JP2021523031A - 高い音響透過クラスの石膏ボードを作製するための方法およびその方法によって作製される石膏ボード - Google Patents

Abstract

層状石膏ウォールボードは、対向する前面および背面を有する石膏ボードであって、石膏ボードが、前面に第１のカバーシート材料、背面に第２のカバーシート材料、および石膏を含む石膏コア層を含む、石膏ボードと、石膏ボードの第２のカバーシート材料上の接着剤層であって、その接着剤が、−１０℃〜３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含む、接着剤層と、接着剤層が、第２のカバーシート材料と中間石膏層との間にあるように接着剤層上に石膏を含む中間石膏層であって、接着剤層および中間石膏層が、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、中間石膏層と、第３のカバーシート材料であって、中間石膏層が、接着剤層と第３のカバーシート材料との間にあり、かつ接着剤層と第３のカバーシート材料と接触している、第３のカバーシート材料と、を含むことができる。
【選択図】図２

Description

本発明は、硬化石膏含有製品（例えば、石膏ボード）を調製するための方法および組成物、ならびにそれらを製造するための方法に関する。より具体的には、本発明は、高い音響透過クラスを有するそのような硬化石膏含有製品に関する。

内壁の建設によく使用されるのは、紙で上張りした石膏ボードである。典型的には、このボード（ウォールボードまたはドライウォールとも称される）は、焼き石膏、水、およびその他の成分を含むスラリーを調製することによって作製される。次いで、石膏スラリーを２枚の紙の間に挟み、２枚の紙カバーシートの間に石膏コアを形成する。次いで、石膏コアを硬化させることができる。Ｕｎｉｔｅｄ Ｓｔａｔｅｓ Ｇｙｐｓｕｍ Ｃｏｍｐａｎｙに譲渡された米国特許第８，１９７，９５２号、同第４，８５３，０８５号、および同第１，７６９，５１９号は、石膏ウォールボードおよびその作製方法を提供している。

石膏ウォールボードに関する要件の１つは、アパートおよびホテルなどの集合住宅、ならびに商業ビルまたは空港に隣接している住居などを含む、２つの隣接している部屋の間に音響障壁を設けることである。

ウォールボードは組成が異なると、防音障壁を提供する能力も異なる。したがって、ウォールボードは、壁を透過する音の伝達を減少（減衰）させる能力に基づいて分類される。このウォールボードの特性は、音響透過クラス（ＳＴＣ）として知られており、ＡＳＴＭ Ｅ９０−０９（２０１６）「建築物の間仕切りおよび要素の空気伝達音響透過損失を実験室測定するための標準的試験法（Ｓｔａｎｄａｒｄ Ｔｅｓｔ Ｍｅｔｈｏｄ Ｌａｂｏｒａｔｏｒｙ Ｍｅａｓｕｒｅｍｅｎｔ ｏｆ Ａｉｒｂｏｒｎｅ Ｓｏｕｎｄ Ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ Ｌｏｓｓ ｏｆ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ Ｐａｒｔｉｔｉｏｎｓ ａｎｄ Ｅｌｅｍｅｎｔｓ）に従って各ウォールボードに関して測定することができる。単一数値評価方式（ｓｉｎｇｌｅ ｎｕｍｂｅｒ ｒａｔｉｎｇ ｓｃｈｅｍｅ）のＳＴＣは、１２５〜４０００Ｈｚの１／３オクターブバンドにおける測定された音響透過損失から導き出される。

ＳＴＣ単一数値評価は、基準値と比較したデータの欠損の合計が３２ｄＢを超えず、任意の１つの周波数での最大欠損が８ｄＢを超えなくなるまで、ＡＳＴＭ Ｅ４１３−１６で定義された基準輪郭を、測定した透過損失（ＴＬ）または正規化された減衰（Ｄｎ，ｃ）データに適合させることによって、特定のウォールボード構造に関して、ＡＳＴＭＥ４１３−１６「遮音等級」に従って計算される。単一数値評価は、５００Ｈｚにおける、シフトした基準輪郭の値によって与えられる。例えば、図１は、典型的な石膏ウォールボードからの測定データを重ね合わせた単一評価ＳＴＣ４８基準輪郭を示している。基準輪郭からの測定データの偏差は、石膏ウォールボードの音響減衰の欠損である。

特定のウォールボードのＳＴＣ値が高いほど、このウォールボードはノイズをより良く吸収する。建築構造コード（ｂｕｉｌｄｉｎｇ ｃｏｎｓｔｒｕｃｔｉｏｎ ｃｏｄｅｓ）は、特定の用途ごとに、ある特定の最小ＳＴＣ値を有するウォールボードを要求する場合がある。

ＳＴＣ値の高いウォールボードを入手するための１つの戦略は、高密度の石膏コア（非常に重いドライウォール）を備えたウォールボードを製造することである。この方法は、ウォールボードの音響特性を改善することができる一方で、製造されるウォールボードも重くなる。ウォールボードが軽くなると、他の理由の中でもとりわけ、現場の効率を改善するためのより良い解決策になろう。

別の戦略は、２つの石膏ボードを一緒にラミネートすることである。米国特許第７，７９９，４１０号は、２つの異なる層が一緒に接着されている積層パネルを開示している。しかしながら、ウォールボードの重量が２倍になることに加えて、積層ボードは、スコアリングのための処理が極めて困難であるため、生産性が低下し、現場の効率が低下する可能性がある。

同じ基本的なウォールボードを吸音に関して異なる目的のためにカスタマイズすることができる方法を有することは有利であろう。上記の問題を解決、回避、または最小化する、新しいかつ改良された硬化石膏含有セット製品、それらを製造するための組成物および方法に対する継続的なニーズが存在する。

本発明は、
対向する前面および背面を有する石膏ボードであって、石膏ボードが、前面に第１のカバーシート材料、背面に第２のカバーシート材料、および石膏を含む石膏コア層を含み、石膏ボードが、０．２５インチ〜１．５インチの厚さを有する、石膏ボードと、
石膏ボードの第２のカバーシート材料上の接着剤層であって、当該接着剤が、−１０℃〜３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含む、接着剤層と、
接着剤層が第２のカバーシート材料と中間石膏層との間にあるように接着剤層上に石膏を含む中間石膏層であって、接着剤層および中間石膏層が、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、中間石膏層と、
第３のカバーシート材料であって、中間石膏層が、接着剤層と第３のカバーシート材料との間にあり、かつ中間石膏層が、接着剤層と第３のカバーシート材料と接触している、第３のカバーシート材料と、を含む層状ウォールボードを提供する。

本発明はまた、
対向する前面および背面を有する石膏ボードの背面に０．０２インチ〜０．０６インチの厚さを有する接着剤コーティングを適用することであって、当該接着剤が、−１０℃〜約３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含み、その石膏ボードが、前面に第１のカバーシート材料、背面に第２のカバーシート材料、および石膏を含む石膏コア層を含み、その石膏ボードが、０．２５インチ〜１．５インチの厚さを有する、接着剤コーティングを適用することと、
硫酸カルシウム半水和物を含む中間石膏スラリーを接着剤コーティング上に適用して中間石膏層を形成することであって、その接着剤コーティングおよび石膏スラリーが、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、中間石膏層を形成することと、
中間石膏スラリー上に第３のカバーシート材料を適用することと、
石膏スラリーの硫酸カルシウム半水和物を硬化させて、層状のウォールボードを形成することと、を含む方法も提供する。

本発明はまた、
任意選択で、スキム層スラリーを第１のカバーシート材料に適用することであって、スキム層スラリーは、水および硫酸カルシウム半水和物を含む、適用することと、
石膏コアスラリーを、スキム層スラリーが存在しないときには第１のカバーシート材料に、または存在するときはスキム層スラリーに適用することであって、石膏コアスラリーは水および硫酸カルシウム半水和物を含む、適用することと、
石膏コアスラリーの周りに第２のカバーシート材料を適用することであって、第２のカバーシート材料の第１の側面が、石膏コアスラリーの方を向いている、適用することと、
第２のカバーシート材料の第１の側面とは反対側にある第２のカバーシート材料の第２の側面上にポリマー接着剤コーティングを適用することであって、ポリマー接着剤は−１０℃〜約３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含む、適用することと、
中間石膏スラリーをポリマー接着剤コーティング上に適用することであって、中間石膏スラリーは水および硫酸カルシウム半水和物を含み、
ポリマー接着剤コーティングおよび第２の石膏スラリーは、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、適用することと、
中間石膏スラリー上に第３のカバーシート材料を適用することと、
スキム層スラリー、石膏コアスラリー、および中間石膏スラリーを硬化させて、層状ウォールボードを形成することであって、硬化石膏コアスラリーから生じる石膏コア層が０．２５〜１．５インチの厚さを有する、形成することと、を含む、方法も提供する。

