ−3−フルオロ−Neu5N、3−デオキシ−3ax−フルオロ−Neu5N、3−デオキシ−3eq−フルオロ−Neu5N、および任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、グリコシドプライマー(グループ6)は、グリコシドプライマー、β−キシロシド、β−N−アセチルガラクトサミニド、β−グルコシド、β−ガラクトシド、β−N−アセチルグルコサミニド、β−N−アセチルラクトサミニド、二糖グリコシドおよび三糖グリコシド、4−メチル−ウンベリフェロン、グルコシルセラミドエポキシド、および任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、グリコシル化の特異的阻害剤(グループ7)は、N−アセチルグルコサミニル化阻害剤、N−アセチルガラクトサミニル化阻害剤、シアリル化阻害剤、フコシル化阻害剤、ガラクトシル化阻害剤、キシロシル化阻害剤、グルクロニル化阻害剤、マンノシル化阻害剤、マンノシダーゼ阻害剤、グルコシダーゼ阻害剤、グルコシル化阻害剤、N−グリコシル化阻害剤、O−グリコシル化阻害剤、マンノシダーゼI阻害剤、グルコシダーゼI阻害剤、グルコシダーゼII阻害剤、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ阻害剤、N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ阻害剤、ガラクトシルトランスフェラーゼ阻害剤、シアリルトランスフェラーゼ阻害剤、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、タモキシフェン、ラロキシフェン、スリンダクおよび任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、N−グリコシル化阻害剤は、ツニカマイシン、ツニカマイシン類似体、UDP−N−アセチルグルコサミン:ドリキルリン酸N−アセチルグルコサミン−ホスホトランスフェラーゼ(GlcNAc−1−P−トランスフェラーゼ)阻害剤、オリゴサッカリルトランスフェラーゼ阻害剤、N−グリカン前駆体合成阻害剤およびN−グリカンプロセシング阻害剤の群から選択される。
一実施形態では、N−グリカンプロセシング阻害剤は、グルコシダーゼ阻害剤、グルコシダーゼI阻害剤、グルコシダーゼII阻害剤、マンノシダーゼ阻害剤、マンノシダーゼI阻害剤、マンノシダーゼII阻害剤およびN−アセチル−グルコサミニルトランスフェラーゼ阻害剤の群から選択される。
一実施形態では、N−アセチルグルコサミニル化阻害剤は、2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,3−ジデオキシ−3−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,6−ジデオキシ−6−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,5−ジデオキシ−5−フルオログルコサミン、4−デオキシ−4−フルオログルコサミン、3−デオキシ−3−フルオログルコサミン、6−デオキシ−6−フルオログルコサミン、5−デオキシ−5−フルオログルコサミン、UDP−GlcNAc類似体、ヘキソサミン経路阻害剤、およびこれらの類似体または修飾体の群から選択される。
一実施形態では、シアリル化阻害剤は、3−デオキシ−3−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3ax−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3eq−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3ax−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3eq−フルオロ−Neu5Ac、3−フルオロシアル酸、CMP−Neu5Ac類似体、β−N−アセチルラクトサミニド、Neu5Ac−2−エン(DANA)、4−アミノ−DANA、4−グアニジノ−DANA、(3R,4R,5S)−4−アセトアミド−5−アミノ−3−(1−エチルプロポキシル)−1−シクロヘキサン−1−カルボン酸、(3R,4R,5S)−4−アセトアミド−5−アミノ−3−(1−エチルプロポキシル)−1−シクロヘキサン−1−カルボン酸エチルエステル、シアリルトランスフェラーゼ阻害剤、CMP−シアル酸シンターゼ阻害剤、3−デオキシ−3−フルオロ−Neu5N、3−デオキシ−3ax−フルオロ−Neu5N、3−デオキシ−3eq−フルオロ−Neu5N、ヘキソサミン経路阻害剤、およびこれらの類似体または修飾体の群から選択される。
一実施形態では、ガラクトシル化阻害剤は、ガラクトシルトランスフェラーゼ阻害剤、UDP−Gal類似体、ガラクトシルトランスフェラーゼ阻害剤、およびこれらの任意の類似体または修飾体の群から選択される。
一実施形態では、ヘキソサミン経路阻害剤は、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミノトランスフェラーゼ(GFPT1)阻害剤、ホスホアセチルグルコサミンムターゼ(PGM3)阻害剤、UDP−GlcNAcシンターゼ阻害剤、N−アセチル−D−グルコサミン−オキサゾリン、6−メチル−ホスホネート−N−アセチル−D−グルコサミン−オキサゾリン、6−メチル−ホスホネート−N−アセチル−D−グルコサミン−チアゾリン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、および任意の類似体、同族体またはこれらの修飾体の群から選択される。
一実施形態では、ツニカマイシンは、ツニカマイシンI、ツニカマイシンII、ツニカマイシンIII、ツニカマイシンIV、ツニカマイシンV、ツニカマイシンVI、ツニカマイシンVII、ツニカマイシンVIII、ツニカマイシンIXおよびツニカマイシンX、ならびにツニカマイシンA、A0、A1、A2、A3、A4、B、B1、B2、B3、B4、B5、B6、C、C1、C2、C3、D、D1、D2、Tun 16:0A、Tun 16:0B、Tun 17:2、Tun 17:0A、Tun 17:0B、Tun 17:0C、Tun 18:1AおよびTun 18:1B、ならびにIto et al.1980(Agric.Biol.Chem.44:695−8)およびその中の参考文献ならびにTsvetanova&Price 2001(Anal.Biochem.289:147−56)およびその中の参考文献に記載されるもの、ならびにこれらの類似体、相同体または修飾体の群から選択される。一実施形態では、グルコシダーゼ阻害剤は、グルコシダーゼI阻害剤、グルコシダーゼII阻害剤、およびこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、グルコシダーゼ阻害剤は、オーストラリン、エピキフネンシン、1−デオキシノジリマイシン、N−アシルデオキシノジリマイシン、N−アセチルデオキシノジリマイシン、およびこれらの任意の類似体、組み合わせまたは修飾体の群から選択される。
一実施形態では、マンノシダーゼ阻害剤は、マンノシダーゼI阻害剤、マンノシダーゼII阻害剤、リソソームマンノシダーゼ阻害剤、およびこれらの組み合わせの群から選択される。
一実施形態では、マンノシダーゼ阻害剤は、マンノシダーゼI阻害剤とマンノシダーゼII阻害剤との組み合わせである。一実施形態では、マンノシダーゼ阻害剤は、キフネンシンとスワインソニンの組み合わせである。
一実施形態では、マンノシダーゼI阻害剤は、キフネンシン、1−デオキシマンノジリマイシン、N−アシル−1−デオキシマンノジリマイシン、N−アセチル−1−デオキシマンノジリマイシン、N−アルキル−1−デオキシマンノジリマイシン、N−ブチル−1−デオキシマンノジリマイシン、タモキシフェン、ラロキシフェン、スリンダク、およびこれらの任意の類似体または修飾体の群から選択される。
一実施形態では、マンノシダーゼII阻害剤は、スワインソニン、マンノスタチンA、およびそれらの任意の類似体または修飾体の群から選択される。
グリコシル化阻害剤は、式IIによって表すことができ、
式中、X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの1つ以下が、Yであり、かつDが、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの1つ以下が、Yであり、かつDが、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
「R1(またはR2、R3、R4、X5、R6、または本明細書に記載の他の任意の置換基またはラジカル)が非存在である」という語句は、一実施形態では、R1(またはR2、R3、R4、X5、R6、または本明細書に記載の他の置換基またはラジカル)がHである、として理解され得る。言い換えれば、置換基またはラジカルが「非存在」の場合、いくつかの実施形態では、それはHであるとして理解され得る。
「L’はLとの結合である」という句は、一実施形態では、L’がラジカルを表すのではなく、Lとの結合を表すように理解され得る。
本明細書に記載されている式において、すべての原子が描かれているわけではないことも理解され得る。変化する可能性のある置換基と基のみが描かれており、わかりやすくするために、H原子は省略され得る。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式IIによって表すことができ、式中、
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’はそれぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール基および置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの1つ以下が、Yであること、グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つがCOR4’’’およびCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つが、Hであることを条件とする。
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’はそれぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール基および置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの1つ以下が、Yであること、グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つがCOR4’’’およびCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つが、Hであることを条件とする。
この文脈において、語句「R1、R2、R3、R4およびR6のうちの1つ以下が、Yである」は、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの1つ以下が、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択されるように理解され得る。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式IIによって表すことができ、式中、
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’はそれぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール基および置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの2つが、Yであること、グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つが、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つは、Hであることを条件とする。
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’はそれぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール基および置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの2つが、Yであること、グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つが、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つは、Hであることを条件とする。
この文脈において、語句「R1、R2、R3、R4およびR6のうちの2つが、Yである」は、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの2つが、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択されるように理解され得る。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式IIによって表すことができ、式中、
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’はそれぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール基および置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの3つが、Yであること、グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つが、COR4’’’およびCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つは、Hであることを条件とする。
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’はそれぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール基および置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの3つが、Yであること、グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つが、COR4’’’およびCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つは、Hであることを条件とする。
この文脈において、語句「R1、R2、R3、R4およびR6のうちの3つが、Yである」は、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの3つが、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択されるように理解され得る。
式IIの文脈における「置換された」という用語は、上記の置換基のいずれか1つによって置換されていることを指し得る。
式IIの一実施形態では、Yは、F、Cl、Br、およびIから、あるいはFおよびClから選択され得る。
式IIの一実施形態では、YはFであり得る。フッ素原子の存在がフッ素化糖類似体の様々なグリカン構造への組み込みを妨げ得るため、そのようなフッ素化糖類似体は比較的効果的なグリコシル化阻害剤であり得る。フッ素原子はまた、重大な立体障害を引き起こさない。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIf、IIIgもしくはIIIhによって表すことができ:
式中、L’は、Lとの結合であり、
R3、R4およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはFのいずれかであるが、但し、R3、R4およびR6のうちの1つのみがFであることを条件とし、
R3’、R4’、およびR6’は、それぞれ独立してOCOCH3もしくはFのいずれかであるが、但し、R3’、R4’、およびR6’のうちの1つのみがFであることを条件とする。
R3、R4およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはFのいずれかであるが、但し、R3、R4およびR6のうちの1つのみがFであることを条件とし、
R3’、R4’、およびR6’は、それぞれ独立してOCOCH3もしくはFのいずれかであるが、但し、R3’、R4’、およびR6’のうちの1つのみがFであることを条件とする。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIf、IIIgもしくはIIIhのいずれか1つによって表すことができ、式中、L’は、Lとの結合であり、
R3、R4およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはFのいずれかであるが、但し、R3、R4およびR6のうちの2つがFであることを条件とし、
R3’、R4’、およびR6’は、それぞれ独立してOCOCH3もしくはFのいずれかであるが、但し、R3’、R4’、およびR6’のうちの2つはFであることを条件とする。
R3、R4およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはFのいずれかであるが、但し、R3、R4およびR6のうちの2つがFであることを条件とし、
R3’、R4’、およびR6’は、それぞれ独立してOCOCH3もしくはFのいずれかであるが、但し、R3’、R4’、およびR6’のうちの2つはFであることを条件とする。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIf、IIIgもしくはIIIhのいずれか1つによって表すことができ、式中、L’は、Lとの結合であり、
R3、R4およびR6は、それぞれFであり、
R3’、R4’およびR6’は、それぞれFである。
R3、R4およびR6は、それぞれFであり、
R3’、R4’およびR6’は、それぞれFである。
一実施形態では、グリコシル化阻害剤は、3−デオキシ−3−フルオロシアル酸である。一実施形態では、3−デオキシ−3−フルオロシアル酸は、3−デオキシ−3ax−フルオロシアル酸または3−デオキシ−3eq−フルオロシアル酸である。
3−デオキシ−3−フルオロシアル酸は、代替的または追加的に、式IVa、IVb、IVc、IVd、IVeまたはIVfのいずれか1つで表すことができ、
式中、
L’は、Lとの結合であり、
R1およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはL’のいずれかであり、R4は、独立して、NHCOCH3もしくはL’のいずれかであり、X1は、独立して、COOHもしくはL’のいずれかであり、但し、R1、R4、R6およびX1のうちの1つのみが、L’であることを条件とし、
R1’およびR6’は、それぞれ独立して、OCOCH3もしくはL’のいずれかであり、
R4’は、独立して、NHCOCH3またはLのいずれかであり、
X1’は、独立して、COOCH3またはL’のいずれかであり、
但し、R1’、R4’、R6’およびX1’のうちの1つのみが、L’であることを条件とする。
L’は、Lとの結合であり、
R1およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはL’のいずれかであり、R4は、独立して、NHCOCH3もしくはL’のいずれかであり、X1は、独立して、COOHもしくはL’のいずれかであり、但し、R1、R4、R6およびX1のうちの1つのみが、L’であることを条件とし、
R1’およびR6’は、それぞれ独立して、OCOCH3もしくはL’のいずれかであり、
R4’は、独立して、NHCOCH3またはLのいずれかであり、
X1’は、独立して、COOCH3またはL’のいずれかであり、
但し、R1’、R4’、R6’およびX1’のうちの1つのみが、L’であることを条件とする。
本明細書の文脈において、「3−デオキシ−3−フルオロシアル酸」という語句は、シアル酸の炭素−3に結合した水素原子のうちの1つがフッ素原子によって置き換えられるように理解され得る。この文脈において、「3−デオキシ−3ax−フルオロシアル酸」という語句は、シアル酸の炭素−3に結合したアキシアルな水素原子がフッ素原子によって置き換えられるように理解され得る。この文脈において、「3−デオキシ−3eq−フルオロシアル酸」という語句は、シアル酸の炭素−3に結合したエクアトリアルな水素原子がフッ素原子によって置き換えられるように理解され得る。
3−デオキシ−3−フルオロシアル酸は、代替的または追加的に、式IVe、IVf、IVgまたはIVhのいずれか1つによって表すことができ、式中、
L’は、Lとの結合であり、
R1およびR6は、それぞれ独立して、OH、OZもしくはL’のいずれかであり、
R4およびR4’は、独立して、非存在、OH、OZ、NH2、NR4’’R4’’’、NHL’、NHCOCH3もしくはL’のいずれかであり、
X1は、独立して、COOH、COOMe、COOL’もしくはL’のいずれかであり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
R1’およびR6’は、それぞれ独立して、OH、OZ、OCOCH3もしくはL’のいずれかであり、
R4’’およびR4’’’は、それぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’’およびCOOR4’’’’、L’、L’’−L’、Y、NH2、OH、NHCOCH3、NHCOCH2OH、NHCOCF3、NHCOCH2Cl、NHCOCH2OCOCH3、NHCOCH2N3、NHCOCH2CH2CCH、NHCOOCH2CCH、NHCOOCH2CHCH2、NHCOOCH3、NHCOOCH2CH3、NHCOOCH2CH(CH3)2、NHCOOC(CH3)3、NHCOO−ベンジル、NHCOOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、NHCOO(CH2)3CH3、NHCOO(CH2)2OCH3、NHCOOCH2CCl3およびNHCOO(CH2)2F、(ベンジル=CH2C6H5)から選択され、
R4’’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6−C12アリール、および置換されたC6−C12アリールから選択され、
L’’は、L’−置換されたC1〜C12アルキル、L’−置換されたC6−C12アリール、COL’’’、COOL’’’、NH−、O−、NHCOCH2−、NHCOCH2O−、NHCOCF2−、NHCOCH2OCOCH2−、NHCOCH2トリアゾリル−、NHCOOCH2CHCH−、NHCOOCH2CH2CH2S−、NHCOOCH2−、NHCOOCH2CH2−、NHCOOCH2CHCH2CH2−、NHCOO−ベンジル−、NHCOO(CH2)3CH2−、NHCOOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル−およびNHCOO(CH2)2OCH2−、(ベンジルはCH2C6H5であり、−は、L’との結合である)から選択され、
L’’’は、L’−置換されたC1〜C12アルキルまたはL’−置換されたC6〜C12アリールのいずれかであり、
但し、グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、R4’が、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’’は、Hであること、かつR4’’が、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’は、Hであることを条件とする。
L’は、Lとの結合であり、
R1およびR6は、それぞれ独立して、OH、OZもしくはL’のいずれかであり、
R4およびR4’は、独立して、非存在、OH、OZ、NH2、NR4’’R4’’’、NHL’、NHCOCH3もしくはL’のいずれかであり、
X1は、独立して、COOH、COOMe、COOL’もしくはL’のいずれかであり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
R1’およびR6’は、それぞれ独立して、OH、OZ、OCOCH3もしくはL’のいずれかであり、
R4’’およびR4’’’は、それぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’’およびCOOR4’’’’、L’、L’’−L’、Y、NH2、OH、NHCOCH3、NHCOCH2OH、NHCOCF3、NHCOCH2Cl、NHCOCH2OCOCH3、NHCOCH2N3、NHCOCH2CH2CCH、NHCOOCH2CCH、NHCOOCH2CHCH2、NHCOOCH3、NHCOOCH2CH3、NHCOOCH2CH(CH3)2、NHCOOC(CH3)3、NHCOO−ベンジル、NHCOOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、NHCOO(CH2)3CH3、NHCOO(CH2)2OCH3、NHCOOCH2CCl3およびNHCOO(CH2)2F、(ベンジル=CH2C6H5)から選択され、
R4’’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6−C12アリール、および置換されたC6−C12アリールから選択され、
L’’は、L’−置換されたC1〜C12アルキル、L’−置換されたC6−C12アリール、COL’’’、COOL’’’、NH−、O−、NHCOCH2−、NHCOCH2O−、NHCOCF2−、NHCOCH2OCOCH2−、NHCOCH2トリアゾリル−、NHCOOCH2CHCH−、NHCOOCH2CH2CH2S−、NHCOOCH2−、NHCOOCH2CH2−、NHCOOCH2CHCH2CH2−、NHCOO−ベンジル−、NHCOO(CH2)3CH2−、NHCOOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル−およびNHCOO(CH2)2OCH2−、(ベンジルはCH2C6H5であり、−は、L’との結合である)から選択され、
L’’’は、L’−置換されたC1〜C12アルキルまたはL’−置換されたC6〜C12アリールのいずれかであり、
