本発明は、薬剤分配ユニット(薬剤投与器)を眼圧測定ユニット(例えば、眼内圧、つまり眼内の圧力を測定するために使用されるユニット)に組み込む。眼圧測定ユニットは、リバウンド式眼圧計(rebound-based tonometer)、空気パフ式眼圧計、電磁気に基づくかまたは音響に基づく機械波式眼圧計(mechanical wave tonometer)、光コヒーレンスエラストグラフィ(optical coherence elastography : OCE)等の任意の周知な眼圧計技術に基づいてもよい。限定ではなく例として、本発明は、リバウンド式眼圧計および空気パフ式眼圧計に適用されるように以下に説明される。組み込まれた薬剤分配ユニットは、眼圧計の眼圧測定ユニット/機構から独立していてもよく、または眼圧測定ユニット/機構の一部を組み込んでいてもよい(例えば、眼圧測定ユニットと一体化されてもよい)。すなわち、薬剤分配ユニットは、所定の投与量で薬剤を投与するために、眼圧測定機構を利用し得る。例示目的のために、リバウンド式眼圧計および空気パフ式眼圧計の別の複数の例が以下に提供され、それぞれが、一体型の薬剤投与ディスペンサ(medication application dispenser)と、組み込まれているが独立した薬剤投与ディスペンサとで別々に示されている。
薬剤分配ユニットと一体化した眼圧測定機構を有するリバウンド式眼圧計の場合が最初に取り上げられる。より具体的には、第1の例は、眼圧測定および眼への薬物投与のための組合せ装置を提供する。図1Aは、例示的なリバウンド式眼圧計(rebound tonometer)100のチップ(tip)(例えば、投与側)を示しており、この眼圧計は、眼の眼内圧(intraocular pressure : IOP)の測定値を取得するために眼の角膜119に対して前後に振動するリバウンド眼圧測定プローブ102を使用する。眼圧測定プローブ102は、使い捨て可能/交換可能であってよく、典型的には、眼圧計のロッド(rod)103およびチップ104から構成されている。本例では、眼圧計のロッド103およびチップ104は、薬剤投与/送達ユニット113の一体部分として使用され、角膜119に薬剤を投与する。リバウンド式眼圧計100は、測定ユニット101としてのリバウンド式眼圧計機構を含み、この機構は、リバウンド眼圧測定プローブ102(例えば、ロッド103およびリバウンドチップ(rebound tip)104)と、リバウンド眼圧測定プローブを眼に位置合わせする位置合わせユニット107と、眼圧測定および/または薬物投与を開始するための少なくとも1つのユーザーにより作動されるトリガー(例えば、制御ボタン109、すなわち、スイッチ、タッチスクリーン、または光学センサ)と、種々のユニットとインタフェースする(例えば、制御する)ための(データ記憶ユニット120および通信ユニット121を含む)制御ユニット111と、を含み得る。位置合わせユニット107は、リバウンド式眼圧計100を適切に位置決めし、測定ユニット101と患者の眼との間の所定の距離を確立することを支援する。位置合わせユニット107は、患者が自己位置合わせのために見る凹面鏡、カメラ、患者の顔の所定の1つまたは複数の領域(例えば、額および/または頬)に向かって延びて接触する誘導アーム、電磁波に基づく距離センサ等を含み得る。データ記憶ユニット120は、IOP測定値、薬剤が適用された複数の時刻、投与された薬剤の投与量、および/またはIOP測定・薬剤投与に関する複数の所定の時刻および投与量を有する医師によって提供された1つ以上の治療計画を記憶し得る。任意選択的に、データ記憶ユニット120は、通信ユニット121と一体であってもよく、および/または複数のメモリ空間に分散していてもよい。通信ユニット121は有線および無線通信の両方をサポートし、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ポータブル(例えば、フラッシュまたはサム(thumb))メモリ等の様々な電子デバイスとの通信リンクを提供し得る。通信ユニット121は、(例えば、医療提供者またはデータベースへの提示または送信のために)記憶ユニット120に記憶されたデータをこれらの電子デバイスのいずれかに転送してもよく、または記憶ユニット120を更新する(例えば、治療計画を更新する)ためのデータを受信してもよい。本実施形態では、薬剤投与ユニット113は、眼圧測定機構の一体部分である。例えば、薬剤投与ユニット113は、眼圧計のロッド103内に収容された(緑内障治療薬等の)薬剤をその内部に有する単回投与量流体カートリッジ(single dose fluid cartridge)105を含み得る。リバウンド式眼圧計100は眼圧測定値を読み取り、単一の入力コマンド(例えば、ボタン109)に応答して(同時にまたは連続して)薬剤投与量を投与する。任意選択的には、2つの制御ボタン(例えば、ボタン109およびオプションの第2のボタン110)が、眼圧測定および薬物投与のそれぞれ別個のトリガーのために設けられてもよい。典型的な(例えば、動的または接触)リバウンド式眼圧計では、(制御ユニット111等によって)角膜119と接触した後のバウンシング眼圧測定プローブ(bouncing tonometry probe)102の運動パラメータの分析が適用されて、IOP測定値を決定する。必要に応じて、この分析を拡張して、眼圧計のロッド103内の単回投与量流体カートリッジ105を考慮に入れてもよい。所望であれば、薬剤が眼圧測定値を取得しながら投与される場合、運動分析は、眼圧測定値が取得されている間に、単回投与量流体カートリッジ105からチップ104を介して眼への薬物の送達をさらに考慮に入れてもよい。
要約すると、単回投与量カートリッジ105を眼圧計プローブ/プランジャ(plunger)102のロッド103(またはチップ104)内に緑内障治療薬を収容するリバウンド式眼圧計100が明細書において提案されている。図1Aは、リバウンド式眼圧計100のチップを示しており、単回投与量緑内障治療薬105がそのロッド103内にあり、単一のプロセスステップにおいて眼圧測定および薬剤を別々に適用するための機構と共に示されている。単回投与または単位投与量薬剤カートリッジを使用すると、防腐剤を含まない薬物を使用できるという利点がある。標準的なリバウンド眼圧測定と同様に、眼圧測定プローブ/プランジャ102は無菌様式で密封されている。同様に、単回投与量薬剤105は、眼圧測定プローブ/プランジャ102のロッド103(またはチップ104)内に配置されて密封されている。装置100(すなわち、眼圧測定または薬剤投与、あるいはその両方)の測定モードに応じて、異なる機構が適用され、その結果、単一の単純なプロセスステップとなる。