前述の組成物および方法では、石膏コアスラリーを発泡させることができ、対応する石膏コア層は、３０〜９０体積パーセントの総空隙容量を有することができる。あるいは、石膏コアスラリーは、発泡されなくてもよく、対応する石膏コア層は、３０体積パーセント未満の総空隙容量を有することができる。

前述の組成物および方法では、中間石膏スラリーを発泡させることができ、対応する中間石膏層は、３０〜９０体積パーセントの総空隙容量を有することができる。あるいは、中間石膏スラリーは、発泡しなくてもよく、対応する中間石膏層は、３０体積パーセント未満の総空隙容量を有することができる。

すべての百分率および比率は、特に明記しない限り重量に基づくものである。特に明記しない限り、すべての分子量は重量平均分子量である。

カバーシート材料の例としては、紙、ボール紙、ガラス繊維、プラスチック、スクリム、もしくはメッシュのフェーシング、または当技術分野で知られている任意のフェーシングが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、本発明のウォールボードにおける３つすべてのカバーシート材料は紙である。

典型的な石膏ウォールボードからの測定データを重ね合わせた単一評価ＳＴＣ４８基準輪郭を示している。 本発明の例示的なウォールボード構成を示している。 本発明の別の例示的なウォールボード構成を示している。 本発明の層状ウォールボードを製造するための例示的な製造ラインを示している。 ウォールボードを透過する振動波を測定するための構成図である。 いくつかのウォールボード構成に関する振動測定値のプロットである。 例の接着剤のクリープ緩和に関するプロットである。

本発明は、高い音響透過クラス（ＳＴＣ）を有する層状ウォールボードおよびそのような層状ウォールボードを調製する方法に関する。より具体的には、図２は、本発明の層状ウォールボード２００に関する第１の例示的な構成を示している。層状ウォールボード２００は、石膏コア２１６と、その石膏コアの対向面上の第１および第２のカバーシート材料２１８，２２０と、を含む石膏ボード２０２を含む。第１および第２のカバーシート材料２１８，２２０の表面は、石膏ボード２０２の対向する前面２０６および背面２０４を画定する。ポリマー接着剤層２０８（本明細書では接着剤層とも称される）は、石膏ボード２０２の背面２０４上にある。中間石膏層２１０は、ポリマー接着剤層２０８が石膏ボード２０２と中間石膏層２１０との間にあるように、接着剤層２０８上にある。最終的に、第３のカバーシート材料２１２は、中間石膏層２１０がポリマー接着剤層２０８と第３のカバーシート材料２１２との間にあるように、中間石膏層２１０上にある。ポリマー接着剤層２０８および中間石膏層２１０は、合計厚さ２１４を有する。

図３は、本発明の層状ウォールボード３００に関する第２の例示的な構成を示している。層状ウォールボード３００は、高密度石膏スキム層３２２に隣接する発泡石膏コア３１６を含む石膏ボード３０２を含む。第１のカバーシート材料３１８は、発泡石膏コア３１６に隣接していない高密度石膏スキム層面上にあり、第２のカバーシート材料３２０は、高密度石膏スキム層３２２に隣接していない石膏コア面上にある。第１および第２のカバーシート材料３１８，３２０の表面は、石膏ボード３０２の対向する背面３０４および前面３０６を画定する。ポリマー接着剤層３０８は、石膏ボード３０２の背面３０４上にある。中間石膏層３１０は、ポリマー接着剤層３０８が石膏ボード３０２と中間石膏層３１０との間にあるように、接着剤層３０８上にある。最終的に、第３のカバーシート材料３１２は、中間石膏層３１０がポリマー接着剤層３０８と第３のカバーシート材料３１２との間にあるように、中間石膏層３１０上にある。ポリマー接着剤層３０８および中間石膏層３１０は、合計厚さ３１４を有する。

典型的には、石膏ボード２０２，３０２の背面２０４，３０４全体は、接着剤層２０８，３０８でコーティングされる。典型的には、中間石膏層２１０，３１０の全表面は接着剤層２０８，３０８と接触しており、中間石膏層２１０，３１０の対向面全体は第３のカバーシート材料２１２，３１２と接触している。典型的には、本発明の層状ウォールボードには、金属層は存在していない。

カバーシート材料の例としては、紙、ボール紙、ガラス繊維、プラスチック、スクリム、もしくはメッシュのフェーシング、または当技術分野で知られている任意のフェーシングが挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、本発明のウォールボードにおける３つすべてのカバーシート材料は紙である。

本発明の層状ウォールボードは、接着剤層の組成、中間石膏層の組成、およびこれらの２つの層の合計厚さのために、少なくとも部分的に高いＳＴＣ（例えば、４５以上）を有する。理論によって制限されずに、音は、方程式１および２に従う曲げおよびせん断（ｓｈｅａｒｉｎｇ）したりすることによって、ウォールボードを移動する。
ｃ_ｂ ^４＝（Ｄ_ｐω^２／Ｍ_ｐ） ＥＱ．１
ｃ_ｓ ^２＝（Ｇ_ｃ／Ｍ_ｐ） ＥＱ．２
式中、ｃ_ｂは、ウォールボードの曲げによって伝播する波の速度であり、ｃ_ｓは、ウォールボードのせん断変形によって伝播する波の速度であり、Ｄ_ｐは、ウォールボードの曲げ剛性であり、Ｅｈ^３／１２（１−ν^２）で定義され、Ｅは、ヤング率であり、ｈは、ウォールボードの厚さであり、νは、ポアソン比であり、ωは、周波数であり、Ｍ_ｐは、ウォールボード／単位面積の質量であり、Ｇ_ｃは、ウォールボードコアのせん断弾性率である。

取り付けられると、層状のウォールボードは、中間石膏層に隣接する第３のカバーシート材料がスタッドに対して存在するように外側を向く。理論によって制限されずに、音は、最初に、石膏ボード中の石膏によって減衰される。しかしながら、音は、接着剤層と比較して、石膏内を比較的速く伝わる。ポリマー接着剤層の低い弾性特性は、音を大幅に減衰させることができる。最終的に、音は、中間石膏層に到達し、そこで石膏が音を曲げかつせん断する。累積的に、音速の急激な不連続性がさまざまな層で作り出され、音波をさらに減衰させる。ポリマー接着剤層からの減衰ならびに音の曲げおよびせん断が短い距離（すなわち、層の厚さ全体）にわたって発生するため、音は２つの層内で内部反射されて、音響エネルギーをさらに散逸させる。

この減衰を達成するために、接着剤層と中間石膏層との合計厚さは、約０．２５インチ（ｉｎ）以下（例えば、約０．０９インチ〜約０．２５インチ、好ましくは約０．１インチ〜約０．２インチ、より好ましくは約０．１２インチ〜約０．１５インチ）である。接着剤層は、約０．０２インチ〜約０．０６インチの厚さを有し、好ましくは、接着剤層は、約０．０２インチ〜約０．０５インチの厚さを有する。中間石膏層は、約０．０７インチ〜約０．２３インチの厚さを有し、好ましくは、中間層は、約０．０７インチ〜約０．１９インチの厚さを有する。

本発明の層状ウォールボード自体は、約５０以上、好ましくは約５０〜約７０、好ましくは約５３〜約６５、より好ましくは約５５〜約６０のＳＴＣを有することができる。層状ウォールボードが壁の反対側で使用されるとき、音響減衰は、さらに強化され得、壁は、約５５以上、好ましくは約６０〜約８０、より好ましくは約６５〜約７５のＳＴＣを有することができる。３．５インチのガラス繊維断熱材を備えかつ本発明のボードを有する、中央のネジ間隔が２４インチの２５ゲージ相当のスチールスタッドを使用し、ＡＳＴＭ Ｅ９０−０９（２０１６）による測定およびＡＳＴＭ Ｅ４１３−１６の計算を使用して測定されたＳＴＣは、スタッドアセンブリの両側に関するものである。

音を減衰させる品質に加えて、本発明の層状ウォールボードは、積層ウォールボードで使用される第２のウォールボードよりも石膏層が有意に薄くかつ軽いため、積層ウォールボードよりも有意に軽いという利点がある。例えば、一緒に積層された２つの５／１６インチのウォールボードは、約５／８インチの総厚をもたらし、約２．６ポンド／ｆｔ^２の重量を有し得る。対照的に、発泡石膏コアを有する１／２インチの石膏ウォールボードと、１／８インチの複合接着剤層と、中間石膏層の厚さと、を含む本発明の層状ウォールボードは、約１．６ポンド／ｆｔ^２の重量を有し得る。例示したように、消音特性は、ほぼ４０％軽量化した本発明の層状ウォールボードによって達成することができる。

最終的に、積層ウォールボードは、製造および評価が難しい。本発明の層状ウォールボードは、単純な製造プロセス（本明細書でさらに説明される）を有し、標準的な技術によって評価することができる。

