JP2021522161A - イトラコナゾールを含む肺内投与のための抗真菌配合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び3)1種以上の賦形剤を含み、供給原料溶液中のイトラコナゾール対ポリソルベート80の比(wt:wt)が10:1より大きい、吸入性乾燥粒子を含む乾燥粉末配合物に関する。

Description

本出願は、2018年4月18日に出願された米国特許出願第62/659,479号の利益を主張するものであり、この内容全体が、参照により本明細書に援用される。
Aspergillus spp.による肺真菌感染症及び他の真菌は、嚢胞性線維症(CF)患者など、呼吸機能が低下している患者で懸念が高まっている。例えば、患者は、慢性肺真菌感染症、または典型的には、長期にわたり経口ステロイドにより治療される重度の炎症状態であるアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)を有し得る。トリアゾール(例えば、イトラコナゾール)、ポリエン(例えば、アンホテリシンB)、及びエキノカンジンなど複数の抗真菌剤が知られている。抗真菌剤は、典型的には、低い水溶性を有し、経口バイオアベイラビリティが低く、抗真菌剤の安全かつ治療レベルをもたらす医薬配合物を得るのは困難であった。抗真菌剤は、典型的には、肺感染症及びABPAなど、真菌感染症の治療として、経口または静脈内(IV)配合物として投与される。しかしながら、こうした配合物は、不十分な経口バイオアベイラビリティ、有害な副作用及び毒性、ならびに広範な薬物間相互作用によって制限される。理論的には全身の副作用を減らすことができる、吸入による気道への送達などの代替アプローチでも課題が存在する。特に、水への溶解度が低い剤では、吸入時に局所的な肺毒性(例えば、局所的な炎症、肉芽腫)が生じることは周知である。難溶性剤の局所毒性に対処する従来のアプローチは、剤を配合して、例えば非晶質配合物を使用してその溶解速度を高めることである。
イトラコナゾールの化学構造は、米国特許第4,916,134号に記載されている。イトラコナゾールは、治療上の利点を提供するトリアゾール抗真菌剤(例えば、真菌感染症の治療において)であり、経口または静脈内投与可能なSPORANOX(登録商標)(イトラコナゾール、Janssen Pharmaceuticals)の有効成分である。イトラコナゾールは、当技術分野で周知の様々な方法を使用して合成することができる。
真菌感染症を治療するために安全に投与できる抗真菌剤の新しい配合物が必要とされている。
本発明は、1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び3)1種以上の賦形剤を含む均質な吸入性乾燥粒子を含む乾燥粉末に関し、原料溶液中のイトラコナゾール対ポリソルベート80(wt:wt)の比は、10:1より多く、ただし、乾燥粉末配合物は、以下を含まないものとする;20%イトラコナゾール、39%硫酸ナトリウム、39%マンニトール、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、22.5%硫酸ナトリウム、22.5%マンニトール、及び5%ポリソルベート80;20%イトラコナゾール、62.4%塩化ナトリウム、15.6%ロイシン、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、36%硫酸ナトリウム、9%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;20%イトラコナゾール、66.3%乳酸マグネシウム、11.7%ロイシン、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、38.25%乳酸マグネシウム、6.75%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、10%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、10%ロイシン、及び5%未満のポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、13.75%ロイシン、及び1.25%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、37%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;60%イトラコナゾール、26%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び6%ポリソルベート80;70%イトラコナゾール、15%ナトリウム、8%ロイシン、及び7%ポリソルベート80;75%イトラコナゾール、9.5%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び7.5%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、4%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、10%硫酸ナトリウム、2%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、11%硫酸ナトリウム、1%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;または80%イトラコナゾール、11%硫酸ナトリウム、1%ロイシン、及び8%ポリソルベート80。
サブ粒子は、約50nm〜約5,000nm(Dv50)、約50nm〜約800nm(Dv50)、約50nm〜約300nm(Dv50)、約50nm〜約200nm(Dv50)、約100nm〜約300nm(Dv50)であってもよい。
サブ粒子は、約50nm〜約2,500nm(Dv50)または約80nm〜約1,750nm(Dv50)であってもよい。
イトラコナゾールは、約1重量%〜約95重量%、約40重量%〜約90重量%、約55重量%〜約85重量%、約55重量%〜約75重量%、約65重量%〜約85重量%、約40重量%〜約60重量%の量で存在し得る。イトラコナゾールは、少なくとも50%の結晶性であり得る。
イトラコナゾール対ポリソルベート80(wt:wt)の比は、約11.5:1〜14:1、12:1以上、または約12:1、または約15:1〜約19.5:1であってもよい。
ポリソルベート80は、約0.05重量%〜約45重量%、約4%重量%〜約10重量%の量で存在し得る。
1種以上の賦形剤は、約3重量%〜約99重量%、または約5重量%〜約50重量%の量で存在し得る。賦形剤は、ナトリウム塩であり得る。1種以上の賦形剤は、一価金属カチオン塩、二価金属カチオン塩、アミノ酸、糖アルコール、またはそれらの組み合わせを含み得る。1種以上の賦形剤は、ナトリウム塩及びアミノ酸を含み得る。ナトリウム塩は、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムからなる群から選択してもよく、アミノ酸はロイシンである。ナトリウム塩は、塩化ナトリウムであってよく、アミノ酸は、ロイシンであってよい。ナトリウム塩は、硫酸ナトリウムであってよく、アミノ酸は、ロイシンであってよい。
1種以上の賦形剤は、マグネシウム塩及びアミノ酸を含み得る。マグネシウム塩は、乳酸マグネシウムであってよく、アミノ酸は、ロイシンであってよい。
ポリソルベート80は、10wt%未満、7wt%未満、及び3wt%未満の量で存在してもよい。
吸入性乾燥粒子は、約10ミクロン以下、または約5ミクロン以下の幾何学的体積中位径(VMGD)を有し得る。
吸入性乾燥粒子は、約0.2g/cc以上のタップ密度、または0.2g/cc〜1.0g/ccのタップ密度を有し得る。
吸入性乾燥粒子は、約0.4g/cc超〜約1.2g/ccのタップ密度を有し得る。
乾燥粉末は、約1ミクロン〜約5ミクロンのMMADを有し得る。
乾燥粒子は、レーザー回折により測定して、1バール/4バール分散比(1/4バール)約1.5未満を有し得る。
乾燥粒子は、レーザー回折により測定して、0.5バール/4バール分散比(0.5/4バール)約1.5以下を有し得る。
乾燥粉末は、約25%以上の、総用量に対するFPF5ミクロン未満を有し得る。
乾燥粉末は、カプセルベースの受動乾燥粉末吸入器を用いて患者に送達されてもよい。
吸入性乾燥粒子は、総質量10mgを含むサイズ3のカプセルを使用して、3秒間で吸入流量30LPMである条件下で、毎分約0.036sqrt(kPa)/リットルの抵抗を有する受動乾燥粉末吸入器から放出された場合、少なくとも80%のカプセル放出粉末質量を有し得る。総質量は、吸入性乾燥粒子からなり、レーザー回折によって測定された、吸入器から放出された吸入性乾燥粒子の幾何学的体積中位径は、5ミクロン以下である。
一態様では、本発明は、1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び3)1種以上の賦形剤を含む液体配合物に関し、配合物中でのイトラコナゾール対ポリソルベート80の比(wt:wt)は、10:1より大きい。イトラコナゾール結晶粒子形態は、HFA噴射剤及びCFC噴射剤からなる群から選択される噴射剤に懸濁され得る。液体配合物は、界面活性剤をさらに含み得る。
一態様では、本発明は、真菌感染症を治療するための方法であって、それを必要とする患者の気道に、有効量の本明細書に記載の乾燥粉末または液体配合物を投与することを含む方法に関する。
一態様では、本発明は、嚢胞性線維症患者の真菌感染症を治療するための方法であって、嚢胞性線維症患者の気道に、有効量の本明細書に記載の乾燥粉末または液体配合物を投与することを含む、方法に関する。
一態様では、本発明は、喘息患者の真菌感染症を治療するための方法であって、喘息患者の気道に、有効量の本明細書に記載の乾燥粉末または液体配合物を投与することを含む、方法に関する。
一態様では、本発明は、アスペルギルス症を治療するための方法であって、それを必要とする患者の気道に、有効量の本明細書に記載の乾燥粉末または液体配合物を投与することを含む方法に関する。
一態様では、本発明は、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)を治療するための方法であって、それを必要とする患者の気道に、有効量の本明細書に記載の乾燥粉末または液体配合物を投与することを含む、方法に関する。
一態様では、本発明は、呼吸器疾患の急性増悪を治療またはその発生率または重症度を軽減するための方法であって、それを必要とする患者の気道に、有効量の乾燥粉末または液体配合物を投与することを含み、急性増悪は、真菌感染症である、方法に関する。
一態様では、本発明は、免疫不全状態の患者において真菌感染症を治療するための方法であって、免疫不全状態の患者の気道に、有効量の本明細書に記載の乾燥粉末または液体配合物を投与することを含む、方法に関する。
一態様では、本発明は、個体において真菌感染症の治療に使用するための乾燥粉末または液体配合物に関し、その使用は、有効量の乾燥粉末を個体の気道に投与することを含み、真菌感染症が治療される。
一態様では、本発明は、嚢胞性線維症患者において真菌感染症の治療に使用するための乾燥粉末または液体配合物に関し、その使用は、有効量の乾燥粉末を個体の気道に投与することを含み、嚢胞性線維症患者における真菌感染症が治療される。
一態様では、本発明は、喘息患者において真菌感染症の治療に使用するための乾燥粉末または液体配合物に関し、その使用は、有効量の乾燥粉末を個体の気道に投与することを含み、喘息患者における真菌感染症が治療される。
一態様では、本発明は、個体においてアスペルギルス症の治療に使用するための乾燥粉末または液体配合物に関し、その使用は、有効量の乾燥粉末を個体の気道に投与することを含み、アスペルギルス症が治療される。
一態様では、本発明は、個体においてアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の治療に使用するための乾燥粉末または液体配合物に関し、その使用は、有効量の乾燥粉末を個体の気道に投与することを含み、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)が治療される。
一態様では、本発明は、個体において呼吸器疾患の急性増悪の治療に使用するための乾燥粉末または液体配合物に関し、その使用は、有効量の乾燥粉末を個体の気道に投与することを含み、急性増悪が治療される。
一態様では、本発明は、免疫不全状態の患者において真菌感染症の治療に使用するための乾燥粉末または液体配合物に関し、その使用は、免疫不全状態の患者の気道に、有効量の乾燥粉末を投与することを含み、真菌感染症が治療される。
一態様では、本発明は、任意の賦形剤を含む界面活性剤により安定化された懸濁液を噴霧乾燥するステップを含むプロセスによって製造される乾燥粉末または液体配合物に関し、組成的に均一な乾燥粒子が製造される。
イトラコナゾール:PS80配合物12:1とイトラコナゾール:PS80配合物10:1のエアロゾル性能の比較を示すグラフである。
本開示は、結晶性粒子状形態のイトラコナゾールを含む優れた吸入性乾燥粉末に関する。本発明者らは、非晶質形態のイトラコナゾールを含む特定の乾燥粉末配合物では、肺滞留時間が短くなり、肺対血漿曝露比が低下し、治療用量で吸入した場合に肺組織に対する望ましくない毒性作用を有することを発見した。特定の理論に拘束されるものではないが、イトラコナゾールの結晶形態(例えば、ナノ結晶形態)は、肺での溶解速度が遅く、投与後24時間にわたってより継続的に曝露されることとなり、全身曝露を最小限に抑えると考えられている。加えて、非晶質投与による、肺組織における観察された局所毒性は、総投与量または曝露期間に関して、肺組織の薬物への総曝露とは関係がない。イトラコナゾールは、ヒトまたは動物の肺細胞に対する既知の活性を有さないため、局所濃度を上昇させても、局所毒性を説明するような局所薬理活性を有することはない。代わりに、非晶性形態の毒性は、イトラコナゾールの非晶質形態の溶解度の増加に関連して表われ、その結果、組織内空間での薬物の過飽和及び組織内での再結晶化により、局所的な肉芽腫性炎症が生じる。驚くべきことに、本発明者らは、結晶粒子形態のイトラコナゾールを含む乾燥粉末では、肺組織に対して毒性が低いことを発見した。結晶粒子形態のイトラコナゾールは、その非晶性形態と比較して低い水溶性を有し、非晶性形態での対応する用量のイトラコナゾールよりも長く肺に留まるため、これは驚くべきことであった。
イトラコナゾールの結晶化度、及びイトラコナゾール結晶粒子のサイズは、効果的な治療及び肺での毒性の低減にとって重要であると考えられる。特定の理論に拘束されるものではないが、イトラコナゾールの結晶粒子(例えば、ナノ結晶または微結晶の抗真菌剤)は、大きい結晶粒子よりも迅速に気道内層液に溶解すると考えられており、これは、一部には、表面積の総量が大きいことによる。結晶性イトラコナゾールは、非晶質イトラコナゾールよりも気道内層液での溶解が遅いと考えられており、これは、一部には、水溶性が低いためである。したがって、本明細書に記載の乾燥粉末は、乾燥粉末内に所望の結晶サイズまたはそのサイズの範囲のイトラコナゾールをもたらす結晶粒子形態のイトラコナゾールを使用して配合でき、肺内での許容できない毒性を回避しながら所望の薬物動態特性を達成するように調整できる。
本発明の吸入性乾燥粉末では、ポリソルベート80に対するイトラコナゾールの比率が増加しており、エアロゾル送達及び性能において驚くべき改善を示している。1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び任意により3)1種以上の賦形剤を含む上述の吸入性乾燥粉末は、送達微粒子量が多いこと及びVMGDの商が1:4バールまたは0.5:4バールと低いことから証明されるように、所望のエアロゾル特性及び分散性を有することが知られている。本発明の吸入性乾燥粉末では、同様の流動条件下で乾燥粉末吸入器から放出される能力が向上していることを示す。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、室温及び大気圧で液体であるポリソルベート80により、粒子の付着力及び凝集力が増大し、ならびに/または吸湿性であることが公知であるとおり、環境の湿気を吸収する粒子の傾向が増大すると考えられている。したがって、本発明者らは、配合物中のPS80の量が、性能の測定可能な変化の一因であるという驚くべきかつ予想外の発見をした。
本開示の吸入性乾燥粉末は、1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び任意により3)1種以上の賦形剤を含む均質な吸入性乾燥粒子を含み、イトラコナゾール対ポリソルベート80の比(w/w)が10:1より大きい、約12:1、10:1超〜15:1、好ましくは10:1超〜25:1、より好ましくは11:1〜15:1である。したがって、乾燥粉末は、ポリソルベート80、任意により1種以上の賦形剤、及び結晶性イトラコナゾールを含む1つ以上のサブ粒子(すなわち、吸入性乾燥粒子よりも小さい粒子)を含む吸入性乾燥粒子であることを特徴とする。こうした吸入性乾燥粒子は、結晶粒子形態のイトラコナゾールが賦形剤の水溶液に懸濁されている供給原料を調製し、その供給原料を噴霧乾燥させるなど、任意の適切な方法を使用して調製できる。こうした吸入性乾燥粒子は、懸濁液を安定化させるのに十分な量のポリソルベート80を含む水溶液に懸濁させた、結晶粒子形態のイトラコナゾールのナノ粒子懸濁液を調製することによるなど、任意の適切な方法を使用して調製できる。次に、安定化させたナノ粒子懸濁液を別の溶媒(水、または水と混和し、水と同様に結晶性イトラコナゾールのナノ粒子が難溶性である別の溶媒)に添加し、その懸濁液を維持して、1種以上の賦形剤を可溶化して供給原料を作製する。次に、この供給原料を噴霧乾燥させて、吸入性乾燥粒子を形成することができる。
この開示の吸入性乾燥粉末としては、結晶性イトラコナゾール対ポリソルベート80の比を、10:1より大きい、10:1超〜25:1、11:1〜35:1、10.5:1〜14.5:1、11:1〜31:1、11:1〜15:1、11.5:1〜14:1、13:1〜16:1、15:1〜19.5:1、19:1〜25:1、20.5:1〜23:1、22:1〜32:1となるように増大させる配合物を有する均質な吸入性乾燥粒子が挙げられる。
