JP2021526376A - 核酸ナノ構造体を安定化するための新規方法 - Google Patents

核酸ナノ構造体を安定化するための新規方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、紫外線で硬化することにより、特にピリミジンヌクレオチドを架橋することにより、核酸ナノ構造体を安定化するための新規方法に関する。

Description

本発明は、紫外線で硬化することにより、特にピリミジンヌクレオチドを架橋することにより、核酸ナノ構造体を安定化するための新規方法に関する。
本発明は、核酸ナノ構造体を安定化するための新規な方法に関し、この方法は、有利な特性、特に高い構造安定性を有するナノ構造体をもたらす。
DNAナノテクノロジー1-4は、サブナノメートルの正確な形状及びナノメートルからマイクロメートルスケール5-16までの範囲の全体寸法を有し、ギガダルトンスケール17,18までの分子量を有する個別の3次元(3D)対象物のボトムアップ自己集成を可能にする。得られる対象物は、部位特異的に官能化され、化学基及び生体分子で修飾し得19-21、また機械のような挙動をもたらすメカニズムを含む可能性のある対象物を構築することができる22-24。カスタムDNA対象物が開発されて、基礎研究の多様な用途でうまく使用されているため、新しい科学的知見が得られ、有用性のある対象物を与えるDNAナノテクノロジーの能力の基礎となっている。例は、構造生物学25-27、生物物理学28-33、光工学34-37、プラズモン学38-42から、分子エレクトロニクス19,43-45にまで及ぶ。医療におけるプログラム可能な薬剤として、設計されたDNA対象物の使用を探求するための第1歩は開始された24,46。1本鎖DNAを生成するためのスケールアップ可能なバイオテクノロジーアプローチは、材料や医療用途に必要な量のDNA対象物を製造する道を切り開くのに役立つ47。様々な状況での用途を見つけるに、設計されたDNA対象物は、所望の適用効果を達成できるように、目的の条件で十分な時間安定している必要がある。一般に、生理学的流体中、他の溶媒中、空気中、又は真空中、及び50℃を超える高温での、低イオン強度溶液の適用は不可能である。従って研究者たちは、設計されたDNA対象物が安定なまま維持される条件の範囲を拡張する方法を模索してきた。化学結合48,49又は酵素的結合50を介して、対応して修飾された鎖末端間の構造例に、追加の共有結合が導入されている。DNAナノ構造体はまた、8−メトキシソラレン62又はオリゴリジン及びオリゴリジン−PEGコポリマー51,52などの補助因子を添加することによって、さらに安定化することもできる。これらの進歩にもかかわらず、高価な化学修飾された鎖又は補助因子の添加を必要としない、DNAナノ構造体の共有結合安定化のための補完的で一般的に適用可能なアプローチを確立することが、依然として望まれている。DNAナノ構造体のユーザーが規定した部位に追加の共有接続を作成できる可能性は、より広範囲の環境条件で使用するために、構造全体又はその一部を合理的に安定化することを可能にするであろう。さらに、メカニズムや高次集成体でコンフォメーション状態を安定して捕捉できる可能性がある。ここでは、DNAナノ構造体に追加の共有結合を部位選択的に導入するための一般的でスケールアップ可能な方法を紹介する。標的結合部位は、DNA鎖の配列のみで指定され、化学修飾の導入を必要としない。我々の方法は、一般に多様な範囲のDNAナノ構造体に適用可能であり、これは、DNA鎖が固相化学合成によって生成されたか又はバイオテクノロジープロセスを使用して生成されたかに関係なく機能する47
様々な状況での用途を見つけるに、設計されたDNA対象物は、所望の適用効果を達成できるように、目的の条件で十分な時間安定している必要がある。一般に、生理学的流体中、他の溶媒中、空気中、又は真空中、及び50℃を超える高温での、低イオン強度溶液の適用は不可能である。従って研究者たちは、設計されたDNA対象物が安定なまま維持される条件の範囲を拡張する方法を模索してきた。化学結合48,49又は酵素的結合50を介して、対応して修飾された鎖末端間の構造例に、追加の共有結合が導入されている。DNAナノ構造体はまた、オリゴリジン及びオリゴリジン−PEGコポリマー51,52などの補助因子を添加することによって、さらに安定化することもできる。これらの進歩にもかかわらず、高価な化学修飾された鎖又は補助因子の添加を必要としない、DNAナノ構造体の共有結合安定化のための補完的で一般的に適用可能なアプローチを確立することが、依然として望まれている。DNAナノ構造体のユーザーが規定した部位に追加の共有接続を作成できる可能性は、より広範囲の環境条件で使用するために、構造全体又はその一部を合理的に安定化することを可能にするであろう。さらに、メカニズムや高次集成体でコンフォメーション状態を安定して捕捉できる可能性がある。ここでは、DNAナノ構造体に追加の共有結合を部位選択的に導入するための一般的でスケールアップ可能な方法を紹介する。標的結合部位は、DNA鎖の配列のみで指定され、化学修飾の導入を必要としない。我々の方法は、一般に多様な範囲のDNAナノ構造体に適用可能であり、これは、DNA鎖が固相化学合成によって生成されたか又はバイオテクノロジープロセスを使用して生成されたかに関係なく機能する47
すなわち、核酸ナノ構造体の安定性を高めるという問題に取り組むためにすでに多くの試みがなされてきたという事実にもかかわらず、安定性が増した構築物の形成をもたらす新規アプローチを開発するという大きな満たされていないニーズが依然として存在する。
本発明によって提供されたこの問題の解決策、すなわちピリミジンヌクレオチドの紫外線誘発架橋による核酸ナノ構造体の硬化は、これまでのところ先行技術によって達成も示唆もされていない。
本発明は、紫外線を用いて硬化することにより、特にピリミジンヌクレオチドを架橋することにより、核酸ナノ構造体を安定化するための新規な方法に関する。
すなわち第1の態様において、本発明は、天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法に関し、ここで前記ナノ構造体は、1つ以上の相補的核酸配列上に存在する少なくとも2つの非隣接配列ストレッチに結合する少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、ここで前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程を特徴とし、ここで前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する前記工程は、2つのピリミジンヌクレオチド間の少なくとも1つの化学的結合の形成をもたらし、ここで2つのピリミジンヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、2重らせん部分構造に含まれる相補的ヌクレオチド対の一部ではない。
第2の態様において、本発明は、天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法に関し、ここで前記ナノ構造体は、1つ以上の相補的核酸配列上に存在する少なくとも2つの非隣接配列ストレッチに結合する少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、ここで前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程によって特徴付けられる。
第3の態様において、本発明は天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法に関し、ここで前記ナノ構造体は少なくとも2つの2重らせん部分構造を含み、ここで前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程によって特徴付けられる。
第4の態様において、本発明は、複数の2重らせん部分構造を含む天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法に関し、ここで前記ナノ構造体は、少なくとも2つの異なる2重らせん部分構造の一部である少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、ここで前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程を特徴とする。
第5の態様において、本発明は、少なくとも第1の1本鎖ポリヌクレオチドの1つ以上のコピーと、1本鎖ポリヌクレオチドのセットとを含む核酸ナノ構造体の作成のためのキットに関し、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、ここで前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
第6の態様において、本発明は、1本鎖オリゴヌクレオチドのセットを含む核酸ナノ構造体を作成するためのキットに関し、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれは、n個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、ここで前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)1本鎖ポリヌクレオチドの前記セットの別のメンバーの配列に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な前記別のメンバー上の領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
第7の態様において、本発明は、少なくとも第1の1本鎖ポリヌクレオチドの1つ以上のコピーと、1本鎖ポリヌクレオチドのセットとを含む核酸ナノ構造体に関し、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から選択される整数であり、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
第8の態様において、本発明は、1本鎖オリゴヌクレオチドのセットを含む核酸ナノ構造体に関し、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは、1、2、3・・・、40から独立して選択され、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)1本鎖ポリヌクレオチドの前記セットの別のメンバーの配列に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な前記別のメンバー上の領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは1、2、3・・・、40から独立して選択され、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
第9の態様において、本発明は、本発明による2つ以上の核酸ナノ構造体の集成から生じる複雑な核酸ナノ構造体に関する。
DNAナノ構造体における架橋のための部位としての近位チミジンを示す。(A)左は、紫外線照射前の2つの近位チミジンの化学構造。右は、紫外線照射前の、鎖末端(1)、半分のクロスオーバー時(2)、全クロスオーバー時(3)における1本鎖チミジン、及びチミジンループ(4)を、特徴とする6らせん束DNAナノ構造体の概略図。(B)(A)と同様であるが、310nmの波長の光に暴露した後である。CPD結合は楕円体として示される。
多層DNA折り紙を用いた紫外線架橋の概念証明を示す。(A)左から右へ:全ての鎖末端及び全ての鎖クロスオーバー位置の追加のチミジンを特徴とするレンガ様DNA折り紙対象物のモデル;臭化エチジウムで染色された2.0%アガロースゲルのレーザースキャン蛍光画像。照射(310nmで135分)及び非照射試料は、それぞれ、異なる温度で30分間インキュベートするか、又は連続的に濃度が低下する一価塩化ナトリウムを含む2回蒸留水中で室温で3時間インキュベートした。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;cは、架橋したステープル鎖;sは、架橋していないステープル鎖;Lは、1kBのラダー;NI及びIは、それぞれ5mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の非照射及び照射標準試料。ゲルの画像は自動レベリングされ、強調表示された領域は2回自動レベリングされた。2回蒸留水中の照射試料の平均2D粒子顕微鏡写真。(B)と(C)は(A)と同様であるが、それぞれ、全ての鎖末端の、全ての鎖のクロスオーバー位置の追加のチミジン、及び5−Tループを特徴とするレンガ様DNA折り紙対象物、及び全ての鎖末端、全ての鎖クロスオーバー位置の追加のチミジンを特徴とする及びポインター対象物を有する。全体に自動レベリングされたゲル画像については、図29を参照されたい。