石膏ボード
図２および図３に示すように、本発明で使用される石膏ボードは、２つのカバーシート材料（例えば、紙シート）の間に石膏材料を有する。図２に示すように、石膏材料は、石膏の単層であり得るか、または図３に示すように、石膏の複層であり得る。当技術分野で知られているように、ボードは、他の添加剤に加えて、少なくとも６０重量％の半水和物を使用して、作製される。ボードを作製するとき、スラリーの硫酸カルシウムは、ほとんどが半水和物の形態で出発するが、その後、二水和物の形態に変わる。典型的な初期の石膏スラリー配合物は、表１に示すブレンドから作製する。表１では、特定のパラメーターに関する列の任意の値を、同じ列または異なる列の他のパラメーターに関する値と組み合わせてもよい。しかしながら、好ましくは、特定のパラメーターに関する列の任意の値は、同じ列の他のパラメーターに関する値と組み合わせる。

発泡石膏コアの場合、スラリー配合物は、１０〜７０体積％の空気、好ましくは２０〜６０体積％の空気を有するように発泡させることができる。得られた発泡石膏コア層は、３０〜９２体積％のボイド、好ましくは３０〜９０体積％のボイドを有する。

最終的なそれぞれの石膏組成物は、焼成硫酸カルシウムが硫酸カルシウム二水和物に変換されたことを除いて、表１の成分の濃度を含む。

石膏スキム層は、当技術分野で知られているように、しばしばスキムコートと称される。また、任意選択で、当技術分野で知られているように、比較的高密度の石膏の層であるハードエッジ（ｈａｒｄ ｅｄｇｅ）を適用してもよい。比較的密度の高い石膏（存在する場合）の各スキム層およびハードエッジ層は、石膏コア層の総厚の約１〜１０％の厚さを有し得る。

石膏ボードは、任意の所望の厚さを有することができる。好ましくは、石膏ボードは、約０．２５インチ〜約１．５インチの厚さ、好ましくは０．５インチ〜約１インチの厚さ、より好ましくは約０．５インチ〜約０．７５インチの厚さである。

石膏ボードの製造
典型的な石膏パネルの製造プロセスでは、石膏ボードは、焼き石膏（硫酸カルシウム半水和物、一般に「スタッコ」と称される）を水に均一に分散させて、水性焼き石膏スラリー（例えば、表１の配合による）を形成することによって製造される。水性焼き石膏スラリーは、典型的には、スタッコおよび水および他の添加剤を、内容物を撹拌するための手段を含有する混合器に挿入することによって均一な石膏スラリーを成形する連続的な様式で生成される。

スラリーは、連続的に混合器の排出口に向けられ、その排出口を通って、混合器の排出口に接続された排出導管に向けられる。水性発泡体は、混合器および／または排出導管において、水性焼き石膏スラリーと組み合わせることができる。スラリーの流れは、排出導管を通過し、そこから、成形テーブルによって支持されたカバーシート材料（２枚の紙シートのうちの最初のもの）の移動ウェブ上に連続的に堆積される。

スラリーは、成形テーブルに沿って進むにつれて、移動ウェブ上に広がることができる。カバーシート材料の第２のウェブ（２枚の紙シートのうちの第２）は、スラリーを被覆し、連続石膏ボードプリフォームのサンドイッチ構造を形成するために適用され、これは、所望の厚さを得るために従来の成形ステーションなどにおいて成形にかけられる。

焼き石膏は、石膏ボードプリフォーム中の水と反応し、コンベヤーが石膏ボードプリフォームを製造ライン沿って移動させるにつれて硬化する。石膏ボードプリフォームは、プリフォームが十分な硬化したラインに沿ったポイントでセグメントに切断される。そのセグメントを、裏返し、乾燥させて（例えば、窯の中で）、余分な水を追い出し、処理して、所望の寸法の最終的な石膏ボード製品を提供する。

石膏ボードの製造に対処するための従来のデバイスおよび方法は、参照により組み込まれる一般的に割り当てられた米国特許第５，６８３，６３５号、同第５，６４３，５１０号、同第６，４９４，６０９号、同第６，８７４，９３０号、同第７，００７，９１４号、および同第７，２９６，９１９号に開示されている。

次いで、得られた石膏ボードは、本明細書でさらに説明されるそれらに適用された接着剤層、石膏層、および第３のカバーシート材料（例えば、図２および３のカバーシート材料２１２，３１２）を有し、本発明の層状ウォールボードを製造することができる。あるいは、連続石膏ボードプリフォームは、本明細書でさらに説明されるように、切断前に、それらに対して、接着剤層、石膏層、および第３のカバーシート材料が適用されて、本発明の層状ウォールボードを製造することができる。

焼き石膏
本明細書で使用される場合、「焼き石膏」という用語は、アルファ硫酸カルシウム半水和物、ベータ硫酸カルシウム半水和物、水溶性硫酸カルシウム無水石膏、またはそれらの任意もしくはすべての混合物を意味することを意図している。「硬化石膏」および「水和石膏」という用語は、無水石膏または半水和物の形態から二水和物の形態に変換された硫酸カルシウム二水和物を意味することを意図している。混合物中の水は、焼き石膏と自然に反応して硬化石膏を形成する。

本発明に用いられる焼き石膏は、先行技術の対応する実施形態において典型的に有用であると見出される形態および濃度であり得る。それは、天然または合成源からのアルファ硫酸カルシウム半水和物、ベータ硫酸カルシウム半水和物、水溶性硫酸カルシウム無水石膏、またはそれらの任意またはすべての混合物であり得る。

水
水は、流動性スラリーを作製する任意の量でスラリーに添加される。使用される水の量は、それが使用される用途、使用される正確な分散剤、スタッコの特性、および使用される添加剤によって大きく変化する。

スラリーを作製するために使用される水は、スラリーおよび硬化プラスターの両方の特性の最良な制御のために実用的な純度であるべきである。塩および有機化合物は、スラリーの硬化時間を改変することでよく知られており、促進剤から硬化阻害剤まで幅広く変化する。いくつかの不純物は、二水和物結晶のインターロッキングマトリクスが形成されるときに構造の不規則性をもたらし、硬化製品の強度を低下させる。したがって、製品の強度および一貫性は、実用的に限りなく汚染物質を含まない水を使用することによって、強化される。

添加剤
例えば、水性発泡体、硬化促進剤、硬化遅延剤、再石灰化抑制剤、バインダー、接着剤、二次分散助剤（直鎖ポリカルボキシレート分散剤以外のもの）、レベリングまたは非レベリング剤、増粘剤、殺菌剤、防カビ剤、ｐＨ調整剤、着色剤、補強材、難燃剤、撥水剤、充填剤、およびそれらの混合物などの他の従来の添加剤を、本発明の実施時に、所望の特性を与えるために、かつ製造を容易にするために、慣習的な量で使用することができる。

分散剤は、水と硫酸カルシウム半水和物との混合物を流動化するのを助けるために石膏と一緒に使用することが知られていることから、流動性のあるスラリーを作製するのに必要とされる水が少なくてすむ。石膏スラリーは、典型的には、ポリナフタレンスルホネートなどの分散剤を含有する。ポリナフタレンスルホネート分散剤は、よく知られており、比較的安価であるが、有効性が限られている。ポリナフタレンスルホン酸塩は、デンプン、発泡剤、および粘土との良好な相溶性を有する。ポリナフタレンスルホン酸塩の生産工程は、以下の反応ステップ：ナフタレンを硫酸でスルホン化して、ｂ−ナフタレンスルホン酸を生産すること、ｂ−ナフタレンスルホン酸をホルムアルデヒドと縮合させて、ポリメチレンナフタレンスルホン酸を生産すること、およびポリメチレンナフタレンスルホン酸を水酸化ナトリウムまたは別の水酸化物で中和すること、を含む。反応条件に応じて、異なる特性の生成物が得られる。

ＧａｉｄｉｓらのＵＳ４，４６０，７２０は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属ポリナフタレンスルホネート−ホルムアルデヒドまたはアルカリ金属リグノスルホネートまたはアルカリ土類金属リグノスルホネート、またはそれらの混合物と組み合わせて、低分子重量アルカリ金属ポリアクリレートから形成されたポートランド系組成物のための高性能減水剤セメント混和物を開示している。

ＵＳ５，７１８，７５９は、ベータ焼き石膏とセメントとの混合物へのシリケートの添加を開示している。実施例では、リグノスルフェートまたはナフタレンスルホネートが、減水剤として使用されている。シリケートを含むポゾラン材料の添加は、エトリンガイトの形成に起因する膨張を減少させると考えられる。その組成物は、バッカーボード、床下敷き、道路パッチ材、防火材、およびファイバーボードなどの建築材料での使用が提案されている。