図1B,1Cは、図1Aの眼圧計に好適な薬剤投与機構の例示的な実施を示している。眼圧測定プローブ/プランジャ102が開封され、リバウンド式眼圧測定装置100に取り付けられた後、眼圧測定値が、例えば、図1Bの破線矢印116によって示されるように、高速眼圧測定シーケンスを用いて、標準的な様式で取得され得る。高速眼圧測定シーケンスの終了直後に、(例えば、流体カートリッジ105を穿刺チップ115に押し付ける)機構が単回投与量流体カートリッジ105の薬剤シールを自動的に破り、(図1Cの太い矢印117で示されるように)薬剤をリバウンドチップ104の表面に放出し得る。この時点で、眼球に接触するリバウンドチップ104の1回または数回のさらなる「測定」振動運動によって、(図1Cの陰影付き矢印118で示すように)薬剤が角膜119に放出される。このプロセスステップは、ユーザーにとって余分な動作ステップとは認識されないような元の眼圧測定に数ミリ秒追加するだけの短い延長である。各プロセスステップは、スマートスケジューラーの概念(smart scheduler concept)によって独立して実行されることもできる。
代替的な実施形態では、リバウンド眼圧測定プローブ102は、ロッドおよび単一の薬剤投与量で充填されたバルーン型(例えば、ブラダー(bladder))チップを含み得る。眼圧測定はまだ標準的な方法で実施されることができたが、角膜に対するバルーン型チップの最後の接触(または最後の数回のリバウンド接触)では、薬剤によって眼を湿らせるように薬剤充填チップ(バルーン型チップ)を破裂させる。
さらに、単回投与量リバウンドプローブをマガジン(magazine)に装填することが可能であるため、装置100にプローブ/プランジャ102を装填するための手動ステップを必要とせず、無菌性が確保される。
別例として、図2は、眼圧計ハウジング内に収容されているが、眼圧測定ユニット201から分離されている薬剤投与機構/ユニット213を備えたリバウンド式眼圧計200を示している。眼圧測定および眼への薬物投与のためのこの組合せ装置200は、(例えば、図1のリバウンド眼圧測定プローブ202を参照して上述したようなリバウンド眼圧測定プローブ102を使用する)典型的なリバウンド式眼圧計機構を、薬剤投与ユニット213から分離した測定ユニット201の一部として含み得る。薬剤投与ユニット213は、薬物リザーバー(drug reservoir)205として、単回投与量(流体)カートリッジまたは複数回投与量(流体)カートリッジを使用し得る。説明のために、図2のリバウンド式眼圧計200は、薬物リザーバー205としての複数回投与量(流体)カートリッジを示している。薬剤投与ユニット213は、薬剤投与ステップ中に適用されるリザーバー205から抽出される薬剤投与量の回数を選択することなどによって、薬剤投与ステップごとの投与量を制御するために、リバウンド式眼圧計200の内部にあり得る投与ユニット223をさらに含み得る。薬剤投与ユニット213は、薬剤218を眼に噴霧し得る非接触薬物投与ユニット222をさらに含み得る。本例では、眼圧計200は、位置合わせユニットとして凹面鏡207と、眼圧測定および/または薬物投与を開始するための少なくとも1つの制御ボタン209と、測定値および/または薬剤のデータを記憶するための第1のメモリ空間(図示せず)ならびに測定および投薬の治療計画を記憶するための第2のメモリ空間とを有する制御ユニット211と、を使用する。第1および第2のメモリ空間の両方が、(例えば、電子メモリまたは光学メモリの)単一のメモリユニットに統合されてもよく、または複数のメモリユニットに及んでもよいことを理解されたい。任意選択的には、2つの制御ボタン(例えば、ボタン209およびオプションの第2のボタン210)が、上述したように眼圧測定および薬物投与のそれぞれ別個のトリガーのために設けられてもよい。組合せ装置200は、さらに、計画された測定および/または薬物投与を実施するように患者の対応する視覚および/または聴覚に対して促すための(例えば、LEDまたは電子ディスプレイの)視覚ユニット225および/または(例えば、スピーカーの)音声ユニット227を有してもよい。凹面鏡207は、患者に見える眼の反射を提供し、患者が組合せ装置200を眼に対して位置合わせするのを支援するように位置決めされている。
さらに、組合せ装置200は、患者を識別し且つ患者の左右の眼を識別するため、組合せ装置の眼に対する向きを制御するため、および/または、眼圧測定および薬物投与のために(例えば、開いたり閉じたりする)眼の適切な状態を制御または判定するためのカメラユニット229を有し得る。左の眼は、眼の角および形状に注意することによって右の目と区別され得る。例えば、画像内の(例えば、鼻に最も近い眼の角部分の)小丘(caruncle)(例えば、小丘の位置)を識別することは、左目と右目とを識別する便利な方法を提供し得る。この決定は、特殊なアルゴリズムまたは機械学習モデルによって実施されてもよい。
組合せ装置200はまた、(例えば、通信ケーブルの)有線インタフェースまたは(例えば、無線ネットワーク、ブルートゥース通信、無線周波数識別、RFID等の)無線インタフェースに基づく通信ユニット221を有し、制御ユニット211に記憶されたデータを(ローカルまたはリモート)PC、タブレット、(例えば、ポータブルフラッシュメモリ、ポータブル光ディスク、および/またはインターネットアクセス可能なオンラインメモリストレージの)モバイルメモリ、または携帯電話またはスマートグラス等のスマートデバイスに(例えば、インターネットを介して)転送する。組合せ装置200はさらに、組合せ装置200、特に眼と接触する部分、例えば、リバウンド眼圧測定プローブ202のチップをすすぎおよび/または殺菌するための洗浄ユニット(図示せず)を有してもよい。洗浄ユニットは、例えば、滅菌パッド、洗浄水(wash)、またはスプレー(spray)を含み得る。別例として、組合せ装置200が収容のためのカバー(図示せず)を含む場合、洗浄滅菌パッド、洗浄水またはスプレーはカバー内に収容され、カバーが組合せ装置200に連結された場合にチップと接触する。
