JP2021520382A - 2,2−ジメチルピペラジンの調製方法 - Google Patents

2,2−ジメチルピペラジンの調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、2,2−ジメチルピペラジンの合成、及び2,2−ジメチルピペラジンの、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート−ヘミ−DL−タートレートへのさらなる変換のための新規な化学的方法に関する。

Description

本発明は、2,2−ジメチルピペラジンの合成、及び2,2−ジメチルピペラジンの、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート又はtert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート−ヘミ−DL−タートレートなどのその塩へのさらなる変換のための新規な化学的方法に関する。
2,2−ジメチルピペラジンは、多種多様なより複雑な化合物の合成における中間体として広く使用されている。2,2−ジメチルピペラジンは、以下の化学式(I):
Figure 2021520382

及びCAS RN 84477−72−5を有する一方、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートは、化学式(II):
Figure 2021520382

及びCAS RN 259808−67−8を有する。
tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートのヘミ酒石酸塩は、化学式(III):
Figure 2021520382

を有する。
国際公開第2005/016900号パンフレットには、炭酸カリウムの存在下で、トルエン懸濁液中の、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル(2−ブロモイソ酪酸エチルとも呼ばれる)とエチレンジアミンとの反応による3,3−ジメチル−ピペラジン−2−オンの合成が開示されている。得られた3,3−ジメチル−ピペラジン−2−オンは、ろ過され、乾燥され、最後に、テトラヒドロフラン(THF)中で懸濁され、続いて、水酸化アルミニウムリチウム(lithium aluminium hydroxide)(LAH)の存在下で、2,2−ジメチルピペラジンへと還元される。この方法における全収率は、十分であるが、この方法には、多くの欠点がある:
−2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチルが、クラス1B突然変異原(H340)に分類されている。
−後処理に、大量の無機塩(KBr及びKHCO3)のろ過を必要とする。
−国際公開第2005/016900号パンフレットには、半分の生産規模が開示されているが、規模拡大により、油性のオリゴマー副生成物の存在による及び大量の溶媒(THF又はトルエン)の使用の結果としての単離の問題を含む多くの問題が生じる。
−大量の水素化アルミニウムリチウム(LAH)−THF溶液の使用(LAHの使用に関連する経済的な及び安全性の問題)
上記の欠点は、低い生産性で費用のかかるプロセスにつながる。
Bogesoは、2,2−ジメチルピペラジンを合成する方法を開示しており(Bogeso,K.P.et al,J.Med.Chem.1995,38,4380−4392)、ここで、イソブチルアルデヒドは、ジオキサン中で、臭素で臭素化されて、2−ブロモイソブチルアルデヒドが得られる。ブロモアルデヒドは、まず5℃〜10℃で、次に還流温度で、トルエン中でエチレンジアミンと反応されて、6,6−ジメチル−1,2,5,6−テトラヒドロピラジンを生じる。低圧での、Pd/C上で得られたヒドロピラジンの水素化により、2,2−ジメチルピペラジンが得られる。この方法は、国際公開第2008/134035号パンフレット及び国際公開第2007/127175号パンフレットにおいて適用されている。この方法は、以下のスキーム1に概略が示される:
Figure 2021520382
この方法にはまた、特に、有毒であり且つ取り扱いが難しい臭素の使用、いくつかの蒸留工程がこの方法において必要とされること、及び許容可能な収率を得るためにトルエン中での時間のかかる再抽出が必要であることといった、多くの欠点がある。
したがって、コスト効率が高く、許容可能な収率を有して、工業的に適しており、上に開示される方法の欠点を克服し得る、2,2−ジメチルピペラジンの調製のための改良された方法を開発する明らかな必要性がある。
Rodigらは、CO2の環状三量体の4工程の合成を開示しており、前記合成は、イソブチルアルデヒドの塩素化、及び2,4,6−トリス(2−クロロプロパン)−2−イル−1,3,5−トリオキサンを形成するための2−クロロ−2−メチルプロパナールのその後の環状三量化を含む。
出発材料として2,2−ジメチルピペラジンを用いてtert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレートを得るための方法が、国際公開第2014/096151号パンフレット、国際公開第2008/019372号パンフレット、国際公開第2013/130660号パンフレット、国際公開第2007/127175号パンフレット及び国際公開第2012/124696号パンフレットに開示されている。
