JP2021526082A - 部品の水浸食性研磨方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、部品の水浸食性処理方法に関し、該方法では、研磨粒子を含む液体が圧力下で流れ、被処理部品(1)が受け入れられ、液体の流れを調整できるバルブ(5)が流れ方向で部品(1)の前方に配置されたチャネル(3)を有する装置中で、研磨粒子を含む液体が部品(1)の表面を流れ、該方法は以下のステップを有する:(a)部品(1)の前方のバルブ(5)を閉め、研磨粒子を含む液体に所定の圧力を生じさせる、ステップ;(b)部品(1)の前方のバルブ(5)を開き、ステップ(a)で生じさせた所定の圧力を変化させることなく、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積よりも5〜80%小さい、研磨粒子を含む液体の第1体積流量を設定する、ステップ;(c)研磨粒子を含む液体中の、被処理部品(1)の前方位置と被処理部品の後方位置の間で設定された圧力差を測定する、ステップ;(d)ステップ(c)で測定された圧力差が5〜80%減少すると直ちに、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に体積流量が対応するまで、研磨粒子を含む液体の体積流量を増加させる、ステップ;(e)ステップ(d)における体積流量が、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に対応すると直ちに、部品(1)の前方のバルブ(5)を閉めて流れを終了させる、ステップ。【選択図】図1

Description

本発明は、研磨粒子を含む液体が部品の表面を流れる、部品の水浸食性処理方法に関する。
水浸食性研磨方法は、研磨粒子を含む液体を被処理表面に流す処理方法である。液体に含まれる研磨粒子が、液体が流れる間に被処理部品の表面に衝突し、それにより、対応する表面が、衝突時に部品の材料を浸食する研磨粒子によって、浸食的に研磨される。研磨粒子の幾何学的形状、特に形状とサイズ分布に応じて、表面の非常に微細な処理、特に非常に微細な構造の処理がこの場合可能である。水浸食性研磨方法は、例えば、表面粗さ50〜500μmを有する金属、セラミック及び/又はプラスチックで作られた3Dプリント部品の表面を処理するために使用され得る。これらの表面の荒れは、対応する部品を使用する間に、例えば汚れ又は圧力損失の増加などの望ましくない影響をもたらす。研磨方法の後に誤差許容範囲内の正確な幾何学的形状を遵守することができるようにするためには、部品の幾何学的形状は、任意に、製造方法の間に、特に3Dプリント法による製造の間に、すでに修正されている必要があり、かつ、研磨方法を正確にかつ制御された方式で調整することが可能でなければならない。
WO2014/00954A1により、例えば、内燃機関用噴射弁の噴射ノズルのボアを水浸食性方法で丸め、鋭利なエッジの遷移を研磨して、燃料が内燃機関に高圧で噴射される非常に小さなボアを研磨できることが知られている。この方法では、研磨粒子を含む液体が噴射ノズルを通って流れる。噴射ノズルのボアを通る均一な流れのために、したがってエッジの均一な丸めのために、中空体が噴射弁に導入され、研磨粒子を含む液体が、中空体に形成された内側フローチャネルと、中空体と噴射弁の内壁との間に形成された外側フローチャネルとを通って案内される。この場合、均一な結果を得るために、異なる研磨粒子を含む液体(それらは内側及び外側のフローチャネルを通って流れる)を使用すること、及び/又は、研磨粒子を含む液体を、異なる流量又は圧力で内側及び外側のフローチャネルを通って送ることが可能である。
水浸食性研磨方法の数学的シミュレーションが、例えば、P.A.Rizkallaによる、「オイラーオイラーアプローチと組み合わせた半経験的方法を使用した水浸食性モデルの開発」、論文、ロイヤルメルボルン工科大学、メルボルン大学、2007年11月、36〜44ページに記載されている。
先行技術から知られている方法の欠点は、特に、例えば表面に取り付けられた要素の形など、流れの障害物が存在する被研磨表面に対して、又は、研磨粒子を含む液体を逸らす必要がある部品に対して、例えばWO2014/00954A1に記載されている噴射ノズルにおいても同様であるが、被研磨表面がチャネルに開口するボアである場合は、渦及び逆流が発生する可能性があり、そのために、不均一な研磨が行われ、又は多くの位置が未処理のままになることである。
したがって、本発明の目的は、表面の制御された処理が確実に行われる、表面の水浸食性処理方法を提供することにある。
この目的は、部品の水浸食性処理方法によって達成され、該方法では、研磨粒子を含む液体が圧力下で流れ、前記被処理部品が受け入れられ、液体の流れを調整できるバルブが流れ方向で前記部品の前方に配置されたチャネルを有する装置中で、研磨粒子を含む液体が前記部品の表面を流れ、該方法は以下のステップを有する:
(a)前記部品の前方の前記バルブを閉め、前記研磨粒子を含む液体に所定の圧力を生じさせる、ステップ;
(b)前記部品の前方のバルブを開き、ステップ(a)で生じさせた所定の圧力を変化させることなく、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積よりも5〜80%小さい、前記研磨粒子を含む液体の第1体積流量を設定する、ステップ;
(c)前記研磨粒子を含む液体中の、前記被処理部品の前方位置と前記被処理部品の後方位置の間で設定された圧力差を測定する、ステップ;
(d)ステップ(c)で測定された圧力差が5〜80%減少すると直ちに、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に体積流量が対応するまで、前記研磨粒子を含む液体の体積流量を増加させる、ステップ;