ＬｉｕらのＵＳ７，７６７，０１９は、分散剤として使用するための分岐ポリカルボキシレートの実施形態を開示している。

接着剤層
本発明の層状ウォールボードに使用される接着剤層は、バインダーなどのポリマーを含む。接着剤層は、石膏ボードの背面のすべてまたは実質的にすべて、例えば少なくとも９０％に配置される（例えば、図２の第２のカバーシート材料２２０および図３の第２のカバーシート材料３２０）。接着剤層は、石膏ボードのカバーシート材料に浸透する可能性がある。接着剤層の厚さは、石膏ボードの背面から測定され、カバーシート材料に浸透した接着剤は含まれない。

層状ウォールボードの接着剤層は、粘着性と緩和時間とのバランスがとれているべきである。すなわち、接着剤は、中間石膏層の石膏と、石膏ボードのカバーシート材料との両方に付着するのに十分に柔軟でかつ粘着性であるべきである。同時に、粘弾性緩和時間が長いため、消音効果が改善される。すなわち、音速は、接着剤の弾性率

に依存する。

は

と表すことができ、式中、

は、貯蔵弾性率であり、

は、接着剤の損失弾性率であり、各々は、ＥＱ．３およびＥＱ．４として表すことができる。式中、ωは、周波数（ＳＴＣの場合、ωは１００〜５０００Ｈｚの範囲である）、θは、接着剤の粘弾性緩和時間である。

したがって、

。したがって、θが高い場合、損失弾性率は、貯蔵弾性率と比較して高くなる。したがって、

が、

より大きいとき、透過の際の音響減衰が増加する。さらに、接着剤は、好ましくは、経時的および温度範囲にわたって、高い粘弾性緩和時間を維持するべきである。

接着剤層のポリマーは、合成ラテックス（すなわち、１つ以上のモノマーの乳化重合によって調製されたポリマー粒子の水性分散液）である。ラテックスはフィルム形成ポリマーである。接着剤層を形成するために使用される接着剤コーティングは、水と、界面活性剤と、アクリル、スチレンアクリル、アクリルエステル、ビニルアクリル、塩化ビニルアクリル、スチレンアセテートアクリル、ブチルアクリル、エチルアクリル、エチレンポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるラテックスポリマーと、を含む水性エマルジョンまたは分散液を含む。所望ならば、接着剤コーティングは、前述のポリマーのうちの１つ以上を欠いている場合がある。典型的なアクリルは、アクリル酸またはアクリレートのポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチルアクリレートから作製されたポリマーである。

好ましくは、ラテックスポリマーは、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレンアクリルポリマー、またはアクリルエステルポリマーから選択される。好ましくは、ラテックスポリマーガラス転移温度は、約−１０℃〜約３０℃、より好ましくは約５℃〜約３０℃、より好ましくは約−１０℃〜約２０℃、より好ましくは約１０℃〜約２０℃の範囲である。

典型的には、本発明の接着剤組成物は、少なくとも１０重量％、より典型的には少なくとも２０重量％のラテックスポリマーを有する。例えば、典型的には、１５〜７０重量％、４５〜７０重量％、または４５〜６０重量％のラテックスポリマー。

本発明の接着剤組成物は、可塑剤も含み得る。

典型的には、本発明の接着剤組成物は、０〜５０重量％、より典型的には５〜５０重量％、さらに典型的には１０〜３０重量％の可塑剤を有する。しかしながら、本発明の接着剤組成物は、可塑剤が存在していない場合がある。

典型的な可塑剤は、アビエテート、フタレート、テレフタレート、ベンゾエート、およびエポキシ化油、例えば、エポキシ化大豆油（ＥＳＯ）のいずれかであり得、好ましくはアビエテートである。

可塑剤は、粘着度および音の減衰の両方を改善する。「粘着度」という用語は、瞬間的な接触で表面に固着し、次いで分離に抵抗する材料の能力を指している。

典型的なアビエテートは、アビエチン酸アルキル、例えば、アビエチン酸メチルもしくはアビエチン酸エチル、またはアビエチン酸アラルキル、例えば、アビエチン酸ベンジルである。アビエテートは、可塑剤のように機能すると考えられており、接着剤の柔らかさおよび粘着性を調整するために使用することができる。

アビエチン酸アルキルのアルキル部分は、飽和した線状または分枝状Ｃ_１〜Ｃ_１６、好ましくはＣ_１〜Ｃ_８のアルキル基であり得る。アラルキル基は、典型的にはベンジルである。

本発明で使用するための典型的なアビエテート可塑剤を式（Ｉ）に示す。

式中、Ｒは、飽和した線状または分枝状Ｃ_１〜Ｃ_１８、典型的にはＣ_１〜Ｃ_１６、またはＣ_１〜Ｃ_８、またはＣ_１〜Ｃ_４、アルキル基またはアラルキル基、好ましくはベンジルである。

アビエチン酸アルキルファミリーの代表であるアビエチン酸メチルを式（ＩＩ）に示す。

アビエチン酸アルキルファミリーの別の代表であるアビエチン酸のヘキサデシルエステル（すなわち、アビエチン酸セチル）を式（ＩＩＩ）に示す。

式中、Ｒは、式Ｃ_１６Ｈ_３３を有する線状アルキル基である。

本発明の接着剤組成物は、樹脂も含み得る。典型的な樹脂は、任意の１つ以上の合成樹脂であり得る。典型的な樹脂は、任意の１つ以上の植物樹脂を含み得る。例えば、典型的には、１つ以上の植物樹脂、例えば、木材またはガムロジン、エステルガム、水素化ロジン、ダンマーガム、マニラガム、クマロン−インデン樹脂、コーパル、カウリガム、エチルセルロース、マスチック、および／またはサンダラック。

典型的には、本発明の接着剤組成物は、０〜２５重量％、より典型的には５〜２０重量％の樹脂を有する。しかしながら、本発明の接着剤組成物は、樹脂が存在していない場合がある。

本発明の接着剤組成物は、ポリビニルアルコールも含み得る。

典型的には、本発明の接着剤組成物は、０〜２０重量％、より典型的には５〜１５重量％のポリビニルアルコールを有する。しかしながら、本発明の接着剤組成物は、ポリビニルアルコールを含んでいなくてもよい。

特性のバランスを達成するための好ましい接着剤組成物は、上記のポリマーおよび可塑剤、好ましくはアルキルまたはアビエチン酸アラルキル可塑剤を含む。

本発明のためのより好ましい接着剤組成物は、アクリルポリマー、樹脂、ポリビニルアルコール、およびアビエチン酸アルキルの混合物を含む。アクリル成分、樹脂、およびポリビニルアルコールは粘着性を提供することができる。さらに、ポリビニルアルコールのヒドロゲルの性質は、それがその中にいくらかの水を保持することも可能にし、それは、接着剤の作業性を助け、また低減音響伝送を助ける。

作業性を向上させるために、異なる無機成分（例えば、炭酸カルシウム、無水石膏など）を含めることもできる。

所望ならば、音響コンプライアント材料の粒子および音響剛性材料の粒子を、ポリマー接着剤層に含有させることもできる。そのようなポリマー接着剤層は、バインダーとしてのポリマー接着剤と、音響伝送に関してほとんどコンプライアントである第１の粒子（音響コンプライアント材料の粒子）および音響伝送にほとんど剛性である第２の粒子（音響剛性材料の粒子）の組み合わせと、を含むことになる。

「コンプライアント材料」という用語は、「音響コンプライアント材料」という用語と交換可能に使用され、本開示では、少なくとも部分的に可撓性であり、少なくとも部分的にそのボディを通して音波を伝送、散逸、および／または吸収することができる材料を意味していると広く理解される。さらに、「剛性材料」という用語は「音響剛性材料」という用語と交換可能に使用され、本開示では、音波を伝送、散逸、および／または吸収するのではなく、音波からのエネルギーの大部分をおそらく反射する任意の材料を意味していると広く理解される。

所望ならば、音響コンプライアント粒子は、音響剛性粒子よりもサイズが大きく、その結果として、各音響コンプライアント粒子は、いくつかの音響剛性粒子に囲まれる。他の実施形態では、音響コンプライアント粒子および音響剛性粒子は、ほぼ同じサイズである。所望ならば、音響コンプライアント粒子および音響剛性粒子は、同じモル比で使用する。しかしながら、所望ならば、音響コンプライアント粒子を主成分とし、音響剛性粒子ははるかに少量しか使用しない。他の実施形態では、この比率は逆である。例えば、コンプライアントンコーティングにおける音響コンプライアント粒子対音響剛性粒子のモル比は、１：１〜１：１，０００であり得るか、または音響コンプライアント粒子対音響剛性粒子のモル比は、１０００：１〜１：１であり得る。