本発明は、2,2−ジメチルピペラジンの調製のための新規な工業的に適用可能な方法を提供する。2,2−ジメチルピペラジンは、蒸留によって精製され得、又は好適な塩に変換され得る。さらに、得られた2,2−ジメチルピペラジンは、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレートなどの、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートの塩に変換され得る。
一実施形態において、本発明は、以下に概説される工程1〜7において要約され得る。以下の概要は、本発明の特定の実施形態を限定せずに例示することが理解される:
工程1:イソブチルアルデヒドが、溶媒の非存在下で、塩化スルフリルなどの塩素化剤と反応される。ガス状副生成物(二酸化硫黄及びHCl)が、反応中に放出される。最後に、使用されるわずかな過剰な塩素化剤をクエンチするために水が加えられてもよい。任意選択的に、中間体2−クロロ−2−メチルプロパナールが、有機溶媒、例えば、トルエンで希釈され、高温で、触媒量の酸性触媒(例えば、硫酸又はメタンスルホン酸)で処理されて、2−クロロ−2−メチルプロパナールのポリマー/三量体形態が、2−クロロ−2−メチルプロパナールモノマーに再び変換される。
工程2:中間体2−クロロ−2−メチルプロパナールは、高温で、有機溶媒、例えば、THF中で、エチレンジアミン(ETAM)と反応される。イミン6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンは、溶液として得られ、第3の工程においてそのまま使用される。任意選択的に、THFなどの有機溶媒による再抽出が、5〜10%の収率を回収するために適用され得る。
工程3:中間体6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンは、メタノールで希釈され、例えば、Pd/C触媒の使用によって、接触水素化に供される。水素及び触媒の除去の後、混合物が濃縮されて、2,2−ジメチルピペラジン(ETAM及び微量の溶媒を含有する)が得られる。さらなるメタノール(+1体積)を加えると、パラジウムの量が、1/3だけ減少され得る。
工程4:任意選択的に、工程3において得られた粗2,2−ジメチルピペラジンが、希釈されて、純粋な2,2−ジメチルピペラジンが得られる。
工程5:任意選択的に、工程3において得られた粗2,2−ジメチルピペラジンが、好適な酸と混合されて、2,2−ジメチルピペラジン塩が得られる。
工程6:任意選択的に、工程4において得られた希釈された2,2−ジメチルピペラジンが、好適な酸と混合されて、2,2−ジメチルピペラジン塩が得られる。
工程7:さらなる工程において、2,2−ジメチルピペラジンが、二炭酸ジ−tert−ブチルとの反応及びDL−酒石酸の添加によって、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレートに変換され得る。
上述されるプロセスは、以下のスキーム2において要約されている:
Figure 2021520382
修正されたプロセスにおいて、固体三量体2,4,6−トリス(2−クロロプロパン−2−イル)−1,3,5−トリオキサンが、イソブチルアルデヒドの代わりに出発材料として使用される。2,4,6−トリス(2−クロロプロパン−2−イル)−1,3,5−トリオキサンは、以下の化学式(IV)
Figure 2021520382

及びCAS RN 7471−98−9を有する。この固体三量体は、低温での酸触媒による2−クロロ−2−メチルプロパナールの処理後に得ることができる。2,4,6−トリス(2−クロロプロパン2−イル)−1,3,5−トリオキサンは、酸触媒(硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、又はモンモリロナイト(Montmorillonite)K10(CAS番号:1318−93−0)など)の存在下で、トルエン中で90℃を超える温度に加熱することによって解重合されて、2−クロロ−2−メチルプロパナールが得られる。
次に、上述される工程2、工程3及び任意選択的に工程4、5又は6が、2−クロロ−2−メチルプロパナールを2,2−ジメチルピペラジン又はその塩に変換するために適用される。
定義
本発明の文脈において、「2,2−ジメチルピペラジン又はその塩」は、その遊離塩基形態における2,2−ジメチルピペラジン、又は例えば、酒石酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)若しくはマレイン酸塩から選択され得る酸付加塩を示す。2,2−ジメチルピペラジンの塩の全ての可能な化学量論的及び非化学量論的形態が、本発明の範囲内である。
塩が1つ又は複数のキラル中心を含む場合、塩への言及は、特に規定されない限り、ラセミ体並びに任意の純度の鏡像異性体を含む。例えば、「酒石酸塩」という用語は、ラセミ混合物DL−タートレート並びに鏡像異性体L−(+)−タートレート及びD−(−)−タートレート及び任意の比率のその混合物を指す。
「モル収率」は、関連する出発材料、例えば、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸エチル又はイソブチルアルデヒド、及び最終生成物、例えば、2,2−ジメチルピペラジンへのその転化率に基づいて計算される。
「室温」又は「周囲温度」という用語は、化合物及び/又は反応が冷却も加熱もされない場合の温度を意味し;一般に、室温又は周囲温度は、15℃〜60℃、例えば、20℃〜50℃又は20℃〜40℃、好ましくは、20℃〜30℃、例えば、20℃〜25℃の範囲である。特定の実施形態において、室温は、約20℃の温度を意味することが意図される。
「真空」という用語は、0.02MPa未満の圧力を意味する。