(e)ステップ(d)における体積流量が、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に対応すると直ちに、前記部品の前方の前記バルブを閉めて流れを終了させる、ステップ。
ステップ(a)で生じさせた所定の圧力をステップ(b)で変化させることなく、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積よりも5〜80%より小さい体積流量に調整する結果、被処理表面上の均一な流れが達成され、表面が過度に浸食される逆流の可能性が低減される。逆流を完全に回避することは不可能であり、これは、材料が研磨されないか、あるいは研磨処理が経済的に運転できなくなるほど研磨処理が遅くなるような低流量を必要とするためである。研磨により、鋭利なエッジの遷移は処理により丸められ、逆流と渦の原因となる摂動が減少し、体積流量と流量を増加させることができる。材料が浸食される研磨処理によって、増加した流れる断面よって体積流量が増加することになり、したがって、増加した断面もさらに、流量を一定に保つために、体積流量を増加させることを要求する。
本水浸食性処理では、まず、部品が研磨粒子を含む液体が流れるチャネルに導入される。部品の外側表面を処理することを意図している場合には、部品は、研磨粒子を含む液体が表面上を流れるようにチャネルに導入される。内側表面、例えばボアを処理する場合には、部品は、研磨粒子を含む液体が処理される開口部、例えばボアを通って流れるが、処理されることが意図していない表面と接触しないようにチャネルに接続される。ボアの研磨のために、例えば、研磨粒子を含む液体が供給され部品から流れ出るような適切な接続部が部品に設けられてよい。
制御不能な材料の浸食、したがって部品の破壊をもたらす可能性のあるキャビテーションを回避するために、最初は、研磨粒子を含む液体の圧力を、液体が被処理表面を流れることなく、増加させる。このために、流れ方向で被処理部品の前方にあるバルブは、最初は閉められる。バルブを閉めることにより、また、研磨粒子を含む液体の流過又は流通の開始の前に圧力を増加させることにより、再びバルブを開くことで、研磨粒子を含む液体の流れを意図的に制御することが可能となる。高速流で減少する液体の静圧を高圧によって液体の蒸気圧より高く維持できるため、キャビテーションが増加された圧力によって回避することができ、これによって、流れと共に入った蒸気泡が高圧で領域に達したときに突然崩壊し、局所的な減圧が発生して表面に損傷を与える可能性がある蒸気泡が形成されない。
ステップ(a)でバルブを閉めたときの研磨粒子を含む液体の圧力を上げるために、例えば、流れ方向で該バルブの前方に配置されたポンプを使用することができる。研磨粒子を含む液体中に発生する圧力は、被処理部品の材質に依存するが、好ましくは1.1〜500バール(絶対圧)の範囲にある。金属又はセラミック製の表面を水浸食性研磨方法で処理することを意図する場合、好ましくは10〜500バール(絶対圧)の範囲、より好ましくは10〜200バール(絶対圧)の範囲、特に好ましくは50〜150バール(絶対圧)の範囲、例えば100バール(絶対圧)の圧力を設定する。表面がプラスチック製の場合には、1.1〜100バール(絶対圧)の範囲、より好ましくは1.5〜10バール(絶対圧)の範囲、特に好ましくは1.5〜3バール(絶対圧)の範囲の圧力を好ましくは設定する。ステップ(a)の研磨粒子を含む液体の圧力を測定するため、部品の前方のバルブと研磨粒子を含む液体の圧力と流れを発生させるポンプとの間に配置された第1圧力センサを使用することが好ましい。
液体に含まれる研磨粒子によってポンプが損傷を受けることなく、研磨粒子を含む液体の圧力を上昇させることができる如何なるポンプも、部品の前方のバルブを開くとすぐに圧力を増加させて流れを発生させるポンプとして、適している。ポンプのこのような損傷は、例えば、特に流れの偏りを有する領域において、粒子の研磨効果によって生じ得る。したがって、研磨粒子を含む液体の圧力を増加させるためのポンプとしては、ダイヤフラムポンプが特に好ましい。
研磨粒子を含む液体の圧力を増加させた後、部品の前方のバルブを開き、ステップ(a)で生じさせた所定の圧力を変更することなく、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積よりも5〜80%小さい、研磨粒子を含む液体の第1の体積流量が設定される。好ましくは、体積流量は、10〜40%、特に15〜25%、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積よりも小さい。設定点断面積とは、水浸食性研磨方法によって生成され、完全に処理された部品が有する断面積を指し、この断面積は、研磨粒子を含む液体の主流方向に対して垂直に方向づけられている。
研磨粒子を含む液体の最大流速は、好ましくは1メートル/秒から液体の音速の99%、好ましくは10メートル/秒から200メートル/秒、特に好ましくは50メートル/秒から150メートル/秒、例えば100メートル/秒である。一定の体積流量によれば、液体の速度は、流れる断面積の減少とともに増加し、対応して、流れる断面積の増加とともに減少するため、研磨粒子を含む液体の最大速度は、最小断面積を流れる位置で発生する。この場合の速度とは、断面積にわたる液体の平均速度を指し、例えば、体積流量を測定して断面積で除算することによって決定することができる。
研磨粒子を含む液体の速度を調整することにより、キャビテーションが発生していることが判明した場合には、キャビテーションが検出されなくなるまで体積流量を減少させる。キャビテーションを検出するためには、例えば、音センサを部品の後方のチャネルに配置する。音の波は、キャビテーション中に内破する蒸気泡、及びそこから生じるノイズを発する減圧によって発生するため、音センサによってキャビテーションを直接検出することができる。多数の気泡が形成され、したがってそれに応じて強いキャビテーションが発生すると、個々の気泡のノイズが合わさってガタガタ音を立てる。
