JP2021521314A - 導電性インク - Google Patents
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Abstract
金属ナノ粒子、液体キャリアおよび任意の結合剤を含んでなり、液体キャリアが水および少なくとも2個のヒドロキシル基を含んでなる化合物から選択される0.5重量%から7.5重量%の間の溶媒を含むことを特徴とする導電性インク。
Description
本発明は導電性インク、例えばナノシルバー導電性インクに関する。また本発明は導電性インクの調製法、および好ましくは穏和な硬化条件で導電性インクから形成される導電性層またはパターンに関する。
金属ナノ粒子を含んでなるメタリック印刷(metallic printing)またはコーティング液(fluids)における興味は、所定の金属のバルク特性と比べた場合にそれらの独自な特性により過去数十年の間に増大した。例えば金属ナノ粒子の融点は、粒子サイズの低下と共に下がり、金属ナノ粒子が印刷された電子機器、電気化学的、光学的、磁気的および生物学的応用への関心をもたらす。
高速で印刷またはコーティングされ得る安定かつ濃縮されたメタリック印刷またはコーティング液の生産は、電子装置の調製を低コストで可能にできるので大変興味深い。
メタリック印刷またはコーティング液は、一般に金属ナノ粒子および分散媒を含んでなる導電性インク(dconductive ink)である。そのような導電性インクは、印刷またはコーティング液として直接用いることができる。しかしながら生じるメタリック印刷またはコーティング液の特性を最適化するために、追加の成分を導電性インクに加えることが多い。
金属ナノ粒子の調製は、例えば非特許文献1に開示されているいわゆるポリオール合成により、ポリオール合成法の派生法により、または様々な還元剤の存在下で金属塩のその場での還元により、水または有機溶媒中で行われ得る。そのような方法は、例えば特許文献1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16、17に開示されている。
導電性インクは一般に、インクジェット印刷、スクリーン印刷またはフレキソ印刷(flexographic printing)のような印刷技法により基板(substrate)に適用される。
スクリーン印刷は経済的効果のある方法と考えられ、ここでは高粘度の導電性インクを様々な基板に印刷できる。
スクリーン印刷法で使用され得る導電性インクは、例えば特許文献18,19,20および21に開示されている。
銀インクのスクリーン印刷には、様々な工程が関与する:
・スクリーンまたはメッシュを浸し(flooding)、ここで銀インクがスクリーンまたはメッシュ全体に広がり、
・印刷し、ここで銀インクがスクリーン開口を通って基板に押し出され、そして
・スクリーンが基板から除かれた後、基板上に印刷された銀インクを平らにし、インクを基板上に残す。
・スクリーンまたはメッシュを浸し(flooding)、ここで銀インクがスクリーンまたはメッシュ全体に広がり、
・印刷し、ここで銀インクがスクリーン開口を通って基板に押し出され、そして
・スクリーンが基板から除かれた後、基板上に印刷された銀インクを平らにし、インクを基板上に残す。
スクリーン印刷されたシルバーパターンの解像度(resolution)は、十分でないことが多い。一般にいわゆる線の幅広化(line widening)およびスミア(smearing)がスクリーン印刷法で生じることがあり、現実には印刷されたパタ
ーンの解像度の全体的低下をもたらす可能性がある。
ーンの解像度の全体的低下をもたらす可能性がある。
Metallic Nanomaterials Vol.1.,Edited by Challa S.S.R.Kumar,Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA,Weinheim,"Approaches to the synthesis and Characterization of Spherical and Anisotropic Silver Nanomaterials"
本発明の目的は、改善された解像度を有する導電性パターンを得ることができる導電性インクを提供することである。
この目的は、請求項1に記載の導電性インクにより実現される。
本発明のさらなる利点および態様は、以下の記載および従属請求項から明らかになるであろう。
発明の詳細な説明
定義
本明細書で使用する場合、高分子支持体(support)および箔という用語は、自立性のポリマーに基づくシートを意味し、それは1層または2層以上の接着層、例えば下塗り層を伴う場合がある。支持体および箔は通常、押出法で製造される。
定義
本明細書で使用する場合、高分子支持体(support)および箔という用語は、自立性のポリマーに基づくシートを意味し、それは1層または2層以上の接着層、例えば下塗り層を伴う場合がある。支持体および箔は通常、押出法で製造される。
本明細書で使用する場合、層という用語は自立性ではないと考えられ、(高分子)支持体または箔の上にそれをコーティングまたは噴霧することにより製造される。
PETはポリエチレンテレフタレートの略語である。
アルキルという用語は、アルキル基中の炭素原子のそれぞれの数に可能なすべての変形、すなわちメチル、エチル、3個の炭素原子に関して:n−プロピルおよびイソプロピル;4個の炭素原子に関して:n−ブチル、イソブチルおよび第3級−ブチル;5個の炭素原子に関して:n−ペンチル、1,1−ジメチル−プロピル、2,2−ジメチルプロピルおよび2−メチル−ブチル等を意味する。
特段の定めがない場合、置換または非置換アルキル基は、好ましくはC1〜C6−アルキル基である
特段の定めがない場合、置換または非置換アルケニル基は、好ましくはC2〜C6−アルケニル基である。
特段の定めがない場合、置換または非置換アルキニル基は、好ましくはC2〜C6−アルキニル基である。
特段の定めがない場合、置換または非置換アラルキル基は、好ましくは1、2、3個またはそれより多いC1〜C6−アルキル基を含むフェニルまたはナフチル基である。
特段の定めがない場合、置換または非置換アルカリール基は、好ましくはアリール基、好ましくはフェニル基またはナフチル基を含むC1〜C6−アルキル基である。
特段の定めがない場合、置換または非置換アリール基は、好ましくは置換または非置換フェニル基またはナフチル基である。
環式基は少なくとも1個の環構造を含み、そして単環式または1個以上の一緒に融合した環を意味する多環式基の場合がある。
複素環式基は、その環(1もしくは複数)の員として少なくとも2種類の元素の原子を有する環式基である。複素環式基の対立概念は同素環式基であり、その環構造は炭素のみから作られている。特段の定めがない場合、置換または非置換複素環式基は、好ましくは酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子またはそれらの組み合わせから選択される1、2、3または4個のヘテロ原子により置換された好ましくは5員環または6員環である。
脂環式基は、環原子が炭素原子からなる非芳香族同素環式基である。
ヘテロアリール基という用語は、環構造中に炭素原子ならびに窒素、酸素、セレンおよび硫黄から独立して選択される1個以上のヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を含んでなる単環式または多環式芳香環を意味する。ヘテロアリール基の好適な例にはピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル
、イミダゾリル、(1,2,3,)−および(1,2,4)−トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリルおよびオキサゾリルが含まれるが、これらに限られない。ヘテロアリール基は非置換であるか、または1、2個もしくはそれより多い適した置換基で置換されることができる。好ましくはヘテロアリール基は単環式環であり、ここで環は1〜5個の炭素原子および1〜4個のヘテロ原子を含んでなる。
、イミダゾリル、(1,2,3,)−および(1,2,4)−トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリルおよびオキサゾリルが含まれるが、これらに限られない。ヘテロアリール基は非置換であるか、または1、2個もしくはそれより多い適した置換基で置換されることができる。好ましくはヘテロアリール基は単環式環であり、ここで環は1〜5個の炭素原子および1〜4個のヘテロ原子を含んでなる。
例えば置換されたアルキル基における置換されたという用語は、アルキル基が通常そのような基中に存在する原子、すなわち炭素および水素以外の他の原子により置換され得ることを意味する。例えば置換されたアルキル基はハロゲン原子またはチオール基を含むことができる。非置換アルキル基は炭素および水素原子のみを含む。
特段の定めがない場合、置換されたアルキル基、置換されたアルケニル基、置換されたアルキニル基、置換されたアラルキル基、置換されたアルカリール基、置換されたアリール基、置換されたヘテロアリール基および置換された複素環式基は、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、1−イソブチル、2−イソブチルおよび第3級−ブチル、エステル、アミド、エーテル、チオエーテル、ケトン、アルデヒド、スルホキシド、スルホン、スルホネートエステル、スルホンアミド、−Cl、−Br、−I、−OH、−SH、−CNおよびNO2からなる群から選択される1個以上の置換基により置換される。
