JP2021522840A - 改善された遺伝子送達特性を示すウイルスベクター - Google Patents

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Abstract

本明細書に記載される技術は、ウイルスカプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる突然変異を有するウイルスカプシドポリペプチドを提供する。様々な実施形態では、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓または血液への組織向性が変化される。所望の組織に対する向性を増加させるアミノ酸変化を組み込むことにより、ウイルスベクターの向性を改善し得るだけではなく、ウイルスベクターが所望の組織または細胞以外の組織または細胞に感染する効率を減少させることにより、所定の組織または細胞タイプへの核酸送達も改善され得る。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項下で、2018年5月15日に出願された米国仮出願第62/671,949号(この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
政府支援
本発明は、国立衛生研究所により認められたRM1 HG008525およびNHGRI CEGS CCVの下で政府支援を受けて行われた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
発明の技術分野
本発明は、改変された向性を有するウイルスベクターに関する。
発明の背景
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、遺伝子送達ベクターとして使用するための魅力的な薬剤である。その単純な構造はまた、それを遺伝子改善プログラムの魅力的な標的にする。それにもかかわらず、当技術分野では、AAVおよび他のウイルスベクターを使用するDNAの送達を改善する継続的な必要性が存在する。特に、当技術分野では、改変された組織または細胞向性を有するウイルスベクターの必要性が存在する。
発明の要旨
改変された向性を有するウイルスベクターが本明細書に記載される。このようなベクターは、このようなベクターで達成可能な組織ターゲティングの程度の改善を提供する。特に、野生型カプシドポリペプチドを有する粒子と比べてウイルス粒子の向性を改変するカプシドポリペプチド突然変異を有するウイルスベクターが記載される。ウイルスカプシドポリペプチドの系統的突然変異を通じて、突然変異されると、特定の組織または細胞タイプに対するウイルスの向性を増加または減少させる特定のアミノ酸残基およびアミノ酸領域が同定された。これは、導入された部位特異的突然変異に応じて、ウイルスベクターによる所定の組織もしくは細胞タイプのターゲティングを増加させるか、または逆に、ウイルスベクターによる所定の組織もしくは細胞タイプのターゲティングを減少させる能力をカプシドポリペプチドに提供する。実際、所望の組織に対する向性を増加させるアミノ酸変化を組み込むことにより、ウイルスベクターの向性を改善し得るだけではなく、ウイルスベクターが所望の組織または細胞以外の組織または細胞に感染する効率を減少させることにより、所定の組織または細胞タイプへの核酸送達も改善され得ることが本明細書で見出された。これらの効果の両方を達成する突然変異、および所望または標的組織または細胞タイプへの送達を改善するためのそれらの使用が本明細書に記載される。さらに、驚くべきことに、単一のウイルスカプシドポリペプチド内で、所望または標的組織または細胞タイプに対する向性を改善する突然変異を、望ましくない組織または細胞タイプに対する向性を減少させる突然変異と組み合わせ、それにより、ベクターのターゲティング効率をさらに改善し得ることが見出された。
本明細書に記載される技術の一態様は、ウイルスカプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号1(WT AAV2)と比べた突然変異を有し、前記突然変異が、表1〜7のいずれか1つにおける突然変異から選択されるウイルスカプシドポリペプチドを提供する。
任意の態様の一実施形態では、組織は、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓または血液である。
任意の態様の一実施形態では、組織への向性が増加される。任意の態様の一実施形態では、組織への向性が減少される。
本明細書に記載される技術の別の態様は、ウイルスカプシドポリペプチドであって、配列番号1のポリペプチドの突然変異に対応する突然変異を有し、前記突然変異が、配列番号1と比べた表1〜9における突然変異からなる群より選択されるウイルスカプシドポリペプチドを提供する。
本明細書に記載される技術のさらに別の態様は、ウイルスカプシドポリペプチドであって、配列番号2のアミノ酸配列に対応する領域を含み、配列番号2のアミノ酸配列に対応する前記領域が、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号2と比べた突然変異を含み、前記突然変異が、表10〜15のいずれか1つにおける突然変異から選択されるウイルスカプシドポリペプチドを提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、本明細書に記載されるウイルスカプシドポリペプチドのいずれかをコードする核酸を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、本明細書に記載されるウイルスカプシドポリペプチドのいずれかを含むウイルス粒子を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を細胞に送達する方法であって、前記細胞を、本明細書に記載されるウイルスカプシドポリペプチドのいずれかを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を血液細胞に送達する方法であって、血液細胞を、表1の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチド(polypetide)を含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を心臓細胞に送達する方法であって、心臓細胞を、表2の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を腎臓細胞に送達する方法であって、腎臓細胞を、表3の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を肝臓細胞に送達する方法であって、肝臓細胞を、表4の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を肺細胞に送達する方法であって、肺細胞を、表5の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を脾臓細胞に送達する方法であって、脾臓細胞を、表6の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
任意の態様の一実施形態では、送達は、野生型ウイルスカプシドポリペプチドと比較して少なくとも1.1倍を超えて効率的である。
本明細書に記載される技術の別の態様は、配列番号1のウイルスカプシドポリペプチドに対応するウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を減少させる方法であって、表7〜9(弱化の表)のいずれかに記載されている突然変異を導入することを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、腎臓、心臓または肺の細胞への核酸の送達を増加させる方法であって、腎臓、心臓または肺の細胞を、肝臓、血液または脾臓の細胞への核酸の送達を減少させる突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