「C〜Cアルコール」という用語は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状又は分枝鎖状アルコールを意味する。好ましいアルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、及び2−プロパノールである。
発明の詳細な説明
本発明は、以下の実施形態においてより詳細に説明される。
E(1)2,2−ジメチルピペラジンの調製のための方法であって、以下の工程:
a)イソブチルアルデヒドが、塩素化剤と反応されて、2−クロロ−2−メチルプロパナールが形成される工程と、
b)上の工程a)において得られた2−クロロ−2−メチルプロパナールが、室温と形成された溶液の還流温度との間の温度で、有機溶媒中でエチレンジアミンと反応されて、6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンが形成される工程と、
c)工程b)において得られた6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンが、C〜Cアルコールで希釈され、接触水素化に供されて、2,2−ジメチルピペラジンが形成される工程と
を含むことを特徴とする方法。
E(2)工程a)の後、得られた2−クロロ−2−メチルプロパナールが、エチレンジアミンと反応される前に、有機溶媒による希釈、触媒量の酸性触媒の添加及び90℃超までの溶液の加熱が続く、E(1)に記載の方法。
E(3)有機溶媒が、独立して、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びトルエン、又は前記有機溶媒の混合物からなる群から選択される、E(1)及びE(2)に記載の方法。
E(4)有機溶媒が、テトラヒドロフランであり、温度が、55℃〜66℃である、E(1)の工程b)に記載の方法。
E(5)有機溶媒がトルエンである、E(2)に記載の方法。
E(6)C〜Cアルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノール、及び前記アルコールの2つ以上の混合物からなる群から選択される、E(1)に記載の方法。
E(7)塩素化剤が、塩素(ガス)、塩化スルフリル、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCDMI)及びN−クロロスクシンイミド(NCS)からなる群から選択される、E(1)の工程a)に記載の方法。
E(8)酸性触媒が、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びモンモリロナイトK10(CAS番号:1318−93−0)からなる群から選択される、E(2)に記載の方法。
E(9)水が、塩素化剤をクエンチするために加えられ、その後、水が、E(2)又はE(1)の工程b)を進める前に除去される、E(1)の工程a)に記載の方法。
E(10)6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンを含む有機層及び水が、分離されて、下側の水性層が排出される、E(1)の工程b)に記載の方法。
E(11)室温で行われる、E(10)に記載の分離。
E(12)接触水素化が、Pd/C触媒の存在下で行われる、E(1)の工程c)に記載の方法。
E(13)2,2−ジメチルピペラジンの調製のための方法であって、以下の工程:
a)2,4,6−トリス(2−クロロプロパン−2−イル)−1,3,5−トリオキサンが、酸性触媒の存在下で、有機溶媒中で90℃を超える温度に加熱されて、2−クロロ−2−メチルプロパナールが得られる工程と、
b)上の工程a)において得られた2−クロロ−2−メチルプロパナールが、室温と形成された溶液の還流温度との間の温度で、有機溶媒中でエチレンジアミンと反応されて、6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンが形成される工程と、
c)工程b)において得られた6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンが、C〜Cアルコールで希釈され、接触水素化に供されて、2,2−ジメチルピペラジンが形成される工程と
を含むことを特徴とする方法。
E(14)有機溶媒が、独立して、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びトルエン、及び前記有機溶媒の混合物からなる群から選択される、E(13)に記載の方法。
E(15)有機溶媒が、テトラヒドロフランであり、温度が、55℃〜66℃である、E(13)の工程b)に記載の方法。
E(16)有機溶媒がトルエンである、工程a)E(13)に記載の方法。
E(17)アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及び前記アルコールの2つ以上の混合物からなる群から選択される、E(13)に記載の方法。
E(18)酸性触媒が、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びモンモリロナイトK10(CAS番号:1318−93−0)からなる群から選択される、E(13)の工程a)に記載の方法。
E(19)6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンを含む有機層が分離され、下側の水性層が排出される、E(13)の工程b)に記載の方法。
E(20)室温で。室温で行われる、E(19)に記載の分離。
