JP2021527411A - 進化したプロテアーゼとプロテアーゼ切断部位の選択システム - Google Patents

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Abstract

本発明は、以下の構造:N−PCSY−degSigN−M−PCSX−degSigC−C;{式中、Nは、N末端を表し;PCSYとPCSXはそれぞれ、プロテアーゼ切断部位(PCS)を表すが、それは、少なくとも1つのアミノ酸残基が互いに異なり;degSigNは、分解シグナルを表すが、それは、PCSYがプロテアーゼによって、degSigNの第一アミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように切断される場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;Mは、細胞質選択マーカーを表し;degSigCは、第二の分解シグナルを表すが、それは、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;およびCは、C末端を表す}を含む融合タンパク質に関する。前記融合タンパク質をコードする核酸配列を含めた核酸構築物、多様化された形態で複数の斯かる核酸発現構築物を含めた、核酸発現構築物ライブラリ、ならびに融合タンパク質およびそれをコードする核酸構築物を使用する方法が更に提供される。最後に、本発明は、本開示の方法によって同定された、および野生型bdSUMOおよび野生型bdSENP1と共に現在使用されている既存の直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位対を上回る改善された特性を示すbdSUMOおよびbdSENP1の突然変異体を提供する。

Description

本発明の分野
本開示は、分子生物学の分野に関する。より具体的には、本開示は、直交性のプロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位を開発するために使用され得る融合タンパク質、前記融合タンパク質を使用する方法、ならびにbdSUMOの変異プロテアーゼ切断部位およびbdSENP1の変異プロテアーゼを提供する。
本発明の背景
組み換えタンパク質の発現と精製は、現代の生化学および構造生物学、ならびに実用用途のためタンパク質およびタンパク質複合体の製造の基本である。
最も利用されるタンパク質発現系は、細菌E.コリであり、なぜなら、遺伝操作の容易性、生体生産の低価格、および速い成長動態のためである。しかしながら、E.コリは、典型的な真核性翻訳後修飾を導入できないため、多くの場合、適切に真核性タンパク質を折り畳むこともできない。その結果、真核宿主における発現は代替手段である。
アフィニティータグは、組み換えタンパク質の精製をかなり容易にする。例えば、ポリヒスチジンタグ付与されたタンパク質は、標準的な様式で、すなわち、Ni(II)キレートマトリックスに結合させ、夾雑物を洗い落とし、そして、イミダゾールによる脱離によって精製できる。
マルトース結合タンパク質(MBP)、チオレドキシン(TRX)、またはNusAは、タグ、すなわち、特に、E.コリが発現宿主として使用される場合、融合標的タンパク質の発現、溶解性および良好な折り畳みのレベルを高めるものの別のカテゴリを例示する。
タグは、標的タンパク質の機能または意図された適用を妨げる可能性がある。そのため、多くの場合、標的タンパク質からそれらを取り除くことが望まれる。タグ除去は典型的に、(I)N末端タグ(または(複数の)タグ)、介在するプロテアーゼ切断部位(PCS)および最適なタンパク質のモジュール形融合;(II)適切なPCS特異的プロテアーゼによる精製した融合タンパク質の処理、そして(III)切断タグおよびプロテアーゼからの標的タンパク質の分離によって実施される。
「親和性捕獲とタンパク分解性放出ストラテジー」とは、アフィニティークロマトグラフィーの特に効果的な実施である。タグ−PCS−標的タンパク質融合物は、タグを通してアフィニティーマトリックスに結合される。しかしながら、溶出は、マトリックスからタグをはずすことによって達成されるのではなく、PCSモジュールの切断によって達成される。この手順は、アフィニティーマトリックスの特異性をプロテアーゼの特異性と組み合わせるので、そのため、アフィニティークロマトグラフィー単独よりはるかに純粋なタンパク質製剤をもたらす。更に、それは、分離タグの切断とタグ除去の必要性を排除することによって、ワークフローの時間節約と簡素化をもたらす。
このストラテジーの拡張は、所定のタンパク質複合体内の数個のサブユニットの存在を選択することを可能にさえする。これには、2以上のサブユニットが異なった(かつ、非交差反応)アフィニティータグを備え、かつ、異なったPCSを備え、そして、親和性捕獲とタンパク分解性放出から成るラウンド2回以上が連続して実施される必要がある(Frey & Gorlich 2014b)。更に、それは、使用されるプロテアーゼがそれらの特異性において直交性であること、すなわち、各プロテアーゼは「その」PCSのみを切断し、そして、他のものを完全なままにしておく必要がある。
あるタイプのタグ切断プロテアーゼは、PCS(例としては:トロンビン、第Xa因子、エンテロキナーゼ、ヒトライノウイルス3Cプロテアーゼ、またはTEVプロテアーゼである)として短い線状ペプチドを認識する。しかしながら、これらは、以下の問題:乏しい特異性が標的タンパク質の分解にもつながる、乏しい基質代謝回転、低温(4℃)における乏しい活性、標的タンパク質上の望ましくない残基の維持、またはそのプロテアーゼの困難な製造(Yan et al. 2009において概説された)のうちの1つまたは複数を抱えている。
PCSとしてSUMO、NEDD8またはAtg4などのユビキチン様修飾因子(Ubl)を認識するプロテアーゼが、これらの困難を克服する(Malakhov et al. 2004; Frey & Gorlich 2015; Frey & Gorlich 2014a)。それらは、同族のUblの3D折り畳みを認識し、かつ、Gly−Glyモチーフ(Atg8の場合におけるPhe−GlyまたはTyr−Gly)の後ろで切断し、P1’位にてすべてのアミノ酸(Proを除く)を受け入れ、そして、それらは、最小0℃の温度でさえ驚異的な基質代謝回転を示す(Frey & Gorlich 2014a)。これまでに使用されたUbl−プロテアーゼとしては:S.セレビシエ(S. cerevisiae)Ulp1(SENP1とも呼ばれ、SUMO融合を切断する)、ミナトカモジグサ(Brachypodium distachyon)bdSENP1(同様にSUMO融合を切断する)、ミナトカモジグサまたは大西洋サケ(Salmon salar)NEDP1(NEDD8融合を切断する)、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)Atg4B(Atg8融合を切断する)が挙げられる。
PCSとしてのUblの使用の更なる利点は、(MBP、NusAまたはチオレドキシンのように)強い発現と折り畳み促進効果を有するということである。しかしながら、それらは、内因性Ubl−プロテアーゼが成熟前のタグ切断を引き起こすので、真核性発現系で使用されない。これまで、この問題を解決するには1つの試み、すなわち、SUMOstarシステム(Patent US2012/0065106A1)しかなかった。SUMOstarは、酵母SUMO(scSUMO)に由来し、かつ、Ulp1結合界面を破壊する突然変異であるR64TとR17Eを担持するが、それに対して、SUMOstarプロテアーゼは、野性型酵母Ulp1プロテアーゼのD451S、T452GおよびE455S突然変異バージョンである。SUMOstarプロテアーゼは、野性型がscSUMOならびにSUMOstar融合物を同等な効率で切断する。これにより、それは親プロテアーゼに対して直交性ではない。
本願発明の目的は、増強された、かつ、新規な特異性に対して、および、特に基準対への直交性に対して、プロテアーゼ/PCS対が進化するような一般的なインビトロ選択システムを作製することであった。更なる目的は、任意の真核細胞系において安定した融合タグとして使用でき、かつ、酵母、植物、ヒト、両生類、および昆虫からのSUMO特異的プロテアーゼの切断、ならびにSUMOstarプロテアーゼによる切断に関して抵抗性である、SUMO突然変異体を進化させることであった。最終的な目的は、(I)(単数もしくは複数の)新しいbdSUMO突然変異体を効率的に切断するが、野性型scSUMO、ヒトSUMO(すなわち、hsSUMO2)またはSUMOstar融合体を切断しないおよび(II)原核性または真核性宿主において発現されるときに、毒性を引き起こさない、変異bdSENP1プロテアーゼを進化させることである。
本開示は、新規特異性に対して進化したプロテアーゼとプロテアーゼ切断モジュールの選択システムに関する。我々は、新規プロテアーゼ切断モジュールとしてのSUMOタンパク質突然変異体(bdSUMOMut1)を記載し、そしてそれは、先に記載したSUMOプロテアーゼによる切断に対して高度に抵抗性であり、これにより、真核性宿主におけるbdSUMOMut1融合タンパク質の安定発現を可能にする。我々は、SUMOプロテアーゼ突然変異体(bdSENP1MutB)を更に記載し、そしてそれは、SUMOstarと野性型SUMO融合タンパク質を完全なまま残すが、bdSUMOMut1融合タンパク質を効率的に切断し、これにより、タグ除去、ならびに「親和性捕獲とタンパク分解性放出ストラテジー」によるタンパク質精製を可能にする。bdSUMOMut1とbdSENP1MutBの両方が我々の新規SUMOveraシステムの一部であり、そしてそれは、以下の項を通じて詳細に記載される。加えて、bdSUMO突然変異体8、10、11、12、13、14、15、ならびにbdSENP1突然変異体G、H、i、J、およびKが、上記システムの選択肢部分として記載される。
主張する態様の概要
より一般的な表現では、本発明は、以下の構造:
N−PCSY−degSigN−M−PCSX−degSigC−C;
{式中、
Nは、N末端を表し;
PCSYとPCSXはそれぞれ、プロテアーゼ切断部位(PCS)を表すが、それは少なくとも1つのアミノ酸残基が互いに異なり;
degSigNは、分解シグナルを表すが、それは、degSigNの第一残基が残った融合の新しいN末端になるようにPCSYがプロテアーゼによって切断される場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;
Mは、細胞質選択マーカーを表し;
degSigCは、第二の分解シグナルを表すが、それは、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;および
Cは、C末端を表す}を含む融合タンパク質に関する。
本開示の融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸構築物が更に提供される。
本開示の複数の多様化された核酸発現構築物を含む核酸発現構築物ライブラリもまた提供され、ここで、融合タンパク質のPCSYをコードする核酸は、コードされるPCSYにおいて、少なくとも1つのアミノ酸位置が多様化するような多様性を含む。
そのうえ、本開示は、複数の宿主細胞を提供し、ここで、複数の宿主細胞の各メンバーは、本開示の核酸発現構築物(それは、多様化していない)または本開示による複数の多様化した核酸発現構築物のメンバーを含み、ここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し、およびPCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進する。実施形態では、宿主細胞は、着目のプロテアーゼと核酸発現構築物によってコードされる融合タンパク質を同時に発現することができ、ここで、前記着目のプロテアーゼはPCSXを切断することができる。
あるいは、宿主細胞は、本開示による第一の多様化されていない核酸発現構築物を含んでもよく、そして、前記複数の宿主細胞のうちの各メンバーは、着目の多様化されたプロテアーゼをコードする複数の第二の発現構築物のメンバーを含み、ここで、該宿主細胞は、前記第一の発現構築物によってコードされる融合タンパク質と一緒に、着目の前記の多様化されたプロテアーゼを同時に、発現することができ、ここで、前記複数の第二の発現構築物は、第一の発現構築物の融合タンパク質のPCSYを切断することができるプロテアーゼに由来するので、それにより、複数の第二の発現構築物は、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置に多様性を含む。
更に、本開示は(a)第一のプロテアーゼ切断部位PCSYが、着目のプロテアーゼによって切断されないかどうか、および(b)第二のプロテアーゼ切断部位PCSXが、前記着目のプロテアーゼによって切断されるかどうか同時に試験する方法であって、以下のステップ:
(i)本開示による第一の(多様化されていない)核酸構築物と、着目のプロテアーゼの発現のための第二の発現構築物を含む宿主細胞を準備し;ここで、該宿主細胞は、該融合タンパク質と前記着目のプロテアーゼとを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して該融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して該融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と該着目のプロテアーゼとが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の宿主細胞を、該第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒すこと;
を含み、
ここで、ステップ(iii)で適用された選択条件の存在下での宿主細胞の成長は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYが前記着目のプロテアーゼによって切断されないで、かつ、前記第二のプロテアーゼ切断部位PCSXが前記第二の核酸発現構築物の前記着目のプロテアーゼによって切断されることを示し;好ましくは、ここで、該選択マーカーは該宿主細胞に抗生物質耐性を与える、方法を提供する。
加えて、本開示は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体PCSY(ここで、PCSYは、着目のプロテアーゼによって切断されない)を同定する方法であって、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、本開示による複数の第一の核酸構築物のメンバー(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXの多様化された変異体PCSYをコードする)と、着目のプロテアーゼの発現のための第二の発現構築物とを含み、ここで、前記着目のプロテアーゼは、PCSXを切断することができ、それによって、複数の宿主細胞が、第一の核酸構築物によってコードされるタンパク質と前記着目のプロテアーゼとを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と該着目のプロテアーゼが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該複数の第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、および同定された宿主細胞の第一の核酸構築物のPCSYの配列を同定すること、ここで、PCSYは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体であり、およびここで、PCSYは、第二の発現構築物の前記着目のプロテアーゼによって切断されない、
を含む方法を提供する。
本開示は、(第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができるが、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができない)プロテアーゼ変異体を同定する方法であって、ここで、前記プロテアーゼ変異体は第一のプロテアーゼ(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができるが、プロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができない)由来であり、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、各メンバーは、本開示による多様化されていない第一の核酸発現構築物(そこで、PCSXは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体であり)を含み、ここで、PCSYは、着目の第一のプロテアーゼによって切断され、かつ、PCSXは、前記第一のプロテアーゼによって切断されず;およびここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、前記第一のプロテアーゼのプロテアーゼ変異体を発現する複数の第二の発現構築物のメンバーを更に含み、ここで、前記複数の第二の核酸発現構築物は、前記第一のPCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置における多様性を含み、それにより、複数の宿主細胞が、融合タンパク質と前記着目のプロテアーゼを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と着目のプロテアーゼとが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該第一の核酸発現構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;そして
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、および同定された宿主細胞の第二の核酸構築物によってコードされるプロテアーゼ変異体の配列を同定すること、ここで、前記プロテアーゼ変異体は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができるが、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができない、
を含む方法に更に関連する。
先に記載した方法の組み合わせは、直交性プロテアーゼ(P)/プロテアーゼ切断部位(PCS)システムを調製する方法であって、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、本開示による複数の第一の核酸構築物のメンバー(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXの多様化された変異体PCSYをコードする)と、着目の第一のプロテアーゼPXの発現のための第二の発現構築物(それは、PCSXを切断することができ、それにより、複数の宿主細胞が、融合タンパク質と前記着目の第一のプロテアーゼとを同時に発現することができる)とを含み、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と第一のプロテアーゼPXが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該複数の第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、およびPCS#を同定し、ここで、PCS#は、同定された宿主細胞の第一の核酸構築物からのPCSYの配列であり、ここで、PCS#は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体であり、およびここで、PCS#は、前記第一のプロテアーゼPXによって切断されない一方で、PCSXは、PXによって切断され;
(v)第二の複数の宿主細胞を調製し、そしてその各メンバーは、以下の構造:
N−PCS*−degSigN−M−PCS#−degSigC−C;
{式中、Nは、N末端を表し、PCS#は、ステップ(iv)で同定されたPCSYの配列であり、PCS*は、第二のプロテアーゼ切断部位(それは、PCSXと同一であっても、もしくは同一でなくてもよく、かつ、それは、少なくとも1つのアミノ酸残基でPCS#と異なる)であり、degSigNは、分解シグナル(それは、degSigNの第一の残基が残った融合の新しいN末端になるように、PCS*がプロテアーゼによって切断される場合、宿主細胞における融合タンパク質の分解を促進する)を表し、Mは、細胞質選択マーカーを表し、およびdegSigCは、第二の分解シグナル(それは、PCS#がプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進する)を表し、ならびにCは、C末端を表す}を含む多様化されていない融合タンパク質をコードする、第三の核酸発現構築物を含み;
かつ、ここで、前記第二の複数の宿主細胞の各メンバーは、プロテアーゼP*のプロテアーゼ変異体を発現する複数の第四の発現構築物のメンバーを更に含み、ここで、前記プロテアーゼP*は、degSigNの第一の残基が残った融合の新しいN末端になるように、PCS*を切断することができ、ここで、前記複数の第四の核酸発現構築物は、前記第一のプロテアーゼ切断部位PCS*と相互作用する前記プロテアーゼP*のプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置における多様性を更に含み、それにより、複数の宿主細胞が、多様化されていない融合タンパク質と前記プロテアーゼ変異体を同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSXがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCS#がプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(vi)該融合タンパク質とプロテアーゼPXの変異体が同時に発現されるような条件下、ステップ(v)の複数の宿主細胞を培養し;
(vii)ステップ(vi)の複数の宿主細胞を、該第三の核酸発現構築物によってコードされた融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;そして