任意の態様の一実施形態では、肝臓、血液または脾臓の細胞への核酸の送達を減少させる突然変異は、表7〜9のいずれかから選択される。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を肺細胞に送達する方法であって、肺細胞を、表5の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を心臓細胞に送達する方法であって、心臓細胞を、表2の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、核酸を腎臓細胞に送達する方法であって、腎臓細胞を、表3の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、AAV2カプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号1の440〜460、配列番号1の475〜505、配列番号1の518〜532および配列番号1の560〜590からなる群より選択されるアミノ酸の領域における突然変異を含むAAV2カプシドポリペプチドを提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、AAV2カプシドポリペプチドであって、腎臓へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIATTNPVATEQYGDVSENLMHFQN(配列番号3);DEEEIRQTNPVATEGYGEVSTNLMHGNK(配列番号4);DEEEIRTTNPVATEQYGIVnStTNLNEGNR(配列番号5);DEEEIRTTNPVATECYGSVSTDLQSGNL(配列番号6);DENEIRTTNPVATEIYGSVSTeNLQNnGdNR(配列番号7);DEEEIRTTNPVATEQYGSVSeTNpLvQNGdDR(配列番号8);DEEEIRTTNPVATEQYGDVSENLMHFQN(配列番号9)からなる群より選択される配列を有するAAV2カプシドポリペプチドを提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、AAV2カプシドポリペプチドであって、肝臓へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIRTTNPVATEQYGVVSDNLQRGNR(配列番号10);DECEIRTTNPVATEQYGSVGENLQRGNR(配列番号11);DEEEIRTTNPVATEQYGVVSENLQRGNR(配列番号12);DESEITTTNPVATEQYGWVSTNQQRGNR(配列番号13);HELEIATTNPVATEQYGSASTNIQRGNR(配列番号14);DEEEIATTNPVATEQYGGVSTNLQRGNR(配列番号15)からなる群より選択される配列を有するAAV2カプシドポリペプチドを提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、AAV2カプシドポリペプチドであって、肺へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIVTTNPVATEQYGNVSTNLQRGNR(配列番号16);DEDEISTTNPVATEQYGSCSTNLQRGNR(配列番号17);QEEEIRTTNPVATEQYGSVSTNLQRGDR(配列番号18);NEEEIRTTNPCATEVYGSVSTNLQRGNR(配列番号19);DEQEIVTTNPVATEVYGTVSTNLQRGNR(配列番号20)からなる群より選択される配列を有するAAV2カプシドポリペプチドを提供する。
本明細書に記載される技術の別の態様は、配列番号1のポリペプチドに対応するカプシドポリペプチドを含むウイルスの向性を変化させる方法であって、突然変異を、配列番号1のアミノ酸440〜460、配列番号1のアミノ酸475〜505、配列番号1のアミノ酸518〜532および配列番号1のアミノ酸560〜590からなる群より選択される少なくとも2つの領域に導入することを含む方法を提供する。
別の態様は、ウイルスカプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスのパッケージング効率を変化させる配列番号1(WT AAV2)と比べた突然変異を有し、前記突然変異が、表16における突然変異から選択されるウイルスカプシドポリペプチドを提供する。
定義
本明細書で使用される場合、「向性を変化させる」という用語は、ウイルスベクターが核酸を所定の組織または細胞タイプに送達する効率を変化させる突然変異または突然変異のセットを指す。ウイルスまたはウイルスベクターの向性は、一般に、標的細胞上の受容体または他の細胞表面決定因子と相互作用するその外面の構造により規定される。AAVベクターについては、とりわけ、ウイルスベクターの向性は、ウイルスカプシドポリペプチドにより主に決定され、本明細書に記載されるように、このようなベクターの向性は、ウイルスカプシドポリペプチドのアミノ酸配列を変化させることにより変化され得る。標的細胞または組織タイプへの核酸のウイルスベクター送達の効率を、参照ベクター(必ずしもそうではないが多くの場合には野生型ベクター)と比べて少なくとも10%変化させるアミノ酸変化は、変化した向性である。明確にするために、変化した向性は、少なくとも10%の増加/強化(1.1×)または少なくとも10%の減少/弱化(0.9×)であり得る。
本明細書で使用される場合、「向性を増加させる:または「増加した向性」」という用語は、参照ベクターと比べた、標的細胞または組織タイプへの核酸のウイルスベクター送達の効率の少なくとも0.1倍または10%の増加を指す。様々な実施形態では、標的細胞または組織への核酸のウイルスベクター送達の効率の増加は、参照ベクターと比べて少なくとも1.1倍(すなわち、10%超)、1.2倍(すなわち、20%超)、少なくとも1.5倍(すなわち、50%超)、少なくとも2.0倍(すなわち、2倍)、少なくとも5.0倍または少なくとも10.0倍超である。
本明細書で使用される場合、「向性を減少させる」または「減少した向性」という用語は、参照ベクターと比べた、標的細胞または組織タイプへの核酸のウイルスベクター送達の効率の少なくとも10%の減少を指す。様々な実施形態では、標的細胞または組織への核酸のウイルスベクター送達の効率は、参照ベクターと比べて多くとも0.9倍(参照よりも10%低いかまたはその90%)、多くとも0.8倍(参照よりも20%低いかまたはその80%)、多くとも0.7倍(参照よりも30%低いかまたはその70%)、多くとも0.5倍(参照よりも50%低いかまたはその50%)、多くとも0.3倍(参照よりも70%低いかまたはその30%)、多くとも0.2倍(参照よりも80%低いかまたはその20%)、多くとも0.1倍(参照よりも90%低いかまたはその10%)またはそれよりも低い。
本明細書で使用される場合、「対応する」という用語は、アミノ酸またはポリヌクレオチド配列に関して使用される場合、あるポリペプチドまたはポリヌクレオチド分子における所定のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列が、別のポリペプチドまたはポリヌクレオチド分子における類似の位置のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列と比べて類似の構造特性、機能特性またはその両方を有することを意味する。異なる種における所定のポリペプチドの相同体は、異なる種由来の相同ポリペプチドの領域またはドメインがそうであるように、互いに「対応する」。同様に、限定されないが、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを含むウイルスベクターの異なる血清型のカプシドポリペプチドは、例えばそれらのアミノ酸配列のアラインメントにより定義されるこのようなポリペプチドの領域がそうであるように、互いに「対応する」。他のアライメントパラメータを使用してこのような領域を定義し得るが、誤解を避けるために、アライメントは、2018年3月28日に発表されたバージョンBLAST+2.8.0のデフォルトパラメータを使用するBLAST(登録商標)(Basic Local Alignment Search Tool)を使用して実施され得る。
図1は、検索したすべてのパス番号と、野生型からのその距離(例えば、野生型と比べた突然変異の数)とを対比したヒートマップを示す。有益な突然変異、中立的な突然変異および有害な突然変異が示されている。ほとんどの突然変異は有害である。
図2は、検索したパス番号の一部と、野生型からのその距離(例えば、野生型と比べた突然変異の数)とを対比したヒートマップを示す。有益な突然変異、中立的な突然変異および有害な突然変異が示されている。ヒートマップは、パスが長いほど早く死亡することを強調している。
図3は、第1の突然変異の適応度と、適応度が野生型未満に低下した距離(例えば、ウイルスがもはや生存不能である場合)とを対比してプロットしたチャートを示す。x軸では、0.0は、中立的な突然変異(例えば、ウイルスの適応度を変化させない突然変異)を示し、正の値は、有益な突然変異(例えば、ウイルスの適応度を増加させる突然変異)を示し、負の値は、有害な突然変異(例えば、ウイルスの適応度を減少させる突然変異)を示す。y軸の値は、野生型と比べた突然変異の数を示す。