E(21)接触水素化が、Pd/C触媒の存在下で行われる、E(13)の工程c)に記載の方法。
E(22)6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンを含む混合物が、40℃〜80℃の温度及び0.2MPa〜0.8MPaの圧力で水素化される、請求項E(1)、E(12)、E(13)及びE(21)のいずれかに記載の方法。
E(23)形成された2,2−ジメチルピペラジンが蒸留される、E(1)及びE(13)のいずれかに記載の方法。
E(24)2,2−ジメチルピペラジンが、その後、好適な酸と混合されて、2,2−ジメチルピペラジン塩が得られる、E(1)、E(13)及びE(23)のいずれかに記載の方法。
E(25)2,2−ジメチルピペラジン塩が、酒石酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、p−トルエン硫酸塩(p−toluensulfate)及びマレイン酸塩からなる群から選択される、E(24)に記載の塩形成。
E(26)形成された2,2−ジメチルピペラジンが、酒石酸を含むアルコール中で、二炭酸ジ−tert−ブチルと反応されて、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレートが得られる、E(1)及びE(13)のいずれかに記載の方法。
E(27)アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール又は前記アルコールの2つ以上の混合物からなる群から選択される、E(26)に記載の塩形成。
「a」及び「an」及び「the」という用語及び本発明を説明する文脈における同様の指示対象の使用は、本明細書に特に示されない限り又は文脈上明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。例えば、「化合物(the compound)」という語句は、特に示されない限り、本発明の様々な「化合物」又は特定の記載される態様を指すものと理解されるべきである。
1つ又は複数の要素に関連して「を含む(comprising)」、「を有する(having)」、「を含む(including)」、又は「を含有する(containing)」などの用語を用いた本発明のいずれかの態様の本明細書における説明は、特に記載しない限り又は文脈上明らかに矛盾しない限り、特定の1つ又は複数の要素「からなる(consists of)」、「から本質的になる(consists essentially of)」、又は「を実質的に含む(substantially comprises)」本発明の同様の態様に裏付けを与えることが意図される(例えば、特に記載しない限り又は文脈上明らかに矛盾しない限り、特定の要素を含むことが本明細書に記載される組成物は、その要素からなる組成物も説明するものと理解されるべきである)。
本明細書において言及される本発明の様々な態様、実施形態、実施及び特徴が、別々に、又は任意の組合せで権利請求され得ることが理解されるべきである。
実験項
本発明は、後述される実施例によって例示される。実施例は、本発明の範囲を限定することは意図されていない。様々な変更及び実施形態は、以下の特許請求の範囲のみによって規定される、本発明の範囲及び趣旨から逸脱せずに行うことができる。
略語
「rt」は室温である。
「approx.」は約である。
「min」は分である。
「h」は時間である。
「g」はグラムである。
「L」はリットルである。
「mL」はミリリットルである。
「w/w」は重量/重量である。
「v/v」は体積/体積である。
「GC」はガスクロマトグラフィーである。
「ETAM」はエチレンジアミンである。
特に記載されない場合、中間体及び生成物の純度は、GC分析によって評価され、値が面積%で表される。
ガスクロマトグラフィー(GC)方法
GC方法1(2,2−ジメチルピペラジン及び中間体の分析)
カラム: Restek Rtx−5 Amine(長さ=30m;内径:0.53mm;ft.:3.0マイクロメートル)又は同等物
カラム温度:5分間にわたって等温で50℃
300℃まで20℃/分の温度勾配
8分間にわたって300℃で等温
実行時間: 25.5分間
注入温度: 250℃で分割モード
分割比: 5:1
ガスセーバー:オフ
ガスキャリア:ヘリウム(5.8mL/分)
検出器: FID
検出器の温度:300℃
検出器ガス: 空気(400mL/分)
(40mL/分)
メイクアップ:N(25mL/分)
注入量: 1マイクロリットル
GC方法2(tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレート及びそのヘミ−DL−タートレート塩の分析)
カラム: Restek Rtx−5 Amine(長さ=30m;内径:0.53mm;ft.:3.0マイクロメートル)又は同等物
カラム温度:50℃の初期温度
140℃まで10℃/分の温度勾配;
2分間にわたって140℃で等温
240℃まで10℃/分の温度勾配
2分間にわたって240℃で等温
300℃まで20℃/分の温度勾配
2分間にわたって300℃で等温
実行時間: 28分間
注入温度: 200℃で分割モード
分割比: 5:1
ガスキャリア:ヘリウム(8.0mL/分)
検出器: FID
検出器の温度:300℃
検出器ガス: 空気(400mL/分)
(40mL/分)
メイクアップ:N(25mL/分)
注入量: 1マイクロリットル
核磁気共鳴(NMR)
1H−NMRスペクトルを、Bruker Avance 300又は400において20℃で記録した。化学シフトを、残留重水素化溶媒ピークに対して報告した。以下の略語をNMRデータについて使用する:s、一重線;bs、幅広の一重線;d、二重線;t、三重線;m、多重線。