但し、グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、R4’が、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’’は、Hであること、かつR4’’が、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’は、Hであることを条件とする。
本明細書の文脈において、「L’置換された」という用語は、L’、すなわちLとの結合を含むことを指すと理解され得る。言い換えれば、L’’’はLと結合され得る。
3−デオキシ−3−フルオロシアル酸は、代替的または追加的に、式IVi、IVj、IVk、IVlもしくはIVmのいずれか1つによって表すことができ、
式中、
L’は、Lとの結合であり、
Z1は、H、CH3、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリールおよび置換されたC6〜C12アリールから選択され、
R4’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’’、COOR4’’’’、COCH3、COCH2OH、COCF3、COCH2Cl、COCH2OCOCH3、COCH2N3、COCH2CH2CCH、COOCH2CCH、COOCH2CHCH2、COOCH3、COOCH2CH3、COOCH2CH(CH3)2、COOC(CH3)3、COO−ベンジル、COOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、COO(CH2)3CH3、COO(CH2)2OCH3、COOCH2CCl3およびCOO(CH2)2F、(ベンジル=CH2C6H5)から選択され、
R4’’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、および置換されたC6〜C12アリールから選択される。
L’は、Lとの結合であり、
Z1は、H、CH3、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリールおよび置換されたC6〜C12アリールから選択され、
R4’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’’、COOR4’’’’、COCH3、COCH2OH、COCF3、COCH2Cl、COCH2OCOCH3、COCH2N3、COCH2CH2CCH、COOCH2CCH、COOCH2CHCH2、COOCH3、COOCH2CH3、COOCH2CH(CH3)2、COOC(CH3)3、COO−ベンジル、COOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、COO(CH2)3CH3、COO(CH2)2OCH3、COOCH2CCl3およびCOO(CH2)2F、(ベンジル=CH2C6H5)から選択され、
R4’’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、および置換されたC6〜C12アリールから選択される。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式Aによって表すことができ、
式中、
Wは、CH2、NH、OまたはSであり、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、S、O、C、CHおよびNから選択され、
但し、X1およびX3の一方または両方が、OまたはSのいずれかである場合、X2は、非存在、X1とX2との間の結合、またはCHのいずれかであることを条件とし、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
X5は、非存在、OH、OZ、O、CH2、C1〜C12アルキル、または置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスフェート類似体、ボロノホスフェート、ボロノホスフェートエステル、チオホスフェート、チオホスフェートエステル、ハロホスフェート、ハロホスフェートエステル、バナデート、ホスホネート、ホスホネートエステル、チオホスホネート、チオホスホネートエステル、ハロホスホネート、ハロホスホネートエステル、メチルホスホネート、メチルホスホネートエステルまたはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
環炭素とX3、X2とX3、X1とX2、および環炭素とX1との間の結合のそれぞれは、独立して、単結合もしくは二重結合または非存在のいずれかであり、
但し、X2とX3との間の結合、およびX1とX2との間の結合の両方が非存在の場合、X2およびZ2の両方も非存在であることを条件とし、かつ
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
Wは、CH2、NH、OまたはSであり、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、S、O、C、CHおよびNから選択され、
但し、X1およびX3の一方または両方が、OまたはSのいずれかである場合、X2は、非存在、X1とX2との間の結合、またはCHのいずれかであることを条件とし、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
X5は、非存在、OH、OZ、O、CH2、C1〜C12アルキル、または置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスフェート類似体、ボロノホスフェート、ボロノホスフェートエステル、チオホスフェート、チオホスフェートエステル、ハロホスフェート、ハロホスフェートエステル、バナデート、ホスホネート、ホスホネートエステル、チオホスホネート、チオホスホネートエステル、ハロホスホネート、ハロホスホネートエステル、メチルホスホネート、メチルホスホネートエステルまたはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
環炭素とX3、X2とX3、X1とX2、および環炭素とX1との間の結合のそれぞれは、独立して、単結合もしくは二重結合または非存在のいずれかであり、
但し、X2とX3との間の結合、およびX1とX2との間の結合の両方が非存在の場合、X2およびZ2の両方も非存在であることを条件とし、かつ
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式Aa、Ab、AcまたはAdによって表すことができ、
式中、
X1は、S、O、CH2、およびNHから選択され、
X3は、CHおよびNから選択され、
Z2は非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスフェート類似体、チオホスフェート、チオホスフェートエステル、ハロホスフェート、ハロホスフェートエステル、バナデート、ホスホネート、ホスホネートエステル、チオホスホネート、チオホスホネートエステル、ハロホスホネート、ハロホスホネートエステル、メチルホスホネート、メチルホスホネートエステルまたはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
X1は、S、O、CH2、およびNHから選択され、
X3は、CHおよびNから選択され、
Z2は非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスフェート類似体、チオホスフェート、チオホスフェートエステル、ハロホスフェート、ハロホスフェートエステル、バナデート、ホスホネート、ホスホネートエステル、チオホスホネート、チオホスホネートエステル、ハロホスホネート、ハロホスホネートエステル、メチルホスホネート、メチルホスホネートエステルまたはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式Bによって表すことができ、
式中、
Wは、CH、N、OまたはSであり、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、S、O、CHおよびNから選択され、
但し、X1およびX3の一方または両方が、OまたはSのいずれかである場合、X2は、非存在、X1とX3との間の結合、CまたはCHのいずれかであることを条件とし、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して非存在である、またはH、OH、OZ、もしくはL’から選択されるのいずれかであり、
X5は、非存在、OH、OZ、O、CH2、C1〜C12アルキル、または置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、またはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
WとX3、X2とX3、X1とX2、および環炭素とX1との間の結合のそれぞれは、独立して、単結合もしくは二重結合または非存在のいずれかであり、
但し、X2とX3との間の結合、およびX1とX2との間の結合の両方が非存在の場合、X2およびZ2の両方も非存在であることを条件とし、かつ
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
Wは、CH、N、OまたはSであり、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、S、O、CHおよびNから選択され、
但し、X1およびX3の一方または両方が、OまたはSのいずれかである場合、X2は、非存在、X1とX3との間の結合、CまたはCHのいずれかであることを条件とし、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して非存在である、またはH、OH、OZ、もしくはL’から選択されるのいずれかであり、
X5は、非存在、OH、OZ、O、CH2、C1〜C12アルキル、または置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、またはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
WとX3、X2とX3、X1とX2、および環炭素とX1との間の結合のそれぞれは、独立して、単結合もしくは二重結合または非存在のいずれかであり、
但し、X2とX3との間の結合、およびX1とX2との間の結合の両方が非存在の場合、X2およびZ2の両方も非存在であることを条件とし、かつ
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式Ba、Bb、Bc、Bd、Be、Bf、BgまたはBhによって表すことができ、
式中、
X1は、S、O、CH2、およびNHから選択され、
X3は、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C1〜C12アシル、置換されたC1〜C12アシル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択され、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、もしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、またはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
X1は、S、O、CH2、およびNHから選択され、
X3は、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C1〜C12アシル、置換されたC1〜C12アシル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択され、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、もしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、またはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式Ca、CbまたはCcによって表すことができ、
式中、
R1は、O、NH、NRb、S、SO、SO2またはCH2であり、
Rbは、C1〜C10アルキル、置換されたC1〜C10アルキル、C1〜C10アシルまたは置換されたC1〜C10アシルであり、
R6は、OHまたはL’であり、
Rcは、C2〜C20アシル、置換されたC2〜C20アシル、C6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリールまたはL’であり、
mは、6、7、8、9、10、11、12、13または14であり、
L’は、Lとの結合である。
R1は、O、NH、NRb、S、SO、SO2またはCH2であり、
Rbは、C1〜C10アルキル、置換されたC1〜C10アルキル、C1〜C10アシルまたは置換されたC1〜C10アシルであり、
R6は、OHまたはL’であり、
Rcは、C2〜C20アシル、置換されたC2〜C20アシル、C6〜C20アリール、置換されたC6〜C20アリールまたはL’であり、
mは、6、7、8、9、10、11、12、13または14であり、
L’は、Lとの結合である。
グリコシル化阻害剤は、代替的または追加的に、式Da、DbまたはDcによって表すことができ、
式中、
各R1は、独立して、HまたはL’のいずれかであり、
R3はH、OH、CONH2、CONHL’またはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
但し、前記式Da、Db、およびDcのそれぞれが、1つのみのL’を含有することを条件とする。
各R1は、独立して、HまたはL’のいずれかであり、
R3はH、OH、CONH2、CONHL’またはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
但し、前記式Da、Db、およびDcのそれぞれが、1つのみのL’を含有することを条件とする。
本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるグリコシル化阻害剤は、様々な方法で標的化ユニットにコンジュゲートすることができる。
III)リンカーユニット
様々なタイプのリンカーユニットが適切であり得、そして多くは当技術分野で知られている。リンカーユニットは、1つ以上のリンカー基または部分を含み得る。それはまた、2つの官能基間の反応によって形成される1つ以上の基を含み得る。当業者は、コンジュゲートを調製するときに様々な異なる化学を利用することができ、したがって、様々な異なる官能基を反応させて、リンカーユニットLによって構成される基を形成できることを理解するであろう。一実施形態では、官能基は、スルフヒドリル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アジジル、アルデヒド、カルボキシル、マレイミジル、スクシンイミジルおよびヒドロキシルアミノからなる基から選択される。当業者は、特定の条件下で反応できるように官能基を選択することができる。
様々なタイプのリンカーユニットが適切であり得、そして多くは当技術分野で知られている。リンカーユニットは、1つ以上のリンカー基または部分を含み得る。それはまた、2つの官能基間の反応によって形成される1つ以上の基を含み得る。当業者は、コンジュゲートを調製するときに様々な異なる化学を利用することができ、したがって、様々な異なる官能基を反応させて、リンカーユニットLによって構成される基を形成できることを理解するであろう。一実施形態では、官能基は、スルフヒドリル、アミノ、アルケニル、アルキニル、アジジル、アルデヒド、カルボキシル、マレイミジル、スクシンイミジルおよびヒドロキシルアミノからなる基から選択される。当業者は、特定の条件下で反応できるように官能基を選択することができる。
「リンカーユニット」および「リンカー」という用語は、本明細書では交換可能に使用され得る。
リンカーユニットは、コンジュゲートが標的細胞に結合した後にグリコシル化阻害剤を放出するように構成することができる。リンカーユニットは、例えば、切断可能であり得る。切断可能なリンカーユニットは、細胞内条件下で切断可能であり得、その結果、リンカーユニットの切断は、細胞内環境においてグリコシル化阻害剤を放出し得る。切断可能なリンカーユニットは、腫瘍微小環境の条件下で切断可能であり得、その結果、リンカーユニットの切断は、腫瘍においてグリコシル化阻害剤を放出し得る。
リンカーユニットは、コンジュゲートが腫瘍に送達された後、および/または標的分子または標的細胞に結合した後に、グリコシル化阻害剤を放出するように構成することができる。
リンカーユニットは非切断可能(non−cleavable)であり得る。
リンカーユニットは、細胞内環境(例えば、リソソームまたはエンドソーム内)または腫瘍微小環境に存在する切断剤によって切断可能であり得る。リンカーユニットは、例えば、細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素、例えばリソソームもしくはエンドソームプロテアーゼ、またはペプチダーゼもしくは腫瘍微小環境のプロテアーゼによって切断されるペプチジルリンカーユニットであり得る。いくつかの実施形態では、ペプチジルリンカーユニットは、少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。切断剤には、例えばカテプシンBおよびD、プラスミン、およびマトリックスメタロプロテイナーゼが含まれ得る。細胞内プロテアーゼまたは腫瘍微小環境プロテアーゼによって切断可能なペプチジルリンカーユニットは、Val−CitリンカーまたはPhe−Lysリンカーであり得る。
リンカーユニットは、リソソーム加水分解酵素または腫瘍微小環境の加水分解酵素によって切断可能であり得る。一実施形態では、リンカーユニットは、細胞内グリコシダーゼ酵素、例えば、リソソームまたはエンドソームグリコシダーゼ、または腫瘍微小環境のグリコシダーゼによって切断可能なグリコシド結合を含むことができる。いくつかの実施形態において、グリコシドリンカーユニットは、単糖残基またはより大きな糖を含む。切断剤には、例えば、β−グルクロニダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、およびβ−グルコシダーゼが含まれ得る。細胞内グリコシダーゼまたは腫瘍微小環境グリコシダーゼによって切断可能なグリコシドリンカーユニットは、β−D−グルクロニドリンカーユニット、β−ガラクトシドリンカーユニットまたはβ−グルコシドリンカーユニットであり得る。
切断可能なリンカーユニットは、pH感受性、すなわち、例えば酸性条件下で、特定のpH値での加水分解に対して感受性であり得る。例えば、リソソームまたは腫瘍微小環境中で加水分解可能な酸不安定性リンカーユニット(例えば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス−アコニットアミド、オルトエステル、アセタール、ケタールなど)を使用することができる。このようなリンカーユニットは、血液中のような中性pH条件下では比較的安定であるが、pH5.5もしくは5.0未満、またはリソソームのおおよそのpHであるpH4.5もしくは4.0未満では不安定である。一実施形態では、加水分解性リンカーユニットは、チオエーテルリンカーユニットである。
リンカーユニットは、還元条件下で切断可能であり得、例えば、ジスルフィドリンカーユニットであって、その例が、SATA(N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート)、SPDP(N−スクシンイミジル−3−(2−)ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)ブチレート)およびSMPT(N−スクシンイミジル−オキシカルボニル−アルファ−メチル−アルファ−(2−ピリジル−ジチオ)トルエン)、SPDBとSMPTを使用して形成され得るジスルフィドリンカーユニットを含み得る。
リンカーユニットは、マロン酸リンカー、マレイミドベンゾイルリンカー、または3’−N−アミド類似体であり得る。
L、すなわち、式Iのリンカーユニットは、一実施形態では、式IXによって表すことができ、
−R7−L1−Sp−L2−R8−
式IX
式中、
R7は、グリコシル化阻害剤と共有結合している基であり、
L1は、スペーサーユニットであるか、または非存在であり、
Spは、特異性ユニットであるか、または非存在であり、
L2は、標的化ユニットと共有結合しているストレッチャーユニットであるか、または非存在であり、
R8は、非存在であるか、標的化ユニットと共有結合している基である。
−R7−L1−Sp−L2−R8−
式IX
式中、
R7は、グリコシル化阻害剤と共有結合している基であり、
L1は、スペーサーユニットであるか、または非存在であり、
Spは、特異性ユニットであるか、または非存在であり、
L2は、標的化ユニットと共有結合しているストレッチャーユニットであるか、または非存在であり、
R8は、非存在であるか、標的化ユニットと共有結合している基である。
R7は、例えば、
−C(=O)NH−、
−C(=O)O−、
−NHC(=O)−、
−OC(=O)−、
−OC(=O)O−、
−NHC(=O)O−、
−OC(=O)NH−、
−NHC(=O)NH、
−NH−、
−S−および
−O−から選択され得る。
−C(=O)NH−、
−C(=O)O−、
−NHC(=O)−、
−OC(=O)−、
−OC(=O)O−、
−NHC(=O)O−、
−OC(=O)NH−、
−NHC(=O)NH、
−NH−、
−S−および
−O−から選択され得る。
この文脈において、基−O−は、グリコシル化阻害剤と、L1、Sp、L2、R8もしくはT(いずれか存在する方)との間にグリコシド結合を形成する酸素原子として理解され得る。
R8は、例えば、
−C(=O)NH−、
−C(=O)O−、
−NHC(=O)−、
−OC(=O)−、
−OC(=O)O−、
−NHC(=O)O−、
−OC(=O)NH−、
−NHC(=O)NH、
−NH−、
−S−および
−O−から選択され得る。
−C(=O)NH−、
−C(=O)O−、
−NHC(=O)−、
−OC(=O)−、
−OC(=O)O−、
−NHC(=O)O−、
−OC(=O)NH−、
−NHC(=O)NH、
−NH−、
−S−および
−O−から選択され得る。
基−O−はまた、R8に関して、標的化ユニットと、L1、L2もしくはSpとの間にグリコシド結合を形成する酸素原子として理解され得る。
IV)標的化ユニット
一実施形態では、標的化ユニットは、免疫チェックポイント分子に結合することができる標的化ユニットである。一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、免疫チェックポイント機能に関与する任意の分子である。一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer−terms/def/immune−checkpoint−inhibitorで入手可能なNCI Dictionary of Cancer Termsによって定義されるチェックポイントタンパク質である。一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer−terms/def/immune−checkpoint−inhibitorで入手可能なNCI Dictionary of Cancer Termsによって定義される免疫チェックポイント阻害剤の標的分子である。一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、Marin−Acevedo et al.2018,J Hematol Oncol11:39に記載されている任意の分子である。
一実施形態では、標的化ユニットは、免疫チェックポイント分子に結合することができる標的化ユニットである。一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、免疫チェックポイント機能に関与する任意の分子である。一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer−terms/def/immune−checkpoint−inhibitorで入手可能なNCI Dictionary of Cancer Termsによって定義されるチェックポイントタンパク質である。一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer−terms/def/immune−checkpoint−inhibitorで入手可能なNCI Dictionary of Cancer Termsによって定義される免疫チェックポイント阻害剤の標的分子である。一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、Marin−Acevedo et al.2018,J Hematol Oncol11:39に記載されている任意の分子である。
一実施形態では、免疫チェックポイント分子は、PD−1、PD−L1、CTLA−4、リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3、CD223)、T細胞免疫グロブリン−3(TIM−3)、ポリ−N−アセチルラクトサミン、T(トムゼン−フリーデンライヒ)抗原、グロボH、ルイスc(タイプ1 N−アセチルラクトサミン)、ガレクチン−1、ガレクチン−2、ガレクチン−3、ガレクチン−4、ガレクチン−5、ガレクチン−6、ガレクチン−7、ガレクチン−8、ガレクチン−9、ガレクチン−10、ガレクチン−11、ガレクチン−12、ガレクチン−13、ガレクチン−14、ガレクチン−15、シグレック−1、シグレック−2、シグレック−3、シグレック−4、シグレック−5、シグレック−6、シグレック−7、シグレック−8、シグレック−9、シグレック−10、シグレック−11、シグレック−12、シグレック−13、シグレック−14、シグレック−15、シグレック−16、シグレック−17、ホスファチジルセリン、CEACAM−1、T細胞免疫グロブリンおよびITIMドメイン(TIGIT)、CD155(ポリオウイルス受容体−PVR)、CD112(PVRL2、ネクチン−2)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA、プログラム死−1ホモログ、PD−1Hとしても知られる)、B7ホモログ3(B7−H3、CD276)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、CD73、BおよびT細胞リンパ球アテニュエータ(BTLA、CD272)、ヘルペスウイルス侵入メディエータ(HVEM)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)−β、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR、CD158)、KIR2DL1/2L3、KIR3DL2、ホスホイノシチド3−キナーゼガンマ(PI3Kγ)、CD47、OX40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNF受容体ファミリー関連タンパク質(GITR)、GITRL、誘導性共刺激因子(ICOS)、4−1BB(CD137)、CD27、CD70、CD40、CD154、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トール様受容体(TLR)、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、インターロイキン12(IL−12)、IL−2、IL−2R、CD122(IL−2Rβ)、CD132(Υc)は、CD25(IL−2Rα)、およびアルギナーゼの群から選択される。