図4は、どの突然変異率で突然変異ライブラリーが失敗するかを示すパス割合の折れ線グラフである。ランダム突然変異は、野生型と比べて1つの突然変異で急激な減少をもたらすのに対して、ファースト(例えば、ディープサーチ突然変異)突然変異は、最大6つの突然変異を許容し得る。ディープサーチ突然変異は、野生型と比べて6突然変異を超えるかまたはそれに等しい距離でランダムサーチよりも40倍を超えて効率的である。
図5は、AAV2ウイルスカプシドポリペプチドに導入されたアミノ酸挿入であって、ウイルスパッケージングに有益、中立的または有害なアミノ酸挿入のヒートマップを示す。
図6は、AAV2ウイルスカプシドポリペプチドに導入されたアミノ酸置換であって、ウイルスパッケージングに有益、中立的または有害なアミノ酸置換のヒートマップを示す。
発明の詳細な説明
改変された向性を有するウイルスベクターが本明細書に記載される。このようなベクターは、このようなベクターで達成可能な組織ターゲティングの程度の改善を提供する。特に、野生型カプシドポリペプチドを有する粒子と比べてウイルス粒子の向性を改変するカプシドポリペプチド突然変異を有するウイルスベクターが記載される。ウイルスカプシドポリペプチドの系統的突然変異を通じて、突然変異されると、特定の組織または細胞タイプに対するウイルスの向性を増加または減少させる特定のアミノ酸残基およびアミノ酸領域が同定された。これは、導入された部位特異的突然変異に応じて、ウイルスベクターによる所定の組織もしくは細胞タイプのターゲティングを増加させるか、または逆に、ウイルスベクターによる所定の組織もしくは細胞タイプのターゲティングを減少させる能力をカプシドポリペプチドに提供する。実際、所望の組織に対する向性を増加させるアミノ酸変化を組み込むことにより、ウイルスベクターの向性を改善し得るだけではなく、ウイルスベクターが所望の組織または細胞以外の組織または細胞に感染する効率を減少させることにより、所定の組織または細胞タイプへの核酸送達も改善され得ることが本明細書で見出された。これらの効果の両方を達成する突然変異、および所望または標的組織または細胞タイプへの送達を改善するためのそれらの使用が本明細書に記載される。さらに、驚くべきことに、単一のウイルスカプシドポリペプチド内で、所望または標的組織または細胞タイプに対する向性を改善する突然変異を、望ましくない組織または細胞タイプの向性を減少させる突然変異と組み合わせ、それにより、ベクターのターゲティング効率をさらに改善し得ることが見出された。
ウイルスは、典型的には、天然宿主における特定のタイプの細胞または組織に対して向性である。増加または減少したこの向性の変化は、天然宿主細胞もしくは組織における選択、または非天然宿主細胞もしくは組織における選択により決定され得る。実際、以下の組織:血液、脳、心臓、腎臓、肝臓、肺および脾臓について、増加した感染性を選択するために実験を実施した。これらの組織の感染性を増加させた置換、欠失または挿入突然変異が見出された。また、これらの決定を、ビリオンにパッケージングされる突然変異体プラスミドの能力と組み合わせた。
以下に詳述されるように、特定の突然変異を同定し、ウイルスDNAパッケージングおよび特定の組織のウイルス感染性に対する効果について評価した。これらの特定の突然変異は、カプシドタンパク質中にある。突然変異体カプシドタンパク質およびそれらをコードする核酸を含む単離および精製された組成物は、さらなるウイルスの改善、ウイルスの調製および製造、ならびに安全性および有効性研究に使用され得る。突然変異体タンパク質配列が有益であると同定されたら、このようなタンパク質配列を特定する任意の1つまたは複数の核酸コドンが使用され得る。突然変異は、改善された特性のために、単一のウイルス核酸または単一のウイルスタンパク質配列中で一緒に組み合わされ得る。以下は、ウイルスカプシドポリペプチドへの突然変異であって、ウイルスゲノムパッケージングを可能にするが、所定の組織または細胞タイプと比べて、突然変異を組み合わせた場合にウイルスベクターの向性を正に、負にまたはその両方で改変する突然変異について記載する。突然変異ウイルスカプシドポリペプチドおよびそれらを含むウイルスベクターを使用して、核酸を所望の組織または細胞タイプに、それらの組織または細胞タイプに対する改善された選択性で導入する方法も記載される。以下は、改善された特性を有するウイルスベクターを生成するためにそれらを使用するための様々な突然変異および検討事項の説明を提供する。
変異体およびウイルス粒子の生成
AAVカプシド変異体のDNAライブラリーを作成した。最初に、単一の突然変異を有する各突然変異体カプシドを生成した。AAV2のすべての可能な単一のアミノ酸置換、挿入および欠失を生成した。その後の工程では、いくつかの突然変異をカプシド遺伝子内で組み合わせた。AAV2カプシド遺伝子配列変異体のライブラリーを、AAV逆方向末端反復領域(ITR)を含有するプラスミドにクローニングした。最終的なITRプラスミドは、Cap遺伝子の上流にサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを含有していた。
DNAライブラリーからAAVウイルスライブラリーを作成した。カプシドライブラリープラスミド、AAV pHelperプラスミド、およびAAV2 Rep遺伝子を含有するプラスミドを、PEIを使用してHEK−293細胞にコトランスフェクトした。標準的な細胞溶解技術(凍結融解または5M NaClの添加)、非パッケージングゲノムを除去するためのベンゾナーゼ処理、ならびにイオジキサノール超遠心分離による精製および濃縮を使用して、カプシドを精製した。
ウイルスカプシド変異体のインビボパッケージング能力を測定した。インプットウイルスゲノム(「プラスミド」)の数と比較した、パッケージングされたウイルス(「ウイルス」)の数を決定した。選択の前後におけるカプシド(または他のライブラリー構成要素)変異体の頻度の測定は、特定の選択方法に基づいて、どの突然変異が有益であり、どれが有害であるかを明らかにする。
ウイルス向性の評価
ウイルス向性を調査するために、ウイルスライブラリーをマウスに静脈内注射した。注射の1時間後に血液を収集し、注射の1〜2週間後に組織サンプルを収集した。標準的な技術を使用して、バルクの生物学的サンプルからウイルスDNAを抽出した。
生物学的サンプル、ウイルスライブラリーおよびDNAライブラリーにおけるカプシド変異体の頻度を、ハイスループットDNAシークエンシングを使用して測定した。各変異体にマッチするリードの数を、各サンプル内のAAV2 WT配列にマッチするリードの数で割ることにより、突然変異体の頻度を正規化した。
特定のサンプル内の強化または弱化を示す選択値は、初期ライブラリーと比較して計算される。1を超える選択値は、WTと比べた強化を示す。1未満の選択値は、WTと比べた弱化を示す。
パッケージング選択では、ウイルスライブラリーにおける頻度を、参照としてのDNAライブラリーにおけるものと比較した。強化は、突然変異体がWTよりも効率的にパッケージングされたことを意味する。
組織選択では、組織サンプルにおける頻度を、参照としてのウイルスライブラリーにおけるものと比較した。強化は、突然変異体がWTよりも効率的に特定の組織に送達されたことを意味する。弱化は、突然変異体がWTよりも低い効率で特定の組織に送達されたことを意味する。
ウイルスカプシドポリペプチド
ウイルス向性は、ウイルスを動員して成長を支援する宿主中の細胞または組織タイプを指す。細胞表面受容体および/またはリガンドの発現、転写因子の発現、ならびにトロポゲン(例えば、細胞表面糖タンパク質)の発現を含む様々な要因がウイルス向性に影響を与える。本発明の一態様は、ウイルスカプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる野生型アデノ随伴ウイルス2(AAV2、例えば配列番号1)と比べた突然変異を有し、前記突然変異が、表1〜9のいずれか1つにおける突然変異から選択されるウイルスカプシドポリペプチドを提供する。一実施形態では、組織は、血液、心臓、腎臓、肝臓、肺または脾臓である。