実施例1
出発材料としてイソブチルアルデヒドを用いた2,2−ジメチルピペラジンの調製
(工程1)反応器に、塩化スルフリル(900kg)を室温で充填した。イソブチルアルデヒド(471kg)を、温度を20℃〜25℃に維持しながら数時間にわたって加えた。反応混合物に、水(48L)を、温度を30℃〜40℃に維持しながら数時間にわたって加えた後、トルエン(483L)を加えた。反応混合物の純度が、三量体(2,4,6−トリス(2−クロロプロパン2−イル)−1,3,5−トリオキサン)及び2−クロロ−2−メチルプロパナールのポリマー形態の存在により、71%であった。反応混合物を50℃〜55℃に加熱し、約1時間にわたってこの温度に保った。層を分離させ、水層を排出した。硫酸(12L)を充填し、反応混合物を、約6時間にわたって加熱還流させた。ここで、反応混合物の純度は90%であった。反応混合物を50〜55℃に冷却し、水(48L)を加え、反応混合物を、約1時間にわたって50℃〜55℃に保った。層を分離させ、水層を排出した。2−クロロ−2−メチルプロパナールを含有するトルエン層を、室温に冷ました。
(工程2)第2の反応器に、エチレンジアミン(ethylendiamine)(1178kg)及びテトラヒドロフラン(1887L)を充填し、温度を60℃〜65℃に調整した。この混合物に、工程1において得られたトルエン中の2−クロロ−2−メチルプロパナールを、温度を60℃〜65℃に維持しながら数時間にわたって加えた。反応混合物を、さらに90分間にわたって60℃〜65℃に保ち、次に、20℃〜25℃に冷却した。層を分離させ、下側の層を排出した。有機層は、イミン中間体6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンを含有していた。
(工程3)6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンを含有する工程2の有機層を、圧力反応器中に移した。移送ラインをメタノール(481L)ですすぎ、有機層と組み合わせた。反応器に、10%のPd/C(42kg;50% w/wの水)を充填した。混合物を、水素の消費が停止するまで、40℃〜50℃及び3.5〜4バールで水素化した。温度を60〜65℃に上昇させ、水素化を約2時間にわたって続けた。イミンの、アミン2,2−ジメチルピペラジンへの転化を、インプロセス(in−process)分析によって調べ、残留イミンの量が3.5%であることが分かった。水素化を7時間にわたって続け、第2のインプロセス制御分析により、0.9%の残留イミンが存在することが分かった。反応混合物を20℃〜30℃に冷却し、水素及び触媒を除去した。移送ラインをメタノール(95L)ですすぎ、有機層と組み合わせた。混合物を、内部温度を徐々に120℃〜125℃まで上昇させながら、大気圧下での蒸留によって濃縮した。温度を70℃〜80℃に低下させた。残渣に、トルエン(471L)を加えた。混合物を、内部温度を徐々に115℃〜125℃まで上昇させながら、大気圧下での蒸留によって濃縮した。トルエン添加とそれに続く蒸留を、2回繰り返した。残渣を40〜50℃に冷却して、粗2,2−ジメチルピペラジン(純度:80%)を得た。固体生成物の結晶化を回避するために、メタノール(100L)を加え、溶液をさらに室温に冷ました。
(工程4)工程3において得られた粗2,2−ジメチルピペラジン(683kg)の溶液を、まず、大気圧下で、次に減圧下(0.015MPa)で濃縮して、溶媒(トルエン、メタノール)を除去し、生成物を、減圧下(0.0035〜0.0045MPa)で蒸留した。主要留分(沸点64℃〜68℃/0.0035〜0.0045MPa)を組み合わせて、精製された2,2−ジメチルピペラジンを得た(165kg、純度95%;この材料は、推定147kgの純粋な生成物を含有しており、これは、20%の、イソブチルアルデヒドからの全モル収率に相当する)。
実施例2
粗2,2−ジメチルピペラジンの蒸留
実施例1に記載されるように調製された粗2,2−ジメチルピペラジン(125g、推定69gの純粋な生成物を含有する)を、減圧下(0.001〜0.0015MPa)で蒸留した。主要留分(沸点35℃〜43℃/0.001〜0.0015MPa)は、精製された2,2−ジメチルピペラジン(44g、純度98%)をもたらした。
実施例3
2−クロロ−2−メチルプロパナールの調製(メタンスルホン酸による酸処理)
(工程1)反応器に、塩化スルフリル(190.9g)を充填し、18℃に冷却した。イソブチルアルデヒド(100g)を、温度を18℃〜28℃に維持しながら2時間にわたって加えた。反応混合物を30℃〜35℃に温め、水(10mL)を加えた後、トルエン(103mL)を加えた。混合物を50℃〜55℃に加熱し、層を分離させ、水層を排出した。トルエン溶液(230.9g)は、2−クロロ−2−メチルプロパナール(純度39%)を、三量体(2,4,6−トリス(2−クロロプロパン2−イル)−1,3,5−トリオキサン)及び2−クロロ−2−メチルプロパナールのポリマー形態と一緒に含有していた。
溶液の一部(57.7g)を、メタンスルホン酸(0.66g)と混合し、6時間にわたって加熱還流させた。反応混合物を50〜55℃に冷却し、水(2.5mL)を加え、反応混合物を、約30分間にわたって50℃〜55℃に保った。層を分離させ、水層を排出した。2−クロロ−2−メチルプロパナールを含有するトルエン層を、室温に冷まし、分析した。2−クロロ−2−メチルプロパナールの純度は、87%であった。
実施例4