導電性インク
本発明による導電性インクは、金属ナノ粒子、液体キャリアおよび任意の結合剤を含んでなり、液体キャリアが水およびポリオールからなる群から選択される0.5重量%から7.5重量%の間の、好ましくは0.75重量%から5重量%の間の、より好ましくは1重量%から4重量%の間の溶媒を含むことを特徴とする。
本発明による導電性インクは、金属ナノ粒子、液体キャリアおよび任意の結合剤を含んでなり、液体キャリアが水およびポリオールからなる群から選択される0.5重量%から7.5重量%の間の、好ましくは0.75重量%から5重量%の間の、より好ましくは1重量%から4重量%の間の溶媒を含むことを特徴とする。
導電性インクは、さらにその特性を至適化するために界面活性剤および他の添加剤をさらに含むことができる。
金属ナノ粒子
本発明の導電性インクは、金属ナノ粒子を含んでなる。
本発明の導電性インクは、金属ナノ粒子を含んでなる。
金属ナノ粒子は、1もしくは複数の金属を元素または合金の状態で含んでなる。金属は好ましくは、銀、金、銅、ニッケル、コバルト、モリブデン、パラジウム、白金、錫、亜鉛、チタン、クロム、タンタル、タングステン、鉄、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、アルミニウムおよび鉛からなる群から選択される。
銀、銅、モリブデン、アルミニウム、金、銅またはそれらの組み合わせに基づく金属ナノ粒子は、特に好適である。
最も好適であるのは銀ナノ粒子である。
「ナノ粒子」という用語は、150nm未満、好ましくは100nm未満、より好ましくは50nm未満、最も好ましくは30nm未満の平均粒度または平均粒径を有する分散された粒子を指す。平均粒径と言うのは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定される。
例えば銀インクのような導電性インクは、第一粒子および第二粒子を含んでなることができる。後者は凝集した第一粒子である。前記の粒径は第一粒子の粒径である。
導電性インクは、分散物の総重量に対して好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも15重量%、特に好ましくは少なくとも20重量%の金属ナノ粒子を含んでなる。
液体キャリア
導電性インクは、水およびポリオールから選択される0.5重量%から7.5重量%の間の、好ましくは0.75重量%から5重量%の間の、より好ましくは1重量%から4重量%の間の溶媒を含む液体キャリアを含んでなる。
導電性インクは、水およびポリオールから選択される0.5重量%から7.5重量%の間の、好ましくは0.75重量%から5重量%の間の、より好ましくは1重量%から4重量%の間の溶媒を含む液体キャリアを含んでなる。
ポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシル基を含んでなる化合物である。
ポリオールは、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロールおよびソルビトールからなる群から選択される。
ポリオールは、好ましくはグリセロールである。
液体キャリアは他の有機溶媒を含むことができる。有機溶媒は、アルコール、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、脂肪族炭化水素、ジメチルスルホキシド(DMSO)、より高次の脂肪酸、カルビトール、セルロソルブ、およびより高次の脂肪酸エステルから選択することができる。
適したアルコールにはメタノール、エタノール、プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ブタノール、t−ブタノールを含む。
適切な芳香族炭化水素にはトルエンおよびキシレンを含む。
適したケトンにはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2,4−ペンタンジオンおよびヘキサ−フルオロアセトンを含む。
またグリコールエーテル、N,N−ジメチル−アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドも使用することができる。
導電性インクの性質を至適化するために有機溶媒の混合物を使用することできる。
好適な有機溶媒は高沸点溶媒である。本明細書で言及する高沸点有機溶媒は、水の沸点より高い沸点(>100℃)を有する溶媒である。
導電性インクに使用される特に好ましい高沸点溶媒は、2−フェノキシ−エタノール、プロピレンカーボネート、n−ブタノール、ガンマ―ブチロ―ラクトンおよびそれらの混合物である。
特に好適な高沸点溶媒は、ジメチルスルホキシド、2−ブトキシ−エタノール、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メチル5−(ジメチルアミノ)−2−メチル−5−オキソペンタノエートおよびそれらの混合物である。
導電性フレキソおよびグラビア印刷インクに使用される特に好適な高沸点溶媒は、
メチルイソブチルケトン、2−ブトキシ−エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびそれらの混合物である。
メチルイソブチルケトン、2−ブトキシ−エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびそれらの混合物である。
また液体キャリアは、欧州特許出願公開第2671927(A)号および同第2781562(A)号明細書に開示されている方法で使用されているもののようなナノ粒子の調製法に使用される溶媒、例えば2−ピロリドンを含むことができる。
液体キャリアがメチル−5−(ジメチルアミノ)−2−メチル−5−オキソペンタノエートまたはメチルブチロラクトンを含んでなる銀インクは、改善された接着挙動および改善されたワニス安定性を有することが観察された。
液体キャリアの量は、印刷またはコーティング液に望む粘度に依存する。液体キャリアの量は、導電性インクの総重量に対して好ましくは95重量%未満、より好ましくは90重量%未満、最も好ましくは85重量%未満である。
結合剤
導電性インクは結合剤を含んでなることができる。インクの結合剤は、好ましくは前記水またはポリオールと適合性があると同時に、金属ナノ粒子とも適合する。
導電性インクは結合剤を含んでなることができる。インクの結合剤は、好ましくは前記水またはポリオールと適合性があると同時に、金属ナノ粒子とも適合する。
前記結合剤と適合する水またはポリオールは、本発明による導電性インクの溶媒混合物に可溶性である。水またはポリオールと適合性ではない結合剤を使用すると、たとえ結合剤が低濃度でも、または溶液を撹拌および/または加熱した後でも導電性インクの溶媒混合物中で結合剤の曇った溶液を生じる可能性がある。
金属ナノ粒子と適合性がない結合剤は、インクに剪断がかけられた場合に、導電性インクから溶媒の一部の分離を生じる可能性がある。
結合剤が水またはポリオールに適合性であるかどうか、および/または金属ナノ粒子に適合性であるかどうかを決定する試験は以下の通りである:
―少量の導電性インクを2つの透明な箔の間に適用し;
―インクを、例えばローラーまたはスキージを用いて箔の間に押してインクの広がりを生じ、透明な箔間にインクの薄層を生じる。
―少量の導電性インクを2つの透明な箔の間に適用し;
―インクを、例えばローラーまたはスキージを用いて箔の間に押してインクの広がりを生じ、透明な箔間にインクの薄層を生じる。
結合剤が水またはポリオールおよび/または金属ナノ粒子に十分に適合しない場合、透明箔間の薄いインク層の目視により、本質的に溶媒からなる領域、すなわち金属ナノ粒子が存在しないか、または少量の領域が明らかに分かる。そのような領域は、それらのより低密度、つまりより低濃度の金属ナノ粒子の結果により見えるものである。
理論的に1つの種類の結合剤を選択することができ、これは水またはポリオールおよび金属ナノ粒子の両方に適合する。しかし導電性、接着性などのような他の特性を至適化できるように、少なくとも2つの異なる結合剤、すなわち水またはポリオールに適合する結合剤、および金属ナノ粒子に適合する結合剤を使用することが好ましい。
水またはポリオールに適合する結合剤の金属ナノ粒子に適合する結合剤に対する比は、好ましくは7以上、より好ましくは9以上である。
水またはポリオールに適合する結合剤は、好ましくは水またはポリオールに可溶性の結合剤である。
そのような水またはポリオールに可溶性の結合剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ナトリウムポリ(スチレンスルホネート)、ポリアクリル酸、ゼラチンおよびそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
金属ナノ粒子に可溶性の結合剤は、インク中のナノ粒子を安定化し、同時に印刷されたナノ粒子の迅速かつ/または低温での焼結も可能である。また結合剤は様々な基板に対して適用され、そして焼結される金属パターンの接着に良い効果を有することが好ましい。さらに結合剤は、印刷またはコーティングしながらインクの十分なポットライフおよびインクの均一層を確実にする。
金属ナノ粒子に適合する結合剤は、好ましくはポリビニルクロライドコポリマーである。
特に好適なポリビニルクロライドコポリマーは、塩化ビニルとヒドロキシ官能性モノマーのコポリマーである。