(viii)(ステップ(vii)で陽性として選択された)細胞を同定し、およびP#を同定し、ここで、P#は、同定された宿主細胞の第四の核酸構築物によってコードされるプロテアーゼP*のプロテアーゼ変異体の配列であり、そしてそのプロテアーゼ変異体P#は、プロテアーゼ切断部位変異体PCS#を切断することができ、そしてそれは、第一の切断部位PCS*を切断することができず;
その結果、第一のPCS*と第一のプロテアーゼP*、および変異PCS#と変異プロテアーゼP#から成る直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位システムを得ること、
を含む方法を提供する。
本開示はまた、bdSUMOおよびbdSENP1の変異体を提供し、そしてそれは、本開示の方法によって同定され、かつ、それは、直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位対を上書きする改善された特性を示し、そしてそれは、野生型bdSUMOおよび野生型bdSENP1と共に現在使用される。具体的に言うと、本開示は、変異SUMOプロテアーゼ切断部位(PCS)を提供し、ここで、前記変異SUMOのPCSはC末端Gly−Glyを含み、かつ、21℃にて1時間のインキュベーション、45mMのTris/HCl pH7.5、250mM NaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTTから成るバッファー中に100μMのPCS−MBP融合物の初期濃度から成る標準的な条件下で同じ濃度にて試験されたとき、配列番号71のアミノ酸配列を有するMBPのN末端に融合されると、配列番号7(scUlp1)または配列番号8(hsSENP2)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼによる切断と比較して、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼによって、C末端Gly−Glyの後でより効率的に切断され;任意選択で、ここで、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼは、上記の標準的な条件にて、少なくとも500倍モル過剰の前記SUMO PCS−MBP融合物を切断する。
同様に、本開示は変異プロテアーゼを提供し、ここで、前記変異プロテアーゼは、21℃にて1時間のインキュベーション、45mMのTris/HCl pH7.5、250mM NaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTTから成るバッファー中に100μMのPCS−MBP融合物の初期濃度から成る標準的な条件下で同じ濃度にて試験されるとき、配列番号71のアミノ酸配列を有するMBPのN末端に融合されると、配列番号71のN末端に融合された配列番号4(scSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位または配列番号71のN末端に融合された配列番号3(hsSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位に比べて、C末端Gly−Glyの後でより効率的に、配列番号41(Mut1 bdSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位(PCS)を切断し;任意選択で、ここで、前記変異プロテアーゼは、上記の標準的な条件にて、少なくとも500倍モル過剰のMut1 bdSUMO−MBP融合物を切断する。
最後に、本開示はまた、着目のタンパク質を精製するプロセスであって、以下のステップ:
(i)精製されるべき着目のタンパク質を準備し、ここで、前記タンパク質は、本開示による変異プロテアーゼ切断部位を介して前記タンパク質に融合されたアフィニティータグを含み;
(ii)前記アフィニティータグを介して、ステップ(i)のタンパク質をアフィニティーマトリックスに結合させ;そして
(iii)本開示の変異プロテアーゼを使用して該アフィニティーマトリックスから該タンパク質を溶出させ;それによって、タンパク質を精製すること、
を含むプロセスを提供する。
好ましい実施形態の詳細な説明
直交特異性を有する新しいタンパク質切断部位とプロテアーゼを選択するためのインビボにおけるシステム
本願発明の第一の部分は、基準SUMO−プロテアーゼ/基質対と比較した場合に、SUMO特異的プロテアーゼ/SUMOタンパク質対を直交特異性に進化させるためのE.コリにおけるインビボ選択システムを作製することであった。このシステムは、あるSUMO変異体「X」の切断「のため」のもの、および別のSUMO変異体「Y」の切断「に抵抗する」ものを同時に選択できる。そのために、我々は、ssrA分解シグナル(Keiler 2008; Himeno et al. 2014に概説)、N末端則デグロン(DegronNER)(Bachmair et al. 1986)、およびハイグロマイシンBの存在下でE.コリ細胞が生き残れるようにするハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ(HygB)(Rao et al. 1983)を使用した。選択の間、HygBは、SUMOY−DegronNER−HygB−SUMOX−ssrA融合タンパク質と表される(図1)。
ssrAシグナルは、HygBの急速な分解を引き起こす小分子ペプチド(AADENYALAA;配列番号2)であり、同時発現されたSUMO特異的プロテアーゼがSUMOXを切断することがなく、これにより、融合タンパク質からssrAシグナルを切り離す。「DegronNER」は、融合状態でもサイレントのままである強力なN末端則分解シグナル(FLFVQ;配列番号1)(Wang et al. 2008)であるが、SUMOYが同時発現されたSUMO特異的プロテアーゼによって切断された場合、活性化される。よって、HygBは、安定しているだけなので、同時発現されたSUMO特異的プロテアーゼがSUMOXを切断するが、SUMOYを切断しない場合、細胞は、それによって、ハイグロマイシンB耐性を獲得する(図1)。
該システムの機能性は、ミナトカモジグサからのSUMOタンパク質(bdSUMO)とその特異的プロテアーゼ(bdSENP1)を使用して実証された(Frey & Gorlich 2014a)。具体的には、選択システムは、E.コリにおいて、一連の様々な構成的に発現されるbdSUMOvariant−DegronNER−HygB−bdSUMO−ssrA融合タンパク質と、IPTG誘導性bdSENP1を同時発現することによって試験された(図2)。選択の目的が、非常に効率的にSUMOXを切断するプロテアーゼ変異体を得て、そしてこれにより、ただでさえ非常に低いプロテアーゼ濃度にてC末端デグロンを取り除くことなので、非常に弱いリボソーム結合部位(RBS)が融合タンパク質の翻訳を開始するのに使用される。この弱いRBSは、RNA配列AAAACAAGUUAUCCAUG(開始コドンであるAUGを有する)を有するので、強いRBSより50倍少ないタンパク質を産生する。次に、細胞が、適切な量のハイグロマイシンBとIPTGを含有する培地中での生存について試験された。切断不可能なSUMO変異体の陽性対照として、我々はbdSUMO*を使用し、そこでは、P1残基がプロテアーゼ遮断突然変異を担持していた(Kuwata & Nakamura 2008)。実際に、細胞は、両方のタンパク質分解シグナルが不活性に保たれたときだけ、すなわち、C末端bdSUMOのbdSENP1媒介性切断とN末端bdSUMO*のヌル認識によって、ハイグロマイシンB含有培地中で生き残った(図2−B)。これらの実験は、我々の設計したインビボシステムが、直交基質特異性を有するSUMO特異的プロテアーゼの選択のために機能的であり、かつ、適切であったことを明確に示した。
より一般的に言えば、本開示は、以下の構造:
N−PCSY−degSigN−M−PCSX−degSigC−C;
{式中、
Nは、N末端を表し;
PCSYとPCSXはそれぞれ、プロテアーゼ切断部位(PCS)を表すが、それは少なくとも1つのアミノ酸残基が互いに異なり;
degSigNは、分解シグナルを表すが、それは、degSigNの第一のアミノ酸が残った融合の新しいN末端になるようにPCSYがプロテアーゼによって切断される場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;
Mは、細胞質選択マーカーを表し;
degSigCは、第二の分解シグナルを表すが、それは、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;および
Cは、C末端を表す}を有する融合タンパク質を提供する。
本明細書で使用される場合、「選択マーカー」という用語は、細胞質タンパク質をコードする遺伝子を意味することを意図するが、それは、好適な宿主細胞への導入時に、(選択条件下で宿主細胞を晒したとき、陽性選択に使用できる)前記宿主細胞に形質を与える。好適な宿主は、使用した両方の分解シグナルを認識し、かつ、アッセイを妨げる内因性PCS特異的プロテアーゼを含有しない種/属であり、一例がエッシェリシア・コリ(Escherichia coli)Top10F’である。選択マーカーは遺伝子であってもよく、そしてそれは、原栄養性を栄養要求変異株に与えるか、または前記選択マーカーの不存在下、外的刺激に晒されたときに、宿主細胞が成長しないような、外的な化学的または物理的刺激に対する耐性を与える。好ましい実施形態では、Mは、抗生物質選択剤に対する耐性を提供する細胞質選択マーカーである。斯かるマーカーは、それが栄養要求性菌株を必要とすることがなく、選択のストリンジェンシーが低濃度もしくは高濃度の抗生物質を適用することによって滴定されるので、栄養要求性マーカーと比較して好まれる。斯かる抗生物質耐性マーカーは、当該技術分野で周知されており、原核宿主細胞においてプラスミドを安定して維持するために使用される。好適なマーカーとしては、毒性抗生物質を不活化するか、または別の形で迂回する細胞質タンパク質が挙げられる。例は、以下の表に示される。
Figure 2021527411
他の選択マーカー同様に動作する可能性はあるが、ただし、それらは、選択された宿主において機能するならば、それらは両端への融合を許容し、かつ、細胞質タンパク質分解に対して影響を受けやすくなり得る。本明細書で例示されるように、degSigNがアミノ酸配列FLFVQ(DegronNER;配列番号1)を含んでも、および/またはdegSigCがアミノ酸配列AADENYALAA(ssrA;配列番号2)を含んでもよい。好ましい実施形態では、degSigNはFLFVQ(DegronNER;配列番号1)であり、かつ、degSigCはAADENYALAA(ssrA;配列番号2)である。
通常、本発明のタンパク質は、直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位対、および変異体を開発および同定するために有利に使用できる。真核性の直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位対および変異体、特に直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位対および変異体(それは、哺乳動物細胞において有利に適用できる)が、本明細書で特に着目される。一般に、任意の2つのPCSが、本開示の融合タンパク質を使用して、それらの直交性について試験され得る。原則として、2つのPCSが特に互いに関連しているか、またはbdSUMOに関連している必要はない。しかしながら、特定の実施形態では、PCSYおよび/またはPCSXは、配列番号3に示されたbdSUMOプロテアーゼ切断部位、bdSUMOのパラログもしくはオルソログ、または配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して少なくとも80%の配列同一性を有するbdSUMOの機能的に同等な変異体から選択される。したがって、PCSYまたはPCSXの一方が、配列番号3に示されたbdSUMOプロテアーゼ切断部位であってもよい。他の実施形態では、PCSYおよび/またはPCSXは、bdSUMOのパラログもしくはオルソログであってもよい。斯かるパラログもしくはオルソログの例としては、NEDD8、Atg4、またはユビキチン自体などのユビキチン関連タンパク質が挙げられる。パラログもしくはオルソログの他の例としては、酵母種や動物種を含めた他の種由来の、例えば哺乳動物種由来のSUMOタンパク質が挙げられる。ある特定の実施形態では、前記SUMOパラログもしくはオルソログは、配列番号4(scSUMO)に示されたアミノ酸配列を有するサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来である。別の特定の実施形態では、前記SUMOパラログもしくはオルソログは、配列番号5に示されたアミノ酸配列(hsSUMO2)を有するヒト(Homo sapiens)由来である。例に示されているとおり、scSUMOまたはhsSUMO2は配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して最低でも約40%のパーセンテージ同一性を有するが、これらのパラログもしくはオルソログはまだ機能的な実施形態を表す。よって、実施形態では、そのPCSは、配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して、少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、およびより好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する。好ましい実施形態では、そのPCSは、配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して、少なくとも82%、好ましくは少なくとも84%、より好ましくは少なくとも86%、より好ましくは少なくとも88%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有する。同時に、PCSYとPCSXは、PCSXの同族プロテアーゼと相互作用するPCS界面において少なくとも1つのアミノ酸残基が互いに異なる。一般に、PCSにおいて多様化されたかまたはランダム化された残基数について制限がない。したがって、PCSYとPCSXは、PCSXの同族プロテアーゼと相互作用するPCS界面において好ましくは少なくとも2つのアミノ酸残基が互いに異なっていてもよく;より好ましくは、PCSXの同族プロテアーゼと相互作用するPCS界面において少なくとも3つのアミノ酸残基が異なっていてもよい。前述のとおり、原則として、両PCSは互いに全く関係なくてもよい、すなわち、それらはあらゆるアミノ酸残基が異なる。
本明細書で使用される場合、アミノ酸配列は、問題の配列が前記配列番号Yにアラインされ、かつ、アラインされた配列に対してそれらの間の配列同一性が少なくともX%である場合、定義された長さのアミノ酸に対して「配列番号YとX%の配列同一性」を有すると言われる。斯かるアラインメントは、例えば「BLAST」プログラムなどの公的に利用可能なコンピューター相同性プログラムを使用して、例えば、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/blast/blast.cgiのNCBIホームページにて提供される「blastp」などを使用して、そこで提供された既定の設定を使用して実施できる。それに続いて、同一の残基が、例えば、手作業でカウントするなどによって、測定され、そして、示しされた長さの配列番号Yに対して同一性の数を除算することによって、パーセンテージ同一性(PID)のその後の計算が「X%の配列同一性」をもたらす。特定の長さが具体的に示されなかった場合、配列同一性は、配列番号Yの全体/完全長に対して計算される。ポリペプチドのセットに関する配列同一性パーセンテージを計算する更なる方法は、当該技術分野で知られている。
同様に、本開示は、先に記載した融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸構築物を更に提供する。特定の実施形態では、その核酸構築物は、すべての調節配列を含み、そしてそれは、所望の宿主細胞における融合タンパク質の制御された翻訳および転写に必要である。従って、好ましい実施形態では、核酸構築物は発現構築物である。核酸構築物および発現構築物は、当業者に周知であり、そして、その構成要素は、問題の宿主細胞に従って選択される。通常、それがプラスミドの形態である場合には、該核酸構築物または発現構築物を安定的に維持するために、それらは、(必要とされる目的のために機能的である)複製開始点と選択マーカーを更に含む。
核酸構築物は、PCSYおよび/またはPCSXにて多様化されていてもよく、そしてそれは、いくつかの構築物を、陽性選択によって、そこでPCSxが切断され、かつ、PCSYが切断されないプロテアーゼ切断部位の対を同定するために同時に試験され得ることを可能にする。従って、本開示は、本開示による複数の多様化された核酸発現構築物を含む核酸発現構築物ライブラリを更に提供するが、ここで、融合タンパク質のPCSYをコードする核酸は、コードされたPCSYの少なくとも1つのアミノ酸位置で、好ましくは少なくとも2つのコードされたアミノ酸位置で、より好ましくは少なくとも3つのコードされたアミノ酸位置で、例えば、少なくとも4つのコードされたアミノ酸位置などで、特に少なくとも5つのコードされたアミノ酸位置で多様化されていてもよい。もちろん、突然変異の最も強力な効果はそれらの残基で観察され、そしてそれは、PCSとその同族のプロテアーゼとの界面の間に存在する。従って、通常、多様性を含む(単数もしくは複数の)アミノ酸位置は、未修飾の、多様化されていない親PCSYを切断することができる着目のプロテアーゼと相互作用するPCSY界面内の(単数もしくは複数の)位置である。多様性は、例えば、多様化されたPCRプライマーを使用することによる部位特異的突然変異誘発またはランダム変異導入によって導入されてもよい。同時に、斯かる多様化されたPCSは、例えば、改善された発現、折り畳み、または溶解性などのその他の性能について選択されてもよい。bdSUMO PCSの場合には、多様性を導入するための好ましい位置は、T60、D67、および/またはQ75である。
効果を得るために、またはおそらく、核酸(発現)構築物もしくは核酸発現構築物ライブラリを遺伝させるだけのためであっても、該構築物または構築物ライブラリが、当該技術分野にルーチンを使用して、宿主細胞内に導入される必要がある。その結果が複数の宿主細胞であり、ここで、各宿主細胞は、本開示による核酸発現構築物を含み、そしてそれは、多様化されていない。核酸発現構築物ライブラリの場合では、複数の細胞の各メンバーは、理想的には、多様化された核酸発現構築物ライブラリのメンバーのうちの1つを含む。
その宿主細胞は任意の細胞でよく、そしてそれは、核酸発現構築物を遺伝させるのに好適な細胞であるか、または−より好ましくは−任意の宿主細胞、そしてそれは、本開示の核酸発現構築物を発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合(すなわち、該宿主細胞は、分解シグナルdegSigNおよびdegSigCに対応していなければならない)、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進する。よって、好適な宿主は、使用した両方の分解シグナルを認識し、かつ、アッセイを妨げる内因性PCS特異的プロテアーゼを含有しない種/属であり、一例がエッシェリシア・コリTop10F’である。従って、宿主細胞は、細菌細胞などの原核細胞であってもよい。SUMO PCSとの関連において、宿主細胞は、好ましくはE.コリ宿主細胞であってもよい。スクリーニング目的のために、宿主細胞は、自身でPCSに関連した内因性プロテアーゼを発現しないことが、有利である。しかしながら、構築物のPCSに対する特定の(外因性)プロテアーゼの効果についてスクリーニングするために、宿主細胞が、着目のプロテアーゼと、核酸発現構築物によってコードされる融合タンパク質とを同時に発現することができるのが好ましい。好ましくは、前記着目のプロテアーゼはPCSXを切断することができる。該プロテアーゼの核酸発現構築物は、誘導性プロモーターの制御下にあってもよい。誘導性プロモーターは、当業者に知られており、一般的に、物理的な誘導性プロモーターと化学的な誘導性プロモーターに識別される。物理的な誘導性プロモーターは、(温度または光に対して感受性であり得る)プロモーターである。化学的な誘導性プロモーターとしては、Tet−onまたはTet−offシステム、(金属イオンによって誘導されることができる)プロモーター、またはLacもしくはTac遺伝子プロモーターが挙げられる。好ましくは、誘導性プロモーターは、本明細書で使用される例のように、IPTGによって誘導可能であり、宿主内、および/または選択システムのプラスミド上にlacI遺伝子の存在を必要とする。本開示の融合タンパク質を発現する発現構築物、および着目のプロテアーゼを発現する発現構築物は、両構築物が宿主細胞内に維持されることを確実にするために、複製開始点と様々な選択マーカーに適合できなければならない。
逆もまた同様に、突然変異プロテアーゼ(それは、PCSXを切断することができるが、PCSYを切断することができない)をスクリーニングすることもまた可能である。これに関連して、本開示はまた、複数の宿主細胞も提供し、ここで、該複数の宿主細胞の各メンバーは、本開示の融合タンパク質をコードする第一の多様化されていない核酸発現構築物、および着目の多様化されたプロテアーゼをコードする複数の第二の発現構築物のメンバーを含む。この場合、前記複数の第二の発現構築物は、第一の発現構築物の融合タンパク質のPCSYを切断することができる第一のプロテアーゼ由来であり、複数の宿主細胞のメンバーは、理想的には、突然変異プロテアーゼをコードする複数の多様化された第二の核酸発現構築物のうちの単独のメンバーを含む。その宿主細胞は、前記多様化された着目のプロテアーゼと、前記第一の発現構築物によってコードされた融合タンパク質とを同時に発現することができる。その複数の第二の発現構築物は、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置に、好ましくは、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも2つのアミノ酸位置に、より好ましくは、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも3つのアミノ酸位置に、より好ましくは、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも4つのアミノ酸位置に、および最も好ましくは、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも5つのアミノ酸位置に多様性を含む。その多様性は、当該技術分野のルーチンを使用して、例えば、多様化されたPCRプライマーを使用することによる部位特異的突然変異誘発またはランダム変異導入によって導入されてもよい。同時に、斯かる多様化されたプロテアーゼは、例えば、改善された発現、折り畳み、溶解性、(温度)安定性、および/または増強された活性などのその他の性能に関して選択されてもよい。bdSENP1の場合、多様性を導入するための好ましい位置は、例えば、N280、R346、K350、および/またはR269である。