液中に含まれる研磨粒子によって被処理部品の表面から材料が浸食される水浸食性研磨処理のために、部品の形状が変化し、流れる断面積が増加する。これにより、研磨粒子を含む液体の圧力損失が低減される。この圧力損失の減少は、ステップ(c)で検出される。圧力損失を検出するために、好ましくは、液体の流れ方向で部品の前方の圧力と、流れ方向で部品の後方の圧力の圧力差を決定する。この目的のために、圧力は、部品の前方のバルブと部品との間に配置される第2圧力センサと、部品の後方に配置される第3圧力センサとによって圧力を測定してよい。部品の後方で測定された圧力は、次に、圧力差を求めるために、部品の前方で測定された圧力から減算される。
本発明の範囲において、「前方」及び「後方」という位置表示は、常に研磨処理中の研磨粒子を含む液体の流れ方向を指す。したがって、「〜の前方」は常に「液体の流れ方向で〜の前方」を意味し、「〜の後方」はこれに対応して常に「液体の流れ方向で〜の後方」を指す。
水浸食性研磨の持続時間を長くすることによって、周囲が流される鋭利なエッジの障害物は研磨されて、逆流領域を有する渦が形成されるリスクが低くなるため、液体の体積流量が研磨方法の途中で増加されることがある。さらに、研磨によって浸食される材料のために、鋭利なエッジの研磨及び流れる断面積の増加は、研磨粒子を含む液体の流動状態に変化をもたらし、その結果、研磨効果が低下することになる。このため、本発明によれば、ステップ(d)で、ステップ(c)において測定された圧力差が5〜80%減少した時に直ちに、体積流量が流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に対応するまで、研磨粒子を含む液体の体積流量を増加させる。好ましくは、ステップ(d)で、ステップ(c)において測定された圧力差が10〜30%、特に15〜25%、例えば20%減少した時に直ちに、研磨粒子を含む液体の体積流量を増加させる。
体積流量の増加は、圧力損失の各減少時に体積流量が増加される個々のステップで続いて行われてもよく、又は、ステップ(d)で体積流量が連続的に、一定に、単調に増加され得る。逆流領域、したがってキャビテーションは、体積流量が個々のステップで増加する時に発生する可能性があるため、このような連続的、一定かつ単調な圧力損失の増加は、この場合には好ましい。
研磨粒子を含む流れの最大許容速度は、表面が所望の方法で研磨され、かつ、望ましくない材料の浸食、例えば逆流に起因する又はキャビテーションに起因する浸食がまだ発生しない速度である。最大許容速度は、この場合、例えば予備テストによって決定されてよい。しかし、シミュレーション計算によって最大許容速度を決定することは代替であり好ましい。
体積流量の増加は、最大体積流量に達するまでの部品を処理するための与えられた処理時間を超えないように、十分に迅速に行われることが好ましい。処理時間は、この場合も同様に、予備テスト又はシミュレーション計算によって決定される。さらに、浸食を示す圧力損失と体積流量の間の特性曲線は、予備テスト又はシミュレーション計算によって編集されてもよい。この特性曲線の助けにより、圧力損失と体積流量の関数として浸食を読み取ることができ、所望の浸食に必要な条件を特性曲線から決定することができる。
最大速度が予備テストではなくシミュレーションによって決定されることを意図されている場合には、最大速度を決定するために、ステップ(ii)について後述する数学的シミュレーションも同様に適している。
所望の寸法で完成部品を得るためには、研磨処理の前に、同様にシミュレーション計算によって部品の幾何学的形状をモデル化することがさらに有利である。このようにして、水浸食性研磨による材料の浸食後に、部品が所定の許容範囲内で所望の形状を有するような幾何学的形状を有する部品の未処理部品を製造することが可能となる。水浸食性研磨方法で完成部品に成形される部品の未処理部品の幾何学的形状を決定するのに適しているこのようなシミュレーション方法は、例えば以下のステップを含む:
(i)製造される完成部品の構造モデルを生成するステップであって、該製造される完成部品の構造モデルは次のステップ(ii)の実行の最初の部品の初期モデルとして使用される、ステップ;
(ii)初期モデルから出発して、修正された幾何学的形状を有する中間モデルを生成する、水浸食性研磨方法の数学的シミュレーションを行うステップ;
(iii)ステップ(ii)で生成された中間モデルと完成部品の構造モデルを比較し、製造される完成部品の構造モデルと中間モデルの間の、構造モデルの各ノードにおける、完成部品の構造モデルの表面に直交する距離を決定し、該直交距離を所定の限界値と比較するステップ;
(iv)ステップ(ii)で初期モデルとして使用されるモデルの表面の各ノードにおいて、ステップ(iii)で決定された距離の5〜99%の距離を、表面に直交して逆符号で加算することによって、部品の修正モデルを生成し、ステップ(ii)から(iv)を繰り返し、該ステップ(iv)で生成された修正モデルは、ステップ(iii)で決定された直交距離が少なくとも1つのノードで所定の限界値よりも大きい場合に、ステップ(ii)で新たな初期モデルとして使用される、ステップ;
(v)各ノードにおける完成部品の構造モデルと中間モデルの間のステップ(iii)で決定された直交距離が所定の限界値より小さくなった時点でシミュレーションを終了し、未処理部品の幾何学的形状に対応して最後に行われたステップ(b)の初期モデルが決定される、ステップ。
この方法によれば、水浸食性研磨方法が実行される間に所望の形状の部品が完成部品の所定の許容範囲内で成形されるような、未処理部品が有すべき幾何学的形状を決定することができる。