ヒドロキシル官能性モノマーは、好ましくは2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1−ヒドロキシ−2−プロピルアクリレート、3−メチル−3−ブテン−1−オール、2−メチル−2−プロペン酸2−ヒドロキシプロピルエステル、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ(エチレンオキシド)モノメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、1,2−プロピレングリコールメタクリレート、2,3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、2−プロペン酸5−ヒドロキシペンチルエステル、2−メチル−2−プロペン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエステル、1−ヒドロキシ−2−プロペン酸、1−メチルエチルエステル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−ブタンジオールモノビニルエーテル、ポリ(ε−カプロラクトン)ヒドロキシエチルメタクリレートエステル、ポリ(エチレンオキシド)モノメタクリレート、2−メチル−2−プロペン酸、2,5−ジヒドロキシペンチルエステル、2−メチル−2−プロペン酸、5,6−ジヒドロキシヘキシルエステル、1,6−ヘキサン
ジオールモノメタクリレート、1,4−ジデオキシ−ペンチトール、5−(2−メチル−2−プロペノエート)、2−プロペン酸、2,4−ジヒドロキシブチルエステル、2−プロペン酸、3,4−ジヒドロキシブチルエステル、2−メチル−2−プロペン酸、2−ヒドロキシブチルエステル、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−プロペン酸、2,4−ジヒドロキシブチルエステル、およびイソプロペニルアルコールからなる群から選択される。
ジオールモノメタクリレート、1,4−ジデオキシ−ペンチトール、5−(2−メチル−2−プロペノエート)、2−プロペン酸、2,4−ジヒドロキシブチルエステル、2−プロペン酸、3,4−ジヒドロキシブチルエステル、2−メチル−2−プロペン酸、2−ヒドロキシブチルエステル、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−プロペン酸、2,4−ジヒドロキシブチルエステル、およびイソプロペニルアルコールからなる群から選択される。
ヒドロキシル官能性モノマーは、最も好ましくはビニルアルコール、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、1−ヒドロキシ−2−プロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートである。
塩化ビニルとヒドロキシ官能性モノマーのコポリマーの例はクロロエチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコールコポリマー、ビニルアルコール−塩化ビニルコポリマー、2−ヒドロキシプロピルアクリレート−塩化ビニルポリマー、プロパンジオールモノアクリレート−塩化ビニルコポリマー、酢酸ビニル−塩化ビニル−2−ヒドロキシプロピルアクリレートコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレート−塩化ビニルコポリマー、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−塩化ビニルコポリマーである。
特定の好ましいコポリマーは、塩化ビニル、酢酸ビニルおよびヒドロキシ官能性モノマーのコポリマーである。
塩化ビニルの量は、好ましくはコポリマーの総重量に対して90重量%以上である。
ポリスチレン標準および溶出剤としてTHFを用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される塩化ビニルとヒドロキシ官能性モノマーのコポリマーの分子量(MW)は、好ましくは15000以上、より好ましくは20,000以上である。
ISO1628−2(1998)に従って測定される塩化ビニルとヒドロキシ官能性モノマーのコポリマーのK値は、好ましくは40以上、より好ましくは45以上である。
適したコポリマーは例えばすべてShin Etsuから市販されている92重量%塩化ビニル−3重量%酢酸ビニル−5重量%ビニルアルコールのコポリマーであるSolbin(登録商標)A、93重量%塩化ビニル−2重量%酢酸ビニル−5重量%ビニルアルコールのコポリマーであるSolbin(登録商標)AL、83重量%塩化ビニル−4重量%酢酸ビニル−13重量%ヒドロキシアルキルアクリレートのコポリマーであるSolbin(登録商標)TA2、83重量%塩化ビニル−4重量%酢酸ビニル−13重量%ヒドロキシアルキルアクリレートのコポリマーであるSolbin(登録商標)TA3、91重量%塩化ビニル−2重量%酢酸ビニル−7重量%ビニルアルコールのコポリマーであるSolbin(登録商標)TAO;すべてWacker Chemieから市販されているVinnol(登録商標)E15/40A、Vinnol(登録商標)E15/45A、Vinnol(登録商標)E15/48A、Vinnol(登録商標)E22/48AおよびVinnol(登録商標)H5/50A;すべてYantai Suny Chem Internationalから市販されている90重量%塩化ビニル−4重量%酢酸ビニル−6重量%ビニルアルコールのコポリマーであるSunvac(登録商標)GH、81重量%塩化ビニル−4重量%酢酸ビニル−15重量%ヒドロキシアルキルアクリレートのコポリマーであるSunvac(登録商標)GFおよび81重量%塩化ビニル−4重量%酢酸ビニル−15重量%ヒドロキシルアルキルアクリレートのコポリマーであるSunvac(登録商標)OH;Sekisuiから市販されているS−LecE4−HA;ならびにWuxi Honghui Chemicalから市販されているVROH
、LPOHおよびUMOHである。
、LPOHおよびUMOHである。
別の好適な結合剤は、結合剤の総重量に基づき90重量%以下のビニリデンクロライドを含むビニリデンクロライドコポリマーである。ビニリデンクロライドの量が結合剤の総重量に基づき90重量%を超える時は、結合剤の結晶化度(crystallinity)が高くなり過ぎ、液体キャリア中での低い溶解度をもたらす。更なるモノマーとのビニリデンクロライドの共重合が、コポリマーを、より非晶質にさせ、従って液体キャリアに更に可溶性にさせる。
ビニリデンクロライドコポリマーは好ましくは、ビニルクロライド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルエーテル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸およびクロトン酸からなる群から選択される更なるモノマーを含んでなる。
適切なビニリデンクロライドコポリマーは以下を含む:ビニリデンクロライド、N−tert.−ブチルアクリルアミド、n−ブチルアクリレートおよびN−ビニルピロリドンのコポリマー(例えば70:23:3:4)、ビニリデンクロライド、N−tert.−ブチルアクリルアミド、n−ブチルアクリレートおよびイタコン酸のコポリマー(例えば70:21:5:2)、ビニリデンクロライド、N−tert.−ブチルアクリルアミドおよびイタコン酸のコポリマー(例えば88:10:2)、ビニリデンクロライド、n−ブチルマレイミドおよびイタコン酸のコポリマー(例えば90:8:2)、ビニルクロライド、ビニリデンクロライドおよびメタクリル酸のコポリマー(例えば65:30:5)、ビニリデンクロライド、ビニルクロライド、およびイタコン酸のコポリマー(例えば70:26:4)、ビニルクロライド、n−ブチルアクリレートおよびイタコン酸のコポリマー(例えば66:30:4)、ビニリデンクロライド、n−ブチルアクリレートおよびイタコン酸のコポリマー(例えば80:18:2)、ビニリデンクロライド、メチルアクリレートおよびイタコン酸のコポリマー(例えば90:8:2)、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド、N−tert.−ブチルアクリルアミドおよびイタコン酸のコポリマー(例えば50:30:18:2):を含む。前記コポリマー中の括弧間に与えられたすべての比率は重量比である。
例えば式aおよびb
式中、R1〜R4は水素原子、1〜5個の炭素原子を含、場合により置換されてい
てもよいアルキル基、または1〜5個の炭素原子を含む、場合により置換されてい
てもよいアルケニル基を表わす
に従うモノマーのようなマレイン酸または無水マレイン酸の誘導体もまた、ビニリデンクロライドコポリマーの更なるモノマーとして使用することができる。
てもよいアルキル基、または1〜5個の炭素原子を含む、場合により置換されてい
てもよいアルケニル基を表わす
に従うモノマーのようなマレイン酸または無水マレイン酸の誘導体もまた、ビニリデンクロライドコポリマーの更なるモノマーとして使用することができる。
例えば式III〜VI、
式中、R5〜R9は水素原子、1〜5個の炭素原子を含む、場合により置換されて
いてもよいアルキル基、または1〜5個の炭素原子を含む、場合により置換されて
いてもよいアルケニル基を表わし;
Lは1〜5個の炭素原子を含むアルキレン基、5個までのエチレングリコール単位
を含むポリエチレングリコール、または5個までのプロピレングリコール単位を含
むポリプロピレングリコールからなる群から選択される連結基を表わす、
に従うモノマーのようなコハク酸または無水コハク酸の誘導体もまた、ビニリデンクロライドコポリマーの更なるモノマーとして使用することができる。
