JP2021523760A - 能動的聴診を遂行し音響エネルギー測定値を検出するためのシステム、デバイス、及び方法 - Google Patents

能動的聴診を遂行し音響エネルギー測定値を検出するためのシステム、デバイス、及び方法 Download PDF

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Abstract

ユーザーの器官(例えば肺又は心臓)の特性を判定するのに能動的聴診が使用できる。音響信号又は圧電信号(例えば、パルス、トーン、及び/又は広帯域パルス)が動物(典型的にはヒト)の身体又は胸郭の中へ投射されることになる。信号は身体又は肺と相互作用し、場合によっては身体/肺内に共鳴を生じさせることもある。結果としての信号が身体から発せられ、それを解析して、例えば、肺の共鳴周波数又は複数の共鳴周波数を求めることができ、及び/又は音が別のやり方で身体によってどの様に吸収され、反射され、又は変えられるのかを求めることができる。この情報は、肺容量、肺に閉じ込められた空気の体積、及び/又はCOPDの存在という様な肺の特性を示すことができる。【選択図】図1

Description

(関連出願)
本願は、2018年4月27日出願の「能動的聴診デバイス及び音響エネルギー測定センサ」(“ACTIVE AUSCULTATION DEVICE AND SONIC ENERGY MEASUREMENT SENSOR”)と題された米国仮特許出願第62/663,262号の非仮特許出願であり、同仮特許出願に対する恩典を主張するとともに、本願は、2018年11月29日出願の「能動的聴診を遂行し音響エネルギー測定値を検出するためのシステム、デバイス、及び方法」(“SYSTEMS, DEVICES, AND METHODS FOR PERFORMING ACTIVE AUSCULTATION AND SONIC ENERGY MEASUREMENTS”)と題された米国仮特許出願第62/773,002号の非仮特許出願であり、同仮特許出願に対する恩典を主張するものであり、上記両仮出願を参考文献としてそっくりそのまま本明細書に援用する。
本開示は、能動的聴診を遂行し音響エネルギー測定値を検出するためのシステム、デバイス、及び方法に関する。
動物の身体内部の器官の状態、典型的には心臓又は肺の状態を判定するのに聴診が使用される。大抵は胸や背中を手で軽くたたくことによって信号が身体の中へ導入される。この信号が関心器官(典型的には肺)と相互作用した後、信号は聴診器によって検出される。検出信号を解析することによって器官の状態を判定することができる。
米国仮特許出願第62/663,262号 米国仮特許出願第62/773,002号
本発明は、ユーザーの器官(例えば肺又は心臓)の特性を判定する能動的聴診を提供する。音響信号又は圧電信号(例えば、パルス、トーン、及び/又は広帯域パルス)が動物(典型的にはヒト)の身体又は胸部の中へ投射される。信号は身体又は肺と相互作用し、場合によっては身体/肺内に共鳴を生じさせることもある。結果としての信号が身体から発せられ、それを解析して、例えば、肺の共鳴周波数又は複数の共鳴周波数を求めることができ、及び/又は音が別のやり方で身体によってどの様に吸収され、反射され、又は変えられるのかを求めることができる。この情報は、肺容量及び/又はCOPDの存在という様な肺の特性を示すことができる。
本明細書に開示されている能動的聴診の1つの方法は、音響信号をユーザーの身体の中へ関心の標的に向けて投射するものであり、関心の標的は多くの場合ユーザーの心臓及び/又は肺(両肺)である。音響信号は、ユーザーの体の中へ、継続的に、周期的に、及び/又は大凡0.1〜5秒間続くパルス又は短時間持続バーストとして投射されることができる。幾つかの実施形態では、音響信号は、例えば2,000Hzから30,000Hzを範囲とする複数の周波数を含む広帯域信号であってもよい。
音響信号の一部分は、ユーザーの身体から例えば後方散乱又は透過を経て発散し、マイクロフォンの様な受信器によって受信されることになる。次いで受信音響信号の特性が求められる。例示としての特性には、受信音響信号の強度、持続時間、及び/又は周波数が挙げられる。特性はオペレータへ提供されてもよい。
幾つかの実施形態では、これらの工程が複数回繰り返され、受信音の特性が互いに比較されて、例えば、特性の経時的変化が求められ、及び/又は求められた特性がユーザーの健康にとっての改善、有害な健康事象、気象因子、環境因子、などの様な別の因子に対応しているかどうかが求められることになる。比較はオペレータへ提供されてもよい。
追加的又は代替的に、求められた特性は、例えば、ユーザーを診断する及び/又は有害事象がいつ起こりそうかを予測するのに使用できる類似性又はパターンを演繹するべくユーザーの特性が他の特性にどれほど比肩するかを求めるために、特性についての既定値に比較されてもよい。
追加的又は代替的に、場合により、例えば受信音響信号の求められた特性に応じて及び/又は十分に明瞭な受信音響信号の欠如に応じて、信号の持続時間、信号の強度、及び/又は信号に含まれる周波数が調節されてもよい。
場合により、特性は、ユーザーの肺に閉じ込められた空気の体積及び/又はユーザーの肺容量を求めるのに使用されてもよい。
追加的又は代替的に、幾つかの実施形態では、能動的聴診は、発信器と通信しているプロセッサによって、発信器がユーザーの器官に向けて方向決めされる複数の周波数の音響エネルギーを生み出すように発信器へ信号刺激を提供することにより行われてもよい。その後、器官に向けて方向決めされた複数の周波数の音響エネルギーに対応する音響エネルギー応答が受信され解析されて、器官の共鳴周波数が求められてもよい。幾つかの実施形態では、器官に向けて方向決めされる複数の周波数は、離散周波数のセット、既定の周波数応答、及び/又は周波数のビンを含んでいてもよい。追加的又は代替的に、信号刺激は、発信器に、所定の時間に亘って離散周波数のセットを繰り返す音響エネルギーを生み出させることもできる。追加的又は代替的に、信号刺激は、発信器に一連の擬似ランダムに生成される周波数及び/又は疑似ランダムに選択される周波数を含む音響エネルギーを生み出させることもできる。追加的又は代替的に、信号刺激は、発信器に複数の周波数を含む音響エネルギーのバーストを発生させるための音響エネルギーを生み出させることもできる。
幾つかの実施形態では、標的の共鳴周波数に基づいて、器官に閉じ込められた空気の体積が求められてもよい。
本明細書に開示されている幾つかの実施形態では、ユーザーに関連する情報が受信され、標的及び/又は器官の共鳴周波数に相関づけられてもよい。場合により、受信情報は、ユーザーの生理学的特性、ユーザーの診断、器官の大きさ、器官の形状、器官内の流体の種類、器官内のガスの種類、発信器の場所、受信器の場所、周囲ノイズのレベル、及びユーザーの向きのうちの1つ又はそれ以上に関連がある。
本明細書に開示されている例示としてのシステムは、プロセッサ及び/又はサーバであって当該プロセッサと通信している発信器(例えば、スピーカー)が複数の周波数の音響エネルギーを生み出すよう発信器へ信号刺激を提供するように構成されたプロセッサ及び/又はサーバを含んでいてもよい。音響エネルギーは、ユーザーの身体の器官に向けて方向決めされることができる。器官に向けて方向決めされた複数の周波数の音響エネルギーに対応する音響エネルギー応答がプロセッサ/サーバによって受信され、プロセッサ/サーバは、音響エネルギー応答と既定閾値の間の比較を生成し、次いで比較に基づき、器官について1つ又はそれ以上の共鳴周波数を求めることができる。
追加的又は代替的に、能動的聴診は以下の段階によって行われてもよく、つまり、発信器と通信しているプロセッサによって、発信器が器官に向けて方向決めされる第1の複数の周波数の音響エネルギーを生み出すように発信器へ第1の信号刺激を提供する段階と、プロセッサと通信している受信器を介して、器官に向けて方向決めされた第1の複数の周波数の音響エネルギーに対応する第1の音響エネルギー応答を受信する段階と、プロセッサによって、発信器が器官に向けて方向決めされる第2の複数の周波数の音響エネルギーを生み出すように発信器へ第2の信号刺激を提供する段階と、受信器を介して、器官に向けて方向決めされた第2の複数の周波数の音響エネルギーに対応する第2の音響エネルギー応答を受信する段階と、プロセッサによって、第1の音響エネルギー応答と第2の音響エネルギー応答の間の比較を生成する段階と、プロセッサによって、生成された比較に基づいて器官の1つ又はそれ以上の特性を求める段階と、によって行われてもよい。
幾つかの実施形態では、本明細書で使用されているウェアラブル聴診センサが、ユーザーの身体の中へ音響信号を投射するように構成された発信器と、ユーザーの身体から発せられる音響信号を受信するように構成された受信器と、受信音響信号中の周囲ノイズを低減するように構成されたノイズキャンセリングデバイスと、を含んでいてもよい。ノイズキャンセリングデバイスは、本質的に機械的及び/又は電子的/音響的であってもよい。場合によりノイズキャンセリングデバイスは、既知の周波数及び/又は未知の周波数の不要な周囲ノイズを打ち消すように特別に設計されたノイズキャンセリング回路を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、ノイズキャンセリングデバイスは、周囲ノイズを解析し、周囲ノイズとは180度位相がずれた信号を受信信号へ加えて周囲ノイズを受信信号からフィルタ処理することができる。