製造される完成部品の構造モデルを生成するために、所望の完成部品の3次元画像が、任意の所望のコンピュータ支援設計プログラム(CADプログラム)を用いて、最初に生成されることが好ましい。所望の完成部品の3次元画像の作成中に、3次元画像が所望の完成部品の縮尺を正確に反映しているように注意する必要がある。このようにして作成された画像は、その後、構造モデルに転送される。構造モデルでは、完成部品の画像上にグリッドが配置される。この場合、グリッドの個々のノード、すなわち、少なくとも2本のグリッド線が180°と等しくない角度で交差する点を、構造モデルが所望の完成部品を十分な精度で反映するように、選択することが必要である。特に小さな構造、例えば小さな半径や曲率などでは、2つのノード間の距離は、幾何学的形状をそれでも正確に表すように、十分に小さくなければならない。研磨粒子を含む液体の流れが乱される部品位置、例えば表面の隆起又は窪みでは、このように修正された流れが表面における研磨粒子の変更された効果をもたらすため、個々のノード間の距離も、そのような位置で十分に小さくなるように選択されなければならない。ノード間で選択される距離は、この場合、被処理部品のサイズ及び完成部品の要求される寸法許容範囲に依存する。寸法許容範囲が大きいほど、2つのノード間の距離を大きく選択することができる。被処理表面からの距離が増大するにつれて、2つのノード間の距離も同様に増大してよい。完成部品の画像を生成することも可能なシミュレーションプログラムがステップ(ii)の計算に使用される場合、もちろん、同じプログラムが画像の生成と該画像から構造モデルの生成とをするために使用されてよい。
適切な構造モデルを構築する方法は当業者に知られており、一般に構造モデルを生成するモジュールも含む従来のシミュレーションプログラムを、構造モデルの生成に使用してよい。ステップ(ii)の所望の計算方法に応じて、有限差分、有限要素又は有限体積で作動するシミュレーションプログラムを使用することができる。従来からのもので好ましいものは、有限要素に基づくシミュレーションプログラム、例えば、ANSYS(登録商標)から入手可能なシミュレーションプログラムを使用することである。
ステップ(ii)では、初期モデルから開始され、水浸食性研磨方法が数学的にシミュレーションされ、該数学的シミュレーションによって中間モデルが生成される。水浸食性研磨方法の数学的シミュレーションでは、一方では研磨粒子を含む液体の流れ、他方では液体中の研磨粒子の輸送、及び、これに関連して研磨粒子の被処理部品への影響とそれに起因する材料の浸食が数学的にシミュレーションされる。計算には市販のシミュレーションプログラムを使用することができる。水浸食性研磨方法の1つの可能なモデルが、例えば、P.A.Rizkallaによる、「オイラーオイラーアプローチと組み合わせた半経験的方法を使用したハイドロエロージョンモデルの開発」、論文、ロイヤルメルボルン工科大学、メルボルン大学、2007年11月、36〜44ページに記載されている。しかしながら、ここで説明した数学的シミュレーションに加えて、当業者に知られている、液体に含まれる研磨粒子による表面からの材料の浸食及び浸食の形態が記述されている研磨方法の任意の他の数学的シミュレーションを使用することもできる。
すでに上で説明したように、数学的シミュレーションは、有限差分法、有限要素法、又は有限体積法、一般に有限要素法を使用する商用シミュレーションプログラムを使用して実行することができる。
意図された後続の製造処理に対応する処理データが、好ましくは、数学的シミュレーションの境界条件と物質データとして使用される。数学的シミュレーションに使用される物質データも、意図された後続の製造方法の物質データに対応するものであることが好ましい。例えば、使用される研磨粒子を含む液体の圧力、温度、及び体積流量は、水浸食性研磨方法の数学的シミュレーションのための境界条件として使用される。数学的シミュレーションに用いられる研磨粒子を含む液体の物質データは、例えば、液体の粘度及び液体の密度であり、更なる物質データは、液体中の研磨粒子の量と同様に、研磨粒子の大きさ、形状、材質である。更なる処理データは、形状が構造モデルとして使用される部品の幾何学的形状であり、同様に、研磨粒子を含む液体が搬送されるチャネルの幾何学的形状である。数学的シミュレーションに使用されてよい更なる処理量は、研磨方法の持続時間である。
水浸食性研磨方法の実行中の処理条件、例えば研磨粒子を含む液体の圧力又は温度、及び具体的には研磨粒子を含む液体の体積流量の変更、処理条件のこれらの変更は、それに応じて、研磨方法の数学的シミュレーションでも考慮される。体積流量の変化及び圧力の変化に加えて、処理条件の変更は、研磨方法の間の幾何学的形状の変化にも関係する。
ステップ(ii)の水浸食性研磨方法の数学的シミュレーションの結果、中間モデルは、初期モデルに水浸食性研磨方法を適用したときに形成される幾何学的形状に対応する幾何学的形状を有している。最初にステップ(ii)を行う際には、完成部品の構造モデルが初期モデルとして使用されるため、最初にステップ(ii)を行うときに決定された中間モデルは形状を有し、該形状の被処理表面は、生成された中間モデルが完成部品を起点として研磨された部品の表面を反映するように、修正されている。したがって、中間モデルは、研磨処理の終了時に所望の完成部品を得るために初期モデルとして要求される幾何学的形状とは本質的に全く逆の方式で、完成部品の所望の幾何学的形状とは異なる幾何学的形状を有している。
所望の完成部品を要求される許容範囲内で得るために要求される未処理部品の形状を近似するために、ステップ(iii)では、ステップ(ii)で生成された中間モデルが完成部品の構造モデルと比較され、製造される完成部品の構造モデルと中間モデルの間の、完成部品の構造モデルの表面に直交する距離が、構造モデルの各ノードで決定される。この各ノードで決定された直交距離は、所定の限界値と比較される。該所定の限界値は、この場合、好ましくは、完成部品の寸法許容範囲である。