標的化ユニットは、抗体を含むか、または抗体であり得る。例えば、標的化ユニットは、腫瘍細胞標的化抗体、がん標的化抗体、および/または免疫細胞標的化抗体であり得る。したがって、コンジュゲートは、抗体−グリコシル化阻害剤コンジュゲートであり得る。
一実施形態では、標的化ユニットは、2つの異なる標的分子に同時に結合することができる二重特異性標的化分子である。一実施形態では、二重特異性標的化ユニットは、二重特異性抗体である。
標的化ユニットは、代替的または追加的に、ペプチド、アプタマー、またはグリカンを含むか、またはこれらであり得る。
標的化ユニットは、代替的または追加的に、がん関連受容体のリガンドなどのがん標的化分子を含むか、またはこれらであり得る。そのようながん標的化分子の例には、葉酸が含まれるが、これに限定されない。
標的化ユニットは、1つ以上のグリコシル化またはグリカンなどの1つ以上の修飾をさらに含み得る。例えば、抗体は通常、1つ以上のグリカンを有する。これらのグリカンは、天然に存在するか、修飾され得る。グリコシル化阻害剤は、いくつかの実施形態では、抗体などの標的化ユニットのグリカンにコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態では、標的化ユニットは、1つ以上のさらなる基または部分、例えば、官能基または部分(例えば、蛍光または他の方法で検出可能な標識)を含み得る。
標的化ユニットは、例えば、ベバシズマブ、トシツモマブ、エタネルセプト、トラスツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、エファリズマブ、リツキシマブ、インフリキシマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、ダクリズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、エプラツズマブ、2G12、リンツズマブ、ニモツズマブおよびイブリツモマブチウキセタンの群から選択されるがん標的化抗体を含み得るか、またはこれらであり得る。
一実施形態では、標的化ユニットは、抗EGFR1抗体、上皮増殖因子受容体2(HER2/neu)抗体、抗CD22抗体、抗CD30抗体抗CD33抗体、抗ルイスy抗体、抗CD20抗体、抗CD3抗体、抗PSMA抗体、抗TROP2抗体、および抗AXL抗体の群から選択される抗体を含み得るか、またはこれらであり得る。
標的分子は、一実施形態では、EGFR1、上皮増殖因子受容体2(HER2/neu)、CD22、CD30、CD33、ルイスy、CD20、CD3、PSMA、栄養芽細胞表面抗原2(TROP2)およびチロシンタンパク質キナーゼ受容体UFO(AXL)の群から選択される分子を含み得るか、またはこれらであり得る。
標的化ユニットは、一実施形態では、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、イピリムマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、BMS−986016、LAG525、MBG453、OMP−31M32、JNJ−61610588、エノブリツズマブ(enoblituzumab)(MGA271)、MGD009、8H9、MEDI9447、M7824、メテリムマブ(metelimumab)、フレソリムマブ(fresolimumab)、IMC−TR1(LY3022859)、レルデリムマブ(lerdelimumab)(CAT−152)、LY2382770、リリルマブ(lirilumab)、IPH4102、9B12、MOXR 0916、PF−04518600(PF−8600)、MEDI6383、MEDI0562、MEDI6469、INCAGN01949、GSK3174998、TRX−518、BMS−986156、AMG 228、MEDI1873、MK−4166、INCAGN01876、GWN323、JTX−2011、GSK3359609、MEDI−570、ウトミルマブ(utomilumab)(PF−05082566)、ウレルマブ(urelumab)、ARGX−110、BMS−936561(MDX−1203)、バリルマブ(varlilumab)、CP−870893、APX005M、ADC−1013、ルカツムマブ(lucatumumab)、Chi Lob 7/4、ダセツズマブ(dacetuzumab)、SEA−CD40、RO7009789、およびMEDI9197の群から選択される免疫チェックポイント分子標的化抗体を含み得るか、またはこれらであり得る。
標的化ユニットは、免疫チェックポイント阻害剤、抗免疫チェックポイント分子、抗PD−1、抗PD−L1抗体、抗CTLA−4抗体、または以下の群から選択される免疫チェックポイント分子を標的とする抗体、からなる群から選択される分子を含むか、またはこれらであり得、前記免疫チェックポイント分子は、リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3、CD223)、T細胞免疫グロブリン−3(TIM−3)、ポリ−N−アセチルラクトサミン、T(トムゼン−フリーデンライヒ抗原)、グロボH、ルイスc(タイプ1 N−アセチルラクトサミン)、ガレクチン−1、ガレクチン−2、ガレクチン−3、ガレクチン−4、ガレクチン−5、ガレクチン−6、ガレクチン−7、ガレクチン−8、ガレクチン−9、ガレクチン−10、ガレクチン−11、ガレクチン−12、ガレクチン−13、ガレクチン−14、ガレクチン−15、シグレック−1、シグレック−2、シグレック−3、シグレック−4、シグレック−5、シグレック−6、シグレック−7、シグレック−8、シグレック−9、シグレック−10、シグレック−11、シグレック−12、シグレック−13、シグレック−14、シグレック−15、シグレック−16、シグレック−17、ホスファチジルセリン、CEACAM−1、T細胞免疫グロブリンおよびITIMドメイン(TIGIT)、CD155(ポリオウイルス受容体−PVR)、CD112(PVRL2、ネクチン−2)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA、プログラム死−1ホモログ、PD−1Hとしても知られる)、B7ホモログ3(B7−H3、CD276)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、CD73、BおよびT細胞リンパ球アテニュエータ(BTLA、CD272)、ヘルペスウイルス侵入メディエータ(HVEM)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)−β、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR、CD158)、KIR2DL1/2L3、KIR3DL2、ホスホイノシチド3−キナーゼガンマ(PI3Kγ)、CD47、OX40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNF受容体ファミリー関連タンパク質(GITR)、GITRL、誘導性共刺激因子(ICOS)、4−1BB(CD137)、CD27、CD70、CD40、CD154、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トール様受容体(TLR)、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、インターロイキン12(IL−12)、IL−2、IL−2R、CD122(IL−2Rβ)、CD132(Υc)、CD25(IL−2Rα)、およびアルギナーゼの群から選択される。
標的分子は、免疫チェックポイント分子、PD−1、PD−L1、CTLA−4、リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3、CD223)、T細胞免疫グロブリン−3(TIM−3)、ポリ−N−アセチルラクトサミン、T(トムゼン−フリーデンライヒ抗原)、グロボH、ルイスc(タイプ1 N−アセチルラクトサミン)、ガレクチン−1、ガレクチン−2、ガレクチン−3、ガレクチン−4、ガレクチン−5、ガレクチン−6、ガレクチン−7、ガレクチン−8、ガレクチン−9、ガレクチン−10、ガレクチン−11、ガレクチン−12、ガレクチン−13、ガレクチン−14、ガレクチン−15、シグレック−1、シグレック−2、シグレック−3、シグレック−4、シグレック−5、シグレック−6、シグレック−7、シグレック−8、シグレック−9、シグレック−10、シグレック−11、シグレック−12、シグレック−13、シグレック−14、シグレック−15、シグレック−16、シグレック−17、ホスファチジルセリン、CEACAM−1、T細胞免疫グロブリンおよびITIMドメイン(TIGIT)、CD155(ポリオウイルス受容体−PVR)、CD112(PVRL2、ネクチン−2)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA、プログラム死−1ホモログ、PD−1Hとしても知られる)、B7ホモログ3(B7−H3、CD276)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、CD73、BおよびT細胞リンパ球アテニュエータ(BTLA、CD272)、ヘルペスウイルス侵入メディエータ(HVEM)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)−β、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR、CD158)、KIR2DL1/2L3、KIR3DL2、ホスホイノシチド3−キナーゼガンマ(PI3Kγ)、CD47、OX40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNF受容体ファミリー関連タンパク質(GITR)、GITRL、誘導性共刺激因子(ICOS)、4−1BB(CD137)、CD27、CD70、CD40、CD154、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トール様受容体(TLR)、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、インターロイキン12(IL−12)、IL−2、IL−2R、CD122(IL−2Rβ)、CD132(Υc)、CD25(IL−2Rα)、およびアルギナーゼの群から選択される分子を含み得るか、またはこれらであり得る。
V)ストレッチャーユニット
「ストレッチャーユニット」という用語は、R7、L1、またはSp(存在する場合)をR8(存在する場合)または標的化ユニットに連結することができる任意の基、部分またはリンカー部分を指し得る。様々なタイプのストレッチャーユニットが適切であり得、多くは当技術分野で知られている。
「ストレッチャーユニット」という用語は、R7、L1、またはSp(存在する場合)をR8(存在する場合)または標的化ユニットに連結することができる任意の基、部分またはリンカー部分を指し得る。様々なタイプのストレッチャーユニットが適切であり得、多くは当技術分野で知られている。
ストレッチャーユニットL2は、標的化ユニットの官能基と結合を形成することができる官能基を有し得る。ストレッチャーユニットはまた、R7、L1、またはSpのいずれかの官能基と結合を形成することができる官能基を有し得る。自然にまたは化学的操作を介して標的化ユニットに存在することができる有用な官能基には、スルフヒドリル(−SH)、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシ、炭水化物のアノマーヒドロキシル基、およびカルボキシルが含まれるが、これらに限定されない。標的化ユニットの官能基は、一実施形態では、スルフヒドリルおよびアミノであり得る。ストレッチャーユニットは、例えば、標的化ユニットに結合するためのマレイミド基、アルデヒド、ケトン、カルボニル、またはハロアセトアミドを含むことができる。
一例では、スルフヒドリル基は、抗体などの標的化ユニットの分子内ジスルフィド結合の還元によって生成することができる。別の実施形態では、スルフヒドリル基は、抗体または他の標的化ユニットのリジン部分のアミノ基と、2−イミノチオラン(トラウト試薬)または他のスルフヒドリル生成試薬との反応によって生成され得る。特定の実施形態では、標的化ユニットは、組換え抗体であり、1つ以上のリジンを保有するように操作される。特定の他の実施形態では、組換え抗体は、追加のスルフヒドリル基、例えば追加のシステインを保有するように操作される。
一実施形態では、ストレッチャーユニットは、標的化ユニット(例えば、抗体)上に存在する求核基に反応する求電子基を有する。標的化ユニット上の有用な求核基には、スルフヒドリル、ヒドロキシルおよびアミノ基が含まれるが、これらに限定されない。標的化ユニットの求核基のヘテロ原子は、ストレッチャーユニット上の求電子基に反応し、ストレッチャーユニットとの共有結合を形成する。有用な求電子基には、マレイミド基およびハロアセトアミド基が含まれるが、これらに限定されない。標的化ユニットとしての抗体の場合、求電子基は、アクセス可能な求核基を有するこれら抗体の抗体結合のための好都合な部位を提供し得る。
別の実施形態では、ストレッチャーユニットは、標的化ユニット(例えば、抗体)上に存在する求電子基に反応性である求核基を有する反応性部位を有する。標的化ユニット上の有用な求電子基には、アルデヒドおよびケトンおよびカルボニル基が含まれるが、これらに限定されない。ストレッチャーユニットの求核基のヘテロ原子は、標的化ユニット上の求電子基と反応し、標的化ユニット、例えば抗体との共有結合を形成することができる。ストレッチャーユニット上の有用な求核基には、ヒドラジド、ヒドロキシルアミン、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、およびアリールヒドラジドが含まれるが、これらに限定されない。標的化ユニットとしての抗体の場合、抗体上の求電子基は、求核性ストレッチャーユニットに結合するための好都合な部位を提供し得る。
一実施形態では、ストレッチャーユニットは、抗体などの標的化ユニット上に存在する求核基と反応性である求電子基を有する反応性部位を有する。求電子基は、標的化ユニット(例えば、抗体)への結合に好都合な部位を提供する。抗体上の有用な求核基には、スルフヒドリル、ヒドロキシルおよびアミノ基が含まれるが、これらに限定されない。抗体の求核基のヘテロ原子は、ストレッチャーユニット上の求電子基に反応し、ストレッチャーユニットに共有結合を形成する。有用な求電子基には、マレイミドおよびハロアセトアミド基ならびにNHSエステルが含まれるが、これらに限定されない。
別の実施形態では、ストレッチャーユニットは、標的化ユニット上に存在する求電子性基と反応性である求核性基を有する反応性部位を有する。標的化ユニット(例えば、抗体)上の求電子基は、ストレッチャーユニットへの結合に好都合な部位を提供する。抗体上の有用な求電子基には、アルデヒドおよびケトンのカルボニル基が含まれるが、これらに限定されない。ストレッチャーユニットの求核基のヘテロ原子は、抗体上の求電子基と反応し、抗体との共有結合を形成することができる。ストレッチャーユニット上の有用な求核基には、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、およびアリールヒドラジドが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ストレッチャーユニットは、ストレッチャーユニットのマレイミド基を介して、標的化ユニットの硫黄原子と結合を形成する。硫黄原子は、標的化ユニットのスルフヒドリル基から誘導することができる。この実施形態の代表的なストレッチャーユニットは、式XaおよびXbの角括弧内のものを含み、波線はコンジュゲート内の結合を示し、R17は、−C1〜C10アルキレン−、−C1〜C10ヘテロアルキレン−、−C3〜C8カルボシクロ−、−O−(C1〜C8アルキル)−、−アリーレン−、−C1〜C10アルキレン−アリーレン、−アリーレン−C1〜C10アルキレン、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8カルボシクロ)−、−(C3〜C8カルボシクロ)−C1〜C10アルキレン−、−C3〜C8ヘテロシクロ−、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8ヘテロシクロ)−、−(C3〜C8ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキレン−、−C1〜C10アルキレン−C(=O)−、C1〜C10ヘテロアルキレン−C(=O)−、−C3〜C8カルボシクロ−C(=O)−、−O−(C1〜C8アルキル)−C(=O)−、−アリーレン−C(=O)−、−C1〜C10アルキレン−アリーレン−C(=O)−、−アリーレン−C1〜C10アルキレン−C(=O)−、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8カルボシクロ)−C(=O)−、−(C3〜C8カルボシクロ)−C1〜C10アルキレン−C(=O)−、−C3〜C8ヘテロシクロ−C(=O)−、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8ヘテロシクロ)−C(=O)−、−(C3〜C8ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキレン−C(=O)−、−C1〜C10アルキレン−NH−、C1〜C10ヘテロアルキレン−NH−、−C3〜C8カルボシクロ−NH−、−O−(C1〜C8アルキル)−NH−、−アリーレン−NH−、−C1〜C10アルキレン−アリーレン−NH−、−アリーレン−C1〜C10アルキレン−NH−、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8カルボシクロ)−NH−、−(C3〜C8カルボシクロ)−C1〜C10アルキレン−NH−、−C3〜C8ヘテロシクロ−NH−、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8ヘテロシクロ)−NH−、−(C3〜C8ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキレン−NH−、−C1〜C10アルキレン−S−、C1〜C10ヘテロアルキレン−S−、−C3〜C8カルボシクロ−S−、−O−(C1〜C8アルキル)−S−、−アリーレン−S−、−C1〜C10アルキレン−アリーレン−S−、−アリーレン−C1〜C10アルキレン−S−、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8カルボシクロ)−S−、−(C3〜C8カルボシクロ)−C1〜C10アルキレン−S−、−C3〜C8ヘテロシクロ−S−、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8ヘテロシクロ)−S−、または−(C3〜C8ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキレン−S−である。R17置換基のいずれも、置換または非置換であり得る。一実施形態では、R17置換基は非置換である。別の実施形態では、R17置換基は任意選択的に置換されている。いくつかの実施形態において、R17基は、任意選択的に、基本ユニット、例えば、−(CH2)×NH2、−(CH2)×NHRa、および−(CH2)×NRa 2によって置換され、基中、xは、1〜4の範囲の整数であり、各Raは、独立してC1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルからなる群から選択されるか、または2つのRa基は、それらが結合している窒素と結合してアゼチジニル、ピロリジニルもしくはピペリジニル基を形成する。
ストレッチャーユニットの実施形態の文脈において、波線は、(必ずしもではないが)コンジュゲート内で、R7、L1、またはSpのいずれか存在する方への結合を示し得る。波線のない自由結合は、通常、ストレッチャーユニットの反対側の端にあり、標的化ユニットへの結合を示し得る。
例示的なストレッチャーユニットは、式Xaのものであり、式中、R17は、−C2〜C5アルキレン−C(=O)−であり、アルキレンが任意選択的に基本ユニット、例えば、−(CH2)×NH2、−(CH2)xNHRa、−(CH2)xNRa 2によって置換されており、基中、xは1〜4の範囲の整数であり、各Raは、独立して、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルからなる群から選択されるか、または2つのRa基は、それらが結合している窒素と結合して、アゼチジニル、ピロリジニル、もしくはピペリジニル基を形成する。例示的な実施形態は以下のとおりである。
ストレッチャーユニットのアミノ基は、合成中にアミノ保護基、例えば、酸不安定性保護基(例えば、BOC)によって適切に保護され得ることが理解されるであろう。
別の実施形態では、ストレッチャーユニットは、標的化ユニットの硫黄原子とストレッチャーユニットの硫黄原子との間のジスルフィド結合を介して標的化ユニットに連結されている。この実施形態の代表的なストレッチャーユニットは、式XIの角括弧内に示され、波線は、コンジュゲート内の結合を示し、R17は、式XaおよびXbに対して上記したとおりである。
さらに別の実施形態では、ストレッチャーユニットの反応性基は、標的化ユニットの第1または第2級アミノ基と結合を形成することができる反応性部位を含有する。これらの反応部位の例には、活性化エステル例えば、スクシンイミドエステル、4−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、無水物、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアネートおよびイソチオシアネートなどが含まれるが、これらに限定されない。この実施形態の代表的なストレッチャーユニットは、式XIIa、XIIb、およびXIIcの角括弧内に示され、波線は、コンジュゲート内の結合を示し、R17は、式XaおよびXbについて上記したとおりである。
さらに別の実施形態では、ストレッチャーユニットの反応性基は、標的化ユニット上に存在することができる修飾炭水化物(−CHO)基に反応性である反応性部位を含む。例えば、炭水化物は過ヨウ素酸ナトリウムなどの試薬を使用して穏やかに酸化することができ、結果として生じる酸化された炭水化物の(−CHO)ユニットは、ヒドラジド、オキシム、第一級または第二級アミン、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、およびアリールヒドラジドなどの官能基を含有するストレッチャーユニットと縮合させることができる。この実施形態の代表的なストレッチャーユニットは、式XIIIa、XIIIb、およびXIIIcの角括弧内に示され、波線はコンジュゲート内の結合を示し、R17は、式XaおよびXbについて上記したとおりである。
いくつかの実施形態では、ストレッチャーユニットの長さを延長することが望ましい場合がある。したがって、ストレッチャーユニットは、追加の構成要素を含むことができる。例えば、ストレッチャーユニットには、式XIVa1の角括弧内にストレッチャーユニットを含めることができ、
式中、波線は、コンジュゲートの残りの部分への結合および標的化ユニットへの自由結合を示し、
R17は上記のとおりである。例えば、R17は、−C2−C5アルキレンC(=O)−であってよく、基中、アルキレンは、任意選択的に、基本ユニット、例えば−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRa、および−(CH2)xNRa 2によって置換されており、基中、xは1〜4の範囲の整数であり、各Raは、独立して、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルからなる群から選択されるか、または2つのRa基は、それらが結合している窒素と結合して、アゼチジニル、ピロリジニル、もしくはピペリジニル基を形成し、
R13は、−C1〜C6アルキレン−、−C3〜C8カルボシクロ−、−アリーレン−、−C1〜C10ヘテロアルキレン−、−C3〜C8ヘテロシクロ−、−C1〜C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1〜C10アルキレン、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8カルボシクロ)−、−(C3〜C8カルボシクロ)−C1〜C10アルキレン、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8ヘテロシクロ)−、または−(C3〜C8ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキレン−である。一実施形態では、R13は、−C1〜C6アルキレン−である。
R17は上記のとおりである。例えば、R17は、−C2−C5アルキレンC(=O)−であってよく、基中、アルキレンは、任意選択的に、基本ユニット、例えば−(CH2)xNH2、−(CH2)xNHRa、および−(CH2)xNRa 2によって置換されており、基中、xは1〜4の範囲の整数であり、各Raは、独立して、C1〜6アルキルおよびC1〜6ハロアルキルからなる群から選択されるか、または2つのRa基は、それらが結合している窒素と結合して、アゼチジニル、ピロリジニル、もしくはピペリジニル基を形成し、