上記の観点から、本開示は(a)第一のプロテアーゼ切断部位PCSYが、着目のプロテアーゼによって切断されないかどうか、および(b)第二のプロテアーゼ切断部位PCSXが、前記着目のプロテアーゼによって切断されるかどうか同時に試験する方法であって、以下のステップ:
(i)本開示による第一の核酸構築物と、着目のプロテアーゼの発現のための第二の発現構築物を含む宿主細胞を準備し;ここで、該宿主細胞は、該融合タンパク質と前記着目のプロテアーゼとを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して該融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して該融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と該着目のプロテアーゼとが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の宿主細胞を、該第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒すこと;
を含み、
ここで、ステップ(iii)で適用された選択条件の存在下での宿主細胞の成長は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYが前記着目のプロテアーゼによって切断されないで、かつ、前記第二のプロテアーゼ切断部位PCSXが前記第二の核酸発現構築物の前記着目のプロテアーゼによって切断されることを示す、方法を提供する。先に示したとおり、細胞質選択マーカーは、有利なことに、宿主細胞に抗生物質耐性を付与し、それによって、そこで着目のプロテアーゼがPCSXを切断するが、PCSYを切断しない細胞を陽性として選択し得る。
同様に、本開示はまた、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体PCSY(ここで、PCSYは、着目のプロテアーゼによって切断されない)を同定する方法であって、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXの多様化された変異体PCSYをコードする複数の第一の核酸構築物を伴う、本開示による複数の第一の核酸構築物のメンバーと、着目のプロテアーゼの発現のための第二の発現構築物とを含み、ここで、前記着目のプロテアーゼは、PCSXを切断することができ、それによって、複数の宿主細胞が、第一の核酸構築物によってコードされるタンパク質と前記着目のプロテアーゼとを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と該着目のプロテアーゼが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該複数の第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;そして、
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、および同定された宿主細胞の第一の核酸構築物のPCSY(そのPCSYは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体であり、およびそのPCSYは、第二の発現構築物の前記着目のプロテアーゼによって切断されない)の配列を同定すること、
を含む方法を提供する。
そのうえ、本開示は、(第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができるが、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができない)プロテアーゼ変異体を同定する方法であって、ここで、前記プロテアーゼ変異体は第一のプロテアーゼ(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができるが、プロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができない)由来であり、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、各メンバーは、本開示による多様化されていない第一の核酸発現構築物(そこで、PCSXは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体であり)を含み、ここで、PCSYは、着目の第一のプロテアーゼによって切断され、かつ、PCSXは、前記第一のプロテアーゼによって切断されず;およびここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、前記着目の第一のプロテアーゼのプロテアーゼ変異体を発現する複数の第二の発現構築物のメンバーを更に含み、ここで、前記複数の第二の核酸発現構築物は、前記第一のPCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置における多様性を含み、それにより、複数の宿主細胞が、融合タンパク質と前記着目のプロテアーゼを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と着目のプロテアーゼとが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該第一の核酸発現構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、および同定された宿主細胞の第二の核酸構築物によってコードされるプロテアーゼ変異体の配列を同定すること、ここで、該プロテアーゼ変異体は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができるが、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができない、
を含む方法を提供する。
両方法は、好適には、新しい直交性プロテアーゼ(P)/プロテアーゼ切断部位(PCS)システムを同定するために組み合わせることができる。従って、本開示は、直交性プロテアーゼ(P)/プロテアーゼ切断部位(PCS)システムを調製する方法であって、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、本開示による複数の第一の核酸構築物のメンバー(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXの多様化された変異体PCSYをコードする)と、着目の第一のプロテアーゼPXの発現のための第二の発現構築物(それは、PCSXを切断することができ、それにより、複数の宿主細胞が、融合タンパク質と前記着目の第一のプロテアーゼとを同時に発現することができる)とを含み、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と第一のプロテアーゼPXが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該複数の第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、およびPCS#を同定し、ここで、PCS#は、同定された宿主細胞の第一の核酸構築物からのPCSYの配列であり、ここで、PCS#は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体であり、およびここで、PCS#は、前記第一のプロテアーゼPXによって切断されない一方で、PCSXは、PXによって切断され;
(v)第二の複数の宿主細胞を調製し、そしてそれは、以下の構造:
N−PCS*−degSigN−M−PCS#−degSigC−C;
{式中、Nは、N末端を表し、PCS#は、ステップ(iv)で同定されたPCSYの配列であり、PCS*は、第二のプロテアーゼ切断部位(それは、PCSXと同一であっても、もしくは同一でなくてもよく、かつ、それは、少なくとも1つのアミノ酸残基でPCS#と異なる)であり、degSigNは、分解シグナル(それは、degSigNの第一のアミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように、PCS*がプロテアーゼによって切断される場合、宿主細胞における融合タンパク質の分解を促進する)を表し、Mは、細胞質選択マーカーを表し、およびdegSigCは、第二の分解シグナル(それは、PCS#がプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進する)を表し、ならびにCは、C末端を表す}を含む多様化されていない融合タンパク質をコードする、第三の核酸発現構築物を含み;
かつ、ここで、前記第二の複数の宿主細胞の各メンバーは、プロテアーゼP*のプロテアーゼ変異体を発現する複数の第四の発現構築物のメンバーを更に含み、ここで、前記プロテアーゼP*は、degSigNの第一のアミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように、PCS*を切断することができ、ここで、前記複数の第四の核酸発現構築物は、前記第一のプロテアーゼ切断部位PCS*と相互作用する前記プロテアーゼP*のプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置における多様性を含み、それにより、複数の宿主細胞が、多様化されていない融合タンパク質と前記プロテアーゼ変異体を同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCS*がプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCS#がプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(vi)該融合タンパク質とプロテアーゼP*の変異体が同時に発現されるような条件下、ステップ(v)の複数の宿主細胞を培養し;
(vii)ステップ(vi)の複数の宿主細胞を、該第三の核酸発現構築物によってコードされた融合タンパク質の細胞質選択マーカーMのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;そして
(viii)(ステップ(vii)で陽性として選択された)細胞を同定し、およびP#を同定し、ここで、P#は、同定された宿主細胞の第四の核酸構築物によってコードされるプロテアーゼP*のプロテアーゼ変異体の配列であり、そしてそのプロテアーゼ変異体P#は、プロテアーゼ切断部位変異体PCS#を切断することができ、そしてそれは、第一の切断部位PCSXを切断することができず;
その結果、PCS*とプロテアーゼP*、および変異体PCS#と変異プロテアーゼP#から成る直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位システムを得ること、
を含む方法を更に提供する。
bdSUMOMut1、高度な切断抵抗性SUMOタンパク質突然変異体
先に開示した方法を適用して、我々の作業の第二の成果は、SUMOstarプロテアーゼによって切断されない新しいSUMO変異体を進化させたことであった。我々は基準プロテアーゼとしてSUMOstarを選択したが、なぜなら、それがこれまで最も雑多なSUMOプロテアーゼであり、そして、すべてのこれまでに試験された野生型SUMOだけではなく、基質としてのSUMOstar変異体もまた受け入れるからである(表1、図14および図15を参照のこと)。そのため、SUMOstarプロテアーゼ抵抗性の選択は、進化した広範囲直交性SUMO変異体に関する最もストリンジェントな評価基準であると思われる。
この変異体がUlp1によって切断され、かつ、SUMOstarプロテアーゼがS.セレビシエSUMO融合(Frey & Gorlich 2014b)のそれと比べて既に約10倍低い効率なので、我々はbdSUMOを出発点として選択した。
SUMOstarプロテアーゼによって切断されないbdSUMO変異体を作製するために、残基T60、D67、およびQ75(完全長のSUMOタンパク質に従って付番)がランダム化された(図3を参照のこと)。これらの3つの突然変異誘発位置が選ばれたが、なぜなら、それらが既に結晶化されたSUMO・SUMO特異的プロテアーゼ複合体に関する情報を使用した多重配列整列に従ってbdSENP1相互作用界面に位置するかもしれないからである(Xu et al. 2006; Reverter & Lima 2006; Shen et al. 2006; Reverter & Lima 2004)。それにもかかわらず、SUMO変異体の合理的設計、ひいては、所望の突然変異を予測するために我々の助けとなったであろう、ミナトカモジグサ由来のSUMO/SENP1複合体に関する実験的な構造情報は存在しなかった。
3つの残基のランダム化は、次にSUMOstarプロテアーゼによるbdSUMOMutX切断に対するスクリーニングのためのbdSUMOMutX−DegronNER−HygB−SUMOstar−ssrA融合タンパク質としてクローン化されたbdSUMO変異体ライブラリ(bdSUMOMutX)をもたらした(図3−A)。選択の後に、10個の異なったコロニーが選択され、それらのSUMO配列が決定された。すべてのコロニーが、D67K突然変異について強い優先蛍光、および他の2つの突然変異誘発位置におけるかなりのアミノ酸変異性を有する(図3−B)。HygBに融合されたbdSUMOMut1(bdSUMOMut1−degronNER−HygB−SUMOstar−ssrA)を発現する細胞は、IPTGの添加後にSUMOstarプロテアーゼが同時発現されたときに、他の9つのbdSUMO変異体すべてと比較して、ハイグロマイシンBの存在下で最良の細菌生存を示した。SUMOstarプロテアーゼによって切断されないbdSUMOMut1は、突然変異T60K、D67K、およびQ75Rを含み、かつ、SUMOveraシステムと称する我々の発明の第一の要素である。しかしながら、詳細分析では、D67K突然変異だけが、SUMOstarプロテアーゼによるものだけでなく、例えばbdSENP1、Ulp1およびhsSENP2などの他のSUMO特異的プロテアーゼに関する切断の阻害に必要、かつ、十分であることを明らかにした(図5、図15および表1を参照のこと)。T60KおよびQ75R変異は後に重要になる。
bdSENP1MutB、bdSUMOMut1を切断するが、野性型SUMOタンパク質ではないプロテアーゼ変異体
先に記載したように、我々の発明はまた、SUMOstarではなく、bdSUMOMut1を切断するbdSENP1プロテアーゼ変異体の新規作製を含む。斯かる変異体を得るために、bdSENP1の4つの残基(R269、N280、R346およびK350)がランダムに突然変異誘発された。これらの4つの残基は、それらが(先に記載の多重配列整列に基づいて)bdSUMOで変異した残基と相互作用する可能性があるので、選択された。所望のbdSENP1変異体を選択するために、我々は、我々が設計したインビボ選択方法を使用した。該スクリーン中に使用した構築物は、SUMOstar−DegronNER−HygB−bdSUMOMut1−ssrA融合体であった(図4−A)。SUMOstarは、プロテアーゼ切断に対して選択するためにHygBのN末端に配置され、それに対して、bdSUMOMut1は、有望なbdSENP1変異体による効果的なタンパク質切断について選択するためにC末端にてクローン化された。
bdSENP1変異体ライブラリ(bdSENP1MutX)は、IPTG制御性プロモーターと既に言及された弱いリボソーム結合部位の後ろにクローン化され、SUMOstar−DegronNER−HygB−bdSUMOMut1−ssrAレポーターを含むE.コリに形質転換され、次に、細胞がハイグロマイシンB含有培地上で平板培養された。20個の異なったハイグロマイシンB抵抗性変異体が選択され、配列決定され、そしてプロテアーゼの低発現レベルおよび高発現レベルにてハイグロマイシンB抵抗性について再スクリーニングされた。6つの変異体、すなわち、bdSENP1MutA(R269P、N280G、R346EおよびK350P突然変異を担持)、bdSENP1MutB(N280S、R346E)、bdSENP1MutC(R269S、N280A、R346GおよびK350V)、bdSENP1MutD(R269P、N280E、R346EおよびK350Q)、bdSENP1MutE(N280G、R346Y、K350A)、ならびにbdSENP1MutF(R269P、N280C、R346L、K350R)は、再−再スクリーニング中に陽性であった(図4−B)。これらの結果は、残基N280の変更およびR346の変更がbdSUMOMut1融合タンパク質に対するプロテアーゼの選択性の切り換えの鍵であることを示唆する。そのうえ、すべてのbdSENP1変異体の中の突然変異誘発残基における高い変動性は、その問題に対するいくつかの解決策が存在し、かつ、発見された解決策のいずれも先の構造情報または配列情報から予測できなかったことを明確に示す。
再スクリーニングは、最良の突然変異体としてbdSENP1MutB(単にN280SおよびR346E突然変異を担持する)を同定した。bdSENP1MutBがHygBレポーター構築物と同時発現されたとき、本質的に、分解シグナルなしでHygBを発現した細胞のそれと同じレベルのハイグロマイシンB抵抗性が観察された。そのため、我々は、より詳細にbdSENP1MutBを特徴づけすることを決定した。それは、新規SUMOveraシステムの第二の要素を表す。
第一のインビトロタンパク質切断試験は、bdSUMOMut1タンパク質のT60KおよびQ75R突然変異体がbdSENP1MutBプロテアーゼによる効率的切断に必要とされることを示した(図5)。bdSENP1MutBプロテアーゼは、それが0℃にて1時間以内に500倍モル過剰の基質を切断することができるので、bdSUMOMut1融合タンパク質に対して非常に活性である(図6)。実際には、このプロテアーゼは、一般的に使用されるTEVプロテアーゼと比較した場合に、100倍高い活性を有する(実施例1を参照のこと)。
bdSENP1MutBはSUMOstarの切断に対してのみ選択されたが、徹底的なタンパク質切断アッセイでは、SUMOstarだけではなく、野性型scSUMOおよびヒトSUMO−2(hsSUMO2)融合タンパク質でも、非常に高濃度のbdSENP1MutBの存在下でさえ元の状態を維持することを立証した(図14および実施例2を参照のこと)。そのうえ、切断アッセイはまた、bdSUMOMut1融合物がbdSENP1、Ulp1、hsSENP2およびSUMOstarプロテアーゼに対して高度に抵抗性であることを明らかにした(表1、図15および実施例2を参照のこと)。そのため、我々は、我々の選択戦略が効果的であり、かつ、SUMOveraシステムの両成分(bdSUMOMut1/bdSENP1MutB)が仮想的なその他のSUMO/SUMOプロテアーゼシステムとも直交性であるとの結論を下すことができる。
真核宿主におけるSUMOveraシステムの適用
本願発明の別の態様は、真核宿主におけるSUMOveraシステムの有用性である。E.コリと異なって、真核生物は内因性SUMO特異的プロテアーゼを有し、それによって、真核宿主におけるSUMOタグ付与タンパク質の発現は、SUMO融合の時期尚早な切断をもたらす。scSUMOやbdSUMOと対照的に、bdSUMOMut1は、S.セレビシエにおいて過剰発現される場合(実施例3)または様々な真核細胞溶解物における何時間ものインキュベーション後でさえ(植物、カエルの卵、ヒトまたは昆虫細胞由来、実施例4を参照のこと)、融合タンパク質として安定した状態を保つ。実際には、bdSUMOMut1融合物はSUMOstar融合物より安定している。
SUMOveraシステムの2つの成分は、E.コリまたは真核宿主のいずれかにおいて発現される組み換えタンパク質の発現、精製、および効果的なタグ除去を可能にする。そのシステムはまた、(Frey & Gorlich 2014b)に記載の「親和性捕獲とタンパク分解による放出ストラテジー」によるタンパク質精製も可能にする。N末端Hisタグと組み合わせて、bdSUMOMut1タグ付与タンパク質は、E.コリまたは酵母で過剰発現され、ニッケルキレートマトリックスを使用することで更に精製される。タンパク質精製中、bdSUMOMut1融合タンパク質は、標準的な溶出法と比較して、より高度な純度を達成するためにbdSENP1MutBプロテアーゼを使用したオンカラム切断によって溶出され得る。例として、本発明は、SUMOstarシステムを伴ったSUMOveraシステムがS.セレビシエにおける非タグ付与および化学量論的ヘテロ二量体タンパク質複合体の精製を可能にする証拠を提供する(実施例5)。
本願発明はまた、細胞生存率に影響を及ぼすことなしにS.セレビシエにおいてbdSENP1MutBプロテアーゼを過剰発現することによってインビボにおいて部位選択的タンパク質分解を実施する可能性を示す。いくつかのプロテアーゼによる融合タンパク質の部位選択的タンパク質分解は、様々な生化学分析のために生細胞において使用された(Chen et al. 2010; Harder et al. 2008; Sato & Toda 2007)。インビボにおける融合タンパク質の切断は、特異的プロテアーゼがたった一時であっても異所的に発現されることを必要とする。例えば、S.セレビシエにおけるUlp1、bdSENP1またはSUMOstarプロテアーゼの過剰発現は、恐らく必須SUMOコンジュゲートの誘発された大規模な脱SUMO化のため、致死性である。対照的に、bdSENP1MutBプロテアーゼは、細胞死を引き起こすことなく、真核宿主において過剰発現されるが、明らかに内因性SUMOコンジュゲートがこのプロテアーゼ変異体によって認識されないからである(実施例6)。加えて、hsSUMO2もまた、このプロテアーゼによって切断されないので、bdSENP1MutBプロテアーゼがHeLa細胞(および恐らく他の真核細胞系)においても使用される場合があることは十分に可能性がある(図14)。