完成部品の構造モデルとステップ(ii)で決定された中間モデルの間の直交距離が、少なくとも1つのノードにおいて所定の限界値よりも大きい場合には、ステップ(iv)が実行され、全てのノードにおいて完成部品の構造モデルとステップ(ii)で決定された中間モデルの間の直交距離が、所定の限界値よりも小さい場合には、ステップ(v)が実行され、方法が終了される。
ステップ(iv)では、ステップ(iii)で決定された距離の5〜99%、好ましくはステップ(iii)で決定された直交距離の30〜70%、特に、ステップ(iii)で決定された距離の40〜60%、例えば50%を、ステップ(ii)で初期モデルとして使用されるモデルの表面の各ノードにおいて、初期モデルの表面に直交して逆符号で追加することにより、部品の修正モデルが生成される。続いて、ステップ(ii)から(iv)が繰り返され、ステップ(iv)で生成された修正モデルがステップ(ii)で新たな初期モデルとして使用される。ステップ(iii)で決定された直交距離全体ではなく、ステップ(iii)で決定された直交距離の5〜99%、好ましくは30〜70%、特に40〜60%、例えば50%が、ステップ(ii)で使用される初期モデルに追加されるという事実は、方法が収束し、全ての場合において、水浸食性研磨方法で完成部品が製造される未処理部品のための幾何学的形状が見出されることを確実にする。
ステップ(ii)で生成された中間モデルとステップ(iii)の完成部品の構造モデルを比較した結果、各実行で初期モデルと完成部品の差が依然として生じる直交距離は登録される。この直交距離の一部を、その後のステップ(ii)から(iv)の実行のための新しい初期モデルを生成するために、ステップ(ii)の初期モデルに追加することにより、要求される未処理部品の形状が各実行でより近く近似される。この反復方法は、ステップ(ii)で生成された中間モデルが、各ノードにおいて、所定の限界値よりも小さい完成部品の構造モデルからの直交距離を有するようになると、直ちに水浸食性研磨方法により完成部品を製造するために必要とされる未処理部品の形状を導き出す。未処理部品の形状は、この場合、ステップ(ii)の初期モデルによって反映され、そこでは、その表面が所定の許容範囲内、すなわち所定の限界値内で完成部品に対応するモデルが中間モデルとして生成される。
生成される完成部品に応じて、要求される許容範囲、したがって所定の限界値は、製造される完成部品の被処理表面の全体にわたって等しくてよい。しかしながら、ステップ(ii)からの中間モデルと完成部品の構造モデルとの間の直交距離に対する異なる限界値が得られるように、完成部品の異なる表面又は表面の異なる領域に対して異なる許容範囲を指定することも可能である。
水浸食性研磨方法では、部品の外側表面と部品の内側表面の両方を処理することができる。部品の内側の通常の表面は、例えば、部品を通って経路付けられたボアやチャネルである。水浸食性研磨方法は、特に、従来のツールでは被処理表面に到達できない場合、例えば、部品内のチャネル又はボアから開口部が分岐し、該開口部への入口エッジが丸められることを意図している場合、又は、内側に流れの障害物がある場合、例えば断面の狭窄の形で流れの障害物がある場合、又はチャネルが1つ又は複数のコーナーを回るように経路付けられている場合に使用される。
部品の外側表面を、水浸食性研磨方法で処理することを意図している場合、部品は、好ましくは、研磨粒子を含む液体が外側表面を流れるように、チャネル内に配置される。この目的のために、部品は、好ましくは、適切な保持要素、例えばロッドでチャネル内に保持される。代替として、液体がそれを介して流れることができ、及び、適切なカップリング、例えばフランジによって部品の両側にチャネルが取り付けられる適切なマウントに、部品を取り付けることも可能である。部品の内側表面及び外側表面が水浸食的に処理されることを意図している場合、チャネル内での部品のそのような配置も可能である。この場合、特に、液体が十分に高速で部品を流通し、これによって内側表面が処理されるように、研磨粒子を含む液体が部品に流入するための開口部が方向付けられることに注意すべきである。
代替として、最初に部品のすべての開口部を閉じて、外側表面のみを処理し、その後、内側表面のみに流れるように部品をチャネルに接続することも可能である。これに対応して、また、外側表面を処理することを意図していない場合は、内側表面のみに流れるように、部品はチャネルに接続される。
内側表面と外側表面の両方を処理することを意図している場合には、もちろん、最初に内側表面を処理し、次に部品の開口部を閉じた後に外側表面を処理することも可能である。
内側表面を処理するための部品の接続は、例えば、WO2014/00954A1に記載されているように行うことができる。代替として、研磨粒子を含む液体が流れるチャネルは、部品の入口開口部と部品の出口開口部とに接続されていてよく、それにより、研磨粒子を含む液体がチャネルから入口開口部を通って、部品の被処理開口部に流れ込み、部品の被処理表面を流れ、次いで出口開口部を通ってチャネルに戻る。
研磨粒子を含む液体の流れ、特に部品を横切る体積流量及び所望の圧力降下を正確に調整できるようにするために、部品の前方のバルブに加えて、部品の後方に第2バルブを配置することが特に好ましい。したがって、研磨粒子を含む液体の体積流量及び圧力が第1及び第2バルブによって、調整される。部品の後方のバルブは、特に、部品内の液体の圧力を、キャビテーションが発生しないように高く維持することを可能にする。この目的のために、部品の後方のバルブは、ポンプで所望の圧力を維持するのに十分な開度だけ開かれる。この圧力は、部品の後方に配置された第3圧力センサによって測定される。この目的のために、第3圧力センサは、部品と部品の後方のバルブとの間に配置される。