一実施形態では、向性が増加され、例えば、突然変異ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスは、野生型ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスと比較して効率的に核酸を標的細胞タイプに送達する。一実施形態では、向性は、野生型ウイルスカプシドポリペプチドと比較して少なくとも1.1倍(例えば、参照レベルよりも10%を超えてまたはレベル参照レベルの110%)効率的である。一実施形態では、核酸の送達は、野生型ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスと比較して少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍またはそれを超えて効率的である。当技術分野における通常の技術の1つは、例えば、単離された標的細胞または組織タイプ(例えば、血液、心臓、腎臓、肝臓、肺または脾臓)に対してPCRビーズアッセイを使用して、核酸がその標的細胞で発現されるかを評価して、本明細書に記載されるウイルスカプシドポリペプチドのいずれかを含むウイルス粒子の送達効率を測定し得る。本明細書に記載されるウイルスカプシドポリペプチドまたは野生型ウイルスカプシドポリタンパク質のいずれかを含むウイルス粒子により送達される核酸の発現を比較して、送達の効率の尺度としての発現の変化を決定し得る。
一実施形態では、向性が減少され、例えば、突然変異ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスは、野生型ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスと比較して低い効率で核酸を標的細胞タイプに送達する。一実施形態では、向性は、少なくとも10%減少される。他の実施形態では、向性は、野生型ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスと比較して少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも99%またはそれを超えて減少される。向性を測定するための方法は、上記で本明細書に記載される。
以下は、所定の組織または細胞タイプ、例えば血液、心臓、腎臓、肝臓、肺または脾臓に対するウイルス(例えば、AAV2)の向性を増加させる単一のアミノ酸カプシド変化について記載する。一実施形態では、組織または細胞タイプ向性またはウイルスを増加または減少させるために、本明細書に記載される単一の突然変異は、野生型AAV2カプシドタンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号1)に導入される。
配列番号1は、野生型AAV2カプシドタンパク質をコードするアミノ酸配列である。
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本明細書で使用される場合、「突然変異」は、アミノ酸配列における任意の変化、例えば少なくとも1つのアミノ酸の置換、挿入または欠失を指す。本明細書に記載される突然変異について、特定の位置における置換は、野生型アミノ酸、それに続いて置換アミノ酸の位置、それに続いて括弧内にある置換アミノ酸の正体により示され、例えば、Q101(A)は、グルタミンが位置101でアラニンで置換されることを意味する。複数のアミノ酸が特定の位置で置換され得る場合、括弧は、すべての可能な単一置換を列挙し、例えば、P31(IKRT)は、位置31のプロリンがイソロイシン、リジン、アルギニンまたはトレオニンのいずれか1つで置換されることを意味する。挿入を示すために、アミノ酸位置は、小数、それに続いてアミノ酸を含有する;小数に続くアミノ酸は、示されている位置の後に挿入され、例えば、28.5(AGVY)は、アラニン、グリシン、バリンまたはチロシンのいずれか1つがアミノ酸28の直後およびアミノ酸29の直前に挿入されることを意味する。アミノ酸の欠失「(−)」は、アミノ酸位置の後にあり、例えば、A35(−)は、アミノ酸35(アラニン)が配列から欠失されることを意味する。
以下は、配列番号1のAAV2カプシドポリペプチドへの突然変異であって、示されている組織の細胞について、示されている程度に変化した向性を提供する突然変異を提供する。
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上記は、許容され、ウイルス向性に正または負の影響を与える広範囲の個々のアミノ酸突然変異について記載する。これらの様々な突然変異の組み合わせを行って、ウイルス向性または他の特性をさらに変化させ得ることが本明細書で具体的に企図される。一実施形態では、例えば、本明細書に記載される単一アミノ酸突然変異の少なくとも2つが組み合わせで導入される。例えば、肝臓に対する向性に影響を与える2つの突然変異が組み合わされ得る。得られるウイルスはまた、肝臓に対する増加した向性を有すると予想される。さらなる実施形態では、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個またはそれを超える本明細書に記載される突然変異が組み合わせで導入される。本発明者らは、広範囲の突然変異が許容されることを本明細書で実証したが、しかしながら、アミノ酸の40%以下は、参照配列(例えば、配列番号1)と比べて変化するべきである。特定の実施形態では、アミノ酸の35%以下、30%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ未満が、参照配列(例えば、配列番号1)と比べて変化される。
他の相同ウイルスにおける同等の位置にある突然変異が作成され、ウイルスパッケージングおよびウイルス感染性を改善するために使用され得る。他の相同ウイルスの例としては、AAV血清型1および3〜12のいずれかならびに他の天然分離株または合成配列が挙げられる。相同ウイルスにおける対応する位置は、AAV2との配列相同性から推測され得る。一実施形態では、本明細書に記載される突然変異は、AAV1、AAV3、AAV3B、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12およびAAV13カプシドポリペプチドの対応するアミノ酸配列に導入される。
部位特異的突然変異誘発は当技術分野で公知であり、点突然変異(例えば、アミノ酸置換、挿入または欠失)または他の突然変異またはそれらの組み合わせをウイルスカプシドポリペプチドに導入するために使用され得る。部位特異的突然変異誘発は、例えば、Li Bら、Hum Gene Ther Methods.2015 Dec:26(6):211−20およびBachman,J.Methods Enzymol.2013;529:241−248(これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)にさらに記載されている。
突然変異の組み合わせは、特定のベクターターゲティング目標を達成するために使用され得る。例えば、第1の組織における改善された核酸送達と、1つまたはそれを超える第2の組織における減少した核酸送達とを有するウイルスを使用することが望ましい場合がある。このようなウイルスは、単一の突然変異または複数の突然変異により達成されるかにかかわらず、増加した組織特異性を有し得る。
AAV2カプシドタンパク質の突然変異可能なサブ領域
AAV2カプシドタンパク質の特定の領域は、他のものよりもアミノ酸変化、例えば欠失、挿入または置換をよく許容し、このような変化を許容する特定の領域への変化は、ウイルスベクター向性に対する顕著な影響を有することが本明細書で見出された。本明細書の表に示されているように、アミノ酸440〜600の配列番号1のAAV2カプシドポリペプチドの領域は、様々な変化の耐性があり、ウイルス向性に対して非常に影響力があり、特定の突然変異は、特定の組織または細胞タイプに向かうかまたはそれから離れる向性に影響を与えると本明細書で同定されている。この領域内では、アミノ酸440〜460、475〜505、518〜532および560〜590を含むサブ領域は、例えば、本明細書で提供されるヒートマップにおいて、ウイルス向性の変化に特に重要であることが認められ、これらのサブ領域の1つであるアミノ酸561〜588は、広範な突然変異を許容することが本明細書で示されている。向性に重要であることが単一アミノ酸突然変異研究で見出されたこの領域を、突然変異の組み合わせの効果の初期研究のために選択した。配列番号3〜20に示されているように、この領域内における2〜少なくとも8つの異なる単一アミノ酸突然変異の組み合わせは十分に許容され、さらに向性に影響を与えたことが見出された。
配列番号2は、配列番号1のアミノ酸440〜600のアミノ酸領域をコードするアミノ酸配列である。
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興味深いことに、突然変異の組み合わせを調べたところ、例えば向性の変化に有益であると同定された単一突然変異を導入すると、得られるポリペプチドは、さらなる突然変異を許容して、有益であることが見出された他の単一アミノ酸変化を含む傾向があることが見出された。これは、例えば、第1の突然変異の適応度と、ウイルスがもはや生存不能になる前に許容される野生型から離れた突然変異の数とを対比して示す図3に示されている。x軸では、第1の突然変異の適応度がある(すなわち、単一突然変異が中立的、有害または有益であるか)。y軸では、ウイルスがもはや生存不能になる前に許容される突然変異の数がある。この図は、ウイルスが有益な第1の突然変異を有する場合、それは、中立的または有害な第1の突然変異を有するウイルスと比較して有意に多くの突然変異を許容することを示す。したがって、ウイルス適応度を妨げない突然変異の組み合わせは十分に許容されると予想される。