いてもよいアルキル基、または1〜5個の炭素原子を含む、場合により置換されて
いてもよいアルケニル基を表わし;
Lは1〜5個の炭素原子を含むアルキレン基、5個までのエチレングリコール単位
を含むポリエチレングリコール、または5個までのプロピレングリコール単位を含
むポリプロピレングリコールからなる群から選択される連結基を表わす、
に従うモノマーのようなコハク酸または無水コハク酸の誘導体もまた、ビニリデンクロライドコポリマーの更なるモノマーとして使用することができる。
式cに従う好適なモノマーは3−エテニルオキソラン−2,5−ジオンであり、式dに従う好適なモノマーは2−エテニルブタンジオン酸および1,4−ジメチル2−エテニルブタンジオエートである。
ビニリデンクロライドコポリマーはより好適には、ビニルクロライド、アクリロニトリル、マレイン酸、無水マレイン酸およびアルキルアクリレートよりなる群から選択される更なるモノマーを含んでなる。
ビニリデンクロライドコポリマーは、最も好ましくは40重量%〜90重量%のビニリデンクロライド、0.5重量%〜50重量%のビニルクロライドおよび0.5重量%〜5重量%のアクリロニトリルを含む。
前に言及されたアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートは、好ましくは、C1〜C10アルキルアクリレートまたはメタクリレートである。特に好適なアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートはメチルおよびブチルアクリレートまたはメチルおよびブチルメタクリレートである。
本発明に従う導電性インクに使用することができるビニリデンクロライドコポリマーの好適な例は、Solvayから市販されているIXAN(登録商標)SGA−1である。
使用することができる他のビニリデンコポリマーは、すべてSolvayから市販されているIXAN(登録商標)PNE613、IXAN(登録商標)PV910、IXAN(登録商標)PV919、IXAN(登録商標)PVS801、IXAN(登録商標)PVS815、IXAN(登録商標)PVS100またはIXAN(登録商標)PV708;すべてAsahi Kasei Chemicalsから市販されているF310、F216、R222BまたはR204である。
本発明では水性のビニリデンコポリマーも使用することができる。このようなコポリマーの例は、すべてOwensboro Specialty Polymersから市販されているDaran(登録商標)8730、Daran(登録商標)8550、Daran(登録商標)SL112、Daran(登録商標)SL143、Daran(登録商標)SL159またはDaran(登録商標)8100;すべてSolvayから市販さ
れているDiofan(登録商標)193D、Diofan(登録商標)P520、Diofan(登録商標)P530である。
れているDiofan(登録商標)193D、Diofan(登録商標)P520、Diofan(登録商標)P530である。
2以上の異なる結合剤を使用することができる。例えば前記のビニリデンクロライドコポリマーを、前記のビニルクロライドコポリマーと組み合わせてもよい。
導電性インク中の結合剤の総量は好ましくは、分散物の総重量に対して0.1重量%から15重量%の間、より好ましくは0.2重量%から7.5重量%の間、最も好ましくは0.25重量%から5重量%の間、特に好ましくは0.5重量%から3.0重量%の間である。結合剤の量が高すぎる、例えば分散物の総重量に対して15重量%を超える時は、導電性インクの導電率が低下する傾向がある。結合剤の量が低すぎる、例えば分散物の総重量に対して0.1重量%未満である場合は、接着性の改善を認めることができない。
界面活性剤
界面活性剤
導電性インクは好ましくは界面活性剤を含んでなる。様々な界面活性剤を使用することができる。しかし、Disperbyk2151、Disperbyk2025およびDiserbyk2155よりなる群から選択される界面活性剤の導電性インクへの添加が、特にITO(インジウム錫酸化物)基板上への分散物の接着性の更なる改善をもたらすことが確認された。特に優れた結果はDisperbyk−2151を使用して得られる。
界面活性剤の量は、導電性インクの総量に対して、好ましくは0.01重量%から10重量%の間、より好ましくは0.05重量%から5重量%の間、最も好ましくは0.1重量%から1.0重量%の間である。
接着促進剤化合物(Adhesion promoting compound)
接着促進化合物の添加は様々な基板に対する接着性を更に改善することができることが観察された。
接着促進化合物の添加は様々な基板に対する接着性を更に改善することができることが観察された。
例えば、市販の接着促進化合物Byk−4511は、特にITO(インジウム錫酸化物)基板に対する接着性を改善することができる。
特に好適な接着促進化合物は酸性ポリエステルである。酸性ポリエステルを含んでなる導電性インクはITO(インジウム錫酸化物)基板上への実質的に改善された接着性を特徴として示すことが確認された。
酸性ポリエステルの量は好ましくは、導電性インクの総量に対して0.01重量%から10重量%の間、より好ましくは0.05重量%から5重量%の間、最も好ましくは0.1重量%から1.0重量%の間である。
酸性ポリエステルは典型的には15から100mg KOH/gまでの酸価(acid
value)をもつ酸性基を含むコポリマーである。市販の酸性ポリエステルの例はBYK−4510(Byk Altanaから市販されてる)、PLUSOLIT H−PD(Mae derから市販されてる)またはBORCHI GEN HMP−F(OMG Borchersから市販されている)を含む。
value)をもつ酸性基を含むコポリマーである。市販の酸性ポリエステルの例はBYK−4510(Byk Altanaから市販されてる)、PLUSOLIT H−PD(Mae derから市販されてる)またはBORCHI GEN HMP−F(OMG Borchersから市販されている)を含む。
酸性ポリエステルは典型的にはポリオールとポリカルボン酸との重縮合物(polycondensate)である。ポリオールおよびポリカルボン酸は所望の割合で合わされ、標準のエステル化(縮合)法を使用して化学反応させて、ポリエステル樹脂中にヒドロキシル基およびカルボン酸基の両方をもつポリエステルを提供する。トリオールは典型的
に分枝状ポリエステルを提供するために使用される。
に分枝状ポリエステルを提供するために使用される。
適切なポリカルボン酸または無水物の例は、限定するわけではないが、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、無水トリメリット酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、セバシン酸およびそれらの様々な混合物を含む。
適切なジオール、トリオールおよびポリオールの例は、限定するわけではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノールおよびポリエチレンまたはポリプロピレングリコールを含む。
好適なポリオールはトリメチロールプロパンであり、好適なポリカルボン酸はアジピン酸である。
他の好適な酸性ポリエステルは、
(a)2000〜10,000の分子量(Mn)、20〜75のヒドロキシル価(hydroxyl number)および15〜25の酸価(acid value)をもつポリエステル、このポリエステルは
(i)ジオールとトリオールの混合物を含んでなるポリオール成分、
(ii)アルファ−、ベータ−エチレン状不飽和ポリカルボン酸を含んでなる多酸(polyacid)成分:
の縮合物である、ならびに
(b)亜リン酸、
の反応生成物である。
(a)2000〜10,000の分子量(Mn)、20〜75のヒドロキシル価(hydroxyl number)および15〜25の酸価(acid value)をもつポリエステル、このポリエステルは
(i)ジオールとトリオールの混合物を含んでなるポリオール成分、
(ii)アルファ−、ベータ−エチレン状不飽和ポリカルボン酸を含んでなる多酸(polyacid)成分:
の縮合物である、ならびに
(b)亜リン酸、
の反応生成物である。
リン酸化(phosphatized)ポリエステルの更なる例は、国際公開第2012/162301号パンフレットに開示されている。
分散物―安定化化合物(DSC)
本発明による導電性インクは、式VII、VIII、IXまたはX
式中、
Qは、置換または非置換5または6員複素芳香族環の形成に必要な原子を示し;
Mは、プロトン、一価カチオン性基、アルキル基、ヘテロアルキル基、およびアシ
ル基からなる群から選択され;
R9およびR10は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アル
ケニル基、置換または非置換アルキニル基、置換または非置換アルカリール基、置
換または非置換アラルキル基、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基、
ヒドロキシル基、チオエーテル、エーテル、エステル、アミド、アミン、ハロゲン、
ケトンおよびアルデヒドからなる群から独立して選択され;
R9およびR10は、5〜7員環の形成に必要な原子を示すことができる;
R11〜R13は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケ
ニル基、置換または非置換アルキニル基、置換または非置換アルカリール基、置換