乾燥粉末は、経口吸入などの吸入によって患者に投与することができる。経口吸入を達成するために、受動乾燥粉末吸入器などの乾燥粉末吸入器を使用することができる。乾燥粉末配合物は、アスペルギルス感染症などの、患者における真菌感染症を治療または防止するために使用できる。乾燥粉末の恩恵を受ける患者は、例えば、嚢胞性線維症、喘息、及び/または重度の免疫不全が原因で真菌感染症を発症するリスクが高い患者である。イトラコナゾールの吸入配合物は、これらの患者の治療における経口または静脈内(IV)配合物の欠点の多くを最小限に抑える。
定義
本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、記載された値のプラスマイナス5%の相対範囲、例えば「約20mg」は、20mgプラスマイナス1mgとなる。
本明細書で使用されるとき、吸入性乾燥粒子の「投与」または「投与すること」という用語は、対象の気道に吸入性乾燥粒子を導入することを指す。
本明細書で使用されるとき、「非晶質」という用語は、粉末X線回折(XRD)を介して分析した場合、有意な結晶化度が欠如していることを示す。
本明細書で使用される「カプセル放出粉末質量」または「CEPM」という用語は、吸入操作中などの乾燥粉末吸入器からの作動中にカプセルまたは用量単位容器から放出される乾燥粉末配合物の量を指す。CEPMは、重量測定により測定し、典型的には、放出事象の前後にカプセルを秤量して、除去された粉末の質量を求める。CEPMは、除去された粉末の質量(ミリグラム)、または放出事象前のカプセル内の最初に充填された粉末質量の割合(パーセンテージ)のいずれかとして表現できる。
本明細書で使用される「結晶粒子形態」という用語は、粒子(すなわち、本明細書に開示される乾燥粉末を含む吸入性乾燥粒子より小さいサブ粒子)の形態であるイトラコナゾール(塩、水和物、鏡像異性体など、それらの薬学的に許容される形態など)を指し、その中で、イトラコナゾールは、少なくとも約50%が結晶性である。イトラコナゾールの結晶化割合(パーセント)は、サブ粒子に存在する化合物の総量に対する、結晶形態である化合物の割合(パーセンテージ)を指す。所望であれば、抗真菌剤は、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%結晶性であり得る。結晶粒子形態のイトラコナゾールは、約50ナノメートル(nm)〜約5,000nmの体積中位径(Dv50)、好ましくは80nm〜1750nm Dv50、または好ましくは50nm〜800nmのDv50の粒子の形態である。
「分散性」という用語は、吸入性エアロゾルに消散される乾燥粉末または吸入性乾燥粒子の特徴を表す技術用語である。乾燥粉末または吸入性乾燥粒子の分散性は、本明細書では、一態様において、1バールの分散(すなわち、レギュレーター)圧力で測定された幾何学的体積中位径(VMGD)を、4バールの分散(すなわち、レギュレーター)圧力で測定されたVMGDで割った商、または、HELOS/RODOSを用いるなど、レーザー回折により測定して、0.5バールでのVMGDを4バールでのVMGDで割った商として表される。これらの商は、本明細書では、それぞれ「1バール/4バール分散比」及び「0.5バール/4バール分散比」と表し、分散性は、低い商と相関する。例えば、1バール/4バール分散比は、HELOSまたは他のレーザー回折システムにより測定されるとおり、約1バールでRODOS乾燥粉末分散器(もしくは同等の技術)の開口部から放出される乾燥粉末または吸入性乾燥粒子のVMGDを、HELOS/RODOSにより4バールで測定される同じ乾燥粉末または吸入性乾燥粒子のVMGDで割ったものを指す。したがって、高分散性の乾燥粉末または吸入性乾燥粒子は、1.0に近い1バール/4バール分散比または0.5バール/4バール分散比を有することになる。分散性の高い粉末は、凝集する傾向、凝結する傾向、または集塊形成する傾向が低く、及び/または凝集するか、凝結するか、または集塊形成した場合には、これらの粉末は吸入器から放出されると、容易に分散または解凝集されて、対象によって吸入される。別の態様では、分散性は、流量の関数として、吸入器から放出される粒径を測定することによって評価する。吸入器を通る流量が減少すると、粉末を分散させるために利用できるエネルギーの量が減少する。高分散性粉末は、空気力学的には、その空気力学的質量中位径(MMAD)を特徴とするか、または幾何学的には、ヒトによる吸入の典型的な流量、例えば、約15〜約60リットル(LPM)/分、約20LPM/分〜約60LPM/分、または約30LPM/分〜約60LPM/分などの範囲において実質的に増加することのないVMGDを特徴とする粒度分布を有する。高分散性粉末はまた、低い吸入流量であっても、約80%以上の放出粉末質量もしくは用量、またはカプセル放出粉末質量もしくは用量を有する。VMGDは、体積中位径(VMD)、x50、またはDv50とも呼ばれ得る。
本明細書で使用される「乾燥粒子」という用語は、合計最大約15%の水及び/または別の溶媒を含むことができる吸入性粒子を指す。好ましくは、乾燥粒子は、乾燥粒子の合計最大約10重量%、合計最大約5重量%、合計最大約1重量%、合計で0.01重量%〜1重量%の水及び/または別の溶媒を含むか、または、水及び/もしくは他の溶媒を実質的に含まなくてもよい。
本明細書で使用される「乾燥粉末」という用語は、吸入性乾燥粒子を含む組成物を指す。乾燥粉末は、合計で最大約15%の水、及び/または別の溶媒を含んでもよい。好ましくは、乾燥粉末は、乾燥粉末の合計で最大約10重量%、合計で最大約5重量%、合計で最大約1重量%、または合計で0.01重量%〜1重量%の水及び/もしくは別の溶媒を含んでもよいか、または水及び/もしくは他の溶媒を実質的に含まなくてもよい。一態様では、乾燥粉末は、吸入性乾燥粉末である。
本明細書で使用される「有効量」という用語は、例えば、患者、例えば嚢胞性線維症(CF)患者、喘息患者及び免疫不全状態の患者の気道における真菌感染症、例えばアスペルギルス感染症の治療、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の治療;及び呼吸器疾患の急性増悪の治療またはその発生または重症度の軽減など、所望の効果を達成するのに必要な剤の量を指す。特定の使用のための実際の有効量は、特定の乾燥粉末または吸入性乾燥粒子、投与方法、ならびに対象の年齢、体重、全身健康状態、及び治療される症状または状態の重症度によって変動し得る。投与される乾燥粉末及び乾燥粒子の好適な量、及び特定の患者のための投薬スケジュールは、これら及び他の考慮事項に基づいて通常の技能を有する臨床医によって決定され得る。
本明細書で使用する場合、「放出用量」または「ED」という用語は、噴射または分散イベント後の好適な吸入器からの薬物配合物の送達の指標を指す。より具体的には、乾燥粉末配合物の場合、EDは、単位用量パッケージから引き出され、吸入装置のマウスピースから出る粉末の割合(パーセンテージ)の測定値である。EDは、吸入装置によって送達された薬物または粉末対公称用量(すなわち、噴射前に好適な吸入装置に入っている単位用量あたりの薬物または粉末の質量)の比として定義される。EDは、実験により測定されるパラメータであり、USP Section 601 Aerosols,Metered−Dose Inhalers and Dry Powder Inhalers,Delivered−Dose Uniformity,Sampling the Delivered Dose from Dry Powder Inhalers、米国薬局方協会(Rockville,MD,13th Revision,222−225,2007)の方法を用いて決定することができる。この方法では、患者への投与を模倣するよう設定されたin vitro装置を利用する。また、マウスピースアダプタ、Next Generation Impactor(NGI)誘導ポート、及びNGI内のすべてのステージから分析したすべての薬物または粉末の合計を通じて、NGI実験によって生じた結果から計算することもできる。USP 601に基づくEDテストによって生じた結果と、NGIを介して生じた結果は、典型的には、十分に一致している。
本明細書で使用される「公称用量」という用語は、イトラコナゾールの個々の用量を指す。公称用量は、1つのカプセル、ブリスター、またはアンプル内のイトラコナゾールの総用量である。
本明細書で使用されるとき、「FPF(<X)」、「FPF(<Xミクロン)」及び「Xミクロン未満の微粒子分率」(Xは、例えば、3.4ミクロン、4.4ミクロン、5.0ミクロンまたは5.6ミクロンに等しい)は、Xミクロン未満の空気力学的径を有する乾燥粒子サンプルの分率を指す。例えば、FPF(<X)は、2ステージ短縮型Andersen Cascade Impactor(ACI)のステージ2及び最終収集フィルター上に沈着した吸入性乾燥粒子の質量を、秤量して機器への送達用のカプセルに入れた吸入性乾燥粒子の質量で割ることにより求めることができる。このパラメータは、「FPF_TD(<X)」として識別することができ、ここで、TDは、総用量を意味する。同様の測定は、8ステージACIを使用して実施できる。8ステージACIカットオフは、標準流量60L/分において異なるが、FPF_TD(<X)は、8ステージの完全なデータセットから外挿できる。8ステージACI結果は、FPFを求めるためにカプセル中にあったものの代わりにACI中に収集された用量を使用するUSP法によって計算することもできる。同様に、7ステージNext Generation Impactor(NGI)を使用できる。
本明細書で使用される用語「FPD(<X)」、「FPD<Xミクロン」、「FPD(<Xミクロン)」、及び「Xミクロン未満の微粒子用量」(Xは、例えば、3.4ミクロン、4.4ミクロン、5.0ミクロンまたは5.6ミクロンに等しい)は、Xマイクロメートル未満の空気力学的径を有する吸入性乾燥粒子により送達される治療剤の質量を指す。FPD<Xミクロンは、標準流量60L/分での8ステージACIを使用して、最終収集フィルター上に沈着した質量を合計してから、FPD値を直接計算するか、または外挿するかのいずれかにより、求めることができる。同様に、7ステージNext Generation Impactor(NGI)を使用できる。
本明細書で使用されるとき「吸入性」という用語は、吸入による対象の気道への送達(例えば、肺送達)に好適である乾燥粒子または乾燥粉末を指す。吸入性乾燥粉末または乾燥粒子は、約10ミクロン未満、好ましくは約5ミクロン以下の空気力学的質量中位径(MMAD)を有する。
本明細書で使用されるとき、「気道」という用語には、上気道(例えば、鼻道、鼻腔、喉、咽頭及び喉頭)、呼吸気道(例えば、気管、気管支、及び細気管支)ならびに肺(例えば、呼吸細気管支、肺胞管、肺胞嚢、及び肺胞)が含まれる。
本明細書で使用されるとき、「下気道」という用語には、呼吸気道(例えば、気管、気管支、及び細気管支)ならびに肺(例えば、呼吸細気管支、肺胞管、肺胞嚢、及び肺胞)が含まれる。
吸入性乾燥粒子を記載するために本明細書で使用される「小さい」という用語は、約10ミクロン以下、好ましくは約5ミクロン以下、または5ミクロン未満の幾何学的体積中位径(VMGD)を有する粒子を指す。
本明細書で使用される「安定剤」という用語は、イトラコナゾールが難溶性である液体に懸濁されたときに、結晶粒子形態のイトラコナゾールの物理的安定性を改善する(例えば、凝結、凝集、オストワルド熟成及び/または微粒子の軟凝集を減少させる)化合物を指す。好適な安定剤は、界面活性剤及び両親媒性材料であり、ポリソルベート(PS;ポリオキシエチル化ソルビタン脂肪酸エステル)、例えば、PS20、PS40、PS60及びPS80;脂肪酸、例えば、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸及びステアリン酸;ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、Span20、Span40、Span60、Span80、及びSpan85;リン脂質、例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−L−セリン(DPPS)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DSPC)、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン(POPC)、及び1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DOPC);ホスファチジルグリセロール(PG)、例えば、ジホスファチジルグリセロール(DPPG)、DSPG、DPPG、POPG、など;1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン(DSPE);脂肪アルコール;ベンジルアルコール、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル;グリココール酸;サーファクチン;ポロキサマー;ポリビニルピロリドン(PVP);PEG/PPGブロックコポリマー(プルロニック/ポロキサマー);ポリオキシエチレンクロレステリルエーテル(polyoxyethyene chloresteryl ethers);POEアルキルエーテル;チロキサポール;レシチン;などが挙げられる。好ましい安定剤は、ポリソルベート及び脂肪酸である。特に好ましい安定剤は、PS80である。別の好ましい安定剤は、オレイン酸である。
本明細書で使用される「均質乾燥粒子」という用語は、界面活性剤で安定化された懸濁液として前処理される結晶性薬物(例えば、ナノ結晶性薬物)を含む粒子を指す。均質乾燥粒子は、界面活性剤で安定化された懸濁液を(任意の)賦形剤と共に噴霧乾燥させることによって形成され、組成的に均質であるか、またはより具体的には、界面活性剤でコーティングされた結晶性薬物粒子及び任意により1種以上の賦形剤の組成において同一である乾燥粒子が得られる。
乾燥粉末及び乾燥粒子
本発明は、1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び3)1種以上の賦形剤を含む、吸入性乾燥粒子を含む乾燥粉末配合物に関し、結晶性イトラコナゾール対ポリソルベート80の比が、約10:1より大きい、10:1超〜25:1、11:1〜35:1、10.5:1〜14.5:1、11:1〜31:1、12:1より大きい、11:1〜15:1、11.5:1〜14:1、13:1〜16:1、または15:1〜19.5:1、19:1〜25:1、20.5:1〜23:1、22:1〜32:1である。
イトラコナゾールの結晶化度及びイトラコナゾールのサブ粒子のサイズは、効果的な治療及び肺内での毒性の低下にとって重要であると考えられる。特定の理論に拘束されるものではないが、結晶形態のイトラコナゾールの小さいサブ粒子は、同じ結晶形態のイトラコナゾールの大きい粒子よりも気道内層液に迅速に溶解すると考えられている。これは、一部には、表面積が大きいことによる。また、結晶性イトラコナゾールは、非晶質イトラコナゾールよりも気道内層液への溶解が緩徐であると考えられている。したがって、本明細書に記載の乾燥粉末は、結晶粒子形態でイトラコナゾールを使用して配合でき、望ましい結晶化度及びサブ粒子サイズとなり、肺での許容できない毒性を回避しながら、所望の薬物動態特性を達成するように調整できる。
吸入性乾燥粒子には、約1重量%〜約95重量%(wt%)のイトラコナゾールを含む。吸入性乾燥粒子は、1日に3回を超える大量の乾燥粉末を吸入する必要がなく、治療有効用量を投与し、維持することができる量のイトラコナゾールを含むことが好ましい。例えば、吸入性乾燥粒子は、約10重量%〜約75重量%、約15重量%〜75重量%、約25重量%〜75重量%、約30重量%〜70重量%、約40重量%〜60重量%、約20重量%、約50重量%、または約70重量%(wt%)のイトラコナゾールを含むことが好ましい。吸入性乾燥粒子は、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、または約95重量%(wt%)のイトラコナゾールを含んでもよい。特定の実施形態では、吸入性乾燥粒子中のイトラコナゾールの範囲は、約40重量%〜約90重量%、約55重量%〜約85重量%、約55重量%〜約75重量%、または約65重量%〜約85重量%(wt%)である。吸入性乾燥粒子中に存在するイトラコナゾールの量(重量)は、「薬物負荷」とも呼ばれる。
イトラコナゾールは、吸入性乾燥粒子中に、結晶粒子形態(例えば、ナノ結晶性)で存在する。より具体的には、約50nm〜約5,000nm(Dv50)であるサブ粒子の形態で、好ましくは、イトラコナゾールは少なくとも50%が結晶性である。例えば、任意の所望の薬物負荷について、サブ粒子サイズは、約100nm、約300nm、約1500nm、約80nm〜約300nm、約80nm〜約250nm、約80nm〜約200nm、約100nm〜約150nm、約1200nm〜約1500nm、約1500nm〜約1750nm、約1200nm〜約1400nm、または約1200nm〜約1350nm(Dv50)であってもよい。特定の実施形態では、サブ粒子は、約50nm〜2500nm、約50nm〜1000nm、約50nm〜800nm、約50nm〜600nm、約50nm〜500nm、約50nm〜400nm、約50nm〜300nm、約50nm〜200nm、または約100nm〜300nmである。さらに、任意の望ましい薬物負荷及びサブ粒子サイズについて、イトラコナゾールの結晶化度は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%の結晶であってもよい。好ましくは、イトラコナゾールは、約100%結晶性である。
結晶粒子形態のイトラコナゾールは、必要に応じて、湿式粉砕、ジェット粉砕、または他の好適な方法など、好適な方法を使用して、ポリソルベート80など、任意の所望のサブ粒子サイズで調製できる。