アミノ酸変化を許容する可能性が高いウイルスカプシドポリペプチド内のサブ領域(例えば、全長ポリペプチド内の領域)が本明細書でさらに同定されている。本明細書の一態様は、AAV2カプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号1の440〜460、配列番号1の475〜505、配列番号1の518〜532および配列番号1の560〜590からなる群より選択されるアミノ酸のサブ領域における突然変異を含むAAV2カプシドポリペプチドである。さらなる実施形態では、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個またはそれを超える本明細書に記載される突然変異が組み合わせでサブ領域に導入される。広範囲の突然変異が許容されるが、サブ領域内のアミノ酸の40%以下は、参照配列(例えば、配列番号1)と比べて変化するべきである。特定の実施形態では、サブ領域内のアミノ酸の35%以下、30%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ未満は、参照配列(例えば、配列番号1)と比べて変化される。
一実施形態では、本明細書に記載される突然変異は、ウイルスカプシドポリペプチドの特定のサブ領域に導入された場合に、ウイルス向性をより効率的に増加させる。一実施形態では、送達は、野生型ウイルスカプシドポリペプチドと比較して少なくとも1.1倍を超えて効率的である。別の実施形態では、核酸の送達は、野生型配列番号1カプシドポリペプチドを含むウイルスと比較して少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍またはそれを超えて効率的である。
技術の一態様は、ウイルスの向性を変化させる方法であって、配列番号1のアミノ酸440〜460、配列番号1のアミノ酸475〜505、配列番号1のアミノ酸518〜532および配列番号1のアミノ酸560〜590からなる群より選択される少なくとも2つの領域に突然変異を導入するように、配列番号1のポリペプチドに対応するカプシドポリペプチドを改変することを含む方法である。
一態様は、AAV2カプシドポリペプチドであって、腎臓へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIATTNPVATEQYGDVSENLMHFQN(配列番号3);DEEEIRQTNPVATEGYGEVSTNLMHGNK(配列番号4);DEEEIRTTNPVATEQYGIVnStTNLNEGNR(配列番号5);DEEEIRTTNPVATECYGSVSTDLQSGNL(配列番号6);DENEIRTTNPVATEIYGSVSTeNLQNnGdNR(配列番号7);DEEEIRTTNPVATEQYGSVSeTNpLvQNGdDR(配列番号8);DEEEIRTTNPVATEQYGDVSENLMHFQN(配列番号9)からなる群より選択される配列を有するAAV2カプシドポリペプチドである。
AAV2カプシドポリペプチドであって、肝臓へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIRTTNPVATEQYGVVSDNLQRGNR(配列番号10);DECEIRTTNPVATEQYGSVGENLQRGNR(配列番号11);DEEEIRTTNPVATEQYGVVSENLQRGNR(配列番号12);DESEITTTNPVATEQYGWVSTNQQRGNR(配列番号13);HELEIATTNPVATEQYGSASTNIQRGNR(配列番号14);DEEEIATTNPVATEQYGGVSTNLQRGNR(配列番号15)からなる群より選択される配列を有する、AAV2カプシドポリペプチド。
AAV2カプシドポリペプチドであって、肺へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIVTTNPVATEQYGNVSTNLQRGNR(配列番号16);DEDEISTTNPVATEQYGSCSTNLQRGNR(配列番号17);QEEEIRTTNPVATEQYGSVSTNLQRGDR(配列番号18);NEEEIRTTNPCATEVYGSVSTNLQRGNR(配列番号19);DEQEIVTTNPVATEVYGTVSTNLQRGNR(配列番号20)からなる群より選択される配列を有する、AAV2カプシドポリペプチド。
本明細書に記載される技術の一態様は、本明細書に記載されるウイルスカプシドポリペプチドのいずれかをコードする核酸である。
本明細書に記載される技術の別の態様は、本明細書に記載されるウイルスカプシドポリペプチドのいずれかを含むウイルス粒子である。
対応する突然変異
例えば、相同ウイルスカプシドポリペプチドにおける対応する位置の突然変異は、ウイルス向性に対する同様の効果を有すると予想される。対応する位置は、例えば、全長カプシドポリペプチド(例えば、配列番号1)に対する位置、またはさらに言えば全長カプシドポリペプチドのサブドメインもしくはサブ領域(例えば、配列番号2)に対する位置を含み得る。一態様では、ウイルスカプシドポリペプチドであって、本明細書に記載される配列番号1のポリペプチドの突然変異に対応する突然変異、または配列番号1と比べた表1〜9における突然変異からなる群より選択される突然変異を有するウイルスカプシドポリペプチドが本明細書で提供される。一実施形態では、相同ウイルスカプシドポリペプチドは、野生型AAV2カプシドタンパク質(例えば、配列番号1)と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれを超える配列同一性を有する。別の実施形態では、AAV血清型1および3〜13のウイルスカプシドポリペプチド(viral capid polypeptides)は、AVV2カプシドポリペプチドと相同である。
本明細書に記載される一態様は、ウイルスカプシドポリペプチドであって、配列番号2のアミノ酸配列に対応する領域を含み、配列番号2のアミノ酸配列に対応する前記領域が、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号2と比べた突然変異を含み、前記突然変異が、表10〜15のいずれか1つにおける突然変異から選択されるウイルスカプシドポリペプチドである。一実施形態では、相同ウイルスカプシドポリペプチドは、配列番号2と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれを超える配列同一性を有する。
本明細書の他の箇所に記載されているように、一般に変化を許容する(すなわち、ウイルス粒子によるパッケージングおよび感染を可能する)配列番号1のAAV2カプシドポリペプチドにおけるアミノ酸配列のアミノ酸部位または領域、ならびに向性および/またはパッケージングに正または負の影響を与える領域の同定は、他のAAV血清型のカプシドポリペプチドの変化を誘導して、機能に同様の影響を与えるかまたは改変特性を提供するために使用され得る。したがって、配列アラインメントの使用により、配列番号1のAAV2カプシドポリペプチドの向性および/またはパッケージングの所望の変化を提供する突然変異または突然変異のセットを、別のAAV血清型のカプシドポリペプチドの対応する位置に導入して、その血清型におけるそれらの特性に同様の影響を与え得る。ほんの一例として、配列番号1のAAV2カプシドポリペプチドのアミノ酸440〜600の領域はウイルス向性の決定に重要であり、実際、向性に強い影響を与えるその領域内のサブ領域、例えばアミノ酸561〜588があることが本明細書で決定された。AAV2カプシドポリペプチドのこのアミノ酸440〜600領域またはアミノ酸561〜588サブ領域において本明細書で同定された変化を、別のAAV血清型カプシドポリペプチドの対応する領域またはサブ領域に導入すると、同様の方法でそのAAV血清型の向性に影響を与えるであろう。
ウイルスパッケージング
本明細書に記載される技術の一実施形態は、配列番号1の34〜38、配列番号1の133〜152、配列番号1の188〜194および配列番号1の654〜662からなる群より選択されるアミノ酸の領域に少なくとも1つの突然変異を含むようにAAV2カプシドポリペプチドを改変することにより、ウイルスパッケージングを増加させる方法に関する。