所望ならば、ポリマー接着剤層は、音響コンプライアントゴム粒子、例えば、タイヤスクラップ粒子と、音響剛性ナノメートルシリカ粒子とを含む。ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー（ＥＰＤＭ）、天然ゴム化合物、綿繊維、有機繊維、無機繊維、ポリプロピレン繊維、空気充填ガラスビーズ、ポリスチレンビーズ、またはポリスチレン発泡体を含むが、それらに限定されない任意の音響コンプライアント粒子が使用され得ることがさらに理解されよう。

また、コンプライアントコーティングでは、任意の音響剛性粒子が使用され得ることも理解されよう。そのような音響剛性粒子としては、シリカ粒子、粘土粒子、炭酸カルシウム、パーライト、ガス充填ミクロスフェア、中空ミクロスフェア、セノスフェア、および無機グルーを挙げることができるが、それらに限定されない。所望ならば、いくつかの音響コンプライアント材料の組み合わせを、少なくとも１つの音響剛性材料と一緒に混合することができる。所望ならば、いくつかの音響剛性材料の組み合わせを、少なくとも１つの音響コンプライアント材料と一緒に混合することができる。所望ならば、いくつかの音響剛性材料の組み合わせを、いくつかの音響コンプライアント材料と一緒に混合することができる。

しかしながら、理論によって制限されずに、音響は、固体微粒子を通過するより高い透過速度を有する。したがって、異なる層で音速の鋭い不連続性を作り出すために、接着剤層は、好ましくは、固体微粒子を含まない。一般に、ポリマー接着剤層は、鉱物充填剤を含まない。一般に、ポリマー接着剤層は、石膏を含まない。一般に、適用されるポリマー接着剤コーティングは、石膏を含まない。一般に、適用されるポリマー接着剤コーティングは、炭酸カルシウムを含まない。一般に、適用されるポリマー接着剤コーティングは、炭酸マグネシウムを含まない。一般に、適用されるポリマー接着剤コーティングは、顔料を含まない。一般に、適用されるポリマー接着剤コーティングは、ポリ尿素を含まない。一般に、適用されるポリマー接着剤コーティングは、無機粒子を含まない。一般に、適用されるポリマー接着剤コーティングは、有機粒子を含まない。

一般に、適用されるポリマー接着剤コーティングは、ヒドロキシエチルセルロースを含まない。

一般に、接着剤層は、約０．０２インチ〜約０．０６インチの厚さ、約０．０２インチ〜約０．０５インチの厚さを有するポリマーコーティングを形成する量に等しい量で適用される。

接着剤層は、スプレーコーティング、ディップコーティング、リル塗布（ｒｉｌｌ ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ）、フリージェット塗布、ブレード計量、ロッド計量、計量フィルムプレスコーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、フレキソ印刷、およびロールコーティングからなる群から選択される少なくとも１つの方法によって、ボード製造ラインで適用される。

合成ラテックスを調製するための方法は当該技術分野において周知であり、これらの手順のいずれかが使用され得る。ラテックスは、典型的には、１〜５５重量％のバインダー（ポリマー）および水を有する。ラテックスは、３０ｎｍ〜１５００ｎｍで変化することができる乳化ポリマー粒子を含むエマルジョンである。したがって、接着剤コーティングは、固体粒子、例えば、充填剤粒子を含む他の粒子を含んでいないエマルジョンポリマー粒子を含むことができる。接着剤コーティングが適用され、最終的な本発明の製品の接着剤層になると、ラテックスはフィルム（例えば、連続フィルム）を形成し、粒子形態ではない。したがって、接着剤層は粒子が存在していない場合がある。

中間石膏層
以下でさらに説明する中間石膏層は、コーティング、典型的には、ロールコーティング、石膏スラリーによって、接着剤層上に適用される。中間石膏層を形成するのに好適な石膏スラリーの例は、表２の配合物である。添加剤および分散剤としては、上記のものが挙げられる。表２では、特定のパラメーターに関する列の任意の値を、同じ列または異なる列の他のパラメーターに関する値と組み合わせてもよい。しかしながら、好ましくは、特定のパラメーターに関する列の任意の値は、同じ列の他のパラメーターに関する値と組み合わせる。

最終または硬化した中間石膏層は、焼成硫酸カルシウムが硫酸カルシウム二水和物に変換されたことを除いて、表２の成分の濃度を含む。

任意選択で、中間石膏層を発泡させる。そのような場合、スラリー配合物は、１０〜７０体積％の空気、好ましくは２０〜６０体積％の空気を有するように発泡させることができる。得られた中間石膏層は、３０〜９２体積％のボイド、好ましくは３０〜９０体積％のボイドを有する。

層状ウォールボードの製造
本発明の方法は、本明細書に記載の層状ウォールボードを製造することを含む。本発明の第１の方法は、接着剤層を、次いで石膏層および第３のカバーシート材料を、すでに製造された石膏ボードに適用することを含む。

接着剤層は、スプレーコーティング、ディップコーティング、リル塗布（ｒｉｌｌ ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ）、フリージェット塗布、ブレード計量、ロッド計量、計量フィルムプレスコーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、フレキソ印刷、およびロールコーティングからなる群から選択される少なくとも１つの方法によって、既に製造された石膏ボードに適用することができる。

中間石膏層は、スプレーコーティング、ディップコーティング、リル塗布、フリージェット塗布、ブレード計量、ロッド計量、計量フィルムプレスコーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、フレキソ印刷、およびロールコーティングによって適用することができ、次いで、第３のカバーシートを、２つのカバーシート材料の間に石膏層を有する石膏ボードを製造する際に使用した従来の方法によって適用する。

焼き石膏は、石膏層の水と反応し、硬化して層状ウォールボードを生成する。任意選択で、窯または他の加熱デバイスを使用して、石膏層を乾燥かつ硬化させることができる。得られた層状ウォールボードは、所望の用途のために必要とされる場合、さらに処理することができる。例えば、層状のウォールボードは、刻み目をつける、かつ／または異なるサイズに切断することができる。

本発明の第２の方法は、石膏ボードの製造中に、接着剤層、石膏層、および第３のカバーシート材料を、適用することを含む。例えば、図４は、２つのカバーシート材料の間に石膏層を有する石膏ボードを備えた本発明の層状ウォールボードを製造するための例示的な製造ラインを示している。

図４は、製造ラインのウェットエンド５８０の例示的な実施形態を示している。ウェットエンド５８０は、石膏スラリー混合および分配アセンブリ５８２、第１および第２の成形ステーション５８４、５８６、および接着剤コートローラー５８８を含む。第１の移動ウェブ５９０（例えば、図２の第１のカバーシート材料２１８または図３の第１のカバーシート材料３１８）は、成形テーブル５９２に沿って移動の長手方向「Ｔ」に移動する。石膏コアスラリー５９４は、スラリーの添加および任意選択の発泡が起こる、石膏スラリー混合および分配アセンブリ５８２の中で混合される。石膏スラリー混合および分配アセンブリ５８２は、ウェットエンド５８０の単一の構成要素として示されているが、石膏スラリー混合および分配アセンブリ５８２を構成する複数の構成要素が存在することができる。

スキム石膏コートローラー６２０、中間石膏コートローラー６２４、形成テーブル５９２、形成ステーション５８４、および形成ステーション５８６はすべて、当該技術分野で知られているように、それらの意図される目的に好適な従来の機器を含むことができる。ウェットエンド５８０には、当該技術分野において既知であるような他の好適な機器を装備することができる。

含まれる場合、石膏スキム層スラリー６１０は、第１のカバーシート材料５９０に適用して、コア石膏コアスラリー５９４を堆積させる前に、第１のカバーシート材料５９０上に石膏スキム層（例えば、図３の石膏スキム層３２２）を形成してもよい。ボードの石膏コア層のための石膏コアスラリー５９４は、適用される場合、第１の移動ウェブ５９０（例えば、図２の石膏コア２１６を形成するため）または石膏スキム層スラリー６１０のいずれかの上に堆積される（例えば、図３の発泡石膏コア３１６を形成するため）。第２の移動ウェブ５９６（例えば、図２の第２のカバーシート材料２２０または図３の第２のカバーシート材料３２０）は、石膏コアスラリー５９４に適用され、任意選択で、第１の形成ステーション５８４を通過して、石膏コアスラリー５９４およびウェブ５９０，５９６を、所望の厚さ（例えば、約０．２５インチ〜約１．５インチの厚さ、好ましくは０．５インチ〜約１インチの厚さ、より好ましくは約０．５インチ〜約０．７５インチの厚さ）に圧縮される。