または非置換アラルキル基、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基、
ヒドロキシル基、チオール、チオエーテル、スルホン、スルホキシド、エーテル、
エステル、アミド、アミン、ハロゲン、ケトン、アルデヒド、ニトリルおよびニト
ロ基からなる群から独立して選択され;
R12およびR13は5〜7員環の形成に必要な原子を示すことができる
に従う分散物−安定化化合物(DSC)を含んでなることができる。
本発明による導電性インクは、式VII、VIII、IXまたはX
Qは、置換または非置換5または6員複素芳香族環の形成に必要な原子を示し;
Mは、プロトン、一価カチオン性基、アルキル基、ヘテロアルキル基、およびアシ
ル基からなる群から選択され;
R9およびR10は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アル
ケニル基、置換または非置換アルキニル基、置換または非置換アルカリール基、置
換または非置換アラルキル基、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基、
ヒドロキシル基、チオエーテル、エーテル、エステル、アミド、アミン、ハロゲン、
ケトンおよびアルデヒドからなる群から独立して選択され;
R9およびR10は、5〜7員環の形成に必要な原子を示すことができる;
R11〜R13は、水素、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アルケ
ニル基、置換または非置換アルキニル基、置換または非置換アルカリール基、置換
または非置換アラルキル基、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基、
ヒドロキシル基、チオール、チオエーテル、スルホン、スルホキシド、エーテル、
エステル、アミド、アミン、ハロゲン、ケトン、アルデヒド、ニトリルおよびニト
ロ基からなる群から独立して選択され;
R12およびR13は5〜7員環の形成に必要な原子を示すことができる
に従う分散物−安定化化合物(DSC)を含んでなることができる。
分散物−安定化化合物は好ましくは式VIIに従う化合物である。
分散物−安定化化合物は、より好ましくはQが5員の複素芳香環の形成に必要な原子を示す式VIIに従う化合物である。
特に好ましい分散物−安定化化合物は、Qがイミダゾール、ベンズイミダゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールおよびテトラゾールからなる群から選択される5員の複素芳香環である式VIIに従う化合物である。
分散物−安定化化合物は、好ましくはN,N−ジブチル−(2,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1H−テトラゾール−1−イル−アセトアミド、5−ヘプチル−2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ−(1,5−a)ピリミジン−7−オールおよびS−[5−[(エトキシカルボニル)アミノ]−1,3,4−チアジアゾール−2−イル]O−エチルチオカーボネートからなる群から選択される。
式VII〜Xに従う分散物−安定化化合物は、好ましくは非高分子化合物である。本明細書で用いられる非高分子化合物は、好ましくは1000未満、より好ましくは500未満、最も好ましくは350未満の分子量を有する化合物を意味する。
金属ナノ粒子中の銀(Ag)の総重量に対する重量%として表される分散物安定化化合物(DSC)の量は、好ましくは0.005から10.0の間、より好ましくは0.0075〜から5.0の間、最も好ましくは0.01から2.5の間である。金属ナノ粒子中の銀の総重量に対して分散物−安定化化合物の量が少なすぎると、安定化効果は低すぎる場合があり、一方、分散物−安定化化合物の量が多すぎると導電性インクを用いて得られるコーティングまたはパターンの導電率に不利に影響する場合がある。
添加剤
コーティングまたは印刷特性を最適化するために、ならびにまたそれが用いられる用途に依存して、還元剤、湿潤剤/均染剤、ディウェッティング剤(dewetting agent)、レオロジー改質剤、接着剤、粘着剤、保湿剤、噴射剤、硬化剤、殺生物剤または酸化防止剤のような添加剤を前記の導電性インクに加えることができる。
コーティングまたは印刷特性を最適化するために、ならびにまたそれが用いられる用途に依存して、還元剤、湿潤剤/均染剤、ディウェッティング剤(dewetting agent)、レオロジー改質剤、接着剤、粘着剤、保湿剤、噴射剤、硬化剤、殺生物剤または酸化防止剤のような添加剤を前記の導電性インクに加えることができる。
欧州特許出願公開第2821164号(A)明細書に開示されているように、少量の無機酸、または導電性インクから形成される金属層またはパターンの硬化の間にそのような酸を生成することができる化合物を導電性インクに加えることが有利となり得る。より高い導電性および/またはより低い硬化温度が、そのような導電性インクから形成される層またはパターンで観察された。
より高い導電性および/またはより低い硬化温度は、国際出願公開第2015/000937号パンフレットに開示されているように式XI
式中、
Xは置換または非置換の環の形成に必要な原子を示す
に従う化合物を含有する金属ナノ粒子分散物を用いる場合にも得ることができる。
Xは置換または非置換の環の形成に必要な原子を示す
に従う化合物を含有する金属ナノ粒子分散物を用いる場合にも得ることができる。
式XIに従う特に好適な化合物は、アスコルビン酸またはエリソルビン酸誘導体化合物である。
増粘剤を加えて印刷またはコーティング液の粘度を上げることができる。好適な増粘剤は、非晶質シリカ、様々な分子量を有するポリビニルピロリドン、およびセルロース系増粘剤から選択することができる。特に好適な増粘剤はヒドロキシプロピルセルロースである。
導電性インクの調製
本発明に従う導電性インクの調製は典型的には、撹拌、高剪断混合、超音速処理またはそれらの組み合わせのような均質化技法(homogenization technique)を使用することによる金属ナノ粒子への、液体キャリア、結合剤および任意の添加剤の添加を含んでなる。
本発明に従う導電性インクの調製は典型的には、撹拌、高剪断混合、超音速処理またはそれらの組み合わせのような均質化技法(homogenization technique)を使用することによる金属ナノ粒子への、液体キャリア、結合剤および任意の添加剤の添加を含んでなる。
導電性インクが作成される金属ナノ粒子は典型的には、金属ナノ粒子のペーストまたは高度に濃縮された分散物である。金属ナノ粒子の好適な製法を以下に説明する。
均質化工程は100℃までの高温で実施することができる。好適な態様において、均質化工程は60℃以下の温度で実施される。
好適な態様において、導電性インクはインクジェット印刷法に使用される。金属インクジェット液(fluid)もしくはインク、または導電インクジェット液もしくはインクとも呼ばれるこのような導電性インクは好ましくは、25℃において90s-1の剪断速度で測定されて35mPa.sより低い、より好ましくは28mPa.sより低い、そして最も好ましくは2から25mPa.sの間の粘度を有する。
いわゆる貫流(throughflow)プリントヘッドを使用する場合は、金属インクジェット液の粘度は比較的高く、好ましくは25℃において、90s-1の剪断速度で60mPa.s未満であることができる。金属インクジェット液に関して比較的高い粘度限界は、より濃縮され、かつ/またはより安定な金属インクジェット液に対して有利となり得る流体の、より多数の組成変動を利用可能にする(open up)。
別の好適な態様において、導電性インクはフレキソ印刷法に使用される。金属フレキソインクまたは導電性フレキソインクとも呼ばれるそのような導電性インクは、好ましくは25℃および90s-1の剪断速度で測定されて、10から200mPa.sの間、より好ましくは25から150mPa.sの間、最も好ましくは50から100mPa.sの間
の粘度を有する。
の粘度を有する。
他の好適な態様において導電性インクはスクリーン印刷法に使用される。金属スクリーンインクまたは導電性スクリーンインクとも呼ばれるこのような導電性インクは好ましくは25℃および1s-1の剪断速度で測定されて、3000〜1000000mPa.sの間、最も好ましくは5000〜750000mPa.sの間、最も好ましくは10000〜500000mPa.sの間の粘度を有する。
金属層またはパターン
導電性インクから印刷または塗布される薄層またはパターンは、従来の金属の印刷液またはコーティング液を使用して得られるものに比較して、より低い焼結温度において導電性にすることができる。従って、本発明の金属の印刷液またはコーティング液から作られる導電性薄層またはパターンは、例えばPETのような高温における熱処理に耐えることができない柔軟な支持体上に塗布または印刷されることができる。
導電性インクから印刷または塗布される薄層またはパターンは、従来の金属の印刷液またはコーティング液を使用して得られるものに比較して、より低い焼結温度において導電性にすることができる。従って、本発明の金属の印刷液またはコーティング液から作られる導電性薄層またはパターンは、例えばPETのような高温における熱処理に耐えることができない柔軟な支持体上に塗布または印刷されることができる。
金属層またはパターンは、支持体上に前記に定めた通りに導電性インクを適用する工程およびそれに続く焼結工程を含む方法により調製される。
支持体はガラス、紙またはポリマー性支持体であることができる。