本明細書に記載される技術の一実施形態は、配列番号1の442〜452、配列番号1の489〜506、配列番号1の541〜551および配列番号1の577〜596からなる群より選択されるアミノ酸の領域において任意の非正アミノ酸挿入、置換または欠失を含むAAV2カプシドポリペプチドの改変により、ウイルスパッケージング効率を増加させる方法に関する。別の実施形態では、パッケージング効率は、配列番号1の442〜452、配列番号1の489〜506、配列番号1の541〜551および配列番号1の577〜596からなる群より選択されるアミノ酸の領域において複数のアミノ酸を任意の非正アミノ酸挿入、置換または欠失に突然変異させることにより増加される。
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一実施形態では、本明細書に記載されるウイルス向性を変化させるウイルスカプシドポリペプチドにおける突然変異は、ウイルスパッケージングを増加させる1つまたは複数の突然変異(例えば、表16の任意の突然変異)と組み合わされる。
別の実施形態では、本明細書に記載されるウイルス向性を変化させるウイルスカプシドポリペプチドにおける突然変異は、ウイルスパッケージングを増加させる配列番号1の34〜38、配列番号1の133〜152、配列番号1の188〜194および配列番号1の654〜662からなる群より選択されるアミノ酸の領域における突然変異と組み合わされる。
さらに別の実施形態では、本明細書に記載されるウイルス向性を変化させるウイルスカプシドポリペプチドにおける突然変異は、ウイルスパッケージングを増加させる配列番号1の442〜452、配列番号1の489〜506、配列番号1の541〜551および配列番号1の577〜596からなる群より選択されるアミノ酸の領域における任意の非正アミノ酸挿入、置換または欠失と組み合わされる。
任意の領域は、変化を許容するパッケージングヒートマップであり、例えば、中性なまたは正の領域は、さらなる機能的ペプチド配列、例えばエプチトープ、タグ、リガンドまたは必ずしもウイルスのパッケージングを中断しない他の構造配列の挿入を潜在的に許容し得る。
核酸を送達するための方法
核酸を細胞に送達する方法であって、細胞を、本明細書に記載されるウイルスカプシドポリペプチドのいずれかを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法が本明細書で提供される。一実施形態では、接触はインビトロで起こる。一実施形態では、接触はエクスビボで起こる。別の実施形態では、接触は、例えば、局所投与または全身投与を介してインビボで起こる。
一実施形態では、核酸の送達は、野生型ウイルスカプシドポリペプチドと比較して少なくとも1.1倍またはそれを超えて効率的である。一実施形態では、核酸の送達は、野生型ウイルスカプシドポリペプチドと比較して少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍またはそれを超えて効率的である。向性を測定するための方法が上記で本明細書に記載される。
一態様では、核酸は、血液細胞を、表1の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることにより血液細胞に送達される。細胞は、任意のタイプの血液細胞であり得る。例示的な血液細胞としては、限定されないが、赤血球、血小板、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球または単球が挙げられる。
一態様では、核酸は、心臓細胞を、表2の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることにより心臓細胞に送達される。例示的な心臓細胞としては、限定されないが、心筋細胞、心内膜細胞または心臓平滑筋細胞が挙げられる。
一態様では、核酸は、腎臓細胞を、表3の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることにより腎臓細胞に送達される。例示的な腎臓細胞としては、限定されないが、腎臓糸球体壁細胞、腎臓糸球体有足細胞、腎臓近位尿細管刷子縁細胞、ヘンレ係蹄薄片細胞、肥厚上行肢細胞、腎臓遠位尿細管細胞、集合管主細胞、集合管介在細胞および間質腎臓細胞が挙げられる。
一態様では、核酸は、肝臓細胞を、表4の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることにより肝臓細胞に送達される。例示的な肝臓細胞としては、限定されないが、実質細胞、非実質細胞、類洞内皮細胞、食作用性クッパー細胞、肝星状細胞および肝内リンパ球が挙げられる。
一態様では、核酸は、肺細胞を、表5の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることにより肺細胞に送達される。例示的な肺細胞としては、限定されないが、気管支、肺上皮細胞、肺平滑筋細胞および肺胞が挙げられる。
一態様では、核酸は、脾臓細胞を、表6の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることにより脾臓細胞に送達される。例示的な脾臓細胞としては、限定されないが、脾臓内皮細胞および脾臓線維芽細胞が挙げられる。
ウイルスの向性を減少させる方法
本明細書に記載される技術の一態様は、ウイルスの組織向性を減少させるための方法であって、表7〜9のいずれかに記載されている突然変異を導入することにより、配列番号1のウイルスカプシドポリペプチドに対応するウイルスカプシドポリペプチドを改変することを含む方法である。一実施形態では、肝臓、脾臓または血液に対するウイルス向性が減少される。
一実施形態では、ウイルス向性を減少させるための方法は、向性を減少させる組織以外の組織に対する向性を増加させる本明細書に記載される任意の突然変異またはそれらの組み合わせをさらに含む。例えば、肝臓に対する向性を減少させる突然変異を有するウイルスカプシドポリペプチドは、腎臓に対する向性を増加させる突然変異と組み合わされる。この例では、この突然変異の組み合わせは、腎臓に対する向性の増加をもたらすことが企図される。
さらに、一態様は、腎臓、心臓または肺の細胞への核酸の送達を増加させる方法であって、腎臓、心臓または肺の細胞を、肝臓、血液または脾臓の細胞への核酸の送達を減少させる突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。一実施形態では、肝臓、血液または脾臓の細胞への核酸の送達を減少させる突然変異は、表7〜9のいずれかから選択される。一実施形態では、接触は、例えば、局所投与または全身投与を介してインビボで実施される。
別の態様は、核酸を肺細胞に送達する方法であって、肺細胞を、表5の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。一実施形態では、接触は、例えば、局所投与または全身投与を介してインビボで実施される。
別の態様は、核酸を心臓細胞に送達する方法であって、心臓細胞を、表2の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。一実施形態では、接触は、例えば、局所投与または全身投与を介してインビボで実施される。
さらに別の態様は、核酸を腎臓細胞に送達する方法であって、腎臓細胞を、表3の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む方法を提供する。一実施形態では、接触は、例えば、局所投与または全身投与を介してインビボで実施される。
上記開示は、一般に、本発明を説明する。本明細書に開示されるすべての参考文献は、参照により明示的に組み込まれる。より完全な理解は、例示のみの目的で本明細書で提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない以下の特定の例を参照することにより得ることができる。
本明細書に記載される技術のいくつかの実施形態は、以下の番号の段落のいずれかにしたがって定義され得る:。
1.ウイルスカプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号1(WT AAV2)と比べた突然変異を有し、前記突然変異が、表1〜9のいずれか1つにおける突然変異から選択される、ウイルスカプシドポリペプチド。
2.前記組織が、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓または血液である、段落1に記載のウイルスカプシドポリペプチド。
3.前記組織への前記向性が増加される、前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチド。
4.前記組織への前記向性が減少される、前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチド。