本発明は添付図面の諸図に一例として描かれているのであり、限定として描かれているわけではない。
図面全体を通して、別途指定のない限り、描かれている実施形態の同様の特徴、同様の要素、同様の構成要素、又は同様の部分を表すのに同じ数字及び同じ文字が使用されている。また、これより図面を参照しながら本発明が細かに説明されるが、説明は例示の実施形態に関連づけて行われる。説明される実施形態に対し、付随の特許請求の範囲によって定義される本発明の真の範囲及び精神から逸脱することなく変更及び修正がなされ得るものとする。
本発明の幾つかの実施形態に一致する或る例示としての能動的聴診システムを示している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する第2の例示としての能動的聴診システムを描いている。 本発明の幾つかの実施形態に一致する第3の例示としての能動的聴診システムを描いている。 本発明の幾つかの実施形態に一致する或る能動的聴診システムを着用したユーザーの正面図及び側面図を提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する発信器及び受信器をユーザーの胸郭の互いに反対側に位置決めして着用したユーザーの正面図及び側面図を提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、ユーザーの表皮へ付着させることのできる貼り付け式パッチとして構成された或る例示としての能動的聴診システムの説明図を提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、複数の通信デバイスからの能動的聴診データの取得及び処理のためのシステムのブロック線図を提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、中に小体積の閉じ込められた空気を有する走査された肺の画像を提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、閉じ込められた空気の複数のポケット又は体積を含んでいるCOPDを患う走査された肺の画像を提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、ユーザーの左肺及び右肺をモデル化又は近似化する或る例示としての方式の画像を提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、ユーザーの両肺を通過し受信器によって受信された音波のスペクトルキャプチャー三次元グラフを示している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、呼吸サイクル推定のグラフを示している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、経時的に継続して発信器によってユーザーの肺の中へ発せられ能動的聴診システムを介して受信され得る或る例示としての音の一連のグラフを提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、例示としての肺共鳴シグネチャ(LRS)データのグラフを提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致するプロセスを描写したフローチャートを提供している。 本発明の幾つかの実施形態に一致する、本発明の方法をインスタンス化したコンピュータ可読命令を記憶させ実行させることのできる或るコンピュータシステムの構成要素を描いている。
系(例えば物理的な物体)が系の自然な振動周波数の1つ又はそれ以上に整合する周波数では音波を増幅するものであるというのは音響共鳴の定義である。物体がその自然の振動周波数とは関係のない周波数のエネルギーで励起されたら、エネルギーは瞬く間に散逸する。しかし、励起が物体の自然な振動周波数の1つに近似しているとき、物体はこの周波数に共鳴し強く振動し始める。物体の共鳴周波数は、例えば、特定の周波数、周波数のセット、広帯域信号(例えば多くの周波数から成るノイズ)、擬似ランダムに生成される周波数又は周波数範囲、チャープ信号、ホワイトノイズ信号で物体を励起することによって見つけることができる。
共鳴を利用した能動的聴診及び音響エネルギー測定を遂行するためのシステム、デバイス、及び方法がここに説明される。システム、デバイス、及び方法は、能動的音響センサ、デジタル信号処理、及び機械学習を、継続的長期的非侵襲的な肺健康モニタリングのために使用することができる。例示としてのシステム及びデバイスは、音又は音響エネルギートランスデューサ/発信器(例えばスピーカー)と音響エネルギートランスデューサ/受信器(例えばマイクロフォン)とを含んでいる。多くの場合、発信器は、ユーザーの皮膚を通過しユーザーの身体の或る部分(例えば胸郭又は胸)を透通する範囲(例えば20Hz〜100kHz)内の音を発するように構成され、受信器はこの範囲内の音を受信するように構成されることができる。
肺機能評価並びにCOPDの診断及びモニタリングは、様々な機能検査(例えば、肺活量測定法、体積変動記録法)、画像化技法(例えば、CATスキャン、X線)、及び医者の観察と診察を使用して果たされることが多い。これらの技法は、特殊な機器を必要とし、多くの場合、医療環境で行われ、医療専門家によって管理されなければならない。肺活量測定法及び他の検査は、ユーザーが全ての活動を止めて或る特定のやり方でデバイスに対して息をする必要がある。これは、継続的肺機能モニタリングを煩雑にし、ユーザーの日課を実質的に中断させ、在宅ケア向けには難しい。
本明細書に開示されているシステム、デバイス、及び方法は、ユーザーの身体又は身体の部分(例えば、肺又は心臓の様な器官)内の音響共鳴を測定するのに使用することができる。測定される共鳴の特性は、例えば、ユーザーの身体又は標的組織内の空気、液体、又は脂肪、及び/又は音響刺激に応答する他の生理学的性質によって影響を受け得る。
1つの実施形態では、測定された共鳴は、ユーザーの肺の空気捕らえ込みの重症度を検知する及び/又は判定するのに使用することができる。ユーザーの呼吸状態(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD又はぜんそく)の結果として空気がユーザーの肺に捕らえ込まれることがある。追加的又は代替的に、測定された共鳴の特性は、呼吸サイクル(即ち吸息と呼息)中の肺の空気の変化をモニターするのに使用することもできるし、身体の1つの領域を別の領域と比較(例えば一方の肺をもう一方の肺と比較)するのに使用することもできる。
幾つかの実施形態では、本発明は、肺の健康をモニターすることの一方途として肺機能のベースラインを確立しベースラインからの変化をモニターするために、経時的に肺の機能を追跡するのに使用することができる。これは、ユーザーが感染又は有害事象(例えば喘息発作)の影響を受けやすいか否かを判断するのに役立ち、その結果、予防措置が講じられ及び/又は治療が施されることもできるだろう。
発信器及び受信器は、同じハウジングに収納されていてもよいし、又は独立したハウジングに収納されていてもよい。ハウジングは、発信器による音響エネルギーのユーザー身体内標的場所への投射及び/又は受信器によるユーザーの身体から出てゆく音の受信を支援することができるだろう。例えば、ハウジングの形状又は特徴が、音響エネルギーを標的に向けて方向決めするようになっていてもよいし、及び/又はユーザーの身体から発散する音の検出を支援するようになっていてもよい。
ハウジングはユーザーの皮膚に隣接して位置決めされるように構成されることができる。この位置決めは、受信器によって受信される信号へ導入されるノイズ(例えば、周囲ノイズ、クロストーク、など)を、例えばハウジングとユーザーの皮膚の間の隙間又は空きを介してノイズが受信器に入れなくなることで低減することができる。追加的又は代替的に、例示としてのハウジングは、周囲音が受信器によって検出されるのを防ぐために、1つ又はそれ以上の機械的及び/又は電子的なノイズ低減機構を含んでいてもよい。
幾つかの実施形態では、ハウジングは、複数の発信器及び/又は複数の受信器を含んでいてもよい。追加的又は代替的に、システムは、例えばユーザーの様々な場所に設置できるように構成された各々専用のハウジングにそれぞれ入れられた複数の発信器及び/又は複数の受信器を含んでいてもよい。
本明細書に開示されているシステム、デバイス、及び方法は、受信させる音を肺に生成するためにユーザーが例えば咳をする、くしゃみをする、又は息をすることによって音を生成することの必要性を排除することにより、聴診ルーチンの一部を標準化できる可能性をひめている。
これより図を参照してゆくと、図1は、発信器110、受信器115、発信器110及び受信器115へ通信可能に連結されたプロセッサ/メモリ160、及び随意的な機械的ノイズ低減機構150、のための例示としてのハウジング105を含む例示としての能動的聴診システム100を示している。場合により、能動的聴診システム100は更に送受信器を含み、送受信器によってシステム100が外部電子デバイス(例えば、コンピュータ又はスマートフォン)(図示せず)と例えばワイヤレス通信プロトコルを介して通信できるようになっていてもよい。発信器110は、音、振動、波、及び/又はパルスを発する及び/又は産生できる何れのデバイスであってもよい。例示としての発信器110は、限定するわけではないが、スピーカー、シェーカー、圧電トランスデューサ、電気機械的トランスデューサ、又は例えば周囲の空気及び/又は周囲の媒体(例えば、皮膚、水、及び/又は皮下脂肪)を励起することによって電気信号を音声波形へ変換できる何れかの他のデバイスを含む。