任意選択的には、リザーバーカートリッジ205は、スマートカートリッジ(例えば、集積回路(IC)215を(例えば、接触パッドの)接触インタフェースまたは(例えば、RFID、ブルートゥース、ワイヤレスネットワークの)非接触インタフェースを有するカートリッジであり、(例えば、別個の電子制御装置の)別個の技術的機構を用いて管理され得る。スマートカートリッジは、たとえば、カートリッジライセンスキーを提供してもよい。
要約すると、図2は、スマートカートリッジ205を用いた別個の薬物投与機構213を備えたリバウンド式眼圧計200を示している。カートリッジ205は、眼圧測定が終了した直後にトリガーされ得る。例えば、カメラ229を用いた送達機構の検査によって、薬剤が投与されている間に眼が開いていることを確保する。本実施形態では、薬剤は、複数回投与量カートリッジ205からの投与量の薬剤を眼の角膜219に(非接触薬物投与ユニット222を用いて)噴霧される。カートリッジ205は、眼圧測定が終了した直後にトリガーされ、カメラ229を用いた送達機構の検査によって、薬剤が投与されている間に眼が開かれていることを確保する。
図1,2のリバウンド眼圧測定の実施形態によって実行され得るいくつかの機能は、図9の表1に列挙されている。例えば、両方とも、同時または個別の(たとえば、順次の)IOP測定と薬物送達処理をサポートする。両方とも、事前にスケジュールされた薬剤投与またはIOP測定処理について患者に警告するためのリマインダー機構を提供し得る。両方とも、種々の薬剤の種類の選択および種々の投与オプションの機構を提供する。図2の複数回投与量カートリッジの実施形態は、カスタム投与量調節をサポートするが、図1の単位投与量カートリッジをサポートしていない。それにもかかわらず、両方の実施形態は、薬剤の摂取/投与を追跡するカウンタ、薬剤の送達、正確な投与量の検査のための機構、(例えば、カートリッジライセンスIDおよび/またはカメラの使用等の)患者IDの検査のための機構、および、(例えば、目の開閉状態をモニタリングするためにカメラを使用する等の)眼が開いている間に自動薬剤投与をトリガーする機構を提供する。
図3に示されるように、本発明はまた、空気パフ式眼圧計300に組み込むことができ、この空気パフ式眼圧計300は、空気302を眼の角膜319に当て、発光器および光検出器(図示せず)および/またはカメラ329の組み合わせによって観測され得るその結果生じる角膜変形量に基づいて眼内圧(intraocular pressure : IOP)の測定値を決定する。本願の例示的な空気パフ式眼圧計300は、カートリッジライセンスキー機構306を含む緑内障治療薬投与のための複数回投与量スマートカートリッジ305を用いる。複数回投与量カートリッジ305が用いられるため、投与ユニット323は、薬剤投与ステップごとに投与量を制御/調整するように用いられる。図示したように、薬剤投与器313は、空気パフ式眼圧計測定ユニット301と組み合わされた(例えば、薬剤318を眼に噴霧する)別個の非接触薬物投与ユニット322を使用し得る。上述したような図2のリバウンド式眼圧計200の場合のように、図3の本発明の空気パフ式眼圧計300は、(例えば、凹面鏡の)位置合わせユニット307、制御ユニット311、第1の制御ボタン309、オプションの第2の制御ボタン310、カメラユニット329、(例えば、LEDまたは電子ディスプレイの)視覚ユニット325、および(例えば、スピーカーの)音声ユニット327を含み得る。
要約すると、眼に対する眼圧測定及び薬物投与のための好ましい組合せ装置300は、測定ユニット301としての空気パフ式眼圧計と、薬物リザーバー305と、非接触薬物投与ユニット322と、位置合わせユニット307としての凹面鏡と、測定および/または薬剤投与を開始するための少なくとも1つの制御ボタン309と、測定値および/または薬剤のデータを記憶するための(またはアクセス可能な)メモリ(図示せず)ならびに測定および投薬の治療計画を記憶するためのメモリ(図示せず)を有する制御ユニット311と、を含み得る。組合せ装置300は、さらに、計画された測定および薬物投与を実施するように患者に促すための視覚ユニット325および/または音声ユニット327をさらに有する。さらに、組合せ装置300は、患者、その患者の左および/または右の眼を識別するため、組合せ装置300の眼に対する向きを制御するため、および/または、測定および薬物投与のために(例えば、開いたり閉じたりする)眼の適切な状態を制御するためのカメラユニット329と、制御ユニット311内に記憶された(または制御ユニット311によって制御される)データを転送する通信ユニット321と、を有し得る。通信ユニット321は、PC、タブレット、モバイルメモリ、さらには携帯電話またはスマートグラスへの有線または無線インタフェースに基づいてもよい。本実施形態では、追加の投与ユニット323が使用され得るように、薬物リザーバー305は、複数回投与量カートリッジである。
図4は、図3の実施形態と同様であるが、投与ユニットを必要としないように、単位投与量カートリッジまたはマガジン401として薬物リザーバーが実装されているこの構成の第2の実施形態(例えば、空気パフ式眼圧計400)を示している。他のすべての要素は、特に明記しない限り、図3を参照して説明したものと同様である。
図4は、カートリッジライセンスキー機構406を含む(例えば、緑内障治療薬投与の)単位投与量スマートカートリッジ405を備える空気パフ式眼圧計400を示す。図示したように、薬剤投与器413は、非接触薬物投与ユニット422を別個に使用し、空気パフ式眼圧計測定ユニット401と組み合わされる。
複数回投与量カートリッジ305(図3)または単位投与量カートリッジ405(図4)のマガジンは、眼への薬剤投与を記録する空気パフ式眼圧計測定ユニット301/401およびカメラ329/429と組み合わされる。両方のモダリティは、特定の簡易的なプロセスステップにおいて、同時に、順次、またはそれぞれ個別に実行されることができる。
これらの場合の両方では、薬剤は、複数回投与量カートリッジ305または単位投与量カートリッジ405からの投与量の薬剤を眼の角膜に(非接触薬物投与ユニット322/422を用いて)噴霧される。