好適なポリマーサポートは、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリビニルクロライド(PVC)系の支持体である。好適なPET支持体は例えばMacDermidからのAUTOSTAT(商標)熱安定化ポリエステルである。
前記支持体は、適用される導電性インクジェット、スクリーンまたはフレキソインクの接着性、吸収性または塗布性(spreading)を改善するために1または複数の層を提供されることができる。
ポリマー性支持体には、適用される導電性インクジェット、スクリーンまたはフレキソインクの接着性を改善するために、好適にはいわゆる下塗り層(subbing layer)が提供される。このような下塗り層は典型的には、ビニリデンコポリマー、ポリエステルまたは(メタ)アクリレートである。
この目的のために有用な下塗り層は当該技術分野で周知であり、例えば、ビニリデンクロライド/アクリロニトリル/アクリル酸ターポリマーまたはビニリデンクロライド/メチルアクリレート/イタコン酸ターポリマーのようなビニリデンクロライドのポリマーを含む。
他の好適な下塗り層は、ポリエステル−ウレタンコポリマー系の結合剤を含む。より好適な態様においては、ポリエステル−ウレタンコポリマーはアイオノマー型ポリエステルウレタンであり、それは好ましくはテレフタル酸とエチレングリコールに基づくポリエステルセグメントとヘキサメチレンジイソシアネートを使用する。適切なポリエステル−ウレタンコポリマーはDIC Europe GmbHからのHydran(商標)APX101 Hである。
下塗り層の適用は、ハロゲン化銀の写真フィルム用のポリエステル支持体製造の技術分野で周知である。例えばこのような下塗り層の調製は、米国特許第3649336号明細書および英国特許第1441591号明細書に開示されている。
酸生成化合物は、国際公開第2015/000932号パンフレットに開示されている
ように支持体のプライマー(primer)層に包含することができる。好適なプライマーは、ビニリデンクロライド、アクリル酸エステルおよびイタコン酸のコポリマーを含んでなる。
ように支持体のプライマー(primer)層に包含することができる。好適なプライマーは、ビニリデンクロライド、アクリル酸エステルおよびイタコン酸のコポリマーを含んでなる。
好適な態様において、下塗り層は0.2μm以下、または好適には200mg/m2以下の乾燥厚を有する。
他の好適なサポートは透過性導電酸化物(transparent conductive oxides)基材の支持体である。このような支持体は典型的には、その上に透過性導電酸化物(TCO)の層またはパターンが提供されるガラスまたはポリマー支持体である。このような導電性酸化物の例はITO((Indium Tin Oxide)インジウム錫酸化物)、ZnO、SnO2または、ZnO:Alのようなドープ酸化物である。特に好適なTCOはITOである。
好適な紙基材の支持体はArjowiggins Creative Papersによる、印刷電子機器のために設計された基板のPowercoat(登録商標)紙基板である。
複数の金属層またはパターン、すなわちパターンをもつ、もしくはパターンをもたない層の積み重ね(stack)を基板上に適用することができる。従って、金属層またはパターンの調製法において言及される支持体はまた、既に適用された金属層またはパターンをも包含する。
金属層は、同時押し出し処理、または浸漬コーティング、ナイフコーティング、押し出しコーティング、スピンコーティング、噴霧コーティング、ブレードコーティング、スロットダイコーティング、スライドホッパーコーティングおよびカーテンコーティングのような任意の従来のコーティング技法により支持体上に提供されることができる。
金属層、および特に金属パターンは、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、グラビアオフセット印刷等のような印刷法により支持体上に提供されることができる。
好適な印刷法はインクジェット、スクリーン印刷およびフレキソ印刷法である。
支持体上に金属層またはパターンを提供する他の方法はエアゾールジェット印刷である。Optomecにより開発されてきたAerosol Jet Printing(エアゾールジェット印刷)はインクジェット印刷の大部分の利点を保持しながら、多くの限界を減らしている。この技術は印刷電子機器の分野で使用するために開発されている。その技術は例えば、米国特許第2003/0048314号、同第2003/0020768号、同第2003/0228124号明細書および国際公開第2009/049072号パンフレットに開示されている。Aerosol Je Print Engine、例えばAerosol Jet Printer OPOTOMEC AJ 300 CEはOptomecから市販されている。
5000mPa.s未満の粘度を有する実質的にあらゆる液体は、Aerosol
Jet Print技法を使用して付着させることができる。より高い粘性の流体を使用することが金属インクの安定性に関して有益である可能性がある。
Jet Print技法を使用して付着させることができる。より高い粘性の流体を使用することが金属インクの安定性に関して有益である可能性がある。
硬化工程
層またはパターンが支持体上に適用された後に、硬化工程(curing step)
とも呼ばれる焼結工程(sintering step)が実施される。この焼結工程期間中に、溶媒は蒸発し、金属粒子は一緒に焼結する。いったん金属の粒子間に連続的な浸透性(percolating)の網目が形成されると、層またはパターンが導電性になる。従来の焼結は一般には熱を適用することにより実施される。焼結温度および時間は、使用する支持体および金属層またはパターンの組成に依存する。金属層を硬化するための焼結工程は250℃未満、好適には200℃未満、より好適には180℃未満、最も好適には160℃未満の温度で行うことができる。
層またはパターンが支持体上に適用された後に、硬化工程(curing step)
とも呼ばれる焼結工程(sintering step)が実施される。この焼結工程期間中に、溶媒は蒸発し、金属粒子は一緒に焼結する。いったん金属の粒子間に連続的な浸透性(percolating)の網目が形成されると、層またはパターンが導電性になる。従来の焼結は一般には熱を適用することにより実施される。焼結温度および時間は、使用する支持体および金属層またはパターンの組成に依存する。金属層を硬化するための焼結工程は250℃未満、好適には200℃未満、より好適には180℃未満、最も好適には160℃未満の温度で行うことができる。
焼結時間は、選択する温度、支持体および金属層の組成に応じて60分未満、好適には2から30分の間、そしてより好適には3から20分の間であることができる。
しかし熱を適用することによる従来の焼結の代わりに、またはそれに加えて、アルゴンレーザー、マイクロウェーブ照射、IR照射、UV照射または低圧アルゴンプラズマに対する暴露、光硬化、プラズマもしくはプラズマ強化(plasma enhanced)、電子ビーム、レーザービームまたはパルス電流焼結のような代わりの焼結法を使用することができる。パルス電流焼結を使用する場合は、電流は導電性インクに直接適用するかまたは誘導(induction)により間接的に適用することができる。
他の硬化法はいわゆる近赤外線(NIR)硬化技法を使用する。コーティングまたはパターンの金属、例えば銀はNIR照射の吸収体として作用することができる。
さらに別の硬化法は、高温の空気硬化の代わりに加熱蒸気を使用し、これもまたコーティングまたはパターンの金属を効果的に加熱し、そして焼結する。
本発明の金属層は先行技術の方法より低い硬化温度の使用を可能にする。その結果、例えばPETのような、高温下の熱処理に耐えることができないポリマー基板を使用することが可能である。硬化時間もまた、実質的に短縮されて、先行技術の方法より、1時間当りに、より高い生産量をもつ可能性をもたらすことができる。金属層の導電率は維持されるかまたは、特定の場合には改善されることすらある。
導電性を更に高める、または硬化温度を低下するために、国際公開第2015/000932号パンフレットに開示されたように、金属層またはパターンの硬化期間中に、酸または、その酸を放出することができる酸前駆体を含む溶液と、金属層またはパターンを接触させることが好都合である可能性がある。
金属層またはパターンは、例えば有機光電池(photo−voltaics)(OPV)、無機光電池(c−Si、a−Si、CdTe、CIGS)、OLEDディスプレイ、OLED照明、無機照明、RFID、有機トランジスター、薄膜電池、タッチスクリーン、e−ペーパー、LCD、プラズマ、センサー、膜スイッチまたは電磁シールドのような、様々な電子装置またはそのような電子装置の部品に使用することができる。
金属ナノ粒子の調製
本発明に従う金属ナノ粒子はあらゆる既知の調製法により調製されることができる。
本発明に従う金属ナノ粒子はあらゆる既知の調製法により調製されることができる。
金属ナノ粒子を調製する特に好適な方法は、欧州特許出願第2781562(A)号明細書に開示されている。
欧州特許出願第2781562(A)号明細書に開示された方法により得られる導電性インクは一般には、分散物の総重量に対して少なくとも15重量%、より好適には少なくとも30重量%、最も好適には少なくとも50重量%の金属ナノ粒子を含む。次にこの高
度濃縮化分散物を使用して、前記の本発明に従う導電性インクを調製する。
度濃縮化分散物を使用して、前記の本発明に従う導電性インクを調製する。
材料