5.前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドをコードする、核酸。
6.前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドを含む、ウイルス粒子。
7.ウイルスカプシドポリペプチドであって、配列番号1のポリペプチドの突然変異に対応する突然変異を有し、前記突然変異が、配列番号1と比べた表1〜9における突然変異からなる群より選択される、ウイルスカプシドポリペプチド。
8.ウイルスカプシドポリペプチドであって、配列番号2のアミノ酸配列に対応する領域を含み、配列番号2のアミノ酸配列に対応する前記領域が、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号2と比べた突然変異を含み、前記突然変異が、表10〜15のいずれか1つにおける突然変異から選択される、ウイルスカプシドポリペプチド。
9.前記組織が、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓または血液である、前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチド。
10.前記組織への前記向性が増加される、前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチド。
11.前記組織への前記向性が減少される、前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチド。
12.前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドをコードする、核酸。
13.前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドを含む、ウイルス粒子。
14.核酸を細胞に送達する方法であって、前記細胞を、前述の段落のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
15.核酸を血液細胞に送達する方法であって、血液細胞を、表1の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
16.核酸を心臓細胞に送達する方法であって、心臓細胞を、表2の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
17.核酸を腎臓細胞に送達する方法であって、腎臓細胞を、表3の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
18.核酸を肝臓細胞に送達する方法であって、肝臓細胞を、表4の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
19.核酸を肺細胞に送達する方法であって、肺細胞を、表5の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
20.核酸を脾臓細胞に送達する方法であって、脾臓細胞を、表6の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
21.前記送達が、野生型ウイルスカプシドポリペプチドと比較して少なくとも1.1倍を超えて効率的である、前述の段落のいずれかに記載の方法。
22.配列番号1のウイルスカプシドポリペプチドに対応するウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を減少させる方法であって、表7〜9のいずれかに記載されている突然変異を導入することを含む、方法。
23.腎臓、心臓または肺の細胞への核酸の送達を増加させる方法であって、腎臓、心臓または肺の細胞を、肝臓、血液または脾臓の細胞への核酸の送達を減少させる突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
24.肝臓、血液または脾臓の細胞への核酸の送達を減少させる前記突然変異が、表7〜9のいずれかから選択される、段落23に記載の方法。
25.核酸を肺細胞に送達する方法であって、肺細胞を、表5の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
26.核酸を心臓細胞に送達する方法であって、心臓細胞を、表2の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
27.核酸を腎臓細胞に送達する方法であって、腎臓細胞を、表3の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
28.AAV2カプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号1の440〜460、配列番号1の475〜505、配列番号1の518〜532および配列番号1の560〜590からなる群より選択されるアミノ酸の領域における突然変異を含む、AAV2カプシドポリペプチド。
29.前記組織が、腎臓、肝臓または肺である、段落28に記載のAAV2カプシドポリペプチド。
30.前記向性が増加される、段落28に記載のAAV2カプシドポリペプチド。
31.AAV2カプシドポリペプチドであって、腎臓へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIATTNPVATEQYGDVSENLMHFQN(配列番号3);DEEEIRQTNPVATEGYGEVSTNLMHGNK(配列番号4);DEEEIRTTNPVATEQYGIVnStTNLNEGNR(配列番号5);DEEEIRTTNPVATECYGSVSTDLQSGNL(配列番号6);DENEIRTTNPVATEIYGSVSTeNLQNnGdNR(配列番号7);DEEEIRTTNPVATEQYGSVSeTNpLvQNGdDR(配列番号8);DEEEIRTTNPVATEQYGDVSENLMHFQN(配列番号9)からなる群より選択される配列を有する、AAV2カプシドポリペプチド。
32.AAV2カプシドポリペプチドであって、肝臓へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIRTTNPVATEQYGVVSDNLQRGNR(配列番号10);DECEIRTTNPVATEQYGSVGENLQRGNR(配列番号11);DEEEIRTTNPVATEQYGVVSENLQRGNR(配列番号12);DESEITTTNPVATEQYGWVSTNQQRGNR(配列番号13);HELEIATTNPVATEQYGSASTNIQRGNR(配列番号14);DEEEIATTNPVATEQYGGVSTNLQRGNR(配列番号15)からなる群より選択される配列を有する、AAV2カプシドポリペプチド。
33.AAV2カプシドポリペプチドであって、肺へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIVTTNPVATEQYGNVSTNLQRGNR(配列番号16);DEDEISTTNPVATEQYGSCSTNLQRGNR(配列番号17);QEEEIRTTNPVATEQYGSVSTNLQRGDR(配列番号18);NEEEIRTTNPCATEVYGSVSTNLQRGNR(配列番号19);DEQEIVTTNPVATEVYGTVSTNLQRGNR(配列番号20)からなる群より選択される配列を有する、AAV2カプシドポリペプチド。
34.配列番号1のポリペプチドに対応するカプシドポリペプチドを含むウイルスの向性を変化させる方法であって、突然変異を、配列番号1のアミノ酸440〜460、配列番号1のアミノ酸475〜505、配列番号1のアミノ酸518〜532および配列番号1のアミノ酸560〜590からなる群より選択される少なくとも2つの領域に導入することを含む、方法。
35.ウイルスカプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスのパッケージング効率を変化させる配列番号1(WT AAV2)と比べた突然変異を有し、前記突然変異が、表16における突然変異から選択される、ウイルスカプシドポリペプチド。
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Claims (35)

  1. ウイルスカプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号1(WT AAV2)と比べた突然変異を有し、前記突然変異が、表1〜9のいずれか1つにおける突然変異から選択される、ウイルスカプシドポリペプチド。
  2. 前記組織が、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓または血液である、請求項1に記載のウイルスカプシドポリペプチド。