ステップ(d)の体積流量が、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に対応するとすぐに、部品の処理を終了し、研磨粒子を含む液体の流れを終了させる。部品の前方にのみバルブが設けられている場合には、このバルブをこの目的のために閉める。一つのバルブが部品の前方に設けられ、第2バルブが部品の後方に設けられている場合には、ステップ(e)で部品の前方に設けられたバルブを閉める前に、部品の後方に設けられた第2バルブを閉める。
上述した部品の処理によって表面の処理すべき全ての位置に到達できない場合には、研磨粒子を含む液体が第1方向とは異なる方向、例えば逆方向で被処理表面上を流れるように、チャネル内の部品を再配置することも可能である。代替として、部品をチャネル内で元の位置に維持し、研磨粒子を含む液体の流れ方向を逆にして、被処理表面を逆方向に流れるようにすることも可能である。この目的のために、部品の反対側の第2ポンプが使用され、それぞれの場合に必要とされないポンプは、好ましくは、バイパス手段によって迂回され、あるいは代替的に、送り方向を逆にすることができる1つのポンプを使用される。しかし、2つのポンプを使用することが好ましい。
研磨粒子を含む液体は、好ましくは、貯蔵容器に供給され、部品の被処理表面を流れた後、貯蔵容器に流れ戻る。このようにすることにより、新しい研磨粒子を含む液体を常に供給する必要がなく、連続的な水浸食性研磨が可能となる。部品から浸食された材料を研磨粒子を含む液体から除去するために、研磨粒子が部品の材料と異なる物理的性質を有することが有利である。部品が非磁性材料の場合には、例えば、部品から分離された材料から磁石の助けを借りて研磨粒子を分離することができるように、磁化可能な研磨粒子が使用されてよい。これに対応して、磁化可能な材料の場合、部品から分離された材料は、研磨粒子が非磁化可能である場合には、磁石の助けを借りて液体から直接的に除去され得る。代替として、密度が異なる場合には重力の結果として分離することも可能であり、又は、部品から分離された材料の粒子が研磨粒子と異なるサイズを有する場合にはフィルターの助けを借りて分離することも可能である。
代替として、研磨粒子を含む液体の一部のみを貯蔵容器に戻し、この除去された部分によって分離された材料の一部を除去するように、方法から一部を除去することも可能である。除去された部分は、続いて、新しい研磨粒子を含む液体と交換される。
部品から非常に小さな粒子として分離される材料と、同様に非常に小さな研磨粒子を分離することの高い出費のため、研磨粒子を含む液体を所定の期間間隔で完全に交換することが特に好ましい。この場合、所定の期間間隔は、一方では被処理部品の数に依存し、他方では研磨粒子を含む液体の使用時間に依存することがある。
貯蔵容器内の液体の急激な、蒸発につながる可能性がある緩和を防止するため、貯蔵容器に供給し戻される研磨粒子を含む液体を、貯蔵容器に流入する前に緩和させることが好ましい。液体を緩和させるため、例えば、スロットルやバルブが用いられてよい。
貯蔵容器に入る際の研磨粒子の速度を低下させるために、チャネルの断面積を大きくすることがさらに有利である。この場合、チャネルの壁が液体中に含まれる粒子で研磨されて損傷することが生じ得る液体中に形成される強い渦を防止するため、断面積を急激に広げすぎないことが好ましい。液体を緩和させるためにスロットル又はバルブが使用される場合には、第4圧力センサを緩和部材の後方に設け、この圧力センサによって液体が貯蔵容器に流入する前に液体の圧力が測定されることがさらに好ましい。好ましくは、この圧力は、液体が常に所定の圧力範囲で貯蔵容器に流れ戻るように、緩和部材を調節するために使用される。
研磨粒子を液体中に均一に分散させるために、研磨粒子を含む液体を攪拌する攪拌機を貯蔵容器に設けることが有利である。
研磨粒子を含む液体として、特に天然油又は合成油、特に作動油、又は水が適している。適切な作動油は、例えば、シェル モルリナ(登録商標)10−60又はシェル クラバス(登録商標)32として市販されている。
研磨粒子に使用される材料は、被処理部品の材料に依存する。部品が金属又はセラミックからなる場合、炭化ホウ素又はダイヤモンドからなる研磨粒子が好ましく使用される。プラスチックからなる部品の場合には、炭化ホウ素、ダイヤモンド、砂又はシリコンからなる研磨粒子が特に適している。研磨粒子の形状及び大きさはまた、部品の処理される材料、及び所望の表面条件、特に所望の表面粗さ、及び処理される構造の大きさに依存する。研磨粒子のための適切な粒子形状は、特に鋭利なエッジの粒子、例えば破砕粒子である。適切な研磨粒子は、好ましくは1〜100μm、特に1〜10μmのサイズ分布を有している。
被処理部品から研磨粒子や浸食材料の残留物を洗浄するため、部品は一般的には処理後に研磨粒子を含む液体で洗浄される。このために、水又は油、例えば合成油又は天然油を使用することができる。洗浄用液体は、研磨粒子を含まない洗浄用液体を用い、部品の処理に先に使用したものと同じものを使用することが特に好ましい。
本発明の例示的な実施形態が図示されており、以下の説明でより詳細に説明される。
図1は本発明による方法の方法フロー図を示す。
水浸食性研磨方法による処理のため、部品1が、研磨粒子を含む液体が流れるチャネル3内に導入される。この場合、部品1の位置は、被処理表面に依存する。部品の外側表面を処理することを意図している場合、部品1は、研磨粒子を含む液体が処理される外側表面を流れるように、チャネル3内に導入される。この目的のため、チャネル3は全ての側面が壁で囲まれ、部品1は該チャネル内に配置される。そして、部品1は、適当な締結手段、例えばロッドを用いてチャネル3内に固定される。部品1の内側表面、例えばボア又は部品1内のチャネルを処理することを意図している場合、チャネル3は、研磨粒子を含む液体が部品1の内側表面を流れることができるように、部品に接続される。この目的のため、チャネル3は、例えば、適当なカップリングによって開口部、例えばボア又は部品1内のチャネルに直接接続されてよい。