次いで、図示の例では、接着剤５９９の供給源からの接着剤コーティング５９８が、接着剤ローラーコーターアセンブリ５８７を用いて、第２の移動ウェブ５９６に適用され、それは、最終の層状ウォールボードの接着剤層（例えば、図２の接着剤層２０８または図３の接着剤層３０８）となる。ローラーコーターアセンブリ５８７は、仕上げローラー５８８と係合するドクターローラー５８９を含む。ローラー５８８および５８９の一方または両方は、モーター（図示せず）によって駆動される。ロールコーターの代わりに、接着剤コーティングを適用する他の手段、例えば、噴霧器を使用することができる。さらに、第２のカバーシート材料５９６が石膏コアスラリー５９４に適用される前に、形成ステーション５８４を取り外して、接着剤コーティングを、第２のカバーシート材料５９６に適用することができる。

次いで、中間石膏層（例えば、図２の中間石膏層２１０または図３の中間石膏層３１０）を形成するための焼き石膏スラリー６００が、接着剤コーティング５９８に適用される。石膏層を形成するための焼き石膏（硫酸カルシウム半水和物）スラリー６００は、石膏ボードを形成するためのコア石膏コアスラリー５９４と同じかまたは異なっている場合がある。図は、同じ焼き石膏スラリー混合および分配アセンブリ５８２に由来する両方の石膏スラリー５９４，６００を示しているが、焼き石膏スラリー５９４，６００は、異なる密度などの異なる特性を有する異なる混合および分配アセンブリに由来し得る。典型的には、石膏（硫酸カルシウム二水和物）コア層のための焼き石膏スラリーは、中間石膏層のためのスラリーよりも密度が低く、ならびに、スキム層よりも密度が低くなるように発泡される。したがって、所望ならば、焼き石膏コアスラリー流５９４は、第１のカバーシート材料５９０上に堆積する前に、例えば、焼き石膏コアスラリー流５９４は、発泡体および／または空気と混合するフォーマデバイス（図示せず）を通過し得る。

追加の構成要素は、製造ラインのウェットエンド５８０に含めることができる。例えば、非発泡性の焼き石膏スラリーのスキムコーティングを、第２の移動ウェブ５９６と石膏コアスラリー５９４との間に適用することができる。石膏スキム層は、典型的には、石膏コア層よりも薄く、密度が高い。典型的には、石膏スキム層および中間石膏層のためのスラリー流は、同じ組成および密度を有する。結果として、石膏スキム層および中間石膏層は、同じ組成および密度を有する。しかしながら、所望ならば、石膏スキム層および中間石膏層のためのスラリー流は、異なる組成および／または密度を有することができる。同様に、所望ならば、石膏スキム層および中間石膏層は、異なる組成および／または密度を有することができる。

第３の移動ウェブ６０２（例えば、図２の第３のカバーシート材料２１２または図３の第３のカバーシート材料３１２）は、石膏スラリー６００に適用され、第２の形成ステーション５８６を通過して、所望の総厚（例えば、約０．３７５インチ〜約１．６２５インチの厚さ、好ましくは０．６２５インチ〜約１．１２５インチの厚さ、より好ましくは約０．６２５インチ〜約０．８７５インチの厚さ）に圧縮される。得られる構造は、層状のウォールボードプリフォーム６０４である。

典型的には、適用された移動ウェブ６０２の外面は、追加の層と接触しない。

石膏スラリー５９４，６００中の焼き石膏は、水と反応し、コンベヤーが層状ウォールボードプリフォーム６０４を製造ラインの下に移動させるときに硬化する。層状ウォールボードプリフォーム６０４は、層状ウォールボードプリフォーム６０４が十分に硬化した線に沿ったラインに沿ったポイントで、所定の寸法のセグメントに切断される。セグメントを、裏返し、乾燥させて（例えば、窯で）余分な水を追い出し、処理して、所望の寸法の最終的な層状ウォールボードを提供することができる。

硬化した石膏コアスラリー５９４から生じる石膏コア層（例えば、図２の石膏コア２１６または図３の発泡石膏コア３１６）は、一般に、０．２５インチ〜１．５インチの厚さおよび１５〜５５ポンド／立方フィートの密度を有する。発泡した場合、硬化した発泡石膏スラリーから得られる石膏コア層は、３０〜９０体積パーセントの総ボイド容量、好ましくは４５〜８０体積パーセントのボイド容量を有する。

中間石膏層のための石膏スラリー６００、ならびにスキムコーティングのための石膏スラリー６１０（存在する場合）は、石膏コア層のための発泡石膏スラリーの密度よりも高い密度を有する比較的高密度の石膏スラリーであることができる。比較的密度の高い石膏スラリーのこれらの層は、発泡石膏コア層よりも薄い。高密度スラリーが使用されるとき、中間層は、３０体積パーセント未満、好ましくは１０体積％未満の総空隙容量を有する。比較的高密度の石膏スラリー６１０を硬化させた結果として生じるスキム層（存在する場合）は、３０体積パーセント未満、好ましくは１０体積％未満の総空隙容量を有する。

あるいは、中間石膏層のための石膏スラリー６００を発泡させることができ、その結果として、３０〜９０体積パーセント、好ましくは４５〜８０体積パーセントの空隙容量を有する中間石膏層が得られる。

本明細書の実施例では、上記のように、組成物または製品処方の百分率は、特に明記しない限り、重量百分率である。報告した測定値は、特に明記しない限りは、おおよその量、例えば、おおよその百分率、重量、温度、距離、または他の特性でもある。

実施例１
３つのウォールボードサンプルを通る振動伝達を、測定かつ分析した。試験は、具体的には音ではないが、試験は、ウォールボードサンプルを通る波の伝播を測定し、潜在的な音響減衰品質の指標を提供する。

対照コントロールウォールボードのサンプルは、市販の５／８インチウォールボードであった。積層ウォールボードサンプルは、一緒に接着された２つの５／１６インチのウォールボードを含む市販の積層ウォールボードである。本発明の層状ウォールボードサンプルは、接着剤層、中間石膏層、および紙表面層を、発泡石膏コアを有する市販の１／２インチウォールボードに適用することによって、調製し、接着剤層と中間石膏層体との合計厚さは、１／８インチであり、最終的な厚さは５／８インチであった。

図５は、ウォールボードを通る振動波の浸透を測定するための構成図である。石膏ウォールボードサンプル７０１を、望ましくない振動を軽減するために、シリコーンゴムパッド付きクランプ７０４によって保持した。動電型加振機７００を防振パッド７０２上に配置し、クランプ７０４によってテーブルにしっかりと固定した。加振機７００には、入力力を測定するためのインピーダンスヘッド７０６が取り付けられており、それを用いて周波数応答関数を正規化した。加振機７００は、１００〜４０００Ｈｚの範囲のランダムノイズ信号で励起した。マイクロ加速度計７１０を使用して、ウォールボードの梁に沿った等距離点での周波数応答関数を測定した。

図６は、３つのウォールボードサンプルの振動伝達測定値のプロットである。積層ウォールボードは、最高の振動減衰を提供する。しかしながら、層状ウォールボードは、対照ウォールボードよりも大幅に改善されている。

実施例２
約６０重量％のアクリル−塩化ビニルポリマー、約１０重量％の天然樹脂、約１０重量％のポリビニルアルコール、および約２０重量％のアビエチン酸メチルを含む接着剤を調製した。

図７は、アクリル−塩化ビニルポリマー、アビエチン酸メチル、ポリビニルアルコール、および天然樹脂を含むこの接着剤のクリープ緩和（ＡＳＴＭ Ｃ４８０／Ｃ４８０Ｍ−１６）の３回の試行に関する歪み（無次元）対時間（秒）のプロットである。この接着剤組成物に関する理論的なクリープ緩和もプロットしてある。クリープ緩和の研究から、乾燥グルーのための組成物の１つに関するθの値は、２２．２秒に等しいことが分かった（図７を参照）。これは、周波数領域では、提案されたグルーが有意な減衰をもたらすことを示している。

実施例３
性能を試験するために、従来のボードを、Ｒ−１３ ３−１／２”ガラスウール中綿断熱材を有する２５ゲージ相当のスチールスタッド２４インチオン・センター（ｏｎ ｃｅｎｔｅｒ（ｏ．ｃ．））を含むフレーミングを備えたシステムにおいて、本発明の層状ウォールボードと比較した。試験は、ＡＳＴＭ Ｅ−９０−０９（２０１６）（建築物の間仕切りおよび要素の空気伝達音響透過損失を実験室測定するための標準的試験方法（Ｓｔａｎｄａｒｄ Ｔｅｓｔ Ｍｅｔｈｏｄ ｆｏｒ Ｌａｂｏｒａｔｏｒｙ Ｍｅａｓｕｒｅｍｅｎｔ ｏｆ Ａｉｒｂｏｒｎｅ Ｓｏｕｎｄ Ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ Ｌｏｓｓ ｏｆ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ Ｐａｒｔｉｔｉｏｎｓ ａｎｄ Ｅｌｅｍｅｎｔｓ））に従って実施した。