これら2つの空気パフ式眼圧計の実施形態によって実行され得るいくつかの機能は、図10の表2に列挙されている。例えば、両方とも、同時または個別の(たとえば、順次の)IOP測定と薬物送達処理をサポートする。これは、個別の薬剤カートリッジおよびIOP測定チャネルを使用することによって実現され得る。両方とも、医療提供者、患者、および/またはサードパーティ間で双方向のリアルタイムまたはほぼリアルタイムのデータ転送のために、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートグラス、および/または他のコンピューティングデバイスとの通信をサポートする。両方とも、事前にスケジュールされた薬剤投与またはIOP測定処理について患者に警告するためのリマインダー機構を提供し得る。両方とも、種々の薬剤の種類の選択および種々の投与オプションの機構を提供する。両方の実施形態は、薬剤の摂取/投与を追跡するカウンタ、薬剤の送達、正確な投与量の検査のための機構、(例えば、カートリッジライセンスIDおよび/またはカメラの使用等の)患者IDの検査のための機構、および、(例えば、目の開閉状態を監視するためにカメラを使用する等の)眼が開いている間に自動薬剤投与を開始させる機構を提供する。
図5は、非接触薬物投与ユニット522を、空気パフ式眼圧測定ユニット501と組み合わせた空気パフ式眼圧計500の代替的な実施形態を示している。すなわち、IOPを測定するために使用される空気パフ式眼圧計の測定ユニット501の空気パフ502は、複数回投与量カートリッジ505(または代替的に単位投与量カートリッジ)から薬剤/薬物518を眼の角膜に噴霧することによる薬剤投与にも使用される。
眼に対する眼圧測定及び薬物投与のための本願の組合せ装置500は、空気パフ式眼圧計の測定ユニット501と、薬物リザーバー505と、(要求/必要な場合に)投与ユニット523と、位置合わせユニット507としての凹面鏡と、測定および薬剤投与を開始するための少なくとも1つの制御ボタン509と、測定値および/または薬剤のデータを記憶するためのメモリならびに測定および投薬の治療計画を記憶するためのメモリを有する制御ユニット511と、を含み得る。組合せ装置500は、さらに、計画された測定および薬物投与を実施するように患者に促すための視覚ユニット525および/または音声ユニット527をさらに有する。
さらにまた、組合せ装置500は、患者および患者の左右の眼を識別するため、組合せ装置500の眼に対する向きを制御するため、および/または、測定および薬物投与のために眼の適切な状態を制御するためのカメラユニット529を有し得る。組合せ装置500はまた、制御ユニット511内に記憶されたデータを転送する通信ユニット521を有し得る。通信ユニット521は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルメモリ、モバイル/スマートフォン、および/またはスマートグラスとインタフェースするための有線または無線通信に基づいている。
本例では、追加の投与ユニット523が必要となるように、薬物リザーバーは、複数回投与量カートリッジ505である。複数回投与量スマートカートリッジ505は、緑内障治療薬投与に使用され、カートリッジライセンスキー機構506を含み得る。
代替的には、薬物リザーバーは、標準的な薬剤ボトルであってもよい。この場合、追加の投与ユニットが必要になり得る。
図6は、上述したように、空気602のパフ(puff)の適用により緑内障治療薬618を投与するための標準的な薬剤ボトル605を用いる空気パフ式眼圧計600の代替的な実施形態を示している。QRコード(quick response code)641または(RFID(radio frequency identification)またはバーコードなどの)他の識別手段が、緑内障治療薬投与のための標準的な薬剤ボトル605のインタフェースとして使用され得る。他の全ての要素は、上述した他の空気パフ式眼圧計と同様である。
図7に示される本発明の別の実施形態では、薬物リザーバーは、投与ユニットを必要としないような単位投与量スマートカートリッジ705である。単位投与量薬剤は、防腐剤を含まない薬物を使用できるという利点を有する。
図7は、カートリッジライセンスキー機構706を含む緑内障治療薬投与用単位投与量スマートカートリッジ705を備える空気パフ式眼圧計700を示す。本実施形態の他の全ての要素は、上述した空気パフ式眼圧計と同様である。
上記した例では、(例えば、図5の)複数回投与量カートリッジ、(例えば、図6の)標準的な薬剤ボトルインタフェース、または(例えば、図7の)単回投与量を備える単位投与量スマートカートリッジが、IOP測定および薬剤投与の両方のために同じ送達チャネルを使用する空気パフ式眼圧計と組み合わされる(例えば、同じ空気パフ式送達機構が、IOP測定および薬剤投与の両方に使用される)。
これは、例えば、(単一の空気パフを使用して同時にまたは連続した空気パフを使用して連続的に)IOP測定および眼への投与の両方のための空気パフを送達するために空気パフ流とタイミングを合わせる点滴薬放出機構を使用することによって達成され得る。すなわち、(例えば、空気パフ式投与機構の)空気パフプロセスステップは、例えば、スマートスケジューラーアプリケーション/方法または機構の使用などによって、薬剤放出を伴うかまたは伴わずに実行されることができる。
図8Aは、眼への薬物送達のための単一の単位投与量スマートカートリッジ805の代替的な構成を示している。図8Aは、空気パフ式眼圧計に装填されていない場合の単位投与量スマートカートリッジ805を示す。複数の単位投与量(又は1回の投与量)カートリッジはマガジン内に構成され(例えば、装填され)、群として眼圧計内に装填されてもよいことを理解されたい。単位投与量カートリッジ805の前側(例えば、眼に面している側)は、薬剤が眼に投与されるまで密封され得る。すなわち、薬剤が眼に送達されるように、薬剤放出作用のトリガーによって前側が開放され得る。好ましくは、単位投与量カートリッジ805は、その裏側(例えば、眼の反対側)に薄膜850を有する。単位投与量カートリッジ805の内部は、薬物(薬剤)の貯蔵および/または放出のために構成された構造化表面(structured surface)を有し得る。薬物は、単位投与量カートリッジ805内、例えば薄膜850の反対側に貯蔵され得、空気パフ(または格納式プローブ/アームまたはその他の力を付与する機構)が薄膜850に当たる(または押圧する)と、薄膜850が変形されて、カートリッジ805内の薬物がカートリッジ805の前側から眼に向かって放出される(例えば、プッシュおよび/または噴霧される)。
図8Bは、付与される力(例えば、適用される空気パフ)によって薬剤が眼に送達されるような非密封状態の図8Aの単一投与量カートリッジ805を示している。