SUMOveraシステムの代替部分
我々は、bdSUMOおよびbdSENP1における突然変異の特定の群が二成分SUMOveraシステムの新しい特徴をどのようにもたらしたか、広く特徴づけした。しかしながら、選択後にbdSUMOおよびbdSENP1変異体の非常に小さい集団しか分析および特徴づけしなかったので、同じ位置における様々なセットの突然変異が同じ結果につながる場合もあるかどうかわからなかった。そのため、我々は、bdSUMOMut1と同じであるかまたは類似した特性を有する、より多くのbdSUMO変異体を単離することが可能であるかどうか調査することに決めた。
そのために、残基T60、D67およびQ75にランダム化突然変異を有するbdSUMOのライブラリを、ファージディスプレイによってスクリーニングして、bdSENP1MutBプロテアーゼにより切断され、かつ、Ulp1とhsSENP2により切断されない突然変異体を選択した。選択後、我々は、bdSUMO変異体の大集団を分析し、そして、突然変異D67Kが非常に優位であり、そして、野生型プロテアーゼに対する切断抵抗性を実現するためのその重大な役割を立証したことを観察した(図12−A)。位置T60およびQ75での突然変異は高度に可変性であったが、我々は、特定の残基が他のものより高頻度であったことを観察し、そして、bdSENP1MutBプロテアーゼによる効率的な切断を実現することが特定の残基にとってかなり好ましいことが示唆された(図12−A)。
それらの好ましい残基の効率を試験するために、我々は、最も高頻度な突然変異の様々な組み合わせを有するいくつかのbdSUMO変異体を作製し、そして、インビトロにおいて更に試験した(図12−B)。インビトロにおける実験では、試験した突然変異の組み合わせのすべてが、野性型プロテアーゼに対する切断抵抗性、ならびにbdSENP1MutBによる効果的な認識をもたらすことを確認した(表1および図15を参照のこと)。
次の実験では、我々は、bdSENP1MutBの突然変異がbdSUMOMut1の効率的切断を達成することが可能な唯一の突然変異のセットであるかどうか解析することを決めた。そのために、我々は、レポーター融合タンパク質scSUMO−DegronNER−HygB−SUMOMut1−ssrAと一緒にbdSENP1ライブラリ(bdSENP1MutX)を同時発現するための既に記載したインビボ選択システムを使用した(図13−A)。選択後に、96個の様々なハイグロマイシンB抵抗性コロニーの配列分析では、9つの別個のbdSENP1突然変異体の存在を示した。興味深いことに、これらの9つの突然変異体はコンセンサス配列に集まらなかった。代わりに、かなり異なった突然変異体のセットが、プロテアーゼの基質特異性の同じシフトを達成するように見える(図13−B)。しかしながら、逆に、160,000個の可能性のある残基組み合わせのうちの極わずかな画分だけが有効であるように見える。
我々は、より詳細に5つの新たに同定されたbdSENP1突然変異体を試験し、そして、それら(MutG、H、J、iおよびK)のうちの4つが、初期に記載したSENP1MutBと比べて、同じくらい効果的にまたはより一層効果的にbdSUMOMut1融合物を切断することを見出した(表1および図15)。同じアッセイではまた、いくつかの代替bdSUMO突然変異体(Mut10、11、13、15)が、これらの新規bdSENP1突然変異体の少なくともいくつかの高度に効率的な基質であったことも明らかにした(表1および図15)。
この開示の最後の態様では、我々は、bdSUMOMut1(T60K、D67KおよびQ75R)およびbdSUMOMut11(T60S、D67KおよびQ75W)の突然変異が他のSUMOオルソログに移植され得、次に、野性型プロテアーゼに対する切断抵抗性を与える証拠を提供する。scSUMO(D61、D68およびQ76)およびhsSUMO2(R61、D68およびD76)における突然変異が、Ulp1、SUMOstarプロテアーゼ、hsSENP2、およびbdSENP1に対する切断抵抗性をもたせた(図14)。そのうえ、bdSENP1MutBプロテアーゼは、対応する野性型scSUMOおよびhsSUMO2タンパク質に比べて、より効率的にbdSUMOMut1交換を担持するscSUMOおよびhsSUMO2を認識できた(図14、下のパネル)。
より一般的な用語で言えば、これにより、本開示は、突然変異SUMOプロテアーゼ切断部位(PCS)を提供し、ここで、前記突然変異SUMO PCSはC末端Gly−Glyを含み、そして、45mMのTris/HCl pH7.5、250mMのNaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTTから成るバッファー中に100μMのPCS−MBP融合物の初期濃度、21℃にて1時間のインキュベーションの標準的な条件下で同じ濃度にて試験されるとき、配列番号71のアミノ酸配列を有するMBPのN末端に融合されるとき、配列番号7(scUlp1)または配列番号8(hsSENP2)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼによる切断と比較して、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼによってC末端Gly−Glyの後でより効率的に切断される。切断の効率は、所定の手順、例えば、HPLCと「曲線下積分」またはSDS−PAGEとそれに続くクーマシー染色と濃度計を用いたゲルの計測、を使用して読み出され得る。好ましい実施形態では、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼが、上記の標準的な条件下で、少なくとも500倍モル過剰の前記SUMO PCS−MBP融合物を切断する。より一層好ましい実施形態では、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼが、上記の標準的な条件下で、少なくとも1000倍モル過剰の前記SUMO PCS−MBP融合物を切断する。
実施形態では、前記変異SUMO PCSは、配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して少なくとも80%の配列同一性を有するか、または前記変異SUMO PCSは、配列番号3に示されたbdSUMOプロテアーゼ切断部位の突然変異体パラログまたは突然変異体オルソログであり、ここで、前記変異SUMOプロテアーゼ切断部位は、配列番号3の完全長配列とアラインされるとき、アラインされた配列番号3のD67に対応する位置に置換を含み、ここで、前記位置のアミノ酸は、K、R、N、AおよびHから成る群から選択される;好ましくはここで、前記アミノ酸はKおよびRから成る群から選択される;特にここで、前記アミノ酸はKである、別のアミノ酸によって置換される。パラログもしくはオルソログの例としては、例えば、NEDD8、Atg4、またはユビキチン自体などのユビキチン関連タンパク質が挙げられる。パラログもしくはオルソログの他の例としては、酵母種および、例えば、哺乳動物種などの動物種(animal special)を含めた、他の種からのSUMOタンパク質が挙げられる。ある特定の実施形態では、前記SUMOパラログもしくはオルソログは、配列番号4(scSUMO)に示されたアミノ酸配列を有するサッカロミセス・セレビシエ由来のものである。別の特定の実施形態では、前記SUMOパラログもしくはオルソログは、配列番号5(hsSUMO2)に示されたアミノ酸配列を有するヒト由来のものである。例に示したとおり、scSUMOまたはhsSUMO2は配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して約40%まで低いパーセンテージ同一性を有するが、これらのパラログもしくはオルソログは、機能的な実施形態の基礎をそれでも形成する。よって、実施形態では、そのPCSは、配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して、少なくとも40%、好ましくは少なくとも45%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、より好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、およびより好ましくは少なくとも80%の配列同一性を有する。好ましい実施形態では、その突然変異プロテアーゼ切断部位は、配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して、少なくとも82%、好ましくは少なくとも84%、より好ましくは少なくとも86%、より好ましくは少なくとも88%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有する。
加えて、前記変異プロテアーゼ切断位置は、配列番号3の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号3のQ75に対応する位置に置換を更に含んでもよく、ここで、前記位置のアミノ酸は、R、W、A、H、M、I、PおよびFから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換される;好ましくはここで、前記アミノ酸は、R、W、AおよびHから成る群から選択される。Q75に対応する位置での置換の代わりに、または前記変異プロテアーゼ切断部位に加えて、配列番号3の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号3のT60に対応する位置に置換を更に含んでもよく、ここで、前記位置のアミノ酸は、S、N、0K、P、H、R、およびQから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換される;好ましくはここで、前記アミノ酸は、0S、N、K、およびPから成る群から選択される。上記を考慮すると、本開示は、特定の実施形態を企図し、ここで、前記変異プロテアーゼ切断部位は(i)67K、60K、75R(Mut1);(ii)67K、60P、75W(Mut8);(iii)67K、75R(Mut10);(iv)67K、60S、75H(Mut11);(v)67K、60S、75W(Mut12);(vi)67K、60S、75A(Mut13);(vii)67K、60N、75W(Mut14);および(viii)67K、60N、75A(Mut15)から成る群から選択される置換の組み合わせを含み、ここで、数字は、配列番号3で示した位置に対応する変異SUMO PCSのアミノ酸を示す。
特に好ましい実施形態では、変異プロテアーゼ切断部位は、任意選択で、存在する場合、先に更に記載されるとおり、位置T60および/またはQ75の追加置換と組み合わせて、置換D67Kを除いた配列番号3(bdSUMO)のアミノ酸配列を有する。特定の実施形態では、前記追加置換はQ75R、Q75W、Q75A、Q75H、Q75M、Q75I、Q75PおよびQ75Fから成る群から選択されるアミノ酸を含む;好ましくはここで、前記置換はQ75R、Q75W、Q75AおよびQ75Hから成る群から選択される。更なる実施形態では、前記追加置換はT60S、T60N、T60K、T60P、T60H、T60RおよびT60Qから成る群から選択されるアミノ酸を含む;好ましくはここで、前記置換はT60S、T60N、T60KおよびT60Pから成る群から選択される。特定の実施形態では、前記変異プロテアーゼ切断部位は(i)D67K、T60K、Q75R(Mut1);(ii)D67K、T60P、Q75W(Mut8);(iii)D67K、Q75R(Mut10);(iv)D67K、T60S、Q75H(Mut11);(v)D67K、T60S、Q75W(Mut12);(vi)D67K、T60S、Q75A(Mut13);(vii)D67K、T60N、Q75W(Mut14);および(viii)D67K、T60N、Q75A(Mut15)から成る群から選択される置換の組み合わせを含む。特定の実施形態では、変異プロテアーゼ切断部位は、配列番号41〜55から選択されるアミノ酸配列を有する。
先に言及したように、変異プロテアーゼ切断部位は、配列番号3に示されたbdSUMOプロテアーゼ切断部位の変異体であっても、パラログであっても、またはオルソログであってもよく;ここで、前記変異プロテアーゼ切断部位は、配列番号3の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号3のD67に対応する位置での置換を含み;ここで、前記位置のアミノ酸はK、R、N、AおよびHから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換される;好ましくはここで、前記アミノ酸はKおよびRから成る群から選択される;特にここで、前記アミノ酸はKである。ある特定の実施形態では、前記SUMOオルソログは、配列番号4(scSUMO)に示されたアミノ酸配列を有するサッカロミセス・セレビシエ由来のものであり、具体的には、ここで、配列番号4は、任意選択でQ76WまたはQ76R、および/またはD61KまたはD61Sと組み合わせて、置換D68Kを含む。好ましい実施形態では、前記SUMOオルソログは、配列番号4(scSUMO)に示されたアミノ酸配列を有するサッカロミセス・セレビシエ由来であり、そしてそれは、D61K、D68KおよびQ75Rの組み合わせを含む。別の特定の実施形態では、前記SUMOオルソログは、配列番号5(hsSUMO2)に示されたアミノ酸配列を有するヒト由来のものであり、特にここで、配列番号5は、任意選択でD71RまたはD71W、および/またはR56KまたはR56Sと組み合わせて、置換D63Kを含む。好ましい実施形態では、前記SUMOオルソログは、(i)R56K、D63K、D71R、または(ii)R56S、D63KおよびD71Wの組み合わせを含む、配列番号5(hsSUMO2)に示されたアミノ酸配列を有するヒト由来のものである。
同様に、本開示はまた、本開示の変異プロテアーゼ切断部位と同族の変異プロテアーゼも提供する。本開示の変異プロテアーゼは、本明細書に開示したプロテアーゼ切断部位を切断することができる。より具体的には、それは、21℃にて1時間のインキュベーション、45mMのTris/HCl pH7.5、250mM NaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTTから成るバッファー中に100μMのPCS−MBP融合物の初期濃度から成る標準的な条件下で同じ濃度にて試験されるとき、配列番号71のアミノ酸配列を有するMBPのN末端に融合されると、配列番号71のN末端に融合された配列番号4(scSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位または配列番号71のN末端に融合された配列番号3(hsSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位に比べて、C末端Gly−Glyの後でより効率的に、配列番号41(Mut1 bdSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位(PCS)を切断する。切断の効率は、所定の手順、例えば、HPLCと「曲線下積分」またはSDS−PAGEとそれに続くクーマシー染色と濃度計を用いたゲルの計測、を使用して読み出され得る。好ましい実施形態では、前記変異プロテアーゼは、上記の標準的な条件下、少なくとも500倍モル過剰のMut1 bdSUMO−MBP融合物を切断する。より好ましい実施形態では、前記変異プロテアーゼは、上記の標準的な条件下、少なくとも1000倍モル過剰のMut1 bdSUMO−MBP融合物を切断する。
実施形態では、前記変異プロテアーゼは、配列番号6(bdSENP1)の完全長配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、かつ、前記変異プロテアーゼは、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のN280に対応する位置での置換を含み、ここで、前記位置のアミノ酸はS、H、Q、A、GおよびCから成る群から選択される別のアミノ酸で置換される;好ましくはここで、前記別のアミノ酸はS、H、QおよびAから成る群から選択される。実施形態では、変異プロテアーゼは、配列番号6(bdSENP1)の完全長に対して少なくとも82%、好ましくは少なくとも84%、より好ましくは少なくとも86%、より好ましくは少なくとも88%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも92%、より好ましくは少なくとも94%、より好ましくは少なくとも96%、より好ましくは少なくとも98%、より好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有する。配列番号6はbdSENP1の触媒ドメインを示す。
特定の実施形態では、前記変異プロテアーゼは、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のR356に対応する位置での置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸はE、S、V、YおよびLから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換される;好ましくはここで、前記アミノ酸はE、SおよびVから成る群から選択される。位置R346での置換に加えて、または代わりに、前記変異プロテアーゼは、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のR269に対応する位置に置換を更に含んでもよく、ここで、前記位置のアミノ酸はE、S、P、K、Vから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換される。そのうえ、前記変異プロテアーゼは、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のK350に対応する位置に置換を更に含んでもよく、ここで、前記位置のアミノ酸はM、E、V、G、TおよびRから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換される;好ましくはここで、前記アミノ酸はM、E、V、GおよびTから成る群から選択される。
好ましい実施形態では、前記変異プロテアーゼは(i)280S、346E(MutB);(ii)280H、269S、350V(MutG);(iii)269P、280A、346E、350M(MutH);(iv)269K、280H、346E、350E(Muti);(v)269E、280S、346S、350T(MutJ);および(vi)269V、280Q、346V、350G(MutK)から成る群から選択される置換の組み合わせを含む。
最も好ましい実施形態では、変異プロテアーゼは、任意選択で、存在する場合、位置R269、R346、および/またはK350の追加置換と組み合わせて、位置N280の置換を除いた配列番号6(bdSENP1)のアミノ酸配列を有する。好ましい実施形態では、前記の位置N280の置換は、N280S、N280H、N280Q、N280A、N280GおよびN280Cから成る群から選択される;好ましくはここで、前記置換はN280S、N280H、N280QおよびN280Aから成る群から選択される。更なる実施形態では、位置R269の追加置換はR269E、R269S、R269P、R269K、R269Vから成る群から選択される。更なる実施形態では、位置R346の追加置換はR346E、R346SおよびR346Vから成る群から選択される。更なる実施形態では、位置K350の追加置換はK350M、K350E、K350V、K350G、K350TおよびK350Rから成る群から選択される;好ましくはここで、前記置換はK350M、K350E、K350V、K350GおよびK350Tから成る群から選択される。特定の実施形態では、前記変異プロテアーゼは(i)N280S、R346E(MutB);(ii)N280H、R269S、K350V(MutG);(iii)R269P、N280A、K346E、K350M(MutH);(iv)R269K、N280H、R346E、K350E(Muti);(v)R269E、N280S、R346S、K350T(MutJ);(vi)R269V、N280Q、R346V、K350G(MutK)から成る群から選択される置換の組み合わせを含む。特定の実施形態では、変異プロテアーゼは、配列番号56〜70から選択されるアミノ酸配列を有する。
本開示による変異プロテアーゼ切断部位を含む融合タンパク質が更に提供される。例えば、斯かる融合タンパク質は着目のタンパク質を含んでもよく、そこには、アフィニティータグが、本開示の変異プロテアーゼ切断部位と一緒に前記タンパク質に融合される。
これに関連して、本開示はまた、着目のタンパク質を精製するプロセスであって、以下のステップ:
(i)精製されるべき着目のタンパク質を準備し、ここで、前記タンパク質は、本開示による変異プロテアーゼ切断部位と一緒に前記タンパク質に融合されたアフィニティータグを含み;
(ii)前記アフィニティータグを介して、ステップ(i)のタンパク質をアフィニティーマトリックスに結合させ;そして
(iii)本開示の(同族)変異プロテアーゼを使用して該アフィニティーマトリックスから該タンパク質を溶出させ、それによって、タンパク質を精製すること、
を含むプロセスを提供する。好適なアフィニティータグおよび対応するアフィニティーマトリックスは、当業者に公知であり、そしてアフィニティー精製プロセスは、所定の手順だけを使用して実施できる。
本発明は、以下の実施形態によって更に説明される:
1.
以下の構造:
N−PCSY−degSigN−M−PCSX−degSigC−C;
{式中、
Nは、N末端を表し;
PCSYとPCSXはそれぞれ、プロテアーゼ切断部位(PCS)を表すが、それは、degSigNの第一アミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように、少なくとも1つのアミノ酸残基が互いに異なり;
degSigNは、分解シグナルを表すが、それは、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;
Mは、細胞質選択マーカーを表し;
degSigCは、第二の分解シグナルを表すが、それは、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;および
Cは、C末端を表す}を含む融合タンパク質。
2.