発信器110及び/又は受信器115は、図1に示されている様にユーザーの皮膚130の表面に近接して位置づけられるようにハウジング105内に配置されていてもよい。場合により、発信器110及び/又はハウジング105は、音が皮膚層130へ送達され、身体135内の標的、例えば限定するわけではないが肺又は心臓の様な器官へ方向決めされるようにユーザーの身体上に位置決めされることもできる。多くの場合、ハウジング110は、胸腔への音響エネルギーの伝わりを容易にするためにユーザーの胸郭上に位置づけられるであろう。
幾つかの実施形態では、ハウジング105は、ユーザーによって反射される及び/又は発せられる音響エネルギーを解析するために、例えばストラップに沿って滑らされる又は操作者(例えば医師)によって手で動かされることを介してユーザーを横断した移動を可能にするように構成されていてもよい。機械的ノイズ低減機構150は、周囲ノイズが受信器115に達するのを機械的に防止するように構成された材料であって、発泡体、繊維、又は音を吸収する他の材料を含む何れの材料であってもよい。幾つかの実施形態では、機械的ノイズ低減機構150は、ハウジング105の周囲を囲み、ユーザーの皮膚130と一致するように位置決めされていてもよい。図1には示されていないが、幾つかの実施形態では、機械的ノイズ低減機構150は、ハウジング105の一部分又は全体に被さって延びているか又は覆っていてもよい。追加的又は代替的に、機械的ノイズ低減機構150は、ハウジング105とユーザーの皮膚130との間にノイズ低減性接面を形成するようにハウジング105(図示せず)の下を延びていてもよい。追加的又は代替的に、機械的ノイズ低減機構150は、ハウジング105(図示せず)内に、例えば他に能動的聴診システム100の構成要素によって占有されないハウジング内の空間を占めるノイズ低減性発泡体又は繊維として常在していてもよい。追加的又は代替的に、機械的ノイズ低減機構は、ハウジング105の内部及び/又は外部に配置されたライニング155であってもよい。
プロセッサ/メモリ160は、メモリに記憶された1つ又はそれ以上の命令を実行するように構成されていてもよい。例えば、プロセッサ/メモリ160は、発信器に1つ又はそれ以上の周波数の音響エネルギー(ここではソース信号とも呼ばれる)を産生させる信号刺激を発信器110に提供するようになっていてもよい。このソース信号は皮膚層130を通って身体135の標的領域の中へ進む第1の点線120として図1に表現されている。場合により、発信器110は、広帯域信号刺激か又はソース信号が多重周波数になるように複数の周波数を活用する他の信号を提供されてもよい。このソース信号はこれらの複数の周波数を同時発生的に提供する(即ちソース信号が一度に複数の周波数を含む)というのであってもよいし、及び/又はソース信号は、それぞれが異なる時点で発信器によって投射される一連の周波数を含んでいてもよい。プロセッサ/メモリは、更に、図3A−図3Cに関して以下に論じられる様に、例えば通信デバイス310の様な通信デバイスへ後で送信するために受信信号を記憶及び/又はキャッシュするようになっていてもよい。
幾つかの実施形態では、プロセッサ/メモリ160は、信号刺激を1つ又はそれ以上の因子に基づいて調節するようになっていてもよく、その様な因子には限定するわけではないがユーザーの生理学的因子(例えば、性別、体格指数、年齢、など)、ユーザーの診断、標的の大きさ及び/又は形状、身体又は標的135内に存在し得る流体又はガスの種類、センサの場所、周囲ノイズのレベル、ユーザーの向き(例えば垂直又は水平)などが挙げられる。
場合により、刺激は、標的(例えば関心器官)の例えば律動運動(例えば息をすること又は心臓の鼓動)によって生じる1つ又はそれ以上の自然発生の周波数及び/又は周囲環境内で起こる周波数(例えば、ファンのノイズ、機器のノイズ)に一致しているか又はそうでなければ類似していることもある。これらの実施形態では、刺激に対する標的の応答がこれらの周波数からより容易に識別できるように刺激が調節されてもよい。
幾つかの実施形態では、(単数又は複数の)発信器110は、相互直交信号(例えば、異なる調を有する擬似ランダムノイズ)を同時発生的に生成するようになっていてもよい。受信時にはこれらの相互直交信号は異なる周波数のリターン信号の強度を相関解除するために使用されることができる。追加的又は代替的に、ソース信号は、ユーザー上の複数の場所に位置決めされた複数の発信器110に亘る時分割を使用して発せられてもよい。
次いで、受信器が、ユーザーの身体から例えば反射又は共鳴を介して発散してくる音響エネルギー信号を受信する。受信音響エネルギー信号は第2の点線125として図1に表現されている。この受信音響エネルギー125(ここではリターン信号とも呼ばれる)はプロセッサ/メモリ160によって受信され、プロセッサ/メモリ160が例えば音の周波数及び/又は強度の特性を経時的に求める。例示としての特性には、周波数毎の強度レベル、周波数又は周波数範囲の全体的強度の経時的変化、及び/又は周波数範囲についての強度分布の経時的変化が挙げられる。
場合により、ソース信号は複数の周波数を含んでいることもあり、その様なソース信号を本明細書では広帯域信号及び/又はホワイトノイズ信号と呼ぶこともある。幾つかの事例では、複数の周波数及び/又はホワイトノイズに含まれるそれら周波数は擬似ランダムに選択されてもよい。例えば、信号刺激は発信器110に、平均して平坦な及び/又は既知の周波数応答を一部の又は全ての周波数ビンに有するリターン信号を提供するように構成された広帯域ソース信号又はホワイトノイズソース信号を送達させるようになっていてもよい。周波数ビンは、ソース信号の周波数範囲内の周波数範囲のサブセットである。例えば、ソース信号が1〜100kHzの範囲内の周波数を提供している場合、周波数ビンは、当該周波数範囲内に所与の増分(例えば、5kHz、10kHz、15kHz、20kHzなど)で設定された範囲であるとしてもよい。
幾つかの実施形態では、ソース信号中の及び/又はソース信号としてのホワイトノイズの使用及び/又は異なる型式のホワイトノイズ(例えば異なる周波数範囲特性を有するホワイトノイズ)の使用は、リターン信号の特性(例えば、強度、移動時間、散乱など)の推定を支援することができるだろう。加えて、2つの発信器が使用される実施形態(典型的には、各発信器をユーザーの胸部の左と右という様な異なる場所に設置して音がユーザーの各肺の中へ投射されるようにする)では、受信器115の様な1つ又はそれ以上の受信器による検出時及び/又は受信時に第1のホワイトノイズ信号を別のホワイトノイズ信号と区別できるように、各発信器は周波数の異なるセット(ランダム又は疑似ランダムに選択)を有するホワイトノイズ信号を使用してもよい。時により、検出信号の解析が、クロストークつまりソース信号の1つの場所から別の場所への漏れに関する情報をもたらすこともある。
追加的又は代替的に、ソース信号は、周波数のセットを繰り返すように、例えばソース信号の周波数を経時的に周期的なやり方で(例えば正弦曲線式に)増加及び/又は減少させることによって繰り返すように設定されていてもよく、及び/又は、ソース信号は、例えば、周期的な、ランダムな、疑似ランダムな、又はパターン化されたやり方で上昇又は下降する周波数のセットであってもよい。この型式のソース信号はチャープ信号と呼ばれることがある。このチャープ信号に対するユーザー及び/又は標的135の周波数応答は、経時的に応答信号を測定しこの信号を積分することによって推定することができるだろう。
追加的又は代替的に、擬似ランダムに生成された周波数又は周波数範囲を用いてソース信号が生成されてもよい。これは、的を絞った又は狭い周波数範囲であってもよいし広帯域の周波数範囲であってもよい。チャープソース信号は、ユーザーの胸及び/又は肺の共鳴応答の精密測定を可能にすることができるだろう。場合によっては、例えばチャープソース信号に対するユーザーの応答について平均的な最小振幅及び/又は最大振幅及び/又は強度の値を求めるために、ユーザーの多回測定を行うべく複数のチャープソース信号が使用さてもよい。
追加的又は代替的に、ソース信号は音響エネルギーの短くも強力/集中的なバーストであってもよい。そうすると、リターン信号はバースト様ソース信号に対する周波数応答を求めるべく解析されることになる。パルスを使用することの利点は、パルスは素早く測定できることである。
概して、音響パルス(即ち短い持続時間のソース信号)は、ユーザー及び/又は標的の周波数応答を測定するのに有用というだけでなく、能動的聴診システム100及び/又はその構成要素の位置設定又は位置決めを目的として標的までの時間(エコー)を求めるにも有用であるだろう。追加的又は代替的に、音響パルスは、ユーザー上に位置決めされた複数のスピーカー/マイクロフォンセンサ間のクロストーク又は漏れの識別と特徴づけを支援することができるだろう。