R13は、−C1〜C6アルキレン−、−C3〜C8カルボシクロ−、−アリーレン−、−C1〜C10ヘテロアルキレン−、−C3〜C8ヘテロシクロ−、−C1〜C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1〜C10アルキレン、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8カルボシクロ)−、−(C3〜C8カルボシクロ)−C1〜C10アルキレン、−C1〜C10アルキレン−(C3〜C8ヘテロシクロ)−、または−(C3〜C8ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキレン−である。一実施形態では、R13は、−C1〜C6アルキレン−である。
ストレッチャーユニットは、いくつかの実施形態では、約1000ダルトン以下、約500ダルトン以下、約200ダルトン以下の、約30、50もしくは100ダルトン〜約1000ダルトン、約30、50もしくは100ダルトン〜約500ダルトン、約30、50もしくは100ダルトン〜約約200ダルトンの、質量を有し得る。
一実施形態では、ストレッチャーユニットは、標的化ユニット、例えば抗体の硫黄原子との結合を形成する。硫黄原子は、抗体のスルフヒドリル基から誘導され得る。この実施形態の代表的なストレッチャーユニットは、式XVaおよびXVbの角括弧内に示され、式中、R17は、−C1〜C10アルキレン−、−C1〜C10アルケニレン−、−C1〜C10アルキニレン−、カルボシクロ−、−O−(C1〜C8アルキレン)−、O−(C1〜C8アルケニレン)−、−O−(C1〜C8アルキニレン)−、−アリーレン−、−C1〜C10アルキレン−アリーレン、−C2〜C10アルケニレン−アリーレン、−C2〜C10アルキニレン−アリーレン、−アリーレン−C1〜C10アルキレン−、−アリーレン−C2〜C10アルケニレン−、−アリーレン−C2〜C10アルキニレン、−C1〜C10アルキレン−(カルボシクロ)−、−C2〜C10アルケニレン(カルボシクロ)−、−C2〜C10アルキニレン(カルボシクロ)−、−(カルボシクロ)−C1〜C10アルキレン−、−(カルボシクロ)−C2〜C10アルケニレン−、−(カルボシクロ)−C2〜C10アルキニレン、−ヘテロシクロ−、−C1〜C10アルキレン−(ヘテロシクロ)−、−C2〜C10アルケニレン−(ヘテロシクロ)−、−C2〜C10アルキニレン−(ヘテロシクロ)−、−(ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキレン−、−(ヘテロシクロ)−C2〜C10アルケニレン−、−(ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキニレン−、−(CH2CH2O)r−、または−(CH2CH2O)r−CH2−から選択され、rは、1〜10の範囲の整数であり、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリール、炭素環、カルボシクロ、ヘテロシクロ、およびアリーレンラジカルは、単独であっても別の基の一部としてであっても、任意選択的に置換されている。いくつかの実施形態では、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリール、炭素環(carbocyle)、カルボシクロ、ヘテロシクロ、およびアリーレンラジカルは、単独であっても別の基の一部としてであっても、非置換である。いくつかの実施形態において、R17は、−C1〜C10アルキレン−、−カルボシクロ−、−O−(C1〜C8アルキレン)−、−アリーレン−、−C1〜C10アルキレン−アリーレン−、−アリーレン−C1〜C10アルキレン、−C1〜C10アルキレン−(カルボシクロ)−、−(カルボシクロ)−C1〜C10アルキレン、−C3〜C8ヘテロシクロ、−C1〜C10アルキレン−(ヘテロシクロ)−、−(ヘテロシクロ)−C1〜C10アルキレン−、−(CH2CH2O)r−、および−(CH2CH2O)r−CH2−−から選択され、rは1〜10の範囲の整数であり、前記アルキレン基は非置換であり、基の残りは任意選択的に置換されている。
すべての例示的な実施形態から、明示的に示されていない場合でも、1つ以上のグリコシル化阻害剤部分を標的化ユニットに連結することができ、すなわち、nは1つ以上であり得ることが理解されるべきである。
例示的なストレッチャーユニットは、式XVaのものであって、式中、R17は、アリーレン−またはアリーレン−C1〜C10アルキレン−であるものである。いくつかの実施形態において、アリール基は、非置換のフェニル基である。
特定の実施形態では、ストレッチャーユニットは、標的化ユニットの硫黄原子とストレッチャーユニットの硫黄原子との間のジスルフィド結合を介して標的化ユニットに連結される。この実施形態の代表的なストレッチャーユニットは、式XVIに示され、式中、R17は、上で定義されたとおりである。
上記の式XVIのS部分は、文脈によって別段の指示がない限り、標的化ユニットの硫黄原子を指し得る。
さらに他の実施形態では、ストレッチャーユニットは、抗体などの標的化ユニットの第一級または第二級アミノ基と結合を形成することができる反応部位を含有する。これらの反応部位の例には、活性化エステル例えば、スクシンイミドエステル、4−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、無水物、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアネートおよびイソチオシアネートなどが含まれるが、これらに限定されない。この実施形態の代表的なストレッチャーユニットは、式XVIIaおよびXVIIbの角括弧内に示され、式中、−R17は、上で定義されたとおりである。
いくつかの実施形態では、ストレッチャーユニットは、標的化ユニット、例えば抗体、上に存在することができる修飾炭水化物(−CHO)基に反応性である反応部位を含む。例えば、炭水化物は過ヨウ素酸ナトリウムなどの試薬を使用して穏やかに酸化することができ、結果として生じる酸化された炭水化物の(−CHO)ユニットは、ヒドラジド、オキシム、第一級または第二級アミン、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、およびアリールヒドラジドなどの官能基を含有するストレッチャーユニットと縮合させることができる。この実施形態の代表的なストレッチャーユニットは、式XVIIIa、XVIIIb、およびXVIIIcの角括弧内に示され、式中、−R17−は、上記で定義されたとおりである。
標的化ユニットが糖タンパク質、例えば抗体である実施形態では、糖タンパク質、すなわち標的化ユニットは、GalTまたはGalTドメイン触媒、例えば、突然変異型GalTまたはGalTドメインの存在下で、UDP−GalNAzなどの適切な基質と接触させることができる。したがって、標的化ユニットは、その中に組み込まれたGalNAz残基を有し得る。次に、グリコシル化阻害剤は、このように標的化ユニットに組み込まれたGalNAzとの反応を介してコンジュゲートすることができる。
WO/2007/095506、WO/2008/029281およびWO/2008/101024では、糖タンパク質がGalT突然変異体の存在下でUDP−GalNAzと接触し、抗体炭水化物の非還元GlcNAc末端でGalNAzの取り込みをもたらす糖タンパク質コンジュゲートを形成する方法を開示している。次いで、末端アルキンまたはシュタウジンガーライゲーションを用いたその後の銅触媒または銅フリー(金属フリー)クリックケミストリーを使用して、目的の分子、この場合はグリコシル化阻害剤を、任意選択的に適切なリンカーユニットまたはストレッチャーユニットを介して、結合したアジド部分にコンジュゲートすることができる。
末端GlcNAc糖が、標的化ユニット例えば抗体に存在しない場合、(その選択がグリカンの性質に依存する)内酵素Endo H、Endo A、Endo F、Endo D、Endo T、Endo Sおよび/またはEndo M、および/またはこれらの組み合わせは、抗体のFc領域に結合した1つのN−アセチルグルコサミン残基で終わる切断鎖(truncated chain)を生成するために使用できる。
一実施形態では、エンドグリコシダーゼは、Endo S、Endo S49、Endo F、またはこれらの組み合わせである。
一実施形態では、エンドグリコシダーゼは、Endo S、Endo F、またはこれらの組み合わせである。
Endo S、Endo A、Endo F、Endo M、Endo DおよびEndo Hは当業者に知られている。Endo S49は、WO/2013/037824(Genovis AB)に記載されている。Endo S49は、Streptococcus pyogenes NZ131から分離され、Endo Sのホモログである。Endo S49は、天然のIgGに対して特異的なエンドグリコシダーゼ活性を持ち、Endo Sよりも多種多様なFcグリカンを切断する。
ガラクトシダーゼおよび/またはシアリダーゼを使用して、例えばGalNAz部分を末端GlcNAcsに結合する前に、それぞれガラクトシルおよびシアル酸部分をトリミングすることができる。これら、および脱フコシル化などの他の脱グリコシル化ステップは、G2F、G1F、G0F、G2、G1、およびG0、および他のグリコフォームに適用することができる。
突然変異体GalTには、Ramakrishnan and Qasba,J.Biol.Chem.,2002,vol.277,20833)に開示されているウシベータ−1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼI(GalT1)突然変異体Y289L、Y289N、およびY289I、ならびにWO/2004/063344およびWO/2005/056783に開示されているGalT1突然変異体およびそれらに対応するヒト変異が含まれるが、これらに限定されない。
i)グルコース−β(1,4)−N−アセチルグルコサミン結合、ii)N−アセチルガラクトサミン−β(1,4)−N−アセチルグルコサミン結合、iii)N−アセチルグルコサミン−β(1,4)−N−アセチルグルコサミン結合、iv)マンノース−β(1,4)−N−アセチルグルコサミン結合の形成を触媒する、突然変異体GalT(またはこれらのGalTドメイン))は、WO2004/063344に開示されている。開示された突然変異体GalT(ドメイン)は、WO2004/063344に開示されているように、完全長のGalT酵素内、または触媒ドメインを含む組換え分子に含まれ得る。
一実施形態では、GalTまたはGalTドメインは、例えば、Bojarova et al.,Glycobiology 2009,19,509によって開示されているY284Lである。
一実施形態では、GalTまたはGalTドメインは、例えば、Qasba et al.,Glycobiology 2002,12,691によって開示されているR228Kである。
一実施形態では、突然変異体GalT1は、ウシβ(1,4)−ガラクトシルトランスフェラーゼ1である。
一実施形態では、ウシGalT1突然変異体は、Y289L、Y289N、Y289I、Y284LおよびR228Kからなる群から選択される。
一実施形態では、突然変異体ウシGalT1またはGalTドメインはY289Lである。
一実施形態では、GalTは、GalT Y289F、GalT Y289M、GalT Y289V、GalT Y289G、GalT Y289IおよびGalT Y289Aからなる群から選択されるウシβ(1,4)−ガラクトシルトランスフェラーゼからの突然変異体GalT触媒ドメインを含む。これらの突然変異体は、WO2004/063344に、Qasba et al.,Prot.Expr.Pur.2003,30,219に、およびY289L、Y289N、およびY289IのQasba et al.,J.Biol.Chem.2002,277,20833に、開示されているのと同様の方法で、部位特異的突然変異誘発プロセスを介して提供され得る。
適切なGalTの別のタイプはα(1,3)−N−ガラクトシルトランスフェラーゼ(α3Gal−T)である。
一実施形態では、α(1,3)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、WO2009/025646に開示されているように、α3GalNAc−Tである。α3Gal−Tの突然変異は、酵素のドナー特異性を広げ、それをα3GalNAc−Tにすることができる。α3GalNAc−Tの突然変異は、酵素のドナー特異性を広げることができる。α(1,3)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼのポリペプチドフラグメントおよび触媒ドメインは、WO/2009/025646に開示されている。
一実施形態では、GalTは野生型ガラクトシルトランスフェラーゼである。
一実施形態では、GalTは、野生型β(1,4)−ガラクトシルトランスフェラーゼまたは野生型β(1,3)−N−ガラクトシルトランスフェラーゼである。
一実施形態では、GalTは、β(1,4)−ガラクトシルトランスフェラーゼIである。
一実施形態では、β(1,4)−ガラクトシルトランスフェラーゼは、ウシβ(1,4)−Gal−T1、ヒトβ(1,4)−Gal−T1、ヒトβ(1,4)−Gal−T2、ヒトβ(1,4)−Gal−T3、ヒトβ(1,4)−Gal−T4およびβ(1,3)−Gal−T5からなる群から選択される。
一実施形態では、β−(1,4)−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼは、WO2016/170186に開示されている突然変異体から選択される。
リンカーユニットまたはストレッチャーユニットは、標的化ユニットに組み込まれたGalNAzのアジド基と反応してトリアゾール基を形成することができるアルキン基、例えば環状アルキン基を含み得る。適切な環状アルキン基の例には、DBCO、OCT、MOFO、DIFO、DIFO2、DIFO3、DIMAC、DIBO、ADIBO、BARAC、BCN、ソンドハイマージイン(Sondheimer diyne)、TMDIBO、S−DIBO、COMBO、PYRROC、またはこれらの任意の修飾体または類似体が含まれ得る。
BCNおよびその誘導体はWO/2011/136645に開示されている。DIFO、DIFO2およびDIFO3は、US/2009/0068738に開示されている。DIBOはWO2009/067663に開示されている。J.Am.Chem.Soc.2012,134,5381に開示されているように、DIBOは任意選択的に硫酸化(S−DIBO)することができる。BARACはJ.Am.Chem.Soc.2010,132,3688−3690およびUS/2011/0207147に開示されている。ADIBO誘導体はWO/2014/189370に開示されている。
したがって、ストレッチャーユニットは、(環状)アルキン基と、標的化ユニットの末端非還元GlcNAcに組み込まれたGalNAz基のアジド基との間の反応によって形成される、任意選択的に置換されたトリアゾール基を含み得る。
VI)特異性ユニット
「特異性ユニット」またはSpという用語は、R7またはL1(存在する場合)を、L2(存在する場合)、R8(存在する場合)または標的化ユニットに連結することができる任意の基、部分またはリンカー部分を指し得る。
「特異性ユニット」またはSpという用語は、R7またはL1(存在する場合)を、L2(存在する場合)、R8(存在する場合)または標的化ユニットに連結することができる任意の基、部分またはリンカー部分を指し得る。
特異性ユニットは、いくつかの実施形態では、切断可能であり得る。それにより、リンカーユニットに切断可能性を与えることができる。
特異性ユニットは、適切な条件で切断可能であるように構成された不安定な結合を含み得る。したがって、それはコンジュゲートの切断可能性に特異性を与える可能性がある。例えば、ストレッチャーユニットは、特異性ユニットの切断後にのみ切断可能であり得る。
特異性ユニットは、例えば、モノペプチド、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチド、ウンデカペプチドまたはドデカペプチドユニットであり得る。各Spユニットは、独立して、角括弧で以下に示される式XIXaまたはXIXbを有することができ、
式中、R19は、水素、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、ベンジル、p−ヒドロキシベンジル、−CH2OH、−CH(OH)CH3、−CH2CH2SCH3、−CH2CONH2、−CH2COOH、−CH2CH2CONH2、−CH2CH2COOH、−(CH2)3NHC(=NH)NH2、−(CH2)3NH2、−(CH2)3NHCOCH3、−(CH2)3NHCHO、−(CH2)4NHC(=NH)NH2、−(CH2)4NH2、(CH2)4NHCOCH3、−(CH2)4NHCHO、−(CH2)3NHCONH2、−(CH2)4NHCONH2、−CH2CH2CH(OH)CH2NH2、2−ピリジルメチル−、3−ピリジルメチル−、4−ピリジルメチル−、フェニル、シクロヘキシル、
である。
いくつかの実施形態では、特異性ユニットは、がんまたは腫瘍関連プロテアーゼを含む1つ以上の酵素によって酵素的に切断可能であり、グリコシル化阻害剤を遊離させることができる。
特定の実施形態では、特異性ユニットは、天然アミノ酸を含み得る。他の実施形態では、特異性ユニットは、非天然アミノ酸を含み得る。例示的な特異性ユニットは、式(XX)〜(XXII)によって表され、
式中、R20およびR21は、以下に示すとおりである。
式中、R20、R21およびR22は、以下に示すとおりである。
式中、R20、R21、R22およびR23は、以下に示すとおりである。
例示的な特異性ユニットには、R20がベンジルであり、R21が−(CH2)4NH2である式XXのユニット;R20がイソプロピルであり、R21が−(CH2)4NH2である式XXのユニット;またはR20がイソプロピルであり、R21が−(CH2)3NHCONH2である式XXのユニット、が含まれるが、これらに限定されない。別の例示的な特異性ユニットは、R20はベンジルであり、R21はベンジルであり、R22は−(CH2)4NH2である、式XXIの特異性ユニットである。
有用な特異性ユニットは、特定の酵素、例えば腫瘍関連プロテアーゼによる酵素的切断に対するそれらの選択性において設計および最適化することができる。一実施形態では、特異性ユニットは、カテプシンB、CおよびD、またはプラスミンプロテアーゼによって切断可能である。
一実施形態では、特異性ユニットは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、またはペンタペプチドである。R19、R20、R21、R22またはR23が水素以外である場合、R19、R20、R21、R22またはR23が結合している炭素原子はキラルである。R19、R20、R21、R22またはR23が結合している各炭素原子は、独立して(S)または(R)立体配置であり得る。
一実施形態では、特異性ユニットは、バリン−シトルリン(vcまたはval−cit)を含むか、またはバリン−シトルリンである。別の実施形態では、特異性ユニットユニットは、フェニルアラニン−リジン(すなわち、fk)である。さらに別の実施形態では、特異性ユニットは、N−メチルバリン−シトルリンを含むか、またはN−メチルバリン−シトルリンである。さらに別の実施形態では、特異性ユニットは、5−アミノ吉草酸、ホモフェニルアラニンリジン、テトライソキノリンカルボキシレートリジン、シクロヘキシルアラニンリジン、イソネペコチン酸(isonepecotic acid)リジン、ベータアラニンリジン、グリシンセリンバリングルタミンおよびイソネペコチン酸を含むか、またはこれらである。
VII)スペーサーユニット
「スペーサーユニット」という用語は、R7をSp(存在する場合)、L2(存在する場合)または標的化ユニットに連結することができる任意の基、部分またはリンカー部分を指し得る。様々なタイプのスペーサーユニットが適切であり得、そして多くは当技術分野で知られている。
「スペーサーユニット」という用語は、R7をSp(存在する場合)、L2(存在する場合)または標的化ユニットに連結することができる任意の基、部分またはリンカー部分を指し得る。様々なタイプのスペーサーユニットが適切であり得、そして多くは当技術分野で知られている。
スペーサーユニットには、非自壊性(non self−immolative)または自壊性(self−immolative)の2つの一般的なタイプがある。非自壊性スペーサーユニットは、コンジュゲートからの特異性ユニットの切断、例えば酵素的切断後、スペーサーユニットの一部またはすべてがグリコシル化阻害剤部分に結合したままであるユニットである。非自壊性スペーサーユニットの例には、(グリシン−グリシン)スペーサーユニットおよびグリシンスペーサーユニットが含まれるが、これらに限定されない。グリシン−グリシンスペーサーユニットまたはグリシンスペーサーユニットを含むコンジュゲートが酵素(例えば、腫瘍細胞関連プロテアーゼ、がん細胞関連プロテアーゼまたはリンパ球関連プロテアーゼ)を介して酵素的切断を受ける場合、グリシン−グリシン−R7−グリコシル化阻害剤部分またはグリシン−R7−グリコシル化阻害剤部分は、−Sp−L2−R8−Tから切断される(Sp−L2−R8のいずれかが、存在する場合)。一実施形態では、独立した加水分解反応が標的細胞内で起こり、グリシン−R7−グリコシル化阻害剤部分結合を切断し、グリコシル化阻害剤(およびR7)を遊離する。
いくつかの実施形態では、非自壊性スペーサーユニット(−L1−)は、−Gly−である。いくつかの実施形態では、非自壊性スペーサーユニット(−L1−)は、−Gly−Gly−である。
但し、スペーサーユニットが非存在の場合もある。
あるいは、自壊性スペーサーユニットを含むコンジュゲートは、−D、すなわち、グリコシル化阻害剤、またはD−R7−を放出することができる。本明細書の文脈において、「自壊性スペーサーユニット」という用語は、2つの間隔を置いた化学部分を一緒に安定な三者間の分子に共有結合することができる二官能性化学部分を指し得る。第1の部分へのその結合が切断される場合、それは第2の化学部分から自発的に分離する可能性がある。
いくつかの実施形態において、スペーサーユニットは、p−アミノベンジルアルコール(PAB)ユニット(以下のスキーム1および2を参照)であり、そのフェニレン部分は、Qmで置換され、基中、Qは、−C1〜C8アルキル、−C1〜C8アルケニル、−C1〜C8アルキニル、−O−(C1〜C8アルキル)、−O−(C1〜C8アルケニル)、−O−(C1〜C8アルキニル)、−ハロゲン、−ニトロまたは−シアノであり、mは0〜4の範囲の整数である。アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、単独であっても別の基の一部としてであっても、任意選択的に置換され得る。
いくつかの実施形態において、スペーサーユニットは、PAB基のアミノ窒素原子を介して−Sp−、−L2−、−R8−もしくは−Tに連結され、および−R7−に直接、またはカーボネート、カルバメートまたはエーテル基を介して−Dに接続される、PAB基である。特定の理論または機構に束縛されることなく、スキーム1は、カルバメートまたはカーボネート基を介して−DまたはR7に直接結合されるPAB基の放出の可能なメカニズムを示す。
スキーム1では、Qは、−C1〜C8アルキル、−C1〜C8アルケニル、−C1〜C8アルキニル、−O−(C1〜C8アルキル)、−O−(C1〜C8アルケニル)、−O−(C1〜C8アルキニル)、−ハロゲン、−ニトロまたは−シアノであり、mは0〜4の範囲の整数である。アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、単独であっても別の基の一部としてであっても、任意選択的に置換され得る。
特定の理論または機構に束縛されることなく、スキーム2は、エーテルまたはアミン結合を介して−Dにまたは−R7−Dに直接結合されるPAB基のグリコシル化阻害剤の放出の可能な機構を示し、前記Dは、グリコシル化阻害剤の一部である酸素または窒素基を含み得る。
スキーム2では、Qは、−C1−C8アルキル、−C1〜C8アルケニル、−C1〜C8アルキニル、−O−(C1〜C8アルキル)、−O−(C1〜C8アルケニル)、−O−(C1〜C8アルキニル)、−ハロゲン、−ニトロまたは−シアノであり、mは0〜4の範囲の整数である。アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、単独であっても別の基の一部としてであっても、任意選択的に置換され得る。
自壊牲スペーサーユニットの他の例には、2−アミノイミダゾール−5−メタノール誘導体およびオルトまたはパラ−アミノベンジルアセタールなどのPAB基に電子的に類似している芳香族化合物が含まれるが、これらに限定されない。他の可能なスペーサーユニットは、置換および非置換の4−アミノ酪酸アミド、適切に置換されたビシクロ[2.2.1]およびビシクロ[2.2.2]環系および2−アミノフェニルプロピオン酸アミドなどの、アミド結合の加水分解時に環化を受けるものであり得る。グリシンのα位で置換されているアミン含有グリコシル化阻害剤の脱離も、自壊牲スペーサーの例である。
一実施形態では、スペーサーユニットは、スキーム3に示されるような分岐ビス(ヒドロキシメチル)−スチレン(BHMS)ユニットであり、これを使用して、複数のグリコシル化阻害剤を組み込んで放出することができる。
スキーム3では、Qは、−C1−C8アルキル、−C1〜C8アルケニル、−C1〜C8アルキニル、−O−(C1〜C8アルキル)、−O−(C1〜C8アルケニル)、−O−(C1〜C8アルキニル)、−ハロゲン、−ニトロまたは−シアノであり、mは0〜4の範囲の整数であり、nは0または1である。アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、単独であっても別の基の一部としてであっても、任意選択的に置換され得る。
いくつかの実施形態では、−D部分は同じである。さらに別の実施形態では、−D部分は異なる。
一実施形態では、スペーサーユニットは、式(XXIII)〜(XXV)のいずれか1つによって表され、
式中、Qは、−C1−C8アルキル、−C1〜C8アルケニル、−C1〜C8アルキニル、−O−(C1〜C8アルキル)、−O−(C1〜C8アルケニル)、−O−(C1〜C8アルキニル)、−ハロゲン、−ニトロまたは−シアノであり、mは0〜4の範囲の整数である。アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、単独であっても別の基の一部としてであっても、任意選択的に置換され得る。
VIII)さらなるリンカーユニット
リンカーユニットは、いくつかの実施形態では、ポリマー部分を含み得る。そのようなポリマー部分は、例えば、WO2015/189478に記載されている。
リンカーユニットは、いくつかの実施形態では、ポリマー部分を含み得る。そのようなポリマー部分は、例えば、WO2015/189478に記載されている。