前記PCSYおよび/またはPCSXが、配列番号3に示されたbdSUMO、bdSUMOのパラログもしくはオルソログ、または配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して少なくとも80%の配列同一性を有する機能的に同等な変異体から選択されるプロテアーゼ切断部位;任意選択で、前記PCSYおよび/またはPCSXが、bdSUMOのパラログもしくはオルソログ、または配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して少なくとも80%の配列同一性を有するbdSUMOの機能的に同等な変異体から選択される、実施形態1に記載の融合タンパク質。
3.
前記PCSYとPCSXが、少なくとも1つのアミノ酸残基(それは、PCSXの同族プロテアーゼと相互作用するPCS界面に存在する)で;好ましくは少なくとも2のアミノ酸残基(それは、PCSXの同族プロテアーゼと相互作用するPCS界面に存在する)で;より好ましくは少なくとも3つのアミノ酸残基(それは、PCSXの同族プロテアーゼと相互作用するPCS界面に存在する)で互いに異なる、実施形態1または2に記載の融合タンパク質。
4.
前記degSigNが、アミノ酸配列FLFVQ(DegronNER;配列番号1)を含む、実施形態1〜3のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
5.
前記Mが抗生物質選択剤に対する抵抗性を提供する、好ましくは前記MがハイグロマイシンBに対する抵抗性を提供する細胞質選択マーカーである、実施形態1〜4のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
6.
前記degSigCが、アミノ酸配列AADENYALAA(ssrA;配列番号2)を含む、実施形態1〜5のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
7.
実施形態1〜6のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする核酸配列を含む、核酸構築物。
8.
前記核酸構築物が発現構築物であり、ここで、融合タンパク質をコードする核酸配列が構成的プロモーターの制御下にある、実施形態7に記載の核酸構築物。
9.
前記融合タンパク質のPCSYをコードする核酸が、コードされるPCSYにおいて、少なくとも1つのコードされたアミノ酸位置、好ましくは少なくとも2つのコードされたアミノ酸位置、より好ましくは少なくとも3つのコードされたアミノ酸位置が多様化するような多様性を含む、実施形態7に記載の複数の多様化された核酸発現構築物を含む、核酸発現構築物ライブラリ。
10.
(単数もしくは複数の)多様性を含む前記アミノ酸位置が、無修飾の、多様化されていないPCSYを切断することができる着目のプロテアーゼと相互作用するPCSY界面内の(単数もしくは複数の)位置である、実施形態9に記載の核酸発現構築物ライブラリ。
11.
複数の宿主細胞であって、ここで、該複数の宿主細胞の各メンバーが、実施形態7に記載の核酸発現構築物(それは、多様化していない)または実施形態9または10に記載の複数の核酸発現構築物のメンバーを含み;好ましくはここで、該宿主細胞はE.コリ宿主細胞であり;ここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し、およびPCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進する、複数の宿主細胞。
12.
前記宿主細胞が、着目のプロテアーゼと核酸発現構築物によってコードされる融合タンパク質を同時に発現することができ、ここで、前記着目のプロテアーゼがPCSXを切断することができ;好ましくはここで、プロテアーゼが誘導性プロモーターの制御下にある、実施形態11に記載の複数の宿主細胞。
13.
前記宿主細胞が、実施形態7に記載の第一の多様化されていない核酸発現構築物、および着目の多様化されたプロテアーゼをコードする複数の第二の発現構築物を含み、
ここで、該宿主細胞は、前記第一の発現構築物によってコードされる融合タンパク質と一緒に、着目の前記の多様化されたプロテアーゼを同時に、発現することができ、
ここで、前記複数の第二の発現構築物は、第一の発現構築物の融合タンパク質のPCSYを切断することができるプロテアーゼに由来し、および
ここで、前記の複数の第二の発現構築物は、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置、
好ましくは前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面の少なくとも2つのアミノ酸位置、
より好ましくは前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面の少なくとも3つのアミノ酸位置、
より好ましくは、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面の少なくとも4つのアミノ酸位置、および
最も好ましくは前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面の少なくとも5つのアミノ酸位置に多様性を含む、実施形態11に記載の複数の宿主細胞。
14.
(a)第一のプロテアーゼ切断部位PCSYが、着目のプロテアーゼによって切断されないかどうか、および(b)第二のプロテアーゼ切断部位PCSXが、前記着目のプロテアーゼによって切断されるかどうか同時に試験する方法であって、以下のステップ:
(i)実施形態7に記載の第一の核酸構築物と、着目のプロテアーゼの発現のための第二の発現構築物を含む宿主細胞を準備し;ここで、該宿主細胞は、該融合タンパク質と前記着目のプロテアーゼとを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して該融合タンパク質の分解を促進し、かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して該融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と該着目のプロテアーゼとが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の宿主細胞を、該第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒すこと;
を含み、
ここで、ステップ(iii)で適用された選択条件の存在下での宿主細胞の成長は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYが前記着目のプロテアーゼによって切断されないで、かつ、前記第二のプロテアーゼ切断部位PCSXが前記第二の核酸発現構築物の前記着目のプロテアーゼによって切断されることを示し;好ましくは、ここで、該選択マーカーは該宿主細胞に抗生物質耐性を与える方法。
15.
第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体PCSY(ここで、PCSYは、着目のプロテアーゼによって切断されない)を同定する方法であって、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、実施形態10に記載の複数の第一の核酸構築物のメンバー(ここで、該複数の第一の核酸構築物は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXの多様化された変異体PCSYをコードする)と、着目のプロテアーゼの発現のための第二の発現構築物とを含み、ここで、前記着目のプロテアーゼは、PCSXを切断することができ、それによって、複数の宿主細胞が、第一の核酸構築物によってコードされるタンパク質と前記着目のプロテアーゼとを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し、かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と該着目のプロテアーゼが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該複数の第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、および同定された宿主細胞の第一の核酸構築物のPCSYの配列を同定すること、ここで、PCSYは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体であり、およびここで、PCSYは、第二の発現構築物の前記着目のプロテアーゼによって切断されない、
を含む方法。
16.
(第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができるが、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができない)プロテアーゼ変異体を同定する方法であって、ここで、前記プロテアーゼ変異体は第一のプロテアーゼ(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができるが、プロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができない)由来であり、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、各メンバーは、実施形態7に記載の多様化されていない第一の核酸発現構築物(そこで、PCSXは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体であり)を含み、ここで、PCSYは、着目の第一のプロテアーゼによって切断され、かつ、PCSXは、前記親プロテアーゼによって切断されず;およびここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、前記第一のプロテアーゼのプロテアーゼ変異体を発現する複数の第二の発現構築物のメンバーを更に含み、ここで、前記複数の第二の核酸発現構築物は、前記第一のPCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置における多様性を含み、それにより、複数の宿主細胞が、融合タンパク質と前記着目のプロテアーゼを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し、かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と着目のプロテアーゼとが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該第一の核酸発現構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、および同定された宿主細胞の第二の核酸構築物によってコードされるプロテアーゼ変異体の配列を同定すること、ここで、前記プロテアーゼ変異体は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができるが、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができない、
を含む方法。
17.
直交性プロテアーゼ(P)/プロテアーゼ切断部位(PCS)システムを調製する方法であって、以下のステップ:
(i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、実施形態10に記載の複数の第一の核酸構築物のメンバー(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXの多様化された変異体PCSYをコードする)と、着目の第一のプロテアーゼPXの発現のための第二の発現構築物(それは、PCSXを切断することができ、それにより、複数の宿主細胞が、融合タンパク質と前記着目の第一のプロテアーゼとを同時に発現することができる)とを含み、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し、かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(ii)該融合タンパク質と第一のプロテアーゼPXが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
(iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該複数の第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
(iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、およびPCS#を同定し、ここで、PCS#は、同定された宿主細胞の第一の核酸構築物のPCSYの配列であり、ここで、PCS#は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSX由来のプロテアーゼ切断部位変異体であり、およびここで、PCS#は、前記第一のプロテアーゼPXによって切断されない一方で、PCSXは、PXによって切断され;
(v)第二の複数の宿主細胞を調製し、そしてそれは、以下の構造:
N−PCS*−degSigN−M−PCS#−degSigC−C;
{式中、Nは、N末端を表し、PCS#は、ステップ(iv)で同定されたPCSYの配列であり、PCS*は、第二のプロテアーゼ切断部位(それは、PCSXと同一であっても、もしくは同一でなくてもよく、かつ、それは、少なくとも1つのアミノ酸残基でPCS#と異なる)であり、degSigNは、分解シグナル(それは、degSigNの第一のアミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように、PCS*がプロテアーゼによって切断される場合、宿主細胞における融合タンパク質の分解を促進する)を表し、Mは、細胞質選択マーカーを表し、およびdegSigCは、第二の分解シグナル(それは、PCS#がプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進する)を表し、ならびにCは、C末端を表す}を含む多様化されていない融合タンパク質をコードする、第三の核酸発現構築物を含み;
かつ、ここで、前記第二の複数の宿主細胞の各メンバーは、プロテアーゼP*のプロテアーゼ変異体を発現する複数の第四の発現構築物のメンバーを更に含み、ここで、前記プロテアーゼP*は、degSigNの第一のアミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように、PCS*を切断することができ、ここで、前記複数の第四の核酸発現構築物は、前記第一のプロテアーゼ切断部位PCS*と相互作用する前記プロテアーゼP*のプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置における多様性を含み、それにより、複数の宿主細胞が、多様化されていない融合タンパク質と前記プロテアーゼ変異体を同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCS*がプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCS#がプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
(vi)該融合タンパク質とプロテアーゼP*の変異体が同時に発現されるような条件下、ステップ(v)の複数の宿主細胞を培養し;
(vii)ステップ(vi)の複数の宿主細胞を、該第三の核酸発現構築物によってコードされた融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;そして
(viii)(ステップ(vii)で陽性として選択された)細胞を同定し、およびP#を同定し、ここで、P#は、同定された宿主細胞の第四の核酸構築物によってコードされるプロテアーゼ変異体PXの配列であり、そしてそのプロテアーゼ変異体P#は、プロテアーゼ切断部位変異体PCS#を切断することができ、そしてそれは、第一の切断部位PCSXを切断することができず;
その結果、PCS*とプロテアーゼP*、および変異PCS#と変異プロテアーゼP#から成る直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位システムを得ること、
を含む方法。
18.
変異SUMOプロテアーゼ切断部位(PCS)であって、ここで、前記変異SUMOのPCSはC末端Gly−Glyを含み、かつ、21℃にて1時間のインキュベーション、45mMのTris/HCl pH7.5、250mM NaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTTから成るバッファー中に100μMのPCS−MBP融合物の初期濃度から成る標準的な条件下で同じ濃度にて試験されたとき、配列番号71のアミノ酸配列を有するMBPのN末端に融合されると、配列番号7(scUlp1)または配列番号8(hsSENP2)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼによる切断と比較して、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼによって、C末端Gly−Glyの後でより効率的に切断され;任意選択で、ここで、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼは、上記の標準的な条件にて、少なくとも500倍モル過剰の前記SUMO PCS−MBP融合物を切断する、変異SUMOプロテアーゼ切断部位(PCS)。
19.
前記変異プロテアーゼ切断部位が、配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して少なくとも80%の配列同一性を有するか、または配列番号3に示されたbdSUMOプロテアーゼ切断部位のホモログであり、ここで、前記変異プロテアーゼ切断部位は、配列番号3の完全長配列とアラインされるとき、アラインされた配列番号3のD67に対応する位置に置換を含み、ここで、前記位置のアミノ酸は、K、R、N、AおよびHから成る群から選択される;好ましくはここで、前記アミノ酸はKおよびRから成る群から選択される;特にここで、前記アミノ酸はKである、別のアミノ酸によって置換される、実施形態18に記載の変異プロテアーゼ切断部位。
20.
前記変異プロテアーゼ切断位置が、配列番号3の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号3のQ75に対応する位置に置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸が、R、W、A、H、M、I、PおよびFから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;好ましくはここで、前記アミノ酸が、R、W、AおよびHから成る群から選択され;および/または
前記変異プロテアーゼ切断部位が、配列番号3の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号3のT60に対応する位置に置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸が、S、N、K、P、H、R、およびQから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;好ましくはここで、前記アミノ酸が、S、N、K、およびPから成る群から選択される、実施形態19に記載の変異プロテアーゼ切断部位。
21.
前記変異プロテアーゼ切断部位が、以下の:
(i)67K、60K、75R(Mut1);
(ii)67K、60P、75W(Mut8);
(iii)67K、75R(Mut10);
(iv)67K、60S、75H(Mut11);
(v)67K、60S、75W(Mut12);
(vi)67K、60S、75A(Mut13);
(vii)67K、60N、75W(Mut14);および
(viii)67K、60N、75A(Mut15)、
から成る群から選択される置換の組み合わせを含む、実施形態19〜20のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ切断部位。
22.
任意選択で、存在する場合、位置T60および/またはQ75の追加置換と組み合わせて、置換D67Kを除いた配列番号3(bdSUMO)のアミノ酸配列を有し;好ましくはここで、該変異プロテアーゼ切断部位が、配列番号41〜配列番号55のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有する、実施形態19〜21のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ切断部位。
23.
変異プロテアーゼであって、ここで、前記変異プロテアーゼが、21℃にて1時間のインキュベーション、45mMのTris/HCl pH7.5、250mM NaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTTから成るバッファー中に100μMのPCS−MBP融合物の初期濃度から成る標準的な条件下で同じ濃度にて試験されるとき、配列番号71のアミノ酸配列を有するMBPのN末端に融合されると、配列番号71のN末端に融合された配列番号4(scSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位または配列番号71のN末端に融合された配列番号3(hsSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位に比べて、C末端Gly−Glyの後でより効率的に、配列番号41(Mut1 bdSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位(PCS)を切断し;
任意選択で、ここで、前記変異プロテアーゼが、上記の標準的な条件下、少なくとも500倍モル過剰のMut1 bdSUMO−MBP融合物を切断する、変異プロテアーゼ。
24.
前記変異プロテアーゼが、配列番号6(bdSENP1)の完全長配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、ここで、前記変異プロテアーゼが、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のN280に対応する位置での置換を含み、ここで、前記位置のアミノ酸がS、H、Q、A、GおよびCから成る群から選択される別のアミノ酸で置換され;好ましくはここで、前記アミノ酸がS、H、QおよびAから成る群から選択される、実施形態23に記載の変異プロテアーゼ。
25.
実施形態24に記載の変異プロテアーゼであって、前記変異プロテアーゼが、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のR356に対応する位置での置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸がE、S、V、YおよびLから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;好ましくはここで、前記置換がE、SおよびVから成る群から選択され;および/または
前記変異プロテアーゼが、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のR269に対応する位置に置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸がE、S、P、K、Vから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;および/または
前記変異プロテアーゼが、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のK350に対応する位置に置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸がM、E、V、G、TおよびRから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;好ましくはここで、前記置換がM、E、V、GおよびTから成る群から選択される、変異プロテアーゼ。
26.
前記変異プロテアーゼが、以下の:
(i)280S、346E(MutB);
(ii)280H、269S、K350V(MutG);
(iii)269P、280A、346E、350M(MutH);
(iv)269K、280H、346E、350E(Muti);
(v)269E、280S、346S、350T(MutJ);および
(vi)269V、280Q、346V、350G(MutK)、
から成る群から選択される置換の組み合わせを含む、実施形態24〜25のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ。
27.
任意選択で、存在する場合、位置R269、R346、および/またはK350の追加置換と組み合わせて、位置N280の置換を除いた配列番号6(bdSENP1)のアミノ酸配列を有する変異プロテアーゼであって;好ましくはここで、該変異プロテアーゼが、配列番号56〜配列番号70のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有する、実施形態24〜26のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ。
28.
前記プロテアーゼが、実施形態18〜22のいずれか一項に記載のプロテアーゼ切断部位を切断することができる、実施形態23〜27のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ。
29.
実施形態18〜22のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ切断部位を含む、融合タンパク質。
30.