生理学的条件下での安定性を証明するアッセイを示す。臭化エチジウムで染色された2.0%アガロースゲルのレーザースキャン蛍光画像。架橋試料を310nmで135分間照射した。(A)全ての鎖末端及び全ての鎖クロスオーバー位置の追加のチミジンを特徴とするレンガ様DNA折り紙対象物を、様々な時間、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)溶液中で37℃でインキュベートした。(B)全ての鎖末端、全ての鎖クロスオーバー位置の追加のチミジン、及び5Tループを特徴とするレンガ様DNA折り紙対象物を、様々な時間10%ウシ胎児血清(FBS)中で37℃でインキュベートした。(C)(A)のレンガ様DNA折り紙対象物を、一組の異なるヌクレアーゼ(100U/ml)に37℃で24時間曝露した。「c」と記したレーンは、ヌクレアーゼの非存在下で試料を対応する緩衝液に溶解した対照を示す。(D)(B)のレンガ様DNA折り紙対象物を、DNaseI(0.4U/ml)に様々な時間37℃で曝露した。(B)〜(D)非照射試料と照射試料を、交互にゲルに載せた。ゲルの全ての画像は全体に自動レベリングされた。
紫外線照射前後のクライオEM構造解析を示す。(A)TTモチーフ1〜3を有する照射されていないレンガ様対象物のクライオEM密度地図(電子顕微鏡データベース識別子EMD−4354)。(B)と(C)それぞれ、5mM MgCl2を含む緩衝液又はリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)緩衝液中の150mMのNaCl中の、TTモチーフ1〜3を有する照射された(310nmで135分)レンガ様対象物のクライオEM密度地図。電子密度の閾値は、側面図で見られるように、最上層の全てのクロスオーバーが見えるように選択される(それぞれ、電子顕微鏡データベース識別子EMD−0027及びEMD−0028)。(D)上から下に(A)〜(C)に示されている3つの密度地図から得られたz方向に沿った切片。ねじれ角デルタシータを決定するために、最初の切片と最後の切片が選択された。(E)(A)〜(C)に示されている再構成における3つのクロスオーバー層を示す切片。(F)5mM MgCl2緩衝液中の非架橋変種とPBS緩衝液中の架橋変種の全体的な寸法の比較。
コンフォメーション状態及び高次集成体の共有結合を示す。(A)不動のホリデイジャンクション(Holliday junction)によって中央で柔軟に接続された2つの剛性の棒で構成される2状態スイッチの概略図。モデル中の円筒は2重らせんDNAドメインを表し、形態に相補的な表面形状は明るい灰色と暗い灰色で強調表示されている。挿入図は、突出した表面形状(明るい灰色)及びへこんだ表面形状(暗い灰色)の平滑末端の境界面の拡大図示す。平滑末端部位に直接位置するチミジンは、紫外線照射により架橋することができる。結果として得られるCPD結合は、明るい灰色の楕円体として示される。(B)臭化エチジウムで染色された2.0%アガロースゲルのレーザースキャン蛍光画像。スイッチ試料を310nmで様々な時間照射し、ゲルに載せた;oとcは、それぞれ開いた状態と閉じた状態に存在する粒子である。(C)(B)のゲルから得られた、時間の関数としての架橋スイッチ粒子の割合のプロット。実験は三重測定で行った。データの点は平均を表し、誤差棒は標準偏差を表す。(D)TEM顕微鏡写真の例;上は、開いた状態に存在する粒子を有する非照射試料であり、下は、閉じたコンフォメーション状態で固定された粒子を有する照射試料(310nmで20分)である。スケールバーは100nm。挿入図は、架橋粒子の平均2D粒子顕微鏡写真。スケールバーは20nm。(E)左上は、重合して線状フィラメントとなる多層DNA折り紙レンガのモデル。示された条件で記録されたTEM顕微鏡写真の視野。スケールバーは100nm。
caDNAno66を使用して調製されたレンガ様(TTモチーフ1〜3)対象物の設計図を示す。この対象物は、全てのステープル末端における1チミン長のオーバーハングを特徴とする。さらに、鎖ごとの全てのクロスオーバー部位にTTモチーフを挿入した。インターフェースは、ポリチミンのオーバーハングで不動態化された。挿入図の右上は、ハニカム格子で設計された対象物の断面。
異なる緩衝液/溶媒中のレンガ様対象物(TTモチーフ1〜4)の陰性染色されたTEM顕微鏡写真の例を示す。画像は、染色勾配を減らすために高域フィルター処理された。挿入図は、対応する平均2D粒子顕微鏡写真。スケールバーは20nm。
氷冷水浴中で行った2.0%アガロースゲルのレーザースキャンの蛍光画像を示す。異なる溶媒に溶解したTTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物をゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;Lは1kBラダー;R1は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の非照射標準物質;R2は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の310nmで135分間照射された標準物質。ゲルの画像は自動レベリングされ、強調表示された領域は再度自動レベリングされた。
周囲温度の水浴中で行った2.0%アガロースゲルのレーザースキャンの蛍光画像を示す。ゲルとランニング緩衝液は、MgCl2を含まない0.5×TBEを含有した。異なるパーセントのDMSOの存在下でTTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物の試料をゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;R1は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の非照射標準物質。ゲルの画像は自動レベリングされた。
caDNAno66を使用して調製されたレンガ様(TTモチーフ1〜4)対象物の設計図を示す。この対象物は、全てのステープル末端における1チミン長のオーバーハングを特徴とする。さらに、鎖ごとの全てのクロスオーバー部位にTTモチーフを挿入した。さらに、らせんは、らせん間架橋のための5チミン長のループを特徴とする。インターフェースはポリチミンのオーバーハングで不動態化された。挿入図の右上は、ハニカム格子で設計された対象物の断面。
氷冷水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンの蛍光画像を示す。1−T、3−T、及び5−Tループを特徴とするTTモチーフ1〜4を有するレンガ様対象物の様々な変種の照射試料(310nmで135分)及び非照射試料を様々な温度でインキュベートし、ゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;cは、架橋ステープル;sは非架橋ステープル;Lは1kBラダー;R1は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中のTTモチーフ1〜3を有する非照射レンガ様対象物;R2は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液のTTモチーフ1〜3を有する照射(310nmで135分)レンガ様対象物。ゲルの画像は自動レベリングされ、強調表示された領域は再度自動レベリングされた。矢印は、ループ長が長くなると強度が増加するバンドを示す。
caDNAno66を使用して調製されたポインター対象物の設計図を示す。この対象物は、全てのステープル末端における1チミン長のオーバーハングを特徴とする。鎖ごとの全てのクロスオーバー部位にTTモチーフを挿入した。インターフェースはポリチミンのオーバーハングで不動態化された。挿入図の右上は、方形格子で設計された対象物の断面。
異なる緩衝液/溶媒中のポインター対象物の陰性染色されたTEM顕微鏡写真の例を示す。画像は、染色勾配を減らすために高域フィルター処理された。挿入図は、対応する平均2D粒子顕微鏡写真。スケールバーは20nm。
水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンされた蛍光画像を示す。異なる時間照射され異なる温度でインキュベートされたTTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物を、ゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;cは架橋ステープル;sは非架橋ステープル;Lは1kBラダー;R1は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の非照射標準物質。R2は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中で310nmで135分間照射された標準物質。ゲルの画像は自動レベリングされ、強調表示された領域は再度自動レベリングされた。(A)試料は5mM MgCl2の存在下で照射された。(B)及び(C)試料は30mM MgCl2の存在下で照射された。
水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンされた蛍光画像を示す。異なる時間照射され異なる温度でインキュベートされたTTモチーフ1〜4を有するレンガ様対象物を、ゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;cは架橋ステープル;sは非架橋ステープル;Lは1kBラダー;R1は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の非照射標準物質。ゲルの画像は自動レベリングされ、強調表示された領域は再度自動レベリングされた。
氷冷水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンされた蛍光画像を示す。ゲルとランニング緩衝液は10mM MgCl2を含有した。TTモチーフ1〜3及びTTモチーフ1〜4を有するシアニン5標識レンガ様対象物を、de-Bruijnアッセイを使用して欠陥分析にかけた58。非照射試料と照射試料を、2つのシアニン3修飾オリゴヌクレオチド(de-Bruijnプローブ;最終濃度16μM)と混合した後、ゲルに載せた。(A)ゲルを2つのチャネルでレーザースキャンした。上のゲル:欠陥チャネル;532nmでシアニン3蛍光物質を励起、及び560〜580nmで発光を採取。下のゲル:構造チャネル;635nmでシアニン5蛍光物質を励起、及び665nm超で発光を採取。pはポケット及びfは折り畳まれた物。ゲルの画像は全体に自動レベリングされた。(B)(A)のゲルから計算された相対的な欠陥強度(すなわち、欠陥と構造チャネルとのバンド強度の比率)のプロット。
水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンされた蛍光画像を示す。異なる時間照射され異なる温度でインキュベートされたTT又はTCモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物を、ゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;cは架橋ステープル;sは非架橋ステープル;Lは1kBラダー。ゲルの画像は自動レベリングされた。
水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンされた蛍光画像を示す。365nmで135分(A)、365nmで20時間(B)照射され、様々な温度でインキュベートされたTTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物を、ゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;sは非架橋ステープル;Lは1kBラダー;R1は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の非照射標準物質;R2は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の、365nmで(A)135分、(B)20時間照射された標準物質。ゲルの画像は自動レベリングされ、強調表示された領域は別に自動レベリングされた。
水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンされた蛍光画像を示す。TTモチーフ1、1〜2、及び1〜3を有するレンガ様対象物の様々な変種をゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;sは非架橋ステープル;Lは1kBラダー。矢印は、デザインにTTモチーフを追加すると、電気泳動移動度が上昇するバンドを示す。ゲルの画像は自動レベリングされた。