吸入性乾燥粒子は、安定剤としてポリソルベート80を含む。ポリソルベート80は、湿式粉砕中、噴霧乾燥供給原料中において所望のサイズのイトラコナゾールを結晶粒子形態に維持するのを助け、イトラコナゾール結晶粒子懸濁液を湿らせて、分散させ、物理的安定性を維持するのに役立つ。前述の利点を達成するのに必要とされる少量のポリソルベート80を使用することが好ましい。ポリソルベート80の量は、典型的には、乾燥粒子に存在するイトラコナゾールの量に対して一定の比率であり、イトラコナゾール:ポリソルベート80が10:1(wt:wt)より大きい、10:1超〜25:1、11:1〜35:1、10.5:1〜14.5:1、11:1〜31:1、12:1より大きい、11:1〜15:1、11.5:1〜14:1、13:1〜16:1、または15:1〜19.5:1、19:1〜25:1、20.5:1〜23:1、22:1〜32:1である。あるいは、乾燥粒子中のイトラコナゾール:ポリソルベート80の比(wt:wt)は、11.5:1以上、12:1以上、14:1以上、15:1以上、16:1以上、17:1以上、18:1以上、19:1以上、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約18:1、約19.5:1、または約22:1であり得る。いくつかの実施形態では、乾燥粒子中に存在するポリソルベート80の量は、約0.1重量%〜10重量%未満(wt%)の範囲、または約1重量%〜約9重量%の範囲であり得る。特定の実施形態では、範囲は、約1重量%〜約15重量%、約4重量%〜約10重量%、または約5重量%〜約8重量%(wt%)である。一般に、吸入性乾燥粒子は、約10重量%未満(wt%)、例えば、7重量%、5重量%または1重量%などのポリソルベート80を含むことが好ましい。あるいは、吸入性乾燥粒子には、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約7.5重量%、約8重量%、または約10重量%のポリソルベート80を含む。吸入性乾燥粒子が約8重量%未満のポリソルベート80を含むことが特に好ましい。製造された乾燥粉末において、結晶化の開始を防止するためにポリソルベート80を使用する従来技術とは対照的に、本発明におけるポリソルベート80は、貧溶媒中の結晶性イトラコナゾールのコロイド懸濁液を安定化するために添加される。
吸入性乾燥粒子はまた、任意の好適かつ所望の量の1種以上の賦形剤を含む。乾燥粒子は、約10重量%〜約99重量%、より典型的には、約25重量%〜約85重量%、または約40重量%〜約55重量%である総賦形剤含有量を含むことができる。乾燥粒子は、約1重量%、約2重量%、約4重量%、約6重量%、約8重量%、または約10重量%未満の総賦形剤含有量を含むことができる。特定の実施形態では、範囲は、約5%〜約50%、約15%〜約50%、約25%〜約50%、約5%〜約40%、約5%〜約30%、約5%〜約20%、または約5%〜約15%である。他の実施形態では、賦形剤の範囲は、約1%〜約9%、約2%〜約9%、約3%〜約9%、約4%〜約9%、約5%〜約9%、約1%〜約8%、約2%〜約8%、約3%〜約8%、約4%〜約8%、約5%〜約8%、約1%〜約7%、約2%〜約7%、約3%〜約7%、約4%〜約7%、約5%〜約7%、約1%〜約6%、約2%〜約6%、約3%〜約6%、または約1%〜約5%である。
多くの賦形剤が当技術分野で周知であり、本明細書に記載の乾燥粉末及び乾燥粒子に含めることができる。本明細書に記載の乾燥粉末及び乾燥粒子に特に好ましい医薬上許容される賦形剤としては、一価及び二価の金属カチオン塩、炭水化物、糖アルコール及びアミノ酸が挙げられる。
好適な一価金属カチオン塩としては、例えば、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられる。本発明の吸入性乾燥粒子に存在することができる好適なナトリウム塩としては、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、重リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。
好適なカリウム塩としては、例えば、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、重炭酸カリウム、亜硝酸カリウム、過硫酸カリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、リン酸カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、グルタミン酸カリウム、グアニル酸二カリウム、グルコン酸カリウム、リンゴ酸カリウム、アスコルビン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、コハク酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
好適な二価金属カチオン塩としては、マグネシウム塩及びカルシウム塩が挙げられる。好適なマグネシウム塩としては、例えば、乳酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、マレイン酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、リンゴ酸マグネシウム、タウリン酸マグネシウム、オロチン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、アセチルアセトン酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウムまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
好適カルシウム塩としては、例えば、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、リン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなどが挙げられる。
好ましいナトリウム塩は、硫酸ナトリウムである。好ましいナトリウム塩は、塩化ナトリウムである。好ましいナトリウム塩は、クエン酸ナトリウムである。好ましいマグネシウム塩は、乳酸マグネシウムである。
これに関して有用な炭水化物賦形剤としては、とりわけ、単糖及び多糖、糖アルコール、デキストラン、デキストリン、及びシクロデキストリンが挙げられる。代表的な単糖としては、デキストロース(無水及び一水和物;グルコース及びグルコース一水和物とも呼ばれる)、ガラクトース、D−マンノース、ソルボースなどが挙げられる。代表的な二糖類としては、ラクトース、マルトース、スクロース、トレハロースなどが挙げられる。代表的な三糖類としては、ラフィノースなどが挙げられる。2−ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリンなどのデキストラン、マルトデキストリン及びシクロデキストリンなどの他の炭水化物賦形剤は、必要に応じて使用できる。好ましい炭水化物は、マルトデキストリンである。代表的な糖アルコールとしては、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。好ましい糖アルコールは、マンニトールである。好ましい炭水化物は、マンニトール、ラクトース、マルトデキストリン及びトレハロースである。
好適なアミノ酸賦形剤は、標準的な製薬処理技術の下で粉末を形成する天然アミノ酸のいずれかを含み、ならびに非極性(疎水性)アミノ酸及び極性(非荷電、正荷電及び負荷電)アミノ酸を含み、こうしたアミノ酸は医薬品グレードであり、米国食品医薬品局によって一般に安全(GRAS)と見なされている。非極性アミノ酸の代表的例としては、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン及びバリンが挙げられる。極性非荷電アミノ酸の代表的例としては、システイン、グリシン、グルタミン、セリン、スレオニン、及びチロシンが挙げられる。極性正荷電アミノ酸の代表的例としては、アルギニン、ヒスチジン及びリジンが挙げられる。負荷電アミノ酸の代表的例として、アスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられる。好ましいアミノ酸は、ロイシンである。
一態様では、吸入性乾燥粒子は、1種以上の賦形剤のうちの1つとして、ロイシンを、約1%〜約9%、約2%〜約9%、約3%〜約9%、約4%〜約9%、約5%〜約9%、約1%〜約8%、約2%〜約8%、約3%〜約8%、約4%〜約8%、約5%〜約8%、約1%〜約7%、約2%〜約7%、約3%〜約7%、約4%〜約7%、約5%〜約7%、約1%〜約6%、約2%〜約6%、約3%〜約6%、約1%〜約5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約9%、または約10%の量で含む。
本明細書に記載の乾燥粒子は、1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び任意により3)1種以上の賦形剤を含む。いくつかの態様では、乾燥粒子は、一価または二価の金属カチオン塩である第1の賦形剤、及びアミノ酸、炭水化物または糖アルコールである第2の賦形剤を含む。例えば、第1の賦形剤は、ナトリウム塩またはマグネシウム塩であり得、第2の賦形剤は、アミノ酸(例えば、ロイシン)であり得る。より特定の例では、第1の賦形剤は、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムまたは乳酸マグネシウムであり得、第2の賦形剤はロイシンであり得る。さらにより具体的には、第1の賦形剤は、硫酸ナトリウムであり得、第2の賦形剤は、ロイシンであり得る。別の例では、第1の賦形剤は、ナトリウム塩またはマグネシウム塩であり得、第2の賦形剤は糖アルコール(マンニトールなど)であり得る。より特定の例では、第1の賦形剤は、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウムまたは乳酸マグネシウムであり得、第2の賦形剤は、マンニトールであり得る。他の例では、乾燥粒子は、結晶粒子形態のイトラコナゾール、ポリソルベート80及び1種の賦形剤、例えばナトリウム塩、マグネシウム塩またはアミノ酸(例えばロイシン)を含む。この態様では、乾燥粉末配合物は、ラクトースを含まない。
一態様では、本発明は、1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び3)1種以上の賦形剤を含む吸入性乾燥粒子を含む乾燥粉末配合物に関し、供給原料中に使用されるナノ粒子懸濁液中のイトラコナゾール対ポリソルベート80の比は、10:1より大きい、10:1超〜25:1、11:1〜35:1、10.5:1〜14.5:1、11:1〜31:1、12:1より大きい、11:1〜15:1、11.5:1〜14:1、13:1〜16:1、15:1〜19.5:1、19:1〜25:1、20.5:1〜23:1、または22:1〜32:1であり、ただし、乾燥粉末配合物は、以下を含まないものとする;20%イトラコナゾール、39%硫酸ナトリウム、39%マンニトール、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、22.5%硫酸ナトリウム、22.5%マンニトール、及び5%ポリソルベート80;20%イトラコナゾール、62.4%塩化ナトリウム、15.6%ロイシン、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、36%硫酸ナトリウム、9%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;20%イトラコナゾール、66.3%乳酸マグネシウム、11.7%ロイシン、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、38.25%乳酸マグネシウム、6.75%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、10%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、10%ロイシン、及び5%未満のポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、13.75%ロイシン、及び1.25%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、37%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;60%イトラコナゾール、26%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び6%ポリソルベート80;70%イトラコナゾール、15%ナトリウム、8%ロイシン、及び7%ポリソルベート80;75%イトラコナゾール、9.5%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び7.5%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、4%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、10%硫酸ナトリウム、2%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、11%硫酸ナトリウム、1%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;または80%イトラコナゾール、11%硫酸ナトリウム、1%ロイシン、及び8%ポリソルベート80。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは小さく、質量密度が高く、分散性である。幾何学的体積中位径(VMGD)を測定するために、例えば、Spraytecシステム(粒子サイズ分析機器、Malvern Instruments)及びHELOS/RODOSシステム(ドライディスペンシングユニット付きレーザー回折センサー、Sympatec GmbH)などのレーザー回折システムを使用してもよい。吸入性乾燥粒子は、最大オリフィスリング圧力での分散圧力設定(レギュレーター圧力とも呼ばれる)1.0バールにおいて、HELOS/RODOSシステムを用いて、レーザー回折により測定したとき、約10ミクロン以下、約5ミクロン以下、約4μm以下、約3μm以下、約1μm〜約5μm、約1μm〜約4μm、約1.5μm〜約3.5μm、約2μm〜約5μm、約2μm〜約4μm、または約2μm〜約3μmのVMGDを有する。好ましくは、VMGDは、約5ミクロン以下または約4μm以下である。一態様では、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、最小VMGD約0.5ミクロンまたは約1.0ミクロンを有する。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは、約2.0未満(例えば、約0.9〜約2未満)、約1.7以下(例えば、約0.9〜約1.7)、約1.5以下(例えば、約0.9〜約1.5)、約1.4以下(例えば、約0.9〜約1.4)、または約1.3以下(例えば、約0.9〜約1.3)の1バール/4バール分散比及び/または0.5バール/4バール分散比を有し、好ましくは、約1.5以下(例えば、約1.0〜約1.5)の及び/または約1.4以下(例えば、約1.0〜約1.4)の1バール/4バール及び/または0.5バール/4バール分散比を有する。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは少なくとも約0.2g/cm3、少なくとも約0.25g/cm3のタップ密度を有し、少なくとも約0.3g/cm3、少なくとも約0.35g/cm3のタップ密度、少なくとも0.4g/cm3のタップ密度を有する。例えば、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、0.4g/cm3を超えるタップ密度(例えば、0.4g/cm3超〜約1.2g/cm3)、少なくとも約0.45g/cm3(例えば、約0.45g/cm3〜約1.2g/cm3)、少なくとも約0.5g/cm3(例えば、約0.5g/cm3〜約1.2g/cm3)、少なくとも約0.55g/cm3(例えば、約0.55g/cm3〜約1.2g/cm3)、少なくとも約0.6g/cm3(例えば、約0.6g/cm3〜約1.2g/cm3)または少なくとも約0.6g/cm3〜約1.0g/cm3のタップ密度を有する。あるいは、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは、約0.01g/cm3〜約0.5g/cm3、約0.05g/cm3〜約0.5g/cm3、約0.1g/cm3〜約0.5g/cm3、約0.1g/cm3〜約0.4g/cm3、または約0.1g/cm3〜約0.4g/cm3のタップ密度を有する。あるいは、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、約0.15g/cm3〜約1.0g/cm3のタップ密度を有する。あるいは、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、約0.3g/cm3〜約0.8g/cm3のタップ密度を有する。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、少なくとも約0.1g/cm3、または少なくとも約0.8g/cm3のかさ密度を有する。例えば、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、約0.1g/cm3〜約0.6g/cm3、約0.2g/cm3〜約0.7g/cm3、約0.3g/cm3〜約0.8g/cm3のかさ密度を有する。