図2Aは、ユーザーの皮膚130と通信中の、能動的又は電気音響的ノイズ低減システムを含む第2の例示としての能動的聴診システム200を描いている。第2の例示としての能動的聴診システム200は、発信器110、受信器115、プロセッサ/メモリ160、随意的な機械的ノイズ低減機構150、随意的なライナー155、及び能動的/電気音響的ノイズ低減システム210、を収納しているハウジング205を含んでいる。能動的/電気音響的ノイズ低減システム210は、例えばユーザー及び/又は発信器110から離れる方を向いた受信器であって、周囲ノイズ及び/又は環境音を捕捉するように構成されていてもよい。音受信型能動的/電気音響的ノイズ低減システム210は、例えば受信音響信号125をフィルタ処理して、ユーザー及び/又は標的135から発散しているのではない音つまりノイズであると考えられる音を除去するのに使用することができるだろう。機械的ノイズ低減機構150は、ハウジング105の場合の実装の仕方と類似の方式でハウジング205に実装されていてもよい。
図2Bは、ユーザーの皮膚と通信中の、複数の受信器及び随意的な能動的又は電気音響的ノイズ低減システムを含む第3の例示としての能動的聴診システム201を描いている。第3の例示としての能動的聴診システム201は、発信器110、プロセッサ/メモリ160、随意的な機械的ノイズ低減機構150、随意的なライナー155、随意的な能動的/電気音響的ノイズ低減システム210、及び複数の受信器115A、115B、及び115C、を収納しているハウジング205を含んでいる。複数の受信器115A、115B、及び115Cはアレイ状に配置され、音響エネルギー信号125A、125B、及び/又は125Cをそれぞれ受信するように構成されることができる。例えばプロセッサ/メモリ160による及び/又は図3A−図3C及び図4に関して以下に論じられる通信デバイス310及び/又はサーバ420の様なハウジング内に常在しないプロセッサ/コンピュータによる受信音響エネルギー信号125A、125B、及び/又は125Cのデジタル処理は、例えば、ビーム成形によって、及び/又は望ましくない方向(例えばユーザーの身体内の標的場所ではない方向)から受信される信号の部分を排除することによって、及び/又は関心点から来る受信音響エネルギー信号125A、125B、及び/又は125Cの部分に焦点を合わせることによって、受信音を集束させる働きをすることができる。
図3Aは、能動的聴診システム100、200、又は201を着用したユーザーの正面及び側面図を提供している。能動的聴診システム100、200、又は201は、ユーザーの胴体の周りに巻き付き、典型的にはユーザーの皮膚に当接した能動的聴診システム100、200、又は201の位置を維持する装着デバイス(例えば、ストラップ又はバンド)205を介してユーザーへ取り付けられる。装着デバイス205は、ユーザーが能動的聴診システム100、200、又は201を着用した際の能動的聴診システム100、200、又は201の位置を経時的に維持するように構成されることができる。図3Aは、BLUETOOTH(登録商標)ワイヤレス通信プロトコルを介して能動的聴診システム100、200、又は201と通信している外部通信デバイス310も示している。通信デバイス310は、能動的聴診システム100、200、又は201への信号を受信及び/又は送信し、これらの信号を本明細書に開示されている1つ又はそれ以上の方法に従って処理するようになっていてもよい。
図3Bは、ユーザーの胸郭の互いに反対側に位置決めされた発信器110と受信器115を着用したユーザーの正面図及び側面図を提供している。受信器115及び/又は発信器110は通信デバイス310と通信していてもよく、場合によっては、それら各々の活動が通信デバイス310によって制御され及びモニターされるようになっていてもよい。
図3Cは、ユーザーの表皮へ付着させることのできる貼り付け式パッチとして構成された例示としての能動的聴診システム100、200、及び/又は201の説明図を提供している。図3Cは、貼り付け式パッチとして具現化された能動的聴診システム100、200、及び/又は201をユーザーの胸郭のどこへ貼り付けることができるかを示すユーザーの側面図も提供している。図3Cは、更に、2つの能動的聴診システム100、200、及び/又は201がユーザーの胸郭の左側と右側に位置づけられた状態のユーザーの正面図を示している。能動的聴診システム100、200、及び/又は201は、通信デバイス310とワイヤード通信及び/又はワイヤレス通信していてもよく、場合によっては、それら各々の活動は通信デバイス310によって制御され及びモニターされるようになっていてもよい。
本明細書に開示されているハウジング、発信器、受信器、及び/又はシステムは、1回使用向けに構成されてもよいし(例えば、使い捨て式とすることができる)又は多回使用向けに構成されてもよい。
図4は、それぞれが1つ又はそれ以上の能動的聴診システム100、200、及び/又は201と通信する複数の通信デバイス310からの能動的聴診データの取得及び処理のためのシステム400のブロック線図を提供している。システム400は、通信デバイス310A、310B、310C、310Nとして図4に描写されている複数(例えば、100個、1000個、1,000,000個など)の通信デバイスを含んでいてもよい。通信デバイス310A、310B、310C、310Nは、通信ネットワーク(例えばインターネット)及び/又はリモートサーバ410Aを介してサーバ420へ通信可能に連結されている。サーバ420は、第1のデータベース415及び第2のデータベース430へ通信可能に連結されている。随意的には、システム400はプライベートアクセス端末455及び/又はパブリックアクセス端末445を含んでいてもよく、それらアクセス端末の一方又は両方は通信ネットワーク(例えばインターネット)及び/又はリモートサーバ410Bを介して20のデータベース415及び/又はデータベース430のためのサーバへ通信可能に連結されていてもよい。幾つかの実施形態では、通信ネットワーク/リモートサーバ410Aと通信ネットワーク/リモートサーバ410Bは同じであってもよく、及び/又は互いへ通信可能に連結されていてもよい。システム400の構成要素はワイヤード通信リンク及び/又はワイヤレス通信リンクを介して互いへ通信可能に連結されていてもよい。
通信デバイス310A−310Nは、複数の個々のユーザーの1人によって着用中/着用済である能動的聴診システム100、200、及び/又は201の様な1つ又はそれ以上の能動的聴診システムから生データ及び/又は処理済みデータ(例えば、ノイズが除去されたデータ、1つ又はそれ以上の特徴が抽出されたデータなど)を受信することができる。データは、リアルタイムで受信されてもよく、及び/又はそれぞれの能動的聴診システムが通信デバイス310との通信範囲に入るまでは個々の能動的聴診システム上にキャッシュされるようになっていてもよい。幾つかの実施形態では、通信デバイス310A−310Nのそれぞれは、それがサーバ420へ伝えるデータへ個人識別情報及び/又は匿名化された識別子(例えばユーザーを匿名で識別するのに使用される数字又は文字の列)を追加して、受信データがユーザー及び/又はユーザーの匿名の身元と関連づけられるようにすることもできる。
幾つかの実施形態では、1つ又はそれ以上の通信デバイス310は、例えばそれぞれの通信デバイス310のユーザーへフィードバック及び/又は測定値を提供することを目的に、短期及び/又は長期の期間に亘ってデータを通信デバイス310上に記憶するようになっていてもよい。追加的又は代替的に、1つ又はそれ以上の通信デバイス310は、サーバ420へ伝えられる前の生データを、例えばフィルタ、ノイズ低減技法、増幅技法などを生データへ適用することによって解析し及び/又は処理してもよい。
追加的又は代替的に、1つ又はそれ以上の通信デバイス310は、例えばユーザー、当該ユーザーの医療供給者、及び/又は研究者にとって特に関心のあるデータにフラグを立てるか又はそうでなければインジケータを関連づけるようにしてもよい。特に関心のあるデータには、有害事象(例えば、咳の発作、感染の発症、入院など)及び/又は関心事象(例えば、ユーザーが休息しているとき、ユーザーが運動しているときなど)に時間的に相関する受信データが含められる。
追加的又は代替的に、ユーザーによって入力されるデータ及び/又は他の補助的データが、1つ又はそれ以上の通信デバイス310A−310Nによってサーバ420に提供されてもよい。ユーザー入力データ及び/又は補助的データには、限定するわけではないが、ユーザーの心拍数、ユーザーの体温、ユーザーについての人口統計学的情報(例えば、人種、性別、年齢など)、データ収集時点においてユーザーが従事していた活動(例えば、軽い運動、激しい運動、休息)、医学的診断情報、及び病歴情報が挙げられる。このデータは、ユーザー及び/又はユーザーの介護者によって、例えばキーボード及び/又は音声認識テキスト変換(speech-to-text recognition)の様なユーザーインターフェースを介して入力されてもよい。補助的データは、場合により、受信音響信号と相関させるためにタグ又はタイムスタンプが付けられてもよい。
サーバ420は、複数の通信デバイス310からデータ(例えば、生、処理済み、及び/又は補助的)を受信し、データベース415に記憶するためのユーザーデータ435を準備させる。ユーザーデータ435は、限定するわけではないが、受信された生及び/又は処理済み音響信号及びユーザーについての補助的データ、及び/又は補助的データと受信された生及び/又は処理済み音響信号の間の相関を含んでいてもよく、相関はサーバ420によってインデックスを付けられ及び/又はデータベース420に記憶されるルックアップテーブルに入れられてもよい。