着目のタンパク質を精製するプロセスであって、以下のステップ:
(i)精製されるべき着目のタンパク質を準備し、ここで、前記タンパク質は、実施形態18〜22のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ切断部位と一緒に前記タンパク質に融合されたアフィニティータグを含み;
(ii)前記アフィニティータグを介して、ステップ(i)のタンパク質をアフィニティーマトリックスに結合させ;そして
(iii)実施形態23〜27のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼを使用して該アフィニティーマトリックスから該タンパク質を溶出させ、それによって、タンパク質を精製すること、
を含むプロセス。
本発明は、以下の図面、配列および実施例によって更に例示されるが、それらは本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定されるのみである。
直交特異性を有するプロテアーゼとプロテアーゼ切断部位の選択のためのインビボシステムの略図。該システムは、ハイグロマイシンBを含有する選択培地中でのE.コリ細胞の生存に基づいている。細胞は、選択マーカーとしてSUMO特異的プロテアーゼと融合タンパク質SUMOY−DegronNER−HygB−SUMOX−ssrAを同時発現する。細胞は、所定のSUMO特異的プロテアーゼが2つの異なったプロテアーゼ切断部位(SUMOYとSUMOX)に対して直交特異性を示す場合にだけ、生き残る。 インビボ選択システムのバリデーション。(A)ミナトカモジグサ(B.distachyon)由来のSUMOタンパク質(bdSUMO)とSUMO特異的プロテアーゼ1(bdSENP1)が、選択システムの機能性を試験するためのモデルタンパク質として使用された。切断不可能なSUMO突然変異体(SUMO*)が、切断に対する抵抗を説明するために使用された。(B)両方のタンパク質分解シグナルを欠くHygB構築物を発現する細胞が、選択培地における細胞増殖の陽性対照として使用された。(C)SUMO*−DegronNER−HygB−bdSUMO−ssrAを発現する細胞だけが、両方の分解シグナルの永久的な不活性化のため生き残った。(D、E、CおよびF)bdSENP1と様々なレポータータンパク質の細菌による同時発現性は、DegronNERの活性化および/またはssrAシグナルの不活性化の欠如により、HygBの分解後には生き残らない。 (A)(SUMOstarプロテアーゼによって切断されない)bdSUMO突然変異体(bdSUMOMutX)を選択するのに使用される融合タンパク質の例示。(B)10個の異なったbdSUMO突然変異体の配列アラインメント。同一の残基はブラックボックスにより強調し、配列の付番は、完全長の野性型(wt)bdSUMOタンパク質に準ずる。SUMOveraシステムに属すbdSUMO突然変異体には、下線を引く(bdSUMOMut1)。 (A)bdSUMOMut1を切断するが、基質としてSUMOstarを認識しないbdSENP1突然変異体(bdSENP1MutX)を選択するために使用されるレポーター構築物。(B)野性型bdSENP1と6つの異なった機能的bdSENP1突然変異体の配列アラインメント。SUMOveraシステムに属すbdSENP1突然変異体は、下線を引いて示す(bdSENP1MutB)。配列決定の付番は、完全長のbdSENP1タンパク質に準じて設定し、かつ、同一の残基は黒色で強調する。 SUMOstarプロテアーゼに対する切断抵抗性に関するbdSUMOMut1のそれぞれの突然変異の効果。bdSUMOMut1における1、2または3つの突然変異を含有するbdSUMO−MBP融合物タンパク質の様々な突然変異体は、多量のSUMOstarプロテアーゼ(10μM)と共に25℃にて2時間インキュベートされた。サンプルはSDS−PAGEによって分解されて、C末端切断MBPからの融合タンパク質が分離された。同じbdSUMO−MBP融合物タンパク質が、bdSENP1MutBによる認識に関するbdSUMOMut1のそれぞれの突然変異の貢献を評価するために使用された。100μMのそれぞれのMBP融合物タンパク質を含有するサンプルは、200nMのbdSENP1MutBプロテアーゼと共に4℃にて1時間インキュベートされた。 bdSENP1MutBプロテアーゼおよび他の部位選択的プロテアーゼのタンパク分解効率。様々な部位選択的プロテアーゼのタンパク分解効率は、0℃にて1時間にわたり溶液で試験された。様々な量の所定のプロテアーゼは、100μMの対応するタグ付与MBPと共にインキュベートされた。サンプルはSDS−PAGEによって分解されて、C末端切断MBPから完全長の融合タンパク質が分離された。ブラックボックスで強調されたサンプルは、約95%の同族基質が切断される最低プロテアーゼ濃度を示す。その実験では、この実験に使用される最大から最小効果プロテアーゼまでの図面内で順序付けられる。 bdSENP1MutBおよびSUMOstarプロテアーゼは、完全な直交特異性を有する。100μMの所定のH14−SUMO−MBP融合物タンパク質を含有するサンプルは、高濃度のbdSENP1MutBまたはSUMOstarプロテアーゼのいずれかと共に0℃にて1時間インキュベートされた。完全長のSUMO融合タンパク質は、SDS−PAGEによりC末端切断MBPから分離された。アスタリスクは、約95%の同族SUMO融合タンパク質が切断されるプロテアーゼ濃度を表す。 bdSUMOMut1融合タンパク質は、S.セレビシエにおいて安定である。(A)S.セレビシエ(H14:ポリヒスチジンタグ、ZZ:ブドウ球菌(staphylococcal)プロンテインA由来のZ−ドメインの二重コピー)で過剰発現されたSUMO融合タンパク質のスキーム。(B)30℃にて6時間のタンパク質過剰発現後、様々なSUMO融合タンパク質の安定性が、抗シトリン抗体を使用したウエスタンブロット法によって分析された。ヒストン2Bに融合されたシアン蛍光タンパク質(H2B−CFP)が、サンプルの一様な添加を確認するための内部対照として使用された。抗シトリン抗体とZZタグとの間の交差性は*によって示される。空の酵母の溶解物が陰性対照として使用された。 bdSUMOMut1は、真核生物溶解物中で安定した融合タグである。(A)いくつかの真核生物溶解物中の様々なSUMOタンパク質の安定性を試験するために使用した融合タンパク質の図面(H14:ポリヒスチジンタグ、MBP:E.コリのマルトース結合タンパク質)。(B)様々なSUMO融合タンパク質の安定性は、高濃度の真核生物抽出物中での30℃にて2時間のインキュベーション後に抗MBP抗体を使用したウエスタンブロット法によって分析された。C末端切断MBPの存在は、内因性SUMO特異的プロテアーゼによるSUMOタグの切断を示唆する。プロテアーゼミックス(Ulp1、SUMOstarプロテアーゼ、bdSENP1およびbdSENP1MutBプロテアーゼ、それぞれ1μM)を伴ったサンプルは、溶解物中に存在するプロテアーゼ阻害物質の存在を除外するために含まれた。 酵母における化学量論的なタンパク質複合体の精製。(A)ヘテロ二量体複合体のモデルとして、bdSUMOMut1およびSUMOstarタグ付与シトリンでタグ付与した抗シトリンナノボディ(Nb)が使用された。(B)連続した2つのクロマトグラフィーステップで構成された精製プロセスのスキーム。二量体複合体は、可溶性型としてS.セレビシエで30℃にて6時間同時発現された(可溶性物質)。まず、複合体は、Ni2+キレートマトリックスを使用してbdSUMOMut1に融合されたポリヒスチジンタグ(H14)を通して単離された(第一のクロマトグラフィーステップ)。次に、その複合体は、bdSENP1MutBを使用したオンカラム切断によって溶出された(オンカラム切断溶出液1)。第二の精製法のために、溶出液1は、SUMOstarに融合されたZZタグに結合するために抗Zドメインマトリックスに添加された。次に、化学量論的および高度に純粋な複合体は、最後に、SUMOstarプロテアーゼを使用したオンカラム切断によって溶出された(オンカラム切断溶出液2)。(C)35mODユニットの細胞または総精製タンパク質の1/1000に相当するタンパク質サンプルが、SDS−PAGEによって分析され、そして、クマシーブルーによって更に染色された。両画像の側面の中間の標識が、両方のゲルのそれぞれのバンドのタンパク質の同一性を定義する。 bdSENP1MutBプロテアーゼは、S.セレビシエにおいて異所的に過剰発現される。SUMO特異的プロテアーゼを過剰発現する酵母細胞の生存率が試験された。細胞は、様々な10倍希釈物(1:25〜1:3125 v/v)に晒され、そして更に、それぞれタンパク質の発現を抑制および誘発するためにグルコースまたはガラクトースを含有するプレート上にスポットされた。空ベクターで形質転換され多細胞または触媒的に効力のないプロテアーゼをコードする細胞(C440S)が、陰性対照として使用された。 (A)ファージディスプレイによって選択されるすべてのbdSUMO突然変異体に関する3つの突然変異誘発残基(T60X、D67XおよびQ75X)のアミノ酸頻度の分析。(B)ファージディスプレイによる選択後に最も高頻度の突然変異を含有する5つの異なるbdSUMO突然変異体の配列アラインメント。同一の残基はブラックボックスで強調し、かつ、配列の付番は完全長の野性型(wt)bdSUMOタンパク質に準じた。 (A)優先的にbdSUMOMut1を切断し、かつ、野生型scSUMOを切断しないbdSENP1突然変異体(bdSENP1MutX)の選択のためにE.コリで使用される選択構築物。(B)Aに記載の構築物を使用した選択後の、bdSENP1MutBと6つの最もたくさんのbdSENP1突然変異体との配列アラインメント。残基の付番は、完全長のタンパク質に準じ、そして、「−」は、対応するbdSENP1突然変異体でのアミノ酸欠失を意味する。黒色で強調した残基は、すべての突然変異体および野性型(wt)bdSENP1プロテアーゼにおいて厳密に保存されている。 bdSUMOMut1システムの類似突然変異は、野性型SUMO/SUMOプロテアーゼシステムで使用できる。bdSUMOMut1およびbdSUMOMut11のものと同等の位置に突然変異を含有する、scSUMO−MBPとhsSUMO2−MBP融合物タンパク質は、様々なSUMO特異的プロテアーゼと一緒に25℃にて1時間インキュベートされた。scSUMOおよびhsSUMO2の残基の付番は、完全長のタンパク質配列に準ずる。サンプルは、SDS−PAGEによって分解されて、C末端切断MBPから完全長の融合タンパク質が分離された。 様々な野性型と突然変異体SUMO特異的プロテアーゼの基質特異性。 (A)SUMO突然変異体(野性型SUMOまたは様々なbdSUMO突然変異体)に融合された100μMのMBPを伴ったサンプルは、様々なSUMO特異的プロテアーゼと一緒に25℃にて1時間インキュベートされた。各アッセイで使用されるプロテアーゼ濃度は、先に触れた条件にて同族SUMOタンパク質を完全に切断するために十分である。約2μgのSUMO融合物に相当するサンプルが、SDS−PAGEによって分析されて、切断MBPから完全長の融合タンパク質を分離した。(B、C)それぞれ、Aで試験されたbdSUMOとSENP1突然変異体の突然変異の一覧。
配列
配列番号1(DegronNER
FLFVQ
配列番号2(ssrA)
AADENYALAA
配列番号3(WT bdSUMOの第1〜97アミノ酸)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMT AIAFLFDGRRLRAEQTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号4(WT scSUMOの第1〜97アミノ酸)
MSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEM DSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGG
配列番号5(WT hsSUMO2;ヒトSUMO2、第1〜93アミノ酸)
MADEKPKEGVKTENNDHINLKVAGQDGSVVQFKIKRHTPLSKLMKAYCERQGLSMRQIRF RFDGQPINETDTPAQLEMEDEDTIDVFQQQTGG
配列番号6(WT bdSENP1の第248〜491アミノ酸)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKRSETLSVHEASNIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRRWTTKRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号7(scUlp1の第403〜621アミノ酸)
LVPELNEKDDDQVQKALA SRENTQLMNRDNIEITVRDFKTLAPRRWLNDTIIEFFMKYIEKSTPNTVAFNSFFYTNLS ERGYQGVRRWMKRKKTQIDKLDKIFTPINLNQSHWALGIIDLKKKTIGYVDSLSNGPNAM SFAILTDLQKYVMEESKHTIGEDFDLIHLDCPQQPNGYDCGIYVCMNTLYGSADAPLDFD YKDAIRMRRFIAHLILTDALK
配列番号8(hsSENP2;ヒトSENP2、第419〜644アミノ酸)
EFPEITEEMEKEIKNVFRNGNQDEVLSEAFRLTITRKDIQTLNHLNWLNDEIINFYMNMLME RSKEKGLPSVHAFNTFFFTKLKTAGYQAVKRWTKKVDVFSVDILLVPIHLGVHWCLAVVD FRKKNITYYDSMGGINNEACRILLQYLKQESIDKKRKEFDTNGWQLFSKKSQEIPQQMNG SDCGMFACKYADCITKDRPINFTQQHMPYFRKRMVWEILHRKLL
配列番号9(Wt bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMTAIAFLFDGRRLRAEQTPDE
配列番号10(Mut1 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMKAIAFLFKGRRLRAERTPDE
配列番号11(Mut2 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMTAIAFLFKGRRLRAECTPDE
配列番号12(Mut3 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMHAIAFLFKGRRLRAEKTPDE
配列番号13(Mut4 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMRAIAFLFRGRRLRAEVTPDE
配列番号14(Mut5 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMTAIAFLFKGRRLRAEFTPDE
配列番号15(Mut6 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMHAIAFLFKGRRLRAEQTPDE
配列番号16(Mut7 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMDAIAFLFRGRRLRAECTPDE
配列番号17(Mut8 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMPAIAFLFKGRRLRAEWTPDE
配列番号18(Mut9 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMAAIAFLFKGRRLRAEYTPDE
配列番号19(Mut10 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMTAIAFLFKGRRLRAERTPDE
配列番号20(Mut11 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMSAIAFLFKGRRLRAEWTPDE
配列番号21(Mut12 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMSAIAFLFKGRRLRAEHTPDE
配列番号22(Mut13 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMSAIAFLFKGRRLRAEATPDE
配列番号23(Mut14 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMNAIAFLFKGRRLRAEWTPDE
配列番号24(Mut15 bdSUMO;第56〜79アミノ酸)
SVDMNAIAFLFKGRRLRAEATPDE
配列番号25(wt bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKRSETLSVHEASNIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRRWTTKRKLG
配列番号26(MutA bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKPSETLSVHEASGIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVREWTTPRKLG
配列番号27(MutB bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKRSETLSVHEASSIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVREWTTKRKLG
配列番号28(MutC bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKSSETLSVHEASAIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRGWTTVRKLG
配列番号29(MutD bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKPSETLSVHEASEIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVREWTTQRKLG
配列番号30(MutE bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKRSETLSVHEASGIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRYWTTARKLG
配列番号31(MutF bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKPSETLSVHEASCIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRLWTTRRKLG
配列番号32(MutG bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKSSETLSVHEASHIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRRWTTV−KLG
配列番号33(MutH bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKPSETLSVHEASAIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLIN−GYDYKSVREWTTMRKLG
配列番号34(Muti bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKKSETLSVHEASHIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVREWTTRRKLG
配列番号35(MutJ bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKESETLSVHEASSIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRSWTTTRKLG
配列番号36(MutK bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKVSETLSVHEASQIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRVWTTGRKLG
配列番号37(MutL bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKLSETLSVHEASVIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRPWTTARKLG
配列番号38(MutM bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKASETLSVHEASWIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRRWTTERKLG
配列番号39(MutN bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKSSETLSVHEASPIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRRWTTRRKLG
配列番号40(MutO bdSENP1の第265〜354アミノ酸)
GGRKRSETLSVHEASRIVITREILQCLNDKEWLNDEVINLYLELLKERELREPNKFLK CHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRGWTTLRKLG
配列番号41(Mut1 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMK AIAFLFKGRRLRAERTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号42(Mut2 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMT AIAFLFKGRRLRAECTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号43(Mut3 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMH AIAFLFKGRRLRAEKTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号44(Mut4 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMR AIAFLFRGRRLRAEVTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号45(Mut5 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMT AIAFLFKGRRLRAEFTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号46(Mut6 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMH AIAFLFKGRRLRAEQTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号47(Mut7 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMD AIAFLFRGRRLRAECTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号48(Mut8 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMP AIAFLFKGRRLRAEQTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号49(Mut9 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMA AIAFLFKGRRLRAEYTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号50(Mut10 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMT AIAFLFKGRRLRAERTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号51(Mut11 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMS AIAFLFKGRRLRAEWTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号52(Mut12 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMS AIAFLFKGRRLRAEHTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号53(Mut13 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMS AIAFLFKGRRLRAEATPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号54(Mut14 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMN AIAFLFKGRRLRAEWTPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号55(Mut15 bdSUMOの第1〜97残基)