以下の実施例で用いられるすべての材料は、他に特定しなければALDRICH CHEMICAL Co.(ベルギー)およびACROS(ベルギー)のような標準的な供給元から容易に入手可能であった。用いた水は脱イオン水であった。
以下の実施例で用いられるすべての材料は、他に特定しなければALDRICH CHEMICAL Co.(ベルギー)およびACROS(ベルギー)のような標準的な供給元から容易に入手可能であった。用いた水は脱イオン水であった。
酸化銀(Ag2O)は、水酸化ナトリウムのアルカリ性水溶液(33重量%)中での硝酸銀の沈殿、続いて濾過、そして乾燥により調製した。
Solbin(登録商標)Aは、SHINETSUから市販されている92重量%のビニルクロライド、3重量%のビニルアセテートおよび5重量%のビニルアルコールのコポリマーである。
Aquatreat Ar7Hは、高分子ポリアクリル酸の15重量%水溶液である。
NaPSSは、Versa TL130の水中30重量%分散物である。
Versa TL130は、ALCO CHELICALSから入手可能なポリスチレンスルホネートのナトリウム塩である。
Butyl Cellosolve(CASRN 111−76−2)は、MERCKから市販されているエチレングリコールモノブチルエーテルである。
Efka FL3277(CASRN 849624−75−5)は、BASFから市販されている湿潤剤である。
Disperbyk2151は、BYK(ALTANA)から市販されている湿潤剤である。
Byk4510は、BYK(ALTANA)から市販されている接着促進剤化合物である。
Rhodiasolv(登録商標)PolarCleanは、SOLVAYから市販されている5−(ジメチルアミノ)2−メチル5−オキソペンタノエートである。
Rhodiasolv(登録商標)RPDEは、SOLVAYから市販されているC4−6脂肪族二酸のジメチルエステルの混合物である:CH3−O−C−(CH2)n−C−O−CH3 ジメチルスクシネート20−28% ジメチルグルタレート59−67%
ジメチルアジペート9−17%。
ジメチルアジペート9−17%。
Rhodiasolv(登録商標)IRISは、SOLVAYから市販されているメチルグルタル酸ジメチルエステルである。
PETは、AGFA GEVAERTからのポリエチレンテレフタレート支持体(163μm)である。
Copol(ViCl2−MA−IA)は、AGFA GEVAERTからのビニリデンクロライド―メタクリル酸とイタコン酸のコポリマーである。
Mersolat H40は、LANXESSからの界面活性剤である。
Kieselsol 100Fは、BAYERからのシリカである。
Autostat CT7は、MACDERMIDからの175μmの熱安定化ポリエステル支持体である。
ポリカーボネートは、TEKRAから入手可能な250μmのポリカーボネートシート(Lexan 8A73)である。
Geniosil GF96は、WACKERから市販されている3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
Silquest A−1524は、MOMENTIVEから市販されているガンマ−ウレイド−プロピルトリメトキシシランである。
Dynasylan Glymoは、EVONIKから市販されている3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランである。
Geniosil GF9は、WACKERから市販されているN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
測定法
スクリーン印刷
銀インクのAutostat CT7基板へのスクリーン印刷は、実施例で特定したスクリーンメッシュおよびCapillex CPステンシルフィルム(MACDERMID AUTOTYPEから入手可能)を用いてRokuPrint RP2.2スクリーン印刷機で行った。
スクリーン印刷
銀インクのAutostat CT7基板へのスクリーン印刷は、実施例で特定したスクリーンメッシュおよびCapillex CPステンシルフィルム(MACDERMID AUTOTYPEから入手可能)を用いてRokuPrint RP2.2スクリーン印刷機で行った。
スクリーンメッシュの張力は27N/cm、印刷速度は300mm/sであった。Unitex 80°ShoreAスキージをスクリーンメッシュに対して75°の角度で使用した。金属性のフロッドバー(flood bar)をスクリーンメッシュに対して90°の角度、および約175μmの距離で使用した。基板とスクリーンメッシュとの距離は2.5mmであった。スキージ圧を最小にしたが、それでもインクが十分に基板に印刷される最小レベルを維持した。
印刷される層の完全な表面導電率を測定するために、約6.0x4.5cmの寸法のパターンを印刷した。
公称印刷幅100,200および500μmで5cmの長さの線のパターンを印刷方向に対して平行および垂直に印刷して、印刷された線の性質を測定した。
印刷した基板を、ボックスオーブン中で130℃の温度で3分間、乾燥した。
乾燥した印刷の硬化は、ボックスオーブン中で150℃の温度で15分間行った。
銀コーティングの導電率
4点コリニアプローブ(four−point collinear probe)を用いて銀コーティングの表面抵抗(SER)を測定した。表面もしくはシート抵抗を次式:
SER=(π/ln2)*(V/I)
式中、
SERはΩ/平方で表される層の表面抵抗であり;
πは約3.14に等しい数学定数であり;
ln2は2の自然対数に等しい数学定数であり;
Vは4点プローブ測定機器を使用して測定される電圧であり;
Iは4点プローブ測定機器により測定されるソース電流である
により算出した。
4点コリニアプローブ(four−point collinear probe)を用いて銀コーティングの表面抵抗(SER)を測定した。表面もしくはシート抵抗を次式:
SER=(π/ln2)*(V/I)
式中、
SERはΩ/平方で表される層の表面抵抗であり;
πは約3.14に等しい数学定数であり;
ln2は2の自然対数に等しい数学定数であり;
Vは4点プローブ測定機器を使用して測定される電圧であり;
Iは4点プローブ測定機器により測定されるソース電流である
により算出した。
各サンプルに関し、コーティングの異なる位置で6回の測定を行い、そして平均値を算出した。
コーティングの銀含有率MAg(g/m2)をWD−XRFにより決定した。
次いで次式:
式中、
σAgは銀の比導電率(6.3x107S/mに等しい)であり、σcoatはAgコーテ
ィングの比導電率であり、そしてρAgは銀の密度(1.049gx107/m3)
である、
を用いて銀のバルク導電率(bulk conductivity)の割合として導電率を計算することにより、コーティングされた層の導電率を決定した。
σAgは銀の比導電率(6.3x107S/mに等しい)であり、σcoatはAgコーテ
ィングの比導電率であり、そしてρAgは銀の密度(1.049gx107/m3)
である、
を用いて銀のバルク導電率(bulk conductivity)の割合として導電率を計算することにより、コーティングされた層の導電率を決定した。
解像度
印刷された銀線の幅は、USBデジタル顕微鏡(CONRADから入手可能なeScope Mirazoom MS902)を用いて評価する。
印刷された銀線の幅は、USBデジタル顕微鏡(CONRADから入手可能なeScope Mirazoom MS902)を用いて評価する。
スクリーンステンシル上の線の開き(opening)の公称幅(N)は、100μm
、200μmおよび500μmであった。
、200μmおよび500μmであった。
印刷された銀線のいわゆる幅広化およびスミアは、図1に図解して示すように測定した。
印刷方向(10)に対して平行(b)および垂直(a)の印刷された銀線の幅は、上記のUSBデジタル顕微鏡を使用して測定した。
幅広化(W)およびスミア(S)は以下のように算出した:
幅広化(W)=b−N
スミア(S)=a−b−W
幅広化(W)=b−N
スミア(S)=a−b−W
W,S,aおよびbは、すべてμmである。
接着
異なる基板への銀コーティングの接着は、ASTM D3359によるテープ試験により評価した。評価は0(大変よい接着)から5(大変悪い接着)の採点をもたらす。
異なる基板への銀コーティングの接着は、ASTM D3359によるテープ試験により評価した。評価は0(大変よい接着)から5(大変悪い接着)の採点をもたらす。
動力学粘度
動力学粘度は、Thermo Fisher Scientificから市販されているHAAKE(商標)RotoVisco(商標)Rotational Reometerを用いて25℃で測定した。
動力学粘度は、Thermo Fisher Scientificから市販されているHAAKE(商標)RotoVisco(商標)Rotational Reometerを用いて25℃で測定した。
銀ナノ粒子分散物NDP−01の調製
78.0gの酸化銀を、275.0gのペンタン酸および401.0gの2−ピロリドンを含む1リットルの反応槽に撹拌しながらゆっくりと加えた。混合物の温度を25℃に維持した。
78.0gの酸化銀を、275.0gのペンタン酸および401.0gの2−ピロリドンを含む1リットルの反応槽に撹拌しながらゆっくりと加えた。混合物の温度を25℃に維持した。
酸化銀を完全に添加した後、懸濁液を一晩、25℃で撹拌した。
次いで300.0gのN,N−ジエチルヒドロキシルアミンを1.5時間のタイムスパンで懸濁液に加えた。反応混合物の温度を25℃に維持した。全ての還元剤を加えた時、反応混合物を25℃に維持しながらさらに1時間撹拌した。
次いで反応混合物を沈降容器に供給し、ここで一晩、撹拌せずに維持した。上清を沈殿物から慎重に除去した。