幾つかの実施形態では、ユーザーデータ435は匿名にされ及び/又は集計425され、データベース430に記憶されてもよい。ユーザーデータ435を作成するプロセスは、監督官庁、ユーザー、及び/又は保健医療施設又は管理者によって実施されるデータプライバシーについての何らかの要求事項に適合するものであってもよい。
ユーザーデータ435及び/又は匿名化された/集計されたデータ425は、能動的聴診システム100、200、及び/又は201を使用して導出されたデータ(例えば、肺共鳴データ及び/又は受信音響信号)を、補助的及びその他のデータである例えば医学的検査データ、画像化データ(例えば、CTスキャンデータ、MRIスキャンデータ)、病歴、地理的データ、地理的場所に対応した汚染のレベル、気象、温度、湿度、センサ(例えば加速度計)によって測定される活動、及び/又はユーザーがテキスト、Eメール、音声コマンドを介して入力したアドリブデータなどと相関づけるモデル440を開発するのに使用されてもよい。場合により、モデルは単一のユーザーについて、例えば当該ユーザーの健康をモニターするために及び/又はユーザーの健康の変化及び/又はユーザーにとっての有害事象を予測するために開発されてもよい。追加的又は代替的に、モデルは、共通の特性(例えば、病気の進行度、年齢、酸素消費速度、地理的場所、標高、病気のステージ、職業など)を共有するユーザーのグループ向けに開発されてもよい。追加的又は代替的に、モデルはまとめて集計される全ユーザー向けに開発されてもよい。
モデル440についての例示として使用は、限定するわけではないが、事象の分類、異常の検出、予期せぬ事象の検出、事象の予測、適切な介入の決定などが挙げられる。
ユーザーデータ435及び/又はモデル440にアクセスする許可を有する者(例えば医者、介護者等)は、プライベートアクセス端末455を介し、プライベートアクセス端末455とサーバ420の間の通信ネットワーク/リモートサーバ410B経由の通信(例えば要求及び要求への回答)を介してアクセスを果たすことができるだろう。幾つかの実施形態では、プライベートアクセス端末を使用する許可は、ユーザー及び/又はデータベース415に記憶された特定のユーザーのデータと関連づけられる医療供給者によって許可を与えられた者に限定されていてもよい。
パブリックアクセス端末445のユーザーは、1人又はそれ以上のユーザーと関連づけられた個人識別可能情報を見る許可を持たず、したがってパブリックアクセス端末445とサーバ420の間の通信を介してデータベース430に記憶された匿名の及び/又は集計されたユーザーデータ425及び/又はモデル440にしかアクセスできず、通信はパブリックアクセス端末445及びサーバ420によって、パブリックアクセス端末455及びサーバ420を介し、通信ネットワーク/リモートサーバ410Bを経由して円滑に行われることができる。
システム400は、複数のユーザー及び/又は複数の通信デバイス310からのデータを集計するのに使用されてもよく、このデータは、例えば、機械学習又は他のプロセスを使用してユーザーの肺の状態及び/又は健康を診断及び/又はモニターするのに使用できるデータ内の共通性及び/又は傾向を識別するのに使用されてもよい。追加的又は代替的に、複数のユーザーからの集計データは、閉じ込められた空気の体積の傾向又はユーザーにとっての有害事象又は他の合併症を予測するのに使用できる他の呼吸問題の傾向を学習するのに使用されてもよい。追加的又は代替的に、複数のユーザーからの集計データは、例えばCOPDと診断されたユーザーを他の呼吸障害についてモニターすることに関連して使用できる大規模なトランザクショナル・モデルを生成し及び/又は使用するのに使用されてもよい。
図5Aはスキャンされた比較的健康な肺の画像501を提供しており、画像501には暗点として示される肺に閉じ込められた空気の小体積がある。図5Bは、スキャンされたCOPDに冒された肺の画像502を提供しており、肺は画像502内に複数の暗点として示される閉じ込められた空気の複数のポケット又は体積を含んでいる。
図6は、気管支を表現した1つ又は2つの開口端を有する管610と閉じ込められた空気の球状又は略球状の体積を表現した円615を用いてユーザーの左肺605A及び右肺605Bをモデル化又は近似化する例示としての方式の画像600を提供している。図6に示されているモデルは、閉じ込められた空気のポケット及び/又は受信音響信号を示す例えば画像501及び/又は画像502の様な画像に基づいていてもよい。
気管支及び閉じ込められた空気のポケットの近似化と共にユーザーの肺のモデルを構築するのに使用できる例示としてのデータが下表1及び下表2に提供されている。場合により、このデータは、閉じ込められた空気の体積についての1つ又はそれ以上の相対測定値を確立するのに使用されてもよく、及び/又は、例えばユーザーの肺特性(例えば、気道の大きさ、肺の大きさ、及び閉じ込められた空気の体積)に依存して特定のユーザーに固有の(特異的な)測定値/判定値のセットを確立するのに使用されてもよく、場合により、それら測定値は以降の測定値が比較される基になるベースラインの役目を果たすこともある。場合によってはこれらの測定値及び/又は判定値はスコア即ち肺健康スコアと考えられてもよい。
肺気道は長さ及び直径が大から小まで様々であり、表2に示されている様に概して各分岐では大きさが小さくなっている。気道の形状は一端又は両端が閉じた管に近似している。気道同士はつながっているが、直径の変化は、音/音響エネルギーのインピーダンスを変化させ、多くの周波数についてあたかも管がその端を閉じられているかの様に作用する。直径の範囲推定値を得るために1つ又は2つの閉鎖端を有する管について予想周波数が求められてもよい。各気道についての共鳴周波数は、方程式1を使用して算定することができる。
Figure 2021523760

方程式1
ここに、vは音の速さ、Lは管の長さ、dは一端が閉鎖された管についての管の直径(2端が閉鎖された管についてはd=0)である。20°Cの空気中の音の速さは343メートル/秒である。37°C(音が通って進んでゆくヒトの体温)の空気では音の速さは方程式2を用いて推定することができる。
v=331.4+0.6Tc 方程式2
ここに、Tcは摂氏温度である。37°Cの空気での音の速さは353.6m/sとなる。
1つの実施例では、左肺と右肺について、両端が閉鎖された(Closed both ends)状態及び一端が閉鎖された(Closed 1 end)状態の右主気管支の共鳴周波数(fr)と左主気管支の共鳴周波数(fl)は、以下の値を方程式1へ入力して求めることができる。
v=353.6m/s
右肺L=0.025m
左肺L=0.05m
右肺d=0.014m
左肺d=0.010m
Figure 2021523760

表1:左右気管支の気道についての予想共鳴周波数の推定
同様のプロセスに従って他の気道全てを表2に示されている様に算定することができる。
Figure 2021523760

表2:気道についての推定共鳴
表2の値は、肺(又は肺気道)と音との相互作用をモデル化し、その結果、例えばパイプの形をしている肺気道についての予想共鳴音周波数の範囲を近似化することができる。閉鎖されたパイプは(絞られてゆく気道の様に)小さいパイプの中へ嵌った大きいパイプのモデルということになり、空気の視点から見ると、絞りはあたかもそこに壁があるかの様な振る舞いをする。表2のモデルは、特定のユーザーの肺の解剖学的構造/気道の大きさに対応している可能性が最も高い周波数を選択的に見ることによって、肺の中へ注入されるべき周波数の適切な範囲の選択及び/又は検出音の絞り解析を支援することができる。
閉じ込められた空気は呼息後に肺に残留している空気であると理解されてもよく、ユーザーの肺にどれほどの空気が捕らえ込まれているかを求めることがCOPDの予後にとって有用であるだろう。閉じ込められた空気の体積の大きさ及び分布は、例えば1〜5mmの直径の範囲であるとし、体積は小円形開口部を有する球(通気口付きの球)としてモデル化及び/又は近似化することができる。時により、閉じ込められた空気のこれらの体積/球の内容物が、酸素が激減し大気よりも高い量の二酸化炭素を有する空気である、ということもある。二酸化炭素の音の速さは259m/s(空気よりも低い)である。1つの実施例では、空気中の速さと二酸化炭素中の速さの間の音の速さ(例えば300m/s)が使用されてもよい。
通気口付き球の共鳴周波数は方程式3によって与えられる。
Figure 2021523760

方程式3
ここに、
v=ガス中の音の速さ
D=球の直径
d=開口部の直径、である。
様々な例示としての大きさの閉じ込められた空気の体積の共鳴周波数が、方程式3とv=300m/sを使用して計算され、下表3に提供されている。
Figure 2021523760

表3:閉じ込められた空気の体積についての推定共鳴
表3の値は、閉じ込められた空気の体積を球状気泡として近似化することによって、閉じ込められた空気と音との相互作用のモデルを開発し、閉じ込められた空気のモデル空気体積について予想される共鳴周波数のベースラインを求めることができるようにするために使用されてもよい。