一実施形態では、リンカーユニットLは、式XXVIによって表される部分を含むか、またはLは、式XXVIによって表され、
−Y−(CH2)o−O]q−P−
式XXVI
式中、
Pは、デキストラン、マンナン、プルラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルデンプン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ポリアルキレングリコール、フィコル、ポリビニルアルコール、アミロース、アミロペクチン、キトサン、シクロデキストリン、ペクチンおよびカラギーナン、またはそれらの誘導体からなる群から選択されるポリマーである。
oは、1〜10の範囲にあり、
qは、少なくとも1であり、
各Yは、独立して、S、NHおよび1,2,3−トリアゾリルからなる群から選択され、1,2,3−トリアゾリルは任意選択的に置換されている。
−Y−(CH2)o−O]q−P−
式XXVI
式中、
Pは、デキストラン、マンナン、プルラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルデンプン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ポリアルキレングリコール、フィコル、ポリビニルアルコール、アミロース、アミロペクチン、キトサン、シクロデキストリン、ペクチンおよびカラギーナン、またはそれらの誘導体からなる群から選択されるポリマーである。
oは、1〜10の範囲にあり、
qは、少なくとも1であり、
各Yは、独立して、S、NHおよび1,2,3−トリアゾリルからなる群から選択され、1,2,3−トリアゾリルは任意選択的に置換されている。
上記の式において、PはTに、YはD、すなわちグリコシル化阻害剤に連結され得る。YはDに直接連結され得るか、またはさらなる基、部分またはユニットがYとDとの間に存在し得る。
デキストラン、マンナン、プルラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルデンプン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ポリアルキレングリコール、フィコル、ポリビニルアルコール、アミロース、アミロペクチン、キトサン、シクロデキストリン、ペクチンおよびカラギーナンは、それぞれ、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む。少なくとも1つのヒドロキシル基の存在は、本明細書に記載されるように、1つ以上の置換基のポリマーへの結合を可能にする。これらのポリマーの多くはまた、ポリマーに官能基を導入するために、さらに修飾され、例えば酸化的に切断され得る糖ユニットを含む。したがって、Pはまた、ポリマー誘導体であり得る。
本明細書では、「糖ユニット」という用語は、単一の単糖部分を指すと理解されるべきである。
本明細書では、「糖」という用語は、単糖、二糖、またはオリゴ糖を指すと理解されるべきである。
qの値は、例えば、ポリマー、グリコシル化阻害剤、リンカーユニット、およびコンジュゲートを調製する方法に依存し得る。通常、qの値が大きいと、共役の効率が高くなり、一方、qの値が大きいと、場合によっては薬物動態特性や溶解度など、コンジュゲートの他の特性に悪影響を与える場合があり得る。一実施形態では、qは、1〜約300の範囲、または約10〜約200の範囲、または約20〜約100の範囲、または約20〜約150の範囲である。一実施形態では、qは、1〜約20の範囲、または1〜約15の範囲、または1〜約10の範囲にある。一実施形態では、qは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である。一実施形態では、qは2〜16である。一実施形態では、qは2〜10の範囲にある。他の実施形態では、qは、2〜6、2〜5、2〜4の範囲、2もしくは3、または3もしくは4である。
一実施形態では、ヒドロキシル基を有するポリマーの炭素の約25〜45%が、式D−Y−(CH2)n−O−の置換基で置換されている。
ポリマーが複数の糖ユニットを含む実施形態では、ポリマーの糖ユニットの数に対するqの比は、例えば、1:20〜1:3または1:4〜1:2であり得る。
一実施形態では、oは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一実施形態では、oは、2〜9の範囲、または3〜8の範囲、または4〜7の範囲、または1〜6の範囲、または2〜5、または1〜4の範囲にある。
原則として、各oは、独立して選択され得る。単一のコンジュゲートにおける各oはまた、同じであってよい。
一実施形態では、YはSである。
一実施形態では、YはNHである。
一実施形態では、Yは、1,2,3−トリアゾリルである。本明細書において、「1,2,3−トリアゾリル」という用語は、1,2,3−トリアゾリル、または置換された1,2,3−トリアゾリルを指すものとして理解されるべきである。一実施形態では、1,2,3−トリアゾリルは、トリアゾール部分を含むクリックコンジュゲーションによって形成される基である。クリックコンジュゲーションは、銅(I)触媒によるアジド−アルキン環化付加反応(CuAAC)などの共有結合生成物(1,5−二置換1,2,3−トリアゾール)を生成するアジドとアルキンの間の反応を指すと理解するべきである。クリックコンジュゲーションは、アジドとジベンゾシクロオクチル(DBCO)などの環状アルキン基との反応など、銅を含まないクリックケミストリーを指す場合もある。したがって、「1,2,3−トリアゾリル」は、アジドと、DBCOなどの環状アルキン基との間の反応によって形成される基を指し、この基は、1,2,3−トリアゾール部分を含む。
一実施形態では、リンカーユニットLは、式XXVIIによって表される部分を含むか、またはLは、式XXVIIによって表され、
−Y’−(CH2)p−S−(CH2)o−O]q−P−
式XXVII
式中、
Pは、デキストラン、マンナン、プルラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルデンプン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ポリアルキレングリコール、フィコル、ポリビニルアルコール、アミロース、アミロペクチン、キトサン、シクロデキストリン、ペクチンおよびカラギーナン、またはそれらの誘導体からなる群から選択されるポリマーである。
qは、少なくとも1であり、
oは、1〜10の範囲にあり、
pは、1〜10の範囲にあり、
各Y’は、独立して、NHおよび1,2,3−トリアゾリルからなる群から選択され、1,2,3−トリアゾリルは、任意選択的に置換されている。
−Y’−(CH2)p−S−(CH2)o−O]q−P−
式XXVII
式中、
Pは、デキストラン、マンナン、プルラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルデンプン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、ポリアルキレングリコール、フィコル、ポリビニルアルコール、アミロース、アミロペクチン、キトサン、シクロデキストリン、ペクチンおよびカラギーナン、またはそれらの誘導体からなる群から選択されるポリマーである。
qは、少なくとも1であり、
oは、1〜10の範囲にあり、
pは、1〜10の範囲にあり、
各Y’は、独立して、NHおよび1,2,3−トリアゾリルからなる群から選択され、1,2,3−トリアゾリルは、任意選択的に置換されている。
式XXVIIの文脈において、P、oおよびqのそれぞれは、式XXVIについて定義されたとおりであってよい。
一実施形態では、pは、3、4、5、6、7、8、9または10である。一実施形態では、pは、3〜4の範囲、または3〜5の範囲、または3〜6の範囲、または3〜7の範囲、または3〜8の範囲、または3〜9の範囲にある。各pは、原則として、独立して選択され得る。単一のコンジュゲートにおける各pはまた、同じであってよい。
一実施形態では、Y’は、NHおよび1,2,3−トリアゾリルからなる群から選択される。
一実施形態では、Pは、少なくとも1つの糖ユニットを含むポリマー誘導体である。
一実施形態では、Pは、少なくとも1つの糖ユニットを含むポリマー誘導体であり、ポリマー誘導体は、ポリマー誘導体の糖ユニットの酸化的切断によって形成された少なくとも1つのアルデヒド基と標的化ユニットのアミノ基との間の反応によって形成された結合を介して、標的化ユニット(例えば、抗体)と結合する。
一実施形態では、糖ユニットは、D−グルコシル、D−マンノシル、D−ガラクトシル、L−フコシル、D−N−アセチルグルコサミニル、D−N−アセチルガラクトサミニル、D−グルクロニジル、またはD−ガラクツロニジルユニット、またはこれらの硫酸化誘導体である。
一実施形態では、D−グルコシルはD−グルコピラノシルである。
一実施形態では、ポリマーは、デキストラン、マンナン、プルラン、ヒアルロン酸、ヒドロキシエチルデンプン、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、アミロース、アミロペクチン、キトサン、シクロデキストリン、ペクチンおよびカラギーナンからなる群から選択される。これらのポリマーは、アルデヒド基が形成されるようにそれらが酸化的に切断され得るという追加の有用性を有する。
一実施形態では、ポリマーはデキストランである。
本明細書において、「デキストラン」は、様々な長さの鎖から構成される分岐グルカンであって、直鎖がD−グルコシル(D−グルコピラノシル)ユニット間のα−1,6グリコシド結合からなるものを指すと理解されるべきである。分岐は、α−1,3グリコシド結合を介して結合され、程度は低いが、α−1,2および/またはα−1,4グリコシド結合を介して結合される。デキストラン分子の直鎖の一部分は、以下の概略図に示される。
「D−グルコシルユニット」は、単一のD−グルコシル分子を指すと理解されるべきである。したがって、デキストランは複数のD−グルコシルユニットを含む。デキストランでは、各D−グルコシルユニットは、α−1,6グリコシド結合、α−1,3グリコシド結合、またはその両方を介して、少なくとも1つの他のD−グルコシルユニットに結合する。
デキストランの各D−グルコシルユニットは6つの炭素原子で構成されており、以下の概略図では1〜6の番号が付けられている。概略図は、α−1,6グリコシド結合を介して他の2つのD−グルコシルユニット(図示せず)に結合した単一のD−グルコシルユニットを示す。
炭素2、3および4は、遊離ヒドロキシル基で置換され得る。α−1,3グリコシド結合を介して第2のD−グルコシルユニットに結合したD−グルコシルユニットにおいて、D−グルコシルユニットの炭素3は、エーテル結合を介して第2のD−グルコシルユニットの炭素1に結合しており、炭素2および4は、遊離ヒドロキシル基で置換され得る。α−1,2またはα−1,4グリコシド結合を介して第2のD−グルコシルユニットに結合したD−グルコシルユニットにおいて、D−グルコシルユニットの炭素2または4は、エーテル結合を介して第2のD−グルコシルユニットの炭素1に結合しており、炭素3と4、または2と3は、それぞれ遊離ヒドロキシル基で置換され得る。
当業者は、本明細書に記載されている他のポリマーもまた、1つ以上の炭素原子に結合した遊離ヒドロキシル基を含有し、他の同様の化学的性質も有することを理解するであろう。
炭水化物の命名法は、基本的に、生化学的命名法に関するIUPAC−IUB委員会の推奨事項に準拠している(例えばCarbohydrate Res.1998,312,167;Carbohydrate Res.1997,297,1;Eur.J.Biochem.1998,257,293)。
本明細書では、「フィコール」という用語は、スクロースとエピクロロヒドリンの共重合によって形成された、非荷電の高度に分岐したポリマーを指す。
一実施形態では、ポリマーは、少なくとも1つのD−グルコシルユニットを含むデキストラン誘導体であり、
oは、3〜10の範囲にあり、
YはSであり、
デキストラン誘導体は、D−グルコシルユニットの酸化的切断によって形成された少なくとも1つのアルデヒド基を含み、
デキストラン誘導体は、デキストランの少なくとも1つのアルデヒド基と標的化ユニットのアミノ基との間の反応によって形成された結合を介して、標的化ユニット(例えば、抗体)に結合される。
oは、3〜10の範囲にあり、
YはSであり、
デキストラン誘導体は、D−グルコシルユニットの酸化的切断によって形成された少なくとも1つのアルデヒド基を含み、
デキストラン誘導体は、デキストランの少なくとも1つのアルデヒド基と標的化ユニットのアミノ基との間の反応によって形成された結合を介して、標的化ユニット(例えば、抗体)に結合される。
ポリマーの糖ユニット、例えばデキストランのD−グルコシルユニットは、ヒドロキシル基で置換された2つの隣接する炭素間の結合の酸化的切断によって切断され得る。酸化的切断は、2つの(遊離)ヒドロキシル基が隣接位置を占める、D−グルコシルと他の糖ユニットなどの隣接ジオールを切断する。したがって、炭素2、3および4が遊離ヒドロキシル基で置換されている糖ユニットは、炭素2と3または炭素3と4の間で酸化的に切断され得る。したがって、炭素2と3の間の結合および炭素3と4の間の結合から選択される結合は、酸化的に切断され得る。デキストランおよび他のポリマーのD−グルコシルユニットおよび他の糖ユニットは、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸および酢酸鉛(IV)などの酸化剤、または隣接ジオールを酸化的に切断することができる他の酸化剤を使用する酸化的切断によって切断できる。
糖ユニットの酸化的切断は2つのアルデヒド基を形成し、酸化的切断によって形成された鎖の各末端に1つのアルデヒド基が形成される。コンジュゲートにおいて、アルデヒド基は、原則として、遊離アルデヒド基であり得る。しかしながら、コンジュゲート中の遊離アルデヒド基の存在は、通常、望ましくない。したがって、遊離アルデヒド基は、標的化ユニットのアミノ基で、または例えばトラッキング分子(tracking molecule)で、キャッピングまたは反応させることができる。
一実施形態では、ポリマー誘導体は、ポリマー誘導体の糖ユニットの酸化的切断によって形成された少なくとも1つのアルデヒド基と標的化ユニットのアミノ基との間の反応によって形成された結合を介して標的ユニットに結合する。
一実施形態では、ポリマー誘導体はまた、ポリマー誘導体の糖ユニットの酸化的切断によって形成された少なくとも1つのアルデヒド基と標的化ユニットのアミノ基との間の反応によって形成された基を介して標的化ユニットに結合し得る。
酸化的切断により形成されたアルデヒド基は、水溶液などの溶液中のアミノ基と容易に反応する。しかしながら、形成される結果として生じる基または結合は変化する可能性があり、常に容易に予測および/または特徴付けられるとは限らない。ポリマー誘導体の糖ユニットの酸化的切断によって形成された少なくとも1つのアルデヒド基と標的化ユニットのアミノ基との間の反応は、例えば、シッフ塩基の形成をもたらし得る。したがって、ポリマー誘導体が標的化ユニットに結合するのに介在する基は、例えば、シッフ塩基(イミン)または還元型シッフ塩基(第二級アミン)であり得る。
IX)コンジュゲート
例示的な実施形態では、コンジュゲートは式Cで表される。
[D−R7−L1−Sp−L2−R8−]n−T
式C
式中、
D、R7、L1、Sp、L2、R8、nおよびTは、表1に記載の実施形態から選択される。
例示的な実施形態では、コンジュゲートは式Cで表される。
[D−R7−L1−Sp−L2−R8−]n−T
式C
式中、
D、R7、L1、Sp、L2、R8、nおよびTは、表1に記載の実施形態から選択される。
コンジュゲートは、本明細書に記載されている任意のコンジュゲートであり得、当業者は、上記のユニットのいずれか1つと本明細書に記載のグリコシル化阻害剤とを組み合わせることにより、様々なコンジュゲートを誘導することができる。
コンジュゲートは、式Va〜c、VIa〜b、VIIa〜b、またはVIIIa〜tによって表されるコンジュゲートからなる群から選択することができ、
式中、Tは標的化ユニットを表す。Fは、式Vb、VIb、VIIb、VIIIb、VIIIg、VIIIr、VIIIsおよびVIIItにおいてアキシアルまたはエクアトリアル配座であり得る。
上記の式Va−c、VIa〜b、VIIa〜bまたはVIIIa〜tに記載されているグリコシル化阻害剤は、本明細書に記載されているグリコシル化阻害剤のいずれか1つで置き換えることができることも理解されたい。
X)組成および方法
本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲートを含む医薬組成物が開示される。
本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲートを含む医薬組成物が開示される。
医薬組成物は、1つ以上のさらなる成分、例えば、薬学的に許容される担体をさらに含み得る。適切な薬学的に許容される担体の例は当技術分野で周知であり、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、水、油/水エマルジョン、湿潤剤、およびリポソームが含まれ得る。そのような担体を含む組成物は、当技術分野で周知の方法によって処方することができる。医薬組成物は、ビヒクル、添加剤、防腐剤、同時に投与される他の医薬組成物などの他の成分をさらに含み得る。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による有効量のコンジュゲートを含む。
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による治療有効量のコンジュゲートを含む。
コンジュゲートの「治療有効量」または「有効量」という用語は、治療効果を達成するための、例えば、がん細胞の増殖の調節および/または患者の疾患の治療のための投薬計画を指すと理解され得る。治療有効量は、患者の年齢、体重、性別、食事および病状、疾患の重症度、ならびに使用される特定のコンジュゲートの活性、有効性、薬物動態および毒性プロファイルなどの薬物動態などの薬理学的考慮事項を含む、様々な要因に従って選択することができる。治療有効量は、Physicians Desk Reference 2004などの標準的な医療テキストを参照して決定することもできる。患者は男性または女性であり得、幼児、子供または成人であり得る。
「治療」または「治療する」という用語は、従来の意味で使用され、病気または健康異常と闘い、軽減し、減弱させ、または緩和し、例えば、がん疾患などの、この病気によって損なわれる生活状態を改善することを目的として、患者に付き添い、世話をし、そして看護することを意味する。
一実施形態では、医薬組成物は、経口、非経口、経皮、管腔内、動脈内、髄腔内、腫瘍内(i.t.)、および/もしくは鼻腔内投与のための、または組織への直接注射のための組成物を含む。医薬組成物の投与は、例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、腫瘍内、局所または皮内投与などの異なる方法で実施することができる。
本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲート、または薬剤として使用するための本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲートを含む医薬組成物が開示される。
本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲート、または腫瘍における免疫抑制活性の低下に使用するための本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲートを含む医薬組成物が開示される。
本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲート、またはヒトもしくは動物における腫瘍細胞の増殖の治療、調節および/もしくは予防に使用するための、本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲートを含む医薬組成物も開示される。
本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲート、またはがんの治療に使用するための本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲートを含む医薬組成物が開示される。
がんは、白血病、リンパ腫、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、結腸直腸がん、胃がん、扁平上皮がん、小細胞肺がん、頭頸部がん、多剤耐性がん、神経膠腫、黒色腫、および精巣がんの群から選択され得る。しかしながら、他のがんおよびがんの種類もまた企図され得る。
ヒトまたは動物における腫瘍細胞の増殖を治療、調節、および/または予防する方法も開示されている。この方法は、本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲート、または本明細書に記載の1つ以上の実施形態による医薬組成物を、有効量でヒトまたは動物に投与することを含み得る。
腫瘍細胞は、白血病細胞、リンパ腫細胞、乳がん細胞、前立腺がん細胞、卵巣がん細胞、結腸直腸がん細胞、胃がん細胞、扁平上皮がん細胞、小細胞肺がん細胞、頭頸部がん細胞、多剤耐性がん細胞、および精巣がん細胞の群から選択され得る。
本明細書に記載の1つ以上の実施形態によるコンジュゲートを調製するための方法が開示される。この方法は、グリコシル化阻害剤を標的化ユニットにコンジュゲートさせることを含み得る。
この方法に関連して、グリコシル化阻害剤は、本明細書に記載される任意のグリコシル化阻害剤、例えば、式II、III、またはIVによって表されるグリコシル化阻害剤であり得る。
この方法の一実施形態では、コンジュゲートは、式Iで表され、この方法は、グリコシル化阻害剤をリンカーユニットにコンジュゲートさせることと、標的化ユニットをリンカーユニットにコンジュゲートさせることと、それにより、式Iによって表されるコンジュゲートを形成することと、を含む。
この方法の一実施形態では、コンジュゲートは、式IXで表され、この方法は、グリコシル化阻害剤をスペーサーユニットにコンジュゲートさせることと、標的化ユニットをストレッチャーユニットにコンジュゲートさせることと、スペーサーユニットとストレッチャーユニットを、任意選択的に特異性ユニットを介して互いにコンジュゲートさせ、それにより式IXによって表されるコンジュゲートを形成することと、を含む。
この方法に関連して、標的化ユニット、リンカーユニット、スペーサーユニット、ストレッチャーユニット、および/または特異性ユニットは、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つ、例えば、セクションII)−VIII)のいずれか1つによるものであり得る。
コンジュゲートに関連して、上に開示されたものはすべて、この方法(複数可)に関連して開示されていると理解することもできる。
コンジュゲートの活性は、当技術分野で知られている多くの方法による細胞のグリコシル化のそれらの阻害によって測定することができる。グリカンプロファイリングは、質量分析、MALDI−TOF質量分析、レクチン結合、レクチンマイクロアレイアッセイなどによって行うことができ、例えば、他のグリカンタイプと比較した特定のグリカンの相対量の減少をアッセイすることにより、特定のグリコシル化経路の阻害を直接測定しする。適切なグリカンプロファイリング方法の例は、実施例のセクションに記載されており、さらなる方法は、当業者によく知られている。
レクチンリガンド合成の阻害は、例えば、組換えガレクチン、シグレック、または免疫チェックポイントに関与する他のレクチン、および適切な検出標識を使用することによって測定することができる。適切なレクチン結合アッセイ法の例は、実施例のセクションに記載されており、さらなる方法は、当業者によく知られている。
免疫抑制の阻害は、例えば、標的細胞および免疫細胞を使用し、細胞死滅活性、細胞活性化、サイトカイン産生などを測定する、インビトロアッセイによって測定することができる。適切な免疫細胞アッセイ法の例は、当業者によく知られている。
実施例1.リンカーの4−F−GlcNAcへのコンジュゲーション。
スキームE1−1:0.4mg(1.8μmol)2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−フルオロ−D−グルコース(4−F−GlcNAc;Sussex Research、オタワ、カナダ)、ピリジン中の1.5mol過剰の無水コハク酸(2.5μl)および17.5μlのピリジンを室温(RT)で2時間撹拌した。粗反応混合物を、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)マトリックスを使用して、Bruker Ultraflex III TOF/TOF装置(Bruker Daltonics、ブレーメン、ドイツ)を備えたMALDI−TOF質量分析(MALDI−TOF MS)によって分析し、6−スクシニル−4−F−GlcNAcの予想質量が示された(図1、m/z 346[M+Na]+)。0.5mlのエタノールを加えることにより反応をクエンチした。生成物を、酢酸アンモニウム水溶液緩衝液中のSdexペプチドSEカラム(10×300mm、13μm(GE Healthcare))を備えたAkta purifier(GE Healthcare)HPLC装置によって精製した。6−スクシニル−4−F−GlcNAcは、収集した画分の1つで回収され、上記と同様にMALDI−TOF MSによって検出した(図2)。
スキームE1−2:1μmolの6−スクシニル−4−F−GlcNAc、10モル過剰のDBCO−アミン、5モル過剰のHBTU、1μlのDIPEAおよび108μlのDMFをRTで一晩撹拌した。生成物を、酢酸アンモニウム緩衝水溶液中のアセトニトリルグラジエントで溶出するGemini 5μm NX−C18逆相カラム(4.6×250mm、110Å(Phenomenex))を備えたAkta purifier(GE Healthcare)HPLC装置で精製する。画分を上記と同様にMALDI−TOF MSで分析したところ、DBCO−6−スクシニル−4−F−GlcNAcの予想質量が示された(図3、m/z 604[M+Na]+)。
実施例2.リンカー修飾4−F−GlcNAcのがん標的化抗体へのコンジュゲーション。