  3. 前記組織への前記向性が増加される、請求項1に記載のウイルスカプシドポリペプチド。
  4. 前記組織への前記向性が減少される、請求項1に記載のウイルスカプシドポリペプチド。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドをコードする、核酸。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドを含む、ウイルス粒子。
  7. ウイルスカプシドポリペプチドであって、配列番号1のポリペプチドの突然変異に対応する突然変異を有し、前記突然変異が、配列番号1と比べた表1〜9における突然変異からなる群より選択される、ウイルスカプシドポリペプチド。
  8. ウイルスカプシドポリペプチドであって、配列番号2のアミノ酸配列に対応する領域を含み、配列番号2のアミノ酸配列に対応する前記領域が、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号2と比べた突然変異を含み、前記突然変異が、表10〜15のいずれか1つにおける突然変異から選択される、ウイルスカプシドポリペプチド。
  9. 前記組織が、心臓、腎臓、肝臓、肺、脾臓または血液である、請求項1に記載のウイルスカプシドポリペプチド。
  10. 前記組織への前記向性が増加される、請求項8に記載のウイルスカプシドポリペプチド。
  11. 前記組織への前記向性が減少される、請求項8に記載のウイルスカプシドポリペプチド。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドをコードする、核酸。
  13. 請求項8〜11のいずれかに記載のウイルスカプシドポリペプチドを含む、ウイルス粒子。
  14. 核酸を細胞に送達する方法であって、前記細胞を、請求項1〜4または8〜11に記載のウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  15. 核酸を血液細胞に送達する方法であって、血液細胞を、表1の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  16. 核酸を心臓細胞に送達する方法であって、心臓細胞を、表2の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  17. 核酸を腎臓細胞に送達する方法であって、腎臓細胞を、表3の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  18. 核酸を肝臓細胞に送達する方法であって、肝臓細胞を、表4の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  19. 核酸を肺細胞に送達する方法であって、肺細胞を、表5の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  20. 核酸を脾臓細胞に送達する方法であって、脾臓細胞を、表6の突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  21. 前記送達が、野生型ウイルスカプシドポリペプチドと比較して少なくとも1.1倍を超えて効率的である、請求項14〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 配列番号1のウイルスカプシドポリペプチドに対応するウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を減少させる方法であって、表7〜9のいずれかに記載されている突然変異を導入することを含む、方法。
  23. 腎臓、心臓または肺の細胞への核酸の送達を増加させる方法であって、腎臓、心臓または肺の細胞を、肝臓、血液または脾臓の細胞への核酸の送達を減少させる突然変異を含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  24. 肝臓、血液または脾臓の細胞への核酸の送達を減少させる前記突然変異が、表7〜9のいずれかから選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 核酸を肺細胞に送達する方法であって、肺細胞を、表5の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  26. 核酸を心臓細胞に送達する方法であって、心臓細胞を、表2の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  27. 核酸を腎臓細胞に送達する方法であって、腎臓細胞を、表3の突然変異と、表7〜9のいずれかから選択される突然変異とを含むウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルス粒子と接触させることを含む、方法。
  28. AAV2カプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスの組織向性を変化させる配列番号1の440〜460、配列番号1の475〜505、配列番号1の518〜532および配列番号1の560〜590からなる群より選択されるアミノ酸の領域における突然変異を含む、AAV2カプシドポリペプチド。
  29. 前記組織が、腎臓、肝臓または肺である、請求項28に記載のAAV2カプシドポリペプチド。
  30. 前記向性が増加される、請求項28に記載のAAV2カプシドポリペプチド。
  31. AAV2カプシドポリペプチドであって、腎臓へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIATTNPVATEQYGDVSENLMHFQN(配列番号3);DEEEIRQTNPVATEGYGEVSTNLMHGNK(配列番号4);DEEEIRTTNPVATEQYGIVnStTNLNEGNR(配列番号5);DEEEIRTTNPVATECYGSVSTDLQSGNL(配列番号6);DENEIRTTNPVATEIYGSVSTeNLQNnGdNR(配列番号7);DEEEIRTTNPVATEQYGSVSeTNpLvQNGdDR(配列番号8);DEEEIRTTNPVATEQYGDVSENLMHFQN(配列番号9)からなる群より選択される配列を有する、AAV2カプシドポリペプチド。
  32. AAV2カプシドポリペプチドであって、肝臓へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIRTTNPVATEQYGVVSDNLQRGNR(配列番号10);DECEIRTTNPVATEQYGSVGENLQRGNR(配列番号11);DEEEIRTTNPVATEQYGVVSENLQRGNR(配列番号12);DESEITTTNPVATEQYGWVSTNQQRGNR(配列番号13);HELEIATTNPVATEQYGSASTNIQRGNR(配列番号14);DEEEIATTNPVATEQYGGVSTNLQRGNR(配列番号15)からなる群より選択される配列を有する、AAV2カプシドポリペプチド。
  33. AAV2カプシドポリペプチドであって、肺へのウイルスの組織向性を増加させる配列番号1のアミノ酸561〜588の領域における突然変異を含み、配列番号1のアミノ酸561〜588の前記突然変異領域が、DEEEIVTTNPVATEQYGNVSTNLQRGNR(配列番号16);DEDEISTTNPVATEQYGSCSTNLQRGNR(配列番号17);QEEEIRTTNPVATEQYGSVSTNLQRGDR(配列番号18);NEEEIRTTNPCATEVYGSVSTNLQRGNR(配列番号19);DEQEIVTTNPVATEVYGTVSTNLQRGNR(配列番号20)からなる群より選択される配列を有する、AAV2カプシドポリペプチド。
  34. 配列番号1のポリペプチドに対応するカプシドポリペプチドを含むウイルスの向性を変化させる方法であって、突然変異を、配列番号1のアミノ酸440〜460、配列番号1のアミノ酸475〜505、配列番号1のアミノ酸518〜532および配列番号1のアミノ酸560〜590からなる群より選択される少なくとも2つの領域に導入することを含む、方法。
  35. ウイルスカプシドポリペプチドであって、前記ウイルスカプシドポリペプチドを含むウイルスのパッケージング効率を変化させる配列番号1(WT AAV2)と比べた突然変異を有し、前記突然変異が、表16における突然変異から選択される、ウイルスカプシドポリペプチド。
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