表1−表3の簡略化された肺モデルは、1.6KHz〜30KHzの周波数範囲の音響共鳴を示唆し、ひいては肺内に共鳴を生じさせる可能性が最も高い周波数範囲、つまりユーザーの肺共鳴を求めるために肺の中へ投射するべき又はそうでないなら追跡するべき関心周波数に対応する周波数範囲の示唆を提供することができる。個々それぞれの肺又は肺のセットについて、測定される特異的共鳴は、限定するわけではないが気道の大きさや閉じ込められた空気の体積などを含むそれらの実際の肺特性に基づいて異なるはずである。各人の測定される共鳴は、肺共鳴シグネチャ(LRS)と呼ぶこともできる。各ユーザーのLRSは経時的に変化し、これらの変化を追跡することは、肺の健康及び/又は病気の進行をモニターする又はそうでないなら診断するのを支援することができるだろう。幾つかの実施形態では、LRSの瞬間変化又は急速変化は呼吸サイクルを確立するのに役立つ。
表2及び/又は表3の値は、健康なヒトの肺及び/又はCOPDを患う人々の肺での予想される共鳴周波数の範囲をモデル化するのに使用することができる。値は、特定のユーザーの肺について共鳴を起こす周波数のセットを求めるのに使用することができる。肺の解剖学的構造(例えば、気管支の形状、長さ、直径など)は極めて個体に特異的であるので、個々のユーザーそれぞれの肺の共鳴周波数はユーザー毎に異なるものと予想される。ユーザーの共鳴周波数のベースラインが確立されたら、それを使用してベースラインに対する経時的変化を追跡することができる。これらの変化は、肺の状態の変化、病変の進展、及び/又は差し迫った重篤な事象(入院を要する可能性もある)を暗示する病態の増悪を示唆することもある。
幾つかの実施形態では、複数のユーザーについての共鳴周波数が求められ、ひとまとめに集計されて、複数のユーザーに亘っての肺及び/又は閉じ込められた空気の共鳴のパターンが見つけ出される。これは、例えばCOPDを診断するために及び/又はユーザーのCOPD病態の重篤性を判定するためにモニタリング及び/又は予後を目的に使用されてもよい。
図7Aは、ユーザーの肺を通過して能動的聴診システム100、200、及び/又は201の様な能動的聴診システムを介し受信器によって受信された音のスペクトルキャプチャー3次元グラフ701を示しており、Z軸に振幅、X軸に時間、そしてY軸に周波数が示されている。スペクトルキャプチャーは、異なる時間的期間についての共鳴領域のピーク振幅をドットとして示している。同じく図7Bは、グラフ701からの最大振幅を秒単位の時間の関数としてプロットした呼吸サイクル推定のグラフ702を示している。
図8は、発信器110の様な発信器によって経時的に継続して発せられる或る例示としての音であって、ユーザーの肺の中へ投射され能動的聴診システム100、200、及び/又は201の様な能動的聴診システムを介して受信器115の様な受信器によって受信された音の一連のグラフ800を提供している。生の受信音がデシベル(dB)で測定される強度/パワーの変わってゆく波形として第1のグラフ810に示されており、時間はX軸に秒で、強度又はパワーはY軸にdBで示されている。グラフ810に見られる様に、受信音の強度はユーザーの吸息と共に減少しユーザーの呼息と共に増加している。図8の第2グラフ815は、経時的に変化し時間的に第1のグラフ810の値に対応する周波数スペクトル変化をHzで示している。図8は、更に、時間的に第1のグラフ810及び第2のグラフ815の値に対応している、ユーザーについての対応する推定呼吸サイクル又は空気体積の総変化を提供する第3のグラフ820を示している。
図9は、ユーザーについて周波数Hzを強度又はパワーdBの関数として示す例示としての肺共鳴シグネチャ(LRS)データのグラフ900を提供している。グラフ900は、閉じ込められた空気ありの肺についての周波数及び強度の範囲を示す第1の線910と、閉じ込められた空気なしの肺についての周波数及び強度の範囲を示す第2の線915を提供している。
ユーザーと通信する1つ又はそれ以上の検出器によって検出される音は、患者又はユーザーの生理学的状態を演繹するのに幾通りものやり方で使用することができる。例えば、検出音は解析されて、或る範囲の検出周波数間の相対的又は絶対的な関係であると理解されるところの音のスペクトル形状が求められてもよい。スペクトル形状に加えて、受信音を解析することによってスペクトル傾きを求め、検出周波数のエネルギー及び/又は強度が周波数と共に増加及び/又は減少しているかどうか、及び/又は、検出音の強度/エネルギーの何れかのピーク又は谷が特定の周波数又は特定の周波数範囲について起こっているかどうかを判定することもできる。場合により、検出音のスペクトル形状は、検出音の強度/パワーの幾つのピーク又は谷が周波数範囲に亘って起こっているかに関する情報、及び、形状の勾配、最大エネルギーの領域、最小エネルギーの領域の様な何れかの他の特徴に関する情報を含んでいることもある。
検出音のスペクトル形状は、瞬間的に、周期的に、及び/又は必要に応じて、測定され及び/又は求められることができ、場合によっては、複数のスペクトル形状測定/判定を経時的に行って、入力音に対するユーザーの応答をモニターし、例えば変化及び/又は変化の速度を求めてもよい。これは、ユーザーの状態の急速又は緩慢な改善又は減退を追跡するのに役立つだろう。
幾つかの事例では、検出音は、更に、検出/受信された音/音響エネルギーの周波数スペクトルについてのスペクトル中心(「質量中心」とも呼ばれる)を求めるべく解析されてもよい。場合により、スペクトル中心は、検出音/受信音中に存在する周波数の加重平均として計算することもできる。場合により、この計算はフーリエ変換を使用し方程式4に重みとして示されている特定の周波数のマグニチュードを用いて遂行されてもよい。
Figure 2021523760

方程式4
ここに、
x(n)=ビン番号nの加重周波数値又はマグニチュード、
f(n)=当該ビンの中心周波数。
このスペクトル中心は、例えば、能動的聴診システム100、200、及び/又は201の様な能動的聴診システムによって検出及び/又は受信される周波数の範囲をモニターするために経時的に追跡されてもよい。
追加的又は代替的に、検出音の高調波及び/又は高調波変化を解析して、検出音のスペクトルシグネチャが求められてもよい。この解析は、検出信号の、高い及び/又は低いパワー/強度の部分(即ち、検出音の強度又はパワーのピーク及び/又は谷)を、及び/又は検出音内の異なる周波数間の関係を明らかにすることができるだろう。時に、異なる周波数間のこれらの関係は単純であり規則的なパターン(例えば高調波)を呈することもある。追加的又は代替的に、検出された音/音響エネルギーのバルジ間の間隔、間隔の変化、相対振幅などを経時的に解析し及びモニターして、診断上関心のある変化又はパターンを求めることもできるだろう。
COPDに特化した実施形態については、本発明は、ユーザーの肺の機能及び健康をモニターする場合に、完全に息を吐き切った後にユーザーの肺内に残留している空気の体積(即ち閉じ込められた空気の体積)を測定する又はそうではいなら評価することによって使用することができ、残留空気の体積はCOPDと診断されたユーザーについてのCOPDの予後及び肺の健康の指標となり得る。1つの事例では、ユーザーの片肺又は両肺の音響共鳴が、本明細書に記載されている1つ又はそれ以上のパラメータに基づいて測定され及び/又は求められ及び/又はモデル化されることができる。
幾つかの実施形態では、発信器と受信器の対がユーザーの右肺及び左肺と共に使用されるように構成されてもよい(即ち、肺1つにつき発信器1つと受信器1つ)。この実施形態は、ステレオサウンドカード再生及びキャプチャーを採用していてもよい。受信器によって受信された信号は、例えば一方のチャネルから他方のチャネルへの刺激の量及び周波数シグネチャを測定することによってクロスチャネル漏れ(例えば、左肺に投射された音が右肺用の受信器によって受信される)を検出し及び/又は特徴づけるために解析されてもよい。「直交」刺激が両方のチャネルに使用され得る(即ち音が両方の肺に投射される)ものと考えられる。これはチャネル間のクロス干渉を最小限にすることができるだろう(例えば、可変擬似ランダムシーケンス又は時分割を使用して異なる時点にて各チャネルを測定する)。
場合により、発信器と受信器の対が使用されているとき、左肺用の第1の発信器に刺激が提供され、第2の肺用の受信器を使用してどれほどのクロスチャネル漏れが検出されるかを判定するようにしてもよい。このプロセスを反転させて、第2の肺の中へ投射された音からのクロスチャネル漏れが第1の肺用の受信器にあるかどうかを調べることもできる。クロスチャネル漏れが検出されれば、直交ノイズ様信号が作成され、一方の発信器又は両方の発信器への刺激として使用されてもよい。次いで信号を両肺へ提供し両方の検出器で検出音を同時に測定することによってクロスチャネル漏れが測定されてもよい。音を生成するのに使用される擬似ランダムシーケンスの知識を使用して、検出器にて受信される各チャンネルからの寄与が推測されてもよい。これは推定される漏れ寄与を検出信号から除去するのに使用することができる。
図10は、例えば能動的聴診システム100、200及び/又は201の様な能動的聴診システムによって受信される音響信号の特性と音響信号を受信されるユーザーについての補助的情報との間の相関を求めるためのプロセス1000を説明するフローチャートを提供している。プロセス1000は本明細書に開示されている何れかのシステム及び/又はシステム構成要素によって実行されることができる。