水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンされた蛍光画像を示す。DNaseI反応緩衝液で希釈した0.4U/ml DNaseIを用いて、異なる時間インキュベートされたTTモチーフ1〜3(左)及びTTモチーフ1〜4(右)を有するレンガ様対象物をゲルに載せた。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;cは架橋ステープル;sは非架橋ステープル;R1:非照射標準物質;R2:310nmで135分間照射された標準物質。標準試料R1及びR2は、DNaseIの非存在下でDNaseI緩衝液に溶解された。ゲルの画像は自動レベリングされ、強調表示された領域は再度自動レベリングされた。
折り畳み緩衝液中で架橋する前の、TTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物のクライオEMデータを示す:(A)5mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中で架橋する前の、TTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物のデータセットの、動き補正及び線量加重クライオEM顕微鏡写真。スケールバーは100nmを表す。15フレームの線量分割ムービーが、300kVで動作するFEI Titan KriosG2で2.3Åの拡大ピクセルサイズと60e-/Å2の総線量で取得された。(B)異なる方向を示す代表的な2次元クラス平均。スケールバーは40nmを表す。(C)尖鋭化後の分解能を示す様々なFSC曲線のグラフ。(D)粒子の方向の分布を表す3次元ヒストグラム。(E)165,000個の個々の粒子から再構成された尖鋭化最終地図の6つの異なる図。尖鋭化には−1,000のB係数を使用した。
折り畳み緩衝液中で架橋した後の、TTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物のクライオEMデータを示す:(A)5mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中で架橋した後の、TTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物のデータセットの、動き補正及び線量加重クライオEM顕微鏡写真。スケールバーは100nmを表す。15フレームの線量分割ムービーが、300kVで動作するFEI Titan KriosG2で2.3Åの拡大ピクセルサイズと60e-/Å2の総線量で取得された。(B)異なる方向を示す代表的な2次元クラス平均。スケールバーは40nmを表す。(C)尖鋭化後の分解能を示す様々なFSC曲線のグラフ。(D)粒子の方向の分布を表す3次元ヒストグラム。(E)95,000個の個々の粒子から再構成された尖鋭化最終地図の6つの異なる図。尖鋭化には−1,000のB係数を使用した。
リン酸緩衝生理食塩水中で架橋した後の、TTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物のクライオEMデータを示す。(A)PBS緩衝液中で架橋した後の、TTモチーフ1〜3のレンガ様対象物のデータセットの、動き補正及び線量加重クライオEM顕微鏡写真。スケールバーは100nmを表す。15フレームの線量分割ムービーが、300kVで動作するFEI Titan KriosG2で2.3Åの拡大ピクセルサイズと60e-/Å2の総線量で取得された。(B)異なる方向を示す代表的な2次元クラス平均。スケールバーは40nmを表す。(C)尖鋭化後の分解能を示す様々なFSC曲線のグラフ。(D)粒子の方向の分布を表す3次元ヒストグラム。(E)57,000個の個々の粒子から再構成された尖鋭化最終地図の6つの異なる図。尖鋭化には−1,000のB係数を使用した。
レンガ試料から決定されたクライオEM地図の切片ごとの視覚化を示す。らせん軸が図の平面に直交する(z方向と表記)ように3Dボリュームを回転させた。元のボリュームは、1ピクセルあたり2.3Åのサイズで400x400x400ピクセルを有した。切片解析では、ボリュームをxy平面で200x200にトリミングし、z方向にビニングして、各切片の厚さが3.35Åになるようにした。これは、らせん方向に沿った1つの塩基対の寄与に対応する。画像Jを使用して、3Dボリュームのモンタージュを作成した。(A)全てのステープル末端にチミンを有し、鎖ごとの全てのクロスオーバー部位にTTモチーフを有するレンガ変種。(B)らせん間結合を作成するためにさらに5−Tループを有するレンガ変種。
折り畳み緩衝液中で架橋する前の、TTモチーフ1〜4を有するレンガ様対象物のクライオEMデータを示す:(A)5mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中で架橋する前の、TTモチーフ1〜4を有するレンガ様対象物のデータセットの、動き補正及び線量加重クライオEM顕微鏡写真。スケールバーは100nmを表す。15フレームの線量分割ムービーが、300kVで動作するFEI Titan KriosG2で2.3Åの拡大ピクセルサイズと60e-/Å2の総線量で取得された。(B)異なる方向を示す代表的な2次元クラス平均。スケールバーは40nmを表す。(C)尖鋭化後の分解能を示す様々なFSC曲線のグラフ。(D)粒子の方向の分布を表す3次元ヒストグラム。(E)33,000個の個々の粒子から再構成された尖鋭化最終地図の6つの異なる図。尖鋭化には−1,000のB係数を使用した。
折り畳み緩衝液中で架橋した後の、TTモチーフ1〜4を有するレンガ様対象物のクライオEMデータを示す:(A)5mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中で架橋した後の、TTモチーフ1〜4を有するレンガ様対象物のデータセットの、動き補正及び線量加重クライオEM顕微鏡写真。スケールバーは100nmを表す。15フレームの線量分割ムービーが、300kVで動作するFEI Titan KriosG2で2.3Åの拡大ピクセルサイズと60e-/Å2の総線量で取得された。(B)異なる方向を示す代表的な2次元クラス平均。スケールバーは40nmを表す。(C)尖鋭化後の分解能を示す様々なFSC曲線のグラフ。(D)粒子の方向の分布を表す3次元ヒストグラム。(E)75,000個の個々の粒子から再構成された尖鋭化最終地図の6つの異なる図。尖鋭化には−1,000のB係数を使用した。
caDNAno66を使用して調製されたスイッチ対象物の設計図を示す。インターフェースはポリチミンのオーバーハングで不動態化された。挿入図の左下はハニカム格子で設計された対象物の断面。
caDNAno66を使用して調製された重合レンガ対象物の設計図を示す。インターフェースはポリチミンのオーバーハングで不動態化された。挿入図の右上はハニカム格子で設計された対象物の断面。
水浴中に配置された2.0%アガロースゲルのレーザースキャンの蛍光画像を示す。(A)左から右へ:全ての鎖末端及び全ての鎖クロスオーバー位置における追加のチミジンを特徴とするレンガ様DNA折り紙対象物のモデル;臭化エチジウムで染色された2.0%アガロースゲルのレーザースキャン蛍光画像。照射(310nmで135分)及び非照射試料は、それぞれ、異なる温度で30分間インキュベートするか、又は連続的に低下する濃度の一価塩化ナトリウムを含む2回蒸留水中で室温で3時間インキュベートした。pはポケット;uは広がった物;fは折り畳まれた物;cは架橋したステープル鎖;sは架橋していないステープル鎖;L:1kBのラダー;NI及びI:それぞれ5mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液中の非照射及び照射標準試料。ゲルの画像は全体的に自動レベリングされた。(B)と(C)は(A)と同様であるが、全ての鎖末端に、全ての鎖のクロスオーバー位置に追加のチミジンを、及び5−Tループを特徴とするレンガ様DNA折り紙対象物と、全ての鎖末端に及び全ての鎖クロスオーバー位置に追加のチミジンを特徴とするポインター対象物を有する。
本発明は、紫外線で硬化することにより、特にピリミジンヌクレオチドを架橋することにより、核酸ナノ構造体を安定化するための新規な方法に関する。
特に他に明記されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が関係する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
すなわち第1の態様において、本発明は、天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法に関し、ここで前記ナノ構造体は、1つ以上の相補的核酸配列上に存在する少なくとも2つの非隣接配列ストレッチに結合する少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、ここで前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程を特徴とし、ここで前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する前記工程は、2つのピリミジンヌクレオチド間の少なくとも1つの化学的結合の形成をもたらし、ここで2つのピリミジンヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、2重らせん部分構造に含まれる相補的ヌクレオチド対の一部ではない。
第2の態様において、本発明は、天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法に関し、ここで前記ナノ構造体は、1つ以上の相補的核酸配列上に存在する少なくとも2つの非隣接配列ストレッチに結合する少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、ここで前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程によって特徴付けられる。
本明細書において「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、特に他に明記されない限り、それらの制限のない非限定的な意味で使用される。従って、そのような後者の実施態様に関して、「含む」という用語は、より狭い用語「からなる」を含む。
本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)「a」及び「an」及び「the」という用語及び同様の参照は、特に他に明記されない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。例えば、「細胞」という用語は、それらの混合物を含む複数の細胞を含む。化合物、塩等に複数形が使用される場合、これは単一の化合物、塩なども意味すると解釈される。
本発明の文脈において「ナノ構造体」という用語は、より小さな部分構造の複合体及び少なくとも部分的に規則的な配置から形成される3次元構造に関する。本発明の文脈において、より小さな部分構造は、2重らせん部分構造を含む。特定の実施態様において2重らせん部分構造は、異なる2重らせん部分構造間の規則的な接続によってより複雑なナノ構造体に配置され、ここで前記接続は、1本鎖核酸配列によって形成され、異なる核酸配列対照物上の少なくとも2つの異なる配列ストレッチに相補的であることによって、異なる2重らせん部分構造間のクロスオーバーを形成する。
本発明の文脈において「1本鎖核酸配列」という用語は、リン酸基によって、修飾されたリン酸基によって、又はリン酸類似体によって、連結された核酸モノマー単位(ヌクレオシド)の1本鎖に関する(ヌクレオシドとリン酸ベースの連結基は合わせてヌクレオチドと呼ばれる)。デオキシリボ核酸ベースの核酸配列の場合、核酸モノマーは、(i)4つの窒素含有核酸塩基であるシトシン[C]、グアニン[G]、アデニン[A]、又はチミン[T]から選択される核酸塩基と、デオキシリボースと呼ばれる糖とを含むヌクレオシド、及び(ii)リン酸基から形成される。リボ核酸ベースの核酸配列の場合、核酸モノマーは、(i)4つの窒素含有核酸塩基であるシトシン[C]、グアニン[G]、アデニン[A]又は、チミン[T]から選択される核酸塩基と、リボースと呼ばれる糖とを含むヌクレオシド、及び(ii)リン酸基から形成される。
特定の実施態様において1本鎖核酸配列は、デオキシリボ核酸ベースの核酸配列に基づく。
本発明の文脈において「非隣接配列ストレッチ」という用語は、直接連結されていない核酸配列のストレッチに関する。非隣接配列ストレッチは、異なる核酸配列上に位置し得るか、又は1つの核酸配列上に位置し得るが、但し、前記非隣接配列ストレッチのいずれの一部でもない前記非隣接配列ストレッチの間に少なくとも1つのヌクレオチドが存在する。
本発明の文脈において「少なくとも2つの非隣接配列ストレッチに結合する少なくとも1つの1本鎖核酸配列」という用語は、一方では前記少なくとも1つの1本鎖核酸配列中に、及び他方では前記少なくとも2つの非隣接配列ストレッチ中に、含まれる相補的塩基間の水素結合の形成を介して結合することを意味する。前記結合は、本発明による紫外線照射後に、前記少なくとも1つの1本鎖核酸配列と、前記少なくとも2つの非隣接配列ストレッチの1つ、両方、又は全てとの間に形成される共有結合によってさらに増強され得る。