吸入性乾燥粒子、及び乾燥粉末が吸入性乾燥粉末である場合の乾燥粉末は、好ましくは10ミクロン未満のMMAD、好ましくは約5ミクロン以下、または約4ミクロン以下のMMADを有する。一態様では、吸入性乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは、約0.5ミクロン、または約1.0ミクロンの最小MMADを有する。一態様では、吸入性乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは、約2.0ミクロン、約3.0ミクロン、または約4.0ミクロンの最小MMADを有する。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、少なくとも約35%、好ましくは少なくとも約45%、少なくとも約60%、約45%〜約80%、または約60%〜約80%の、総用量に対するFPF約5.6ミクロン未満(FPF<5.6μm)を好ましくは有する。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、約25%〜約60%、または約40%〜約60%の、総用量に対するFPF約3.4ミクロン未満(FPF<3.4μm)を有する。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは、最大約15重量%、最大約10重量%、最大約5重量%、最大約1%、または約0.01%〜約1%の総水含有量及び/もしくは溶媒含有量を有するか、または、水もしくは他の溶媒を実質的に含まなくてもよい。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは、低い吸入エネルギーで投与され得る。異なる吸入流量、体積、及び異なる抵抗の吸入器からの粉末の分散を関連付けるために、吸入操作を実行するために必要なエネルギーを計算してもよい。吸入エネルギーは式E=R22Vから計算できる。ここで、Eは、吸入エネルギー(ジュール単位)、Rは、吸入抵抗(kPa1/2/LPM単位)、Qは、定常流量(L/分)であり、Vは、吸入空気量(L)である。
健康な成人集団は、乾燥粉末吸入器に関するFDAガイダンス資料及び様々なDPIによって成人が平均2.2Lの吸入量を有することを発見したTiddensら(Journal of Aerosol Med,19(4),p.456−465,2006)の研究の両方に基づいて、2Lの吸入量で、0.02及び0.055kPa1/2/LPMの2つの吸入器抵抗からの流量Qの場合、Clarkeら(Journal of Aerosol Med,6(2),p.99−110,1993)によって測定されたピーク吸気流量(PIFR)の値を用いることにより、快適な吸入の2.9ジュールから最大吸入の22ジュールまでの範囲の吸入エネルギーを達成できると予測されている。
軽度、中等度、重度の成人のCOPD患者は、それぞれ5.1〜21ジュール、5.2〜19ジュール、2.3〜18ジュールの最大吸入エネルギーを達成できると予測されている。これも、吸入エネルギーの方程式の流量Qについて測定されたPIFR値を使用することに基づいている。各群について達成可能なPIFRは、吸入が行われる吸入器抵抗の関数である。Broedersらの論文(Eur Respir J,18,p.780−783,2001)を用いて、抵抗が各々0.021及び0.032kPa1/2/LPMの2つの乾燥粉末吸入器からの最大及び最小達成可能PIFRを予測した。
同様に、成人喘息患者は、COPD集団及びBroedersらのPIFRデータと同じ仮定に基づき、7.4〜21ジュールの最大吸入エネルギーを達成することができると予測される。
健常な成人及び小児、COPD患者、5歳以上の喘息患者、及びCF患者は、例えば、本発明の乾燥粉末配合物を空にして、分散するのに十分な吸入エネルギーを供給することができる。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、乾燥粉末吸入器に加えられる約5ジュール、約3.5ジュール、約2.4ジュール、約2ジュール、約1ジュール、約0.8ジュール、約0.5ジュール、または約0.3ジュールの総吸入エネルギーを受ける受動乾燥粉末吸入器からの高い放出量、好ましくは、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%のCEPMなどを特徴とする。乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子を保持する容器は、約5mg、約7.5mg、約10mg、約15mg、約20mg、または約30mgを含有し得る。一態様では、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、下記の条件で、毎分約0.036sqrt(kPa)/リットルの抵抗を有する受動乾燥粉末吸入器から放出されるとき、80%以上のCEPM及び5ミクロン以下のVMGDを特徴とする:空気流量30LPM、総質量10mgを含有するサイズ3カプセルを用いて3秒間実施。別の態様では、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、下記の条件で、毎分約0.036sqrt(kPa)/リットルの抵抗を有する受動乾燥粉末吸入器から放出されるとき、80%以上のCEPM及び5ミクロン以下のVMGDを特徴とする:空気流量20LPM、総質量10mgを含有するサイズ3カプセルを用いて3秒間実施。別の態様では、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、下記の条件で、毎分約0.036sqrt(kPa)/リットルの抵抗を有する受動乾燥粉末吸入器から放出されるとき、80%以上のCEPM及び5ミクロン以下のVMGDを特徴とする:空気流量15LPM、総質量10mgを含有するサイズ3カプセルを用いて4秒間実施。
乾燥粉末は、単位用量容器を充填することができ、または単位用量容器は、少なくとも2%充填、少なくとも5%充填、少なくとも10%充填、少なくとも20%充填、少なくとも30%充填、少なくとも40%充填、少なくとも50%充填、少なくとも60%充填、少なくとも70%充填、少なくとも80%充填、または少なくとも90%充填されていてよい。単位用量容器は、カプセル(例えば、サイズ000、00、0E、0、1、2、3、及び4で、それぞれ、1.37ml、950μl、770μl、680μl、480μl、360μl、270μl、及び200μlの容積を有する)であってよい。カプセルは、少なくとも約2%充填、少なくとも約5%充填、少なくとも約10%充填、少なくとも約20%充填、少なくとも約30%充填、少なくとも約40%充填、または少なくとも約50%充填であってよい。単位用量容器は、ブリスターであり得る。ブリスターは、単一ブリスター、または複数のブリスター、例えば、7ブリスター、14ブリスター、28ブリスターもしくは30ブリスターの1セットの一部としてパッケージすることができる。1つ以上のブリスターは、好ましくは、少なくとも30%充填、少なくとも50%充填または少なくとも70%充填であってよい。
本発明の利点は、広範囲の流量において十分に分散し、比較的流量に依存しない粉末が生成されることである。本発明の乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子では、広範な患者集団のために、単純な、受動DPIの使用が可能になる。
特定の態様では、本発明は、結晶粒子形態のイトラコナゾール(例えば、約80nm〜約1750nmの体積中位径(Dv50)、例えば、約60nm〜約175nm Dv50、約150nm〜約400nm Dv50または1200nm〜約1750nm Dv50、あるいは50nm〜800nm Dv50などの粒子)と、安定剤と、任意により1種以上の賦形剤と、を含む乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子に関する。特定の乾燥粉末及び吸入性乾燥粒子は、表1に示す以下の配合を有する。本明細書に記載する乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは、以下:1)1バールのVMGDが、HELOS/RODOSシステムを用いて測定して、約10ミクロン以下、または好ましくは約5ミクロン以下であり;2)1バール/4バール分散比及び/または0.5バール/4バール分散比が、約1.5以下、約1.4以下もしくは約1.3以下であり;3)MMADが、約10ミクロン以下、好ましくは5ミクロン以下であり;4)総用量に対するFPF<5.6μmが、少なくとも約45%もしくは少なくとも約60%であり;及び/または5)総用量に対するFPF<3.4μmが、少なくとも約25%もしくは少なくとも約40%であることを特徴とする。所望であれば、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、さらに、タップ密度が、約0.2g/cm3以上、約0.3g/cm3以上、約0.4g/cm3以上、0.4g/cm3超、約0.45g/cm3以上、または約0.5g/cm3以上であることを特徴とする。
Figure 2021522161
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別の態様では、本発明は、約50%〜約80%のイトラコナゾール、9%以下のロイシン、約20%〜約40%の硫酸ナトリウム、及びポリソルベート80(イトラコナゾール:ポリソルベート80が10:1を超える比率)を含む乾燥粉末配合物に関する。乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは小さく、質量密度が高く、分散性である。幾何学的体積中位径(VMGD)を測定するために、例えば、Spraytecシステム(粒子サイズ分析機器、Malvern Instruments)及びHELOS/RODOSシステム(ドライディスペンシングユニット付きレーザー回折センサー、Sympatec GmbH)などのレーザー回折システムを使用してもよい。吸入性乾燥粒子は、最大オリフィスリング圧力での分散圧力設定(レギュレーター圧力とも呼ばれる)1.0バールにおいて、HELOS/RODOSシステムを用いて、レーザー回折により測定したとき、約10ミクロン以下、約5ミクロン以下、約4μm以下、約3μm以下、約1μm〜約5μm、約1μm〜約4μm、約1.5μm〜約3.5μm、約2μm〜約5μm、約2μm〜約4μm、または約2μm〜約3μmのVMGDを有する。好ましくは、VMGDは、約5ミクロン以下または約4μm以下である。一態様では、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、最小VMGD約0.5ミクロンまたは約1.0ミクロンを有する。
前の段落で特性を決定した、範囲のいずれかまたは具体的に開示された配合物によって記載された乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、容器、例えばカプセルまたはブリスターに充填され得る。容器がカプセルであるとき、カプセルは、例えば、サイズ2またはサイズ3カプセルであり、好ましくは、サイズ3カプセルである。カプセル材料は、例えば、ゼラチンまたはHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)であってよく、好ましくは、HPMCである。
上記に記載され、特性を決定した乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、乾燥粉末吸入器(DPI)内に含有させてもよい。DPIは、カプセルベースのDPIまたはブリスターベースのDPIであってよく、好ましくは、カプセルベースのDPIである。より好ましくは、乾燥粉末吸入器は、乾燥粉末吸入器(Plastiape S.p.A.,Italy)のRS01ファミリーから選択される。さらに好ましくは、乾燥粉末吸入器は、RS01 HRまたはRS01 UHR2から選択される。最も好ましくは、乾燥粉末吸入器はRS01 HRである。
乾燥粉末及び乾燥粒子を調製する方法
吸入性乾燥粒子及び乾燥粉末は、任意の好適な方法を用いて調製することができるが、ここで、乾燥粉末配合物は、即時分散物となり得ないものとする。乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子を調製するための多くの好適な方法は、当技術分野においてごく一般的であり、シングル及びダブルエマルジョン溶媒蒸発、噴霧乾燥、噴霧−凍結乾燥、粉砕(例えば、ジェットミル)、ブレンド、溶媒抽出、溶媒蒸発、相分離、シンプル及び複合コアセルベーション、界面重合のほか、超臨界二酸化炭素(CO2)、超音波結晶化、ナノ粒子凝集体形成の使用を伴う好適な方法、ならびにこれらの組み合わせを含む他の好適な方法が挙げられる。吸入性乾燥粒子は、当分野では公知のマイクロスフィアまたはマイクロカプセルを製造するための方法を用いて製造することができる。これらの方法は、所望の空気力学特性(例えば、空気力学粒径及び幾何粒径)を備えた吸入性乾燥粒子の形成をもたらす条件下で使用することができる。所望であれば、サイズ及び密度などの所望の特性を備えた吸入性乾燥粒子は、篩い分けなどの好適な方法を用いて、選択することができる。
サイズ及び密度などの所望の特性を備えた吸入性乾燥粒子を選択する好適な方法としては、湿式篩い分け、乾式篩い分け、及び空気力学分類器(例えば、サイクロン)が挙げられる。
吸入性乾燥粒子は、好ましくは噴霧乾燥される。好適な噴霧乾燥技術は、例えば、K.Mastersによる“Spray Drying Handbook”,John Wiley&Sons,New York(1984)に記載されている。一般に、噴霧乾燥中、加熱空気または窒素などの高温ガスの熱を用いて、連続的な液体供給物を噴霧することにより形成される液滴から溶媒を蒸発させる。高温空気を使用する場合には、その使用前に、空気中の水分を少なくとも部分的に除去する。窒素を使用する場合には、窒素ガスは、「乾燥」状態で実施でき、これは、さらなる水蒸気がガスと結合することはないことを意味する。所望であれば、噴霧乾燥の実施を開始する前に、「乾燥」窒素を超える固定値に窒素または空気の水分レベルを設定することができる。所望であれば、乾燥粒子を調製するのに用いられる噴霧乾燥または他の機器(例えば、ジェットミル機器)は、吸入性乾燥粒子の生成中にその幾何粒径を決定するインライン幾何粒度計、及び/または吸入性乾燥粒子の生成中にその空気力学粒径を決定するインライン空気力学粒度計を含んでもよい。
噴霧乾燥の場合、好適な溶媒(例えば、水性溶媒、有機溶媒、水性−有機混合物またはエマルジョン)中に生成しようとする乾燥粒子の成分を含有する溶液、エマルジョンまたは懸濁液を噴霧装置により乾燥容器に分布させる。例えば、ノズルまたは回転噴霧器を用いて、溶液または懸濁液を乾燥容器に分布させることができる。ノズルは、二流体ノズルであってよく、これは、内部混合セットアップまたは外部混合セットアップであってもよい。あるいは、4または24羽根車を備える回転噴霧器を用いてもよい。好適な噴霧乾燥器は、回転噴霧器及び/またはノズルを装備してもよく、例として、複数の他の噴霧乾燥器の選択肢の中でも、Mobile Minor Spray DryerまたはModel PSD−1(いずれも、GEA Niro,Inc.(Denmark)製)、Buchi B−290 Mini Spray Dryer(BUCHI Labortechnik AG,Flawil,Switzerland)、ProCepT Formatrix R&D噴霧乾燥器(ProCepT nv, Zelzate,Belgium)が挙げられる。実際の噴霧乾燥条件は、部分的に、噴霧乾燥溶液または懸濁液の組成及び材料の流量に応じて変動し得る。当業者であれば、噴霧乾燥しようとする溶液、エマルジョンまたは懸濁液の組成、所望の粒子特性及び他の要因に基づいて、適切な条件を決定することができよう。一般に、噴霧乾燥器の入口温度は、約90℃〜約300℃である。噴霧乾燥器の出口温度は、供給温度及び乾燥する材料の特性などの要因に応じて変動し得る。一般に、出口温度は、約50℃〜約150℃である。所望であれば、生成される吸入性乾燥粒子は、例えば、篩を用いて、体積サイズ別に分別するか、またはサイクロンを用いて、空気力学サイズ別に分別する、及び/または当業者には周知の技術を用いて、密度に応じてさらに分離することができる。
本発明の吸入性乾燥粒子を調製するためには、概して、乾燥粉末の所望の成分を含有するエマルジョンまたは懸濁液(すなわち、供給原料)を調製し、好適な条件下で噴霧乾燥する。好ましくは、供給原料中の溶解または懸濁固形物濃度は、少なくとも約1g/L、少なくとも約2g/L、少なくとも約5g/L、少なくとも約10g/L、少なくとも約15g/L、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約40g/L、少なくとも約50g/L、少なくとも約60g/L、少なくとも約70g/L、少なくとも約80g/L、少なくとも約90g/L、または少なくとも約100g/Lである。供給原料は、好適な溶媒中に好適な成分(例えば、塩、賦形剤、他の活性成分)を溶解、懸濁、または乳化させることによって単一溶液、懸濁液またはエマルジョンを調製することにより、得ることができる。溶液、エマルジョンまたは懸濁液は、乾燥及び/もしくは液体成分のバルク混合または液体成分の静的混合などの任意の好適な方法を用いて調製して、複合物を形成することができる。例えば、静的ミキサーを用いて、親水性成分(例えば、水溶液)と疎水性成分(例えば、有機溶液)とを組み合わせることにより、複合物を形成することができる。次に、この複合物を噴霧して、液滴を生成することができ、これを乾燥させて、吸入性乾燥粒子を形成する。好ましくは、静的ミキサー中でこれらの成分を組み合わせた直後に噴霧ステップを実施する。あるいは、噴霧ステップは、バルク混合した溶液で実施する。
供給原料は、粒子形態のイトラコナゾールが低溶解性を有する任意の溶媒、例えば、有機溶媒、水性溶媒またはそれらの混合物を用いて調製することができる。使用できる好適な有機溶媒として、限定されないが、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコールが挙げられる。他の有機溶媒として、限定されないが、テトラヒドロフラン(THF)、パーフルオロカーボン、ジクロロメタン、クロロホルム、エーテル、酢酸エチル、メチルtert−ブチルエーテルなどが挙げられる。使用できる共溶媒として、水性溶媒及び有機溶媒、例えば、限定されないが、前述の有機溶媒が挙げられる。水性溶媒としては、水及び緩衝液が挙げられる。好ましい溶媒は、水である。