薬剤放出処理のトリガーに応答して、単回投与量カートリッジは、眼に薬剤を送達することができるように開放される。カートリッジ内の膜表面側は、薬剤/薬物をこの膜側に配置することができるように、物理的または化学的にいずれも構造化されることができる。構造のレイアウトは、眼への最適な流体送達が達成され得るように構成される。このようなカートリッジ構成を有することで、空気パフチャネルとの接触がなくなり、無菌性を確保することができる。さらなる利点は、本アプローチが、眼が吸収できるのと同じ量の薬剤液のみを使用することである。
代替的には、単位投与量カートリッジ805は、多孔性またはグリッド構造を有する材料を内部に有してもよい。この場合、薬剤を空気パフによって送達することができるように、使用のためにカートリッジ805の前面および裏面の両方を開放する必要がある。
単回投与量カートリッジは、マガジン内に配置されてもよく、または空気パフチャネルに装填されてもよい。眼圧測定処理中、例えば、眼圧測定の実施中に薬剤を投与しない場合には、マガジンの空きポジションが使用されてもよい。
図11は、眼圧測定および薬剤投与の両方のために同じ空気パフチャネルおよび機構を使用する、上述した空気パフ式眼圧計によってサポートされるいくつかの機能を列挙した表3を示している。例えば、これらの構成は、薬剤摂取および/またはIOPセレクタの使用等による、同時または個別(例えば、連続的)のIOP測定および薬物送達処理の両方をサポートする。本構成は、医療提供者、患者、および/またはサードパーティ間で双方向のリアルタイムまたはほぼリアルタイムのデータ転送のために、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートグラス、および/または他のコンピューティング/電子デバイスとの通信をサポートする。リマインダー機構は、事前にスケジュールされた薬剤投与またはIOP測定処理について患者に警告するように設けられてもよい。機構は、種々の薬剤の種類の選択および種々の投与オプションのために設けられてもよい。また本実施形態によってサポートされるものは、薬剤の摂取/投与を追跡するカウンタと、薬剤の送達、正確な投与量の検査、(例えば、カートリッジライセンスIDおよび/またはカメラの使用等の)患者IDの検査、および、(例えば、目の開閉状態を監視するためにカメラを使用する等の)眼が開いている間の薬剤投与の自動トリガーのための機構とである。
上記した組合せ装置は、(眼の眼内圧(intraocular pressure : IOP)測定値を取得する)眼圧測定ユニットおよび(眼に薬物/薬剤を投与する)薬物投与ユニットの両方を収容することに加えて、薬物投与のアドヒアランス(例えば、治療計画のアドヒアランス)をモニタリングするため、および薬物およびその投与量の有効性をモニタリングするための機構(例えば、制御ユニット、記憶ユニット、通信ユニット、スマートフォン、タブレットコンピュータ等)をさらに提供する。これらの機構は、患者に処方される薬剤の投与量および種類をより良く制御するための追加情報を医療提供者に提供するために拡張されてもよい。
図12は、IOP測定値の改善されたモニタリングおよび薬剤の有効性のより良い評価のための例示的なアプリケーション1272Aと共に、眼圧測定および薬物投与のための組合せ装置1200の別の実施形態を示している。本例では、眼圧計は、薬剤ボトル(またはカートリッジ/薬物リザーバー)1205に取り付けられる「キャップ(cap)」1280内に設けられる。本例では、(オプションのQRコード1241を有する)薬剤ボトル1205は、点滴薬1218としての薬剤を送達する標準的な点眼ボトルである。本願の眼圧計1200は、非接触方式で眼圧測定を実施し、それによって無菌性の問題を最小限にする。本例は、IOP測定値を取得するために超音波を使用することが好ましいが、上述の非接触方法のいずれかを任意選択的に使用されてもよいことを理解されたい。
図12において、1つ以上の超音波トランスデューサ(ultrasound transducer)1201(またはトランシーバ)は、キャップ1280が薬剤ボトル1205に取り付けられたときに、超音波トランスデューサ1201が薬剤ボトル1205の開口部に沿って(例えば、開口部の周囲にまたは周囲に沿って)配置されるように、キャップ1280上(またはその内部)に配置され得る。小型化された超音波トランスデューサであり得る超音波トランスデューサ1201は、受信された制御信号を音波に変換し、眼の角膜1219に力を付与し、角膜1219の変形および/または角膜1219に力学的な波(mechanical wave)を生じさせる。そして、角膜上のこの力学的な歪みは、(例えば、上述のトランシーバ、カメラ、光検出器、光干渉計等の使用による)眼圧計1200によって観測されて、IOP測定値を取得し得る。好ましくは、眼圧計1280は、ソフトウェアの薬物管理アプリケーション(例えば、「薬物管理アプリ」1272A/1272B)を実行するスマートフォンまたはタブレットコンピュータ等の携帯型コンピューティングデバイスであり得るリモートコンピューティングデバイス1270と(例えば、無線信号の転送によって)(双方向)通信する(例えば、RFID、Bluetooth、Wi−Fi等の)無線通信デバイスを含む。任意選択的には、本発明に従った眼圧計の上述した複数のタスクの一部(例えば、データ処理およびデータ記憶)は、眼圧計1280からリモートコンピューティングデバイス1270にオフロードされて(off-loaded)、眼圧計1280に必要な構成要素の数を減らしてもよい。任意選択的には、リモートコンピューティングデバイス1270は、取り付け可能な(または組み込み)無線エネルギー送信器1274を有して、眼圧計1200に無線で電力を供給し、眼圧計1280がバッテリーまたは他の専用電源を使用せずに動作するようにしてもよい。
このように、眼圧計1280は、薬物送達ボトル1205用の(超音波トランスデューサアレイを有する)眼圧計キャップ(tonometer-cap)内に設けられた非接触で小型化された超音波式眼圧測定装置を効果的に構成する。眼圧計1280は、特定のボトル1205から別のボトルに移すことによって再利用されてもよい。代替的には、各点眼薬ボトル1205は、それ自身の眼圧計キャップ(例えば、「トノキャップ(tono cap)」)を備えていてもよい。