第3の態様において、本発明は天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法に関し、ここで前記ナノ構造体は少なくとも2つの2重らせん部分構造を含み、ここで前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程によって特徴付けられる。
本発明の文脈において「2重らせん部分構造」という用語は、2つの相補的な核酸配列ストレッチによって形成される2重らせん配置にある本発明によるナノ構造体のサブパートに関する。2重らせん部分構造の末端は、(i)2つの相補的核酸配列ストレッチの1つはその3’又は5’末端に到達し、又は(ii)2つの相補的核酸配列ストレッチのうちの1つは、別の又は異なる核酸配列上の第2の非隣接配列ストレッチに対する相補性によって別の2重らせん部分構造を形成し続けるという事実によって、相補性領域の末端に起因する可能性がある。
第4の態様において本発明は、複数の2重らせん部分構造を含む、天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法に関し、ここで前記ナノ構造体は、少なくとも2つの異なる2重らせん部分構造の一部である少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程によって特徴付けられる。
特定の実施態様において前記天然に存在しない核酸ナノ構造体は、2重らせん部分構造の2次元又は3次元配置のいずれかを含む。
特定の実施態様において、前記天然に存在しない核酸ナノ構造体は、前記2重らせん部分構造がそれぞれ10〜5000の相補的ヌクレオチド対からなり、前記2重らせん部分構造が、7、8、又は9塩基ごとに、隣接する2重らせん部分構造に接続することができ、前記2重らせん部分構造を形成する1本鎖オリゴヌクレオチドの1つ以上が、同じ又は少なくとも2つの異なる2重らせん部分構造の一部である。
特定の実施態様において、前記2重らせん部分構造間の接続は、ハニカム、方形形、又は六角形のパッキング形状、又はこれらの組み合わせをもたらす。
特定の実施態様において、前記2重らせん部分構造を形成する1本鎖オリゴヌクレオチドの少なくとも85%は、少なくとも2つの異なる2重らせん部分構造の一部である。
特定の実施態様において、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する前記工程は、2つのピリミジンヌクレオチド間に少なくとも1つの化学結合の形成をもたらす。
特定の実施態様において、前記2つのピリミジンヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、2重らせん部分構造に含まれる相補的ヌクレオチド対の一部ではない。
特定の実施態様において、前記核酸ナノ構造体は、少なくとも第1の1本鎖ポリヌクレオチドの1つ以上のコピー、及び第2の1本鎖ポリヌクレオチドのセットを含み、第2の1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれは、n個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的である前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域は、(n−1)番目及び(n+1)番目のコア配列に相補的な前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域と隣接していない配列と、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPmと、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPmと、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入とからなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
本発明の文脈において、前記第1の1本鎖ポリヌクレオチドは、足場ポリヌクレオチド又は主鎖ポリヌクレオチドと見なすことができる。
本発明の文脈において、m=0の値は、コア配列が、核酸配列の対応する末端でピリミジンヌクレオチドストレッチPmに隣接していないことを示す。特定の実施態様において、前記セットの第2の1本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも50%は、3’末端又は5’末端のいずれかに少なくとも1つのピリミジンヌクレオチドストレッチを有する。特定の実施態様において、少なくとも75%、特に少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%は、3’末端又は5’末端のいずれかに少なくとも1つのピリミジンヌクレオチドストレッチを有する。特定の実施態様において、前記セットの第2の1本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも35%は、3’末端及び5’末端の両方に2つのピリミジンヌクレオチドストレッチを有する。特定の実施態様において、少なくとも50%、特に少なくとも75%、少なくとも80%、又は少なくとも85%は、3’末端及び5’末端の両方に2つのピリミジンヌクレオチドストレッチを有する。
特定の実施態様において、前記第1の1本鎖ポリヌクレオチドは少なくとも100個のヌクレオチドを含む。
特定の実施態様において、前記第1の1本鎖ポリヌクレオチドは、繊維状バクテリオファージのDNAに対して少なくとも70%の配列同一性を有する。特定の実施態様において、前記1本鎖ポリヌクレオチドは、少なくとも80%の配列同一性、詳細には少なくとも85%、より詳細には少なくとも90%、そして最も詳細には少なくとも95%の配列同一性を有する。
特定の実施態様において、前記繊維状バクテリオファージはM13、特にM13mp18である。
特定の実施態様において、前記核酸ナノ構造体は1本鎖オリゴヌクレオチドのセットを含み、ここで前記1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれは、n個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記セットの1本鎖ポリヌクレオチドの別のメンバーの配列に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な前記別のメンバー上の領域は、(n−1)番目及び(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない配列と、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPmと、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPmと、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入とからなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
特定の実施態様において、各mは0〜5の範囲から独立して選択される整数である。
特定の実施態様において、3’末端及び5’末端の前記ピリミジンヌクレオチドストレッチのそれぞれについて、mは0又は1のいずれかであり、Pはチミジン残基である。
特定の実施態様において、前記核酸ナノ構造体は、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入を含み、ここで、mは1〜5の範囲から独立して選択され、特にmは1、3、及び5から独立して選択される。
特定の実施態様において、前記コア配列のそれぞれはx個のヌクレオチドからなり、xは7、8、又は16の倍数である整数から独立して選択される。
本発明の文脈において、xの値はDNA2重らせんの形状によって決定される。当業者は、本発明に従って安定化されるナノ構造体内の2重らせん部分構造の規則的な配置を可能にするために、存在しなければならない2重らせんのサイズ及びヌクレオチドの数を決定することができる。
特定の実施態様において、前記紫外線照射は、250nm〜350nmの範囲の波長の紫外線を用いて行われる。
特定の実施態様において、前記紫外線照射は、以下のパラメータ(約5〜2,000μlの試料の容積、試料中の約1〜500nMの核酸ナノ構造体の濃度)を使用して、約0〜約25の温度範囲で、トリス緩衝液中で、光線を試料に連結させるための液体ガイドを使用して(試料の溶液表面と光ガイドの末端間の距離は約5cm未満)キセノン光源(Asahi SpectraのMAX303)を用いて行われる。試料は、約1〜10mW/cm2の紫外線強度で約1〜6時間、紫外線照射に曝露される。
本発明の文脈において、値又は値の範囲と組み合わせた「約」という用語は、所定の値又は値の範囲が、具体的に列挙された値又は値の範囲に近い値を除外しないことを示す。特に、文脈に応じて「約」という用語は、指定された値のプラスマイナス10%の範囲内にある値を含む。具体的な実施態様において、「約」という用語は無視され、値又は値の範囲は記載されているとおりに使用される。
具体的な実施態様において、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する前記工程は、安定状態に到達するために同一条件下で処理された実施例2の基準DNAナノ構造体に必要な期間実行され、ここで前記安定性は、実施例2に記載のようなゲル電気泳動アッセイにおいて特定され、ここで前記基準DNAナノ構造体は、(i)未処理のままで、25℃で5mMトリス、5mM NaCl、1mM EDTA、5mM MgCl2の基準条件下で、及び(ii)紫外線処理後、必要な目標条件で、特に高温で、特に90℃で、純水中、生理学的条件下、又は真空中で、インキュベートされ、ここで、基準DNAナノ構造体のバンドが基準条件下と同じ電気泳動移動度を示すとすぐに、安定状態に到達する。
第5の態様において、本発明は、少なくとも第1の1本鎖ポリヌクレオチドの1つ以上のコピーと、1本鎖ポリヌクレオチドのセットとを含む核酸ナノ構造体の作成のためのキットに関し、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、ここで前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
具体的な実施態様において、各mは0〜5の範囲から独立して選択される整数である。
具体的な実施態様において、3’末端及び5’末端の前記ピリミジンヌクレオチドストレッチPmのそれぞれについて、mは0又は1のいずれかであり、Pはチミジン残基である。
具体的な実施態様において、前記核酸ナノ構造体は、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入を含み、ここで、mは1〜5の範囲から独立して選択され、特にmは1、3、及び5から独立して選択される。
第6の態様において、本発明は、1本鎖オリゴヌクレオチドのセットを含む核酸ナノ構造体を作成するためのキットに関し、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれは、n個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、ここで前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)1本鎖ポリヌクレオチドの前記セットの別のメンバーの配列に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な前記別のメンバー上の領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
具体的な実施態様において、各mは0〜5の範囲から独立して選択される整数である。
具体的な実施態様において、3’末端及び5’末端の前記ピリミジンヌクレオチドストレッチPmのそれぞれについて、mは0又は1のいずれかであり、Pはチミジン残基である。
具体的な実施態様において、前記核酸ナノ構造体は、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入を含み、ここで、mは1〜5の範囲から独立して選択され、特にmは1、3、及び5から独立して選択される。
第7の態様において、本発明は、少なくとも第1の1本鎖ポリヌクレオチドの1つ以上のコピーと、1本鎖ポリヌクレオチドのセットとを含む核酸ナノ構造体に関し、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から選択される整数であり、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