供給原料を調製するための溶質及び溶媒を混合するために、様々な方法(例えば、静的混合、バルク混合)を用いることができ、これらは当技術分野で公知である。所望であれば、他の好適な混合方法を用いてもよい。例えば、混合をもたらすかまたは促進させる追加成分を供給原料に含有させてもよい。例えば、二酸化炭素は、泡立ちまたは発泡を起こすため、溶質及び溶媒の物理的混合を促進する上で役立ち得る。
供給原料または供給原料の成分は、任意の所望のpH、粘度または他の特性を有してもよい。所望であれば、溶媒もしくは共溶媒または形成された混合物に、pH緩衝剤を添加することができる。概して、混合物のpHは、約3〜約8の範囲である。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子を製造し、次いで、例えば、サイクロンを用いた濾過または遠心分離により分離して、予め選択された粒度分布を有する粒子サンプルを提供することができる。例えば、サンプル中の吸入性乾燥粒子の約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、または約90%超が、選択された範囲内の粒径を有し得る。特定の割合(パーセンテージ)の吸入性乾燥粒子が含まれる選択範囲は、例えば、約0.1〜約3ミクロンVMGDなど、本明細書に記載のサイズ範囲のいずれであってもよい。
懸濁液は、ナノ結晶性薬物を含有する乾燥粉末を製造する場合の中間体と類似しているナノ懸濁液であってもよい。
乾燥粉末は、硫酸ナトリウム及びロイシンなどのマトリックス材料に埋め込まれた薬物であってもよい。任意により、乾燥粒子が微小、高密度、かつ分散性となるように、乾燥粉末を噴霧乾燥してもよい。
乾燥粉末は、他の担体または賦形剤粒子を含まず、本明細書に記載の吸入性乾燥粒子単独で構成することもできる(「純粉末(neat powder)」と呼ばれる)。
好ましい実施形態では、乾燥粉末は、担体粒子を含まない。一態様では、結晶性イトラコナゾール粒子は、賦形剤及び/または安定剤を含むマトリックスに埋め込まれる。乾燥粉末は、均一な含有量の吸入性乾燥粉末を含んでもよく、各粒子は、結晶性イトラコナゾールを含有する。したがって、本明細書で使用されるとき、「均一含有量」とは、すべての吸入性粒子が、ある量の結晶粒子形態のイトラコナゾール、ポリソルベート80、及び賦形剤を含有することを意味する。
乾燥粉末は、吸入性乾燥粒子を含むことができ、ここで、粒子の(重量基準で)少なくとも98%、少なくとも99%、または実質的に全部が、イトラコナゾールを含有する。
乾燥粉末は、1種以上の賦形剤を含むマトリックス全体に分布している結晶性イトラコナゾール粒子を含み得る。賦形剤は、製薬用途に好適な任意の数の塩、糖、脂質、アミノ酸、界面活性剤、ポリマー、または他の成分を含んでもよい。好ましい賦形剤として、硫酸ナトリウム及びロイシンが挙げられる。乾燥粉末は、典型的には、最初に、当業者には周知の任意の数の技法(例えば、湿式粉砕、ジェットミル)を用いて、粒径を調節するために、結晶性イトラコナゾールを加工することによって製造される。結晶性イトラコナゾールは、ポリソルベート80を用いて貧溶媒中で処理することにより、懸濁液を形成する。次に、結晶性イトラコナゾールの安定化させた懸濁液を1種以上の追加賦形剤と一緒に噴霧乾燥させる。得られた乾燥粒子は、賦形剤マトリックス全体にわたって分布した結晶性イトラコナゾールを含み、各乾燥粒子が均質な組成を有する。
特定の実施形態では、本発明の乾燥粉末は、結晶性イトラコナゾールから出発することによって製造され、これは、通常、微結晶サイズの範囲で得ることができる。当業者には周知の複数の技法のいずれかを用いて、微結晶性イトラコナゾールの粒径を縮小してナノ結晶粒径にする。そうした技法としては、限定しないが、高圧均質化、高せん断力均質化、ジェットミル、ピンミル、マイクロ流動化、または湿式粉砕(ボールミル、パールミルもしくはビーズミルとしても知られる)が挙げられる。多くの場合、幅広い粒度分布、例えば、ナノメートル(<1μm)サイズドメインを含むものなどを得ることができるため、湿式粉砕が好ましい。サブミクロンサイズドメインで特に重要になることは、界面活性剤(例えば、ポリソルベート80(Tween80とも呼ばれる))などの表面安定化成分の使用である。ポリソルベート80は、粉砕工程中に生成される多くの高エネルギー表面を封鎖して、凝集及び沈殿を防ぐので、粉砕工程中のサブミクロン粒子の生成、ならびに物理的に安定な懸濁液の形成が可能になる。したがって、ポリソルベート80により、粒子全体における組成が確実に均質となる均質かつ安定な懸濁液の形成が可能になることから、均質なミクロ粒子を噴霧乾燥する上で、ポリソルベート80の存在は重要である。ポリソルベート80の使用により、ミクロ懸濁液またはナノ懸濁液の形成が可能になる。ポリソルベート80を用いて、ナノ結晶性イトラコナゾール粒子を貧溶媒中の安定なコロイド懸濁液に懸濁させる。イトラコナゾール用の貧溶媒には、コロイド懸濁液の連続貧溶媒相として、水、または水とアルコールもしくはケトンなどの他の混和性溶媒との組み合わせを使用することができる。噴霧乾燥用の供給原料は、所望の溶媒(複数可)に可溶性成分を溶解させた後、混合しながら、得られた供給原料中にポリソルベート80により安定化させた結晶性イトラコナゾールナノ懸濁液を分散させることによって製造され得るが、プロセスは、この具体的な操作順序に限定するものではない。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の乾燥粉末の変形は、イトラコナゾールの量を維持しながら、界面活性剤を減少させることによって作製する。さらに他の実施形態では、本明細書に記載の乾燥粉末の変形は、イトラコナゾールの量を増加させながら、界面活性剤の元の量を維持することによって作製する。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子を分析する方法を以下の実施例のセクションに記載する。
治療用途及び方法
本発明の乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、気道、例えば、嚢胞性線維症、喘息、特に重症喘息、及び重度の免疫不全患者など、呼吸器(例えば、肺)疾患の治療のためにそれを必要とする対象への投与に好適である。この治療は、アスペルギルス感染症の治療に特に有用である。この治療はまた、イトラコナゾールに対して感受性である真菌感染症の治療にも有用である。本発明の別の態様は、例えば、喘息または嚢胞性線維症などの肺疾患を有する患者において、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)を治療することである。
他の態様では、本発明は、アスペルギルス感染症など、気道内の真菌感染症により引き起こされる、急性増悪の治療、その頻度もしくは重症度の軽減、またはその防止のための方法である。別の態様では、本発明は、アスペルギルス感染症など、気道内の真菌感染症により引き起こされる、増悪の治療、その頻度もしくは重症度の軽減、またはその防止のための方法である。別の態様では、本発明は、例えば、喘息または嚢胞性線維症などの肺疾患を有する患者において、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)により引き起こされる、増悪の治療、その頻度もしくは重症度の軽減、またはその防止のための方法である。
他の態様では、本発明は、嚢胞性線維症、喘息、特に重症喘息、及び重度の免疫不全患者など、呼吸器疾患及び/または慢性肺疾患の症状を軽減するための方法である。別の態様では、本発明は、これらの患者集団におけるアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の症状を軽減するための方法である。さらに別の態様では、本発明は、炎症を軽減する、ステロイドの使用を控える、またはステロイド治療の必要性を低減するための方法である。
他の態様では、本発明は、嚢胞性線維症、喘息、特に重症喘息、及び重度の免疫不全患者など、呼吸器疾患及び/または慢性肺疾患を有する患者の肺機能を改善するための方法である。別の態様では、本発明は、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)を有する患者の肺機能を改善するための方法である。さらなる態様では、本発明は、免疫不全患者集団における侵襲性真菌感染症の防止または治療のための方法である。
乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、任意の好適な方法、例えば、点滴技術、及び/または乾燥粉末吸入器(DPI)もしくは定量吸入器(MDI)などの吸入装置を用いて、それを必要とする対象の気道に投与することができる。いくつかのDPIが利用可能であり、例えば、米国特許第4,995,385号及び同第4,069,819号に開示されている吸入器、Spinhaler(登録商標)(Fisons,Loughborough,U.K.)、Rotahalers(登録商標)、Diskhaler(登録商標)及びDiskus(登録商標)(GlaxoSmithKline,Research Triangle Technology Park,North Carolina)、FlowCaps(登録商標)(Hovione,Loures,Portugal)、Inhalators(登録商標)(Boehringer−Ingelheim,Germany)、Aerolizer(登録商標)(Novartis,Switzerland)、高抵抗性、超高抵抗性、及び低抵抗性RS01(Plastiape,Italy)ならびに当業者には周知の他のものである。
次の乾燥粉末吸入器(DPI)構成:1)単回用量カプセルDPI、2)複数回用量ブリスターDPI、及び3)複数回用量レザバーDPIの概説全体について、下記の学術雑誌の記事を参照により組み込む。N.Islam,E.Gladki,“Dry powder inhalers(DPIs)−A review of device reliability and innovation”,International Journal of Pharmaceuticals,360(2008):1−11。H.Chystyn,“Diskus Review”,International Journal of Clinical Practice,June 2007,61,6,1022−1036。H.Steckel,B.Muller,“In vitro evaluation of dry powder inhalers I:drug deposition of commonly used devices”,International Journal of Pharmaceuticals,154(1997):19−29。いくつかの代表的なカプセルベースのDPIユニットを以下に挙げる:RS−01(Plastiape,Italy)、Turbospin(登録商標)(PH&T,Italy)、Brezhaler(登録商標)(Novartis,Switzerland)、Aerolizer(Novartis,Switzerland)、Podhaler(登録商標)(Novartis,Switzerland)、HandiHaler(登録商標)(Boehringer Ingelheim,Germany)、AIR(登録商標)(Civitas,Massachusetts)、Dose One(登録商標)(Dose One,Maine)、及びEclipse(登録商標)(Rhone Poulenc Rorer)。いくつかの代表的な単位用量DPIを以下に挙げる:Conix(登録商標)(3M,Minnesota)、Cricket(登録商標)(Mannkind,California)、Dreamboat(登録商標)(Mannkind,California)、Occoris(登録商標)(Team Consulting,Cambridge,UK)、Solis(登録商標)(Sandoz)、Trivair(登録商標)(Trimel Biopharma,Canada)、Twincaps(登録商標)(Hovione,Loures,Portugal)。いくつかの代表的なブリスターベースのDPIユニットを以下に挙げる:Diskus(登録商標)(GlaxoSmithKline(GSK),UK)、Diskhaler(登録商標)(GSK)、Taper Dry(登録商標)(3M,Minnesota)、Gemini(登録商標)(GSK)、Twincer(登録商標)(University of Groningen,Netherlands)、Aspirair(登録商標)(Vectura,UK)、Acu−Breathe(登録商標)(Repirics,Minnesota,USA)、Exubra(登録商標)(Novartis,Switzerland)、Gyrohaler(登録商標)(Vectura,UK)、Omnihaler(登録商標)(Vectura,UK)、Microdose(登録商標)(Microdose Therapeutix,USA)、Multihaler(登録商標)(Cipla,India)Prohaler(登録商標)(Aptar)、Technohaler(登録商標)(Vectura,UK)、及びXcelovair(登録商標)(Mylan,Pennsylvania)。いくつかの代表的なレザバーベースのDPIユニットを以下に挙げる:Clickhaler(登録商標)(Vectura)、Next DPI(登録商標)(Chiesi)、Easyhaler(登録商標)(Orion)、Novolizer(登録商標)(Meda)、Pulmojet(登録商標)(sanofi−aventis)、Pulvinal(登録商標)(Chiesi)、Skyehaler(登録商標)(Skyepharma)、Duohaler(登録商標)(Vectura)、Taifun(登録商標)(Akela)、Flexhaler(登録商標)(AstraZeneca,Sweden)、Turbuhaler(登録商標)(AstraZeneca,Sweden)、及びTwisthaler(登録商標)(Merck)、ならびに当業者には周知の他のユニット。
一般に、吸入装置(例えば、DPI)は、単回吸入で最大量の乾燥粉末または乾燥粒子を送達することができ、これは、ブリスター、カプセル(例えば、1.37ml、950μl、770μl、680μl、480μl、360μl、270μl、及び200μlのそれぞれの容積に対して、サイズ000、00、0E、0、1、2、3、及び4)または乾燥粉末及び/もしくは吸入性乾燥粒子を吸入器内に収容するその他の手段の容積に関連する。好ましくは、ブリスターは、約360マイクロリットル以下、約270マイクロリットル以下の容積を有し、またはさらに好ましくは、約200マイクロリットル以下、約150マイクロリットル以下、または約100マイクロリットル以下の容積を有する。好ましくは、カプセルは、サイズ2カプセル、またはサイズ4カプセルである。より好ましくは、カプセルは、サイズ3カプセルである。したがって、所望の用量または有効量の送達は、2回以上の吸入を必要とし得る。好ましくは、それを必要とする対象に投与される各用量は、有効量の吸入性乾燥粒子または乾燥粉末を含有し、約4回以下の吸入を用いて投与される。例えば、各用量の乾燥粉末または吸入性乾燥粒子は、単回吸入、または2、3、もしくは4回の吸入で投与することができる。乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、好ましくは、受動DPIを用いて、1回の吸込みで作動するステップで投与される。このタイプの装置を用いる場合、対象の吸入のエネルギーにより、吸入性乾燥粒子が分散すると共に、粒子が気道に引き込まれる。
本発明の方法において使用するのに好適な乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子は、上気道(すなわち、中咽頭及び喉頭)、下気道(気管、それに続く気管支及び細気管支への分岐部)、ならびに終末細気管支(これは、呼吸細気管支に分かれた後、最終呼吸域である気胞または肺深部に到達する)を通過することができる。本発明の一実施形態では、吸入性乾燥粒子の質量の大部分は、肺深部に沈着する。本発明の別の実施形態では、送達は、主に中央気道に向かうものである。別の実施形態では、送達は、上気道に向かうものである。好ましい実施形態では、吸入性乾燥粒子の質量の大部分は、誘導気管支内に沈着する。
所望である場合または指示される場合、本明細書に記載の乾燥粉末及び吸入性乾燥粒子は、1種以上の他の治療剤と共に投与することができる。他の治療剤は、経口、非経口(例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、または皮下注射)、局所投与、吸入(例えば、気管支内、鼻内または口腔吸入、点鼻剤)により、直腸、膣などの任意の好適な経路により投与することができる。吸入性乾燥粒子及び乾燥粉末は、他の治療剤の投与前、投与と実質的に同時、または投与後に投与することができる。好ましくは、乾燥粉末及び/または吸入性乾燥粒子ならびに他の治療剤は、それらの薬理学的活性の実質的な重複がもたらされるように投与する。
本明細書に記載の乾燥粉末及び吸入性乾燥粒子は、そのまま吸入されることが意図され、本発明は、即時分散物の製造における乾燥粉末配合物の使用を除外する。即時分散物は、使用直前(患者に対する薬物の投与直前を意味する)に完成される調製物として当業者に知られている。本発明で使用されるとき、用語「即時分散物」は、溶液または懸濁液が製薬業により直接製造されず、すぐに使用できる形態で市販されているが、乾燥固体組成物の調製の直後、通常、患者への投与の直前に調製されるすべての場合を指す。
液体配合物
加圧式定量吸入器(pMDI)またはソフトミスト吸入器(SMI)を使用して送達するための液体配合物は、任意の好適な方法を使用して調製できる。例えば、pMDIを用いて使用する場合、結晶粒子形態のイトラコナゾールがHFA噴射剤またはCFC噴射剤などの噴射剤に懸濁され、任意によりポリソルベート80などの安定剤により安定化されている加圧キャニスター内で供給原料を調製できる。次に、pMDIを作動させることにより、加圧された懸濁液を患者の気道に送達させることができる。表2は、pMDIの使用による結晶粒子形態のイトラコナゾールを送達させるための様々な実施形態を含む。ナノ粒子の固形分濃度は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、または約50%から変動し得る。pMDIの投与量は、約20uLから約110uLまで変動し得る。投与量内のイトラコナゾールの量は、約15%、20%、25%、30%または40%であり得る。残りの容積には、噴射剤及び任意により界面活性剤を含んでもよい。pMDIの送達効率は、約15%、20%、25%、30%または40%であり得る。pMDI内のイトラコナゾールの公称用量は、約0.50mg〜約12mgまで変動し得る。例えば、公称用量は、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mgまたは約12mgであり得る。計算された送達用量は、約0.1mg〜約5mgの範囲であり得る。