スキームE2−1:4mgの抗HER2抗体トラスツズマブ(ハーセプチン、Roche)を最初に製造元の指示(Glycinator;Genovis、ルンド、スウェーデン)に従ってエンドグリコシダーゼS2で消化し、次に0.4mgの組換えY289L変異ウシβ1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼおよび1.3mgのUDP−GalNAz(両方ともThermo、ユージーン、USAから)と、Mn2+含有緩衝液の存在下で+37℃で一晩インキュベートした。アジドと抗体の比率は、基本的に説明されているように(Satomaa et al.2018.Antibodies 7(2),15)、製造元の指示(Genovis)に従ってFabricator酵素消化およびMALDI−TOF MSよって決定された。図4は、エンドグリコシダーゼ消化後(図4A;非フコシル化グリコフォームの場合はm/z 24001、フコシル化グリコフォームの場合はm/z 24148)、次にガラクトシルトランスフェラーゼ反応後(図4B、非フコシル化グリコフォームの場合はm/z 24249、フコシル化グリコフォームの場合はm/z 24394)の、トラスツズマブの重鎖Fcドメインを示し、すべてのピークはうまくアジド標識された抗体フラグメントから生じており、アジド対抗体比が2であったことを示している。
スキームE2−2:DAR=2 アジド−トラスツズマブをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の10モル過剰のDBCO−6−スクシニル−4−F−GlcNAcとRTで1時間インキュベートし、本質的にすべてのアジド基をトリアゾール結合を介したDBCO−リンカー化合物と反応させた。過剰な小分子を、10kDaカットオフのAmicon遠心フィルターチューブによるろ過とPBSの添加を繰り返すことによって除去する。薬物対抗体比(DAR)は、基本的に説明されているように(Satomaa et al.2018.Antibodies 7(2),15)、Fabricator酵素消化(Genovis、ルンド、スウェーデン)およびMALDI−TOF MSによって、決定される。この生成物は、非コンジュゲートのDAR=2アジド−トラスツズマブと比較して検出可能なすべての重鎖Fcフラグメントが、+604m/z増加したことを観察することにより、DAR=2 4−F−GlcNAc−トラスツズマブとして特徴付けられる。
実施例3.過アセチル化4−F−GlcNAcおよび過アセチル化3−Fax−Neu5Acによるがん細胞のグリコシル化の阻害。
SKOV−3卵巣がん細胞(ATCC、マナッサス、バージニア州、米国)をATCCの指示に従って培養し、50μMの2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−フルオロ−1,3,6−トリ−O−アセチル−D−グルコースで4日間(P−4−F−GlcNAc;Sussex Research、オタワ、カナダ)、100μMの5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−3−フルオロ−2,4,7、8,9−ペンタ−O−アセチル−D−エリスロ−L−マンノ−2−ノヌロソン酸メチルエステル(P−3−Fax−Neu5Ac、Tocris Bioscience、アビンドン、英国)で3日間、またはDMSO担体対照のいずれかの存在下で並行でインキュベートした。インキュベーション後、細胞を、α2,6−シアリル化の場合はフルオレセイン標識レクチンSNA−I−FITC、ポリ−N−アセチルラクトスアミンの場合はLEA−FITC(両方ともEY Labs、サンマテオ、カリフォルニア州、米国から)、Alexa Fluor 488コンジュゲートヒト組換えガレクチン−1、およびAlexa Fluor 488コンジュゲートヒト組換えガレクチン−3(両方ともAbcam、ケンブリッジ、英国から)で、染色した。細胞を洗浄し、FACSAriaIIフローサイトメーターで分析するまで暗所で氷上に保存した。図5と図6は、シアリル化とガレクチンリガンドのグリコシル化が処理によって明らかに減少したことを示す。
SKOV−3卵巣がん細胞(ATCC、マナッサス、バージニア州、米国)をATCCの指示に従って培養し、50μMの2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−フルオロ−1,3,6−トリ−O−アセチル−D−グルコースで4日間(P−4−F−GlcNAc;Sussex Research、オタワ、カナダ)、100μMの5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−3−フルオロ−2,4,7、8,9−ペンタ−O−アセチル−D−エリスロ−L−マンノ−2−ノヌロソン酸メチルエステル(P−3−Fax−Neu5Ac、Tocris Bioscience、アビンドン、英国)で3日間、またはDMSO担体対照のいずれかの存在下で並行でインキュベートした。インキュベーション後、細胞を、α2,6−シアリル化の場合はフルオレセイン標識レクチンSNA−I−FITC、ポリ−N−アセチルラクトスアミンの場合はLEA−FITC(両方ともEY Labs、サンマテオ、カリフォルニア州、米国から)、Alexa Fluor 488コンジュゲートヒト組換えガレクチン−1、およびAlexa Fluor 488コンジュゲートヒト組換えガレクチン−3(両方ともAbcam、ケンブリッジ、英国から)で、染色した。細胞を洗浄し、FACSAriaIIフローサイトメーターで分析するまで暗所で氷上に保存した。図5と図6は、シアリル化とガレクチンリガンドのグリコシル化が処理によって明らかに減少したことを示す。
別の実験では、HSC−2がん細胞を2日間培養し、その後グリコシル化阻害剤を細胞培養培地に添加した:200μM P−3−Fax−Neu5Acおよび100μM P−4−F−GlcNAc。次に、細胞を阻害剤とともに2日間培養した。並行して、未処理の細胞を通常の細胞培養培地で培養した。フローサイトメトリー分析のため、細胞をトリプシンで剥離させ、洗浄し、FITCコンジュゲートレクチン、AlexaFluor488コンジュゲートガレクチン−1、および組換えヒトシグレック−7(R&D Systems)で+4℃にて30〜45分間染色した(シグレック試料をさらにAlexaFluor488コンジュゲート抗ヒトIgG抗体で+4℃にて30〜45分間染色した)。FACSは上記のように実行された。図7と図8は、シアリル化/シグレック−7リガンドのグリコシル化とガレクチン−1リガンドのグリコシル化の両方が処理によって明らかに減少したことを示す。
実施例4.DAR=2 4−F−GlcNAc−トラスツズマブによる標的細胞のグリコシル化の阻害。
SKOV−3卵巣がん細胞を上記のように培養し、DAR=2 4−F−GlcNAc−トラスツズマブの存在下で3〜4日間インキュベートする。ADCは細胞表面のHER2受容体への結合を介して細胞に内在化され、ペイロードは細胞内で放出される(スキームE4)。インキュベーション後、細胞は、複合N−グリカン分岐体(complex N−glycan branching)の場合はフルオレセイン標識レクチンPHA−L−FITCで、ポリ−N−アセチルラクトサミンの場合はLEA−FITC(すべてEY Labs、サンマテオ、カリフォルニア州、米国)、またはビオチン化ヒト組換えガレクチン−1およびガレクチン−3(両方ともAbcam、ケンブリッジ、英国から)で染色され、蛍光アシストセルソーティング(FACS)によって分析される。ADC濃度は、検出可能なグリコシル化阻害に達するまで増加する。
実施例6.マレイミドリンカーおよびペプチドリンカーコンジュゲート4−F−GlcNAc。
スキームE6−1.6−スクシニル−4−F−GlcNAcを、10モル過剰のN−(2−アミノエチル)マレイミド(Sigma)および5モル過剰のHBTUと、1%DIPEAを含むDMF中で混合し、RTで一晩撹拌する。生成物を、酢酸アンモニウム緩衝水溶液中のアセトニトリルグラジエントで溶出するGemini 5μmNX−C18逆相カラム(4.6×250mm、110Å(Phenomenex))を備えたAkta purifier(GE Healthcare)HPLC装置で精製する。画分を上記と同様にMALDI−TOF MSで分析すると、m/z 468[M+Na]+で、マレイミド−6−スクシニル−4−F−GlcNAcの予想質量が示される。
スキームE6−2.(4−F−GlcN)は、Sussex Research Laboratories(オタワ、オンタリオ、カナダ)から入手する。Satomaa et al.2018に記載されているように、これは、Fmoc−Val−Cit−PAB−パラニトロフェニルと組み合わされ、Fmocで脱保護され、マレイミドカプロイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルと反応させる。生成物を、酢酸アンモニウム緩衝水溶液中のアセトニトリルグラジエントで溶出するGemini 5μmNX−C18逆相カラム(4.6×250mm、110Å(Phenomenex))を備えたAkta purifier(GE Healthcare)HPLC装置で精製する。画分を上記と同様にMALDI−TOF MSで分析すると、m/z 772[M+Na]+で2−(マレイミドカプロイル−Val−Cit−PAB)−4−F−GlcNの予想質量が示される。
実施例7.DAR=2およびDAR=8の4−F−GlcN(Ac)−トラスツズマブによる担がん動物における免疫チェックポイント阻害と組み合わせた腫瘍細胞のグリコシル化およびガレクチンリガンド発現の阻害。
DAR=2の4−F−GlcNAc−トラスツズマブは上記のように調製される。
DAR=2の4−F−GlcNAc−トラスツズマブは上記のように調製される。
スキームE7−1:DAR=8の4−F−GlcN(Ac)−トラスツズマブコンジュゲートの調製のため、ヒンジ領域のジスルフィドを、記載されているように(Satomaa et al.2018)TCEPによって還元させ、PBS中の、8モル過剰の、6−マレイミドカプロイル−4−F−GlcNAc、マレイミド−6−スクシニル−4−F−GlcNAcまたは2−(マレイミドカプロイル−Val−Cit−PAB)−4−F−GlcNのいずれかと、RTで2時間合わせ、その後非コンジュゲート薬物−リンカーを、10kDaカットオフのAmicon遠心フィルターチューブによるろ過とPBSの添加を繰り返すことによって除去する。
上述のようにHER2陽性がん細胞を培養し、マウスに皮下注射し(マトリゲルで約100万〜1000万細胞/マウス)、約100mm3の異種移植腫瘍を形成させる。マウスは、I)PBS(ビヒクル対照)、II)PBS中の10mg/kgトラスツズマブ(抗体対照)、III)PBS中の10mg/kg DAR=2の4−F−GlcNAc−トラスツズマブ、IV)PBS中の10mg/kg DAR=8の6−マレイミドカプロイル−4−F−GlcNAc−トラスツズマブ、V)PBS中の10mg/kg DAR=8の6−マレイミドスクシニル−4−F−GlcNAc−トラスツズマブ、またはVI)PBS中の10mg/kg DAR=8のペプチドリンカー4−F−GlcNAc−トラスツズマブ、のいずれかの100μlの静脈内注射を毎日受ける群に分けられる。5日後、各群から約10mm3個の腫瘍組織を採取し、それらのN−グリカンプロファイルを記載されているようにMALDI−TOF MSで分析する(Satomaa et al.2009.Cancer Res 69:5811−9)。I〜II群よりもIII〜VI群のN−グリカンのサイズが小さいことは、N−グリカン分岐および/またはポリ−N−アセチルラクトサミン鎖の量が少ないことを示しており、インビボでの腫瘍を標的としたGlcNAc−トランスフェラーゼの阻害の成功の兆候として観察され、腫瘍細胞表面上のガレクチンリガンドの量が少なくなり、したがって抗体療法の免疫抑制が少なくなり、抗がん治療活性が高くなる。ADC療法は、治療用量の抗PD−1抗体または抗PD−L1抗体をさらなるマウス群に静脈内注射することにより、免疫チェックポイント阻害剤療法とさらに組み合わされる。
実施例8.マレイミド−リンカー−阻害剤コンジュゲートの調製。
スキームE8−1およびE8−2.P−4−F−GlcNAc(Sussex)を脱アセチル化し(スキームE8−1)、2−アミノ−2,4−ジデオキシ−4−フルオロ−D−グルコース(4−F−GlcN)を回収した(MALDI−TOF MS:m/z 182.18、[M+H]+)。4−F−GlcNを2モル当量(mol.eq.)のマレイミドカプロイル−Val−Cit−PAB−パラニトロフェニル(MC−VC−PAB−pNP、スキームE8−2)と合わせて、MC−VC−PAB−4−F−GlcNを生成した(MALDI−TOF MS:m/z 802.34、[M+Na]+)。反応物を上記のようにRP−HPLCで精製し、生成物を含む画分をMALDI−TOF MSで同定し(m/z 802.26[M+Na]+および818.23[M+K]+で観察された)、プールして乾固まで蒸発させた。
スキームE8−3およびE8−4.4−F−GlcNAc(Sussex)をグリコシルアミンに変換し(スキームE8−3)、得られた4−F−GlcNAcグリコシルアミンをMC−VC−PAB−pNPと合わせて(スキームE8−4)、MC−VC−PAB−4−F−GlcNAcグリコシルアミンを生成した(MALDI−TOF MS:m/z 843.66、[M+Na]+)。生成物を上記のようにRP−HPLCで精製した。
スキームE8−5およびE8−6.4mgのP−3Fax−Neu5Ac(R&D Systems)を脱アセチル化し(スキームE8−3)、3Fax−Neu5Nメチルエステルを回収した(MALDI−TOF MS:m/z 300.21、[M+H]+)。この生成物をMC−VC−PAB−pNP(スキームE8−2)と合わせて、MC−VC−PAB−3Fax−Neu5Nメチルエステルを生成した(MALDI−TOF MS:m/z 920.71[M+Na]+)。生成物を上記のようにRP−HPLCで精製した。
スキームE8−7.MC−VC−PAB−pNPを、DMF中、4mol.eq 1−デオキシマンノジリマイシン(Carbosynth)および4mol.eq.HOBtと合わせてMC−VC−PAB−1−デオキシマンノジリマイシンを生成した(MALDI−TOF MS:m/z 784.4、[M+Na]+)。生成物を上記のようにRP−HPLCで精製した。
スキームE8−8.100mgのキフネンシン(Carbosynth)をMC−VC−PAB−1,2−ジメチルエチレンジアミン(MC−VC−PAB−DMAE、Levena Biopharma)と反応させて、16mgのMC−VC−PAB−DMAE−キフネンシンを生成した(MS:m/z 946.1、[M+H]+)。生成物をRP−HPLCで精製した(データは示さず)。
スキームE8−9.6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン(DON、Carbosynth)をDMSOに溶解し、HOBtを添加したDMF(DMSO:DMF=50:50、体積/体積)中のMC−VC−PAB−pNPと合わせ、RTで2日間インキュベートして、MC−VC−PAB−DONを生成した(MALDI−TOF MS:m/z 792.56、[M+Na]+)。生成物を上記のようにRP−HPLCで精製した。
実施例9.マレイミド−リンカー−阻害剤のがん標的化抗体への結合。
マレイミド−リンカー−阻害剤をトラスツズマブに結合させるために、ヒンジ領域のジスルフィドをトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、Satomaa et al.2018を参照)によって還元した:25μM mAbを、1mMジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)中の20〜40mol.eqのTCEPと、PBS中、+37℃で約1.5時間反応させた。還元された抗体をモル過剰のマレイミドリンカー阻害剤と合わせ、RTで1.5〜2時間反応させた後、非コンジュテート薬物リンカーを、30kDaカットオフのAmicon遠心フィルターチューブによるろ過とPBSの添加を繰り返すことにより除去した。
マレイミド−リンカー−阻害剤をトラスツズマブに結合させるために、ヒンジ領域のジスルフィドをトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP、Satomaa et al.2018を参照)によって還元した:25μM mAbを、1mMジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)中の20〜40mol.eqのTCEPと、PBS中、+37℃で約1.5時間反応させた。還元された抗体をモル過剰のマレイミドリンカー阻害剤と合わせ、RTで1.5〜2時間反応させた後、非コンジュテート薬物リンカーを、30kDaカットオフのAmicon遠心フィルターチューブによるろ過とPBSの添加を繰り返すことにより除去した。
基本的に説明されているように(Satomaa et al.2018)、コンジュゲートは、PBSでのファブリケーターおよびグリシネーター消化し(Genovis;メーカーの指示による)、6Mグアニジン−HCLを添加により変性し、+60℃、0.5時間で2mMジチオスレイトール(DTT)を添加して還元し、PorosR2逆相材料を使用したマイクロスケールクロマトグラフィー後、抗体フラグメントとしてのジヒドロキシアセトフェノン(DHAP)マトリックスのMALDI−TOF MSによって分析された。観察された抗体フラグメントの相対強度に基づいて、薬物対抗体比(DAR)を算出した。図9は、MC−VC−PAB−4−F−GlcN(図9A〜B、DAR=4〜8)、MC−VC−PAB−4−F−GlcNAcグリコシルアミン(図9C〜D、DAR=4〜8)、MC−VC−PAB−3Fax−Neu5N(図9E、DAR=4〜8)、MC−VC−PAB−1−デオキシマンノジリマイシン(図9F、DAR=8)およびMC−VC−PAB−DMAE−キフネンシン(図9G、DAR=4〜8)でうまく調製されたトラスツズマブコンジュゲートのMALDI−TOF MS分析結果を示す。
実施例10.DBCO−リンカー−阻害剤コンジュゲートの調製。
スキームE10−1:ツニカマイシン(Sigma)およびピリジン中のモル過剰の無水コハク酸をRTで撹拌した。反応混合物を上記のようにMALDI−TOF MSにより分析すると、スクシニル−ツニカマイシンの予想質量を示した(M/Z 953.63、[M +Na]+で、C14脂肪酸鎖を有する主要成分)。生成物をRP−HPLCで精製し、収集した画分でMALDI−TOF MSによって検出した。
スキームE10−2:スクシニル−ツニカマイシンおよびモル過剰のDBCO−アミンを、モル過剰のHBTUおよびDIPEAを補充したDMF中でRTで一晩撹拌した。生成物はMALDI−TOF MSによってDBCOスクシニル−ツニカマイシンの予想質量を示した(C17およびC18脂肪酸鎖を、それぞれ有する構成要素について、m/z 1226.10および1240.12、[M+Na]+での主要なピーク)。
実施例11.アシル化された1−デオキシマンノジリマイシンおよび1−デオキシノジリマイシン誘導体。
スキームE11.1.1−デオキシマンノジリマイシン(Carbosynth)を過アセチル化し、上記のようにMALDI−TOF MSで反応をモニターしたところ、5−N−アセチル−1−デオキシマンノジリマイシン(スキームE11.1、化合物1、R=CH3)の予想質量を、m/z 396.27[M+Na]+で示した。1−デオキシノジリマイシン(Carbosynth)も同様に反応させて、5−N−アセチル−1−デオキシノジリマイシン(スキームE11.1、化合物2、R=CH3)を生成する。このような化合物は、それぞれN−グリカンプロセシングマンノシダーゼIおよびグルコシダーゼ酵素の効果的な阻害剤であり、したがって、処理された細胞の表面上のガレクチンおよびシグレックグリカンリガンド、ならびに他のN−グリカン依存性受容体リガンドを減少させる。
実施例12.MC−VC−PAB−DMAE−阻害剤コンジュゲートおよびADCの調製。
スキームE12.1.ヒドロキシル基含有阻害剤(Inh−OH)は、最初に、トリエチルアミンを含むテトラヒドロフラン(THF、または反応物の溶解度に基づく他の極性溶媒)中で4−ニトロフェニルクロロホルメートと氷上(0℃)で1.5時間反応させる。次に、MC−VC−PAB−DMAEを添加し、反応を室温で1時間進行させる。生成物はMALDI−TOF MSで検出される。
スキームE12.1.GlcNAc−チアゾリン(Carbosynth)は、最初に、トリエチルアミンを含むテトラヒドロフラン(THF、または反応物の溶解度に基づく他の極性溶媒)中で4−ニトロフェニルクロロホルメートと氷上(0℃)で1.5時間反応させる。次に、MC−VC−PAB−DMAE(Levena Biopharma)を添加し、反応を室温で1時間進行させる。生成物はMALDI−TOF MSで検出される:6−O−(MC−VC−PAB−DMAE)−GlcNAc−チアゾリンの場合m/z 407、[M+Na]+、および6−O−(MC−VC−PAB−DMAE)−GlcNAc−チアゾリンの場合m/z 955、[M+Na]+。
実施例14.グリコシル化阻害剤−ADCによる標的細胞のグリコシル化の阻害。
SKBR−3乳がん細胞(ATCC)を推奨条件で培養し、上記のようにグリコシル化阻害剤およびADCとインキュベートした。次に、細胞を、上記のように、SNA−Iレクチンによる標識およびFACS分析に供した。図10に示すように、500nMトラスツズマブ−MC−VC−PAB−3Fax−Neu5N、DAR=4〜8と3日間インキュベートした細胞(図10A)および10nMトラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−キフネンシン、DAR=4〜8(図10B)と4日間インキュベートした細胞の両方で、SNA−Iレクチンによる染色が減少した。これは、ADCが細胞内の細胞表面のシアリル化を阻害し、キフネンシン−ADCの場合、N−グリコシル化に関連する細胞表面のシアリル化を阻害したことを示した。
SKBR−3乳がん細胞(ATCC)を推奨条件で培養し、上記のようにグリコシル化阻害剤およびADCとインキュベートした。次に、細胞を、上記のように、SNA−Iレクチンによる標識およびFACS分析に供した。図10に示すように、500nMトラスツズマブ−MC−VC−PAB−3Fax−Neu5N、DAR=4〜8と3日間インキュベートした細胞(図10A)および10nMトラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−キフネンシン、DAR=4〜8(図10B)と4日間インキュベートした細胞の両方で、SNA−Iレクチンによる染色が減少した。これは、ADCが細胞内の細胞表面のシアリル化を阻害し、キフネンシン−ADCの場合、N−グリコシル化に関連する細胞表面のシアリル化を阻害したことを示した。
キフネンシン−ADCで、但し10nMおよび1μMの両方のトラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−キフネンシン、DAR=4−8で、ならびに10μMキフネンシンで、4日間処理したSKBR−3細胞もまた、基本的にLeijon et al.2017,J Clin Endocrinol Metab 102(11):3990−4000に記載されているが、脱パラフィンステップを除く、MALDI−TOF MSを使用したN−グリカンプロファイリングに供した。細胞をキフネンシンまたはキフネンシン−ADC処理のいずれかに供したとき、細胞の中性N−グリカンを含むN−グリカンプロファイルは、単糖組成Man5〜9GlcNAc2が割り当てられた高マンノース型N−グリカンシグナルのヘキソース残基の数の増加を示した([M+Na]+付加イオンの場合はそれぞれ、m/z1257、m/z1419、m/z1581、m/z1743、およびm/z1905;これは、Leijon et al.2017に記載されているように、相対的なシグナル強度に基づいて比較的定量化できる、データは表示せず)。対照細胞(処理なし)および1μMトラスツズマブで3日間処理した細胞では、Man5〜9GlcNAc2グリカンシグナルシリーズのマンノース残基(Man)の平均数はそれぞれ7.07および6.96であったが、キフネンシン、10nMまたは1μMトラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−キフネンシン、DAR=4〜8で並行して処理された細胞における、Man5〜9GlcNAc2グリカンシグナルシリーズのマンノース残基(Man)の平均数はそれぞれ8.56、7.19および7.23に増加した。これは、阻害剤および阻害剤−ADC処理細胞の両方においてマンノシダーゼI活性の効果的な阻害を示した。
シアリル化阻害剤−ADC(0.5μMトラスツズマブ−MC−VC−PAB−3ax−フルオロ−NeuN、DAR=4〜8)で4日間処理したSKBR−3細胞も、上記のようにMALDI−TOF MSを使用し、基本的にReiding et al.2014,Anal Chem 86(12):5784−93に記載されているように、シアル酸のエステル化後に、中性N−グリカンと一緒に分析したシアリル化N−グリカンを使用して、N−グリカンプロファイリングに供した。細胞の中性およびエステル化/シアリル化N−グリカンの両方を含むN−グリカンプロファイルは、細胞がADC処理を受けたときに、シアリル化グリカンの相対量の減少を示した:対照細胞(処理なし)では、検出された全グリカンに占めるシアリル化グリカンの割合は11.0%であったが、0.5μMのトラスツズマブ−MC−VC−PAB−3ax−フルオロ−NeuN、DAR=4−8で並行して処理した細胞では、検出された全グリカンに占めるシアリル化グリカンの割合は7.9%であった。これは、阻害剤−ADC処理細胞におけるシアリル化の効果的な阻害を示した。
実施例15.ADCCアッセイ。
SKBR−3およびSKOV−3細胞を96ウェルプレート上で推奨条件で培養し、上記のようにグリコシル化阻害剤もしくはADCと一緒にまたは無しで4日間インキュベートした。次に、1μg/mlトラスツズマブ、1μg/mlオマリズマブ(Xolair、Roche)または抗体なしのいずれか、ならびにヒト末梢血バフィーコート(Finnish Red Cross Blood Service、ヘルシンキ、フィンランド)からの磁気抗CD56、抗CD4および抗CD8アフィニティービーズ(Miltenyi Biotec、ベルギッシュグラートバッハ、ドイツ)で単離されたエフェクターNK(CD56+)細胞、CD4+細胞およびCD8+細胞(組み合わせで)、またはエフェクター細胞なしを、導入し、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)アッセイを実施した。+37℃で3.5時間後、細胞傷害性を市販の乳酸デヒドロゲナーゼアッセイキット(細胞傷害性検出キット(LDH)、Thermo Fischer Scientific)で評価し、細胞傷害性を死細胞の割合として計算した(%、3つの並行ウェルの平均)。