好ましくは、薬物管理アプリ1272Aは、医療提供者に提示される眼圧測定値を改善し、特定の薬剤の有効性を評価するように構成され得る。医療提供者は、典型的には、患者のIOP履歴を確認するときに、1日あたり1回のIOP測定のみを考慮する。しかしながら、医療提供者が確認した情報は最適ではない可能性があることが分かっている。IOP測定値毎の固有誤差は別として、1日に1回のIOP測定は患者の毎日のIOP状態を適切に表していない可能性があるように、患者の眼内圧は1日を通して変化する可能性がある。さらに、IOPを低下させる薬剤の有効性は時間の経過とともに低下する可能性があることが観測されている。薬剤の効果が低下する複数の理由が存在し得る。例えば、点滴薬は、薬剤に対する組織の反応が経時的に変化(例えば、低下)するように、(例えば、結膜瘢痕等の)組織の変化を生じさせる可能性がある。別の理由は、患者が特定の薬剤に対する不反応者(non-responder)(または制限された応答者)であるように、患者が特定の種類の作用機序(action mechanism)に全く反応しない可能性がある。したがって、医療提供者がIOPの上昇傾向を観測した場合、特に患者が複数の異なる薬物を摂取しているとき、眼の房水排出能力がさらに低下したためにIOPが上昇したのか、または薬物がもはや効果を示さなくなった(有効性が低下した)ためにIOPが上昇したのかを判定することはできない可能性がある。上記した1つまたは複数の組合せ装置および薬物管理アプリは、これらの問題に対処することを支援する。
典型的には、患者は、1日の期間内に、例えば朝に1回のIOP測定を受ける。ただし、房水産生の変化などにより、人のIOPは1日において変化する可能性がある。しかしながら、患者の治療は、朝、正午、夕方など、1日に複数回の薬剤の投与を要求し得る。好ましい実施形態は、薬剤が投与される毎に、自動的にIOP測定を実施し得る。すなわち、薬剤を投与するための組合せ装置への入力信号によって、自動IOP測定も開始し得る。したがって、本願の組合せ装置は、一日に複数のIOP測定値、例えば、一日に3つの測定値(朝、昼、晩)を記録し、これを組み合わせて(例えば、平均化することによって)、その日のより意味のある(代表的な)IOP測定値を医療提供者に提供し得る。例えば、各IOP測定値は固有測定誤差を有する可能性があるが、1日の異なる時刻における複数のIOP測定値を平均化することによって、全体的な誤差測定値を低減させつつ、その日のより代表的なIOP測定値が提供され得る。
図13を参照すると、本願の1つまたは複数の組合せ装置(および/または薬物管理アプリ1272A/1272B)は、(同じ時間基準に従って)複数のIOP測定値および複数の投与された薬剤投与量をモニタリングおよび比較して、特定の薬剤の種類および投与量の有効性を判定し得る。リモートコンピューティングデバイス1270は、投与される各薬剤について、時間に対する複数の眼圧読み取り値(例えば、複数の測定値)のプロット、および投与される薬剤についての時間に対する薬物投与量のプロットを生成し得る。本例では、3つの異なる薬剤Med_A,Med_B,Med_Cについて、3つの薬物投与量対時間のプロット1273,1275,1277がそれぞれ示されている。この情報は、アプリ1272A/1272Bの要約セクションSUM1において提供され得る。このアプローチは、複数の薬剤の存在下または非存在下(たとえば、増加または減少)で眼内圧がどのように変化するかをより適切に判定することを支援する。薬剤投与量の減少は、(例えば、処方された)意図的または(例えば、患者が投薬を怠る、および/または誤った投与量を投与する)非意図的であり得る。この機能を説明するために、例示的な事例が提供されている。
例示的な場合、患者は最初に薬物Med_Aのみを摂取する。医療提供者が眼内圧の上昇を観測した場合、医療提供者が薬物Med_Bを追加し、その後、IOPを低下させるために第3の薬物Med_Cを追加し得る。Med_A,Med_B,Med_Cは、(例えば、プロスタグランジン、ベータ遮断薬等の)異なるIOP低下機序を有し得る。上述したように、薬剤は時間の経過とともにその有効性を失う(例えば、徐々に失う)可能性がある。例えば、Med_Cを追加した時点でMed_Aの有効性が失われているが、Med_Aの有効性の変化に誰も気付かず、患者がMed_Aを摂取し続けてもほとんど効果が得られない。本発明は、薬剤の有効性のこれらの変化を特定することを支援する。
例えば、患者が以前に数日間でMed_Aを使い果たしたかまたは単にそれを投与することを忘れた場合、薬物使用とIOP測定とを組み合わせた本発明のモニタリングシステムは、測定されたIOPが省略された薬物Med_Aに反応していないことを検知するであろう。すなわち、Med_Aの除外は、測定されたIOPに(例えば、観測されたノルム(norm)または実行平均(running average)の所定の範囲またはパーセンテージ内の)小さな影響を及す。これは、薬物Med_Aが特定の患者に対してもはや有効ではない可能性があることを示している。そして、医療提供者は、SUM1等によって、この有効性の可能性がある変化について通知される(例えば、電子メールまたは要約SUM1によって警告される)。そして、医療提供者は、患者の治療計画からMed_Aを除外することを選択し、患者をMed_Aに関連する刺痛、ドライアイ、発赤、睫毛の成長などの副作用から解放し得る。
別例として、患者が後でMed_Bを摂取することを忘れた場合、たとえ患者がまだMed_Cを摂取していても、(例えば、事前に定義された範囲またはパーセンテージの増加よりも大きい)IOPに大きな影響が生じる可能性がある。これは、特定の患者に対してMed_BがMed_Cよりも効果的であることを示している可能性がある。繰り返しになるが、医療提供者はMed_Bを摂取する(または省略する)ことの強い効果について通知される。その後、医療提供者はMed_Bの投与量を増やし、恐らく患者の治療計画からMed_Cを削除することを選択し得る。これは、特にMed_Cの副作用がMed_Bよりも強い場合および/またはMed_Cの摂取が患者に経済的負担をかける場合に、患者の助けになり得る。これはまた、患者が(例えば、Med_Cに対して反応しなくなるか、または「不反応者」になる)Med_Cに対する耐性を発現する可能性を減少させる。
したがって、本発明は、偶発性(happenstance)を利用して、特定の患者に治療計画をよりよく適合させることができる。すなわち、本発明は、患者が点滴薬を時々忘れている(または誤って投与量を増減させる)ことを利用することができ、観測された対応するIOP反応を利用する。このアプローチは、医療提供者が患者の治療計画を意図的に変更し、その結果生じた観測されたIOPの変化を用いて、特定の薬剤のリスク/ベネフィット比を修正することも可能である。