MSAAGGEEDKKPAGGEGGGAHINLKVKGQDGNEVFFRIKRSTQLKKLMNAYCDRQSVDMN AIAFLFKGRRLRAEATPDELEMEDGDEIDAMLHQTGG
配列番号56(MutA bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKPSETLSVHEASGIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVREWTTPRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号57(MutB bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKRSETLSVHEASSIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVREWTTKRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号58(MutC bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKSSETLSVHEASAIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRGWTTVRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号59(MutD bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKPSETLSVHEASEIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVREWTTQRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号60(MutE bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKRSETLSVHEASGIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRYWTTARKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号61(MutF bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKPSETLSVHEASCIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRLWTTRRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号62(MutG bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKSSETLSVHEASHIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRRWTTVKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号63(MutH bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKPSETLSVHEASAIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGYDYKSVREWTTMRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号64(Muti bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKKSETLSVHEASHIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVREWTTRRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号65(MutJ bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKESETLSVHEASSIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRSWTTTRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号66(MutK bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKVSETLSVHEASQIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRVWTTGRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号67(MutL bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKLSETLSVHEASVIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRPWTTARKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号68(MutM bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKASETLSVHEASWIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRRWTTERKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号69(MutN bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKSSETLSVHEASPIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRRWTTRRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号70(MutO bdSENP1の第248〜481残基)
PFVPLTDEDEDNVRHALGGRKRSETLSVHEASRIVITREILQCLNDKEWLNDE VINLYLELLKERELREPNKFLKCHFFNTFFYKKLINGGYDYKSVRGWTTLRKLGYNLIDC DKIFVPIHKDVHWCLAVINIKEKKFQYLDSLGYMDMKALRILAKYLVDEVKDKSGKQIDV HAWKQEGVQNLPLQENGWDCGMFMLKYIDFYSRDMELVFGQKHMSYFRRRTAKEILDLKA G
配列番号71(MBP)
AGTGTSKTEEGKLVIWINGDKGYNGLAEVGKKFEKDTGIKVTVEHPDKLEEKFPQVAATG DGPDIIFWAHDRFGGYAQSGLLAEITPDKAFQDKLYPFTWDAVRYNGKLIAYPIAVEALS LIYNKDLLPNPPKTWEEIPALDKELKAKGKSALMFNLQEPYFTWPLIAADGGYAFKYENG KYDIKDVGVDNAGAKAGLTFLVDLIKNKHMNADTDYSIAEAAFNKGETAMTINGPWAWSN IDTSKVNYGVTVLPTFKGQPSKPFVGVLSAGINAASPNKELAKEFLENYLLTDEGLEAVN KDKPLGAVALKSYEEELAKDPRIAATMENAQKGEIMPNIPQMSAFWYAVRTAVINAASGR QTVDEALKDAQTN
最初の4つの残基は、SUMOsとMBPとの間の短いリンカーの一部である。
実施例1 bdSENP1MutBおよび他の部位特異的プロテアーゼの切断効率
今までのところ、bdSENP1とUlp1は、公知の最も活性なUbl特異的プロテアーゼである(Frey & Gorlich 2014a)。約15〜50nMのこれらの2つのプロテアーゼは、0℃にて1時間で同族基質を効率的に切断しなければならなかった(図6)。他の一般的に使用されるUbl特異的プロテアーゼ(すなわち、xlAtg4、xlSub2およびbdNEDP1)は、bdSENP1やUlp1に比べて15〜150倍低い効果である。ここで、我々は、bdSENP1MutBプロテアーゼがbdSENP1またはUlp1と比較してたった5倍低い効率であることを示した。そのため、bdSENP1MutBプロテアーゼは、いくつかの野性型Ubl特異的プロテアーゼに対してより魅力的な選択肢である。
この実施例はまた、bdSENP1MutBプロテアーゼがタバコetchウイルス由来の部位選択的プロテアーゼ(TEVプロテアーゼ)に比べて約1000倍高い効率であることを示す。例えば、たった200nMのbdSENP1MutBプロテアーゼだけで約95%の同族基質(bdSUMOmut1)を切断するのに十分であり、それに対して、10μMのTEVプロテアーゼさえ、同じインキュベーションの条件で同じ量の融合タンパク質を切断するのに十分ではない(図6)。TEVプロテアーゼはタグ除去のために最も広く使用されるプロテアーゼであるが、我々のデータは、bdSENP1MutBが同じ提案のためのより強力なツールを示すことを立証する。
材料と方法
切断反応を、20μlの全容積に切断バッファー(45mMのTris/HCl pH7.5、250mMのNaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTT)を使用して実施した。反応の前に、基質とプロテアーゼを反応に必要である濃度の2倍に切断バッファーで希釈した。等量の希釈基質とプロテアーゼを、反応を始めるために混合した。あらゆる反応のために、100μMのそれぞれのMBPタグ付与基質を、所定のプロテアーゼ(10nM〜10μM)の様々な量で、氷上、1時間インキュベートした。
切断反応を、180μlのSDSサンプルバッファー(3%のSDS、125mMのTris/HCl(pH6.8)、50mMのDTT、1MのスクロースおよびCoomassie brilliant blue G250)を加えることによって停止させた。2.5μgのbdSUMOMut1タグ付与基質に相当するサンプルをSDS−PAGEによって分解し、そして、クマシーブルーによって更に染色した。プロテアーゼを含まない対照サンプルをアッセイの中に含めた。試験したプロテアーゼは:ミナトカモジグサ(B.distachyon)由来のbdSENP1、S.セレビシエ由来のUlp1、SUMOstarプロテアーゼ、bdSENP1MutBプロテアーゼ、ミナトカモジグサ由来のbdNEDP1、アフリカツメガエル(X. leavis)由来のxlATG4BとxlSub2、およびTEVプロテアーゼであった。
実施例2 bdSENP1MutBとSUMOstarは直交性プロテアーゼである
SUMOveraとSUMOstarシステムとの間の直交性を試験するために、bdSUMOMut1−およびSUMOstar−MBP融合物を、高濃度のbdSENP1MutBまたはSUMOstarプロテアーゼのいずれかと共に0℃にて1時間インキュベートした(図7)。一方で、bdSENP1MutBプロテアーゼは200nMの濃度にて同族基質を切断しただけであるが、それに対して、SUMOstar−MBP融合物は10μMの最高プロテアーゼ濃度でさえ完全なままである。その一方、SUMOstarプロテアーゼは、SUMOstar−MBPのみを認識し、そして、10μMの最高濃度のSUMOstarプロテアーゼでさえ、bdSUMOMut1−MBP融合物タンパク質を完全なまま残した。10μMのいずれかのプロテアーゼが、プロテアーゼ交差性が全く観察されなかったとしても、同族基質の完全な切断のために必要とされるより最大1000倍高いプロテアーゼを表すことに留意するのこと。そのため、SUMOveraとSUMOstarシステムは、実際には本当に直交特異性を有する。
材料と方法
切断反応を、実施例1に記載のとおり実施し、停止させ、そして、分析した。唯一の例外は、bdSUMOMut1およびSUMOstar融合タンパク質を、高濃度のそれぞれのプロテアーゼと共にインキュベートしたことである。
実施例3 S.セレビシエにおけるbdSUMOMut1融合タンパク質の発現
実際上、野性型SUMOタンパク質でタグ付与した任意のタンパク質は、真核宿主において発現される場合、すぐに切断される。SUMOstarは、今までのところ、異なる真核細胞系において安定したタグであるSUMOタンパク質の唯一の例である(Liu et al. 2008; Peroutka et al. 2008)。我々は、bdSUMOMut1がインビボにおいてUlp1による切断に抵抗性であり、そのため、酵母細胞において安定しているかどうか試験した。
このために、我々は、融合タンパク質が完全長の生成物として残るかどうか試験するために、S.セレビシエにおいて、scSUMO、SUMOstar、bdSUMOまたはbdSUMOMut1を用いてタグ付与したシトリンを過剰発現させた。融合タンパク質の安定性は、抗シトリン抗体を使用したウエスタンブロット法で分析した(図8)。予想されるように、scSUMO−およびbdSUMO−タグ付与シトリンは完全に切断したが、その一方で、SUMOstar−およびbdSUMOMut1タグ付与タンパク質は、過剰発現の6時間後でさえ完全なままであった。実際には、bdSUMOMut1は、完全長かつほとんど切断されていないシトリンとして維持された約100%の過剰発現bdSUMOMut1タグ付与タンパク質が検出されたので、(SUMOstarに比べてより一層)酵母における組み換えタンパク質発現中の最も安定した融合タグであった。これらの結果は、bdSUMOMut1がS.セレビシエにおける発現のためのSUMO
融合タグとしてSUMOstarに比べてより良い選択肢をまさに表すことを示唆する。
材料と方法
SUMO−シトリン融合タンパク質の過剰発現のために、それぞれの発現プラスミドを、(Gietz&Schiestl2007)に記載のPEG/LiAcプロトコールを使用して、S.セレビシエ株SFY123(MATα、ADE2、his3−11、15leu2−3、112LYS2、trp1−1、ura3 can1−100、H2B−CFP::Trp1)において形質転換した。次に、単一形質転換コロニーを、2%(w/v)のグルコースを補ったSD培地の開始前培養への植え付けのために採取した。30℃にて一晩のインキュベーション後に、細胞を、2,000rpmにて5分間の遠心分離によってペレット化し、そして、2%(w/v)のグルコースおよび2%(w/v)のラフィノースを補った新しい培地を使用して更に再懸濁した。この持続プロセスを二度繰り返した。2%(w/v)のグルコースと2%(w/v)のラフィノースを補った新しい培地を用いた細胞の遠心分離とその後の再懸濁を二度繰り返した。次に、再懸濁した細胞を、OD600約0.2の初期濃度まで、2%(w/v)のラフィノースを補った250mlのSD培地への植え付けに使用した。その培養物を、指数増殖期に達するまで(OD600約0.8〜1.0)振盪しながら30℃にてインキュベートした。SUMO−シトリン融合タンパク質の過剰発現を、振盪しながら30℃にて6時間、2%(w/v)のガラクトースの添加によって誘発した。タンパク質過剰発現後に、酵母細胞を、2,000rpmおよび25℃にて10分間の遠心分離によってペレット化し、そして、再懸濁バッファー(45mMのTris/HCl pH7.5、250mMのNaCl、20mMのイミダゾール、5mMのDTT)で更に再懸濁した。
SUMO−シトリンタンパク質の安定性を分析するために、再懸濁した細胞を、(Zuk 1998)に記載のTCA/NaOH抽出による溶解物を作製するために使用した。シトリン融合タンパク質を発現する35mODの細胞に相当する細胞溶解物を、SDS−PAGEによって分解し、そして、ウエスタンブロット法で分析した。抗GFP一次抗体を使用して、切断されたシトリンおよび/または完全長のSUMO−シトリン融合タンパク質の存在を検出するのに使用した。SUMOタグ付与シトリンを欠く細胞溶解物を陰性対照として使用した。
実施例4 bdSUMOMut1は、真核細胞抽出物において安定したタグである
我々はまた、様々な真核生物の抽出物質におけるscSUMO−、SUMOstar−、bdSUMO−およびbdSUMOMut1−MBP融合物タンパク質の安定性も分析した。それぞれのMBP融合物タンパク質を、高濃縮抽出物の状態で25℃にて2時間インキュベートし、そして、ウエスタンブロット法で更に分析した(図9)。SUMOstarやbdSUMOMut1を用いてタグ付与したタンパク質はすべてのサンプルで切断されなかったが、それに対して、scSUMOならびにbdSUMO融合タンパク質は様々な程度で切断された。「プロテアーゼミックス」(Ulp1、SUMOstarプロテアーゼ、bdSENP1およびbdSENP1MutBプロテアーゼ、それぞれ1μM)を含むサンプルは、内因性SUMO特異的タンパク質がSUMOstarまたはbdSUMOMut1融合タンパク質のいずれかを切断することを妨げることができるいずれの阻害物質も存在しなかったことを示した。そのため、これらの結果は、bdSUMOMut1もまた、事実上あらゆる真核宿主において使用できる好適な融合タグであることを裏付ける。
材料と方法
様々なSUMOタグ付与MBP融合物タンパク質の安定性を、様々な真核生物抽出物(麦芽抽出、アフリカツメガエル卵抽出物、ウサギ網状赤血球抽出、HeLa細胞抽出物およびドロソフィラS2細胞抽出物)において試験した。溶解物の調製を(Mureev et al. 2009; Kovtun et al. 2010; Blow & Laskey 1986; Crevel & Cotterill 1991; Endo et al. 2010; Jackson & Hunt 1983)に記載のとおり実施した。12.5μlの反応体積に関して、1μMのSUMOタグ付与基質を、1μMの様々なSUMO特異的プロテアーゼ(Ulp1、SUMOstar、bdSENP1およびbdSENP1MutBプロテアーゼ)を含有するプロテアーゼ混合物の存在下、または不存在下、10μlのそれぞれの溶解物と共に、25℃にて2時間インキュベートした。最後に、反応を、100μlの終量までSDSサンプルバッファー(3%のSDS、125mMのTris/HCl、(pH6.8)、50mMのDTT、1MのスクロースおよびクマシーブリリアントブルーG250)を加えることによって停止させた。基質の安定性は、抗MBP一次抗体を使用したウエスタンブロット法によって分析した。
実施例5 酵母におけるヘテロ二量体複合体の精製
2以上の部位選択的プロテアーゼを使用して、定義されたサブユニット化学量論性(Frey & Gorlich 2014b)を用いてタンパク質複合体を精製するのに使用した。この技術は簡単であり、かつ、互いに基質特異性を有するプロテアーゼを要求するだけであるが、これまでのところ、それはE.コリなどの原核細胞系で適用された。ここで、我々は、SUMOveraシステムをSUMOstarシステムと一緒にS.セレビシエで発現される二量体タンパク質複合体を精製するのに使用できることを示す。原理証明として、我々は、抗GFPナノボディ(Nb)(Kirchhofer et al. 2010)およびシトリンと称するGFP様タンパク質(Heikal et al. 2000)で構成された高アフィニティーヘテロ二量体複合体を選択した。NbをH14−bdSUMOMut1融合タンパク質としてクローン化したが、その一方で、シトリンをN末端ZZ−SUMOstarタグに融合させた(図10−A)。
両タンパク質の同時発現後に、我々は、Nb・シトリン複合体の精製のために(フレイとゲルリッヒ2014b)に記載の2つの連続したキャプチャ−アンド−リアライズ(capture-and-realize)クロマトグラフィーステップを使用した(図10−B)。第一のクロマトグラフィーステップに関して、複合体(可溶性物質)を含む細胞溶解物を、H14−bdSUMOMut1−Nb融合タンパク質を介して二量体複合体を固定するためにNi2+キレートマトリックス含有カラム上に添加した。次に、非結合物質を、マトリックス(非結合物質)を洗浄した後に、カラムから取り除く。次に、タンパク質複合体の溶出を、bdSENP1MutBプロテアーゼを使用して、オンカラムタンパク質切断によって達成した。特に、(図8)で観察されたとおり内因性Ulp1による部分切断ZZ−SUMOstarタグにより、非タグ付与シトリンが溶出複合体中に存在した。第二のアフィニティークロマトグラフィーステップ後に、溶出液1からの非タグ付与Nbならびに非タグ付与シトリンの余剰をタンパク質製剤(非結合物質2)から取り除いたので、化学量論的なタンパク質複合体を得た。化学量論的な複合体を、SUMOstarプロテアーゼを使用した第二のオンカラムタンパク質切断によって得る。最後に、アフィニティータグとすべての混入物の両方が(イミダゾールとSDSを用いた溶出後に)両アフィニティーマトリックスに結合したままなので、bdSENP1MutBおよびSUMOstarプロテアーゼの使用が、非タグ付与およびより純粋な複合体を得ることを可能にした。
材料と方法
Nb・シトリン複合体の形質転換を、S.セレビシエ株SFY123(MATα、ADE2、his3−11、15leu2−3、112LYS2、trp1−1、ura3、can1−100)において実施した。1つのプラスミドは融合タンパク質H14−bdSUMOMut1−Nbを体系化し、および第2のものはZZ−SUMOstar−シトリンタンパク質を体系化した。発現を、実施例3に記載のとおり実施した。発現後に、酵母ペレットを、20〜50/mlの最終的なOD600まで、再懸濁バッファー(50mMのTris/HCl pH7.5、150mMのNaCl、20mMのイミダゾール、5mMのDTT)で再懸濁した。様々なプロテアーゼ阻害剤のカクテルを、1×の終濃度まで再懸濁した細胞に追加した。プロテアーゼ阻害剤の原液(500×)は、以下の化合物:5mg/mlのアプロチニン、5mg/mlのロイペプチン、2.5mg/mlのエラスタチナール、2.5mg/mlのキモスタチンおよび0.5mg/mlのペプスタチンAを含有した。細胞を、液体窒素中で急速冷凍し、そして、10〜15分間、湯浴中ですぐに解凍した。ガラスビーズと一定のボルテックスを使用して細胞膜を破壊して、細胞溶解物を作製した。細胞破片と不溶性物質を、38,000rpmおよび4℃にて1.5時間の超遠心分離によって溶解細胞から取り除いた。
二成分タンパク質複合体の精製を(Frey & Gorlich 2014b)に記載のとおり実施した。簡単に言えば、除去した酵母溶解物を、Ni2+キレートビーズと共に4℃にて1時間インキュベートした。それに続いて、ビーズを、カラム内に入れ、そして、混入タンパク質を、2カラム体積(CV)の再懸濁バッファーの添加によって除去した。次に、タンパク質複合体を、200nMのbdSENP1MutBプロテアーゼを含有する1CVの溶出緩衝液を加えることによって、4℃にて1時間溶出した。第二の精製ステップのために、抗ZZドメインアフィボディに連結したシリカビーズを使用した、ZZタグ(ブドウ球菌プロンテインA由来のZドメインのタンデム反復)を介して、複合体を固定した。サンプルを、2mlの抗Zドメインビーズと共に4℃にて1時間インキュベートした。インキュベーション後に、ビーズを、2CVの再懸濁バッファーで洗浄した。タンパク質溶出のために、シリカビーズを、100nMのSUMOstarプロテアーゼを補った再懸濁バッファーと共に4℃にて1時間インキュベートした。溶出後に、サンプルを貯留し、そして、−80°での保管のために液体窒素中で冷凍した。タンパク質サンプルを、複合体の発現および精製の様々なステップにて採取し、SDS−PAGEによって分析した。
実施例6 S.セレビシエにおけるbdSENP1MutBプロテアーゼの過剰発現
SUMO特異的プロテアーゼは、最適なタンパク質からのアフィニティータグの除去のための最も効果的なプロテアーゼである(Frey & Gorlich 2014a; Malakhov et al. 2004)。残念ながら、インビボにおけるあらゆる外来SUMO特異的プロテアーゼの使用もあらゆる真核細胞の生存率を落とすので、このプロセスはビトロにおいて実施できない。インビボにおける部位選択的タンパク質分解およびSUMO特異的プロテアーゼの特別な使用は高い関連性があるものなので、我々は、bdSENP1MutBプロテアーゼの過剰発現が酵母細胞の生存率に影響せずに達成できるかどうか試験することを決めた。酵母細胞を、Ulp1、bdSENP1、SUMOstarプロテアーゼまたはbdSENP1MutBプロテアーゼをコードする高コピーベクターを用いて形質転換した(図11)。陰性対照として、我々は、完全に不活性であり、そのためscSUMOを加水分解することができないbdSENP1突然変異体(C440S)を体系化したプラスミドを用いて細胞を形質転換した。プロテアーゼの発現がグルコースの存在によって抑制されるとき、すべての形質転換細胞が増殖できた。ガラクトースの添加による30℃にて72時間のプロテアーゼ過剰発現の誘発後に、bdSENP1MutBプロテアーゼまたはbdSENP1(C440S)のいずれかを発現する酵母細胞だけが、よく似たところまで増殖した。対照的に、Ulp1、bdSENP1およびSUMOstarプロテアーゼの過剰発現は、ガラクトースの存在下で完全な細胞死につながった。そのため、bdSENP1MutBプロテアーゼは、生きた酵母細胞における部位特異的タンパク質分解を実施するために使用できる唯一のSUMO特異的プロテアーゼである。
材料と方法
S.セレビシエ細胞菌株SFY123(MATα、ADE2、his3−11、15leu2−3、112LYS2、trp1−1、ura3、can1−100)を、SUMO特異的プロテアーゼの過剰発現後のそれらの生存率を試験するために使用した。最初に、細胞を、(Gietz & Schiestl 2007)に記載のプロトコールを使用して、ガラクトース誘導性発現プラスミドを用いて形質転換した。形質転換細胞を、2%(w/v)のグルコースを補ったSD培地に植え付け、そして、30℃にて16時間更に植え付けた。次に、細胞を、ペレット化し、そして、2%(w/v)のグルコースおよび2%(w/v)のラフィノースを補った新しいSD培地を使用して再懸濁した。再懸濁した細胞を、指数増殖期(OD600約1.0)に達するまで、2%(w/v)のラフィノースを含有するSD培地中でインキュベートした。次に、細胞を、10倍ステップで連続希釈し、そして、5μlのそれぞれの希釈物を、ガラクトース(0.02%および0.2%)またはグルコース(2%)のいずれかを含有する平板培地にスポットした。平板培地を30℃にて72時間インキュベートし、そして、更にスキャンした。