ベースライン研究として、２つの従来のシステム研究した。第１のシステムは、音源側と音受信側との両方に単一の５／８”石膏ボードを有していた（ＳＴＣ＝４８）。第２のシステムは、音源側に市場から入手した従来の単一の５／８”積層ボードと、受信側に単一の５／８”石膏ボードを有していた（ＳＴＣ＝５３）。積層ボードは、２つの５／１６”ボードを一緒に接着したものであった。試験プロトコルは、音源側に音源を有し、音受音側にレシーバーマイクを有する。

従来の積層ボードの重量は、約２６００〜２７００ポンド／ｍｓｆ（１ｍｓｆ＝１０００平方フィート）であった。

また、本発明の層状石膏ウォールボードを調製した。それは、約２１００ポンド／ｍｓｆと有意に軽かった。

本発明の層状石膏ウォールボードは、図２による接着剤で調製した。全体の厚さは約０．６２５インチであった。この全体の厚さのうち、石膏ボードの厚さは約０．５２５インチ（石膏コアと、前面の紙シートと、背面の紙シートと、を含む）であり、石膏コーティングの厚さは約０．０８インチであり、残りは石膏コーティングと石膏との間にある接着層であった。接着剤は、ポリアクリレート、アビエチン酸メチル、ポリビニルアルコール、および樹脂を含む実施例２の接着剤であった。

次いで、本発明のこの層状石膏ウォールボード（発明のＳＴＣボード）を使用する２つの追加のシステムを試験した。第１の本発明のシステムは、音源側と音受信側との両方に単一の本発明のＳＴＣボードを有していた。第２の本発明のシステムは、音源側に本発明のＳＴＣボードを有し、受信側に単一の５／８”石膏ボードを有していた。これらのシステムは、以下の配置を有していた：
（ａ）音源および受信→本発明のＳＴＣボード（ＳＴＣ−５４）、および
（ｂ）音源→本発明のＳＴＣボード受信→５／８”石膏ボード（ＳＴＣ−５２）。

両方のシステムにおいて、ボードは、スタッド間にＲ−１３ ３ １／２”Ｋｎａｕｆ ＥＣＯＢＡＴＴ断熱材を有する２５ゲージ相当のスチールスタッド２４”オン・センター（ｏ．ｃ．）を含む上記のフレーミングに取り付けた。

そのデータは、提案されたＳＴＣボードは、積層ボードよりもほぼ２０％軽量であったが、積層ボードとほぼ同等の性能を発揮することを示している。

発明の条項
以下の節では、本発明のさまざまな態様を提示する。

条項１．層状ウォールボードであって、
対向する前面および背面を有する石膏ボードであって、石膏ボードが、前面に第１のカバーシート材料、背面に第２のカバーシート材料、および石膏を含む石膏コア層を含み、石膏ボードが、０．２５インチ〜１．５インチの厚さを有する、石膏ボードと、
石膏ボードの第２のカバーシート材料上の接着剤層であって、当該接着剤が、−１０℃〜３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含む、接着剤層と、
接着剤層が第２のカバーシート材料と中間石膏層との間にあるように接着剤層上に石膏を含む中間石膏層であって、接着剤層および中間石膏層が、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、中間石膏層と、
第３のカバーシート材料であって、中間石膏層が、接着剤層と第３のカバーシート材料との間にあり、かつ接着剤層と第３のカバーシート材料と接触している、第３のカバーシート材料と、を含む層状ウォールボード。

条項２．接着剤層のポリマーが、アクリル、スチレンアクリル、アクリルエステル、ビニルアクリル、塩化ビニルアクリル、スチレンアセテートアクリル、ブチルアクリル、エチルアクリル、エチレンポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるラテックスポリマーを含む、条項１に記載の層状ウォールボード。

条項３．接着剤層が、可塑剤をさらに含む、条項１または２に記載の層状ウォールボード。

条項４．接着剤層が、アビエテートをさらに含む、条項１または２に記載の層状ウォールボード。

条項５．接着剤層が、アビエチン酸アルキルならびに植物樹脂およびポリビニルアルコールをさらに含む、条項１または２のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項６．接着剤層のポリマーが、−１０℃〜約２０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）、好ましくは１０℃〜２０℃のガラス転移温度（Ｔｇ）を有するアクリルラテックスポリマーを含む、条項１に記載の層状ウォールボード。

条項７．接着剤層が、約０．０２インチ〜約０．０６インチの厚さを有する、条項１〜６のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項８．層状ウォールボードが、５０〜７０の音響透過クラスを有する、条項１〜７のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項９．石膏ボードが、第１のカバーシート材料と石膏コア層との間にあり、かつ第１のカバーシート材料と石膏コア層と接触している、スキム層をさらに含み、石膏コア層が、３０〜９０体積パーセントの総空隙容量を有する発泡石膏コア層である、条項１〜８のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項１０．石膏ボードの石膏コア層が、第１のカバーシート材料と第２のカバーシート材料との間に存在し、かつ第１のカバーシート材料と第２のカバーシート材料と接触しており、石膏コア層が、３０体積パーセント未満の総空隙容量を有する、条項１〜８のいずれか一項に記載の層状ウォールボード。

条項１１．中間石膏層が、発泡中間石膏層であり、３０〜９０体積パーセントの総空隙容量を有する、条項１〜１０のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項１２．中間石膏層が、３０体積パーセント未満の総空隙容量を有する、条項１〜１０のいずれか一項に記載の層状ウォールボード。

条項１３．接着剤層が石膏を含まず、接着剤層が炭酸カルシウムを含まず、接着剤層が炭酸マグネシウムを含まず、接着剤層が顔料を含まず、接着剤層はポリ尿素を含まず、接着剤層が有機粒子を含まず、接着剤層が無機粒子を含まない、条項１〜１２のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項１４．第３のカバーシート材料の外面が、追加の層と接触していない、条項１〜１３のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項１５．石膏コア層および中間石膏層が、約７０重量％〜約９８重量％の硫酸カルシウム二水和物、約０．１重量％〜約２８重量％の添加剤、および約０．０１重量％〜約２重量％の分散剤を含む、条項１〜１４のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項１６．石膏ボードの背面全体が、接着剤層でコーティングされている、条項１〜１５のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項１７．中間石膏層の全表面が接着剤層と接触しており、中間石膏層の対向面全体が第３のカバーシート材料と接触している、条項１〜１６のいずれかに記載の層状ウォールボード。

条項１８．方法であって、
対向する前面および背面を有する石膏ボードの背面に０．０２インチ〜０．０６インチの厚さを有する接着剤コーティングを適用することであって、当該接着剤は、−１０℃〜約３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含み、その石膏ボードは、前面に第１のカバーシート材料、背面に第２のカバーシート材料、および石膏を含む石膏コア層を含み、その石膏ボードは０．２５インチ〜１．５インチの厚さを有する、接着剤コーティングを適用することと、
硫酸カルシウム半水和物を含む中間石膏スラリーを接着剤コーティング上に適用して中間石膏層を形成することであって、その接着剤コーティングおよび石膏スラリーが、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、中間石膏層を形成することと、
中間石膏スラリー上に第３のカバーシート材料を適用することと、
石膏スラリーの硫酸カルシウム半水和物を硬化させて、層状のウォールボードを形成することと、を含む方法。

条項１９．接着剤のポリマーが、アクリル、スチレンアクリル、アクリルエステル、ビニルアクリル、塩化ビニルアクリル、スチレンアセテートアクリル、ブチルアクリル、エチルアクリル、エチレンポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるラテックスポリマーを含む、条項１８に記載の方法。

条項２０．接着剤のポリマーが、−１０℃〜約２０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）、好ましくは１０℃〜２０℃のガラス転移温度（Ｔｇ）を有するアクリルラテックスポリマーを含む、条項１８または１９に記載の方法。

条項２１．接着剤が、可塑剤をさらに含む、条項１８〜２０のいずれか一項に記載の方法。

条項２２．層状ウォールボードが、５０〜７０の音響透過クラスを有する、条項１８〜２１のいずれか一項に記載の方法。

条項２３．中間石膏スラリーが、発泡され、硬化して、３０〜９０体積パーセントの総空隙容量を有する中間石膏層を形成する、条項１８〜２２のいずれか一項に記載の方法。

条項２４．中間石膏スラリーが硬化して、３０体積パーセント未満の総空隙容量を有する中間石膏層を形成する、条項１８〜２２のいずれか一項に記載の方法。

条項２５．方法であって、
任意選択で、スキム層スラリーを第１のカバーシート材料に適用することであって、スキム層スラリーは、水および硫酸カルシウム半水和物を含む、適用することと、
石膏コアスラリーを、スキム層スラリーが存在しないときには第１のカバーシート材料に、または存在するときはスキム層スラリーに適用することであって、石膏コアスラリーは水および硫酸カルシウム半水和物を含む、適用することと、
石膏コアスラリーに第２のカバーシート材料を適用することであって、第２のカバーシート材料の第１の側面は、石膏コアスラリーの方を向いている、適用することと、
第２のカバーシート材料の第１の側面とは反対側にある第２のカバーシート材料の第２の側面上にポリマー接着剤コーティングを適用することであって、ポリマー接着剤は−１０℃〜約３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含む、適用することと、
中間石膏スラリーをポリマー接着剤コーティング上に適用することであって、中間石膏スラリーは水および硫酸カルシウム半水和物を含み、
ポリマー接着剤コーティングおよび第２の石膏スラリーは、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、適用することと、
中間石膏スラリー上に第３のカバーシート材料を適用することと、
スキム層スラリー、石膏コアスラリー、および中間石膏スラリーを硬化させて、層状ウォールボードを形成することであって、硬化石膏コアスラリーから生じる石膏コア層が０．２５〜１．５インチの厚さを有する、形成することと、を含む、方法。