上記したように、本願の組合せ装置は、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーション1272A/1272Bを備えることができる。特定のアプリケーション(またはアプリケーションインタフェース)1272Aは、医師の使用に合わせて調整されてもよく、別の1272Bは、患者の使用に合わせて設計されてもよい。医師のインタフェース1272Aは包括的である必要があるが、テキスト情報およびプロット1271〜1277を含み得る要約セクションSUM1の使用等によって、様々な情報の迅速な要約を提供する。例えば、要約セクションSUM1は、(例えば、個別の1日のIOP平均値または実行中のIOP平均値のプロットの)IOP曲線1271A、(例えば、グラフィック表示、プロット、および/または数値の)最小−最大バンド1271B、スライディング平均値(sliding average values)等を含み得る。要約のセクションSUM1はまた、例えば「薬物Med_A→40%のアドヒアランス」、「Med_B→朝用:60%のアドヒアランス」、「Med_B→晩用:10%のアドヒアランス」等の薬剤の種類ごと等の可変フィルター基準(variable filter criterion)に対する薬剤使用アドヒアランスのパーセンテージを指定してもよい。複数の個別薬物に対する上述したIOP応答は、「Med_A→IOP低下効果の75%」または「Med_B→警告:薬物Med_Bの不反応者!」等を要約に含めてもよい。
患者用のアプリインタフェース1272Bは、基本的な指示を提供することに加えて、患者がどこに位置しているか、および特定の薬剤投与またはIOP測定が成功したかどうかについての迅速かつ直接的な応答を有する必要がある。例えば、複数の時間帯(朝、昼、晩)については、複数のチェックマークCK1は、点滴薬の適切な使用を表すことができ、および/またはクロスX1は、点滴薬の不適切な使用を表すことができる。さらに、ゲーミフィケーション(gamification)の複数の態様は、「おめでとうございます:95%の薬剤使用アドヒアランスで、あなたはあなたの年齢層の上位10%の患者に属しています。」のようなコーチングフィードバックを提供することによって、治療計画を順守するための患者のモチベーションを高めることを支援するように用いられることができる。また(日、週、月のような時間間隔ごとに評価される)アドヒアランス率は、トレンド曲線/プロット1271Cとして表示されることができる。
図14は、リモートコンピューティングデバイス1270(任意選択的に、上述した組合せ装置構成の少なくとも一部)に適した例示的なコンピュータシステム(またはコンピューティングデバイスまたはコンピュータデバイス)を示している。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステムは、本明細書で説明または図示される機能を提供し、本明細書で説明または図示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを実行する。コンピュータシステムは、任意の適切な物理的形態を取り得る。例えば、コンピュータシステムは、組み込みコンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(例えば、コンピュータオンモジュール(COM)やシステムオンモジュール(SOM)など)、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップまたはノートブックコンピュータシステム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、サーバ、タブレットコンピュータシステム、拡張/仮想現実デバイス、またはこれらの2つ以上の組み合わせであり得る。必要に応じて、コンピュータシステムは、1つまたは複数のネットワーク内に1つまたは複数のクラウドコンポーネントを含むクラウド内に存在し得る。
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、プロセッサCpnt1、メモリCpnt2、ストレージCpnt3、入出力(I/O)インタフェースCpnt4、通信インタフェースCpnt5、およびバスCpnt6を含む。コンピュータシステムは、任意選択で、コンピュータモニタまたは画面などのディスプレイCpnt7を含み得る。
プロセッサCpnt1は、コンピュータプログラムを構成するなどの命令を実行するためのハードウェアを含む。例えば、プロセッサCpnt1は、中央処理装置(CPU)またはグラフィックス処理装置(GPGPU)上の汎用コンピューティングであり得る。プロセッサCpnt1は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリCpnt2、またはストレージCpnt3から命令を取得(またはフェッチ)し、命令をデコードして実行し、1つまたは複数の結果を内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリCpnt2、またはストレージCpnt3に書き込み得る。特定の実施形態では、プロセッサCpnt1は、データ、命令、またはアドレス用の1つまたは複数の内部キャッシュを含み得る。プロセッサCpnt1は、1つまたは複数の命令キャッシュ、データテーブルを保持するなどのための1つまたは複数のデータキャッシュを含み得る。命令キャッシュ内の命令は、メモリCpnt2またはストレージCpnt3内の命令のコピーであり得、命令キャッシュは、プロセッサCpnt1によるそれらの命令の取得を高速化し得る。プロセッサCpnt1は、任意の適切な数の内部レジスタを含み得、かつ1つまたは複数の算術論理ユニット(ALU)を含み得る。プロセッサCpnt1は、マルチコアプロセッサであり得、また1つまたは複数のプロセッサCpnt1を含み得る。この開示は、特定のプロセッサを説明および例示しているが、この開示は、任意の適切なプロセッサを企図している。