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参考文献一覧
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Claims (24)

  1. 以下の構造:
    N−PCSY−degSigN−M−PCSX−degSigC−C;
    {式中、
    Nは、N末端を表し;
    PCSYとPCSXはそれぞれ、プロテアーゼ切断部位(PCS)を表すが、それは、少なくとも1つのアミノ酸残基が互いに異なり;
    degSigNは、分解シグナルを表すが、それは、PCSYがプロテアーゼによって、degSigNの第一アミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように切断される場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;
    Mは、細胞質選択マーカーを表し;
    degSigCは、第二の分解シグナルを表すが、それは、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進し;および
    Cは、C末端を表す}を含む融合タンパク質。
  2. 前記PCSYおよび/またはPCSXが、配列番号3に示されたbdSUMOプロテアーゼ切断部位、bdSUMOのパラログもしくはオルソログ、または配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して少なくとも80%の配列同一性を有するbdSUMOの機能的に同等な変異体から選択される、請求項1に記載の融合タンパク質。
  3. 前記degSigNが、アミノ酸配列FLFVQ(DegronNER;配列番号1)を含み;および/または
    前記Mが、抗生物質選択剤に対する抵抗性を提供する、好ましくは前記Mが、ハイグロマイシンBに対する抵抗性を提供する細胞質選択マーカーであり;および/または
    前記degSigCが、アミノ酸配列AADENYALAA(ssrA;配列番号2)を含む、
    請求項1または請求項2に記載の融合タンパク質。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする核酸配列を含む、核酸構築物。
  5. 請求項4に記載の複数の多様化された核酸発現構築物を含む核酸発現構築物ライブラリであって、ここで、前記融合タンパク質のPCSYをコードする核酸が、コードされるPCSYにおいて、少なくとも1つのコードされたアミノ酸位置が多様化するような多様性を含み、
    ここで、(単数もしくは複数の)多様性を含む前記アミノ酸位置が、無修飾の、多様化されていないPCSYを切断することができる着目のプロテアーゼと相互作用するPCSY界面内の(単数もしくは複数の)位置である、核酸発現構築物ライブラリ
  6. 複数の宿主細胞であって、ここで、該複数の宿主細胞の各メンバーが、請求項4に記載の核酸発現構築物(それは、多様化していない)または請求項59または10に記載の複数の核酸発現構築物のメンバーを含み;ここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し、およびPCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進する、複数の宿主細胞。
  7. 前記宿主細胞が、着目のプロテアーゼと核酸発現構築物によってコードされる融合タンパク質を同時に発現することができ、ここで、前記着目のプロテアーゼがPCSXを切断することができ;好ましくはここで、プロテアーゼが誘導性プロモーターの制御下にある、請求項6に記載の複数の宿主細胞。
  8. 前記宿主細胞が、請求項4に記載の第一の多様化されていない核酸発現構築物を含み、および前記複数の宿主細胞の各メンバーが、着目の多様化されたプロテアーゼをコードする複数の第二の発現構築物のメンバーを含み、
    ここで、該宿主細胞が、前記第一の発現構築物によってコードされる融合タンパク質と一緒に、着目の前記の多様化されたプロテアーゼを同時に、発現することができ、
    ここで、前記複数の第二の発現構築物が、第一の発現構築物の融合タンパク質のPCSYを切断することができるプロテアーゼに由来し、および
    それにより、複数の第二の発現構築物が、前記PCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置に多様性を含む、請求項6に記載の複数の宿主細胞。
  9. (a)第一のプロテアーゼ切断部位PCSYが、着目のプロテアーゼによって切断されないかどうか、および(b)第二のプロテアーゼ切断部位PCSXが、前記着目のプロテアーゼによって切断されるかどうか同時に試験する方法であって、以下のステップ:
    (i)請求項4に記載の第一の核酸構築物と、着目のプロテアーゼの発現のための第二の発現構築物を含む宿主細胞を準備し;ここで、該宿主細胞は、該融合タンパク質と前記着目のプロテアーゼとを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して該融合タンパク質の分解を促進し、かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して該融合タンパク質の分解を促進し;
    (ii)該融合タンパク質と該着目のプロテアーゼとが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の宿主細胞を培養し;そして
    (iii)ステップ(ii)の宿主細胞を、該第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒すこと;
    を含み、
    ここで、ステップ(iii)で適用された選択条件の存在下での宿主細胞の成長は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYが前記着目のプロテアーゼによって切断されないで、かつ、前記第二のプロテアーゼ切断部位PCSXが前記第二の核酸発現構築物の前記着目のプロテアーゼによって切断されることを示し;好ましくは、ここで、該選択マーカーは該宿主細胞に抗生物質耐性を与える方法。
  10. 第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体PCSY(ここで、PCSYは、着目のプロテアーゼによって切断されない)を同定する方法であって、以下のステップ:
    (i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、請求項5に記載の複数の第一の核酸構築物のメンバー(ここで、該複数の第一の核酸構築物は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXの多様化された変異体PCSYをコードする)と、着目のプロテアーゼの発現のための第二の発現構築物とを含み、ここで、前記着目のプロテアーゼは、PCSXを切断することができ、それによって、複数の宿主細胞が、第一の核酸構築物によってコードされるタンパク質と前記着目のプロテアーゼとを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
    (ii)該融合タンパク質と該着目のプロテアーゼが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
    (iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該複数の第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
    (iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、および同定された宿主細胞の第一の核酸構築物のPCSY(PCSYは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体であり、かつここで、PCSYは、第二の発現構築物の前記着目のプロテアーゼによって切断されない)の配列を同定すること、
    を含む方法。
  11. (第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができるが、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができない)プロテアーゼ変異体を同定する方法であって、ここで、前記プロテアーゼ変異体は第一のプロテアーゼ(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができるが、プロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができない)由来であり、以下のステップ:
    (i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、各メンバーは、請求項4に記載の多様化されていない第一の核酸発現構築物(そこで、PCSXは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体であり)を含み、ここで、PCSYは、着目の第一のプロテアーゼによって切断され、かつ、PCSXは、前記第一のプロテアーゼによって切断されず;およびここで、前記複数の宿主細胞の各メンバーは、前記第一のプロテアーゼのプロテアーゼ変異体を発現する複数の第二の発現構築物のメンバーを更に含み、ここで、前記複数の第二の核酸発現構築物は、前記第一のPCSYと相互作用するプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置における多様性を含み、それにより、複数の宿主細胞が、融合タンパク質と前記着目のプロテアーゼを同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
    (ii)該融合タンパク質と着目のプロテアーゼとが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
    (iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該第一の核酸発現構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
    (iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、および同定された宿主細胞の第二の核酸構築物によってコードされるプロテアーゼ変異体の配列を同定すること、ここで、前記プロテアーゼ変異体は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYのプロテアーゼ切断部位変異体PCSXを切断することができるが、第一のプロテアーゼ切断部位PCSYを切断することができない、
    を含む方法。
  12. 直交性プロテアーゼ(P)/プロテアーゼ切断部位(PCS)システムを調製する方法であって、以下のステップ:
    (i)複数の宿主細胞を準備し、ここで、各メンバーは、請求項6に記載の複数の第一の核酸構築物のメンバー(それは、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXの多様化された変異体PCSYをコードする)と、着目の第一のプロテアーゼPXの発現のための第二の発現構築物(それは、PCSXを切断することができ、それにより、複数の宿主細胞が、融合タンパク質と前記着目の第一のプロテアーゼとを同時に発現することができる)とを含み、およびここで、該宿主細胞は、PCSYがプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCSXがプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
    (ii)該融合タンパク質と第一のプロテアーゼPXが同時に発現されるような条件下、ステップ(i)の複数の宿主細胞を培養し;そして
    (iii)ステップ(ii)の複数の宿主細胞を、該複数の第一の核酸構築物によってコードされる融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;
    (iv)(ステップ(iii)で陽性として選択された)宿主細胞を同定し、およびPCS#を同定し、ここで、PCS#は、同定された宿主細胞の第一の核酸構築物由来のPCSYの配列であり、ここで、PCS#は、第一のプロテアーゼ切断部位PCSXのプロテアーゼ切断部位変異体であり、およびここで、PCS#は、前記第一のプロテアーゼPXによって切断されない一方で、PCSXは、PXによって切断され;
    (v)第二の複数の宿主細胞を調製し、そしてそれは、以下の構造:
    N−PCS*−degSigN−M−PCS#−degSigC−C;
    {式中、Nは、N末端を表し、PCS#は、ステップ(iv)で同定されたPCSYの配列であり、PCS*は、第二のプロテアーゼ切断部位(それは、PCSXと同一であっても、もしくは同一でなくてもよく、かつ、それは、少なくとも1つのアミノ酸残基でPCS#と異なる)であり、degSigNは、分解シグナル(それは、degSigNの第一のアミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように、PCS*がプロテアーゼによって切断される場合、宿主細胞における融合タンパク質の分解を促進する)を表し、Mは、細胞質選択マーカーを表し、およびdegSigCは、第二の分解シグナル(それは、PCS#がプロテアーゼによって切断されない場合、宿主細胞において融合タンパク質の分解を促進する)を表し、ならびにCは、C末端を表す}を含む多様化されていない融合タンパク質をコードする、第三の核酸発現構築物を含み;
    かつ、ここで、前記第二の複数の宿主細胞の各メンバーは、プロテアーゼP*のプロテアーゼ変異体を発現する複数の第四の発現構築物のメンバーを更に含み、ここで、前記プロテアーゼP*は、degSigNの第一のアミノ酸が残った融合の新しいN末端になるように、PCS*を切断することができ、ここで、前記複数の第四の核酸発現構築物は、前記第一のプロテアーゼ切断部位PCS*と相互作用する前記プロテアーゼP*のプロテアーゼ界面にて少なくとも1つのアミノ酸位置における多様性を含み、それにより、複数の宿主細胞が、多様化されていない融合タンパク質と前記プロテアーゼ変異体を同時に発現することができ、およびここで、該宿主細胞は、PCS*がプロテアーゼによって切断される場合、degSigNを介して融合タンパク質の分解を促進し;かつ、PCS#がプロテアーゼによって切断されない場合、degSigCを介して融合タンパク質の分解を促進し;
    (vi)該融合タンパク質とプロテアーゼP*の変異体が同時に発現されるような条件下、ステップ(v)の複数の宿主細胞を培養し;
    (vii)ステップ(vi)の複数の宿主細胞を、該第三の核酸発現構築物によってコードされた融合タンパク質の選択マーカーのための同族選択剤を使用した選択条件に晒し;そして
    (viii)(ステップ(vii)で陽性として選択された)細胞を同定し、およびP#を同定し、ここで、P#は、同定された宿主細胞の第四の核酸構築物によってコードされるプロテアーゼ変異体P*の配列であり、そしてそのプロテアーゼ変異体P#は、プロテアーゼ切断部位変異体PCS#を切断することができ、そしてそれは、第一の切断部位PCSXを切断することができず;
    その結果、PCS*とプロテアーゼP*、および変異PCS#と変異プロテアーゼP#から成る直交性プロテアーゼ/プロテアーゼ切断部位システムを得ること、
    を含む方法。
  13. 変異SUMOプロテアーゼ切断部位(PCS)であって、ここで、前記変異SUMOのPCSはC末端Gly−Gly SUMOモチーフを含み、かつ、21℃にて1時間のインキュベーション、45mMのTris/HCl pH7.5、250mM NaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTTから成るバッファー中に100μMのSUMO PCS−MBP融合物の初期濃度から成る標準的な条件下で同じ濃度にて試験されたとき、配列番号71のアミノ酸配列を有するMBPのN末端に融合されると、配列番号7(scUlp1)または配列番号8(hsSENP2)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼによる切断と比較して、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼによって、C末端Gly−Gly SUMOモチーフの後でより効率的に切断され;任意選択で、ここで、配列番号57(MutB bdSENP1)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼは、上記の標準的な条件にて、少なくとも500倍モル過剰の前記SUMO PCS−MBP融合物を切断する、変異SUMOプロテアーゼ切断部位(PCS)。
  14. 前記変異プロテアーゼ切断部位が、配列番号3(bdSUMO)の完全長に対して少なくとも80%の配列同一性を有するか、または配列番号3に示されたbdSUMOプロテアーゼ切断部位のホモログであり、ここで、前記変異プロテアーゼ切断部位は、配列番号3の完全長配列とアラインされるとき、アラインされた配列番号3のD67に対応する位置に置換を含み、ここで、前記位置のアミノ酸は、K、R、N、AおよびHから成る群から選択される;好ましくはここで、前記アミノ酸はKおよびRから成る群から選択される;特にここで、前記アミノ酸はKである、別のアミノ酸によって置換される、請求項13に記載の変異プロテアーゼ切断部位。
  15. 前記変異プロテアーゼ切断位置が、配列番号3の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号3のQ75に対応する位置に置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸が、R、W、A、H、M、I、PおよびFから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;好ましくはここで、前記置換が、R、W、AおよびHから成る群から選択され;および/または
    前記変異プロテアーゼ切断部位が、配列番号3の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号3のT60に対応する位置に置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸が、S、N、K、P、H、R、およびQから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;好ましくはここで、前記アミノ酸が、S、N、K、およびPから成る群から選択される、請求項14に記載の変異プロテアーゼ切断部位。
  16. 前記変異プロテアーゼ切断部位が、以下の:
    (i)67K、60K、75R(Mut1);
    (ii)67K、60P、75W(Mut8);
    (iii)67K、75R(Mut10);
    (iv)67K、60S、75H(Mut11);
    (v)67K、60S、75W(Mut12);
    (vi)67K、60S、75A(Mut13);
    (vii)67K、60N、75W(Mut14);および
    (viii)67K、60N、75A(Mut15)、
    から成る群から選択される置換の組み合わせを含む、請求項14〜15のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ切断部位。
  17. 任意選択で、存在する場合、位置T60および/またはQ75の追加置換と組み合わせて、置換D67Kを除いた配列番号3(bdSUMO)のアミノ酸配列を有し;好ましくはここで、該変異プロテアーゼ切断部位が、配列番号41〜配列番号55のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有する、請求項14〜15のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ切断部位。
  18. 変異プロテアーゼであって、ここで、前記変異プロテアーゼが、21℃にて1時間のインキュベーション、45mMのTris/HCl pH7.5、250mM NaCl、2mMのMgCl2、250mMのスクロース、10mMのDTTから成るバッファー中に100μMのPCS−MBP融合物の初期濃度から成る標準的な条件下で同じ濃度にて試験されるとき、配列番号71のN末端に融合された配列番号4(scSUMO)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位または配列番号71のN末端に融合された配列番号3(hsSUMO2)のアミノ酸配列を有するプロテアーゼ切断部位に比べて、C末端Gly−Glyモチーフの後でより効率的に、配列番号41(Mut1 bdSUMO)のアミノ酸配列を有し、かつ、配列番号71のアミノ酸配列を有するMBPのN末端に融合されるプロテアーゼ切断部位(PCS)を切断し;
    任意選択で、ここで、前記変異プロテアーゼが、上記の標準的な条件下、少なくとも500倍モル過剰のMut1 bdSUMO−MBP融合物を切断する、変異プロテアーゼ。
  19. 前記変異プロテアーゼが、配列番号6(bdSENP1)の完全長配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有し、ここで、前記変異プロテアーゼが、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のN280に対応する位置での置換を含み、ここで、前記位置のアミノ酸がS、H、Q、A、GおよびCから成る群から選択されるアミノ酸で置換され;好ましくはここで、前記アミノ酸がS、H、QおよびAから成る群から選択される、請求項18に記載の変異プロテアーゼ。
  20. 請求項19に記載の変異プロテアーゼであって、前記変異プロテアーゼが、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のR356に対応する位置での置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸がE、S、V、YおよびLから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;好ましくはここで、前記置換がE、SおよびVから成る群から選択され;および/または
    前記変異プロテアーゼが、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のR269に対応する位置に置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸がE、S、P、K、Vから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;および/または
    前記変異プロテアーゼが、配列番号6の完全長配列に対してアラインされるとき、アラインされた配列番号6のK350に対応する位置に置換を更に含み、ここで、前記位置のアミノ酸がM、E、V、G、TおよびRから成る群から選択される別のアミノ酸によって置換され;好ましくはここで、前記置換がM、E、V、GおよびTから成る群から選択される、変異プロテアーゼ。
  21. 前記変異プロテアーゼが、以下の:
    (i)280S、346E(MutB);
    (ii)280H、269S、K350V(MutG);
    (iii)269P、280A、346E、350M(MutH);
    (iv)269K、280H、346E、350E(Muti);
    (v)269E、280S、346S、350T(MutJ);および
    (vi)269V、280Q、346V、350G(MutK)、
    から成る群から選択される置換の組み合わせを含む、請求項19〜20のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ。
  22. 任意選択で、存在する場合、位置R269、R346、および/またはK350の追加置換と組み合わせて、位置N280の置換を除いた配列番号6(bdSENP1)のアミノ酸配列を有する変異プロテアーゼであって;好ましくはここで、該変異プロテアーゼが、配列番号56〜配列番号70のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を有する、請求項19〜21のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ。
  23. 請求項13〜17のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ切断部位を含む、融合タンパク質。
  24. 着目のタンパク質を精製するプロセスであって、以下のステップ:
    (i)精製されるべき着目のタンパク質を準備し、ここで、前記タンパク質は、請求項13〜17のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼ切断部位を介して前記タンパク質に融合されたアフィニティータグを含み;
    (ii)前記アフィニティータグを介して、ステップ(i)のタンパク質をアフィニティーマトリックスに結合させ;そして
    (iii)請求項18〜22のいずれか一項に記載の変異プロテアーゼを使用して該アフィニティーマトリックスから該タンパク質を溶出させ、それによって、タンパク質を精製すること、
    を含むプロセス。
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