Figure 2021522161
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SMIを用いた使用のために、例えば、結晶粒子形態のイトラコナゾールが水などの溶媒に懸濁され、その中でイトラコナゾールが難溶性であり、ポリソルベート80などの安定剤で安定化された供給原料を調製することができる。懸濁液は、装置内に装填されたカートリッジ内の折りたたみ式バッグに保管することができる。強制的に計量された量の懸濁液は、毛細管を通ってマイクロポンプに進む。SMIが作動すると、ある用量が患者に送達され得る。表3は、SMIの使用により、結晶粒子形態のイトラコナゾールを送達するための様々な実施形態を含む。ナノ粒子の固形分濃度は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、または約50%から変動する。SMIの投与量は、約10uLから約25uLまで変動し得る。配合物は、結晶粒子形態のイトラコナゾール及び界面活性剤を含み得る。SMIの送達効率は、約65%、70%、75%、80%、または85%であり得る。pMDI内でのイトラコナゾールの公称用量は、約1.0mg〜約8mgまで変動し得る。例えば、公称用量は、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、または約8mgであり得る。計算された送達用量は、約0.5mg〜約5mgの範囲であり得る。
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以下の実施例で使用される材料及びそれらの供給源は、以下に列挙する。塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、水酸化アンモニウム、マンニトール、乳酸マグネシウム、及びL−ロイシンはSigma−Aldrich Co(St.Louis,MO)、Spectrum Chemicals(Gardena,CA)、Applichem(Maryland Heights,MO)、Alfa Aesar(Tewksbury,MA)、Thermo Fisher(Waltham,MA)、Croda Chemicals(East Yorkshire,United Kingdom)またはMerck(Darmstadt,Germany)から入手した。イトラコナゾールは、Neuland(Princeton,NJ)またはSMS Pharmaceutical ltd(Telengana State,India)から入手した。超純(タイプII ASTM)水は、浄水システム(Millipore Corp.,Billerica,MA)または同等のものからのものであった。
方法:
懸濁液の幾何学的体積径。活性剤懸濁液の体積中位径(x50またはDv50)は、幾何学的体積中位径(VMGD)とも呼ばれ、レーザー回折技術を使用して決定した。装置は、サンプルの取り扱い及び除去のための自動再循環システムを備えたHoriba LA−950機器、または固定容量のサンプルキュベットで構成されていた。分散媒へのサンプルは、脱イオン水、またはポリソルベート80もしくはドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤が0.5%未満の脱イオン水のいずれかで構成されている。超音波エネルギーを加えて、懸濁液の分散を補助できる。レーザー透過率が正しい範囲内にある場合、サンプルを5の設定で60秒間超音波処理した。次にサンプルを測定し、粒度分布が報告された。
乾燥粉末の幾何学的または体積径。乾燥粉末配合物の体積中位径(x50またはDv50)は、幾何学的体積中位径(VMGD)とも呼ばれ、レーザー回折技術を使用して決定した。本装置は、HELOS回折計及びRODOS乾燥粉末分散器(Sympatec,Inc.,Princeton,NJ)で構成されていた。RODOS分散器は、流入する圧縮乾燥空気のレギュレーター圧力(典型的には、最大オリフィスリング圧力で1.0バールに設定)によって制御されて、粒子サンプルにせん断力を加える。圧力設定を変動させて、粉末の分散に使用されるエネルギーの量を変動させてもよい。例えば、レギュレーターの圧力を0.2バールから4.0バールに変更することにより、分散エネルギーを調整できる。粉末サンプルは、マイクロスパチュラからRODOS漏斗に分注される。分散した粒子は、レーザービームを通過し、そこで生成された回折光パターンが、典型的にはR1レンズを使用して、一連の検出器によって収集される。次いで、アンサンブル回折パターンは、小さい粒子が大きい角度で光を回折することに基づくフラウンホーファー回折モデルを使用して、体積ベースの粒度分布に変換される。この方法を使用して、分布のスパンも式
Figure 2021522161
にしたがって決定した。スパン値から、粒度分布の多分散性の相対的な指標を得る。
Andersen Cascade Impactorによる空気力学的性能。吸入装置から分散された粉末の空気力学的特性は、Mk−II 1 ACFM Andersen Cascade Impactor(Copley Scientific Limited,Nottingham,UK)(ACI)により評価した。ACI機器は、18〜25℃、相対湿度(RH)25%〜35%の制御された環境条件で実施した。この機器は、慣性衝突に基づいてエアロゾル粒子を分離する8つのステージで構成されている。各ステージで、エアロゾルの流れが一連のノズルを通過し、対応する衝突プレートに衝突する。十分に小さい慣性を有する粒子は、エアロゾルの流れと共に次のステージに進み、残りの粒子はプレートに衝突する。連続する各ステージにおいて、エアロゾルは、より高速でノズルを通過し、空気力学的に小さい粒子がプレート上に収集される。エアロゾルが最終ステージを通過した後、「最終収集フィルター」と呼ばれるフィルターが、残っている最小の粒子を収集する。次に、重量測定分析及び/または化学分析を実行して、粒度分布を決定できる。短縮型カスケードインパクターとも呼ばれるショートスタックカスケードインパクターは、2つの空気力学的粒子サイズカットポイントを評価するための作業時間の短縮を可能にするためにも使用される。この短縮型カスケードインパクターを使用することで、細かい粒子と粗い粒子との分画を確立するために必要なステージを除いて、複数のステージが不要になる。利用された衝突技術は、2つまたは8つの別々の粉末分画の収集が可能であった。カプセル(HPMC、サイズ3;Capsugel Vcaps,Peapack,NJ)には、特定の重量まで粉末が充填され、手持ち式の吸込作動型乾燥粉末吸入器(DPI)デバイス、高抵抗RS01 DPIまたは超高抵抗UHR2 DPI(両方ともPlastiape,Osnago,Italy)に入れた。カプセルに穴を開け、粉末を流量60.0L/分で2.0秒間操作するカスケードインパクターを通して吸引した。この流量では、8ステージの較正済みカットオフ直径は、8.6、6.5、4.4、3.3、2.0、1.1、0.5、及び0.3ミクロンであり、Andersen Cascade Impactorをベースとしたショートスタックカスケードインパクターで使用される2ステージの場合、カットオフ直径は5.6ミクロン及び3.4ミクロンである。装置内にフィルターを設置して、分画を収集し、HPLCでの重量測定または化学測定によって、そのフィルターに衝突した粉末の量を決定した。
Next Generation Impactorによる空気力学的性能。吸入装置から分散された粉末の空気力学的特性は、Next Generation Impactor(Copley Scientific Limited,Nottingham,UK)(NGI)で評価した。NGIを利用した測定では、NGI機器は、18〜25℃、相対湿度(RH)25%〜35%の制御された環境条件で実施した。この機器は、慣性衝突に基づいてエアロゾル粒子を分離する7つのステージで構成されており、様々な空気流量で操作できる。各ステージで、エアロゾルの流れが一連のノズルを通過し、対応する衝撃面に衝突する。十分に小さい慣性を有する粒子は、エアロゾルストリームと共に次のステージに進み、残りの粒子は表面に衝突する。連続する各ステージにおいて、エアロゾルは、より高速でノズルを通過し、空気力学的に小さい粒子がプレート上に収集される。エアロゾルが最終ステージを通過後、マイクロオリフィスコレクターが残っている最小の粒子を収集する。次に、重量測定分析及び/または化学分析を実行して、粒度分布を決定できる。カプセル(HPMC、サイズ3;Capsugel Vcaps,Peapack,NJ)には、特定の重量まで粉末が充填され、手持ち式の吸込作動型乾燥粉末吸入器(DPI)デバイス、高抵抗RS01 DPIまたは超高抵抗RS01 DPI(両方ともPlastiape,Osnago,Italy)に入れた。カプセルに穴を開け、2.0リットルの吸入空気に対して指定された流量で作動するカスケードインパクターを通して粉末を吸引した。指定された流量で、ステージのカットオフ直径を計算した。湿ったフィルターを装置に配置し、HPLCでの化学測定によってそれらに衝突した粉末の量を決定することにより、分画を収集した。
微粒子用量。微粒子用量は、特定のサイズ範囲内の1つ以上の治療薬の質量を示し、気道内の特定の領域に到達する質量を予測するために使用できる。微粒子用量は、ACIまたはNGIのいずれかを介して重量測定によりまたは化学的に測定できる。重量測定により測定した場合、乾燥粒子は均質であると見なされるため、各ステージ上及び収集フィルター上の粉末の質量に、配合物中の治療剤の分率を掛けることにより、治療剤の質量を決定できる。化学的に測定する場合、各ステージまたはフィルターからの粉末を収集し、分離し、例えばHPLCで分析して、治療薬の含有量を決定する。指定された流量においてステージの各々に沈着した累積質量が計算され、直径5.0マイクロメートルの粒子に対応する累積質量を内挿する。1つ以上のカプセルに含まれ、作動して、インパクターに入る粉末の単回用量に対するこの累積質量は、5.0ミクロン未満の微粒子用量(FPD<5.0ミクロン)に等しい。
空気力学的質量中位径。Andersen Cascade Impactor(ACI)によって得た情報を使用して、空気力学的質量中位値(MMAD)を決定した。ステージのカットオフ直径下の各ステージでの累積質量が計算され、回収された粉末の用量によって正規化する。次に、粉末のMMADは、50パーセンタイルを囲む、ステージカットオフ直径の線形内挿によって計算する。MMADを測定する代替的方法は、Next Generation Impactor(NGI)を使用することである。ACIと同様に、MMADは、ステージのカットオフ直径下の累積質量を使用して計算され、各ステージで計算され、回収された粉末の用量によって正規化する。次に、粉末のMMADは、50パーセンタイルを囲む、ステージカットオフ直径の線形内挿によって計算する。
放出された幾何学的または体積径。乾燥粉末吸入器から放出された後の粉末の体積中位径(Dv50)(幾何学的体積中位径(VMGD)とも呼ばれ得る)は、Spraytec回折計(Malvern,Inc.)によるレーザー回折技術を使用して決定した。粉末をサイズ3のカプセル(V−Caps、Capsugel)に充填し、カプセルベースの乾燥粉末吸入器(RS01 Model 7高抵抗、Plastiape,Italy)またはDPIに入れ、DPIをシリンダー内に密封した。シリンダーは、正圧空気源に接続し、システム内を通る安定した空気の流れは、質量流量計で測定し、その継続時間は、タイマー制御ソレノイドバルブにより制御した。乾燥粉末吸入器の出口を室内圧力に曝し、得られたエアロゾルジェットを、オープンベンチ構成の回折粒子サイザー(Spraytec)のレーザーを通過させた後、真空抽出器で捕獲した。システムを通る安定した空気流量は、ソレノイドバルブを使用して開始させた。安定した空気流量は、典型的には、60L/分で、設定された期間(典型的には、2秒)、DPIを介して引き込んだ。あるいは、DPI内を介して引き込まれる空気流量が、15L/分、20L/分、または30L/分で作動させた。結果として得られたエアロゾルの幾何学的粒度分布は、吸入の間、典型的には1000Hzで採取したサンプルを使用して、光検出器で測定した散乱パターンに基づいてソフトウェアから計算した。次いで、吸入の持続時間にわたり、測定したDv50、GSD、FPF<5.0μmを平均化した。
放出用量(ED)は、噴射または分散イベント後に好適な吸入デバイスから出る治療薬の量を指す。EDは、USP Section 601 Aerosols,Metered−Dose Inhalers and Dry Powder Inhalers,Delivered−Dose Uniformity,Sampling the Delivered Dose from Dry Powder Inhalers(United States Pharmacopeia convention,Rockville,MD,13th Revision,222−225,2007)に基づく方法を使用して決定する。カプセルの内容物は、RS01 HR吸入器を使用して、4kPaの圧力降下、60LPMの典型的な流量で分散させるか、UHR2 RS01を使用して、4kPaの圧力降下、39LPMの典型的な流量で分散させる。放出された粉末は、フィルターホルダーサンプリング装置内のフィルターに収集される。サンプリング装置は、水などの好適な溶媒ですすぎ洗浄し、HPLC法を使用して分析する。重量分析では、長さの短いフィルターホルダーサンプリング装置を使用して装置内の沈着を減少させ、フィルターをその前後に秤量して、DPIからフィルターに送達される粉末の質量を決定する。次に、放出された治療剤の用量は、送達された粉末中の治療薬の含有量に基づいて計算する。放出された用量は、DPIから送達された治療薬の質量として、または充填された用量の割合(パーセンテージ)として報告できる。また、EDは、マウスピースアダプタ、NGI誘導ポート、及びNGI内のすべてのステージから分析したすべての薬物または粉末の合計を通じて、Next Generation Impactor(NGI)実験によって生じた結果から計算することもできる。USP 601に基づくEDテストによって生じた結果と、NGIを介して生じた結果は、典型的には、十分に一致している。
熱重量分析:熱重量分析(TGA)は、Q500モデルまたはDiscoveryモデル熱重量分析器(TA Instruments,New Castle,DE)のいずれかを使用して実行した。サンプルは、オープンアルミニウムDSCパンまたは密封アルミニウムDSCパンのいずれかに配置され、試験前に自動的にパンチで穴を開けた。風袋重量は、事前に機器によって記録した。以下の方法を採用した:温度上昇5.00℃/分で周囲温度(約35℃)〜200℃。重量損失は、最高140℃の温度に対応させて報告した。TGAでは、乾燥粉末内の揮発性化合物の含有量を計算できる。水のみのプロセス、または水を揮発性溶媒と組み合わせて使用するプロセスを用いる場合、TGAによる重量損失は、含水量の適切な推定値である。
X線粉末回折:配合物の結晶特性は、粉末X線回折(PXRD)によって評価した。材料の20〜30mgのサンプルは、1.5418A、スキャン範囲2θ5〜45°及びステップサイズ2θ0.02°でデータ蓄積時間1.2秒/ステップにおいて、CuX線管を使用する粉末X線回折計(D8 Discover with LINXEYE detector;Bruker Corporation,Billerica,MAまたは同等物)において分析する。
HPLCを使用したイトラコナゾール含有量/純度。逆相C18カラムを使用し、紫外(UV)検出器と組み合わせた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法は、イトラコナゾール配合物の同定、バルク含有、アッセイ、CUPMD、及び不純物分析用に開発された。逆相カラムは30℃に平衡化させ、オートサンプラーは5℃に設定している。19.5分の分析時間にわたる、59:41(A:B)〜5:95(A:B)の比のグラジエント溶出において、移動相(pH2.0での20mMリン酸一塩基性ナトリウム(移動相A)とアセトニトリル(移動相B))を使用する。検出は、258nmのUVで行い、注入量は10μLである。粉末中のイトラコナゾール含有量は、標準曲線と比較して定量化される。
既知の不純物A、B、C、D、E、F、及びG(モノグラフPh.Eur.01/2011:1335に示される)の同定は、イトラコナゾール配合物サンプル内での不純物ピークの保持時間を、不純物AをスパイクしたイトラコナゾールUSP不純物混合参照標準の保持時間と比較することにより確認する。未知の不純物は、イトラコナゾールの主要ピークの保持時間との相対保持時間及び検出限界(LOD)を超える面積によって同定し、定量化する。すべての不純物は、イトラコナゾールのピークに対する面積パーセントにより測定する。
粒子サイズの減少。結晶性活性剤の粒度分布は、限定しないが、高圧均質化、高せん断力均質化、ジェットミル、ピンミル、マイクロ流動化、または湿式粉砕(ボールミル粉砕、パールミルもしくはビーズミルとしても知られる)など、当業者に周知である複数の技術を使用して調節できる。多くの場合、幅広い粒度分布、例えば、ナノメートル(<1μm)サイズドメインを含むものなどを得ることができるため、湿式粉砕が好ましい。