研磨粒子を含む液体の流れを調整できるようにするために、研磨粒子を含む液体の流れ方向で第1バルブ5が設けられている。最初は、第1バルブ5は閉められている。次に、ポンプ7、好ましくはダイヤフラムポンプにより、ポンプ7と第1バルブ5の間のチャネル3内の研磨粒子を含む液体の圧力が昇圧される。第1バルブ5を閉じた状態でポンプ7を用いて調整される圧力は、被処理部品の材質に依存する。部品1の被処理表面が金属又はセラミックからなる場合、10〜500バール(絶対圧)の範囲の圧力、より好ましくは10〜200バール(絶対圧)の範囲の圧力、特に50〜150バール(絶対圧)の範囲の圧力に昇圧され、部品1の被処理表面がプラスチックからなる場合には、1.1〜100バール(絶対圧)の範囲の圧力、より好ましくは1.5〜10バール(絶対圧)の範囲の圧力、特に1.5〜3バール(絶対圧)の範囲の圧力に昇圧される。第1バルブ5を閉じた状態でポンプ7を使用して昇圧される圧力は、この場合、第1圧力センサ9を使用して測定される。
圧力の昇圧後、第1バルブ5は、最初に部分的に開かれる。好ましくは、第1バルブ5は、バルブ内を流れる最大断面積の5〜80%、より好ましくは10〜40%、特に好ましくは15〜25%、例えば20%開放される。続いて、研磨粒子を含む液体の流れ方向で被処理部品1の後方に配置される第2バルブ11が開かれ、該第2バルブ11は、ポンプ7によって生成され、第1圧力センサ9で測定される圧力が維持され、研磨粒子を含む液体の所望の体積流量が設定されるのに十分な大きさにのみ開かれる。この場合、体積流量は、適切なセンサ13、例えばスルーフローセンサによって測定される。第1バルブ5と第2バルブ11で設定される体積流量は、この場合、好ましくは流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積の5〜80%、より好ましくは10〜40%、特に15〜25%、例えば20%である。
研磨粒子を含む液体が被処理表面を流れている間、研磨粒子を含む液体の圧力差が検出される。この目的のために、ここに示される実施形態では、第2圧力センサ15が部品の前方に配置され、第3圧力センサ17が部品の後方に配置されている。第2圧力センサ15は、この場合、好ましくは、ここに表されているように、第1バルブ5と部品1の間に配置され、第3圧力センサ17は、部品1と第2バルブ11との間に配置されている。圧力差を決定するために、第3圧力センサ17で測定された圧力が、第2圧力センサ15で測定された圧力から減算される。
部品のエッジや角部は、水浸食性研磨により丸められる。さらに、流れる断面積は増加する。部品のこれらの変更は、一定の体積流量において圧力差の減少につながる。
第2圧力センサ15と第3圧力センサ17の間で検出される圧力差が5〜80%、好ましくは10〜30%、特に15〜25%、例えば20%減少するとすぐに、研磨粒子を含む液体の体積流量が増加される。体積流量の増加は、この場合、好ましくは、体積流量が、部品の流れる最小設定点断面積と最大許容速度の積に対応するまで、連続的に、一定に、単調に増加するように実行される。この値に達すると直ちに、研磨粒子を含む液体の流れが終了され、ポンプがオフにされ、最初に第2バルブ11と次に第1バルブ5が閉められる。
望ましくない材料の浸食、したがって部品の損傷につながる可能性のある研磨処理中のキャビテーションを防止するために、音センサ19が好ましくは設けられている。音センサにより、研磨粒子を含む流れる液体中の望ましくない音、特に、キャビテーションにより形成された蒸気泡の内破の結果として生じる騒音又はガタガタ音を検出することができる。音センサで検出された音がキャビテーションの発生を示すとすぐに、キャビテーションに対する感受性も低下するように、体積流量を減少させる。このようにして、キャビテーションが発生しないように、したがって、望ましくない材料の浸食が発生しないように、水浸食性研磨方法を行うことができる。
研磨粒子を含む液体は、水浸食性研磨中は貯蔵容器21から取得されることが好ましい。貯蔵容器21は、この場合、研磨粒子の凝集や沈降を防止するために、攪拌機を備えることができる。
部材を流過した後、研磨粒子を含む液体は、好ましくは戻りライン23を通って貯蔵容器21に供給し戻される。貯蔵容器に入る前に、研磨粒子を含む液体は、緩和部材25で緩和される。例えば、スロットルやバルブは緩和部材25として適している。代替として、研磨粒子を含む液体を緩和させ速度を低下させるために、戻りライン23の流れ断面積を大きくすることも可能である。制御可能又は調節可能な緩和部材25が使用される場合、研磨粒子を含む液体中の圧力を第4圧力センサ27で測定し、第4圧力センサ27における圧力により、制御及び/又は調節のために指定された範囲内で変化する流量及び/又は圧力で、研磨粒子を含む液体を貯蔵容器21内に導入するように、緩和部材25を制御及び/又は調節することが有利である。
研磨粒子を含む液体は、部品1の水浸食性処理時に浸食された材料を洗浄して巻き込むため、研磨粒子を含む液体は浸食された材料によって汚染されている。研磨粒子を含む液体をより長い期間使用することができるようにするために、適当な分離方法によって研磨粒子を含む液体から浸食された材料を除去することができる。この目的のために、戻りライン23に適切な分離装置を設けるか、研磨粒子を含む液体の一部を貯蔵容器21又は戻りライン23から取り出し、研磨粒子を含む液体から浸食された材料を除去する処理に送るようにしてよい。このようにして処理された研磨粒子を含む液体は、その後、貯蔵容器に戻されることができる。
代替として、研磨粒子を含む液体中の浸食された材料の割合に依存するか、又は一定であるように選択されるかで、連続的に、又は一定の期間で、方法からの液体の一部を除去して、新しい研磨粒子を含む液体で交換することも可能である。さらに、連続試験又は規則的な所定の期間間隔での試験によって浸食された材料の割合を決定し、浸食された材料が所定の最大割合に到達したときに、研磨粒子を含む液体の全てを新しい研磨粒子を含む液体に交換することもできる。