条項２６．接着剤コーティングのポリマーが、アクリル、スチレンアクリル、アクリルエステル、ビニルアクリル、塩化ビニルアクリル、スチレンアセテートアクリル、ブチルアクリル、エチルアクリル、エチレンポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるラテックスポリマーを含む、条項２５に記載の方法。

条項２７．接着剤コーティングが、可塑剤をさらに含む、条項２５または２６に記載の方法。

条項２８．接着剤コーティングのポリマーが、−１０℃〜約２０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）、好ましくは１０℃〜２０℃のガラス転移温度（Ｔｇ）を有するアクリルラテックスポリマーを含む、条項２５、２６、または２７に記載の方法。

条項２９．層状ウォールボードが、５０〜７０の音響透過クラスを有する、条項２５〜２８の一項に記載の方法。

条項３０．中間石膏スラリーが、発泡し、硬化して、３０〜９０体積パーセントの総空隙容量を有する中間石膏層を形成する、条項２５〜２９の一項に記載の方法。

条項３１．中間石膏スラリーが、硬化して、３０体積パーセント未満の総空隙容量を有する中間石膏層を形成する、条項２５〜２９の一項に記載の方法。

条項３２．石膏コアスラリーが、発泡し、石膏コア層が、３０〜９０体積パーセントの総空隙容量を有する、条項２５〜３１の一項に記載の方法。

条項３３．石膏コア層が、３０体積パーセント未満の総空隙容量を有する、条項２５〜３１の一項に記載の方法。

条項３４．第２のカバーシート材料が、石膏コア層の側面全体を覆い、接着剤コーティングに面する第２のカバーシート材料全体が、接着剤コーティングでコーティングされる、条項２５〜３３の一項に記載の方法。

条項３５．中間石膏スラリーの全表面が、接着剤コーティングと接触しており、中間石膏スラリーの対向面全体が、第３のカバーシート材料と接触している、条項２５〜３４の一項に記載の方法。

条項３６．第１のカバーシート材料が、紙であり、第２のカバーシート材料が、紙であり、第３のカバーシート材料が、紙である、条項２５〜３５の一項に記載の方法。

条項３７．スキム層が、第１のスキム層であり、方法が、
石膏を含む第２のスキム層を、石膏コアスラリーに適用することであって、第１のスキム層および第２のスキム層が、石膏コアスラリーの対向する側面上にある、適用することと、
第２のカバーシート材料を、第２のスキム層に適用することと、を含む、条項２５〜３６の一項に記載の方法。

条項３８．第２のカバーシート材料が、石膏コアスラリーに直接適用される、条項２５〜３６の一項に記載の方法。

本発明は、上記の説明によって限定されるのではなく、本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定される。

Claims (10)

1. 層状ウォールボードであって、
   対向する前面および背面を有する石膏ボードであって、前記石膏ボードが、前記前面に第１のカバーシート材料、前記背面に第２のカバーシート材料、および石膏を含む石膏コア層を含み、前記石膏ボードが、０．２５インチ〜１．５インチの厚さを有する、石膏ボードと、
   前記石膏ボードの第２のカバーシート材料上の接着剤層であって、前記接着剤が、−１０℃〜３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含む、接着剤層と、
   前記接着剤層が、前記第２のカバーシート材料と前記中間石膏層との間にあるように前記接着剤層上に石膏を含む中間石膏層であって、前記接着剤層および前記中間石膏層が、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、中間石膏層と、
   第３のカバーシート材料であって、前記中間石膏層が、前記接着剤層と前記第３のカバーシート材料との間にあり、かつ前記接着剤層および前記第３のカバーシート材料と接触している、第３のカバーシート材料と、を含む、層状ウォールボード。
2. 前記接着剤層のポリマーが、アクリル、スチレンアクリル、アクリルエステル、ビニルアクリル、塩化ビニルアクリル、スチレンアセテートアクリル、ブチルアクリル、エチルアクリル、エチレンポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるラテックスポリマーを含む、請求項１に記載の層状ウォールボード。
3. 前記接着剤層が、アビエチン酸アルキルならびに植物樹脂およびポリビニルアルコールをさらに含む、請求項１のいずれかに記載の層状ウォールボード。
4. 前記石膏コア層および前記中間石膏層が、約７０重量％〜約９８重量％の硫酸カルシウム二水和物、約０．１重量％〜約２８重量％の添加剤、および約０．０１重量％〜約２重量％の分散剤を含む、請求項１に記載の層状ウォールボード。
5. 方法であって、
   対向する前面および背面を有する石膏ボードの背面上に０．０２インチ〜０．０６インチの厚さを有する接着剤コーティングを適用することであって、前記接着剤が、−１０℃〜約３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含み、前記石膏ボードが、前記前面に第１のカバーシート材料、前記背面に第２のカバーシート材料、および石膏を含む石膏コア層を含み、前記石膏ボードが、０．２５インチ〜１．５インチの厚さを有する、接着剤コーティングを適用することと、
   硫酸カルシウム半水和物を含む中間石膏スラリーを、前記接着剤コーティング上に適用して、中間石膏層を形成することであって、前記接着剤コーティングおよび前記石膏スラリーが、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、中間石膏層を形成することと、
   前記中間石膏スラリー上に第３のカバーシート材料を適用することと、
   前記石膏スラリーの前記硫酸カルシウム半水和物を硬化させて、層状のウォールボードを形成することと、を含む方法。
6. 前記接着剤の前記ポリマーが、アクリル、スチレンアクリル、アクリルエステル、ビニルアクリル、塩化ビニルアクリル、スチレンアセテートアクリル、ブチルアクリル、エチルアクリル、エチレンポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるラテックスポリマーを含む、請求項５に記載の方法。
7. 前記接着剤が、可塑剤をさらに含む、請求項５に記載の方法。
8. 方法であって、
   任意選択で、スキム層スラリーを、第１のカバーシート材料に適用することであって、前記スキム層スラリーが、水および硫酸カルシウム半水和物を含む、適用することと、
   石膏コアスラリーを、前記スキム層スラリーが存在しないときには前記第１のカバーシート材料に、または存在するときは前記スキム層スラリーに適用することであって、前記石膏コアスラリーが、水および硫酸カルシウム半水和物を含む、適用することと、
   前記石膏コアスラリーに第２のカバーシート材料を適用することであって、前記第２のカバーシート材料の第１の側面が、前記石膏コアスラリーの方を向いている、適用することと、
   前記第２のカバーシート材料の前記第１の側面とは反対側にある前記第２のカバーシート材料の第２の側面上にポリマー接着剤コーティングを適用することであって、前記ポリマー接着剤が、−１０℃〜約３０℃のガラス転移温度（Ｔ_ｇ）を有するポリマーを含む、適用することと、
   中間石膏スラリーを、前記ポリマー接着剤コーティング上に適用することであって、前記中間石膏スラリーが、水および硫酸カルシウム半水和物を含み、
   前記ポリマー接着剤コーティングおよび前記第２の石膏スラリーが、０．０９インチ〜０．２５インチの合計厚さを有する、適用することと、
   前記中間石膏スラリー上に第３のカバーシート材料を適用することと、
   前記スキム層スラリー、前記石膏コアスラリー、および前記中間石膏スラリーを硬化させて、層状ウォールボードを形成することであって、前記硬化石膏コアスラリーから生じる石膏コア層が、０．２５〜１．５インチの厚さを有する、形成することと、を含む、方法。
9. 前記接着剤コーティングの前記ポリマーが、アクリル、スチレンアクリル、アクリルエステル、ビニルアクリル、塩化ビニルアクリル、スチレンアセテートアクリル、ブチルアクリル、エチルアクリル、エチレンポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、スチレンブタジエン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるラテックスポリマーを含む、請求項５に記載の方法。
10. 前記接着剤コーティングが、可塑剤をさらに含む、請求項５に記載の方法。

Images