メモリCpnt2は、プロセッサCpnt1が処理中に中間データを実行または保持するための命令を格納するためのメインメモリを含み得る。例えば、コンピュータシステムCS1は、ストレージCpnt3からまたは別のソース(別のコンピュータシステムCS1など)からメモリCpnt2に命令またはデータ(例えば、データテーブル)をローディングし得る。プロセッサCpnt1は、命令およびデータをメモリCpnt2から1つまたは複数の内部レジスタまたは内部キャッシュにローディングし得る。命令を実行するために、プロセッサCpnt1は、内部レジスタまたは内部キャッシュから命令を取得してデコードし得る。命令の実行中または実行後に、プロセッサCpnt1は、(中間または最終結果であり得る)1つまたは複数の結果を内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリCpnt2またはストレージCpnt3に書き込み得る。バスCpnt6は、1つまたは複数のメモリバス(各々がアドレスバスおよびデータバスを含み得る)を含み得、かつプロセッサCpnt1をメモリCpnt2および/またはストレージCpnt3に接続し得る。任意選択で、1つまたは複数のメモリ管理ユニット(MMU)機能は、プロセッサCpnt1とメモリCpnt2との間でデータを転送する。メモリCpnt2(高速であり得る揮発性のメモリ)は、ダイナミックRAM(DRAM)やスタティックRAM(SRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)を含み得る。ストレージCpnt3は、データまたは命令用の長期または大容量ストレージを含み得る。ストレージCpnt3は、コンピュータシステムCS1の内部または外部にあり得、かつ1つまたは複数のディスクドライブ(例えば、ハードディスクドライブ、HDD、またはソリッドステートドライブ、SSD)、フラッシュメモリ、ROM、EPROM、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、ユニバーサルシリアルバス(USB)アクセス可能なドライブ、またはその他の種類の不揮発性メモリを含む。
I/OインタフェースCpnt4は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアおよびハードウェアの両方の組み合わせであり、かつ人(例えば、ユーザー)との通信を可能にし得る、I/Oデバイスとの通信用の1つまたは複数のインタフェース(例えば、シリアルまたはパラレル通信ポート)を含む。例えば、I/Oデバイスは、キーボード、キーパッド、マイク、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカー、スチールカメラ、スタイラス、タブレット、タッチ画面、トラックボール、ビデオカメラ、別の適切なI/Oデバイス、またはこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
通信インタフェースCpnt5は、他のシステムまたはネットワークと通信するためのネットワークインタフェースを提供し得る。通信インタフェースCpnt5は、ブルートゥース(登録商標)インタフェースまたはその他のタイプのパケットベースの通信を含み得る。例えば、通信インタフェースCpnt5は、ネットワークインタフェースコントローラ(NIC)および/または無線ネットワークと通信するための無線NICまたは無線アダプタを含み得る。通信インタフェースCpnt5は、WI−FIネットワーク、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ワイヤレスPAN(例えば、ブルートゥースWPAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、携帯電話ネットワーク(例えば、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM(登録商標))ネットワークなど)、インターネット、またはこれらの2つ以上の組み合わせとの通信を提供する。
バスCpnt6は、コンピューティングシステムCS1の上記のコンポーネント間の通信リンクを提供する。例えば、バスCpnt6は、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)または他のグラフィックスバス、エンハンストインダストリースタンダードアーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)相互接続、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンドバス、低ピン数(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)バス、ピーシーアイエクスプレス(PCIe)バス、シリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、ビデオエレクトロニクススタンダーズアソシエーションローカル(VLB)バス、またはその他の適切なバス、またはこれらの2つ以上の組み合わせを含み得る。
本開示は、特定の装置における特定の数の特定の構成要素を有する特定のコンピュータシステムを説明および図示するが、本開示は、任意の適切な装置の任意の適切な数の任意の適切な構成要素を有する任意の適切なコンピュータシステムを企図する。
本明細書では、コンピュータ可読非一時的記憶媒体(単数または複数)は、1つまたは複数の半導体ベースまたは他の集積回路(IC)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)など)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスク(登録商標)、フロッピーディスク(登録商標)ドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカードまたはドライブ、その他の適切なコンピュータ読み取り可能な非一時的なストレージメディア、または必要に応じて、これらの2つ以上の任意の適切な組み合わせを含み得る。コンピュータ可読の非一時的記憶媒体は、必要に応じて、揮発性、不揮発性、または揮発性および不揮発性の組み合わせであり得る。
本発明をいくつかの特定の実施形態に関連して説明したが、前述の説明に照らして多くのさらなる置換、修正、および変形が明白であることは当業者には明らかである。
本明細書に記載の本発明が、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内に含まれ得るすべてのそのような代替、修正、適用、および変形を包含することを意図している。