具体的な実施態様において、各mは0〜5の範囲から独立して選択される整数である。
具体的な実施態様において、3’末端及び5’末端の前記ピリミジンヌクレオチドストレッチPmのそれぞれについて、mは0又は1のいずれかであり、Pはチミジン残基である。
具体的な実施態様において、前記核酸ナノ構造体は、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入を含み、ここで、mは1〜5の範囲から独立して選択され、特にmは1、3、及び5から独立して選択される。
第8の態様において、本発明は、1本鎖オリゴヌクレオチドのセットを含む核酸ナノ構造体に関し、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは、1〜40の範囲から独立して選択され、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)1本鎖ポリヌクレオチドの前記セットの別のメンバーの配列に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な前記別のメンバー上の領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される。
具体的な実施態様において、各mは0〜5の範囲から独立して選択される整数である。
具体的な実施態様において、3’末端及び5’末端の前記ピリミジンヌクレオチドストレッチPmのそれぞれについて、mは0又は1のいずれかであり、Pはチミジン残基である。
具体的な実施態様において、前記核酸ナノ構造体は、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入を含み、ここで、mは1〜5の範囲から独立して選択され、特にmは1、3、及び5から独立して選択される。
具体的な実施態様において、前記核酸ナノ構造体は、空間的に隣接するチミジン及び/又はシトシン残基間に1つ以上の紫外線誘導ブリッジを含む。
具体的な実施態様において、前記1つ以上のブリッジは、シクロブタンピリミジンダイマー及び(6,4)ピリミジン−ピリミドンから選択されるピリミジンダイマーを含む。
具体的な実施態様において、前記1つ以上のブリッジは、1本鎖オリゴヌクレオチド又はコア配列の3’末端に、1本鎖オリゴヌクレオチド又はコア配列の5’末端にあるPmストレッチに含まれるチミジン及び/又はシトシン残基、及び/又は前記任意のPm挿入物のうちの1つのチミジンの間にある。
具体的な実施態様において、前記ブリッジの1つ以上は、前記核酸ナノ構造体の同じか又は異なる2重らせん部分構造の一部である、2つの隣接する1本鎖オリゴヌクレオチド又はコア配列の3’及び5’末端のチミジン又はシトシン残基間の、らせん内ブリッジである。
具体的な実施態様において、前記ブリッジの1つ以上は、前記核酸ナノ構造体の2つの異なる2重らせん部分構造の一部である、1本鎖オリゴヌクレオチド又はそのような1本鎖オリゴヌクレオチドの一部に含まれるチミジン又はシトシン残基間の、特に前記任意の挿入物の2つに含まれる2つのチミジン残基間の、らせん間ブリッジである。
具体的な実施態様において、架橋は以下のリストからである:ポリヌクレオチドAの3’末端からポリヌクレオチドBの5’末端、ポリヌクレオチドAの3’末端からポリヌクレオチドBの3’末端、ポリヌクレオチドAの5’末端からポリヌクレオチドBの5’末端、ポリヌクレオチドAの3’末端からポリヌクレオチドBのコア配列中の挿入部、ポリヌクレオチドAの5’末端からポリヌクレオチドBのコア配列の挿入部、及びポリヌクレオチドAのコア配列の挿入部からポリヌクレオチドBのコア配列の挿入部。
第9の態様において、本発明は、本発明による2つ以上の核酸ナノ構造体の集成から生じる複雑な核酸ナノ構造体に関する。
具体的な実施態様において、前記集成体は、本発明による前記核酸ナノ構造体の2つ以上の間の1つ以上の紫外線誘導ブリッジを含む。
以下の実施例は、その範囲を限定することなく本発明を説明する。
DNAナノテクノロジーの方法を使用するカスタムナノ構造体のボトムアップ製造は、科学技術の多くの分野における応用に大きな可能性を秘めている。応用に対する1つの重要な障害は、DNA対象物がその構造を保持する制約された環境条件に関係する。ここで我々は、DNAナノ構造体の構造安定性を高めるために、追加の共有結合を導入するための一般的、部位選択的で、スケールアップ可能な方法を提示する。主要な概念は、紫外線照射を介してシクロブタンピリミジンダイマー(CPD)共有結合を導入するための部位を合理的に作成するための、ユーザーに定義されたDNAナノ構造体内のチミジンの近接した配置である。これらの追加の結合は、配列プログラム可能な方法で使用して、遊離鎖末端を連結し、クロスオーバー部位で発生する鎖切断を除去し、すなわちクロスオーバー部位での鎖切断をつなぎ、そして追加のらせん間接続を作成することができる。その結果、化学修飾を必要とせずに、ユーザーがプログラム可能な部位で共有結合的に架橋された対象物が得られる。従って、設計された多層DNA折り紙対象物はその全体的な形状を維持し、従って90℃までの温度でかつ追加の陽イオンの存在なしで純粋な2回蒸留水中で、安定した状態を維持できる。さらに、これらの対象物は大幅に延長された寿命、すなわちヌクレアーゼ活性に対する耐性の強化を示す。非架橋及び架橋対象物の低温電子顕微鏡(クライオEM)構造解析は、照射後もクロスオーバーの全体的な形状と内部ネットワークが維持されることを示した。生理学的イオン強度で決定されたCPD安定化多層DNA折り紙対象物のクライオEM地図は、実質的な膨潤挙動を明らかにし、この挙動はおそらく反発静電力によって引き起こされ、これは、共有結合安定化なしでは、低イオン強度で脱集成を引き起こすであろう。我々の方法は、DNAナノ構造体を、より広い範囲の条件で従って様々な分野で応用するための新しい道を開く。
実施例1
アプローチと達成された結果の一般的な説明
ピリミジンダイマーは、DNAの光化学反応によって生成される分子的障害である53。紫外線は、チミン(T)又はシトシン(C)塩基中のC=C2重結合での反応を通じて共有結合の形成を誘導する(図1、左)。一般的な生成物は、チミンダイマーを含むシクロブタン−ピリミジンダイマー(CPD)である。(6−4)ピリミジン−ピリミドン及びデュワー異性体などのマイナーな副産物も、紫外線照射で形成される可能性がある。これらの障害は、DNAの複製と転写を停止させる可能性があるため、発癌性であり、細胞のDNA修復機構の標的となる54。1982年にLewis and Hanawaltは、CPDが、相補的DNA鎖をテンプレート化することによりまとめられた別々のDNA鎖中の隣接する末端チミンからも、形成される可能性があることを報告した55。しかし、DNAナノテクノロジーにおける安定性の問題を解決するためのこの知見の可能性は、これまで認識されてこなかった。我々の研究の重要な概念は、紫外線照射を介して共有CPD結合を導入するための部位を合理的に作成するための、ユーザーに定義されたDNAナノ構造体内のチミジンの近接した配置である。これらの追加の結合を使用して、遊離鎖末端を連結して、クロスオーバー部位で発生する鎖切断を除去し、追加のらせん間接続を作成することができる(図1、右)。
DNAナノテクノロジーの基本的な構成要素は、2重らせんDNAドメインである。DNA折り紙対象物では3,4,56、これらのドメインは、短い1本鎖ステープルオリゴヌクレオチドのセットを長い1本鎖足場分子にハイブリダイゼーションすることによって形成される。DNAタイル−レンガ対象物16などの他のタイプのDNAナノ構造体では、2重らせんドメインは、1本鎖オリゴヌクレオチド間でのみ形成される。DNA折り紙とタイルレンガ対象物には何百もの1本鎖の切れ目が含まれ、これは弱点である。これは、遊離端が、絡み合った2重らせんドメインの形成だけでなく溶解も可能にするためである。標的対象物の自己集成後に1本鎖切断を除去するためのオプションを作成するために、我々は両方の鎖末端に追加のチミジンを含むDNA鎖を調製する(図1A、モチーフ1)。追加された塩基はワトソン−クリック塩基対の形成に関与しないが、チミジンは折り畳まれた対象物の1本鎖切断部位で近接し、これが、波長310nmの光の照射によって2つのチミジン間にCPD結合を形成することを可能にする。
DNA対象物において2重らせんドメインは、通常半クロスオーバーとダブルクロスオーバーの両方を含む逆平行1本鎖クロスオーバーによって形成されるらせん間接続によって、隣接する2重らせんドメインに接続される(図1A、モチーフ2対モチーフ3)。例えば、DNAタイルレンガ対象物はほぼ排他的に半クロスオーバーを介して接続されるが、DNA折り紙対象物では両方のタイプのらせん間接続が発生する可能性がある。クロスオーバー位置は、らせん方向の主鎖結合が中断されているため、DNAナノ構造体の弱点も表す。自己集成後に弱いリンクを閉じるためのオプションを作成するために、図1A(モチーフ2及び3)に示すように、我々は、クロスオーバー位置のステープル鎖に追加の不対チミジン塩基を追加することができる。近接を利用して、310nmの光を再度照射すると、らせん方向に沿って鎖を共有結するCPD結合の形成が誘発され(図1B、モチーフ2及び3)、こうしてらせんの巻き戻しに別のトポロジー的障害が生じる。DNA対象物を設計する場合、鎖のクロスオーバーは通常、らせん状の主鎖が互いに接近する位置で、隣接する2重らせん状ドメインの間に配置される。鎖のクロスオーバーを補完するものとして、光によって誘発されるCPDダイマー結合を利用して、対象物の自己集成後に追加のらせん間結合を作成することもできる。この目的のために、隣接するDNAらせんの主鎖が大まかに整列する位置に、1本鎖チミジンループ(Tループ)を配置する(図1A、モチーフ4)。次に、310nmでの照射により、らせん間共有結合の作成を誘導することができる(図1B、モチーフ4)。
概念証明:高温及び低塩安定性
我々の方法を試験するために、多層DNA折り紙対象物のいくつかの変種で、図1に示す設計変更を行った。融解実験(図2、左)と溶液から陽イオンを除去した実験(図2、右)で、波長310nmの光を照射した後に得られた対象物の安定性を試験した。全ての鎖末端と全ての鎖クロスオーバー位置の両方に追加のチミジンを挿入することにより、ハニカムパッキング形状(図6)のレンガ様多層DNA折り紙57対象物を修飾した。ゲル電気泳動で見られるように、折り畳まれた対象物を示すバンドの消失と遊離ステープル鎖の出現(図2A、左ゲル)により、非照射対照試料が約50℃で分解する(「広がる」)ことが分かった。対照的に、照射された試料は、折り畳まれた物の電気泳動移動度がほとんど変化しないままであるという事実から判断して、その全体的な形状を90℃まで維持した。高い電気泳動移動度でのわずかなしみは、高温で折り畳まれた対象物からのいくつかの鎖がまだ分離していることを示す。しかしながら、分離した鎖は電気泳動移動度がはるかに低く、従って、溶融した非照射対照試料から出現したステープル鎖よりも質量が大きかった。照射された対象物の高温耐性とより高質量の鎖の出現は、紫外線照射により、設計されたチミジン部位に共有結合架橋がうまく導入されたことの証拠を提供する。
また我々は、溶液から陽イオンを除去した場合の、照射試料と非照射試料の安定性を試験した。濾過を使用して緩衝液を交換し、試料を、連続的に濃度が低下する一価塩化ナトリウムを含む2回蒸留水に溶解した(図2A、右)。照射された試料は、陽イオンが添加されていない2回蒸留水中でも折り畳まれたままであったが、非照射対照は、強い移動度シフトと高い移動度を有する1本鎖の出現によって明らかなように、300〜150mMの塩化ナトリウム(NaCl)の間で分解した。純水に溶解した照射試料の透過型電子顕微鏡(TEM)イメージングにより、予測された形状の粒子が明らかになった(図7)。純水中の試料の不均一性の程度は、高塩条件下よりも少し高かった。純水中で最大1日保存した後の電気泳動分析では、電気泳動の移動度に変化は見られず、折り畳まれた対象物から分離したステープル鎖は検出できなかった(図8)。従って、単純な設計変更と紫外線照射により、生理学的条件(約150mM NaCl)及びさらに低いイオン強度条件下での使用のための、通常は非常に陽イオンに敏感な多層DNA折り紙の安定化が可能になる。紫外線安定化後は、他の多くの過酷な環境も利用できる可能性がある。簡単な証明として、我々は、陽イオンを添加していないジメチルスルホキシド(DMSO;有機溶媒)の水性混合物に、架橋対象物を溶解した(図9)。
2番目の例として、全ての鎖末端と全てのクロスオーバー位置の余分なチミジン意外に、1本鎖Tループ(図1のモチーフ4)も挿入したレンガ様対象物の変種を調製し試験した(図10)。照射後の熱的及び陽イオン的安定化の程度(図2B)は、1本鎖Tループを欠くデザイン変種に類似していた。1、3、及び5個のチミジンを含むループを試験した。5−Tループを有する変種は、ゲル電気泳動のバンド強度から判断すると、高温(80℃)で安定化の程度が徐々に大きくなった(図11)。らせん間結合のための追加の5−Tループを有するレンガ変種に照射すると、非照射対照と比較して電気泳動移動度がわずかに増加すること(図2B、レーンR2対レーンR1)がわかり、これは、追加のらせん間結合が、ある程度の圧縮又は機械的安定化をもたらし得ることを示唆している。