最初に、ステップ1005にて、ユーザーから発散する1つ又はそれ以上の音響信号が、例えばプロセッサ/メモリ160の様なプロセッサ及び/又はサーバ420の様なサーバによって、例えば受信器115の様な受信器及び/又は能動的聴診システム100、200及び/又は201の様な能動的聴診システムから受信されることになる。次いで、ステップ1010にて補助的情報が受信されることになる。上述の補助的情報の様な補助的情報はステップ1010にて受信されることができる。例示としての補助的情報には、限定するわけではないが、例えば通信デバイス310の様な通信デバイスとの対話を介してユーザーから受信される情報(例えば、医学的情報、医学的合併症又は緊急事態の発生、精神的健康状態の情報など)が挙げられ、及び/又は補助的情報は通信デバイスから直接受信されてもよい。通信デバイスから直接受信される補助的情報には、地理的情報、標高、地域の気象情報、地域の大気品質情報などが挙げられる。追加的又は代替的に、補助的情報は通信デバイス上を走っているソフトウェアアプリケーションによって補足された情報を含むこともある。例示としてのソフトウェアアプリケーションは、例えば、ユーザーについての活動のレベル、並びにユーザーの心拍数、ユーザーの血中酸素飽和度に関する情報を集めるものであってもよい。
ステップ1015にて、音響信号の1つ又はそれ以上の特性が求められ及び/又は受信されることになる。求められる特性は、本明細書に説明されている特性の何れかを含んでいてもよい。ステップ1020にて、音響信号の特性と(単数又は複数の)特性との間の1つ又はそれ以上の相関が求められることになる。次いで、ステップ1025にて、受信音響信号と補助的情報とそれらの間の相関を使用してデータベース415及び/又は430の様なデータ構造が構築され及び/又は更新されることになる。幾つかの実施形態では、ステップ1025のデータ構造は、モデル440を開発するためのプロセスと同様のプロセスを介して作成されてもよい。
上記論考から明らかなように、本発明の諸態様は、各種コンピュータシステム及びコンピュータ可読命令を記憶させたコンピュータ可読記憶媒体の使用を伴う。図11は、呼吸器疾患モデルをインスタンス化するのに使用され得る及び/又は本明細書に説明されているプロセス又はプロセスの一部分を遂行するのに使用され得る何れかのコンピューティングシステムを代表するシステム1100の一例を提供している。システム1100の例としては、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メインフレームコンピュータ、埋め込みシステムなどが挙げられる。なお、各種コンピュータシステムのどれもがシステム1100の特徴を全て有しているとは限らないことに留意されたい。例えば、以上に論じられているコンピュータシステムのうち一部のものは、コンピュータシステムへ通信可能に連結されたクライアントコンピュータによってディスプレイ機能が提供されているか又はディスプレイ機能が必要ないことを理由にディスプレイを含んでいないものもある。その様な詳細事項は本発明にとって決定的ではない。システム1100又はその諸部分は、例えば、能動的聴診システム110、200及び/又は201の様な能動的聴診システム、通信デバイス311の様な通信デバイス、サーバ420の様なサーバ、及び/又はプライベートアクセス端末455及びパブリックアクセス端末445の様なコンピュータ端末、の様なシステム、及び/又はそれらの構成要素であってもよい。
システム1100は、情報を伝えるためのバス1102又は他の通信機構と、情報を処理するための、バス1102と連結されたプロセッサ1104と、を含んでいる。コンピュータシステム1100は、更に、情報及びプロセッサ1104によって実行されるべき命令を記憶するための、バス1102へ連結されたランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶デバイスの様な主メモリ1106を含んでいる。主メモリ1106は、更に、プロセッサ1104による命令の実行中に一時的な変数又は他の中間情報を記憶するのに使用されてもよい。コンピュータシステム1100は、更に、プロセッサ1104のための静的情報及び命令を記憶するための、バス1102へ連結された読み出し専用メモリ(ROM)1108又は他の静的記憶デバイスを含んでいる。記憶デバイス1111、例えばハードディスク、フラッシュメモリベースの記憶媒体、又はプロセッサ1104が読み出すことのできる他の記憶媒体が提供され、情報及び命令(例えば、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラムなど)を記憶するためにバス1102へ連結される。
コンピュータシステム1100は、情報をコンピュータユーザーへ表示するためのフラットパネルディスプレイの様なディスプレイ1112へ、バス1102を介して連結されていてもよい。英数字キー及び他のキーを含むキーボードの様な入力デバイス1111が、情報及びコマンド選択をプロセッサ1104へ伝えるためにバス1102へ連結されていてもよい。入力デバイスの別の型式はカーソル制御デバイス1116であり、例えばマウス、トラックパッド、及び方向情報やコマンド選択をプロセッサ1104に伝えるための及びディスプレイ1112上のカーソルの動きを制御するための類似の入力デバイスなどがある。詳細に示されていないがマイクロフォン、スピーカーなどの様な他のユーザーインターフェースデバイスがユーザー入力の受信及び出力の提示に関わっていてもよい。
本明細書で参照されているプロセスは、主メモリ1106に格納されたコンピュータ可読命令の適切なシーケンスを実行するプロセッサ1104によって実装されることができる。その様な命令は、記憶デバイス1111の様な別のコンピュータ可読媒体から主メモリ1106へ読み込まれ、主メモリ1106に格納された命令のシーケンスの実行がプロセッサ1104に関連のアクションを遂行させるようになっていてもよい。代替的実施形態では、発明を実装するために、ハードウェアに組み込みの回路又はファームウェア制御型処理ユニットがプロセッサ1104の代わりに使用されてもよいし又はプロセッサ1104及びそれの関連づけられたコンピュータソフトウェア命令と組み合わせて使用されてもよい。コンピュータ可読命令は何れのコンピュータ言語でレンダリングされてもよい。
概して、以上のプロセスの説明は全て、何れであれコンピュータ実行可能アプリケーションの特質とされるところの、所与の目的を達成するべく或るシーケンスで遂行される何れの一連の論理的工程も網羅することを意図している。別途特に明記されていない限り、本発明の説明全体を通して、「処理する」、「算定する」、「計算する」、「求める」、「表示する」、「受信する」、「送信する」などの様な用語の使用は、コンピュータシステム1100又は類似の電算デバイスの様な適切にプログラムされたコンピュータシステムのアクション及びプロセスであって、自身のレジスター又はメモリ内の物理的(電子的)量として表現されるデータを操作し、それらデータを自身のメモリ又はレジスター或いは他のその様な情報記憶デバイス、情報送信デバイス、又は情報表示デバイス内の物理的な量として同様に表現される他のデータへ変換するアクション及びプロセスを指すものと理解されたい。
コンピュータシステム1100は、更に、バス1102へ連結された通信インターフェース1118を含んでいる。通信インターフェース1118は、上述の各種コンピュータシステムへの及び各種コンピュータシステム間の接続性を提供するコンピュータネットワークとの双方向データ通信チャネルを提供することができる。例えば、通信インターフェース1118は、互換性のあるローカルエリアネットワーク(LAN)へのデータ通信接続を提供するLANカードであってもよく、LAN自体は1つ又はそれ以上のインターネットサービスプロバイダーネットワークを通じてインターネットへ通信可能に連結されるものである。その様な通信経路の厳密な詳細は本発明にとって決定的ではない。重要なことは、コンピュータシステム1100が通信インターフェース1118を通じてメッセージ及びデータを送ったり受けたりすることができ、そういうふうにインターネット経由でアクセス可能なホストと通信することができる、ということである。なお、システム1100の諸構成要素は、単一のデバイスに配置されていてもよいし、又は複数の物理的及び/又は地理的に分散したデバイスに配置されていてもよい、ということに留意されたい。
100 能動的聴診システム
105 ハウジング
110 発信器
115、115A、115B、115C 受信器
120 標的領域の中へ進むソース信号
125、125A、125B、125C 受信される音響エネルギー信号
130 皮膚層
135 身体
150 機械的ノイズ低減機構
155 ライニング
160 プロセッサ/メモリ
200 能動的聴診システム
201 能動聴能力システム
205 ハウジング
210 能動的/電気音響的ノイズ低減システム
310、310A、310B、310C、310N 通信デバイス
410A、410B 通信ネットワーク/リモートサーバ
415 第1のデータベース
420 サーバ
425 匿名化された及び/又は集計されたユーザーデータ
430 第2のデータベース
435 ユーザーデータ
440 モデル
445 パブリックアクセス端末
455 プライベートアクセス端末
501 比較的健康な肺の画像
502 COPDに冒された肺の画像
605A 左肺
605B 右肺
610 気管支を表現した管
615 閉じ込められた空気の体積を表現した円
701 受信音のスペクトルキャプチャー3次元グラフ
702 呼吸サイクル推定のグラフ
800 受信音の一連のグラフ
810 生の受信音の波形のグラフ
815 周波数スペクトル変化のグラフ
820 推定呼吸サイクルのグラフ
900 肺共鳴シグネチャ(LRS)データのグラフ