得られた沈殿物を、Dowanol PM(商標)(547g)で2回、そしてbutylcellosolve(商標)(547g)で2回、計4回洗浄した。各洗浄工程で、溶媒を沈殿に加え、そして生じた懸濁液を0.5時間、300rpmで撹拌した。次いで非撹拌懸濁液をさらに1時間維持し、そして上清を慎重に除去した。
butylcellosolve(商標)での最終洗浄工程後、沈殿物をRousselet Robatel(フランス)からの遠心デカンターで3000rpmにて0.5時間遠心した。
得られた銀ナノ粒子分散物NPD−01は、分散物の総重量に対して±75重量%の銀を有した。
銀インクSI−01からSI−06の調製
銀インクSI−01からSI−06は、透明溶液が得られるまで表4の非銀成分を撹拌しながら一緒に混合することにより調製した。次いで銀ナノ粒子分散物NPD−01を透明溶液に加え、続いて高剪断均一化に供した。
銀インクSI−01からSI−06は、透明溶液が得られるまで表4の非銀成分を撹拌しながら一緒に混合することにより調製した。次いで銀ナノ粒子分散物NPD−01を透明溶液に加え、続いて高剪断均一化に供した。
銀インクSI−01からSI−06の評価
銀インクSI−01からSI−06を、前記のようにP180−27スクリーンメッシュ(ベルギーのPUBLIVENORから入手可能、そしてMacDermidから入手可能なCapillex CPステンシルフィルムでコーティングされた)を使用してスクリーン印刷した。
銀インクSI−01からSI−06を、前記のようにP180−27スクリーンメッシュ(ベルギーのPUBLIVENORから入手可能、そしてMacDermidから入手可能なCapillex CPステンシルフィルムでコーティングされた)を使用してスクリーン印刷した。
表5の結果から、印刷された銀線の幅広化およびスミアの両方が、比較の銀インクSI−01およびSI−06にもの比べて、銀インクの総重量に対して0.5重量%から7.5重量%の間の量の水を溶媒として含んでなる本発明の銀インク(SI−02からSI−05)で少ないことが明らかである。
銀インクSI−07からSI−15の調製
銀インクSI−07からSI−15は、透明溶液が得られるまで表6の非銀成分を撹拌しながら一緒に混合することにより調製した。次いで銀ナノ粒子分散物NPD−01を透明溶液に加え、続いて高剪断均一化に供した。
銀インクSI−07からSI−15は、透明溶液が得られるまで表6の非銀成分を撹拌しながら一緒に混合することにより調製した。次いで銀ナノ粒子分散物NPD−01を透明溶液に加え、続いて高剪断均一化に供した。
銀インクSI−07から−15の評価
銀インクSI−07からSI−15を、前記のようにV380−23/EOM5μスクリーンメッシュ(ドイツのPVF GmbHから入手可能、そしてドイツのPVF GmbHから入手可能な5μm厚のエマルジョンGBF444でコーティングされた)を使用してスクリーン印刷した。
銀インクSI−07からSI−15を、前記のようにV380−23/EOM5μスクリーンメッシュ(ドイツのPVF GmbHから入手可能、そしてドイツのPVF GmbHから入手可能な5μm厚のエマルジョンGBF444でコーティングされた)を使用してスクリーン印刷した。
表7の結果から、印刷された銀線の幅広化およびスミアの和は、比較の銀インクのものに比べて、銀インクの総重量に対して0.5重量%から7.5重量%の間の量のグリセロールを溶媒として含んでなる本発明の銀で少ないことが明らかである。
銀インクSI−16からSI−24の調製
銀インクSI−016からSI−24は、透明溶液が得られるまで表8の非銀成分を撹拌しながら一緒に混合することにより調製した。次いで銀ナノ粒子分散物NPD−01を透明溶液に加え、続いて高剪断均一化に供した。
銀インクSI−016からSI−24は、透明溶液が得られるまで表8の非銀成分を撹拌しながら一緒に混合することにより調製した。次いで銀ナノ粒子分散物NPD−01を透明溶液に加え、続いて高剪断均一化に供した。
銀インクSI−16からSI−24の評価
銀インクSI−16からSI−24を、前記のようにP180−27スクリーンメッシュ(ベルギーのPublivenorから入手可能、そしてMacDermidから入手可能なCapillex CPステンシルフィルムでコーティングされた)を使用してスクリーン印刷した。
銀インクSI−16からSI−24を、前記のようにP180−27スクリーンメッシュ(ベルギーのPublivenorから入手可能、そしてMacDermidから入手可能なCapillex CPステンシルフィルムでコーティングされた)を使用してスクリーン印刷した。
表9の結果から、印刷された銀線の幅広化およびスミアの両方が、比較の銀インクのものに比べて、銀インクの総重量に対して0.5重量%から7.5重量%の間の量の水、グリセロールまたは少なくとも2個のヒドロキシル基を含んでなるアルコールから選択される溶媒を含んでなる本発明の銀インク(SI−18、SI−19およびSI−23)で少ないことが明らかである。
銀インクSI−25からSI−33の調製
銀インクSI−25からSI−33は、透明溶液が得られるまで表10の非銀成分を撹拌しながら一緒に混合することにより調製した。次いで銀ナノ粒子分散物NPD−01を透明溶液に加え、続いて高剪断均一化に供した。
銀インクSI−25からSI−33は、透明溶液が得られるまで表10の非銀成分を撹拌しながら一緒に混合することにより調製した。次いで銀ナノ粒子分散物NPD−01を透明溶液に加え、続いて高剪断均一化に供した。
SI−25からSI−33の評価
銀インクSI−25からSI−33を、前記のようにP180−27スクリーンメッシ
ュ(ベルギーのPublivenorから入手可能、そしてMacDermidから入手可能なCapillex CPステンシルフィルムでコーティングされた)を使用してスクリーン印刷した。
銀インクSI−25からSI−33を、前記のようにP180−27スクリーンメッシ
ュ(ベルギーのPublivenorから入手可能、そしてMacDermidから入手可能なCapillex CPステンシルフィルムでコーティングされた)を使用してスクリーン印刷した。
表11の結果から、印刷された銀線の幅広化およびスミアの両方が、比較の銀インクのものに比べて、銀インクの総重量に対して0.5重量%から7.5重量%の間の量の水または少なくとも2個のヒドロキシル基を含んでなるアルコールから選択される溶媒を含んでなる本発明の銀インク(SI−26からSI−33)で少ないことが明らかである。
Claims (15)
- 金属ナノ粒子、液体キャリアおよび任意の結合剤を含んでなり、液体キャリアが水およびポリオールからなる群から選択される0.5重量%から7.5重量%の間の溶媒を含むことを特徴とする導電性インク。
- ポリオールが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グリセロールおよびソルビトールからなる群から選択される請求項1に記載の導電性インク。
- 溶媒が、水またはグリセロールである請求項1または2に記載の導電性インク。
- インクが水またはポリオールに適合性の結合剤、および金属ナノ粒子に適合性の結合剤を含む前記請求項のいずれかに記載の導電性インク。
- 水またはポリオールに適合性の結合剤が、水またはポリオールに可溶性の結合剤である前記請求項のいずれかに記載の導電性インク。
- 金属ナノ粒子に適合性の結合剤が、ポリビニルクロライド コポリマーまたはポリビニリデンクロライド コポリマーである前記請求項のいずれかに記載の導電性インク。
- ポリビニルクロライド コポリマーがビニルクロライドとヒドロキシ官能性モノマーのコポリマーである請求項6に記載の導電性インク。
- 結合剤の総量が、分散物の総重量に対して0.2重量%から7.5重量%である請求項4ないし7のいずれかに記載の導電性インク。
- 水またはポリオールに適合性の結合剤の金属ナノ粒子に適合性の結合剤に対する比が7以上である請求項4ないし8のいずれかに記載の導電性インク。
- 液体キャリアが、2−フェノキシ−エタノール、プロピレン−カーボネート、n−ブタノール、ガンマ−ブチロ−ラクトン、ジメチルスルホキシド、2−ブトキシエタノール、ジプロピレングロコールメチルエーテルアセテート、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルブチロ−ラクトンおよび5−ジメチル−アミノ−2−メチル−5−オキソペンタノエートからなる群から選択される溶媒をさらに含んでなる前記請求項のいずれかに記載の導電性インク。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の導電性インクを基板に適用する工程、続いて焼結する工程を含んでなる金属層またはパターンを調製する方法。
- 基板が、紙基板、ガラス基板、プライマ―層を含むか、または含まないポリマー基板、またはポリマーもしくはガラス支持体上のITO層である請求項11に記載の方法。
- 導電性インクが、凹版印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷またはグラビアオフセット印刷から選択される印刷法により基板上に適用される、請求項11または12に記載の方法。
- 焼結が、200℃以下の温度で30分以内の時間行われる請求項11ないし13のいずれかに記載の方法。
- 焼結が、金属層またはパターンを近赤外線照射に暴露することにより行われる請求項11ないし14のいずれかに記載の方法。
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