出発材料としてイソブチルアルデヒドを用いた2−クロロ−2−メチルプロパナールの調製及び様々な塩素化剤の比較
2−クロロ−2−メチルプロパナールを、様々な塩素化剤の使用によりイソブチルアルデヒドから生成した。以下の塩素化剤を適用した:塩化スルフリル、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCDMI)及びN−クロロスクシンイミド(NCS)。得られた2−クロロ−2−メチルプロパノール(2−chloro−2−methylpropanol)の純度が、表1に列挙される。
Figure 2021520382
結果は、塩化スルフリルが、イソブチルアルデヒドを2−クロロ−2−メチルプロパノール(2−chloro−2−methylpropanol)に転化する際に最も高い純度を示すが、他の塩素化剤も使用され得ることを示す。
実施例5
固体2−クロロ−2−メチルプロパナール三量体(2,4,6−トリス(2−クロロプロパン2−イル)−1,3,5−トリオキサン)の調製
反応器に、塩化スルフリル(191g)を充填し、18℃に冷却した。イソブチルアルデヒド(100g)を、温度を18〜28℃に維持しながら2.7時間にわたって加えた。30分後、水(10mL)をゆっくりと加えた。混合物を20℃〜25℃で20分間撹拌した。層を分離させ、水層を排出して、2−クロロ−2−メチルプロパナール(156g)を得た。
一部(50g)を0℃〜5℃に冷却し、硫酸(1mL)を加えた。混合物である高密度懸濁液を、室温に温め、2−プロパノール(100mL)を加えた。混合物を55℃〜60℃に加熱し、水(50mL)をゆっくりと加えた。白色の懸濁液を室温に冷まし、一晩撹拌させておいた。懸濁液をろ過し、水(2回50mL)で洗浄し、45℃で、減圧下で乾燥させて、33.9gの2,4,6−トリス(2−クロロプロパン2−イル)−1,3,5−トリオキサンを得た(純度99%、イソブチルアルデヒドからの72%のモル収率)。
実施例6
三量体2,4,6−トリス(2−クロロプロパン2−イル)−1,3,5−トリオキサンからの2−クロロ−2−メチルプロパナールの調製(解重合)
実施例5に記載されるように得られた固体三量体2,4,6−トリス(2−クロロプロパン2−イル)−1,3,5−トリオキサンを、酸触媒及びトルエンの存在下で解重合させて、2−クロロ−2−メチルプロパナールを得た。様々な酸触媒(硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、モンモリロナイトK10(CAS番号:1318−93−0))を試験し、90%〜91%の2−クロロ−2−メチルプロパナールの典型的な純度で満足のいく結果であった。
2−クロロ−2−メチルプロパナールを、実施例1に記載されるような還元的アミノ化によって2,2−ジメチルピペラジンに変換した。
実施例7
精製された2,2−ジメチルピペラジンからの2,2−ジメチルピペラジン−DL−タートレートの調製
トルエン(6.9g)中の蒸留された2,2−ジメチルピペラジン(10g、0.088mol)の溶液を、2−プロパノール(100mL)と混合し、約55〜56℃に加熱した。固体DL−酒石酸(6.6g;0.044mol)を、温度を54〜57℃に維持しながら、少しずつ加えた。混合物を室温に冷まし、懸濁液を一晩撹拌した。生成物をろ過によって単離し、2−プロパノール(20mL)で洗浄し、50℃で、減圧下で乾燥させた。純粋な2,2−ジメチルピペラジン−DL−タートレート(1:1の塩)(10.5g、45%のモル収率)が白色の固体として得られた。1H−NMR(1滴のDOを含むDMSO−d6):δ(ppm)1.21(6H,s)、2.63(2H,s)、2.76−2.82(2H,m)、2.88−2.94(2H,m)、3.91(1H,s、酒石酸塩)。
2,2−ジメチルピペラジンのヘミ酒石酸塩を生成する目的で、酒石酸を投入したが、意外にもモノ酒石酸塩のみが形成された。
実施例8
粗2,2−ジメチルピペラジンからの2,2−ジメチルピペラジン−DL−タートレートの調製
トルエン中の粗2,2−ジメチルピペラジン(推定10gを含有する、0.088mol)の溶液(17.7g)を、2−プロパノール(100mL)と混合し、約55〜56℃に加熱した。固体DL−酒石酸(6.6g;0.044mol)を加えた。混合物を室温に冷まし、懸濁液を一晩撹拌した。生成物をろ過によって単離し、2−プロパノール(20mL)で洗浄し、50℃で、減圧下で乾燥させた。純粋な2,2−ジメチルピペラジンDL−タートレート(9.9g、43%のモル収率)が白色の固体として得られた。1H−NMRは、実験7のものと一致していた。
2,2−ジメチルピペラジンのヘミ酒石酸塩を生成する目的で、酒石酸を投入したが、意外にもモノ酒石酸塩のみが形成された。
実施例9
精製された2,2−ジメチルピペラジンからの2,2−ジメチルピペラジンDL−タートレートの調製
蒸留された2,2−ジメチルピペラジン(10g、0.088mol)を、2−プロパノール(100mL)と混合し、約56℃〜57℃に加熱した。固体DL−酒石酸(13.1g;0.087mol)を加えた。混合物を、1時間にわたって56℃〜57℃に保ち、次に、室温に冷ました。懸濁液を一晩撹拌した。生成物をろ過によって単離し、2−プロパノール(20mL)で洗浄し、50℃で、減圧下で乾燥させた。純粋な2,2−ジメチルピペラジンDL−タートレート(18.5g、80%のモル収率)が白色の固体として得られた。1H−NMRは、実験7のものと一致していた。
実施例10
2,2−ジメチルピペラジン塩の調製
実施例7〜9に記載されるようなDL−タートレートの調製と同様に、3つの他の塩:コハク酸塩、シュウ酸塩及びフマル酸塩を調製した(全て1:1の塩)。1H NMRデータが、以下に示される:
2,2−ジメチルピペラジンスクシネート(1:1の塩)、1H−NMR(DMSO−d6):δ(ppm)1.20(6H,s)、2.27(4H,s、コハク酸塩)、2.61(2H,s)、2.73−2.79(2H,m)、2.85−2.91(2H,m)。
2,2−ジメチルピペラジンオキサレート(1:1の塩)、1H−NMR(DO):δ(ppm)1.48(6H,s)、3.32(2H,s)、3.39−3.45(2H,m)、3.49−3.54(2H,m)。
2,2−ジメチルピペラジンフマレート(1:1の塩)、1H−NMR(DO):δ(ppm)1.49(6H,s)、3.35(2H,s)、3.41−3.47(2H,m)、3.51−3.57(2H,m)、6.55(2H,s、フマル酸塩)。
実施例11
tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレートの調製
2,2−ジメチルピペラジン(17.8gの純物質を含有する20g、0.156mol)を変性エタノール(40mL)に溶解させ、溶液を約50℃に加熱した。二炭酸ジ−tert−ブチル(38.2g、0.175mol)を、変性エタノール(68mL)に溶解させた。二炭酸ジ−tertブチルの溶液を、1時間の期間にわたって2,2−ジメチルピペラジンの溶液に加えた。変性エタノール(12mL)を加え、溶液を20℃に冷却した。溶液を、変性エタノール(80mL)中のDL−酒石酸(13.1g、0.0876mol)の懸濁液に移し、53℃に温めた。変性エタノール(10mL)を加え、反応混合物を、30分間にわたって加熱還流させた。混合物を、ゆっくりと12℃に冷却した。沈殿物をろ過して取り出し、変性エタノール(60mL)で洗浄した。固体を、50℃で、真空オーブン中で乾燥させて、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレート(39.7g、モル収率88%)を、GC分析による99.9%の純度で得た。
実施例12
tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレートの調製
反応器中で、2,2−ジメチルピペラジン(84.2kgの純物質を含有する91kg、737mol)を変性エタノール(354L)に溶解させ、溶液を約50℃に加熱した。別個に、二炭酸ジ−tert−ブチル(180kg、826mol)を、変性エタノール(190L)に溶解させた。二炭酸ジ−tertブチルの溶液を、3時間の期間にわたって2,2−ジメチルピペラジンの溶液に加えた。変性エタノール(63L)を加え、溶液を、さらに2時間にわたって50℃に保った。次に、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートを含有する溶液を、20℃に冷却した。
第2の反応器に、DL−酒石酸(60kg、400mol)、変性エタノール(633L)及び水(18L)を充填した。混合物を加熱還流させて、溶液を得た。温度を72℃〜75℃に低下させ、溶液をフィルタカートリッジに通してブランクろ過した(blank filter)。温度を45℃に維持しながら、溶媒(240kg)を減圧下で留去した。次に、温度を20℃〜30℃に低下させて、変性エタノール中の酒石酸の懸濁液を得た。
tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートを含有する溶液をブランクろ過し、変性エタノール中の酒石酸の懸濁液と組み合わせた。変性エタノール(50L)を加え、混合物を約70℃に加熱した。30分後、懸濁液を、ゆっくりと12℃に冷却した。沈殿物をろ過して取り出し、変性エタノール(3回95L)で洗浄した。固体を、50℃で、減圧下で乾燥させて、GC分析による100%の純度で、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレート(187kg、モル収率88%)を得た。

Claims (21)

  1. 2,2−ジメチルピペラジンの調製のための方法であって、以下の工程:
    a)イソブチルアルデヒドが、塩素化剤と反応されて、2−クロロ−2−メチルプロパナールが形成される工程と、
    b)上の工程a)において得られた2−クロロ−2−メチルプロパナールが、室温と還流温度との間の温度で、有機溶媒中でエチレンジアミンと反応されて、6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンが形成される工程と、
    c)工程b)において得られた6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンが、C〜Cアルコールで希釈され、接触水素化に供されて、2,2−ジメチルピペラジンが形成される工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 工程a)の後、前記得られた2−クロロ−2−メチルプロパナールが、エチレンジアミンと反応される前に、有機溶媒による希釈、触媒量の酸性触媒の添加及び90℃超までの溶液の加熱が続いて、2−クロロ−2−メチルプロパナールの形成された三量体及びポリマー形態が、モノマー2−クロロ−2−メチルプロパナールに変換されてから、前記得られた2−クロロ−2−メチルプロパナールが、エチレンジアミンと反応される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機溶媒が、独立して、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びトルエン、及び前記有機溶媒の混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記C〜Cアルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノール、及び前記アルコールの2つ以上の混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記塩素化剤が、塩素(ガス)、塩化スルフリル、トリクロロイソシアヌル酸(TCCA)、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン(DCDMI)及びN−クロロスクシンイミド(NCS)からなる群から選択される、請求項1の工程a)に記載の方法。