910 閉じ込められた空気ありの肺の周波数及び強度の範囲を示す第1の線
915 閉じ込められた空気なしの肺の周波数及び強度の範囲を示す第2の線
1100 システム
1102 バス
1104 プロセッサ
1106 主メモリ
1108 ROM
1110 記憶デバイス
1112 ディスプレイ
1114 入力デバイス
1116 カーソル制御デバイス
1118 通信インターフェース

Claims (28)

  1. 広帯域音響信号をユーザーの身体の中へ関心のある標的に向けて方向決めする段階であって、前記広帯域音響信号は複数の周波数を備えるパルスである、広帯域音響信号を方向決めする段階と、
    前記ユーザーの身体からの音響信号を受信する段階であって、その受信音響信号は前記広帯域音響信号に対応している、音響信号を受信する段階と、
    前記受信音響信号の特性を求める段階であって、前記特性は前記受信音響信号の強度と周波数の少なくとも一方である、特性を求める段階と、
    を備えている、能動的聴診を行う方法。
  2. 前記広帯域音響信号は第1の広帯域音響信号であり、前記受信音響信号は第1の受信音響信号であり、前記方法は、
    前記ユーザーの身体からの第2の音響信号を受信する段階であって、当該受信音響信号は前記ユーザーの身体の中へ投射された第2の広帯域音響信号に対応している、第2の音響信号を受信する段階と、
    前記第2の受信音響信号の特性を求める段階であって、前記第2の受信音響信号の前記特性は前記第2の受信音響信号の強度と周波数の少なくとも一方である、特性を求める段階と、
    前記第1の受信音響信号と前記第2の受信音響信号の特性を比較する段階と、
    前記比較の示唆をオペレータへ提供する段階と、
    を更に備えている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記音響信号の前記特性を既定値に比較する段階、
    を更に備えている請求項1又は請求項2の何れか一項に記載の方法。
  4. 前記音響信号の前記求められた特性に応じて、前記広帯域信号の持続時間、前記広帯域信号の強度、及び前記広帯域信号に含まれる周波数のうちの少なくとも1つを調節する段階、
    を更に備えている請求項1に記載の方法。
  5. 前記広帯域信号は2,000Hzから30,000Hzの間の複数の周波数を備えている、請求項1に記載の方法。
  6. 前記パルスの持続時間は0.1秒から2秒の範囲内である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記標的は前記ユーザーの心臓と肺の少なくとも一方である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記標的は前記ユーザーの肺であり、前記方法は、
    前記求められた特性に応じて前記ユーザーの肺内の閉じ込められた空気の体積を求める段階、
    を更に備えている、請求項1に記載の方法。
  9. プロセッサによって、受信器からの検出音響信号を受信する段階であって、当該検出音響信号はパルスとしてユーザーの身体内の標的に向けて方向決めされた複数の周波数を備える音響信号に対応していて前記ユーザーから応答的に発散している、検出音響信号を受信する段階と、
    前記プロセッサによって、その受信音響信号を解析して前記標的の共鳴周波数を求める段階と、
    を備えている方法。
  10. 前記標的は前記ユーザーの肺であり、前記方法は、
    前記プロセッサによって、前記共鳴周波数に応じて前記ユーザーの肺内に存在する閉じ込められた空気の体積を求める段階、
    を更に備えている請求項9に記載の方法。
  11. 前記標的の前記共鳴周波数を既定値に比較する段階、
    を更に備えている請求項9又は請求項10の何れか一項に記載の方法。
  12. 前記標的の前記求められた共鳴周波数に応じて、前記広帯域信号刺激の持続時間、前記広帯域信号刺激の強度、及び前記広帯域信号刺激に含まれる周波数のうちの少なくとも1つを調節する段階、
    を更に備えている請求項9に記載の方法。
  13. 前記広帯域信号刺激は2,000Hzから30,000Hzの間である、請求項9に記載の方法。
  14. 発信器と通信しているプロセッサによって、前記発信器がユーザーの器官に向けて方向決めされる複数の周波数の音響エネルギーを生み出すように前記発信器へ信号刺激を提供する段階と、
    前記プロセッサによって、前記プロセッサと通信している受信器を介して、前記器官に向けて方向決めされた前記複数の周波数の前記音響エネルギーに対応する音響エネルギー応答を受信する段階と、
    前記プロセッサによって、その受信音響エネルギー応答を解析して前記器官についての共鳴周波数を求める段階と、
    を備えている、能動的聴診を行うための方法。
  15. 前記器官に向けて方向決めされる前記複数の周波数は離散周波数のセットを含んでいる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記信号刺激は前記発信器に既定の時間的期間に亘って前記離散周波数のセットを繰り返す音響エネルギーを生み出させる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記信号刺激は前記発信器に一連の疑似ランダムに選択された周波数を含む音響エネルギーを生み出させる、請求項14に記載の方法。
  18. 前記信号刺激は前記発信器に前記複数の周波数を含む音響エネルギーのバーストを生み出させる、請求項14に記載の方法。
  19. 前記プロセッサによって、前記器官についての前記共鳴周波数に基づいて前記器官内の閉じ込められた空気の体積を求める段階、
    を更に備えている請求項14から請求項18の何れか一項に記載の方法。
  20. 前記プロセッサによって、前記ユーザーに関連する情報を受信する段階と、
    当該受信情報を前記器官の前記共鳴周波数と相関づける段階と、
    を更に備えている請求項14から請求項18の何れか一項に記載の方法。
  21. 前記受信情報は、ユーザーの生理学的特性、ユーザーの診断、前記器官の大きさ、前記器官の形状、前記器官内の流体の種類、前記器官内のガスの種類、前記発信器の場所、前記受信器の場所、周囲ノイズのレベル、及びユーザーの向きのうちの1つ又はそれ以上に関連している、請求項20に記載の方法。
  22. 前記信号刺激は前記発信器に既定の周波数応答と既定の周波数ビンのうちの1つ又はそれ以上を有する広帯域信号を生み出させる、請求項14に記載の方法。
  23. 以下のように構成されているプロセッサ、つまり、
    当該プロセッサと通信している発信器へ、前記発信器がユーザーの身体の器官に向けて方向決めされる複数の周波数の音響エネルギーを生み出すよう信号刺激を提供するように、
    当該プロセッサと通信している受信器を介して、前記器官に向けて方向決めされた前記複数の周波数の前記音響エネルギーに対応する音響エネルギー応答を受信するように、
    前記音響エネルギー応答と既定閾値の間の比較を生成するように、及び、
    前記比較に基づいて、前記器官についての1つ又はそれ以上の共鳴周波数を求めるように、構成されているプロセッサ、
    を備えているシステム。
  24. 発信器と通信しているプロセッサによって、前記発信器が器官に向けて方向決めされる第1の複数の周波数の音響エネルギーを生み出すように前記発信器へ第1の信号刺激を提供する段階と、
    前記プロセッサによって、前記プロセッサと通信している受信器を介して、前記器官に向けて方向決めされた前記第1の複数の周波数の前記音響エネルギーに対応する第1の音響エネルギー応答を受信する段階と、
    前記プロセッサによって、前記発信器が前記器官に向けて方向決めされる第2の複数の周波数の音響エネルギーを生み出すように前記発信器へ第2の信号刺激を提供する段階と、
    前記プロセッサによって、前記受信器を介して、前記器官に向けて方向決めされた前記第2の複数の周波数の前記音響エネルギーに対応する第2の音響エネルギー応答を受信する段階と、
    前記プロセッサによって、前記第1の音響エネルギー応答と前記第2の音響エネルギー応答の間の比較を生成する段階と、
    前記プロセッサによって、その生成された比較に基づいて前記器官の1つ又はそれ以上の特性を求める段階と、
    を備えている、能動的聴診を行う方法。
  25. 前記器官の前記1つ又はそれ以上の特性は、経時的な音の周波数と経時的な音の強度のうちの1つ又はそれ以上を含んでいる、請求項24に記載の方法。
  26. ユーザーの身体の中へ音響信号を投射するように構成された発信器と、
    前記ユーザーの身体から発散する音響信号を受信するように構成された受信器と、
    当該受信音響信号中の周囲ノイズを低減するように構成されたノイズキャンセリングデバイスと、
    を備えているウェアラブル聴診センサ。
  27. 前記ノイズキャンセリングデバイスは、不要な周囲ノイズを打ち消すように特別に設計されたノイズキャンセリング回路を備えている、請求項26に記載のウェアラブル聴診センサ。
  28. 前記ノイズキャンセリングデバイスは、標的の周囲ノイズとは180度位相がずれた信号を加えて前記周囲ノイズを前記受信信号からフィルタ処理する、請求項26に記載のウェアラブル聴診センサ。
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