SKBR−3およびSKOV−3細胞を96ウェルプレート上で推奨条件で培養し、上記のようにグリコシル化阻害剤もしくはADCと一緒にまたは無しで4日間インキュベートした。次に、1μg/mlトラスツズマブ、1μg/mlオマリズマブ(Xolair、Roche)または抗体なしのいずれか、ならびにヒト末梢血バフィーコート(Finnish Red Cross Blood Service、ヘルシンキ、フィンランド)からの磁気抗CD56、抗CD4および抗CD8アフィニティービーズ(Miltenyi Biotec、ベルギッシュグラートバッハ、ドイツ)で単離されたエフェクターNK(CD56+)細胞、CD4+細胞およびCD8+細胞(組み合わせで)、またはエフェクター細胞なしを、導入し、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)アッセイを実施した。+37℃で3.5時間後、細胞傷害性を市販の乳酸デヒドロゲナーゼアッセイキット(細胞傷害性検出キット(LDH)、Thermo Fischer Scientific)で評価し、細胞傷害性を死細胞の割合として計算した(%、3つの並行ウェルの平均)。
SKBR−3細胞を用いたADCCアッセイでは、トラスツズマブとエフェクター細胞の両方を適用した場合、キフネンシンとツニカマイシンの両方が細胞傷害性%を増加させた:阻害剤なしの細胞傷害性は平均13.2%、10μMのキフネンシン細胞傷害性は平均18.5%、1μMのツニカマイシン細胞傷害性は平均40.4%であった。一方、阻害剤とトラスツズマブのみを細胞に適用した場合、細胞傷害性は検出されなかった。
SKBR−3細胞を用いた別のADCCアッセイでは、トラスツズマブとエフェクター細胞の両方を適用した場合、キフネンシン、ツニカマイシン、および過アセチル化4−フルオロ−GlcNAcの両方が細胞傷害性%を増加させた:阻害剤なしで細胞傷害性は平均約12%、50μMキフネンシン細胞傷害性は平均約19%、0.5μMのツニカマイシンの細胞傷害性は平均約46%、50μMの過アセチル化4−フルオロ−GlcNAcの細胞傷害性は平均約16%であったが、一方、阻害剤とトラスツズマブのみを細胞に適用した場合の細胞傷害性は次のとおりであった:50μMのキフネンシンの細胞傷害性は平均約2〜3%、0.5μMのツニカマイシンの細胞傷害性は平均約4%、50μMの過アセチル化4−フルオロ−GlcNAcの細胞傷害性は平均約1〜2%であり、阻害剤とエフェクター細胞の両方がなければ、細胞傷害性は観察されなかった。
SKBR−3細胞を用いた第3のADCCアッセイでは、トラスツズマブ細胞とエフェクター細胞の両方を適用した場合、過アセチル化3ax−フルオロ−Neu5Acは細胞傷害性%を増加させた:阻害剤なしでは、細胞毒性アッセイでの吸光度測定値は平均0.6未満であり、50μMの過アセチル化3ax−フルオロ−Neu5Acでは、細胞毒性アッセイでの吸光度測定値は平均で約0.7であった。
SKOV−3細胞を用いたADCCアッセイでは、トラスツズマブとエフェクター細胞の両方を適用した場合、キフネンシン、ツニカマイシン、および過アセチル化4−フルオロ−GlcNAcの両方が細胞傷害性%を増加させた:阻害剤なしでは、細胞傷害性は平均約1%、50μMのキフネンシン細胞傷害性は平均約2%、0.5μMのツニカマイシンの細胞傷害性は平均約5%、50μMの過アセチル化4−フルオロ−GlcNAcの細胞傷害性は平均約5%であったが、一方、阻害剤とトラスツズマブのみを細胞に適用した場合の細胞傷害性は次のとおりであった:50μMキフネンシンと50μM過アセチル化4−フルオロ−GlcNAcの両方で細胞傷害性は観察されず、0.5μMツニカマイシンの細胞傷害性は平均約2%であり、阻害剤とエフェクター細胞の両方がなければ、細胞傷害性は観察されなかった。
結論として、N−グリコシル化阻害(ツニカマイシン)、N−グリカントリミング阻害(キフネンシン)、GlcNAc−トランスフェラーゼ阻害(過アセチル化4−フルオロ−GlcNAc)およびシアリル化阻害(過アセチル化3ax−フルオロ−Neu5Ac)はどれも、NK/CD4+/CD8+エフェクター細胞と相乗的に作用して、ADCCを増加させることが実証された。
実施例16.阻害剤誘導体の調製。
スキームE16−1.3Fax−Neu5Nは上記のように得て、DIPEAを含むDMF中のN−スクシンイミジルS−アセチルチオアセテート(Thermo Scientific Pierce SATA、カタログ番号:26102)でアミド化して、MALDI−TOF MSで正しいm/zの438.25[M+Na]+の生成物を得た。生成物を上記のようにRP−HPLCで精製し、製造元の指示に従ってヒドロキシルアミン水溶液で加水分解して、遊離チオール基を有する3Fax−Neu5N−TAを得る。
スキームE16−2.9−アミノ−3Fax−Neu5NAcはCarbosynthから入手し、上記のようにMC−VC−PAB−pNPにアミド化して、MALDI−TOF MSでm/zが947.33[M+Na]+の正しい生成物を得た。生成物を上記のようにRP−HPLCで精製した。
実施例17.グリコシル化阻害剤ADCの調製。
MC−VC−PAB−9−アミノ−3Fax−Neu5NAcを、上記のように還元されたトラスツズマブにコンジュゲートさせ、上記のようにFabricator消化および単離された抗体フラグメントのMALDI−TOF MS分析によって示されるようにDAR=8のADCを得た。
MC−VC−PAB−9−アミノ−3Fax−Neu5NAcを、上記のように還元されたトラスツズマブにコンジュゲートさせ、上記のようにFabricator消化および単離された抗体フラグメントのMALDI−TOF MS分析によって示されるようにDAR=8のADCを得た。
MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンV、MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンVIIおよびMC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンXを、上記のように還元トラスツズマブに別々にコンジュゲートさせ、上記のようにFabricator消化および単離された抗体フラグメントのMALDI−TOF MS分析によって示されるようにDAR=8のADCを得た。DAR=8のツニカマイシンV ADCは、以前に記載されたように実行されたHIC−HPLC(Satomaa et al.2018)により、DAR=3とDAR=4のトラスツズマブ−MC−VC−PAB−MMAE ADCの間に保持時間を有することが示され、ADCが同様の親水性/疎水性特性を持っていることを示していた。DAR=8のツニカマイシンVIIおよびX ADCは非常に類似しているが、より長いHIC保持時間であった。
実施例18.ツニカマイシン−ADCによる細胞のグリコシル化と生存率の特異的阻害。
MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンVのDAR=8コンジュゲートは、トラスツズマブとオマリズマブ(陰性対照抗体Xolair、Novartis)の両方から調製した。コンジュゲーションレベルは、上記のようにFabricator消化および単離された抗体フラグメントのMALDI−TOF MS分析によってDAR=8であることが示された。
MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンVのDAR=8コンジュゲートは、トラスツズマブとオマリズマブ(陰性対照抗体Xolair、Novartis)の両方から調製した。コンジュゲーションレベルは、上記のようにFabricator消化および単離された抗体フラグメントのMALDI−TOF MS分析によってDAR=8であることが示された。
最初に、ツニカマイシンおよびトラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンDAR=8ADCのレベルの増加が、糖タンパク質のグリコシル化に及ぼす影響をSKBR−3細胞で比較した。6日間の培養後、細胞を溶解し、各処理のサンプルをSDS−PAGEおよび、標準的な手順で抗HER2抗体(抗ヒトErbB2/Her2ヤギポリクローナル抗体AF1129、R&D Systems)を用いたイムノブロッティングに供した。結果を図11A〜Bに示し、N−グリコシル化を阻害すると、HER2の相対分子量が約15kDa減少したことを示している。図11C〜Dは、イムノブロッティングの結果に基づく対応するEC50値の分析を示し、ADCと遊離ツニカマイシンの両方でN−グリコシル化の効果的な阻害を示しているが、ADCのEC50は1.75倍低かった(それぞれ、70nMと比較して40nM)。
第2に、ツニカマイシン、ツニカマイシン−ADCおよびトラスツズマブのレベルの増加が細胞生存率に及ぼす影響をSKBR−3細胞で比較した。最初の実験では、ツニカマイシンとトラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンDAR=8 ADCを、SKBR−3細胞の培養で6日間比較した。ツニカマイシンのIC50は300nMであり、ADCのIC50は150nMであり(データは示さず)、ADCのIC50が2分の1であることを示している。さらに、この実験は、ツニカマイシンおよびツニカマイシン−ADCの両方のグリコシル化阻害効果が、生存阻害効果よりも低い濃度で、すなわちEC50<IC50で起こることを示した。
第3に、トラスツズマブ、トラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンDAR=8ADCおよびオマリズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンDAR=8 ADCのレベルの増加の影響を、SKBR−3細胞の培養で5日間(図12A)または8日間(図12B)で比較した。トラスツズマブ−ADCのIC50は、5日間で130nM、8日間で90nMであった。トラスツズマブは中程度の細胞傷害性しかなく、1μMの最大濃度ではIC50に到達せず、ADCの効果が特異的であることを示した。オマリズマブ−ADCは細胞に対して明らかな毒性を示さず、ADCの効果が特異的であり、インキュベーション中にペイロードが放出されなかったことを示した。
マレイミド−(VC−PAB−DMAE−キフネンシン)2は、上記のように還元型トラスツズマブおよびその他の抗体にコンジュゲートする。コンジュゲーションレベルは、上記のようにFabricator消化および単離された抗体フラグメントのMALDI−TOF MS分析によってDAR=16であることが示される。
MC−EVC−PAB−MMAE(PEG10)−ツニカマイシンVは、上記のように還元型トラスツズマブおよびその他の抗体にコンジュゲートする。コンジュゲーションレベルは、上記のようにFabricator消化および単離された抗体フラグメントのMALDI−TOF MS分析によってDAR=8であることが示される。上記のようにHIC−HPLCを実施した場合、HIC保持時間はトラスツズマブとDAR=3のトラスツズマブ−MC−VC−PAB−MMAE ADCの間にあるため、インビボでの薬物動態と有効性が向上する。
モノ−(マレイミド−PEG4−DBCO)−ヘプタキス−(MC−VC−PAB−DMAE−キフネンシン)−オクタキス−(6−チオ)−γ−シクロデキストリンおよびモノ−(マレイミド−PEG4−DBCO)−ヘプタキス−(MC−VC−PAB−3Fax−Neu5N)−オクタキス−(6−チオ)−γ−シクロデキストリンは、上記のようにDAR=2またはDAR=4のアジド−トラスツズマブおよび他の抗体に別々にコンジュゲートされ、それぞれDAR=14およびDAR=28のコンジュゲートが得られる。
モノ−(PEG4−DBCO)−ヘプタキス−(Pr−SS−Pr−キフネンシン)−オクタキス−(6−アミノ)−γ−シクロデキストリンおよびモノ−(PEG4−DBCO)−ヘプタキス−(Pr−SS−Et−OCO−3Fax−Neu5N)−オクタキス−(6−アミノ)−γ−シクロデキストリンは、上記のようにDAR=2またはDAR=4のアジド−トラスツズマブおよび他の抗体に別々にコンジュゲートされ、それぞれDAR=14およびDAR=28のコンジュゲートが得られる。
実施例20.インビボ有効性試験。
単回投与2.5mg/kgトラスツズマブ(ハーセプチン、Roche)、単回投与2.5mg/kgトラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンADC DAR=8(ツニカマイシン−ADC)および反復投与1.5mg/kgペンブロリズマブ(Keytruda、Merck)の有効性は、インビボでNCI−N87がん細胞株腫瘍に対して評価された。この研究は、Inovotion SAS(La Tronche、フランス)によって次のように実施された。受精鶏卵を37.5℃、相対湿度50%で9日間インキュベートし(E9)、卵殻を貫通して気嚢内に小さな孔を開けることにより絨毛尿膜(CAM)を落とし、CAMの上の卵殻に1cm2の窓を切った。NCI−N87細胞株は、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したRPMI−1640培地で培養した。E9日目に、細胞をトリプシンで剥離し、完全培地で洗浄し、グラフト培地(graft medium)に懸濁した。200万個の細胞の接種物を各卵のCAMに加えた。10日目(E10)に、腫瘍が検出され始めた。生きた移植された卵をランダムに群に分け、E10日目(単回投与:トラスツズマブとツニカマイシン−ADC)、またはE10、E11.5、E13、E14.5、E17日目(5回投与:ペンブロリズマブ)に、100μlのビヒクル(PBS)および化合物(単独または組み合わせ)を腫瘍に滴下して処理した。18日目(E18)に、CAMの上部を取り除き、PBSで洗浄した後、PFAに直接移した(48時間固定)。次に、腫瘍を正常なCAM組織から注意深く切り取り、重量を測定した。研究中の生存率について、各処理時間で、または少なくとも2日ごとに卵をチェックした。研究の終わりに、死んだ胚の数を数え、最終的な目に見える肉眼的異常の観察(サンプル収集中に行われた観察)と組み合わせて、毒性を評価した。
単回投与2.5mg/kgトラスツズマブ(ハーセプチン、Roche)、単回投与2.5mg/kgトラスツズマブ−MC−VC−PAB−DMAE−ツニカマイシンADC DAR=8(ツニカマイシン−ADC)および反復投与1.5mg/kgペンブロリズマブ(Keytruda、Merck)の有効性は、インビボでNCI−N87がん細胞株腫瘍に対して評価された。この研究は、Inovotion SAS(La Tronche、フランス)によって次のように実施された。受精鶏卵を37.5℃、相対湿度50%で9日間インキュベートし(E9)、卵殻を貫通して気嚢内に小さな孔を開けることにより絨毛尿膜(CAM)を落とし、CAMの上の卵殻に1cm2の窓を切った。NCI−N87細胞株は、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したRPMI−1640培地で培養した。E9日目に、細胞をトリプシンで剥離し、完全培地で洗浄し、グラフト培地(graft medium)に懸濁した。200万個の細胞の接種物を各卵のCAMに加えた。10日目(E10)に、腫瘍が検出され始めた。生きた移植された卵をランダムに群に分け、E10日目(単回投与:トラスツズマブとツニカマイシン−ADC)、またはE10、E11.5、E13、E14.5、E17日目(5回投与:ペンブロリズマブ)に、100μlのビヒクル(PBS)および化合物(単独または組み合わせ)を腫瘍に滴下して処理した。18日目(E18)に、CAMの上部を取り除き、PBSで洗浄した後、PFAに直接移した(48時間固定)。次に、腫瘍を正常なCAM組織から注意深く切り取り、重量を測定した。研究中の生存率について、各処理時間で、または少なくとも2日ごとに卵をチェックした。研究の終わりに、死んだ胚の数を数え、最終的な目に見える肉眼的異常の観察(サンプル収集中に行われた観察)と組み合わせて、毒性を評価した。
インビボ試験の結果を以下の表2に示す。生存卵胚の割合(%)に大きな違いはなく、したがって群間で毒性のレベルに違いはなく、生存卵胚の割合のレベルは正常であると見なされた。PBS対照群と比較して、トラスツズマブ(p=0.002、スチューデントのt検定)とツニカマイシン−ADC(p=0.033、スチューデントのt検定)の両方が、対照群と統計的に有意な差を示し、したがって治療効果を示した。但し、ペンブロリズマブ単独では腫瘍サイズに有意な影響は見られなかった。ペムブロリズマブ単独と比較して、トラスツズマブ+ペンブロリズマブ(p=0.035、スチューデントのt検定)とツニカマイシン−ADC+ペンブロリズマブ処理(p=0.023、スチューデントのt検定)の両方が、ペンブロリズマブ単独群と統計的に有意な差を示し、したがって治療効果を示した。但し、トラスツズマブとツニカマイシン−ADC群(ペンブロリズマブの有無にかかわらず)は、このモデルで互いに有意差はなかった。
技術の進歩に伴い、基本的な考え方が様々な方法で実施され得ることは当業者には明らかである。したがって、実施形態は、上記の例に限定されず、代わりに、特許請求の範囲内で変化し得る。
前述の実施形態は、互いに任意の組み合わせで使用することができる。実施形態のいくつかを一緒に組み合わせて、さらなる実施形態を形成することができる。本明細書に開示される生成物、方法、または使用は、前述の実施形態の少なくとも1つを含み得る。上記の利点および有意性は、1つの実施形態に関連し得るか、またはいくつかの実施形態に関連し得ることが理解されるであろう。実施形態は、記載された問題のいずれかまたはすべてを解決するもの、または記載された利点および有意性のいずれかまたはすべてを有するものに限定されない。さらに、「1つの」項目への言及は、それらの項目の1つ以上を指すことが理解されよう。「含む」という用語は、本明細書では、1つ以上の追加の特徴または行為の存在を排除することなく、その後に続く特徴(複数可)または行為(複数可)を含むことを意味するために使用される。
Claims (24)
- 腫瘍への送達のための標的化ユニットと、
前記腫瘍のグリコシル化を阻害し、それによって前記腫瘍の免疫抑制活性を低下させるためのグリコシル化阻害剤と、を含む、コンジュゲートであって、
前記グリコシル化阻害剤が、前記標的化ユニットにコンジュゲートしている、コンジュゲート。 - 前記コンジュゲートが、腫瘍細胞である標的細胞および/または第2の腫瘍細胞の前記免疫抑制活性を低下させるためのコンジュゲートであり、前記標的化ユニットが、前記標的細胞に結合するための標的化ユニットであり、前記グリコシル化阻害剤は、前記標的細胞および/または前記第2の腫瘍細胞のグリコシル化を阻害し、それによって前記標的細胞および/または前記第2の腫瘍細胞の前記免疫抑制活性を低下させるためのグリコシル化阻害剤である、請求項1に記載のコンジュゲート。
- 前記コンジュゲートが、式Iによって表され、
[D−L]n−T
式I
式中、Dは、前記グリコシル化阻害剤であり、Tは、前記標的化ユニットであり、Lは、DとTを少なくとも部分的に共有結合的に連結するリンカーユニットであり、nは、少なくとも1である、請求項1または2に記載のコンジュゲート。 - 前記グリコシル化阻害剤が、代謝阻害剤、細胞輸送阻害剤、ツニカマイシン、植物アルカロイド、基質類似体、グリコシドプライマー、および/もしくは特定の阻害剤を含むか、またはこれらである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記グリコシル化阻害剤が、代謝阻害剤、細胞輸送阻害剤、ツニカマイシン、植物アルカロイド、基質類似体、グリコシドプライマー、グリコシル化の特異的阻害剤、N−アセチルグルコサミニル化阻害剤、シアリル化阻害剤、フコシル化阻害剤、ガラクトシル化阻害剤、マンノシル化阻害剤、マンノシダーゼ阻害剤、グルコシダーゼ阻害剤、グルコシル化阻害剤、N−グリコシル化阻害剤、O−グリコシル化阻害剤、グリコサミノグリカン生合成阻害剤、グリコスフィンゴリピド生合成阻害剤、硫酸化阻害剤、ブレフェルジンA、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、クロレート、2−デオキシグルコース、フッ素化糖類似体、2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,3−ジデオキシ−3−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,6−ジデオキシ−6−フルオログルコサミン、2−アセトアミド−2,5−ジデオキシ−5−フルオログルコサミン、4−デオキシ−4−フルオログルコサミン、3−デオキシ−3−フルオルオグルコサミン、6−デオキシ−6−フルオログルコサミン、5−デオキシ−5−フルオログルコサミン、3−デオキシ−3−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3ax−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3eq−フルオロシアル酸、3−デオキシ−3−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3ax−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3eq−フルオロ−Neu5Ac、3−デオキシ−3−フルオロフコース、2−デオキシ−2−フルオログルコース、2−デオキシ−2−フルオロマンノース、2−デオキシ−2−フルオロフコース、3−フルオロシアル酸、カスタノスペルミン、オーストラリン(australine)、デオキシノジリマイシン、N−ブチルデオキシノジリマイシン、デオキシマンノジリマイシン、キフネンシン、スウェインソニン、マンノスタチンA、アロキサン、ストレプトゾトシン、2−アセトアミド−2,5−ジデオキシ−5−チオグルコサミン、2−アセトアミド−2,4−ジデオキシ−4−チオグルコサミン、PUGNAc(O−[2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシリデン]アミノ−N−フェニルカルバメート)、チアメト−G、N−アセチルグルコサミン−チアゾリン(NAG−チアゾリン)、GlcNAcスタチン(GlcNAcstatin)、ヌクレオチド糖類似体、UDP−GlcNAc類似体、UDP−GalNAc類似体、UDP−Glc類似体、UDP−Gal類似体、GDP−Man類似体、GDP−Fuc類似体、UDP−GlcA類似体、UDP−Xyl類似体、CMP−Neu5Ac類似体、ヌクレオチド糖二基質、グリコシドプライマー、β−キシロシド、β−N−アセチルガラクトサミニド、β−グルコシド、β−ガラクトシド、β−N−アセチルグルコサミニド、β−N−アセチルラクトサミニド、二糖グリコシドおよび三糖グリコシド、4−メチル−ウンベリフェロン、グルコシルセラミドエポキシド、D−トレオ−1−フェニル−2−デカノイルアミノ−3−モルホリノ−1−プロパノール(PDMP)、PPPP、2−アミノ−2−デオキシマンノース、2−アシル−2−デオキシ−グルコシル−ホスファチジルイノシトール、10−プロポキシデカン酸、Neu5Ac−2−エン(DANA)、4−アミノ−DANA、4−グアニジノ−DANA、(3R,4R,5S)−4−アセトアミド−5−アミノ−3−(1−エチルプロポキシル)−1−シクロヘキサン−1−カルボン酸、(3R,4R,5S)−4−アセトアミド−5−アミノ−3−(1−エチルプロポキシル)−1−シクロヘキサン−1−カルボン酸エチルエステル、2,6−ジクロロ−4−ニトロフェノール、ペンタクロロフェノール、マンノシダーゼI阻害剤、グルコシダーゼI阻害剤、グルコシダーゼII阻害剤、N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ阻害剤、N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ阻害剤、ガラクトシルトランスフェラーゼ阻害剤、シアリルトランスフェラーゼ阻害剤、ヘキソサミン経路阻害剤、グルタミン−フルクトース−6−リン酸アミノトランスフェラーゼ(GFPT1)阻害剤、ホスホアセチルグルコサミンムターゼ(PGM3)阻害剤、UDP−GlcNAcシンターゼ阻害剤、CMP−シアル酸シンターゼ阻害剤、N−アセチル−D−グルコサミン−オキサゾリン、6−メチル−ホスホネート−N−アセチル−D−グルコサミン−オキサゾリン、6−メチル−ホスホネート−N−アセチル−D−グルコサミン−チアゾリン、V型ATPアーゼ阻害剤、コンカナマイシン、コンカナマイシンA、コンカナマイシンB、コンカナマイシンC、バフィロマイシン、バフィロマイシンA1、アルカゾリド、アルカゾリドA、サリチリハラミド、サリチリハラミドA、オキシミジン、オキシミジンI、ロバタミド、ロバタミドA、アピクラレン、アピクラレンA、アピクラレンB、クルエンタレン、プレコマクロリド(plecomacrolide)、(2Z,4E)−5−(5,6−ジクロロ−2−インドリル)−2−メトキシ−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)−2,4−ペンタジエンアミド(INDOL0)、エピ−キフネンシン、デオキシフコノジリマイシン、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−マンニトール、2,5−ジデオキシ−2,5−イミノ−D−マンニトール、1,4−ジデオキシ−1,4−イミノ−D−キシリトール、リゾリン脂質アシルトランスフェラーゼ(LPAT)阻害剤、細胞質型ホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤、アシルCoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、CI−976、N−アシルデオキシノジリマイシン、N−アセチルデオキシノジリマイシン、N−アシルデオキシマンノジリマイシン、N−アセチルデオキシマンノジリマイシン、コートタンパク質(COPI)阻害剤、ブレフェルジン、タモキシフェン、ラロキシフェン、スリンダク、3−デオキシ3−フルオロ−Neu5N、3−デオキシ−3ax−フルオロ−Neu5N、3−デオキシ−3eq−フルオロ−Neu5N、3’−アジド−3’−デオキシチミジン、3’−フルオロ−3’−デオキシチミジン、3’−アジド−3’−デオキシシチジン、3’−フルオロ−3’−デオキシシチジン、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシシチジン、3’−フルオロ−2’,3’−ジデオキシシチジン、および任意の類似体、修飾体、アシル化類似体、アセチル化類似体、メチル化類似体、またはこれらの組み合わせ、の群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記グリコシル化阻害剤が、式IIによって表され、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの1つ以下が、Yであり、かつDが、1つ以下のL’を含有することを条件とする、または