  6. 前記酸性触媒が、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びモンモリロナイトK10(CAS番号:1318−93−0)からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  7. 水が、前記塩素化剤をクエンチするために加えられ、その後、前記水が、請求項1の工程b)を進める前に除去される、請求項1の工程a)に記載の方法。
  8. 6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンを含む有機層及び水が、分離されて、下側の水性層が排出される、請求項1の工程b)に記載の方法。
  9. 接触水素化が、Pd/C触媒の存在下で行われる、請求項1の工程c)に記載の方法。
  10. 2,2−ジメチルピペラジンの調製のための方法であって、以下の工程:
    a)2,4,6−トリス(2−クロロプロパン−2−イル)−1,3,5−トリオキサンが、酸性触媒の存在下で、有機溶媒中で90℃を超える温度に加熱されて、2−クロロ−2−メチルプロパナールが得られる工程と、
    b)上の工程a)において得られた2−クロロ−2−メチルプロパナールが、室温と還流温度との間の温度で、有機溶媒中でエチレンジアミンと反応されて、6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンが形成される工程と、
    c)工程b)において得られた6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンが、C〜Cアルコールで希釈され、接触水素化に供されて、2,2−ジメチルピペラジンが形成される工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  11. 前記有機溶媒が、独立して、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン及びトルエン、及び前記有機溶媒の混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及び前記アルコールの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  13. 前記酸性触媒が、硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、及びモンモリロナイトK10(CAS番号:1318−93−0)からなる群から選択される、請求項10の工程a)に記載の方法。
  14. 6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンを含む有機層が、室温で分離され、下側の水性層が排出される、請求項10の工程b)に記載の方法。
  15. 接触水素化が、Pd/C触媒の存在下で行われる、請求項10の工程c)に記載の方法。
  16. 6,6−ジメチル−1,2,3,6−テトラヒドロピラジンを含む混合物が、40℃〜80℃の温度及び0.2MPa〜0.8MPaの圧力で水素化される、請求項1、9、10及び15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記形成された2,2−ジメチルピペラジンが蒸留される、請求項1又は10に記載の方法。
  18. 2,2−ジメチルピペラジンが、好適な酸と混合されて、2,2−ジメチルピペラジン塩が得られる、請求項1、10及び17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記2,2−ジメチルピペラジン塩が、酒石酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、塩酸塩、シュウ酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、p−トルエン硫酸塩及びマレイン酸塩からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記形成された2,2−ジメチルピペラジンが、酒石酸を含むアルコール中で、二炭酸ジ−tert−ブチルと反応されて、tert−ブチル−3,3−ジメチルピペラジン−1−カルボキシレートヘミ−DL−タートレートが得られる、請求項1又は10に記載の方法。
  21. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及び前記アルコールの2つ以上の混合物からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
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