3番目の例として、我々は、方形格子パッキング形状の多層DNA折り紙である前述の「ポインター」対象物13を選択し、全ての鎖末端と全てのクロスオーバー位置に追加のチミジンを加えた(図12)。レンガの変種に関しては、紫外線照射が、この対象物を90℃までの温度の暴露に対して安定化させ、ポインター対象物は陽イオンなしで純水に溶解することができる(図2C)。電気泳動移動度分析(図2C)及びTEMイメージング(図13)により明らかなように、照射していない対照ポインター試料はすでに45℃〜50℃の間で分解され、折り畳まれたままであるためには、溶液中に300mM超のNaClが必要であった。我々の方法を確立する過程で、紫外線照射への曝露時間などのいくつかのパラメータを試験した。さらに我々は、de-Bruijnアッセイ58を使用して欠陥分析を行い、紫外線照射時のDNA対象物中の2重らせんドメインの構造的完全性を評価した。我々の紫外線構成に約2時間曝露すると、構造劣化の兆候無しで(図16)、試験した全ての構造で最も効率的な安定化が実現する(図14及び図15)。より短い照射時間では、架橋は完全ではなく、これは、紫外線処理前の融解温度を大幅に超える温度に曝露されると構造体は生き残れないことを意味する。最適な照射時間よりも長い照射時間の場合、対象物の電気泳動移動度が連続的に低下することに反映されるように、構造的な放射線損傷が蓄積された。従って、紫外線照射への曝露はGoldilocks原理に従う。最適な照射時間は紫外線源の詳細やその他のパラメータに依存するため、我々の最適な照射時間は必ずしも他の状況で維持されるとは限らない。ただし、ユーザーは、我々が実行したのと同様のスクリーニングを使用して、最適な照射時間を特定することができる。
はじめに概説したように、我々の方法はシクロブタン−ピリミジンダイマーに依存しており、これは、T−T間だけでなく、例えばT−C接点間でも形成される可能性がある。例として、全ての鎖末端及び全ての鎖クロスオーバー位置で、T−TとT−Cを使用して調製したレンガ変種の架橋効率を比較した(図17)。紫外線曝露後の高温への曝露に耐える構造体の量に基づくと、T−T結合はT−C接点よりも大幅に効率的に形成され、完全な安定化につながる。架橋は、310nmの光に曝露することでうまく機能した。365nmのUVA光への曝露によってもCPD結合が形成される可能性があると報告されているが(図18)、365nmのようなより長い波長では、安定化が得られなかった59
生理学的条件下での安定性
我々の紫外線架橋法は、生理学的条件下での用途のために、DNAナノ構造体、特に多層DNA折り紙対象物の安定性を実質的に高めるために使用され得る。証明として、我々は、全てのステープル末端と全てのクロスオーバー位置に追加のTを含むレンガ様多層DNA折り紙対象物をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に溶解し、対象物を37℃の生理学的温度でインキュベートした。37℃のPBSで2日間保存した後でも、照射され共有結合で架橋された試料の分解は検出されなかった(図3A)。対照的に、非照射対照は、これらの条件に曝露後、数分以内に分解された。照射されたレンガ試料のデザイン変種が生理学的温度及びイオン強度で安定したままであった程度から判断すると、全ての鎖末端に、全てのハーフ及び全クロスオーバー位置に追加のT塩基を有したデザイン変種について、安定化は完全と思われた。遊離鎖末端とクロスオーバーのサブセットのみを連結することは、完全な構造を維持するのに十分な効果がなかった(図19)。37℃の10%ウシ胎児血清(FBS)中で、照射されたレンガ試料は数時間生存し、非照射対照よりも大幅に長く生存した(図3B)。血清では、おそらく、折り畳まれた構造体の消失は、溶液の低いイオン強度ではなく、酵素活性によって引き起こされた。血清などの生理学的流体には、DNA分子を消化するための様々なエキソヌクレアーゼ及びエンドヌクレアーゼが含まれている。様々なヌクレアーゼの活性を解明するために、我々は、鎖末端、全てのクロスオーバー位置、及びTループでTを特徴とするレンガ様多層DNA折り紙対象物を、そのような酵素のパネルに曝露した(図3C)。ExoVIIIやT7Exoなどの一部の酵素は、デフォルトでは、照射されているかどうかに関係なく、レンガの試料では不活性のようである。ただし、その他(ExoIe、ExoT、T7Endo、ExoIIIなど)の場合、照射による追加の共有結合の導入により、非照射対照試料と比較して、架橋対象物の寿命が大幅に延長された。最も活性の高いDNA分解酵素はデオキシリボヌクレアーゼI(DNaseI)であった。血漿活性レベル60でDNaseIを使用したレンガ様対象物の消化の速度論的分析により、照射されて安定化されたレンガ試料は、非照射対照よりもはるかにゆっくりと消化されることが明らかになった。バンド強度の分析により、架橋によって試験された条件下で、10分から60分への約5倍〜6倍の寿命の延長が明らかになった(図3D)。鎖末端及び全てのクロスオーバー位置で余分なTのみを特徴とするレンガ変種(らせん間Tループがない)は、DNaseI消化に対する回復力がやや弱かった(図20)。
紫外線架橋多層DNA折り紙対象物のクライオEM構造解析
DNA対象物の構造に対する紫外線照射とCPD結合形成の影響を解明するために、単粒子クライオEMを使用して5つの電子密度地図を例示的に決定した(図4、A〜C)。最初に、全ての鎖末端と全ての鎖クロスオーバー位置に追加のTを含む非照射対照多層レンガ試料の単粒子クライオEMデータを採取した(図21)。再構築された3D−EM密度地図は、予測された全体的に長方形のレンガ様形状を明らかにした(図4A)。しかし、対象物は全体的なねじれ変形も示し(図4D)、その範囲は、追加のT17を欠く同様のレンガ様対象物の以前の解析に基づいて予測されたものよりも顕著であった。おそらく、追加されたTはクロスオーバー部位の柔軟性を高め、これがらせんのパッキング形状に影響を与える可能性がある。我々は、ねじれ変形のキラリティーは断層撮影の傾斜シリーズを使用して右利きであると判定した。
第2に、我々は、紫外線照射後のレンガ様対象物の単粒子クライオEMデータを採取した(図22)。再構築された3D−EM密度地図は、全体的に長方形のレンガ様形状を再度明らかにした(図4B)。照射後、右巻きの全体的なねじれは大幅に減少した(図4D)。ねじれの減少は、クロスオーバー部位での追加の共有結合の生成の原因であると考えられ、これは、接合の柔軟性を低下させ、らせんをデフォルトのハニカムパッキング設計に近い形状で再度整列させる。以前、Chenと共同研究者らは、放射線による損傷を調べるために単層DNA折り紙の長方形に紫外線を照射し、ねじれを低減する平坦化効果を観察した61。しかし、Chenと共同研究者らの試料は、チミジン−チミジン架橋部位を含むように特別に設計されていないため、ねじれの除去につながるメカニズムは我々の試料とは異なる場合がある。
第3に、我々は、照射されたレンガ様対象物が生理的イオン強度のPBS緩衝液に溶解された後、それの単一粒子クライオEMデータを採取した(図23)。得られた3D−EM密度地図は、再度全体的に長方形のレンガ様形状を示した(図4C)。これらの3つのクライオEM地図の切片ごとの比較は、クロスオーバーの内部ネットワークが、照射及び低イオン強度条件への曝露後に保存されていることを示す(図4E、図24)。低(生理学的)イオン強度で架橋試料に対して決定されたクライオEM密度地図の全体的なアスペクト比は、マグネシウムの存在下でより高いイオン強度で決定されたクライオEM密度地図とは異なっていた(図4A〜C及びF)。対象物の断面は、生理学的条件で約15%拡大し、らせん方向に約8%縮小した。この変形はおそらく、PBS緩衝液内の強い静電反発力の結果であり、これがらせんを互いに遠ざけている。紫外線照射がなければ、これらの力は通常、対象物の分解につながる。しかし、紫外線露光後の追加の共有CPD結合は、2重らせんDNAドメインの巻き戻しと解離を防ぐ。
最後に、我々は、紫外線照射の前及び後に、それぞれらせん間結合用の追加のTループを用いて設計されたレンガ様変種の単一粒子クライオEMデータも採取した。結果として得られた3D−EM密度地図は、予測される全体的に長方形のレンガ様形状を再度明らかにした(それぞれ図25及び図26)。しかし、内部クロスオーバー格子は、追加のTループがないデザイン変種よりも十分に分解されず、我々は、これは、追加の柔軟なTループの存在によって引き起こされるこれらの試料中の分子の不均一性が、より顕著であるためであると考えている。
界面を通過する共有結合コンフォメーション状態と高次集成体
塩基対形成したチミジンの標的化導入により、結合界面を通過するDNAベースのメカニズムと高次集成体とを共有結合で架橋することが可能になる。ここでは、既に記載されている2状態スイッチ11を用いてコンフォメーション状態をロックする可能性を示す(図27)。スイッチを閉じた状態は、2つの横棒の形状補完面が直接接触すると、塩基対スタッキング接点によって、安定化される(図5A)。対象物は、温度を上げ下げするか、塩化マグネシウムなどの陽イオンを加えることで、2つの状態を切り替えることができる。
我々は、閉じた状態では、平滑末端の塩基対スタッキング接点に直接配置された末端チミジンは、紫外線照射時のCPDダイマー結合の形成を可能にするのに十分に近接していると仮定した。スイッチのデザインには、そのようなTTスタッキング接点がすでにいくつか含まれていた。30mM MgCl2(閉じた状態を安定化する)の存在下でのスイッチに対する紫外線照射の影響の時間分解解析は、30分の曝露後、粒子の約80%が閉じた状態で不可逆的に捕捉されたことを示す。これは、通常5mM MgCl2でスイッチを開かせる低イオン強度条件下でのゲル電気泳動のバンドパターンから、結論付けられる(図5、B及びC)。従って、CPD結合はまた、近接して保持されている完全に分離した2重らせんDNAドメイン間でも形成される可能性がある。
さらに、我々は、形状補完的な塩基対スタッキング接点を介して高イオン強度で、線形フィラメントにオリゴマー化する前述の多層DNA折り紙レンガ(図28)を用いて、高次の集成体を安定化させる可能性を示す11。デフォルトでは、溶液のイオン強度が再度低下すると、フィラメントは溶解する(図5E)。塩基対スタッキング接点にTTモチーフを配置することにより、高次フィラメントも単純な紫外線照射によって共有結合的に安定化することができる。その結果、TEMイメージングにより明らかなように、フィラメントは低イオン強度条件に再度さらされても解離しない(図5E)。特定のコンフォメーション状態又は高次集成体を安定化する可能性は、生理学的又は低イオン強度条件での応用のために、多くのサブユニットから構築された容器又はメカニズムを調製するのに特に有用となり得る。図1に示すような内部デザインと、図5に示すような界面結合スキームを組み合わせると、広範囲の条件に耐えるサブユニットと高次の集成体を生成することができるであろう。
考察
我々の方法のユーザーは、TT配列モチーフを作成することによりDNA集成体内の共有結合の部位を簡単に定義することができ、ここで2つのTは2重らせんドメイン内に配置する必要はない。バクテリオファージ由来の足場鎖自体がすでに複数のTT及びAAモチーフを含んでいたため、本明細書で研究された対象物は、デフォルトでCPD結合形成のためのいくつかの部位を特徴としていた。照射時の望ましくないCPDダイマーの形成を抑制し、所望の場合は余分なTの挿入を回避するために、将来新しいカスタム足場配列を開発することができる。設計上、これらの配列はTTモチーフを欠いてもよく、ハニカム又は方形格子パッキング形状の内部接合間隔ルールに対応する一定の間隔のAAモチーフを特徴としてもよい。タイルレンガ構造体15などの足場のないDNA対象物は、紫外線照射による共有結合を可能にするために、クロスオーバーと鎖末端にTTモチーフを選択的に配置する配列を使用して、特別に設計することもできる。我々の結果は、チミジンの単なる近接が、紫外線照射による共有結合の形成をテンプレート化するのに十分であることを示す。さらにチミジンは、これらの結合を形成するために、必ずしも2重らせん内に配置される必要はない。
ここに示されたクライオEM地図は、DNA対象物が紫外線処理後も全体的な形状を維持していることを示す。我々の地図はまた、DNAナノテクノロジーの構造データの本体に追加され、設計の詳細と結果として生じる形状との関係を理解するのに役立つ。例えば我々は、生理学的イオン強度で多層DNA折り紙クライオEM地図を提示した。以前は、これらの条件下では対象物が「爆発」するため、これらの構造を分析することはできなかった。生理学的条件における我々のクライオEM地図は、実質的な膨潤挙動を明らかにし、これは全体的な形状への静電気の寄与を理解するのに役立つ。生理学的条件についての将来の設計では、仕様に従って形状を生成するために膨潤挙動を考慮する必要がある。我々の方法は、特に構造的に複雑な多層3D DNA対象物に対して、DNAベースのナノテクノロジーの幅広い適用性を支持し、これはおそらく設計者に魅力的な自由度を提供するが、環境条件に対してより敏感になる傾向がある。簡便性、配列のプログラム可能性、及びスケールアップ可能性のために、紫外線照射による共有結合は、様々な分野の広範な条件でのDNAナノ構造体の応用への道を切り開くのに役立つであろう。