低エネルギー湿式粉砕を使用した粒子サイズの縮小。活性剤の粒子サイズを縮小するための1つの方法は、低エネルギーの湿式粉砕(ローラー粉砕またはジャー粉砕としても公知である)によるものであった。活性剤の懸濁液は、貧溶媒(水であってもよい)、または活性剤がそれほど溶解しない任意の溶媒中で調製した。次に、安定剤(限定されないが、非イオン性界面活性剤または両親媒性ポリマーであり得る)を、粉砕媒体(限定されないが、高耐摩耗性であり、かつ直径が0.03〜0.70ミリメートルのサイズの範囲である球状であり得る)と共に懸濁液に添加する。次に、懸濁液を入れた容器をジャーミル(US Stoneware,East Palestine,OH USA)を使用して回転させ、定期的にサンプルを採取して粒子サイズを評価する(LA−950,HORIBA,Kyoto,Japan)。粒子サイズが十分に縮小したとき、または粒子サイズの最小値に達したとき、懸濁液を篩で濾して粉砕媒体を除去し、生成物を回収する。
高エネルギー湿式粉砕を使用した粒子サイズの縮小。活性剤の粒子サイズを縮小させる別の方法は、ローターステーターを使用した高エネルギー湿式粉砕、または撹拌式媒体粉砕によるものであった。活性剤の懸濁液は、貧溶媒(水であってもよい)、または活性剤がそれほど溶解しない任意の溶媒中で調製した。次に、安定剤(限定されないが、非イオン性界面活性剤または両親媒性ポリマーであり得る)を、粉砕媒体(限定されないが、高耐摩耗性及び直径が0.03〜0.70ミリメートルのサイズの範囲である球状であり得る)と共に懸濁液に添加する。次に、懸濁液はミルに投入され、バッチまたは再循環モードのいずれかで操作され得る。このプロセスは、粉砕チャンバー内で撹拌される懸濁液及び粉砕媒体で構成されており、これにより、システムへのエネルギー入力が増加し、粒子サイズの縮小プロセスが加速する。粉砕チャンバー及び再循環容器をジャケットで覆い、生成物内の温度上昇を回避するために積極的に冷却させる。懸濁液の撹拌速度及び再循環速度は、プロセス中に制御する。定期的にサンプルを採取して、粒子サイズを評価する(LA−950,HORIBA,Kyoto,Japan)。粒子サイズが十分に減少したとき、または粒子サイズの最小値に達したとき、懸濁液はミルから排出される。
マイクロ流動化を使用した粒子サイズの縮小。活性剤の粒度分布を減少させるための別の技術は、マイクロ流動化によるものであった。マイクロフルイダイザーを使用するプロセスは、液体及び固体の粒子サイズの縮小に利用される高せん断湿式処理ユニット操作である。このユニットは、様々な相互作用チャンバーで構成され得る。これらは、せん断速度を制御するために流体が高圧で通過する特定のオリフィス及びチャネル設計を備えた円筒形モジュールである。生成物は、入口リザーバーを介してユニットに入り、高圧ポンプによって最大400m/秒の速度で固定形状の相互作用チャンバーに押し込まれる。その後、必要に応じて効果的に冷却させ、出力リザーバーに収集される。粒子サイズの目標を達成するために、必要に応じてプロセスを繰り返すことができる(例えば、複数「パス」)。活性剤の粒子サイズは、レーザー回折を介して定期的に監視する(LA−950,HORIBA,Kyoto,Japan)。粒子サイズが十分に縮小したとき、または粒子サイズの最小値に達したとき、懸濁液はユニットから回収される。
ジェットミルを使用した粒子サイズの縮小。活性剤の粒度分布を減少させるための別の技術は、ジェットミルを介したものであった。ジェットミルは、流体エネルギー(圧縮空気またはガス)を利用して、可動部品のない単一のチャンバーで粉砕及び分類を行う。高圧空気によって活性化させた粒子は、浅い粉砕チャンバー内で加速して、高速回転される。粒子が互いに衝突すると、そのサイズが縮小される。遠心力により、所望の微粒子サイズが得られるまで、粉砕回転領域において大きい粒子が保持される。求心力により、所望の粒子が静的分類子に向かって引きずられ、正しい粒子サイズに達したときに粒子が出て行くことができるようになる。最終粒子サイズは、供給速度及び噴射剤圧力を変動させることによって制御される。
噴霧乾燥のための液体供給原料の調製。均質な粒子を噴霧乾燥するには、目的の成分を溶液に溶解するか、均一で安定した懸濁液に懸濁する必要がある。供給原料は、水、または水とアルコールまたはケトンなどの他の混和性溶媒との組み合わせを、溶液の場合は溶媒として、または懸濁液の場合は連続相として利用できる。様々な配合物の供給原料は、所望の溶媒(複数可)に可溶性成分を溶解させた後、混合しながら、得られた溶液中に界面活性剤で安定化させた活性剤含有懸濁液を分散させることによって調製したが、プロセスは、この具体的な操作順序に限定するものではない。
Niro噴霧乾燥機を使用した噴霧乾燥。乾燥粉末は、Niro Mobile Minor噴霧乾燥機(GEA Process Engineering Inc.,Columbia,MD)を利用した噴霧乾燥により、サイクロン、製品フィルター、またはその両方から粉末を回収して製造した。液体供給物の噴霧化は、Niro(GEA Process Engineering Inc.,Columbia,MD)またはSpraying Systems(Carol Stream,IL)1/4J 二流体ノズル(ガスキャップ67147及び流体キャップ2850SS付き)の並流二流体ノズルを使用して実施したが、他の二流体ノズルのセットアップも可能である。いくつかの実施形態では、二流体ノズルは、内部混合セットアップまたは外部混合セットアップであり得る。追加の噴霧技術としては、回転噴霧または圧力ノズルが挙げられる。液体供給物は、ギアポンプ(Cole−Parmer Instrument Company, Vernon Hills,IL)を用いて、二流体ノズルへの導入直前に、二流体ノズルまたは静的ミキサー(Charles Ross&Son Company,Hauppauge,NY)に直接供給した。追加の液体供給技術としては、加圧容器からの供給が挙げられる。使用前に空気中の水分が少なくとも部分的に除去された場合には、窒素または空気を乾燥ガスとして使用してもよい。二流体ノズルへ噴霧ガスを供給するときに、加圧窒素または空気を使用することができる。乾燥ガスの入口温度は70℃〜300℃、出口温度は30℃〜120℃の範囲であり得、液体供給原料の速度は10mL/分〜100mL/分である。二流体噴霧器に供給するガスは、ノズルの選択によって変動し得、Niro並流二流体ノズルの場合、5kg/時〜50kg/時であり、噴霧システム1/4J 二流体ノズルの場合、30g/分〜150g/分の範囲であり得る。噴霧化ガスの速度は、特定のガスと液体との質量比を達成するように設定でき、これは、作製される液滴サイズに直接影響を及ぼす。乾燥ドラム内部の圧力は、+3“WC〜−6“WCの範囲であってよい。噴霧乾燥粉末は、サイクロンの出口で容器内に、カートリッジもしくはバグハウスフィルター上に、またはサイクロン及びカートリッジもしくはバグハウスフィルターの両方から収集できる。
Buchi噴霧乾燥器を用いた噴霧乾燥。乾燥粉末は、標準または高性能サイクロンのいずれかからの粉末収集を備えるBuchi B−290 Mini Spray Dryer(BUCHI Labortechnik AG,Flawil,Switzerland)での噴霧乾燥により調製した。開放ループ(単一パス)モードでの乾燥及び噴霧ガスとして空気または窒素のいずれかを用いて、システムを作動させた。空気を用いて作動させる場合、本システムでは、噴霧乾燥に用いる空気を確実に安定した温度及び湿度にするために、Buchi B−296除湿器を使用した。さらに、室内の相対湿度が30%RHを超えた場合には、外部LG除湿器(モデル49007903、LG Electronics,Englewood Cliffs,NJ)を常に作動させた。窒素を用いて作動させる場合、加圧窒素源を使用した。さらに、システムの吸引器を調節して、システム圧力を−2.0”水柱に維持した。液体供給物の噴霧には、直径1.5mmのBuchi二流体ノズルまたは0.5mm液体インサートを備えるSchlick 970−0噴霧器(Dusen−Schlick GmbH,Coburg,Germany)を使用した。プロセスガスの入口温度は、100℃〜220℃の範囲、また出口温度は、30℃〜120℃の範囲であってよく、液体供給原料の流量は、3mL/分〜10mL/分である。二流体噴霧ガスは、Buchi二流体ノズル及びSchlick噴霧器の場合、25mm〜45mm(300LPH〜530LPH)の範囲であり、上方の噴霧空気圧は0.3バールである。吸引器速度は、50%〜100%の範囲である。
安定性評価:選択配合物の物理化学的安定性及びエアロゾル性能を2〜8℃、25℃/60%RH、ならびに材料量的に可能であれば、International Conference on Harmonisation(ICH)Q1ガイダンスに詳述されているように、40℃/75%RHで評価した。安定性サンプルは、較正チャンバー(Darwin Chambers Company Models PH024及びPH074,St.Louis.MO)内に保存した。バルク粉末サンプルを秤量してアンバーガラスバイアル中に入れ、30%RHで密封し、シリカ乾燥剤(2.0g、Multisorb Technologies,Buffalo,NY)と一緒にアルミニウムポーチ(Drishield 3000,3M,St.Paul,MN)内に誘導密封した(induction−sealed)。さらに、カプセル中の配合物の安定性を評価するために、目標質量の粉末を手で秤量して、30%RH以下で、サイズ3、HPMCカプセル(Capsugel Vcaps,Peapack,NJ)に入れた。次に、充填したカプセルを等分して高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルに入れ、シリカ乾燥剤と一緒にアルミニウムポーチ内に誘導密封した。
A.実施例1。様々な薬物負荷での結晶粒子形態のイトラコナゾール乾燥粉末配合物の調製。粉末調製。
配合物XI〜XVI用のナノ結晶性イトラコナゾールは、35.0重量%のイトラコナゾール(SMS PharmaロットITZ−0715005)及び2.92重量%のポリソルベート80を含み、12:1の比(重量:重量)でイトラコナゾール対ポリソルベート80を含む懸濁液として調製した。ポリソルベート80を磁気撹拌子により62.1%脱イオン水に溶解し、次いでイトラコナゾールを添加し、磁気撹拌子で撹拌することにより懸濁させた。すべてのイトラコナゾールが懸濁したら、チャンバーの90%を充填させている0.2mmの粉砕媒体(TOSOH,Tokyo,Japan)を使用して、Netzsch MiniCerで配合物を処理した。イトラコナゾール懸濁液を製造するために、以下の条件を使用した。ミル速度は3000RPM、入口ポンプ流量は220mL/分であり、再循環冷却装置は10℃であり、作動時間は37分であった。粉砕懸濁液の最終中位粒径(Dv(50))は、141nmであった。
供給原料懸濁液を調製し、結晶粒子形態のイトラコナゾール及び追加の賦形剤を含む乾燥粉末の製造に使用した。乾燥重量換算で、50重量%、60重量%、70重量%、及び80重量%のイトラコナゾールの薬物負荷を標的とした。乾燥粒子を噴霧するために使用した供給原料懸濁液は、以下のように作製した。必要な量の水を秤量して、好適なサイズのガラス容器に入れた。賦形剤を水に加え、視覚的に透明になるまで溶液を撹拌した。次に、イトラコナゾール含有ナノ懸濁液を賦形剤溶液に加え、視覚的に均質になるまで撹拌した。次に、供給原料を噴霧乾燥させた。噴霧乾燥させながら供給原料を撹拌した。表4に、乾燥粉末の調製に使用した供給原料の成分を示す。
Figure 2021522161
配合物XI〜XVIの乾燥粉末は、サイクロン粉末収集を備えるBuchi B−290 Mini Spray Dryer(BUCHI Labortechnik AG,Flawil,Switzerland)での噴霧乾燥により、表4の対応する供給原料から製造した。本システムは、乾燥ガス及び噴霧ガスとして窒素を使用して、開放ループ(単一パス)モードで作動させた。液体供給物の噴霧には、Schlick 970−1ノズルを利用した。システムの吸引器を調節して、システム圧力を−2.0”水柱に維持した。
以下の噴霧乾燥条件にしたがって、乾燥粉末を製造した。液体供給原料固形分濃度は、30g/kgであり、乾燥ガス流量は17.0kg/時であり、噴霧ガス流量は、19.6g/分であり、液体供給原料流量は、3.0mL/分であった。プロセスガス入口温度は、出口温度を65℃に一定に維持するために変動させた。得られた乾燥粉末配合物を表5に報告する。
Figure 2021522161
B.粉末の特性決定
6つの配合物のバルク粒子サイズ特性を表6に示す。配合物XI〜XVIの1バール/4バール分散比が、1.1未満であり、0.5バール/4バール分散比が、1.25未満であることから、それらが分散エネルギーから比較的独立していることが示唆され、これは、様々な分散エネルギーで同様の粒子分散が可能になる望ましい特性である。
Figure 2021522161
配合物XI〜XVIの重量損失は、TGAにより測定し、表7に詳述する。
Figure 2021522161
Figure 2021522161
Next Generation Impactor(NGI)で測定した及び/または計算した配合物XI、XIV、及びXVIの空気力学的粒子サイズ、微粒子の分率、及び微粒子用量を表8に報告する。すべての配合物の微粒子用量は、カプセルに充填された公称用量が高い割合(パーセンテージ)(>45%)でインパクターのステージに到達することを示し、このため、肺に送達されることが予測される。すべての配合物のMMADは、3.5μmミクロン未満であり、中央及び伝導気道において沈着していることを示す。
Figure 2021522161
実施例2。改善されたエアロゾル性能:イトラコナゾール:PS80比12:1の配合物対10:1の配合物
A.粉末の調製。
配合物XI、XIV及びXVIと同じイトラコナゾール負荷対賦形剤の比を有するが、イトラコナゾール:PS80比が10:1である3つの配合物(XXVIII、XXIX、XXX)は、イトラコナゾール:PS80比と対応させて、あらゆる性能の差を評価するために製造した。イトラコナゾール:PS80が10:1である組成の配合物を12:1と対応させて、表9に示す。
Figure 2021522161
Figure 2021522161
配合物XXVIII〜XXX用のナノ結晶イトラコナゾールは、35.0wt%のイトラコナゾール(SMS PharmaロットITZ−0715005)及び3.50wt%のポリソルベート80を含む懸濁液として調製され、イトラコナゾール対ポリソルベート80が10:1の比で(wt:wt)含まれる。ポリソルベート80を磁気撹拌子により脱イオン水に溶解し、次にイトラコナゾールを添加し、磁気撹拌子で撹拌することにより懸濁させた。すべてのイトラコナゾールが懸濁したら、チャンバーの90%を充填させている0.2mmの粉砕媒体(TOSOH,Tokyo,Japan)を使用して、Netzsch MiniCerで配合物を処理した。イトラコナゾール懸濁液を製造するために、以下の条件を使用した。ミル速度は3000RPM、入口ポンプ流量は216mL/分であり、再循環冷却装置は10℃であり、作動時間は37分であった。粉砕懸濁液の最終中位粒径(Dv(50))は、135nmであった。
供給原料懸濁液を調製し、結晶粒子形態のイトラコナゾール及び追加の賦形剤を含む乾燥粉末の製造に使用した。乾燥重量換算で、50重量%及び80重量%のイトラコナゾールの薬物負荷を標的とした。乾燥粒子を噴霧するために使用した供給原料懸濁液は、以下のように作製した。必要な量の水を秤量して、好適なサイズのガラス容器に入れた。賦形剤を水に加え、視覚的に透明になるまで溶液を撹拌した。次に、イトラコナゾール含有ナノ懸濁液を賦形剤溶液に加え、視覚的に均質になるまで撹拌した。次に、供給原料を噴霧乾燥させた。噴霧乾燥させながら供給原料を撹拌した。表10に、乾燥粉末の調製に使用した供給原料の成分を示す。
Figure 2021522161
配合物XXVIII〜XXXの乾燥粉末は、表10の対応する供給原料から、Buchi B−290 Mini Spray Dryer(BUCHI Labortechnik AG,Flawil,Switzerland)により、噴霧乾燥して、サイクロンで粉末を収集することにより製造した。本システムは、乾燥ガス及び噴霧ガスとして窒素を使用して、開放ループ(単一パス)モードで作動させた。液体供給物の噴霧には、Schlick 970−1ノズルを利用した。システムの吸引器を調節して、システム圧力を−2.0”水柱に維持した。
以下の噴霧乾燥条件を使用して、乾燥粉末を製造した。液体供給原料固形分濃度は、30g/kgであり、乾燥ガス流量は17.0kg/時であり、噴霧ガス流量は、19.6g/分であり、液体供給原料流量は、3.0mL/分であった。プロセスガス入口温度は、出口温度を65℃に一定に維持するために変動させた。得られた乾燥粉末配合物を表9に示す。
B.粉末の特性決定
3つの配合物のバルク粒径特性は表11に見られる。配合物XXVIII〜XXXの1バール/4バール分散比が、1.1未満であり、0.5バール/4バール分散比が、1.25未満であることから、それらが分散エネルギーから比較的独立していることが示唆され、これは、様々な分散エネルギーで同様の粒子分散が可能になる望ましい特性である。
Figure 2021522161
配合物XXVII〜XXXの重量損失は、TGAにより測定し、表12に詳述する。
Figure 2021522161
Next Generation Impactor(NGI)で測定した及び/または計算した配合物XXVIII、XXIX及びXXXの空気力学的粒子サイズ、微粒子分率、及び微粒子用量を表13に報告する。すべての配合物の微粒子用量は、カプセルに充填された公称用量が高い割合(パーセンテージ)でインパクターのステージに到達することを示しているため、肺へ送達されることが予測される。すべての配合物のMMADは、3.23μm〜3.47μmであり、これは、中央気道及び伝導気道における沈着を示している。
Figure 2021522161
Figure 2021522161
C.12:1のイトラコナゾール:PS80の配合物と10:1のイトラコナゾール:PS80の配合物との比較
12:1のイトラコナゾール:PS80の配合物と10:1のイトラコナゾール:PS80の配合物のエアロゾル性能の比較を表14に示し、図1に例解する。12:1のイトラコナゾール:PS80の比は、50%及び80%の両方のイトラコナゾール負荷、及び様々な賦形剤比(3.5:1〜1:3.5)における5.0μm未満の微粒子用量が増加していることを示す。配合物XXVIIIから配合物XIへの増加は、6.0%であった。配合物XXIXから配合物XIVへの増加は、6.4%であった。配合物XXXから配合物XVIへの増加は、4.2%であった。