前記グリコシル化阻害剤が、式IIによって表され、式中、
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’は、それぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリールおよび置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの1つ以下が、Yであること、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つが、COR4’’’およびCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つが、Hであることを条件とし、または
前記グリコシル化阻害剤が、式IIによって表され、式中、
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’は、それぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリールおよび置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの2つが、Yであること、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つが、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つは、Hであることを条件とする、または
前記グリコシル化阻害剤が、式IIによって表され、式中、
X1は、H、COOH、COOCH3もしくはCOOL’であり、
R1は、非存在、OH、OZ、もしくはL’であり、
R2は、非存在、Y、OH、OZ、NHCOCH3もしくはL’であり、
R3は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
R4は、非存在、Y、OH、OZ、NH2、NR4’R4’’、NHCOCH3もしくはL’であり、
X5は、非存在、CH2、CH(OH)CH2、CH(OZ)CH2、CH(OH)CH(OH)CH2、CH(OZ)CH(OZ)CH2、C1〜C12アルキル、もしくは置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、Y、OH、OZもしくはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
Yは、F、Cl、Br、I、HおよびCH3から選択され、
R4’およびR4’’は、それぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’およびCOOR4’’’から選択され、R4’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリールおよび置換されたC6〜C12アリールから選択され、
但し、R1、R2、R3、R4およびR6のうちの3つが、Yであること、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、かつR4’およびR4’’のうちの1つが、COR4’’’およびCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’およびR4’’のうちの1つは、Hであることを条件とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - 前記グリコシル化阻害剤が、式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIf、IIIgもしくはIIIhのいずれか1つによって表され、
L’は、Lとの結合であり、
R3、R4およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはFのいずれかであるが、但し、R3、R4およびR6のうちの1つのみがFであることを条件とし、
R3’、R4’、およびR6’は、それぞれ独立して、COCH3もしくはFのいずれかであるが、但し、R3’、R4’、およびR6’のうちの1つのみがFであることを条件とする、または、
前記グリコシル化阻害剤が、式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIf、IIIgもしくはIIIhのいずれか1つによって表され、式中、
L’は、Lとの結合であり、
R3、R4およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはFのいずれかであるが、但し、R3、R4およびR6のうちの2つがFであることを条件とし、
R3’、R4’、およびR6’は、それぞれ独立して、OCOCH3もしくはFのいずれかであるが、但し、R3’、R4’、およびR6’のうちの2つはFであることを条件とする、または
前記グリコシル化阻害剤が、式IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIf、IIIgもしくはIIIhのいずれか1つによって表され、式中、
L’は、Lとの結合であり、
R3、R4およびR6は、それぞれFであり、
R3’、R4’およびR6’は、それぞれFである、
または、前記グリコシル化阻害剤が、式IVa、IVb、IVc、IVd、IVe、IVf、IVgもしくはIVhのいずれか1つによって表される3−デオキシ−3−フルオロシアル酸であり、
L’は、Lとの結合であり、
R1およびR6は、それぞれ独立して、OHもしくはL’のいずれかであり、R4は、独立して、NHCOCH3もしくはL’のいずれかであり、X1は、独立して、COOHもしくはL’のいずれかであり、但し、R1、R4、R6およびX1のうちの1つのみが、L’であることを条件とし、
R1’およびR6’は、それぞれ独立して、OCOCH3もしくはL’のいずれかであり、R4’は、独立して、NHCOCH3もしくはL’のいずれかであり、X1は、独立して、COOCH3もしくはL’のいずれかであり、
但し、R1’、R4’、R6’およびX1’のうちの1つのみが、L’であることを条件とする、または
前記グリコシル化阻害剤が、式IVe、IVf、IVg、もしくはIVhのいずれか1つによって表される3−デオキシ−3−フルオロシアル酸であり、式中、
L’は、Lとの結合であり、
R1およびR6は、それぞれ独立して、OH、OZもしくはL’のいずれかであり、
R4およびR4’は、独立して、非存在、OH、OZ、NH2、NR4’’R4’’’、NHL’、NHCOCH3もしくはL’のいずれかであり、
X1は、独立して、COOH、COOMe、COOL’もしくはL’のいずれかであり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
R1’およびR6’は、それぞれ独立して、OH、OZ、OCOCH3もしくはL’のいずれかであり、
R4’’およびR4’’’は、それぞれ独立して、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’’およびCOOR4’’’’、L’、L’’−L’、Y、NH2、OH、NHCOCH3、NHCOCH2OH、NHCOCF3、NHCOCH2Cl、NHCOCH2OCOCH3、NHCOCH2N3、NHCOCH2CH2CCH、NHCOOCH2CCH、NHCOOCH2CHCH2、NHCOOCH3、NHCOOCH2CH3、NHCOOCH2CH(CH3)2、NHCOOC(CH3)3、NHCOO−ベンジル、NHCOOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、NHCOO(CH2)3CH3、NHCOO(CH2)2OCH3、NHCOOCH2CCl3およびNHCOO(CH2)2F、(ベンジル=CH2C6H5)から選択され、
R4’’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、および置換されたC6〜C12アリールから選択され、
L’’は、L’−置換されたC1〜C12アルキル、L’−置換されたC6〜C12アリール、COL’’’、COOL’’’、NH−、O−、NHCOCH2−、NHCOCH2O−、NHCOCF2−、NHCOCH2OCOCH2−、NHCOCH2トリアゾリル−、NHCOOCH2CHCH−、NHCOOCH2CH2CH2S−、NHCOOCH2−、NHCOOCH2CH2−、NHCOOCH2CHCH2CH2−、NHCOO−ベンジル−、NHCOO(CH2)3CH2−、NHCOOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル−およびNHCOO(CH2)2OCH2−、(ベンジルはCH2C6H5であり、−は、L’との結合である)から選択され、
L’’’は、L’−置換されたC1〜C12アルキルまたはL’−置換されたC6〜C12アリールのいずれかであり、
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有すること、R4’が、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’’は、Hであること、かつR4’’が、COR4’’’もしくはCOOR4’’’のいずれかである場合、R4’は、Hであることを条件とする、または、
前記グリコシル化阻害剤は、式IVi、IVj、IVk、IVl、もしくはIVmのいずれか1つによって表される3−デオキシ−3−フルオロシアル酸であり、
L’は、Lとの結合であり、
Z1は、H、CH3、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリールおよび置換されたC6〜C12アリールから選択され、
R4’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリール、COR4’’’’、COOR4’’’’、COCH3、COCH2OH、COCF3、COCH2Cl、COCH2OCOCH3、COCH2N3、COCH2CH2CCH、COOCH2CCH、COOCH2CHCH2、COOCH3、COOCH2CH3、COOCH2CH(CH3)2、COOC(CH3)3、COO−ベンジル、COOCH2−1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、COO(CH2)3CH3、COO(CH2)2OCH3、COOCH2CCl3およびCOO(CH2)2F、(ベンジル=CH2C6H5)から選択され、
R4’’’’は、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、および置換されたC6〜C12アリールから選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - 前記グリコシル化阻害剤が、式Aによって表され、
Wは、CH2、NH、OまたはSであり、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、S、O、C、CHおよびNから選択され、
但し、X1およびX3の一方または両方が、OまたはSのいずれかである場合、X2は、非存在、X1とX2との間の結合、またはCHのいずれかであることを条件とし、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
X5は、非存在、OH、OZ、O、CH2、C1〜C12アルキル、または置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスフェート類似体、ボロノホスフェート、ボロノホスフェートエステル、チオホスフェート、チオホスフェートエステル、ハロホスフェート、ハロホスフェートエステル、バナデート、ホスホネート、ホスホネートエステル、チオホスホネート、チオホスホネートエステル、ハロホスホネート、ハロホスホネートエステル、メチルホスホネート、メチルホスホネートエステルまたはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
環炭素とX3、X2とX3、X1とX2、および環炭素とX1との間の結合のそれぞれは、独立して、単結合もしくは二重結合または非存在のいずれかであり、
但し、X2とX3との間の前記結合、およびX1とX2との間の前記結合の両方が非存在の場合、X2およびZ2の両方も非存在であることを条件とし、かつ
前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - 前記グリコシル化阻害剤が、式Aa、Ab、AcまたはAdのいずれか1つによって表され、
X1は、S、O、CH2、およびNHから選択され、
X3は、CHおよびNから選択され、
Z2は、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R3およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、ホスフェート、ホスフェートエステル、ホスフェート類似体、チオホスフェート、チオホスフェートエステル、ハロホスフェート、ハロホスフェートエステル、バナデート、ホスホネート、ホスホネートエステル、チオホスホネート、チオホスホネートエステル、ハロホスホネート、ハロホスホネートエステル、メチルホスホネート、メチルホスホネートエステルまたはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - 前記グリコシル化阻害剤が、式Bによって表され、
Wは、CH、N、OまたはSであり、
X1、X2およびX3は、それぞれ独立して、S、O、CHおよびNから選択され、
但し、X1およびX3の一方または両方が、OまたはSのいずれかである場合、X2は、非存在、X1とX3との間の結合、CまたはCHのいずれかであることを条件とし、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、もしくはL’から選択されるのいずれかであり、
X5は、非存在、OH、OZ、O、CH2、C1〜C12アルキル、または置換されたC1〜C12アルキルであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、またはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
WとX3、X2とX3、X1とX2、および環炭素とX1との間の結合のそれぞれは、独立して、単結合もしくは二重結合または非存在のいずれかであり、
但し、X2とX3との間の前記結合、およびX1とX2との間の前記結合の両方が非存在の場合、X2およびZ2の両方も非存在であることを条件とし、かつ
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - 前記グリコシル化阻害剤が、式Ba、Bb、Bc、Bd、Be、Bf、BgまたはBhのいずれか1つによって表され、
X1は、S、O、CH2、およびNHから選択され、
X3は、H、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C1〜C12アシル、置換されたC1〜C12アシル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールまたはL’から選択され、
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、=O、(=O)2、C1〜C12アルキル、置換されたC1〜C12アルキル、C6〜C12アリール、置換されたC6〜C12アリールもしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、非存在である、またはH、OH、OZ、もしくはL’から選択されるのいずれかであり、
R6は、非存在、H、OH、OZ、またはL’であり、
L’は、Lとの結合であり、
各Zは、独立して、COCH3、C1〜C12アシルおよび置換されたC1〜C12アシルから選択され、
但し、前記グリコシル化阻害剤が、1つ以下のL’を含有することを条件とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - 前記リンカーユニットは、前記コンジュゲートが前記腫瘍に送達された後、および/または前記標的細胞または標的分子に結合した後に、前記グリコシル化阻害剤を放出するように構成される、請求項1〜13のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記標的化ユニットが、腫瘍細胞標的化抗体、がん標的化抗体および/もしくは免疫細胞標的化抗体などの抗体、ペプチド、アプタマー、またはグリカンを含むか、または、これらである、請求項1〜14のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- 前記標的化ユニットが、ベバシズマブ、トシツモマブ、エタネルセプト、トラスツズマブ、アダリムマブ、アレムツズマブ、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、エファリズマブ、リツキシマブ、インフリキシマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、パリビズマブ、オマリズマブ、ダクリズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、エプラツズマブ、2G12、リンツズマブ、ニモツズマブ、およびイブリツモマブチウキセタンの群から選択されるがん標的化抗体、もしくは抗EGFR1抗体、上皮増殖因子受容体2(HER2/neu)抗体、抗CD22抗体、抗CD30抗体、抗CD33抗体、抗ルイスy抗体、抗CD20抗体、抗CD3抗体、抗PSMA抗体、抗TROP2抗体および抗AXL抗体の群から選択される抗体、を含むかもしくはこれらである、または
前記標的化ユニットが、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、イピリムマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、BMS−986016、LAG525、MBG453、OMP−31M32、JNJ−61610588、エノブリツズマブ(enoblituzumab)(MGA271)、MGD009、8H9、MEDI9447、M7824、メテリムマブ(metelimumab)、フレソリムマブ(fresolimumab)、IMC−TR1(LY3022859)、レルデリムマブ(lerdelimumab)(CAT−152)、LY2382770、リリルマブ(lirilumab)、IPH4102、9B12、MOXR0916、PF−04518600(PF−8600)、MEDI6383、MEDI0562、MEDI6469、INCAGN01949、GSK3174998、TRX−518、BMS−986156、AMG228、MEDI1873、MK−4166、INCAGN01876、GWN323、JTX−2011、GSK3359609、MEDI−570、ウトミルマブ(utomilumab)(PF−05082566)、ウレルマブ(urelumab)、ARGX−110、BMS−936561(MDX−1203)、バリルマブ(varlilumab)、CP−870893、APX005M、ADC−1013、ルカツムマブ(lucatumumab)、Chi Lob 7/4、ダセツズマブ、SEA−CD40、RO7009789、MEDI9197の群から選択される免疫受容体標的化抗体を含むか、もしくはこれらである、または
前記標的化ユニットが、免疫チェックポイント阻害剤、抗免疫チェックポイント分子、抗PD−1、抗PD−L1抗体、抗CTLA−4抗体、がん標的化分子、または免疫チェックポイント分子に結合することができる標的化ユニットであって、前記免疫チェックポイント分子は、リンパ球活性化遺伝子−3(LAG−3、CD223)、T細胞免疫グロブリン−3(TIM−3)、ポリ−N−アセチルラクトサミン、T(トムゼン−フリーデンライヒ抗原)、グロボH、ルイスc(タイプ1 N−アセチルラクトサミン)、ガレクチン−1、ガレクチン−2、ガレクチン−3、ガレクチン−4、ガレクチン−5、ガレクチン−6、ガレクチン−7、ガレクチン−8、ガレクチン−9、ガレクチン−10、ガレクチン−11、ガレクチン−12、ガレクチン−13、ガレクチン−14、ガレクチン−15、シグレック−1、シグレック−2、シグレック−3、シグレック−4、シグレック−5、シグレック−6、シグレック−7、シグレック−8、シグレック−9、シグレック−10、シグレック−11、シグレック−12、シグレック−13、シグレック−14、シグレック−15、シグレック−16、シグレック−17、ホスファチジルセリン、CEACAM−1、T細胞免疫グロブリンおよびITIMドメイン(TIGIT)、CD155(ポリオウイルス受容体−PVR)、CD112(PVRL2、ネクチン−2)、T細胞活性化のVドメインIgサプレッサー(VISTA、プログラム死−1ホモログ、PD−1Hとしても知られる)、B7ホモログ3(B7−H3、CD276)、アデノシンA2a受容体(A2aR)、CD73、BおよびT細胞リンパ球アテニュエータ(BTLA、CD272)、ヘルペスウイルス侵入メディエータ(HVEM)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)−β、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR、CD158)、KIR2DL1/2L3、KIR3DL2、ホスホイノシチド3−キナーゼガンマ(PI3Kγ)、CD47、OX40(CD134)、グルココルチコイド誘導性TNF受容体ファミリー関連タンパク質(GITR)、GITRL、誘導性共刺激因子(ICOS)、4−1BB(CD137)、CD27、CD70、CD40、CD154、インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)、トール様受容体(TLR)、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、インターロイキン12(IL−12)、IL−2、IL−2R、CD122(IL−2Rβ)、CD132(Υc)、CD25(IL−2Rα)、およびアルギナーゼの群から選択される分子を含むか、またはこれらである、請求項1〜16のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - nが、1〜約20、もしくは1〜約15、もしくは1〜約10、もしくは2〜10、もしくは2〜6、もしくは2〜5、もしくは2〜4、もしくは3〜約20、もしくは3〜約15、もしくは3〜約10、もしくは3〜約9、もしくは3〜約8、もしくは3〜約7、もしくは3〜約6、もしくは3〜5、もしくは3〜4、もしくは4〜約20、もしくは4〜約15、もしくは4〜約10、もしくは4〜約9、もしくは4〜約8、もしくは4〜約7、もしくは4〜約6、もしくは4〜5の範囲;または約7〜9の範囲であるか;または約8、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20であるか;または、1〜約1000、もしくは1〜約2000、もしくは1〜約400、もしくは1〜約200、もしくは1〜約100の範囲;または100〜約1000、もしくは200〜約1000、もしくは400〜約1000、もしくは600〜約1000、もしくは800〜約1000の範囲;100〜約800、もしくは200〜約600、もしくは300〜約500の範囲;または20〜約200、もしくは30〜約150、もしくは40〜約120、もしくは60〜約100の範囲;8より大きい、16より大きい、20より大きい、40より大きい、60より大きい、80より大きい、100より大きい、120より大きい、150より大きい、200より大きい、300より大きい、400より大きい、500より大きい、600より大きい、800より大きい、もしくは1000より大きいか;またはnは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、63、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000である、もしくは2000より大きい、請求項3〜17のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
- Lが、式IXによって表され、
−R7−L1−Sp−L2−R8−
式IX
式中、
R7は、前記グリコシル化阻害剤と共有結合している基であり、
L1は、スペーサーユニットであるか、または非存在であり、
Spは、特異性ユニットであるか、または非存在であり、
L2は、前記標的化ユニットと共有結合しているストレッチャーユニットであるか、または非存在であり、
R8は、非存在であるか、または前記標的化ユニットと共有結合している基である、請求項3〜18のいずれか一項に記載のコンジュゲート。 - R7が、
−C(=O)NH−、
−C(=O)O−、
−NHC(=O)−、
−OC(=O)−、
−OC(=O)O−、
−NHC(=O)O−、
−OC(=O)NH−、
−NHC(=O)NH、
−NH−、
−O−、および
−S−から選択される、請求項19に記載のコンジュゲート。 - 請求項1〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲートを含む、医薬組成物。
- 薬剤として使用するための、腫瘍細胞の増殖の調節もしくは予防に使用するための、またはがんの治療に使用するための、請求項1〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲート、または請求項1〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲートを含む医薬組成物。
- 前記がんが、白血病、リンパ腫、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、結腸直腸がん、胃がん、扁平上皮がん、小細胞肺がん、頭頸部がん、多剤耐性がん、神経膠腫、黒色腫、および精巣がんの群から選択される、請求項22に記載のコンジュゲートまたは医薬組成物。
- 前記グリコシル化阻害剤を前記標的化ユニットにコンジュゲートすることを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載のコンジュゲートを調製するための方法。
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