実施例2
材料と方法
2.1. DNA折り紙対象物の折り畳み
反応混合物は、それぞれ20nM濃度の足場DNAと200nM濃度のオリゴヌクレオチド鎖を含有した。折り畳み緩衝液は、5mMトリス、1mM EDTA、5mM NaCl(pH8)、及び20mM MgCl2を含有した。反応混合物は、TETRAD (MJ Research, 現在はBio-Rad) 熱サイクリング装置を使用して熱アニーリング傾斜に付した。オリゴヌクレオチドEurofins MWG (Ebersberg, Germany)から購入した。
・ 「TTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物」を作成するために使用される213個のオリゴは、配列リストに配列番号1〜213で示される。
・ 「TTモチーフ1〜4を有するレンガ様対象物」を作成するために使用される176個のオリゴは、配列リストに配列番号214〜389で示される。
・ 「ポインター」対象物を作成するために使用される159個のオリゴは、配列リストに配列番号390〜548で示される。
・ 「スイッチ」対象物を作成するために使用される206個のオリゴは、配列リストに配列番号549〜754で示される。
・ 「重合レンガ」対象物を作成するために使用される211個のオリゴは、配列リストに配列番号755〜965で示される。
以下の表は、この試験で説明した対象物を組み立てるために使用された折り畳み傾斜を示す。
Figure 2021526376
2.2. DNA折り紙対象物の精製と濃縮
折り畳み反応後、全ての反応生成物を1回のPEG沈殿を使用して精製した63。得られたペレットを、5mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液(5mMトリス、1mM EDTA、5mM NaCl)に溶解した。最終容量は、100nMのモノマー濃度が得られるように選択した。試料は、振盪インキュベーター(EppendorfのThermomix comfort)で30℃、450rpmで一晩平衡化した。全ての操作は前述のように行った64
2.3. 紫外線照射
紫外線照射には、310nmを中心とする高透過率帯域フィルター(Asahi SpectraのXAQA310)を備えた300Wのキセノン光源(Asahi SpectraのMAX-303)を使用した。ライトガイド(Asahi Spectra)を使用して、0.65mlの反応チューブの上に直接光源を配置することにより、試料に光源を連結した。特に他に明記されない限り、レンガ様試料は135分間照射し、ポインターの試料は120分間、重合するレンガの試料は30分間照射した。特に他に明記されない限り、試料は30mM MgCl2を含む折り畳み緩衝液(5mMトリス、1mM EDTA、5mM NaCl)中で照射された。
2.4. 濃縮のための限外濾過と緩衝液交換
全ての試料(架橋及び非架橋)を3回の限外濾過(100kカットオフのAmicon Ultra 500μl)に付した。限外濾過は、20℃及び7kの相対遠心力(Eppendorf 5424R)で行った。緩衝液を、折り畳み緩衝液(5mMトリス、1mM EDTA、5mM NaCl;5mM MgCl2を含む)、PBS、又は300、150、100、50、25、又は0mM NaClを添加した2回蒸留水に交換した。極低温電子顕微鏡法に使用される試料は、1,000nMに濃縮した。
2.5. DNA折り紙対象物のゲル電気泳動
特に他に明記されない限り、試料は、0.5xトリスホウ酸−EDTAと5mM MgCl2を含む2.0%アガロースゲルで、水浴又は氷浴に浸したゲルボックス内で90Vバイアス電圧で約2時間電気泳動した。試料は、約5nMのモノマー濃度でゲルに載せた。電気泳動したアガロースゲルを、Typhoon FLA 9500レーザースキャナー(GE Healthcare)を使用して25μm/ピクセルの分解能でスキャンした。得られた16ビットtif画像を、ImageJ 1.440を使用して分析した。
2.6. 陰性染色透過型電子顕微鏡(TEM):データの準備、取得、及び処理
試料を、グロー放電、コロジオン支持、カーボンコーティング(10nm)Cu400 TEMグリッド(内製)に吸着させ、25mM水酸化ナトリウムを含む2%ギ酸ウラニル水溶液を使用して染色した。使用した緩衝液/溶媒に応じて、試料を15〜300秒間インキュベートした。低濃度の正に帯電したイオンを含む溶媒に溶解した試料には、より高いモノマー濃度(50 nM)とより長いインキュベーション時間を使用した。10,000倍〜30,000倍の倍率を使用してデータを取得した。イメージングは種々の顕微鏡で行った。以下の表を参照されたい。
Figure 2021526376
図で使用されているTEM顕微鏡写真は、長距離染色勾配を除去するために高域フィルター処理され、コントラストは自動レベリングされた(Adobe Photoshop CS6)。2D画像処理については、RELION-2ピッキングルーチンを使用した粒子ピッキングによって、個々の粒子顕微鏡写真のライブラリを作成した65。平均2D粒子顕微鏡写真の作成は、RELION-2を使用して行った65。通常、約2,000個の個々の粒子が平均化された。
2.7. クライオ電子顕微鏡法:データの準備、取得、及び処理
TTモチーフ1〜3を有するレンガ様対象物について、700nM〜850nMの濃度を使用した。試料を、C−Flat 1.2/1.3、1.2/1.3厚、2/1又は2/2厚グリッド(Protochips)に適用した。プランジ凍結は、FEI Vitrobot Mark V装置を使用して、ブロット時間3秒、ブロット力−1、ドレイン時間0秒で、湿度95%及び22℃で行った。TTモチーフ1〜4を有するレンガ様対象物については、560nM〜800nMの濃度を使用した。試料を、C−Flat 1.2/1.3、2/1、又は2/2厚のグリッドに適用した。プランジ凍結は、FEI Vitrobot Mark Vを使用して、ブロット時間3秒、ブロット力−1、ドレイン時間0秒で、湿度95%及び22℃で行った。自動データ採取は、300kVで動作し、まずFalconIII直接検出器(FEI)を備えたTitan Krios G2電子顕微鏡(FEI)で行った。単一粒子にはEPUを使用し、傾斜シリーズの取得にはFEI断層撮影を使用した。様々な条件下での全てのレンガ様対象物について、15フレーム、1.5秒〜2秒の露光時間、及び60e-/Å2の総線量で構成されるムービーを、Falcon III(FEI)直接電子検出カメラで、2.3Åの拡大ピクセルサイズで29,000倍のキャリブレーションされた倍率の分割モードで記録した。−1〜−3μmの範囲のデフォーカス値を使用した。記録された動画はMotionCor267でモーション補正し、続いてコントラスト伝達関数パラメータをCTFFIND4.168で推定し、その後の全ての処理工程はRELION-2.165,69で行った。各データセットについて、自動ピッキングの基準値は、手動で選択された約5,000個の粒子から計算した。選択された粒子を使用して、基準なしの2D分類を複数回実行した。目視検査によって判断された最良の2Dクラス平均を選択した。初期モデルは、CanDoによって作成されたbildファイルから作成された。3D分類を複数回行った後、最も多くの特徴を示すクラスを3D自動改良用に選択し、続いて、手動で選択された様々なB因子を用いて、改良された地図を尖鋭化するための後処理を行った。ねじれ方向の検証のためのクライオトモグラムは、FEI断層撮影で2.3Åの拡大ピクセルサイズに対応する29,000×のキャリブレーションされた倍率で−3μmのデフォーカス値を用いて得られた。50°まで2°の増分で双方向傾斜としてセッションを設定し、画像あたりの線量は約2e-/Å2に設定した。得られた傾斜シリーズは、IMOD4.9ルーチンで処理した70
2.8. 追加の実験
2.8.1 図2に示す結果につながる実験
試料を折り畳んでPEG精製し、MgCl2濃度を30mMに調整した。紫外線照射後、超遠心分離を使用して緩衝液を標的緩衝液/溶媒に交換した。ゲル電気泳動の前に、試料を室温で約2〜3時間インキュベートした。温度スクリーニング用の試料を、示された温度で30分間インキュベートした。陰性染色TEMの試料を50nMのモノマー濃度で調製し、グリッド上で3〜5分間インキュベートした。
2.8.2 図3に示す結果につながる実験。
図3Bでは、10%ウシ胎児血清(熱不活化されていない、Gibco(登録商標)、A3160801、Thermo Fisher Scientific)を補足した折り畳み緩衝液(5mM MgCl2)中の安定性スクリーニングを、20nMのモノマー濃度で37℃で示された時間行った。試料を液体窒素で凍結し、アガロースゲル電気泳動を使用して分析した。
図3Cでは、全てのヌクレアーゼをNewEngland Biolabsから購入し、供給されたメーカーの緩衝液中で100U/mLの濃度で使用した。試料(10nM)を37℃で24時間インキュベートした。
図3Dにおいて、DNaseIヌクレアーゼ消化に対する安定性の経時変化を、供給されたDNaseI緩衝液中のモノマー濃度10nMで37℃で調べた。
2.8.3 図5に示す結果につながる実験:
図5では、スイッチの照射時間スクリーニングを三重測定で行った。照射量は、5nMのモノマー濃度で25μlであった。図5Bに示すゲルの分析において、我々は、閉じた粒子を含むバンドと、開いた粒子と閉じた粒子を含むバンドとの比率を計算した。各バンドのグレースケール値は、積分によって得た。図5Cのデータポイントは平均を表し、誤差棒は3つの独立した実験の標準偏差を表す。フィラメントの集成のために、モノマーを折り畳んでPEG精製した。ペレットを折り畳み緩衝液(5mM MgCl2)に溶解して、100nMのモノマー濃度を得た。平衡化後、MgCl2濃度を20mMに調整し、試料を40℃で3日間TETRAD中でインキュベートしてフィラメントを得た。試料の一部を310nmで30分間照射した。EDTAの添加によりMgCl2濃度は5mMに低下させた。
参考文献
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本発明は、本明細書に記載の特定の実施態様によって範囲が限定されるものではない。実際、本明細書の記載に加えて、本発明の様々な修正が、前述の説明から当業者には明らかになるであろう。このような修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれることを意図している。
本明細書で引用される全ての特許、出願、刊行物、試験方法、文献、及び他の引用資料は、それぞれの特許法の下で可能な範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (34)

  1. 天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法であって、前記ナノ構造体は、1つ以上の相補的核酸配列上に存在する少なくとも2つの非隣接配列ストレッチに結合する少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、前記方法は、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程を特徴とし、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する前記工程は、2つのピリミジンヌクレオチド間の少なくとも1つの化学的結合の形成をもたらし、2つのピリミジンヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、2重らせん部分構造に含まれる相補的ヌクレオチド対の一部ではない、前記方法。
  2. 天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法であって、前記ナノ構造体は、1つ以上の相補的核酸配列上に存在する少なくとも2つの非隣接配列ストレッチに結合する少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、前記方法は前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程によって特徴付けられる、前記方法。
  3. 天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法であって、前記ナノ構造体は、少なくとも2つの2重らせん部分構造を含み、前記方法は前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程によって特徴付けられる、前記方法。