Figure 2021522161

Claims (64)

  1. 均質な吸入性乾燥粒子を含む乾燥粉末であって、前記乾燥粉末は、1)結晶粒子形態のイトラコナゾール、2)ポリソルベート80、及び3)1種以上の賦形剤を含み、供給原料溶液中のイトラコナゾール対ポリソルベート80(wt:wt)の比は、10:1より多く、ただし、前記乾燥粉末配合物は、20%イトラコナゾール、39%硫酸ナトリウム、39%マンニトール、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、22.5%硫酸ナトリウム、22.5%マンニトール、及び5%ポリソルベート80;20%イトラコナゾール、62.4%塩化ナトリウム、15.6%ロイシン、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、36%硫酸ナトリウム、9%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;20%イトラコナゾール、66.3%乳酸マグネシウム、11.7%ロイシン、及び2%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、38.25%乳酸マグネシウム、6.75%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、10%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、10%ロイシン、及び5%未満のポリソルベート80;50%イトラコナゾール、35%硫酸ナトリウム、13.75%ロイシン、及び1.25%ポリソルベート80;50%イトラコナゾール、37%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び5%ポリソルベート80;60%イトラコナゾール、26%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び6%ポリソルベート80;70%イトラコナゾール、15%ナトリウム、8%ロイシン、及び7%ポリソルベート80;75%イトラコナゾール、9.5%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び7.5%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、4%硫酸ナトリウム、8%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、10%硫酸ナトリウム、2%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;80%イトラコナゾール、11%硫酸ナトリウム、1%ロイシン、及び8%ポリソルベート80;または80%イトラコナゾール、11%硫酸ナトリウム、1%ロイシン、及び8%ポリソルベート80を含まないものとする、前記乾燥粉末。
  2. 結晶性イトラコナゾールの1つ以上のサブ粒子を含み、前記サブ粒子は、約50nm〜約5,000nm(Dv50)である、請求項1に記載の乾燥粉末。
  3. 前記サブ粒子が、約50nm〜約800nm(Dv50)である、請求項1または2に記載の乾燥粉末。
  4. 前記サブ粒子が、約50nm〜約2,500nm(Dv50)である、請求項1または2に記載の乾燥粉末。
  5. 前記サブ粒子が、約80nm〜約1750nm(Dv50)である、請求項1または2に記載の乾燥粉末。
  6. 前記サブ粒子が、約50nm〜約300nm(Dv50)である、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  7. 前記サブ粒子が、約50nm〜約200nm(Dv50)である、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  8. 前記サブ粒子が、約100nm〜約300nm(Dv50)である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  9. 前記イトラコナゾールが、約1〜約95重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  10. 前記イトラコナゾールが、約40〜約90重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  11. 前記イトラコナゾールが、約55〜約85重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  12. 前記イトラコナゾールが、約55〜約75重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  13. 前記イトラコナゾールが、約65〜約85重量%の量で存在する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  14. 前記イトラコナゾールが、約40〜約60重量%の量で存在する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  15. 前記イトラコナゾールが、少なくとも50%結晶性である、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  16. イトラコナゾール:ポリソルベート80(重量:重量)の比が、約11.5:1〜14:1である、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  17. イトラコナゾール:ポリソルベート80(重量:重量)の比が、約12:1以上または約12:1である、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  18. イトラコナゾール:ポリソルベート80(重量:重量)の比が、約15:1〜19.5:1である、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  19. 前記ポリソルベート80が、10%未満の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  20. 前記ポリソルベート80が、約0.1%〜10%重量%未満の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  21. 前記ポリソルベート80が、約1〜約9重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  22. 前記ポリソルベート80が、約4〜約10重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  23. 前記1種以上の賦形剤が、約3〜約99重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  24. 前記1種以上の賦形剤が、約5〜約50重量%の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  25. 前記1種以上の賦形剤が、ナトリウム塩である、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  26. 前記1種以上の賦形剤が、一価金属カチオン塩、二価金属カチオン塩、アミノ酸、糖アルコール、またはそれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  27. 前記1種以上の賦形剤が、ナトリウム塩、及びアミノ酸、炭水化物、糖アルコール、またはそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種以上の賦形剤を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  28. 前記ナトリウム塩は、塩化ナトリウム及び硫酸ナトリウムからなる群から選択され、前記アミノ酸はロイシンである、請求項27に記載の乾燥粉末。
  29. 前記ナトリウム塩が、塩化ナトリウムであり、前記アミノ酸がロイシンである、請求項28に記載の乾燥粉末。
  30. 前記ナトリウム塩が、硫酸ナトリウムであり、前記アミノ酸が、ロイシンである、請求項28に記載の乾燥粉末。
  31. 前記1種以上の賦形剤が、マグネシウム塩及びアミノ酸を含む、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  32. 前記マグネシウム塩が、乳酸マグネシウムであり、前記アミノ酸が、ロイシンである、請求項31に記載の乾燥粉末。
  33. 前記ポリソルベート80が、10重量%未満の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  34. 前記ポリソルベート80が、7重量%以下の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  35. 前記ポリソルベート80が、3重量%以下の量で存在する、先行請求項のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  36. 前記吸入性乾燥粒子が、約10ミクロン以下の幾何学的体積中位径(VMGD)を有する、請求項1〜35のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  37. 前記吸入性乾燥粒子が、約5ミクロン以下の幾何学的体積中位径(VMGD)を有する、請求項1〜35のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  38. 前記吸入性乾燥粒子が、約0.2g/cc以上のタップ密度を有する、請求項1〜37のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  39. 前記吸入性乾燥粒子が、0.2g/cc〜1.0g/ccのタップ密度を有する、請求項1〜37のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  40. 前記吸入性乾燥粒子が、0.4g/cc超〜約1.2g/ccのタップ密度を有する、請求項1〜37のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  41. 前記乾燥粉末が、約1ミクロン〜約5ミクロンのMMADを有する、請求項1〜39のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  42. 前記乾燥粒子が、レーザー回折により測定して、1バール/4バールの分散比(1/4バール)約1.5未満を有する、請求項1〜41のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  43. 前記乾燥粒子が、レーザー回折により測定して、0.5バール/4バールの分散比(0.5/4バール)約1.5以下を有し得る、請求項1〜42のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  44. 前記乾燥粉末が、約25%以上の、総用量に対するFPF5ミクロン未満を有する、請求項1〜43のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  45. 前記乾燥粉末が、カプセルベースの受動乾燥粉末吸入器を用いて患者に送達される、請求項1〜44のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  46. 前記吸入性乾燥粒子は、総質量10mgを含むサイズ3のカプセルを使用して、3秒間で吸入流量30LPMである条件下で、毎分約0.036sqrt(kPa)/リットルの抵抗を有する受動乾燥粉末吸入器から放出された場合、少なくとも80%のカプセル放出粉末質量を有し、前記総質量は、前記吸入性乾燥粒子からなり、レーザー回折によって測定された、前記吸入器から放出された前記吸入性乾燥粒子の前記幾何学的体積中位径が5ミクロン以下である、請求項1〜45のいずれか1項に記載の乾燥粉末。
  47. 1)結晶粒子形態のイトラコナゾールと、2)ポリソルベート80と、3)1種以上の賦形剤と、を含む液体配合物であって、供給原料溶液中、イトラコナゾール対ポリソルベート80の比(wt:wt)が10:1より大きい、前記液体配合物。
  48. 結晶粒子形態の前記イトラコナゾールが、HFA噴射剤及びCFC噴射剤からなる群から選択される噴射剤中に懸濁される、請求項47に記載の液体配合物。
  49. 界面活性剤をさらに含む、請求項47に記載の液体配合物。
  50. 真菌感染症を治療するための方法であって、それを必要とする患者の気道に、有効量の請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物を投与することを含む、方法。
  51. 嚢胞性線維症患者において真菌感染症を治療するための方法であって、前記嚢胞性線維症患者の気道に、有効量の請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物を投与することを含む、前記方法。
  52. 喘息患者において真菌感染症を治療するための方法であって、前記喘息患者の気道に、有効量の請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物を投与することを含む、前記方法。
  53. アスペルギルス症を治療するための方法であって、それを必要とする患者の気道に、有効量の請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物を投与することを含む、前記方法。
  54. アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)を治療するための方法であって、それを必要とする患者の気道に、有効量の請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物を投与することを含む、前記方法。
  55. 呼吸器疾患の急性増悪を治療またはその頻度または重症度を軽減するための方法であって、それを必要とする患者の気道に、有効量の請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物を投与することを含み、前記急性増悪が真菌感染症である、前記方法。
  56. 免疫不全患者において真菌感染症を治療するための方法であって、前記免疫不全患者の気道に、有効量の請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物を投与することを含む、前記方法。
  57. 個体での真菌感染症の治療に使用するための請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物であって、前記使用は、有効量の前記乾燥粉末を前記個体の気道に投与することを含み、前記真菌感染症が治療される、前記乾燥粒子または前記液体配合物。
  58. 嚢胞性線維症患者における真菌感染症の治療に使用するための、請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物であって、前記使用は、有効量の前記乾燥粉末を前記個体の気道に投与することを含み、前記嚢胞性線維症患者における前記真菌感染症が治療される、前記乾燥粉末または前記液体配合物。
  59. 喘息患者における真菌感染症の治療に使用するための請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物であって、前記使用は、有効量の前記乾燥粉末を前記個体の気道に投与することを含み、前記喘息患者において前記真菌感染症が治療される、前記乾燥粉末または前記液体配合物。
  60. 個体においてアスペルギルス症の治療に使用するための請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物であって、前記使用は、有効量の前記乾燥粉末を前記個体の気道に投与することを含み、前記アスペルギルス症が治療される、前記乾燥粉末または前記液体配合物。
  61. 個体においてアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の治療に使用するための請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物であって、前記使用は、有効量の前記乾燥粉末を前記個体の気道に投与することを含み、前記アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)が治療される、前記乾燥粉末または前記液体配合物。
  62. 個体において呼吸器疾患の急性増悪の治療に使用するための請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物であって、前記使用は、有効量の前記乾燥粉末を前記個体の気道に投与することを含み、前記急性増悪が治療される、前記乾燥粉末または前記液体配合物。
  63. 免疫不全患者における真菌感染症の治療に使用するための請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物であって、前記使用は、有効量の前記乾燥粉末を前記免疫不全患者の気道に投与することを含み、前記真菌感染症が治療される、前記乾燥粉末または前記液体配合物。
  64. 任意の賦形剤を含む界面活性剤により安定化された懸濁液を噴霧乾燥するステップを含むプロセスによって製造される請求項1〜46のいずれか1項に記載の乾燥粉末または請求項47〜49のいずれか1項に記載の液体配合物であって、組成的に均質な乾燥粒子が製造される、前記乾燥粉末または前記液体配合物。
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