ここに提示された実施形態の他に、研磨粒子を含む再生液体を用いて、代替として、常に新しい研磨粒子を含む液体を用いて水浸食性研磨方法を行い、被処理表面を流れた後に、研磨粒子を含む液体を方法から取り除き、廃棄又は処理することももちろん可能である。
参照番号一覧
1 部品
3 チャネル
5 第1バルブ
7 ポンプ
9 第1圧力センサ
11 第2バルブ
13 体積流量を測定するためのセンサ
15 第2圧力センサ
17 第3圧力センサ
19 音センサ
21 貯蔵容器
23 戻りライン
25 緩和部材
27 第4圧力センサ

Claims (14)

  1. 研磨粒子を含む液体が圧力下で流れ、被処理部品(1)が受け入れられ、液体の流れを調整できるバルブ(5)が流れ方向で前記部品(1)の前方に配置されたチャネル(3)を有する装置中で、研磨粒子を含む液体が前記部品(1)の表面を流れる、部品の水浸食性処理方法であって、以下のステップ:
    (a)前記部品(1)の前方の前記バルブ(5)を閉め、前記研磨粒子を含む液体に所定の圧力を生じさせる、ステップ;
    (b)前記部品(1)の前方の前記バルブ(5)を開き、ステップ(a)で生じさせた所定の圧力を変化させることなく、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積よりも5〜80%小さい、前記研磨粒子を含む液体の第1体積流量を設定する、ステップ;
    (c)前記研磨粒子を含む液体中の、前記被処理部品(1)の前方位置と前記被処理部品の後方位置の間で設定された圧力差を測定する、ステップ;
    (d)ステップ(c)で測定された圧力差が5〜80%減少すると直ちに、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に体積流量が対応するまで、前記研磨粒子を含む液体の体積流量を増加させる、ステップ;
    (e)ステップ(d)における前記体積流量が、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に対応すると直ちに、前記部品(1)の前方の前記バルブ(5)を閉めて流れを終了させる、ステップ、
    を有する方法。
  2. ステップ(d)において、前記体積流量が連続的に、一定に、単調に増加される、請求項1に記載の方法。
  3. 流れる最小設定点断面積の前記位置における最大許容速度は、1メートル/秒から音速の99%の範囲にある、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記最大許容速度は、シミュレーション計算によって決定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記部品の形状は、研磨処理の前にシミュレーション計算でモデル化される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 外側表面が処理される場合、前記研磨粒子を含む液体が前記外側表面を流れることができるように、前記部品(1)が前記チャネル(3)内に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 内側表面が処理される場合、前記研磨粒子を含む液体の全部が処理される前記部品の内部を通って流れるように、前記部品(1)が前記チャネル(3)に嵌着される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. キャビテーションを検出するために、音センサ(13)が前記チャネル(3)の前記部品(1)の後方又は前記部品(1)の位置に配置され、キャビテーションが生じる場合、キャビテーションがもはや検出されなくなるまで前記体積流量が減少される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記研磨粒子を含む液体は、貯蔵容器(21)に供給され、前記部品(1)の被処理表面を流れた後に前記貯蔵容器(21)に流れ戻る、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記研磨粒子を含む液体は、前記貯蔵容器(21)に流れ込む前に緩和される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記部品(1)の後方に第2バルブ(11)が配置され、前記研磨粒子を含む液体の体積流量と圧力は前記第1バルブ(5)と前記第2バルブ(11)によって調整される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. ステップ(e)で前記部品(1)の前方のバルブ(5)を閉める前に、ステップ(d)における体積流量が、流れる最小設定点断面積とこの位置における最大許容速度の積に対応すると直ちに、前記部品(1)の後方の前記第2バルブ(11)を閉める、請求項11に記載の方法。
  13. 前記研磨粒子を含む液体の圧力はステップ(a)において、前記部品(1)の前方のバルブ(5)と、前記研磨粒子を含む液体の圧力と流れを生成するポンプ(7)の間に配置された第1圧力センサ(9)によって測定される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記圧力差を決定するために、前記部品(1)の前方のバルブ(5)と前記部品(1)の間に配置された第2圧力センサ(15)と、前記部品(1)の後方に配置された第3圧力センサ(17)とによって、前記圧力が測定される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
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