  4. 複数の2重らせん部分構造を含む天然に存在しない核酸ナノ構造体の安定性を高める方法であって、前記ナノ構造体は、少なくとも2つの異なる2重らせん部分構造の一部である少なくとも1つの1本鎖核酸配列を含み、ここで前記方法は前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する工程を特徴とする、前記方法。
  5. 前記天然に存在しない核酸ナノ構造体が、2重らせん部分構造の2次元又は3次元配置のいずれかを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記天然に存在しない核酸ナノ構造体は、前記2重らせん部分構造がそれぞれ10〜5000の相補的ヌクレオチド対からなり、前記2重らせん部分構造が、7、8、又は9塩基ごとに、隣接する2重らせん部分構造に接続することができ、前記2重らせん部分構造を形成する1本鎖オリゴヌクレオチドの1つ以上が、同じ又は少なくとも2つの異なる2重らせん部分構造の一部である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記2重らせん部分構造間の接続は、ハニカム、方形形、又は六角形のパッキング形状、又はこれらの組み合わせをもたらす、請求項6に記載の方法。
  8. 前記2重らせん部分構造を形成する1本鎖オリゴヌクレオチドの少なくとも85%は、少なくとも2つの異なる2重らせん部分構造の一部である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する前記工程は、2つのピリミジンヌクレオチド間に少なくとも1つの化学結合の形成をもたらす、請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記2つのピリミジンヌクレオチドのうちの少なくとも1つは、2重らせん部分構造に含まれる相補的ヌクレオチド対の一部ではない、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、前記核酸ナノ構造体は、少なくとも第1の1本鎖ポリヌクレオチドの1つ以上のコピー、及び第2の1本鎖ポリヌクレオチドのセットを含み、第2の1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれは、n個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的である前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域は、(n−1)番目及び(n+1)番目のコア配列に相補的な前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域と隣接していない配列と、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPmと、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPmと、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入とからなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される、上記方法。
  12. 前記第1の1本鎖ポリヌクレオチドが少なくとも100個のヌクレオチドを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1の1本鎖ポリヌクレオチドが、繊維状バクテリオファージのDNAに対して少なくとも70%の配列同一性を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記繊維状バクテリオファージがM13、特にM13mp18である、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、前記核酸ナノ構造体は1本鎖オリゴヌクレオチドのセットを含み、ここで前記1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれは、n個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記セットの1本鎖ポリヌクレオチドの別のメンバーの配列に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な前記別のメンバー上の領域は、(n−1)番目及び(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない配列と、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPmと、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPmと、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入とからなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される、上記方法。
  16. 3’末端及び5’末端の前記ピリミジンヌクレオチドストレッチのそれぞれについて、mは0又は1のいずれかであり、Pはチミジン残基である、請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記コア配列のそれぞれはx個のヌクレオチドからなり、xは7、8、又は16の倍数である整数から独立して選択される、請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記紫外線照射は、250nm〜350nmの範囲の波長の紫外線を用いて行われる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法であって、前記紫外線照射は、以下のパラメータ(約5〜2,000μlの試料の容積、試料中の約1〜500nMの核酸ナノ構造体の濃度)を使用して、約0〜約25の温度範囲で、トリス緩衝液中で、光線を試料に連結させるための液体ガイドを使用して(試料の溶液表面と光ガイドの末端間の距離は約5cm未満)キセノン光源(Asahi SpectraのMAX303)を用いて(試料の溶液表面と光ガイドの末端間の距離は約5cm未満)、試料を約1〜10mW/cm2の紫外線強度で約1〜6時間、紫外線照射に曝露することにより行われる、上記方法。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法であって、前記核酸ナノ構造体を紫外線照射に曝露する前記工程は、安定状態に到達するために同一条件下で処理された実施例2の基準DNAナノ構造体に必要な期間実行され、ここで前記安定性は、実施例2に記載のようなゲル電気泳動アッセイにおいて特定され、ここで前記基準DNAナノ構造体は、(i)未処理のままで、25℃で5mMトリス、5mM NaCl、1mM EDTA、5mM MgCl2の基準条件下で、及び(ii)紫外線処理後、必要な目標条件で、特に高温で、特に90℃で、純水中、生理学的条件下、又は真空中で、インキュベートされ、ここで、基準DNAナノ構造体のバンドが基準条件下と同じ電気泳動移動度を示すとすぐに、安定状態に到達する、上記方法。
  21. 少なくとも第1の1本鎖ポリヌクレオチドの1つ以上のコピーと、1本鎖ポリヌクレオチドのセットとを含む核酸ナノ構造体の作成のためのキットであって、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、ここで前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される、上記キット。
  22. 1本鎖オリゴヌクレオチドのセットを含む核酸ナノ構造体を作成するためのキットであって、ここで1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれは、n個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から独立して選択される整数であり、ここで前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)1本鎖ポリヌクレオチドの前記セットの別のメンバーの配列に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な前記別のメンバー上の領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される、上記キット。
  23. 3’末端及び5’末端の前記ピリミジンヌクレオチドのストレッチPmのそれぞれについて、mが0又は1であり、Pがチミジン残基である、請求項21又は22に記載のキット。
  24. 少なくとも第1の1本鎖ポリヌクレオチドの1つ以上のコピーと、1本鎖ポリヌクレオチドのセットとを含む核酸ナノ構造体であって、1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは1〜40の範囲から選択される整数であり、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)前記第1の1本鎖ポリヌクレオチド上の領域に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される、上記核酸ナノ構造体。
  25. 1本鎖オリゴヌクレオチドのセットを含む核酸ナノ構造体であって、1本鎖ポリヌクレオチドのそれぞれはn個のコア配列からなるn特異的配列からなり、nは、1〜40の範囲から独立して選択され、前記n個のコア配列のそれぞれは、(i)1本鎖ポリヌクレオチドの前記セットの別のメンバーの配列に相補的な配列であって、n番目のコア配列に相補的な前記別のメンバー上の領域が、(n−1)番目と(n+1)番目のコア配列に相補的な領域と隣接していない上記配列、(ii)3’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、(iii)5’末端のピリミジンヌクレオチドストレッチPm、及び(iv)任意選択的に、ピリミジンヌクレオチドストレッチPmの1つ以上の挿入、からなり、ここで各mは0〜40の範囲から独立して選択される整数であり、各Pはチミジン及びシトシン残基から独立して選択される、上記核酸ナノ構造体。
  26. 3’末端及び5’末端の前記ピリミジンヌクレオチドPmのそれぞれについて、mは0又は1のいずれかであり、Pはチミジン残基である、請求項24又は25に記載の核酸ナノ構造体。
  27. 空間的に隣接するチミジン及び/又はシトシン残基間に1つ以上の紫外線誘導ブリッジを含む、請求項24〜26のいずれか1項に記載の核酸ナノ構造体。
  28. 前記1つ以上のブリッジが、シクロブタンピリミジンダイマー及び(6,4)ピリミジン−ピリミドンから選択されるピリミジンダイマーを含む、請求項27に記載の核酸ナノ構造体。
  29. 前記1つ以上のブリッジが、1本鎖オリゴヌクレオチド又はコア配列の3’末端、1本鎖オリゴヌクレオチド又はコア配列の5’末端にあるPmストレッチに含まれるチミジン及び/又はシトシン残基の間、及び/又は前記任意のPm挿入物のうちの1つのチミジンにある、請求項27又は28に記載の核酸ナノ構造体。
  30. 請求項27〜29のいずれか1項に記載の核酸ナノ構造体であって、前記ブリッジのうちの1つ以上が、2つの隣接する1本鎖オリゴヌクレオチド、又は前記核酸ナノ構造体の同じ又は異なる2重らせん部分構造の一部であるコア配列の、3’及び5’末端のチミジン又はシトシン残基間のらせん内ブリッジである、前記核酸ナノ構造体。
  31. 請求項27〜30のいずれか1項に記載の核酸ナノ構造体であって、前記ブリッジのうちの1つ以上が、1本鎖オリゴヌクレオチド又は前記核酸ナノ構造体の同じ又は異なる2重らせん部分構造の一部であるかかる1本鎖オリゴヌクレオチドの一部に含まれるチミジン又はシトシン残基の間、特に任意挿入物のうちの2つに含まれる2つのチミジン残基の間のらせん間ブリッジである、前記核酸ナノ構造体。
  32. 請求項27〜31のいずれか1項に記載の核酸ナノ構造体であって、架橋は、ポリヌクレオチドAの3’末端からポリヌクレオチドBの5’末端、ポリヌクレオチドAの3’末端からポリヌクレオチドBの3’末端、ポリヌクレオチドAの5’末端からポリヌクレオチドBの5’末端、ポリヌクレオチドAの3’末端からポリヌクレオチドBのコア配列中の挿入部、ポリヌクレオチドAの5’末端からポリヌクレオチドBのコア配列の挿入部、及びポリヌクレオチドAのコア配列の挿入部からポリヌクレオチドBのコア配列の挿入部のリストから選択される、上記核酸ナノ構造体。
  33. 請求項27〜32のいずれか1項に記載の2つ以上の核酸ナノ構造体の集成から生じる複雑な核酸ナノ構造体。
  34. 前記集成体が、請求項27〜32のいずれか1項に記載の前記核酸ナノ構造体の2つ以上の間に1つ以上の紫外線誘導ブリッジを含む、請求項33に記載の複雑な核酸ナノ構造体。
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